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特開2024-150494骨成長の刺激における使用のための組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150494
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】骨成長の刺激における使用のための組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/155 20160101AFI20241016BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20241016BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20241016BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20241016BHJP
   A23L 33/125 20160101ALI20241016BHJP
   A23L 33/12 20160101ALI20241016BHJP
   A23L 33/16 20160101ALI20241016BHJP
   A23L 33/15 20160101ALI20241016BHJP
   A61K 31/59 20060101ALI20241016BHJP
   A61K 31/7048 20060101ALI20241016BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20241016BHJP
   A61K 33/06 20060101ALI20241016BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20241016BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20241016BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20241016BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20241016BHJP
   A61P 5/12 20060101ALI20241016BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20241016BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20241016BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
A23L33/155
A23L33/105
A23L33/10
A23L33/135
A23L33/125
A23L33/12
A23L33/16
A23L33/15
A61K31/59
A61K31/7048
A61K45/00
A61K33/06
A61P19/00
A61P19/02
A61P19/08
A61P19/10
A61P5/12
A61P7/00
A61P1/02
A61P43/00 121
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024108355
(22)【出願日】2024-07-04
(62)【分割の表示】P 2021176864の分割
【原出願日】2014-04-02
(31)【優先権主張番号】13162445.4
(32)【優先日】2013-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】オルカハダ, マリー ノエル
(72)【発明者】
【氏名】マンブレズ, ファニー
(72)【発明者】
【氏名】オフォード カヴィン, エリザベス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】骨及び/又は軟骨の健康の維持のため、又は骨及び/又は軟骨障害の防止、緩和及び/又は処置のための使用のための組成物を提供する。
【解決手段】オレウロペインによる軟骨同化の刺激を増強するための使用のための、ビタミンD及び前記オレウロペインを含む組成物であって、800~1200IUのビタミンD及び0.01mg~1gのオレウロペインを含む組成物である。抗酸化剤、抗炎症性化合物、脂肪酸、プレバイオティック繊維、プロバイオティクス、グルコサミン、コンドロイチン硫酸、ミネラル、微量元素及びビタミンからなる群から選択される1種又は複数種のさらなる生物活性分子を含む、前記記載の使用のための組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨形成及び/又は軟骨同化に対する1種又は複数種のポリフェノールの効果を増強するための使用のための、ビタミンDを含む組成物。
【請求項2】
前記ポリフェノールはオレウロペイン及びヒドロキシチロソールのうちの1種又は複数種である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
1種又は複数種のポリフェノールによる骨形成及び/又は軟骨同化の刺激を増強するための使用のための、ビタミンD及び前記ポリフェノールを含む組成物。
【請求項4】
前記ポリフェノールはオレウロペイン及びヒドロキシチロソールのうちの1種又は複数種を含む、請求項3に記載の使用のための組成物。
【請求項5】
前記ポリフェノールはオレウロペイン及びヒドロキシチロソールを含む、請求項3又は4に記載の使用のための組成物。
【請求項6】
800~1200IUのビタミンD、0.01mg~1gのオレウロペイン、及び0.01mg~1gのヒドロキシチロソールを含む、請求項5に記載の使用のための組成物。
【請求項7】
抗酸化剤、抗炎症性化合物、脂肪酸、プレバイオティック繊維、プロバイオティクス、グルコサミン、コンドロイチン硫酸、ミネラル、微量元素及び/又はビタミンなどの1種又は複数種のさらなる生物活性分子を含む、請求項1、2又は3~6のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項8】
ミネラルカルシウム及び/又はマグネシウムを含む、請求項7に記載の使用のための組成物。
【請求項9】
前記使用は高齢化集団、特に高齢患者を対象とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項10】
前記使用は、骨形成及び/又は軟骨同化の刺激を増強することによる、骨形成及び/又は軟骨同化と骨吸収との関係のアンバランスに関連する障害の処置、緩和及び/又は予防における使用である、請求項1~9のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項11】
前記使用は、運動性を維持する及び/又は改善するためのものである、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項12】
前記使用は、骨の強度を改善するためのものである、請求項1~11のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項13】
前記障害は、骨粗鬆症、ページェット病、人工器官の近くに観察される骨損失若しくは骨溶解、転移性骨疾患、甲状腺機能亢進症、がんによる高カルシウム血症、多発性骨髄腫、歯周病、骨関節炎、骨折若しくは骨折治癒に起因する骨欠損から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項14】
前記障害は骨粗鬆症である、請求項13に記載の使用のための組成物。
【請求項15】
