(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150378
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】品質管理方法
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6869 20180101AFI20241016BHJP
C12Q 1/02 20060101ALI20241016BHJP
C12Q 1/6876 20180101ALI20241016BHJP
C12Q 1/686 20180101ALI20241016BHJP
C12N 15/09 20060101ALN20241016BHJP
C12M 1/34 20060101ALN20241016BHJP
【FI】
C12Q1/6869 Z
C12Q1/02
C12Q1/6876
C12Q1/686 Z
C12N15/09 100
C12M1/34 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023071873
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】516279260
【氏名又は名称】株式会社日本バイオデータ
(72)【発明者】
【氏名】緒方 法親
(72)【発明者】
【氏名】松田 朋子
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA27
4B029BB11
4B029FA04
4B029FA15
4B063QA05
4B063QA13
4B063QA18
4B063QQ02
4B063QQ08
4B063QQ42
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS36
4B063QS39
(57)【要約】 (修正有)
【課題】医薬品の品質をより精度よく測定できるデータ処理方法を提供する.
【解決手段】細胞の不均一性を調査する方法のうち,特にゲノム編集を含む製造プロセスにおいて,簡易で正確さにかける不均一性測定方法と,複雑で正確な不均一性測定方法のそれぞれで実施して,それらのデータ間の再現性を求めることで医薬品の品質管理の精度と経済合理性をバランスさせることができる.
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬品の不均一性を測定するための方法であって,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNA溶液と,トランスフェクションしたゲノム編集用ベクターが標的とする領域を含むゲノム上の領域をPCR反応によって増幅させるように設計されたPCR用のプライマーとなる100塩基より短いDNAの溶液を混合する工程を含むトランスフェクションの効率とゲノム編集によって生じた欠失長を測定する方法と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNAもしくはRNAを全ゲノムシークエンスもしくは全エクソームシークエンスもしくは全トランスクリプトームシークエンスする工程を含むゲノム編集によって生じた欠失長を測定する方法と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,シングルセルトランスクリプトームシークエンスする工程を含むトランスフェクションの効率を測定する方法と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNA溶液と,トランスフェクションしたゲノム編集用ベクターが標的とする領域を含むゲノム上の領域をPCR反応によって増幅させるように設計されたPCR用のプライマーとなる100塩基より短いDNAの溶液を混合する工程により測定したゲノム編集によって生じた欠失長と,ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNAもしくはRNAを全ゲノムシークエンスもしくは全エクソームシークエンスもしくは全トランスクリプトームシークエンスする工程により測定したゲノム編集によって生じた欠失長を比較する方法と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNA溶液と,トランスフェクションしたゲノム編集用ベクターが標的とする領域を含むゲノム上の領域をPCR反応によって増幅させるように設計されたPCR用のプライマーとなる100塩基より短いDNAの溶液を混合する工程により測定したトランスフェクションの効率と,ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,シングルセルトランスクリプトームシークエンスする工程によって測定したトランスフェクションの効率を比較する方法を
不足なく含む方法.
