(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150401
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】自動化された飛行訓練とスケジューリング
(51)【国際特許分類】
G09B 9/08 20060101AFI20241016BHJP
G08G 5/00 20060101ALI20241016BHJP
B64F 1/36 20240101ALI20241016BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20241016BHJP
【FI】
G09B9/08
G08G5/00 A
B64F1/36
G06Q50/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024031931
(22)【出願日】2024-03-04
(31)【優先権主張番号】18/179,308
(32)【優先日】2023-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バラクリシュナン, プラカシュ
(72)【発明者】
【氏名】ニーラカンタ, シュリーラクシュミ ビルル
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン, ニクラス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本開示は、事象の進行をスケジューリング及びモニタリングするための自動化された飛行訓練とスケジューリングを提供する。
【解決手段】ワークフロー100において、飛行スケジューリングシステム125は、飛行スケジュール145を生成するために、パイロット用の飛行訓練要件を示すシラバスと複数のスケジューリングされた飛行についての飛行情報110とにアクセスし、シラバスに基づいて、第1の訓練生115について、複数のスケジューリングされた飛行から、第1のセットの飛行の選択肢を特定する。第1の訓練生は、規定されたスケジューリング基準に基づいて、第1のセットの飛行の選択肢から、第1のサブセットの1以上の飛行に割り当てられ、1以上の教官が、第1のサブセットの1以上の飛行の各飛行に割り当てられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイロット用の飛行訓練要件を示すシラバス(105)にアクセスすること、
複数のスケジューリングされた飛行についての飛行情報(110)にアクセスすること、
第1の訓練生(115)について、前記シラバスに基づいて、前記複数のスケジューリングされた飛行から、第1のセットの飛行の選択肢を特定すること、
1以上のコンピュータプロセッサ(125)の動作によって、規定されたスケジューリング基準に基づいて、前記第1の訓練生を、前記第1のセットの飛行の選択肢から、第1のサブセットの1以上の飛行に割り当てること、及び
1以上の教官(120)を、前記第1のサブセットの1以上の飛行の各飛行に割り当てることを含む、方法。
【請求項2】
前記シラバス(105)は、パイロット用の飛行訓練のための一連の事象を含み、
前記一連の事象における各それぞれの事象は、訓練生パイロットが訓練中に完了しなければならないそれぞれの飛行を説明するそれぞれの飛行情報(110)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の訓練生を、前記第1のサブセットの1以上の飛行に割り当てることは、
前記一連の事象における第1の事象に基づいて、前記第1のセットの飛行の選択肢(110)から、第1の飛行を選択すること、
前記第1の訓練生を前記第1の飛行に割り当てること、
前記一連の事象における第2の事象に基づいて、前記第1のセットの飛行の選択肢から、第2の飛行を選択することであって、前記第2の飛行は前記第1の飛行の後である、第2の飛行を選択すること、及び
前記第1の訓練生を前記第2の飛行に割り当てることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記規定されたスケジューリング基準(105)は、前記第1のサブセットの1以上の飛行において飛行同士の間の時間を最小限に抑えることを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の訓練生を前記第1のサブセットの1以上の飛行に割り当てた後で、
第2の訓練生(115)について、前記シラバス(105)に基づいて、前記複数のスケジューリングされた飛行から、第2のセットの飛行の選択肢(110)を特定すること、及び
規定されたスケジューリング基準に基づいて、前記第2の訓練生を、前記第2のセットの飛行の選択肢から、第2のサブセットの1以上の飛行に割り当てることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記シラバス(105)に基づいて、前記第1のサブセットの1以上の飛行(110)における各それぞれの飛行にタグ付けすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1以上の教官(120)を割り当てることは、前記第1のサブセットの1以上の飛行(110)の各それぞれの飛行について、
前記それぞれの飛行に関連付けられたそれぞれのタグを特定すること、
前記それぞれのタグに基づいて、複数の教官の選択肢から、それぞれのセットの教官の選択肢を特定すること、及び
前記それぞれのセットの教官の選択肢から、それぞれの教官を前記それぞれの飛行に割り当てることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
プロセッサ(605)と、
指示命令を含むメモリストレージデバイス(610)とを備える、システムであって、前記指示命令は、前記プロセッサによって実行されると、動作の実行を可能にし、前記動作は、
パイロット用の飛行訓練要件を示すシラバス(105)にアクセスすること、
複数のスケジューリングされた飛行についての飛行情報(110)にアクセスすること、
第1の訓練生(115)について、前記シラバスに基づいて、前記複数のスケジューリングされた飛行から、第1のセットの飛行の選択肢を特定すること、
規定されたスケジューリング基準に基づいて、前記第1の訓練生を、前記第1のセットの飛行の選択肢から、第1のサブセットの1以上の飛行に割り当てること、及び
1以上の教官(120)を、前記第1のサブセットの1以上の飛行の各飛行に割り当てることを含む、システム。
【請求項9】
前記シラバス(105)は、パイロット用の飛行訓練のための一連の事象を含み、
前記一連の事象における各それぞれの事象は、訓練生パイロットが訓練中に完了しなければならないそれぞれの飛行を説明するそれぞれの飛行情報(110)を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の訓練生を、前記第1のサブセットの1以上の飛行に割り当てることは、
前記一連の事象における第1の事象に基づいて、前記第1のセットの飛行の選択肢(110)から、第1の飛行を選択すること、
前記第1の訓練生を前記第1の飛行に割り当てること、
前記一連の事象における第2の事象に基づいて、前記第1のセットの飛行の選択肢から、第2の飛行を選択することであって、前記第2の飛行は前記第1の飛行の後である、第2の飛行を選択すること、及び
前記第1の訓練生を前記第2の飛行に割り当てることを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記規定されたスケジューリング基準(105)は、前記第1のサブセットの1以上の飛行において飛行同士の間の時間を最小限に抑えることを示す、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記動作は、前記第1の訓練生を前記第1のサブセットの1以上の飛行に割り当てた後で、
第2の訓練生(115)について、前記シラバス(105)に基づいて、前記複数のスケジューリングされた飛行から、第2のセットの飛行の選択肢(110)を特定すること、及び