栄養組成物である、請求項1~14のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項16】
少なくとも2か月、好ましくは少なくとも3か月の期間にわたって、少なくとも1日1回投与される、請求項1~15のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項17】
ビタミンD及び1種若しくは複数種のポリフェノールを含む医薬組成物。
【請求項18】
骨及び/又は軟骨代謝のアンバランスに関連する障害の処置、緩和及び/又は予防の方法であって、それを必要とする個体に、1種又は複数種のポリフェノールと組み合わせて有効量のビタミンDを投与することを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の技術分野】
【0001】
本発明は、骨及び/又は軟骨の健康の維持のため、又は骨及び/又は軟骨障害の防止、緩和及び/又は処置のための組成物の使用に関する。
【発明の背景】
【0002】
骨量は、生涯を通じて発達し、遺伝的、機械的及びホルモンのメカニズムによって調節されている。骨ミネラルの取得は子供の間に生じ、ピーク骨量は20歳頃に達成される。この期間中は、骨形成が骨吸収を上回っている。その後の人生で、特に閉経の頃、又は高齢者で、骨量、骨の微小構造、構造及び強度が徐々に失われることにつながる、骨吸収が過剰なより高い骨代謝回転により、骨量と骨質が損なわれる。
【0003】
骨を維持するためには、骨形成と骨吸収とのバランスを回復することが重要である。この骨の再構築過程は、骨形成細胞(骨芽細胞)と骨吸収細胞(破骨細胞)との緊密な相互作用を含む骨細胞レベルで調節されている。
【0004】
健康な成長したヒト又は動物では、骨芽細胞と破骨細胞の協調作用が、経時的な骨量の維持を可能にし、骨吸収と骨の新規合成による骨組織の再構築を同時に確かなものとしている。
【0005】
健康な成人では、破骨細胞と骨芽細胞の形成速度は、骨形成と骨吸収との間でバランスに影響を与える。しかし、骨粗鬆症の個体では、骨の再構築過程におけるアンバランスが生み出され、形成速度よりも速い速度で進行する骨の損失に至る。加齢に伴い、このアンバランスはほとんどの個体においてある程度は存在するが、骨粗鬆症の個体では、それははるかに重度であり、より若い年齢で発生する。
【0006】
このように、ヒト及び他の哺乳動物では、非常に様々な疾患が骨吸収と骨形成の代謝異常に関連しており、代謝又は骨の再構築のアンバランスにつながる。
【0007】
さらに、ヒト及び動物では、骨形成を増進させる必要性によって特徴付けられる多くの条件がある。例えば、骨折の場合には、骨の完全な修復を刺激するために骨の成長を刺激することが必要である。この必要性はまた、歯周病、骨の転移性疾患、骨溶解性疾患、及び(例えば、軟骨の欠陥又は外傷性障害の瘢痕又は再生に)結合組織の修復が必要とされる状態、において存在する。骨の成長の刺激はまた、糖尿病に関連する骨粗鬆症及びグルココルチコイドに関連する骨粗鬆症のみならず、1次及び2次性副甲状腺機能亢進症の場合においても必要とされる。
【0008】
今日では、骨形成を刺激する及び/又は骨吸収を阻害するための非常に様々な活性化合物が存在するが、特に現在の処置の限定的な成功のために、新規な活性化合物について一定の必要性がある。
【0009】
別の関節疾患は、高齢者の障害の第1の原因である骨関節炎である。現在、骨関節炎の治療法は無く、その治療法は症状の改善を狙った一時しのぎのものである。
【発明の概要】
【0010】
驚くべき方法で、本出願人は、ビタミンDと、オリーブの木に由来するポリフェノールであるヒドロキシチロソール及び/又はオレウロペインとの組み合わせが相乗的に作用して、骨形成及び/又は軟骨同化を刺激できることを示した。この組み合わせは、骨芽細胞の分化及び活性とコラーゲン合成の刺激を介して、軟骨同化のみならず骨形成も刺激できる。ビタミンDと、オレウロペイン及びヒドロキシチロソールのいずれか又は両方との組み合わせの添加により、強度が増加し且つ時間的に前方に移動する骨芽細胞の刺激(すなわち、刺激はいずれかの成分自身でよりも早期に誘発される。)が結果として生じる。本出願の内容では、ビタミンDの添加の効果は、骨形成及び/又は軟骨同化に対するポリフェノールの効果を「増強する」と言われている。
【0011】
したがって、第1の態様で、本発明は、骨形成及び/又は軟骨同化に対する1以上のポリフェノールの効果を増強するために使用するためのビタミンDを含む組成物に関する。
【0012】
さらなる態様では、本発明は、骨形成及び/又は軟骨同化のポリフェノールによる刺激を増強するために使用するための、ビタミンD及び1種若しくは複数種のポリフェノールを含む組成物に関する。
【0013】
さらなる態様では、本発明は、ビタミンD及び1種若しくは複数種のポリフェノールを含む、少なくとも2カ月間、好ましくは少なくとも3カ月間で、1日当たり1回投与される、本発明に係る使用のための組成物に関する。
【0014】
さらなる態様では、本発明は、ビタミンD及び1種若しくは複数種のポリフェノールを含む医薬組成物に関する。
【0015】
またさらなる態様では、本発明は、1種又は複数種のポリフェノールとともに有効量のビタミンDを、それを必要とする個体に投与することを含む、骨及び/又は軟骨障害の処置、軽減及び/又は予防方法に関する。
【0016】
すべての図において、1,25(OH)2D3は10-9M 1,25ジヒドロキシビタミンD3;OLPは1μMオレウロペイン;HTyは1μMヒドロキシチロソール;C+は陽性対照としての最適化培地の使用;C-は陰性対照としての最小培地の使用を示す。
【0017】
データは、平均±SEM(3反復)を表わす。統計:Mann Whitney U検定に従ったKruskal Wallis検定(両側)*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001対陰性対照(C-)
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1(Figure 1)は、1,25(OH)2D3、OLP及びHTyの組み合わせによる刺激に応答した、培養9日後の骨芽細胞によるコラーゲン合成(全タンパク質のミリグラム当たりの産生コラーゲンのマイクログラムにより測定される。)を示す。
図2図2(Figure 2)は、1,25(OH)2D3、OLPとHTyの組み合わせに応答した、培地の9日後のアルカリホスファターゼ(ALP)活性(1時間当たりのタンパク質のミリグラム当たりのマイクロモルのALPで示される。)を示す。
図3図3(Figure 3)は、処置の5、9、12又は15日後の1,25(OH)2D3の存在下で培養された骨芽細胞のアルカリホスファターゼ(ALP)活性を示す。
図4図4A(Figure 4A)は、処置の5、9、12又は15日後のオレウロペインの存在下で培養された骨芽細胞のアルカリホスファターゼ(ALP)活性を示す。図4B(Figure 4B)は、処置の5、9、12又は15日後の1,25(OH)2D3及びオレウロペインの存在下で培養された骨芽細胞のアルカリホスファターゼ(ALP)活性を示す。
図5図5A(Figure 5A)は、処置の5、9、12又は15日後のヒドロキシチロソールの存在下で培養された骨芽細胞のアルカリホスファターゼ(ALP)活性を示す。図5B(Figure 5B)は、処置の5、9、12又は15日後の1,25(OH)2D3及びヒドロキシチロソールの存在下で培養された骨芽細胞のアルカリホスファターゼ(ALP)活性を示す。
図6図6A(Figure 6A)は、処置の5、9、12又は15日後のオレウロペイン及びヒドロキシチロソールの存在下で培養された骨芽細胞のアルカリホスファターゼ(ALP)活性を示す。図6B(Figure 6B)は、処置の5、9、12又は15日後の1,25(OH)2D3、オレウロペイン及びヒドロキシチロソールの存在下で培養された骨芽細胞のアルカリホスファターゼ(ALP)活性を示す。
