(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150700
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】光電変換素子と有機センサ及び電子装置
(51)【国際特許分類】
H10K 30/60 20230101AFI20241016BHJP
H10K 30/30 20230101ALI20241016BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20241016BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20241016BHJP
H10K 39/32 20230101ALI20241016BHJP
H10K 30/86 20230101ALN20241016BHJP
【FI】
H10K30/60
H10K30/30
H01L29/06 601N
H01L27/146 E
H10K39/32
H10K30/86
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024120427
(22)【出願日】2024-07-25
(62)【分割の表示】P 2019205424の分割
【原出願日】2019-11-13
(31)【優先権主張番号】10-2018-0139826
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0129094
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】許 哲 準
(72)【発明者】
【氏名】朴 敬 培
(72)【発明者】
【氏名】姜 鉉 範
(72)【発明者】
【氏名】朴 性 俊
(72)【発明者】
【氏名】朴 正 一
(72)【発明者】
【氏名】白 鐵
(72)【発明者】
【氏名】申 智 スゥ
(72)【発明者】
【氏名】尹 晟 榮
(72)【発明者】
【氏名】李 啓 滉
(72)【発明者】
【氏名】李 敦 旭
(72)【発明者】
【氏名】李 恩 慶
(72)【発明者】
【氏名】陳 勇 完
(72)【発明者】
【氏名】崔 容 碩
(72)【発明者】
【氏名】崔 泰 ジン
(57)【要約】
【課題】電荷抽出効率を改善させた光電変換素子と有機センサ及び電子装置を提供する。
【解決手段】本発明の光電変換素子は、互いに対向する第1電極及び第2電極と、第1電極と前記第2電極との間に位置し、少なくとも一部の波長領域の光を吸収して電気的信号に変換する光電変換層と、第1電極と前記光電変換層との間に位置し、光電変換層の電荷移動度よりも高い電荷移動度を有する有機補助層と、を備え、光電変換層は、第1有機物を含み、有機補助層は、第1有機物とは異なる第2有機物を含み、第2有機物は、縮合多環芳香族化合物、縮合多環ヘテロ芳香族化合物、又はこれらの組み合わせであり、縮合多環芳香族化合物又は縮合多環ヘテロ芳香族化合物は、4つ以上の環が縮合している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1電極及び第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に位置し、少なくとも一部の波長領域の光を吸収して電気的信号に変換する光電変換層と、
前記第1電極と前記光電変換層との間に位置し、前記光電変換層の電荷移動度よりも高い電荷移動度を有する有機補助層と、を備え、
前記光電変換層は、第1有機物を含み、
前記有機補助層は、前記第1有機物とは異なる第2有機物を含み、
前記第2有機物は、縮合多環芳香族化合物、縮合多環ヘテロ芳香族化合物、又はこれらの組み合わせであり、
前記縮合多環芳香族化合物又は前記縮合多環ヘテロ芳香族化合物は、4つ以上の環が縮合していることを特徴とする光電変換素子。
【請求項2】
前記有機補助層の電荷移動度は、前記光電変換層の電荷移動度よりも100倍以上高いことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項3】
前記第2有機物の電荷移動度は、前記第1有機物の電荷移動度よりも100倍以上高いことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項4】
前記第2有機物の電荷移動度は、1.0×10-3cm2/Vs以上であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項5】
前記縮合多環ヘテロ芳香族化合物は、S、Se、Te、又はこれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項6】
前記光電変換層は、前記第1有機物とpn接合を形成するp型半導体又はn型半導体を更に含み、
前記有機補助層は、前記p型半導体又は前記n型半導体を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項7】
前記p型半導体又は前記n型半導体は、フラーレン又はフラーレン誘導体を含むことを特徴とする請求項6に記載の光電変換素子。
【請求項8】
前記有機補助層の厚さは、5nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項9】
前記第1電極と前記光電変換層との間に位置する無機ナノ層を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項10】
前記無機ナノ層は、ランタン族元素、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、アルミニウム(Al)、又はこれらの合金を含むことを特徴とする請求項9に記載の光電変換素子。
【請求項11】
前記ランタン族元素は、イッテルビウム(Yb)を含むことを特徴とする請求項10に記載の光電変換素子。
【請求項12】
前記無機ナノ層の厚さは、5nm以下であることを特徴とする請求項9に記載の光電変換素子。
【請求項13】
前記有機補助層は、前記光電変換層に当接し、
前記無機ナノ層は、前記第1電極に当接することを特徴とする請求項9に記載の光電変換素子。
【請求項14】
前記第1電極は、カソードであり、
前記第2電極は、アノードであることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光電変換素子を含むことを特徴とする電子装置。
【請求項16】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光電変換素子を含むことを特徴とする有機センサ。
【請求項17】
請求項16に記載の有機センサを含むことを特徴とする電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換素子と有機センサ及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光電変換素子は、光を受けて電気信号に変換する素子であって、光ダイオード及び光トランジスターなどを含み、有機センサ、光検出器、又は太陽電池などに適用される。
【0003】
有機センサは、日増しに高い解像度が求められており、それに伴って画素の大きさが小さくなっている。現在主に使用されるシリコン光ダイオードの場合、画素の大きさが小さくなりながら吸収面積が減るため、感度低下が発生することがある。これによって、シリコンを代替することができる有機物質が研究されている。
【0004】
有機物質は、吸光係数が大きく、分子構造に応じて特定の波長領域の光を選択的に吸収することができることから、光ダイオード及び色フィルタを同時に代替することができるため、高集積に有利である。
【0005】
しかし、有機物質は、高い結合エネルギー(binding energy)及び再結合(recombination)挙動によりシリコンと異なる特性を示すことがあり、有機物質の特性を正確に予測しにくく、光電変換素子で要求される物性を容易に制御しにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、電荷抽出効率を改善させた光電変換素子、光電変換素子を含む有機センサ、及び光電変換素子又は前記有機センサを含む電子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による光電変換素子は、互いに対向する第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に位置し、少なくとも一部の波長領域の光を吸収して電気的信号に変換する光電変換層と、前記第1電極と前記光電変換層との間に位置し、前記光電変換層の電荷移動度よりも高い電荷移動度を有する有機補助層と、を備え、前記光電変換層は、第1有機物を含み、前記有機補助層は、前記第1有機物とは異なる第2有機物を含み、前記第2有機物は、縮合多環芳香族化合物、縮合多環ヘテロ芳香族化合物、又はこれらの組み合わせであり、前記縮合多環芳香族化合物又は前記縮合多環ヘテロ芳香族化合物は、4つ以上の環が縮合している。
【0009】
前記有機補助層の電荷移動度は、前記光電変換層の電荷移動度よりも100倍以上高くあり得る。
前記第2有機物の電荷移動度は、前記第1有機物の電荷移動度よりも約100倍以上高くあり得る。
前記第2有機物の電荷移動度は、1.0×10-3cm2/Vs以上であり得る。
前記縮合多環ヘテロ芳香族化合物は、S、Se、Te、又はこれらの組み合わせを含み得る。
前記光電変換層は、前記第1有機物とpn接合を形成するp型半導体又はn型半導体を更に含み、前記有機補助層は、前記p型半導体又は前記n型半導体を更に含み得る。
前記p型半導体又は前記n型半導体は、フラーレン又はフラーレン誘導体を含み得る。
前記有機補助層の厚さは、約5nm以下であり得る。
前記光電変換素子は、前記第1電極と前記光電変換層との間に位置する無機ナノ層を更に含み得る。
前記無機ナノ層は、ランタン族元素、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、アルミニウム(Al)、又はこれらの合金を含み得る。