規定されたスケジューリング基準に基づいて、前記第2の訓練生を、前記第2のセットの飛行の選択肢から、第2のサブセットの1以上の飛行に割り当てることを更に含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記動作は、前記シラバス(105)に基づいて、前記第1のサブセットの1以上の飛行(110)における各それぞれの飛行にタグ付けすることを更に含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記1以上の教官を割り当てることは、前記第1のサブセットの1以上の飛行の各それぞれの飛行について、
前記それぞれの飛行に関連付けられたそれぞれのタグを特定すること、
前記それぞれのタグに基づいて、複数の教官の選択肢から、それぞれのセットの教官の選択肢を特定すること、及び
前記それぞれのセットの教官の選択肢から、それぞれの教官を前記それぞれの飛行に割り当てることを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
コンピュータ可読プログラムコードが具現化されたコンピュータ可読ストレージ媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ可読プログラムコードは、動作を実行するように1以上のコンピュータプロセッサによって実行可能であり、前記動作は、
パイロット用の飛行訓練要件を示すシラバス(105)にアクセスすること、
複数のスケジューリングされた飛行についての飛行情報(110)にアクセスすること、
第1の訓練生(115)について、前記シラバスに基づいて、前記複数のスケジューリングされた飛行から、第1のセットの飛行の選択肢を特定すること、
規定されたスケジューリング基準に基づいて、前記第1の訓練生を、前記第1のセットの飛行の選択肢から、第1のサブセットの1以上の飛行に割り当てること、及び
1以上の教官(120)を、前記第1のサブセットの1以上の飛行の各飛行に割り当てることを含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項16】
前記シラバス(105)は、パイロット用の飛行訓練のための一連の事象を含み、
前記一連の事象における各それぞれの事象は、訓練生パイロットが訓練中に完了しなければならないそれぞれの飛行を説明するそれぞれの飛行情報(110)を含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
前記第1の訓練生を、前記第1のサブセットの1以上の飛行に割り当てることは、
前記一連の事象における第1の事象に基づいて、前記第1のセットの飛行の選択肢(110)から、第1の飛行を選択すること、
前記第1の訓練生を前記第1の飛行に割り当てること、
前記一連の事象における第2の事象に基づいて、前記第1のセットの飛行の選択肢から、第2の飛行を選択することであって、前記第2の飛行は前記第1の飛行の後である、第2の飛行を選択すること、及び
前記第1の訓練生を前記第2の飛行に割り当てることを含む、請求項16に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
前記動作は、前記第1の訓練生を前記第1のサブセットの1以上の飛行に割り当てた後で、
第2の訓練生について、前記シラバスに基づいて、前記複数のスケジューリングされた飛行から、第2のセットの飛行の選択肢を特定すること、及び
規定されたスケジューリング基準に基づいて、前記第2の訓練生を、前記第2のセットの飛行の選択肢から、第2のサブセットの1以上の飛行に割り当てることを更に含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記動作は、前記シラバス(105)に基づいて、前記第1のサブセットの1以上の飛行(110)における各それぞれの飛行にタグ付けすることを更に含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記1以上の教官(120)を割り当てることは、前記第1のサブセットの1以上の飛行(110)の各それぞれの飛行について、
前記それぞれの飛行に関連付けられたそれぞれのタグを特定すること、
前記それぞれのタグに基づいて、複数の教官の選択肢から、それぞれのセットの教官の選択肢を特定すること、及び
前記それぞれのセットの教官の選択肢から、それぞれの教官を前記それぞれの飛行に割り当てることを含む、請求項19に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の態様は、飛行訓練に関する。特に、本開示は、飛行訓練の自動化されたスケジューリングとモニタリングに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 飛行機の操縦を学ぶこと(特に、民間飛行の場合)は、非常に複雑で時間がかかる。概して、民間のパイロットは、一般的な飛行訓練に加えて、特定の航空機の種類ごとに個別に訓練又は認可を受けなければならない。例えば、パイロットのキャリアを開始するとき、又は最初の機種から次の機種(例えば、より大きい機体や小さい機体、異なるメーカーなど)に移行するとき、パイロットは、概して、その機体を安全に操縦できることを確実にするように一連の訓練事象(event)を受けなければならない。多くの場合、この一連の訓練には1回以上の実飛行が含まれ、訓練生は、教官の監視下で飛行を補助したり、操縦したりする。
【0003】
[0003] 従来のシステムでは、これらの一連の訓練は、手作業で規定されモニタされ、かなりの監視と労力を必要とした。結果として、新しい航空機のパイロットを認可するためには、概して、かなりの時間がかかり、エラーも頻発する(例えば、所与の訓練を2回行う、或いは訓練飛行をスキップして後日その訓練飛行に戻る)。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本開示の一態様では、方法が提供される。該方法は、パイロット用の飛行訓練要件を示すシラバスにアクセスすること、複数のスケジューリングされた飛行についての飛行情報にアクセスすること、第1の訓練生について、シラバスに基づいて、複数のスケジューリングされた飛行から、第1のセットの飛行の選択肢を特定すること、1以上のコンピュータプロセッサの動作によって、規定されたスケジューリング基準に基づいて、第1の訓練生を、第1のセットの飛行の選択肢から、第1のサブセットの1以上の飛行に割り当てること、及び、1以上の教官を、第1のサブセットの1以上の飛行の各飛行に割り当てることを含む。
【0005】
[0005] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的な方法と組み合わせて、シラバスが、パイロット用の飛行訓練のための一連の事象を含み、一連の事象における各それぞれの事象は、訓練生パイロットが訓練中に完了しなければならないそれぞれの飛行を説明するそれぞれの飛行情報を含む。
【0006】
[0006] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的な方法と組み合わせて、第1の訓練生を第1のサブセットの1以上の飛行に割り当てることは、一連の事象における第1の事象に基づいて、第1のセットの飛行の選択肢から、第1の飛行を選択すること、第1の訓練生を第1の飛行に割り当てること、一連の事象における第2の事象に基づいて、第1のセットの飛行の選択肢から、第2の飛行を選択することであって、第2の飛行は第1の飛行の後である、第2の飛行を選択すること、及び第1の訓練生を第2の飛行に割り当てることを含む。
【0007】
[0007] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的な方法と組み合わせて、規定されたスケジューリング基準が、第1のサブセットの1以上の飛行において飛行同士の間の時間を最小限に抑えることを示す。
【0008】
[0008] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的な方法と組み合わせて、該方法が、第1の訓練生を第1のサブセットの1以上の飛行に割り当てた後で、第2の訓練生について、シラバスに基づいて、複数のスケジューリングされた飛行から、第2のセットの飛行の選択肢を特定すること、及び、規定されたスケジューリング基準に基づいて、第2の訓練生を、第2のセットの飛行の選択肢から、第2のサブセットの1以上の飛行に割り当てることを更に含む。
【0009】
[0009] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的な方法と組み合わせて、該方法が、シラバスに基づいて第1のサブセットの1以上の飛行における各それぞれの飛行にタグ付けすることを更に含む。