【発明の詳細な説明】
【0019】
定義:
本発明をさらに詳細に議論する前に、以下の用語と取り決めが最初に定義されるであろう。
【0020】
本発明の内容において、特に明記しない限り、記載されるパーセントは重量/重量パーセントである。
【0021】
「X及び/又はY」の内容において使用される用語「及び/又は」は、「X」又は「Y」又は「X及びY」と解釈されるべきである。
【0022】
本明細書で使用される数値範囲は、具体的に開示されているか否かに拘わらず、その範囲内に含まれるすべての数及び数のサブセットを含むことが意図されている。さらに、それらの数値範囲は、その範囲内の任意の数又は数の任意のサブセットに向けられた特許請求の範囲のサポートを提供するものとして解釈されるべきである。例えば、1から10までの開示は、1から8まで、3から7まで、4から9まで、3.6から4.6まで、3.5から9.9までなどの範囲をサポートするものとして解釈されるべきである。
【0023】
本発明の単数形の特徴又は限定のすべてについて言及は、他に特定されていない限り、又はその言及されている内容によって逆に明確に暗示されていない限り、対応する複数の特徴又は限定、及びその逆を含むものとされる。
【0024】
他に定義されていない限り、本明細書中で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、一般に、当業者によって理解されるのと同じ意味を有する。
【0025】
使用のための、ビタミンDを含む組成物:
ポリフェノールは、炎症及び骨代謝に有益な効果を有することが以前に示されていた。
【0026】
本発明者らは、驚くべきことに、1種又は複数種のポリフェノール(HTy及びOLPのうちの1種又は複数種など)とビタミンDとの組み合わせが、それらのポリフェノールの骨形成及び/又は軟骨同化に対する刺激効果を増強することを示した(実施例2及びその考察と図2を参照)。
【0027】
「骨形成及び/又は軟骨同化の刺激」とは、ビタミンD、オレウロペイン及びヒドロキシチロソールの組み合わせの能力であって、骨芽細胞の活性を刺激し、ひいては骨及び/又は軟骨のタンパク質ネットワークの合成を刺激する能力を意味する。これは、これらのタンパク質ネットワークにおけるミネラル、特にカルシウムの沈着、すなわち、骨形成とも呼ばれる骨の石灰化の刺激に、また、軟骨同化の刺激につながる。
【0028】
「ポリフェノールの刺激効果を増強する」とは、1種又は複数種のポリフェノールの刺激効果が、ビタミンDの添加によって、強度において増加し、及び時間的に前進する(すなわち、ビタミンDの非存在下でよりも早く誘発される)ことの両方を意味する。
【0029】
したがって、第1の態様における本発明は、骨形成及び/又は軟骨同化に対する1種又は複数種のポリフェノールの効果を増強するために使用するための、ビタミンDを含む組成物に関する。ポリフェノールは、例えば、オレウロペイン及びヒドロキシチロソールのうちの1種又は複数種であり得る。
【0030】
ビタミンDは、任意の適切な形態で存在することができる。例えば、コレカルシフェロール(D3)、エルゴカルシフェロール(D2)及びそれらの生物学的に活性な代謝物、及び1-α-ヒドロキシビタミンD、25-ヒドロキシビタミンD、1、25-ジヒドロキシビタミンDなどの前駆体を含むビタミンDの様々な有用な形態が利用可能である。
【0031】
本発明のこの態様の一実施形態では、ビタミンDは、1種又は複数種のポリフェノールの提供と同時に又は連続的に提供することができる。ビタミンDは、1種又は複数種のポリフェノールと同じ組成物中に提供することができ、又は別々の組成物中で、例えば、キットのパーツ中、一連の相互作用する製品中で提供することができる。ビタミンD及び1種若しくは複数種のポリフェノールは、1又は複数の別々の組成物中で提供されている場合には、それらが投与前に混合されてもよく、又は同時若しくは逐次的に投与されてもよい。
【0032】
ビタミンDの増強効果は、オレウロペイン又はヒドロキシチロソールとの組み合わせなどの、単一のポリフェノールとの組み合わせで既に明らかである。
【0033】
ビタミンDをオレウロペイン及びヒドロキシチロソールの両方と組み合わせて投与されたときに増強効果がさらに増大する。
【0034】
さらなる態様では、本発明は、骨形成及び/又は軟骨同化に対する1種又は複数種のポリフェノールの効果を増強するための組成物又は医薬の製造におけるビタミンDの使用に関する。
【0035】
使用のための組成物:
さらなる態様では、本発明は、ビタミンD及び1種若しくは複数種のポリフェノールを含む組成物であって、それらのポリフェノールによる骨形成及び/又は軟骨同化の刺激を増強するための使用のための組成物に関する。
【0036】
ポリフェノールは、例えば、オレウロペイン、リグストロシド、ヒドロキシチロソール及び/又はチロソールからなる群から選択されるポリフェノールなどのオリーブポリフェノールであってもよい。好ましい実施形態では、オリーブポリフェノールは、オレウロペイン及びヒドロキシチロソールのうちの1種又は複数種を含み、さらに好ましくは、ポリフェノールはオレウロペイン及びヒドロキシチロソールを含む。
【0037】
本発明に係る組成物は、例えば、1回分当たり(per serving)800~1200IUの量のビタミンDを含んでいてもよい。1種又は複数種のポリフェノールは、1回分当たり、0.01mg~約1g、好ましくは0.1mg~1g、さらにより好ましくは1mg~約1gの量でそれぞれ存在することができる。
【0038】
治療効果を達成するために必要とされる本発明の組成物の有効量は、特定の組成物、投与ルート、レシピエントの年齢及び状態、そして処置される特定の障害又は疾患によって変動する。
【0039】
例として、ビタミンD、ヒドロキシチロソール及びオレウロペインの組み合わせで補充されたRTD(直ぐに飲める(ready to drink))は、1回分当たりそれぞれの活性原材料を0.01mg~500mg含むであろう。
【0040】
一実施形態では、本発明の組成物は、例えば、800~1200IU、例えば、800~1100、800~1000、850~1000、850~950、900~950IU、例えば約900又は約950IUのビタミンDを含む。さらなる実施形態では、本発明の組成物は、ビタミンDに加えて、0.01mg~1gの量、例えば、0.01mg~500mg(例えば、0.1mg~500mg、0.5mg~500mg、1mg~500mg、10mg~500mg、20mg~500mg、50mg~500mg、100mg~500mg、250mg~500mg、300mg~500mg、350mg~500mg、400mg~500mg)、又は400mg~1g(例えば、500mg~1g、550mg~1g、600mg~1g、650mg~1g、750mg~1g、800mg~1g、900mg~1g)、又は550mg~950mg(例えば、600mg~900mg、700mg~800mg)の量のオレウロペインを含む。該実施形態では、例えば、0.01mg~1gの量、例えば、0.01mg~500mg(例えば、0.1mg~500mg、0.5mg~500mg、1mg~500mg、10mg~500mg、20mg~500mg、50mg~500mg、100mg~500mg、250mg~500mg、300mg~500mg、350mg~500mg、400mg~500mg)、又は400mg~1g(例えば、500mg~1g、550mg~1g、600mg~1g、650mg~1g、750mg~1g、800mg~1g、900mg~1g)、又は550mg~950mg(例えば、600mg~900mg、700mg~800mg)の量のヒドロキシチロソールをさらに含み得る。
【0041】
