(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150585
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】タッチディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20241016BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20241016BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241016BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241016BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20241016BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20241016BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20241016BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20241016BHJP
H10K 59/40 20230101ALI20241016BHJP
H10K 59/82 20230101ALI20241016BHJP
【FI】
G06F3/041 430
G06F3/044 120
G09F9/30 365
G09F9/30 309
G09F9/30 330
G09F9/00 366A
G09F9/30 348A
G09F9/30 349Z
H05B33/14 Z
H05B33/02
H05B33/04
H10K50/844
H10K59/40
H10K59/82
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024114700
(22)【出願日】2024-07-18
(62)【分割の表示】P 2022177722の分割
【原出願日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194801
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リー, ジェウォン
(72)【発明者】
【氏名】ヨク, ソンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】リー, テギュ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】タッチルーティングラインが占める面積を減少させ、表示領域の減少なしにタッチ感知に対する信頼性を向上させる、タッチディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】タッチディスプレイ装置は、素子基板と、素子基板上に位置する複数の発光素子と、複数の発光素子上に位置する封止層と、封止層上に位置する複数のタッチ電極311、321と、素子基板上に位置し、封止層と重畳しない複数のタッチパッド304と、タッチ電極とタッチパッドとを電気的に連結する複数のタッチルーティングライン330とを備える。複数のタッチルーティングラインは、複数の第1ルーティングライン331と、複数の第1ルーティングラインと異なる層上に位置する複数の第2ルーティングライン332とを含み、複数の第2ルーティングラインは複数の第1ルーティングラインから絶縁される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子基板と、
前記素子基板上に位置する複数の発光素子と、
前記複数の発光素子上に位置する封止層と、
前記封止層上に位置する複数のタッチ電極を含むタッチセンサーと、
前記素子基板上に位置し、前記封止層と重畳しない複数のタッチパッドと、
それぞれが、前記複数のタッチ電極のうちの該当するタッチ電極を前記複数のタッチパッドのうちの該当するタッチパッドと電気的に連結する複数のタッチルーティングラインとを含み、
前記複数のタッチルーティングラインは、複数の第1ルーティングラインと、前記複数の第1ルーティングラインと異なる層上に位置する複数の第2ルーティングラインとを含み、
前記複数の第2ルーティングラインは前記複数の第1ルーティングラインから絶縁される、タッチディスプレイ装置。
【請求項2】
前記複数のタッチパッドのそれぞれは、前記複数の第1ルーティングラインのうちの該当する一つまたは前記複数の第2ルーティングラインのうちの該当する一つと電気的に連結される、請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項3】
前記複数の第2ルーティングラインは、前記複数の第1ルーティングラインに含まれる物質と異なる物質を含む、請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項4】
前記複数の第2ルーティングラインに含まれる物質は、前記複数のタッチ電極に含まれる物質と同じである、請求項3に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項5】
前記複数の第2ルーティングラインのそれぞれの一部領域は、前記複数の第1ルーティングラインのうちの該当する一つの一部領域と重畳する、請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項6】
前記複数の第1ルーティングラインのうちの該当する一つの前記一部領域と重畳する前記複数の第2ルーティングラインのそれぞれの前記一部領域は、前記複数の発光素子を含む表示領域の縁部の方向に延びる、請求項5に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項7】
ベンディング領域を横切って、前記封止層と前記複数のタッチパッドとの間に位置する複数の連結パターンをさらに含み、
前記複数の連結パターンのそれぞれは前記複数の第1ルーティングラインのうちの該当する一つまたは前記複数の第2ルーティングラインのうちの該当する一つと電気的に連結される、請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項8】
それぞれが、前記複数の第2ルーティングラインのうちの該当する第2ルーティングラインと前記複数の連結パターンのうちの該当する一つとの間に位置する複数の中間パターンをさらに含み、
前記複数の第1ルーティングラインは前記素子基板と前記複数の第2ルーティングラインとの間に位置し、
前記複数の中間パターンは、前記複数の第1ルーティングラインと同じ物質を含む、請求項7に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項9】
素子基板と、
前記素子基板上に位置する複数の発光素子と、
前記複数の発光素子上に位置する封止層と、
前記素子基板上に位置し、前記封止層と重畳しない複数のタッチパッドと、
前記封止層上に位置し、第1方向に沿って複数の第1タッチ電極を含む複数の第1タッチラインと、
それぞれが、前記複数の第1タッチラインのうちの該当する第1タッチラインを前記複数のタッチパッドのうちの該当するタッチパッドと電気的に連結する複数の第1ルーティングラインと、
前記複数の第1タッチラインの間に位置し、前記第1方向と異なる第2方向に連結された複数の第2タッチ電極を含む複数の第2タッチラインと、
それぞれが、前記複数の第2タッチラインのうちの該当する第2タッチラインを前記複数のタッチパッドのうちの該当するタッチパッドと電気的に連結する複数の第2ルーティングラインとを含み、
前記複数の第2ルーティングラインは前記複数の第1ルーティングラインと異なる層上に位置する、タッチディスプレイ装置。
【請求項10】
前記複数の第1タッチライン及び前記複数の第2タッチラインは前記複数の発光素子と重畳しない、請求項9に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項11】
前記複数の第2ルーティングラインのうちの一つの第2ルーティングラインは、前記複数の第1ルーティングラインのうちの一対の第1ルーティングラインの間に位置する、請求項9に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項12】
前記第2ルーティングラインの第1端部は前記一対の第1ルーティングラインのうちの一つの第1ルーティングラインの端部と重畳し、前記第1端部の反対側に位置する前記第2ルーティングラインの第2端部は前記一対の第1ルーティングラインのうちの別の第1ルーティングラインの端部と重畳する、請求項11に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項13】
前記複数の第1タッチラインは、前記複数の第1タッチ電極をまとめて電気的に連結する複数の第1ブリッジ電極を含み、前記複数の第2タッチラインは、前記複数の第2タッチ電極をまとめて電気的に連結する複数の第2ブリッジ電極を含み、
前記複数の第1ルーティングラインは、前記複数の第1ブリッジ電極と同じ物質を含む、請求項9に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項14】
前記複数の第1ルーティングラインと前記複数の第2ルーティングラインとの間に位置するタッチ絶縁膜をさらに含み、
前記複数の第1ルーティングライン及び前記複数のブリッジ電極は前記封止層と前記タッチ絶縁膜との間に位置する、請求項13に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項15】