【0010】
[0010] 一態様では、上記又は下記の任意の例示的な方法と組み合わせて、1以上の教官を割り当てることが、第1のサブセットの1以上の飛行の各それぞれの飛行について、それぞれの飛行に関連付けられたそれぞれのタグを特定すること、それぞれのタグに基づいて、複数の教官の選択肢から、それぞれのセットの教官の選択肢を特定すること、及び、それぞれの教官を、それぞれのセットの教官の選択肢から、それぞれの飛行に割り当てることを含む。
【0011】
[0011] 本開示は、一態様においてシステムを提供する。該システムは、プロセッサと、指示命令を含むメモリストレージデバイスとを含む。該指示命令は、プロセッサによって実行されると、上記の方法の任意の組み合わせに従って動作の実行を可能にする。
【0012】
[0012] 本開示は、一態様では、コンピュータプログラム製品を提供する。該コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化されたコンピュータ可読ストレージ媒体を含む。該コンピュータ可読プログラムコードは、上記の方法の任意の組み合わせに従って動作を実行するように、1以上のコンピュータプロセッサによって実行可能である。
【0013】
[0013] 本開示の上述の特徴が詳細に理解されるように、上で簡単に要約したものよりも更に詳細な本開示の説明が、幾つかが添付の図面において例示されている例示的な複数の態様を参照することによってなされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】[0014] 自動化された訓練飛行スケジューリングのための例示的なワークフローを示す。
【
図2】[0015] 自動化された訓練スケジュールを生成するための例示的な方法を示すフロー図である。
【
図3】[0016] 規定されたシラバスに基づいて(1以上の)訓練生パイロットをスケジューリングされた飛行に割り当てるための例示的な方法を示すフロー図である。
【
図4】[0017] 規定されたシラバスに基づいて(1以上の)教官パイロットをスケジューリングされた飛行に割り当てるための例示的な方法を示すフロー図である。
【
図5】[0018] 訓練スケジュールを生成するための例示的な方法を示すフロー図である。
【
図6】[0019] 本開示の1以上の態様による例示的なコンピューティングデバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0020] 本開示は、自動化された飛行スケジューリングとモニタリングに関する。
【0016】
[0021] 幾つかの態様では、有資格の教官と共に航空機内で行われるライン飛行訓練(例えば、監視下でのライン飛行(LIFUS))用の航空会社の操縦室クルーの名簿計画などの一連のプロセススケジュールを自動的に生成し、モニタするための技法が提供される。幾つかの態様では、システムが、クルー名簿システムの拡張モジュールとして動作し、最適な教官と訓練生の計画を可能にする。本明細書で使用されるときに、「訓練生」パイロットは、概して、所与の航空機タイプを操縦するように訓練及び/又は認可されることを求める個人を指す。訓練生パイロットは、新しいパイロットやユーザ(例えば、任意の航空機を飛行させるように訓練又は認可されていない者)であり得るか、又は現在1以上の航空機について認可されており、新しい航空機を自分のスキルセットに加えることを求めているパイロットであり得る。更に、本明細書で使用されるときに、「教官」パイロットは、概して、所与の航空機タイプを操縦するように訓練及び/若しくは認可された個人を指し、並びに/又は、所与の航空機タイプを操縦するために他者を指導若しくは訓練するよう訓練及び/若しくは認可されている個人を指す。
【0017】
[0022] 手作業での割り当てに依存する従来のシステムでは、訓練スケジュールが、しばしば、不適切であり又は最適ではなく、遅延と訓練コストが追加される。本開示の複数の態様を使用することによって、訓練スケジューリングは自動化され得る。これにより、手作業の労力は減り、スケジュールを改善し(例えば、より最適なスケジュールをもたらす)、無駄と遅延を減らし、概して、訓練パイプラインとシステムの全体的な機能が改善される。
【0018】
[0023] 幾つかの態様では、システムが、一連の訓練事象(例えば、訓練生が行わなければならない一連の飛行特性)を指定する訓練シラバス(幾つかの態様ではフットプリントとも呼ばれる)を評価することができる。例えば、シラバスには、所与の航空機タイプの認可を受けるために、訓練生が観察飛行(例えば、航空機に座って経験豊富なパイロットを観察する)、指定された地形上(例えば、雪上、山岳地帯などの困難な地形上、水上など)での1回以上の飛行、1回以上の地域/短時間飛行、1回以上の長距離/長時間飛行などを行わなければならないことが記載され得る。幾つかの態様では、これらの事象のうちの1以上が連続的(一連のもの)である。それによって、訓練生は、次へ進む前に所与の飛行を完了しなければならない。
【0019】
[0024] 幾つかの態様では、シラバスが、手作業で指定されることがあり、所与の航空会社及び/又は航空機タイプに固有のものであり得る。シラバスは、規制や慣行の変更、新たな飛行経路や目的地など、時間の経過とともに変更されることもある。一態様では、飛行スケジューリングシステムが、これらのシラバスを取り込み、自動化された訓練生スケジューリングを実行することができる。例えば、飛行スケジューリングシステムは、シラバスにおける1以上の事象を満たし得る将来予定されている飛行を特定し、シラバスを満たす順序で、訓練生をこれらの(1以上の)飛行に最適に割り当て得る。飛行スケジューリングシステムは、同様に、シラバスや訓練生割り当てに基づいて教官を飛行に割り当てることができ、訓練プロセスが正確かつ迅速に完了することを確実にする。
【0020】
[0025] 一実施形態では、一連の最適化を使用することによって、本開示の複数の態様が、現在の手作業での(及び一連ではない)割り当てアプローチよりも、実質的に改善されたものとなり得る。更に、本明細書で説明される自動化された技法は、エラーを大幅に減らし、訓練生に完全かつ適切な訓練レジメンが割り当てられることを確実にし、さもなければ全体的な訓練プロセスを改善し得る。更に、本明細書で説明される技法は、多数の訓練生(例えば、一度に数百又は数千)の迅速な処理及び最適な割り当てを可能にし得る。これは、従来のアプローチでは時間的に困難であった。
【0021】
[0026]
図1は、自動化された訓練飛行スケジューリングのための例示的なワークフロー100を示す。
【0022】
[0027] 図示されているワークフロー100では、飛行スケジューリングシステム125が、パイロットを訓練及び/又は認可するための最適な飛行スケジュール145を生成するために、様々なデータにアクセスする。概念的な明瞭さのために、個別のシステムとして図示されているが、複数の態様では、飛行スケジューリングシステム125が、より広範なシステムの構成要素として、スタンドアロンシステムとして、及び/又は複数のシステムにわたり分散して実装されてよく、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせを使用して実装されてよい。
【0023】
[0028] 図示されているように、飛行スケジューリングシステム125は、飛行スケジュール145を生成するために、シラバス105にアクセスし、シラバス105を使用する。シラバス105(幾つかの態様ではフットプリントとも呼ばれる)は、概して、1以上の航空機についてパイロットを訓練及び/又は認可することに関連する情報を含む。幾つかの態様では、上述されたように、シラバスが、一連の事象(例えば、飛行)を指定し得る。その場合、各事象は、対応するセットの特性又は情報(例えば、飛行の属性)を有する。例えば、シラバスには、訓練生が先ず航空機での飛行を観察し、次いで、規定された範囲(例えば、500マイル未満)の飛行を操縦し(監視/補助の下で)、次いで、山岳地形状上及び/又は不安定な大気中の飛行を操縦するべきであることなどが指定され得る。
【0024】
