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特開2024-150471フレックス構造を備えたアイアンタイプのゴルフクラブヘッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150471
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】フレックス構造を備えたアイアンタイプのゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20241016BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20241016BHJP
【FI】
A63B53/04 E
A63B102:32
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024104077
(22)【出願日】2024-06-27
(62)【分割の表示】P 2021519751の分割
【原出願日】2019-10-11
(31)【優先権主張番号】62/745,176
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/821,962
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジェイ. モラレス
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー エス. ポープ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ジェイ. ナトール
(57)【要約】      (修正有)
【課題】クラブヘッドの耐久性を改善しながらフェース要素のしなりを増大させる。
【解決手段】クラブヘッド100は、ゴルフボールを打撃するためのフェース要素120を備える。フェース要素は、フレックス構造156と一体的に形成される。フレックス構造は、ゴルフボールとの衝撃の際にフェース要素を支持するためにばねのように機能する湾曲プロファイル(たとえばS字形状または正弦曲線)を備える。フェース補強構造は、フェース要素の中心周りに支持を提供する環状リブ174を備える。可変のフェース厚さは、厚くされた領域および薄くされた領域を含んで、さらなるフェース要素のしなりを増大させ、または支持する。フレックス構造、フェース補強構造、およびフェース厚さの変更、を組み合わせることで、クラブヘッドの耐久性を向上させながらフェース要素のしなりを増大させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップレールと、
前記トップレールの反対側に位置するソールと、
トゥエンドと、
前記トゥエンドの反対側に位置するヒールエンドと、
前記ソールに連結されるとともに前記トップレールに向かって延びる後部と、
打撃面と、前記打撃面の反対側に位置する後壁と、を備えるフェース要素と、
前記フェース要素と一体的に形成された補強構造と、
前記フェース要素および前記後部と一体的に形成されたフレックス構造と、
を備え、
前記フェース要素は、フェース中心を画定し、
前記補強構造は、前記後壁から離間するように延びるとともに前記フェース中心の周りを延びる円形の環状リブを備え、
前記フレックス構造は、前記フェース補強構造と一体的に形成された第1の端部と、前記後部と一体的に形成された第2の端部と、を備える、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記クラブヘッドは、さらに、前記後壁、前記後部、前記トゥエンド、および前記ヒールエンドを一体に連結するとともに前記ソールの反対側に位置する底壁を備え、
前記後壁、前記後部、前記トゥエンド、前記ヒールエンド、および前記底壁は、一体となってチャネルを形成し、
前記フレックス構造は、前記チャネルと接触しないように前記チャネル内を延びる、
請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記フレックス構造は、湾曲形状を備え、
前記フレックス構造は、前記フレックス構造の最も下の部分を画定する最下点と、前記フレックス構造の最も上の部分を画定する頂点と、を備える、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース中心の後方において、前記トゥエンドおよび前記ヒールエンドに向かって延びる中央平面を画定し、
前記中央平面の前記最下点および前記頂点は、前記中央平面の下方に位置する、請求項3に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記フェース補強構造は、
前記フェース補強構造内に位置するとともに前記後壁に垂直に延びる内周面と、
前記フェース要素の最大厚さを有する部位に位置するとともに前記内周面に隣接する外周面と、
を備える、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記内周面は、0.609センチメートル以上、かつ、1.88センチメートル以下であるリブスパンを画定する、請求項5に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記フェース要素の厚さは、変更可能であり、
前記厚さは、
前記フェース中心から前記後壁まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第1の厚さと、
前記打撃面から前記フェース補強構造の前記外周面まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第2の厚さと、
前記打撃面から前記補強要素を有さない前記後壁まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第3の厚さと、
前記打撃面から前記フェースの外辺部に位置する前記後壁まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第4の厚さと、を有し、
前記第1の厚さは、前記フェース要素の最小厚さであり、
前記第2の厚さは、前記フェース要素の最大厚さである、請求項5に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
トップレールと、
前記トップレールの反対側に位置するソールと、
トゥエンドと、
前記トゥエンドの反対側に位置するヒールエンドと、
前記ソールの反対側に位置する底壁と、
前記ソールに連結されるとともに前記トップレールに向かって延びる後部と、
打撃面と、前記打撃面の反対側に位置する後壁と、を備えるフェース要素と、
前記フェース要素と一体的に形成された補強構造と、
前記フェース要素および前記後部と一体的に形成されたフレックス構造と、
を備え、
前記フェース要素は、フェース中心を画定し、
前記補強構造は、前記後壁から離れて前記フェース中心の周りを延びる円形の環状リブを備え、
前記フレックス構造は、前記フェース補強構造と一体的に形成された第1の端部と、前記後部と一体的に形成された第2の端部と、を備え、
前記後壁、前記後部、前記トゥエンド、前記ヒールエンド、および前記底壁は一体となってチャネルを形成し、
前記フレックス構造は、前記チャネルと接触しないように前記チャネルを横切って延びる、ゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記フレックス構造は、湾曲形状を備え、
前記フレックス構造は、前記フレックス構造の最も下の部分を画定する最下点と、前記フレックス構造の最も上の部分を画定する頂点と、を備える、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース中心の後方において、前記トゥエンドおよび前記ヒールエンドに向かって延びる中央平面を画定し、
前記フレックス構造の前記最下点および前記頂点は、前記中央平面の下方に位置する、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース中心の後方において、前記トゥエンドおよび前記ヒールエンドに向かって延びる中央平面を画定し、
前記最下点は、前記中央平面の下方に位置し、
前記頂点は、前記中央平面の上方に位置する、請求項9に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記フェース補強構造は、
前記フェース補強構造内に位置するとともに前記後壁に垂直に延びる内周面と、
前記フェース要素の最大厚さを有する部位に位置するとともに前記内周面に隣接する外周面と、を備える、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記内周面は、0.609センチメートル以上、かつ、1.88センチメートル以下であるリブスパンを画定する、請求項12に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記フェース要素の厚さは、変更可能であり、
前記厚さは、
前記フェース中心から前記後壁まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第1の厚さと、
前記打撃面から前記フェース補強構造の外周面まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第2の厚さと、
前記打撃面から前記補強要素を有さない前記後壁まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第3の厚さと、
前記打撃面から前記フェースの外辺部に位置する前記後壁まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第4の厚さと、を有し、
前記第1の厚さは、前記フェース要素の最小厚さであり、
前記第2の厚さは、前記フェース要素の最大厚さである、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
トップレールと、
前記トップレールの反対側に位置するソールと、
トゥエンドと、
前記トゥエンドの反対側に位置するヒールエンドと、
前記ソールの反対側に位置する底壁と、
前記ソールに連結されるとともに前記トップレールに向かって延びる後部と、
打撃面と、前記打撃面の反対側に位置する後壁と、を備えるフェース要素と、
前記フェース要素と一体的に形成された補強構造と、
前記フェース要素および前記後部と一体的に形成されたフレックス構造と、
を備え、
前記フェース要素は、フェース中心を画定し、
前記補強構造は、前記後壁から離れて前記フェース中心の周りを延びる円形の環状リブを備え、
前記フレックス構造は、前記フェース補強構造と一体的に形成された第1の端部と、前記後部と一体的に形成された第2の端部と、を備え、
前記フレックス構造は、正弦曲線形状を備える、ゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記フレックス構造は、前記フレックス構造の最も下の部分を画定する最下点と、前記フレックス構造の最も上の部分を画定する頂点と、を備える、請求項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記フレックス構造は、前記最下点における第1の曲率半径と、前記頂点における第2の曲率半径と、を画定し、
前記第1の曲率半径は、前記第2の曲率半径と等しい、請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記フレックス構造は、前記最下点における第1の曲率半径と、前記頂点における第2の曲率半径と、を画定し、
前記第1の曲率半径は、前記第2の曲率半径と異なる、請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース中心の後方において、前記トゥエンドおよび前記ヒールエンドに向かって延びる中央平面を画定し、
前記フレックス構造の前記最下点および前記頂点は、前記中央平面の下方に位置する、請求項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース中心の後方において、前記トゥエンドおよび前記ヒールエンドに向かって延びる中央平面を画定し、
前記最下点は、前記中央平面の下方に位置し、
