(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150412
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】四方向車両付き自動倉庫
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024051113
(22)【出願日】2024-03-27
(31)【優先権主張番号】102023000005928
(32)【優先日】2023-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】522021240
【氏名又は名称】ユーロフォーク・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】EUROFORK S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】ガローラ,アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】トラヴェルサ,マウリツィオ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】垂直軌道システム上を移動する四方向車両により、貨物ユニットを取り扱うためのシステムを備えた自動倉庫を提供する。
【解決手段】対の平行な第1レール(11a、11a)及び、第1レールに直交する対の平行な第2レール(12a、12b)と、1つ又は複数の四方向車両(10)を有する自動倉庫が提供される。光学的に読み取り可能な位置データリプレゼンテーション(15、24)が、第1及び第2レールに沿って配置され、前記自動倉庫内及び第1及び第2レールに沿った点の絶対位置を一義的に識別する。第1光学式リーダー及び第2光学式リーダーは、四方向車両(10)のボードに搭載されている。光学式リーダーは、各々、互いに垂直な第1及び第2レールの各々に沿って、第1及び第2の光学的に読み取り可能な位置データリプレゼンテーション(15、24)を読み取るように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1水平方向に配置された複数の対の平行な第1レール(11a、11b)と、前記第1方向に垂直な第2方向に配置された複数の対の平行な第2レール(12a、12b)と、を備え、前記第1及び第2レール(11a、11b、12a、12b)が各々第1及び第2上向き軌道(13、21)を提供する垂直レールシステムと、
前記第1及び第2の複数の対のレールに沿って貨物ユニットを搬送するための少なくとも1つの四方向車両(10)と、
を備え、
前記四方向車両は、前記四方向車両の2つの第1対向側面に沿って配置された第1車輪セット(23)と、前記第1側面に対して垂直であり、前記四方向車両の2つの第2対向側面に沿って配置された第2車輪セット(28)と、を備え、
前記第1及び第2の車輪セットのうち少なくとも1つのセットの車輪は、他方の車輪セットに対して、昇降可能であり、前記複数の対の第1レールのうちの対のレールの前記軌道に、前記第1車輪セットの車輪を選択的に係合させると同時に、前記複数の対の第2レールの前記軌道から前記第2車輪セットの車輪を解除させ、且つ、その逆も可能であり、
前記対の第1レール(11a、11b)における少なくとも1つの前記レール(11b)は、同じ対の第1レールの他方のレール(11a)に面する内面(14)を有し、
第1の光学的に読み取り可能な位置データリプレゼンテーションは、前記対の第1レールの前記内面(14)に隣接し、且つ沿って配置され、前記第1の光学的に読み取り可能な位置データリプレゼンテーション(15)の各々が位置する前記自動倉庫内及び前記対の第1レール(11a、11b)に沿った点の絶対位置を一義的に識別し、
第2の光学的に読み取り可能な位置データリプレゼンテーション(24)は、前記第2の光学的に読み取り可能な位置データリプレゼンテーション(24)の各々が位置する前記対の第2レール(12a、12b)のうち少なくとも1つのレール(12a)の第2軌道(21)に隣接し、且つ沿って配置され、前記第2の光学的に読み取り可能な位置データリプレゼンテーション(24)の各々が位置する前記自動倉庫内及び前記対の第2レール(12a、12b)に沿った点の絶対位置を一義的に識別し、
