IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエスエム・テクノロジー・シンガポール・ピーティーイー・リミテッドの特許一覧

特開2024-150426フラックスレス熱圧着接合システム及び方法
<>
  • 特開-フラックスレス熱圧着接合システム及び方法 図1A
  • 特開-フラックスレス熱圧着接合システム及び方法 図1B
  • 特開-フラックスレス熱圧着接合システム及び方法 図2
  • 特開-フラックスレス熱圧着接合システム及び方法 図3A
  • 特開-フラックスレス熱圧着接合システム及び方法 図3B
  • 特開-フラックスレス熱圧着接合システム及び方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150426
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】フラックスレス熱圧着接合システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20241016BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
H01L21/304 645C
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024062660
(22)【出願日】2024-04-09
(31)【優先権主張番号】18/132,482
(32)【優先日】2023-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504133796
【氏名又は名称】エーエスエムピーティー・シンガポール・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ゼタオ・マ
(72)【発明者】
【氏名】ミン・リ
(72)【発明者】
【氏名】チュン・ホ・ファン
(72)【発明者】
【氏名】キン・イク・フン
(72)【発明者】
【氏名】シウ・ウィン・ラウ
【テーマコード(参考)】
5F044
5F157
【Fターム(参考)】
5F044KK01
5F044LL01
5F044PP15
5F044QQ01
5F157AA16
5F157AA46
5F157BG13
5F157BG14
5F157BG15
5F157BG33
5F157BG35
5F157BG85
5F157BG86
5F157BH18
5F157CF30
5F157CF34
5F157CF42
(57)【要約】
【課題】接合プロセスの前または間に金属酸化物が生成されるのを防止するフラックスレス熱圧着接合システム及び方法を提供する。
【解決手段】電子部品をベース部材に接合するための接合システムは、電子部品の接合中にベース部材が配置可能な第1の不活性環境を形成するための第1の容器を含む。第1のプラズマ洗浄装置は、第1の容器内に配置され、金属酸化物を除去することによって、電子部品及び/またはベース部材を洗浄する。また、第2のプラズマ洗浄装置は、電子部品が第1の容器内に移送される前に、電子部品から有機汚染物質を除去することによって電子部品を洗浄するために提供される。接合ヘッドは、第1の容器内に移動可能に設置されており、電子部品及び/又はベース部材が第1のプラズマ洗浄装置によって洗浄された後に、電子部品をベース部材に接合する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品をベース部材に接合するための接合システムであって、
前記電子部品の接合中に前記ベース部材が配置可能な第1の不活性ガス環境を形成するための第1の容器と、
前記第1の容器内に配置され、前記電子部品及び/または前記ベース部材から金属酸化物を除去することによって、前記電子部品及び/または前記ベース部材を洗浄するように動作する第1のプラズマ洗浄装置と、
前記電子部品が前記第1の容器に移送される前に、前記電子部品から有機汚染物質を除去することによって前記電子部品を洗浄するように動作する第2のプラズマ洗浄装置と、
前記第1の容器内に移動可能に設置され、前記電子部品及び/または前記ベース部材が前記第1のプラズマ洗浄装置によって洗浄された後に、前記電子部品を前記ベース部材に接合するように動作する接合ヘッドと、
を備えた接合システム。
【請求項2】
前記第1のプラズマ洗浄装置は、前記電子部品を洗浄するように配置されて動作する第1のプラズマヘッドと、前記ベース部材を洗浄するように配置されて動作する第2のプラズマヘッドと、を備えた、請求項1に記載の接合システム。
【請求項3】
前記第1及び第2のプラズマヘッドの少なくとも一方は、前記電子部品及び/または前記ベース部材を洗浄するために、前記第1の容器内の洗浄位置に移動可能なように、前記第1の容器内の移動テーブルに取り付けられている、請求項2に記載の接合システム。
【請求項4】
前記接合ヘッドは、前記第1のプラズマヘッドが前記電子部品を洗浄している間、前記電子部品を保持するように更に構成されている、請求項3に記載の接合システム。
【請求項5】
前記第1及び第2のプラズマヘッドは、前記第1のプラズマヘッドが前記電子部品を洗浄するために前記電子部品と位置合わせされる第1の洗浄位置に移動されると同時に、前記第2のプラズマヘッドが前記第1の容器内に配置された前記ベース部材と位置合わせされる第2の洗浄位置に移動されるように、前記移動テーブルに取り付けられている、請求項3に記載の接合システム。
【請求項6】
前記第1のプラズマヘッドは、前記電子部品を洗浄するために、前記第1の容器内の第1の洗浄位置に固定的に取り付けられている、請求項2に記載の接合システム。
【請求項7】
前記第1のプラズマヘッドが前記電子部品を洗浄しているときに前記電子部品を保持するように構成された保持装置を更に備え、該保持装置は、前記第1のプラズマヘッドが前記保持装置によって前記第1の洗浄位置に保持された前記電子部品を洗浄するように動作し、前記第1のプラズマヘッドと位置合わせされるように配置されている、請求項6に記載の接合システム。
【請求項8】
前記第1のプラズマヘッドが前記電子部品を洗浄している際に前記電子部品を加熱するための加熱部材を更に備え、該加熱部材は、前記保持装置に結合されている、請求項7に記載の接合システム。
【請求項9】