前記複数の第2ルーティングラインは、前記複数のタッチ電極と同じ物質を含む、請求項13に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項16】
表示領域及びパッド領域を含む基板と、
前記パッド領域内に位置し、第1パッド及び第2パッドを含む複数のパッドと、
前記表示領域上に位置する複数の発光素子と、
前記表示領域上に位置する複数のタッチ電極を含むタッチセンサーであって、前記複数のタッチ電極が第1タッチ電極及び第2タッチ電極を含む、タッチセンサーと、
前記第1タッチ電極及び前記第1パッドと連結された第1ルーティングラインと、
前記第2タッチ電極及び前記第2パッドと連結された第2ルーティングラインとを含む、タッチディスプレイ装置であって、
前記第1ルーティングラインの一部領域は、前記タッチディスプレイ装置の平面図で、前記表示領域の長さに沿った方向に、前記第2ルーティングラインの一部領域と少なくとも部分的に重畳する、タッチディスプレイ装置。
【請求項17】
前記平面図で、前記第1ルーティングラインの前記一部領域の中心は、前記第2ルーティングラインの前記一部領域の中心と重畳する、請求項16に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項18】
前記第1ルーティングラインの前記一部領域の端部は前記第2ルーティングラインの前記一部領域の端部と重畳する、請求項16に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項19】
前記第1ルーティングラインと前記第2ルーティングラインとの間に位置する絶縁膜をさらに含む、請求項16に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項20】
前記第1ルーティングラインと前記第2ルーティングラインとは異なる物質を含む、請求項16に記載のタッチディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光素子を覆う封止ユニット上にタッチセンサーが位置するタッチディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ディスプレイ装置は使用者にイメージを提供する。例えば、前記ディスプレイ装置は多数の発光素子を含むことができる。各発光素子は特定の色を示す光を放出することができる。例えば、各発光素子は、第1発光電極と第2発光電極との間に位置する発光層を含むことができる。
【0003】
前記ディスプレイ装置は使用者及び/または道具のタッチによって特定のプログラムを遂行するか、特定の信号を印加することができる。例えば、前記ディスプレイ装置はタッチセンサーを含むタッチディスプレイ装置であってもよい。前記タッチセンサーは前記発光素子を覆う封止ユニット上に位置することができる。例えば、前記タッチセンサーは、前記封止ユニット上に並んで位置するタッチ電極と、前記タッチ電極の間を電気的に連結するブリッジ電極とを含むことができる。
【0004】
各タッチ電極はタッチルーティングラインのうちの一つのタッチルーティングラインを介して該当タッチパッドと電気的に連結されることができる。使用者及び/または道具のタッチによる信号は当該タッチ電極と電気的に連結された前記タッチルーティングラインを介して伝達されることができる。例えば、前記タッチルーティングラインの数はタッチ感知の正確度に比例することができる。しかし、前記タッチディスプレイ装置は、前記タッチルーティングラインの数が増加すると、前記発光素子が位置する表示領域の外側であるベゼル領域の面積も増加する。よって、前記表示領域の面積が減少することがある。
【発明の概要】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、表示領域の減少なしにタッチ感知に対する信頼性を向上させることができるタッチディスプレイ装置を提供することである。
【0006】
本発明が解決しようとする他の課題は、タッチルーティングラインが占める面積を減少させることができるタッチディスプレイ装置を提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、ここで言及しなかった課題は以下の記載から通常の技術者に明らかに理解可能であろう。
【0008】
前記解決しようとする課題を達成するための本発明の技術的思想によるタッチディスプレイ装置は:素子基板上に位置する複数の発光素子;複数の発光素子上に位置する封止層;封止層上に位置する複数のタッチ電極を含むタッチセンサー;素子基板上に位置し、封止層と重畳しない複数のタッチパッド;それぞれが、複数のタッチ電極のうちの該当タッチ電極を複数のタッチパッドのうちの該当タッチパッドと電気的に連結する複数のタッチルーティングラインであって、複数の第1ルーティングライン、及び複数の第1ルーティングラインと異なる層上に位置し、複数の第1ルーティングラインから絶縁された複数の第2ルーティングラインを含む複数のタッチルーティングラインを含む。
【0009】
一実施例では、タッチディスプレイ装置は:素子基板上に位置する複数の発光素子;複数の発光素子上に位置する封止層;素子基板上に位置し、封止層と重畳しない複数のタッチパッド;封止層上に位置し、第1方向に沿った複数の第1タッチ電極を含む複数の第1タッチライン;それぞれが、複数の第1タッチラインのうちの該当第1タッチラインを複数のタッチパッドのうちの該当タッチパッドと電気的に連結する複数の第1ルーティングライン;複数の第1タッチライン間に位置し、第1方向と異なる第2方向に連結された複数の第2タッチ電極を含む複数の第2タッチライン;並びにそれぞれが、複数の第2タッチラインのうちの該当第2タッチラインを複数のタッチパッドのうちの該当タッチパッドと電気的に連結する複数の第2ルーティングラインであって、複数の第1ルーティングラインと異なる層上に位置する複数の第2ルーティングラインを含む。
【0010】
一実施例では、タッチディスプレイ装置は:表示領域及びパッド領域を含む基板;パッド領域内に位置し、第1パッド及び第2パッドを含む複数のパッド;表示領域上に位置する複数の発光素子;表示領域上に位置する複数のタッチ電極を含むタッチセンサーであって、複数のタッチ電極が第1タッチ電極及び第2タッチ電極を含む、タッチセンサー;第1タッチ電極及び第1タッチパッドに連結された第1ルーティングライン;第2タッチ電極及び第2タッチパッドに連結された第2ルーティングラインを含み、第1ルーティングラインの一部領域は、タッチディスプレイ装置の平面図で、表示領域の長さに沿った方向に、第2ルーティングラインの一部領域と少なくとも部分的に重畳する。
【0011】
本発明の技術的思想によるタッチディスプレイ装置は、発光素子を覆う封止ユニットと、前記封止ユニット上に位置するタッチラインと、各タッチラインをタッチパッドのうちの一つと電気的に連結するタッチルーティングラインとを含み、前記タッチルーティングラインが第1ルーティングライン及び第2ルーティングラインを含み、前記第2ルーティングラインが前記第1ルーティングラインと異なる層上に位置することができる。したがって、本発明の技術的思想によるタッチディスプレイ装置は、前記タッチルーティングラインが占める面積が最小化することができる。よって、本発明の技術的思想によるタッチディスプレイ装置は、表示領域の減少なしにタッチ感知に対する信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置を概略的に示す図である。
【
図2】本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置を概略的に示す図である。
【
図3】本発明の実施例による
図2のK領域を拡大した図である。
【
図4】本発明の実施例による
図2のI-I線に沿って切断した断面を示す図である。
【
図5】本発明の実施例による
図2のII-II線に沿って切断した断面を示す図である。
【
図6】本発明の実施例による
図3のIII-III線に沿って切断した断面を示す図である。
【
図7】本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置を示す図である。
【
図8】本発明のまた別の実施例によるタッチディスプレイ装置を示す図である。
【
図9】本発明のまた別の実施例によるタッチディスプレイ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面及び発明を実施するための形態を通して、別段断りのない限り、図面の同じ参照番号は同じ要素、特徴、及び構造を指すと理解されたい。
【0014】
本発明の前記目的と技術的構成及びこれによる作用効果についての詳細な事項は本発明の実施例を示している図面を参照する以下の詳細な説明によってより明らかに理解可能であろう。ここで、本発明の実施例は当業者に本発明の技術的思想を充分に伝達するために提供するものなので、本発明は以下で説明する実施例に限定されずに他の形態に具体化することができる。
【0015】
また、明細書全般にわたって同じ参照番号で表示する部分は同じ構成要素を意味し、図面において、層又は領域の長さ及び厚さは便宜のために誇張して表現されることがある。さらに、第1構成要素が第2構成要素の「上」にあると記載される場合、前記第1構成要素が前記第2構成要素と直接接触する上側に位置する場合だけではなく、前記第1構成要素と前記第2構成要素との間に第3構成要素が位置する場合も含む。
【0016】
ここで、前記第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するためのものであり、一つの構成要素を他の構成要素と区別する目的で使われる。ただ、本発明の技術的思想を逸脱しない範疇内で第1構成要素と第2構成要素は当業者の便宜によって任意に名付けられることができる。
【0017】