前記少なくとも1つの四方向車両(10)のボードに搭載された第1光学式リーダー(16)及び第2光学式リーダー(25)は、互いに垂直な前記第1及び第2レール(11、12)に各々沿った前記第1及び第2の光学的に読み取り可能な位置データリプレゼンテーション(15、24)の各々を読み取るために構成されており、
前記第1の光学的に読み取り可能な位置データリプレゼンテーション(15)は、前記第1レール(11b)上の前記第1軌道(13)よりも低い位置に配置され、
前記第2の光学的に読み取り可能な位置データリプレゼンテーション(24)は、前記第2レール(12a)上の前記第2軌道(21)よりも高い位置に配置される、
自動倉庫。
【請求項2】
前記第1位置データリプレゼンテーション(15)の少なくとも一部は、水平面及び各々の垂直面に対して傾斜した斜平面に配向されており、
各々の前記斜平面は、各々の前記第1位置データリプレゼンテーション(15)が隣接して配置される前記内面(14)を有する前記レール(11b)とは反対側の前記第1レール(11a)に向かって上向きに配向されている、
請求項1に記載の自動倉庫。
【請求項3】
前記第1位置データリプレゼンテーション(15)の前記傾斜配向が、前記第1レール(11b)の前記内面(14)に隣接する傾斜したストリップ形式又は部分(18)上の前記第1の光学的に読み取り可能な位置データリプレゼンテーションを有するテープ状材料のストリップ(17)を適用することによって得られる、
請求項2に記載の自動倉庫。
【請求項4】
前記第1位置データリプレゼンテーション(15)の少なくとも一部は、前記内面(14)に適用され、
前記内面(14)は、垂直方向を向いており、前記第1レールの同じ対の2つのレール(11a、11b)の他方の前記レール(11a)に面している、
請求項1に記載の自動倉庫。
【請求項5】
前記第2位置データリプレゼンテーション(24)は、前記対の第2レールの前記2つのレール(12a、12b)の一方の前記レール(12a)の垂直内面(26)上に配置され、
前記垂直内面(26)は、同じ対の前記第2レールの2つのレール(12a、12b)の他方の前記レール(12b)に対して配向される、
請求項1から4のいずれか1つに記載の自動倉庫。
【請求項6】
前記第1位置データリプレゼンテーション(15)の前記第1光学式リーダー(16)は、前記四方向車両の(10)の内部に搭載され、前記四方向車両を前記第1レール(11a、11b)に沿って移動させるための前記第1車輪セット(23)が搭載される前記四方向車両(10)の側面に隣接する、
請求項1から5のいずれか1つに記載の自動倉庫。
【請求項7】
前記四方向車両(10)は、前記第1光学式リーダー(16)の下側の側方位置に貫通開口(33)を有する下部床(34)を備える、
請求項6に記載の自動倉庫。
【請求項8】
前記第2位置データリプレゼンテーション(24)の前記第2光学式リーダー(25)は、前記第2レール(12a、12b)に沿って、前記四方向車両を移動させるための前記第2車輪セット(28)の車輪が配置される一方側に、前記四方向車両(10)上に横方向に取り付けられる、
請求項1から7のいずれか1つに記載の自動倉庫。
【請求項9】
対の第1レール(11a、11b)と対の第2レール(12a、12b)との間の各交差エリアにおいて、前記第2軌道の各々のための直線連結要素(27)は、前記対の第1レール(11a、11b)との間に、それらに対して垂直に配置され、
各々の前記連結要素(27)は、前記対の第1レール(11a、11b)と前記対の第2レール(12a、12b)との間の前記交差エリアにおいて、前記第2レールと位置合わせされ、前記第2レールをブリッジする前記第2軌道(21)の長さを提供し、
前記連結要素(27)は、前記第2軌道(21)が前記第1レール(11a、11b)と交差する点で前記第2軌道(21)の継続を提供する、
請求項1から8のいずれか1つに記載の自動倉庫。
【請求項10】
前記連結要素(27)は、対の第1レール(11a、11b)を支持するために適した水平プレート(29)上に対で取り付けられる、
請求項9に記載の自動倉庫。
【請求項11】
各前記連結要素(27)が、前記第1位置データリプレゼンテーション(15)を有する第1レール(11b)に隣接して位置するその一端に上部凹部(30)を有し、
前記上部凹部は、前記第1光学式リーダー(16)が前記対の第1レール(11a、11b)上の前記第1位置データリプレゼンテーション(15)を途切れることなく読み取り可能に構成される、
請求項6及び9に記載の自動倉庫。
【請求項12】
前記第1及び第2位置データリプレゼンテーション(15、24)は、バーコード又はデータマトリックス等のように表されるデータを含む、