前記第2のプラズマヘッドは、前記ベース部材を洗浄するために、前記第1の容器内の第2の洗浄位置に固定的に取り付けられている、請求項2に記載の接合システム。
【請求項10】
前記第2のプラズマ洗浄装置によって洗浄された前記電子部品を前記第1の容器に移送し、前記第1の容器内に前記電子部品を位置決めするように構成された移送システムを更に備えている、請求項1に記載の接合システム。
【請求項11】
第2の不活性ガス環境を形成するための第2の容器を更に備え、前記第2のプラズマ洗浄装置は、前記電子部品が前記第2の容器に搬送されるときに前記電子部品を洗浄するために前記第2の容器内に配置されている、請求項10に記載の接合システム。
【請求項12】
前記第1の容器と前記第2の容器とは、前記第2のプラズマ洗浄装置によって洗浄された前記電子部品を前記第2の容器から輸送通路を介して前記第1の容器に移送できるようにするための輸送通路を介して互いに連通されている、請求項11に記載の接合システム。
【請求項13】
前記輸送通路上に設置された第1の不活性ガスディフューザを更に備え、前記第1の容器と前記第2の容器との間のガスの流体連通を妨げるための第1の流体カーテンを前記輸送通路内に形成している、請求項12に記載の接合システム。
【請求項14】
前記第2の容器は、入口通路であって、該入口通路を介して前記第2の容器内に前記電子部品を搬送するための入口通路と、第2の不活性ガスディフューザであって、前記入口通路上に設置され、前記第2の容器と前記第2の容器の外部の周囲環境との間のガスの流体連通を妨げるために、前記入口通路内に第2の流体カーテンを形成している、第2の不活性ガスディフューザと、を更に備えている、請求項13に記載の接合システム。
【請求項15】
前記第1の容器内に配置され、前記第1の容器内の前記第1の不活性ガス環境の濃度を検出する不活性ガスセンサを更に備えている、請求項1に記載の接合システム。
【請求項16】
前記接合ヘッドは、前記第1の容器内に位置する内部チャンバ内に移動可能に設置され、前記不活性ガスセンサは、前記内部チャンバ内の内壁に設置されている、請求項15に記載の接合システム。
【請求項17】
前記第1の容器内に配置され、前記第1の容器内の水素濃度を検出する水素センサを更に備えている、請求項1に記載の接合システム。
【請求項18】
前記第2の容器からのオゾンの漏洩を検出するために、前記第2の容器上に配置されたオゾンセンサを更に備えている、請求項1に記載の接合システム。
【請求項19】
接合ヘッドと、第1のプラズマ洗浄装置と、第2のプラズマ洗浄装置とを含む接合システムを用いて、電子部品をベース部材に接合する接合方法であって、前記第1のプラズマ洗浄装置は、第1の容器内に形成された第1の不活性ガス環境内に配置され、前記方法は、
前記第2のプラズマ洗浄装置で前記電子部品から有機汚染物を除去することによって、前記電子部品を洗浄するステップと、
前記第2のプラズマ洗浄装置によって洗浄された電子部品を第1の容器に搬送するステップと、
前記第1のプラズマ洗浄装置によって、前記第1の容器内に配置された前記電子部品及び/または前記ベース部材から金属酸化物を除去することによって、前記電子部品及び/または前記ベース部材を洗浄するステップと、
前記接合ヘッドによって前記電子部品を前記ベース部材に接合するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱圧着接合(thermocompression bonding)に関し、特に、電子部品及びこの電子部品が接合されるベース部材上の有機汚染物質や金属酸化物等の不純物を積極的に除去することができるフラックスレス熱圧着接合システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱圧着接合(TCB)は、フリップチップ接合プロセスを実施することができる1つのプロセスである。接合プロセスの間、シリコンウェハからのダイは、ダイ上のバンプ(bump)が下向きになった状態で接合ヘッドに転送される。次に、接合ヘッドによって担持されたダイを基板の接合位置に配置する。次に、ダイに圧縮力を加えてダイを基板に押し付け、ダイと基板との間の良好な接触を確保する。当技術分野で良く知られているように、ダイと基板との接合面上の不純物は、それらの間の良好な接触を妨げ、最終的に接合されたパッケージの性能に著しい影響を及ぼす可能性がある。不純物には、ダイ及び基板の接合面を覆う有機汚染物質、及びTCBプロセスの前またはTCBプロセスの間の接合材料及び接合面の酸化から生じる金属酸化物が含まれるが、これらに限定されない。
【0003】
1つの従来技術のTCBプロセスでは、液体フラックスをダイと基板の接合面に適用して、接合前にその上の金属酸化物を除去することができる。ダイと基板とが互いに接合された後、フラックス除去プロセス(deflux process)が行われて、最終的な接合パッケージ上のフラックス残留物が除去される。しかしながら、フラックス及びフラックス除去プロセスの適用は、接合プロセスのコストの大幅な増加をもたらす。更に、金属酸化物は、上述の酸化物除去プロセスの後、接合プロセスの前または間に更に生成される場合がある。更に、酸化物除去プロセスは有機汚染物質を除去するのに適していないので、有機汚染物質が存在する場合には、ダイと基板との間の接合部の品質が依然として影響を受ける可能性がある。
【0004】
従って、ダイを基板に接合する前に、ダイ及び基板上の金属酸化物及び有機汚染物質の両方を効果的且つ実質的に除去し、接合プロセスの前または接合プロセスの間に金属酸化物が生成されるのを防止することが有益であろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-187116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、電子部品がベース部材に接合される前に、電子部品及びベース部材上に存在する金属酸化物及び有機汚染物質の両方を効果的に除去または低減し、接合プロセスの前または間に金属酸化物が生成されるのを防止するフラックスレス熱圧着接合システム及び方法を提供することである。そうすることは、電子部品及びベース部材上に存在し得るそのような不純物によって引き起こされる最終的な接合パッケージの性能劣化を回避するのに役立つであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、ダイまたはチップ等の電子部品を基板等のベース部材に接合するための接合システムが提供される。このシステムは、電子部品の接合中にベース部材が配置可能な第1の不活性ガス環境を形成するための第1の容器と、金属酸化物を除去することによって電子部品及び/またはベース部材を洗浄するように動作する第1のプラズマ洗浄装置であって、第1の容器内に配置される第1のプラズマ洗浄装置と、電子部品が第1の容器に移送される前に有機汚染物質を除去することによって電子部品を洗浄するように動作する第2のプラズマ洗浄装置と、第1の容器内に移動可能に設置され、電子部品及び/またはベース部材が第1のプラズマ洗浄装置によって洗浄された後に電子部品をベース部材に接合するように動作する接合ヘッドと、を含む。
