(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150424
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】乳母車
(51)【国際特許分類】
B62B 7/08 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
B62B7/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024062564
(22)【出願日】2024-04-09
(31)【優先権主張番号】202310377105.8
(32)【優先日】2023-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520093322
【氏名又は名称】東莞康貝童車玩具有限公司
【氏名又は名称原語表記】DONGGUAN COMBI STROLLER & TOY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】歐陽植勇
(72)【発明者】
【氏名】江志雄
(72)【発明者】
【氏名】陳栩望
【テーマコード(参考)】
3D051
【Fターム(参考)】
3D051AA02
3D051AA08
3D051AA11
3D051AA17
3D051BA03
3D051BB37
3D051CB07
3D051CG07
3D051DD12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】乳母車の折り畳みの困難さを克服できる乳母車を提供する。
【解決手段】乳母車を折りたたむ際には、上ロック機構100を解除すると、中ロック機構200が解除され、上ハンドル組2を反時計方向に回転させて下ハンドル組1に近づける。上ハンドル組2が反時計方向に回転する過程において下ロック機構300が連動して解除される。その後、ハンドルを手放すと、重力の影響で、上ハンドル組2と下ハンドル組1が自由落下する。駆動レバー6が下ハンドル組1により駆動され、後シートプレート組5が駆動レバー6により駆動されて後シートプレート組5と後脚組3との接続箇所を中心に反時計回りに回転する。その後、前シートプレート組7が後シートプレート組5により駆動され、前脚組4が前シートプレート組7により駆動されて前脚組4と後脚組3との接続箇所を中心に反時計回りに回転する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上ハンドル組と、
前記上ハンドル組に回転可能に接続される下ハンドル組と、
前記下ハンドル組に回転可能に接続される後脚組と、
前記後脚組に回転可能に接続される前脚組と、
一端が前記後脚組に回転可能に接続される後シートプレート組と、
一端が前記下ハンドル組に回転可能に接続され、他端が前記後シートプレート組の他端に回転可能に接続される駆動レバーと、
一端が前記前脚組に回転可能に接続され、他端が前記後シートプレート組の他端に回転可能に接続される前シートプレート組と、
前記上ハンドル組に設けられる上ロック機構と、
前記上ハンドル組と前記下ハンドル組を接続する中ロック機構と、
前記下ハンドル組と前記後脚組を接続する下ロック機構とを含むことを特徴とする、乳母車。
【請求項2】
前記駆動レバーは凸状に湾曲していることを特徴とする、請求項1に記載の乳母車。
【請求項3】
前記下ハンドル組に設けられる取付部と、を更に含み、
前記駆動レバーの一端は前記取付部に回転可能に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の乳母車。
【請求項4】
前記駆動レバーと前記下ハンドル組の回転可能な接続箇所、および/または
前記駆動レバーと前記後シートプレート組の回転可能な接続箇所、および/または
前記前シートプレート組と前記前脚組の回転可能な接続箇所、および/または
前記前シートプレート組と前記後シートプレート組の回転可能な接続箇所にバネが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の乳母車。
【請求項5】
乳母車が完全に展開した場合、前記上ハンドル組と前記下ハンドル組とが同じ平面に位置することを特徴とする、請求項1に記載の乳母車。
【請求項6】
前記前脚組は、前記後脚組に回転可能に接続される支持レバーを含み、乳母車が完全に展開した場合、前記支持レバーと前記下ハンドル組とが同じ平面に位置することを特徴とする、請求項1に記載の乳母車。
【請求項7】
前記中ロック機構は、
前記上ハンドル組に設けられる第1接続部と、
