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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150409
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】レーン切替式熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28D 7/16 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
F28D7/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024048814
(22)【出願日】2024-03-25
(31)【優先権主張番号】23166204
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】24163367
(32)【優先日】2024-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルフティ、クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ディーツマン、ユルグ オル ケルスティン
(72)【発明者】
【氏名】スガムバティ、アレッサンドロ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より軽量で、より均一な熱伝達が可能で、熱交換器の管を通過する第2の流体流の通過回数(例えば、1回通過)がより少ない改良型熱交換器を提供する。
【解決手段】システムは、対向する第1及び第2の側106,108と、第1の側から第2の側まで延在する対向する第3及び第4の側110,112と、第1の側から第2の側まで延在する対向する第5及び第6の側114,116とを有する管束に配置された複数の管を有する熱交換器100を備えている。熱交換器は、管束を横断し、かつ複数の管の外側で第5の側と第6の側の間に延在する複数の外部フローレーンをさらに含む。複数の管の各管は、第1の側と第2の側の間で対向する第1及び第2の方向に延在する複数の管部分を順番に含み、順番に連続する各管部分又は1以上の連続する管部分は、先行する管部分に対して複数の外部フローレーン間でレーンを切り替える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器(100)を備えるシステムであって、前記熱交換器(100)が、
対向する第1及び第2の側(106,108)と、第1の側(106)から第2の側(108)まで延在する対向する第3及び第4の側(110,112)と、第1の側(106)から第2の側(108)まで延在する対向する第5及び第6の側(114,116)とを有する管束(104)内に配置された複数の管(102)であって、第5及び第6の側(114,116)が第3の側(110)と第4の側(112)の間に延在する、複数の管(102)と、
前記管束(104)を横断し、かつ前記複数の管(102)の外側で第5の側(114)と第6の側(116)の間に延在する複数の外部フローレーン(170)と
を備えており、前記複数の管(102)の各管(102)が、第1の側(106)と第2の側(108)の間で対向する第1及び第2の方向(134,136)に延在する複数の管部分(132)を順番(133)に備えており、
前記順番(133)において前記複数の管部分(132)の1以上の連続する管部分(132)が、前記複数の管部分(132)の先行する管部分(132)に対して、前記複数の外部フローレーン(170)の間でレーンを切り替える、システム。
【請求項2】
前記複数の管部分(132)が、前記管束(104)の第3の側(110)に面する第1の管側面(180)と、前記管束(104)の第4の側(112)に面する第2の管側面(182)とを備えており、前記管束(104)の第3の側(110)に沿った複数の管部分(132)が、前記複数の外部フローレーン(170)の1つに面する第2の管側面(182)を有しており、前記管束(104)の第4の側(112)に沿った複数の管部分(132)が、前記複数の外部フローレーン(170)の1つに面する第1の管側面(180)を有しており、前記管束(104)の第3の側(110)と第4の側(112)(112)の間の複数の管部分(132)が、前記複数の外部フローレーン(170)の異なる隣接レーンに面する第1及び第2の管側面(180,182)の両方を有している、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第3の側(110)と第4の側(112)の間で第1のオフセットだけシフトさせること、及び
第5の側(114)と第6の側(116)の間で第2のオフセットだけシフトさせること
によって、前記順番(133)において前記複数の管部分(132)の1以上の連続する管部分(132)が、前記複数の管部分(132)の先行する管部分(132)に対して、前記複数の外部フローレーン(170)の間でレーンを切り替える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の管部分(132)の連続する又は先行する管部分(132)が第3又は第4の側(110,112)に沿って配置されているときに、前記複数の外部フローレーン(170)の1以上のレーンを横断してシフトさせること、及び
前記複数の管部分(132)の連続しかつ先行する管部分(132)が第3及び第4の側(110,112)に沿って配置されていないときに、複数の外部フローレーン(170)の2以上のレーンを横断してシフトさせること
によって、前記順番(133)において前記複数の管部分(132)の1以上の連続する管部分(132)が、前記複数の管部分(132)の先行する管部分(132)に対して、前記複数の外部フローレーン(170)の間でレーンを切り替える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記順番(133)において前記複数の管部分(132)の1以上の連続する管部分(132)が、前記管束(104)の第6の側(116)から第5の側(114)への第3の方向(138)に、先行する管部分(132)に対してオフセットしており、かつ
前記管束(104)の第4の側(112)から第3の側(110)への第4の方向(140)に、前記複数の外部フローレーン(170)の1以上のレーンを横断してシフトさせること、及び
第3の側(110)に到達したときに、レーンシフトの方向を、第4の方向(140)から、前記管束(104)の第3の側(110)から第4の側(112)への第5の方向(142)に反転させること
によって、前記順番(133)において前記複数の管部分(132)の1以上の連続する管部分(132)が、前記複数の管部分(132)の先行する管部分(132)に対して、前記複数の外部フローレーン(170)の間でレーンを切り替える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の管(102)が、第1の入口ヘッダ(120)と第1の出口ヘッダ(126)との間に延在する第1の複数の管(128)を備えており、第1の入口ヘッダ(120)が、前記管束(104)の第6の側(116)で第1の複数の管(128)と結合し、第1の出口ヘッダ(126)が、前記管束(104)の第5の側(114)で第1の複数の管(128)と結合しており、第3の側(110)と第4の側(112)の間で第1のオフセットだけシフトさせること及び第5の側(114)と第6の側(116)の間で第2のオフセットだけシフトさせることによって、前記順番(133)において第1の複数の管(128)の複数の管部分(132)の1以上の連続する管部分(132)が、前記複数の管部分(132)の先行する管部分(132)に対して、前記複数の外部フローレーン(170)の間でレーンを切り替える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の管(102)が、第2の入口ヘッダ(122)と第2の出口ヘッダ(124)との間に延在する第2の複数の管(130)を含んでおり、第2の入口ヘッダ(122)が、前記管束(104)の第6の側(116)で第2の複数の管(130)と結合しており、第2の出口ヘッダ(124)が、前記管束(104)の第5の側(114)で第2の複数の管(130)と結合しており、第3の側(110)と第4の側(112)の間で第1のオフセットだけシフトさせること及び第5の側(114)と第6の側(116)の間で第2のオフセットだけシフトさせることによって、前記順番(133)において第2の複数の管(130)の複数の管部分(132)の1以上の連続する管部分(132)が、前記複数の管部分(132)の先行する管部分(132)に対して、前記複数の外部フローレーン(170)の間でレーンを切り替え、
第1及び第2の入口ヘッダ(120,122)が、前記管束(104)の対向する第1及び第2の側(106,108)に配置され、第1及び第2の出口ヘッダ(126,124)が、前記管束(104)の対向する第1及び第2の側(106,108)又は対向する第2及び第1の側(108,106)に配置される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記順番(133)において前記複数の管部分(132)の1以上の連続する管部分(132)が、第3の方向(138)に離間して配置され、かつ複数の外部フローレーン(170)に沿って位置を切り替えるために、前記複数の管部分(132)の先行する管部分(132)に対して、対向する第4及び第5の方向(140,142)の一方に離間して配置され、第3、第4及び第5の方向(138,140,142)が第1及び第2の方向(134,136)と交差しており、第4及び第5の方向(140,142)が互いに平行であり、第3の方向(138)が第4及び第5の方向(140,142)と交差しており、第1、第2、第4及び第5の方向(134,136,140,142)が水平であり、第3の方向(138)及び前記複数の外部フローレーン(170)が垂直である、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の外部フローレーン(170)が、第1の平面と第2の平面の間に配置されており、第1及び第2の平面が、前記複数の管(102)の異なる管部分(132)の中心線(174)に沿って延在している、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の管部分(132)が、前記複数の外部フローレーン(170)の1以上の隣接するレーンに横方向に延在する複数のフィン(190)を備えており、前記複数のフィン(190)が、前記複数の管部分(132)の環状外面(184)から半径方向外側に延在する複数の環状フィン(190)からなり、前記複数の環状フィン(190)が、前記複数の管部分(132)の中心線(174)に沿って長さ方向に直列に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記順番(133)において前記複数の管部分(132)の連続する管部分(132)が、第1の側又は第2の側(106,108)における管屈曲部(200)を介して複数の管部分(132)の先行する管部分(132)に結合している、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数の管部分(132)の連続又は先行する管部分(132)が第3及び第4の側(110,112)に沿って配置されているときに、1以上の管屈曲部(200)が、前記複数の外部フローレーン(170)の1以上のレーンを横断して延在しており、前記複数の管部分(132)の連続又は先行する管部分(132)が第3及び第4の側(110,112)に沿って配置されていないときに、1以上の追加の管屈曲部(200)が、前記複数の外部フローレーン(170)の2以上のレーンを横断して延在している、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記熱交換器(100)が、第1の圧力セクション(90)に付随する第1の熱交換器(100)であり、当該システムが、第2の圧力セクション(70)に付随する第2の複数の管(102)を有する第2の熱交換器(100)を備えており、第1の圧力セクション(90)に付随する第1の熱交換器(100)の複数の管(102)の少なくとも一部が、第2の圧力セクション(70)に存在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
方法であって、
熱交換器(100)の複数の管(102)を、対向する第1及び第2の側(106,108)と、第1の側(106)から第2の側(108)まで延在する対向する第3及び第4の側(110,112)と、第1の側(106)から第2の側(108)まで延在する対向する第5及び第6の側(114,116)とを有する管束(104)に組み立てるステップであって、第5及び第6の側(114,116)が第3の側(110)と第4の側(112)の間に延在する、ステップと、
前記管束(104)を横断し、かつ前記複数の管(102)の外側で第5の側(114)と第6の側(116)の間に延在する複数の外部フローレーン(170)を用意するステップと、
前記複数の外部フローレーン(170)に対する複数の管(102)のレーン切替設備を用意するステップであって、前記複数の管(102)が、第1の側(106)と第2の側(108)の間で対向する第1及び第2の方向(134,136)に延在する複数の管部分(132)を順番(133)に備えており、前記順番(133)において前記複数の管部分(132)の1以上の連続する管部分(132)が、前記複数の管部分(132)の先行する管部分(132)に対して、前記複数の外部フローレーン(170)の間でレーンを切り替える、ステップと