【0008】
上記接合システムによれば、まず、第2のプラズマ洗浄装置によって電子部品から有機汚染物質を除去する第1の洗浄処理を行い、その後、第1の容器内に電子部品を搬送した後、第1のプラズマ洗浄装置によって電子部品上の金属酸化物を除去する第2の洗浄処理を行うことができる。同時に、第1のプラズマ洗浄装置は、電子部品がベース部材に接合される前に、第1の容器内に配置されたベース部材を洗浄するために使用されても良い。これにより、接合工程前に、電子部品上の有機汚染物質と、電子部品及びベース部材上に存在する金属酸化物とを効果的に除去することができる。また、第1の容器内に不活性ガス環境が形成されるため、第2の洗浄工程後、及び第1の容器内でのその後の接合工程において、電子部品及びベース部材に金属酸化物が形成されることが無い。これにより、電子部品及びベース部材上に存在する不純物に起因する最終接合パッケージの性能劣化を効果的に回避することができる。これにより、電子部品とベース部材との接合品質を大幅に向上させることができる。
【0009】
第1のプラズマ洗浄装置は、電子部品を洗浄するように配置されて動作する第1のプラズマヘッドと、ベース部材を洗浄するように配置されて動作する第2のプラズマヘッドとを含むことができる。一実施形態では、第1のプラズマ洗浄装置は、一体的に形成された単一部品装置、すなわち、第1のプラズマヘッド及び第2のプラズマヘッドを含むデュアルヘッドプラズマ洗浄装置であっても良い。これにより、省スペース化を図ることができると共に、電子部品とベース部材との同時洗浄を容易に行うことができる。あるいは、別の実施形態では、第1及び第2のプラズマヘッドは、電子部品及びベース部材を別々に洗浄するために独立して動作する2つの別個の装置であっても良い。
【0010】
第1及び第2のプラズマヘッドの少なくとも一方は、電子部品及び/またはベース部材を洗浄するために、第1の容器内の洗浄位置に移動可能なように、第1の容器内の移動テーブル(motion table)に取り付けられても良い。第1及び第2のプラズマヘッドは、共通の移動テーブルまたは異なる移動テーブルに取り付けられても良い。第1のプラズマヘッドは、第1のプラズマヘッドから放出されたプラズマで電子部品を洗浄するために、第1のプラズマヘッドが、接合ヘッドまたは他の保持装置によって保持され得る電子部品と位置合わせされる第1の洗浄位置に移動可能であり得る。第2のプラズマヘッドは、第2のプラズマヘッドから放出されたプラズマでベース部材を洗浄するために、第2のプラズマヘッドが、第1の容器内に配置されたベース部材と位置合わせされる第2の洗浄位置に移動可能であっても良い。
【0011】
よりコンパクトな接合システムを提供するために、接合システムの接合ヘッドは、第1のプラズマヘッドが電子部品を洗浄している間、電子部品をピックアップして保持するように更に構成されても良い。これにより、電子部品の洗浄時に電子部品を第1の容器内に保持するための保持装置を別途設ける必要が無く、第1の容器のコンパクト性を維持することができる。更に、第1及び第2のプラズマヘッドの両方は、共通の移動テーブルに取り付けられても良く、共通の移動テーブルと共に移動しても良い。好ましくは、第1及び第2のプラズマヘッドは、第1のプラズマヘッドが第1の洗浄位置に移動して電子部品をプラズマで洗浄するとき、第2のプラズマヘッドが同時に第2の洗浄位置に移動してベース部材をプラズマで洗浄するように、第1及び第2の洗浄位置に同時に位置決め可能に構成されても良い。例えば、第1及び第2のプラズマヘッドは、第1のプラズマヘッドの第1の排出端が接合ヘッドに保持された電子部品に対向して位置するとき、第2のプラズマヘッドの第2の排出端が第1の容器内に位置するベース部材に対向するように、互いに直接対向して配置されても良い。
【0012】
あるいは、第1のプラズマヘッドは、電子部品を洗浄するために、第1の容器内の第1の洗浄位置に固定的に取り付けられても良い。従って、接合システムは、第1のプラズマヘッドが電子部品を洗浄しているときに電子部品を保持するように構成された保持装置を更に含むことができる。保持装置は、第1のプラズマヘッドが保持装置によって第1の洗浄位置に保持された電子部品を洗浄するように動作し、第1の容器内の第1のプラズマヘッドと位置合わせされるように配置されても良い。加熱部材は、洗浄プロセス中に電子部品を加熱するために保持装置に結合されても良い。これは、洗浄プロセスを加速し、第1のプラズマヘッドの効率を改善するのに役立つ。第2のプラズマヘッドはまた、ベース部材を洗浄するために、第1の容器内の第2の洗浄位置に固定して取り付けられても良い。
【0013】
接合システムは、第2のプラズマ洗浄装置によって洗浄された電子部品を第1の容器に移送し、第1の容器内に電子部品を位置決めするように構成された移送システムを更に含むことができる。
【0014】
第2のプラズマ洗浄装置の性能を向上させるために、接合システムは、第2の不活性ガス環境を形成するための第2の容器を更に含むことができ、第2のプラズマ洗浄装置は、電子部品が第2の容器に搬送されるときに電子部品を洗浄するために第2の容器内に配置されている。
【0015】
第1の容器と第2の容器とは、第2のプラズマ洗浄装置によって洗浄された電子部品を第2の容器から輸送通路を介して第1の容器に移送できるようにするための輸送通路を介して互いに連通していても良い。第1の不活性ガスディフューザを輸送通路上に設置して、第1の容器と第2の容器との間のガスの流体連通を妨げるための第1の流体カーテンを輸送通路内に形成することができる。
【0016】