好ましい実施形態では、本発明の組成物は、800~1200IUのビタミンD、0.01mg~1gのオレウロペイン、及び0.01mg~1gのヒドロキシチロソールを含む。
【0042】
栄養組成物:
本発明に係る使用のための組成物は栄養組成物又は医薬組成物であってもよく、また、ヒト又は獣医学的使用のためのものであってもよい。
【0043】
一実施形態では、本発明に係る使用のための組成物は栄養組成物である。
【0044】
「栄養組成物」は、本発明によれば、ビタミンDと、1種又は複数種のオリーブポリフェノール(例えば、オレウロペイン、リグストロシド、ヒドロキシチロソール及び/又はチロソールのうちの1種又は複数種)などの1種又は複数種のポリフェノール、好ましくはオレウロペイン及び/又はヒドロキシチロソールと、の組み合わせを含有する組成物であって、医薬の特性を有しない食餌組成物(dietary composition)を構成する組成物を意味する。
【0045】
栄養組成物は、例えば、1種又は複数種の酸味料、追加的増粘剤、pH調整のための緩衝剤又は薬剤、キレート剤、着色剤、乳化剤、添加剤、香味剤、ミネラル、浸透剤、薬学的に許容し得る担体、保存剤、安定剤、糖、甘味料、調質剤(texturizer)、及び/又はビタミンなどの慣用的な食品添加剤(合成又は天然の)を含む任意の数の任意選択的な追加的原材料を含むと理解される。これらの任意選択的な原材料は、任意の好適な量で添加することができる。本発明の栄養製品又は組成物は、完全な栄養源であってもよく、又は不完全な栄養源であってもよい。
【0046】
本明細書で使用される場合、「完全な栄養」は、投与される動物のための栄養の唯一の源となるのに十分なタイプ及びレベルの主要栄養素(タンパク質、脂肪及び炭水化物)及び微量栄養素を含有する栄養製品及び組成物を含む。患者は、そのような完全な栄養組成物から自分の栄養要求量の100%を受け取ることができる。
【0047】
本明細書で使用される場合、「不完全な栄養」は、投与される動物のための栄養の唯一の源となるのに十分なレベルの主要栄養素(タンパク質、脂肪及び炭水化物)又は微量栄養素を含有しない栄養製品又は組成物を含む。部分的又は不完全な栄養組成物は、栄養サプリメントとして使用することができる。
【0048】
本発明の栄養組成物は医療用食品とすることができる。医療用食品は、特定の条件の食事管理を提供するように設計された栄養組成物の特別なクラスである。医療用食品は、1983年のオーファンドラッグ法の第5節[360ee](b)(2)(D)によって設定され、規制された一定の基準を満たす。
【0049】
成分:
本発明に係る組成物は、抗酸化剤、抗炎症性化合物、脂肪酸、プレバイオティック繊維、プロバイオティクス、グルコサミン、コンドロイチン硫酸、ミネラル、微量元素及び/又はビタミンなどの1種又は複数種のさらなる生物活性分子を含むことができる。
【0050】
本発明に係る栄養組成物に含まれ得るミネラル及び微量元素の例としては、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リン、銅、亜鉛、鉄、セレン、クロム及びモリブテンなどのミネラル元素及び微量元素が挙げられる。
【0051】
好ましい実施形態では、本発明の組成物はミネラルカルシウムを含む。カルシウムは、例えば、1種又は複数種のカルシウム無機塩(塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム及び/又は炭酸カルシウム)、カルシウム有機塩(クエン酸カルシウム、マレイン酸カルシウム又はそれらの混合物など)、及び/又は、粉末脱脂ミルク又はカルシウムカゼインなどのカルシウムを含む有機成分などの、例えば、1種又は複数種の有機及び/又は無機の生理学的に許容し得る化合物であってもよい。
【0052】
好ましい実施形態では、本発明の組成物はミネラルマグネシウムを含む。マグネシウムは、例えば、1種又は複数種のマグネシウム無機塩(塩化マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム及び/又は炭酸マグネシウム)、マグネシウム有機塩(クエン酸マグネシウム、マレイン酸マグネシウム又はそれらの混合物など)、及び/又は、マグネシウムを含む有機成分などの、例えば、1種又は複数種の有機及び/又は無機の生理学的に許容し得る化合物であってもよい。
【0053】
したがって、本発明の組成物の好ましい実施態様はミネラルカルシウム及び/又はマグネシウムを含む。
【0054】
1種又は複数種の酸化防止剤はまた栄養組成物中に存在していてもよい。酸化防止剤の非限定的な例としては、アスタキサンチン、カロテノイド、コエンザイムQ10(「CoQ10」)、フラボノイド、グルタチオン、クコ(ウルフベリー)、ヘスペリジン、ラクトウルフベリー、リグナン、ルテイン、リコペン、ポリフェノール、セレン、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ゼアキサンチン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0055】
実施形態では、栄養組成物は1種又は複数種のプレバイオティクスを含む。プレバイオティクスの非限定的な例としては、アカシアゴム、アルファグルカン、アラビノガラクタン、ベータグルカン、デキストラン、フラクトオリゴ糖、フコシルラクトース、ガラクトオリゴ糖、ガラクトマンナン、ゲンチオオリゴ糖、グルコオリゴ糖、グアーガム、イヌリン、イソマルトオリゴ糖、ラクトネオテトラオース、ラクトスクロース、ラクツロース、レバン、マルトデキストリン、ミルクオリゴ糖、部分的加水分解グアーガム、ペクチン由来オリゴ糖、難消化性デンプン、老化澱粉、シアロオリゴ糖、シアリルラクトース、ダイズオリゴ糖、糖アルコール、キシロオリゴ糖、それらの加水分解物、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0056】
栄養組成物は1種又は複数種のプロバイオティクスを含む。プロバイオティクスの非限定的な例としては、アエロコッカス(Aerococcus)、アスペルギルス(Aspergillus)、バクテロイデス(Bacteroides)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)、カンジダ(Candida)、クロストリジウム(Clostridium)、デバロマイセス(Debaromyces)、エンテロコッカス(Enterococcus)、フソバクテリウム(Fusobacterium)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、ラクトコッカス(Lactococcus)、ロイコノストック(Leuconostoc)、メリソコッカス(Melissococcus)、マイクロコッカス(Micrococcus)、ムコル(Mucor)、オエノコッカス(Oenococcus)、ペディオコッカス(Pediococcus)、ペニシリウム(Penicillium)、ペプトストレプトコッカス(Peptostrepococcus)、ピキア(Pichia)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)、プソイドカテヌラタム(Pseudocatenulatum)、リゾプス(Rhizopus)、サッカロマイセス(Saccharomyces)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、トルロプシス(Torulopsis)、ワイセラ(Weissella)、非複製微生物、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0057】