前記頂点は、前記中央平面の上方に位置する、請求項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本件は、2019年3月21日出願の米国仮特許出願第62/821,962号および2018年10月12日出願の米国仮特許出願第62/745,176号の便益を主張するものであり、上記で説明したすべての開示の内容は、参照によって全体的に本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、フェース要素を補強する構造を備えたアイアンタイプのクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
ゴルフクラブのさまざまな特徴は、ゴルフクラブのパフォーマンスに影響を与え得る。たとえば、ゴルフクラブのクラブヘッドの重力中心、慣性モーメントおよび反発係数は、それぞれ、パフォーマンスに影響を与え得るゴルフクラブの特徴である。
【0004】
ゴルフクラブのクラブヘッドの重力中心および慣性モーメントは、クラブヘッドの質量の分布の関数である。特に、クラブヘッドの質量をクラブヘッドのソールに近づけるように、クラブヘッドのフェースから遠ざけるように、および/またはクラブヘッドのトゥおよびヒールエンドに近づけるように分布させると、クラブヘッドの重力中心および/または慣性モーメントを変化させることができる。たとえば、クラブヘッドの質量をクラブヘッドのソールに近づけるように、および/またはクラブヘッドのフェースから遠ざけるように分布させると、クラブヘッドによるゴルフボールの打撃によるフライト角度を増大させることができる。その一方で、ゴルフボールのフライト角度を増大させると、ゴルフボールが進行する距離を増大させることができる。さらに、クラブヘッドの質量をクラブヘッドのトゥエンドおよび/またはヒールエンドに近づけるように分布させると、クラブヘッドの慣性モーメントに影響を与えることができ、それによってゴルフクラブの許容性を増大させることができる。
【0005】
さらに、ゴルフクラブのクラブヘッドの反発係数は、クラブヘッドのフェースの少なくとも柔軟性の関数となり得る。その一方で、クラブヘッドのフェースの柔軟性は、フェースの幾何形状(たとえば、高さ、幅、および/または厚さ)および/またはフェースの材料特性(たとえばヤング係数)の関数となり得る。すなわち、フェースの高さおよび/または幅を最大化する、ならびに/あるいはフェースの厚さおよび/またはヤング係数を最小化することで、フェースの柔軟性を増大させることができる。その結果、クラブヘッドの反発係数を増大させることができる。また、本質的にはクラブヘッドからゴルフボールへのエネルギー伝達の効率性の尺度である、ゴルフクラブのクラブヘッドの反発係数を増大させると、衝撃後にゴルフボールが進行する距離を増大させ、ゴルフボールのスピン量を減少させ、および/またはゴルフボールのボール速度を増大させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、クラブヘッドのフェースを薄くすることで、質量を、フェースからクラブヘッドの他の部分に再分配することを可能にし、フェースをより柔軟にすることができるが、クラブヘッドのフェースを薄くした結果、フェース内のしなりが大きくなり、フェースが座屈および破損するおそれがある。したがって、当技術分野では、フェースの耐久性を維持または改善しつつ、フェースのしなりを増大させるクラブヘッドが必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態によるアイアンタイプのクラブヘッドの前面斜視図である。
図2図1のアイアンタイプのクラブヘッドの背面図である。
図3図2の線3-3において切り取られた、図1のアイアンタイプのクラブヘッドの側部断面図である。
図4図2の線3-3において切り取られた、図1のアイアンタイプのクラブヘッドの側部断面図である。
図5図1のアイアンタイプのクラブヘッドの背面斜視図である。
図6図1のアイアンタイプのクラブヘッドの上面図である。
図7図1のアイアンタイプのクラブヘッドのフレックス構造の断面図である。
図8】実施形態によるフレックス構造の断面図である。
図9】実施形態によるフレックス構造の断面図である。
図10】別の実施形態によるアイアンタイプのクラブヘッドの背面図である。
図11図10の線11-11において切り取られた、図10のアイアンタイプのクラブヘッドの断面図である。
図12】別の実施形態によるアイアンタイプのクラブヘッドの背面斜視図である。
図13】別の実施形態によるアイアンタイプのクラブヘッドの背面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
例示を簡単に明確にするために、図は、構成の概略的な態様を示し、良く知られている特徴および技術の説明および詳細は、本開示を不必要に曖昧にすることを回避するために省略される場合がある。さらに、図内の要素は、必ずしも原寸と対応させて描かれたものではない。たとえば、本開示の実施形態の理解の向上を助けるために、図内の要素のいくつかの寸法は他の要素に対して誇張される場合がある。異なる図内の同じ参照記号は、同じ要素を示す。
【0009】
以下に論じる本実施形態は、フェース要素を支持する構造を有するアイアンタイプのクラブヘッドに関する。クラブヘッドは、ゴルフボールを打撃するためのフェース要素を備える。フェース要素は、フレックス構造と一体的に形成される。フレックス構造は、ばねのように曲がるか、または撓む湾曲プロファイル(たとえばS字形状または正弦曲線)を備え、ゴルフボールとの衝撃の際、フェース要素を支持する。フェース要素が曲がるときに生じる応力に耐えるために、クラブヘッドは、フェース補強構造と、様々なフェース要素厚さと、をさらに備える。フェース補強構造は、フェース要素およびフレックス構造と一体的に形成されて、フェース要素を支持する。フェース補強構造は、フェース要素の幾何中心の近くを支持する環状リブを備える。フェース補強構造によって、フェース要素の厚さを、意図的に部分的に変更することができる。1つの例では、フェース要素の厚みは、フェース補強構造内の幾何中心において薄くされ、幾何中心周辺においては厚くされ、クラブヘッドのヒールエンドまたはトゥエンドの近くのフェース補強構造の外側においては厚くされる。フレックス構造、フェース補強構造、およびフェース要素の厚さ変更の組み合わせにより、フェース要素のしなりを増大させ、ボール速度を増大させることができる。さらに、これにより、ゴルフボールとの衝撃の際、大きな応力をフェース要素から離してフェース補強構造内に移動させることができる。大きな応力をフェース補強構造内に移動させることにより、クラブヘッドの耐久性を向上させる。さらに、フレックス構造、フェース補強構造、およびフェース要素の厚さ変更を有するアイアンタイプのクラブヘッドは、フレックス構造および/またはフェース補強構造を有さない構成のフェース要素と比較して、フェース要素全体をより薄くすることができる。フレックス構造、フェース補強構造、およびフェース要素の厚さ変更の組み合わせを有するクラブヘッドは、フレックス構造、フェース補強構造、およびフェース要素の厚さ変更を有さないクラブヘッドと比較して、内部エネルギーを3.7lbf・in増大させることができる。3.7lbf・inの内部エネルギーの増大は、およそ0.5mphのボール速度の増大およびおよそ4から7ヤードの距離の増大に等しい。
【0010】
本説明および特許請求の範囲における用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などは、存在する場合、類似の要素間を区別するために使用され、必ずしも特定の順序または時系列を説明するためではない。そのように使用する用語は、本明細書において説明する実施形態が、たとえば、本明細書において図示するか、または別の形で説明するもの以外の順序で動作することができるように、適切な状況下で交換可能であることを理解されたい。さらに、用語「含む」および「有する」およびそれらの任意の活用形は、非排他的包含をカバーすることを意図し、それにより、要素の一覧を含むプロセス、方法、システム、物、デバイス、または装置は、必ずしもこれらの要素に限定されず、明示的にリストされないか、またはそのようなプロセス、方法、システム、物、デバイス、または装置固有の他の要素を含むことができる。
【0011】
本説明および特許請求の範囲内の用語「左」、「右」、「前部」、「後部」、「上部」、「底部」、「上」、「下」は、存在する場合、説明的目的に使用され、必ずしも永久的な相対位置を説明するためではない。そのように使用する用語は、本明細書において説明する装置、方法、および製造物の実施形態が、たとえば、本明細書において図示するか、または別の形で説明するもの以外の向きで動作できるように、適切な状況下で交換可能であることを理解されたい。
【0012】
本明細書において説明するゴルフクラブの用語「ロフト」または「ロフト角度」は、任意の適切なロフトアンドライ角測定器によって測定される、クラブフェースとシャフトとの間に形成される角度を指す。
【0013】
ゴルフクラブヘッドの実施形態が本明細書において説明され、ゴルフクラブヘッドは、アイアンタイプのクラブヘッドを備えることができる。より詳細には、アイアンタイプのクラブヘッドは、マッスルバックのアイアンタイプのクラブヘッド、キャビティバックのアイアンタイプのクラブヘッド、ブレードタイプのアイアンタイプのクラブヘッド、中空本体のアイアンタイプのクラブヘッド、キャビティマッスルバックのアイアンタイプのクラブヘッド、高MOIのアイアンタイプのクラブヘッド、または任意の他のタイプのアイアンタイプのクラブヘッドであることができる。アイアンタイプのクラブヘッドは、ロフト角を含む。ロフト角は、クラブフェースとシャフトとの間に形成される角度を指す。より詳細には、ロフト角は、ホーゼル/シャフト中心軸から延びる垂直平面からクラブフェースまで測定される。ロフト角は、垂直平面からアイアンタイプのクラブヘッドのクラブフェースに向かって後方に測定される。
【0014】
例えば、いくつかの実施形態では、アイアンタイプのクラブヘッドは、約60度未満のロフト角を有することができる。アイアンタイプのクラブヘッドは、約59度未満、約58度未満、約57度未満、約56度未満、約55度未満、約54度未満、約53度未満、約52度未満、約51度未満、約50度未満、約49度未満、約48度未満、約47度未満、約46度未満、約45度未満、約44度未満、約43度未満、約42度未満、約41度未満、約40度未満、約39度未満、約38度未満、約37度未満、約36度未満、約35度未満、約34度未満、約33度未満、約32度未満、約31度未満、約30度未満、約29度未満、約28度未満、約27度未満、約26度未満、約25度未満、約24度未満、約23度未満、約22度未満、約21度未満、約20度未満、約19度未満、約18度未満のロフト角を有することができる。
【0015】
さらに、いくつかの実施形態では、アイアンタイプのクラブヘッドのロフト角は、約17度以上、約18度以上、約19度以上、約20度以上、約21度以上、約22度以上、約23度以上、約24度以上、約25度以上、約26度以上、約27度以上、約28度以上、約29度以上、約30度以上、約31度以上、約32度以上、約33度以上、約34度以上、約35度以上、約36度以上、約37度以上、約38度以上、約39度以上、約40度以上、約41度以上、約42度以上、約43度以上、約44度以上、約45度以上、約46度以上、約47度以上、約48度以上、約49度以上、約50度以上、約51度以上、約52度以上、約53度以上、約54度以上、約55度以上、約56度以上、約57度以上、約58度以上、約59度以上、約60度以上、である。
【0016】
さらに、いくつかの実施形態では、アイアンタイプのクラブヘッドのロフト角は、60度、59度、58度、57度、56度、55度、54度、53度、52度、51度、50度、49度、48度、47度、46度、45度、44度、43度、42度、41度、40度、39度、38度、37度、36度、35度、34度、33度、32度、31度、30度、29度、28度、27度、26度、25度、24度、23度、22度、21度、20度、19度、18度、または17度であってもよい。
【0017】
さらに、いくつかの実施形態では、アイアンタイプのクラブヘッドのロフト角は、17度~60度の間で設定してもよい。別の実施形態では、アイアンタイプのクラブヘッドのロフト角は、17度~60度の間で設定してもよい。別の実施形態では、アイアンタイプのクラブヘッドのロフト角は、17度~40度、または40度~60度の間で設定してもよい。別の実施形態では、アイアンタイプのクラブヘッドのロフト角は、17度~35度、25度~40度、30度~45度、35度~50度、40度~55度、45度~60度の間で設定してもよい。別の実施形態では、アイアンタイプのクラブヘッドのロフト角は、17度~30度、30度~40度、40度~50度、50度~60度の間で設定してもよい。