を含む方法。
【請求項15】
方法であって、
対向する第1及び第2の側(106,108)と、第1の側(106)から第2の側(108)まで延在する対向する第3及び第4の側(110,112)と、第1の側(106)から第2の側(108)まで延在する対向する第5及び第6の側(114,116)とを有する管束(104)内の熱交換器(100)の複数の管(102)を介して第1の流体を流すステップであって、第5及び第6の側(114,116)が第3の側(110)と第4の側(112)の間に延在する、ステップと、
前記管束(104)を横断し、かつ前記複数の管(102)の外側で第5の側(114)と第6の側(116)の間に延在する複数の外部フローレーン(170)に沿って、第2の流体を流すステップと、
前記複数の外部フローレーン(170)に対する複数の管(102)のレーン切替設備を介して、第1の流体と第2の流体との間で熱を伝達するステップであって、前記複数の管(102)が、第1の側(106)と第2の側(108)の間で対向する第1及び第2の方向(134,136)に延在する複数の管部分(132)を順番(133)に備えており、前記順番(133)において前記複数の管部分(132)の1以上の連続する管部分(132)が、前記複数の管部分(132)の先行する管部分(132)に対して、前記複数の外部フローレーン(170)の間でレーンを切り替える、ステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2023年3月31日出願の「LANE SWITCHING HEAT EXCHANGER」と題する欧州特許出願第23166204.0号に基づく優先権を主張するものであり、その開示内容全体は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0002】
本願で開示する主題は、蒸気の生成に使用される熱交換器などの熱交換器に関する。
【0003】
熱交換器は、様々な流体流間で熱を交換するために様々な用途に使用される。特定の用途では、熱交換器は、第1の流体流(例えば、排気ガスのような高温ガス)から第2の流体流(例えば、水)に熱を伝達して蒸気を生成するために使用される。例えば、コンバインドサイクル発電プラント(CCPP)では、ガスタービンシステムが排ガスを発生させ、これを排熱回収ボイラ(HRSG)に通して蒸気を発生させる。この蒸気は、蒸気タービンシステムを駆動するために使用される。HRSGのような熱交換器は、第1の流体の流れを横断して延在する複数の平行管を含んでおり、管は第1のと第2の流体間の熱交換のために第2の流体の流れを運ぶ。残念なことに、熱交換は、熱交換器の様々な管にわたって変化する可能性があり、その結果、管内の第2の流体流の温度変動が生じる。かかる温度変化は、一般に下流の機器にとって望ましくない。その結果、熱交換器は、温度変動を低減するために、熱交換器の管を通る第2の流体流の複数回の通過を必要とする場合がある。HRSGのような熱交換器は、大きな管(例えば、直径1.5インチの管)を使用するため、重くなる。大きな管は、CCPPの起動時間を遅くする原因にもなる。従って、より軽量で、より均一な熱伝達が可能で、熱交換器の管を通過する第2の流体流の通過回数(例えば、1回通過)がより少ない改良型熱交換器に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0004】
以下、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲に属する幾つかの実施形態について要約する。これらの実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲を限定するものではなく、本発明の可能な形態を簡単にまとめたものである。実際、本発明は、以下に記載する実施形態と同様のものだけでなく、それらと異なる様々な実施形態をも包含する。
【0005】
第1の実施形態では、システムは、対向する第1及び第2の側と、第1の側から第2の側まで延在する対向する第3及び第4の側と、第1の側から第2の側まで延在する対向する第5及び第6の側とを有する管束内に配置された複数の管を有する熱交換器を備えており、第5及び第6の側は、第3の側と第4の側の間に延在する。熱交換器は、管束を横断し、かつ複数の管の外側で第5の側と第6の側の間に延在する複数の外部フローレーンをさらに含む。複数の管の各管は、第1の側と第2の側の間で対向する第1及び第2の方向に延在する複数の管部分を順番に含み、前記順番において各管部分又は1以上の連続する管部分は、先行する管部分に対して複数の外部フローレーン間でレーンを切り替える。
【0006】
第2の実施形態では、方法は、熱交換器の複数の管を、対向する第1及び第2の側と、第1の側から第2の側まで延在する対向する第3及び第4の側と、第1の側から第2の側まで延在する対向する第5及び第6の側とを有する管束に組み立てることを含んでおり、第5及び第6の側は、第3の側と第4の側の間に延在する。本方法はさらに、管束を横断して複数の管の外側で第5の側と第6の側の間に延在する複数の外部フローレーンを用意することと、複数の外部フローレーンに対する複数の管のレーン切替設備を用意することとを含む。複数の管は、第1の側と第2の側の間で対向する第1及び第2の方向に延在する複数の管部分を順番に含み、前記順番において複数の管部分の各連続する管部分(又は1以上の連続する管部分)は、複数の管部分の先行する管部分に対して複数の外部フローレーン間でレーンを切り替える。
【0007】
第3の実施形態では、方法は、対向する第1及び第2の側と、第1の側から第2の側まで延在する対向する第3及び第4の側と、第1の側から第2の側まで延在する対向する第5及び第6の側とを有する管束内の熱交換器の複数の管を通して第1の流体を流すことを含んでおり、第5及び第6の側は、第3の側と第4の側の間に延在する。本方法はさらに、管束を横断して複数の管の外側の第5の側と第6の側の間に延在する複数の外部フローレーンに沿って第2の流体を流し、複数の外部フローレーンに対する複数の管のレーン切替設備を介して第1の流体と第2の流体との間で熱を伝達することを含む。複数の管は、第1の側と第2の側の間で対向する第1の方向及び第2の方向に延在する複数の管部分を順番に含み、前記順番において複数の管部分の各々又は1以上の連続する管部分は、複数の管部分の先行する管部分に対して複数の外部フローレーン間でレーンを切り替える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本願で開示する技術の上記その他の特徴、態様及び利点については、添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって理解を深めることができよう。
図1】本開示の態様に係る、ガスタービンシステム、蒸気タービンシステム及び管のレーン切替設備を有する1以上の熱交換器を有するHRSGを有するCCPPの一実施形態を示す概略図である。
図2図1のHRSGの一実施形態を示す概略図であり、本開示の態様に係る、管のレーン切替設備を有する1以上の熱交換器を有する、高圧セクション、中圧セクション及び低圧セクションを示す。
図3】本開示の態様に係る、図1及び図2のHRSGの熱交換器の一実施形態の透視図である。
図4】本開示の態様に係る、1以上のモジュールを有するHRSGの実施形態の概略図である。
図5】本開示の態様に係る、図4のHRSGの一部の実施形態の概略図である。
図6A】本開示の態様に係る、図3の熱交換器の第1の側の実施形態の概略図である。
図6B】本開示の態様に係る、図3の熱交換器の第2の側の実施形態の概略図である。
図7】本開示の態様に係る、図3の熱交換器の実施形態の概略図である。
図8】本開示の態様に係る、図1~7の熱交換器の第1及び第2の側に沿って順番にそれぞれの管部分を結合するために使用される連結部の一実施形態の透視図である。
図9】本開示の態様に係る、図3の熱交換器の支持プレートの実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の熱交換器、その組立方法並びにその運転方法の1以上の特定の実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するため、現実の実施に際してのあらゆる特徴について本明細書に記載しないこともある。実施化に向けての開発に際して、あらゆるエンジニアリング又は設計プロジェクトの場合と同様に、実施毎に異なる開発者の特定の目標(システム及び業務に関連した制約に従うことなど)を達成すべく、実施に特有の多くの決定を行う必要があることは明らかであろう。さらに、かかる開発努力は複雑で時間を要することもあるが、本明細書の開示内容に接した当業者にとっては日常的な設計、組立及び製造作業にすぎないことも明らかである。
【0010】
本発明の様々な実施形態の構成要素について紹介する際、単数形で記載したものは、その構成要素が1以上存在することを意味する。「含む」、「備える」及び「有する」という用語は内包的なものであり、記載した構成要素以外の追加の要素が存在していてもよいことを意味する。
【0011】
本開示の実施形態は、1以上の熱交換器を有する排熱回収ボイラ(HRSG)を含んでおり、各熱交換器は、複数の管を有する管束を含む。HRSGの運転中、液体(例えば、水)は、管を通って送られ、各管束内の複数の管を横断して流れる排気ガスによって加熱し得る。排気ガスが管を横断して流れるとき、液体は液体の作動温度に向かって加熱され、蒸気を発生する。発生した蒸気は、蒸気タービンに送られ、負荷を駆動する。
【0012】
本願で開示するHRSGの幾つかの熱交換器は、それぞれの管束内の複数の管の各管が、管のレーン切替構成において熱交換器の第1の側と第2の側の間を往復する多数の管部分を有するように組み立てることができる。管部分は、各連続する管部分が、熱交換器に対して第1の軸に沿った第1の方向に先行する管部分から離間されるように、順番に配置し得る。例えば、熱交換器内の管の一部は、熱交換器の第3の側(例えば、上側)に近接する熱交換器の第1の側(例えば、前側)に配置された入口ヘッダから、熱交換器の第4の側(例えば、下側)に近接する熱交換器の第2の側(例えば、後側)に配置された出口ヘッダまで延在することができる。従って、それぞれの管内の各連続する管部分は、下方向の垂直軸に沿って先行する管部分から離間して配置し得る。したがって、熱交換器のそれぞれの管を通って導かれる液体は、各連続する管部分を介して熱交換器の第1の側と第2の側の間を往復し、一般に、熱交換器の垂直軸に沿って、熱交換器の第3の側から第4の側に向かって下方向に導くことができる。
【0013】
さらに、特定の実施形態では、それぞれの管内の1以上の連続する管部分は、熱交換器に対して第2の軸に沿って第2の方向に先行する管部分から離間して配置し得る。すなわち、それぞれの管内の特定の連続する管部分は、1以上の連続する管部分が、熱交換器の管束を横断して向けられる排気ガスの異なる外部フローレーンに配置されるように、それぞれの管内の先行する管部分に対して、熱交換器の第5及び第6の側(例えば、横方向側)から異なる離間して配置し得る。例えば、特定の実施形態では、排気ガスは、複数の外部フローレーンを通って垂直方向にそれぞれの熱交換器を横断して流れることができる。本明細書では、「外部フローレーン」は、熱交換器の管の外部にある(例えば、周囲に延在する)レーン又は通路をいい、熱交換器の管の内部を通って導かれる水と熱交換するために、排気ガスを受け取り及び/又はそこに導くように構成される。したがって、本明細書に記載の外部フローレーンは、熱交換器の垂直軸に沿った方向(例えば、垂直方向)に延在することができ、それによって、外部フローレーンは、熱交換器の管を通って流れる液体を排気ガスと熱交換関係に置く(例えば、蒸気を発生させる)ために、排気ガスを受け取ってそこに通し、熱交換器の管の周囲(例えば、横切る)に向けることができる。上記の例を用いると、各管が熱交換器の上側から下側に向かって熱交換器の第1及び第2の側(例えば、表側及び裏側)の間を前後に延在するにつれて、1以上の連続する管部分も、熱交換器の水平軸に沿った横方向に先行する管部分から離間して配置し得る。すなわち、管の特定の連続する管部分は、それぞれの管の1以上の管部分が、それぞれの管の別の管部分に対して、熱交換器を通って垂直方向に流れる排気ガスの異なる外部フローレーンに位置するように、熱交換器の横方向側に対して異なる位置に配置し得る。
【0014】
液体がそれぞれの熱交換器を通って導かれる(例えば、熱交換器の管を通って導かれる)とき、液体をそこに導く熱交換器の管の少なくとも一部は、排気ガスの外部フローレーンを横断して切り替わることができ(例えば、管のレーン切替設備)、それにより、排気ガスから液体への熱伝達の均一性が増大する。このようにして、液体は、熱交換器のそれぞれの管を通過する液体の1回の通過で相変化(例えば、液体から蒸気へ)を受けることができ、その結果、HRSGの効率が向上する。このように、本明細書で開示される熱交換器は、「ワンススルー熱交換器」と呼ばれることがあり、これは、熱交換器の熱交換管を1回通過する間に液体が所望の動作温度(例えば、液体が蒸気に気化する温度)に到達させることのできる熱交換器を示すものである。
【0015】