栄養組成物は繊維又は種々のタイプの繊維のブレンドを含んでもよい。繊維ブレンドは、可溶性及び不溶性の繊維の混合物を含有してもよい。可溶性の繊維としては、例えば、フラクトオリゴ糖、アカシアガム、イヌリン、寒天、アルギン酸塩、イナゴマメ、カラギーナン、アラビアガム、グアーガム、カラヤガム、ペクチン又はキサンタンガムなどを挙げることができ、これらの可溶性の繊維は、加水分解された形態又は非加水分解形態である。不溶性の繊維としては、例えば、エンドウ豆の外側繊維を挙げることができる。
【0058】
本発明の栄養組成物はまた、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、葉酸、チアミン、リボフラビン、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、ビオチン、及びパントテン酸から選択される1種又は複数種のさらなるビタミンを含むことができる。
【0059】
一実施形態では、栄養組成物はタンパク質源を含む。タンパク質源は、これらに限定されないが、動物性タンパク質(乳タンパク質、食肉タンパク質又は卵タンパク質など)、植物性タンパク質(大豆タンパク質、小麦タンパク質、米タンパク質、及びエンドウ豆タンパク質など)、又はこれらの組み合わせを含む食物タンパク質(dietary protein)であってもよい。実施形態では、タンパク質は、乳清、チキン、トウモロコシ、カゼイン、小麦、亜麻、大豆、イナゴマメ、エンドウ豆、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0060】
一実施形態では、栄養組成物は炭水化物源を含む。任意の適切な炭水化物は、本発明の栄養組成物に使用することができ、これらに限定されないが、デンプン、ショ糖、乳糖、ブドウ糖、果糖、コーンシロップ固形物、マルトデキストリン、加工デンプン、アミロースデンプン、タピオカデンプン、トウモロコシデンプン、キシリトール、ソルビトール、又はそれらの組み合わせを含む。
【0061】
一実施形態では、栄養組成物は脂肪源を含む。脂肪源は、任意の適切な脂肪又は脂肪混合物を含むことができる。例えば、脂肪源としては、これらに限定されないが、植物性脂肪(オリーブ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、ナタネ油、キャノーラ油、ヘーゼルナッツ油、ダイズ油、パーム油、ココナッツ油、クロフサスグリ種子油、ルリヂサ油、レシチンなど)、動物性脂肪(乳脂肪などの)、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。脂肪源はまた、上に挙げた脂肪のより精製されていない変形(例えば、ポリフェノール含有オリーブオイル)であってもよい。
【0062】
さらに、本発明に係る栄養組成物はまた、例えば、バナナ、オレンジ、ピーチ、パイナップル若しくはラズベリーのようなフルーツフレーバー、又はバニラ、ココア、コーヒーなどのような他の植物フレーバーなどの、天然又は人工の香味料を含んでいてもよい。
【0063】
本発明に係る栄養組成物は、0.01mg~500mgの各成分が含まれる毎日の経口投与に適した、ある量のビタミンD、並びにオレウロペイン及びヒドロキシチロソールのうちの1種又は複数種を含み得る。
【0064】
本発明に係る栄養組成物中に含有されるカルシウムの量は、100mg~1000mg、好ましくは200mg~700mg、さらに好ましくは300mg~600mgのカルシウムが含まれる、該組成物により提供される毎日の投与に適合されている。
【0065】
栄養組成物の形態:
本開示に係る好適な栄養組成物の形態としては、例えば、乳児用調合乳、溶液、直ぐに消費できる組成物(ready-for-consumption composition)(例えば、直ぐに飲める組成物(ready-to-drink composition)又はインスタントドリンク)、液体食料品、ソフトドリンク、ジュース、スポーツドリンク、ミルクドリンク、ミルクシェーク、ヨーグルトドリンク、スープなどが挙げられる。さらなる実施形態では、栄養組成物は、水又は他の液体(例えばミルク又は果汁)で希釈されて、直ぐに消費できる組成物(例えば、直ぐに飲める組成物又はインスタント飲料)を得る濃縮物、粉末又は顆粒(例えば発泡性顆粒)の形態で製造され販売することができる。
【0066】
さらに、栄養組成物の形態としては、乳製品、焼き製品(baked product)、乳製品、デザート、菓子製品、シリアルバー、朝食用シリアルが挙げられる。乳製品の例としては、ミルクとミルクドリンク、ヨーグルト及び他の発酵乳製品、アイスクリーム、チーズが挙げられる。焼き製品の例としては、パン、ビスケット、ケーキが挙げられる。調合乳の例には栄養的に完全な調合乳が含まれる。
【0067】
一実施形態では、本発明に係る使用のための組成物はまた、特に犬又は猫のために、湿潤形態、半湿潤形態又は乾燥形態に拘わらず、特にビスケットの形態で、動物用食品としてデザインされた非常に様々な形態で利用可能であることもできる。
【0068】
投与ルート:
本開示の栄養組成物は、ヒトへの投与に、特に、胃腸管の任意の部分での投与に適切な任意の手段によって投与することができる。腸内投与、経口投与、及びチューブ又はカテーテルを通した投与はすべて、本開示でカバーされる。栄養組成物はまた、経口、直腸、舌下、唇下、口腔内、局所などから選択される手段により投与することができる。
【0069】
栄養組成物が経口投与するように処方される場合、該組成物は、液体の経口栄養サプリメント(例えば不完全栄養補給剤(incomplete feeding))又は完全栄養補給剤(complete feeding)であってもよい。この方法では、栄養組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、液剤、チュアブル、ソフトゲル、サシェ剤、散剤、シロップ剤、液体懸濁剤、乳剤及び便利な剤形の液剤などを含む、任意の知られている形態で投与することができる。軟カプセルでは、活性原材料は、好ましくは、例えば、脂肪油、パラフィン油又は液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解又は懸濁される。任意選択で安定剤が添加されてもよい。
【0070】
本開示の栄養組成物は、不完全又は完全な栄養の源のいずれであってもよい。栄養組成物は、経口投与又は経管栄養によって投与してもよい。栄養組成物は、経口投与するように処方される場合には、液体の経口栄養サプリメント又は補給剤であってもよい。栄養組成物はまた、短期又は長期経管栄養のために使用することができる。
【0071】
使用のための組成物(障害及びターゲットグループ):
本発明者は、本発明に係る組成物は、増進した骨形成及び/又は軟骨同化を示す骨芽細胞の増進した刺激をもたらすことを示した。
【0072】
一実施形態では、本発明に係る使用は、骨形成と骨吸収との関係のアンバランスに関連する、及び/又は軟骨ターンオーバーに関連する障害の、骨形成及び/又は軟骨同化の刺激を増強することによる、防止、緩和及び/又は予防への使用である。
【0073】
本発明に係る使用のための組成物は、例えば、本発明に係る組成物の投与により投与される個体の骨及び/又は軟骨の状態の維持に使用するためのものであってもよい。
【0074】
本発明に係る組成物は、成人年齢の始めで達成される骨密度を増加させ、成人年齢の始めでの最大骨量(ピーク骨量)を増加させるために、例えば、成長期の若い個体での骨形成及び軟骨同化を刺激するために有用であり得る。
【0075】
組成物はさらに、最大骨量を増加させるために、成人の骨形成及び/又は軟骨同化を刺激するのに有用であり得る。したがって、組成物は、例えば、閉経周辺期の女性、健康な成人及び/又は前骨関節炎である健康な高齢化成人などの健康な成人及び/又は健康な高齢化成人、又は、骨関節炎、骨粗鬆症及び/又は骨折事象などの骨及び/又は軟骨の障害と診断された成人における、骨形成及び/又は軟骨同化を刺激するのに有用であり得る。
【0076】