前記下ハンドル組に設けられ、かつ前記第1接続部に回転可能に接続される第2接続部と、
前記第2接続部に設けられる第1係合部と、
前記上ハンドル組にスライド可能に設けられ、かつ前記第1係合部に係合可能に接続される第1ラッチボルトと、を含み、
前記上ロック機構は、前記第1ラッチボルトに接続され、前記第1ラッチボルトを前記第1係合部から離脱させることを制御するスイッチ部品を含むことを特徴とする、請求項1に記載の乳母車。
【請求項8】
前記下ロック機構は、
前記第1接続部に設けられる牽引部品と、
前記下ハンドル組に設けられる第3接続部と、
前記後脚組に設けられかつ前記第3接続部に回転可能に接続される第4接続部と、
前記第4接続部に設けられる第2係合部と、
前記下ハンドル組にスライド可能に設けられ、かつ前記牽引部品に接続される第2ラッチボルトと、を含み、
前記牽引部品は、前記第1接続部と共に回転することにより第2ラッチボルトを第2係合部から離脱させることを特徴とする、請求項7に記載の乳母車。
【請求項9】
前記上ロック機構は、前記スイッチ部品に接続され、かつ前記スイッチ部品を制御する安全ロックを更に含むことを特徴とする、請求項7に記載の乳母車。
【請求項10】
前記上ハンドル組と前記下ハンドル組の総重量が前記前脚組の重量よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の乳母車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手押し車の技術領域に関し、特に乳母車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の乳母車は、車体を折り畳む際に、大きな力で車体を持ち上げ、ハンドルを押して折り畳む必要があるため、車体をうまく折り畳むにはある程度のノウハウと操作熟練度が必要である。
【0003】
従って、従来技術の欠陥に基づいて改良された乳母車を提供することは、当業者にとって解決すべき技術課題となっている。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、従来技術における乳母車の折り畳みの困難さを克服できる乳母車を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、以下の技術手段を通じて上記技術的問題を解決する。
本発明に係る乳母車は、
前記上ハンドル組に回転可能に接続される下ハンドル組と、
前記下ハンドル組に回転可能に接続される後脚組と、
前記後脚組に回転可能に接続される前脚組と、
一端が前記後脚組に回転可能に接続される後シートプレート組と、
一端が前記下ハンドル組に回転可能に接続され、他端が前記後シートプレート組の他端に回転可能に接続される駆動レバーと、
一端が前記前脚組に回転可能に接続され、他端が前記後シートプレート組の他端に回転可能に接続される前シートプレート組と、
前記上ハンドル組に設けられる上ロック機構と、
前記上ハンドル組と前記下ハンドル組を接続する中ロック機構と、
前記下ハンドル組と前記後脚組を接続する下ロック機構とを含む。
【0006】
好ましくは、前記駆動レバーは凸状に湾曲している。
【0007】
好ましくは、乳母車は、前記下ハンドル組に設けられる取付部と、を更に含み、
前記駆動レバーの一端は前記取付部に回転可能に取り付けられる。
【0008】
好ましくは、乳母車は、
前記駆動レバーと前記下ハンドル組の回転可能な接続箇所、および/または
前記駆動レバーと前記後シートプレート組の回転可能な接続箇所、および/または
前記前シートプレート組と前記前脚組の回転可能な接続箇所、および/または
前記前シートプレート組と前記後シートプレート組の回転可能な接続箇所にバネが設けられる。
【0009】
好ましくは、乳母車が完全に展開した場合、前記上ハンドル組と前記下ハンドル組とが同じ平面に位置する。
【0010】
好ましくは、前記前脚組は、前記後脚組に回転可能に接続される支持レバーを含み、乳母車が完全に展開した場合、前記支持レバーと前記下ハンドル組とが同じ平面に位置する。
【0011】
好ましくは、前記中ロック機構は、
前記上ハンドル組に設けられる第1接続部と、
前記下ハンドル組に設けられ、かつ前記第1接続部に回転可能に接続される第2接続部と、
前記第2接続部に設けられる第1係合部と、
前記上ハンドル組にスライド可能に設けられ、かつ前記第1係合部に係合可能に接続される第1ラッチボルトと、を含み、
前記上ロック機構は、前記第1ラッチボルトに接続され、前記第1ラッチボルトを前記第1係合部から離脱させることを制御するスイッチ部品を含む。
【0012】
好ましくは、前記下ロック機構は、
前記第1接続部に設けられる牽引部品と、
前記下ハンドル組に設けられる第3接続部と、
