IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティドの特許一覧

特開2024-150425ステンシルプリンタ及び位置合わせ方法
<>
  • 特開-ステンシルプリンタ及び位置合わせ方法 図1
  • 特開-ステンシルプリンタ及び位置合わせ方法 図2
  • 特開-ステンシルプリンタ及び位置合わせ方法 図3A
  • 特開-ステンシルプリンタ及び位置合わせ方法 図3B
  • 特開-ステンシルプリンタ及び位置合わせ方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150425
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】ステンシルプリンタ及び位置合わせ方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/08 20060101AFI20241016BHJP
   B41F 15/44 20060101ALI20241016BHJP
   B41F 15/12 20060101ALI20241016BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
B41F15/08 303E
B41F15/44 B
B41F15/12 A
H05K3/34 505D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024062593
(22)【出願日】2024-04-09
(31)【優先権主張番号】2023103755981
(32)【優先日】2023-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】2024104046243
(32)【優先日】2024-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】チョン ツァイツァイ
【テーマコード(参考)】
2C035
5E319
【Fターム(参考)】
2C035AA06
2C035FA22
2C035FB26
2C035FD01
5E319BB05
5E319CD29
5E319GG20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ステンシルプリンタ及びその位置合わせ方法の提供。
【解決手段】ステンシルはフレームに接続されている。支持テーブルはフレームに接続され、基板を印刷位置において支持するように構成されている。支持テーブルはステンシルの下方に設けられている。スクイージブレードマウントはフレームに接続され、ステンシルの上方に設けられている。スクイージブレードはX方向に延在し、X方向に垂直なY方向にスクイーズ動作を行う。スクイージブレードホルダは固定ホルダと可動ホルダとを備える。固定ホルダはスクイージブレードマウントに固定して装着され、スクイージブレードは、可動ホルダ上に保持される。可動ホルダはスクイージブレードが支持テーブルに対してX方向に移動できるように、X方向に移動可能に固定ホルダに接続されるように構成され、スクイージブレードは支持テーブル及びステンシルと位置合わせされた位置までX方向に調整可能である。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(210)上に粘性物質を印刷するためのステンシルプリンタ(100)であって、
フレーム(110)と、
前記フレーム(110)に接続されたステンシル(130)と、
前記フレーム(110)に接続された支持テーブル(170)であって、前記支持テーブル(170)は前記基板(210)を印刷位置において支持するように構成され、前記支持テーブル(170)は前記ステンシル(130)の下方に設けられている、支持テーブル(170)と、
前記フレーム(110)に接続されたスクイージブレードマウント(241)であって、前記スクイージブレードマウント(241)は前記ステンシル(130)の上方に設けられている、スクイージブレードマウント(241)と、
X方向に延在するとともに、前記X方向に垂直なY方向にスクイーズ動作を行う、スクイージブレード(244)と、
固定ホルダ(320)と可動ホルダ(340)とを備えるスクイージブレードホルダ(242)であって、前記固定ホルダ(320)は前記スクイージブレードマウント(241)に固定して装着され、前記スクイージブレード(244)は前記可動ホルダ(340)上に保持され、前記可動ホルダ(340)は、前記スクイージブレード(244)が前記支持テーブル(170)に対して前記X方向に移動できるようにするために、前記X方向に移動可能に前記固定ホルダ(320)に接続されるように構成され、それにより、前記スクイージブレード(244)が前記支持テーブル(170)及び前記ステンシル(130)と位置合わせされた位置まで前記X方向に調整可能である、スクイージブレードホルダ(242)と、
を備える、ステンシルプリンタ(100)。
【請求項2】
前記固定ホルダ(320)に装着された調整手段であって、前記固定ホルダ(320)に対して第1の移動方向及び前記第1の移動方向とは反対の第2の移動方向に移動するように前記可動ホルダ(340)を駆動するように構成された調整手段を更に備え、前記第1の移動方向及び前記第2の移動方向は前記X方向である、請求項1に記載のステンシルプリンタ(100)。
【請求項3】
前記調整手段は、
ハンドル(362)と前記ハンドル(362)に接続されたプッシュロッド(364)とを備える駆動部材(356)であって、前記プッシュロッド(364)は前記可動ホルダ(340)に当接し、前記駆動部材(356)は、前記固定ホルダ(320)に対し前記第1の移動方向に移動するように前記ハンドル(362)の操作により前記プッシュロッド(364)を駆動して、前記固定ホルダ(320)に対し前記第1の移動方向に移動するように前記可動ホルダ(340)を押すように、構成されている、駆動部材(356)と、
