(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015047
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】印刷用カセット及び印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 32/00 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
B41J32/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023199237
(22)【出願日】2023-11-24
(62)【分割の表示】P 2019178164の分割
【原出願日】2019-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 信次
(72)【発明者】
【氏名】村山 健太郎
(57)【要約】
【課題】駆動力を伝達するギアの損傷を抑制できる印刷用カセットを提供する。
【解決手段】本開示は、第1ケース部と第2ケース部とを第3ケース部とを有するケースと、第3ケース部に少なくとも一部が収容される第1テープと、一部が第2ケース部に収容され、他の部分がケースの外に位置すると共に、第1方向と平行な回転軸心周りに回転可能なギアと、を備える印刷用カセットである。第1ケース部には、第1テープが排出される排出口が設けられる。第1ケース部、第2ケース部、及び第3ケース部は、第1方向において、第1ケース部、第2ケース部、及び第3ケース部の順に配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ケース部と第2ケース部とを第3ケース部とを有するケースと、
前記第3ケース部に少なくとも一部が収容される第1テープと、
一部が前記第2ケース部に収容され、他の部分が前記ケースの外に位置すると共に、第1方向と平行な回転軸心周りに回転可能なギアと、
を備え、
前記第1ケース部には、前記第1テープが排出される排出口が設けられ、
前記第1ケース部、前記第2ケース部、及び前記第3ケース部は、前記第1方向において、前記第1ケース部、前記第2ケース部、及び前記第3ケース部の順に配置される、印刷用カセット。
【請求項2】
前記第1ケース部は、
ヘッド開口を規定する第1面を有する突出部と、
前記ヘッド開口を規定し、前記第1方向に直交する第2方向において前記第1面と対向する第2面を有する対向部と、
を有し、
前記第2ケース部は、前記ヘッド開口の前記第1方向における端部に配置され、前記突出部と前記対向部とを連結する第3面を有する、請求項1に記載の印刷用カセット。
【請求項3】
前記第3ケース部の内部空間の体積は、前記第1ケース部の内部空間の体積よりも大きい、請求項1又は請求項2に記載の印刷用カセット。
【請求項4】
前記第3ケース部の重量と前記第3ケース部に収容された部品の重量とを合わせた総重量は、前記第1ケース部の重量と前記第1ケース部に収容された部品の重量とを合わせた総重量よりも大きい、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項5】
前記第1ケース部と前記第2ケース部とは第1隔離壁によって仕切られ、
前記第2ケース部と前記第3ケース部とは第2隔離壁によって仕切られる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項6】
第1蓋部と、
前記第1蓋部に前記第1方向に連結された第1枠部と、
前記第1枠部に前記第1方向に連結された第2枠部と、
前記第2枠部に前記第1方向に連結された第2蓋部と、
を備え、
前記第1ケース部は、前記第1蓋部と、前記第1枠部の前記第1方向における第1部位とによって構成され、
前記第2ケース部は、前記第1枠部の前記第1方向における前記第1部位とは反対側の第2部位と、前記第2枠部の前記第1方向における第3部位とによって構成され、
前記第3ケース部は、前記第2枠部の前記第1方向における前記第3部位とは反対側の第4部位と、前記第2蓋部とによって構成される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項7】
前記第2枠部の前記第1方向における長さは、前記第1枠部の前記第1方向における長さよりも大きい、請求項6に記載の印刷用カセット。
【請求項8】
前記ギアは、前記第1枠部と前記第2枠部とを連結する複数の爪の間に配置される、請求項6又は請求項7に記載の印刷用カセット。
【請求項9】
前記第1ケース部の前記第1方向における長さ及び前記第3ケース部の前記第1方向における長さは、それぞれ、前記第2ケース部の前記第1方向における長さよりも大きい、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項10】
前記第1ケース部の前記第1方向における長さは、前記第3ケース部の前記第1方向における長さ以上である、請求項9に記載の印刷用カセット。
【請求項11】
第2テープと、
前記第1テープに前記第2テープを重ねるローラと、
をさらに備え、
前記第1テープの少なくとも一部、前記第2テープの少なくとも一部、及び前記ローラの少なくとも一部は、前記第1方向と直交する方向に並んで前記第1ケース部に収容され、
前記ローラは、少なくとも一部が前記第1方向と直交する方向において前記第2ケース部と重なるように、前記第2ケース部に支持される、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項12】
前記第1テープの幅方向の移動を規制する規制部をさらに備え、
前記規制部は、前記第1テープの幅方向における前記排出口の両端の間に配置される、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項13】
前記第1テープのロールと、
前記第1テープの幅方向の移動を規制する規制部と、
をさらに備え、
前記ロールは、前記第3ケース部に収容され、
