(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150631
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】電子商取引サイトと実店舗販売によるリアルアフィリエイトモデル、報酬算出システム、サーバ装置、報酬算出方法および報酬算出プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20230101AFI20241016BHJP
【FI】
G06Q30/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024117086
(22)【出願日】2024-07-22
(62)【分割の表示】P 2019188551の分割
【原出願日】2019-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000066
【氏名又は名称】味の素株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝幸
(57)【要約】
【課題】商品提供者(例えば、食品メーカー)の商品を顧客が購入する為の情報(例えば、QRコード(登録商標))を実店舗に提示するのみで、前記実店舗がプラスアルファの収入(報酬)を前記商品提供者から得ることが可能となる様、前記報酬を算出する事ができる電子商取引サイトと実店舗販売によるリアルアフィリエイトモデル、報酬算出システム、サーバ装置、報酬算出方法及び報酬算出プログラムの提供を課題とする。
【解決手段】本実施形態では、実店舗において顧客端末から読み取られたQRコード(登録商標)に基づいて接続された商品提供者が提供する商品を購入可能なECサイトにおいて顧客により購入対象として指定された商品に関する情報及び前記実店舗において前記顧客端末から読み取られたQRコード(登録商標)で特定される前記実店舗についての店舗識別情報に基づいて、当該店舗に対する前記商品提供者からのアフィリエイト料を算出する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品提供者が提供する商品を購入可能な電子商取引サービスへの接続を可能とする接続用情報であって顧客端末により読取可能なものを提示する実在する店舗である実店舗に対する前記商品提供者からの報酬を算出するサーバ装置および前記顧客端末を通信可能に接続した報酬算出システムであって、
前記サーバ装置における制御部は、
前記実店舗において前記顧客端末から読み取られた前記接続用情報に基づいて接続された前記電子商取引サービスにおいて顧客により購入対象として指定された商品に関する情報および前記実店舗において前記顧客端末から読み取られた前記接続用情報で特定される前記実店舗についての店舗識別情報に基づいて、当該店舗に対する前記報酬を算出する報酬算出手段
を備えること、
を特徴とする報酬算出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子商取引サイトと実店舗販売によるリアルアフィリエイトモデル、報酬算出システム、サーバ装置、報酬算出方法および報酬算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンテンツサービスに入会/退会したことを個別に特定し、店舗別にサービスへの新規入会ユーザ数および継続ユーザ数について成功報酬型の広告手数料の正確な計算をすることを可能とするアフィリエイトサーバ装置およびアフィリエイトシステムが開示されている(特許文献1の0001段落および0011段落等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の成功報酬型の広告手数料のような副収入を得ることを考えた場合、従来においては、以下のような課題があった。すなわち、近年、実際に店を構えて商品を販売する実在する店舗である実店舗(特に、地元密着の店舗)は、インターネットショッピング等の台頭により、売上が低迷している。このため、前記実店舗は、店舗販売にプラスアルファした副収入を獲得する方法を模索しているものの、従業員の多忙等の理由により副収入の獲得は困難であった。つまり、店頭での商品販売による売上とは別の副収入を簡便な方法により得ることは、従来できなかった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、商品提供者(例えば、食品メーカー)の商品を顧客が購入するための情報(例えば、QRコード(登録商標))を実店舗に提示するのみという簡便な方法により、前記実店舗がプラスアルファの収入(報酬)を前記商品提供者から得ることが可能となる様、前記報酬を算出することができる電子商取引サイトと実店舗販売によるリアルアフィリエイトモデル、報酬算出システム、サーバ装置、報酬算出方法および報酬算出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る報酬算出システムは、商品提供者が提供する商品を購入可能な電子商取引サービスへの接続を可能とする接続用情報であって顧客端末により読取可能なものを提示する実在する店舗である実店舗に対する前記商品提供者からの報酬を算出するサーバ装置および前記顧客端末を通信可能に接続した報酬算出システムであって、前記サーバ装置における制御部が、前記実店舗において前記顧客端末から読み取られた前記接続用情報に基づいて接続された前記電子商取引サービスにおいて顧客により購入対象として指定された商品に関する情報および前記実店舗において前記顧客端末から読み取られた前記接続用情報で特定される前記実店舗についての店舗識別情報に基づいて、当該店舗に対する前記報酬を算出する報酬算出手段を備えること、を特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る報酬算出システムは、前記商品が、店頭にて販売可能な物であること