請求項1から11のいずれか1つに記載の自動倉庫。
【請求項13】
前記第1及び第2位置データリプレゼンテーション(15、24)は、前記第1及び第2レール(11a、11b、12a、12b)へ、接着剤によって塗布されたテープ材料のストリップ(17)上に表されるデータを含む、
請求項1から12のいずれか1つに記載の自動倉庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直軌道システム上を移動する四方向車両(four-way vehicle)により、貨物ユニットを取り扱うためのシステムを備えた自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2015/011575号に開示されているように、自動倉庫は、シャトル及びサテライトと呼ばれる遠隔制御車両により、貨物ユニットを取り扱うためのシステムを備えることが知られている。上述のタイプの自動倉庫は、少なくとも1つのメイン経路と、メイン経路に垂直な複数の二次サイド経路と、を備え、複数の二次サイド経路に沿って、貨物ユニットの受け取りに適した保管場所が定められる。貨物ユニットは、2つのタイプの車両により、移動する。2つのタイプの車両は、第1メイン自走車両(「シャトル」又は、代わりに、スタッカークレーンと呼ばれる)と、第1車両により搬送可能な第2補助自走車両(「サテライト」と呼ばれる)と、である。シャトルは、サテライトを乗せて、メイン経路に沿って移動する。貨物ユニットが格納される場所又はピックアップされる場所が特定される二次経路にシャトルが到着すると、サテライトはシャトルを離れ、二次経路に沿って移動し、貨物ユニットを格納したりピックアップしたりすることができる。
【0003】
バーコード又はデータマトリックス(2次元マトリックスバーコード)の形式での位置データリプレゼンテーション(location data representation)は、メイン経路及び二次経路に沿って適用され、それらは、自動倉庫内の経路に沿った基準点又は間隔の絶対位置を一義的に識別する。バーコード又はデータマトリックスの形式でのリプレゼンテーションは、車両に取り付けられた光学式リーダーで読み取ることができる。
【0004】
このようなデータリプレゼンテーションを使用すると、「エンコーダ」タイプのトランスデューサに一般的に基づく、従来の位置フィードバックシステムに関連する制限を克服し、倉庫内で車両の正確な位置を制御できる精度が向上する。これらのシステムは、車両の車輪の回転を検出し、記録された回転数を、事前に決められた基準点に対して段階的に計算される直線の長さに変換するエンコーダを含む。車輪の摩耗は、現在の位置決め制御ソリューションの精度低下につながる。車両の車輪の回転を検出し、記録された回転数を直線の長さに変換するエンコーダによって利用可能になったデータは、変換アルゴリズムが現実と一致しない値に基づいて動作し続けるため、車輪の摩耗による影響を受ける。車輪の振動又は滑りは、車両の予想位置の精度にも影響を与える可能性がある。さらに、一時的な停電、又は車両の推進システムを介して動作を制御せずに整備中に発生する可能性のある、車両の手動操作の結果により、不確実性及び位置決めエラーが発生する可能性がある。
【0005】
「四方向シャトル」として知られる車両が動作する自動倉庫は、当技術分野で知られており、例えば、国際公開2020/062208号において説明されている。各車両は、2つの直交する水平方向に延びる軌道に沿って移動することにより、貨物ユニットをピックアップしたり、配置したりすることができる。垂直軌道システムは、第1方向に配置された対の平行レールの第1セットと、第1方向と垂直な第2方向に配置された対の平行レールの第2セットと、を備える。四方向車両は、互いに直交する2組の車輪によって、2つの直交方向に移動できるキャパシティを有する単一ユニットを含み、そのうち1組は、第1セットの対のレールに一時的に接触し、第2セットの車両が持ち上げられ、第2セットのレールと接触しない間、車両を第1方向に移動させる。第2方向に車両を移動するためには、第1セットの車輪は持ち上げられ、第1セットのレールから外され、そして、第2セットの車輪は、下降して第2セットの対のレールと係合する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、絶対位置決めシステムを備えた、1つ又は複数の「四方向」タイプの車両が可動する自動倉庫を提供する。つまり、絶対位置データ(距離ではない)を検出し、そのようなデータは、外部の、固定された、車両に依存しない基準システム(vehicle-independent reference system)に基づく。