前記後脚組に設けられ、かつ前記第3接続部に回転可能に接続される第4接続部と、
前記第4接続部に設けられる第2係合部と、
前記下ハンドル組にスライド可能に設けられ、かつ前記牽引部品に接続される第2ラッチボルトと、を含み、
前記牽引部品は、前記第1接続部と共に回転し、牽引することにより第2ラッチボルトを第2係合部から離脱させる。
【0013】
好ましくは、前記上ロック機構は、前記スイッチ部品に接続され、かつ前記スイッチ部品を制御する安全ロックを更に含む。
【0014】
好ましくは、前記上ハンドル組と前記下ハンドル組の総重量が前記前脚組の重量よりも大きい。
【0015】
当該分野における技術常識に基づいて、上記の好ましい条件を任意に組み合わせて、本発明の好ましい例を得ることができる。
【0016】
本発明の積極的な効果は以下である。
本発明の乳母車を折りたたむ際には、上ロック機構を解除すると、それに連動して中ロック機構が解除される。また、中ロック機構が解除された後、上ハンドル組を反時計方向に回転させて下ハンドル組に近づける。上ハンドル組が反時計方向に回転する過程において下ロック機構が連動して解除される。その後、ハンドルを手放すと、重力の影響で、上ハンドル組と下ハンドル組が自由落下する。この場合、駆動レバーが下ハンドル組により駆動されて動き、後シートプレート組が駆動レバーにより駆動されて後シートプレート組と後脚組との接続箇所を中心に反時計回りに回転する。その後、前シートプレート組が後シートプレート組により駆動されて動き、前脚組が前シートプレート組により駆動されて前脚組と後脚組との接続箇所を中心に反時計回りに回転する。これにより、前脚組が徐々に後脚組に近づき、同時に上ハンドル組及び下ハンドル組が重力の影響で後脚組に近づき、折り畳みの目的が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の好ましい実施例に係る乳母車が完全に展開したときの概略構造図である。
【
図2】
図2は、本発明の好ましい実施例に係る乳母車が折り畳まれる過程中の概略構造図である。
【
図3】
図3は、本発明の好ましい実施例に係る乳母車の上ハンドル組が折り畳まれたときの概略的な三次元構造図である。
【
図4】
図4は、本発明の好ましい実施例に係る乳母車が折り畳まれたときの概略構造図である。
【
図5】
図5は、本発明の好ましい実施例に係る乳母車が折り畳まれたときの概略的な三次元構造図である。
【
図6】
図6は、本発明の好ましい実施例に係る乳母車のマルチリンク機構の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下は本発明の実施例における図面を参照しながら本発明の実施例における技術手段を明確かつ完全に説明する。下記実施形態は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全部ではない。少なくとも1つの例示的な実施例に関する以下の説明は、単に例示的なものに過ぎず、本発明及びその応用、用途を限定するものではない。本発明の実施例に基づいて、創造的な努力をすることなく当業者によって得られる他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲内に含まれる。
【0019】
説明を容易にするために、ここでは空間相対的な用語が用いられる場合がある。例えば、「上に」、「上方に」、「上面に」、「上面の」等は、図に示される1つのデバイスまたは特徴と他のデバイスまたは特徴の空間的な位置関係を表すための用語である。なお、空間的相対的な用語は、図に示された方向に加えて、デバイスの使用中または動作中における異なる方向を表すときも用いられる。例えば、図面中のデバイスを上下逆にすると、「他のデバイスまたは構造の上方に」または「他のデバイスまたは構造の上に」として説明されたデバイスが「他のデバイスまたは構造の下方に」または「他のデバイスまたは構造の下に」と定義される。従って、例示的な用語「上に」には「上に」と「下に」とを含む。デバイスの方向を他の方法によって(例えば、90度回転または他の方向)定義してもよく、本明細書で使用される空間的相対的な記載を解釈する。
【0020】
図1~
図6に示すように、本実施例には、乳母車が開示される。乳母車は、上ハンドル組2、下ハンドル組1、後脚組3、前脚組4、後シートプレート組5、駆動レバー6、前シートプレート組7、上ロック機構100、中ロック機構200、及び下ロック機構300を含む。
【0021】