【請求項2】
医薬品の品質を分析するためのシステム(1)であって,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNA溶液と,トランスフェクションしたゲノム編集用ベクターが標的とする領域を含むゲノム上の領域をPCR反応によって増幅させるように設計されたPCR用のプライマーとなる100塩基より短いDNAの溶液を混合する工程により測定したトランスフェクション効率の入力部(3)と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNA溶液と,トランスフェクションしたゲノム編集用ベクターが標的とする領域を含むゲノム上の領域をPCR反応によって増幅させるように設計されたPCR用のプライマーとなる100塩基より短いDNAの溶液を混合する工程により測定したトランスフェクション効率の記憶部(5)と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,シングルセルトランスクリプトームシークエンスする工程を含む方法によって得られた,トランスフェクション効率の入力部(7)と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,シングルセルトランスクリプトームシークエンスする工程を含む方法によって得られた,トランスフェクション効率の記憶部(9)と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNA溶液と,トランスフェクションしたゲノム編集用ベクターが標的とする領域を含むゲノム上の領域をPCR反応によって増幅させるように設計されたPCR用のプライマーとなる100塩基より短いDNAの溶液を混合する工程により測定したゲノム編集による欠失長の入力部(13)と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNA溶液と,トランスフェクションしたゲノム編集用ベクターが標的とする領域を含むゲノム上の領域をPCR反応によって増幅させるように設計されたPCR用のプライマーとなる100塩基より短いDNAの溶液を混合する工程により測定したゲノム編集による欠失長の記憶部(15)と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングしたのちに全ゲノムシークエンスもしくは全エクソームシークエンスもしくは全トランスクリプトームシークエンスすることによって得られた,ゲノム編集による欠失長の入力部(17)と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングしたのちに全ゲノムシークエンスもしくは全エクソームシークエンスもしくは全トランスクリプトームシークエンスすることによって得られた,ゲノム編集による欠失長の記憶部(19)と,を有し,
前記効率記憶部(5)と前記効率記憶部(9)の値を比較する効率比較部(11)と,
前記欠失長記憶部(15)と前記欠失長記憶部(19)の値を比較する欠失長比較部(21)を有する,
プログラム.
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムであって,
前記効率比較部(11)と前記欠失長比較部(21)の結果を統合し最終的にリーズナブルな手法を提案する総合判断部(23)を有する,
プログラム.
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって,シングルセルトランスクリプトームシークエンスの代わりにフローサイトメーターを用いることでトランスフェクション効率の値を得る方法.
【請求項5】
請求項2と請求項3に記載のプログラムであって,シングルセルトランスクリプトームシークエンスの代わりにフローサイトメーターを用いることでトランスフェクション効率の値を入力できるプログラム.
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,遺伝子治療や細胞治療のモダリティーである細胞やウイルスベクターのデータの取り扱いに関連し,データの取得および記録を利用するものである.より詳しく説明すると,本発明は,細胞やウイルスベクターから取得したデータを効果的に比較・分類するための電子データの加工方法に関する.
【背景技術】
【0002】
CRISPR-Cas3 induces broad and unidirectional genome editing in human cellsには, CRISPR-Cas3を用いてヒト細胞のゲノム編集を実施した事例が開示されている.細胞にゲノム編集を行うことにより不均一なゲノム配列を持った細胞集団が得られる.
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】論文名:CRISPR-Cas3 induces broad and unidirectional genome editing in human cells 刊行物名:Nature Communications 発行年月日:令和1年10月6日 発行社名:Springer Nature Limited URL:https://www.nature.com/articles/s41467-019-13226-x
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲノム編集を用いた遺伝子治療では,患者の細胞を取得して治療に利用する.一般に生物個体を構成する細胞は個性をもった不均一な集団である.この不均一な細胞に,ウイルスベクター等の遺伝子導入を行なうが,ウイルスベクター等の遺伝子導入手段の単体もまた不均一性を有する.従って,ゲノム編集を用いた遺伝子治療は,不均一な細胞に不均一な処理を行なって不均一な細胞を得る工程を含む.治療や治験用の製剤の不均一性の管理が求められてきた.
【課題を解決するための手段】
【0005】
最初の発明は,細胞の不均一性を調査する方法のうち,特にゲノム編集を含む製造プロセスにおいて,簡易で正確さにかける不均一性測定方法と,複雑で正確な不均一性測定方法のそれぞれで実施した場合に,それらのデータ間の再現性を突き止め,そしてその再現性を利用するためのデータの取り扱いにおいて用いる,比較の方法を見出したことに基づくものである.
【0006】
本発明の好ましい態様は,
簡易で正確さにかける不均一性測定方法は,ゲノム編集処理を行なった後の細胞集団について,セルソーターを用いて細胞を一つずつ分取し,それらを増殖させて作出したクローン集団由来のDNAについて.分析を行う方法であって,ゲノム編集の効果が発現すると想定されるゲノム上の領域の両側にPCR用のプライマーを設計し,それらのプライマーを用いたPCRを行なって増幅されるPCR産物の塩基長を電気泳動等によって調査するか,またはPCR産物の塩基配列を解読することで実施できる.簡易で正確さにかける不均一性測定方法では,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合を知ることと,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によってゲノム配列がどのように変更されたかを知ることができる.ゲノム編集によって変更されるゲノム配列の変更の例は,塩基配列の欠失,置換,挿入である.