【0018】
以下の詳細な説明および添付の図を考慮することにより、他の特徴および態様が明らかになる。本開示の実施形態を詳細に説明する前に、本開示が、その適用において、以下の説明に記載するか、または図に示す詳細または実施形態および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態を支援することができ、さまざまな方法で実践または実施することができる。特有の実施形態の説明は、本開示が、本開示の趣旨および範囲内に入るすべての改変形態、等価物、および代替策をカバーすることを制限することを意図しないことを理解されたい。また、本明細書において使用する表現および用語は、説明のためであり、限定的としてみなされてはならないことを理解されたい。
【0019】
(フレックス構造を備えたアイアンタイプのクラブヘッド)
本技術は、概して、クラブヘッドの耐久性を向上させつつフェース要素のしなりを増大させるアイアンタイプのクラブヘッドに関する。これらの利点は、フレックス構造、フェース補強構造、およびフェース要素厚さ変更を含む一体型本体を有するクラブヘッドによって達成され得る。フレックス構造は、フェース補強構造およびクラブヘッドの後部と一体的に形成される。フレックス構造は、フェース要素と後部との間を延びる湾曲形状(たとえばS字形状または正弦曲線)を備える。フレックス構造は、フェース補強構造および後部における連結部を除いてクラブヘッドと接続しない。これにより、クラブヘッドの構造を妨げることなく、フレックス構造が、自由に曲がることができる。フレックス構造がフェース要素に支持を提供することで、フェース要素は、フレックス構造および/またはフェース補強構造を有さないフェース要素と比較して、全体の厚みを、より薄くなることができる。
【0020】
フェース補強構造は、フェース要素と一体的に形成された閉じた環状リブを含む。フェース補強構造は、フェース要素の幾何中心周りを延びる。フェース補強要素は、フェース要素の厚さを局所的に変化させる。これにより、フェース補強要素は、フェース要素の幾何中心周りの場所において、フェース要素をより堅く、またはより高剛性にする。フェース補強構造は、フェース要素とフェース補強構造との間の円滑な移行をもたらす、フィレットをさらに含む。閉じた環状リブおよびフィレットは、大きな応力をフェース要素から離してフェース補強構造内に伝達する。これにより、閉じた環状リブおよびフィレットは、フェース要素およびクラブヘッドの耐久性を向上させる。
【0021】
フェース要素の厚さは、意図的に部分的に変更され、厚くされた領域と薄くされた領域と、を含む。厚くされた領域は、フェース要素に支持を提供し、その一方で薄くされた領域は、フェース要素のしなりを増大させる。1つの例では、フェース要素は、幾何中心において最小の厚さを備え、フェース補強構造に沿って最大の厚さを含むことができる。フェース要素は、フェース補強構造から離れたクラブヘッドのトゥエンドおよびヒールエンド近傍の1つまたは複数の厚さ領域をさらに含むことができる。1つまたは複数の厚さ領域は、クラブヘッドのヒールおよびトゥ領域近くでゴルフボールとの衝撃に対するさらなる支持を提供する。1つのクラブヘッド本体内に一体的に形成されたフレックス構造、フェース補強構造、およびフェース要素の厚さ変更により、クラブヘッドの耐久性を向上させつつフェース要素のしなりおよびボール速度が増大することができる。フレックス構造、フェース補強構造、およびフェース要素の厚さ変更、の組み合わせを有するクラブヘッドは、フレックス構造、フェース補強構造、およびフェース要素の厚さ変更、を有さないクラブヘッドと比較して、内部エネルギーを3.7lbf・in増大させることができる。3.7lbf・inの内部エネルギーの増大は、およそ0.5mphのボール速度の増大およびおよそ4から7ヤードの距離の増大に等しい。本発明の利点を実証する本開示の技術およびパフォーマンス例の第1の実施形態を以下で説明する。
【0022】
同じ参照記号を使用することで様々な図における同様または同一の構成要素を識別する図を参照して、図1~6には、本発明の設計の第1の実施形態が概略的に示される。詳細には、図1は、アイアンタイプのクラブヘッド100の前面斜視図を示す。クラブヘッド100は、トップレール104と、トップレール104の反対側のソール108と、トゥエンド112と、トゥエンド112の反対側のヒールエンド116と、を含む。
【0023】
図1および2に示すように、クラブヘッド100は、フェース要素120を含む。フェース要素120は、クラブヘッド100のトップレール102、ソール108、トゥエンド112およびヒールエンド116と一体的に形成される。フェース要素120は、ゴルフボールに衝撃を与えるための打撃面124と、打撃面124の反対側の後壁128と、を含む。打撃面124は、打撃面124の幾何中心または中点に位置するフェース中心132をさらに画定する。フェース要素120は、トップレール104、ヒールエンド116、ソール108、およびトゥエンド112の近傍において、フェース要素120の周りを全体的に延びる外辺部136をさらに画定する。
【0024】
図1~3を参照すれば、打撃面124のフェース中心132は、x軸700、y軸800、およびz軸900を有する座標系の原点を画定する。クラブヘッド100は、クラブヘッド100がアドレス位置に状態でソール108と接するグランド平面1000をさらに画定する。x軸700は、フェース中心132を通り、ヒールエンド116の近傍からトゥエンド112の近傍までグランド平面1000に平行な方向に延びる。y軸800は、フェース中心132を通り、上端104の近傍から底端108まで延び、この場合、y軸800は、x軸700およびグランド平面1000に垂直である。z軸900は、フェース中心132を通り、フェース要素120の後方にグランド平面1000に平行な方向に延びる。z軸900は、x軸700およびy軸800に垂直である。
【0025】
図3を参照すれば、クラブヘッド100は、ロフト平面2000を画定し、ロフト平面は、打撃面124と接しており、トップレール104、ソール108、トゥエンド112、およびヒールエンド116に向かって延びる。ロフト平面2000は、y軸800に対して鋭角で配置され、この鋭角は、クラブヘッド100のロフト角に対応し得る。クラブヘッド100は、フェース中心132を通り、ロフト平面2000に垂直な中央平面3000をさらに画定する。中央平面3000は、z軸900に対して鋭角に配置される。中央平面3000は、トゥエンド112の近傍からヒールエンド116の近傍まで延び、フェース要素120またはロフト平面2000の後方に延びる。中央平面3000は、フェース要素120から後方に離間した点で、グランド平面1000と交差する。
【0026】
図2および3を参照すれば、クラブヘッドは、後部140を含む。後部140は、ソール108と一体的に形成され、トップレール104に向かって延びる。後部140は、ソール108から後部140のトップ面144まで延びる。後部140は、クラブヘッド100のトゥエンド112およびヒールエンド116と一体的に形成される。図2に示すように、後部140は、後壁128の一部分を覆うことができる。後部140は、後壁128の5%~25%を覆うことができる。いくつかの実施形態では、後部140は、後壁128の5%~15%、または15%~25%を覆うことができる。他の実施形態では、後部140は、後壁128の5%~10%、10%~15%、15%~20%、または20%~25%を覆うことができる。たとえば、後部140は、後壁128の5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25%を覆うことができる。
【0027】
クラブヘッド100は、ソール108の反対側に底部内壁148をさらに含むことができる。底壁148は、後壁128、後部140、トゥエンド112、およびヒールエンド116と一体的に形成される。底壁128は、後壁128、後部140、トゥエンド112、およびヒールエンド116を一体に連結する。後壁128、後部140、底壁148、トゥエンド112、およびヒールエンド116は一体となって、チャネル152を形成する。チャネル152は、トゥエンド112からヒールエンド116まで延びる。チャネル152は、フェース要素120の後壁128と後部140との間に空間を画定する。別言すれば、後壁128、後部140、底壁148、トゥエンド112、およびヒールエンド116は、一体となって後側キャビティ152を形成する。後側キャビティ152は、トゥエンド112からヒールエンド116まで延びる。後側キャビティ152は、フェース要素120の後壁128と後部140との間に空間を画定することができる。後側キャビティ152は、完全には閉じられず、クラブヘッド100外側の地点から見ることができる。
【0028】
(フレックス構造)
先に述べたように、クラブヘッド100は、フレックス構造と、フェース補強構造と、を備える。フレックス構造は、フレックス構造156を備えることができ、フェース補強構造は、フェース補強構造174を備えることができる。フレックス構造156は、概して、後壁128と後部140との間を延びる。フレックス構造156は、後壁128および後部140と一体的に形成される。詳細には、フレックス構造156は、フェース補強構造174および後部140と一体的に形成される。フレックス構造156およびフェース補強構造174を含む一体型本体を有するクラブヘッド100は、フェース要素120がゴルフボールとの衝撃の最中に、フェース要素120を支持しながら、フェース要素をよりしならせることができる。フレックス構造156およびフェース補強構造174によって、大きな衝撃応力を、フェース要素120から離してフェース補強構造174内に伝達させることができる。大きな衝撃応力をフェース要素120から離してフェース補強構造174内に伝達させることにより、クラブヘッドの耐久性が改善される。
【0029】
図3~6を参照すれば、フレックス構造156は、第1の端部158および第2の端部160をさらに画定することができる。フレックス構造156の第1の端部158は、フェース補強構造174と一体的に形成される。詳細には、フレックス構造156の第1の端部158は、フェース補強構造174の外周面176と一体的に形成される。フレックス構造156の第2の端部160は、後部140と一体的に形成される。詳細には、フレックス構造156の第2の端部160は、後部140のトップ面144と一体的に形成される。図6に示すように、フレックス構造156の第2の端部160は、後部140に取り付けられるか、または連結される。これにより、クラブヘッド100がアドレス位置にあるとき、プレイヤーは、フレックス構造156を見ることができる。フレックス構造156は、チャネル152を横切って第1の端部158と第2の端部160との間を延びる。フレックス構造156は、チャネル152から離間しないようにチャネル152を横切って延びる。フレックス構造156は、チャネル152と接触しない。別言すれば、フレックス構造156は、底壁148と接触しないように底壁148から離間する。
【0030】
フレックス構造156は、第1の端部158と第2の端部160との間で、放物線状、湾曲状、S字状、二重の湾曲状、二重の曲線状、または正弦曲線状の形状であることができる。いくつかの実施形態では、フレックス構造156は、1つまたは複数の相互連結された放物線を備えることができる。いくつかの実施形態では、フレックス構造156は、1つまたは複数の相互連結された曲線を備えることができる。フレックス構造156の湾曲性質は、頂点162および最下点164を画定することができる。頂点162は、トップレール104に関連してフレックス構造156の最高のまたは最も上の部分を画定する。最下点164は、ソール108に関連してフレックス構造156の最低のまたは最も底の部分を画定する。フレックス構造156は、ソール108に向かう方向にフェース補強構造174から離間するように延びて、最下点164を形成する。フレックス構造156は、次いで、最下点164からトップレール104に向かう方向に、後部140のトップ面144より高く延びて頂点162を形成する。フレックス構造156は、次いで、頂点162からソール108に向かう方向に延びて、後部144と連結する。
【0031】