第2の容器は、入口通路を介して第2の容器内に電子部品を搬送するための入口通路を更に含むことができる。第2の容器と第2の容器の外部の周囲環境との間のガスの流体連通を妨げるために、第2の不活性ガスディフューザを入口通路上に設置して、入口通路内に第2の流体カーテンを形成することができる。
【0017】
接合システムは、第1の容器内の第1の不活性ガス環境の濃度を検出するために、第1の容器内に配置された不活性ガスセンサを更に含むことができる。好ましくは、不活性ガスセンサは、第1の容器の内部チャンバ内の内壁に設置され、接合ヘッドは、内部チャンバ内に移動可能に設置されている。
【0018】
接合システムは、第1の容器内の水素濃度を検出するために第1の容器内に配置された水素センサ、及び/または第2の容器からのオゾンの漏洩を検出するために第2の容器上に配置されたオゾンセンサを更に含むことができる。
【0019】
本発明の第2の側面によれば、第1の容器内に形成された第1の不活性ガス環境内に配置された、接合ヘッドと、第1のプラズマ洗浄装置と、第2のプラズマ洗浄装置とを含む接合システムを用いて、電子部品をベース部材に接合する接合方法が提供される。この方法は、第2のプラズマ洗浄装置によって電子部品から有機汚染物質を除去することによって電子部品を洗浄するステップと、第2のプラズマ洗浄装置によって洗浄された電子部品を第1の容器に搬送するステップと、第1のプラズマ洗浄装置によって、第1の容器内に配置された電子部品及び/またはベース部材から金属酸化物を除去することによって電子部品及び/またはベース部材を洗浄するステップと、接合システムの接合ヘッドによって電子部品をベース部材に接合するステップと、を含む。
【0020】
これら及び他の特徴、態様、及び利点は、説明セクション、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面に関してより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A】本発明の第1の実施形態によるダイを基板に接合するための熱圧着接合システムの概略側面図である。
図1B】本発明の第1の実施形態による接合システムの移送システムの概略平面図である。
図2】本発明の第1の実施形態による接合システムを用いてダイを基板に接合する熱圧着接合方法を示すフローチャートである。
図3A】本発明の第2の実施形態によるダイを基板に接合するための熱圧着接合システムの概略側面図である。
図3B】本発明の第2の実施形態による接合システムの移送システムの概略平面図である。
図4】本発明の第2の実施形態による接合システムを用いてダイを基板に接合する熱圧着接合方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を例示的に説明する。
【0023】
図中、同様の部分には同様の参照符号を付している。
【0024】
実施形態をより詳細に説明する前に、まず概要を説明する。いくつかの実施形態は、接合ヘッド及び第1のプラズマ洗浄装置が第1の不活性環境(inert environment)内に取り付けられる構成を提供している。接合ヘッドは、電子部品をベース部材に接合するように構成され、第1のプラズマ洗浄装置は、接合前に金属酸化物を除去することによって電子部品及び/またはベース部材を洗浄するように構成されている。これにより、接合前に電子部品及び/またはベース部材上の金属酸化物を効果的に除去することができる。また、第1の不活性環境は、除去工程後及び接合工程中に金属酸化物が生成するのを効果的に防止することができる。更に、電子部品を第1の不活性環境に搬送する前に、電子部品から有機汚染物質を除去することによって電子部品を洗浄するための第2のプラズマ洗浄装置を設けることもできる。第1のプラズマ洗浄装置は、第1の不活性環境内の接合システムの配置に応じて、第1の不活性環境内に移動可能または固定的に取り付けられても良い。金属酸化物の除去プロセスを加速するために、除去プロセス中に加熱部材によって電子部品及び/またはベース部材を加熱することができる。
【0025】
図1Aは、本発明の第1の実施形態による、ダイ200を基板300に接合するための熱圧着接合システム100の概略側面図である。接合システム100は、第1の不活性ガス環境が形成される第1のまたは主容器110と、ダイ200及び基板300から金属酸化物を除去するために主容器110内に移動可能に取り付けられた第1のプラズマ洗浄装置130と、第2のまたは二次容器120と、ダイ200から有機汚染物質を除去するために二次容器120内に取り付けられた第2のプラズマ洗浄装置140とを含む。
【0026】
図1Aを参照すると、主容器110は、接合ヘッド101を保持するための上部内部チャンバ112と、基板300が配置可能な接合ステージ122を保持するための下部内部チャンバ114とを含む。上部内部チャンバ112は、接合ヘッド101が基板300に向かって、または基板300から離れるように移動することを可能にするように構成された底部開口部を含む。下部内部チャンバ114は、上部内部チャンバ112の底部開口部に実質的に位置合わせされた開口部を有する上部プレート115を含むことができ、その結果、接合ヘッド101は、接合プロセス中にダイ200が基板300に接触するまで下方に移動するように動作している。上部プレート115は、冷却プレートを更に含んでも良い。
【0027】
接合システム100は、主容器110内に第1の不活性環境を形成するために、主容器110上に設置された少なくとも1つの第1の不活性ガスディフューザ113を更に含むことができる。第1の不活性ガスは、窒素及び/または他の不活性ガス、例えばヘリウム及びアルゴンを含むことができる。各々の第1の不活性ガスディフューザ113は、第1の不活性ガスを主容器110内に導入するように構成されている。この実施形態では、上部内部チャンバ112の上面に取り付けられた2つの第1の不活性ガスディフューザ113がある。あるいは、第1の不活性ガスディフューザ113は、主容器110の外側に取り付けられても良い。主容器110は、第1の不活性ガスディフューザ113からの第1の不活性ガスが第1の不活性ガス入口を通って主容器110内に入ることを可能にするために、第1の不活性ガスディフューザ113に流体的に接続された少なくとも1つの第1の不活性ガス入口を含むことができる。主容器110は、必要に応じて、例えば、主容器110内の不活性ガスの濃度を調整する必要がある場合に、主容器110内の空気を排出するための少なくとも1つの排気口119を更に含むことができる。