【0007】
上記と、他の目的及び利点は、本発明の形態によると、本開示に記載され、請求される自動倉庫により、達成される。自動倉庫の好ましい実施の形態についても説明する。
【0008】
要約すると、自動倉庫は、第1水平方向に配置された複数の対の平行な第1レールと、第1方向に垂直な第2方向に配置された複数の対の平行な第2レールと、を含み、レールは、各第1及び第2上向き対面軌道(upwardly facing raceways)を有する。倉庫は、第1及び第2レールに沿って貨物ユニットを運ぶために適した少なくとも1つの四方向車両を備え、車両の2つの第1対向側に沿って配置された第1車輪セットと、第1側に垂直な車両の2つの第2対向側に沿って配置された第2車輪セットと、が搭載されている。少なくとも1つの第1及び第2車輪セットの車輪は、第1の複数の対のレールの対のレールの軌道と第1車輪セットの車輪と選択的に係合するために、他方の車輪セットに対して上げ下げされ、同時に、第2車輪セットの車輪を第2の複数の対のレールの軌道から外す。また、その逆も可能である。対の第1レールにおける少なくとも1つのレールは、同じ対の2つのレールの他方に面する内面を有する。対の第1軌道の前記内面に隣接し、且つ沿って、光学的に読み取り可能な前記第1位置データリプレゼンテーションが配置され、それは、前記第1位置データリプレゼンテーションの各々が位置する自動倉庫内及び対の第1レールに沿った点の絶対位置を明確に識別する。第2の光学的に読み取り可能な位置データリプレゼンテーションは、前記第2リプレゼンテーションの各々が位置する自動倉庫及び対の第2レールに沿った点の絶対位置を一義的に識別し、対の第2レールにおける第2レールに隣接し、且つ沿って配置される。各々の車両に搭載され取り付けられた第1及び第2光学式リーダーは、各々の相互に垂直なレールに沿って、第1及び第2データリプレゼンテーションを各々読み取るように設定されている。第1位置データリプレゼンテーションは、第1レール上の第1軌道よりも下に配置され、第2位置データリプレゼンテーションは、第2レール上の第2軌道よりも上に配置される。
【0009】
自動倉庫のいくつかの好ましい実施形態を、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】2対の垂直レール間の接合部に四方向車両を備えた自動倉庫の一部の概略斜視図
【
図2】説明のためにいくつかの要素が取り除かれた、
図1の倉庫部分の斜視図
【
図3】説明のためにいくつかの要素が取り除かれた、
図1の倉庫部分の上面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図を参照すると、自動倉庫は、1つ又は複数の四方向車両10と、垂直軌道システム11、12と、を備え、それらに沿って、各四方向車両は、2つの直交する水平方向に沿って走行することにより、貨物ユニットをピックアンドプレイスするために移動できる。貨物ユニット(図示せず)は、パレット又は同様なアイテムのような保管コンテナが含まれてもよい。
【0012】
垂直軌道又は経路システムは、第1水平方向に配置された複数の対の平行な第1レール又はガイド11a、11bと、第1方向に対して垂直である第2方向に配置された複数の対の平行な第2レール12a、12b又はガイドと、を備える。添付図面において、一対の第1レール及び第2レールのパーツのみが示されている。貨物ユニットを受け取るのに適した保管場所(図示せず)は、レール、特に、第2レール12に沿って、それ自体既知の方法で配置される。各第1レールは、各々第1水平上向き対面軌道13を有し、その上を車両の車輪28の一対の平行な列の各列が転動する。
【0013】
対の第1レールの2つのレールの少なくとも1つ11bは、同じ対の2つのレールの他方11aに面する垂直又は「内側」面又は側面14を有する。第1位置データリプレゼンテーション15は、対の第1レールの2つのレールの少なくとも1つの垂直面14に沿って配置され、この例においては、バーコード又はデータマトリックス(2次元マトリックスバーコード)の形態であり、これらは、第1位置データリプレゼンテーション15の各々が位置する自動倉庫内のレールに沿った基準点又は間隔の絶対位置を一義的に識別する。データリプレゼンテーションは、倉庫内の四方向車両10の1台に搭載された第1光学式リーダー16によって読み取ることができる。
【0014】