1つの構成では、頂点162は、後部140のトップ面144の上方に位置することができる。別の構成では、頂点162は、後部140のトップ面144の下方に位置することができる。フレックス構造156の最下点164は、底壁148と接触しないようにチャネル152から離間する。しかし、フレックス構造156の湾曲性質が、2つ以上の頂点162と、2つ以上の最下点164と、を提供することができることが理解されよう。他の実施形態では、フレックス構造156は、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つの最下点を含むことができる。さらに他の実施形態では、フレックス構造156は、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つの頂点を含むことができる。
【0032】
さらに、フレックス構造156の頂点162および最下点164は、クラブヘッド100の構造に関連して、またはクラブヘッド100によって画定された平面に関連して、指示されてもよい。1つの構成では、頂点162と最下点164の両方は、中央平面3000の下方に位置することができる。別の構成では、頂点162は中央平面3000の上方に位置することができ、最下点164は中央平面3000の下方に位置することができる。別の構成では、頂点162と最下点164の両方は、中央平面3000の上方に位置することができる。別の構成では、最下点164は、頂点162より、フェース要素120の近くに位置することができる。別の構成では、頂点162は、最下点164より、フェース要素120の近くに位置することができる。
【0033】
フレックス構造156は、曲率半径をさらに画定することができる。フレックス構造156は、2つ、3つ、4つ、または5つの曲率半径など、2つ以上の曲率半径を画定することができる。この第1の実施形態では、フレックス構造156は、頂点162における曲率半径を画定し、最下点164における曲率半径を画定する。この第1の実施形態では、頂点162における曲率半径および最下点164における曲率半径は、ほぼ等しい。頂点162および最下点164における曲率半径は、0.25~1インチの範囲であることができる。他の実施形態では、頂点162および最下点164における曲率半径は、0.25~0.5インチ、または0.5~1インチの範囲であることができる。さらに他の実施形態では、頂点162および最下点164における曲率半径は、0.25~0.5インチ、0.5~0.75インチ、または0.75~1インチの範囲であることができる。例えば、頂点162および最下点164における曲率半径は、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、または1インチであることができる。しかし、他の実施形態では、頂点162における曲率半径および最下点164における曲率半径は、異なることができる。他の実施形態では、頂点162における曲率半径は、最下点164における曲率半径未満であることができる。さらに他の実施形態では、最下点164における曲率半径は、頂点162における曲率半径より大きくなることができる。
【0034】
フレックス構造156は、さらに、上面168および下面172を画定する。フレックス構造156の上面168は、クラブヘッド100のトップレール104と対向する。フレックス構造の下面172は、クラブヘッド100のソール108と対向する。フレックス構造156は、さらに、上面168と下面172との間で測定される厚さを画定する。フレックス構造156の厚さは、フレックス構造156の上面168またはフレックス構造156の下面172に垂直な方向に測定された、上面168と下面172との間の距離として画定される。いくつかの実施形態では、フレックス構造156の厚さは、第1の端部158と第2の端部160との間で一定であることができる。他の実施形態では、フレックス構造156の一部分は、先細りした厚さを含むことができる。1つの例では、フレックス構造156の第1の端部158は、先細りした厚さを含むことができ、この場合、フレックス構造156の厚さは、フェース補強構造174においてより大きく、次いで、最下点164に向かって減少する。別の例では、フレックス構造156の第2の端部160は、先細りした厚さを含むことができ、この場合、フレックス構造156の厚さは、後部140においてより大きく、次いで、頂点162に向かって減少する。
【0035】
フレックス構造156の厚さは、0.04~0.2インチの範囲であることができる。いくつかの実施形態では、フレックス構造156の厚さは、0.04~0.12インチ、または0.12~0.20インチの範囲であることができる。他の実施形態では、フレックス構造156の厚さは、0.04~0.08インチ、0.08~0.12インチ、0.12~0.16インチ、または0.16~0.20インチの範囲であることができる。例えば、フレックス構造156の厚さは、0.04、0.045、0.05、0.06、0.07、0.075、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、または0.20インチであることができる。1つの例では、フレックス構造156の厚さは、0.075インチであることができる。別の例では、第1の端部158におけるフレックス構造156の厚さは、0.075インチであることができ、次いで、フレックス構造156の最下点164近くで0.045インチの厚さに先細りすることができる。別の例では、第2の端部160におけるフレックス構造156の厚さは、0.075インチであることができ、次いで、フレックス構造156の頂点162近くで0.045インチの厚さに先細りすることができる。
【0036】
フレックス構造156は、幅を画定する。フレックス構造156の幅は、フレックス構造156がトゥエンド112からヒールエンド116方向に延びる距離として画定される。フレックス構造156の幅は、0.1~1インチの範囲であることができる。いくつかの実施形態では、フレックス構造156の幅は、0.1~0.5インチ、または0.5~1インチの範囲であることができる。いくつかの実施形態では、フレックス構造156の幅は、0.1~0.4インチ、0.4~0.7インチ、0.7~1インチの範囲であることができる。例えば、フレックス構造156の幅は、0.1、0.15、0.175、0.18、0.2、0.3、0.35、0.40、0.45、0.50、0.60、0.70、0.80、0.90、または1インチであることができる。1つの例では、フレックス構造156の幅は、0.175インチであることができる。
【0037】
図7を参照すれば、フレックス構造156は、断面形状を備える。フレックス構造156の断面形状は、長方形、三角形、楕円、丸みのあるコーナを備えた長方形、丸みのあるコーナを備えた正方形、または任意の他の適切な形状であることができる。この設計の第1の実施形態では、図7に示すように、フレックス構造156の断面形状は、長方形である。フレックス構造156の長方形断面形状は、寸法Tおよび寸法Wを画定する。寸法Tは、フレックス構造156の厚さを画定し、寸法Wは、フレックス構造156の幅を画定する。1つの例では、寸法Tは0.07インチであることができ、寸法Wは0.18インチであることができる。
【0038】
図8および9は、2つの代替の断面形状構成を示す。図8に示すように、フレックス構造156の断面形状は、楕円であることができる。楕円の断面形状は、主軸に対応する寸法A1および副軸に対応する寸法A2を画定する。寸法A1は、フレックス構造156の幅を画定し、寸法A2は、フレックス構造156の厚さを画定する。1つの例では、寸法A1は0.18インチであることができ、寸法A2は0.08インチであることができる。図9に示すように、フレックス構造156の断面形状は、丸みのあるコーナを備えた長方形であることができる。丸みのあるコーナを備えた長方形形状は、R寸法およびD寸法を画定する。丸みのあるコーナを備えた長方形形状は、長方形および2つの半円を画定する。R寸法は、半円の半径を画定し、D寸法は、2つの半円の中心間の距離を画定する。この実施形態では、フレックス構造156の厚さは、半径R寸法の2倍として画定され、フレックス構造156の幅は、半径R寸法2倍およびD寸法として画定される。1つの例では、半径R寸法は、0.04インチであることができ、D寸法は、0.10インチであることができ、この場合フ、レックス構造156の厚さは0.08インチであり、フレックス構造156の幅は0.18インチである。
【0039】
(フェース補強構造)
先に述べたように、クラブヘッド100は、フェース補強構造を備える。フェース補強構造は、フェース補強構造174を備えることができる。フェース補強構造174は、フェース要素120と一体的に形成され、後壁128から離間するように延びる。フェース補強構造174は、ゴルフボールとの衝撃の際、フェース要素120を指示する。詳細には、フェース補強構造174は、フェース中心132近くのフェース要素120上に局所化された厚さをもたらし、それによって、フェース中心132周りの場所においてフェース要素120をより堅く、より高剛性にする。フェース要素120は、フレックス構造156およびフェース厚さの変更によってより大きくしなっているため、フェース要素120は、ゴルフボールとの衝撃の際、より大きい応力を受ける。フェース補強構造174は、この最大応力を、フェース要素120から離してフェース補強構造174内に伝達し、または移動させ、それによってクラブヘッドの耐久性を向上させる。
【0040】
フェース補強構造174は、リブを備えることができる。詳細には、フェース補強構造174は、フェース中心132の周辺を延びる環状リブ、リングリブ、円形の環状リブ、または楕円の環状リブを備えることができる。フェース補強構造174は、フェース中心132周辺に連続する閉じた環状構造を備えることができる。閉じた構造は、円周方向(すなわち輪状)の応力がフェース補強構造174上に作用する結果として、変形に抵抗することができる。たとえば、フェース補強構造174上に作用する円周方向の応力は、フェース補強構造174の反対側が、お互いに離れて回転することを妨げ、それによってフェース要素120を堅くする。これにより、応力をフェース要素120から離れるように向けながらフェース要素120がフェース中心132において薄くなることが可能になる。こうして応力をフェース補強構造174内に伝達することにより、フェース要素120およびクラブヘッド100の耐久性が改善される。
【0041】
図4を参照すれば、フェース補強構造174は、外周面176と、内周面180と、を備えることができる。外周面176は、フェース要素120の最大厚さを有する部位に位置する。外周面176は、後壁128から離間して位置し、後壁128と実質的に平行であることができる。外周面176は、フェース補強構造176に沿ってフェース中心132の周りを延びる。外周面176は、内周面180に隣接して位置する。内周面180は、フェース補強構造176内に位置し、後壁128に実質的に垂直に延びる。内周面180は、フェース補強構造176に沿ってフェース中心132の周りを延びる。内周面180は、後壁128と外周面176との間に位置する。
【0042】
フェース補強構造174には、後壁128にフィレットが設けられており、フェース補強構造174と後壁128との間を円滑に接続する。後壁128と外周面176とフィレットを設けることにより、衝撃応力は、フェース補強構造174内にフェース要素120から離れるように向けられる。クラブヘッド100は、外周面176と後壁128との間にフィレット184を備えることができる。フィレット184は、0.012センチメートル以上の半径を含むことができる。いくつかの実施形態では、フィレット184は、0.012~2.0センチメートル、0.50~3.0センチメートル、または1.0~4.0センチメートルの範囲であることができる。他の実施形態では、フィレット184は、0.012~1.5センチメートル、0.5~2.0センチメートル、1.0~2.5センチメートル、1.5~3.0センチメートル、2.0~3.5センチメートル、または2.5~4.0センチメートルの範囲であることができる。たとえば、フィレット184は、0.012、0.02、0.05、0.08、0.1、0.2、0.5、0.8、1.0、1.2、1.5、1.8、2.0、2.2、2.5、2.8、3.0、3.2、3.5、3.8、または4.0センチメートルであることができる。
【0043】
フェース補強構造174は、さらに、リブスパン186を画定することができる。リブスパン186は、内周面180におけるフェース補強構造174内に位置する。リブスパン186は、内周面180の一方側から内周面180の反対側にわたる最大距離を指す。リブスパン186は、フェース補強構造174の内周面180の直径を指すことができる。環状リブ174が楕円の環状リブを備える実施形態では、リブスパン186は、内周面180の主軸を指す。環状リブ174が円形の環状リブを備える実施形態では、リブスパン186は、内周面180の直径を指す。