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る報酬算出システムは、前記顧客端末における制御部が、前記接続用情報を読取するための読取手段と、前記読取手段において読取された接続用情報に基づいて、前記電子商取引サービスにログインするための画面であるログイン画面を前記顧客端末に表示するログイン画面表示手段と、前記ログイン画面表示手段により表示された前記ログイン画面に、前記顧客により入力された顧客識別情報およびログインパスワードならびに前記読取手段において読取された接続用情報に基づいて自動入力された店舗識別情報を受け付けて前記サーバ装置に送信するログイン情報受付手段と、前記サーバ装置から前記電子商取引サービスの画面情報が送信されてきたときは当該送信された画面情報に基づいて前記電子商取引サービスの画面を前記顧客端末に表示するサービス画面表示手段と、前記サービス画面表示手段により表示された前記電子商取引サービスの画面において、前記顧客により前記購入対象として指定された前記商品に関する情報を受け付けて前記サーバ装置に送信する購入商品受付手段と、を備え、前記サーバ装置における前記制御部は、前記ログイン情報受付手段により送信された前記顧客識別情報および前記ログインパスワードに基づいて、前記電子商取引サービスへの前記顧客のログインを許可するかしないかを判定する判定手段と、前記判定手段でログインを許可する旨の判定をした場合、前記電子商取引サービスの画面情報を前記顧客端末に送信するサービス画面送信手段と、を更に備えること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る報酬算出システムは、前記実店舗の端末である店舗端末を更に備え、前記サーバ装置における前記制御部が、前記報酬算出手段で算出した前記報酬の情報を前記店舗端末に送信する報酬送信手段を更に備え、前記店舗端末における制御部が、前記報酬送信手段により送信された前記報酬の情報を受信する報酬受信手段を備えること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る報酬算出システムは、前記報酬は、購入された前記商品の売上額から、当該購入された前記商品の原価額と当該購入に至るまでに前記商品提供者が要した人件費と前記商品提供者が受け取るべき利益額との和を差し引いた金額であること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る報酬算出システムは、前記接続用情報が、二次元コードであること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る報酬算出システムは、前記二次元コードが、QRコード(登録商標)であること、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るサーバ装置は、商品提供者が提供する商品を購入可能な電子商取引サービスへの接続を可能とする接続用情報であって顧客端末により読取可能なものを提示する実在する店舗である実店舗に対する前記商品提供者からの報酬を算出する、前記顧客端末と通信可能に接続されたサーバ装置であって、前記サーバ装置における制御部は、前記実店舗において前記顧客端末から読み取られた前記接続用情報に基づいて接続された前記電子商取引サービスにおいて顧客により購入対象として指定された商品に関する情報および前記実店舗において前記顧客端末から読み取られた前記接続用情報で特定される前記実店舗についての店舗識別情報に基づいて、当該店舗に対する前記報酬を算出する報酬算出手段を備えること、を特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る報酬算出方法は、商品提供者が提供する商品を購入可能な電子商取引サービスへの接続を可能とする接続用情報であって顧客端末により読取可能なものを提示する実在する店舗である実店舗に対する前記商品提供者からの報酬を算出するサーバ装置および前記顧客端末を通信可能に接続した報酬算出システムで実行される報酬算出方法であって、前記サーバ装置における制御部で実行される、前記実店舗において前記顧客端末から読み取られた前記接続用情報に基づいて接続された前記電子商取引サービスにおいて顧客により購入対象として指定された商品に関する情報および前記実店舗において前記顧客端末から読み取られた前記接続用情報で特定される前記実店舗についての店舗識別情報に基づいて、当該店舗に対する前記報酬を算出する報酬算出ステップを含むこと、を特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る報酬算出方法は、商品提供者が提供する商品を購入可能な電子商取引サービスへの接続を可能とする接続用情報であって顧客端末により読取可能なものを提示する実在する店舗である実店舗に対する前記商品提供者からの報酬を算出する、前記顧客端末と通信可能に接続されたサーバ装置で実行される報酬算出方法であって、前記サーバ装置における制御部で実行される、前記実店舗において前記顧客端末から読み取られた前記接続用情報に基づいて接続された前記電子商取引サービスにおいて顧客により購入対象として指定された商品に関する情報および前記実店舗において前記顧客端末から読み取られた前記接続用情報で特定される前記実店舗についての店舗識別情報に基づいて、当該店舗に対する前記報酬を算出する報酬算出ステップを含むこと、を特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る報酬算出プログラムは、商品提供者が提供する商品を購入可能な電子商取引サービスへの接続を可能とする接続用情報であって顧客端末により読取可能なものを提示する実在する店舗である実店舗に対する前記商品提供者からの報酬を算出する、前記顧客端末に通信可能に接続されたサーバ装置に実行させるための報酬算出プログラムであって、前記サーバ装置における制御部に実行させるための、前記実店