前記可動ホルダ(340)と前記固定ホルダ(320)との間にクランプされた復元部材(352)であって、前記復元部材(352)は、前記可動ホルダ(340)の前記第1の移動方向への移動中に復元力を蓄積するように、かつ、前記第2の移動方向に移動するように前記可動ホルダ(340)を前記復元力により駆動するように、構成されている、復元部材(352)と、
を備える、請求項2に記載のステンシルプリンタ(100)。
【請求項4】
前記駆動部材(356)は、前記プッシュロッド(364)を介して前記固定ホルダ(320)にねじ接続される、請求項3に記載のステンシルプリンタ(100)。
【請求項5】
前記駆動部材(356)及び前記固定ホルダ(320)に、前記プッシュロッド(364)の移動距離を測定可能な測定特徴部が設けられている、請求項4に記載のステンシルプリンタ(100)。
【請求項6】
前記固定ホルダ(320)は、固定ホルダ本体(321)と、前記固定ホルダ本体(321)の頂部の互いに対向する2つの端部にそれぞれ設けられた第1の支持ブロック(326)及び第2の支持ブロック(327)と、を備え、前記可動ホルダ(340)は、可動ホルダ本体(341)と、前記可動ホルダ本体(341)の互いに対向する2つの端部にそれぞれ設けられた第1の保持アーム(342)及び第2の保持アーム(343)と、を備え、
前記駆動部材(356)は、前記第1の支持ブロック(326)に装着されるとともに前記第1の保持アーム(342)に当接し、前記復元部材(352)は、前記第2の支持ブロック(327)と前記第2の保持アーム(343)との間にクランプされている、
請求項4に記載のステンシルプリンタ(100)。
【請求項7】
前記第1の支持ブロック(326)は、第1の支持ブロック本体(376)と接続シリンダ(374)とを備え、前記接続シリンダ(374)は、前記第1の支持ブロック本体(376)の前記第2の支持ブロック(327)から離れた側に設けられ、前記駆動部材(356)の前記プッシュロッド(364)は、前記接続シリンダ(374)にねじ接続されて前記第1の支持ブロック本体(376)内を通る、請求項6に記載のステンシルプリンタ(100)ステンシルプリンタ。
【請求項8】
前記復元部材(352)はバネである、請求項3に記載のステンシルプリンタ(100)。
【請求項9】
前記固定ホルダ(320)に、前記X方向に延在する少なくとも1つの接続溝(328)が設けられ、前記可動ホルダ(340)は、前記少なくとも1つの接続溝(328)を通る少なくとも1つの締結具(358)を介して前記固定ホルダ(320)に接続され、前記少なくとも1つの締結具(358)は、前記少なくとも1つの接続溝(328)に沿って前記X方向に移動可能である、請求項1に記載のステンシルプリンタ(100)。
【請求項10】
前記固定ホルダ(320)に固定ホルダ位置合わせ基準特徴部(325)が設けられ、前記可動ホルダ(340)に可動ホルダ位置合わせ基準特徴部(345)が設けられ、前記固定ホルダ位置合わせ基準特徴部(325)及び前記可動ホルダ位置合わせ基準特徴部(345)の互いに対する位置によって、前記固定ホルダ(320)及び前記可動ホルダ(340)の互いに対するオフセットが決定される、請求項1に記載のステンシルプリンタ(100)。
【請求項11】
前記スクイージブレードマウント(241)にスクイージブレードマウント位置合わせ構造(313)が設けられ、前記固定ホルダ(320)に固定ホルダ位置合わせ構造(323)が設けられ、前記スクイージブレードマウント位置合わせ構造(313)は前記固定ホルダ位置合わせ構造(323)と協働して、前記スクイージブレードマウント(241)を前記固定ホルダ(320)と位置合わせする、請求項1に記載のステンシルプリンタ(100)。
【請求項12】
請求項1に記載の、前記スクイージブレード(244)、前記ステンシル(130)、及び前記基板(210)を位置合わせする、ステンシルプリンタの位置合わせ方法であって、
前記支持テーブル(170)に対する前記スクイージブレードマウント(241)の前記X方向におけるオフセットΔXを決定するステップS1と、
前記固定ホルダ(320)を前記スクイージブレードマウント(241)と位置合わせした後に前記固定ホルダ(320)を前記スクイージブレードマウント(241)に装着し、前記固定ホルダ(320)を前記可動ホルダ(340)に対し前記X方向にΔXだけオフセットして、最初に前記スクイージブレード(244)を前記支持テーブル(170)と位置合わせするステップS2と、
前記基板(210)を、前記支持テーブル(170)上の、前記基板(210)が前記支持テーブル(170)と位置合わせされる所定の位置に、ロードするステップS3と、
前記支持テーブル(170)を移動して前記ステンシル(130)と位置合わせするステップS4であって、前記支持テーブル(170)は、前記X方向にΔXの距離だけ移動される、ステップS4と、
前記可動ホルダ(340)を前記固定ホルダ(320)に対し前記X方向にΔXだけ移動して、最終的に前記スクイージブレード(244)を前記支持テーブル(170)及び前記ステンシル(130)と位置合わせするステップS5と、
を含む、位置合わせ方法。
【請求項13】
前記ステップS3は、前記ステップS1又は前記ステップS2よりも前に行われてもよい、請求項12に記載の位置合わせ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、概して、基板上に粘性物質を印刷するステンシルプリンタ、並びにステンシルプリンタのスクイージ、ステンシル、及び基板を位置合わせする方法に関する。粘性物質は、例えば、はんだペーストの場合があり、基板は、例えば、プリント回路基板の場合がある。