本発明の明細書で使用される用語はただ特定の実施例を説明するために使われるものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。例えば、単数で表現された構成要素は、文脈上明白に単数のみ意味しない限り、複数の構成要素を含む。また、本発明の明細書で、「含む」又は「有する」などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらの組合せなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものに理解されなければならない。
【0018】
そして、「接続」または「連結」されると説明される場合、「直ちに」または「直接」を使わない限り、二つの構成要素の間に位置する一つ以上の他の構成要素を介して接続または連結されることを含むことができる。
【0019】
さらに、他に定義しない限り、技術的又は科学的用語を含めてここで使われる全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味がある。一般的に使われる辞書に定義されているもののような用語は関連技術の文脈で有する意味と一致する意味があるものに解釈されなければならなく、本発明の明細書で明らかに定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味に解釈されない。
【0020】
(実施例)
図1及び
図2は本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置を概略的に示す図である。
図3は本発明の実施例による
図2のK領域を拡大した図である。
図4は本発明の実施例による
図2のI-I線に沿って切断した断面を示す図である。
図5は本発明の実施例による
図2のII-II線に沿って切断した断面を示す図である。
図6は本発明の実施例による
図3のIII-III線に沿って切断した断面を示す図である。
【0021】
図1~
図6を参照すると、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は素子基板110を含むことができる。前記素子基板110は絶縁性物質を含むことができる。例えば、前記素子基板110はガラスまたはプラスチックを含むことができる。前記素子基板110は、表示領域AA、及び前記表示領域AAの外側に位置するベゼル領域BZを含むことができる。例えば、前記ベゼル領域BZは前記表示領域AAを取り囲むことができる。
【0022】
図1を参照すると、前記素子基板110の前記表示領域AAは使用者に提供されるイメージを表示することができる。例えば、前記素子基板110の前記表示領域AA内には多数の画素領域PAが位置することができる。前記画素領域PAは、第1方向及び前記第1方向に垂直な第2方向に並んで位置することができる。前記第1方向に隣接した二つの画素領域PAはずれて配置されることができる。前記第2方向に隣接した二つの画素領域PAはずれて配置されることができる。各画素領域PAは隣接した画素領域PAと異なる色を具現することができる。例えば、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記画素領域PAにおいて赤色画素領域R及び青色画素領域Bが交互に位置する第1行及び緑色画素領域Gが位置する第2行を含み、前記表示領域AAは前記第1行及び前記第2行が互いにずれて繰り返されるペンタイル構造を有することができる。
【0023】
各画素領域PAからは特定の色を示す光が放出されることができる。例えば、各画素領域PA内には、画素駆動回路及び前記画素駆動回路と電気的に連結された発光素子130が位置することができる。
【0024】
前記画素駆動回路は、ゲート信号を印加するゲートラインGLのうちの一つのゲートライン及びデータ信号を印加するデータラインDLのうちの一つのデータラインと連結されることができる。例えば、前記画素駆動回路は、前記ゲート信号に応じて前記データ信号に対応する駆動電流を生成することができる。前記画素駆動回路によって生成された前記駆動電流は一フレームの間に前記発光素子130に供給されることができる。例えば、前記画素駆動回路は、スイッチング薄膜トランジスタT1、駆動薄膜トランジスタT2、及びストレージキャパシタCstを含むことができる。
【0025】
前記スイッチング薄膜トランジスタT1は、前記ゲート信号に応じて前記データ信号を前記駆動薄膜トランジスタT2に伝達することができる。前記駆動薄膜トランジスタT2は前記駆動電流を生成することができる。例えば、前記駆動薄膜トランジスタT2は、半導体パターン121、ゲート絶縁膜122、ゲート電極123、ソース電極124、及びドレイン電極125を含むことができる。
【0026】
図6を参照すると、前記半導体パターン121は半導体物質を含むことができる。例えば、前記半導体パターン121は、非晶質シリコン、多結晶シリコン及び酸化物半導体のうちの少なくとも一つを含むことができる。前記半導体パターン121は、ソース領域、ドレイン領域、及びチャネル領域を含むことができる。前記チャネル領域は前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に位置することができる。前記ソース領域及び前記ドレイン領域は前記チャネル領域より低い抵抗を有することができる。例えば、前記ソース領域及び前記ドレイン領域は酸化物半導体の導体化領域を含むことができる。
【0027】
前記ゲート絶縁膜122は前記半導体パターン121上に位置することができる。例えば、前記ゲート絶縁膜122は前記半導体パターン121の前記チャネル領域と重畳することができる。前記半導体パターン121の前記ソース領域及び前記ドレイン領域は前記ゲート絶縁膜122の外側に位置することができる。前記ゲート絶縁膜122は絶縁性物質を含むことができる。例えば、前記ゲート絶縁膜122は、シリコン酸化物(SiO)及びシリコン窒化物(SiN)のような無機絶縁物質を含むことができる。
【0028】
前記ゲート電極123は前記ゲート絶縁膜122上に位置することができる。例えば、前記ゲート電極123は前記半導体パターン121の前記チャネル領域と重畳することができる。前記ゲート電極123は前記ゲート絶縁膜122によって前記半導体パターン121から絶縁されることができる。例えば、前記ゲート絶縁膜122の側面は前記ゲート電極123の側面と連続することができる。前記ゲート電極123は導電性物質を含むことができる。例えば、前記ゲート電極123は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、及びタングステン(W)のような金属またはこれらの金属の合金を含むことができる。ゲート電極123は単層または多層からなることができる。前記半導体パターン121の前記チャネル領域は、前記ゲート電極123に印加された電圧に対応する電気伝導度を有することができる。
【0029】
前記ソース電極124は前記導電性物質を含むことができる。例えば、前記ソース電極124は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、及びタングステン(W)のような金属またはこれらの金属の合金を含むことができる。ソース電極124は単層または多層からなることができる。前記ソース電極124は前記ゲート電極123から絶縁されることができる。前記ソース電極124は前記ゲート電極123と異なる層上に位置することができる。例えば、前記素子基板110上には前記ゲート電極123を覆う層間絶縁膜112が位置し、前記ソース電極124は前記層間絶縁膜112上に位置することができる。前記層間絶縁膜112は絶縁性物質を含むことができる。例えば、前記層間絶縁膜112はシリコン酸化物(SiO)及びシリコン窒化物(SiN)のような無機絶縁物質を含むことができる。
【0030】
前記ソース電極124は前記半導体パターン121の前記ソース領域と電気的に連結されることができる。例えば、前記層間絶縁膜112は前記半導体パターン121の前記ソース領域を部分的に露出するソースコンタクトホールを含むことができる。前記ソース電極124は前記ソースコンタクトホールを介して前記半導体パターン121の前記ソース領域と直接接触することができる。
【0031】
前記ドレイン電極125は導電性物質を含むことができる。例えば、前記ドレイン電極125は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、及びタングステン(W)のような金属またはこれらの金属の合金を含むことができる。ドレイン電極125は単層または多層からなることができる。前記ドレイン電極125は前記ゲート電極123から絶縁されることができる。前記ドレイン電極125は前記ゲート電極123と異なる層上に位置することができる。例えば、前記ドレイン電極125は前記層間絶縁膜112上に位置することができる。前記ドレイン電極125は前記ソース電極124と同じ層上に位置することができる。前記ドレイン電極125は前記ソース電極124と同じ物質を含むことができる。例えば、前記ドレイン電極125は前記ソース電極124と同時に形成されることができる。
【0032】
前記ドレイン電極125は前記半導体パターン121の前記ドレイン領域と電気的に連結されることができる。例えば、前記層間絶縁膜112は、前記半導体パターン121の前記ドレイン領域を部分的に露出するドレインコンタクトホールを含むことができる。前記ドレイン電極125は前記ドレインコンタクトホールを介して前記半導体パターン121の前記ドレイン領域と直接接触することができる。
【0033】