舗において前記顧客端末から読み取られた前記接続用情報に基づいて接続された前記電子商取引サービスにおいて顧客により購入対象として指定された商品に関する情報および前記実店舗において前記顧客端末から読み取られた前記接続用情報で特定される前記実店舗についての店舗識別情報に基づいて、当該店舗に対する前記報酬を算出する報酬算出ステップを含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、商品提供者(例えば、食品メーカー)の商品を顧客が購入するための情報(例えば、QRコード(登録商標))を実店舗に提示するのみで、前記実店舗がプラスアルファの収入(報酬)を前記商品提供者から得ることが可能となる様、前記報酬を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、報酬算出システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、ECサイト(商品提供者)、顧客および実店舗の関係の一例を示すイメージ図である。
【
図4】
図4は、ECサイトへのログイン画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、電子商取引サイトと実店舗販売によるリアルアフィリエイトモデル、報酬算出システム、サーバ装置、報酬算出方法および報酬算出プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0020】
[1.概要]
本実施形態においては、例えば、実店舗に提示されたQRコード(登録商標)を顧客がスマートフォン等により読取することにより、前記顧客は、ECサイトに接続し、当該ECサイト上で商品提供者(例えば、食品メーカー)の商品を購入することができる。そして、前記実店舗は、QRコード(登録商標)を店舗内に提示するのみで、前記商品提供者からアフィリエイト料を得ることができる。
【0021】
本実施形態において、前記実店舗とは、店舗を構えて商品を販売する実在する店舗である。前記実店舗としては、典型的には、ネットスーパーを展開していない地域に密着した中小店舗(DS(ディスカウントストア)チェーン)等を想定しているが、地域貢献の意味では、店舗ではなく駅等であってもよい。
【0022】
本実施形態において、電子商取引サービスとは、前記商品提供者(例えば、食品メーカー)が提供する商品を購入可能なサービスをいい、例えば、EC(Electronic Commerce)サイトである。当該ECサイトは、例えば、前記商品提供者自身が運営することを想定しているが、前記商品提供者が委託した第三者が運営してもよい。また、前記商品提供者(例えば、食品メーカー)が提供する前記商品は、店頭にて販売可能な物(すなわち、空間の一部を占めて存在する有体物を指し、コンテンツサービス等のデジタル商品を除く)であり、具体的には、食品およびサプリメント等である。
【0023】
本実施形態において、接続用情報とは、前記電子商取引サービスへの接続を可能とする情報であって顧客端末(例えば、前記顧客のスマートフォン)により読取可能なものをいう。前記接続用情報は、例えば、二次元コードであり、好ましくは、QRコード(登録商標)である。本実施形態において、前記接続用情報は、前記実店舗に提示される。
【0024】
本実施形態において、報酬とは、前記実店舗が前記接続用情報を店舗内に提示することに対して前記商品提供者から支払われる対価をいい、例えば、前記アフィリエイト料である。当該アフィリエイト料は、例えば、購入された前記商品の売上額から、当該購入された前記商品の原価額と当該購入に至るまでに前記商品提供者が要した人件費と前記商品提供者が受け取るべき利益額との和を差し引いた金額である。つまり、当該アフィリエイトの算出を計算式で表すと、アフィリエイト料=(売上単価)-(商品原価+前記商品提供者の人件費)-(前記商品提供者の利益額)となる。
【0025】
本実施形態において、前記商品提供者は、前記商品の提供を行う1つの企業のみから構成されることを想定しているが、複数の企業から構成されてもよい。前記複数の企業から構成される場合、前記商品提供者は、前記商品の提供を主となって行う企業である商品提供主企業と、前記商品の提供を当該商品提供主企業に加わり行う他の企業である商品提供他企業と、から構成される。
【0026】
[2.構成]
本項目では、サーバ装置、顧客端末および店舗端末を含む本実施形態に係る報酬算出システムの構成の一例について、
図1を用いて説明する。
図1は、報酬算出システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
[2-1.サーバ装置100の構成]
サーバ装置100は、前記電子商取引サービスを提供する。サーバ装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106とを備えている。サーバ装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0028】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、サーバ装置100をネットワーク400および500に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、例えば顧客端末200や店舗端末300等の他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク400は、サーバ装置100と顧客端末200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、ネットワーク500は、サーバ装置100と店舗端末300とを相互に通信可能に接続する機能を有する。ネットワーク400および500は、例えばインターネットやイントラネット、LAN(Local Area Network)等である。