上ハンドル組2は、下ハンドル組1に回転可能に接続され、折り畳まれた状態で下ハンドル組1上に置くことができる。上ハンドル組2と下ハンドル組1の総重量が前脚組4の重量よりも大きいため、簡単かつ効率的な方法で、上ハンドル組2及び下ハンドル組1により、後脚組3、前脚組4、後シートプレート組5、駆動レバー6及び前シートプレート組7が、回転駆動することができる。これにより、乳母車を折り畳むことができる。また、本実施例の乳母車が完全に展開した場合、上ハンドル組2と下ハンドル組1とが同じ平面に位置する(
図1参照)ため、車体がコンパクトになる。
【0022】
後脚組3は、下ハンドル組1に回転可能に接続される。下ハンドル組1が折り畳まれた状態で後脚組3上に置くことができる。前脚組4は、後脚組3に回転可能に接続され、回転しながら後脚組3に近づくことができる。また、本実施例の前脚組4は、後脚組3に回転可能に接続される支持レバー41を含む。さらに、本実施例の乳母車が完全に展開した場合、支持レバー41と下ハンドル組1が同じ平面に位置する(
図1参照)ため、車体がコンパクトになる。
【0023】
後シートプレート組5は、一端(
図2の右側)が後脚組3に回転可能に接続される。駆動レバー6は、一端(
図2の上端)が下ハンドル組1に回転可能に接続され、他端(
図2の下端)が後シートプレート組5の他端(
図2の左側)に回転可能に接続される。また、駆動レバー6は移動方向(
図2の左側)に向けって凸状に湾曲していることにより、駆動効率が向上する。さらに、本実施例の乳母車は、下ハンドル組1に設けられる取付部をさらに含む。駆動レバー6は、一端(
図2の上端)が取付部に回転可能に接続される。取付部を設けることにより、駆動レバー6の取り付けを容易にすることができ、接続の安定性が向上する。前シートプレート組7は、一端(
図2の左側)が前脚組4に回転可能に接続され、他端が後シートプレート組5の他端(
図2の右側)に回転可能に接続される。
【0024】
上ロック機構100は、上ハンドル組2に設けられ、中ロック機構200は、上ハンドル組2と下ハンドル組1とに接続され、下ロック機構300は、下ハンドル組1と後脚組3とに接続される。
【0025】
図6に示すように、本実施例の乳母車には、マルチリンク機構が用いられる。後シートプレート組5、前シートプレート組7、及び前脚組4のGFセグメント、後脚組3のBDセグメント、DGセグメント及び下ハンドル組1のBCセグメントがいずれもリンク機構とみなされる。
【0026】
本実施例の乳母車が折り畳まれる際に、まず上ロック機構100を解除する。そうすると、中ロック機構200が上ハンドル組2の内部の鋼線により連動され解除される。中ロック機構200が解除された後、上ハンドル組2を反時計回りに回転させ、上ハンドル組2が反時計回りに回転する過程において、下ハンドル組1内部の鋼線を通じて下ロック機構300が動き、下ロック機構300が解除される。その後、上ハンドル組2を手放すと、重力の影響で、上ハンドル組2と下ハンドル組1が自由落下する。この場合、駆動レバー6が下ハンドル組1により駆動され、後シートプレート組5が駆動レバー6により駆動されて後シートプレート組5と後脚組3との接続箇所を中心に反時計回りに回転する。その後、前シートプレート組7が後シートプレート組5により駆動され、前脚組4が前シートプレート組7により駆動されて前脚組4と後脚組3との接続箇所を中心に反時計回りに回転する。これにより、前脚組4が徐々に後脚組3に近づき、同時に上ハンドル組2と下ハンドル組1が重力の影響で後脚組3に近づき、折り畳みの目的が達成される。
【0027】
さらに、本実施例の乳母車は、複数のバネを含む。駆動レバー6と下ハンドル組1の回転可能な接続箇所、駆動レバー6と後シートプレート組5の回転可能な接続箇所、前シートプレート組7と前脚組4の回転可能な接続箇所、及び前シートプレート組7と後シートプレート組5の回転可能な接続箇所のいずれにもバネが設けられる。バネを設けることにより、乳母車の折り畳みがよりスムーズに完成される。
【0028】
本実施例において、バネとしてねじりバネが用いられる。もちろん、当業者は、他の代替実施例において、引張バネ、圧縮バネ等を使用しても良い。
【0029】
図3に示すように、本実施例における中ロック機構200は、第1接続部8、第2接続部9、第1係合部、及び第1ラッチボルトを含む。下ロック機構300は、牽引部品、第3接続部11、第4接続部12、第2係合部及び第2ラッチボルトを含む。上ロック機構100は、スイッチ部品10(
図4参照)を含む。
【0030】