本発明に係る組成物は、他の実施形態では、例えば、加齢に伴って発生する骨損失の防止に有用であり得る。
【0077】
本発明に係る組成物は、他の実施形態では、加齢の間に骨及び軟骨の機能を含む、関節の機能を維持し改善するために有用であり得る。
【0078】
本発明に係る組成物は、いくつかの実施形態では、骨強度を改善するのに有用であり得る。
【0079】
さらなる実施形態では、本発明に係る使用のための組成物は、骨粗鬆症、ページェット病、人工器官の近くに観察される骨損失若しくは骨溶解、転移性骨疾患、甲状腺機能亢進症、がんによる低カルシウム血症、多発性骨髄腫、歯周病、骨関節炎、骨折若しくは骨折治癒に起因する骨欠損などの、骨形成及び/又は軟骨同化における障害の処置における使用に関する。
【0080】
好ましい実施形態では、本発明は、障害が骨粗鬆症及び/又は骨関節炎である、本発明に係る使用のための組成物に関する。
【0081】
さらなる実施形態では、本発明に係る使用のための組成物は、骨折に起因する骨欠損を処置するための使用に関する。
【0082】
本発明に係る使用のための組成物は、骨折治癒中の改善された骨形成及び/又は再生、及び/又は軟骨同化をもたらすことができる。それは、骨粗鬆症のリスクを低減し、骨折後の回復を改善するために有用であり得る。
【0083】
本発明の組成物は、骨損失、特に、哺乳動物の加齢に関連した骨損失、又は長期間の入院に関連した骨損失を防止するのに役立ち得る。
【0084】
さらに、それは、哺乳動物における軟骨を構築し、ペット及びヒトにおける骨関節炎を防止するのに役立つことができ、個体(例えば、ペット及び/又はヒト)のより良い活動性又は運動性にいたる。
【0085】
したがって、特に、本発明に係る組成物は、例えば、骨関節炎を処置、緩和若しくは防止することにより、及び/又は骨強度を改善することにより、個体の活動性及び/又は運動性を改善するために使用するためのものであってもよい。
【0086】
本発明の特定の実施形態は、例えば、高齢又は高齢化個体において、骨関節炎を処置、緩和若しくは防止することにより、及び/又は骨強度を改善することにより、個体の活動性及び/又は運動性を改善するために使用するための組成物に関する。
【0087】
さらなる実施形態では、本発明に係る使用のための組成物は、ヒト又はペットなどの哺乳動物において使用するためのものであり得る。ペットの例としては、ネコ、イヌ及びウマが挙げられる。
【0088】
本発明は、多くの種々の年齢層において有用であり得るが、好ましい実施形態では、本発明に係る使用のための組成物は、高齢化集団、特に高齢患者を標的としている。
【0089】
本発明の栄養組成物の製造方法:
本発明は、さらなる態様では、本発明の栄養組成物を製造するための方法に関し、該方法は、
栄養組成物を提供するステップ、及び
調製された栄養組成物がビタミンDと1種又は複数種のポリフェノールとの組み合わせを含むように、該栄養組成物に、ビタミンDのうちの1種若しくは複数種、及び1種若しくは複数種のポリフェノールを加えるステップ
を含む。
【0090】
本発明のこの態様の実施形態では、ポリフェノールは、例えばオリーブポリフェノールであってもよく、例えば、オレウロペイン、リグストロシド、ヒドロキシチロソール及び/又はチロソールから選択される1種又は複数種、好ましくはオレウロペイン及びヒドロキシチロソールのうちの1種又は複数種、さらにより好ましくはオレウロペイン及びヒドロキシチロソールの両方であり得る。
【0091】
医薬組成物:
さらなる態様では、本発明は、ビタミンDと、(例えば、オレウロペイン、リグストロシド、ヒドロキシチロソール及び/又はチロソールから選択される)オリーブポリフェノールなどの1種又は複数種のポリフェノール、好ましくはオレウロペイン及び/又はヒドロキシチロソールと、を含む医薬品に関する。医薬品はヒト用組成物であってもよい。それは、代わりに、例えば、イヌ、ネコ又はウマ、特にサラブレッド馬に適切な獣医用組成物であってもよい。
【0092】
医薬品は、ヒト又は動物の疾患を医療で防止、診断、緩和、処置又は治療するために物質が体に接して又は体内で使用される、栄養組成物以外の組成物を意味する。
【0093】
好ましい一実施形態では、本発明の医薬組成物は、ビタミンDと、オレウロペイン及び/又はヒドロキシチロソールを含む。
【0094】
本発明は、本発明の組成物の使用として上述されたような、本発明に係る医薬品の使用にさらに関する。
【0095】
本発明に係る医薬組成物は、ビタミンD及び1種若しくは複数種のポリフェノールと、薬学的に許容し得る添加剤で構成される群から選択される少なくとも1種の添加剤と、の組み合わせを含む。本発明に係る医薬組成物の調製のための手順は、当業者により、例えば、ハンドブックRemington’s Pharmaceutical Sciences,Mid.Publishing Co,Easton,Pa.,USAにおいて、容易に見出すことができる。生理学的に許容される添加剤、ビヒクル及びアジュバントもまた、「医薬添加剤のハンドブック、第2版、米国薬剤師会、1994年」と題するハンドブックに記載されている。本発明に係る医薬組成物を製剤化するために、当業者は、欧州薬局方又は米国薬局方(USP)の最新版を有利に参照することができるであろう。当業者は、特に、欧州薬局方第4版「2002年」を、また、米国薬局方のUSP25-NF20(米国薬局方)版を有利に参照できるであろう。
【0096】
有利には、上記で定義されたような医薬組成物は、経口、非経口又は静脈内投与に適している。本発明に係る医薬組成物は、少なくとも1種の薬学的又は生理学的に許容し得る添加剤を含む場合には、それは、特に、経口経路による組成物の投与に適した添加剤、又は非経口ルートによる組成物の投与に適した添加剤である。
【0097】
本発明に係るビタミンD及び1種若しくは複数種のポリフェノールを含む医薬組成物は固体又は液体の形態で通常使用可能である。経口投与のために、錠剤、カプセル又はゼラチンカプセル剤の形態の固体医薬組成物が好ましいであろう。
【0098】
液体形態では、水性又は非水性懸濁液の形態、あるいはまた、油中水型又は水中油型エマルジョンの形態の医薬組成物が好ましいであろう。固体の医薬形態は、ビヒクル、アジュバント又は添加剤として、少なくとも1種の希釈剤、1種の香味剤、1種の安定化剤、1種の滑沢剤、1種の懸濁剤、1種の結合剤、1種の崩壊剤及び1種の封入剤を含んでもよい。このような化合物は、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース系材料、ココアバターなどである。液体形態の組成物はまた、おそらくプロピレングリコール又はポリエチレングリコール、そして、おそらくまた着色剤、香味剤、安定化剤及び増粘剤との混合物として、水を含んでもよい。
【0099】
処置方法:
本発明はまた、骨及び/又は軟骨代謝のアンバランスに関連する障害、特に、骨量の損失及び/又は軟骨の損失に関連した障害の処置、緩和及び/又は予防方法に関し、該方法は、それを必要とする個体に有効量の本発明の組成物を投与することを含む。例えば、この方法は、1種又は複数種のポリフェノールと組み合わせて有効量のビタミンDを投与することを含む。
【0100】
本明細書で使用される場合、「有効量」は、欠乏を防止し、個体における疾患若しくは医学的状態を処置し、又は、より一般的に、症状を減少させ、疾患の進行を管理し、又は栄養的、生理学的若しくは医学的利益を個体に提供する量である。
【0101】
治療効果を達成するために必要とされる本発明に係る組成物の有効量は、特定の組成物、投与ルート、レシピエントの年齢及び状態、そして処置される特定の障害又は疾患によって変動する。
【0102】
本発明は、個体に有効量の本発明の組成物を投与することを含む、骨形成及び/又は軟骨同化を増進させ、成長中の骨ミネラル密度を増加させ、そして最大骨量を最適化する方法、骨関節炎を処置又は防止する方法、及び/又は骨折治癒中の骨形成及び/又は軟骨同化を刺激する方法をさらに提供する。