【0029】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0030】
記憶部106は、例えば、顧客情報106aと商品情報106bとを備えている。
【0031】
顧客情報106aは、例えば、前記顧客を識別するための顧客識別情報(例えば、お客様ID)および前記電子商取引サービスにログインするためのログインパスワードの組合せ等を管理する。顧客情報106aを用いることで、後述する判定部102aは、前記電子商取引サービスへの前記顧客のログインを許可するかしないかを判定することができる。
【0032】
商品情報106bは、前記商品に関する情報、例えば、売上単価、商品原価および商品コード等を管理する。商品情報106bを用いることで、後述する報酬算出部102cは、前記報酬(アフィリエイト料)を算出することができる。
【0033】
制御部102は、サーバ装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0034】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)ログイン情報受付手段により送信された前記顧客識別情報および前記ログインパスワードに基づいて、前記電子商取引サービスへの前記顧客のログインを許可するかしないかを判定する判定手段としての判定部102aと、(2)前記判定手段でログインを許可する旨の判定をした場合、前記電子商取引サービスの画面情報を前記顧客端末に送信するサービス画面送信手段としてのサービス画面送信部102bと、(3)前記実店舗において前記顧客端末から読み取られた前記接続用情報に基づいて接続された前記電子商取引サービスにおいて顧客により購入対象として指定された商品に関する情報および前記実店舗において前記顧客端末から読み取られた前記接続用情報で特定される前記実店舗についての店舗識別情報に基づいて、当該店舗に対する前記報酬を算出する報酬算出手段としての報酬算出部102cと、(4)前記報酬算出手段で算出した前記報酬の情報を前記店舗端末に送信する報酬送信手段としての報酬送信部102dと、を備えている。
【0035】
判定部102aは、後述するログイン情報受付部202cからサーバ装置100に送信された顧客識別情報およびログインパスワードに基づいて、前記電子商取引サービスへの前記顧客のログインを許可するかしないかを判定する(
図2のステップS4の処理に相当)。具体的には、判定部102aは、後述するログイン情報受付部202cにより送信された前記顧客識別情報および前記ログインパスワードの組合せが顧客情報106aに存在する場合に、ログインを許可する。
【0036】
サービス画面送信部102bは、判定部102aでログインを許可する旨の判定をした場合、前記電子商取引サービスの画面情報を顧客端末200に送信する(
図2のステップS5の処理に相当)。
【0037】
報酬算出部102cは、前記実店舗において顧客端末200から読み取られた前記接続用情報に基づいて接続された前記電子商取引サービスにおいて前記顧客により購入対象として指定された商品に関する情報および前記実店舗において顧客端末200から読み取られた前記接続用情報で特定される前記実店舗についての店舗識別情報に基づいて、当該店舗に対する前記報酬を算出する(
図2のステップS8の処理に相当)。
【0038】
前記商品に関する情報とは、例えば、後述する購入商品受付部202eからサーバ装置100に送信された商品コードである。報酬算出部102cは、当該送信された商品コードと紐付く商品情報106b中の前記売上単価および前記商品原価を取得して前記報酬の算出に用いる。
【0039】
前記店舗識別情報は、例えば、店舗コードであるが、どの前記実店舗であるかを特定できれば如何なる情報であってもよく、例えば、前記実店舗の位置情報等であってもよい。前記店舗識別情報は、例えば、後述するログイン情報受付部202cからサーバ装置100に送信された店舗コードである。
【0040】
このように取得した前記売上原価(例えば120円)、前記商品原価(60円)および前記店舗識別情報(例えばA店)に加え、前記商品提供者の人件費(10円)および利益額(20円)も考慮して、報酬算出部102cは、前記実店舗(例えばA店)に対する報酬(例えば、120円-60円-10円-20円=30円)を算出することができる。
【0041】
報酬算出部102cが算出する前記報酬は、前記顧客が購入した商品に基づき算出される実績としての金額のみならず、前記顧客が購入しようとしている商品に基づき算出される予測としての(シミュレーションとしての)金額であってもよい。
【0042】
報酬送信部102dは、報酬算出部102cで算出した前記報酬の情報を店舗端末300に送信する(
図2のステップS9の処理に相当)。
【0043】
[2-2.顧客端末200の構成]
顧客端末200は、例えば、前記顧客が所有する市販のスマートフォンである。顧客端末200は、スマートフォンに限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であればよい。
【0044】
顧客端末200は、制御部202と通信インターフェース部204と記憶部206とを備えている。顧客端末200が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0045】
通信インターフェース部204は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、顧客端末200をネットワーク400に通信可能に接続する。通信インターフェース部204は、例えばサーバ装置100等の他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0046】