前記ランタン族元素は、イッテルビウム(Yb)を含み得る。
前記無機ナノ層の厚さは、約5nm以下であり得る。
前記有機補助層は、前記光電変換層に当接し、前記無機ナノ層は、前記第1電極に当接し得る。
前記第1電極は、カソードであり、前記第2電極は、アノードであり得る。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による有機センサは、前記光電変換素子を含む。
【0011】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による電子装置は、前記光電変換素子又は前記有機センサを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電荷移動性を改善して残留電荷を減らすことによって、光電変換素子の電荷抽出効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態による光電変換素子の一例を示す断面図である。
【
図2】本発明の第2実施形態による光電変換素子の一例を示す断面図である。
【
図3】本発明の第3実施形態による光電変換素子の一例を示す断面図である。
【
図4】本発明の第4実施形態による光電変換素子の一例を示す断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による有機センサの一例を概略的に示す断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による有機センサの他の例を概略的に示す断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による有機センサの一例を概略的に示す平面図である。
【
図8】
図7の有機センサの一例を概略的に示す断面図である。
【
図9】
図7の有機センサの他の例を概略的に示す断面図である。
【
図10】本発明の他の実施形態による有機センサの一例を概略的に示す断面図である。
【
図11】本発明の他の実施形態による有機センサの他の例を概略的に示す断面図である。
【
図12】本発明の他の実施形態による有機センサの一例を概略的に示す平面図である。
【
図13】
図12の有機センサの一例を概略的に示す断面図である。
【
図14】
図12の有機センサの他の例を概略的に示す断面図である。
【
図15】本発明の一実施形態による有機CMOSイメージセンサを概略的に示す平面図である。
【
図16】
図15の有機CMOSイメージセンサの一例を示す断面図である。
【
図17】有機CMOSイメージセンサの他の例を示す断面図である。
【
図18】有機CMOSイメージセンサの更に他の例を示す断面図である。
【
図19】本発明の一実施形態による電子装置の概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。しかし、実際に適用される構造は、様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0015】
図面において、複数の層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示した。
【0016】
層、膜、領域、板などの部分が他の部分の‘上’にあるという場合、これは他の部分の‘直上’にある場合のみならず、その中間に更に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の‘直上’にあるという場合には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0017】
本明細書で別途の定義がない限り、‘置換’とは、化合物中の水素原子がハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバモイル基、チオール基、エステル基、カルボキシル基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸又はその塩、シリル基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアリールアルキル基、炭素数1~30のアルコキシ基、炭素数1~20のヘテロアルキル基、炭素数3~20のヘテロアリール基、炭素数3~20のヘテロアリールアルキル基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数3~15のシクロアルケニル基、炭素数6~15のシクロアルキニル基、炭素数3~30のヘテロシクロアルキル基、及びこれらの組み合わせから選択される置換基で置換されたことを意味する。
【0018】
本明細書で別途の定義がない限り、‘ヘテロ’とは、N、O、S、Se、Te、Si、及びPから選択されるヘテロ原子を1~4個含有したものを意味する。
【0019】
本明細書において‘組み合わせ’とは、混合及び2つ以上の積層構造を含む。
【0020】
本明細書において‘金属’は、金属、半金属、又はこれらの組み合わせを含む。
【0021】
本明細書において‘エネルギー準位(energy level)’は、最高被占軌道(highest occupied molecular orbital:HOMO)エネルギー準位又は最低空軌道(lowest unoccupied molecular orbital:LUMO)エネルギー準位である。
【0022】
本明細書において、仕事関数(work function)又はエネルギー準位値は、真空レベル(vacuum level)からの絶対値として表される。また、仕事関数又はエネルギー準位が深い、高い、又は大きいということは真空レベルを‘0eV’として絶対値が大きいことを意味し、仕事関数又はエネルギー準位が浅い、低い、又は小さいということは真空レベルを‘0eV’として絶対値が小さいことを意味する。
【0023】
本明細書において、電荷移動度(charge mobility)はダイオード構造により評価された値である。
【0024】
以下、本発明の実施形態による光電変換素子を説明する。
【0025】
図1は、本発明の第1実施形態による光電変換素子の一例を示す断面図である。
【0026】
図1を参照すると、本実施形態による光電変換素子100は、第1電極10、第2電極20、光電変換層30、及び有機補助層40を含む。
【0027】
基板(図示せず)は、第1電極10側に配置してもよく、第2電極20側に配置してもよい。基板は、例えば、ガラスなどの無機物質、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、又はこれらの組み合わせなどの有機物質、或いはシリコンウェハーなどで作られる。基板は省略され得る。
【0028】
第1電極10及び第2電極20のうちの1つはアノード(anode)であり、他の1つはカソード(cathode)である。例えば、第1電極10はカソードであり、第2電極20はアノードである。例えば、第1電極10はアノードであり、第2電極20はカソードである。
【0029】
第1電極10及び第2電極20のうちの少なくとも1つは透明電極である。ここで透明電極は、光透過度約80%以上の高い透過率を有する透明電極であり、例えば微小共振(microcavity)のための半透明電極を含まない。透明電極は、例えば酸化物導電体及び炭素導電体のうちの少なくとも1つを含み、酸化物導電体は、例えば、インジウム錫酸化物(indium tin oxide、ITO)、インジウム亜鉛酸化物(indium zinc oxide、IZO)、亜鉛錫酸化物(zinc tin oxide、ZTO)、アルミニウム錫酸化物(Aluminum tin oxide、AlTO)、及びアルミニウム亜鉛酸化物(Aluminum zinc oxide、AZO)から選択される1つ以上であり、炭素導電体はグラフェン及び炭素ナノ体から選択される1つ以上である。
【0030】
第1電極10及び第2電極20のうちのいずれか1つは反射電極である。ここで反射電極は、例えば光透過度約10%未満又は約5%以上の高い反射率を有する反射電極である。反射電極は、金属などの反射導電体を含み、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、又はこれらの合金を含む。
【0031】
一例として、第1電極10は、光透過度80%以上の透明電極、又は光透過度約10%未満の反射電極である。
【0032】
光電変換層30は、少なくとも一部の波長領域の光を吸収して電気的信号に変換する。例えば、緑色波長領域の光(以下、‘緑色光’という)、青色波長領域の光(以下、‘青色光’という)、赤色波長領域の光(以下、‘赤色光’という)、及び赤外線波長領域の光(以下、‘赤外光’という)のうちの一部を電気的信号に変換する。
【0033】
一例として、光電変換層30は、緑色光、青色光、赤色光、及び赤外光のうちのいずれか1つを選択的に吸収する。ここで、緑色光、青色光、赤色光、及び赤外光のうちのいずれか1つを選択的に吸収するということは、吸光スペクトルのピーク吸収波長(λmax)が約500nm~600nm、約380nm以上500nm未満、約600nm超700nm以下、及び約700nm超のうちのいずれか1つに存在し、当該波長領域内の吸光スペクトルがその他の波長領域の吸光スペクトルよりも顕著に高いことを意味する。
【0034】
光電変換層30は、少なくとも1つのp型半導体と少なくとも1つのn型半導体とがpn接合(pn junction)を形成し、外部から光を受けてエキシトン(exciton)を生成した後、生成されたエキシトンを正孔と電子とに分離する。
【0035】
p型半導体及びn型半導体はそれぞれ吸光物質であり、例えばp型半導体及びn型半導体のうちの少なくとも1つは有機吸光物質である。一例として、p型半導体及びn型半導体のうちの少なくとも1つは、所定の波長領域の光を選択的に吸収する波長選択性吸光物質であり、例えばp型半導体及びn型半導体のうちの少なくとも1つは波長選択性有機吸光物質である。p型半導体及びn型半導体は互いに同一又は異なる波長領域でピーク吸収波長(λmax)を有する。