【0044】
リブスパン186は、0.609センチメートル以上、かつ1.88センチメートル以下であることができる。いくつかの実施形態では、リブスパン186は、0.609~1.2センチメートル、または1.2~1.88センチメートルの範囲であることができる。1つの例では、リブスパン186は、1.0センチメートルであることができる。リブスパン186は、衝撃応力をフェース要素120から離し、フェース補強構造174内に向けるために重要である。リブスパン186が大きすぎる(すなわち1.88センチメートルより大きい)とき、フェース補強構造174は、フェース中心132の近傍においてフェース要素120を補強するのに不十分である。大きすぎるリブスパン186の場合、最大の衝撃応力はフェース中心132において起こり、それによってフェース中心132においてフェース要素120を破壊または破損する。一方、リブスパン186が小さすぎる(すなわち0.609センチメートル未満である)とき、フェース補強構造174は、フェース中心132の近傍においてフェース要素120を補強するのに不十分である。小さすぎるリブスパン186の場合、最大の衝撃応力は、フェース補強構造174内および周辺に起こり、それによってフェース要素120を破壊または破損する。リブスパン186が0.609センチメートル以上かつ1.88センチメートル以下であるとき、フェース補強構造174は、衝撃応力をフェース要素120から(すなわちフェース中心132において)離し、フェース補強構造174の円形リブ内に向けることによってフェース要素を補強する。
【0045】
フェース補強構造174の内周面180は、リブ高さ188をさらに画定することができる。リブ高さ188は、後壁128と外周面176との間を後壁128に垂直の方向に測定される。いくつかの実施形態では、リブ高さ188は、0.30センチメートル、0.40センチメートル、0.50センチメートル、または0.60センチメートルより大きくなることができる。他の実施形態では、リブ高さ188は、0.30~0.7センチメートルの範囲であることができる。いくつかの実施形態では、リブ高さ188は、0.30~0.50センチメートル、0.40~0.60センチメートル、または0.50~0.70センチメートルの範囲であることができる。たとえば、リブ高さ188は、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、または0.70センチメートルであることができる。
【0046】
(フェース要素)
先に述べたように、フェース要素120は、厚さを変更することができる。フェース要素120は、意図的に、部分的に厚さを変更することで、フェース要素のしなりを増大させながらフェース要素120を支持することができる。フェース要素120は、フェース補強構造174内のフェース中心132において最も薄くなることができ、フェース補強構造174の外周面176において最も厚くなることができる。フェース要素120は、フェース補強構造174から離れて配置された1つまたは複数の厚さ領域をさらに含んで、フェース要素120のトゥ領域およびヒール領域を支持することができる。他の実施形態では、フェース要素120は、クラブヘッド100のトゥエンド112およびヒールエンド116の近くに1つまたは複数の厚さ領域を有さないこともできる。
【0047】
図4を参照すれば、フェース要素120の厚さは、トゥエンド114からヒールエンド118にかけて、トップレール104からソール108にかけて、またはその任意の組み合わせで変更されてもよい。フェース要素120の厚さは、応力を分散させることを助け、フェース要素120がゴルフボールとの衝撃の際に、よりしならせることができる。フェース要素120は、第1の厚さ190と、第2の厚さ192と、第3の厚さ194と、第4の厚さ196と、を含む。フェース要素120の第1の厚さ190は、フェース中心134から後壁120まで、ロフト平面2000または打撃面124に垂直な方向に測定される。第1の厚さ190は、フェース要素120の最小厚さであることができる。第1の厚さ190は、フェース要素120の中心厚さと関連することができる。いくつかの実施形態では、第1の厚さ190は、0.055インチ~0.085インチの範囲であることができる。他の実施形態では、第1の厚さ190は、0.055インチ~0.07インチ、または0.07~0.085インチの範囲であることができる。たとえば、第1の厚さ190は、0.055、0.06、0.065、0.07、0.075、0.08、または0.085インチであることができる。1つの例では、第1の厚さ190は、0.075インチであることができる。
【0048】
フェース要素120の第2の厚さ192は、打撃面124からフェース補強構造174の外周面176まで、ロフト平面2000または打撃面124に垂直な方向に測定される。第2の厚さ192は、フェース要素120の最大厚さであることができる。第2の厚さ192は、0.10インチ~0.30インチの範囲であることができる。他の実施形態では、第2の厚さ192は、0.10インチ~0.20インチ、または0.20インチ~0.30インチの範囲であることができる。他の実施形態では、第2の厚さ192は、0.10~0.15インチ、0.15~0.20インチ、0.20~0.25インチ、または0.25~0.30インチの範囲であることができる。たとえば、第2の厚さ192は、0.10、0.15、0.16、0.17、0.18、0.188、0.19、0.198、0.20、0.25、または0.30インチであることができる。1つの例では、第2の厚さ192は、0.198インチであることができる。
【0049】
フェース要素120の第3の厚さ194は、打撃面124から後壁128まで、ロフト平面2000または打撃面124に垂直な方向に測定される。フェース要素120の第3の厚さ194は、フェース補強構造174および厚さ領域198を有さないフェース要素120上の場所にある。第3の厚さ194は、第1の厚さ190より大きくなることができる。第3の厚さ194は、第2の厚さ192より小さくなることができる。いくつかの実施形態では、第3の厚さ194は、0.05インチ~0.15インチの範囲であることができる。いくつかの実施形態では、第3の厚さ194は、0.05インチ~0.15インチの範囲であることができる。他の実施形態では、第3の厚さ194は、0.05インチ~0.10インチ、または0.10インチ~0.15インチの範囲であることができる。たとえば、第3の厚さ194は、0.05、0.055、0.06、0.065、0.07、0.075、0.08、0.085、0.09、0.095、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、または0.15インチであることができる。1つの例では、第3の厚さ194は、0.083インチであることができる。
【0050】
フェース要素120の第4の厚さ196は、打撃面124から後壁128まで、ロフト平面2000または打撃面124に垂直な方向に測定される。フェース要素120の第4の厚さ192は、フェース外辺部130に位置する。第4の厚さ196は、フェース要素120の周囲厚さと関連することができる。いくつかの実施形態では、第4の厚さ196および第3の厚さ192は、等しくなり得る。他の実施形態では、第4の厚さ196は、第3の厚さ192より大きくなることができる。他の実施形態では、第4の厚さ196は、第1の厚さ190より大きくなることができる。さらに他の実施形態では、第4の厚さは、第2の厚さ192より大きくなることができる。いくつかの実施形態では、第4の厚さ196は、0.05インチ~0.15インチの範囲であることができる。他の実施形態では、第4の厚さ196は、0.05インチ~0.10インチ、または0.10インチ~0.15インチの範囲であることができる。たとえば、第4の厚さ196は、0.05、0.055、0.06、0.065、0.07、0.075、0.08、0.085、0.09、0.095、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、または0.15インチであることができる。1つの例では、第4の厚さ196は、0.083インチであることができる。
【0051】
図2および5に戻って参照すれば、フェース要素120は、1つまたは複数の厚さ領域198をさらに含むことができる。厚さ領域198は、フェース補強構造174を有さない場所におけるフェース要素120上にある厚くされた領域であることができる。厚さ領域198は、フェース補強構造174から離れるか、またはその外側に位置する。厚さ領域198は、クラブヘッド100のトゥエンド112およびヒールエンド116の近傍に位置し得る。厚さ領域198は、トゥエンド112およびヒールエンド116の近傍において、ゴルフボールとの衝撃に対して、フェース要素120を支持する。
【0052】
厚さ領域198は、形状を備えることができる。厚さ領域198は、半円形状、C字形状、インゲンマメ形状、または任意の他の適切な形状を備えることができる。厚さ領域198は、中央平面3000に関連して配置され得る。いくつかの実施形態では、厚さ領域198は、中央平面3000の上方に位置することができる。他の実施形態では、厚さ領域198は、中央平面3000の下方に位置することができる。他の実施形態では、第1の厚さ領域198は、中央平面3000の上方に位置することができ、第2の厚さ領域198は、中央平面3000の下方に位置することができる。他の実施形態では、厚さ領域198の一部分は、中央平面3000の上方に位置することができ、厚さ領域198の別の部分は、中央平面3000の下方に位置することができる。中央平面3000に関連して厚さ領域198を配置することにより、フェース要素120のヒールおよびトゥ領域における堅さおよび剛性を、調整することができる。厚さ領域198は、フェース要素120のヒールおよびトゥ領域の近傍において、ゴルフボールとの衝撃に対して、フェース要素120をさらに支持する。
【0053】
厚さ領域198は、0.08~0.16インチの範囲であることができる。いくつかの実施形態では、厚さ領域198は、0.08~0.12インチ、または0.12~0.16インチの範囲であることができる。他の実施形態では、厚さ領域198は、0.08~0.10インチ、0.10~0.12インチ、0.12~0.14インチ、または0.14~0.16インチの範囲であることができる。たとえば、厚さ領域198は、0.08、0.09、0.10、0.108、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、または0.16インチであることができる。1つの例では、厚さ領域198は、0.108インチであることができる。
【0054】
(追加の実施形態)
図1~6では、本技術をどのように使用し得るかの第1の実施形態が示されたが、図11~13では、3つの代替の構成を概略的に示す。それぞれの実施形態(図1~6に示す実施形態を含む)では、アイアンタイプのクラブヘッドは、フレックス構造、フェース補強構造、およびフェース要素の厚さの変更を含んで、クラブヘッドの耐久性を改善しながらフェース要素のしなりを増大させる。図11~13に示すアイアンタイプのクラブヘッドは、図1~6に示すようなクラブヘッド100に類似し得るが、フレックス構造の数において異なる。
【0055】
1つの実施形態では、図10および11に示すように、アイアンタイプのクラブヘッドは、アイアンタイプのクラブヘッド200を備えることができる。クラブヘッド200は、第1のフレックス構造256と、第2のフレックス構造256と、フェース補強構造274と、を備える。この実施形態では、第1のフレックス構造256をフェース補強構造256および後部240と一体的に形成することができ、第2のフレックス構造256をフェース補強構造256およびトップレール204と一体的に形成することができる。第1のフレックス構造256および第2のフレックス構造256は、お互いに180°離間するように、フェース補強構造274の外周面の周りに配置され得る。
【0056】