特定の実施形態では、HRSGによって採用されるそれぞれの熱交換器のそれぞれの管は、それぞれの熱交換管の中心軸から半径方向に延在するフィン(例えば、環状又は円板状のフィン)を含むことができる。フィンはレーザー溶接してもよいし、他の固定手段を介して熱交換管に結合してもよい。フィンは、熱交換管を横断して通過する排気ガス(例えば、外部フローレーンを流れる排気ガス)と熱交換管内の液体との間で追加の熱交換が起こり得るように、それぞれの管の表面積を増大させるように構成し得る。すなわち、本明細書に開示するようにフィンを有する熱交換管を組み立てることによって、外部フローレーンを通ってHRSGの熱交換管を横断して導かれる排気ガスと、熱交換管内を流れる液体との間の追加の熱交換が達成し得る。特定の実施形態では、管は、直径3/4インチ、7/8インチ、又は1インチ以下(それぞれ、直径1.90cm、2.22cm、又は2.54cm)など、より小さいサイズにすることもできる。フィンを管に取り付けるためにレーザー溶接を使用することで、直径の小さい管の使用が可能になり、熱交換器内の熱伝達が向上する。
【0016】
さらに、上述のレーン切替設備を可能にするために、管順番内の連続する管部分は、熱交換管が排気ガスの外部フローレーン間で切り替えることができるようにする連結部(例えば、U字形連結部、U字形ベンド)によって互いに結合してもよい。従って、開示された実施形態は、改善された温度分布と、蒸気を生成するためのより迅速な水の加熱とを可能にすることができ、これにより、CCPPの始動手順をさらに改善することができる。
【0017】
はじめに、図1は、複合サイクル発電プラント(CCPP)10の一実施形態の概略図である。図に示す実施形態では、CCPP10は、ガスタービンシステム14と、蒸気タービンシステム16と、ガスタービンシステム14と蒸気タービンシステム16との間に配置された排熱回収ボイラ(HRSG)18とを含む。HRSG18は一般に、ガスタービンシステム14の排気ガス44から蒸気タービンシステム16の流体(例えば、水53)への熱伝達を可能にし、それにより蒸気タービンシステム16で使用する蒸気46を生成するように構成される。これら及び他の特徴については、以下で詳細に説明する。
【0018】
ガスタービンシステム14は、空気流制御モジュール20、圧縮機22、燃焼器24及びタービン26を含むことができる。動作において、酸化剤28(例えば、空気、酸素、酸素富化空気、又は酸素低減空気)は、酸化剤の流れ(例えば、気流)の量を制御する空気流制御モジュール20を通ってタービンシステム14に入る。空気流制御モジュール20は、酸化剤流を加熱すること、酸化剤流を冷却すること、圧縮機22から気流を抜き出すこと、入口制限を使用すること、入口案内羽根を使用すること、又はそれらの組み合わせによって気流を制御することができる。空気が空気流制御モジュール20を通過すると、空気は圧縮機22に入る。圧縮機22は、圧縮機ブレードを有する一連の圧縮機段(例えば、ロータディスク30)において空気28を加圧する。空気28が加圧された後、圧縮された空気が圧縮機22から出る前に、加圧された空気が圧縮機吐出室29に存在することがある。
【0019】
圧縮空気が圧縮機22を出た後、空気は燃焼器24に入り、燃料32と混合する。ガスタービンシステム14は、天然ガス及び/又は水素リッチ合成ガスなどの液体燃料又は気体燃料を使用して、ガスタービンシステム14を運転することができる。例えば、燃料ノズル34は、最適な燃焼、排出、燃料消費及び出力に適した比率で、燃焼器24に燃料-空気混合気を噴射することができる。描かれているように、複数の燃料ノズル34は燃料32を吸入し、燃料32を空気と混合し、燃料空気混合気を燃焼器24に分配する。燃料と空気の混合気は燃焼器24内の燃焼室で燃焼し、燃焼ガスが発生する。燃焼器24は燃焼ガスを膨張タービン26を通して排気口36に導く。燃焼ガスが膨張タービン26を通過すると、燃焼ガスはタービンロータディスク38(例えば、タービン段)に取り付けられたタービンブレードに接触する。燃焼ガスがタービン26を通過すると、燃焼ガスはタービンブレードにロータディスク38を回転させる力を与える。ロータディスク38の回転は、1以上のシャフト40の回転及び圧縮機22内のロータディスク30(例えば、シャフト40と回転可能に結合していてもよい)の回転を誘導する。負荷42(例えば、発電機)は、シャフト40に接続し、シャフト40の回転エネルギーを使用して、電力網によって使用される電力を生成する。膨張タービン26が燃焼ガスからエネルギーを取り出すと、燃焼ガスは膨張して排気ガス44となり、排気ガス44は排気ガス出口36を通って膨張タービン26から出る。
【0020】
排気ガス44は、次に、排気ガス出口36(例えば、膨張タービン26の)からHRSG18の第1の流路17に送られる。一般に、HRSG18はまた、第2の流路19において、蒸気タービンシステム16及び/又は給水から流体(例えば、水53)を受け取ることができる。第1の流路17と第2の流路19は互いに隣接して配置し得る。従って、水53は、水53が(例えば、蒸気タービンシステム16で使用するために)蒸気46に変換されるまで、排気ガス44によって加熱し得る。特定の実施形態では、HRSG18は二次プロセス用の補助蒸気45を生成することができる。補助蒸気45を二次プロセス用に生成することで、(例えば、シャットダウンモード及び/又はスタートアップモードの間)HRSG18を含むCCPP10が通常の運転モードでないときでもHRSG18を生産的に利用することができる。
【0021】
図に示す実施形態に引き続き、HRSG18によって生成され(例えば、通常動作モード中に)、上述の一次蒸気46は、蒸気タービンシステム16に送ってもよい。蒸気タービンシステム16は、タービン48、シャフト50及び負荷52(例えば、発電機)を含むことができる。高温の加圧蒸気46が蒸気タービン48に入ると、蒸気46はタービンロータディスク54(例えば、タービン段)に取り付けられたタービンブレードに接触する。蒸気46がタービン48内のタービン段を通過すると、蒸気46はタービンブレードを誘導してロータディスク54を回転させる。ロータディスク54の回転は、シャフト50の回転を誘導する。図示されているように、負荷52(例えば、発電機)はシャフト50に接続されている。従って、シャフト50が回転すると、負荷52(例えば、発電機)は回転エネルギーを使用して電力網用の電力を生成する。加圧された蒸気46がタービン48を通過すると、蒸気46はエネルギーを失う(すなわち、膨張して冷却する)。蒸気タービン48を出た後、蒸気排気51は復水器49に入り、そこで蒸気排気51はHRSG18に送られるために液体の水53になる可能性がある。その後、液体水53は、蒸気タービンシステム16で再利用するために(例えば、HRSG18で)再加熱される。特定の実施形態では、蒸気タービンシステム16は、以下でさらに詳細に説明するように、HRSG18から低圧蒸気を受け取るように構成された低圧セクション67と、HRSG18から中圧蒸気を受け取るように構成された中圧セクション68と、HRSG18から高圧蒸気を受け取るように構成された高圧セクション69とを含むことができる。
【0022】
図に示すように、CCPP10は、CCPP10によって実行される動作を監視する監視システム12を含むこともできる。いくつかの実施形態では、監視システム12は、CCPP10によって実行される動作(例えば、CCPP10のガスタービンシステム14及び/又は蒸気タービンシステム16からの出力増加又は出力減少)を制御するために、CCPP10のコントローラに組み込まれる(又は含まれる)場合がある。一般に、監視システム12は、メモリ56、ディスプレイ57及びプロセッサ58を含むことができる。メモリ56は、ソフトウェアコードで記述された命令及びステップを記憶する、有形で非一過性のコンピュータ可読媒体を含む。ディスプレイ57は、CCPP10に関する情報を中継するための他の多くのディスプレイオプションの中でも、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネセントディスプレイ(ELD)、陰極線管ディスプレイ(CRT)及び/又は発光ダイオード(LED)ディスプレイを含むことができる。プロセッサ58は、CCPP10から受信したデータに応答して、記憶された命令を実行する。より具体的には、監視システム12は、ガスタービンシステム14の負荷、ひいては蒸気タービンシステム16の負荷を柔軟に制御するために、CCPP10内の様々な部品を制御し、これと通信するコントローラに組み込むことができる。図示されているように、コントローラは、空気流制御モジュール20、燃料の吸入32、弁47及び触媒66を制御することができる。さらに、監視システム12は、負荷42と通信することができる。
【0023】
コンバインドサイクル発電プラント10は、コンバインドサイクル発電プラント10の内部又は周囲の様々な状態を検出及び/又は導出するための様々なセンサを含むこともできる。例えば、センサは、排気ガス温度センサ60、HRSG蒸気温度センサ62及び蒸気タービンメタル温度センサ64などの様々な温度センサを使用して、様々な位置の温度を測定することができる。加えて又は代替的に、複合サイクル発電プラント10のセンサは、圧力、振動、流量、複合サイクル発電プラント10内の力学、弁検出(開又は閉)、速度、応力又は歪み及び/又は複合サイクル発電プラント10の運転を示して測定し得る他の適切なパラメータなどの他の運転パラメータに関連し得る。
【0024】
本実施形態では、コントローラ(例えば、監視システム12)は、様々なセンサ60,62,64からデータを受信してもよい。コントローラは、センサ60,62,64の1以上によって収集されたデータの一部に少なくとも部分的に基づいて、排気ガス44が触媒を利用する(例えば、排気ガス44の排出を低減する)のに適切な温度にあるときを決定してもよい。換言すれば、コントローラは、CCPP10(又は対応するHRSG18)が、例えば、排ガス44(又はHRSG18の部品、又はHRSG18を経由する水、これらのいずれかが排ガス44の温度を示す)の温度に少なくとも部分的に基づいて、通常の動作モードに達したときを決定することができる。排ガス44及び/又は水53の温度が適切であれば、触媒66は有効になる可能性がある。しかしながら、いくつかの実施形態では、特定の触媒66(又は対応する部品)は、監視システム12による制御を必要とする場合がある。例えば、触媒66(例えば、SCR触媒)は、排気ガス44へのアンモニア(又は他の試薬)の注入を必要とする場合がある。したがって、監視システム12(又はその制御装置)は、排気ガス44の温度を示すセンサフィードバックを受信し、触媒66(又は触媒66の上流の対応する部品)にアンモニア(又は他の試薬)を注入するように指示することができる。
【0025】
図2は、低圧(LP)セクション70、中圧(IP)セクション80及び高圧(HP)セクション90を含むHRSG18を示す概略図である。図に示す実施形態におけるHRSG18の部品は簡略化されており、限定することを意図していない。図に示すHRSG18は特定のHRSGシステムの一般的な動作を伝えるために示されている。上述の通り、排気ガス44は第1の流路17を経由してHRSG18に送られ、水53を加熱する(例えば、蒸気46を生成する)ために使用され、水53は第2の流路19を経由してHRSG18に送られる。排気ガス44はHRSG18の低圧セクション70、中圧セクション80、高圧セクション90で水53を加熱することができる。
【0026】
例えば、特定の実施形態では、HRSG18は、高圧セクション90、中圧セクション80及び低圧セクション70を、低圧セクション70が高圧セクション90よりも重力に対して高い位置に配置されるように垂直に積み重ねた垂直配向HRSGであってもよい。HRSG18内の各熱交換器は、重力に対して水平方向に延在する管を含んでおり、排気ガス44はHRSG18内を(例えば、外部フローレーンに沿って)垂直方向に導かれ、熱交換器を通過する液体に熱を伝え、それによって蒸気46を発生させることができる。
【0027】
他の実施形態では、HRSG18は、水平軸に沿って配置された高圧セクション90、中圧セクション80及び低圧セクション70を有する水平指向型HRSGであってもよい。HRSG18の各熱交換器は、重力に対して垂直方向又は水平方向に延在する管を含むことができ、排気ガス44は、HRSG18を通過する液体を蒸気に変換するために、HRSG18を通って水平方向に導かれることができる。HRSG18が重力に対して水平方向に延在する熱交換管を有する水平方向HRSGである実施形態では、排気ガス44は、熱交換管が延在する方向と交差する水平方向に熱交換管を横断して向けられてもよい。
【0028】
順不同で図示されているように、低圧(LP)セクション70は、LPエコノマイザ72、LP蒸発器74、LPドラム76及びLP過熱器78を含む。LPエコノマイザ72は、排気ガス44から熱を受け取るために水53を準備するために、水53を予熱するように構成された装置であってもよい。例えば、エコノマイザは、一般に、蒸気46を生成するための熱量を制御するのに適した温度まで水53を予熱することができる。LPエコノマイザ72は、予熱された水53をHRSG18の他の部品、例えばLPドラム76に導く。LPドラム76は、水53をLP蒸発器74に供給する貯蔵容器であってもよい。LP蒸発器74は、予熱された水53を受け取り、水53を更に加熱して蒸気46(例えば、予熱された水53が蒸発器内部で液体から気体に相変化する可能性があるため、低圧蒸気)を生成することができる。一部の実施形態では、水53は、LP蒸発器74内で排気ガス44によって加熱される前、加熱中、又は加熱後に蒸気の形態になることがある。低圧蒸気46は、LP蒸発器74によって生成された飽和低圧蒸気46を過熱蒸気又は乾燥蒸気(例えば、蒸気46)に変換するLP過熱器78によって受け取られる。LP過熱器78を通過した後、低圧蒸気46は、蒸気タービンシステム16の低圧セクション67に導かれる。