【0036】
一例として、p型半導体は電子供与モイエティ、π共役連結基、及び電子受容モイエティを含むコア構造を有する有機物質である。
【0037】
p型半導体は、例えば下記化学式1で表されるが、これに限定されるものではない。
【0038】
[化学式1]
EDG-HA-EAG
【0039】
上記化学式1中、
HAは、S、Se、Te、及びSiのうちの少なくとも1つを有する炭素数2~30のヘテロ環基であり、
EDGは、電子供与基であり、
EAGは、電子受容基である。
【0040】
一例として、上記化学式1で表されるp型半導体は、例えば下記化学式1Aで表される。
【0041】
【0042】
上記化学式1A中、
Xは、S、Se、Te、SO、SO2、又はSiRaRbであり、
Arは、置換又は非置換の炭素数6~30のアリーレン基、置換又は非置換の炭素数3~30のヘテロ環基、又はこれらの中から選択される2つ以上の縮合環であり、
Ar1a及びAr2aは、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基、或いは置換又は非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基であり、
Ar1a及びAr2aは、それぞれ独立して存在するか、又は互いに結合して縮合環を形成し、
R1a~R3a、Ra及びRbは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換又は非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基、置換又は非置換の炭素数1~6のアルコキシ基、ハロゲン又はシアノ基である。
【0043】
一例として、上記化学式1A中、Ar1a及びAr2aは、それぞれ独立して、置換又は非置換のフェニル基、置換又は非置換のナフチル基、置換又は非置換のアントラセニル基、置換又は非置換のフェナントレニル基、置換又は非置換のピリジニル(pyridinyl)基、置換又は非置換のピリダジニル(pyridazinyl)基、置換又は非置換のピリミジニル(pyrimidinyl)基、置換又は非置換のピラジニル(pyrazinyl)基、置換又は非置換のキノリニル(quinolinyl)基、置換又は非置換のイソキノリニル(isoquinolinyl)基、置換又は非置換のナフチリジニル(naphthyridinyl)基、置換又は非置換のシノリニル(cinnolinyl)基、置換又は非置換のキナゾリニル(quinazolinyl)基、置換又は非置換のフタラジニル(phthalazinyl)基、置換又は非置換のベンゾトリアジニル(benzotriazinyl)基、置換又は非置換のピリドピラジニル(pyridopyrazinyl)基、置換又は非置換のピリドピリミジニル(pyridopyrimidinyl)基、及び置換又は非置換のピリドピリダジニル(pyridopyridazinyl)基から選択される。
【0044】
一例として、上記化学式1A中、Ar1a及びAr2aは、互いに縮合して環を形成し、Ar1a及びAr2aは、例えば単結合、-(CRgRh)n2-(n2は、1又は2)、-O-、-S-、-Se-、-N=、-NRi-、-SiRjRk-、及び-GeRlRm-から選択される1つで連結されて環を形成する。ここでRg~Rmは、それぞれ独立して、水素、置換又は非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基、置換又は非置換の炭素数1~6のアルコキシ基、ハロゲン又はシアノ基である。
【0045】
一例として、上記化学式1で表されるp型半導体は、例えば下記化学式1B-1又は1B-2で表される。
【0046】
【0047】
上記化学式1B-1又は1B-2中、
X1は、Se、Te、O、S、SO、又はSO2であり、
Ar3は、置換又は非置換の炭素数6~30のアリーレン基、置換又は非置換の炭素数3~30のヘテロ環基、又はこれらの中から選択される2つ以上の縮合環であり、
R1~R3は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換又は非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、シアノ基含有、及びこれらの組み合わせから選択され、
Gは、単結合、-O-、-S-、-Se-、-N=、-(CRfRg)k-、-NRh-、-SiRiRj-、-GeRkRl-、-(C(Rm)=C(Rn))-、及びSnRoRpから選択され、ここでRf、Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rl、Rm、Rn、Ro、及びRpは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換又は非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1~10のアルコキシ基、及び置換又は非置換の炭素数6~12のアリール基から選択され、RfとRg、RiとRj、RkとRl、RmとRn、及びRoとRpは、それぞれ独立して存在するか又は互いに連結されて環を形成し、kは1又は2であり、
Y2は、O、S、Se、Te、及びC(Rq)(CN)(ここでRqは、水素、シアノ基(-CN)、及び炭素数1~10のアルキル基から選択される)から選択され、
R6a~R6d及びR7a~R7d、R16及びR17は、それぞれ独立して、水素、置換又は非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、シアノ基含有、及びこれらの組み合わせから選択され、
R6a~R6dは、それぞれ独立して存在するか、又は互いに隣接する2つが互いに連結されて縮合環を形成し、
R7a~R7dは、それぞれ独立して存在するか、又は互いに隣接する2つが互いに連結されて縮合環を形成する。
【0048】
一例として、上記化学式1B-1又は1B-2中、Ar3は、ベンゼン、ナフチレン、アントラセン、チオフェン、セレノフェン、テルロフェン、ピリジン、ピリミジン、又はこれらの中から選択される2つ以上の縮合環である。
【0049】
n型半導体は、例えばフラーレン又はフラーレン誘導体であるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
光電変換層30は、p型半導体とn型半導体とがバルクヘテロ接合(bulk heterojunction)形態で混合された真性層(intrinsic layer、I層)である。この際、p型半導体とn型半導体とは約1:9~9:1の体積比で混合され、このような範囲内で例えば約2:8~8:2の体積比で混合されるか、このような範囲内で例えば約3:7~7:3の体積比で混合されるか、このような範囲内で例えば約4:6~6:4の体積比で混合されるか、又はこのような範囲内で例えば約5:5の体積比で混合される。
【0051】
光電変換層30は、上述したp型半導体を含むp型層と上述したn型半導体を含むn型層とを含む二重層を含む。この際、p型層とn型層との厚さ比は約1:9~9:1であり、このような範囲内で例えば約2:8~8:2、約3:7~7:3、約4:6~6:4、又は約5:5である。
【0052】
光電変換層30は、真性層以外に、p型層及び/又はn型層を更に含む。p型層は上述したp型半導体を含み、n型層は上述したn型半導体を含む。例えば、p型層/I層、I層/n型層、p型層/I層/n型層などの多様な組み合わせで含まれる。
【0053】
有機補助層40は、第1電極10と光電変換層30との間に位置し、例えば光電変換層30に当接する。一例として、有機補助層40の一面は第1電極10に当接し、有機補助層40の他面は光電変換層30に当接する。
【0054】
有機補助層40は、光電変換層30から第1電極10に移動する電荷(例えば、電子)の抽出を効果的に改善するための層であって、例えば高い電荷移動度を有する有機半導体を含む。
【0055】
一例として、有機補助層40の電荷移動度は光電変換層30の電荷移動度よりも高く、例えば有機補助層40の電荷移動度は光電変換層30の電荷移動度よりも約50倍以上高く、このような範囲内で約70倍以上、約80倍以上、約100倍以上、約120倍以上、約150倍以上、又は約200倍以上高い。
【0056】
一例として、有機補助層40の電荷移動度は、例えば約1.0×10-3cm2/Vs以上であり、このような範囲内で、例えば約1.2×10-3cm2/Vs以上、約1.5×10-3cm2/Vs以上、約1.8×10-3cm2/Vs以上、約2.0×10-3cm2/Vs以上、約3.0×10-3cm2/Vs以上、約4.0×10-3cm2/Vs以上、又は約5.0×10-3cm2/Vs以上である。
【0057】
一例として、有機補助層40の電荷移動度は、例えば約1.0×10-3cm2/Vs~10cm2/Vsであり、このような範囲内で、例えば約1.2×10-3cm2/Vs~10cm2/Vs、約1.5×10-3cm2/Vs~10cm2/Vs、約1.8×10-3cm2/Vs~10cm2/Vs、約2.0×10-3cm2/Vs~10cm2/Vs、約3.0×10-3cm2/Vs~10cm2/Vs、約4.0×10-3cm2/Vs~10cm2/Vs、又は約5.0×10-3cm2/Vs~10cm2/Vsである。
【0058】
一例として、光電変換層30は上述したp型半導体又はn型半導体のうちの1つである第1有機物を含み、有機補助層40は第1有機物と異なる第2有機物を含み、この際、第2有機物の電荷移動度は、第1有機物の電荷移動度よりも約50倍以上高く、このような範囲内で、約70倍以上、約80倍以上、約100倍以上、約120倍以上、約150倍以上、約200倍以上、約300倍以上、約500倍以上、約800倍以上、又は約1000倍以上高い。
【0059】
一例として、第2有機物の電荷移動度は、例えば約1.0×10-3cm2/Vs以上であり、このような範囲内で、例えば約1.2×10-3cm2/Vs以上、約1.5×10-3cm2/Vs以上、約1.8×10-3cm2/Vs以上、約2.0×10-3cm2/Vs以上、約3.0×10-3cm2/Vs以上、約4.0×10-3cm2/Vs以上、又は約5.0×10-3cm2/Vs以上である。