【背景技術】
【0002】
背景
典型的な回路基板製造プロセスでは、ステンシルプリンタを使用して、プリント回路基板上にはんだペーストを印刷する。広義には電子基板と称される回路基板は、はんだペーストを堆積させることができるパッド又はいくつかの他の伝導性表面のパターンを有し、ステンシルプリンタ内に自動的に供給される。回路基板上にはんだペーストを印刷する前に、基準部(fiducials)と呼ばれる、回路基板上の小さい孔又はマークを使用して、回路基板をステンシルプリンタのステンシル又はスクリーンと位置合わせする。基準は、回路基板をステンシルと位置合わせするときの基準点として機能する。回路基板がプリンタのステンシルと位置合わせされると、回路基板は、基板支持体によってステンシルまで上昇され、ステンシルに対して固定される。ステンシル支持体は、例えば、ピン又は他の物体支持物を有するテーブルの場合がある。次に、ワイパーブレード又はスクレーパをステンシルにわたって移動し、ステンシル内に形成された孔を通してはんだペーストを回路基板上に押し出すことによって、はんだペーストが吐出される。はんだペーストは、通常、標準のはんだペースト供給カートリッジからステンシル上に吐出される。印刷動作が完了した後、回路基板は解放され、ステンシルから離れるように下げられ、次に、プリント回路基板製造ライン内の別の位置に搬送される。
【0003】
基板の1つのタイプは、その印刷面上に凸部と凹部があり、そのため、その印刷面が平坦ではない。このような基板上にはんだペーストを印刷するステンシルプリンタでは、基板の印刷面の形状と一致する形状の3次元スクリーンを有するステンシルが使用される。3次元スクリーンを使用することによって、基板の印刷面上の凸部と凹部との両方上に、はんだペーストを印刷することができる。
【発明の概要】
【0004】
開示の概要
本開示の第1の態様によれば、本開示によって、基板上に粘性物質を印刷するステンシルプリンタが提供される。ステンシルプリンタは、フレーム、ステンシル、支持テーブル、スクイージブレードマウント、スクイージブレード、及びスクイージブレードホルダを備える。ステンシルは、フレームに接続されている。支持テーブルは、フレームに接続され、基板を印刷位置において支持するように構成されている。支持テーブルは、ステンシルの下方に設けられている。スクイージブレードマウント(装着台、取付け台)は、フレームに接続され、ステンシルの上方に設けられている。スクイージブレードは、X方向に延在し、X方向に垂直なY方向にスクイーズ動作を行う。スクイージブレードホルダは、固定ホルダ及び可動ホルダを備える。固定ホルダは、スクイージブレードマウントに固定して装着され(取り付けられ)、スクイージブレードは、可動ホルダ上に保持される。可動ホルダは、スクイージブレードが支持テーブルに対してX方向に移動できるように、X方向に移動可能に固定ホルダに接続されるように構成され、スクイージブレードは、支持テーブル及びステンシルと位置合わせされた位置までX方向に調整可能である。
【0005】
第1の態様によるステンシルプリンタは、固定ホルダに装着された調整手段であって、固定ホルダに対して第1の移動方向及び第1の移動方向とは反対の第2の移動方向に移動するように、可動ホルダを駆動するように構成された、調整手段を更に備える。第1の移動方向及び第2の移動方向はX方向である。
【0006】
第1の態様によるステンシルプリンタでは、調整手段は駆動部材及び復元部材を備える。駆動部材は、ハンドルと、ハンドルに接続されたプッシュロッドとを備える。プッシュロッドは可動ホルダに当接し、駆動部材は、ハンドルの操作によってプッシュロッドを駆動して、固定ホルダに対して第1の移動方向に移動させ、可動ホルダを押して固定ホルダに対して第1の移動方向に移動させるように構成されている。復元部材は、可動ホルダと固定ホルダとの間にクランプされる。復元部材は、可動ホルダの第1の移動方向での移動中に復元力を蓄積し、復元力によって可動ホルダを駆動して第2の移動方向に移動させるように構成されている。
【0007】
第1の態様によるステンシルプリンタでは、駆動部材は、プッシュロッドを介して固定ホルダにねじ接続される。
【0008】
第1の態様によるステンシルプリンタでは、駆動部材及び固定ホルダには、プッシュロッドの移動距離を測定できる測定特徴部が設けられている。
【0009】
第1の態様によるステンシルプリンタでは、固定ホルダは、固定ホルダ本体と、第1の支持ブロック及び第2の支持ブロックとを備え、第1の支持ブロック及び第2の支持ブロックは、固定ホルダ本体の上部の2つの対向する端部にそれぞれ設けられ、可動ホルダは、可動ホルダ本体と、第1の保持アーム及び第2の保持アームとを備え、第1の保持アーム及び第2の保持アームは、可動ホルダ本体の2つの対向する端部にそれぞれ設けられている。駆動部材は、第1の支持ブロックに装着され、第1の保持アームに当接し、復元部材は、第2の支持ブロックと第2の保持アームとの間にクランプされる。
【0010】
第1の態様によるステンシルプリンタでは、第1の支持ブロックは、第1の支持ブロック本体と接続シリンダとを備える。接続シリンダは、第1の支持ブロック本体の第2の支持ブロックから離れた側に設けられ、駆動部材のプッシュロッドは、接続シリンダにねじ接続され、第1の支持ブロック本体を通る。
【0011】
第1の態様によるステンシルプリンタでは、復元部材はバネである。
【0012】
第1の態様によるステンシルプリンタでは、固定ホルダには、X方向に延在する少なくとも1つの接続溝が設けられ、可動ホルダは、少なくとも1つの接続溝を通る少なくとも1つの締結具を介して固定ホルダに接続され、少なくとも1つの締結具は、少なくとも1つの接続溝に沿ってX方向に移動可能である。
【0013】