前記規制部は、前記第1テープの幅方向における前記ロールの両端の間に配置される、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項14】
前記第1テープのロールをさらに備え、
前記ロールは、前記第3ケース部に収容され、
前記ロールから引き出された前記第1テープは、前記第2ケース部と前記第1ケース部とを通過して前記排出口から排出される、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項15】
前記第2ケース部は、前記ギアが配置される空間と、前記第1テープが通過する空間とを仕切る仕切り壁を有する、請求項14に記載の印刷用カセット。
【請求項16】
インクリボンをさらに備え、
前記インクリボンの少なくとも一部は、前記第1ケース部に収容され、
前記第1ケース部は、前記第1テープがヘッド開口に排出される開口用出口を有し、
前記インクリボンは、前記開口用出口から排出された前記第1テープと重ね合わされる、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の印刷用カセットと、
前記印刷用カセットが装着される印刷装置本体と、
を備え、
前記印刷装置本体は、前記ギアに係合する駆動力伝達部を有する、印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷用カセット及び印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷用テープに印刷を行う印刷装置では、印刷用テープを収容したカセットを印刷装置本体に着脱することで、印刷用テープの交換及び供給が行われる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のカセットにおいて、カセット内に駆動力を伝達する、又は、カセットから外部へ駆動力を伝達するためのギアを設けることが考えられる。このようなギアの一部がカセットのケースの外に配置された場合、カセットが落下し床面等に衝突した際に、ギアが損傷しやすい。
【0005】
本開示の一局面は、駆動力を伝達するギアの損傷を抑制できる印刷用カセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、第1ケース部と第2ケース部とを第3ケース部とを有するケースと、第3ケース部に少なくとも一部が収容される第1テープと、一部が第2ケース部に収容され、他の部分がケースの外に位置すると共に、第1方向と平行な回転軸心周りに回転可能なギアと、を備える印刷用カセットである。
【0007】
第1ケース部には、第1テープが排出される排出口が設けられる。第1ケース部、第2ケース部、及び第3ケース部は、第1方向において、第1ケース部、第2ケース部、及び第3ケース部の順に配置される。
【0008】
本開示の別の態様は、印刷用カセットと、印刷用カセットが装着される印刷装置本体と、を備える印刷装置である。印刷装置本体は、ギアに係合する駆動力伝達部を有する。
【0009】
これらのような構成によれば、第1ケース部と第3ケース部とで挟まれた第2ケース部にギアが配置される。そのため、印刷用カセットが落下しギアの回転軸心の軸方向と垂直な面が床面等に衝突した際に、ギアが第1ケース部と第3ケース部とで保護され、ギアの損傷が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1A、
図1B及び
図1Cは、実施形態における印刷装置において印刷用カセットを印刷装置本体から取り外した状態を示す模式的な斜視図である。
【
図6】
図6は、
図2Aの印刷用カセットの第1蓋部を取り外した状態を示す模式的な斜視図である。
【
図7】
図7は、
図2Aの印刷用カセットにおける被印刷テープ及びインクリボンの経路を説明する模式図である。
【
図8】
図8Aは、
図2CのVIIIA-VIIIA線での模式的な断面図であり、
図8Bは、
図2CのVIIIB-VIIIB線での模式的な断面図であり、
図8Cは、
図2CのVIIIC-VIIIC線での模式的な断面図であり、
図8Dは、
図2CのVIIID-VIIID線での模式的な断面図である。
【
図9】
図9は、
図1Aの印刷装置における印刷装置本体の模式的な平面図である。
【
図10】
図10は、
図1Aの印刷装置における出力ギアとプラテンギアとの係合状態を示す模式図である。
【
図11】
図11A及び
図11Bは、
図1Aとは異なる実施形態における印刷装置において印刷用カセットを印刷装置本体から取り外した状態を示す模式的な斜視図である。
【
図14】
図14は、
図11Aの印刷装置における出力ギアとプラテンギアとの係合状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1A,1B,1Cに示す印刷装置1は、印刷用カセット10と、印刷装置本体100とを備える。印刷装置1は、テープ状の印刷媒体に印刷を行う装置である。
【0012】
本実施形態では、出力ギア18の軸方向を上下方向とし、上下方向と垂直な方向のうち出力ギア18と入力スプール16とが並ぶ方向を前後方向とし、上下方向と前後方向との双方に垂直な方向を左右方向とする。
【0013】
<印刷用カセット>
印刷用カセット10は、印刷媒体を格納している。印刷用カセット10は、印刷装置本体100に着脱可能である。印刷用カセット10の交換により、印刷媒体の補給、及び印刷媒体の種類(例えば、色、材質等)の変更ができる。
【0014】
印刷用カセット10は、
図2A,2B,2Cに示すように、後述する被印刷テープ(第1テープの一例)、インクリボン等を格納するケース35を備える。印刷用カセット10の外形(つまり、ケース35の形状)は、上下方向に平行な辺と、前後方向に平行な辺と、左右方向に平行な辺とを有する直方体状である。ケース35は、第1蓋部31と、第1枠部32と、第2枠部33と、第2蓋部34とを有する。
【0015】
印刷用カセット10は、
図3に示すように、第1ロール11と、第1供給スプール12と、スペーサフィルム13A,13Bと、第2ロール14と、第2供給スプール15と、入力スプール16と、クラッチバネホルダ17と、出力ギア18と、入力ギア19と、ア