【0029】
図示されているように、中圧(IP)セクション80は、IPエコノマイザ82、IP蒸発器84、IPドラム86及びIP過熱器88を含むことができる。IPエコノマイザ82、IP蒸発器84、IPドラム86及びIP過熱器88は、それぞれLPエコノマイザ72、LP蒸発器74、LPドラム76及びLP過熱器78と同様の機能を有する場合がある。従って、IP蒸発器84は、予熱された水53(例えば、IPエコノマイザ82によって予熱されたもの)を受け、水53をさらに加熱して蒸気46(例えば、中圧蒸気)を生成することができる。中圧蒸気46は、IP蒸発器84によって生成された飽和中圧蒸気を過熱蒸気又は乾燥蒸気(例えば、蒸気46)に変換するIP過熱器88によって受け取られる。IP過熱器88を通過した後、中圧蒸気46は蒸気タービンシステム16の中圧セクション68に導かれる。
【0030】
図示されているように、高圧(HP)セクション90は、HPエコノマイザ92、HP蒸発器94、HPドラム96及びHP過熱器98を含む。HPエコノマイザ92、HP蒸発器94、HPドラム96及びHP過熱器98は、それぞれ、LPエコノマイザ72、LP蒸発器74、LPドラム76及びLP過熱器78と同様の機能を有することがある。したがって、HP蒸発器94は、予熱された水53(例えば、HPエコノマイザ92によって予熱されたもの)を受け、水53をさらに加熱して蒸気46(例えば、高圧蒸気)を生成することができる。この高圧蒸気46は、HP過熱器98に送られ、HP蒸発器94で生成された飽和高圧蒸気を過熱蒸気又は乾燥蒸気(例えば、蒸気46)に変換する。HP過熱器98を通過した後、高圧蒸気46は蒸気タービンシステム16の高圧セクション69に導かれる。LPセクション70、IPセクション80及びHPセクション90の熱交換器を含むHRSG18の前述の各部品は、以下でさらに詳細に説明するように、レーン切替設備で配置された熱交換器管を含むことができる。さらに、特定の実施形態では、特定のセクションの複数の熱交換器が、レーン切替設備を有する単一の管束に配置し得る。例えば、以下でさらに詳細に説明するように、HPエコノマイザ92、HPエバポレータ94及びHPスーパーヒータ98はすべて、管束の管を横断して流れる排気ガスと管束の管を通って導かれる液体との間の熱伝達を促進するために(例えば、管束の管を通る単一パスを使用する蒸気の生成を促進するために)、レーン切替設備を有する単一の管束に組み合わせてもよい。さらに、特定の実施形態では、特定の圧力セクションの特定の部品は、異なる圧力セクション内に配置し得る。すなわち、特定の圧力セクション70、80、90に関連する部品の特定の部品の管は、交錯していてもよく及び/又は、異なる圧力セクション内に延在していてもよい。例えば、IP過熱器88は、IP圧力セクション80内に位置するように図示されているが、特定の実施形態では、IP過熱器88の管は、HP圧力セクション90を通って延在し、以下でさらに詳細に説明するように、HPエコノマイザ92及び/又はHP蒸発器94の管と交錯していてもよい。
【0031】
特定の実施形態では、HRSG18は、LP蒸発器74、IP蒸発器84及びHP蒸発器94の各々を通る再循環蒸発器流に配置し得る。例えば、LPドラム76、IPドラム86及びHPドラム96の各々は、水53を貯蔵するように構成してもよく、水53は、LP蒸発器74、IP蒸発器84及びHP蒸発器94に誘導してもよい。水53がLP蒸発器74、IP蒸発器84及びHP蒸発器94のそれぞれを通過する際、水53はそれぞれの蒸発器を通して再循環されることがある。例えば、HRSG18の特定の蒸発器を通過すると、水53はそれぞれの蒸発器の入口ヘッダーに戻され、それによって水53は蒸発器をさらに通過することができる。このようにして、水53を十分な温度まで加熱し、蒸気タービンシステム16の運転に必要な蒸気を発生させることができる。
【0032】
他の実施形態では、HRSG18は、上述の特定の部品なしで配置し得る。例えば、幾つかの実施形態では、LPドラム76、IPドラム86及びHPドラム96は省略してもよい。かかる実施形態では、HRSG18の蒸発器(例えば、LP蒸発器74、IP蒸発器84、HP蒸発器94)は、水を入口ヘッダから出口ヘッダに導くように動作してもよく、それぞれの蒸発器の管は、以下でより詳細に説明するように、水がそれぞれの蒸発器を通る1回の通過で十分な温度に加熱されるように配置し得る(例えば、貫流蒸発器)。すなわち、特定の実施形態では、LP蒸発器74、IP蒸発器84及びHP蒸発器94は、水を十分な温度まで加熱するためにそこを通過する水を再循環させるように構成された再循環蒸発器であってもよく、それによって蒸気の発生が可能になる。他の実施形態では、LP蒸発器74、IP蒸発器84及びHP蒸発器94は、以下でさらに詳細に説明するように、それぞれの蒸発器の入口ヘッダからそれぞれの蒸発器の出口ヘッダへの水53の1回の通過で水を十分な温度まで加熱するように構成された貫流蒸発器であってもよい。
【0033】
図3は、図2のHRSG18の熱交換器100の一実施形態の透視図である。例えば、熱交換器100は、上述の通り、図2のLP蒸発器74、IP蒸発器84及び/又はHP蒸発器94に対応し得る。特定の実施形態では、熱交換器100は、圧力セクション(例えば、低圧セクション70、中圧力セクション80、高圧セクション90)に対応してもよく、上述の通り複数の熱交換部品を含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、熱交換器100は、単一の圧力レベル(LPセクション70、IPセクション80、HPセクション90)のエコノマイザ(例えば、LPエコノマイザ72、IPエコノマイザ82、HPエコノマイザ92)、貫流蒸発器(例えば、LP蒸発器74、IP蒸発器84、HP蒸発器94)及び過熱器(例えば、LP過熱器78、IP過熱器88、HP過熱器98)を含んでいてもよい。このように、熱交換器100は、管束104に配置された複数のインターレース熱交換管102を含む。
【0034】
管束104は、本明細書で説明するように、熱交換管102が異なる排気ガスフローレーン(例えば、外部フローレーン)の間を行き来することを可能にし、それによって熱交換管102にわたる流れ及び温度の均質な分布を可能にするレーン切替設備で構成してもよい。図に示すように、管束104は、第1の側106(例えば、前側)と、第1の側106に対向する第2の側108(例えば、後側、裏側)と、第1の側106から第2の側108まで延在する第3の側110(例えば、横側)と、第3の側110に対向し、第1の側106から第2の側108まで延在する第4の側112と、第1の側106から第2の側108まで延在する第5の側114(例えば、と、第1の側106から第2の側108に延在し、第3の側110と第4の側112との間に延在する第5の側114(例えば、下側)と、第5の側114の反対側で、第1の側106から第2の側108に延在し、第3の側110と第4の側112との間に延在する第6の側116(例えば、上側)とを有する。したがって、管束104内の管102の各々は、管束104の側106,108,110,112,114,116によって画成される内部容積118内に配置し得る。
【0035】
熱交換器100はまた、対向する第1及び第2の側106,108上で、管束104の第6の側116に近接して配置された一対の入口ヘッダ120,122を含むことができる。入口ヘッダ120,122は、それぞれのエコノマイザ(例えば、LPエコノマイザ72、IPエコノマイザ82、HPエコノマイザ92)から予熱された液体(例えば、予熱された水53)を受け取り、予熱された液体を熱交換器100の熱交換管102に導くように構成し得る。上述の通り、液体が熱交換管102を通過する際、熱交換管102を横断して導かれる排気ガス44(例えば、外部フローレーンを通って流れる排気ガス)は、液体に熱を伝え、それによって熱交換管102内で蒸気を発生させることがある。生成された蒸気は、その後、対向する第1及び第2の側106,108に配置され、管束104の第5の側114に近接する一対の出口ヘッダ124,126を通って導かれることがある。出口ヘッダ124,126は、所望の圧力(例えば、低圧蒸気、中圧蒸気、高圧蒸気)で熱交換器100から蒸気を排出し、蒸気を蒸気タービンシステム16に向けるように構成される。特定の実施形態では、出口ヘッダ124,126は、蒸気を過熱器(例えば、LP過熱器78、IP過熱器88、HP過熱器98)に導き、余分な水分を除去し、それによって蒸気タービンシステム16によって使用し得る過熱蒸気及び/又は乾燥蒸気を生成することができる。
【0036】
更に、上述の通り、特定の実施形態では、特定のセクション(LPセクション70、IPセクション80、HPセクション90)のエコノマイザ及び過熱器の各々は、管束104内に配置し得る。例としてHPセクション90を使用すると、管束104の入口ヘッダ120,122は、HP蒸発器94の熱交換管102と流体連通していてもよいHPエコノマイザ92に水53を導くことができ、したがってHPエコノマイザ92はHP蒸発器94に水を導くことができる。さらに、HP過熱器98はHP蒸発器94と流体連通しており、HP過熱器98はHP蒸発器94から蒸気を受け取る。HP蒸発器94から受け取った蒸気を過熱すると、HP過熱器98は過熱蒸気を一対の出口ヘッダ124,126に向け、この出口ヘッダ124,126は過熱蒸気をHPセクション69に向ける。このように、特定の管束104は、様々な熱交換部品(例えば、エコノマイザ、蒸発器、過熱器)からの複数の熱交換管102を含むことができ、熱交換管102は、インターレースされる(例えば、レーン切替方向に配置される)ことができ、それにより、熱交換管102にわたる低温及び温度の均質な分布を可能にする。
【0037】
図に示す実施形態では、入口ヘッダ120は、管束104の第6の側116において複数の管102の第1の部分128(例えば、第1のメッシュ)に結合され、出口ヘッダ126は、管束104の第5の側114において複数の管102の第1の部分128に結合される。同様に、入口ヘッダ122は、管束104の第6の側116において複数の管102の第2の部分130(例えば、第2のメッシュ)に結合され、出口ヘッダ124は、管束104の第5の側114において複数の管102の第2の部分130に結合される。従って、第1及び第2の部分128,130の各管102は、一般に、各それぞれの管102が管束104の第1及び第2の側106,108の間を往復する際に、流体(例えば、水)を第6の側116から管束104の第5の側114に導くことができる。さらに、入口ヘッダ120,122及び出口ヘッダ124,126のそれぞれの位置及び/又は配置は、上記の例に限定されないことが理解されるべきである。例えば、特定の実施形態では、入口ヘッダ120,122及び出口ヘッダ124,126の各々は、管束104の第1の側106に配置してもよく、入口ヘッダ120,122及び出口ヘッダ124,126の各々は、管束104の第2の側108に配置してもよく、入口ヘッダ120、の各々が管束104の第1の側106に配置され、出口ヘッダ124,136の各々が管束104の第2の側108に配置し得るし、入口ヘッダ120,122の各々が管束104の第2の側108に配置され、出口ヘッダ124,126の各々が管束104の第1の側106に配置し得る。同様に、複数の管102の各部分128,130のそれぞれの入口ヘッダ120,122及び出口ヘッダ124,126への配置及び/又は結合は、上記の例に限定されない。例えば、特定の実施形態では、複数の管の第1の部分128は、入口ヘッダ120及び出口ヘッダ124に結合してもよく、一方、複数の管102の第2の部分130は、入口ヘッダ122及び出口ヘッダ126に結合してもよい。
【0038】
管束104の各管102は、それぞれの入口ヘッダ120,122からそれぞれの出口ヘッダ124,126まで順序133で配置された複数の管部分132を含んでいてもよい。各管部分132は、管束104の第1及び第2の側106,108の間に沿って(例えば、平行に)延在することができる。特定の実施形態では、入口ヘッダ120,122又は出口ヘッダ124,126に直接結合していない各管部分132は、それぞれの連結部200(例えば、U字形連結部、U字形屈曲部、管屈曲部)を介して、先行する管部分132又は連続する管部分132に結合してもよい。例えば、連続133の第1の管部分132は、入口ヘッダ120に結合され、第1の側106から第2の側108まで第1の方向134に延在することができる。順番133の第2の管部分132は、それぞれの連結部200を介して、第2の側108に近接する第1の管部分132に結合してもよく、第2の管部分132は、第2の側108から第1の側106に向かって第2の方向136に延在してもよい。特定の実施形態では、それぞれの管102の各連続する管部分132が、管束104の第1及び第2の側106,108の間を第1及び第2の方向134,136に往復するにつれて、それぞれの管102の各連続する管部分132は、管束104の第6の側116から第5の側114への第3の方向138において、先行する管部分132から離間して(例えば、オフセットして)いてもよい。したがって、第3の方向138(例えば、下方向)は、第1及び第2の方向134,136(例えば、水平方向)に対して交差して延在していてもよい。このようにして、管束104内のそれぞれの管102を通って導かれる液体は、連続する管部分132を通って第1及び第2の方向134,136を往復する際に、概して第3の方向138に移動することができる。
【0039】