第1の態様によるステンシルプリンタでは、固定ホルダには、固定ホルダ位置合わせ基準特徴部が設けられ、可動ホルダには、可動ホルダ位置合わせ基準特徴部が設けられ、固定ホルダ位置合わせ基準特徴部及び可動ホルダ位置合わせ基準特徴部の互いに対する位置によって、固定ホルダ及び可動ホルダの互いに対するオフセットが決定される。
【0014】
第1の態様によるステンシルプリンタでは、スクイージブレードマウントには、スクイージブレードマウント位置合わせ構造が設けられ、固定ホルダには、固定ホルダ位置合わせ構造が設けられ、スクイージブレードマウント位置合わせ構造は固定ホルダ位置合わせ構造と協働して、スクイージブレードマウントを固定ホルダと位置合わせする。
【0015】
本開示の第2の態様によれば、本開示によって、第1の態様によるスクイージブレード、ステンシル、及び基板を位置合わせする、ステンシルプリンタに対する位置合わせ方法が提供される。本方法は、支持テーブルに対するスクイージブレードマウントのX方向におけるオフセットΔXを決定するステップS1と、固定ホルダをスクイージブレードマウントと位置合わせした後に、固定ホルダをスクイージブレードマウントに装着し、固定ホルダを可動ホルダに対してX方向にΔXだけオフセットして、最初にスクイージブレードを支持テーブルと位置合わせするステップS2と、基板を支持テーブル上の、基板が支持テーブルと位置合わせされる所定の位置にロード(充填、装填)するステップS3と、支持テーブルを移動して、支持テーブルをステンシルと位置合わせするステップS4であって、支持テーブルは、X方向にΔXの距離だけ移動される、ステップと、可動ホルダを固定ホルダに対してX方向にΔXだけ移動して、最終的にスクイージブレードを支持テーブル及びステンシルと位置合わせするステップS5とを含む。
【0016】
第2の態様による位置合わせ方法では、ステップS3は、ステップS1又はステップS2より前に行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の一実施形態によるステンシルプリンタの斜視図である。
図2図1におけるスクイージアセンブリ、ステンシル、及び支持テーブルの斜視図である。
図3A図2におけるスクイージアセンブリの部分分解図である。
図3B図2におけるスクイージアセンブリの別の部分分解図である。
図4】本開示の一実施形態によるステンシルプリンタに対する位置合わせ方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施形態の詳細な説明
本開示の種々の具体的な実施について、本明細書の一部を構成する添付図面を参照して以下に説明する。本開示では、「前」、「後」、「上方」、「下方」、「左」、「右」、「上部」、及び「下部」等の方向を示す用語を使用して、本開示の種々の例における構造部品及び要素を説明しているが、これらの用語は、本開示では説明を簡単にするためだけに使用され、添付図面に示す例示的な向きに基づいて決定されることを理解されたい。本開示において開示される実施形態における配置は種々の方向であり得るため、方向を示すこれらの用語は単なる例証であり、限定と考えるべきではない。
【0019】
図1は、本開示の一実施形態によるステンシルプリンタ100の斜視図である。図1に示すように、ステンシルプリンタ100は、ステンシルプリンタの種々の構成部品を支持するフレーム110を備えている。ステンシルプリンタ100の構成部品には、コントローラ120、ディスプレイ125、ステンシル130、及びはんだペーストを塗布するためのスクイージ手段140が含まれる。ステンシル130及びスクイージ手段140は、フレーム110に好適に結合され得る。一実施形態では、スクイージ手段140は、スクイージ手段ガントリ150に装着されてもよい。スクイージ手段ガントリ150は、フレーム110に装着されてもよい。コントローラ120の制御下で、ガントリ150は、スクイージ手段140をX軸及びZ軸に垂直なY軸方向に移動することができる。スクイージ手段140は、ステンシル130の上方に配置してもよく、スクイージ手段140は、2つのスクイージアセンブリ(例えば、図2におけるスクイージアセンブリ240)を備えていてもよく、各スクイージアセンブリは、1つのスクイージブレードを備えていてもよい。スクイージ手段140のスクイージブレードをZ軸方向に下降させて、ステンシル130と接触させてもよい。次いで、スクイージ手段140のスクイージブレードを、ガントリ150によってステンシル130にわたって移動して、回路基板上へのはんだペーストの印刷を可能にしてもよい。
【0020】
ステンシルプリンタ100は、レール160を備えるコンベアシステムであって、プリント回路基板(「プリント配線板」、「基板」、又は「電子基板」と称される場合もある)をステンシルプリンタ100内の印刷位置まで搬送するために使用される、コンベアシステムを更に備えていてもよい。本開示では「供給機構」とも称されるレール160は、ステンシルプリンタ100の作業領域に回路基板を提供、ロード、又は搬送し、そこから回路基板をアンロードするように構成されている。ステンシルプリンタ100は、回路基板を支持する支持テーブル170を有している。
【0021】