【0060】
一例として、第2有機物の電荷移動度は、例えば約1.0×10-3cm2/Vs~10cm2/Vsであり、このような範囲内で、例えば約1.2×10-3cm2/Vs~10cm2/Vs、約1.5×10-3cm2/Vs~10cm2/Vs、約1.8×10-3cm2/Vs~10cm2/Vs、約2.0×10-3cm2/Vs~10cm2/Vs、約3.0×10-3cm2/Vs~10cm2/Vs、約4.0×10-3cm2/Vs~10cm2/Vs、又は約5.0×10-3cm2/Vs~10cm2/Vsである。
【0061】
一方、第2有機物は、上述した電荷移動度を満足すると同時に熱蒸着(thermal evaporation)によって形成される物質である。このように有機補助層40が熱蒸着によって形成されることによって、有機補助層40の形成段階及び/又は後続工程で光電変換層30が熱的、物理的損傷を受けることを防止し、これにより光電変換層30の劣化による性能低下を防止することができる。
【0062】
このような特性を満足する第2有機物としては、例えば、低分子有機半導体、高分子半導体、又はこれらの組み合わせであり、例えば低分子有機半導体である。ここで低分子有機半導体は、約3000以下の平均分子量を有する有機半導体である。
【0063】
一例として、第2有機物は、芳香族化合物及び/又はヘテロ芳香族化合物であり、例えば、縮合多環芳香族化合物(fused polycyclic aromatic compound)、縮合多環ヘテロ芳香族化合物(fused polycyclic heteroaromatic compound)、又はこれらの組み合わせであり、例えばペンタセン(pentacene)などの縮合多環芳香族化合物及び/又は少なくとも1つのO、S、Se、Te、N、又はこれらの組み合わせを含む縮合多環ヘテロ芳香族化合物であり、例えば少なくとも1つのS、Se、Te、又はこれらの組み合わせを含む縮合多環ヘテロ芳香族化合物である。
【0064】
例えば、第2有機物は、4つ以上の環が互いに縮合したコンパクト(compact)な平面構造を有する縮合多環芳香族化合物及び/又は縮合多環ヘテロ芳香族化合物であり、例えば5、6、7、8、9、10、11、又は12の環が縮合した縮合多環芳香族化合物及び/又は縮合多環ヘテロ芳香族化合物である。
【0065】
一例として、第2有機物は、少なくとも1つのベンゼン環を含む縮合多環芳香族化合物及び/又は縮合多環ヘテロ芳香族化合物である。
【0066】
一例として、第2有機物は、少なくとも1つのチオフェン、セレノフェン、及び/又はテルロフェンを含む縮合多環ヘテロ芳香族化合物である。
【0067】
一例として、第2有機物は、下記化学式2A又は2Bで表されるが、これらに限定されるものではない。
【0068】
【0069】
上記化学式2A及び2B中、
Ar1及びAr2は、それぞれ独立して、置換又は非置換のベンゼン、置換又は非置換のナフタレン、又は置換又は非置換のアントラセンであり、aは、Ar1とAr2の炭素に結合する水素の個数に対応し、
X1~X4は、それぞれ独立して、O、S、Se、Te、又はN-Raであり、ここでRaは、それぞれ独立して、水素、置換又は非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換又は非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換又は非置換の炭素数7~30のアリールアルキル基、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換又は非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基(-ORb、ここでRbは、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基である)、置換又は非置換の炭素数4~30のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数4~30のシクロアルキルオキシ基(-ORc、ここでRcは、置換又は非置換の炭素数4~30のシクロアルキル基である)、置換又は非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、アシル基(C(=O)Rd、ここでRdは、置換又は非置換の炭素数1~30のアルキル基)、スルホニル基(-S(=O)2Re、ここでReは、置換又は非置換の炭素数1~30のアルキル基)、又はカルバメート基(-NHC(=O)ORf、ここでRfは、置換又は非置換の炭素数1~30のアルキル基)であり、
R1~R13は、それぞれ独立して、水素、置換又は非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換又は非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換又は非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換又は非置換の炭素数7~30のアリールアルキル基、置換又は非置換の炭素数2~30のヘテロアリールアルキル基、置換又は非置換の炭素数2~30のアルキルヘテロアリール基、置換又は非置換の炭素数5~30のシクロアルキル基、或いは置換又は非置換の炭素数2~30のヘテロシクロアルキル基であり、
n1は、0又は1であり、
n2及びn3は、それぞれ独立して、0、1、2又は3であり、
n1が0である場合、n2及びn3は1、2又は3であり、
n1が1である場合、n1+n2+n3≧2を満足する。
【0070】
例えば、R1及びR7は、置換又は非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換又は非置換の炭素数7~30のアリールアルキル基、置換又は非置換の炭素数2~30のヘテロアリールアルキル基、置換又は非置換の炭素数2~30のアルキルヘテロアリール基、置換又は非置換の炭素数5~30のシクロアルキル基、或いは置換又は非置換の炭素数2~30のヘテロシクロアルキル基である。
【0071】
例えば、Raは、置換又は非置換の炭素数10~30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数10~30のアルコキシ基、置換又は非置換の炭素数10~30のアルケニル基、或いは置換又は非置換の炭素数10~30のアルキニル基であり、他の例として、フルオロ置換された炭素数1~30のアルキル基、好ましくは炭素数1~30のパーフルオロアルキル基(CnF2n+1、ここでnは、1以上の整数である)、又はフルオロ置換された炭素数10~30のアルキル基、好ましくは炭素数10~30のパーフルオロアルキル基(CnF2n+1、ここでnは、10~30の整数である)である。
【0072】
上記化学式2A及び2B中、n1が0である場合、n2及びn3は、1、2、又は3の整数であり、n1が1である場合、n1+n2+n3≧2を満足する。例えば、n1が1である場合、n2及びn3は、全て0ではない。
【0073】
第2有機物は、例えば下記グループ1に列記された化合物のうちの1つであるが、これらに限定されるものではない。
【0074】
[グループ1]
【0075】
【化(1)-(18)】
【化(19)-(34)】
【化(35)-(50)】
【化(51)-(66)】
【化(67)-(82)】
【0076】
グループ1の化合物中、それぞれのベンゼン、チオフェン、セレノフェン、及び/又はピロールの水素は、置換又は非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換又は非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換又は非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換又は非置換の炭素数7~30のアリールアルキル基、置換又は非置換の炭素数2~30のヘテロアリールアルキル基、置換又は非置換の炭素数2~30のアルキルヘテロアリール基、置換又は非置換の炭素数5~30のシクロアルキル基、或いは置換又は非置換の炭素数2~30のヘテロシクロアルキル基で置換される。
【0077】
一例として、第2有機物は、下記化学式3A又は3Bで表されるが、これらに限定されるものではない。
【0078】
【0079】
上記化学式3A及び3B中、
X1及びX2は、それぞれ独立して、O、S、Se、Te、又はN-Raであり、ここでRaは、水素、置換又は非置換の炭素数1~12のアルキル基、置換又は非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素数1~12のアルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1~30のアシル基、スルホニル基、又はカルバメート基であり、
R1~R4は、それぞれ独立して、水素、置換又は非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1~30のアルケニル基、置換又は非置換の炭素数1~30のアルキニル基、置換又は非置換の炭素数1~30のヘテロアルキル基、置換又は非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、置換又は非置換の炭素数2~30のヘテロアリールアルキル基、置換又は非置換の炭素数5~20のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数2~30のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基、或いは置換又は非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基である。
【0080】
上記化学式3Aで表される有機半導体物質は、例えば下記化学式3A-1で表され、上記化学式3Bで表される有機半導体物質は、例えば下記化学式3B-1で表される。