イドルギア20とを備える。
【0016】
(第1ロール)
第1ロール11は、印刷が行われる被印刷テープを第1供給スプール12に巻回したものである。被印刷テープの表面には、後述する印刷装置本体100の印刷ヘッド102及びインクリボンによって印刷が行われる。
【0017】
第1ロール11の上下方向の外側には、第1ロール11を挟むように2つのスペーサフィルム13A,13Bが配置されている。スペーサフィルム13A,13Bは、それぞれ、第1ロール11と第2蓋部34との間と、第1ロール11と第2枠部33との間とに配置されている。
【0018】
(第1供給スプール)
第1供給スプール12は、回転軸心周りに回転可能である。第1供給スプール12は、後述する印刷装置本体100のプラテンローラ103による被印刷テープの搬送に伴って回転することで、被印刷テープを印刷ヘッド102に供給する。
【0019】
(第2ロール)
第2ロール14は、被印刷テープの印刷に用いられるインクリボンを第2供給スプール15に巻回したものである。
【0020】
インクリボンは、後述するヘッド開口32Bにおいて、被印刷テープと重ね合わされ、印刷ヘッド102による印刷に供される。印刷に使用されたインクリボンは、後述する入力スプール16に巻き取られる。また、第2ロール14には、クラッチバネホルダ17に保持されたクラッチバネによって回転抵抗が付される。
【0021】
(第2供給スプール)
第2供給スプール15は、回転軸心周りに回転可能である。第2供給スプール15の回転軸心は、第1供給スプール12の回転軸心、つまり上下方向と平行である。
【0022】
第2供給スプール15は、インクリボンの入力スプール16による巻き取りに伴って回転することで、インクリボンを印刷ヘッド102に供給する。また、第2供給スプール15の少なくとも一部は、上下方向において、第1ロール11と重なる位置に配置されている。
【0023】
(入力スプール)
入力スプール16は、回転軸心周りに回転可能である。入力スプール16の回転軸心は、第2供給スプール15の回転軸心と平行である。
【0024】
入力スプール16は、円筒状であり、内周面16Aで規定される中空部を有する。入力スプール16の内周面16Aにはスプライン歯16Bが設けられている。スプライン歯16Bには、後述する印刷装置本体100の駆動シャフト105が連結される。入力スプール16は、駆動シャフト105によって回転され、インクリボンを巻き取る。
【0025】
(出力ギア)
出力ギア18は、被印刷テープを搬送するための駆動力を外部に出力するためのシングルギアである。出力ギア18は、後述する印刷装置本体100のプラテンギア104を介してプラテンローラ103に駆動力を伝達する。
【0026】
出力ギア18は、上下方向と平行な回転軸心周りに回転する円盤と、円盤の上下方向と
平行な面に設けられた歯とを有する。円盤の上下方向と垂直な一方の面(つまり上面)は、上下方向においてケース35の後述するカバー部33Bと対向している。円盤の上下方向と垂直な他方の面(つまり下面)の一部は、上下方向においてケース35と対向していない。
【0027】
出力ギア18は、ヘッド開口32Bに一部が露出しており、一部がケース35の外に位置している。出力ギア18は、印刷用カセット10が印刷装置本体100に装着された状態で、ヘッド開口32Bにおいてプラテンギア104に係合する。
【0028】
図4に示すように、第1ロール11、出力ギア18、及び第2ロール14(つまり第2供給スプール15)は、上下方向において、第1ロール11、出力ギア18、及び第2ロール14の順に並んで配置されている。つまり、出力ギア18は、上下方向において、第1ロール11と第2ロール14との間に位置する。
【0029】
(入力ギア)
図3に示すように、入力ギア19は、後述するアイドルギア20を介して出力ギア18と間接的に係合し、駆動力を出力ギア18に伝達する。入力ギア19には、印刷装置本体100の駆動源からの駆動力が入力される。
【0030】
入力ギア19は、外歯ギア19Aと、外歯ギア19Aの下面に固定されると共に、内周面にスプライン歯を有する円筒状のスプール19Bとを有する。外歯ギア19Aは、スプール19Bに入力された駆動力によってスプール19Bと一体回転する。
【0031】
入力ギア19の回転軸心(つまり、外歯ギア19Aの回転軸心及びスプール19Bの回転軸心)は、入力スプール16の回転軸心と同一線上に配置されている。
図4に示すように、入力スプール16、入力ギア19、及び第1ロール11は、上下方向において、入力スプール16、入力ギア19、及び第1ロール11の順に並んで配置されている。
【0032】
つまり、入力ギア19は、上下方向において、入力スプール16と第1ロール11との間に位置する。また、入力ギア19の少なくとも一部は、上下方向において、第1ロール11と重なる位置に配置されている。
【0033】
入力ギア19の回転軸心は、入力スプール16の中空部を通る。つまり、駆動シャフト105が入力スプール16と入力ギア19とに同時に挿通される。その結果、入力ギア19は、入力スプール16と直接連結はされていないが、入力スプール16と共通の駆動源(つまり駆動シャフト105)によって回転される。
【0034】
(アイドルギア)
アイドルギア20は、入力ギア19と出力ギア18とに駆動連結され(つまり係合し)、入力ギア19に入力された駆動力を出力ギア18に伝達する。
【0035】
アイドルギア20は、入力ギア19に係合した第1ギア20Aと、出力ギア18に係合した第2ギア20Bとが同軸上に並んで配置された段ギアである。第2ギア20Bは、第1ギア20Aよりも径が小さい。また、第2ギア20Bは、上下方向において、第1ギア20Aよりも第1ロール11に近い位置(つまり上方)に配置されている。アイドルギア20は、入力ギア19に入力された駆動力を減速させる減速機構を構成している。
【0036】
(ケース)
図3に示すように、第1蓋部31は、印刷用カセット10の下端部を構成している。第1枠部32は、第1蓋部31の上側に配置され、第1蓋部31と上下方向に連結されてい