いくつかの実施形態では、スクイージ手段140は、印刷動作中にスクイージ手段にはんだペーストを供給するディスペンサ(例えば、はんだペーストカートリッジ)等の供給源からはんだを得るように構成してもよい。はんだペーストカートリッジの代わりに、はんだペーストを供給する他の方法を使用してもよい。例えば、はんだペーストはスクイージブレード間に手動で堆積させてもよいし、はんだペーストは外部供給源から得てもよい。さらに、いくつかの実施形態では、コントローラ120は、アプリケーション固有のソフトウェアを備えたMicrosoft DOS又はWindows(登録商標) XPオペレーティングシステムを有するパーソナルコンピューターを使用してステンシルプリンタ100の動作を制御するように構成してもよい。コントローラ120は、回路基板を製造するための生産ラインを制御するために使用されるマスターコントローラとネットワーク接続してもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、ステンシルプリンタ100は以下のように動作する。回路基板は、コンベアレール160によってX軸方向にステンシルプリンタ100内に送り込まれる。支持テーブル170は、回路基板を上昇させて、印刷位置に固定する。次いで、スクイージ手段140は、スクイージブレードがステンシル130に所望の圧力で接触するまで、所望のスクイージブレードをZ軸方向に下降させる。次いで、スクイージ手段140を、スクイージ手段ガントリ150によってステンシル130にわたってY軸方向に移動する。スクイージ手段140は、はんだペーストを、ステンシル130内の孔を通して回路基板上に堆積させる。スクイージ手段140がステンシル130を完全に横切ったら、スクイージをステンシル130から持ち上げ、回路基板を下降させてコンベアレール160上に戻す。その後、回路基板を解放してステンシルプリンタ100から出力し、2番目の回路基板をステンシルプリンタ100内にロードしてもよい。2番目の回路基板に印刷するために、別のスクイージをZ軸に沿って下降させてステンシルと接触させ、スクイージ手段140を、1番目の回路基板に使用した方向とは反対の方向にステンシル130にわたって移動する。
【0023】
さらに図1を参照して、印刷前にステンシル130を回路基板と位置合わせし、印刷後に回路基板を検査するための撮像システム180を設けてもよい。一実施形態では、撮像システム180は、ステンシル130と回路基板が支持される支持テーブル170との間に配置してもよい。撮像システム180は、撮像システムを移動するために撮像ガントリ185に接続されている。一実施形態では、撮像ガントリ185をフレーム110に接続してもよく、撮像ガントリ185は、撮像システム180が回路基板上をY軸方向に前後に移動できるように、フレーム110のサイドレール間を延在するビームを備える。撮像ガントリ185は、撮像システム180を囲み、ビームの長さに沿ってX軸方向に移動するように構成された輸送手段を更に備えていてもよい。撮像システム180を移動するために使用される撮像ガントリ185の構造は、はんだペースト印刷の技術分野ではよく知られている。このスキームは、撮像システム180を、ステンシル130の下方及び回路基板の上方の任意の位置に配置して、回路基板又はステンシルの所定の領域の画像をそれぞれ取得し得るようなものである。
【0024】
一実施形態では、スクイージ手段140は、ガントリ150の一部を構成するフレーム部材145を備える。フレーム部材145は、印刷方向、例えば、Y軸方向に沿って移動するように構成されている。具体的には、フレーム部材145は、その2つの対向する端部において、ステンシルプリンタ100のフレーム110の直線レール(図1に示さず)に沿って摺動するように構成されている。この構造により、スクイージ手段ガントリ150はY軸方向に移動することができる。
【0025】
図2は、図1におけるスクイージアセンブリ240、ステンシル130、及び支持テーブル170の斜視図である。図2は、スクイージアセンブリ240、ステンシル130、及び支持テーブル170間の相対的な位置関係を示す。さらに、図2は、レール160と、レール160上の基板210も示す。図2に示すように、スクイージアセンブリ240はステンシル130の上方に位置し、支持テーブル170はステンシル130の下方に位置する。図2はまた、基板(又は回路基板)210がレール160によって支持テーブル170上の所定の位置まで搬送され、そこで基板210が支持テーブル170と位置合わせされることを示す。基板210は、(不均一な)非平坦な印刷面(図示せず)を備える。ステンシル130は、境界231と3次元スクリーン232とを備える。境界231は3次元スクリーン232の周りに配置され、2つは互いに接続されている。3次元スクリーン232の形状(又はパターン)は、基板210の印刷面の形状(又はパターン)と一致する。
【0026】
図2に更に示すように、スクイージアセンブリ240は、スクイージブレードマウント241、スクイージブレードホルダ242、及びスクイージブレード244を備える。スクイージブレードマウント241はスクイージ手段ガントリ150に固定されている。スクイージブレードホルダ242は、スクイージブレードマウント241に接続され、スクイージブレード244を保持するために使用される。
【0027】
図3A及び図3Bは、図2におけるスクイージアセンブリ240の2つの部分分解図であり、スクイージアセンブリ240の種々の構成部品及びそれらの組立て関係を示すためのものである。図3Aでは、スクイージブレードマウント241はスクイージブレードホルダ242から分離され、スクイージブレード244はスクイージブレードホルダ242上に保持されている。図3Bでは、スクイージブレードホルダ242の2つの部分は分離され、スクイージブレードマウント241は示していない。
【0028】
図3A及び図3Bに示すように、スクイージブレードホルダ242は、固定ホルダ320と可動ホルダ340とを備え、スクイージブレード244は可動ホルダ340内に保持され、その下端における縁部344のみが露出している。したがって、可動ホルダ340の位置によってスクイージブレード244の位置が決定され、可動ホルダ340の位置を調整することによって、スクイージブレードマウント241及び支持テーブル170に対するスクイージブレード244の位置が調整される。
【0029】
