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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150543
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】装置およびプログラム等
(51)【国際特許分類】
   G07C 5/00 20060101AFI20241016BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20241016BHJP
   H04N 5/92 20060101ALI20241016BHJP
   H04N 5/76 20060101ALI20241016BHJP
   B60R 1/00 20220101ALI20241016BHJP
   B62D 41/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
H04N7/18 J
H04N5/92 020
H04N5/76
B60R1/00
B62D41/00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024113164
(22)【出願日】2024-07-16
(62)【分割の表示】P 2020163097の分割
【原出願日】2020-09-29
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇喜
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両に設置したカメラからの映像を入力して記録手段に記録する機能を備える装置において、従来よりも優れた装置を提供する。
【解決手段】本発明の装置は、車両に設置したカメラからの映像を入力して記録手段に記録する機能を備える装置であって、車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作を検出する機能を備え、車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作を検出したことに応じて記録手段に記録された記録済みの映像のうち所定の範囲の映像を再生する自動再生機能を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置したカメラからの映像を入力して記録手段に記録する機能を備える装置であって、
前記車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作を検出する機能を備え、
前記車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作を検出したことに応じて前記記録手段への前記カメラからの映像の記録を停止するとともに、
前記記録手段に記録された記録済みの映像のうち所定の範囲の映像を再生する自動再生機能を備え、
前記自動再生の完了後に前記走行可能状態での記録を行う走行映像記録モードとは異なる記録を行う駐車時記録モードに入り、前記カメラからの映像の前記記録手段への記録を行う機能を備える装置。
【請求項2】
前記自動再生の完了後に入る前記走行可能状態での記録を行う走行映像記録モードとは異なる記録を行う駐車時記録モードは衝撃を検知したときのみ映像を記録するモードである請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記車両に設置した前記カメラとして、フロントビューカメラと他のカメラを備え、
前記車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作を検出したことに応じて前記記録手段への各カメラからの映像の記録を停止するとともに、
前記記録手段に記録された記録済みの映像のうちフロントビューカメラの所定の範囲の映像を再生する自動再生機能を備える請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記車両に設置した前記カメラとして、フロントビューカメラと他のカメラを備え、
前記自動再生機能に代えて、または、自動再生機能とともに、
フロントビューカメラの前記記憶手段に対する記録映像データを読み出してインターネット上にアップロードする機能を備える請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
請求項1からのいずれかに記載の装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば装置およびプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の事故発生時の前後の車両状況情報(前方映像、車両速度、急加減速など)を記憶するドライブレコーダは、自動車の衝突事故などの際の検証に有益な情報を提供することになるので、特にトラック等の運送用の車両や、タクシー,バス等の営業用車両への搭載が広まっており、さらに、一般の車両にも搭載されつつある。
【0003】
このドライブレコーダは、事故時及び急制動時等において、その発生前後の一定期間についての前方映像とドライバーの運転操作(ブレーキ操作、ウインカー操作、走行経路等)状況を示す走行データとを記憶可能な構成となっている。映像データの記憶をする構成について簡単に説明すると、CMOSカメラ等にて常時、運転者の視点(視野)から自車と周辺状況を撮像するとともに、その撮像した映像をリングバッファ等の一時記憶メモリに記憶する。この一時記憶メモリに記憶する映像は、逐次最新のものに更新され、設定された時間分だけ過去の映像データが保持される。一方、ドライブレコーダは、加速度センサ等の事故や急ブレーキ・急ハンドル時に発生する衝撃を検知するセンサを備え、そのセンサの出力値が閾値を超えた場合、閾値を超えた(衝撃検出)時点より前の一定期間の映像を一時記憶メモリから読み出して不揮発性メモリ(SDカード等)に格納すると共に、閾値を超えた時点以降はその後に撮像したCCDカメラ等の映像を不揮発性メモリに直接或いは一時記憶メモリを経由して格納することで衝撃前及び衝撃後の所定時間にわたる映像と前記走行データ等を不揮発性メモリ(SDカード等)に保存する機能を備える。
【0004】
そして、事故が発生したときには、不揮発性メモリに保存されている自車の車両状況情報(映像等)に基づいて、運転者の正当性を明確に証明することを可能としている。この種のドライブレコーダは、たとえば、特許文献1等に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-114850号公報公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のシステムは、記録手段が交換すべき状態になっているのかがわかりにくくという問題や、ユーザが装置の再生ボタン等を操作して記録手段に記録された映像がきちんと再生されるかを定期的に確認しておかないと記録手段にきちんと映像が記録されているかが分からないという問題や、再生ボタンをいちいち操作をする手間がかかるためという問題がある。その結果、ユーザがせずに車両事故等が実際に発生し、いざ映像を再生する必要が発生したときになって始めて記録手段に映像がきちんと記録されていないことが判明するなど、様々な問題があった。
そこで、本発明は、従来よりも優れた特性を有する装置及びプログラム等を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の目的はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」「~可能である」などと記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、各々の課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙示的に把握されるものであっても、本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正又は分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。またこれら独立の課題を組み合わせた課題を解決する構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)車両に設置したカメラからの映像を入力して記録手段に記録する機能を備える装置であって、
前記車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作を検出する機能を備え、
【0009】
前記車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作を検出したことに応じて前記記録手段に記録された記録済みの映像のうち所定の範囲の映像を再生する自動再生機能を備える装置とするとよい。
【0010】
このようにすれば、ユーザは、単に車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするだけで、記録手段に記録された記録済みのカメラからの映像のうち所定の範囲の映像を自動的に再生させることができる。したがって、ユーザが装置の再生ボタン等を操作して記録手段に記録された映像がきちんと再生されるかを確認しなくても記録手段にきちんと映像が記録されているかが分かりやすい。またユーザが装置の再生ボタン等を操作して記録手段に記録された映像がきちんと再生されるかを定期的に確認する必要もなくなる。またユーザが再生ボタンを操作する手間もかからない。その結果、車両事故等が実際に発生し、いざ映像を再生する必要が発生したときになって始めて記録手段に映像がきちんと記録されていないことが判明する可能性を低減できる。
【0011】
車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作の検出は、例えば、車両のプッシュスタートスイッチがオフにされたこと、車両のキーが操作されエンジン等がオフにされたことを出力する車両の信号線を分岐する等して入力して検出するようにするとよい。
【0012】
本装置は、車両メーカの工場出荷後に車両に後付される装置とするとよい。本装置は複数の筐体に分散してその一部の構成を備えるようにしてもよいが、1の筐体内に収容すると特によい。さらに表示手段も1の筐体に収容するようにするとよい。車両としては、例えばフォークリフト等の特殊車両としてもよいが、特に四輪以上の車輪を有する車両とするとよい。
【0013】
「設置」は、車両メーカの工場出荷後に車両に設置する構成とするとよく、例えば両面テープ等で特に車室内に本装置の筐体や筐体に取り付けた取付具等を貼り付ける等して固定設置可能な構成とするとよい。
【0014】
カメラは、例えば車両の前方を撮影するカメラ、主として前方以外の領域を撮影するカメラ、運転者を撮影するカメラの少なくともいずれか1つとするとよい。カメラは単数であってもよいが、特に複数備え、複数のカメラの映像を撮影した時期を同期させて再生可能に記録するとよい。例えばカメラからの映像のデータをGPS等から取得した時刻のデータと関連づけて各映像データを記憶しておき、各映像データと関連付けて記憶された同一時刻の時刻データに対応する映像データをそれぞれ同時に再生する構成とするとよい。
【0015】
所定の範囲の映像には、常時記録の映像を備えるようにしてもよいが、特にイベント記録の映像を備えるようにするとよい。このようにすれば、イベント発生時の映像をユーザは車両から装置への電源の供給を遮断する操作をするだけで自動的に行わせることができる。
【0016】