る。第2枠部33は、第1枠部32の上側に配置され、第1枠部32と上下方向に連結されている。第2蓋部34は、印刷用カセット10の上端部を構成している。第2蓋部34は、第2枠部33と上下方向に連結されている。
【0037】
第1蓋部31と第1枠部32の下方側の第1部位とは、第2ロール14(つまりインクリボンの少なくとも一部)、第2供給スプール15、及び入力スプール16が収容された第1ケース部41を構成している。つまり、第2ロール14、第2供給スプール15、及び入力スプール16は、第1蓋部31と第1枠部32とで囲まれた空間に配置されている。また、第1ケース部41には、被印刷テープが排出される排出口32Cが設けられている。
【0038】
第1枠部32の上下方向における第1部位とは反対側(つまり上方側)の第2部位と、第2枠部33の下方側の第3部位とは、出力ギア18の一部、入力ギア19、及びアイドルギア20が収容された第2ケース部42を構成している。つまり、出力ギア18の一部、入力ギア19、及びアイドルギア20は、第1枠部32と第2枠部33とで囲まれた空間に配置されている。
【0039】
第2枠部33の上下方向における第3部位とは反対側(つまり上方側)の第4部位と、第2蓋部34とは、第1ロール11(つまり被印刷テープの少なくとも一部)が収容された第3ケース部43を構成している。つまり第1ロール11は、第2枠部33と第2蓋部34とで囲まれた空間に配置されている。
【0040】
図4に示すように、第1ケース部41、第2ケース部42、及び第3ケース部43は、上下方向において、第1ケース部41、第2ケース部42、及び第3ケース部43の順に配置されている。つまり、第2ケース部42は、上下方向において、第1ケース部41と第3ケース部43との間に配置されている。
【0041】
第1ケース部41の上下方向における長さ及び第3ケース部43の上下方向における長さは、それぞれ、第2ケース部42の上下方向における長さよりも大きい。さらに、第1ケース部41の上下方向における長さは、第3ケース部43の上下方向における長さ以上である。また、第2枠部33の上下方向における長さは、第1枠部32の上下方向における長さよりも大きい。
【0042】
図5A,5Bに示すように、第1枠部32は、第1側壁32Aと、ヘッド開口32Bと、排出口32Cと、第1ガイド32Dと、突出部32Eと、対向部32Fと、第1隔離壁32Gと、開口用出口32Kと、第1規制部32Lと、第1仕切り壁32Mとを有する。第1側壁32Aは、印刷用カセット10の上下方向と平行な側面を構成している。
【0043】
ヘッド開口32Bは、第1側壁32Aの一部を切り欠いた部位である。ヘッド開口32Bは、印刷用カセット10が印刷装置本体100に装着された状態で、印刷ヘッド102が下方から挿入されることで、内部に印刷ヘッド102が配置される空間である。ヘッド開口32Bは、印刷用カセット10の下方に開口している。
【0044】
第1ガイド32Dは、第3ケース部43から送られた被印刷テープ11Aが巻き掛けられる部位である。第1ガイド32Dは、第2ロール14の周方向に沿って離間して配置された複数の板状のリブを有する。複数のリブは、第2ロール14の径方向に突出しており、下方に向かうほど突出量(つまり板幅)が小さくなる。
【0045】
突出部32Eは、ヘッド開口32Bよりも被印刷テープの搬送方向の上流において被印刷テープとインクリボンとが平行に搬送される部位である。突出部32Eは、左右方向に
延伸している。被印刷テープ及びインクリボンは、突出部32Eの内部を印刷時に左から右に搬送される。
【0046】
突出部32Eは、ヘッド開口32Bを規定する第1面32Hを有する。第1面32Hは、突出部32Eの後面を構成しており、前後方向と直交する。印刷用カセット10が印刷装置本体100に装着された状態で、第1面32Hは、印刷ヘッド102と前後方向に対向する。
【0047】
対向部32Fは、突出部32Eと前後方向に対向する板状の部位である。対向部32Fは、ヘッド開口32Bと、第2ロール14、第2供給スプール15、及び入力スプール16が配置される空間とを前後方向に仕切っている。対向部32Fは、ヘッド開口32Bを規定し、前後方向において第1面32Hと対向する第2面32I(
図3参照)を有する。
【0048】
第2面32Iは、対向部32Fの前面を構成しており、前後方向と直交する。印刷用カセット10が印刷装置本体100に装着された状態で、第2面32Iは、印刷ヘッド102を挟んで第1面32Hとは反対側に配置される。
【0049】
第1隔離壁32Gは、第1ケース部41と第2ケース部42とを上下方向に仕切っている。また、第1隔離壁32Gは、第2ケース部42の一部である。つまり、第1枠部32のうち第1ケース部41を構成する第1部位は、第1隔離壁32Gよりも下側の部位である。一方、突出部32E及び対向部32Fは、第1隔離壁32Gから下方に突出している。そのため、突出部32E及び対向部32Fは、第1ケース部41の一部である。
【0050】
第1隔離壁32Gは、ヘッド開口32Bの上下方向における上端部に配置され、突出部32Eと対向部32Fとを連結する第3面32Jを有する。第3面32Jは、第1隔離壁32Gの下面を構成しており、上下方向と直交する。
【0051】
開口用出口32Kは、突出部32E内の被印刷テープがヘッド開口32Bに排出される部位である。開口用出口32Kは、突出部32Eの右端に設けられている。第2ロール14から引き出されたインクリボンは、開口用出口32Kからヘッド開口32Bに排出された被印刷テープと重ね合わされる。
【0052】
第1規制部32Lは、被印刷テープの幅方向の移動を規制する。第1規制部32Lは、第1ケース部41での被印刷テープの幅方向(つまり上下方向)における排出口32Cの両端(つまり上端及び下端)の間に配置されている(
図8B参照)。具体的には、第1規制部32Lは、第1枠部32の右後方において第1側壁32Aから左側に突出した支持部32Nから、さらに上方に突出している。
【0053】