[0029] 図示されている一実施例では、飛行スケジューリングシステム125が、1以上の外部ソースからシラバス105にアクセスする。本明細書で使用されるときに、データに「アクセスすること」は、概して、データを受け取り、データを要求し、データを検索し、又はそれ以外の方法でデータへのアクセスを得ることを含み得る。例えば、シラバス105は、外部のストレージリポジトリから取得され得る。他の複数の態様では、シラバス105が、飛行スケジューリングシステム125によってローカルに維持され得る。
【0025】
[0030] 図示されているように、飛行スケジューリングシステム125は、飛行データ110、訓練生データ115、及び教官データ120を含む情報に更にアクセスする。概念的な明瞭さのために、個別のかつリモートなリポジトリに存在するように図示されているが、複数の態様では、飛行データ110、訓練生データ115、及び教官データ120内の情報が、任意の数の様々なリポジトリにわたり組み合わされ又は分散されてよく(若しくは記憶されるのではなく、必要に応じて生成されてよく)、リモートシステム、ローカルコンポーネント、又はリモート及びローカルソースの組み合わせからアクセスされてよい。
【0026】
[0031] 図示されているワークフロー100では、飛行スケジューリングシステム125が、訓練生コンポーネント130、タグ付けコンポーネント135、及び教官コンポーネント140を含む。概念的な明瞭さのために、これらの個別の構成要素が図示されているが、複数の態様では、訓練生コンポーネント130、タグ付けコンポーネント135、及び教官コンポーネント140が、任意の数の様々なコンポーネントにわたり組み合わされ又は分散されてよく、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせを使用して実装されてよい。
【0027】
[0032] 一態様では、訓練生コンポーネント130が、シラバス105が指定する一連の事象に従って、訓練生パイロットをスケジューリングされた飛行に割り当てるために、シラバス105を評価し得る。例えば、訓練生コンポーネント130は、スケジューリングされた又は計画された飛行、ならびに各飛行の属性又は特性を特定するために、飛行データ110にアクセスし得る。幾つかの態様では飛行情報とも呼ばれるこれらの飛行属性は、概して、スケジューリングされた飛行の任意の特性を含み得る。例えば、飛行データ110は、各それぞれの計画された飛行について、持続時間及び/又は距離、出発地及び/又は目的地、計画された飛行経路、飛行についての予測される天候、飛行に使用されることになる航空機などを示し得る。
【0028】
[0033] 幾つかの態様では、訓練生コンポーネント130が、どの(1以上の)訓練生が、認可を得るために完了されなければならない事象を未だ有しているかを特定するために、訓練生データ115を評価し得る。例えば、訓練生コンポーネント130は、現在の訓練生を特定するために、訓練生データ115を評価し得る。各訓練生について、訓練生コンポーネント130は、次いで、どの(1以上の)事象が各自によって完了されたか、ならびにどの(1以上の)事象が各自によって完了される必要があるかを判断するために、訓練生データ115を評価し得る。
【0029】
[0034] 図示されている一実施例では、訓練生を飛行に割り当てるために、訓練生コンポーネント130が、概して、訓練生が満たしていないシラバス105内の次の事象(例えば、一連の訓練の中で、訓練生が実行していない次の飛行)を特定し得る。次いで、訓練生コンポーネント130は、シラバスを満たす(例えば、シラバス内の次の事象について指定された指示距離要件を満たす)1セットのスケジューリングされた飛行を特定するために、飛行データ110を評価し得る。次いで、訓練生コンポーネント130は、1以上のスケジューリング基準に基づいて、訓練生を特定されたセット内の飛行のうちの1つに割り当て得る。
【0030】
[0035] 複数の態様では、スケジューリング基準が、特定の実施態様に応じて様々な考慮事項を含み得る。例えば、一態様では、スケジューリング基準が、訓練生が既に存在する(又は存在すると予想される)場所から出発する飛行への訓練生の割り当てのための優先順位を含む。すなわち、訓練生が所与の場所に存在する(又は次の飛行の前に所与の場所に飛行するようにスケジューリングされている)場合、訓練生コンポーネント130は、その訓練生をこの場所から出発する飛行に優先的に割り当てる。別の一実施例として、スケジューリング基準は、コスト最小化(例えば、最小のコストを負うことになる飛行に訓練生を割り当てるために)、時間最適化(例えば、最も早く行われるとスケジューリングされた飛行に訓練生を割り当てるために)などの、要因を含み得る。
【0031】
[0036] 例えば、訓練生コンポーネント130は、現在の日付及び/又は訓練生用に最後にスケジューリングされた若しくは実行された飛行の日付(例えば、訓練生が、シラバス105の現在の段階を完了した若しくは完了することが予期される日付)を特定し、その訓練生を最も早くスケジューリングされた(例えば、将来において最も近い)飛行(1セットの選択肢からの)に割り当て得る。すなわち、訓練生コンポーネント130は、訓練飛行同士の間の時間又は遅延が最小限に抑えられるように、訓練スケジュールを圧縮しようとし得る。
【0032】
[0037] 一態様では、訓練生コンポーネント130が訓練生を飛行に割り当てたら(例えば、シラバスの次のステップを満たすように、1セットの選択肢から飛行を選択したら)、訓練生コンポーネント130は、次のステップ又は事象を特定し、シラバスが完了するまで、その訓練生を飛行に繰り返し割り当て得る。例えば、訓練生コンポーネント130が、シラバス内の第1の事象を満たすために第1の日付に行われる第1の飛行を割り当てる場合、訓練生コンポーネント130は、次いで、シラバス内の第2の事象(第1の事象の後)を満たすことになる第2の日付(第1の日付の後)の第2の飛行を特定し得る。そのようなことが、示されている事象の全てが、その訓練生について割り当てられた対応する飛行を有するまで、繰り返される。
【0033】
[0038] 幾つかの態様では、訓練生コンポーネント130が、反復的に進行し、各訓練生を個別に処理する。すなわち、訓練生コンポーネント130は、訓練生を選択し、その訓練生についてシラバス105を完了するために必要な飛行の全てを割り当て、次いで、今度は次の訓練生を選択し、処理することができる。少なくとも一態様では、訓練生コンポーネント130が、年齢順などの基準に基づいて訓練生を選択し、より年長の訓練生が先ず飛行に割り当てられることを確実にする。幾つかの態様では、代替的に、訓練生コンポーネント130が、複数の訓練生を並行して割り当てることができる。例えば、訓練生コンポーネント130は、シラバス105内の第1の事象を満たすように、各それぞれの訓練生をそれぞれの飛行に割り当て、次いで、第2の事象について、各それぞれの訓練生をそれぞれの第2の飛行に割り当て得る。
【0034】
[0039] 幾つかの態様では、訓練生を飛行に割り当てている最中又はその後に、訓練生コンポーネント130が、任意選択的に、割り当てを検証/確認し得る。例えば、訓練生コンポーネント130は、各訓練生について割り当てられた一連の飛行が有効であるか(例えば、時間的な順序において、各飛行を確実に完了できるように十分な時間を開けていること、及び/又は各訓練生が各飛行を開始するために正しい場所にいること、順序がシラバスを満たしていることなど)を確認し得る。
【0035】
[0040] 図示されている一実施例では、タグ付けコンポーネント135が、シラバス105に基づいて各割り当てられた飛行(訓練生コンポーネント130によって割り当てられた)にタグ付けし得る。例えば、訓練生コンポーネント130が訓練生を飛行に割り当てたときに、タグ付けコンポーネント135は、シラバス105からの関連情報(例えば、飛行がどの事象を満たすことを意図しているか、飛行のための任意の特定の要件などを示す)を有するタグを、スケジューリングされた飛行に付けることができる。少なくとも1つの態様では、タグ付けコンポーネント135が、シラバス105内の事象を満たすために必要とされる任意の(1以上の)教官の属性又は特性を示すために、割り当てられた飛行にタグ付けする。例えば、タグは、必要とされる教官の数、必要とされる経験(例えば、航空機において有すべき飛行数又は飛行時間)、飛行についての教官の役割(例えば、観察者、従たるパイロット、主たるパイロットなど)、及びシラバス105内で示されている任意の他の関連する教官の属性を示し得る。
【0036】