制御部202は、機能概念的に、例えば、(1)前記接続用情報を読取するための読取手段としての読取部202aと、(2)前記読取手段において読取された接続用情報に基づいて、前記電子商取引サービスにログインするための画面であるログイン画面を前記顧客端末に表示するログイン画面表示手段としてのログイン画面表示部202bと、(3)前記ログイン画面表示手段により表示された前記ログイン画面に、前記顧客により入力された顧客識別情報およびログインパスワードならびに前記読取手段において読取された接続用情報に基づいて自動入力された店舗識別情報を受け付けて前記サーバ装置に送信するログイン情報受付手段としてのログイン情報受付部202cと、(4)前記サーバ装置から前記電子商取引サービスの画面情報が送信されてきたときは当該送信された画面情報に基づいて前記電子商取引サービスの画面を前記顧客端末に表示するサービス画面表示手段としてのサービス画面表示部202dと、(5)前記サービス画面表示手段により表示された前記電子商取引サービスの画面において、前記顧客により前記購入対象として指定された前記商品に関する情報を受け付けて前記サーバ装置に送信する購入商品受付手段としての購入商品受付部202eと、を備えている。
【0047】
読取部202aは、前記接続用情報を読取する(
図2のステップS1の処理に相当)。
【0048】
ログイン画面表示部202bは、読取部202aにおいて読取された接続用情報に基づいて、前記電子商取引サービスにログインするための画面であるログイン画面(
図4参照)を顧客端末200に表示する(
図2のステップS2の処理に相当)。
【0049】
ログイン情報受付部202cは、ログイン画面表示部202bにより表示された前記ログイン画面に、前記顧客により入力された前記顧客識別情報および前記ログインパスワードならびに読取部202aにおいて読取された接続用情報に基づいて前記ログイン画面に自動入力された前記店舗識別情報を受け付けてサーバ装置100に送信する(
図2のステップS3の処理に相当)。
【0050】
サービス画面表示部202dは、サーバ装置100から前記電子商取引サービスの画面情報が送信されてきたときは当該送信された画面情報に基づいて前記電子商取引サービスの画面を顧客端末200に表示する(
図2のステップS6の処理に相当)。
【0051】
購入商品受付部202eは、サービス画面表示部202dにより表示された前記電子商取引サービスの画面において、前記顧客により前記購入対象として指定された前記商品に関する情報(例えば、商品コード)を受け付けてサーバ装置100に送信する(
図2のステップS7の処理に相当)。
【0052】
[2-3.店舗端末300の構成]
店舗端末300は、前記実店舗が所有する市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、店舗端末300は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0053】
店舗端末300は、制御部302と通信インターフェース部304と記憶部306とを備えている。店舗端末300が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0054】
通信インターフェース部304は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、店舗端末300をネットワーク500に通信可能に接続する。通信インターフェース部304は、例えばサーバ装置100等の他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0055】
制御部302は、機能概念的に、例えば、前記報酬送信手段により送信された前記報酬の情報を受信する報酬受信手段としての報酬受信部302aを備えている。
【0056】
報酬受信部302aは、報酬送信部102dにより送信された前記報酬の情報を受信する(
図2のステップS10の処理に相当)。
【0057】
[3.処理]
本項目では、本実施形態の処理の流れ、すなわち、
図3のイメージ図に示すように前記顧客が前記実店舗に行きQRコード(登録商標)を読み取って前記商品を購入して前記実店舗に対するアフィリエイト料が算出されるまでの一連の流れについて、
図2のフローチャートに沿って説明する。
【0058】
ここで、本実施形態の処理の流れについて説明する前に、ECサイトを運営する上で必要となる年間登録料および法人利用料について説明する。当該年間登録料および当該法人利用料は、簡単にいうと、ECサイトの運営予算であるが、詳細としては以下のとおりである。
【0059】
前記年間登録料は、前記実店舗がECサイトの運営者に対して支払う登録料であり、ECサイトの保守費の財源となる。前記法人利用料は、前記商品提供者が複数の企業から構成される場合に、[1.概要]で説明した前記商品提供他企業が、[1.概要]で説明した前記商品提供主企業に対して支払う利用料である。前記法人利用料は、ECサイトで前記商品提供他企業の商品を購入可能とするための情報投資予算の財源となる。
【0060】
なお、本項目[3.処理]においては、前記商品提供者は、前記商品の提供を行う1つの企業のみから構成され、前記運営者は、当該1つの企業であるものとして説明を進める。
【0061】
(1)ステップS1:店舗でのQRコード(登録商標)読取
まず、前記顧客が前記実店舗に行き、前記実店舗に提示されているQRコード(登録商標)に前記顧客のスマートフォン200をかざす。これにより、スマートフォン200における読取部202aは、QRコード(登録商標)を読取する(
図2のステップS1)。
【0062】
ここで、前記実店舗におけるQRコード(登録商標)の提示場所は、前記顧客が読取可能な場所であれば特に制限されず、例えば、前記商品提供者が提供する前記商品(食品およびサプリ等)が置いてある棚付近に提示されてもよいし、レジ付近に提示されてもよい。また、前記実店舗におけるQRコード(登録商標)の提示の個数は、特に制限されず、1つのみ提示されてもよいし複数提示されてもよい。
【0063】
前記顧客は、前記実店舗において1回だけQRコード(登録商標)を読み取れば、読み取った情報をスマートフォン200にブックマーク等しておくことができるため、同じ前記実店舗への来店は1回のみで済む。