記録手段は、不揮発性のメモリとするとよく、特に寿命がDRAM等よりも短い不揮発性のメモリとするとよい。記録手段は、特にNANDフラッシュメモリとするとよい。記録手段は、装置の筐体の内部の基板等に固定されている構成でもよいが、装置に着脱可能な記録媒体とすると特によい。記録手段は、特にカード状の記録媒体とするとよく、特にSDカード、マイクロSDカードとするとよい。
【0017】
(2) 前記車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作の検出は当該装置に対する車両からの電源の供給が絶たれたことに基づいて行い、
当該装置に対する車両からの電源の供給が絶たれたときにバックアップ電源からの電源供給により動作を続ける機能を備え、
【0018】
前記バックアップ電源からの電源の供給が絶たれたことに応じて前記記録手段に記録された記録済みの映像のうち所定の範囲の映像を再生する自動再生機能を備える装置とするとよい。
【0019】
このようにすれば、本装置への車両からの電源の供給を断たれると、記録手段に記録された記録済みの映像のうち所定の範囲の映像が自動的に車両において再生される。したがって、ユーザは装置の再生ボタン等を操作して記録手段に記録された映像がきちんと再生されるかを確認する必要がなく、単に装置への電源の供給が遮断されたときに自動的に再生される映像を見るだけで記録手段へのきちんとできているかを確認することができる。
【0020】
例えば「装置に対する車両からの電源の供給」は、特に車両のシガーソケットから供給を受けうる構成とするとよい。 装置は、車両からの電源の供給がある間に動作する構成とするとよい。例えば装置は車両のシガーソケットから電源の給電とモバイルバッテリ等の車両自体の制御のためのカーバッテリとは異なるバッテリから給電を受ける構成とするとよい。
【0021】
また例えば「装置に対する車両からの電源の供給」は、特に車両自体の始動に必要な電力を車両の各部に供給するためのカーバッテリから供給を受けるようにし、「当該装置に対する車両からの電源の供給が絶たれたとき」を判定可能な車両側の信号線(例えばシガーソケットの電源ライン)に接続してその信号線の信号状態から判定するようにするとよい。
【0022】
(3) 前記車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作を検出したことに応じて前記記録手段への前記カメラからの映像の記録を停止するとともに、前記自動再生を行う機能を備えるとよい。
【0023】
このようにすれば、カメラの映像の記録と、記録済みの映像の再生を同時行う必要がなく、処理を負荷及び消費電力を削減できるとともに、走行不能状態に切り替える前の走行中の記録済み映像を、車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作を検出したことに応じて自動再生できる。
【0024】
前記(2)の構成を備える場合、当該装置に対する車両からの電源の供給が絶たれたことに応じて前記記録手段への前記カメラからの映像の記録を停止するとともに、前記自動再生を行う機能を備える構成とすると特によい。
【0025】
(4) 前記自動再生の完了後に前記走行可能状態での記録を行う走行映像記録モードとは異なる記録を行う駐車時記録モードで、前記カメラからの映像の前記記録手段への記録を行う機能を備える構成とするとよい。
【0026】
このようにすれば、ユーザは、単に車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするだけで、記録手段に記録された記録済みのカメラからの映像のうち所定の範囲の映像を自動的に再生させることができるとともに、その自動再生の完了後に、駐車時記録モードでの記録を、なんらの操作をすることなく、自動的に実行させることができる。
【0027】
「走行映像記録モードとは異なる記録を行う駐車時記録モード」としては、例えば、走行映像記録モードよりも駐車時記録モードの方が装置の消費電力を抑える記録方法を採る構成とするとよい。たとえば、走行映像記録モードよりも駐車時記録モードの方のフレームレートを下げたり、衝撃を検知したときのみ映像を記録したりするとよい。
【0028】
前記(2)の構成を備える場合、前記自動再生の完了後も前記バックアップ電源からの電源供給により動作つづけ前記カメラからの映像の前記記録手段への記録を可能とする駐車時記録モードに入る構成とするとよい。
【0029】
(5) 前記所定の範囲の映像として、前記車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作が検出される直前の走行可能状態の期間において記録された映像とする機能を備えること
【0030】
このようにすれば、ユーザは、単に車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするだけで、記録手段に記録された記録済みのカメラからの映像のうち直前の走行可能状態の期間において記録された映像を自動的に再生させることができる。したがって、今回、車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えたまでの間の直近の走行単位における運転の際の映像を、走行不能状態にユーザが車両を切り替えたときに、自動的に容易にユーザは確認することができる。したがって、例えば自己の今回の運転が適切であったかを自己の運転の記憶が鮮明なうちに、映像によって運転席からその場ですぐに確認することが容易にできる。
【0031】
例えば(2)の構成を備えるとき、当該装置に対する車両からの電源の供給が絶たれる直前から当該装置に対する車両からの電源の供給が開始された時点である車両電源供給範囲の中での所定期間の映像とする機能を備えるとよい。
【0032】
(6)前記車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作が検出される直前の走行可能状態の期間において記録された対象の映像がない場合には、さらに前の車両電源供給範囲に記録された映像へ順次さかのぼって探索して再生する機能を備えるとよい。
【0033】
例えば、後述する(7)の構成を備え、対象の映像をイベント記録された映像とする構成の場合には、「所定期間」は、今回の走行期間にイベント記録があればその映像、今回の走行期間にイベント記録がない場合には、その前の走行期間に順次さかのぼって探索する機能を備えるとよい。
【0034】
例えば、自宅から会社への通勤に車を利用する場合、本日の会社からの帰宅の際に会社でエンジンをかけ自宅についてエンジンを切った場合、その間に、対象の映像としてのイベント記録がないときには、その前の本日の出勤の際に自宅でエンジンをかけ会社でエンジンを切った範囲を探索する。この範囲にもイベント記録がない場合には前日の帰宅時、前日の出勤時・・のように、順次さかのぼって探索して再生するとよい。
【0035】
例えば(2)の構成を備えるとき、前記車両電源供給範囲に前記記録手段に記録された所定期間の映像がない場合には、さらに前の車両電源供給範囲に記録された映像を探索して再生する機能を備えるとよい。
(7)前記所定期間の映像として、イベント記録された映像を備えるとよい。
【0036】
このようにすれば、ユーザは、単に車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするだけで、記録手段に記録された記録済みのカメラからの映像のうち所定の範囲のイベント記録された映像を自動的に再生させることができる。
【0037】
イベント記録としては、例えばセンサまたはスイッチからの信号が所定の状態に変化したことを検出したときに、記録する構成とするとよい。例えば、イベントが発生したと判定されたときに記録する映像は、イベントが発生した時点を含む映像とするとよく、特にイベントが発生した前の所定秒数(例えば15秒)、特にイベントが発生した後の所定秒数(例えば20秒)を含む所定の秒数(例えば15秒+20秒=35秒)とするとよい。
【0038】
ユーザは、単に車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするだけで、記録手段に記録された記録済みのイベント記録された映像のうち所定の範囲の映像を自動的に再生させることができる。
(8)前記イベント記録された映像の当該イベントに対応して記録された記録時間の全体範囲を再生せずに、その一部範囲のみを再生する機能を備えるとよい。
【0039】
このようにすれば、ユーザは短時間で車両においてイベント記録された映像の概要を把握することができる。特にユーザが車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作を行ったときには、その後、比較的短い時間で降車する可能性がある。この降車までの間短時間での確認を容易に行うことができる。
【0040】
例えばイベント記録が、イベントが発生した前の15秒とイベントが発生した後の20秒を含む合計35秒の映像の記録をする構成である場合、一部範囲として、例えばイベント発生前の10秒とイベント発生後の5秒の合計15秒を再生するとよい。特に一部範囲として、イベント発生前の再生秒数をイベント発生後の再生秒数よりも長くすると、再生が始まってすぐに目を表示手段に向けることができない場合であっても、イベント発生時の映像が確認できる可能性が高まるのでよい。
【0041】
一部範囲としては、動画の秒数を15秒以内とするとよい。このようにすれば表示手段をスマホで撮影するなどしてTiktokなどのSNSに容易にアップロードすることができる。
【0042】
一部範囲の動画の秒数を設定できるようにするとよい。特に、装置に予めSNS の種類別に秒数を記憶しておき、ユーザがSNS の種類を選択操作をすることで、一部範囲として再生する秒数を設定する機能を備えるとよい。
(9) 前記一部範囲のみを再生する機能として、イベント記録された映像の再生開始位置を設定しておく機能を備えるとよい。
【0043】
例えば、イベント記録の先頭から所定秒数後(例えば5秒後)の位置から再生を開始するようにするとよい。例えば、イベント発生位置(例えばトリガ位置)を起点に前何秒、後ろ何秒などを設定する機能を備えるとよい。
(10) 複数の前記イベント記録された映像を、連続的に再生する機能を備えるとよい。
【0044】
このようにすれば、ユーザは、単に車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするだけで、記録手段に記録された記録済みのカメラからの複数のイベント記録の映像を連続的に自動的に再生させることができる。
特に複数の映像の一部を連続して再生する機能を備えるとよい。
【0045】
(11) 前記自動再生機能によって再生された映像に異常がないかをユーザに入力させる機能を備え、当該入力結果に基づき前記記録手段の正常・異常を判定する機能を備えるとよい。
【0046】
このようにすれば、車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするごとに、記録手段に記録された記録済みのカメラからの映像のうち直前の走行可能状態の期間において記録された映像を自動的に再生させて、ユーザにこの自動再生機能によって再生された映像に異常がないかを入力させることができ、その入力結果に基づき前記記録手段の正常・異常を判定することができる。
【0047】
特に、前記自動再生機能によって再生された映像に異常がないかをユーザに入力させる機能は、特に、単に自動再生された映像を見た場合には、見たことを示す指示を入力する機能とするとよい。
【0048】
自動再生機能の映像の再生に先立ち映像が再生できたら操作するように指示する報知を行うとよい。「本日の走行イベント映像を再生します。再生できていたら上のボタンを押してください!」のように、音声出力または表示手段への描画の少なくともいずれか一方を行って報知をする機能を備えるとよい。