【0081】
【0082】
上記化学式3A-1及び3B-1中、R1~R4は、上述した通りである。
【0083】
一例として、第2有機物は、例えば下記グループ2に列記された化合物のうちの1つであるが、これらに限定されるものではない。
【0084】
[グループ2]
【0085】
【0086】
グループ2の化合物中、それぞれのベンゼン及び/又はチオフェンの水素は、置換又は非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換又は非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換又は非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換又は非置換の炭素数7~30のアリールアルキル基、置換又は非置換の炭素数2~30のヘテロアリールアルキル基、置換又は非置換の炭素数2~30のアルキルヘテロアリール基、置換又は非置換の炭素数5~30のシクロアルキル基、或いは置換又は非置換の炭素数2~30のヘテロシクロアルキル基で置換される。
【0087】
一例として、有機補助層40は、第2有機物以外に、有機物、無機物、及び/又は有機-無機物を更に含む。
【0088】
一例として、有機補助層40は、光電変換層30に含まれるp型半導体及び/又はn型半導体を更に含む。
【0089】
一例として、有機補助層40は、光電変換層30に含まれるp型半導体を更に含む。例えば、第2有機物とp型半導体とは混合され、第2有機物とp型半導体とは約1:9~9:1の体積比で混合され、このような範囲内で、例えば約2:8~8:2、例えば約3:7~7:3、例えば約4:6~6:4、例えば約5:5の体積比で混合される。
【0090】
一例として、有機補助層40は、光電変換層30に含まれるn型半導体を更に含む。例えば、第2有機物とn型半導体とは混合され、第2有機物とn型半導体とは約1:9~9:1の体積比で混合され、このような範囲内で、例えば約2:8~8:2、例えば約3:7~7:3、例えば約4:6~6:4、例えば約5:5の体積比で混合される。
【0091】
一例として、有機補助層40は、光電変換層30に含まれるp型半導体及びn型半導体を更に含む。例えば、第2有機物とp型半導体/n型半導体とは混合され、第2有機物とp型半導体/n型半導体とは約1:9~9:1の体積比で混合され、このような範囲内で、例えば約2:8~8:2、例えば約3:7~7:3、例えば約4:6~6:4、例えば約5:5の体積比で混合される。
【0092】
一例として、有機補助層40は、フラーレン又はフラーレン誘導体を更に含む。例えば、第2有機物とフラーレン又はフラーレン誘導体とは混合され、第2有機物とフラーレン又はフラーレン誘導体とは約1:9~9:1の体積比で混合され、このような範囲内で、例えば約2:8~8:2、例えば約3:7~7:3、例えば約4:6~6:4、例えば約5:5の体積比で混合される。
【0093】
有機補助層40は、光電変換層30よりも薄く、例えば約10nm以下の厚さを有し、このような範囲内で約5nm以下の厚さを有する。例えば、有機補助層40は約1nm~10nm厚さを有し、このような範囲内で約1nm~5nm厚さを有する。
【0094】
このように、光電変換素子100は、第1電極10と光電変換層30との間に有機補助層40を含むことによって、光電変換層30から第1電極10に移動する電荷(例えば電子)の抽出を効果的に高めて残留電荷(remaining charge carriers)を減らし、高い電荷抽出効率を示す。これにより、光電変換素子100の光電変換効率を高め、残留電荷によって発生するイメージラグ(Image Lag)を減らして、残像特性を効果的に改善することができる。
【0095】
光電変換素子100は、第1電極10又は第2電極20の一面に反射防止層(図示せず)を更に含むことができる。反射防止層は、光が入射する側に配置されて入射光の反射度を低くすることによって、光吸収度を更に改善することができる。例えば、第1電極10側に光が入射する場合、反射防止層は第1電極10の一面に位置し、第2電極20側に光が入射する場合、反射防止層は第2電極20の一面に位置する。
【0096】
反射防止層は、例えば約1.6~2.5の屈折率を有する物質を含み、例えば、このような範囲の屈折率を有する金属酸化物、金属硫化物、及び有機物のうちの少なくとも1つを含む。反射防止層は、例えばアルミニウム含有酸化物、モリブデン含有酸化物、タングステン含有酸化物、バナジウム含有酸化物、レニウム含有酸化物、ニオビウム含有酸化物、タンタル含有酸化物、チタニウム含有酸化物、ニッケル含有酸化物、銅含有酸化物、コバルト含有酸化物、マンガン含有酸化物、クロム含有酸化物、テルル含有酸化物、又はこれらの組み合わせなどの金属酸化物;亜鉛スルフィドなどの金属硫化物;又はアミン誘導体などの有機物を含むが、これらに限定されるものではない。
【0097】
光電変換素子100は、第1電極10又は第2電極20側から光が入射して光電変換層30が所定の波長領域の光を吸収すると、内部でエキシトンが生成される。エキシトンは光電変換層30で正孔と電子とに分離され、分離された正孔は第1電極10及び第2電極20のうちの1つであるアノード側に移動し、分離された電子は第1電極10及び第2電極20のうちの他の1つであるカソード側に移動して電流が流れることになる。
【0098】
以下、第2実施形態による光電変換素子を説明する。
【0099】
図2は、本発明の第2実施形態による光電変換素子の一例を示す断面図である。
【0100】
図2を参照すると、本実施形態による光電変換素子200は、上述した実施形態と同様に、第1電極10、第2電極20、光電変換層30、及び有機補助層40を含む。
【0101】
しかし、本実施形態による光電変換素子200は、上述した実施形態とは異なり、第2電極20と光電変換層30との間に電荷遮断層48を更に含む。電荷遮断層48は、光電変換層30から分離された電荷(例えば電子)が反対電極側に移動することを遮断して、光電変換効率を高めることができる。
【0102】
電荷遮断層48は、例えば有機物、無機物、又は有機-無機物を含む。有機物は正孔又は電子特性を有する有機化合物であり、無機物は、例えばモリブデン酸化物、タングステン酸化物、ニッケル酸化物などの金属酸化物である。
【0103】
電荷遮断層48は、例えば可視光線領域の光を実質的に吸収しない可視光非吸収物質を含み、例えば可視光非吸収有機物質である。
【0104】
一例として、可視光非吸収物質は、下記化学式4A又は4Bで表される化合物であるが、これらに限定されるものではない。
【0105】
【0106】
上記化学式4A又は4B中、
M1及びM2は、それぞれ独立して、CRnRo、SiRpRq、NRr、O、S、Se、又はTeであり、
Ar1b、Ar2b、Ar3b、及びAr4bは、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基、或いは置換又は非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基であり、
G2及びG3は、それぞれ独立して、単結合、-(CRsRt)n3-、-O-、-S-、-Se-、-N=、-NRu-、-SiRvRw-、又は-GeRxRy-であり、ここで、n3は、1又は2であり、
R30~R37及びRn~Ryは、それぞれ独立して、水素、置換又は非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素数3~30のヘテロ環基、置換又は非置換の炭素数1~6のアルコキシ基、ハロゲン、又はシアノ基である。
【0107】
一例として、可視光非吸収物質は、下記化学式4A-1又は4B-1で表される化合物であるが、これらに限定されるものではない。
【0108】
【0109】
上記化学式4A-1又は4B-1中、
M1、M2、G2、G3、R30~R37は、上述した通りであり、
R38~R45は、それぞれ独立して、水素、置換又は非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数6~30のアリール基、置換又は非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基、置換又は非置換の炭素数1~6のアルコキシ基、ハロゲン、又はシアノ基である。
【0110】
一例として、可視光非吸収物質は、下記化学式4A-1a又は4B-1aで表される化合物であるが、これらに限定されるものではない。
【0111】
【0112】
上記化学式4A-1a又は4B-1a中、R38~R45、及びRo及びRnは、上述した通りである。
【0113】
本実施形態による光電変換素子200は、第1電極10と光電変換層30との間に位置する有機補助層40以外に、第2電極20と光電変換層30との間に電荷遮断層48を更に含むことによって、光電変換層30から分離された正孔及び電子がそれぞれアノード及びカソード側に効率的に移動することができ、これにより電荷抽出効率を一層高めることができる。
【0114】
以下、第3実施形態による光電変換素子を説明する。
【0115】
図3は、本発明の第3実施形態による光電変換素子の一例を示す断面図である。
【0116】
図3を参照すると、本実施形態による光電変換素子300は、上述した実施形態と同様に、第1電極10、第2電極20、光電変換層30、及び有機補助層40を含む。
【0117】
しかし、本実施形態による光電変換素子300は、上述した実施形態とは異なり、無機ナノ層45を更に含む。
【0118】
無機ナノ層45は、第1電極10と光電変換層30との間に位置し、例えば第1電極10に当接する。一例として、有機補助層40は光電変換層30に当接し、無機ナノ層45は第1電極10に当接し、一例として、有機補助層40と無機ナノ層45とは当接する。
【0119】
無機ナノ層45は、厚さ数ナノメートルの非常に薄い薄膜であり、例えば約5nm以下、例えば約3nm以下、例えば約2nm以下の厚さを有する。無機ナノ層45は、例えば約1nm~5nm、約1nm~3nm、約1nm~2nmの厚さを有する。