前記スイッチング薄膜トランジスタT1は前記駆動薄膜トランジスタT2と同じ構造を有することができる。例えば、前記スイッチング薄膜トランジスタT1は、該当ゲートラインGLと電気的に連結されるゲート電極、該当データラインDLと電気的に連結されるソース電極、及び前記駆動薄膜トランジスタT2の前記ゲート電極123と電気的に連結されるドレイン電極を含むことができる。前記駆動薄膜トランジスタT2の前記ソース電極124は正の電源電圧を供給する第1電源供給ラインVDDと連結されることができる。前記ストレージキャパシタCstは、前記駆動薄膜トランジスタT2の前記ゲート電極123に印加される電圧を一フレームの間に維持することができる。例えば、前記ストレージキャパシタCstは前記駆動薄膜トランジスタT2の前記ゲート電極123と前記ドレイン電極125との間に連結されることができる。
【0034】
前記発光素子130は、前記画素駆動回路から供給された前記駆動電流を用いて光を放出することができる。例えば、前記発光素子130は、前記素子基板110上に順に積層された第1発光電極131、発光スタック132、及び第2発光電極133を含むことができる。
【0035】
前記第1発光電極131は前記駆動薄膜トランジスタT2の前記ドレイン電極125と電気的に連結されることができる。例えば、前記画素駆動回路によって生成された前記駆動電流は前記発光素子130の前記第1発光電極131に供給されることができる。前記第1発光電極131は導電性物質を含むことができる。前記第1発光電極131は高反射率を有する物質を含むことができる。例えば、前記第1発光電極131は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、及びタングステン(W)のような金属またはこれらの金属の合金を含むことができる。前記第1発光電極131は単層または多層の構造を有することができる。例えば、前記第1発光電極131は、ITO及びIZOのような透明な導電性物質からなる透明導電層の間に金属からなる反射電極が位置する構造を有することができる。
【0036】
前記発光スタック132は、前記第1発光電極131と前記第2発光電極133との間の電圧差に対応する輝度の光を生成することができる。例えば、前記発光スタック132は発光物質を含む発光物質層(Emission Material Layer;EML)を含むことができる。前記発光物質は、有機物質、無機物質またはハイブリッド物質を含むことができる。例えば、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は有機発光物質を含む有機発光表示装置であってもよい。
【0037】
前記発光スタック132は多層の構造を有することができる。例えば、前記発光スタック132は、正孔注入層(Hole Injection Layer;HIL)、正孔輸送層(Hole Transport Layer;HTL)、電子輸送層(Electron Transport Layer;HTL)、及び電子注入層(Electron Injection Layer;HIL)のうちの少なくとも一つをさらに含むことができる。前記発光スタック132は多数の発光物質層を含むことができる。例えば、前記発光スタック132は、第1発光物質層と第2発光物質層との間に位置する電荷生成層(Charge Generation Layer;CGL)を含むことができる。前記第2発光物質層は前記第1発光物質層と異なる物質を含むことができる。
【0038】
前記第2発光電極133は導電性物質を含むことができる。前記第2発光電極133は前記第1発光電極131より高い透過率を有することができる。例えば、前記第2発光電極133は透明な導電性物質からなる透明電極であってもよい。前記第2発光電極133は、ITO、IZO及びAZOのような透明な導電性酸化物を含むことができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、各画素領域PAの前記発光スタック132によって生成された光が該当画素領域PAの前記第2発光電極133を介して外部に放出されることができる。
【0039】
図4~
図6を参照すると、前記素子基板110と各画素領域PAの前記画素駆動回路との間には素子バッファー膜111が位置することができる。前記素子バッファー膜111は前記画素駆動回路の形成工程中に前記素子基板110による汚染を防止又は少なくとも低減することができる。前記素子バッファー膜111は前記素子基板110の前記ベゼル領域BZまで延びることができる。例えば、各画素領域PAの前記画素駆動回路に向かう前記素子基板110の上面は前記素子バッファー膜111によって完全に覆われることができる。前記素子バッファー膜111は絶縁性物質を含むことができる。例えば、前記素子バッファー膜111は、シリコン酸化物(SiO)及びシリコン窒化物(SiN)のような無機絶縁物質を含むことができる。前記素子バッファー膜111は多層の構造を有することができる。例えば、前記素子バッファー膜111は、シリコン酸化物(SiO)からなる無機絶縁膜とシリコン窒化物(SiN)からなる無機絶縁膜との積層構造を有することができる。
【0040】
各画素領域PAの前記画素駆動回路と前記発光素子130との間には平坦化膜113が位置することができる。前記平坦化膜113は各画素領域PAの前記画素駆動回路による段差を除去することができる。例えば、前記素子基板110と対向する前記平坦化膜113の上面は平面であってもよい。各画素領域PA内に位置する前記スイッチング薄膜トランジスタT1、前記駆動薄膜トランジスタT2、及び前記ストレージキャパシタCstは前記平坦化膜113によって覆われることができる。前記平坦化膜113は絶縁性物質を含むことができる。前記平坦化膜113は前記層間絶縁膜112と異なる物質を含むことができる。例えば、前記平坦化膜113は有機絶縁物質を含むことができる。
【0041】
各画素領域PAの前記第1発光電極131は前記平坦化膜113を貫通して該当画素領域PAの前記画素駆動回路と電気的に連結されることができる。例えば、前記平坦化膜113は、各画素領域PA内に位置する前記駆動薄膜トランジスタT2の前記ドレイン電極125を部分的に露出する画素コンタクトホールを含むことができる。各画素領域PAの前記第1発光電極131は前記画素コンタクトホールのうちの一つを介して当該画素領域PA内に位置する前記駆動薄膜トランジスタT2の前記ドレイン電極125と直接接触することができる。
【0042】
各画素領域PAの前記第1発光電極131は隣接した画素領域PAの前記第1発光電極131から絶縁されることができる。各画素領域PAの前記第1発光電極131は隣接した画素領域PAの前記第1発光電極131から離隔することができる。例えば、隣接した画素領域PAの前記第1発光電極131の間にはバンク絶縁膜114が位置することができる。前記バンク絶縁膜114は絶縁性物質を含むことができる。例えば、前記バンク絶縁膜114は有機絶縁物質を含むことができる。前記バンク絶縁膜114は各画素領域PA内に位置する前記第1発光電極131の縁部を覆うことができる。各画素領域PAの前記発光スタック132及び前記第2発光電極133は前記バンク絶縁膜114によって露出された当該第1発光電極131の一部領域上に積層されることができる。例えば、前記バンク絶縁膜114は各画素領域PA内に発光領域BEA、GEA、REAを定義することができる。
【0043】
各画素領域PAの前記発光素子130は隣接した画素領域PAの前記発光素子130と同じ構造を有することができる。例えば、各画素領域PAの前記発光スタック132は前記バンク絶縁膜114の表面に沿って延び、隣接した画素領域PAの前記発光スタック132と連結されることができる。各画素領域PAの前記発光素子130から放出された光は隣接した画素領域PAの前記発光素子130から放出された光と同じ色を示すことができる。例えば、各画素領域PAの前記発光スタック132は白色光を放出することができる。各画素領域PAの前記発光スタック132は隣接した画素領域PAの前記発光スタック132と同時に形成されることができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、各画素領域PA上に前記発光スタック132を形成する工程が簡素化することができる。
【0044】
各画素領域PAの前記第2発光電極133に印加される電圧は隣接した画素領域PAの前記第2発光電極133に印加される電圧と同一であってもよい。例えば、各画素領域PAの前記第2発光電極133は負の電源電圧を供給する第2電源供給ラインVSSと電気的に連結されることができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、各画素領域PAに印加される前記データ信号によって当該画素領域PAの前記発光素子130から放出される光の輝度を調節することができる。各画素領域PAの前記第2発光電極133は隣接した画素領域PAの前記第2発光電極133と電気的に連結されることができる。例えば、各画素領域PAの前記第2発光電極133は隣接した画素領域PAの前記第2発光電極133と直接接触することができる。各画素領域PAの前記第2発光電極133は隣接した画素領域PAの前記第2発光電極133と同時に形成されることができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、各画素領域PA上に前記第2発光電極133を形成する工程が簡素化することができる。
【0045】
各画素領域PAの前記発光素子130上には封止ユニット140(例えば、封止層)が位置することができる。前記封止ユニット140は外部の水分及び/または酸素による前記発光素子130の損傷を防止又は少なくとも低減することができる。各画素領域PAの前記発光素子130は前記封止ユニット140によって完全に覆われることができる。例えば、前記封止ユニット140は前記素子基板110の前記ベゼル領域BZ上に延びることができる。
【0046】
前記封止ユニット140は、少なくとも一つの無機封止層141、143、及び少なくとも一つの有機封止層142を含む複数の封止層を含むことができる。例えば、前記封止ユニット140は、無機封止層141、143の間に少なくとも一つの有機封止層142が位置する構造を有することができる。前記封止ユニット140の最上層は前記無機封止層141、143とすることができる。例えば、前記有機封止層142の上面及び側面は前記無機封止層141、143によって覆われることができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、外部の水分及び酸素の浸透を効果的に遮断又は少なくとも低減することができる。