【0103】
一実施形態では、本発明は、骨代謝におけるアンバランスに関連する障害、特に、骨量の損失に関連した障害の処置、軽減及び/又は予防のための方法に関し、該方法は、治療有効量のビタミンD及び1種若しくは複数種のポリフェノール、又はビタミンD及び1種若しくは複数種のポリフェノールを含有する医薬組成物を、それらを必要とする個体に投与することを含む。
【0104】
一実施形態では、本発明に係る処置方法は、骨関節炎の処置、軽減及び/又は予防に関する。
【0105】
本発明に係る処置方法は、ヒト又はペット、例えば、イヌ、ネコ及び/又はウマのような哺乳動物におけるものであってもよい。
【0106】
特定の実施形態では、処置方法において投与される本発明の組成物は、1又は複数の本発明の栄養組成物及び/又は本発明の医薬組成物であってもよい。
【0107】
投与計画:
本発明は、ビタミンDと、ヒドロキシチロソール及び/又はオレウロペインなどの1種又は複数種のポリフェノールと、の組み合わせが、それらのポリフェノールの骨形成及び/又は軟骨同化効果を増強するという驚くべき知見に関する。
【0108】
その組み合わせは、ポリフェノールの効果を増進させ、骨芽細胞からの早期応答を誘発することの両方ができる。したがって、本発明の組成物は、例えば、骨関節炎の従来の処置に使用された長期間とは対照的に、より短い期間での処置に有用であり得る。
【0109】
したがって、本発明はまた、少なくとも2か月、好ましくは少なくとも3か月などの少なくとも1か月の期間にわたって少なくとも1日1回本発明の組成物が投与される、本発明に係る使用に関する。
【0110】
他の実施形態では、本発明は、組成物が少なくとも1か月間で少なくとも1日に1回投与される、本発明に係る使用に関する。
【0111】
なお、本発明の態様の1つの内容で記載される実施形態及び特徴は、本発明の他の態様にも適用されることに留意すべきである。
【0112】
本出願において引用されたすべての特許及び非特許参考文献は、本明細書にその全体が参照により組み込まれる。
【実施例0113】
本発明は、以下の非限定的な実施例においてさらに詳細に記載される。
【0114】
実施例1(骨芽細胞によるコラーゲン合成):
2004年にDeclercqらにより記載された酵素消化によって、新生Wistarラットの頭蓋冠から1次骨芽細胞を単離した。すべての実験の間、5%COで37℃の条件下で、10%加熱不活化ウシ胎児血清及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含むα-最少必須培地中で細胞を維持した。3500細胞/ウェルの密度でコル-1でコーティングした96-ウェルプレート上に、又は、3×10細胞胞/ウェルの密度で24-ウェルプレート中に、細胞を播種し、コンフルエンスに到達するまでα-MEM中で2日間培養した。次いで、種々の条件:最少培地(C-)、50μg/mlアスコルビン酸及び5mMβグリセロリン酸を含有する最少培地(最適化された培地C+)、及び1μMオレウロペイン(OLP)又は/及び1μMヒドロキシチロソール(HTy)又は/及び10-9M1,25-ジヒドロキシビタミンD3(1,25(OH)2D3)が補充された最小培地に、細胞をさらした。OLP及びHTyはジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、1,25(OH)2D3はエタノールに溶解した。培地中のDMSOとエタノールの最終濃度はそれぞれ0.1%であった。培地は2日ごとに交換した。
【0115】
9日後、細胞のコラーゲン含有量を、BiocolorからのSircolアッセイを用いて測定した。このSircolコラーゲンアッセイは、インビトロ培養中の哺乳動物の組織と細胞から抽出したコラーゲンの分析のために設計された定量的色素結合方法である。色素試薬が、哺乳動物のコラーゲン(タイプI-V)で見出される[Gly-X-Y]nらせん構造に特異的に結合する。
【0116】
図1は、1,25(OH)2D3、OLP及びHTyの組み合わせによる刺激に応答した、培養の9日後の骨芽細胞によるコラーゲン合成(全タンパク質のミリグラム当たりの産生コラーゲンのマイクログラムにより測定される。)を示す。
【0117】
1,25(OH)2D3は10-9M1,25ジヒドロキシビタミンD3;OLPは1μMオレウロペイン;HTyは1μMヒドロキシチロソール;C+は、陽性対照としての最適化培地の使用を示す。
【0118】
データは平均±SEM(3反復)を表わす。統計:Mann Whitney U検定に従ったKruskal Wallis検定(両側) * P<0.05;** P<0.01;*** P<0.001対陰性対照(C-)
【0119】
図1に示されるように、1,25(OH)2D3、OLP及びHTyの組み合わせが、培養の9日後の骨芽細胞の細胞コラーゲン合成を有意に刺激する。
【0120】
実施例2(骨芽細胞のアルカリホスファターゼ活性):
2004年にDeclercqらにより記載された酵素消化によって、新生Wistarラットの頭蓋冠から1次骨芽細胞を単離した。すべての実験の間、5%COで37℃の条件下で、10%加熱不活化ウシ胎児血清及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含むα-最少必須培地中で細胞を維持した。3500細胞/ウェルの密度でコル-1でコーティングした96-ウェルプレート上に、又は、3×10細胞/ウェルの密度で24-ウェルプレート中に、細胞を播種し、コンフルエンスに到達するまでα-MEM中で2日間培養した。次いで、種々の条件:最少培地(C-)、50μg/mlアスコルビン酸、5mMβグリセロリン酸を含有する最少培地(最適化された培地C+)、及び1μMオレウロペイン(OLP)又は/及び1μMヒドロキシチロソール(HTy)又は/及び10-9M1,25-ジヒドロキシビタミンD3(1,25(OH)2D3)が補充された最小培地に、細胞をさらした。OLP及びHTyはジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、1,25(OH)2D3はエタノールに溶解した。培地中のDMSOとエタノールの最終濃度はそれぞれ0.1%であった。培地は2日ごとに交換した。
【0121】
アルカリホスファターゼ(ALP)の酵素活性は、処置0、5、9、12及び15日目に、速度論的に測定した。骨芽細胞を、ドライアイスで凍結する前にPBSで2回洗浄した。次いで、凍結融解サイクル、及び1Mジエタノールアミンと0.24mM塩化マグネシウムの緩衝液pH9.8(ALP緩衝液)の200μlへのホモジネーションにより、細胞を溶解した。細胞溶解物(10μl)を、p-ニトロフェニルホスフェート(p-NPP)の6mg/mlALP緩衝液溶液の200μlに加えた。吸光度を、VarioSklanフラッシュマイクロプレートリーダーを用いて、405nm、30℃で、2分30秒ごとに30分間測定した。ALP活性は、タンパク質1mg当たり1時間当たりのp-NPPのマイクロモルとして表した。タンパク質の測定は、Quick Start BioRadタンパク質アッセイを使用して、ブラッドフォードの方法に従って行った。
【0122】
図2は、1,25(OH)2D3、OLP及びHTyの組み合わせに応答した、9日後のアルカリホスファターゼ(ALP)活性(1時間当たりのタンパク質のミリグラム当たりのマイクロモルのALPで示しされる。)を示す。
【0123】
C-は、陰性対照としての最小培地の使用;1,25(OH)2D3は10-9M1,25ジヒドロキシビタミンD3;OLPは1μMオレウロペイン;HTyは1μMヒドロキシチロソール;C+は、陽性対照としての最適化培地の使用を示す。
【0124】