【0064】
(2)ステップS2:ログイン画面の表示
続いて、スマートフォン200におけるログイン画面表示部202bは、読取部202aにおいて読取されたQRコード(登録商標)に基づいて、前記ECサイトにログインするための画面であるログイン画面(
図4参照)をスマートフォン200に表示する(
図2のステップS2)。
【0065】
ここで、
図4のログイン画面に示すように、QRコード(登録商標)は前記実店舗ごとに異なるため、読み取られたQRコード(登録商標)で特定される前記実店舗についての店舗コードが、
図4のログイン画面に自動で入力される(つまり、前記顧客が入力する必要はない)。これに対して、
図4のログイン画面におけるお客様IDおよびパスワードは、前記顧客により入力される。
【0066】
前記顧客が
図4のログイン画面の立ち上げを行う場所は特に制限されず、例えば、QRコード(登録商標)の読取後に自宅に帰ってログイン画面の立ち上げを行ってもよいし、前記実店舗におけるQRコード(登録商標)の読取後すぐに前記実店舗内でログイン画面の立ち上げを行ってもよい。
【0067】
(3)ステップS3:ID、パスワードおよび店舗コードの受付
続いて、スマートフォン200におけるログイン画面表示部202bにより表示された
図4のログイン画面に、前記顧客により前記お客様IDおよび前記パスワードが入力され、かつ、前記店舗コードが自動入力された上で、
図4のログイン画面の右側の「ログイン」ボタンが前記顧客により選択されると、スマートフォン200におけるログイン情報受付部202cは、前記顧客により入力された前記お客様IDおよび前記パスワードならびに前記自動入力された前記店舗コードを受け付けてサーバ装置100に送信する(
図2のステップS3)。
【0068】
(4)ステップS4:ログイン許可の判定
続いて、ECサイト100における判定部102aは、スマートフォン200におけるログイン情報受付部202cにより送信された前記お客様IDおよび前記パスワードの組合せが、顧客情報106aに存在するか否かを判定する(
図2のステップS4)。本例においては、判定部102aは、存在すると判定し、ログインを許可するものとする。
【0069】
(5)ステップS5:サイト画面情報の送信
続いて、ECサイト100におけるサービス画面送信部102bは、ECサイト100における判定部102aでログインを許可する旨の判定をしたため、ECサイト100の画面情報を前記顧客のスマートフォン200に送信する(
図2のステップS5)。
【0070】
(6)ステップS6:サイト画面の表示
続いて、ECサイト100におけるサービス画面送信部102bからECサイト100の画面情報が送信されてくると、前記顧客のスマートフォン200におけるサービス画面表示部202dは、当該送信された画面情報に基づいて、ECサイト100の画面をスマートフォン200に表示する(
図2のステップS6)。
【0071】
(7)ステップS7:購入商品の受付
続いて、スマートフォン200における購入商品受付部202eは、スマートフォン200におけるサービス画面表示部202dにより表示されたECサイト100の画面において、前記顧客により購入対象として指定された商品の商品コードを受け付けてECサイト100に送信する(
図2のステップS7)。
【0072】
(8)ステップS8:アフィリエイト料の算出
続いて、ECサイト100における報酬算出部102cは、(7)のステップS7でスマートフォン200における購入商品受付部202eにより送信された商品コードと紐付く売上単価(例えば120円)および商品原価(例えば60円)を、商品情報106bから取得する。なお、前記商品提供者の人件費および利益額は事前登録されるが、本例においては、それぞれ、10円および20円であるとする。
【0073】
一方で、報酬算出部102cは、(3)のステップS3でスマートフォン200におけるログイン情報受付部202cにより送信された店舗コードにより、どの前記実店舗に対するアフィリエイト料を算出するのかを特定する(例えばA店と特定する)。言い換えると、報酬算出部102cは、前記顧客がどの前記実店舗を経由してECサイトにアクセスしたのかを識別することができる。
【0074】
以上の条件から、報酬算出部102cは、前記実店舗であるA店に対するアフィリエイト料を、(売上単価)-(商品原価+前記商品提供者の人件費)-(前記商品提供者の利益額)という計算式に基づき、120円-(60円+10円)-20円=30円と算出する(
図2のステップS8)。
【0075】
(9)ステップS9:アフィリエイト料等の送信
続いて、ECサイト100における報酬送信部102dは、ECサイト100における報酬算出部102cで算出したA店に対するアフィリエイト料(30円)を前記実店舗であるA店のPCに送信する(
図2のステップS9)。
【0076】
なお、報酬送信部102dは、以下に示す付属情報1~9についても、前記商品提供者から前記実店舗に対して提供してもよい(
図2のステップS9)。
1.お客様情報(ID、年齢、性別、居住地域、閲覧履歴、購入履歴、購入単価、購入頻度および優良顧客(購入単価や購入頻度が高い顧客)か否かの情報等)
2.サイトへの来訪数、再訪数および回遊率
3.確認した商品、確認回数および確認日時
4.購入した商品、購入回数、購入日時およびコンバージョン率(サイトに発生したアクセスのどれだけがサイトの成果=コンバージョン[商品の購入や申し込み]を達成したかの割合)
5.各商品を置いている店舗情報および地域毎の販売網(販売ネットワーク)情報
6.リアルタイムや日時毎に区切った店舗とECサイトでの総売上、商品別売上、総アフィリエイト料および商品別アフィリエイト料
7.「6」の店舗とECサイトでの総売上、商品別売上、総アフィリエイト料および商品別アフィリエイト料に貢献した商品ランキング
8.同店舗と他店舗の「1~7」を踏まえた店舗やECサイトに置く商品やお客様へのレコメンド情報