【0047】
前記無機封止層141、143は無機絶縁物質を含むことができる。例えば、前記無機封止層141、143は、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸化物(SiO)、シリコン酸窒化物(SiON)、及び酸化アルミニウム(Al2O3)のように低温蒸着可能な無機絶縁物質を含むことができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記無機封止層141、143の形成工程による前記発光スタック132の損傷を防止することができる。
【0048】
前記有機封止層142は前記無機封止層141、143による応力を緩和することができる。例えば、前記有機封止層142は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、及びシリコン酸炭化物(SiOC)のような有機絶縁物質を含むことができる。前記発光素子130による段差は前記有機封止層142によって除去することができる。例えば、前記素子基板110と対向する前記有機封止層142の上面は平面であってもよい。
【0049】
前記有機封止層142はインクジェット(ink-jet)方式で形成されることができる。例えば、前記素子基板110の前記ベゼル領域BZ上にはダム106が位置することができる。前記ダム106は前記有機封止層142の流れを遮断することができる。前記ダム106は前記表示領域AAの縁部に沿って延びることができる。例えば、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記有機封止層142が前記ダム106によって定義された領域内に形成されることができる。前記ダム106は、前記素子基板110と前記封止ユニット140との間に位置する絶縁膜のうちの少なくとも一つの形成工程を用いて形成することができる。例えば、前記ダム106は前記平坦化膜113と同時に形成されることができる。前記ダム106は前記平坦化膜113と同じ物質を含むことができる。例えば、前記ダム106は有機絶縁物質を含むことができる。前記層間絶縁膜112は前記素子基板110の前記ベゼル領域BZ上に延びることができる。例えば、前記ダム106は前記層間絶縁膜112上に位置することができる。前記ダム106の厚さは前記平坦化膜113の厚さと同一であってもよい。
【0050】
前記封止ユニット140上にはタッチセンサーCmが位置することができる。前記タッチセンサーCmは使用者及び/または道具のタッチを感知することができる。例えば、前記タッチセンサーCmは相互静電容量(Mutual Capacitance)の変化によってタッチの有無及びタッチの位置を感知することができる。前記タッチセンサーCmは多数のタッチライン310、320を含むことができる。例えば、前記タッチセンサーCmは、タッチ駆動信号が印加される駆動タッチライン310(例えば、第1タッチ電極ライン)、及びタッチセンシング信号が印加されるセンシングタッチライン320(例えば、第2タッチ電極ライン)を含むことができる。
【0051】
図2、
図3及び
図6を参照すると、各駆動タッチライン310は第1タッチ電極311及び第1ブリッジ電極312を含むことができる。前記第1タッチ電極311は前記封止ユニット140上に並んで位置することができる。前記第1ブリッジ電極312は前記第1タッチ電極311の間を電気的に連結することができる。それぞれの第1ブリッジ電極312は第1方向に延びることができる。例えば、各駆動タッチライン310は前記第1ブリッジ電極312を介して前記第1方向に連結された前記第1タッチ電極311を含むことができる。一実施例では、前記第1方向は、前記表示領域AAの長さが延びる方向である。
【0052】
前記第1タッチ電極311は導電性物質を含むことができる。前記第1タッチ電極311は相対的に低い抵抗を有する物質を含むことができる。例えば、前記第1タッチ電極311は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、及びタンタル(Ta)のような金属またはこれらの金属の合金を含むことができる。それぞれの第1タッチ電極311は単層または多層の構造を有することができる。例えば、前記第1タッチ電極311は、Ti/Al/Ti、MoTi/Cu/MoTi、及びTi/Al/Moのような3層の構造を有することができる。
【0053】
前記第1ブリッジ電極312は導電性物質を含むことができる。前記第1ブリッジ電極312は相対的に低い抵抗を有する物質を含むことができる。例えば、前記第1ブリッジ電極312は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、及びタンタル(Ta)のような金属またはこれらの金属の合金を含むことができる。前記第1ブリッジ電極312は前記第1タッチ電極311と同じ物質を含むことができる。それぞれの第1ブリッジ電極312は単層または多層の構造を有することができる。例えば、前記第1ブリッジ電極312は、Ti/Al/Ti、MoTi/Cu/MoTi、及びTi/Al/Moのような3層の構造を有することができる。前記第1ブリッジ電極312は前記第1タッチ電極311と同じ構造を有することができる。前記第1ブリッジ電極312は前記第1タッチ電極311と同じ層上に位置することができる。例えば、それぞれの第1ブリッジ電極312は該当第1タッチ電極311と直接接触することができる。
【0054】
各センシングタッチライン320は第2タッチ電極321及び第2ブリッジ電極322を含むことができる。前記第2タッチ電極321は前記封止ユニット140上に並んで位置することができる。前記第2タッチ電極321は前記第1タッチ電極311と同じ層上に位置することができる。前記第2タッチ電極321は前記第1タッチ電極311から絶縁されることができる。例えば、前記第2タッチ電極321は前記第1タッチ電極311の間に位置することができる。前記第2タッチ電極321は前記第1タッチ電極311と同じ形状を有することができる。例えば、前記第1タッチ電極311及び前記第2タッチ電極321は前記封止ユニット140上に互いにずれて配置されることができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記タッチセンサーCmの前記駆動タッチライン310及び前記センシングタッチライン320を用いて使用者及び/または道具のタッチを感知することができる。
【0055】
前記第2タッチ電極321は導電性物質を含むことができる。前記第2タッチ電極321は相対的に低い抵抗を有する物質を含むことができる。例えば、前記第2タッチ電極321は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、及びタンタル(Ta)のような金属またはこれらの金属の合金を含むことができる。前記第2タッチ電極321は前記第1タッチ電極311と同じ物質を含むことができる。それぞれの第2タッチ電極321は単層または多層の構造を有することができる。例えば、前記第2タッチ電極321は、Ti/Al/Ti、MoTi/Cu/MoTi、及びTi/Al/Moのような3層の構造を有することができる。前記第2タッチ電極321は前記第1タッチ電極311と同じ構造を有することができる。
【0056】
前記第2タッチ電極321は前記第1タッチ電極311及び前記第1ブリッジ電極312と同じ層上に位置することができる。前記第2タッチ電極321は前記第1ブリッジ電極312から絶縁されることができる。前記第2タッチ電極321は前記第1ブリッジ電極312から離隔することができる。例えば、前記第1ブリッジ電極312は前記第2タッチ電極321の間を横切ることができる。
【0057】
前記第2ブリッジ電極322は前記第2タッチ電極321の間を電気的に連結することができる。それぞれの第2ブリッジ電極322は第2方向に延びることができる。例えば、各センシングタッチライン320は、前記第2ブリッジ電極322によって前記第2方向に連結された前記第2タッチ電極321を含むことができる。前記第2方向は前記第1方向と異なってもよい。例えば、前記第2方向は前記第1方向に垂直であってもよい。前記第2ブリッジ電極322は前記第1タッチ電極311の間を横切ることができる。例えば、それぞれの第2ブリッジ電極322は前記第1ブリッジ電極312のうちの一つと交差することができる。前記第2ブリッジ電極322は前記第1ブリッジ電極312から絶縁されることができる。前記第2ブリッジ電極322は前記第1ブリッジ電極312と異なる層上に位置することができる。例えば、前記タッチセンサーCmは前記第2ブリッジ電極322上に位置するタッチ絶縁膜350を含み、前記第1タッチ電極311、前記第1ブリッジ電極312及び前記第2タッチ電極321は前記タッチ絶縁膜350上に位置することができる。
【0058】
前記タッチ絶縁膜350は絶縁性物質を含むことができる。例えば、前記タッチ絶縁膜350は有機絶縁物質を含むことができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記第1ブリッジ電極312と前記第2ブリッジ電極322との間が効果的に絶縁されることができる。前記タッチ絶縁膜350はそれぞれの第2ブリッジ電極322を部分的に露出するタッチコンタクトホールを含むことができる。それぞれの第2タッチ電極321は前記タッチコンタクトホールのうちの一つを介して当該第2ブリッジ電極322と連結されることができる。
【0059】