【0028】
この実施形態では、第1のプラズマ洗浄装置130は、第1のプラズマヘッド131と第2のプラズマヘッド132とを含むデュアルヘッドを有している。第1のプラズマ洗浄装置130は、第1及び第2のプラズマヘッド131、132が互いに直接対向して配置されるように、移動テーブル116に取り付けられている。具体的には、第1のプラズマ洗浄装置130が、水平方向、例えば、デカルト座標系のX軸またはY軸に沿った方向に沿って移動テーブル116によって移動されると、第1のプラズマヘッド131は、第1のプラズマヘッド131の第1の排出端が接合ヘッド101によって保持されたダイ200に対向するように位置決め可能な第1の洗浄位置に移動可能であり、これにより、第1の排出端から排出されたプラズマを伴う第1のプラズマヘッド131によってダイ200が洗浄される。第2のプラズマヘッド132は、第2のプラズマヘッド132の第2の排出端が接合ステージ122上に位置する基板300に対向するように位置決め可能な第2の洗浄位置に移動可能であり、第2の排出端から排出されたプラズマを伴う第2のプラズマヘッド132によって、基板300が洗浄される。この構成では、第1のプラズマ洗浄装置130は、接合ヘッド101によって保持されたダイ200と接合ステージ122上の基板300との間の第1のプラズマ洗浄装置130の洗浄位置に移動させることができ、これにより第1及び第2のプラズマヘッド131、132は、ダイ200及び基板300を同時に洗浄するように動作している。第1のプラズマ洗浄装置130の洗浄位置とは、第1のプラズマヘッド131が第1の洗浄位置にあり、第2のプラズマヘッド132が第2の洗浄位置にあることをいう。
【0029】
第1のプラズマヘッド131は、ダイ200上の金属酸化物を除去するために、接合ヘッド101によって保持されたダイ200に向けてプラズマを放出するための少なくとも1つのノズルを含むノズル型(nozzle-type)のプラズマヘッドであっても良い。第2のプラズマヘッド132は、接合ステージ122上に位置する基板300に向けてプラズマを放出するための少なくとも1つのノズルを含むポイント型(point-type)プラズマヘッドとすることができる。あるいは、第1及び第2のプラズマヘッド131、132は、他の型のプラズマヘッド、例えば、ライン型(line-type)のプラズマヘッドを備えても良い。当業者であれば、他の実施形態では、2つのプラズマヘッド131、132がそれぞれダイ200及び基板300上の金属酸化物を効果的に除去するように動作する限り、2つのプラズマヘッド131、132は別々の装置であっても良く、同じまたは異なる移動テーブルに取り付けられても良いことを理解されたい。
【0030】
第1のプラズマ洗浄装置130は、活性ガスとして水素を使用して、ダイ200と基板300の両方の上の金属酸化物を除去することができる。従って、主容器110内のガスは、第1のプラズマ洗浄装置130で使用される活性水素ガスと、主容器110内に導入される不活性ガス、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴンとの混合物を含む。
【0031】
第1のプラズマヘッド131によってダイ200から金属酸化物を効率的且つ効果的に除去するために、接合ヘッド101は、第1のプラズマヘッド131によってダイ200から金属酸化物を除去するときにダイ200を加熱するための加熱要素(heating element)102を更に含むことができる。同様に、接合ステージ122は、基板300から金属酸化物を効率的且つ効果的に除去するために、第2のプラズマヘッド132を用いて基板300から金属酸化物を除去する際に基板を加熱する加熱部材(heating member)111を更に含むことができる。
【0032】
二次容器120は、二次容器120に取り付けられた第2のプラズマ洗浄装置140の性能を向上させるために、第2の不活性ガス環境を形成するように構成されている。接合システム100は、第2の不活性ガスを発生させて第2の不活性ガス環境を形成するために第2の不活性ガスを第2の容器120内に供給する少なくとも1つの第2の不活性ガスディフューザ123を更に含むことができる。第2の不活性ガスディフューザ123は、二次容器120の内壁に設置しても良いし、二次容器120の外部に設置しても良い。第2の不活性ガスディフューザ123が第2の容器120の外側に取り付けられる場合、第2の容器120は、第2の不活性ガスが第2の容器120に入ることを可能にするために、第2の不活性ガスディフューザ123に流体的に接続された少なくとも1つの第2の不活性ガス入口を更に含むことができる。第2の不活性ガスは、窒素または他の不活性ガスを含むことができる。この実施形態では、2つの第2の不活性ガスディフューザ123が、第2の容器120の上部内面に取り付けられる。二次容器120は、ダイ200を二次容器120内に移送するための入口通路124を更に含む。二次容器120と二次容器120の外部の周囲環境との間の空気連通を防止するか又は少なくとも減少させるために、少なくとも1つの第3の不活性ガスディフューザ125を入口通路124に設置して、入口通路124内に流体カーテンのような障壁を形成することができる。
【0033】
二次容器120に取り付けられた第2のプラズマ洗浄装置140は、ダイ200が主容器110に移送される前に、二次容器120内のダイ200から有機汚染物質を除去するように構成されている。この実施形態では、接合システム100は、ダイ200のバンプ側が第2のプラズマ洗浄装置140に面するようにダイ200を保持するように構成されたダイ保持装置すなわちアーム121を更に含むことができる。本実施形態では、ダイ保持装置121は、二次容器120の上部に取り付けられている。第2のプラズマ洗浄装置140は、二次容器120の下部に配置され、ダイ保持装置121によって保持されたダイ200が第2のプラズマ洗浄装置140によって洗浄されるように、ダイ保持装置121と位置合わせされている。これにより、第2のプラズマ洗浄装置140の排出端をダイ200のバンプ側に対向させ、第2のプラズマ洗浄装置140の排出端から排出されるプラズマにより、有機汚染物質をダイ200のバンプ側から除去することができる。第2のプラズマ洗浄装置140は、活性ガスとして酸素を使用して、ダイ200上の有機汚染物質を除去することができる。