【0120】
無機ナノ層45は、第1電極10よりも低い仕事関数を有する無機物質を含む。例えば、無機ナノ層45の仕事関数は、第1電極10の仕事関数よりも約0.5eV以上小さい。例えば、第1電極10の仕事関数は約4.5eV以上であり、無機ナノ層45の仕事関数は約4.0eV以下である。例えば、第1電極10の仕事関数は約4.5eV以上であり、無機ナノ層45の仕事関数は約3.5eV以下である。例えば、第1電極10の仕事関数は約4.5eV以上であり、無機ナノ層45の仕事関数は約3.0eV以下である。例えば、第1電極10の仕事関数は約4.5eV以上であり、無機ナノ層45の仕事関数は約2.8eV以下である。例えば、第1電極10の仕事関数は約4.5eV~5.0eVであり、無機ナノ層45の仕事関数は約1.5eV~4.0eV、約1.5eV~3.5eV、約1.5eV~3.0eV、約1.5eV~2.8eVである。
【0121】
無機ナノ層45は、例えばランタン族元素、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、アルミニウム(Al)、又はこれらの合金を含む。ランタン族元素は、例えばイッテルビウム(Yb)を含む。
【0122】
上述のように、無機ナノ層45は、第1電極10と光電変換層30との間で第1電極10の表面に当接し、第1電極10に比べて非常に薄い厚さを有する。これにより、無機ナノ層45は、第1電極10の表面で第1電極10の表面処理層と同様の役割をする。
【0123】
一例として、第1電極10の表面での有効仕事関数は、無機ナノ層45の影響によって第1電極10をなす透明導電体又は反射導電体の仕事関数と異なり、例えば第1電極10の表面での有効仕事関数は、第1電極10をなす透明導電体又は反射導電体の仕事関数よりも小さい。例えば、第1電極10の表面での有効仕事関数は、無機ナノ層45の仕事関数と同一、又は無機ナノ層45の仕事関数と第1電極10の仕事関数との中間値である。
【0124】
一例として、第1電極10をなす透明導電体又は反射導電体の仕事関数は約4.5eV以上であり、第1電極10の表面での有効仕事関数は約4.0eV以下である。例えば、第1電極10をなす透明導電体又は反射導電体の仕事関数は約4.5eV以上であり、第1電極10の表面での有効仕事関数は約3.5eV以下である。例えば、第1電極10をなす透明導電体又は反射導電体の仕事関数は約4.5eV以上であり、第1電極10の表面での有効仕事関数は約3.0eV以下である。例えば、第1電極10をなす透明導電体又は反射導電体の仕事関数は約4.5eV以上であり、第1電極10の表面での有効仕事関数は約2.8eV以下である。例えば、第1電極10をなす透明導電体又は反射導電体の仕事関数は約4.5eV~5.0eVであり、第1電極10の表面での有効仕事関数は約1.5eV~4.0eV、約1.5eV~3.5eV、約1.5eV~3.0eV、約1.5eV~2.8eVである。
【0125】
このように、第1電極10の表面での仕事関数を低くすることによって、光電変換層30から有機補助層40を通過して第1電極10に移動する電荷(例えば電子)の抽出をより容易にして残留電荷を更に減らし、より高い電荷抽出効率を示す。
【0126】
以下、第4実施形態による光電変換素子を説明する。
【0127】
図4は、本発明の第4実施形態による光電変換素子の一例を示す断面図である。
【0128】
図4を参照すると、本実施形態による光電変換素子400は、上述した実施形態と同様に、第1電極10、第2電極20、光電変換層30、有機補助層40、及び無機ナノ層45を含む。
【0129】
しかし、本実施形態による光電変換素子400は、上述した実施形態とは異なり、第2電極20と光電変換層30との間に電荷遮断層48を更に含む。電荷遮断層48は、光電変換層30から分離された電荷(例えば正孔)が反対電極側に移動することを遮断して、光電変換効率を高めることができ、具体的な説明は上述した通りである。
【0130】
上述した光電変換素子(100、200、300、400)は、多様な電子装置に適用され、例えば、太陽電池、有機センサ、光検出器、及び光センサなどに適用されるが、これらに限定されるものではない。
【0131】
光電変換素子(100、200、300、400)は、例えば有機センサに適用される。
【0132】
以下、上述した光電変換素子(100、200、300、400)を適用した有機センサの例について図面を参照して説明する。
【0133】
図5は、本発明の一実施形態による有機センサの一例を概略的に示す断面図である。
【0134】
一例として、有機センサは、有機CMOSイメージセンサである。
【0135】
図5を参照すると、本実施形態による有機センサ500は、半導体基板110、絶縁層80、光電変換素子100、及び色フィルタ層70を含む。
【0136】
半導体基板110は、シリコン基板であってもよく、伝送トランジスター(図示せず)及び電荷貯蔵所55が集積される。伝送トランジスター及び/又は電荷貯蔵所55は、画素毎に集積される。
【0137】
半導体基板110の上には更に金属配線(図示せず)及びパッド(図示せず)が形成される。金属配線及びパッドは、信号遅延を減らすために低い比抵抗を有する金属、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、及びこれらの合金で作られるが、これらに限定されるものではない。
【0138】
金属配線及びパッドの上には絶縁層80が形成される。絶縁層80は、酸化ケイ素及び/又は窒化ケイ素などの無機絶縁物質、又はSiC、SiCOH、SiCO、及びSiOFなどの低誘電率(low K)物質で作られる。絶縁層80は、電荷貯蔵所55を露出するトレンチ85を有する。トレンチ85は充填材で満たされる。
【0139】
絶縁層80の上には上述した光電変換素子100が形成される。光電変換素子100は、上述のように、第1電極10、有機補助層40、光電変換層30、及び第2電極20を含む。具体的な説明は上述した通りである。
【0140】
光電変換素子100の上には色フィルタ層70が形成される。色フィルタ層70は、青色画素に形成された青色フィルタ70a、赤色画素に形成された赤色フィルタ70b、及び緑色画素に形成された緑色フィルタ70cを含む。しかし、これに限定されず、シアンフィルター、マゼンタフィルター、及び/又はイエローフィルターを代わりにするか、又は更に含むことができる。
【0141】
光電変換素子100と色フィルタ層70との間には絶縁膜(図示せず)が更に形成される。
【0142】
色フィルタ層70の上には集光レンズ(図示せず)が更に形成される。集光レンズは、入射光の方向を制御して光を1つの地点に集める。集光レンズは、例えばシリンダー形状又は半球状であるが、これらに限定されるものではない。
【0143】
図5では、
図1の光電変換素子100が積層された構造を例として示したが、
図2、
図3、又は
図4の光電変換素子(200、300、400)が積層された構造も同様に適用され得る。
【0144】
図6は、本発明の一実施形態による有機センサの他の例を概略的に示す断面図である。
【0145】
図6を参照すると、本実施形態によるイメージセンサ600は、上述した実施形態と同様に、伝送トランジスター(図示せず)及び電荷貯蔵所55が集積された半導体基板110、絶縁層80、光電変換素子100、及び色フィルタ層70を含む。
【0146】
しかし、本実施形態によるイメージセンサ600は、上述した実施形態とは異なり、光電変換素子100の第1電極10と第2電極20との位置が入れ替わる。即ち、第1電極10が受光電極である。
【0147】
図6では、
図1の光電変換素子100が積層された構造を例として示したが、
図2、
図3、又は
図4の光電変換素子(200、300、400)が積層された構造も同様に適用され得る。
【0148】
図7は、本発明の一実施形態による有機センサの一例を概略的に示す平面図であり、
図8及び
図9は、それぞれ
図7の有機センサの一例及び他の例を概略的に示す断面図である。
【0149】
図7及び
図8を参照すると、本実施形態による有機センサ700は、光感知素子(50a、50b)、伝送トランジスター(図示せず)、及び電荷貯蔵所55が集積された半導体基板110、下部絶縁層60、色フィルタ層70、上部絶縁層80、及び光電変換素子100を含む。
【0150】
半導体基板110は、シリコン基板であってもよく、光感知素子(50a、50b)、伝送トランジスター(図示せず)、及び電荷貯蔵所55が集積される。光感知素子(50a、50b)は光ダイオード(photodiode)であり得る。
【0151】
光感知素子(50a、50b)、伝送トランジスター、及び/又は電荷貯蔵所55は、画素毎に集積され、一例として、図から見られるように、光感知素子(50a、50b)は青色画素及び赤色画素にそれぞれ含まれ、電荷貯蔵所55は緑色画素に含まれる。
【0152】
光感知素子(50a、50b)は光をセンシングし、センシングされた情報は伝送トランジスターによって伝達され、電荷貯蔵所55は後述する光電変換素子100に電気的に連結され、電荷貯蔵所55の情報は伝送トランジスターによって伝達される。
【0153】
半導体基板110の上には更に金属配線(図示せず)及びパッド(図示せず)が形成される。金属配線及びパッドは、信号遅延を減らすために低い比抵抗を有する金属、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、及びこれらの合金で作られるが、これらに限定されるものではない。しかし、上記構造に限定されず、金属配線及びパッドは光感知素子(50a、50b)の下部に位置し得る。
【0154】
金属配線及びパッドの上には下部絶縁層60が形成される。下部絶縁層60は、酸化ケイ素及び/又は窒化ケイ素などの無機絶縁物質、又はSiC、SiCOH、SiCO、及びSiOFなどの低誘電率(low K)物質で作られる。下部絶縁層60は、電荷貯蔵所55を露出するトレンチ85を有する。トレンチ85は充填材で満たされる。
【0155】