【0049】
(12) 前記自動再生機能によって再生された映像に異常がないかをユーザに入力させる機能を備え、当該入力結果と再生した記録手段の領域を特定するための情報とを関連づけて履歴として保存しておき、当該履歴に基づき前記記録手段の正常・異常を判定する機能を備えるとよい。
このようにすれば、より確実に記録手段が正常であるか異常であるかを判定することができる。
【0050】
入力結果と再生した記録手段の領域を特定するための情報を対応付けて履歴として記録しておき、この履歴に基づきカードの異常正常を判定する構成とするとよい。例えば、ボタンが押されたことが検出されたら、正常に記録できているという履歴(例えば日時と再生したセクター番号など)を記録しておき、この履歴に基づいて判定するようにするとよい。あるいは逆にボタンが押されたことが検出されたら、正常に記録できていないという履歴(例えば日時と再生したセクター番号など)を記録しておき、この履歴に基づいて判定するようにするとよい。
【0051】
自動再生した再生映像が乱れていたり、真っ黒だったりした場合に、その旨をユーザに入力させる構成としてもよい。この再生範囲を不良領域としてマークし、以後このマークした領域に書き込みを行わないようにしてもよい。また不良の可能性があるので記録手段を交換する必要がある旨など所定の対応を促す報知を行うようにしてもよい。
(13) 前記異常と判定した場合には、表示手段に前記記録手段の交換に関する情報のURLを情報として含む情報を表示させる機能を備えるとよい。
【0052】
このようにすれば、ユーザはすぐに車両において記録手段の交換に関する情報のURLを情報として含む情報を得ることができる。記録手段の交換に関する情報のURLを情報として含む情報としては、その装置で推奨される品番の記録手段の購入サイトのURL やQR コードを表示したり、交換時期である旨を表示したりするとよい。このようにすれば、すぐに車両に乗ったまま記録手段の販売店等に向かうことも容易に可能となり、記録手段が異常のまま車両のカメラの映像が記録されないという問題の発生を極めて速やかに解消できる。
(14)前記異常と判定された映像が記録された領域の周辺の領域について試し書きを行い記録手段の故障の可能性が高いか否かを判定する機能を備えるとよい。
このようにすれば、より確実に記録手段に異常があるか否かを判定することができる。
【0053】
例えば、上記(12)等の構成を備え、異常であるとマークした領域の周辺の領域についても、データを試し書きしてみて記録手段の大部分に異常があるか、それともたまたま再生したところが壊れているだけかに基づいて異常の有無を判定するようにするとよい。
【0054】
(15) 前記自動再生機能によって再生された映像を消去するか否かをユーザに入力させる機能を備え、消す旨の指示が入力された場合には当該自動再生した映像を消去する機能を備えるとよい。
このようにすれば、記憶手段に記憶された映像のうち不要な映像を車両において速やかに消去して、その後の記録可能時間を伸ばすことも可能となる。
例えば、再生した映像を消すかを尋ねる報知を行い、消す旨の指示が入力されたら再生した映像を消去する構成とするとよい。
【0055】
(16) 前記自動再生機能は、異なる範囲の映像を連続して自動再生する機能を備え、当該自動再生機能によって連続して自動再生した映像を消去するか否かをユーザに入力させる機能を備え、消す旨の指示が入力された場合には当該自動再生した当該自動再生機能によって連続して自動再生した映像の範囲を消去する機能を備えるとよい。
このようにすれば、連続して自動再生した異なる範囲の映像を一回の操作で容易かつ迅速に消去することができる。
【0056】
例えば、自動再生によって、連続して再生したとき、その連続して再生したすべての映像を一括で消去するかをユーザに尋ね、一連の映像を一括で消去する機能を備えるとよい。
(17) 前記自動再生機能は、記録手段に記録された複数のカメラの映像を同時に表示手段に表示するように再生する機能を備えるとよい。
複数のカメラとしては例えばリアカメラとフロントカメラの双方とするとよい。
【0057】
(18) インターネットへの接続機能を備え、前記自動再生機能に代えて、または、前記自動再生機能とともに、自動的にSNSにアップロードする自動SNSアップロード機能を備えるとよい。
【0058】
このようにすれば、ユーザは、単に車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするだけで、記録手段に記録された記録済みのカメラからの映像のうち所定の範囲の映像を自動的にSNSへアップロードさせることができる。したがって、ユーザが装置の再生ボタン等を操作して記録手段に記録された映像をアップロードさせる手間がかからない。しかもこのSNSにアップロードされた映像は、スマートフォン等で容易に確認することができるので、ユーザが装置の再生ボタン等を操作して記録手段に記録された映像がきちんと再生されるかを定期的に確認する必要もなくなる。またユーザが装置の再生ボタンを操作する手間もかからない。その結果、車両事故等が実際に発生し、いざ映像を再生する必要が発生したときになって始めて記録手段に映像がきちんと記録されていないことが判明する可能性を低減できる。
【0059】
例えば、(1)の構成を備え、(1)に記載の「前記バックアップ電源からの電源供給に応じて前記記録手段に記録された記録済みの映像のうち所定の範囲の映像を『再生する自動再生機能』を備える」を「前記バックアップ電源からの電源供給に応じて前記記録手段に記録された記録済みの映像のうち所定の範囲の映像を『自動的にSNSにアップロードする自動SNSアップロード機能』を備える」と読み替えた技術を開示するものである。(1)から(17)のいずれかに記載の『自動再生機能』は、『自動SNSアップロード機能』と読み替えた技術を開示するものである。
【0060】
例えば、(2)の構成を備え、(2)に記載の「前記バックアップ電源からの電源供給に応じて前記記録手段に記録された記録済みの映像のうち所定の範囲の映像を『再生する自動再生機能』を備える」を「前記バックアップ電源からの電源供給に応じて前記記録手段に記録された記録済みの映像のうち所定の範囲の映像を『自動的にSNSにアップロードする自動SNSアップロード機能』を備える」と読み替えた技術を開示するものである。(1)から(17)のいずれかに記載の『自動再生機能』は、『自動SNSアップロード機能』と読み替えた技術を開示するものである。
例えば、上記の条件に加え、自宅の車庫等に車が入り自宅のWiFi に接続できたときなど、通信が確立したときにSNSアップするようにしてもよい。
【0061】
(19) スマートフォンへの接続機能を備え、前記自動再生機能に代えて、または、前記自動再生機能とともに、自動的にスマートフォンにアップロードする自動スマートフォンアップロード機能を備えるとよい。
【0062】
このようにすれば、ユーザは、単に車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするだけで、記録手段に記録された記録済みのカメラからの映像のうち所定の範囲の映像を自動的にスマートフォンへアップロードさせることができる。したがって、ユーザが装置の再生ボタン等を操作して記録手段に記録された映像をアップロードさせる手間がかからない。しかもこのスマートフォンにアップロードされた映像は、スマートフォン等で容易に確認することができるので、ユーザが装置の再生ボタン等を操作して記録手段に記録された映像がきちんと再生されるかを定期的に確認する必要もなくなる。またユーザが装置の再生ボタンを操作する手間もかからない。その結果、車両事故等が実際に発生し、いざ映像を再生する必要が発生したときになって始めて記録手段に映像がきちんと記録されていないことが判明する可能性を低減できる。
【0063】
例えば、(1)の構成を備え、(1)に記載の「前記バックアップ電源からの電源供給に応じて前記記録手段に記録された記録済みの映像のうち所定の範囲の映像を『再生する自動再生機能』を備える」を「前記バックアップ電源からの電源供給に応じて前記記録手段に記録された記録済みの映像のうち所定の範囲の映像を『自動的にスマートフォンにアップロードする自動SNSアップロード機能』を備える」と読み替えた技術を開示するものである。(1)から(18)のいずれかに記載の『自動再生機能』は、『自動スマートフォンアップロード機能』と読み替えた技術を開示するものである。
【0064】
例えば、(2)の構成を備え、(2)に記載の「前記バックアップ電源からの電源供給に応じて前記記録手段に記録された記録済みの映像のうち所定の範囲の映像を『再生する自動再生機能』を備える」を「前記バックアップ電源からの電源供給に応じて前記記録手段に記録された記録済みの映像のうち所定の範囲の映像を『自動的にスマートフォンにアップロードする自動スマートフォンアップロード機能』を備える」と読み替えた技術を開示するものである。(1)から(18)のいずれかに記載の『自動再生機能』は、『自動スマートフォンアップロード機能』と読み替えた技術を開示するものである。
【0065】
例えばスマホへの接続機能を備え、「自動的に再生」に代えて「自動的に再生」する機能とともに自動的にスマホのカメラロールに(1)に記載の条件でアップするようにしてもよい。
【0066】
なお(1)から(19)において「入力」する機能について、装置ではなくスマートフォンで行うようにして、その情報をスマートフォンから本装置に送るように「入力」を構成してもよい。
(20)(1)から(19)のいずれかに記載の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとして構成するとよい。
【0067】
上述した(1)から(20)に示した発明は、任意に組み合わせることができる。例えば、(1)に示した発明の全て又は一部の構成に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成としてもよい。特に、(1)に示した発明に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。また、(1)から(20)に示した発明から任意の構成を抽出し、抽出された構成を組み合わせてもよい。本願の出願人は、これらの構成を含む発明について権利を取得する意思を有する。また「~の場合」「~のとき」という記載があったとしても、その場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらはよりよい構成の例を示しているものであって、これらの場合やときでない構成についても権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えたりした構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【発明の効果】
【0068】
本発明によれば、従来よりも優れたシステム等を提供できる。
【0069】
なお、本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」「~可能である」などと記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」「~可能である」などといった記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成よって把握される効果が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1】本発明の好適な一実施形態であるドライブレコーダの構成を示すブロック図 である。
図2】ドライブレコーダのメインユニットと各部の接続関係を示す図である。