第1仕切り壁32Mは、出力ギア18、入力ギア19及びアイドルギア20が配置される空間と、被印刷テープが通過する空間とを仕切っている。具体的には、第1仕切り壁32Mは、第2枠部33において、出力ギア18、入力ギア19及びアイドルギア20と対向する内領域と、内領域よりも外側の外領域とを区画している。
【0054】
図5Cに示すように、第2枠部33は、第2側壁33Aと、カバー部33Bと、第2ガイド33Cと、第1ギア支持部33Dと、第2ギア支持部33Eと、第3ギア支持部33Fと、第2仕切り壁33Gと、第2隔離壁33Hと、第1爪33Iと、第2爪33Jと、第3爪33Kと、第4爪33Lと、第2規制部33M(
図8B参照)とを有する。第2側壁33Aは、印刷用カセット10の上下方向と平行な側面を構成している。
【0055】
カバー部33Bは、上下方向と垂直な表面を有する部位である。カバー部33Bは、上
下方向において出力ギア18と重なる位置に配置されている。本実施形態では、カバー部33Bは、第2側壁33Aの下端部と連続して設けられ、第2枠部33の右前方の角部に配置されている。
【0056】
出力ギア18、カバー部33B、及び第1ロール11は、上下方向において、出力ギア18、カバー部33B、及び第1ロール11の順に並んで配置されている。また、上述のように、出力ギア18の上面の全領域は、カバー部33Bによって覆われている。
【0057】
第2ガイド33Cは、
図6に示すように、第1ロール11から引き出された被印刷テープ11Aが巻き掛けられる部位である。第2ガイド33Cは、第1ロール11の周方向に沿って離間して配置された複数の板状のリブを有する。複数のリブは、第1ロール11の径方向に突出しており、下方に向かうほど突出量(つまり板幅)が大きくなっている。
【0058】
図5Cに示される第1ギア支持部33Dは、出力ギア18を回転可能に支持する。第2ギア支持部33Eは、入力ギア19を回転可能に支持する。第3ギア支持部33Fは、アイドルギア20を回転可能に支持する。
【0059】
第2仕切り壁33Gは、出力ギア18、入力ギア19及びアイドルギア20が配置される空間と、被印刷テープが通過する空間とを仕切っている。具体的には、第2仕切り壁33Gは、第2枠部33において、第1ギア支持部33D、第2ギア支持部33E、及び第3ギア支持部33Fが配置された内領域と、第2ガイド33Cが配置された外領域とを区画している。第2ガイド33Cは、第2仕切り壁33Gから突出している。
【0060】
第2隔離壁33Hは、第2ケース部42と第3ケース部43とを上下方向に仕切っている。また、第2隔離壁33Hは、第3ケース部43の一部である。つまり、第2枠部33のうち第2ケース部42を構成する第3部位は、第2隔離壁33Hよりも下側の部位である。
【0061】
一方、第1ギア支持部33D、第2ギア支持部33E、第3ギア支持部33F及び第2仕切り壁33Gは、第2隔離壁33Hから下方に突出している。そのため、第1ギア支持部33D、第2ギア支持部33E、第3ギア支持部33F及び第2仕切り壁33Gは、第2ケース部42の一部である。
【0062】
第1爪33Iは、第2枠部33の前端部に設けられている。第2爪33Jは、第2枠部33の左端部に設けられている。第3爪33Kは、第2枠部33の後端部に設けられている。第4爪33Lは、第2枠部33の右端部に設けられている。
【0063】
爪33I,33J,33K,33Lは、それぞれ、下方に突出し、第1枠部32の第1側壁32Aに設けられた開口又は溝に係合している。つまり、爪33I,33J,33K,33Lは、第1枠部32と第2枠部33とを上下方向に連結している。
【0064】
出力ギア18、入力ギア19及びアイドルギア20は、前後方向における第1爪33Iと第3爪33Kとの間、及び左右方向における第2爪33Jと第4爪33Lとの間に配置されている。
【0065】
図8Bに示すように、第2規制部33Mは、被印刷テープの幅方向の移動を規制する。第2規制部33Mは、第2枠部33の左後方において第2側壁33Aから右側に突出している。
【0066】
図3に示す第2蓋部34は、被印刷テープの幅方向の移動を規制する第3規制部34A
を有する。第3規制部34Aは、第3ケース部43での被印刷テープの幅方向(つまり上下方向)における第1ロール11の両端(つまり上端及び下端)の間に配置されている(
図8B参照)。具体的には、第3規制部34Aは、第2蓋部34の右後方において、厚み方向が左右方向と平行となるように配置された板部材である。
【0067】
第3ケース部43の内部空間の体積は、第1ケース部41の内部空間の体積よりも大きい。また、第3ケース部43の重量と第3ケース部43に収容された部品(つまり、第1ロール11、第1供給スプール12等)の重量とを合わせた総重量は、第1ケース部41の重量と第1ケース部41に収容された部品(つまり、第2ロール14、第2供給スプール15、入力スプール16等)の重量とを合わせた総重量よりも大きい。
【0068】
図7に示すように、ヘッド開口32Bにおいて、被印刷テープ11A及びインクリボン14Aが左右方向に架け渡される。印刷後の被印刷テープ11Aは、排出口32Cから印刷装置1の外部に排出される。
【0069】
出力ギア18及びケース35を上下方向と垂直な仮想面に投影した投影図において、出力ギア18は、ケース35の外縁よりも内側に位置している。また、出力ギア18の全体は、上下方向において、ケース35と重なっている。
【0070】
図8A,8B,8C,8Dに示すように、第1ガイド32D及び第2ガイド33Cは、第1ロール11を構成する被印刷テープ11Aを第3ケース部43から第1ケース部41に送る通路を構成している。
【0071】
具体的には、
図8Aに示すように、第1ロール11から引き出された被印刷テープ11Aは、螺旋を描くように第2ガイド33Cに第1ロール11の径方向外側から当接しながら、第3ケース部43内で下後方に向かって搬送される。被印刷テープ11Aは、さらに
図8Bに示すように、第2ケース部42を上下方向に跨ぎつつ、左下方に向かって搬送される。
【0072】
第2ケース部42を通過して第1ケース部41に到達した被印刷テープ11Aは、