さらに、特定の実施形態では、それぞれの管102のそれぞれの連続する管部分132はまた、管束104の第4の側112から第3の側110への第4の方向140、又は管束104の第3の側110から第4の側112への第5の方向142において、先行する管部分132から離間して(例えば、オフセットして)配置し得る。例えば、それぞれの管102は、管束104の第1の側106から第2の側108まで第1の方向134に延在する配列133における第3の管部分132を含むことができる。第3の管部分132から第3の方向138にオフセットされた(例えば、第1のオフセット)配列133中の第4の管部分132は、それぞれの連結部200(例えば、U字形連結部、U字形曲げ部、管屈曲部)を介して第3の管部分132に結合してもよく、第2の側108から管束104の第1の側まで第2の方向136に延在してもよい。第4の管部分132はまた、管束104の第4の側112から第3の側110に向かって第4の方向140(例えば、第2のオフセット)に配列133において第3の管部分132からオフセットしてもよい。したがって、第4及び第5の方向140,142は、互いに平行であってもよく、また、第1及び第2の方向134,136に対して交差して(例えば、垂直に)延在してもよく、第3の方向138に対して交差して(例えば、垂直に)延在してもよい。従って、以下により詳細に議論されるように、それぞれの管102の各連続する管部分132は、熱交換器100を横断して向けられる排気ガス44の異なる外部フローレーンに配置し得、それにより管102のレーン切替設備を規定する。このようにして、液体がそれぞれの熱交換管102を通って導かれるとき、液体は、順番133内の連続する管部分132が複数の方向(例えば、第3の方向138、第4の方向140、第5の方向142)において先行する管部分132からオフセットするにつれて、管束104内の管部分132の特定の位置に基づいて異なる特性(例えば、温度及び圧力)を有する排気ガス流を経験することができ、それによって、それぞれの熱交換管102が排気ガスの外部フローレーン間で切り替えることができるようにする。
【0040】
例えば、熱交換器100が縦向きの熱交換器である実施形態では、順番133の各連続する管部分132は、熱交換器100の長手方向軸150に沿って延在してよい。すなわち、第1及び第2の方向134,146は、長手方向軸150に沿って延在する水平方向であってもよい。それぞれの管102が第1及び第2の側106,108の間を往復して延在するにつれて、順番133におけるそれぞれの連続する管部分132は、熱交換器100の縦軸152に沿って第3の方向138(例えば、下方向)に先行する管部分132からオフセットしてもよい。このようにして、管束104内のそれぞれの管102は、管束104の第6の側116に近接して配置されたそれぞれの入口ヘッダ120,122から、管束104の第5の側114に近接して配置されたそれぞれの出口ヘッダ124,126まで、それぞれの管102を通って導かれた液体が、蒸気タービンシステム16に向かって排出されるように、出口ヘッダ124,126に向かって第3の方向138(例えば、下方向)に概ね向けられるように延在することができる。
【0041】
さらに、順番133の各連続する管部分132は、熱交換器100の横方向軸154に沿って、第4の方向140又は第5の方向142(例えば、水平方向)に先行する管部分からオフセットしてもよい。すなわち、それぞれの管102の各連続する管部分132は、それぞれの管102の先行する管部分132に対して異なる垂直面及び異なる水平面の両方で長手方向軸線150に沿って延在することができる。したがって、それぞれの管102のそれぞれの連続する管部分132は、熱交換器100を横断して導かれる排気ガスの異なる外部フローレーンに配置し得る。このようにして、それぞれの熱交換管102を通って導かれる液体は、それぞれの入口ヘッダ120,122からそれぞれの出口ヘッダ124,126への液体の一回の通過で液体から蒸気への相変化を受けることができ、それによって熱交換器100の効率を高めることができる。
【0042】
管束104の管102は、それぞれの管102のそれぞれの連続する管部分132が2以上の方向(例えば、水平方向及び垂直方向、順番133におけるそれぞれの管部分132は、異なる水平面及び異なる垂直面に配置される)、特定の実施形態では、順番133におけるそれぞれの管の1以上の管部分132は、単一の方向(例えば、水平方向、垂直方向)のみにおいて先行する管部分132から離間して(例えば、オフセットして)配置し得る。例えば、特定の実施形態では、1以上の管102は、第1の側106から第2の側108まで第1の方向134に延在する第1の管部分132と、第2の側108から第1の側106まで第2の方向136に延在する第2の管部分132とを有することができる。しかしながら、第2の管部分132は、第4の方向140又は第5の方向142において第1の管部分132から離間される(例えば、オフセットされる)だけであってもよい。すなわち、第2の管部分132は、第3の方向138において第1の管部分132から離間せず(例えば、オフセットされ)、代わりに、第1の管部分132と同じ水平面内に存在してもよい。別の例として、1以上の管102は、第1の側106から第2の側108に向かって第1の方向134に延在する第3の管部分132と、第2の側108から第1の側106に向かって第2の方向136に延在する第4の管部分132とを有することができる。しかしながら、第4の管部分132は、第3の方向138において第3の管部分132から離間される(例えば、オフセットされる)だけであってもよい。すなわち、第4の管部分132は、第4の方向140又は第5の方向142において第3の管部分132から離間せず(例えば、オフセットされず)、代わりに、第3の管部分132と同じ垂直平面内に存在してもよい。
【0043】
上述の通り、順番133内の連続する管部分132は、管束104の第1の側106又は第2の側108において、連結部200によって順番内の先行する管部分132に結合してもよい。連結部200は、それぞれの管102が、熱交換器を横断して向けられる排気ガスの外部フローレーン間で切り替えることができるようにする管屈曲部であってもよい。例えば、上述の通り、順番133内の各連続する管部分132は、順番133内の先行する管部分132から、第3の方向138及び/又は第4のもしくは第5の方向140,142の両方においてオフセットしてもよく、それによって、管102のレーン切替設備を形成する。したがって、各連結部200は、第3の方向138と第4の方向140との間の角度、又は第3の方向138と第4のもしくは第5の方向140,142との間の角度で延在する部分を含むことができ、それによって、順番133内の連続する管部分132が、第3の方向138及び第4の方向140又は第5の方向142において先行する管部分132からオフセットできるようにする。
【0044】
特定の実施形態では、連結部200の形状は、以下でより詳細に説明されるように、互いに結合されるそれぞれの管部分132の位置に依存し得る。特定の実施形態では、管束104は、管束104内のそれぞれの熱交換管102を支持するように構成された複数の支持板160を含むこともできる。例えば、図に示す実施形態では、管束104は、第1の側106と第2の側108との間に軸方向に離間して配置された4つの支持プレート160を含む。支持プレート160の各々は、それぞれの管102が通過する複数の開口部(例えば、孔)を含んでいてもよい。支持プレート160の各々は、以下により詳細に説明するように、管束104を支持するために互いに結合するように構成された複数の部分を含むことができる。つの支持プレート160が図示されているが、管束104は、より多いか又はより少ない(例えば、1つ、2つ、3つ、5つ、6つ、7つ、又はそれ以上)支持プレート160を含んでいてもよく、使用される支持プレート160の数は、管束104の様々な特性(例えば、管の数、管のサイズ、管の重量など)に基づいてもよいことに留意すべきである。
【0045】
特定の実施形態では、HRSG18は複数の管束104を含んでいてもよい。例えば、HRSG18がLPセクション70、IPセクション80及びHPセクション90を含む実施形態では、HRSG18は、3つの管束104(LPセクション70、IPセクション80及びHPセクション90の各々に対して1つ)を含んでいてもよい。さらに、特定の実施形態では、管束104の各々は、第2の管束104と交錯していてもよい。例えば、LPセクション70に関連する管束104は、IPセクション80に関連する管束104及びHPセクション90に関連する管束104とインターレースしてもよい。
【0046】
例えば、図4は、一連の行300及び列302に配置された複数のモジュール299を有するHRSG18の実施形態の概略図を示す。最上段300の各モジュール299はLPセクション70に対応し、中段300の各モジュール299はIPセクション80に対応し、最下段300の各モジュール299はHPセクション90に対応することができる。HRSG18の運転中、排気ガス304はHRSG18内に導かれ、列302を通って方向306(例えば、垂直上向き方向)に流れることがある。特定の実施形態では、排気ガスは別個の流れに分割してもよく、排気ガスの流れの数は、HRSG18によって採用されるモジュール299のカラム302の数に対応してもよい。従って、図に示す実施形態では、排気ガスは7つの異なる流れに分けられ、各カラム300内のモジュール299を横断して方向306に向けられる。排ガスが各モジュール299内の管及び/又は部品のそれぞれを横断して流れるとき、排ガスは管内を流れる液体(例えば、水)に熱を伝達し、それによって蒸気の発生を可能にすることができる。
【0047】
特定の実施形態では、特定の圧力セクションの管は、異なる圧力セクションの管とインターレースされてよく、したがって、各モジュール299は、異なる圧力セクション70、80及び90からの管を含んでよい。例えば、特定のカラム302内のLPセクション70の管は、それぞれのカラム302内のIPセクション80の管とインターレースしてもよく及び/又は、それぞれのカラム302内のHPセクション90の管とインターレースしてもよい。さらに、特定の実施形態では、特定の列300内のモジュール299の1以上が、異なる圧力セクションからの部品(例えば、異なる列300に関連する圧力セクションからの部品)を含んでいてもよい。例えば、上述の通り、一番上の行300のモジュール299の各々は、LPセクション70に対応してもよく、真ん中の行300のモジュール299の各々は、IPセクション80に対応してもよく、一番下の行300のモジュール299の各々は、HPセクション90に対応してもよい。しかしながら、特定の実施形態では、中列300は、1以上の高圧セクション90の部品を含んでいてもよい。例えば、中列300のモジュール299の1以上(例えば、一般にIPセクション80に関連するモジュール299)は、最下列300のモジュール299の各々(例えば、HPセクション90に関連するモジュール299の各々)内に配置されたHP蒸発器94に向けて予熱された液体を導く前に、管内の液体を予熱するように構成された1以上のHPエコノマイザ92からの管を含むことができる。
【0048】
同様に、最上行300の1以上のモジュール299(例えば、LPセクション70に関連するモジュール299)は、最下行300のモジュール299の各々(例えば、HPセクション90に関連するモジュール299の各々)内に配置されたHP蒸発器94に向かって予熱された液体を導く前に、管内の液体を予熱するように構成された1以上のHPエコノマイザ92からの管を含むことができる。LPセクション70及び/又はIPセクション80に関連する各列300内に配置されたHPエコノマイザ92の管は、HPエコノマイザ92が配置されているそれぞれのセクション(例えば、LPエコノマイザ72、LP蒸発器74、LP過熱器78、IPエコノマイザ82、IP蒸発器84、IP過熱器86)の様々な部品の管と交錯していてもよい。さらに、HPエコノマイザ92の管は、それぞれのカラム302内のHP蒸発器94に流体的に結合してもよく、管を横断して導かれる排気ガスと、蒸気を生成するために管を通って導かれる液体(例えば、水)との間の熱交換を促進するために、本明細書に記載のレーン切替設備に配置及び/又は配向してもよい。したがって、特定の実施形態では、HPエコノマイザ92、HPエバポレータ94及びHPスーパーヒータ98を有する管束104の管102は、複数の圧力セクション70、80及び90を横断して延在して流れを生成することができる。
【0049】
例えば、図5は、積層された垂直方向に配置された3つのモジュール299を含むカラム302を有する図4のHRSG18の一部の実施形態を示す概略図である。上部モジュール299は低圧セクション70に対応し、中間モジュール299は中圧セクション80に対応し、下部モジュール299は図2の高圧セクション90に対応することができる。HRSG18の運転中、LPセクション70のLPエコノマイザ(複数可)72の管は、液体源310から液体(例えば、水)を受け取り、液体をそこに導くことができる。LPエコノマイザ(複数可)72を通って導かれた液体の第一の部分は、LP蒸発器74の管に向かって排出される可能性があり、LPエコノマイザ(複数可)を通って導かれた液体の第二の部分は、ポンプ311に向かって排出される可能性がある。LP蒸発器74の管は、液体の第一の部分を受け取り、液体の第一の部分を通過させ、LP過熱器78の管に向かって加熱された液体を排出する。LP過熱器78の管は、その後、低圧過熱液体(例えば、低圧蒸気)を受け取り、蒸気タービンシステム16の低圧セクション67に排出することができる。
【0050】