図3】ドライブレコーダのメインユニットの正面と背面を示す斜視図である。
図4】メモリカードのメインユニットへの挿入方法とメインユニットの車両への取 付例を示す図である。
図5】フロントビューカメラの車両への取り付け状態を示す図である。
図6】増設カメラの取付例とカメラの構成を示す図である。
図7】リアビューカメラの車両への取り付け状態と撮影範囲を示す図である。
図8】リアビューカメラへの電源供給方法等を示す図である。
図9】リモコンの構成と車両への取付位置の例を示す図である。
図10】カメラの映像を表示装置に対して表示する表示内容の例を示す図である。
図11】再生時に表示装置に対して表示する表示内容の例を示す図である。
図12】再生画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明を提供した一つの実施形態であり、以下の記載に基づいて本願発明の内容が限定して解釈されるものではない。
【0072】
図1図9は、本発明の好適な一実施の形態として、装置としての車両用映像記録装置であるドライブレコーダの構成を示す図である。図1は機能ブロック図、図2は装置構成図である。
【0073】
図1及び図2に示すように、制御部10を備えたメインユニット1(以下本体とも称する)と、メインユニット1の制御部10に接続されるリモコン11・GPSユニット12・リアビューカメラ13・増設カメラ14・フロントビューカメラ15・表示装置16・内蔵マイク17・外部マイク18・メモリカードスロット19・加速度センサ20・スピーカ21を備える。本実施形態では図1の構成要素を図2のような各筐体に配置してそれぞれをケーブルで接続するようにしたがこれに限らず、任意の構成要素を1つの筐体にまとめることができる。例えば図1のすべての構成要素を1つの筐体に組み込みフロントガラス等に設置するようにしてもよい。
【0074】
図2図3(a)等に示すように、メインユニット1の正面には、表示装置16に対して映像信号と音声信号とを出力する端子であるAV出力端子16bと、外部マイク18から音声信号を入力する端子であるマイク端子18bと、SDカードスロット19b(図1のメモリカードスロット19に対応)と、SDカードスロット19bへSDカード2(図4(a)参照)を挿入した際にSDカードをロックして固定するためのスライドレバー19cを備える。スライドレバー19cは、SDカード2の挿入時にSDカード2をロックするためのものであり、図4(a)に示すようにスライドレバー19cを左側へ動かしてSDカード2をSDカードスロット19bへ挿入し、スライドレバー19cから手を離すと元の位置(図4(a))にスライドレバー19cが戻りSDカード2をロックする構造となっている。
【0075】
メインユニット1の背面(正面と対向する面)には、図3(b)に示すように、車両信号接続端子40bと、リモコン接続端子11bと、GPSユニット接続端子12bと、リアビューカメラ接続端子13bと、増設カメラ接続端子14bと、フロントビューカメラ接続端子15bとを備え、それぞれ制御部10へ接続されている。また、メインユニットの上面には、開口部を設け、開口部内に制御部10に接続された内蔵マイク17を有する。
【0076】
これらの各端子には、図2に示すように、それぞれ対応する各コネクタが接続され、各コネクタに接続されたコード(ケーブル)を介して対応する各機器(各部)に接続される。すなわち、制御部10は、AV出力端子16bに接続されたAV出力コネクタ16aを介して表示装置16と接続され、マイク端子18bに接続されたマイクコネクタ18aを介して外部マイク18と接続される。また、制御部10は、車両信号接続端子40bに接続された車両信号接続コネクタ40aを介して車両のブレーキランプ線33、車両の左ウインカー線32、車両の右ウインカー線31、車両の車速信号線30、車両のアース線、車両のACC系電源(以下、ACC電源、あるいは単にACCとも称する)へと接続されている。
【0077】
車両のACC系電源は、車両のエンジンがかけられ(エンジンオンで)車両が走行可能な状態のとき車両側から電源が供給され、エンジンが切られ(車両のキーがエンジンオフの位置に変更され)車両が走行不能な状態のとき車両側から電源が供給されない。車両のACC系電源と車両のアース線は、図1の制御部10、リモコン11、GPSユニット12、増設カメラ13、フロントビューカメラ15、表示装置16、内蔵マイク17、外部マイク18、メモリカードスロット19、加速度センサ20、スピーカ21等の各部の動作に必要な電圧に変換して接続されており、これら各部に電源が供給される。また、メインユニット1には図示しないバッテリを内部に備えている。この内蔵バッテリの電源の出力線はこれら各部の動作に必要な電圧に変換して接続されており、車両のACC系電源から電源が供給されている状態から車両のACC系電源から電源が供給されていない状態に変化したときに自動的に切り替えて電源を供給するバックアップ電源として機能する。内蔵バッテリからこれら各部への電源は、制御部10の制御によってオン・オフを制御する機能を備えている。また制御部10は内蔵バッテリの状態を監視する機能、車両のACC系電源のオン・オフを監視する機能を備えている。
【0078】
制御部10はリモコン接続端子11bに接続されたリモコン接続コネクタ11aを介してリモコン11と接続され、GPSユニット接続端子12bに接続されたGPSユニット接続コネクタ12aを介してGPSユニット12と接続され、リアビューカメラ接続端子13bに接続されたリアビューカメラ接続コネクタ13aを介してリアビューカメラ13と接続され、増設カメラ接続端子14bに接続された増設カメラ接続コネクタ14aを介して増設カメラ14と接続され、フロントビューカメラ接続端子15bと接続されたフロントビューカメラ接続コネクタ15aを介してフロントビューカメラ15と接続されている。フロントビューカメラ接続端子15bと増設カメラ接続端子14bはミニピンジャックであり、リアビューカメラ接続端子13bはRCA端子であり、両者は異なる形状の端子としている。
【0079】
メインユニット1は、車両内に設置する。例えば、図4(b)に示すように、運転席近傍で、ドライバーがSDカード2を取り出しやすい位置であって、かつ、前述した各端子へ接続されたケーブルが運転操作の邪魔にならない位置に設置する。例えば、図4(b)に示すように、運転席の左前方の位置のセンターコンソールやインパネのアンダーカバーなどに両面テープを用いて底面を貼り付けて固定する。このとき、図4(b)の右側方向に、本体正面側を向け、左方向に本体背面側を向けて設置する。
【0080】
フロントビューカメラ15は、車両前方を撮影するためのカメラであり、撮影した映像の映像信号としてNTSC信号を出力する。フロントビューカメラ15は、図5に示すように、車両前方を撮影する方向としてレンズが進行方向を向くように車室内のフロントガラスに両面テープで固定する。固定位置は、車室内のフロントガラスの上部からフロントガラス全体の20%以内の位置(図中符号dで示す範囲)とする。フロントビューカメラ15の電源は、制御部10から供給される。
【0081】
増設カメラ14は、任意の位置に取り付けて車両周辺映像を撮影することのできるカメラであり、撮影した映像の映像信号としてNTSC信号を出力する。例えば、図6(a)に示すように、室内方向(フロントガラスから車両後方方向)を撮影する方向として向けて、車室内のフロントガラスに両面テープで固定する。増設カメラ14の電源は、制御部10から供給される。
【0082】
増設カメラ14は、図6(b)に示すように、撮影した映像をそのまま出力する正像モードと、撮影した映像を左右反転して出力する鏡像モードを備え、モードの設定を行うための設定スイッチ14sを備える。増設カメラ14は、設定スイッチ14sの状態に応じて、正像モードと鏡像モードとを切り替え、対応する映像信号を出力する。例えば、車両前方方向を撮影する場合には正像モード、室内方向や車両後方方向を撮影する場合には、鏡像モードに設定するとよい。
【0083】
リアビューカメラ13は、車両後方を撮影するためのカメラであり、撮影した映像の映像信号としてNTSC信号を出力する。リアビューカメラ13は、例えば、図7(a)(b)に示すように、車両のバックドアの外側のナンバープレート近辺に設置する。リアビューカメラ13の撮影する画角を、図7(c)(d)に示す。図7(c)は車両上面側から車両を見た状態を示す図であり、表示装置16に表示した際の左右方向の画角を示しており、その画角は、撮影方向に対して左右60度(全体で120度)である。図7(d)は、車両側面側から車両を見た状態を示す図であり、表示装置16に表示した際の上下方向の画角を示しており、その画角は、撮影方向に対して左右43度(全体で86度)である。なお、本実施形態では車両の外側に設置したが、車室内のリアガラスから後方を向けて設置し、リアガラス越しに撮影するようにしてもよい。
【0084】
リアビューカメラ13の電源の配線及びリアビューカメラ13からの映像信号の配線について図8を参照して説明する。リアビューカメラ13の電源は、車両のリバースランプのプラス側配線93から供給される。すなわち、リバースランプのプラス側配線93と電源線81とがエレクトロタップ80によって接続され、電源線81及びヒューズ82を介してリアビューカメラ13の電源ラインに接続される構成としている。車両のリバースランプのプラス側配線93はリバースランプの一端とシフトレバーのバックポジションスイッチ92の一端に接続されており、リバースランプ94の他端は車両バッテリ91のマイナス端子に、バックポジションスイッチ92の他端は車両バッテリ91のプラス端子にそれぞれ接続されている。グランド線83は、一端が車両の塗装されていない既存のビスなどに接続され、他端がリアビューカメラ13のグランドラインに接続されており、車両の塗装されていないビスは、車両バッテリ91のマイナス端子に接続されている。車両のバックポジションスイッチ92は、シフトレバーがバックポジションのときオンになり、シフトレバーがバックポジション以外のときオフとなる構成である。その結果、シフトレバーがバックポジションになっている間、車両のリバースランプのプラス側配線93に電流が流れ、リバースランプ94が点灯する。このとき、エレクトロタップ83から電源線81及びヒューズ82を介してリアビューカメラ13に電源が供給される。リアビューカメラ13は、電源が供給されている間、映像信号を出力する。この映像信号は、リアビューカメラ接続端子13bに接続したリアビューカメラ接続コネクタ13aを介して制御部10へ入力される。一方、シフトレバーがバックポジション以外の状態になっている間は、車両のリバースランプのプラス側配線93に電流は流れず、リバースランプ94は消灯するとともに、リアビューカメラ13への電源供給もなされなくなる。その結果、シフトレバーがバックポジション以外の状態になっている間は、リアビューカメラ13からは、映像信号が出力されなくなり、制御部10へもリアビューカメラ13からの映像信号が入力されなくなる。
【0085】
GPSユニット12は、ダッシュボードの前方位置に設置され、GPS信号を受信し、その受信したGPS信号から現在位置を求め、その求めた現在位置の位置情報(経度,緯度)等をNMEA形式のデータで制御部10へ送る。
【0086】
リモコン11は、図9(a)に示すように、第一ボタン11p、第二ボタン11q、第三ボタン11rと、第一ランプ11x、第二ランプ12yを備える。図9(b)に3つの設置パターンを示すように、センターコンソールやインパネのアンダーカバーなどドライバーが操作しやすい位置に、両面テープを用いて裏面を貼り付けて固定する。
【0087】