図8Cに示すように、第1ガイド32Dに径方向外側から当接しながら下前方に向かって搬送される。第1ケース部41を通過して印刷用カセット10の下端部に到達した被印刷テープ11Aは、
図8Dに示すように、ヘッド開口32Bを通過して排出口32Cから排出される。
【0073】
<印刷装置本体>
印刷装置本体100は、
図1Bに示すように、カセット挿入部101と、印刷ヘッド102と、プラテンローラ103と、プラテンギア104と、駆動シャフト105とを備える。
【0074】
(カセット挿入部)
カセット挿入部101は、印刷用カセット10が装着される凹部である。カセット挿入部101は、印刷用カセット10の位置決め機能を有する。
【0075】
(印刷ヘッド)
印刷ヘッド102は、印刷用カセット10が保持する被印刷テープに印刷するための装置である。
【0076】
印刷ヘッド102は、カセット挿入部101の内部に配置されている。印刷ヘッド102は、印刷用カセット10が印刷装置本体100に装着された状態で、ヘッド開口32B
において、被印刷テープ及びインクリボンと前後方向に重なる位置に配置される。
【0077】
印刷ヘッド102は、個別に発熱が制御される複数の発熱素子を有する。後述するプラテンローラ103によってヘッド開口32Bに搬送された被印刷テープは、インクリボンを介して発熱素子が発熱した印刷ヘッド102に押し付けられる。これにより、インクリボンの表面に配置されたインクの一部が被印刷テープに転写され、被印刷テープに文字、記号等が印刷される。
【0078】
(プラテンローラ)
プラテンローラ103は、被印刷テープを印刷用カセット10内から外部に向けて搬送するためのローラである。プラテンローラ103の回転軸心は、上下方向と平行である。
【0079】
プラテンローラ103は、カセット挿入部101の内部において、印刷ヘッド102の近傍に配置されている。プラテンローラ103は、ヘッド開口32Bにおいて被印刷テープに当接し、被印刷テープを印刷ヘッド102に押し当てる。
【0080】
(プラテンギア)
プラテンギア104は、プラテンローラ103に駆動連結され、出力ギア18と係合する駆動力伝達部である。本実施形態では、プラテンギア104の回転軸心は、プラテンローラ103の回転軸心と同一線上に配置されている。
【0081】
プラテンローラ103及びプラテンギア104は、
図9に示す印刷用カセット10と離間した位置と、
図10に示すプラテンギア104が出力ギア18に係合した位置との間で揺動可能である。
【0082】
(駆動シャフト)
駆動シャフト105は、入力スプール16に挿入されると共に入力ギア19に係合し、入力スプール16と入力ギア19とを回転させるためのシャフトである。
【0083】
駆動シャフト105は、カセット挿入部101の内部に配置されている。駆動シャフト105の回転軸心は、上下方向と平行である。駆動シャフト105は、図示しない駆動源(例えばモータ)によって回転軸心を中心に回転する。
【0084】
図10に示すように、印刷用カセット10が印刷装置本体100に装着された状態で、駆動シャフト105が入力ギア19に係合すると共にプラテンギア104が出力ギア18に係合する。具体的には、駆動シャフト105を印刷用カセット10の入力スプール16及び入力ギア19に挿入し、プラテンローラ103及びプラテンギア104を印刷用カセット10のヘッド開口32Bに向けて揺動させることで、印刷用カセット10が印刷装置本体100に装着される。
【0085】
印刷用カセット10が装着された状態で駆動シャフト105により入力ギア19が回転されることで出力ギア18が回転され、出力ギア18の回転によりプラテンギア104が回転し、プラテンギア104の回転によりプラテンローラ103が回転する。
【0086】
[1-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)第1ケース部41と第3ケース部43とで挟まれた第2ケース部42に出力ギア18が配置される。そのため、印刷用カセット10が落下し出力ギア18の回転軸心の軸方向と垂直な面が床面等に衝突した際に、出力ギア18が第1ケース部41と第3ケース部43とで保護され、出力ギア18の損傷が抑制される。
【0087】
(1b)突出部32Eと対向部32Fとが第3面32Jで連結されているため、突出部32Eの強度が高められる。その結果、印刷用カセット10の落下時の突出部32Eの破損が抑制される。
【0088】
(1c)第3ケース部43の体積及び総重量が第1ケース部41の体積及び総重量よりも大きいため、印刷用カセット10の落下時に第3ケース部43が下側となって床面等に衝突しやすい。そのため、第1ケース部41に設けられたヘッド開口32Bに露出する出力ギア18の破損が抑制される。
【0089】
(1d)各ケース部が隔離壁によってそれぞれ仕切られているため、印刷用カセット10の落下時に異なるケース部に配置された部品同士の衝突が抑制できる。そのため、部品の破損が抑制される。
【0090】
(1e)第1規制部32L、第2規制部33M及び第3規制部34Aによって、第1供給スプール12に巻回された被印刷テープを第3ケース部43から第1ケース部41に円滑に送ることができる。
【0091】
(1f)第2ケース部42において、第1仕切り壁32M及び第2仕切り壁33Gによって、排出口32Cに向けて搬送される被印刷テープが、出力ギア18、入力ギア19及びアイドルギア20と干渉することが抑制される。
【0092】
[2.第2実施形態]
[2-1.構成]
図11A,11Bに示す印刷装置1Aは、印刷用カセット10Aと、印刷装置本体100Aとを備える。
【0093】
<印刷用カセット>
印刷用カセット10Aは、第1実施形態の印刷用カセット10に、
図11に示す第3ロール21と、追加スプール22と、追加ギア23と、ピンチローラ24とを追加すると共に、第1実施形態の入力スプール16、第1蓋部31、第1枠部32、第2枠部33及び第2蓋部34を、第3供給スプール25、第1蓋部36、第1枠部37、第2枠部38及び第2蓋部39に置き換えたものである。
【0094】
第1蓋部36と第1枠部37とは、第1ケース部41Aを構成する。第1枠部37と第2枠部38とは、第2ケース部42Aを構成する。第2枠部38と第2蓋部39とは、第3ケース部43Aを構成する。