9.同店舗と他店舗の「1~8」を踏まえた店舗とECサイトでの総売上、商品別売上、総アフィリエイト料および商品別アフィリエイト料の予測値を現状と「8」のレコメンド商品を置いた場合毎に算出
【0077】
(10)ステップS10:アフィリエイト料等の受信
続いて、店舗PC300における報酬受信部302aは、ECサイト100における報酬送信部102dにより送信された前記アフィリエイト料および前記付属情報を受信する(
図2のステップS10)。
【0078】
(11)まとめ
以上、本項目[3.処理]で説明してきたビジネスモデルにより、前記商品提供者、前記顧客および前記実店舗にとって、それぞれ以下の利点がある。
【0079】
前記商品提供者にとっては、前記顧客が競合へスイッチングするコストを高め、販促・投資コストを最小化して新たな収入源(ECサイトにおける売上高、年間登録料および法人利用料)を得ることができるという利点がある。
【0080】
前記顧客は、オプションで、購入した商品の宅配方法を選択することができ(例えば、タクシー、UBER、郵便および宅急便(登録商標)等)、あるいは、宅配ではなく店舗受取としてもよい。この場合、前記顧客は、選択したオプションに応じて適宜送料を支払うこととなるが、製品のまとめ買いや店舗受取をした場合に送料を無料にする運用をとってもよい。
【0081】
前記実店舗にとっては、QRコード(登録商標)を前記実店舗(店頭)に提示するのみで、アフィリエイト収入を得ることができるという利点がある。
【0082】
[4.本実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る報酬算出システムによれば、商品提供者(例えば、食品メーカー)の商品を顧客が購入するための情報(例えば、QRコード(登録商標))を実店舗に提示するのみで、前記実店舗がプラスアルファの収入(報酬)を前記商品提供者から得ることが可能となる様、前記報酬を算出することができる。
【0083】
以下、前記商品提供者、前記実店舗および前記顧客の従来の課題および本発明がもたらす利益について[4-1]で説明し、前記商品提供者、前記実店舗および前記顧客のECビジネス展開に係る長所および短所ならびに当該短所を解決するための手段について[4-2]で説明する。
【0084】
[4-1.従来の課題および本発明がもたらす利益]
本項目では、従来の課題および本発明がもたらす利益(ベネフィット)を、前記商品提供者、前記実店舗および前記顧客の三者に分けて説明する。
【0085】
(1)商品提供者にとっての従来の課題
・前記商品提供者は、前記実店舗との関係が足枷となりEC促進が停滞気味となっていた。
・前記商品提供者は、店舗棚で取り扱える自社商品数が限定的であった。
【0086】
(2)商品提供者にとっての本発明がもたらす利益
・前記商品提供者は、ECの促進により、最小リソースで新しい収入源を確保することができる。
・前記商品提供者は、実質的な店舗取扱自社商品を増やすことができる。
【0087】
(3)顧客にとっての従来の課題
・前記顧客は、店舗で前記商品を購入できないと無駄足であった。
・前記顧客の前記商品の購入先は、地元店舗<ECサイトとなりつつある(すなわち、前記商品の購入先として、地元店舗よりもECサイトが選択される傾向となりつつある)ため、地元経済の停滞リスクが高まっていた。
・前記顧客が前記商品をECサイトで購入した場合、送料を負担する必要もあった。
【0088】
(4)顧客にとっての本発明がもたらす利益
・前記顧客は、前記実店舗に提示されているQRコード(登録商標)からの商品購入により、前記実店舗には置いていない商品を買うことができる。
・前記顧客は、地元に存在する前記実店舗(地元店舗)に提示されているQRコード(登録商標)からの商品購入により、地元店舗を応援することができる。
・前記顧客が前記商品をECサイトで購入した場合でも、前記商品を店舗で受け取る場合は送料を無料にすることができる。
【0089】
(5)実店舗にとっての従来の課題
・前記実店舗は、店舗+アルファの収入源を確保することが理想でありながらも、従業員が多忙等の理由により実現が困難であった。
・店舗棚で取り扱える商品数は限定的であった。
【0090】
(6)実店舗にとっての本発明がもたらす利益
・前記実店舗は、QRコード(登録商標)を店舗に提示するのみで副収入を得ることができる。
・前記実店舗は、実質的な店舗取扱商品を増やすことができる。
【0091】
[4-2.ECビジネス展開に係る長所、短所および当該短所を解決するための手段]
本項目では、ECビジネス展開に係る長所(Pros)および短所(Cons)および当該短所を解決するための手段(Action on Cons)を、前記商品提供者、前記顧客および前記実店舗の三者に分けて説明する。
【0092】
(1)商品提供者にとってのECビジネス展開に係る長所
・前記商品提供者は、流通および営業チャネルに基づく販売力が強く、前記実店舗や卸業者との強力なネットワークを有することがある。
【0093】
(2)商品提供者にとってのECビジネス展開に係る短所
・前記商品提供者にとって、ECビジネスを展開する際には前記長所が足枷となり得る。
・前記商品提供者は、店舗では、製品ごとに棚を確保する必要があり、在庫管理をする必要がある。
・前記商品提供者は、顧客企業との利害関係を調整する必要がある。
・前記商品提供者は、範囲および密度の経済性は大手ネットスーパーに劣るが、製品の品揃えや到着速度には改善の余地がある。
【0094】
(3)顧客にとってのECビジネス展開に係る長所
・前記顧客にとっては、製品入手の利便性が向上する。
【0095】
(4)顧客にとってのECビジネス展開に係る短所
・ECサイトで商品を購入すると、店頭で購入するよりも若干価格が高い。送料がかかる場合がある。
・店頭での購入が減ると、地元経済が停滞するリスクがある。
【0096】
(5)実店舗にとってのECビジネス展開に係る長所
・前記実店舗は、前記顧客と直接コミュニケーションをすることができる。