前記第2ブリッジ電極322は導電性物質を含むことができる。前記第2ブリッジ電極322は相対的に低い抵抗を有する物質を含むことができる。例えば、前記第2ブリッジ電極322は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、及びタンタル(Ta)のような金属またはこれらの金属の合金を含むことができる。それぞれの第2ブリッジ電極322は単層または多層の構造を有することができる。例えば、前記第2ブリッジ電極322はTi/Al/Ti、MoTi/Cu/MoTi、及びTi/Al/Moのような3層の構造を有することができる。
【0060】
前記タッチセンサーCmの前記第1タッチ電極311、前記第1ブリッジ電極312、前記第2タッチ電極321、及び前記第2ブリッジ電極322は前記素子基板110の前記表示領域AA内に位置することができる。各画素領域PAの前記発光領域BEA、GEA、REAは、前記第1タッチ電極311、前記第1ブリッジ電極312、前記第2タッチ電極321、及び前記第2ブリッジ電極322の間に位置することができる。前記駆動タッチライン310及び前記センシングタッチライン320は前記発光素子130の外側に位置することができる。すなわち、前記駆動タッチライン310及び前記センシングタッチライン320は、前記発光素子130と重畳しない。例えば、前記第1タッチ電極311、前記第1ブリッジ電極312、前記第2タッチ電極321、及び前記第2ブリッジ電極322は前記バンク絶縁膜114と重畳することができる。それぞれの第1タッチ電極311の平面及びそれぞれの第2タッチ電極321の平面は、各画素領域PAの前記発光領域BEA、GEA、REAと重畳する開口部を有するメッシュ形状を有することができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記タッチセンサーCmを用いたタッチ感知の正確度が向上し、前記タッチセンサーCmによる光抽出効率の低下を低減することができる。
【0061】
前記封止ユニット140と前記タッチセンサーCmとの間にはタッチバッファー膜200が位置することができる。例えば、前記第2ブリッジ電極322は前記タッチバッファー膜200と前記タッチ絶縁膜350との間に位置することができる。前記タッチバッファー膜200は各発光素子130の前記第2発光電極133と前記タッチセンサーCmとの間に発生する寄生キャパシタンスを減少させることができる。例えば、前記タッチセンサーCmの各駆動タッチライン310と各発光素子130の前記第2発光電極133との間の離隔距離及び前記タッチセンサーCmの各センシングタッチライン320と各発光素子130の前記第2発光電極133との間の離隔距離は前記タッチバッファー膜200によって増加することができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記タッチセンサーCmによるタッチ感知の正確度が向上することができる。前記タッチバッファー膜200は絶縁性物質を含むことができる。例えば、前記タッチバッファー膜200は、シリコン酸化物(SiO)及びシリコン窒化物(SiN)のような無機絶縁物質を含むことができる。
【0062】
前記タッチセンサーCm上には素子保護膜400が位置することができる。前記素子保護膜400は外部衝撃による前記タッチセンサーCmの損傷を防止又は少なくとも低減することができる。例えば、前記駆動タッチライン310及び前記センシングタッチライン320は前記素子保護膜400によって覆われることができる。前記素子保護膜400は、前記第1タッチ電極311、前記第1ブリッジ電極312、及び前記第2タッチ電極321の外側で前記タッチ絶縁膜350と直接接触することができる。前記素子保護膜400は絶縁性物質を含むことができる。例えば、前記素子保護膜400は有機絶縁物質を含むことができる。前記素子保護膜400は前記タッチ絶縁膜350と異なる物質を含むことができる。
【0063】
図2を参照すると、イメージの具現のための多様な信号は前記素子基板110の前記ベゼル領域BZを介して各画素領域PAに印加されることができる。例えば、前記素子基板110の前記ベゼル領域BZは、表示パッド104及びタッチパッド304が位置するパッド領域PDを含むことができる。前記ダム106は前記表示領域AAと前記パッド領域PDとの間に位置することができる。例えば、前記表示パッド104及び前記タッチパッド304は前記封止ユニット140から離隔することができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記表示パッド104及び/または前記タッチパッド304のうちの一部が前記有機封止層142によって意図に反して遮られることを防止又は少なくとも低減することができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記表示パッド104及び/または前記タッチパッド304を介して伝達される信号の歪みを防止又は少なくとも低減することができる。
【0064】
前記ゲートラインGL及び/または前記データラインDLは前記表示パッド104と電気的に連結されることができる。例えば、各画素領域PAに印加される前記データ信号は前記表示パッド104のうちの一つ及び前記データラインDLのうちの一つを介して伝達されることができる。前記タッチパッド304は前記表示パッド104に並んで位置することができる。例えば、前記パッド領域PDは前記表示領域AAの一側面上に位置することができる。
【0065】
図2、
図4及び
図5を参照すると、各タッチパッド304は、下部パッド電極304a、及び前記下部パッド電極304a上に位置する上部パッド電極304bを含むことができる。前記タッチパッド304は、前記画素駆動回路、前記発光素子130、及び前記タッチセンサーCmの形成工程によって形成することができる。例えば、前記下部パッド電極304aは各画素駆動回路の前記ソース電極124及び前記ドレイン電極125と同じ物質を含み、前記上部パッド電極304bは、前記第1タッチ電極311、前記第1ブリッジ電極312、及び前記第2タッチ電極321と同じ物質を含むことができる。前記表示パッド104は前記タッチパッド304と同じ構造を有することができる。例えば、各表示パッド104は、下部パッド電極、及び前記下部パッド電極上に位置する上部パッド電極を含むことができる。各表示パッド104の前記下部パッド電極は各タッチパッド304の前記下部パッド電極304aと同じ物質を含み、各表示パッド104の前記上部パッド電極は各タッチパッド304の前記上部パッド電極304bと同じ物質を含むことができる。例えば、前記表示パッド104は前記タッチパッド304と同時に形成されることができる。
【0066】
前記駆動タッチライン310及び前記センシングタッチライン320はタッチルーティングライン330を介して前記タッチパッド304と電気的に連結されることができる。前記タッチルーティングライン330は第1ルーティングライン331及び第2ルーティングライン332を含むことができる。前記第2ルーティングライン332は前記第1ルーティングライン331から絶縁されることができる。例えば、前記第2ルーティングライン332は前記第1ルーティングライン331と異なる層上に位置することができる。各タッチパッド304は前記第1ルーティングライン331のうちの一つまたは前記第2ルーティングライン332のうちの一つと電気的に連結されることができる。
【0067】
前記第1ルーティングライン331及び前記第2ルーティングライン332は前記タッチセンサーCmの形成工程によって形成されることができる。前記第2ルーティングライン332は前記第1ルーティングライン331と異なる物質を含むことができる。例えば、前記第1ルーティングライン331は前記第2ブリッジ電極322と同じ物質を含み、前記第2ルーティングライン332は前記第1タッチ電極311、前記第1ブリッジ電極312、及び前記第2タッチ電極321と同じ物質を含むことができる。前記第1ルーティングライン331は前記第1ブリッジ電極312と同時に形成されることができる。例えば、前記第1ルーティングライン331は前記タッチバッファー膜200と前記タッチ絶縁膜350との間に位置することができる。前記第2ルーティングライン332は前記第1タッチ電極311及び前記第2タッチ電極321と同時に形成されることができる。例えば、前記第2ルーティングライン332は前記タッチ絶縁膜350と前記素子保護膜400との間に位置することができる。
【0068】
それぞれの第2ルーティングライン332の一部領域は前記第1ルーティングライン331のうちの該当する一つと重畳することができる。例えば、前記表示領域AAの縁部に沿って延びるそれぞれの第2ルーティングライン332の一部領域は前記第1ルーティングライン331のうちの一つと部分的に重畳することができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記第1ルーティングライン331及び前記第2ルーティングライン332が占める面積が減少することができる。すなわち、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記表示領域AAの縮小なしに、それぞれの第1ルーティングライン331の幅及びそれぞれの第2ルーティングライン332の幅が増加することができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記ベゼル領域BZの増加なしに、それぞれの第1ルーティングライン331の抵抗及びそれぞれの第2ルーティングライン332の抵抗が充分に低くなることができる。また、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は全体サイズが減少することができる。
【0069】
