(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150268
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】金銭処理装置、及び販売データ処理装置
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20241016BHJP
G07D 11/14 20190101ALI20241016BHJP
G07D 9/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G07G1/00 301G
G07D11/14
G07D9/00 481Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063604
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 收
【テーマコード(参考)】
3E141
3E142
【Fターム(参考)】
3E141AA08
3E141FA10
3E141GA10
3E141GB03
3E141LA01
3E142BA20
(57)【要約】
【課題】投入口から異物が入り込んでしまうことを抑制することができる金銭処理装置、及び販売データ処理装置を提供する。
【解決手段】金銭処理装置は、筐体と、投入口と、カバーと、を備える。前記投入口は、前記筐体の上面に設けられた開口から硬貨の投入を受け付ける。前記カバーは、前記投入口の上方を覆う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の上面に設けられた開口から硬貨の投入を受け付ける投入口と、
前記投入口の上方を覆うカバーと、
を備える金銭処理装置。
【請求項2】
前記カバーは、前記上面と連結する連結部を有する、
請求項1に記載の金銭処理装置。
【請求項3】
前記筐体は、前記投入口と隣接する位置に、金銭が載置される金銭載置部を更に備え、
前記カバーは、前記金銭載置部と、前記投入口との間は壁が形成されない、
請求項1に記載の金銭処理装置。
【請求項4】
前記カバーは、
前記金銭処理装置の側面と略平行な第1壁と、
前記投入口を挟んで前記第1壁の反対側に配置され、前記第1壁と対向する第2壁と、
前記金銭処理装置の背面と略平行な第3壁と、
前記第1壁と前記第2壁と前記第3壁とに支持された天板とを備える、
請求項1に記載の金銭処理装置。
【請求項5】
前記カバーは、可視光を透過する、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の金銭処理装置。
【請求項6】
筐体と、
前記筐体に載置され、当該筐体の上方の空間をスキャン領域に含むスキャナと、
前記筐体の上面に設けられた開口から硬貨の投入を受け付ける投入口と、
前記投入口の上方を覆うカバーと、
を備える販売データ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、金銭処理装置、及び販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗における買い物の会計に金銭処理装置が用いられる。金銭処理装置は、投入口から硬貨などの金銭の投入を受け付ける。
【0003】
しかしながら、投入口は、金銭の投入しやすくするために上方に向けられているため、水滴やゴミや埃などの異物が投入口から入り込んでしまう。そして、金銭処理装置は、異物が入り込むと故障してしまう場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、投入口から異物が入り込んでしまうことを抑制することができる金銭処理装置、及び販売データ処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の金銭処理装置は、筐体と、投入口と、カバーと、を備える。前記投入口は、前記筐体の上面に設けられた開口から硬貨の投入を受け付ける。前記カバーは、前記投入口の上方を覆う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るセルフPOS端末の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るカバーの斜視図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係るカバーの上面図である。
【
図4】
図4は、第2の実施形態に係る自動釣銭機の一例を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、第2の実施形態に係るカバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、金銭処理装置、及び販売データ処理装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、金銭処理装置、及び販売データ処理装置の一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るセルフPOS端末1の一例を示す斜視図である。セルフPOS端末1は、商品を登録する商品登録処理と、商品登録処理により登録された商品の会計処理とを顧客の操作に実行する販売データ処理装置である。また、セルフPOS端末1は、金銭処理装置の一例である。