好ましい実施の形態において、第1位置データリプレゼンテーション15は、通常はバーコード又はデータマトリックスとして表されるデータを保持するテープ材料のストリップ17として作製される。ストリップ17は、接着剤を用いて貼り付けてもよい。
【0015】
光学的に読み取り可能なリプレゼンテーションの特定のタイプの選択は、バーコード及びデータマトリックスに限定されるとして、みなされるべきではない。代替の実施の形態は、これらのリプレゼンテーションが適用される点の位置データを読み取り可能にするのに適している限り、上記以外の形態で表現された位置データを提供してもよい。
【0016】
好ましくは、データリプレゼンテーションは、軌道よりも低い位置であって、摩耗、ひっかき傷、引き裂き、又は、衝撃や摩擦による除去又は損傷を受けにくい位置に配置される。
【0017】
実施の形態は、示された例のように、第1位置データリプレゼンテーション15が、水平面及び垂直面に対して傾斜した斜平面に配向されることを提供し得る。傾斜は、光学的に読み取られるデータリプレゼンテーションの面上に汚れや塵の堆積が減少するという点で有利である。
【0018】
第1データリプレゼンテーションの傾斜配向は、位置データを保持するテープ材料のストリップを内面14に取り付けられた又は隣接した傾斜したスラット構造又は部分18に適用することにより達成することができる。
【0019】
代替の実施の形態(図示せず)は、垂直方向に向けられ、レールの内面に適用されるデータリプレゼンテーションを提供し得る。垂直方向は、対応する光学式リーダーを車両に取り付けるための調整が要求され、そのため、リーダーは狭すぎない読み取り角度でデータリプレゼンテーションに向けられる。
【0020】
さらに
図1を参照すると、各第2レール12a、12bは、車両の車輪28の一対の平行な列の各々の列上で転がることができる各第2の水平な上向き軌道21を有する。
【0021】
第2レール12は、好ましくは、逆U又はC又はZ形状を有するボックス断面金属プロファイル(box sectional metal profile)を用いて、複数の断面形状において作製することができる。図示の実施の形態では、レールは、各第2軌道21を有する下部水平翼22を用いて、Z断面で実現される。
【0022】
第2位置データリプレゼンテーション24は、自動倉庫内の軌道に沿った基準点又は間隔の絶対位置を一義的に識別するバーコード又はデータマトリックス(二次マトリックスバーコード)の形式で、少なくとも1つの第2軌道に隣接し、配置される。第2位置データリプレゼンテーション24は、四方向車両に搭載された第2光学式リーダー25により読み取り可能である。
【0023】
好ましくは、第2軌道21に関連付けられた第2位置データリプレゼンテーション24は、これよりも高い位置に配置される。
【0024】
好ましい実施の形態によれば、対の第2レール12a、12bの2つのレールの少なくとも1つは、同じ対の2つのレールの他方に面する垂直又は「内側」面又はスラット26を有し、第2位置データリプレゼンテーションはその内側の垂直面又はスラット26に適用される。
【0025】
好ましい実施の形態において、一対の第1レール11と一対の第2レール12との間の交差エリアには、各々の直線連結要素(rectilinear connecting element)27が各第2軌道21の為に設けられている。直線連結要素27は、対の第1レールの間に、対の第1レールに対して直交するように配置されている。直線連結要素27は、一対の第1レールと一対の第2レールとの間の交差エリアにおいて、第2レール21の間の橋のように整列して配置された第2軌道セクションを上部に有する。図示されるように、直線連結要素27は、第1レールと交差する点で第2軌道21の接続を提供する。
【0026】
連結要素は、対の第1レールを支持する水平プレート29に対で取り付けてもよい。第1の対のレールのデータリプレゼンテーションに示されたデータを途切れずに読み取り可能にするために、各連結要素は、第1位置データリプレゼンテーションを提供する第1レールに隣接して位置する一端に上部凹部(upper recess)30を有する。上部凹部30は、第1位置データリプレゼンテーション15の通過を可能にする構成及び寸法を有し、有利には連結要素が延びる水平方向で測定される延長部を有し、これにより、車両10が対の第1レール11に沿って通過するとき、凹部30と連結要素27の最も高い中央部分32との間に形成される頂点によって読み取りが途切れないような位置に第1光学式リーダー16を、取り付けることができる。
【0027】