前記第1ルーティングライン331と前記第2ルーティングライン332との間には有機絶縁物質を含む前記タッチ絶縁膜350が位置することができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、隣接した第1ルーティングライン331と第2ルーティングライン332との間の距離が相対的に増加することができる。すなわち、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記第2ルーティングライン332が前記第1ルーティングライン331から充分に絶縁されることができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記第2ルーティングライン332を介して印加される信号による、前記第1ルーティングライン331を介して印加される信号の歪みを防止することができる。
【0070】
前記タッチセンサーCmの各タッチライン310、320は前記第1ルーティングライン331のうちの一つまたは前記第2ルーティングライン332のうちの一つと電気的に連結されることができる。例えば、前記タッチセンサーCmの各駆動タッチライン310及び各センシングタッチライン320は前記第1ルーティングライン331のうちの一つと電気的に連結される第1タッチラインまたは前記第2ルーティングライン332のうちの一つと電気的に連結される第2タッチラインであることができる。前記第2タッチラインは前記第1タッチラインの間に位置することができる。例えば、それぞれの第1タッチ電極311は前記第1方向に隣接した前記第1タッチ電極311と異なる層上に位置するタッチルーティングライン331、332のうちの一つと電気的に連結され、それぞれの第2タッチ電極321は前記第2方向に隣接した前記第2タッチ電極321と異なる層上に位置するタッチルーティングライン331、332のうちの一つと電気的に連結されることができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記第1ルーティングライン331と前記第2ルーティングライン332との重畳領域が最大化することができる。前記重畳領域を最大化するために、前記第1ルーティングライン331の中心及び前記第2ルーティングライン332の中心は前記第1方向に沿って重畳する。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記タッチルーティングライン331、332が占める面積が最小化することができる。
【0071】
前記表示領域AAと前記パッド領域PDとの間にはベンディング領域BAが位置することができる。前記ベンディング領域BAは前記素子基板110が撓む領域とすることができる。例えば、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記ベンディング領域BAの撓みによって、前記パッド領域PDが前記表示領域AAと重畳することができる。前記ベンディング領域BAは前記ダム106の外側に位置することができる。例えば、前記ダム106は前記表示領域AAと前記ベンディング領域BAとの間に位置することができる。
【0072】
前記封止ユニット140は前記ベンディング領域BAから離隔することができる。前記タッチバッファー膜200、前記タッチ絶縁膜350、前記素子保護膜400、及び前記タッチルーティングライン330は前記ベンディング領域BAと重畳しなくてもよい。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記ベンディング領域BA上に積層される層の数を減少させることができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記ベンディング領域BAの撓みによるベンディングストレスが最小化することができる。すなわち、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記ベンディングストレスによる損傷が最小化することができる。
【0073】
前記タッチルーティングライン330は前記ベンディング領域BAを横切る連結パターン107を介して前記タッチパッド304と電気的に連結されることができる。例えば、各連結パターン107は前記第1ルーティングライン331のうちの一つまたは前記第2ルーティングライン332のうちの一つと電気的に連結されることができる。前記連結パターン107は導電性物質を含むことができる。前記連結パターン107は、各画素領域PA内に位置する前記画素駆動回路及び前記発光素子130の形成工程によって形成されることができる。例えば、前記連結パターン107は各画素領域PAの前記ソース電極124及び前記ドレイン電極125と同じ物質を含むことができる。前記連結パターン107は各画素領域PAの前記ソース電極124及び前記ドレイン電極125と同じ層上に位置することができる。例えば、前記連結パターン107は前記層間絶縁膜112上に位置することができる。
【0074】
前記連結パターン107上にはクラック防止膜108が位置することができる。前記クラック防止膜108は前記ベンディング領域BAと重畳することができる。例えば、前記ベンディング領域BA上に位置する各連結パターン107の一部領域は前記クラック防止膜108によって覆われることができる。前記クラック防止膜108は絶縁性物質を含むことができる。前記クラック防止膜108は前記封止ユニット140上に形成される絶縁層と同時に形成されることができる。例えば、前記クラック防止膜108は前記タッチバッファー膜200と同じ物質を含むことができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記ベンディングストレスによる前記連結パターン107の損傷を防止することができる。
【0075】
前記第1ルーティングライン331及び前記第2ルーティングライン332のそれぞれは前記連結パターン107のうちの一つと直接連結されることができる。各連結パターン107の一側は前記タッチバッファー膜200によって覆われることができる。例えば、それぞれの第1ルーティングライン331及びそれぞれの第2ルーティングライン332は前記タッチバッファー膜200と前記クラック防止膜108との間に位置する該当連結パターン107の一部領域と直接接触することができる。前記第1ルーティングライン331と前記第2ルーティングライン332との重畳領域は前記連結パターン107と重畳しなくてもよい。例えば、それぞれの第2ルーティングライン332の一部領域は前記表示領域AAと前記連結パターン107との間の領域で前記第1ルーティングライン331のうちの一つと重畳することができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、各タッチルーティングライン330を前記連結パターン107のうちの一つと電気的に連結する工程が簡素化することができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、工程効率が向上することができる。
【0076】
各連結パターン107は前記タッチパッド304のうちの一つと直接連結されることができる。例えば、前記連結パターン107は前記素子基板110の前記パッド領域PD上に延びることができる。各連結パターン107の端部は前記パッド領域PDの前記層間絶縁膜112上に位置することができる。
【0077】
結果的に、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記発光素子130を覆う前記封止ユニット140、前記封止ユニット140上に並んで位置する前記タッチ電極311、321を含む前記タッチセンサーCm及び前記タッチルーティングライン330を介して前記タッチ電極311、321と電気的に連結される前記タッチパッド304を含み、前記タッチルーティングライン330が前記第1ルーティングライン331及び前記第1ルーティングライン331と異なる層上に位置する前記第2ルーティングライン332を含むことができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記タッチルーティングライン330が占める面積が減少して全体的な大きさが減少することができる。また、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記ベゼル領域BZの増加なしに、各タッチルーティングライン330の抵抗が低くなることができる。よって、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記表示領域AAの減少なしに、タッチ感知の信頼性が向上することができる。
【0078】
本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置では、それぞれの前記第1ルーティングライン331は前記連結パターン107のうちの一つと電気的に連結される。しかし、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置では、
図7に示すように、それぞれの前記第2ルーティングライン332は、前記連結パターン107のうちの一つと電気的に連結されることができる。それぞれの中間パターン335は、各第2ルーティングライン332の端部領域と前記該当連結パターン107の一部領域との間に位置することができる。例えば、それぞれの前記中間パターン335は、前記該当第2ルーティングライン332及び前記該当連結パターン107と直接接触することができる。前記中間パターン335は前記第1ルーティングライン331と同じ物質を含むことができる。例えば、各中間パターン335の端部は前記タッチバッファー膜200と前記タッチ絶縁膜350との間に位置することができる。
【0079】
本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は、それぞれの第2ルーティングライン332の一部領域が前記第1ルーティングライン331のうちの一つと重畳するものとして説明される。しかし、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記第1ルーティングライン331及び前記第1ルーティングライン331と異なる層上に位置する前記第2ルーティングライン332が多様な方式で配置されることができる。例えば、