IPセクション80内に配置されたIP蒸発器84の管は、液体源310及び/又はポンプ311から液体を受け取り、液体をそこに導き、液体をIP過熱器88の管に向かって排出することができる。例えば、特定の実施形態では、IPセクション80は、IPエコノマイザ82を含まず、代わりに、IP蒸発器84は、LPエコノマイザ(複数可)72から排出された液体の第二の部分を受け取ることができる。すなわち、LPエコノマイザ72は、液体の一部をIPセクション80のIP蒸発器84に向かわせる前に、液体を十分な温度まで予熱するように構成される場合がある。IP蒸発器84の管は、液体を受け取り、液体を通し、液体をIP過熱器88の管に向けて排出する。次いで、IP過熱器88の管は、中圧過熱液体(例えば、中圧蒸気)を蒸気タービンシステム16の中圧セクション68に排出することができる。特定の実施形態では、ポンプ311は、液体を様々な下流の部品(例えば、LPエコノマイザ(複数可)72)に供給する前に液体を予熱するように構成された熱交換器312を介して、LPエコノマイザ(複数可)72に向けられた液体を排出することができる。
【0051】
HPエコノマイザ92の管はまた、液体源310及び/又はポンプ311から液体を受け取り、液体をそこに通し、HP蒸発器94の管に向かって液体を排出することができる。特定の実施形態では、IPセクション80内に配置されたHPエコノマイザ92から排出された液体の一部は、LPセクション80内に配置されたHPエコノマイザ92及び/又はIPセクション80内に配置されたIPエバポレータ84に向けて液体の一部を再循環させる前に、液体を調整する(例えば、加熱する)ように構成された熱交換器314を通して送ってもよい。HP蒸発器94の管はHPエコノマイザ92から液体を受け取り、液体を通し、HP過熱器98の管に向かって液体を排出する。HP過熱器98の管は、高圧過熱液体(例えば、高圧蒸気)を蒸気タービンシステム16の高圧セクション69に排出する。
【0052】
図に示す実施形態に示すように、特定の圧力セクションに付随する特定の部品(例えば、エコノマイザ、蒸発器、過熱器)は、管を横断して送られる排気ガスと管を通って導かれる液体との間の十分な熱交換を可能にするために、異なる圧力セクション(例えば、異なるモジュール299)の様々な部品を通って延在し及び/又はそれと交錯してよい。例えば、上部モジュール299は、一般に、LP蒸発器74及びLP過熱器78を含むLPセクション70と関連付けられるが、特定の実施形態では、HPエコノマイザ92の管は、LPセクション70を通って延在し(例えば、上部モジュールを通って延在し)、かつ/又は、所望の温度範囲を有する液体がHPセクション90内に配置されたHP蒸発器94に送られる(例えば、下部モジュール299内に配置された)ことを確実にするために、LP蒸発器74及びLP過熱器78の管とインターレースされることがある。従って、上述の通り、特定の実施形態では、HPエコノマイザ92、HP蒸発器94及びHP過熱器98を有する管束104は、管束104を通る単一パスでの蒸気の発生を可能にするために、複数の圧力セクションにわたって延在してよい(例えば、特定のカラム300内の複数のモジュール299にわたって延在してよい)。
【0053】
図6Aは、図3の管束104の第1の側106の実施形態の概略図を示し、図6Bは、図3の管束104の第2の側108の実施形態の概略図を示す。図に示すように、管束104は、複数の管102を含むことができ、各管102は、それぞれの文字に関連付けられる。例えば、第1のグループ(例えば、第1の部分128)の管102は、文字A~L(すなわち、A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K及びL)で識別され、一方、第2のグループ(例えば、第2の部分130)の管は、文字O~Z(すなわち、O、P、Q、R、S、T、U、V、W、X、Y及びZ)で識別される。図6Aに示すように、第1のグループの管102(すなわち、管A乃至L、第1の部分128の管)の各々の一部121は、入口ヘッダ120(実線で図示)に結合され、第1のグループの管102(すなわち、管A乃至L、第1の部分128の管)の各々の一部125は、出口ヘッダ124(例えば、実線で図示)に結合される。図6Bに示すように、第2のグループの管102(すなわち、管O乃至Z、第2の部分130の管)の各々の一部123は、入口ヘッダ122(例えば、実線で図示)に結合され、第2のグループの管102(すなわち、管O乃至Z、第2の部分130の管)の各々の一部127は、出口ヘッダ126(例えば、実線で図示)に結合される。
【0054】
さらに、上述の通り、熱交換器100は、排気ガスが管束104の熱交換管102の外面を横断して流れる複数の外部フローレーン170(例えば、図6A及び図6Bにおいて170a~170xと表示されている)を含んでいてもよい。特定の実施形態では、外部フローレーン170は、熱交換器100の垂直軸152に沿った方向(例えば、垂直方向)に延在することができる。図6A及び図6Bに図に示すように、各外部フローレーン170は、概して、管束104の第5の側114と第6の側116との間で管束の第1の側106から第2の側108まで延在する一対の平面172(例えば、破線で図示)によって画成される。各平面172は、それぞれの管102の各管部分132が2つの隣接する外部フローレーン170に存在するように、長手方向軸150に沿った方向に各管102の中心線174を通って延在することができる。特定の実施形態では、複数の管102の各管部分132は、管部分132から突出する複数の環状形状のフィン190を含んでおり、これらのフィン190は、管束104内の管部分132間の間隔を少なくとも部分的に画成し得る。
【0055】
例えば、図7に示すように、それぞれの管102の各管部分132は、管束104の第3の側110に面する第1の管側面180と、管束104の第4の側112に面する第2の管側面182とを含んでいてもよい。管部分132の第1の管側面180は、管部分132の第2の管側面182とは異なる外部フローレーン170にある。さらに、図7は、それぞれの管102から外部フローレーン170の1以上に延在する複数のフィン190(例えば、環状又は円板状のフィン)を図示する。例えば、複数のフィン190の各々は、複数の管部分132の各管部分132の環状外面184から半径方向外側に延在する環状フィンであってもよい。それぞれの管102上の複数のフィン190のそれぞれは、管102のそれぞれの管部分132が管束104の第1及び第2の側106,108の間に延在するように、管102に沿って長さ方向に直列に配置し得る。複数のフィン190の各々は、それぞれの外部フローレーンを通って管束104を横断して導かれる排気ガスがフィン190に接触し、それぞれの管102を通って導かれる流体に追加の熱交換を提供し得るように、それぞれの管102の表面積を増大させるように構成し得る。
【0056】
すなわち、各管部分102の環状外面184についてフィン190を位置決めすることによって、管束104を横断して導かれる排気ガスは、フィン190を介して排気ガスから管束104の管102に伝達し得る熱の量が増加し得るように、増加した量の材料に接触し得る。このようにして、それぞれの熱交換管102を通って導かれる液体は、フィン190を含まない熱交換管102と比較して、排気ガスから増加した量の熱を受け取ることができ、それによって、液体が、それぞれの入口ヘッダ120,122からそれぞれの出口ヘッダ124,126まで熱交換器100を通る単一のパスで液体から蒸気への相変化を起こすことができるようにする。
【0057】
特定の実施形態では、フィン190は、管102にレーザー溶接してもよく、これにより、熱交換器100においてより小さい管を使用することが可能になり得る。例えば、特定の実施形態では、管束104内の管102は、直径3/4インチ、7/8インチ、又は1インチ(それぞれ、直径1.90cm、2.22cm、又は2.54cm)以下のサイズにすることができる。さらに、フィン190を環状外面184に取り付けるためにレーザー溶接を使用することで、直径の小さい管102を使用できるようになり、熱交換器100の熱伝達が向上する。熱伝達のための表面積がより大きくなり、より小さい熱交換管102を通過する流体がより少なくなるため、開示された実施形態は、改善された温度分布及び蒸気を生成するための水のより迅速な加熱を可能にし、それによってCCPPの始動手順及びCCPPの効率を改善することができる。
【0058】
図6A及び図6Bに戻り、上述の通り、各管102は、順番133に配置された複数の管部分132を含むことができ、順番133内の各連続する管部分132は、第1及び第2の側106,108との間を通過し、第6の側116から第5の側114への第3の方向138及び第4の側112から第3の側110への第4の方向140又は第3の側110から第4の側112への第5の方向142において先行する管部分132からオフセットされている。したがって、連続する管部分132の両管側面は、順番133において先行する管部分132の管側面に対して異なる外部フローレーン170に配置し得る。
【0059】
例えば、図6A及び図6Bに示すように、管102aの部分121は、管束104の第1の側106及び第4の側112に近接する位置において、管束104の第6の側116で入口ヘッダ120に結合される。管束104の第2の側108に到達すると、第1の管部分132aは、第1の連結部200a(図6Bに示す)を介して第2の管部分132aに結合することができる。第2の管部分132aは、第2の管部分132aの第1及び第2の管側面180,182が第1の管部分132aの第1及び第2の管側面180,182とは異なる外部フローレーン170に配置されるように、第3の方向138及び第4の方向140において第1の管部分132aからオフセットしてもよい。特定の実施形態では、管束104の第3及び第4の側110,112の間に配置された連続する管部分132間の連結部200は、連続する管部分132の第1及び第2の管側面180,182が、第1の管部分132の第1又は第2の管側面180,182が存在する外部フローレーン170に直接隣接しない外部フローレーン170に配置されるように、連続する管部分132が2以上以上の外部フローレーン170にわたって切り替わることができる(例えば、管のレーン切替設備)。例えば、再び管102Aを使用すると、第1の管部分132aの第1の管側面180は、第2の外部フローレーン170bに配置され、第2の管部分132aの第2の管側面182は、第5の外部フローレーン170eに配置される。このように、第2の管部分132aは、第1の管部分132aが配置される外部フローレーン170a,170bに直接隣接しない外部フローレーン(例えば、外部フローレーン170e,170f)に配置される。このようにして、第2の管部分132aは、順番133において、第1の管部分132aに対して2以上の外部フローレーン(例えば、フローレーン170c,170d)を横断してシフトされる。したがって、それぞれの管102が第6及び第5の側116,114の間で第1のオフセットだけシフトし、第3及び第4の側110,112の間で第2のオフセットだけシフトするにつれて、それぞれの管102を通って導かれる液体(例えば、水)は、それぞれの管102が外部フローレーン170の間で切り替わるにつれて、熱交換器を横断して導かれる異なる排気ガス流を経験し得る。
【0060】
特定の実施形態では、それぞれの管102が第3の側110又は第4の側112に近づくにつれて、連続する管部分132間の間隔及び/又は連結部200が変化し得る。管102kを例にとると、第1の管部分132kは、入口ヘッダ120から第2の側108に通過し、第1の連結部200kを介して第2の管部分132kに結合する。第2の管部分132kは、管束104の第3の側110に近接して配置されるので、第1の連結部200kは、第2の管部分132kの第2の管側面182が、第1の管部分132kの第1の管側面180が配置される外部フローレーン170vに隣接する外部フローレーン170xに配置されるように、第2の管部分132kを1以上の外部フローレーン170にわたってシフトさせることができる。管束104の第3の側110に到達すると、管102kは、第3の管部分132kが第3の方向138及び第5の方向142において第2の管部分132kからオフセットされるように、レーンの切り替えの方向を反転させることができる。さらに、第3の管部分132kは、第2の管部分132kが配置される外部フローレーン170xに直接隣接しない外部フローレーン170s,170tに配置し得る。このようにして、第3の管部分132kは、第2の管部分132kに対して2以上の外部フローレーン(例えば、フローレーン170u,170v)を横断してシフトされる。
【0061】
図示されているように、管束104の第3の側110に沿って位置決めされた複数の管部分132の各々は、第2の管側面182が複数の外部フローレーン(例えば、外部フローレーン170x)の1つに面しており、管束104の第4の側112に沿って位置決めされた複数の管部分132の各々は、第1の管側面180が複数の外部フローレーン(例えば、外部フローレーン170a)の1つに面している。さらに、第3及び第4の側110,112の間に配置された複数の管部分132の各々(例えば、第3の側110又は第4の側112に直接隣接して配置されていない各特定の管部分132、特定の管部分132と管束104の第3及び/又は第4の側110,112との間に配置された1以上の先行する管部分及び/又は1以上の連続する管部分132を有する各特定の管部分132)は、第1及び第2の管側面180,182の両方が、複数の外部フローレーン170の2つの異なる隣接レーン170に面している。例えば、管102Aの第1の管部分132aは、第1の管部分132aと管束104の第4の側112との間に配置された管102Oを有する。したがって、第1の管部分132aの第1の管側面180は、外部フローレーン170bに配置され、第1の管部分132aの第2の管側面182は、外部フローレーン170bに隣接する外部フローレーン170aに配置される。