表示装置16は、カーナビやカーテレビなどであって映像入力端子を備え、映像入力端子からNTSC信号を入力したときに映像を表示するモニタ表示機能を備える。表示装置16は、映像入力端子からNTSC信号を入力していないときは、その表示装置の本来の表示機能による表示を行う。本来の表示機能による表示は、表示装置16がカーナビである場合には地図を描画して表示する機能であり、カーテレビであればテレビ電波を受信してテレビ映像を表示する機能である。表示装置16は、その映像入力端子からNTSC信号が入力されていない状態から入力された状態に移行したことを検知したとき、本来の表示機能からモニタ表示機能に自動的に切り替え、映像入力端子からNTSC信号が入力されている状態から入力されない状態に移行したことを検知したとき、モニタ表示機能から本来の表示機能に自動的に切り替える制御を行う。
【0088】
加速度センサ20は、メインユニット1の内部に設けられ、制御部10と接続されている。メインユニット1の車両への固定後(例えば図4(b)のような固定後)、制御部10が、リモコン11の第一ボタン11pと第二ボタン11qの両ボタンの同時押下が2秒以上検出した場合に、初期設定を行う。この初期設定は、車両をまっすぐに前後させ、この前後させたときの加速度の発生方向を、加速度センサ20で検出し、加速度センサ20の3軸(x軸、y軸、z軸)と、車両の前後方向との対応関係を検出して、以後、加速度センサ20が、車両の前後方向をX軸、車両の左右方向をY軸、車両の上下方向をZ軸とした値を出力するようにする設定処理である。前方向をX軸の正の方向、左方向をY軸の正の方向、上方向をZ軸の正の方向とする。このような初期設定方法は、公知の方法を用いることができる。
スピーカ21は、メインユニット1の内部に設けられ、制御部10と接続されている。
【0089】
制御部10は、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ、各種の周辺回路、インターフェース等を備えるマイコンを備え、図1に示して説明した各部にそれぞれの信号を入力または出力するインターフェースを介して接続されている。制御部10は、車両のACCがONになった場合、映像の記録動作を開始する。制御部10は、ROMに記録されたブートローダーによって、フラッシュメモリに記録されたOSとアプリケーションプログラムをRAM上に展開し、RAM上のOS及びアプリケーションプログラムを実行することで、これから述べる各種の処理を実行して、各種の機能を実現する。OSは、マルチタスクOSであり、各種のアプリケーションプログラムを切り替えて実行することで、並行処理を実現している。
【0090】
制御部10は、ACCがONのとき、随時、車両状態として、GPSユニット12からのNMEAデータ、加速度センサ20、ブレーキランプ線33、左ウインカー線32、右ウインカー線31の信号状態を取得して、メモリカードスロット19に装着されたメモリカード2に対して、所定の時間間隔(例えば1秒あたり30回)でこれらのデータ及び信号状態をファイルに記録していくデータ・信号状態記録処理を行なう。
【0091】
また、制御部10は、複数の車両周辺映像としてフロントビューカメラ15、リアビューカメラ13、増設カメラ14の映像を取得して、表示装置10に表示させるカメラ映像表示処理や、データ・信号状態記録処理によって記録する車両状態とこれらの車両周辺映像とを時間的に同期させて再生可能なデータとしてメモリカード2に対して記録する映像音声記録処理を行う。
【0092】
制御部10は、周辺回路として、フロントビューカメラ15、リアビューカメラ13、増設カメラ14からのNTSC信号を、それぞれ映像データとしてRAM上に取り込むビデオキャプチャ回路を備えている。また、制御部10には、周辺回路として、ビデオメモリ(VRAM)等を備え、ビデオメモリに描画された描画データを、NTSC信号として、後述する電子スイッチを介して、表示装置16へ出力する映像生成回路を備える。
【0093】
制御部10は、ACCがONのとき、随時、キャプチャした各映像データを、ビデオメモリに転送して、表示装置16へ表示させるカメラ映像表示処理を行う。カメラ映像表示処理は、デフォルトの処理として、フロントビューカメラ15の映像を表示装置16へ出力する処理を行う。また、カメラ映像表示処理では、リモコン11の第一ボタン11pの押下が検出された場合に、ビデオメモリに転送して表示装置16に表示させる映像を、フロントビューカメラ15、増設カメラ14、リアビューカメラ13の映像の順に切り替える処理を行う。
【0094】
また、カメラ映像表示処理では、リアビューカメラ13からの映像信号に映像信号が入力されていない状態から入力される状態になった場合には、ビデオメモリに転送して表示装置16に表示させる映像を、リアビューカメラ13からの映像に切り替え、その後、リアビューカメラ13からの映像信号に映像信号が入力されなくなったら、ビデオメモリに転送して表示装置16に表示させる映像を、リアビューカメラ13からの映像に切り替える前の映像に切り替える処理を行う。
【0095】
こうすることで、ドライバーは、シフトポジションをバックにするだけで、図10に示すように、リアビューカメラ13によって撮影された映像が表示装置16の表示領域16aに表示させることができ、車両後方の状況を、表示装置16を見て確認することができる。このように、ドライバーによる車両の操作状態に基づき、制御部10は、表示装置16に対して優先して出力する映像を決定して出力するため、ドライバーは、運転操作とともにリモコン11で映像を切り替える必要がなく、これから走行させる方向の映像が出力されることになり、ドライバーの意思に沿った適切な映像が適切なタイミングで表示されることとなる。
【0096】
映像音声記録処理は、電源投入後、内蔵マイク17から取得した音声及び外部マイク18から取得した音声データを、フロントビューカメラ15、リアビューカメラ13、増設カメラ14のキャプチャした各映像データと併せて記録する処理である。フロントビューカメラ15の映像データ、リアビューカメラ13の映像データ、増設カメラ14の映像データのそれぞれに対して、内蔵マイク17から取得した音声データを左チャンネル、外部マイク18から取得した音声データを右チャンネルとして、MPEG形式でエンコードして、3つのファイルに記録していく。これらのファイルの記録の終了は、本体へのACC電源の供給が遮断されたことを制御部10が検出した際に行う。この点については、後に詳述する。
【0097】
データ・信号状態記録処理で記録する信号状態のファイルのファイル名及び映像音声記録処理によって記録する3つのMPEGファイルのファイル名は、マイコンの周辺回路として備えるリアルタイムクロック(時計)からそれぞれの処理において各ファイルを記録開始した日時を用いて記録する。したがって、このファイル名の日時を読み出すことで、各ファイルのデータの同一日時に記録された位置を特定することができる。よって、これらのファイルを時間的な同期を取りながら再生する再生処理が可能である。
【0098】
制御部10は、リモコン11の第二ボタン11qの長押し(2秒以上の連続押下)が検出された場合、フロントビューカメラ15の映像及び音声について現在記録中のMPEGファイルの先頭から映像を再生する再生処理を開始する(録画しながら再生するいわゆる追いかけ再生を開始する)。再生処理の開始から一定時間(5秒間)は、図11に示すように、再生映像81に重ね合わせて、操作ヘルプ82、再生映像のカメラ情報85、再生状態84、再生映像日時83を表示する。これらの表示は、再生処理中にリモコン11のいずれかのボタンの押下が検出された場合にも、所定時間の間(3秒間)行う。
【0099】
操作ヘルプ82は、リモコン11のどのボタンが押下された場合に、どのような処理がなされるのかを示すものである。図11に示すように、図9のリモコン11を時計周りに45度回転させた状態のリモコン11のボタン位置と処理内容との対応関係を示しており、図中黒色で示されるボタンを押下すると、その右側に文字で記載された処理が実行されることを示している。例えば、図11において「再生/停止/スロー」と描画された箇所の左側にあるリモコン11の模式図において黒色で示されたボタンは第二ボタン11qに対応し、この第二ボタン11qのみの押下が検出されるごとに、再生→停止→スローの順に画面表示処理(すなわち制御部10の再生処理内容)が切り替わることを示している。この現在の画面表示処理の状態は、再生状態84に「再生中」「停止中」「スロー中」のように表示する。また、現在再生している映像を記録したカメラがどのカメラかを示す情報をカメラ情報85として表示する。カメラ情報85は、フロントビューカメラ15によって記録されたファイルの映像を表示中は「CAM1」、増設カメラ14によって記録されたファイルの映像を表示中は「CAM2」、リアビューカメラ13によって記録されたファイルの映像を表示中は「REAR」と表示する。再生映像日時83は、表示中のファイルの映像の日時を表示する領域であり、ファイル名から取得したファイル先頭の記録日時と、ファイルのフレーム情報に基づいて現在表示中のフレームの記録された日時を求めて表示するものである。
【0100】
再生処理中に、第一ボタン11pのみの押下が検出された場合、再生するファイルを切り替え、現在再生中のフレームと同一日時のフレームから映像を再生する。このようにすることで、再生するファイルの切り替えがあっても、映像は時間的に連続したものが表示されることになる。その結果、再生映像日時83についても、再生するファイルの切り替えがあっても、連続して進んでいくことになる。
再生処理中に、第三ボタン11rのみの押下が検出された場合、再生処理を終了してカメラ映像表示処理を行う(再生終了)。
【0101】
再生処理中に、第二ボタン11qと第三ボタン11rの同時押下が検出された場合、再生するファイル自体を現在再生中のファイルから一つ古いファイルへ切り替えていく。すなわち、ファイル名を参照して、ファイル名に含まれる日時から、現在再生中のファイルの1つ前に記録されたファイルを特定して、そのファイルの先頭から映像を再生する。現在再生中のファイルよりも古いファイルがない場合には、現在再生中のファイルを先頭から再生する。
【0102】
再生処理中に、第一ボタン11pと第二ボタン11qとの同時押下が検出された場合、再生するファイル自体を現在再生中のファイルから一つ新しいファイルへ切り替えていく。すなわち、ファイル名を参照して、ファイル名に含まれる日時から、現在再生中のファイルの1つ後に記録されたファイルを特定して、そのファイルの先頭から映像を再生する。現在再生中のファイルよりも新しいファイルがない場合には、現在再生中のファイルを先頭から再生する。
【0103】
このように、リモコン11の操作によって、フロントビューカメラ15、増設カメラ14、リアビューカメラ13の映像を切り替えて、所望の現在の映像を表示装置16に表示させたり、フロントビューカメラ15、増設カメラ14、リアビューカメラ13によって撮影されメモリカード2にすでに記録されている映像を再生させて、リモコン11の操作によって、フロントビューカメラ15、増設カメラ14、リアビューカメラ13の再生映像を切り替えて、所望の過去の映像を表示装置16に表示させたりすることができる。このように取得した車両周辺映像のうちの少なくともいずれか1つの映像か、メモリカード2に記録された少なくともいずれか1の映像を再生した映像のみに切り替える制御を制御部10が行う。
【0104】
次に、前述したファイルの記録の終了について詳述する。ファイルの記録の終了は、本体へのACC電源の供給が遮断されたことを制御部10が検出した際に行う。具体的には、ACC電源の遮断が検出された際に、OSから各記録処理に通知され、すべてのファイルの記録の終了処理が実行される。したがって、車両のACCONによる電源投入からACCOFFによる電源遮断の間で各記録ファイルが生成されることとなる。
【0105】