別の実施形態では、図12に示すように、アイアンタイプのクラブヘッドは、アイアンタイプのクラブヘッド300を備えることができる。クラブヘッド300は、第1のフレックス構造356と、第2のフレックス構造356と、第3のフレックス構造と、フェース補強構造374と、を備える。この実施形態では、第1のフレックス構造356は、クラブヘッド300のトゥエンド312の近傍でフェース補強構造374および後部340と一体的に形成される。第2のフレックス構造356は、クラブヘッド300のヒールエンド318の近くでフェース補強構造374および後部340と一体的に形成され得る。第3のフレックス構造356は、フェース補強構造356およびトップレール304と一体的に形成され得る。第1のフレックス構造152、第2のフレックス構造152、および第3のフレックス構造152は、お互いに60°離間することができるように、フェース補強構造374の外側周囲の周りに配置され得る。
【0057】
別の実施形態では、図13に示すように、アイアンタイプのクラブヘッドは、アイアンタイプのクラブヘッド400を備えることができる。クラブヘッドは、第1のフレックス構造456と、第2のフレックス構造456と、第3のフレックス構造456と、第4のフレックス構造456と、フェース補強構造474と、を備える。この実施形態では、第1のフレックス構造456は、クラブヘッド400のトゥエンド412の近傍でフェース補強構造474および後部440と一体的に形成され得る。第2のフレックス構造456は、クラブヘッド400のヒールエンド418の近傍でフェース補強構造474および後部440と一体的に形成され得る。第3のフレックス構造456は、クラブヘッド400のトゥエンド412の近傍でフェース補強構造456およびトップレール404と一体的に形成され得る。第4のフレックス構造456は、クラブヘッド400のヒールエンド416の近傍でフェース補強構造456およびトップレール404と一体的に形成され得る。第1のフレックス構造456、第2のフレックス構造456、および第3のフレックス構造456、および第4のフレックス構造456は、お互いに45°離間することができるように、フェース補強構造474の外側周囲の周りに配置され得る。
【0058】
(製造方法)
フレックス構造156、フェース補強構造174、および厚さの変更を有するフェース要素120を有するクラブヘッド100を製造する方法が、提供される。方法は、一体的に形成されたクラブヘッド100を提供することを含む。方法は、トップレール104、ソール108、トゥエンド112、ヒールエンド116、および後部140を有するクラブヘッド100を提供することを含む。方法は、打撃面124および後壁128を有するフェース要素120を提供することを含む。方法は、さらに、フレックス構造156およびフェース補強構造174を提供することを含む。フレックス構造156およびフェース補強構造174は、フェース要素120と一体的に形成される。クラブヘッド100は、一体型本体を形成するために使用され得る任意の適切な製造プロセスによって形成され得る。クラブヘッド100は、鋳造、ダイカスト、コダイカスト、付加製造法、または金属3Dプリントなどのプロセスを用いて、金属から形成され得る。金属の例は、たとえば、それだけに限定されないが、鋼、鋼合金、ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、C300、C350、Ni(ニッケル)-Co(コバルト)-Cr(クロミウム)-鋼合金、8620合金鋼、S25C鋼、303SS、17-4SS、炭素鋼、マルエージング鋼、565鋼、AISI304型またはAISI630型ステンレス鋼、チタン合金、Ti-6-4、Ti-3-8-6-4-4、Ti-10-2-3、Ti15-3-3-3、Ti15-5-3、Ti185、Ti6-6-2、Ti-7s、Ti-9s、Ti-92、もしくはTi-8-1-1、チタン合金、アモルファス金属合金、または他の類似の金属を含むことができる。
【0059】
(便益)
フレックス構造156およびフェース補強構造174は、フェース要素120を支持し、その結果、フェース要素120全体を薄くしてフェース要素のより大きいしなりをもたらすことができる。フェース補強構造174は、衝撃応力をフェース要素120からフェース補強構造174の外周面176内に向け直すための道を提供する。衝撃応力をフェース要素120からフェース補強構造174内に伝達することにより、フェース要素120およびクラブヘッド100の耐久性が向上する。フェース補強構造174の直径内かつフェース中心132近傍のフェース要素120の厚さは、フェース補強構造174の外周面176、フェース補強構造174を有さない部位、およびフェース外辺部136にあるフェース要素120の厚さよりも、薄くすることができる。フレックス構造156およびフェース補強構造174の組み合わせは、フレックス構造および/またはフェース補強構造を有さないフェース要素と比較して、フェース要素120全体の厚さを薄くすることができる。フレックス構造156、フェース補強構造174、および厚さの変更を有するフェース要素120の組み合わせを有するクラブヘッド100は、フレックス構造、フェース補強構造、および可変のフェース要素の厚さの変更を有さないクラブヘッドと比較して、内部エネルギーが3.7lbf・in増大することを可能にする。3.7lbf・inの内部エネルギーの増大は、およそ0.5mphのボール速度の増大およびおよそ4から7ヤードの距離の増大に等しい。
【0060】
クラブヘッド100のフェース要素120は、フレックス構造および/またはフェース補強構造を有さないフェース要素または打撃面と比較して、5~20%薄くなることができる。いくつかの実施形態では、フェース要素120は、フレックス構造および/またはフェース補強構造を有さないフェース要素または打撃面と比較して、5~10%、または10~20%薄くなることができる。他の実施形態では、フェース要素120は、フレックス構造および/またはフェース補強構造を有さないフェース要素または打撃面と比較して、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、または20%薄くなることができる。
【0061】
例示的な実施形態において、それだけに限定されないが、クラブヘッド100を比較対照のクラブヘッドと比較した。クラブヘッド100は、フレックス構造156と、フェース補強構造174と、を含む。比較対照のクラブヘッドは、フェース補強構造174に類似するフェース補強構造を含むが、フレックス構造156は有さない。クラブヘッド100は、0.075インチの第1の厚さ190と、0.198インチの第2の厚さ192と、0.083インチの第3の厚さ194と、0.083インチの第4の厚さ196(すなわち周囲厚さ196)と、を含む。比較対照のクラブヘッドは、0.075インチの第1の厚さと、0.188インチの第2の厚さと、0.088インチの第3の厚さと、0.088インチの第4の厚さ(すなわち周囲厚さ196)と、を含む。クラブヘッド100は、比較対照のクラブヘッドと比較してフェース要素120の周囲またはその近傍において5~7%薄くなることができる。クラブヘッド100のフレックス構造156およびフェース補強構造174は、フレックス構造156を有さないクラブヘッドと比較して、フェース要素120全体の厚さをより薄くすることができる。
【0062】
フレックス構造156を備えたクラブヘッド100は、既知のアイアンタイプのクラブヘッドと比較して多くの改善点を有する。フレックス構造156は、インサートまたはフェース要素120を裏打ちする材料を要することなく、フェース要素120を補強する。フェース補強構造174と組み合わせて、フレックス構造156およびフェース補強構造174は、衝撃応力を吸収し、これを薄くされたフェース要素120から離し、フェース補強構造174内に向けることができる。フェース補強構造174は、フェース要素120に支持し、クラブヘッドの耐久性を維持または向上させる。
【0063】
湾曲プロファイルを有するフレックス構造156は、ゴルフボールとの衝撃の際、ばねのように機能してフェース要素120を支持する。フェース要素120が衝撃力下においてしなるにつれて、フェース要素120およびフレックス構造156は、後部140に向かってしなる。フレックス構造156の湾曲プロファイルにより、フレックス構造156は、最下点164および頂点162において内方向にしなる。この第1の実施形態では、最下点164が最大力の源(すなわちフェース要素120にかかる衝撃力)の最も近傍に位置するため、フレックス構造156は、頂点162よりも最下点164において、より大きくしなる。フェース要素120がしなるにつれて、フェース要素120内の応力は、フェース補強構造174に向かって、フェース要素120のフェース中心132から離れるように伝達される。応力は、フェース要素120から離れ、フェース補強構造174の外周面176内まで伝達される。応力の伝達動は、衝撃力下でフェース要素120が破損することを防止する。応力の伝達は、フェース要素120およびクラブヘッド100の耐久性を向上させる。
【0064】
(例1―アイアンタイプのクラブヘッドのボール速度試験)
フェース補強構造およびフレックス構造を備える例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100を、フェース補強構造を備えるが、フレックス構造および周囲厚さの低減を有さない類似の比較対照のアイアンタイプのクラブヘッドと比較した。例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100は、フェース補強構造と、フレックス構造と、0.079インチの第4または周囲厚さと、を備える。比較対照のアイアンタイプのクラブヘッドは、フェース補強構造と、0.088インチの周囲厚さと、を備える。
【0065】
試験を行って、例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100と比較対照のアイアンタイプのクラブヘッドとの間でゴルフボール速度を比較した。試験は、各クラブヘッドにおいてゴルフボールを発射する空気砲を使用した。空気砲を配置する各クラブヘッドからの距離を一定に保持し、各クラブヘッドをアドレス位置に保持した(すなわち試験中、ロフトの加減はなかった)。試験は、ゴルフボールの多くの衝撃にわたって打撃面から離れるゴルフボール速度を比較した。試験の結果、例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100のゴルフボール速度は平均124.9mphであり、比較対照のアイアンタイプのクラブヘッドのゴルフボール速度は平均124.5mphであった。この結果は、例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100のボール速度が、比較対照のアイアンタイプのクラブヘッドより平均0.5mph速かったことを示している。0.5mphのボール速度の増大は、4から7ヤードのボール距離の増大にほぼ等しい。フェース補強構造、フレックス構造、および周囲厚さの低減の組み合わせは、ゴルフボール速度をより速め、それによってゴルフボールのキャリー距離を増大させる。
【0066】
(例2―アイアンタイプのクラブヘッドのボールスピン試験)
フェース補強構造およびフレックス構造を備える例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100を、フェース補強構造を備えるが、フレックス構造および周囲厚さの低減を有さない類似の比較対照のアイアンタイプのクラブヘッドと比較した。例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100は、フェース補強構造と、フレックス構造と、0.079インチの第4または周囲厚さと、を備える。比較対照のアイアンタイプのクラブヘッドは、フェース補強構造と、0.088インチの周囲厚さと、を備える。
【0067】
試験を行って、例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100と対比較照のアイアンタイプのクラブヘッドとの間でゴルフボールスピン量(すなわちバックスピン量)を比較した。試験では、クラブヘッド寸法、ロフト角、シャフト特性、および気象条件を一定に保ちながら、各クラブヘッドの打撃面から付与されたボールスピン量を測定した。試験の結果、例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100のゴルフボールスピン量は平均6710rpmであり、比較対照のアイアンタイプのクラブヘッドのゴルフボールスピン量は、平均6517rpmであった。この結果は、例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100のゴルフボールスピン量が、対照のアイアンタイプのクラブヘッドより平均200rpm多いことを示している。フェース補強構造、フレックス構造、および周囲厚さの低減の組み合わせは、ボールスピン量を増大させるとともに、より良好なゴルフボールのコントロールをもたらすことができる。