第1接続部8は、上ハンドル組2に設けられ、第2接続部9は、下ハンドル組1に設けられ、第2接続部9は、第1接続部8に回転可能に接続される。これにより、上ハンドル組2は、下ハンドル組1に対して回転できる。第1係合部は、第2接続部9に設けられる。第1ラッチボルトは、上ハンドル組2に摺動可能に設けられる。第1ラッチボルトは、第1係合部に係合可能に接続される。スイッチ部品10は、上ハンドル組2に設けられる。スイッチ部品10は、第1ラッチボルトに接続される。スイッチ部品10をトグルすると、第1ラッチボルトが上ハンドル組2内に摺動し、第1ラッチボルトを第1係合部から離脱させることができ、上ハンドル組2と下ハンドル組1との間のロックが解除される。このとき、上ハンドル組2が下ハンドル組1に対して回転できる。本実施例において、上述した構造が採用されているため、操作が簡単になり、上ハンドル組と下ハンドル組との間のロック解除が容易に実現される。
【0031】
また、本実施例の第1ラッチボルトは、自動復帰構造を含む。乳母車が完全に展開し、上ハンドル組2と下ハンドル組1とが同じ平面に位置する場合、自動復帰構造が自動的に第1ラッチボルトを第1係合部に係合させる位置に復帰させ、上ハンドル組2と下ハンドル組1をロックさせる。このとき、上ハンドル組2は、下ハンドル組1に対して回転できない。
【0032】
牽引部品は、第1接続部8に設けられる。第3接続部11は、下ハンドル組1に設けられる。第4接続部12は、後脚組3に設けられる。第4接続部12は、第3接続部11に回転可能に接続される。これにより、下ハンドル組1は、後脚組3に対して回転できる。第2係合部は、第4接続部12に設けられる。第2ラッチボルトは、下ハンドル組1に摺動可能に設けられ、かつ牽引部品に接続される。上ハンドル組2と第1接続部8が回転する過程において、牽引部品が第1接続部8と共に回転するため、第2ラッチボルトが第2係合部から離脱する。これにより、下ハンドル組1と後脚組3との間のロックが解除される。このとき、下ハンドル組1が後脚組3に対して回転できる。本実施例において、上述した構造が採用されているため、追加の操作がなくても、下ハンドル組1と後脚組3との間の自動的なロック解除が容易に実現される。
【0033】
また、本実施例の第2ラッチボルトも、自動復帰構造を含む。乳母車が完全に展開し、下ハンドル組1と前脚組4の支持レバー41とが同じ平面に位置する場合、自動復帰構造が自動的に第2ラッチボルトを第2係合部に係合させる位置に復帰させ、下ハンドル組1と後脚組3をロックさせる。このとき、下ハンドル組1は、後脚組3に対して回転できない。
【0034】
さらに、
図4に示すように、本実施例の上ロック機構100は、スイッチ部品10に接続される安全ロックを更に含む。安全ロックを解除してからスイッチ部品10をトグルすることで、乳母車を折り畳むことができる。安全ロックを設けることにより、安全性が向上する。
【0035】
上述したように、本実施例の乳母車を折りたたむ際には、上ロック機構100を解除すると、それに連動して中ロック機構200が解除される。また、中ロック機構200が解除された後、上ハンドル組2を反時計方向に回転させて下ハンドル組1に近づける。上ハンドル組2が反時計方向に回転する過程において、下ロック機構300が連動して解除される。その後、上ハンドル組2を手放すと、重力の影響で、上ハンドル組2と下ハンドル組1が自由落下する。このとき、駆動レバー6が下ハンドル組1により駆動され、後シートプレート組5が駆動レバー6により駆動されて後シートプレート組5と後脚組3との接続箇所を中心に反時計回りに回転する。その後、前シートプレート組7が後シートプレート組5により駆動され、前脚組4が前シートプレート組7により駆動されて前脚組4と後脚組3との接続箇所を中心に反時計回りに回転する。これにより、前脚組4が徐々に後脚組3に近づき、同時に上ハンドル組2及び下ハンドル組1が重力の影響で後脚組に近づき、折り畳みの目的が達成される。
【0036】
なお、本発明の特許請求の範囲及び明細書では、「第1」、「第2」などの用語は、ある部品または操作を他の部品または操作から区別するためにのみ用いられるものであり、これらの部品または操作を必ずしも必要または暗示するものではない。それらの部品または操作間にそのような実際の関係または順序があることを必ずしも要求または暗示するものではない。また、「含む」、「含有」という用語、またはその他の排他性を有する「包含」は、一連的な過程、方法、物品または装置を包含するだけでなく、明示的に列挙されていない他の過程、方法、物品または装置を包含することができることを意味する。さらなる制限がない限り、「一つ要素を含む」という記述は、その要素以外の要素の過程、方法、物品、または装置の存在を排除するものではない。
【符号の説明】
【0037】
下ハンドル組1
上ハンドル組2
後脚組3
前脚組4
支持レバー41
後シートプレート組5
駆動レバー6
前シートプレート組7
第1接続部8
第2接続部9
スイッチ部品10
第3接続部11
第4接続部12
上ロック機構100
中ロック機構200
下ロック機構300