【0009】
本実施形態において、表示部60の横幅方向をZ軸方向とし、床面に対して垂直な方向をY軸方向として、Z軸方向及びY軸方向と直行する方向をX軸方向とする。また、操作者は、表示部60の表示面61と対向する位置において、セルフPOS端末1を操作する。操作者から見た面をセルフPOS端末1の正面とする。また、正面の反対側を背面とする。
【0010】
セルフPOS端末1は、略立方体に形成された筐体10を備える。筐体10は、内部に自動釣銭機(不図示)を有する。
【0011】
また、筐体10は、硬貨投入口30と隣接する位置に、金銭が載置される金銭載置部20を備える。金銭載置部20は、上面11の正面側に配置される。金銭載置部20は、硬貨などの金銭が載置される平面な領域である。また、金銭載置部20は、上面11において他の領域よりも窪んでいる。このように窪ませることにより、金銭載置部20は、金銭を留めることができる。
【0012】
硬貨投入口30は、筐体10の上面11に設けられた開口から硬貨の投入を受け付ける投入口である。
【0013】
また、金銭載置部20と硬貨投入口30との間は、凹凸がない平面となっている。これにより、操作者は、金銭載置部20に載置した硬貨を指などにより滑らせて硬貨投入口30に投入することができる。
【0014】
また、硬貨投入口30は、カバー70に覆われている。カバー70は、硬貨投入口30の上方を覆う。カバー70は、可視光を透過する透明な部材により形成される。これによりカバー70に視線が妨げられないため、操作者は、硬貨投入口30を視認することができる。
【0015】
また、カバー70は、底辺に連結部(不図示)を有する。連結部は、カバー70と、筐体10の上面11とを連結させる。これにより、カバー70は、任意のタイミングで着脱可能となっている。
【0016】
また、筐体10の上面11には、プリンタ40が載置される。例えば、プリンタ40は、セルフPOS端末1により実行された会計処理の内容が印字されたレシートなどを印字する。プリンタ40は、正面に形成された排出口41からレシートを排出する。
【0017】
また、プリンタ40には、スキャナ50が載置される。すなわち、スキャナ50は、筐体10に載置され、筐体10の上方の空間をスキャン領域に含む。さらに詳しくは、スキャナ50は、正面に読取窓51を備える。読取窓51は、略透明な板である。スキャナ50は、読取窓51の前方に商品のバーコードなどのコードシンボルがかざされた場合に、読取窓51を介してコードシンボルを読み取る。言い換えると、スキャナ50は、読取窓51の前方のスキャン領域であって筐体10の上方のスキャン領域において、読取窓51にコードシンボルが向けられた場合に、コードシンボルを読み取る。これにより、スキャナ50は、商品を識別するための商品コードを読み取る。
【0018】
また、スキャナ50には、表示部60が載置される。表示部60は、液晶表示装置や有機EL(Electro-Luminescence)表示装置などの表示装置である。表示部60の表示面61は、正面に向けられる。
【0019】
このような構成において、操作者は、セルフPOS端末1の正面に立ち、セルフPOS端末1を操作する。さらに詳しくは、操作者は、セルフPOS端末1の側方に載置した商品のコードシンボルを、読取窓51にかざすことで商品を登録する。そして、操作者は、セルフPOS端末1の側方に載置した買い物袋などに登録した商品を入れる。
【0020】
読取窓51に商品をかざす際に、商品に付着した水滴やゴミなどの異物が落ちることがある。その時、異物は、硬貨投入口30に入り込んでしまう場合がある。また、硬貨投入口30には、水滴やゴミなどに限らず、埃が入り込んでしまう場合がある。そして、自動釣銭機は、硬貨投入口30から水滴やゴミや埃などの異物が入り込んでしまうと、ギヤやベルトなどに挟まり故障してしまうことがある。
【0021】
しかしながら、カバー70は、硬貨投入口30が有する開口を覆うように形成されているため、硬貨投入口30から内部に水滴やゴミが入ってしまうことを抑制することができる。
【0022】
次に、カバー70について詳細に説明する。
図2は、第1の実施形態に係るカバー70の斜視図である。
図3は、第1の実施形態に係るカバー70の上面図である。
【0023】
筐体10は、カバー70の前方に誘導灯12を有する。誘導灯12は、硬貨投入口30に硬貨の投入を誘導する場合に点灯する。
【0024】
硬貨投入口30は、開口部31と、傾斜部32とを有する。開口部31は、上方に向けられた開口である。傾斜部32は、漏斗状に形成される。そして、傾斜部32は、金銭を開口部31まで誘導する。例えば、操作者は、金銭載置部20を滑らせることで、硬貨を傾斜部32まで移動させる。そして、傾斜部32は、開口部31へ硬貨を誘導する。