【0068】
(例3―アイアンタイプのクラブヘッドのスタッツ面積(stat-area)試験)
フェース補強構造およびフレックス構造を備える例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100を、フェース補強構造を備えるが、フレックス構造および周囲厚さの低減を有さない類似の比較対照のアイアンタイプのクラブヘッドと比較した。例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100は、フェース補強構造と、フレックス構造と、0.079インチの第4または周囲厚さと、を備える。比較対照のアイアンタイプのクラブヘッドは、フェース補強構造と、0.088インチの周囲厚さと、を備える。
【0069】
試験を行って、例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100と比較対照のアイアンタイプのクラブヘッドとの間でスタッツ面積(すなわち、ゴルフボールキャリー距離の集計の標準偏差にゴルフボールオフライン距離の集計の標準偏差をかけたもの)を比較した。ゴルフボールキャリー距離は、ゴルフボールが空気中で進行する距離である。ゴルフボールオフライン距離は、プレイヤーから所望の標的まで延びる線からゴルフボールがオフセットした距離である。ゴルフボールオフライン距離は、プレイヤーから所望の標的まで延びる線に垂直に測定される。スタッツ面積は、ゴルフボールショットの集計のグルーピングまたは分散の正確性を決定し、この場合、より密な分散は、スタッツ面積が小さいことを示し、より大きい分散は、スタッツ面積がより大きいことを示す。試験の結果、例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100のスタッツ面積は、比較対照のアイアンタイプのクラブヘッドと比較して平均32.8%減少した。フェース補強構造、フレックス構造、および周囲厚さの低減の組み合わせは、望ましい小さいスタッツ面積をもたらし、ゴルフボールショットの分散における正確性をより高めることができる。
【0070】
(例4―アイアンタイプのクラブヘッドの内部エネルギー試験)
フェース補強構造およびフレックス構造を備える例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100を、フェース補強構造を備えるが、フレックス構造および周囲厚さの低減を有さない類似の比較対照のアイアンタイプのクラブヘッドと比較した。例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100は、フェース補強構造と、フレックス構造と、0.079インチの第4または周囲厚さと、を備える。比較対照のアイアンタイプのクラブヘッドは、フェース補強構造と、0.088インチの周囲厚さと、を備える。
【0071】
試験を行って、例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100と比較対照のアイアンタイプのクラブヘッドとの間で内部エネルギーを比較した。試験は有限要素シミュレーションを使用して、100mphのゴルフボールとの衝撃速度におけるクラブヘッドの内部エネルギーを測定した。この試験の結果、例示的なアイアンタイプのクラブヘッド100のピーク内部エネルギーは、比較対照のクラブヘッドに対して平均3.7lbf・in増大した。3.7lbf・inの内部エネルギーの増大は、およそ0.5mphのボール速度の増大に等しい。0.5mphのボール速度の増大は、4から7ヤードのボール距離の増大にほぼ等しい。フレックス構造およびフェース補強構造の組み合わせは、フェース要素のしなりおよびボール速度を増大させつつ、フェース要素を支持する。
【0072】
1つまたは複数の特許請求の範囲の要素の置換は、修復ではなく再構築を構成する。さらに、便益、他の利点、および問題に対する解決策を特有の実施形態に関して説明してきた。しかし、便益、利点、問題に対する解決策、および任意の便益、利点、または解決策を生じさせるか、またはより明らかにし得る任意の要素または複数の要素は、特許請求の範囲の任意またはすべての重要な、必要とされる、または本質的な特徴または要素として解釈されるものではない。
【0073】
ゴルフのルールは時々変更され得る(たとえば、ゴルフの標準的組織および/または管理機関、たとえば、全米ゴルフ協会(United States Golf Association)(USGA)、全英ゴルフ協会(Royal and Ancient Golf Club of St.Andrews)(R&A)等によって新しい規則が採用され得るか、または古いルールが削除もしくは改変され得る)ため、本明細書において説明する装置、方法、および製造物に関連するゴルフ装置は、任意の特定の時期においてゴルフルールに適合または不適合である場合がある。したがって、本明細書において説明する装置、方法、および製造物に関連するゴルフ装置は、適合または不適合ゴルフ装置として宣伝され、市場に出され、および/または販売されてよい。本明細書において説明する装置、方法、および製造物は、この点において限定されない。
【0074】
さらに、本明細書において開示する実施形態および限定事項は、その実施形態および/または限定事項が、(1)特許請求の範囲において明示的に特許請求されない場合、そして(2)均等論下で特許請求の範囲内の明示的な要素および/または限定事項の潜在的な等価物である場合、公有の原則(doctrine of dedication)下で公衆に供されない。
【0075】
(項目1)トップレールと、前記トップレールの反対側に位置するソールと、トゥエンドと、前記トゥエンドの反対側に位置するヒールエンドと、前記ソールに連結されるとともに前記トップレールに向かって延びる後部と、フェース要素であって、打撃面と、前記打撃面の反対側に位置する後壁と、を備える、前記フェース要素と、前記フェース要素と一体的に形成された補強構造と、前記フェース要素および前記後部と一体的に形成されたフレックス構造と、を備え、前記フェース要素は、フェース中心を画定し、前記補強構造は、前記後壁から離間するように延びるとともに前記フェース中心の周りを延びる円形の環状リブを備え、前記フレックス構造は、前記フェース補強構造と一体的に形成された第1の端部と、前記後部と一体的に形成された第2の端部と、を備える、ゴルフクラブヘッド。
【0076】
(項目2)前記クラブヘッドは、さらに、前記後壁、前記後部、前記トゥエンド、および前記ヒールエンドを一体に連結するとともに前記ソールの反対側に位置する底壁を備え、前記後壁、前記後部、前記トゥエンド、前記ヒールエンド、および前記底壁は、一体となってチャネルを形成し、前記フレックス構造は、前記チャネルと接触しないように前記チャネル内を延びる、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0077】
(項目3)前記フレックス構造は、湾曲形状を備え、前記フレックス構造は、前記フレックス構造の最も下の部分を画定する最下点と、前記フレックス構造の最も上の部分を画定する頂点と、を備える、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0078】
(項目4)前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース中心の後方において、前記トゥエンドおよび前記ヒールエンドに向かって延びる中央平面を画定し、前記中央平面の前記最下点および前記頂点は、前記中央平面の下方に位置する、項目3に記載のゴルフクラブヘッド。
【0079】
(項目5)前記フェース補強構造は、前記フェース補強構造内に位置するとともに前記後壁に垂直に延びる内周面と、前記フェース要素の最大厚さを有する部位に位置するとともに前記内周面に隣接する外周面と、を備える、項目1に記載のゴルフクラブヘッド。
【0080】
(項目6)前記内周面は、0.609センチメートル以上、かつ、1.88センチメートル以下であるリブスパンを画定する、項目5に記載のゴルフクラブヘッド。
【0081】
(項目7)前記フェース要素の厚さは、変更可能であり、前記厚さは、前記フェース中心から前記後壁まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第1の厚さと、前記打撃面から前記フェース補強構造の前記外周面まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第2の厚さと、前記打撃面から前記補強要素を有さない前記後壁まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第3の厚さと、前記打撃面から前記フェースの外辺部に位置する前記後壁まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第4の厚さと、を有し、前記第1の厚さは、前記フェース要素の最小厚さであり、前記第2の厚さは、前記フェース要素の最大厚さである、項目5に記載のゴルフクラブヘッド。
【0082】
(項目8)トップレールと、前記トップレールの反対側に位置するソールと、トゥエンドと、前記トゥエンドの反対側に位置するヒールエンドと、前記ソールの反対側に位置する底壁と、前記ソールに連結されるとともに前記トップレールに向かって延びる後部と、フェース要素であって、打撃面と、前記打撃面の反対側に位置する後壁と、を備える、前記フェース要素と、前記フェース要素と一体的に形成された補強構造と、前記フェース要素および前記後部と一体的に形成されたフレックス構造と、を備え、前記フェース要素は、フェース中心を画定し、前記補強構造は、前記後壁から離れて前記フェース中心の周りを延びる円形の環状リブを備え、前記フレックス構造は、前記フェース補強構造と一体的に形成された第1の端部と、前記後部と一体的に形成された第2の端部と、を備え、前記後壁、前記後部、前記トゥエンド、前記ヒールエンド、および前記底壁は一体となってチャネルを形成し、前記フレックス構造は、前記チャネルと接触しないように前記チャネルを横切って延びる、ゴルフクラブヘッド。
【0083】
(項目9)前記フレックス構造は、湾曲形状を備え、前記フレックス構造は、前記フレックス構造の最も下の部分を画定する最下点と、前記フレックス構造の最も上の部分を画定する頂点と、を備える、項目8に記載のゴルフクラブヘッド。
【0084】
(項目10)前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース中心の後方において、前記トゥエンドおよび前記ヒールエンドに向かって延びる中央平面を画定し、前記フレックス構造の前記最下点および前記頂点は、前記中央平面の下方に位置する、項目9に記載のゴルフクラブヘッド。
【0085】
(項目11)前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース中心の後方において、前記トゥエンドおよび前記ヒールエンドに向かって延びる中央平面を画定し、前記最下点は、前記中央平面の下方に位置し、前記頂点は、前記中央平面の上方に位置する、項目9に記載のゴルフクラブヘッド。
【0086】
(項目12)前記フェース補強構造は、前記フェース補強構造内に位置するとともに前記後壁に垂直に延びる内周面と、前記フェース要素の最大厚さを有する部位に位置するとともに前記内周面に隣接する外周面と、を備える、項目8に記載のゴルフクラブヘッド。
【0087】
(項目13)前記内周面は、0.609センチメートル以上、かつ、1.88センチメートル以下であるリブスパンを画定する、項目12に記載のゴルフクラブヘッド。
【0088】
(項目14)前記フェース要素の厚さは、変更可能であり、前記厚さは、前記フェース中心から前記後壁まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第1の厚さと、前記打撃面から前記フェース補強構造の外周面まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第2の厚さと、前記打撃面から前記補強要素を有さない前記後壁まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第3の厚さと、前記打撃面から前記フェースの外辺部に位置する前記後壁まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第4の厚さと、を有し、前記第1の厚さは、前記フェース要素の最小厚さであり、前記第2の厚さは、前記フェース要素の最大厚さである、項目8に記載のゴルフクラブヘッド。