制御部18は、ACC電源が遮断された場合に、このようにしてすべてのファイルをクローズした後、電源遮断時再生処理を行う。電源遮断時再生処理は、データ・信号状態記録処理においてメモリカード2に記録された加速度センサ20の値の履歴の現在の時刻から過去の時刻に遡る方向に加速度が所定のパターンで変化した時刻を探索する。本実施形態では、所定のパターンとして、前後方向の加速度が所定値未満から所定値以上に変化した時刻を探索し、探索されたその時刻の前5秒の時点から後5秒までの時点の合計10秒間のフロントビューカメラのメモリカード2に対する記録映像データを読み出してメモリに展開して、表示装置16へ映像信号として出力する処理を行う。この加速度の所定値は、本実施形態では加速度として加速度の絶対値を用い、その絶対値は0.4Gとしている。この合計10秒間の映像の再生が終了したら、内蔵バッテリから各部への給電をオフにする制御を行い、電源をオフにする。
【0106】
このようにすることで、ユーザは、走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作、本実施形態では単に車両のエンジンをオフにするだけで、メモリカード2に記録された記録済みのカメラからの映像のうち、現時点から直近の過去において前後方向の加速度の絶対値が0.4G未満から0.4G以上へ変化した時刻の5秒前から5秒後までの映像を見ることができる。したがって、エンジンを切る前の、直近で、急ブレーキや急発進をした映像を、エンジンを切るだけでなんらの操作をしなくても、みることができる。よって、安全運転の意識付けを記憶の新しいときに容易に行うことができる。また、ユーザが再生ボタン等を操作してメモリカード2に記録された映像がきちんと再生されるかを確認しなくても、メモリカード2にきちんと映像が記録されているかを容易に知ることができる。またユーザが再生ボタン等を操作してメモリカード2に記録された映像がきちんと再生されるかを定期的に確認する必要もなくなる。またユーザが再生ボタンを操作する手間もかからない。その結果、車両事故等が実際に発生し、いざ映像を再生する必要が発生したときになって始めてメモリカード2に映像がきちんと記録されていないことが判明する可能性を低減できる。この再生完了後は自動的に電源がオフになるため、ユーザは電源を切る操作をする必要がなく、手間がかからない。
【0107】
車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作の検出は、本実施形態では、ユーザが、エンジンがオンの状態から、車両のキーをエンジンオフの位置に変更する操作がなされたことを、ACC系電源への給電状態がオンからオフになったことをもって判定する構成としたが、これにかぎらず、例えば、プッシュスタート車両において車両のプッシュスタートスイッチがオフにされたこと、車両のキーが操作されエンジン等がオフにされたことを出力する車両の信号線を分岐する等して入力して検出するようにしてもよい。
【0108】
本装置は、車両メーカの工場出荷後に車両に後付される装置とするとよい。本実施形態では、本装置は複数の筐体に分散してその一部の構成を備えるようにしたが、できるかぎり1の筐体内に収容すると特によい。さらに表示装置16も1の筐体に収容するようにするとよい。車両としては本実施形態では四輪車としたが、例えばフォークリフト等の特殊車両としてもよいが、特に四輪を超える車輪を有する車両としてもよい。
【0109】
「設置」は、車両メーカの工場出荷後に車両に設置する構成とするとよく、本実施形態では直接両面テープで筐体を車室内へ貼り付けて固定することとしたが、例えば本装置の筐体に取り付けた取付具等を貼り付けたり、ビスで固定する等して、固定設置可能な構成としてもよい。
【0110】
カメラは、本実施形態では、フロントビューカメラ15、リアビューカメラ13、増設カメラ14としたが、特に、車両の前方を撮影するカメラ、主として前方以外の領域を撮影するカメラ、運転者を撮影するカメラの少なくともいずれか1つとしてもよい。カメラは単数であってもよいが、特に本実施形態のように、複数備え、複数のカメラの映像を撮影した時期を同期させて再生可能に記録するとよい。例えば本実施形態のようにカメラからの映像のデータをGPSユニット12等から取得した時刻のデータと関連づけて各映像データを記憶しておくとよい。また、各映像データと関連付けて記憶された同一時刻の時刻データに対応する映像データをそれぞれ同時に再生する機能を備えるようにしてもよい。この場合、画面を各カメラの映像を再生する領域に分割して、各領域に各々のカメラの記録済みの映像を同期して再生するようにするとよい。例えば画面を4分割し、左上の画面領域にフロントビューカメラ15から記録された映像、右上の画面領域に増設カメラ14から記録された映像、左下の画面領域にリアビューカメラ13から記録された映像、右下の画面領域にデータ・信号状態記録処理によって記録された再生中の映像の時刻のデータを表示させるようにするとよい。
【0111】
本実施形態では、リアビューカメラ13についてはブレーキランプ線への電源を供給するようにしたが、他のカメラと同様に常時給電するようにし、ブレーキランプ線の状態に応じて映像を切り替える構成としてもよい。
【0112】
なお、本実施例では、ACCONからACCOFFまで、常時、映像を記録するようにしたが、常時記録は行なわず、または、常時記録を行いつつ、加速度センサ20によって、車両の衝突に相当する状態を検出した場合に、表示装置16に対して出力している映像にかかわらず、車両状態とフロントビューカメラ15、リアビューカメラ13、増設カメラ14から取得した車両周辺映像とのメモリカード2に対する記録を行うイベント記録処理を行う構成としてもよい。
【0113】
そして、所定の範囲の映像は、本実施形態のように、常時記録の映像としてもよいが、特にイベント記録の映像を備えるようにするとよい。このようにすれば、イベント発生時の映像をユーザは車両から装置への電源の供給を遮断する操作をするだけで自動的に行わせることができる。
【0114】
イベント記録としては、衝撃の発生という衝撃発生イベント以外の各種のイベントとするようにしてもよい。また本実施形態では、車両後方を撮影するリアビューカメラ15等の映像を記録することとしたが、これに限らず任意の映像を記録するようにしてもよく、車両の操作状態としても任意の状態を取得して記録するようにしてもよい。
【0115】
例えば、車両右側映像と車両左側映像を取得するサイドカメラをそれぞれ設け、制御部10は、車内LANと接続され、ドライバーによる車両の操作状態として、車内LANを流れるパケットから所定の車両速度以下(例えば10km/h以下)の状態で、右ウインカーの出されたことを検出した場合には、車両右側映像を他の映像よりも優先して出力する制御を行い、右折イベントとして記録する一方、所定の車両速度以下(例えば10km/h以下)の状態で左ウインカーを出されたことを検出した場合には、車両左側映像を他の映像よりも優先して出力する制御を行い左折イベントとしてイベント記録する。このようにすれば、例えば、駐車場から左右いずれかの方向に退出するときや、見通しの悪い交差点を曲がろうとするときなど、所定の車両速度以下の状態でウインカーを出した方向の車両周辺映像が表示装置16に表示されるともに、そのときの映像がメモリカード2に記録されることとなる。したがって、ドライバーは、エンジンをオフにする操作等を行うだけで、再生のための特段の操作をすることなく、表示装置16をみて過去に右折した際の映像を確認することが容易にできる。
【0116】
本実施形態ではメモリカード2に記録する構成とした。メモリカード2は、特に不揮発性のメモリとするとよく、特に寿命がDRAM等よりも短い不揮発性のメモリを備える構成とするとよい。メモリカード2は、特にNANDフラッシュメモリを備える構成とするとよい。メモリカード2に代えて、装置の筐体の内部の基板等に固定されているメモリを用いる構成としてもよいが、本実施形態のように装置に着脱可能な記録媒体とすると特によい。特に本実施形態のように、カード状の記録媒体とするとよく、特にSDカード、マイクロSDカードとするとよい。
【0117】
本実施形態では、車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作を検出の検出はメインユニット1に対する車両からの電源の供給が絶たれたことに基づいて行い、メインユニット1に対する車両からの電源の供給が絶たれたときにメインユニット1に内蔵するバックアップ電源からの電源供給により動作を続ける機能を備え、車両からの電源からの電源の供給が絶たれたことに応じてメモリカード2に記録された記録済みの映像のうち所定の範囲の映像を再生する自動再生機能を備える構成とした。こうすることで、メインユニット1への車両からの電源の供給を断たれると、メモリカード2に記録された記録済みの映像のうち所定の範囲の映像が自動的に車両において再生される。したがって、ユーザは装置の再生ボタン等を操作して記録手段に記録された映像がきちんと再生されるかを確認する必要がなく、単にメインユニット1への電源の供給が遮断されたときに自動的に表示装置16に再生表示される映像を見るだけでメモリカード2への記録がきちんとできているかを確認することができる。
【0118】
車両からの電源からの電源の供給が絶たれたことを、ACC系電源への電源の供給の有無に基づいて判定することとしたが、ACC系電源は車両自体の配線や車両のヒューズボックス等から分岐して取得してもよいが、特に車両のシガーソケットから供給を受ける構成とするとよい。
【0119】
本実施形態ではメインユニット1に内蔵する内蔵バッテリによってACC系電源がオフになっても動作する構成としたが、外部に設けた別のバッテリ等であって、車両自体の制御のためのカーバッテリとは異なるバッテリをバックアップ電源として、給電を受ける構成とするとよい。例えばモバイルバッテリから給電を受けるようにしてもよい。
【0120】
本実施形態ではメインユニット1に内蔵する内蔵バッテリによってACC系電源がオフになっても動作する構成としたが、特に車両自体の始動に必要な電力を車両の各部に供給するためのカーバッテリ91から供給を受けるようにし、車両からの電源の供給が絶たれたときを判定可能な車両側の信号線、例えばシガーソケットの電源ラインに接続してその信号線の信号状態から判定するようにしてもよい。
【0121】
本実施形態では、メインユニット1に対する車両からの電源の供給が絶たれたことに応じてメモリカード2へのカメラからの映像の記録を停止するとともに、自動再生を行う機能を備える。本実施形態では、車両のキーが操作されエンジンが切られるという、車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作を検出したことに応じて、メモリカード2への各カメラからの映像の記録を停止するとともに、フロントビューカメラ15のメモリカード2への記録済み映像の自動再生を行う機能を備えている。こうすることで、各カメラの映像の記録と、記録済みの映像の再生を同時行う必要がなく、処理を負荷及び消費電力を削減できるとともに、走行不能状態に切り替える前の走行中の記録済み映像を、車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作を検出したことに応じて自動再生できる。
【0122】
本実施形態では、自動再生の完了後に電源をオフにする構成としたが、自動再生の完了後に電源をオフにせず、走行可能状態での記録を行う走行映像記録モードとは異なる記録を行う駐車時記録モードで、各カメラからの映像のメモリカード2への記録を行うようにしてもよい。この記録モードは駐車監視モード等と呼ばれる公知のモードとするとよい。
【0123】
このようにすれば、ユーザは、単に車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするだけで、メモリカード2に記録された記録済みのカメラからの映像のうち所定の範囲の映像を自動的に再生させることができるとともに、その自動再生の完了後に、駐車時記録モードでの記録を、なんらの操作をすることなく、自動的に実行させることができる。