「四方向」車両は、2つの直交する車輪セット23、28により、2つの直交方向に移動することができる単一ユニットを備える。図に示されているタイプの「四方向」車両の一般的な配置は、一般に知られている。それに基づいて、本発明の実施に対して、特に関連性があり、興味深い要素のみを以下で詳細に説明する。それ故、詳細に示されていないパーツおよび要素の実装については、いずれか既知のタイプの「四方向」車両を参照することができる。
【0028】
平面視において、実質的に矩形状を有する各車両10には、2セットの車輪がある。車両の2つの第1対向側面に沿って配置された第1セットの車輪23は、第1レール11の第1長手方向の両方向において、第1セットの車輪を駆動するために推進エネルギーを提供可能なモータ又は駆動機構(図示せず)と関連付けられる。車両は、第1側面に垂直な車両の2つの他の第2対向側面に沿って配置された第2車輪セット28を有する。第2セットの車輪は、第1長手方向に対して垂直な第2横方向の両方向において、第2車輪セット28の車輪を駆動するために推進するエネルギーを提供可能な第2モータ又は駆動機構(図示せず)と関連付けられる。
【0029】
2つの車輪セット23、28のうち一度に1つだけ、車両が移動するレールに沿って、レールに接触できる。各々のレールから各車輪セットの選択的な離脱又は係合は、車両に搭載された昇降システム(図示せず)により行われ、昇降システムは、必要に応じて、1つ又は2つのフレームを上げ下げするように様々に設定でき、第1及び第2車輪セットの各々に取り付けられる。
【0030】
車両は、既知であり、本開示で説明又は図示されていない「それ自体」の態様に従って、搬送される貨物ユニットを持ち上げるために通常配置される。持ち上げは、推進機構の独立して動作する持ち上げシステムにより行われ、それは、単に車両の上部の座面又は車両全体を持ち上げることに関連してもよい。車両の電源は、作動ミッションの間、自律性を確保するために、充電式蓄電器(図示せず)を含んでもよい。
【0031】
第1及び第2光学式リーダー16、25は、対の第1及び第2レールセットのレール11、12に沿って配置されたデータリプレゼンテーションを各々読み取るように構成される。
【0032】
実施の形態によれば、第1位置データリプレゼンテーション15のための第1光学式リーダー16は、車両の内側であって、第1レールに沿って移動するために、第1車輪セットが取り付けられている車両の片側の近くに取り付けられている。
【0033】
例えば、
図2及び
図3に示すように、データリプレゼンテーションの横平面に対して可能な限り垂直な方向での読み取りを容易にするために、貫通開口33が車両の下部床34の側方位置に形成されている。
【0034】
実施の形態が示すように、第2位置データリプレゼンテーションのための第2光学式リーダー25は、横方向における車両の片側であって、第2レールに沿って移動するための第2車輪セットの側に取り付けられている。
【0035】
光学式センサの特定の技術は、この技術の要件及び将来の開発に応じて変化し得る。例えば、フォトダイオードに関連した光源、レーザー光源、LEDバーコード光源、電荷結合素子(CCD(Charged Coupled Device))センサ、カメラ型画像読み込み式システム、多数のバーコードからの情報を同時に取得可能な高解像度カメラを使用した広い視野のリーダー、等を備えた光学式リーダーが使用されてもよい。一例として、ペッパールプラスフックスFAイタリア有限会社(Pepperl+Fuchs FA Italia S.r.l.)により販売されている光学式読み取りヘッドモデルPCV100-F200-B17-V1D-6011-8203を使用してもよい。
【0036】
車両のボードに搭載された光学式リーダーにより収集された位置データによって、倉庫のマッピングが可能である。車両上の光学式センサによりリアルタイムで記録される位置データは、車載データ伝送ユニットから、セントラル倉庫のデータの受信、処理及び伝送ユニットへ、伝送され得る。これにより、倉庫内の配達及びピッキングの場所と複数の保管場所の間での貨物ユニットのピックアップ及び配達の為のサイクルタイムを最適化するために、個々の車両の動きを監視したり、様々な移動車両の経路を監視したりすることができる。
【0037】
自動倉庫の様々な特徴及び実施の形態を説明してきた。各実施の形態は他の実施形態と組み合わせることができることが理解される。さらに、本発明は、説明した実施の形態に限定されず、添付の特許請求の範囲により規定される範囲内で変更することができる。
【外国語明細書】