スクイージブレード244は、その縁部344によってステンシル130の3次元スクリーン232上のはんだペーストをスクイーズし、その結果、はんだペーストは、3次元スクリーン232内の孔を通して基板210上に堆積される。縁部344は、3次元スクリーン232と形状が相補的であり、スクイージブレード244は、3次元スクリーン232上の凸部と凹部に対して均一なスクイーズ動作を1回のストロークで行うことができる。スクイージブレード244、ステンシル130、及び基板210を、基板210上の同じ印刷位置に対応して互いに位置合わせしたときに、スクイージブレード244の縁部344は3次元スクリーン232と形状が相補的となる。例えば、縁部344の凸部は、3次元スクリーン232の凹部と位置合わせされる。スクイージブレード244をステンシルプリンタ100内の所定の位置に装着されると、スクイージブレード244はステンシルプリンタ100のX方向に延在し、ステンシルプリンタ100のY方向に移動してスクイーズ動作を行う。
【0030】
図3Bに示すように、固定ホルダ320は、概ね細長い固定ホルダ本体321を備え、固定ホルダ320は、固定ホルダ本体321を介してスクイージブレードマウント241に固定されている。スクイージブレードマウント241には、スクイージブレードマウント位置合わせ構造313(図3Aに示すように)が設けられ、固定ホルダ本体321には、固定ホルダ位置合わせ構造323が設けられている。固定ホルダ位置合わせ構造323は、スクイージブレードマウント位置合わせ構造313と嵌合する形状であり、固定ホルダ本体321は、固定ホルダ位置合わせ構造323をスクイージブレードマウント位置合わせ構造313内に挿入することによって、スクイージブレードマウント241と位置合わせすることができる。次いで、固定ホルダ本体321を、一対のマウントボルト312(図3Aに示すように)を介してスクイージブレードマウント241に固定する。この目的を達成するために、固定ホルダ本体321の上部には、マウントボルト312を収容するためのマウント穴322が設けられている。図に示す実施形態では、スクイージブレードマウント位置合わせ構造313は切欠きであり、一方で、固定ホルダ位置合わせ構造323は凸部である。他の実施形態では、スクイージブレードマウント位置合わせ構造313及び固定ホルダ位置合わせ構造323は、代わりに他の構造を有していてもよい。
【0031】
固定ホルダ本体321の正面には、可動ホルダ340の位置をX方向に調整するときの基準として機能するための固定ホルダ位置合わせ基準特徴部325が設けられている。固定ホルダ位置合わせ基準特徴部325は、固定ホルダ本体321の正面のX方向において略中心に設けられている。固定ホルダ320は、第1の支持ブロック326及び第2の支持ブロック327を更に備え、これらは、固定ホルダ本体321の上部の2つの対向する端部にそれぞれ設けられている。第1の支持ブロック326は、第1の支持ブロック本体376と接続シリンダ374とを備える。接続シリンダ374は、第1の支持ブロック326の第2の支持ブロック327から離れた側に接続され、接続シリンダ374は、第1の支持ブロック326の貫通孔(図示せず)に収容される。接続シリンダ374は孔375を有している。図に示す実施形態では、固定ホルダ位置合わせ基準特徴部325は、Z方向に延在する基準線である。他の実施形態では、固定ホルダ位置合わせ基準特徴部325は、代わりに基準点等の他の特徴部であってもよい。
【0032】
図3A及び図3Bに更に示すように、可動ホルダ340は、概ね細長い可動ホルダ本体341を備える。可動ホルダ340は、可動ホルダ本体341を介してスクイージブレード244の長さ方向(スクイージアセンブリ240をステンシルプリンタ100内の所定の位置に装着されたとき、スクイージブレード244の長さ方向はX方向である)に移動可能に固定ホルダ320に接続されている。可動ホルダ本体341の正面には、可動ホルダ340の位置をX方向に調整するときに固定ホルダ320の固定ホルダ位置合わせ基準特徴部325と協働するための可動ホルダ位置合わせ基準特徴部345が設けられ、固定ホルダ320に対する可動ホルダ340のオフセットを決定するようになっている。可動ホルダ位置合わせ基準特徴部345は、可動ホルダ本体341の正面のX方向において略中心に設けられている。図に示す実施形態では、可動ホルダ位置合わせ基準特徴部345は、Z方向に延在する基準線である。他の実施形態では、可動ホルダ位置合わせ基準特徴部345は、代わりに基準点等の他の特徴部であってもよい。
【0033】
可動ホルダ340と固定ホルダ320との間の接続は、締結具358と、固定ホルダ本体321上に設けられた接続溝328と、可動ホルダ本体341内に設けられた受取孔348とによって実施される。接続溝328は、スクイージブレード244の延在方向(X方向)に所定の距離だけ延在しており、その距離は、可動ホルダ340のX方向における所定の移動距離を反映している。締結具358は、固定ホルダ320の上方から接続溝328を通って可動ホルダ340の受取孔348に入り、接続溝328内を接続溝328の延在方向に移動することができる。一対の接続溝328があり、固定ホルダ320の固定ホルダ位置合わせ基準特徴部325の2つの対向する側に設けられている。対応して、一対の受取孔348もあり、可動ホルダ340の可動ホルダ位置合わせ基準特徴部345の2つの対向する側に設けられている。受取孔348は、締結具358とネジ接続するためのネジ孔として構成してもよい。他の実施形態では、1つの接続溝328、1つの締結具358、及び1つの受取孔348を代わりに設けてもよい。
【0034】