[0041] 一態様では、教官コンポーネント140が、次いで、必要に応じてスケジューリングされた飛行に教官を割り当てるために、これらのタグ(タグ付けコンポーネント135によって生成された)を使用し得る。例えば、教官コンポーネント140は、1以上の訓練生タグを有する各飛行(例えば、訓練生が割り当てられたスケジューリングされた飛行)を選択することができ、タグ要件を満たし得る、飛行にスケジューリングされ得る、1セットの適格な教官(例えば、教官データ120内の)を特定するために、(1以上の)タグを評価し得る。一態様では、教官コンポーネント140が、教官を割り当てるために、教官の場所(例えば、教官がスケジューリングされた飛行について出発地に現在いるかどうか(又はいると予期されるかどうか)に基づいて、教官をスケジューリングする)、教官の優先傾向(例えば、教官は、飛行タイプ、持続時間、目的地などの優先傾向を示してよい)などの、任意の数の様々なスケジューリング基準を使用し得る。幾つかの態様では、教官の割り当てが、クルー名簿システムを使用して実行される。
【0037】
[0042] 図示されているように、飛行スケジューリングシステム125は、次いで、飛行スケジュール145を出力する。飛行スケジュール145は、概して、各それぞれの訓練生について、シラバス105を満たす又は完了するために、それぞれの一連のスケジューリングされた飛行(各々が適切な(1以上の)教官を有する)を含む。一態様では、上述されたように、飛行スケジューリングシステム125(又は別のシステム)が、次いで、訓練生パイロットが訓練プロセスを迅速かつ効率的に通って移動し、それによって、訓練生パイロットが低減された無駄とコストで飛行の認可を得るために、飛行スケジュール145を使用し得る。
【0038】
[0043]
図2は、自動化された訓練スケジュールを生成するための例示的な方法200を示すフロー図である。幾つかの態様では、方法200が、
図1の飛行スケジューリングシステム125などの飛行スケジューリングシステムによって実行される。
【0039】
[0044] ブロック205において、飛行スケジューリングシステムは、訓練シラバス(例えば、
図1のシラバス105)にアクセスする。例えば、上述されたように、飛行スケジューリングシステムは、訓練生パイロットを認可することに関する(1以上の)飛行を評価するために、シラバスを受け取り、検索し、又はそれ以外の方法でシラバスにアクセスし得る。上述されたように、シラバスは、概して、1セットの又は一連の事象(特定の順序の有無にかかわらず)を含む。その場合、各事象は、訓練生が次の段階に進み及び/又は認可を完了する前に、完了すべき幾つかの行為又は出来事に対応する。
【0040】
[0045] 幾つかの態様では、飛行スケジューリングシステムが、評価されている(1以上の)訓練生に基づいてシラバスにアクセスする。例えば、飛行スケジューリングシステムは、所与の航空機タイプの全ての訓練生についての訓練スケジュールを準備するように指示命令され、したがって、航空機タイプについて規定されたシラバスを特定し、取得し得る。
【0041】
[0046] ブロック210において、飛行スケジューリングシステムは、1セットの飛行スケジュール(例えば、
図1の飛行データ110)にアクセスする。飛行スケジュールは、概して、スケジューリングされた/将来の飛行(又はシラバスに関する任意の他の事象)に関連する情報を含む。例えば、(1以上の)飛行スケジュールは、組織によって(例えば、航空会社によって)実行されるようにスケジューリング又は計画された1セットの飛行を含み得る。各スケジューリングされた飛行では、飛行スケジューリングシステムが、出発地及び/又は目的地、持続時間、距離、航空機タイプ、地形、予測される天候などの、情報又は属性を含み得る。
【0042】
[0047] 概して、飛行スケジュールは、将来の任意の期間又は時間の窓のための任意の数の飛行についての情報を含み得る。例えば、飛行スケジュールは、即時出発(例えば、同日)、1週間以内、1カ月以内などにスケジューリングされている飛行についての情報を含み得る。
【0043】
[0048] ブロック215において、飛行スケジューリングシステムは、訓練生を選択する。すなわち、飛行スケジューリングシステムは、アクセスされたシラバスに関連付けられている航空機タイプを操縦するために現在訓練中(又は訓練を希望)の個人を選択する。複数の態様では、飛行スケジューリングシステムが、ランダム又は疑似ランダムを含む様々な基準に従って、訓練生を選択し得る。少なくとも1つの態様では、飛行スケジューリングシステムが、優先度及び/又は年齢順に従って、訓練生を選択する。すなわち、飛行スケジューリングシステムは、最も年長の訓練生を先ず選択し、その後、次に最も年長の訓練生を選択する、といった具合であり得る。図示されている実施例は、概念的な明瞭さのために、連続的/繰り返し選択プロセス(飛行スケジューリングシステムは、各訓練生を個別に順番に選択し、処理する)を描いているが、幾つかの態様では、飛行スケジューリングシステムが、訓練生の一部又は全部を並列に選択及び/又は処理し得る。
【0044】
[0049] ブロック220において、飛行スケジューリングシステムは、訓練シラバスに基づいて、選択された訓練生を1以上の飛行(飛行スケジュール内で示されている)に割り当てる。例えば、飛行スケジューリングシステムは、選択された訓練生が完了することが必要な、シラバス内の次の事象又はステップを特定し得る。飛行スケジューリングシステムは、次いで、特定されたステップを満たすことになる(1以上の)飛行スケジュール内の1以上の選択肢を特定することができ、訓練生をこれらの選択肢のうちの1つに割り当てることができる(例えば、訓練生を、現在の時刻又はシラバスの最後のステップの予測完了日に最も近くスケジューリングされている選択肢に割り当てることによって)。訓練生を飛行に割り当てるための1つの例示的な方法は、
図3を参照しながら以下でより詳細に説明される。
【0045】
[0050] ブロック225において、飛行スケジューリングシステムは、少なくとも1人の更なる訓練生(1以上の飛行が割り当てられることを依然として必要としている)が存在するかどうかを判定する。すなわち、飛行スケジューリングシステムは、次のような少なくとも1人の更なる訓練生が存在するかどうかを判定し得る。すなわち、その訓練生は、アクセスされたシラバスに対応する航空機を操縦するために準備し又は訓練されており、シラバスを完了するために十分な飛行が未だ割り当てられてない。そうであるならば、方法200は、ブロック215に戻る。そうでない場合(例えば、現在の訓練生全員が、シラバスの要件を満たす十分なセットの飛行を割り当てられている場合)、方法200は、ブロック230に継続する。
【0046】
[0051] ブロック230において、飛行スケジューリングシステムは、訓練生が割り当てられた各飛行に1以上の教官を割り当てる。例えば、上述されたように、飛行スケジューリングシステムは、例えば、どの(1以上の)飛行が1以上の教官を必要とするかを判断するために将来の飛行に関連付けられた(1以上の)タグであって、各飛行について(1以上の)教官の任意の必要とされる又は好適な特性又は属性に関連付けられた(1以上の)タグを評価し得る。教官を飛行に割り当てるための1つの例示的な方法は、
図4を参照しながら以下でより詳細に説明される。
【0047】
[0052] ブロック235において、飛行スケジューリングシステムは、次いで、訓練スケジュール(例えば、(1以上の)訓練生及び/(1以上の)教官が割り当てられた1以上の将来のスケジューリングされた飛行)を出力する。複数の態様では、(1以上の)訓練スケジュールを出力することが、様々な動作を含み得る。例えば、全体の飛行スケジュールを出力すること(例えば、全ての将来の/スケジューリングされた飛行を出力すること)、訓練生が割り当てられた飛行のみを出力すること、特定の訓練生についての飛行/スケジュールを出力することなどである。複数の態様では、スケジュールを「出力すること」が、スケジュールを記憶すること、スケジュールを使用又は記憶のために別のシステムに提供すること、スケジュールを表示すること(例えば、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を介して)、スケジュールを再確認及び承認のために別のシステム又はユーザに提供することなどを含み得る。
【0048】
[0053]
図3は、規定されたシラバスに基づいて(1以上の)訓練生パイロットをスケジューリングされた飛行に割り当てるための例示的な方法300を示すフロー図である。幾つかの態様では、方法300が、