データは、平均±SEMを表わす。統計:Mann Whitney U検定に従ったKruskal Wallis検定(両側)*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001対陰性対照(C-)
【0125】
図2は、1,25(OH)2D3、OLP及びHTyの組み合わせの添加が、培養9日後に有意に骨芽細胞の細胞コラーゲン合成を刺激することをさらに示している。
【0126】
図3~6は、1,25(OH)2D3、オレウロペイン(OLP)、ヒドロキシチロソール(HTy)の存在下で培養した骨芽細胞のアルカリホスファターゼ(ALP)活性を、経時的モデルで別々に又は組み合わせで、示している。
【0127】
C-は、陰性対照としての最小培地の使用;1,25(OH)2D3は10-9M1,25ジヒドロキシビタミンD3;OLPは1μMオレウロペイン;HTyは1μMヒドロキシチロソール;C+は、陽性対照としての最適化培地の使用を示す。
【0128】
データは、平均±SEMを表わす。統計:Mann Whitney U検定に従ったKruskal Wallis検定(両側)*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001対陰性対照(C-)
【0129】
結論:
図3に示されるデータから分かるように、ビタミンD3の添加それ自体で、骨芽細胞活性並びに骨形成及び/又は軟骨同化を示すAP活性の小さいが統計的に有意な増加を、15日目で誘発する。同様に、HTyそれ自体又はOLPそれ自体のいずれかの添加はまた、ビタミンD3の効果に匹敵する小さな増加を15日目でもたらす(それぞれの図を参照)。
【0130】
HTyとOLPの両方の組み合わせはまた、骨芽細胞の活性を増加させる(15日目参照)が、ビタミンDとHTy又はOLPのいずれかとの組み合わせと同程度ではない。対照と統計学的に有意な差を有するポイントは12日目及び15日目のみである。5日目及び9日目の早期の測定値は陰性対照と統計的に異ならない。
【0131】
したがって、本データは、ビタミンDの添加の二つの効果を例示している。第1に、HTy及びOLPのいずれか一方又は両方と一緒にビタミンDが添加されると、骨芽細胞の応答が増加する。これは、例えば15日目のレベルの比較で見られる。
【0132】
第2に、HTy及びOLPのいずれか一方又は両方と一緒にビタミンDが添加されると、より早く骨芽細胞活性が誘発される。結論としては、ビタミンDの添加はより早期の応答及びより強い応答をもたらす。ビタミンDの添加は、OLP及び/又はHTyによって誘発される骨形成及び/又は軟骨同化応答を増強することが結論される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】
なお、本発明の態様の1つの内容で記載される実施形態及び特徴は、本発明の他の態様にも適用されることに留意すべきである。
本発明の実施形態は例えば下記実施形態1~18を含む。
実施形態1:
骨形成及び/又は軟骨同化に対する1種又は複数種のポリフェノールの効果を増強するための使用のための、ビタミンDを含む組成物。
実施形態2:
前記ポリフェノールはオレウロペイン及びヒドロキシチロソールのうちの1種又は複数種である、実施形態1に記載の使用のための組成物。
実施形態3:
1種又は複数種のポリフェノールによる骨形成及び/又は軟骨同化の刺激を増強するための使用のための、ビタミンD及び前記ポリフェノールを含む組成物。
実施形態4:
前記ポリフェノールはオレウロペイン及びヒドロキシチロソールのうちの1種又は複数種を含む、実施形態3に記載の使用のための組成物。
実施形態5:
前記ポリフェノールはオレウロペイン及びヒドロキシチロソールを含む、実施形態3又は4に記載の使用のための組成物。
実施形態6:
800~1200IUのビタミンD、0.01mg~1gのオレウロペイン、及び0.01mg~1gのヒドロキシチロソールを含む、実施形態5に記載の使用のための組成物。
実施形態7:
抗酸化剤、抗炎症性化合物、脂肪酸、プレバイオティック繊維、プロバイオティクス、グルコサミン、コンドロイチン硫酸、ミネラル、微量元素及び/又はビタミンなどの1種又は複数種のさらなる生物活性分子を含む、実施形態1~6のいずれかに記載の使用のための組成物。
実施形態8:
ミネラルカルシウム及び/又はマグネシウムを含む、実施形態7に記載の使用のための組成物。
実施形態9:
前記使用は高齢化集団、特に高齢患者を対象とする、実施形態1~8のいずれかに記載の使用のための組成物。
実施形態10:
前記使用は、骨形成及び/又は軟骨同化の刺激を増強することによる、骨形成及び/又は軟骨同化と骨吸収との関係のアンバランスに関連する障害の処置、緩和及び/又は予防における使用である、実施形態1~9のいずれかに記載の使用のための組成物。
実施形態11:
前記使用は、運動性を維持する及び/又は改善するためのものである、実施形態1~10のいずれかに記載の使用のための組成物。
実施形態12:
前記使用は、骨の強度を改善するためのものである、実施形態1~11のいずれかに記載の使用のための組成物。
実施形態13:
前記障害は、骨粗鬆症、ページェット病、人工器官の近くに観察される骨損失若しくは骨溶解、転移性骨疾患、甲状腺機能亢進症、がんによる高カルシウム血症、多発性骨髄腫、歯周病、骨関節炎、骨折若しくは骨折治癒に起因する骨欠損から選択される、実施形態1~12のいずれかに記載の使用のための組成物。
実施形態14:
前記障害は骨粗鬆症である、実施形態13に記載の使用のための組成物。
実施形態15:
栄養組成物である、実施形態1~14のいずれかに記載の使用のための組成物。
実施形態16:
少なくとも2か月、好ましくは少なくとも3か月の期間にわたって、少なくとも1日1回投与される、実施形態1~15のいずれかに記載の使用のための組成物。
実施形態17:
ビタミンD及び1種若しくは複数種のポリフェノールを含む医薬組成物。
実施形態18:
骨及び/又は軟骨代謝のアンバランスに関連する障害の処置、緩和及び/又は予防の方法であって、それを必要とする個体に、1種又は複数種のポリフェノールと組み合わせて有効量のビタミンDを投与することを含む方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレウロペインによる軟骨同化の刺激を増強するための使用のための、ビタミンD及び前記オレウロペインを含む組成物であって、800~1200IUのビタミンD及び0.01mg~1gのオレウロペインを含む組成物。
【請求項2】
抗酸化剤、抗炎症性化合物、脂肪酸、プレバイオティック繊維、プロバイオティクス、グルコサミン、コンドロイチン硫酸、ミネラル、微量元素及びビタミンからなる群から選択される1種又は複数種のさらなる生物活性分子を含む、請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項3】
ミネラルカルシウム及び/又はマグネシウムを含む、請求項2に記載の使用のための組成物。
【請求項4】
前記使用は高齢化集団、特に高齢患者を対象とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項5】
前記使用は、軟骨代謝のアンバランスに関連する障害の処置、緩和及び/又は予防における使用である、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項6】
前記使用は、運動性を維持する及び/又は改善するためのものである、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項7】
栄養組成物である、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項8】
少なくとも2か月、好ましくは少なくとも3か月の期間にわたって、少なくとも1日1回投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【外国語明細書】