【0124】
駐車時記録モードとしては、例えば、走行映像記録モードよりも駐車時記録モードの方が装置の消費電力を抑える記録方法を採る構成とするとよい。たとえば、走行映像記録モードよりも駐車時記録モードの方のフレームレートを下げたり、衝撃を検知したときのみ映像を記録したりするとよい。
【0125】
例えば、自動再生の完了後もバックアップ電源からの電源供給により動作つづけカメラからの映像のメモリカード2への記録を可能とする駐車時記録モードに入る構成とするとよい。
【0126】
本実施形態では、現時点から直近の過去において前後方向の加速度の絶対値が所定のパターンで変化した時刻の5秒前から5秒後までの映像を再生することとしたが、直近の過去という所定の範囲に限らず、所定の範囲の映像として、車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作が検出される直前の走行可能状態の期間において記録された映像としてもよい。このようにすれば、ユーザは、単に車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするだけで、メモリカード2に記録された記録済みのカメラからの映像のうち直前の走行可能状態の期間において記録された映像を表示装置16に自動的に再生表示させることができる。したがって、今回、車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えたまでの間の直近の走行単位における運転の際の映像を、走行不能状態にユーザが車両を切り替えたときに、自動的に容易にユーザは確認することができる。したがって、例えば自己の今回の運転が適切であったかを自己の運転の記憶が鮮明なうちに、映像によって運転席からその場ですぐに確認することが容易にできる。例えばメインユニット1に対する車両からの電源の供給が絶たれる直前からメインユニット1に対する車両からの電源の供給が開始された時点である車両電源供給範囲の中での所定期間の映像とする機能を備えるようにしてもよい。
【0127】
そして、車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替えるユーザの車両操作が検出される直前の走行可能状態の期間において記録された対象の映像がない場合には、さらに前の車両電源供給範囲に記録された映像へ順次さかのぼって探索して再生する機能を備えるようにしてもよい。例えば、対象の映像をイベント記録された映像とする構成の場合には、「所定期間」は、今回の走行期間にイベント記録があればその映像、今回の走行期間にイベント記録がない場合には、その前の走行期間に順次さかのぼって探索する機能を備えるとよい。例えば、自宅から会社への通勤に車を利用する場合、本日の会社からの帰宅の際に会社でエンジンをかけ自宅についてエンジンを切った場合、その間に、対象の映像としてのイベント記録がないときには、その前の本日の出勤の際に自宅でエンジンをかけ会社でエンジンを切った範囲を探索する。この範囲にもイベント記録がない場合には前日の帰宅時、前日の出勤時・・のように、順次さかのぼって探索して再生するとよい。
【0128】
例えば、車両電源供給範囲にメモリカード2に記録された所定期間の映像がない場合には、さらに前の車両電源供給範囲に記録された映像をメモリカード2から探索して表示装置16に再生表示する機能を備えるとよい。
【0129】
所定期間の映像として、本実施形態では常時記録の映像としたが、特にイベント記録された映像を備えるとよい。このようにすれば、ユーザは、単に車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするだけで、メモリカード2に記録された記録済みのカメラからの映像のうち所定の範囲のイベント記録された映像を自動的に表示装置16に再生表示させることができる。
【0130】
イベント記録としては、例えばセンサまたはスイッチからの信号が所定の状態に変化したことを検出したときに、記録する構成とするとよい。例えば、イベントが発生したと判定されたときに記録する映像は、イベントが発生した時点を含む映像とするとよく、特にイベントが発生した前の所定秒数(例えば15秒)、特にイベントが発生した後の所定秒数(例えば20秒)を含む所定の秒数(例えば15秒+20秒=35秒)とするとよい。
【0131】
ユーザは、単に車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするだけで、記録手段に記録された記録済みのイベント記録された映像のうち所定の範囲の映像を自動的に再生させることができる。
イベント記録された映像の当該イベントに対応して記録された記録時間の全体範囲を再生せずに、その一部範囲のみを再生する機能を備えるとよい。
【0132】
このようにすれば、ユーザは短時間で車両においてイベント記録された映像の概要を把握することができる。特にユーザが車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作を行ったときには、その後、比較的短い時間で降車する可能性がある。この降車までの間短時間での確認を容易に行うことができる。
【0133】
例えばイベント記録が、イベントが発生した前の15秒とイベントが発生した後の20秒を含む合計35秒の映像の記録をする構成である場合、一部範囲として、例えばイベント発生前の10秒とイベント発生後の5秒の合計15秒を再生するとよい。特に一部範囲として、イベント発生前の再生秒数をイベント発生後の再生秒数よりも長くすると、再生が始まってすぐに目を表示手段に向けることができない場合であっても、イベント発生時の映像が確認できる可能性が高まるのでよい。
【0134】
一部範囲としては、動画の秒数を15秒以内とするとよい。このようにすれば表示手段をスマホで撮影するなどしてTiktokなどのSNSに容易にアップロードすることができる。
【0135】
一部範囲の動画の秒数を設定できるようにするとよい。特に、装置に予めSNS の種類別に秒数を記憶しておき、ユーザがSNS の種類を選択操作をすることで、一部範囲として再生する秒数を設定する機能を備えるとよい。
一部範囲のみを再生する機能として、イベント記録された映像の再生開始位置を設定しておく機能を備えるとよい。
【0136】
例えば、イベント記録の先頭から所定秒数後(例えば5秒後)の位置から再生を開始するようにするとよい。例えば、イベント発生位置(例えばトリガ位置)を起点に前何秒、後ろ何秒などを設定する機能を備えるとよい。
【0137】
複数のイベント記録された映像を、連続的に再生する機能を備えるとよい。このようにすれば、ユーザは、単に車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするだけで、記録手段に記録された記録済みのカメラからの複数のイベント記録の映像を連続的に自動的に再生させることができる。
特に複数の映像の一部を連続して再生する機能を備えるとよい。
【0138】
さらに、電源遮断時再生処理において、自動再生機能によって再生された映像に異常がないかをユーザに入力させる機能を備え、当該入力結果に基づき前記記録手段の正常・異常を判定する機能を備えるとよい。例えば、電源遮断時再生処理における再生中に、第一ボタン11pの押下が検出された場合にはその再生中の映像が正常、第二ボタン11qの押下が検出された場合にはその再生中の映像が異常と判定する。このようにすれば、車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするごとに、メモリカード2に記録された記録済みのカメラからの映像のうち記録された映像を自動的に再生させて、ユーザにこの自動再生機能によって再生された映像に異常がないかを入力させることができ、その入力結果に基づきメモリカード2の正常・異常を判定することができる。
【0139】
特に、自動再生機能によって再生された映像に異常がないかをユーザに入力させる機能は、特に、単に自動再生された映像を見た場合には、見たことを示す指示を入力する機能とするとしてもよい。例えば第一ボタン11pに見たことの指示を入力する機能を割り当てるとよい。少なくともこの指示が入力された範囲は正常であることが判定できる。
【0140】
自動再生機能の映像の再生に先立ち映像が再生できたら操作するように指示する報知を行うとよい。例えば制御部10は、「本日の走行イベント映像を再生します。再生できていたら上のボタンを押してください!」のように、スピーカ21から音声出力及び表示装置16への文字列の描画を行って報知をした後に自動再生を開始するとよい。
【0141】
自動再生機能によって再生された映像に異常がないかをユーザに入力させる機能を備え、当該入力結果と再生したメモリカード2の領域を特定するための情報とを関連づけて履歴としてメモリカード2に保存しておき、当該履歴に基づきメモリカード2の正常・異常を判定する機能を備えるとよい。このようにすれば、より確実に記録手段が正常であるか異常であるかを判定することができる。
【0142】
制御部10は、入力結果と再生したメモリカード2の領域を特定するための情報を対応付けて履歴としてメモリカード2に記録しておき、この履歴に基づきカードの異常正常を判定する構成とするとよい。例えば、ボタンが押されたことが検出されたら、正常に記録できているという履歴(例えば日時と再生したセクター番号など)を記録しておき、この履歴に基づいて判定するようにするとよい。あるいは逆にボタンが押されたことが検出されたら、正常に記録できていないという履歴(例えば日時と再生したセクター番号など)をメモリカード2に記録しておき、この履歴に基づいて判定するようにするとよい。
【0143】
自動再生した再生映像が乱れていたり、真っ黒だったりした場合に、その旨を第二ボタン11q等からユーザに入力させる構成としてもよい。この再生範囲を不良領域としてマークしてメモリカード2に記憶しておき、以後このマークした領域に書き込みを行わないようにしてもよい。また不良の可能性があるのでメモリカード2を交換する必要がある旨など所定の対応を促す報知をスピーカ21や表示装置16等から行うようにしてもよい。
【0144】
異常と判定した場合には、表示装置16にメモリカード2の交換に関する情報のURLを情報として含む情報を表示させる機能を備えるとよい。このようにすれば、ユーザはすぐに車両において記録手段の交換に関する情報のURLを情報として含む情報を得ることができる。記録手段の交換に関する情報のURLを情報として含む情報としては、その装置で推奨される品番のメモリカード2の購入サイトのURL やQR コードを表示したり、メモリカード2が交換時期である旨を表示したりするとよい。このようにすれば、すぐに車両に乗ったままメモリカード2の販売店等に向かうことも容易に可能となり、メモリカード2が異常のまま車両のカメラの映像が記録されないという問題の発生を極めて速やかに解消できる。
【0145】
また、異常と判定された映像が記録された領域の周辺の領域について試し書きを行いメモリカード2の故障の可能性が高いか否かを判定する機能を備えるようにしてもよい。このようにすれば、より確実にメモリカード2に異常があるか否かを判定することができる。例えば、本実施形態では、前後方向の加速度が所定値未満から所定値以上に変化した時刻を探索し、探索されたその時刻の前5秒の時点から後5秒までの時点の合計10秒間のフロントビューカメラのメモリカード2に対する記録映像データを読み出してメモリに展開して、表示装置16へ映像信号として出力する処理を行うこととしたが、例えばメモリカード2のファイルシステムにFATを採用した場合、この合計10秒間の映像が記録された各セクタ(FATでは、セクタは飛び飛びに記録される可能性があり、どのセクタに記録されているかが管理領域等に記録されている)の前後の1セクタであって、他のファイルが記録されていない空きのセクタであるセクタを探索し、探索されたセクタへの書き込みと読み出しを行い、書き込んだデータと読みだしたデータが一致する場合には正常、一致しない場合には異常と判定するようにしてもよい。