下部絶縁層60の上には色フィルタ層70が形成される。色フィルタ層70は、青色画素に形成された青色フィルタ70aと赤色画素に形成された赤色フィルタ70bとを含む。本実施形態では、緑色フィルタを備えない例を説明するが、場合によって緑色フィルタを備えることもできる。他の例として、色フィルタ層70は光電変換素子100の上部に位置し得る。
【0156】
色フィルタ層70の上には上部絶縁層80が形成される。上部絶縁層80は、色フィルタ層70による段差を除去して平坦化する。上部絶縁層80及び下部絶縁層60は、パッドを露出するコンタクトホール(図示せず)と緑色画素の電荷貯蔵所55を露出するトレンチ85とを有する。
【0157】
上部絶縁層80の上には上述した光電変換素子100が形成される。光電変換素子100は、上述のように、第1電極10、有機補助層40、光電変換層30、及び第2電極20を含む。具体的な説明は上述した通りである。
【0158】
光電変換素子100の上には集光レンズ(図示せず)が更に形成される。集光レンズは、入射光の方向を制御して光を1つの地点に集める。集光レンズは、例えばシリンダー形状又は半球状であるが、これらに限定されるものではない。
【0159】
図9を参照すると、本実施形態によるイメージセンサ800は、上述した実施形態と同様に、光感知素子(50a、50b)、伝送トランジスター(図示せず)、及び電荷貯蔵所55が集積された半導体基板110、下部絶縁層60、色フィルタ層70、上部絶縁層80、及び光電変換素子100を含む。
【0160】
しかし、本実施形態によるイメージセンサ800は、上述した実施形態とは異なり、第1電極10と第2電極20との位置が入れ替わる。即ち、第1電極10が受光電極である。
【0161】
図8及び
図9では、
図1の光電変換素子100が積層された構造を例として示したが、
図2、
図3、又は
図4の光電変換素子(200、300、400)が積層された構造も同様に適用され得る。
【0162】
図10は、本発明の他の実施形態による有機センサの一例を概略的に示す断面図である。
【0163】
本実施形態によるイメージセンサ900は、上述した実施形態と同様に、光感知素子(50a、50b)、伝送トランジスター(図示せず)、及び電荷貯蔵所55が集積された半導体基板110、トレンチ85を有する絶縁層80、及び光電変換素子100を含む。
【0164】
しかし、本実施形態によるイメージセンサ900は、上述した実施形態とは異なり、光感知素子(50a、50b)が垂直方向に積層され、色フィルタ層70が省略される。光感知素子(50a、50b)は電荷貯蔵所(図示せず)に電気的に連結され、伝送トランジスターによって伝達される。光感知素子(50a、50b)は、積層深さに応じて各波長領域の光を選択的に吸収する。
【0165】
図10では、
図1の光電変換素子100が積層された構造を例として示したが、
図2、
図3、又は
図4の光電変換素子(200、300、400)が積層された構造も同様に適用され得る。
【0166】
図11は、本発明の他の実施形態による有機センサの他の例を概略的に示す断面図である。
【0167】
図11を参照すると、本実施形態によるイメージセンサ1000は、上述した実施形態と同様に、光感知素子(50a、50b)、伝送トランジスター(図示せず)、及び電荷貯蔵所55が集積された半導体基板110、トレンチ85を有する絶縁層80、及び光電変換素子100を含む。しかし、本実施形態によるイメージセンサ1000は、上述した実施形態とは異なり、第1電極10と第2電極20との位置が入れ替わる。即ち、第1電極10が受光電極である。
【0168】
図11では、
図1の光電変換素子100が積層された構造を例として示したが、
図2、
図3、又は
図4の光電変換素子(200、300、400)が積層された構造も同様に適用され得る。
【0169】
図12は、本発明の他の実施形態による有機センサの一例を概略的に示す平面図であり、
図13は、
図12の有機センサの一例を示す断面図である。
【0170】
本実施形態による有機センサ1100は、緑色波長領域の光を選択的に吸収する緑色光電変換素子、青色波長領域の光を選択的に吸収する青色光電変換素子、及び赤色波長領域の光を選択的に吸収する赤色光電変換素子が積層された構造である。
【0171】
本実施形態による有機センサ1100は、半導体基板110、下部絶縁層60、中間絶縁層65、上部絶縁層80、第1光電変換素子100a、第2光電変換素子100b、及び第3光電変換素子100cを含む。
【0172】
半導体基板110は、シリコン基板であってもよく、伝送トランジスター(図示せず)及び電荷貯蔵所(55a、55b、55c)が集積される。半導体基板110の上には金属配線(図示せず)及びパッド(図示せず)が形成され、金属配線及びパッドの上には下部絶縁層60が形成される。
【0173】
下部絶縁層60の上には第1光電変換素子100aが形成される。
【0174】
第1光電変換素子100aは、互いに対向する第1電極10a及び第2電極20a、第1電極10aと第2電極20aとの間に位置する光電変換層30a及び有機補助層40aを含む。第1電極10a、第2電極20a、光電変換層30a、及び有機補助層40aは上述の通りであり、光電変換層30aは、赤色、青色、及び緑色のうちのいずれか1つの波長領域の光を選択的に吸収する。例えば、第1光電変換素子100aは赤色光電変換素子である。
【0175】
第1光電変換素子100aの上には中間絶縁層65が形成される。
【0176】
中間絶縁層65の上には第2光電変換素子100bが形成される。
【0177】
第2光電変換素子100bは、互いに対向する第1電極10b及び第2電極20b、第1電極10bと第2電極20bとの間に位置する光電変換層30b及び有機補助層40bを含む。第1電極10b、第2電極20b、光電変換層30b、及び有機補助層40bは上述の通りであり、光電変換層30bは、赤色、青色、及び緑色のうちのいずれか1つの波長領域の光を選択的に吸収する。例えば、第2光電変換素子100bは青色光電変換素子である。
【0178】
第2光電変換素子100bの上には上部絶縁層80が形成される。下部絶縁層60、中間絶縁層65、及び上部絶縁層80は、電荷貯蔵所(55a、55b、55c)を露出する複数のトレンチ85を有する。
【0179】
上部絶縁層80の上には第3光電変換素子100cが形成される。第3光電変換素子100cは、互いに対向する第1電極10c及び第2電極20c、第1電極10cと第2電極20cとの間に位置する光電変換層30c及び有機補助層40cを含む。第1電極10c、第2電極20c、光電変換層30c、及び有機補助層40cは上述の通りであり、光電変換層30cは赤色、青色、及び緑色のうちのいずれか1つの波長領域の光を選択的に吸収する。例えば、第3光電変換素子100cは緑色光電変換素子であり、上述した光電変換素子100が適用される。
【0180】
光電変換素子100cの上には集光レンズ(図示せず)が更に形成される。集光レンズは、入射光の方向を制御して光を1つの地点に集める。集光レンズは、例えばシリンダー形状又は半球状であるが、これらに限定されるものではない。
【0181】
図面では、第1光電変換素子100a、第2光電変換素子100b、及び第3光電変換素子100cとして
図1の光電変換素子100を例として示したが、
図2、
図3、又は
図4に示した光電変換素子(200、300、400)も同様に適用され得る。
【0182】
図面では、第1光電変換素子100a、第2光電変換素子100b、及び第3光電変換素子100cが順次に積層された構造を示したが、これに限定されず、積層順序は多様に変わり得る。
【0183】
上述のように、それぞれ異なる波長領域の光を吸収する第1光電変換素子100a、第2光電変換素子100b、及び第3光電変換素子100cが積層された構造を有することによって、イメージセンサの大きさを更に減らして小型化イメージセンサを実現することができる。
【0184】
図14は、
図12の有機センサの他の例を概略的に示す断面図である。
【0185】
図14を参照すると、本実施形態によるイメージセンサ1200は、上述した実施形態と同様に、半導体基板110、下部絶縁層60、中間絶縁層65、上部絶縁層80、第1光電変換素子100a、第2光電変換素子100b、及び第3光電変換素子100cを含む。しかし、上述した実施形態とは異なり、第1光電変換素子100a、第2光電変換素子100b、及び第3光電変換素子100cの第1電極10と第2電極20との位置が入れ替わる。即ち、第1電極10が受光電極である。
【0186】
図15は、本発明の一実施形態による有機CMOSイメージセンサを概略的に示す平面図であり、
図16は、
図15の有機CMOSイメージセンサの一例を示す断面図である。
【0187】
図15及び
図16を参照すると、有機CMOSイメージセンサ1300は半導体基板110の上に位置する光電変換素子90を含み、光電変換素子90は複数の光電変換素子(90-1、90-2、90-3)を含む。複数の光電変換素子(90-1、90-2、90-3)は、互いに異なる波長領域の光(例えば、青色光、緑色光、又は赤色光)を電気的信号に変換する。
図16を参照すると、複数の光電変換素子(90-1、90-2、90-3)は、半導体基板110の上で水平方向に並んで配列され、半導体基板110の表面110aに並んで伸びた方向に互いに部分的に又は全体的に重畳する。各光電変換素子(90-1、90-2、90-3)は、トレンチ85を通じて半導体基板110内に集積された電荷貯蔵所55に連結される。
【0188】
各光電変換素子(90-1、90-2、90-3)は上述した光電変換素子(100、200)のうちの1つである。一例として、2つ以上の光電変換素子(90-1、90-2、90-3)は、光電変換素子(90-1、90-2、90-3)の間で連続的に伸びる共通の連続層の異なる部分を含む。一例として、複数の光電変換素子(90-1、90-2、90-3)は、共通の第1電極10及び/又は共通の第2電極20を共有する。一例として、2つ以上の光電変換素子(90-2、90-2、90-3)は、入射光の異なる波長領域の光を吸収する異なる光電変換層30を有する。一例として、2つ以上の光電変換素子(90-1、90-2、90-3)は異なる構成の無機ナノ層40を含む。有機CMOSイメージセンサ1300のその他の構造は、