【0095】
第3供給スプール25は、スプライン歯16Bを有しない点を除いて、入力スプール16と同じものである。第1蓋部36、第1枠部37、第2枠部38及び第2蓋部39は、それぞれ、第1蓋部31、第1枠部32、第2枠部33及び第2蓋部34を左右方向に延伸させたものである。印刷用カセット10Aのその他の構成は、以下に説明する点を除き、第1実施形態の印刷用カセット10と同じであるため、説明を省略する。
【0096】
第3ロール21は、被印刷テープの保護に用いられるラミネートテープを第3供給スプール25に巻回したものである。ラミネートテープは、印刷ヘッド102によって印刷が行われた被印刷テープに貼り合わされる接着面を有する。
【0097】
追加スプール22は、回転軸心周りに回転可能である。追加スプール22の回転軸心は、第2供給スプール15の回転軸心(つまり上下方向)と平行である。追加スプール22
は、後述する追加ギア23の回転によりインクリボンを巻き取る巻取りスプールである。
【0098】
追加ギア23は、追加スプール22に連結されると共に、アイドルギア20に係合している。追加ギア23は、入力ギア19に入力された駆動力によって回転し、追加スプール22を回転させる。
【0099】
ピンチローラ24は、後述する押圧ローラ106と共に、ラミネートテープを印刷後の被印刷テープに重ねて押し付ける。ピンチローラ24は、ヘッド開口32Bよりも被印刷テープの搬送方向の下流に配置されている。
【0100】
被印刷テープの少なくとも一部(つまり第1ロール11から引き出された部分)、ラミネートテープの少なくとも一部、及びピンチローラ24の少なくとも一部は、上下方向と垂直な方向(つまり前後方向及び左右方向)に並んで第1ケース部41Aに収容されている。
【0101】
また、ピンチローラ24は、少なくとも一部が上下方向と垂直な方向(つまり前後方向及び左右方向)において第2ケース部42Aと重なるように、第2ケース部42Aに支持されている。
【0102】
具体的には、ピンチローラ24の軸部24Aの上端部は、第1枠部37の第1隔離壁32Gに設けられた凹部371に挿入されている。凹部371は、第2ケース部42Aの一部である。
【0103】
<印刷装置本体>
印刷装置本体100Aは、第1実施形態の印刷装置本体100に、
図12に示される押圧ローラ106を追加したものである。印刷装置本体100Aのその他の構成は、以下に説明する点を除き、第1実施形態の印刷装置本体100と同じであるため、説明を省略する。
【0104】
押圧ローラ106は、プラテンローラ103及びプラテンギア104と共に揺動可能に構成されている。つまり、押圧ローラ106は、
図13に示す印刷用カセット10Aと離間した位置と、
図14に示すピンチローラ24と共に被印刷テープ及びラミネートテープを押圧する位置との間で揺動可能である。
【0105】
[2-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(2a)第1実施形態と同様の利点を有したまま、ラミネートテープによって被印刷テープの印刷内容を保護することができる。
【0106】
(2b)ピンチローラ24の一部が上下方向と垂直な方向において第2ケース部42Aと重なることで、ピンチローラ24のケース35への組み付けが容易になる。その結果、印刷用カセット10の生産性が向上する。
【0107】
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0108】
(3a)上記実施形態の印刷装置は、インクリボンを用いて印刷するものに限定されない。印刷装置は、被印刷テープとして帯状の感熱紙を用いて印刷を行ってもよい。また、印刷用カセットは、必ずしもインクリボンのロールと第2供給スプールとを有しなくても
よい。
【0109】
例えば、
図15に示す印刷用カセット10Bは、第1実施形態の印刷用カセット10において、第1ロール11を感熱紙のロール51に置き換えると共に、第2ロール14をラミネートテープの第3ロール52に置き換えたものである。
【0110】
印刷用カセット10Bでは、第3ロール52は、第2実施形態の第3供給スプール25に巻回されている。また、印刷用カセット10Bは、第2実施形態のピンチローラ24を備える一方で、第2供給スプール15は備えない。
【0111】
(3b)上記実施形態の印刷用カセットにおいて、第1ケース部、第2ケース部及び第3ケース部の体積、総重量及び上下方向の長さの大小関係は、上述のものに限定されない。また、第1ケース部、第2ケース部及び第3ケース部は、上述した第1蓋部、第1枠部、第2枠部、及び第2蓋部以外のパーツで構成されてもよい。
【0112】
(3c)第2実施形態の印刷用カセットにおいて、ラミネートテープが追加スプールに巻回されてもよい。
【0113】
例えば、
図16に示す印刷用カセット10Cは、第2実施形態の印刷用カセット10Aにおいて、追加スプール22にラミネートテープの第3ロール21を巻回したものである。印刷用カセット10Cは、第2実施形態の第3供給スプール25に代えて、第1実施形態の入力スプール16を備える。入力スプール16は、インクリボンの巻取スプールとして使用される。
【0114】
(3d)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0115】
1…印刷装置、10…印刷用カセット、11…第1ロール、12…第1供給スプール、
14…第2ロール、15…第2供給スプール、16…入力スプール、18…出力ギア、
19…入力ギア、20…アイドルギア、21…第3ロール、22…追加スプール、
23…追加ギア、24…ピンチローラ、25…第3供給スプール、31…第1蓋部、
32…第1枠部、32B…ヘッド開口、32C…排出口、32E…突出部、
32F…対向部、32G…第1隔離壁、32L…第1規制部、32M…第1仕切り壁、
33…第2枠部、33G…第2仕切り壁、33H…第2隔離壁、33M…第2規制部、
34…第2蓋部、34A…第3規制部、35…ケース、41…第1ケース部、