【0089】
(項目15)トップレールと、前記トップレールの反対側に位置するソールと、トゥエンドと、前記トゥエンドの反対側に位置するヒールエンドと、前記ソールの反対側に位置する底壁と、前記ソールに連結されるとともに前記トップレールに向かって延びる後部と、フェース要素であって、打撃面と、前記打撃面の反対側に位置する後壁と、を備える、前記フェース要素と、前記フェース要素と一体的に形成された補強構造と、前記フェース要素および前記後部と一体的に形成されたフレックス構造と、を備え、前記フェース要素は、フェース中心を画定し、前記補強構造は、前記後壁から離れて前記フェース中心の周りを延びる円形の環状リブを備え、前記フレックス構造は、前記フェース補強構造と一体的に形成された第1の端部と、前記後部と一体的に形成された第2の端部と、を備え、前記フレックス構造は、正弦曲線形状を備える、ゴルフクラブヘッド。
【0090】
(項目16)前記フレックス構造は、前記フレックス構造の最も下の部分を画定する最下点と、前記フレックス構造の最も上の部分を画定する頂点と、を備える、項目15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0091】
(項目17)前記フレックス構造は、前記最下点における第1の曲率半径と、前記頂点における第2の曲率半径と、を画定し、前記第1の曲率半径は、前記第2の曲率半径と等しい、項目16に記載のゴルフクラブヘッド。
【0092】
(項目18)前記フレックス構造は、前記最下点における第1の曲率半径と、前記頂点における第2の曲率半径と、を画定し、前記第1の曲率半径は、前記第2の曲率半径と異なる、項目16に記載のゴルフクラブヘッド。
【0093】
(項目19)前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース中心の後方において、前記トゥエンドおよび前記ヒールエンドに向かって延びる中央平面を画定し、前記フレックス構造の前記最下点および前記頂点は、前記中央平面の下方に位置する、項目15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0094】
(項目20)前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース中心の後方において、前記トゥエンドおよび前記ヒールエンドに向かって延びる中央平面を画定し、前記最下点は、前記中央平面の下方に位置し、前記頂点は、前記中央平面の上方に位置する、項目15に記載のゴルフクラブヘッド。
【0095】
本開示のさまざまな特徴および利点は、以下において記載される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップレールと、
前記トップレールの反対側に位置するソールと、
トゥエンドと、
前記トゥエンドの反対側に位置するヒールエンドと、
前記ソールに連結されるとともに前記トップレールに向かって延びる後部と、
打撃面と、前記打撃面の反対側に位置する後壁と、を備えるフェース要素と、
前記フェース要素と一体的に形成されたフェース補強構造と、
前記フェース補強構造および前記後部と一体的に形成されたフレックス構造と、
を備え、
前記フェース要素は、フェース中心を画定し
記フレックス構造は、前記フェース補強構造と一体的に形成された第1の端部と、前記後部と一体的に形成された第2の端部と、前記第1の端部及び前記第2の端部の間に位置するS字形状プロファイルと、を備える、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記クラブヘッドは、さらに、前記後壁、前記後部、前記トゥエンド、および前記ヒールエンドを一体に連結するとともに前記ソールの反対側に位置する底壁を備え、
前記後壁、前記後部、前記トゥエンド、前記ヒールエンド、および前記底壁は、一体となってチャネルを形成し、
前記フレックス構造は、前記チャネルと接触しないように前記チャネル内を延びる、
請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
記フレックス構造は、前記フレックス構造の最も下の部分を画定する最下点と、前記フレックス構造の最も上の部分を画定する頂点と、を備える、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース中心の後方において、前記トゥエンドおよび前記ヒールエンドに向かって延びる中央平面を画定し、
前記フレックス構造の前記最下点および前記頂点は、前記中央平面の下方に位置する、請求項3に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース中心から後方へ、前記トゥエンドおよび前記ヒールエンドに向かって延びる中央平面を画定し、
前記最下点は、前記中央平面の下方に位置し、
前記頂点は、前記中央平面の上方に位置する、
を備える、請求項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース補強構造と前記後壁との間に位置するのフィレットを備えており、
前記フィレットは、0.012センチメートル以上の半径を備えている、
請求項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
トップレールと、
前記トップレールの反対側に位置するソールと、
トゥエンドと、
前記トゥエンドの反対側に位置するヒールエンドと、
前記ソールの反対側に位置する底壁と、
前記ソールに連結されるとともに前記トップレールに向かって延びる後部と、
打撃面と、前記打撃面の反対側に位置する後壁と、を備えるフェース要素と、
前記後部と、前記底壁と、前記トゥエンド及び前記ヒールエンドの間に形成される後側キャビティであって、完全には閉じられていない前記後側キャビティと、
前記フェース要素と一体的に形成されたフェース補強構造と、
前記後側キャビティ内において前記後部と一体的に形成されるフレックス構造と、
を備え、
前記フェース要素は、フェース中心を画定し、
前記フレックス構造は、前記フェース補強構造の外周面と一体的に形成された第1の端部と、前記後部と一体的に形成された第2の端部と、を備え、
前記フレックス構造は、前記フレックス構造の最高または最も上の部分を画定する頂点と、前記フレックス構造の最低または最も下の部分を画定する最下点と、を備え、
前記フレックス構造の前記最下点は、前記最下点が前記底壁と接触しないように、前記底壁から離間しており、
前記最下点は、前記頂点よりも前記フェース要素の近くに位置する、
ゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース中心の後方において、前記トゥエンドおよび前記ヒールエンドに向かって延びる中央平面を画定し、
前記フレックス構造の前記最下点および前記頂点は、前記中央平面の下方に位置する、
請求項7に記載のゴルフクラブヘッド
【請求項9】
前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース中心の後方において、前記トゥエンドおよび前記ヒールエンドに向かって延びる中央平面を画定し、
前記最下点は、前記中央平面の下方に位置し、
前記頂点は、前記中央平面の上方に位置する、
を備える、請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記フェース補強構造は、
前記後壁から離間するように延びるとともに前記フェース中心の周りを延びる円形の環状リブと、
前記フェース補強構造内に位置するとともに前記後壁に垂直に延びる内周面と、
前記フェース要素の最大厚さを有する部位に位置するとともに前記内周面に隣接する外周面と、
を備える、請求項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記内周面は、0.609センチメートル以上、かつ、1.88センチメートル以下であるリブスパンを画定する、請求項10に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記フェース要素の厚さは、
前記フェース中心から前記後壁まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第1の厚さと、
前記打撃面から前記フェース補強構造の前記外周面まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第2の厚さと、
前記打撃面から前記フェース補強構造を有さない前記後壁まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第3の厚さと、
前記打撃面から前記フェースの外辺部に位置する前記後壁まで、前記打撃面に垂直な方向に測定される第4の厚さと、を有し、
前記第1の厚さは、前記フェース要素の最小厚さであり、
前記第2の厚さは、前記フェース要素の最大厚さである、請求項7に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
トップレールと、
前記トップレールの反対側に位置するソールと、
トゥエンドと、
前記トゥエンドの反対側に位置するヒールエンドと、
前記ソールの反対側に位置する底壁と、
前記ソールに連結されるとともに前記トップレールに向かって延びる後部と、
打撃面と、前記打撃面の反対側に位置する後壁と、を備えるフェース要素と、
前記後壁と一体的に形成されたフレックス構造と、
前記フェース要素は、フェース中心を画定し、
前記フレックス構造は、前記フェース要素の前記後壁と一体的に形成された第1の端部と、前記後部と一体的に形成された第2の端部と、を備え、
前記フレックス構造は、二重の曲線形状を有する正弦曲線形状を備え、
前記フレックス構造は、前記フレックス構造の最高または最も上の部分を画定する頂点と、前記フレックス構造の最低または最も下の部分を画定する最下点と、を備え、
前記フレックス構造の前記最下点は、前記最下点が前記底壁と接触しないように、前記底壁から離間する、
ゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記フレックス構造は、前記最下点における第1の曲率半径と、前記頂点における第2の曲率半径と、を画定し、
前記第1の曲率半径は、0.25インチから1インチの間であり、
前記第2の曲率半径は、0.25インチから1インチの間である、
請求項13に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記第1の曲率半径は、前記第2の曲率半径と異なる、請求項14に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記第1の曲率半径は、前記第2の曲率半径と等しい、請求項14に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース中心の後方において、前記トゥエンドおよび前記ヒールエンドに向かって延びる中央平面を画定し、
前記フレックス構造の前記最下点および前記頂点は、前記中央平面の下方に位置する、
請求項13に記載のゴルフクラブヘッド
【請求項18】
前記クラブヘッドは、さらに、前記フェース中心から後方へ、前記トゥエンドおよび前記ヒールエンドに向かって延びる中央平面を画定し、
前記最下点は、前記中央平面の下方に位置し、
前記頂点は、前記中央平面の上方に位置する、
を備える、請求項13に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記フレックス構造は、さらに、前記トップレールと対向する上面と、前記ソールと対向する下面と、を備え、
前記フレックス構造の厚さは、前記上面と前記下面との間で定義され、
前記フレックス構造の厚さは、前記フェース要素においてより大きく、前記最下点に向かって減少するように先細りしている、
請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記フレックス構造は、さらに、前記トップレールと対向する上面と、前記ソールと対向する下面と、を備え、
前記フレックス構造の厚さは、前記上面と前記下面との間で定義され、
前記フレックス構造の厚さは、前記後部においてより大きく、前記頂点に向かって減少するように先細りしている、
請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【外国語明細書】