【0062】
したがって、順番133における複数の管部分132の各連続する管部分132は、管束104の第3及び第4の側110,112の間で第1のオフセット(例えば、水平オフセット)だけシフトさせることによって、先行する管部分132に対して複数の外部フローレーン170の間でレーンを切り替える。例えば、各連続する管部分は、熱交換器100の横軸144に沿った第4の方向140又は第5の方向142(例えば、水平方向)において、第3及び第4の側110,112の間で第1のオフセットだけシフトさせることができる。さらに、各連続する管部分132は、管束104の第5及び第6の側114,116の間の第2のオフセット(例えば、垂直オフセット)だけ、先行する管部分132に対してシフトさせることができる。例えば、各連続する管部分132は、熱交換器100の垂直軸142に沿った第3の方向138(例えば、下方向)において、第5及び第6の側114,116の間で第2のオフセットだけシフトしてもよい。特定の実施形態では、順番133における複数の管部分132の各連続する管部分132は、連続する又は先行する管部分132が第3又は第4の側110に沿って配置されるときに、複数の外部フローレーン170の1以上のレーンを横断してシフトさせることによって、先行する管部分132に対して複数の外部フローレーン170の間でレーンを切り替える、管束104の第3及び第4の側110,112に沿って連続する管部分132又は先行する管部分132が配置されていない場合には、複数の外部フローレーン170の2以上のレーン170を横断してシフトする。
【0063】
別の言い方をすると、順番133における複数の管部分132の各連続する管部分132は、管束104の第3の側110から第4の側112へ第5の方向142に複数の外部フローレーンの1以上のレーン170を横断してシフトさせることによって、複数の管部分132の先行する管部分132に対して複数の外部フローレーン170の間でレーン170を切り替える、管束104の第4の側112から第3の側110まで、複数の外部フローレーン170の1以上のレーン170を第4の方向140にシフトし、第4の側112に到達すると、第5の方向142から第4の方向140へのレーンシフトの方向を逆にし、管束104の第3の側110に到達すると、第4の方向140から第5の方向142へのレーンシフトの方向を逆にする。
【0064】
さらに、上述の通り、管束104の管102は、それぞれの管102のそれぞれの連続する管部分132が先行する管部分132から2以上の方向(例えば、水平方向及び垂直方向、順番133におけるそれぞれの管部分132は、先行する管部分132に対して異なる水平面及び異なる垂直面に配置される)、特定の実施形態では、順番133におけるそれぞれの管の1以上の管部分132は、単一の方向(例えば、水平方向、垂直方向)のみにおいて先行する管部分132から離間して(例えば、オフセットして)配置し得る。一例として、特定の実施形態では、管102Cは、第1の側106から第2の側108まで第1の方向134に延在する第1の管部分132cと、第2の側108から第1の側106まで第2の方向136に延在する第2の管部分132cとを有することができる。しかしながら、第2の管部分132cは、第3の方向138において第1の管部分132cから離間されるだけであってもよい。すなわち、第2の管部分132cは、第4の方向140又は第5の方向142において第1の管部分132cから離間していない場合があり、その代わりに、第1の管部分132cと同じ外部フローレーン170(例えば、170e,170f)に存在する場合がある。
【0065】
別の例として、管102Lは、第1の側106から第2の側108まで第1の方向134に延在する第1の管部分132lと、第2の側108から第1の側106まで第2の方向136に延在する第2の管部分132lとを有することができる。しかしながら、第2の管部分132lは、第3の方向138において第1の管部分132lから離間されるだけであってもよい。すなわち、第2の管部分132lは、第4の方向140又は第5の方向142において第1の管部分132lから離間しておらず、代わりに、第1の管部分132lと同じ外部フローレーン170(例えば、170x)に存在してもよい。さらに別の例として、管102Hは、第1の側106から第2の側108まで第1の方向134に延在する第1の管部分132hと、第2の側108から第1の側106まで第2の方向136に延在する第2の管部分132hとを有することができる。しかしながら、第2の管部分132hは、第4の方向140又は第5の方向142において第1の管部分132hから離間されるだけであってもよい。すなわち、第2の管部分132hは、第3の方向138において第1の管部分132hから離間していなくてもよく、その代わりに、第1の管部分132hと同じ水平面内に存在してもよい(例えば、異なる外部フローレーン内に存在してもよいが、同じ水平面内に存在してもよい)。
【0066】
さらに、管束104の管102は、第3及び第4の側110,112の間に配置される(例えば、第3の側110又は第4の側112に接近しない)連続する管部分132の第1及び第2の管側面180,182が、先行する管部分132の第1又は第2の管側面180,182が存在する外部フローレーン170に直接隣接しない外部フローレーン170に配置されるように、2以上以上の外部フローレーン170を横断して切り替わる、第3及び第4の側110,112の間に配置される順番133におけるそれぞれの管102の1以上の管部分132は、2つ未満の外部フローレーン170を横断して切り替わってもよい。すなわち、特定の実施形態では、連続する管部分132の第1及び第2の管側面180,182は、先行する管部分132が存在する外部フローレーン170に直接隣接する外部フローレーン170に配置し得る。例えば、管102cは、第1の側106から第2の側108に向かって第1の方向134に延在する第1の管部分132cと、第2の側108から第1の側106に向かって第2の方向136に延在する第2の管部分132cとを有することができる。第1の管部分132cの第1の管側面180は、外部フローレーン170fに存在し得る。しかしながら、第2の管部分132cは、第2の管部分132cの第2の管側面182が外部フローレーン170gに存在する(例えば、先行する管部分132の少なくとも一部が存在する外部フローレーンに直接隣接する外部フローレーン170に存在する)ように、第3の方向138及び第4の方向140において第1の管部分132cから離間される(例えば、オフセットされる)だけであってもよい。
【0067】
また、それぞれの管部分132を互いに結合するために利用される連結部200の一部のみが図示されており、他の実施形態は、それぞれの管部分132を互いに結合するための任意の適切な数の連結部200を含んでいてもよいことを理解すべきである。さらに、図6A及び図6Bに図示されている連結部200は、管束104の長手方向端部に配置されていることに留意すべきである。すなわち、連結部200は、図の平面内にあるのではなく、管102のそれぞれの管部分132を互いに結合するために、管束104の第1の側106(図6Aに示す)及び第2の側108(図6Bに示す)に配置されている。さらに、連結部200は、それぞれの管部分132のフィン190から延在するように図6A及び図6Bに図示されているが、これは、単に図示を簡略化することを意図している。例えば、管束104の組み立てられた構成において、それぞれの連結部200は、先行する管部分132の内部から、それぞれの連結部200を通って、連続する管部分132の内部へと液体が流れるように、順番133内の先行する管部分132の端部から、順番133内の連続する管部分132の端部へと延在することができる。
【0068】
上記で簡単に説明したように、図7は、管束104の第3の側110に面する第1の管側面180及び管束104の第4の側112に面する第2の管側面182を有する複数の管部分132を図示する。図7はまた、それぞれの管102のそれぞれの管部分132の間の一対の連結部200を示している。特定の実施形態では、管束104の第3の側110から第4の側112に移動するそれぞれの管102に対して、連結部200は、横方向軸154に対して角度204で第3の方向138及び第5の方向142の両方に延在する部分202を含むことができる。このようにして、連結部200は、第3の方向138(例えば、下方向)及び第5の方向142(例えば、水平方向)の両方において、特定の管部分132が先行する管部分132から離間するようにすることができる。同様に、管束104の第4の側112から第3の側110に移動するそれぞれの管102に対して、連結部200は、第3の方向138及び第4の方向140の両方において、横方向軸154に対して斜めに延在する部分を含むことができる。このようにして、連結部200は、第3の方向138(例えば、下方向)及び第4の方向140(例えば、水平方向)の両方において、特定の管部分を先行する管部分132から離間すること又はオフセットさせることのできることができる。
【0069】
上述の通り、特定の実施形態では、連結部200は、それぞれの管102の連続する管部分132が、それぞれの管102の先行する管部分132とは異なる外部フローレーンに配置できるようにする、U字形の屈曲又は湾曲管部分であってもよい。さらに、特定の実施形態では、管屈曲部は、波状管部分、ジグザグ管部分、可変半径管部分、段差曲げ部分、可変高さ管部分(例えば、側106,108に対して可変高さ)等であってもよい。すなわち、特定の実施形態は、複数のそれぞれの熱交換管102が外部フローレーン170間で切り替わることを可能にし、それによって熱交換器100を通って導かれる液体への熱伝達を増大させることを可能にする連結部200を含むことができる。さらに、連結部200は、管束104のそれぞれの端部106,108における連結部200の相互連結を容易にし、それによって管束104の軸方向の長さをコンパクトに維持するために、異なる形状であってもよい。
【0070】
図8は、図7の連結部200の実施形態の透視図である。図示されているように、連結部200は、部分202及び一対の延長部206,208を含んでいてもよい。各延長部206,208は、流体が、それぞれの管部分132から、第1の延長部又は第2の延長部206,208を通り、部分202を通り、第1の延長部又は第2の延長部206,208から出て、順番133の連続する管部分132に通過させることのできるオリフィス210(例えば、流体ポート又は開口部)を含むことができる。管束104の組み立てられた構成において、一対の延長部206,208の各々は、概して、熱交換器の長手方向軸150に沿って延在し、それぞれの管102のそれぞれの管部分132に結合し得る。例えば、図7に戻って、第1の管部分132は、管束104の第1の端部106に到達し、長手方向軸150に沿って第1の側106から離れる方向(例えば、第2の方向136)に延在する第1の延長部206に結合してよい。第1の延長部206は、流体が第1の延長部206を通って方向付けられると、流体が第1の延長部206を通って第2の延長部208に向かって部分202内に移動し得るように、部分202に結合し得る。順番に、第2の延長部208は、部分202を通って第2の延長部208に向かって向けられた流体が、管束104の第1の側106に戻り、管束104の第2の側108に向かって向けられ得るように、第1の側106に向かって長手方向軸150に沿った方向(例えば、第1の方向134)において、それぞれの管102の連続する管部分132に結合し得る。第1の延長部206及び第2の延長部208は、異なる長さであってもよく、管束104の連結部200のアレイ内での第1の延長部206及び/又は第2の延長部の長さの変動が可能であり得ることが理解されるべきである。
【0071】
図9は、管束104内の様々な管102を支持するために利用し得るそれぞれの支持プレート160のセクション220の実施形態の透視図である。上述の通り、各支持プレート160は、単一の支持プレート160を形成するために(例えば、溶接又は他の適切な結合機構を介して)互いに結合される多数のセクション220を含むことができる。支持プレート160の各セクション220は、それぞれの管102のそれぞれの管部分132がそこを通過する複数の開口部222を含むことができる。特定の実施形態では、開口部222は、それぞれの管102と、それぞれの管102から延在する複数のフィン190との両方を収容する大きさであってよい。すなわち、特定の実施形態では、開口部222のサイズは、管102及び管102に取り付けられた関連するフィン190の全周に基づいてもよい。他の実施形態では、開口部222の大きさは、管102の円周のみに基づいてもよい。例えば、特定の実施形態では、支持プレート160は、支持プレートがフィン190を含まない領域においてそれぞれの管102を支持し得るように、それぞれの管部分132の隣接するフィン190の間に配置し得る。かかる実施形態では、開口部222の大きさは、管102の円周のみに基づいてもよい。支持板160は、管束104内の管102の重量を支持することができる任意の適切な材料で作られてもよい。さらに、支持プレート160は、耐腐食性及び/又は耐熱性の材料から製造してもよく、それによって、支持プレート160の摩耗及び劣化の量を制限する。このようにして、管束104に関連する保守及び交換コストを低減することができる。
【0072】