【0007】
複雑で正確な不均一性測定方法は,ゲノム編集処理を行なった後の細胞集団について,セルソーターを用いて細胞を一つずつ分取し,もしくは微小流路によって細胞を一つずつ分取し,それらからDNAもしくはRNAを抽出してシングルセルの核酸シークエンス解析を実施する.全ゲノムシークエンス,全エクソームシークエンスもしくは全トランスクリプトームシークエンスのデータから,ゲノム編集の効果が発現すると想定されるゲノム上の領域の塩基配列を分析することで実施できる.塩基配列の分析にはリードのマッピングやアセンブルを含む.ここに示した複雑で正確な不均一性測定方法は,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合を知ることができる.
【0008】
複雑で正確な不均一性測定方法は,ゲノム編集処理を行なった後の細胞集団について,セルソーターを用いて細胞を一つずつ分取し,それらを増殖させて作出したクローン集団由来のDNAについて.分析を行う方法であって,全ゲノムシークエンス,全エクソームシークエンスもしくは全トランスクリプトームシークエンスを行う方法である.全ゲノムシークエンス,全エクソームシークエンスもしくは全トランスクリプトームシークエンスのデータから,ゲノム編集の効果が発現すると想定されるゲノム上の領域の塩基配列を分析することで実施できる.塩基配列の分析にはリードのマッピングやアセンブルを含む.複雑で正確な不均一性測定方法では,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞について,ゲノム編集によってゲノム配列がどのように変更されたかを知ることができる.ゲノム編集によって変更されるゲノム配列の変更の例は,塩基配列の欠失,置換,挿入である.
【0009】
簡易で正確さにかける不均一性分析結果と,複雑で正確な不均一性分析結果とを用いて,簡易で正確さにかける不均一製分析方法が信頼できるか否か分析する.分析の第一の観点は,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合である.簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値とを比較する.
【0010】
簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値がひとつであり,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値もひとつである場合にも比較分析は可能であるが,より望ましい様態においては,ある細胞集団についてゲノム編集処理を行い,簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値を取得し,さらにまた異なる細胞集団についてゲノム編集処理を行い,簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値を取得し,これを繰り返して簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値が複数であり,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値も複数である場合である.
【0011】
この望ましい様態においては簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の複数の値と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の複数の値の比較によって相関係数を求めることができる.
【0012】
簡易で正確さにかける不均一性分析結果と,複雑で正確な不均一性分析結果とを用いて,簡易で正確さにかける不均一製分析方法が信頼できるか否か分析する.分析の第二の観点は,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞のゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容である.ゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容の例は,塩基配列の欠失,置換,挿入である.
【0013】
簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容を比較する.
【0014】
簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容がひとつであり,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容もひとつである場合にも比較分析は可能であるが,より望ましい様態においては,ある細胞集団についてゲノム編集処理を行い,簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容を取得し,さらにまた異なる細胞集団ついてゲノム編集処理を行い,簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容を取得し,これを繰り返して簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容が複数であり,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容も複数である場合である.
【0015】
この望ましい様態においては簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容の比較によって相関係数を求めることができる.相関係数を求めるために用いるゲノム配列変更の内容の例は塩基配列の欠失の長さであり,置換の個数であり,挿入の長さである
【0016】
次の発明は,簡易で正確さにかける不均一性分析結果と,複雑で正確な不均一性分析結果とを用いて,簡易で正確さにかける不均一製分析方法が信頼できるか否か分析するためのシステム1に関する.
図1は,分析システムの構成例を示すブロック図である.
図1に示されるように,このシステム1は,簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値の入力部3と,簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値の記憶部5と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値の入力部7と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値の記憶部9を有する.
【0017】
さらにこのシステムは,簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値の比較結果を出力する比較部11を含んでもよい.