従って、二次容器120内のガスは、二次容器120内に入った活性ガス酸素と第2の不活性ガスとの混合物を含む。ダイ200上の有機汚染物質には、ダイ200のはんだバンプ(solder bump)や金属製ピラー(metal pillar)等、ダイ200の相互接続部の表面上の有機物残留物が含まれるが、これに限定されない。典型的には、金属製ピラーは、銅、ニッケルまたは金のピラーを含む場合がある。尚、第2のプラズマ洗浄装置140及びダイ保持装置121の構成は、説明のためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。他の実施形態では、これらの装置は、異なる方法で配置されても良く、例えば、ダイ保持装置121は、二次容器120の下部に配置されても良く、第2のプラズマ洗浄装置140は、二次容器120の上部に取り付けられて、ダイ保持装置121と位置合わせされても良い。特定の実施形態では、ダイ保持装置121または第2のプラズマ洗浄装置140は、二次容器120内に移動可能に設置されても良い。これにより、ダイ保持装置121によって保持されたダイ200は、洗浄のために第2のプラズマ洗浄装置140を起動する前に、第2のプラズマ洗浄装置140と位置合わせすることができる。例えば、ダイ保持装置121または第2のプラズマ洗浄装置140は、場合によっては、移動テーブル上に取り付けられても良い。
【0034】
接合システム100は、主容器110と二次容器120とを接続するように構成された輸送通路150を更に含むことができる。輸送通路150は、ダイ200が移送システム160によって二次容器120から主容器110に移送されることを可能にするように配置されている。第1のチャンバと第2のチャンバとの間のガス連通を回避または低減するために、少なくとも1つの更なる不活性ガスディフューザ151を輸送通路150に設置して、輸送通路150に沿って流体カーテンを形成することができる。移送システム160は、ダイ200を二次容器120から主容器110内の所定の位置に移送するように構成された可動ダイ移送アームを含むことができ、ここで、接合ヘッド101は、移送システム160からダイ200をピックアップするように動作している。ダイ200がダイ保持装置121から移送システム160によって受け取られると、ダイ200のバンプ側は移送システム160と接触し、接合ヘッド101が移送システム160からダイ200をピックアップすると、ダイ200のバンプ側は再び下向きになる。
【0035】
接合システム100は、主容器110内の第1の不活性ガス環境の濃度またはppmレベルを検出するために、上部内部チャンバ112内に配置された不活性ガスセンサ117を更に含むことができる。不活性ガスセンサ117は、上部内部チャンバ112の内面に設置されても良い。図1を参照すると、不活性ガスセンサ117は、好ましくは、上部内部チャンバ112の底部開口の近くの位置に配置され得る。主容器110の排気口119は、不活性ガスセンサ117が第1の不活性ガス環境のppmレベルが所定のレベルを超えたことを検出した場合に、過剰な不活性ガスを主容器110から排出するために使用することができる。
【0036】
活性水素ガスの濃度が所定の安全レベルを超えないことを確認するために、主容器110内の水素濃度を検出する水素センサ118を主容器110内に更に設置しても良い。更に、接合システム100は、二次容器120からのオゾン(O)のいかなる漏洩も検出するために、二次容器120上に配置されたオゾンセンサ126を更に含んでも良い。
【0037】
図1Bは、本発明の第1の実施形態による接合システム100の移送システム160の概略平面図である。図1Bに示すように、移送システム160は、ダイ移送アーム(DTA:die transfer arm)161、ダイ・フィーダ162、及びダイ・ピックアーム(DPA:die pick arm)163を含むことができる。この実施形態では、ダイ保持装置121は、ダイ200を第2のプラズマ洗浄装置140と直接位置合わせされた位置に移動させることを可能にする移動テーブル上に取り付けることができる。第2のプラズマ洗浄装置140がダイ200を洗浄すると、ダイ保持装置121は、洗浄されたダイ200をダイ・フィーダ162に移送するように動作している。ダイ・フィーダ162は、第2のプラズマ洗浄装置140によって洗浄されたダイ200をダイ保持装置121から受け取るように構成されている。ダイ200は、そのバンプ/前面がダイ・フィーダ162と接触するように、ダイ・フィーダ162上に配置されている。次に、DPA163を動作させてダイ・フィーダ162からダイ200をピックアップし、ダイ200のバンプ側をDTA161のパッドに接触させてダイ200をパッドに移送する。DTA161は、ダイ200を所定の位置に移動させるように動作しており、これにより接合ヘッド101は、DTA161からダイ200をピックアップするように動作している。次に、第1の洗浄装置130の第1のプラズマヘッド131を用いてダイ200上の金属酸化物を除去する工程の前に、接合ヘッド101を動作させて、ダイ200のバンプ側を下にしてダイ200をDTA161からピックアップしている。
【0038】
図2は、本発明の第1の実施形態による接合システム100を用いてダイ200を基板300に接合する熱圧着接合方法20を示すフローチャートである。
【0039】
ステップ201では、ダイ200のバンプ側を下にしてダイ保持装置121でダイ200を二次容器120に移送して保持し、二次容器120内の第2のプラズマ洗浄装置140でダイ200のバンプ側を洗浄して、ダイ200のバンプ側から有機汚染物を除去している。
【0040】
図1Bを参照すると、ダイ200は、ダイ保持装置121によって保持され、これによって、第2のプラズマ洗浄装置140が、ダイ200のバンプ側に向けてプラズマを放出し、有機汚染物質をダイ200から除去することが可能になる。あるいは、ダイ保持装置121は、ダイ200をその上に配置することができるダイ支持ステージと置き換えることができる。この設定では、第2のプラズマ洗浄装置140は、ダイ支持ステージの真上に配置され、ダイ200のバンプ側に向けてプラズマを下方に放出するように構成されても良い。更に、ダイ保持装置121は、移動テーブル上に設置されて、洗浄プロセスが開始する前に、ダイ200を第2のプラズマ洗浄装置140と直接位置合わせされた位置に移動させることができる。
【0041】