図1の飛行スケジューリングシステム125などの飛行スケジューリングシステムによって実行される。少なくとも1つの態様では、方法300が、
図2のブロック220の更なる詳細を提供する。
【0049】
[0054] ブロック305において、飛行スケジューリングシステムは、アクセスされた訓練シラバス内の次のシラバス事象を選択する。本明細書で使用されるときに、「次の」事象は、シラバスを進行させるために次に完了しなければならない又は完了させるべき事象を指す。例えば、シラバスが、訓練生が飛行Aを完了し、その後で飛行Bを完了し、その後で飛行Cを完了しなければならないことを示す場合、飛行スケジューリングシステムは、どの飛行(もしあれば)が既に完了又はスケジューリングされたかを特定し、順序内の次の飛行を選択し得る。例えば、訓練生が飛行Aを既に完了している場合、飛行スケジューリングシステムは、飛行Bを次の事象として特定し得る。同様に、訓練生が飛行Bの要件を満たすために飛行に既に割り当てられ又はスケジューリングされている場合、飛行スケジューリングシステムは、飛行Cを訓練生の次の事象として特定し得る。
【0050】
[0055] 幾つかの態様では、複数の「次の」事象が存在する場合(例えば、2つ以上の事象が、任意の順序又は同時に生じ得るため)、飛行スケジューリングシステムは、それらの中から選択するための任意の適切な技法(ランダム又は疑似ランダムを含む)を使用し得る。
【0051】
[0056] ブロック310において、飛行スケジューリングシステムは、選択された次の事象を満たすために使用され得る1セットのスケジューリングされた飛行の選択肢を特定する。幾つかの態様では、飛行スケジューリングシステムが、(例えば、長さ、持続時間、目的地などに基づいて)選択された次の事象の属性又はタグを満たす、(1以上の)特性又は(1以上の)属性を有する飛行を特定するために、スケジューリングされた飛行データ又は情報(例えば、
図1の飛行データ110)を評価し得る。例えば、次のシラバス事象の(1以上の)ラベルに応じて、飛行スケジューリングシステムは、規定された距離閾値よりも長い飛行、規定された地形(例えば、山岳地形、雪地形、水地形)の上を通過する飛行などを特定し得る。
【0052】
[0057] 幾つかの態様では、ブロック310において、1セットの飛行の選択肢がまた、他のやり方で絞り込まれ得る。例えば、飛行スケジューリングシステムは、将来における少なくとも最小時間(例えば、現在の時刻から少なくとも1日、又はシラバスの前のステップのために以前にスケジューリングされた飛行の時刻から少なくとも1日)に生じるようにスケジューリングされたもの、規定された最大時間内に生じるようにスケジューリングされたものなど、将来のある規定された時間にスケジューリングされた飛行の選択肢を特定し得る。幾つかの態様では、飛行スケジューリングシステムが、出発地及び/又は目的地などの他の基準に基づいて、1セットの飛行の選択肢を更に又は代替的にフィルタし得る。概して、任意の適切な基準を使用して、訓練生が割り当てられ得る1セットの潜在的な選択肢を特定することができる。更に、幾つかの態様では、基準の一部又は全部を使用して、飛行の選択肢をフィルタするために使用されるのではなくむしろ、飛行を選択することができる(ブロック315において)。
【0053】
[0058] ブロック315において、飛行スケジューリングシステムは、1以上のスケジューリング基準に基づいて、1セットのスケジューリングされた飛行の選択肢から飛行を選択する。少なくとも1つの態様では、上述されたように、スケジューリング基準が、訓練プロセスにおける飛行同士の間の時間が最小限に抑えられるべきであることを示す。例えば、飛行スケジューリングシステムは、シラバス内の前のステップ(又は選択されたステップが第1のステップである場合、現在の時刻及び/又は日付)で割り当てられた飛行の時刻及び/又は日付を特定し得る。次いで、飛行スケジューリングシステムは、この時刻及び/又は日付の後の最も早く生じ得るスケジューリングされた飛行を特定し、選択し得る。これにより、飛行スケジューリングシステムは、訓練スケジュールを圧縮し、訓練生パイロットがシラバスを迅速かつ効率的に完了することを確実にし得る。
【0054】
[0059] ブロック320において、飛行スケジューリングシステムは、1以上のタグを選択された飛行に割り当てる。一態様では、上述されたように、タグが、概して、シラバスに基づいて(例えば、選択された次の事象に基づいて)特定された飛行についての情報又は要件を示し得る。例えば、タグは、訓練生が飛行に参加すること、訓練生の身元、訓練生及び/又は事象の任意の要件又は優先傾向(例えば、最小量の経験又は資格)などを示し得る。タグは、概して、飛行についての任意の要件、優先傾向、又は他の基準を示すために使用され得、タグを使用して、教官を割り当てること又はさもなければ飛行スケジュールを管理することを支援することができる。
【0055】
[0060] ブロック325において、飛行スケジューリングシステムは、訓練生についてシラバス内に少なくとも1つの事象が残っているかどうかを判定する。すなわち、飛行スケジューリングシステムは、ブロック305において選択された事象がシラバス内の最後の事象であった(例えば、訓練生は訓練を完了するための完全な飛行スケジュールに割り当てられている)かどうかを判定し得る。そうでない場合(例えば、少なくとも1つの飛行がスケジューリングされるべき状態にある場合)、方法300はブロック305に戻る。全ての事象が訓練生に割り当てられている場合、方法300は、ブロック330に継続し、飛行スケジューリングシステムは、訓練生のスケジュールを出力する。
【0056】
[0061] 一態様では、上述されたように、訓練生のスケジュールを出力することが、様々な動作を含み得る。例えば、そのスケジュールを記憶すること、スケジュールを記憶のために別のシステムに提供すること、スケジュールをユーザに出力すること(例えば、GUIを介して)などである。幾つかの態様では、訓練生のスケジュールを出力することが、それを検証又は確認することを含む。例えば、飛行スケジューリングシステムは、スケジュールがシラバスの要件を満たすこと、そのスケジュールが現実的である(たとえば、スケジュールが、第1の空港に到着し、第2の空港に到着するための十分な時間なしに遠く離れた第2の空港に出発することを含まない)ことなどを確実にするために、スケジュールを評価し得る。幾つかの態様では、訓練生のスケジュールを出力することが、そのスケジュールを、訓練生(例えば、訓練生が提案されたスケジュールを再確認及び受容することを可能にする)、教官、又は他のユーザ(例えば、彼らがスケジュールを再確認及び受容することを可能にする)などに提供することを含む。
【0057】
[0062]
図4は、規定されたシラバスに基づいて(1以上の)教官パイロットをスケジューリングされた飛行に割り当てるための例示的な方法400を示すフロー図である。幾つかの態様では、方法400が、
図1の飛行スケジューリングシステム125などの飛行スケジューリングシステムによって実行される。少なくとも1つの態様では、方法400が、
図2のブロック230の更なる詳細を提供する。
【0058】
[0063] ブロック405において、飛行スケジューリングシステムは、少なくとも1人の訓練生が割り当てられたスケジューリングされた飛行を選択する。複数の態様では、飛行スケジューリングシステムが、全ての飛行が順番に評価されることとなるように、飛行を選択するための任意の適切な技法を使用し得る。幾つかの態様では、飛行スケジューリングシステムが、スケジューリングされた飛行(訓練生がその飛行に割り当てられたかどうかにかかわりなく)を選択し、訓練生がその飛行に割り当てられているかどうかを判定するために、タグ又はラベルを評価する。そうでない場合、飛行スケジューリングシステムは、その飛行を破棄し、別の飛行を選択し得る(又はクルーをその飛行に割り当てるために従来のスケジューリングシステムを使用して進めることができる)。図示されている実施例は、概念的な明瞭さのために、連続的/繰り返し選択プロセス(飛行スケジューリングシステムは、各スケジューリングされた飛行を個別に順番に選択し、処理する)を描いているが、幾つかの態様では、飛行スケジューリングシステムが、スケジューリングされた飛行の一部又は全部を並列に選択及び/又は処理し得る。
【0059】