本発明の技術的効果には、熱交換器の管をレーン切替設備で配置するためのシステム及び方法が含まれ、各管の連続する管部分は、熱伝達の均一性を改善するのに役立つように、1以上の外部フローレーンを横断してシフトする。各管部分はまた、複数のフィン(例えば、環状フィン又は円板状フィン)を含んでおり、これらは管部分にレーザー溶接してもよい。管はまた、直径3/4インチ以下、7/8インチ以下、1インチ以下(それぞれ、直径1.90cm、2.22cm、2.54cm)など、より小さいサイズにすることもできる。フィンを管に取り付けるためのレーザー溶接の使用は、より小さな直径の管の使用を可能にするのに役立ち、ひいては熱交換器における熱伝達を改善する。従って、開示された実施形態は、改善された温度分布と、蒸気を生成するためのより迅速な水の加熱とを可能にする可能性があり、これは、CCPPの起動手順をさらに改善する可能性がある(例えば、CCPPのより迅速な起動)。
【0073】
以上詳しく説明してきた発明は、以下の実施態様項に記載されているように規定することができる。
[実施態様項1]
システムは、対向する第1の側及び第2の側と、第1の側から第2の側まで延在する対向する第3の側及び第4の側と、第1の側から第2の側まで延在する対向する第5の側及び第6の側とを有する管束内に配置された複数の管を有する熱交換器を備えており、第5の側及び第6の側は、第3の側と第4の側の間に延在する。熱交換器は、管束を横断し、かつ複数の管の外側で第5の側と第6の側の間に延在する複数の外部フローレーンをさらに含む。複数の管の各管は、第1の側と第2の側の間で対向する第1及び第2の方向に延在する複数の管部分を順番に含み、前記順番において各管部分又は1以上の連続する管部分は、先行する管部分に対して複数の外部フローレーン間でレーンを切り替える。
[実施態様項2]
複数の管部分(複数の管部分の各管部分)が、管束の第3の側に面する第1の管側面と、管束の第4の側に面する第2の管側面とを含んでおり、管束の第3の側に沿った複数の管部分が、複数の外部フローレーンの1つに面する第2の管側面を有しており、管束の第4の側に沿った複数の管部分が、複数の外部フローレーンの1つに面する第1の管側面を有しており、管束の第3の側と第4の側の間の複数の管部分は、複数の外部フローレーンの異なる隣接レーンに面して第1及び第2の管側面の両方を有している、実施態様項1に記載のシステム。
[実施態様項3]
第3の側と第4の側の間で第1のオフセットだけシフトさせること、及び第5の側と第6の側の間で第2のオフセットだけシフトさせることによって、前記順番において複数の管部分の1以上の連続する管部分が、複数の管部分の先行する管部分に対して、複数の外部フローレーンの間でレーンを切り替える、実施態様項1又は実施態様項2に記載のシステム。
[実施態様項4]
複数の管部分の連続する又は先行する管部分が第3又は第4の側に沿って配置されているときに、複数の外部フローレーンの1以上のレーンを横断してシフトさせること、及び複数の管部分の連続しかつ先行する管部分が第3及び第4の側に沿って配置されていないときに、複数の外部フローレーンの2以上のレーンを横断してシフトさせることによって、前記順番において複数の管部分の1以上の連続する管部分が、複数の管部分の先行する管部分に対して、複数の外部フローレーンの間でレーンを切り替える、実施態様項1乃至実施態様項3のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様項5]
前記順番において複数の管部分の1以上の連続する管部分が、管束の第6の側から第5の側への第3の方向に、先行する管部分に対してオフセットしており、かつ管束の第4の側から第3の側への第4の方向に、複数の外部フローレーンの1以上のレーンを横断してシフトさせること、及び第3の側に到達したときに、レーンシフトの方向を、第4の方向から、管束の第3の側から第4の側への第5の方向に反転させることによって、前記順番において複数の管部分の1以上の連続する管部分が、複数の管部分の先行する管部分に対して、複数の外部フローレーンの間でレーンを切り替える、実施態様項1乃至実施態様項4のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様項6]
複数の管が、第1の入口ヘッダと第1の出口ヘッダとの間に延在する第1の複数の管を備えており、第1の入口ヘッダが、管束の第6の側で第1の複数の管と結合し、第1の出口ヘッダが、管束の第5の側で第1の複数の管と結合しており、第3の側と第4の側の間で第1のオフセットだけシフトさせること及び第5の側と第6の側の間で第2のオフセットだけシフトさせることによって、前記順番において第1の複数の管の複数の管部分の1以上の連続する管部分が、複数の管部分の先行する管部分に対して、複数の外部フローレーンの間でレーンを切り替える、実施態様項1乃至実施態様項5のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様項7]
複数の管が、第2の入口ヘッダと第2の出口ヘッダとの間に延在する第2の複数の管を含んでおり、第2の入口ヘッダが、管束の第6の側で第2の複数の管と結合しており、第2の出口ヘッダが、管束の第5の側で第2の複数の管と結合しており、第3の側と第4の側の間で第1のオフセットだけシフトさせること及び第5の側と第6の側の間で第2のオフセットだけシフトさせることによって、前記順番において第2の複数の管の複数の管部分の1以上の連続する管部分が、複数の管部分の先行する管部分に対して、複数の外部フローレーンの間でレーンを切り替える、実施態様項1乃至実施態様項6のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様項8]
第1及び第2の入口ヘッダが、管束の対向する第1及び第2の側に配置され、第1及び第2の出口ヘッダが、管束の対向する第1及び第2の側又は対向する第2及び第1の側に配置される、実施態様項1乃至実施態様項7のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様項9]
前記順番において複数の管部分の1以上の連続する管部分が、第3の方向に離間して配置され、かつ複数の外部フローレーンに沿って位置を切り替えるために、複数の管部分の先行する管部分に対して、対向する第4及び第5の方向の一方に離間して配置され、第3、第4及び第5の方向が第1及び第2の方向と交差しており、第4及び第5の方向が互いに平行であり、第3の方向が第4及び第5の方向と交差しており、第1、第2、第4及び第5の方向が水平であり、第3の方向及び複数の外部フローレーン(複数の外部フローレーンの各外部フローレーン)は、垂直である、実施態様項1乃至実施態様項8のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様項10]
複数の外部フローレーン(複数の外部フローレーンの各外部フローレーン)が、垂直方向に延在する、実施態様項1乃至実施態様項9のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様項11]
複数の外部フローレーン(複数の外部フローレーンの各外部フローレーン)が、第1の平面と第2の平面の間に配置されており、第1及び第2の平面が、複数の管の異なる隣接する管部分の中心線に沿って延在する、実施態様項1乃至実施態様項10のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様項12]
複数の管部分(複数の管部分の各管部分)が、複数の外部フローレーンの1以上の隣接するレーンに横方向に延在する複数のフィンを含む、実施態様項1乃至実施態様項11のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様項13]
複数のフィンが、複数の管部分(複数の管部分の各管部分)の環状外面から半径方向外側に延在する複数の環状フィンを含んでおり、複数の環状フィンが、複数の管部分(複数の管部分の各管部分)の中心線に沿って長さ方向に直列に配置される、実施態様項1乃至実施態様項12のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様項14]
前記順番において複数の管部分の連続する管部分が、第1の側又は第2の側における管屈曲部を介して複数の管部分の先行する管部分に結合している、実施態様項1乃至実施態様項13のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様項15]
複数の管部分の連続する又は先行する管部分が第3又は第4の側に沿って配置されているときに、各管屈曲部(又は1以上の管屈曲部)が複数の外部フローレーンの1以上のレーンを横断して延在しており、複数の管部分の連続しかつ先行する管部分が第3及び第4の側に沿って配置されていないときに、各管屈曲部(又は1以上の管屈曲部)が複数の外部フローレーンの2以上のレーンを横断して延在している、実施態様項1乃至実施態様項14のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様項16]
管屈曲部が複数の異なる屈曲部を含む、実施態様項1乃至実施態様項15のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様項17]
熱交換器が、第1の圧力セクションに付随する第1の熱交換器であり、当該システムが、第2の圧力セクションに付随する第2の複数の管を有する第2の熱交換器を備えており、第1の圧力セクションに付随する第1の熱交換器の複数の管の少なくとも一部が、第2の圧力セクションに存在する、実施態様項1乃至実施態様項16のいずれか1項に記載のシステム。
[実施態様項18]
熱交換器が蒸発器又は蒸気発生器を含む、実施態様項1乃至実施態様項17のいずれか1項に記載のシステム。第1の実施形態では、本システムは、対向する第1の側及び第2の側と、第1の側から第2の側まで延在する対向する第3の側及び第4の側と、第1の側から第2の側まで延在する対向する第5の側及び第6の側とを有する管束内に配置された複数の管を有する熱交換器を備えており、第5の側及び第6の側は、第3の側と第4の側の間に延在する。熱交換器は、管束を横断し、かつ複数の管の外側で第5の側と第6の側の間に延在する複数の外部フローレーンをさらに含む。複数の管(複数の管の各管)は、第1の側と第2の側の間で対向する第1及び第2の方向に延在する複数の管部分を順番に含み、順番に連続する各管部分(又は1以上の連続する管部分)は、先行する管部分に対して複数の外部フローレーン間でレーンを切り替える。
[実施態様項19]
方法は、熱交換器の複数の管を、対向する第1及び第2の側と、第1の側から第2の側まで延在する対向する第3及び第4の側と、第1の側から第2の側まで延在する対向する第5及び第6の側とを有する管束に組み立てるステップを含んでおり、第5及び第6の側が第3の側と第4の側の間に延在する。本方法は、管束を横断し、かつ複数の管の外側で第5の側と第6の側の間に延在する複数の外部フローレーンを用意するステップと、複数の外部フローレーンに対する複数の管のレーン切替設備を用意するステップとをさらに含む。複数の管(複数の管の各管)は、第1の側と第2の側の間で対向する第1及び第2の方向に延在する複数の管部分を順番に含んでおり、前記順番において複数の管部分の各連続する管部分(又は1以上の連続する管部分)は、複数の管部分の先行する管部分に対して複数の外部フローレーン間でレーンを切り替える。
[実施態様項20]
方法は、対向する第1及び第2の側と、第1の側から第2の側まで延在する対向する第3及び第4の側と、第1の側から第2の側まで延在する対向する第5及び第6の側とを有する管束内の熱交換器の複数の管を通して第1の流体を流すステップを含んでおり、第5及び第6の側は第3の側と第4の側の間に延在する。本方法は、管束を横断し、かつ複数の管の外側で第5の側と第6の側の間に延在する複数の外部フローレーンに沿って、第2の流体を流すステップと、複数の外部フローレーンに対する複数の管のレーン切替設備を介して、第1の流体と第2の流体との間で熱を伝達するステップとをさらに含む。複数の管(複数の管の各管)は、第1の側と第2の側の間で対向する第1及び第2の方向に延在する複数の管部分を順番に含んでおり、前記順番において複数の管部分の各又は1以上の連続する管部分は、複数の管部分の先行する管部分に対して複数の外部フローレーン間でレーンを切り替える。
【0074】
本明細書では、本発明の熱交換器及びその部品について、最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、本発明を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲と文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と非本質的な差しかない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0075】
100 熱交換器
102 管
104 管束
106 第1の側
108 第2の側
110 第3の側
112 第4の側
114 第5の側
116 第6の側
120 第1の入口ヘッダ
122 第2の入口ヘッダ
124 第2の出口ヘッダ
126 第1の出口ヘッダ
128 第1の管
132 管部分
133 順番
134 第1の方向
136 第2の方向
138 第3の方向
140 第4の方向
142 第5の方向
170 外部フローレーン
174 管の中心線
180 第1の管側面
182 第2の管側面
184 環状外面
190 フィン
200 連結部
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
【外国語明細書】