・前記実店舗は、その場で様々な製品を、ECサイトより安価に販売することができ、また、範囲および密度の経済性がある。
【0097】
(6)実店舗にとってのECビジネス展開に係る短所
・前記実店舗にとって、ECビジネスへの初動ハードルが高い可能性がある。
・前記実店舗は、売上高は前記顧客の来店数に依存している。
・前記実店舗は、店舗で製品を売ってみないと売上予測をすることが困難である。
・前記実店舗は、店舗+アルファの収入源を確保することが理想でありながらも、従業員等が多忙であるため時間がない。特に、地方の前記実店舗においては、後継者不足の問題も存在する。
【0098】
(7)短所を解決するための手段
・そこで、本ビジネスモデルにおいては、前記実店舗でのQRコード(登録商標)提示のみによるアフィリエイト推進を可能とし、また、前記実店舗に係る企業の巻き込みを可能とした。なお、本ビジネスモデルを展開するのに理想的な企業の条件として、(1)前記実店舗や卸との強力なネットワークがあり、(2)前記実店舗に係る食品企業との強力なネットワークがあり、(3)食の安全性を信頼できる企業である という条件がある。
・また、本発明においては、前記実店舗から前記顧客に製品を届ける選択肢を増やした。当該選択肢としては、例えば、タクシー、UBER、郵便、宅配および店舗受取等である。
・そして、本ビジネスモデルにおいては、ECサイトで製品(特に新製品)売上テスト後に棚確保することができる。
・更に、本ビジネスモデルにおいては、前記顧客が地元店舗の売上に貢献できる仕組みをECサイトを介して構築した。
【0099】
(8)本ビジネスモデルの効果
本ビジネスモデルの効果としては、例えば、以下のものが挙げられる。
・前記実店舗や卸業者との強力なネットワークを持つ企業であれば、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進することができる。当該推進は、前記実店舗や卸業者との強力なネットワークや自社の食品製品を持たないIT系企業には模倣困難である。
・前記商品提供者と前記実店舗が最小の手間とコストで収入源を増やせる。
・地元の店舗がずっと元気であるように応援したいという前記顧客の情緒的要求に応えることができる。
・前記顧客が前記商品をECサイトで購入した場合でも、前記商品を店舗で受け取る場合は送料を無料にすることができる。
【0100】
(9)上記特許文献1との差異点
本ビジネスモデルと上記特許文献1との差異点は、以下のとおりである。
・本ビジネスモデルでは、ユーザがアクセスするのは電子商取引サイトである。また、本ビジネスモデルと上記特許文献1とでは、広告報酬の算出方法が異なる。
・上記特許文献1においては、顧客、実店舗、携帯電話網運営会社、コンテンツサービス会社および広告代理店を登場人物としてビジネスモデルが実施されるが、本ビジネスモデルにおいては、顧客、実店舗および商品提供者(例えば、メーカー)を登場人物としてビジネスモデルが実施される。
・本ビジネスモデルと上記特許文献1とでは、実店舗、顧客および商品提供者ごとの、解決しようとする課題およびベネフィットが異なる。
【0101】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0102】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0103】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0104】
また、報酬算出システムに関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0105】
例えば、報酬算出システムが備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて報酬算出システムに機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0106】
また、このコンピュータプログラムは、報酬算出システムに対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0107】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0108】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0109】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0110】
また、報酬算出システムは、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、報酬算出システムは、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0111】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、例えば、ECビジネスを行う業界において有用であり、特に、ECビジネスを展開しつつ地域に密着した中小店舗との強力なネットワークを持つ企業にとっては極めて有用である。
【符号の説明】
【0113】
100 サーバ装置(ECサイト)
102 制御部
102a 判定部
102b サービス画面送信部
102c 報酬算出部
102d 報酬送信部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 顧客情報
106b 商品情報
200 顧客端末(顧客スマートフォン)
202 制御部
202a 読取部
202b ログイン画面表示部
202c ログイン情報受付部
202d サービス画面表示部
202e 購入商品受付部
204 通信インターフェース部
206 記憶部
300 店舗端末(店舗PC)
302 制御部
302a 報酬受信部
304 通信インターフェース部
306 記憶部
400、500 ネットワーク