ステップ202では、第2のプラズマ洗浄装置140を動作させて、二次容器120内のダイ200から有機汚染物質を除去している。第2のプラズマ洗浄装置140が使用する活性ガスは、酸素を含む。
【0042】
ステップ203において、ダイ200は、移送システム160によって二次容器120から主容器110に移送され、移送システム160から接合ヘッド101によってピックアップされる。
【0043】
具体的には、この実施形態では、図1Bを参照すると、移送システム160は、DTA161、ダイ・フィーダ162、及びDPA163を含むことができる。ダイ200が第2のプラズマ洗浄装置140によって洗浄された後、ダイ保持装置121を更に移動させて、ダイ200をダイ・フィーダ162に移送することができる。ダイ200は、そのバンプ側がダイ・フィーダ162と接触するように、ダイ・フィーダ162上に配置することができる。次に、ダイ200は、ダイ・フィーダ162からDPA163によってピックアップされる。DPA163は、ダイ200のバンプ側をパッドに接触させて、ダイ200をDTA161のパッドに移送するように動作している。次に、DTA161によってダイ200を接合ヘッド101直下の所定位置に移動させ、接合ヘッド101を動作させて、ダイ200のバンプ側を下にしてDTA161からダイ200をピックアップしている。
【0044】
ステップ204において、第1のプラズマ洗浄装置130は、移動テーブル116によって洗浄位置に移動され、ダイ200及び基板300から金属酸化物を同時に除去するように動作される。洗浄位置は、第1のプラズマヘッド131がダイ200を洗浄するように動作し、第2のプラズマヘッド132が基板300を洗浄するように動作するように、ダイ200及び基板300と位置合わせされるように配置されても良い。
【0045】
ステップ205において、接合ヘッド101は、ダイ200を主容器110内の基板300に接合している。
【0046】
第1の実施形態では、第1のプラズマ洗浄装置130は、ダイ200が接合ヘッド101によって保持されているときに金属酸化物の洗浄プロセスを行うことができるように移動可能である。あるいは、他の実施形態では、第1のプラズマ洗浄装置130または第1のプラズマ洗浄装置130の少なくとも1つのプラズマヘッドは、主容器110内に固定的に設置されても良く、ダイ200は、第1のプラズマ洗浄装置130の第1のプラズマヘッド131で金属酸化物を除去するための所定の位置に移動可能であっても良い。
【0047】
図3Aは、本発明の第2の実施形態による、ダイ200を基板300に接合するための熱圧着接合システム100Aの概略断面図である。接合システム100と同様に、接合システム100Aは、主容器110と、二次容器120と、主容器110に取り付けられた第1のプラズマ洗浄装置130と、二次容器120に取り付けられた第2のプラズマ洗浄装置140とを含む。接合システム100Aと接合システム100との主な構造上の違いは、第1のプラズマ洗浄装置130の配置が異なることと、主容器110内に追加のダイ保持装置119が設けられていることである。更に、接合システム100Aは、ダイ200を二次容器120から主容器110に移送し、ダイ200を主容器110内に位置決めする移送システム160Aも含む。移送システム160Aの機能は、第1実施形態の移送システム160とは若干異なっている。
【0048】
図3Aを参照すると、この実施形態では、第1のプラズマ洗浄装置130は、主容器110内に固定して取り付けられた第1のプラズマヘッド131A及び第2のプラズマヘッド132Aを含む。ダイ保持装置119は、ダイ保持装置119に保持されたダイ200が第1のプラズマヘッド131Aによって洗浄されるように、第1のプラズマヘッド131Aと位置合わせされるように位置決めされている。
【0049】
移送システム160Aは、ダイ200を二次容器120から主容器110に移送し、ダイ200を第1の所定の位置に位置決めするように構成されている。この位置は、第1のプラズマヘッド131Aがダイ200から金属酸化物を除去するように動作する前に、ダイ保持装置119が移送システム160Aからダイ200をピックアップすることを可能にしている。ダイ保持装置119は、移動テーブル上に設置され、第1の所定位置に移動されて、移送システム160Aからダイ200をピックアップすることができる。ダイ保持装置119がダイ200をピックアップした後、第1のプラズマヘッド131Aを使用してダイ200を洗浄することができる。洗浄プロセスが完了すると、ダイ保持装置119は、ダイ200を移送システム160Aに戻すように動作している。第1の所定位置は、ダイ保持装置119の直下であっても良いし、第1のプラズマヘッド131Aの直上であっても良い。
【0050】
ダイ保持装置119は、ダイ200が第1のプラズマヘッド131Aによって洗浄されるときにダイ200を加熱するように構成された加熱部材119aを更に含むことができる。加熱部材119aは、ダイ200の表面を活性化するために更に使用されても良い。第2のプラズマヘッド132Aは、ダイ200が基板300に接合される前に、基板300から金属酸化物を除去するために、主容器110の下部内部チャンバ114内に固定して取り付けることができる。好ましくは、第2のプラズマヘッド132Aは、上部プレート115の冷却プレート等、下部内部チャンバ114の上部プレート115に結合されても良い。
【0051】
ダイ200が第1のプラズマヘッド131Aによって洗浄された後、ダイ200は、移送システム160Aによって第2の所定の位置に更に移送され、その結果、接合ヘッド101は、移送システム160Aからダイ200をピックアップし、ダイ200を基板300に接合することができる。好ましくは、第2の所定の位置は、接合ヘッド101の真下である。第1の実施形態とは異なり、第2の実施形態における接合ヘッド101は、ダイ200から金属酸化物を除去するプロセス中にダイ200を保持するために使用されない。破線の矢印は、全プロセス中のダイ200の可能な移送経路を示している。
【0052】