42…第2ケース部、43…第3ケース部、100…印刷装置本体、
102…印刷ヘッド、103…プラテンローラ、104…プラテンギア。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ケース部と第2ケース部とを第3ケース部とを有するケースと、
前記第3ケース部に少なくとも一部が収容される第1テープと、
一部が前記第2ケース部に収容され、他の部分が前記ケースの外に位置するギアと、
を備え、
前記第1ケース部、前記第2ケース部、及び前記第3ケース部は、第1方向において、前記第1ケース部、前記第2ケース部、及び前記第3ケース部の順に配置される、印刷用カセット。
【請求項2】
前記第1ケース部は、
ヘッド開口を規定する第1面を有する突出部と、
前記ヘッド開口を規定し、前記第1方向に直交する第2方向において前記第1面と対向する第2面を有する対向部と、
を有し、
前記第2ケース部は、前記ヘッド開口の前記第1方向における端部に配置され、前記突出部と前記対向部とを連結する第3面を有する、請求項1に記載の印刷用カセット。
【請求項3】
前記第3ケース部の内部空間の体積は、前記第1ケース部の内部空間の体積よりも大きい、請求項1又は請求項2に記載の印刷用カセット。
【請求項4】
前記第3ケース部の重量と前記第3ケース部に収容された部品の重量とを合わせた総重量は、前記第1ケース部の重量と前記第1ケース部に収容された部品の重量とを合わせた総重量よりも大きい、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項5】
前記第1ケース部と前記第2ケース部とは第1隔離壁によって仕切られ、
前記第2ケース部と前記第3ケース部とは第2隔離壁によって仕切られる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項6】
第1蓋部と、
前記第1蓋部に前記第1方向に連結された第1枠部と、
前記第1枠部に前記第1方向に連結された第2枠部と、
前記第2枠部に前記第1方向に連結された第2蓋部と、
を備え、
前記第1ケース部は、前記第1蓋部と、前記第1枠部の前記第1方向における第1部位とによって構成され、
前記第2ケース部は、前記第1枠部の前記第1方向における前記第1部位とは反対側の第2部位と、前記第2枠部の前記第1方向における第3部位とによって構成され、
前記第3ケース部は、前記第2枠部の前記第1方向における前記第3部位とは反対側の第4部位と、前記第2蓋部とによって構成される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項7】
前記第2枠部の前記第1方向における長さは、前記第1枠部の前記第1方向における長さよりも大きい、請求項6に記載の印刷用カセット。
【請求項8】
前記ギアは、前記第1枠部と前記第2枠部とを連結する複数の爪の間に配置される、請求項6又は請求項7に記載の印刷用カセット。
【請求項9】
前記第1ケース部の前記第1方向における長さ及び前記第3ケース部の前記第1方向における長さは、それぞれ、前記第2ケース部の前記第1方向における長さよりも大きい、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項10】
前記第1ケース部の前記第1方向における長さは、前記第3ケース部の前記第1方向における長さ以上である、請求項9に記載の印刷用カセット。
【請求項11】
第2テープと、
前記第1テープに前記第2テープを重ねるローラと、
をさらに備え、
前記第1テープの少なくとも一部、前記第2テープの少なくとも一部、及び前記ローラの少なくとも一部は、前記第1方向と直交する方向に並んで前記第1ケース部に収容され、
前記ローラは、少なくとも一部が前記第1方向と直交する方向において前記第2ケース部と重なるように、前記第2ケース部に支持される、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項12】
前記第1テープの幅方向の移動を規制する第1規制部をさらに備え、
前記第1ケース部には、前記第1テープが排出される排出口が設けられ、
前記第1規制部は、前記第1テープの幅方向における前記排出口の両端の間に配置される、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項13】
前記第1テープのロールと、
前記第1テープの幅方向の移動を規制する第2規制部と、
をさらに備え、
前記ロールは、前記第3ケース部に収容され、
前記第2規制部は、前記第1テープの幅方向における前記ロールの両端の間に配置される、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項14】
前記第1テープのロールをさらに備え、
前記第1ケース部には、前記第1テープが排出される排出口が設けられ、
前記ロールは、前記第3ケース部に収容され、
前記ロールから引き出された前記第1テープは、前記第2ケース部と前記第1ケース部とを通過して前記排出口から排出される、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項15】
前記第2ケース部は、前記ギアが配置される空間と、前記第1テープが通過する空間とを仕切る仕切り壁を有する、請求項14に記載の印刷用カセット。
【請求項16】
インクリボンをさらに備え、
前記インクリボンの少なくとも一部は、前記第1ケース部に収容され、
前記第1ケース部は、前記第1テープがヘッド開口に排出される開口用出口を有し、
前記インクリボンは、前記開口用出口から排出された前記第1テープと重ね合わされる、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の印刷用カセット。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の印刷用カセットと、
前記印刷用カセットが装着される印刷装置本体と、
を備え、
前記印刷装置本体は、前記ギアに係合する駆動力伝達部を有する、印刷装置。