[0064] ブロック410において、飛行スケジューリングシステムは、選択された飛行に関連付けられた任意の(1以上の)タグ(又は他のラベル、メタデータ、若しくは他のデータ構造)を特定する。例えば、上述されたように、タグを使用して、教官たちの経験や資格などの飛行に必要とされる(1以上の)教官の属性を示すことができる。
【0060】
[0065] ブロック415において、飛行スケジューリングシステムは、タグの要件を満たすために使用され得る1セットの代替的又は潜在的な教官を特定する。例えば、飛行スケジューリングシステムは、同じ時間に既に飛行がスケジューリングされておらず、示された属性を持つ教官を特定し得る。
【0061】
[0066] ブロック420において、飛行スケジューリングシステムは、次いで、タグ(例えば、タグの基準を満たすもの)に少なくとも部分的に基づいて、選択された飛行の教官を選択する。複数の態様では、飛行スケジューリングシステムが、飛行への教官の選択及び割り当てのために、様々な技法を使用し得る。例えば、一態様では、飛行スケジューリングシステムが、ランダム又は疑似ランダム選択を使用し得る。幾つかの態様では、飛行スケジューリングシステムが、教官の年齢順や優先度を考慮する。少なくとも1つの態様では、飛行スケジューリングシステムが、教官の優先傾向に少なくとも部分的に基づいて教官を選択する。例えば、1人の教官が所与の目的地への飛行を希望し、選択された飛行が、この目的地へのものである場合、飛行スケジューリングシステムは、この教官を割り当てるために選択し得る。
【0062】
[0067] ブロック425において、飛行スケジューリングシステムは、教官が未だ割り当てられていない少なくとも1つの更なる飛行が存在するかどうかを判定する。そうであるならば、方法400は、ブロック405に戻る。そうでない場合、方法400はブロック430に継続し、教官のスケジュールが出力される。
【0063】
[0068] 一態様では、上述されたように、教官のスケジュールを出力することが、様々な動作を含み得る。例えば、そのスケジュールを記憶すること、スケジュールを記憶のために別のシステムに提供すること、スケジュールをユーザに出力すること(例えば、GUIを介して)などである。幾つかの態様では、教官のスケジュールを出力することが、そのスケジュールを、訓練生(例えば、訓練生が提案されたスケジュールを再確認及び受容することを可能にする)、(1以上の)教官、又は他のユーザ(例えば、彼らがスケジュールを再確認及び受容することを可能にする)などに提供することを含む。
【0064】
[0069]
図5は、訓練スケジュールを生成するための例示的な方法500を示すフロー図である。幾つかの態様では、方法500が、
図1の飛行スケジューリングシステム125などの飛行スケジューリングシステムによって実行される。
【0065】
[0070] ブロック505において、パイロットについての飛行訓練要件を示すシラバス(例えば、
図1のシラバス105)にアクセスする。
【0066】
[0071] ブロック510において、複数のスケジューリングされた飛行(例えば、
図1の飛行データ110)についての飛行情報がアクセスされる。
【0067】
[0072] ブロック515において、シラバスに基づいて、第1の訓練生(例えば、
図1の訓練生データ115からの)について、複数のスケジューリングされた飛行から、第1のセットの飛行の選択肢が特定される。
【0068】
[0073] ブロック520において、第1の訓練生は、規定されたスケジューリング基準に基づいて、第1のセットの飛行の選択肢から、第1のサブセットの1以上の飛行に割り当てられる(例えば、
図1の飛行スケジュール145を生成するために)。
【0069】
[0074] ブロック525において、1以上の教官(例えば、
図1の教官データ120から)が、第1のサブセットの1以上の飛行の各飛行に割り当てられる。
【0070】
[0075]
図6は、本開示の1以上の態様による例示的なコンピューティングデバイス600を示す。物理デバイスとして図示されているが、複数の態様では、コンピューティングデバイス600が、(1以上の)仮想的なデバイスを使用して及び/又は幾つかのデバイスにわたり(例えば、クラウド環境において)実装され得る。一態様では、コンピューティングデバイス600が、
図1の飛行スケジューリングシステム125などの飛行スケジューリングシステムに対応する。
【0071】
[0076] 図示されているように、コンピューティングデバイス600は、CPU605、メモリ610、ストレージ615、ネットワークインターフェース625、及び1以上のI/Oインターフェース620を含む。図示されている一態様では、CPU605が、メモリ610内に記憶されたプログラミング指示命令を検索して実行し、ならびにストレージ615内に存在するアプリケーションデータを記憶し検索する。CPU605は、概して、単一のCPU及び/又はGPU、複数のCPU及び/又はGPU、複数の処理コアを有する単一のCPU及び/又はGPUなどを表す。メモリ610は、概して、ランダムアクセスメモリを表すように含まれている。ストレージ615は、ディスクドライブ、フラッシュベースのストレージデバイスなどの任意の組み合わせであってよく、固定ディスクドライブ、リムーバブルメモリカード、キャッシュ、光学ストレージ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、又はストレージエリアネットワーク(SAN)などの固定及び/又はリムーバブルストレージデバイスを含み得る。
【0072】
[0077] 幾つかの態様では、I/Oデバイス635(キーボードやモニターなど)は、I/Oインターフェース620を介して接続される。更に、ネットワークインターフェース625を介して、コンピューティングデバイス600は、1以上の他のデバイス及びコンポーネントと通信可能に結合され得る(例えば、インターネットや(1以上の)ローカルネットワークなどを含み得るネットワークを介して)。図示されているように、CPU605、メモリ610、ストレージ615、(1以上の)ネットワークインターフェース625、及び(1以上の)I/Oインターフェース620は、1以上のバス630によって通信可能に結合されている。
【0073】
[0078] 図示されている一態様では、メモリ610が、訓練生データコンポーネント650、タグ付けコンポーネント655、及び教官コンポーネント660を含む。これらは、上述された1以上の態様を実行し得る。概念的な明瞭さのために、個別の構成要素として描かれているが、複数の態様では、図示されている構成要素(及び図示されていない他の構成要素)の動作は、任意の数の構成要素にわたり組み合わされたり、又は分散されたりし得る。更に、メモリ610内に存在するソフトウェアとして図示されているが、複数の態様では、図示されている構成要素(及び図示されていない構成要素)の動作は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせを使用して実装され得る。
【0074】
[0079] 一態様では、上述されたように、訓練生コンポーネント650(
図1の訓練生コンポーネント130に対応し得る)を使用して、訓練シラバスを評価し、そのシラバスを完了するために、訓練生をスケジューリングされた飛行に割り当てる。上述されたように、タグ付けコンポーネント655(
図1のタグ付けコンポーネント135に対応し得る)を使用して、(1以上の)割り当てられた訓練生に基づいて及び/又はシラバスに基づいて、スケジューリングされた飛行にタグ付けすることができる。上述されたように、教官コンポーネント660(
図1の教官コンポーネント140に対応し得る)を使用して、(例えば、割り当てられたタグに基づいて)スケジューリングされた飛行に教官を割り当てることができる。
【0075】
[0080] 図示されている一実施例では、ストレージ615が、シラバスデータ670(
図1のシラバス105に対応し得る)を含む。ストレージ615はまた、飛行データ675(
図1の飛行データ110に対応し得る)、訓練生データ680(
図1の訓練生データ115に対応し得る)、及び教官データ685(
図1の教官データ120に対応し得る)も含む。ストレージ615内に存在するように図示されているが、シラバスデータ670、飛行データ675、訓練生データ680、及び教官データ685は、メモリ610を含む任意の適切な場所に記憶され得る。
【0076】