可動ホルダ340は、可動ホルダ本体341の上部に設けられたガイド溝349であって、固定ホルダ本体321の底部に設けられたガイドバー(図示せず)と嵌合するための、ガイド溝349を更に備え、これにより、可動ホルダ340は固定ホルダ320に対してX方向により滑らかに移動する。可動ホルダ340は、第1の保持アーム342及び第2の保持アーム343を更に備え、これらは、可動ホルダ本体341の上部の2つの対向する端部にそれぞれ配置されている。第1の保持アーム342及び第2の保持アーム343は、可動ホルダ本体341から上方に延在する片持ち梁(cantilevers)を形成し、その自由端は固定ホルダ320の上方に延在している。押出しロッド372が、第1の保持アーム342の第2の保持アーム343から離れた側に設けられている。
【0035】
本開示のスクイージアセンブリ240は、X方向における可動ホルダ340と固定ホルダ320との間の相対位置を調整するための調整手段を更に備え、これにより、スクイージブレード244を、支持テーブル170と位置合わせされた位置に調整することができる。さらに、調整手段は、スクイージブレード244を、支持テーブル170と位置合わせされた位置に維持することもできる。
【0036】
図3A及び図3Bに示すように、調整手段は、駆動部材356及び復元部材352を備える。駆動部材356は、スクイージブレード244とともに可動ホルダ340を駆動して、固定ホルダ320に対して第1の移動方向X1に移動させる。駆動部材356は、ハンドル362及びプッシュロッド364を有する。ハンドル362はプッシュロッド364に接続されている。プッシュロッド364は、固定ホルダ320の第1の支持ブロック326上に移動可能に支持されている。プッシュロッド364は、接続シリンダ374及び第1の支持ブロック本体376を通って、可動ホルダ340の第1の保持アーム342に当接し(図3Aを参照)、第1の保持アーム342によって可動ホルダ340及びスクイージブレード244を押して第1の移動方向X1に移動する。復元部材352は、可動ホルダ340の第2の保持アーム343と固定ホルダ320の第2の支持ブロック327との間にクランプされている。復元部材352は、可動ホルダ340が第1の移動方向X1に移動する間に復元力を蓄積し、復元力によって可動ホルダ340を駆動して第2の移動方向X2に移動させる。第1の移動方向X1及び第2の移動方向X2は、X方向において逆方向である。一実施形態では、復元部材352はバネである。他の実施形態では、復元部材352は、代わりに他の弾性の構成部品とすることができる。
【0037】
駆動部材356のハンドル362はスリーブの形状であり、駆動部材356のプッシュロッド364は、第1の支持ブロック326の接続シリンダ374にねじ接続される(図示せず)。したがって、作業者が駆動部材356のハンドル362をひねると、駆動部材356のハンドル362は接続シリンダ374に対して回転することができる。可動ホルダ340を第1の移動方向X1に移動する必要がある場合、作業者は、駆動部材356のハンドル362をひねって第1の回転方向に回転させ、プッシュロッド364を駆動して第1の移動方向X1に移動させる、すなわち、プッシュロッド364を前方に移動させる。プッシュロッド364の前方への移動によって、可動ホルダ340が押されて第1の移動方向X1に移動する。可動ホルダ340が第1の移動方向X1に移動する間、復元部材352が圧縮されて復元力を蓄積する。可動ホルダ340を第2の移動方向X2に移動する必要がある場合、作業者は、駆動部材356のハンドル362をひねって第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に回転させ、プッシュロッド364を駆動して第2の移動方向X2に移動させる、すなわち、プッシュロッド364を後方に移動させる。プッシュロッド364の後方への移動によって、復元部材352は、その復元力によって可動ホルダ340を押して第2の移動方向X2に移動することができる。
【0038】
駆動部材356のハンドル362及び第1の支持ブロック326の接続シリンダ374には、プッシュロッド364の移動距離を測定するための測定特徴部(図示せず)が設けられている。例えば、駆動部材356のハンドル362には、接続シリンダ374に対するハンドル362の回転角度を示すことができる角度スケールが設けられ、第1の支持ブロック326の接続シリンダ374には、プッシュロッドの移動距離を示すことができる長さスケールが設けられている。ハンドル362の回転角度によって、プッシュロッドの移動距離が決定される。一例として、駆動部材356と第1の支持ブロック326の接続シリンダ374とは共に、マイクロメーターと同様のアセンブリを形成し、駆動部材356のハンドル362の回転数を制御することで、そのプッシュロッド364のX方向での移動距離を制御することができるため、スクイージブレード244が固定ホルダ320に対してX方向に移動する距離を微調整することができる。
【0039】
例示した実施形態では、調整手段は駆動部材及び復元部材を備えるが、他の実施形態では、調整手段は、可動ホルダ340を駆動して第1の移動方向X1及び第2の移動方向X2に所定の距離だけ移動させることができる限り、代わりに他のタイプの手段であってもよいことに留意されたい。
【0040】
本開示によって、スクイージブレード244、ステンシル130、及び基板210(又は支持テーブル170)を位置合わせするための方法も提供される。本開示のステンシルプリンタ100の一実施形態によれば、スクイージブレードマウント241はX方向に移動不能である。さらに、基板210を支持テーブル170上の所定の位置にロードした後、基板210と支持テーブル170とは自動的に互いに位置合わせされる。したがって、スクイージブレード244が支持テーブル170と位置合わせされると、スクイージブレード244は基板210とも位置合わせされる。
【0041】