【0146】
また、例えば、異常であるとマークした領域の周辺の領域についても、同様に、データを試し書きしてみて記録手段の大部分に異常があるか、それともたまたま再生したところが壊れているだけかに基づいて異常の有無を判定するようにしてもよい。
【0147】
自動再生機能によって再生された映像を消去するか否かをユーザに入力させる機能を備え、消す旨の指示が入力された場合には当該自動再生した映像を消去する機能を備えるとよい。例えば、自動再生機能によって再生中または再生後電源遮断処理を行う前に第三ボタン11rの押下が検出された場合には、その映像を消去する処理を行うとよい。消去する範囲は再生した範囲としてもよいが、特に映像を所定の時間単位でファイルに記録する構成とした場合、自動再生した範囲を含む、ファイルを削除する処理を行うようにしてもよい。イベント記録を自動再生した場合には、その再生範囲を含むイベント記録の全体を消去する構成とするとよい。これらのようにすれば、メモリカード2に記憶された映像のうち不要な映像を車両において速やかに消去して、その後の記録可能時間を伸ばすことも可能となる。例えば、再生した映像を消すかを尋ねる報知をスピーカ21及び表示装置16に出力して行い、所定時間内(10秒以内)に消す旨の指示が第三ボタン11rから入力されたら再生した映像を消去する構成とするとよい。
第一から第三ボタンの機能は、通常のユーザ操作による再生処理と、電源遮断時再生処理の場合において異なる機能を割り当てるとよい。
【0148】
自動再生機能は、異なる範囲の映像を連続して自動再生する機能を備え、当該自動再生機能によって連続して自動再生した映像を消去するか否かをユーザに入力させる機能を備え、消す旨の指示が入力された場合には当該自動再生した当該自動再生機能によって連続して自動再生した映像の範囲を消去する機能を備えるとよい。このようにすれば、連続して自動再生した異なる範囲の映像を一回の操作で容易かつ迅速に消去することができる。例えば、自動再生によって、連続して再生したとき、その連続して再生したすべての映像を一括で消去するかをスピーカ20からの音声出力及び表示装置16への文字列の表示により、ユーザに尋ね、所定時間内(10秒以内)に消す旨の指示が第三ボタン11rから入力されたら、一連の映像を一括で消去する機能を備えるとよい。
【0149】
自動再生機能は、メモリカード2に記録された複数のカメラの映像を同時に表示装置16に表示するように再生する機能を備えるとよい。複数のカメラとしては例えばリアカメラとフロントカメラの双方とするとよい。
【0150】
制御部10にLTE・WiFi等の通信モジュールを接続して、インターネットへの接続機能を備え、自動再生機能に代えて、または、自動再生機能とともに、前後方向の加速度が所定値未満から所定値以上に変化した時刻を探索し、探索されたその時刻の前5秒の時点から後5秒までの時点の合計10秒間のフロントビューカメラのメモリカード2に対する記録映像データを読み出してインターネット上の所定のSNSにアップロードする自動SNSアップロード機能を備えるとよい。このようにすれば、ユーザは、単に車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするだけで、記録手段に記録された記録済みのカメラからの映像のうち所定の範囲の映像を自動的にSNSへアップロードさせることができる。したがって、ユーザが装置の再生ボタン等を操作してメモリカード2に記録された映像をアップロードさせる手間がかからない。しかもこのSNSにアップロードされた映像は、スマートフォン等で容易に確認することができるので、ユーザが装置の再生ボタン等を操作して記録手段に記録された映像がきちんと再生されるかを定期的に確認する必要もなくなる。またユーザが装置の再生ボタンを操作する手間もかからない。その結果、車両事故等が実際に発生し、いざ映像を再生する必要が発生したときになって始めて記録手段に映像がきちんと記録されていないことが判明する可能性を低減できる。
例えば、上記の条件に加え、自宅の車庫等に車が入り自宅のWiFi に接続できたときなど、通信が確立したときにSNSアップするようにしてもよい。
【0151】
WiFiによるスマートフォンへの接続機能を備え、自動再生機能に代えて、または、前記自動再生機能とともに、自動的にスマートフォンにアップロードする自動スマートフォンアップロード機能を備えるとよい。このようにすれば、ユーザは、単に車両を走行可能状態から走行不能状態に切り替える車両操作をするだけで、メモリカード2に記録された記録済みのカメラからの映像のうち所定の範囲の映像を自動的にスマートフォンへアップロードさせることができる。したがって、ユーザが装置の再生ボタン等を操作して記録手段に記録された映像をアップロードさせる手間がかからない。しかもこのスマートフォンにアップロードされた映像は、スマートフォン等で容易に確認することができるので、ユーザが装置の再生ボタン等を操作してメモリカード2に記録された映像がきちんと再生されるかを定期的に確認する必要もなくなる。またユーザが装置の再生ボタンを操作する手間もかからない。その結果、車両事故等が実際に発生し、いざ映像を再生する必要が発生したときになって始めて記録手段に映像がきちんと記録されていないことが判明する可能性を低減できる。例えばスマホへの接続機能を備え、自動的にスマホのカメラロールにアップするようにしてもよい。
【0152】
なお、リモコン11の機能は、リモコンではなくスマートフォンのアプリで実現するようにして、WiFi等の通信を介してその情報をスマートフォンと本装置との間で送りあうようにしてもよい。第一ボタン11p、第二ボタン11q、第三ボタン11rと、第一ランプ11x、第二ランプ12yの機能を有するスマホアプリを設けるようにしてもよい。また表示装置16への表示に代えてまたは表示とともに、スマホアプリ上に表示装置16へ送るメモリに展開したデータを送って映像を表示させるようにしてもよい。
上述した各々の機能や処理は、コンピュータに実現・実行させるためのプログラムとして構成するとよい。
【0153】
本実施形態によれば、表示装置16に対して出力している映像にかかわらず、取得した車両状態とフロントビューカメラ15、リアビューカメラ13、増設カメラ14から取得した複数の車両周辺映像とのメモリカード2に対する記録を行う。このようにすれば、衝突時の複数の車両周辺映像を確実に記録することができる。
【0154】
メモリカード2に記録された車両周辺映像のデータを再生する際に、再生映像を左右または上下に反転して再生する機能を備えるとよい。このようにすれば、車両周辺映像を撮影するカメラを上下反転して設置させても、正しい向きで映像を再生させることができる。また、例えば左右反転映像の映像信号を出力するリアビューカメラが撮影した映像を、左右反転させて再生させることもできる。
【0155】
なお、ドライバーによる車両の操作状態と取得した車両状態と複数の車両周辺映像とを時間的に同期させて再生可能なデータとしてメモリカード2に対して記録する構成とするとよい。例えば、ドライバーによる車両の操作状態として、シフトポジションがなにであるかを記録しておくことで、バック中にぶつかった、下り坂でエンジンブレーキかけているか、停車中、ニュートラルまたはパーキングにしている(ECO運転)などがわかる。そして、表示装置16に対して優先して出力した映像を示す情報とドライバーによる車両の操作状態と前記取得した車両状態と複数の車両周辺映像と、時間的に同期させて再生可能なデータとしてメモリカード2に対して記録する処理を行うとよい。
【0156】
メモリカード2に記録されたデータは、メモリカード2をメモリカードスロット19から取り出して、パソコンに挿入し、パソコン上のプログラムを用いて再生することができる。パソコン上のプログラムによる処理によって、例えば、図12に示すようなビュアー画面100を表示させる。ビュアー画面100は、図12に示すように、メニューバー101、表示エリア102、表示切替ボタン103、音量つまみ104、速度表示105、ブレーキウインカー表示106、加速度表示107、緯度経度表示108、表示操作ボタン109、加速度センサーグラフ110、日付時刻表示111、地図112、プレイリスト一覧113を備える。
【0157】
表示エリア102は、フロントビューカメラ映像再生エリア102a、増設カメラ映像再生エリア102b、リアビューカメラ映像再生エリア102cを備える。メモリカード2に記録されたフロントビューカメラ・増設カメラ・リアビューカメラの車両周辺映像のデータを再生する際に、再生映像を左右または上下に反転して再生する機能を備える。フロントビューカメラ映像再生エリア102a、増設カメラ映像再生エリア102b、リアビューカメラ映像再生エリア102cを右クリックすると、左右反転、上下反転、左右上下反転、反転なしの順で再生映像を切り替える。
【0158】
また、前述した、表示装置16に対して優先して出力した映像を示す情報に基づき、再生中の複数の車両周辺映像の中から、表示装置16に対して優先して出力した映像を示す所定の表示を行う構成とするとよい。このようにすれば、表示装置16にどの映像が表示されていたのか、後で、パソコン等の再生装置で再生した際に容易に把握することができる。例えば、リアビューカメラからの映像が入力された開始日時と終了日時を記録おき、その日時の映像を再生している間は、リアビューカメラ映像再生エリア102cの外枠部分をハイライト表示するようにする。
【0159】
なお、ビュアー画面100は、パソコン上で表示する画面としたが、例えば、車内に設置するナビゲーション装置等の画面に出力したり、前述のスマートフォンのアプリの画面に出力したり、表示装置16に出力したりする構成してもよい。
【0160】
以上、本発明を、実施例を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に記載の例を任意の組み合わせで組み合わせたり、多様な変更または改良を加えたりしてもよい。また、特許請求の範囲、背景技術、発明が解決しようとする課題、課題を解決するための手段の記載内容を適宜各実施形態に当てはめ、当業者の技術常識を適用して実施の形態とすることができる。
【0161】
なお、本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
【0162】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【0163】
また、意匠登録出願への変更により、全体意匠又は部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としても良いし、その部材の部分としても良い。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を、権利化する意思を有する。また、装置の筐体の内部のモジュール・部材・部品等についても、図面に表示されているものは、いずれも独立して取引の対象となるものであって、同様に、意匠登録出願への変更を行って権利化を行う意思を有するものである。
【符号の説明】
【0164】
2 メモリカード
10 制御部
11 リモコン
12 GPSユニット
13 リアビューカメラ
14 増設カメラ
15 フロントビューカメラ
16 表示装置
17 内蔵マイク
18 外部マイク
19 メモリカードスロット
20 加速度センサ
21 スピーカ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12