図8及び
図9に示すように、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記第2ルーティングライン332が前記第1ルーティングライン331の間に位置することができる。すなわち、前記複数の第2ルーティングラインのうちの一つの第2ルーティングラインは、タッチディスプレイ装置の平面図で、前記複数の第1ルーティングライン331のうちの一対の第1ルーティングライン間に位置する。前記第2ルーティングライン332は前記タッチ絶縁膜350によって前記第1ルーティングライン331から絶縁されることができる。よって、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記第1ルーティングライン331と前記第2ルーティングライン332とが密集することができる。すなわち、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、それぞれの第2ルーティングライン332が隣接した第1ルーティングライン331と部分的に重畳することができる。例えば、それぞれの第2ルーティングライン332の側面は前記第1ルーティングライン331のうちの一つと重畳することができる。すなわち、第2ルーティングライン332の端部は、前記タッチ絶縁膜350が前記第2ルーティングライン332と前記第1ルーティングライン331との間に位置している状態で、第1ルーティングライン331の端部と重畳することができる。よって、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記ベゼル領域BZの増加なしに、各タッチルーティングライン330の抵抗が減少することができる。
【0080】
本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置は前記タッチ絶縁膜350が有機絶縁物質を含むものとして説明される。しかし、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記タッチ絶縁膜350が多様な物質から形成されることができる。例えば、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記タッチ絶縁膜350がシリコン酸化物(SiO)及びシリコン窒化物(SiN)のような無機絶縁物質を含むことができる。もしくは、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記タッチ絶縁膜350が無機絶縁物質を含む無機絶縁膜と有機絶縁物質を含む有機絶縁膜との積層構造を有することができる。よって、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記第1ルーティングライン331と前記第2ルーティングライン332との間を効果的に絶縁することができる。よって、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記第1ルーティングライン331と前記第2ルーティングライン332との重畳領域が増加することができる。
【0081】
前記第1ルーティングライン331による段差は前記タッチ絶縁膜350によって除去されることができる。例えば、前記素子基板110と対向する前記タッチ絶縁膜350の上面は平面であってもよい。よって、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、それぞれの第1ルーティングライン331の厚さによる前記第2ルーティングライン332の損傷を防止することができる。例えば、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記タッチ絶縁膜350の高さ偏差による前記第2ルーティングライン332の部分的断絶を防止することができる。すなわち、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記第1ルーティングライン331及び前記第2ルーティングライン332の厚さに対する自由度が向上することができる。よって、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記第1ルーティングライン331及び前記第2ルーティングライン332の抵抗が著しく減少することができる。
【0082】
本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、各センシングタッチライン320が補償パターン600のうちの一つを介して該当タッチルーティングライン330と連結されることができる。前記補償パターン600は、前記タッチルーティングライン330の間のキャパシタンス差を補償することができる。例えば、各補償パターン600の面積は前記パッド領域PDと該当センシングタッチライン320との間の直線距離に反比例することができる。よって、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、前記タッチルーティングライン330の間のキャパシタンス差による前記タッチセンシング信号の偏差を防止することができる。よって、本発明の他の実施例によるタッチディスプレイ装置は、使用者及び/または道具のタッチの正確性が向上することができる。
【符号の説明】
【0083】
110 素子基板
130 発光素子
140 封止ユニット
310 第1タッチライン
320 第2タッチライン
331 下部ルーティングライン
332 上部ルーティングライン
【手続補正書】
【提出日】2024-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子基板と、
前記素子基板上に位置する複数の発光素子と、
前記複数の発光素子上に位置する封止層と、
前記封止層上に位置する複数のタッチ電極を含むタッチセンサーと、
前記素子基板上に位置し、前記封止層と重畳しない複数のタッチパッドと、
複数のタッチルーティングラインであって、各タッチルーティングラインが、前記複数のタッチ電極のうちの対応するタッチ電極を前記複数のタッチパッドのうちの対応するタッチパッドに電気的に連結する、複数のタッチルーティングラインとを含み、
前記複数のタッチルーティングラインは、複数の第1ルーティングラインと、前記複数の第1ルーティングラインと異なる層上に位置する複数の第2ルーティングラインとを含み、
前記複数の第2ルーティングラインのうちの第2ルーティングラインは、平面図において、前記複数の第1ルーティングラインのうちの一対の複数の第1ルーティングラインの間にあり、
前記複数の第2ルーティングラインは、タッチ絶縁膜によって前記複数の第1ルーティングラインから絶縁される、
タッチディスプレイ装置。
【請求項2】
前記複数のタッチパッドのそれぞれは、前記複数の第1ルーティングラインのうちの対応する一つのラインまたは前記複数の第2ルーティングラインのうちの対応する一つのラインと電気的に連結される、請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項3】
前記タッチセンサーが、複数の第1タッチラインと、前記第1タッチラインと同じ方向に延びる複数の第2タッチラインとを含み、
前記第1タッチラインのそれぞれが、複数の第1タッチ電極と、前記複数の第1タッチ電極を電気的に連結する複数の第1ブリッジ電極とを含み、
前記第2タッチラインのそれぞれが、複数の第2タッチ電極と、前記複数の第2タッチ電極を電気的に連結する複数の第2ブリッジ電極とを含み、
前記複数の第1ルーティングラインは、前記複数の第1ブリッジ電極と同じ物質を含む、請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項4】
前記複数の第1ルーティングライン及び前記複数の第1ブリッジ電極は、前記封止層と前記タッチ絶縁膜との間に位置する、請求項3に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項5】
前記複数の第2ルーティングラインは、前記複数の第1タッチ電極と同じ物質を含む、請求項3に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項6】
ベンディング領域を横切って、前記封止層と前記複数のタッチパッドとの間に位置する複数の連結パターンをさらに含み、
前記複数の連結パターンのそれぞれは、前記複数の第1ルーティングラインのうちの対応する一つのラインまたは前記複数の第2ルーティングラインのうちの対応する一つのラインに電気的に連結される、請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項7】
それぞれが、前記複数の第2ルーティングラインのうちの対応する第2ルーティングラインと前記複数の連結パターンのうちの対応する一つのパターンとの間に位置する複数の中間パターンをさらに含む、請求項6に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項8】
前記複数の連結パターンが、前記複数の第1ルーティングラインに電気的に連結された複数の第1連結パターンと、前記複数の第2ルーティングラインに電気的に連結された複数の第2連結パターンとを含み、
前記複数の第2連結パターンは、前記複数の第1連結パターンと同じ層上に配置される、請求項6に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項9】
前記複数の第1連結パターン及び前記複数の第2連結パターン上に配置されたクラック防止膜をさらに含む、請求項8に記載のタッチディスプレイ装置。