図4に、本開示の一実施形態によるステンシルプリンタに対する位置合わせ方法を示す。図4に示す制御方法は、コントローラ120に記憶され、コントローラ120は、関連する構成部品を制御して本方法を実行する。
【0042】
図4に示すように、スクイージブレード244、ステンシル130、及び基板210を位置合わせするための方法には、以下のステップが含まれる。
【0043】
ステップS1において、スクイージブレード244を装着する前に、支持テーブル170に対するスクイージブレードマウント241のX方向におけるオフセットΔXを決定する。
【0044】
ステップS2において、固定ホルダ320をスクイージブレードマウント241と位置合わせした後、固定ホルダ320をスクイージブレードマウント241に装着し、固定ホルダ320を可動ホルダ340に対してX方向にΔXだけオフセットして、最初にスクイージブレード244を支持テーブル170と位置合わせする。
【0045】
ステップS3において、基板210を支持テーブル170上の所定の位置にロードする。この所定の位置において、基板210は支持テーブル170と位置合わせされる。
【0046】
ステップS4において、支持テーブル170をX方向に移動して、支持テーブル170をステンシル130と位置合わせし、ここで、支持テーブル170はX方向にΔXの距離だけ移動される。
【0047】
ステップS5において、可動ホルダ340をスクイージブレード244とともに、固定ホルダ320に対してX方向にΔXだけ移動して、最終的にスクイージブレード244を支持テーブル170と位置合わせする。
【0048】
ステップS5が完了した後、スクイージブレード244、ステンシル130、及び基板210は互いに位置合わせされ、スクイージブレード244を降下させてかき取り動作を実行する等、次の動作を実行することができる。
【0049】
前述のステップの中で、ステップS3は、ステップS1又はS2の前に実行してもよい。
【0050】
前述のステップS1に対して、支持テーブル170に対するスクイージブレードマウント241のX方向におけるオフセットΔXは、種々の方法を通して決定してもよい。一実施形態では、スクイージブレードマウント241及び支持テーブル170に固定されたレール160にはそれぞれ、2つの較正点が設けられ、そして、スクイージブレードマウント241上の各較正点とレール160上の対応する較正点との間のX方向におけるオフセットを特定して、支持テーブル170に対するスクイージブレードマウント241のX方向におけるオフセットΔXを決定する。
【0051】
前述のステップS2において、固定ホルダ320を可動ホルダ340に対してX方向にΔXだけオフセットすることを、固定ホルダ320及び可動ホルダ340をスクイージブレードマウント241に装着する前に行ってもよい。固定ホルダ320を可動ホルダ340に対してX方向にΔXだけオフセットすることを、固定ホルダ320及び可動ホルダ340をスクイージブレードマウント241に装着した後に行うことも可能である。
【0052】
前述のステップS2に対して、固定ホルダ320を可動ホルダ340に対してX方向にΔXだけオフセットすることは、固定ホルダ位置合わせ基準特徴部325を可動ホルダ位置合わせ基準特徴部345に対してX方向にΔXだけオフセットすることによって実施する。
【0053】
前述のステップS2に対して、固定ホルダ320をスクイージブレードマウント241と位置合わせすることは、固定ホルダ320の固定ホルダ位置合わせ構造323をスクイージブレードマウント241のスクイージブレードマウント位置合わせ構造313内に挿入することによって実施する。
【0054】
前述のステップS4に対して、支持テーブル170をステンシル130と位置合わせすることは、例えば、図1に示す撮像システム180によって実施する。
【0055】
さらに、前述のステップS2は、手動調整ステップ(駆動部材356の動作による)であってもよいし、自動調整ステップであってもよい。
【0056】
前述のステップの後、スクイージブレード244、ステンシル130、及び基板210は互いに位置合わせされる。したがって、基板210上の同じ印刷位置に対応して、スクイージブレード244の縁部344は、3次元スクリーン232と形状が相補的である。例えば、縁部344の凸部は3次元スクリーンの凹部と位置合わせされており、3次元スクリーン232の形状は基板210の印刷面の形状と同じである(例えば、両方とも凸部である)。その結果、所望の3次元印刷を実現することができる。
【0057】
本開示のステンシルプリンタには、固定ホルダ及び可動ホルダが設けられているため、スクイージブレード244、ステンシル130、及び基板210の位置合わせの間、可動ホルダを固定ホルダに対して移動するだけでよい。したがって、本開示のステンシルプリンタによって、好都合な位置合わせ調整が単純な構造により可能になる。
【0058】
本開示は、上記で概説した実施形態の例を参照して説明しているが、既知であるか又は現在若しくは近い将来に予想される種々の代替物、修正、変形、改善及び/又は実質的な均等物が、少なくとも当業者には明らかであり得る。さらに、この説明で記載した技術的効果及び/又は技術的な問題は、限定ではなく例示的なものである。したがって、この説明における開示は、他の技術的な問題を解決するために使用してもよく、他の技術的効果を有し、及び/又は他の技術的な問題を解決し得る。したがって、前述した本開示の実施形態の例は、限定ではなく例証的であることが意図されている。本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、種々の変更を施すことができる。したがって、本開示は、既知の又は以前に開示された代替物、修正、変形、改善及び/又は実質的な均等物をすべて包含することが意図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4
【外国語明細書】