【0018】
図1は,分析システムの構成例を示すブロック図である.
図1に示されるように,このシステム1は,簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容の入力部13と,簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容の記憶部15と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容の入力部17と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容の記憶部19を有する.
【0019】
さらにこのシステムは,簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容の比較結果を出力する比較部21を含んでもよい.
【0020】
さらにこのシステムは,簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値の比較結果と,簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容の比較結果を統合して,製品の不均一性を評価する手段について決定を行うかもしくは決定を支援するための値を出力する総合判断部23を含んでもよい.
【0021】
簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値の入力部3は,分析の結果が入力されるための要素である.
簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値の記憶部5は,分析の結果を記憶するための要素である.
複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値の入力部7は,分析の結果が入力されるための要素である.
複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値の記憶部9は,分析の結果を記憶するための要素である.
簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容の入力部13は,分析の結果が入力されるための要素である.
簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容の記憶部15は,分析の結果を記憶するための要素である.
複雑で正確な不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容の入力部17は,分析の結果が入力されるための要素である.
複雑で正確な不均一性分析によって得られた,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によって起こったゲノム配列変更の内容の記憶部19は,分析の結果を記憶するための要素である.
【0022】
また,この明細書は,コンピュータを,上記したシステム1として機能させるためのプログラムや,そのプログラムを記憶した非一時的情報記録媒体をも提供する.
【発明の効果】
【0023】
本発明の分析方法は,複数の分析の組み合わせによって医薬品の不均一性を分析する方法の選択方法を提供する.このため,本発明は,医薬品の不均一性を分析する費用対効果高を改善できる.
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】分析システムの構成例を示すブロック図である.
【実施例0025】
細胞にゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした.
【0026】
セルソーターを用いてゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,あらかじめ全ての穴に細胞培養用の培地が入っている96穴プレートに撒いた.これにより,96穴プレートのひとつの穴にひとつのゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞が入った.
【0027】
96穴プレート内の細胞をインキュベーター内にて培養し,増殖させたのちDNAを抽出して,先にトランスフェクションしたゲノム編集用ベクターの標的である細胞のゲノム領域について欠損の発生する部分を含むPCR反応が可能なプライマーを用いてPCR反応を行なった.PCR反応物を電気泳動にかけることによって,PCR反応物の塩基長を測定した.また,その分布からトランスフェクション効率を測定した.
【0028】
セルソーターを用いてゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした1000個の細胞についてシングルセルトランスクリプトームシークエンスを行なってシークエンスデータを得た.シークエンスデータをリファレンスデータにマップし,先にトランスフェクションしたゲノム編集用ベクターの標的である細胞のゲノム領域について欠損の発生する部分を解析して欠損長と分布を測定した.
【0029】
セルソーターを用いてゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,あらかじめ全ての穴に細胞培養用の培地が入っている96穴プレートに撒いた.これにより,96穴プレートのひとつの穴にひとつのゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞が入った.
【0030】
96穴プレート内の細胞をインキュベーター内にて培養し,増殖させたのちDNAを抽出して,全ゲノムシークエンスを行なった.シークエンスデータをリファレンスデータにマップし,先にトランスフェクションしたゲノム編集用ベクターの標的である細胞のゲノム領域について欠損の発生する部分を解析して欠損長と分布を測定した.
【0031】
簡易で正確さにかける不均一性分析方法であるPCR法で測定した細胞DNAの標的領域の欠損長の分布のデータと,複雑で正確な不均一性分析方法であるシングルセルトランスクリプトームシークエンスを行なって得た細胞DNAの標的領域の欠損長の分布のデータと,複雑で正確な不均一性分析方法である全ゲノムシークエンスを行なって得た細胞DNAの標的領域の欠損長の分布のデータとを比較し,簡易で正確さにかける不均一性分析方法であるPCR法で測定した細胞DNAの標的領域の欠損長の分布のデータが信頼できると判断した.
【0032】
PCR法で測定することによって細胞DNAの標的領域の欠損長の分布を把握し,医薬品の品質管理を行なった.