[0081] 上述されたように、コンピューティングデバイス600は、概して、訓練レジメンに従って、スケジューリングされた飛行に訓練生と教官を割り当てるために、記憶されたデータを使用し得る。例えば、コンピューティングデバイス600(例えば、訓練生コンポーネント650)は、飛行事象を特定するためにシラバスデータ670を評価し、シラバスデータ670を満たすために、訓練生(例えば、訓練生データ680から)を特定のスケジューリングされた飛行(例えば、飛行データ675から)に割り当てることができる。タグ付けコンポーネント655は、シラバス内に示された要件に基づいて、これらのスケジューリングされた飛行にタグ付けし、教官コンポーネント660は、割り当てられたタグに少なくとも部分的に基づいて、教官(例えば、教官データ685から)をこれらの飛行に割り当てることができる。
【0077】
[0082] 現在の開示では、様々な態様が参照される。しかし、本開示は、特定の説明された態様に制限されないことを理解されたい。その代わりに、本明細書で提供される教示を実装し、実践するために、下記の特徴及び要素の任意の組み合わせが、種々の態様に関連しているか否かに関わらず想定される。更に、態様の要素が、「AとBのうちの少なくとも1つ」の形態で説明されるときに、要素Aのみ、要素Bのみ、及び要素A及びBを含む態様が、各々想定されることを理解されたい。更に、幾つかの態様は、他の潜在的な解決策及び/又は先行技術を超える利点を実現し得るが、特定の利点が所与の態様によって実現されるか否かは、本開示を限定していない。したがって、本明細書で開示される態様、特徴、及び利点は、単なる例示であり、且つ、(1以上の)請求項に明記されない限り、付随する特許請求の範囲の要素であるとも、付随する特許請求の範囲を限定するとも、見なされない。同様に、「本発明」への言及は、本明細書で開示されている発明のあらゆる主題を一般化するものと解釈すべきではなく、(1以上の)請求項に明記されない限り、付随する特許請求の範囲の要素であるとも、付随する特許請求の範囲を限定するとも見なすべきではない。
【0078】
[0083] 当業者によって理解され得るように、本明細書で説明される複数の態様は、システム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、複数の態様は、専らハードウェアである態様、専らソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)である態様、又はソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた態様の形式を採り得る。本明細書では、それらは全て「回路」、「モジュール」、又は「システム」と広く称され得る。更に、本明細書で説明される態様は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化される1以上のコンピュータ可読記憶媒体内で具現化されるコンピュータプログラム製品の形態を採り得る。
【0079】
[0084] コンピュータ可読ストレージ媒体で具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、又は、それらの任意の好適な組み合わせを含むがそれらに限定されない、任意の適切な媒体を使用して伝送され得る。
【0080】
[0085] 本開示の複数の態様の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語もしくはこれに類するプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれていてよい。プログラムコードは、専らユーザのコンピュータで、部分的にユーザのコンピュータで、独立型のソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータで且つ部分的に遠隔コンピュータで、又は専ら遠隔コンピュータ又はサーバで実行されてよい。後者の場合、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)若しくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され得るか、又は例えば、インターネットサービスプロバイダを利用してインターネットを介して)外部のコンピュータに接続されてよい。
【0081】
[0086] 本開示の複数の態様は、本開示の複数の態様による、方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品の、フローチャート及び/又はブロック図を参照しながら、本明細書で説明される。フローチャート及び/又はブロック図の各ブロック、並びに、フローチャート及び/又はブロック図における複数のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム指示命令によって実施され得ることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム指示命令は、機械を生産するために、汎用コンピュータ又は特殊用途コンピュータのプロセッサ、或いは他のプログラマブルデータ処理装置に提供されてよい。それによって、コンピュータのプロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理装置を介して実行されるこれらの指示命令が、フローチャート及び/又はブロック図の(1以上の)ブロック内で特定される機能/作用を実施するための手段を創出する。
【0082】
[0087] これらのコンピュータプログラム指示命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスが、特定の様態で機能するように指示し得る、コンピュータ可読媒体に記憶されることも可能である。それによって、コンピュータ可読媒体内に記憶された指示命令が、製造品を作製する。それらの指示命令は、フローチャート及び/又はブロック図の(1以上の)ブロック内で特定される機能/作用を実施する指示命令を含む。
【0083】
[0088] コンピュータプログラム指示命令はまた、コンピュータに実装されたプロセスを生成するために、一連の動作ステップが、コンピュータ、他のプログラマブル装置、又は他のデバイスで実行されることをもたらすように、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスにロードされ得る。それによって、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスで実行される指示命令は、フローチャート及び/又はブロック図の(1以上の)ブロックで特定される機能/作用を実装するためのプロセスを提供する。
【0084】
[0089] 複数の図面におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な態様による、システム、方法、及びコンピュータプログラム製品の実現可能な実施態様の、アーキテクチャ、機能、及び動作を示している。そのため、フローチャート及びブロック図における各ブロックは、特定の(1以上)論理機能を実装するための1以上の実行可能な指示命令を含む、コードのモジュール、コードのセグメント、又はコードの一部分を表わし得る。幾つかの代替的な実施態様では、ブロック内に示された機能が、図面に記載された順序で行われなくともよい。例えば、実際には、関連する機能に応じて、連続して示されている2つのブロックが、実質的に同時に実行されてよく、又は、それらのブロックが逆に又は順序に関わらず実行されてもよい。ブロック図及び/又はフローチャートの各ブロック、並びに、ブロック図及び/又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、特定の機能若しくは作用を実施する特殊用途のハードウェアベースのシステムによって、又は、特殊用途ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって、実装され得ることにも、留意されたい。
【0085】
[0090] 以上の説明は本開示の態様を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱しなければ、本開示の他の態様及び更なる態様が考案されてよく、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によって定められる。
【外国語明細書】