【0025】
カバー70は、側面部71、背面部72、及び天板部73を備える。側面部71は、金銭載置部20が形成されていない側に形成された壁である。背面部72は、カバー70の背面側に形成された壁である。天板部73は、側面部71及び背面部72に支持されたカバー70の上面である。
【0026】
側面部71、及び背面部72は、上方に向かうに従い、カバー70の中心へと向かう傾斜が設けられる。さらに、天板部73は、硬貨投入口30よりも小さく形成されている。このように、カバー70は、上方に向かうに従い縮む形状のため、筐体10の上面11において操作者の動作を妨げないようになっている。なお、側面部71、及び背面部72は、傾斜を有さず、垂直に形成されていてもよい。
【0027】
また、カバー70は、金銭載置部20が形成されている側には形成されていない。すなわち、カバー70は、金銭載置部20と、硬貨投入口30との間は壁が形成されない。これにより、カバー70は、金銭載置部20を滑らせて、硬貨投入口30に硬貨を投入する動作を妨げないようにしている。同様に、カバー70は、正面側には形成されていない。これにより、カバー70は、正面側から硬貨を投入する動作を妨げないようにしている。
【0028】
以上のように、第1の実施形態に係るセルフPOS端末1は、筐体10の上面11に、上方に向けられた硬貨投入口30を備える。そして、セルフPOS端末1は、硬貨投入口30の上方を覆うカバー70を備える。したがって、セルフPOS端末1は、硬貨投入口30から異物が入り込んでしまうことを抑制することができる。
【0029】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る自動釣銭機1aの一例を示す斜視図である。
図4に示すように、カバー70aは、店員により操作されるPOS端末に接続される自動釣銭機1aに取り付けられてもよい。自動釣銭機1aは、顧客から受領した金銭の投入の受け付け、及び投入された金銭に対する釣銭の排出を実行する装置である。自動釣銭機1aは、金銭処理装置の一例である。
【0030】
図5は、第2の実施形態に係るカバー70aの斜視図である。自動釣銭機1aは、筐体10aの上面11aに、硬貨などの金銭の投入を受け付ける硬貨投入口30aを有する。また、硬貨投入口30aは、上方に向けられた開口である。
【0031】
自動釣銭機1aは、筐体10aに覆われている。また、自動釣銭機1aは、カバー70aの前方に誘導灯12aを有する。自動釣銭機1aは、硬貨投入口30aに硬貨の投入を誘導する場合に点灯する。
【0032】
自動釣銭機1aは、硬貨投入口30aの底面に搬送ベルト33を備える。自動釣銭機1aは、硬貨投入口30aに金銭が投入された場合に、搬送ベルト33に金銭を搬送させる。
【0033】
カバー70aは、第1側面部74、第2側面部71a、背面部72a、及び天板部73aを備える。第1側面部74は、自動釣銭機1aの側面と略平行な壁である。第2側面部71aは、硬貨投入口30aを挟んで第1側面部74の反対側に配置され、第1側面部74と対向する壁である。背面部72aは、自動釣銭機1aの背面と略平行な壁である。天板部73aは、第1側面部74と第2側面部71aと背面部72aとに支持された天板である。
【0034】
また、カバー70aは、底辺に連結部(不図示)を有する。連結部は、カバー70aと、筐体10aの上面11aとを連結させる。これにより、カバー70aは、任意のタイミングで着脱可能となっている。
【0035】
また、天板部73aは、第1側面部74と自動釣銭機1aとが接触している正面側の端、及び第2側面部71aと自動釣銭機1aとが接触している正面側の端よりも、正面側に迫り出している。言い換えると、第1側面部74と第2側面部71aとのそれぞれの正面側の端は、天板部73aの正面側の端よりも背面側に配置される。これにより、カバー70aは、操作者が硬貨投入口30aに硬貨を投入する操作を妨げることなく、硬貨投入口30aに異物が入ってしまうことを抑制することができる。
【0036】
以上のように、第2の実施形態に係る自動釣銭機1aは、上方に向けられた硬貨投入口30aを備える。したがって、自動釣銭機1aは、硬貨投入口30aから異物が入り込んでしまうことを抑制することができる。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0038】
1 セルフPOS端末
1a 自動釣銭機
10、10a 筐体
11、11a 上面
12、12a 誘導灯
20 金銭載置部
30、30a 硬貨投入口
31 開口部
32 傾斜部
33 搬送ベルト
40 プリンタ
41 排出口
50 スキャナ
51 読取窓
60 表示部
61 表示面
70、70a カバー
71 側面部
71a 第2側面部
72、72a 背面部
73、73a 天板部
74 第1側面部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0039】