図5~
図14で説明した有機CMOSイメージ中の1つ以上と同様である。
【0189】
図17は、有機CMOSイメージセンサの他の例を示す断面図である。
【0190】
図17を参照すると、有機CMOSイメージセンサ1400は、半導体基板110と半導体基板110の上に積層された光電変換素子(90-1、91)とを含む。光電変換素子91は複数の光電変換素子(90-2、90-3)を含み、複数の光電変換素子(90-2、90-3)は半導体基板110の表面110aに並んで伸びた方向に重畳するように配列される。複数の光電変換素子(90-1、90-2、90-3)は、互いに異なる波長領域の光(例えば、青色光、緑色光、又は赤色光)を電気的信号に光電変換する。
【0191】
一例として、光電変換素子90-1は、それぞれ異なる波長領域の光を吸収する水平配列された複数の光電変換素子を含む。一例として、光電変換素子91は、青色光、緑色光、及び赤色光から選択される1つの波長領域の光を光電変換する。一例として、光電変換素子91は、光電変換素子90-1と全体的に又は部分的に重畳する。有機CMOSイメージセンサ1400のその他の構造は、
図5~
図14で説明した有機CMOSイメージ中の1つ以上と同様である。
【0192】
図18は、有機CMOSイメージセンサの更に他の例を示す断面図である。
【0193】
図18を参照すると、有機CMOSイメージセンサ1500は、光感知素子(50a、50b)、伝送トランジスター(図示せず)、及び電荷貯蔵所55が集積された半導体基板110、半導体基板110の上部に位置する下部絶縁層60及び色フィルタ層70、半導体基板110の下部に位置する上部絶縁層80及び光電変換素子90を含む。光電変換素子90は上述した光電変換素子(100、200)であり得る。
図18において、光電変換素子90が半導体基板110の下部に位置することによって、光感知素子(50a、50b)に対して光電変換素子90と色フィルタ層70とは分離して位置する。有機CMOSイメージセンサ1500のその他の構造は、
図5~
図14で説明した有機CMOSイメージ中の1つ以上と同様である。
【0194】
上述した光電変換素子及びイメージセンサを含む有機センサは、それぞれ多様な電子装置に適用され、例えばモバイルフォン、デジタルカメラなどに適用されるが、これらに限定されるものではない。
【0195】
図19は、本発明の一実施形態による電子装置の概略的なブロック図である。
【0196】
図19を参照すると、電子装置1700は、バス(bus)1710を通じて電気的に連結されるプロセッサー1720、メモリ1730、及び有機CMOSイメージセンサ1740を含む。有機CMOSイメージセンサ1740は上述した実施形態によるいずれか1つであり得る。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であるメモリ1730は指示プログラムを保存する。プロセッサー1720は、1つ以上の機能を行うために、保存された指示プログラムを実行する。一例として、プロセッサー1720は、有機CMOSイメージセンサ1740によって生成された電気的信号を処理する。プロセッサー1720は、このような処理に基づいて出力(例えば、ディスプレイインターフェース上に表示されるイメージ)を生成する。
【0197】
以下、実施例を通じて上述した本発明の実施形態をより詳細に説明する。但し、下記の実施例は、単に説明の目的のためのものに過ぎず、本発明の権利範囲を制限するものではない。
【0198】
<実施例1>
【0199】
ガラス基板上にITOをスパッタリングで積層して150nm厚さのアノードを形成する。次に、アノード上に下記化学式Aで表される化合物を蒸着して5nm厚さの電荷遮断層を形成する。次に、電荷遮断層上に下記化学式B-1で表されるp型半導体(λmax:545nm、電荷移動度:1.5×10-5cm2/Vs)とフラーレン(C60)であるn型半導体とを1:1の体積比で共蒸着して90nm厚さの光電変換層(電荷移動度:4×10-5cm2/Vs)を形成する。次に、光電変換層上に下記化学式C-1で表される有機半導体(電荷移動度:1.8×10-2cm2/Vs)を熱蒸着して5nm厚さの有機補助層を形成する。次に、有機補助層上にITO(WF:4.7eV)をスパッタリングして7nm厚さのカソードを形成する。次に、カソード上に酸化アルミニウム(Al2O3)を蒸着して50nm厚さの反射防止層を形成し、ガラス板で封止して光電変換素子を製作する。
【0200】
【0201】
上記化学式B-1で表されるp型半導体及び上記化学式C-1で表される有機半導体の電荷移動度は、Time-of-flight方式で測定する。Time-of-flight方式は、具体的にはITO電極とAl電極(80nm)との間に上記化学式B-1で表されるp型半導体又は上記化学式C-1で表される有機半導体からなる半導体層を1μm厚さで形成して光電流を評価し、これにより電荷移動度を確認する。
【0202】
<実施例2>
【0203】
有機補助層上にYb(WF:2.6eV)を熱蒸着して1.5nm厚さの無機ナノ層を更に形成したことを除いて、実施例1と同様の方法で、光電変換素子を製作する。
【0204】
<比較例1>
【0205】
有機補助層を形成しないことを除いて、実施例1と同様の方法で、光電変換素子を製作する。
【0206】
<参考例1>
【0207】
有機補助層を形成せず、90nm厚さの光電変換層の代わりに100nm厚さの光電変換層を形成したことを除いて、実施例1と同様の方法で、光電変換素子を製作する。
【0208】
<評価I>
【0209】
実施例、比較例、及び参考例による光電変換素子の波長に応じた光電変換効率を評価する。
【0210】
光電変換効率は、最大吸収波長(λmax)(約540nm)での外部量子効率(EQE)により評価することができ、400nm~720nmの波長領域でIncident Photon to Current Efficiency(IPCE)方法で評価する。
【0211】
その結果は表1の通りである。
【0212】
【0213】
表1を参照すると、実施例1、2による光電変換素子は、比較例1による光電変換素子と比較して光電変換効率が改善されることを確認することができる。
【0214】
また、実施例1、2による光電変換素子は、厚い光電変換層を含む参考例1による光電変換素子と同等な水準の光電変換効率を示すことを確認することができ、これにより実施例1、2による光電変換素子は、光電変換層の厚さを減らしながらも高い光電変換効率を示すことを確認することができる。
【0215】
<評価II>
【0216】
実施例1、2、及び比較例1による光電変換素子の印加電圧に応じた光電変換効率を評価する。
【0217】
その結果は表2の通りである。
【0218】
【0219】
表2を参照すると、実施例1、2による光電変換素子は、比較例1による光電変換素子と比較して各印加電圧で光電変換効率が改善されることを確認することができる。
【0220】
<評価III>
【0221】
実施例1、2、及び比較例1による光電変換素子のイメージラグ(Image Lag)特性を評価する。
【0222】
イメージラグは、実施例及び比較例による光電変換素子に光電変換が起こる波長領域の光を一定時間照射し、光を消した後、Keithley2400装置で6pAに至る時間により評価することができる。イメージラグが大きいほど残留電子が多く残り、これにより、残像が多く発生する。
【0223】
その結果は表3の通りである。
【0224】
【0225】
表3を参照すると、実施例1、2による光電変換素子は、比較例1による光電変換素子と比較してイメージラグが減少したことを確認することができ、これにより電荷抽出特性が改善されたことを確認することができる。
【0226】
<評価IV>
【0227】
実施例1、2、及び比較例1による光電変換素子を適用したイメージセンサを設計し、イメージセンサのYSNR10を評価する。
【0228】
イメージセンサのYSNR10は、信号とノイズとの比率(signal/noise)が10となる最小光量(単位:lux)であり、ここで信号はFDTD(finite difference time domain method)方法で計算されたRGB生信号(RGB raw signal)を色補正マトリックス(color correction matrix:CCM)を通した色補正段階を経て得られた信号の感度であり、ノイズはイメージセンサで信号を測定する時に発生するノイズである。色補正段階は、イメージセンサから得られたRGB生信号を、イメージプロセシングを行って実際の色との差を減らす過程である。YSNR10値が小さいほど少ない光量におけるイメージ特性が良好であることを意味する。
【0229】
その結果は表4の通りである。
【0230】
【0231】
表4を参照すると、実施例による光電変換素子は、比較例による光電変換素子と比較してYSNR10が低くなることを確認することができ、これによりイメージセンサの感度が改善されることを予想することができる。
【0232】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0233】
10、10a、10b、10c 第1電極
20、20a、20b、20c 第2電極
30、30a、30b、30c 光電変換層
40、40a、40b、40c 有機補助層
45、45a、45b、45c 無機ナノ層
48 電荷遮断層
50a、50b、50c 光感知素子
55、55a、55b、55c 電荷貯蔵所
60 下部絶縁層
65 中間絶縁層
70 色フィルタ層
70a、70b、70c 青色、赤色、緑色フィルタ
80 上部絶縁層、絶縁層
85 トレンチ
90、90-1、90-2、90-3、91、100、200、300、400 光電変換素子
100a、100b、100c 第1~第3光電変換素子
110 半導体基板
110a 半導体基板の表面
500、600、700、800、900、1000、1100、1200 イメージセンサ(有機センサ)
1300、1400、1500、1740 有機CMOSイメージセンサ
1700 電子装置
1710 バス(bus)
1720 プロセッサー
1730 メモリ