図3Bは、本発明の第2の実施形態による接合システム100Aの移送システム160Aの概略平面図である。図3Bを参照すると、移送システム160Aは、ダイ・フィーダ162A、DPA163A、及びDTA161Aを含むことができる。ダイ・フィーダ162Aは、ダイ200が第2のプラズマ洗浄装置140によって洗浄された後、ダイのバンプ側がダイ・フィーダ162Aと接触した状態でダイ200を受け取るように構成されている。DPA163Aは、ダイ200のバンプ側を第1のパッドP1に接触させた状態で、ダイ200をダイ・フィーダ162Aから取り出し、ダイ200をDTA161Aの第1のパッドP1に移送するように動作している。DTA161Aは、ダイ200を第1の所定の位置に移動させ、ダイ保持装置119を第1の所定の位置に移動させて、ダイ200のバンプ側を下にしてDTA161Aの第1のパッドP1からダイ200をピックアップする。次に、ダイ保持装置119は、第1のプラズマヘッド131Aと直接位置合わせされた位置に移動される。第1のプラズマヘッド131Aによってダイ200が洗浄された後、ダイ保持装置119が移動してダイ200をDTA161Aの第2のパッドP2上に配置する。次に、DTA161Aは、ダイ200が接合ヘッド101によってDTA161Aからピックアップされるように、ダイ200を接合ヘッド101の下の第2の所定の位置に移送するように動作している。
【0053】
図4は、本発明の第2の実施形態によるダイ200を基板300に接合するための熱圧着接合方法40を示すフローチャートである。
【0054】
ステップ401では、第2のプラズマ洗浄装置140によってダイ200のバンプ側の有機汚染物を除去できるように、ダイ200のバンプ側を下にしてダイ保持装置121によってダイ200を二次容器120に移して保持している。
【0055】
図3Bを参照すると、ダイ200は、第2のプラズマ洗浄装置140がプラズマをダイ200のバンプ側に向けて放出してその上の有機汚染物質を除去することができるように、ダイ保持装置121によって保持されている。
【0056】
ステップ402では、第2のプラズマ洗浄装置140を動作させて、ダイ200上の有機汚染物質を除去している。第2のプラズマ洗浄装置140が使用する活性ガスは、酸素を含む。
【0057】
ステップ403において、ダイ200は、二次容器120から主容器110に移送され、移送システム160Aによって第1の所定位置に位置決めされ、ダイ保持装置119は、移送システム160Aからダイ200をピックアップするように動作している。
【0058】
具体的には、本実施形態では、第2のプラズマ洗浄装置140によってダイ200を洗浄した後、ダイ200は、ダイのバンプ側をダイ・フィーダ162Aに接触させた状態で、ダイ保持装置119によってダイ・フィーダ162A上に移送され、載置される。そして、DPA163Aは、ダイ・フィーダ162Aからダイ200を取り出し、ダイ200のバンプ側をDTA161Aの第1のパッドP1に接触させた状態で、ダイ200を第1のパッドP1に移送する。次に、DTA161Aは、ダイ200を第1の所定位置に移動させて、ダイ保持装置119がダイ200のバンプ側を下にしてDTA161Aからダイ200をピックアップする。第1のプラズマヘッド131によってダイ200を洗浄した後、更にダイ保持装置119を動作させて、ダイ200をDTA161Aの第2のパッドP2上に載置する。次に、DTA161Aを動作させて、ダイ200を接合ヘッド101の下の第2の所定の位置に移動させ、接合ヘッド101がダイ200をDTA161Aからピックアップし、後続の接合プロセス中にダイ200を保持するように動作している。第1の所定位置は、ダイ保持装置119の直下であっても良いし、第1のプラズマヘッド131Aの直上であっても良い。
【0059】
図2B及び図3Bに示される移送システム160及び160Aの実施例は、例示の目的のみであり、本発明の範囲を限定することを意図していないことに留意されたい。他の実施形態では、移送システム160または160Aは、異なる装置を含むことができ、異なる方法で配置することができる。
【0060】
ステップ404において、第1のプラズマヘッド131Aは、ダイ200から金属酸化物を除去するように動作している。
【0061】
特定の実施形態では、ダイ保持装置119は、第1のプラズマヘッド131Aがダイ200を洗浄するために起動される前に、第1のプラズマヘッド131Aと直接位置合わせされた位置に移動されても良い。
【0062】
ステップ405において、第2のプラズマヘッド132は、基板300から金属酸化物を除去するように動作している。
【0063】
この実施形態では、基板300から金属酸化物を除去するステップは、ダイ200から金属酸化物を除去するステップの後に行われる。しかしながら、他の実施形態では、2つのステップを同時に行っても良いし、基板300から金属酸化物を除去するステップを、ダイ200から金属酸化物を除去するステップの前に行っても良い。基板300は、接合プロセスの前の任意の時点で、第2のプラズマヘッド132Aによって更に洗浄されても良い。
【0064】
ステップ406では、ダイ移送システム160Aによってダイ200を接合ヘッド101の直下の接合位置に移送し、接合ヘッド101を動作させてダイ移送システム160Aからダイ200をピックアップしている。
【0065】
ステップ407において、接合ヘッド101は、ダイ200を主容器内の基板300に接合するように動作している。
【0066】
以上説明した実施形態に対して種々の変形が可能である。いくつかの実施形態では、接合システムは、第2の不活性環境を形成するための第2の容器を含まなくても良い。いくつかの実施形態では、接合ヘッドを主容器の下部に設置し、基板を主容器の上部に取り付けられた保持装置によって保持し、それに応じて第1のプラズマ洗浄装置及び移送装置の機能を変更して、主容器内で洗浄プロセスを実行することができる。異なる数の不活性ガスディフューザが、主容器、二次容器、それらの間の移送通路、または二次容器の入口通路に設けられても良い。いくつかの実施形態において、移送システムは、第1及び第2の容器及びその中の装置の配置に応じて、異なる方法で配置された異なる装置を含むことができる。第1及び第2の不活性環境は、同じ不活性ガスまたは異なる不活性ガスの混合物を使用して形成することができる。
【0067】
本明細書に記載された発明は、具体的に記載されたもの以外の変形、修正及び/または追加を行うことが可能であり、本発明は、上記の説明の趣旨及び範囲内にある全てのそのような変形、修正及び/または追加を含むことが理解されるべきである。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
【外国語明細書】