(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150735
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品及びエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20241016BHJP
A24D 3/17 20200101ALI20241016BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20241016BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D3/17
A24F40/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024126096
(22)【出願日】2024-08-01
(62)【分割の表示】P 2022539217の分割
【原出願日】2022-01-03
(31)【優先権主張番号】10-2021-0001477
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】キ,ソンジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンジョン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョンテ
(72)【発明者】
【氏名】チャ,ソンジェ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】豊富なエアロゾル発生量及びニコチン移行量を提供することができるエアロゾル発生物品及びエアロゾル発生システムを提供する。
【解決手段】エアロゾル発生要素が含浸された複数の巻縮された紙片を含む第1部分21000;タバコ要素を含む第2部分22000;冷却要素を含む第3部分23000;及びフィルタ要素を含む第4部分24000;を含み、第1部分21000、第2部分22000、第3部分23000、及び第4部分24000は、エアロゾル発生物品20000の長手方向に沿って順次に整列される、エアロゾル発生物品。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品において、
エアロゾル発生要素が含浸された複数の巻縮された紙片を含む第1部分と、
タバコ要素を含む第2部分と、
冷却要素を含む第3部分と、
フィルタ要素を含む第4部分と、を含み、
前記第1部分、前記第2部分、前記第3部分、及び前記第4部分は、前記エアロゾル発
生物品の長手方向に沿って順次に整列される、エアロゾル発生物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生物品及びエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレット及び喫煙物品の代案に対する需要が増加している。例えば、
シガレットの燃焼なしにシガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エ
アロゾルを生成させる方法に係わる需要が増加している。これにより、多様な方式で作動
する喫煙物品や装置に係わる研究が活発に進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、豊富なエアロゾル発生量及びニコチン移行量を提供
することができるエアロゾル発生物品及びエアロゾル発生システムを提供することである
。
【0004】
実施例を通じて解決しようとする課題が上述した課題に制限されるものではなく、言及
されていない課題は、本明細書及び添付図面から実施例が属する技術分野で通常の知識を
有する者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施例は、エアロゾル発生要素が含浸された複数の巻縮された紙片を含む第1部分、
タバコ要素を含む第2部分、冷却要素を含む第3部分、フィルタ要素を含む第4部分を含
み、第1部分、第2部分、第3部分、及び第4部分は、エアロゾル発生物品の長手方向に
沿って順次に整列されたエアロゾル発生物品を提供する。
【0006】
他の実施例は、エアロゾル発生物品及びエアロゾル発生物品を収容する収容空間、エア
ロゾル発生物品を加熱する加熱要素、及び加熱要素に電力を供給するバッテリを含むエア
ロゾル発生装置を含むエアロゾル発生システムを提供する。
【0007】
課題の解決手段は、上述したところに制限されず、本明細書全体で通常の技術者によっ
て類推されうる事項をいずれも含んでもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によるエアロゾル発生物品によれば、供給される熱によって目標温度に迅速に到
逹してユーザに豊富なエアロゾル発生量とニコチン移行量とを喫煙持続時間の間、均一に
提供し、エアロゾル発生物品の真円度及び硬度が向上してユーザの便宜性を改善すること
ができる。
【0009】
実施例の効果は、上述したところに限定されず、後述する説明から類推可能な効果をい
ずれも含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】エアロゾル発生物品が内部加熱型エアロゾル発生装置に挿入された一例を示す図面である。
【
図2】エアロゾル発生物品が外部加熱型エアロゾル発生装置に挿入された一例を示す図面である。
【
図3】エアロゾル発生物品が外部加熱型エアロゾル発生装置に挿入された他の例を示す図面である。
【
図4】誘導加熱方式を用いたエアロゾル発生装置の一例を示す図面である。
【
図5】一実施例に係わるエアロゾル発生物品の構造を概略的に示す図面である。
【
図6A】一実施例に係わるエアロゾル発生物品の構成を概略的に示す図面である。
【
図6B】他の実施例に係わるエアロゾル発生物品の構成を概略的に示す図面である。
【
図7】
図6Aのエアロゾル発生物品が一実施例によるエアロゾル発生装置に挿入された場合を示す図面である。
【
図8】一実施例に係わるエアロゾル発生物品の第1部分の時間に対する温度変化を測定したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一実施例は、エアロゾル発生要素が含浸された複数の巻縮された紙片を含む第1部分、
タバコ要素を含む第2部分、冷却要素を含む第3部分、フィルタ要素を含む第4部分を含
み、第1部分、第2部分、第3部分、及び第4部分は、エアロゾル発生物品の長手方向に
沿って順次に整列されたエアロゾル発生物品を提供する。
【0012】
また、前記複数の巻縮された紙片は、一方向を基準に5~15mmの平均長を有する。
【0013】
また、前記紙片は、100~300μmの厚さを有する。
【0014】
また、前記紙片は、20~100g/m2の坪量を有する。
【0015】
また、前記第1部分は、前記複数の巻縮された紙片を、前記第1部分の長さを基準に5
~30mg/mm含む。
【0016】
また、前記エアロゾル発生要素は、前記エアロゾル発生要素の全体重量に対してグリセ
リンを70~99重量%、及びプロピレングリコールを1~30重量%含む。
【0017】
また、前記エアロゾル発生要素は、前記エアロゾル発生要素の全体重量に対してグリセ
リンを99重量%以上含む。
【0018】
また、前記エアロゾル発生物品は、前記エアロゾル発生要素を、前記エアロゾル発生物
品の長さを基準に3~10mg/mm含む。
【0019】
また、前記第1部分の水平断面の硬度が90%以上であり、真円度が90%以上でもあ
る。
【0020】
他の実施例は、エアロゾル発生物品及びエアロゾル発生物品を収容する収容空間、エア
ロゾル発生物品を加熱する加熱要素、及び加熱要素に電力を供給するバッテリを含むエア
ロゾル発生装置を含むエアロゾル発生システムを提供する。
【0021】
また、前記加熱要素は、前記収容空間を取り囲むように配置されうる。
【0022】
また、前記エアロゾル発生装置は、前記第1部分の少なくとも一部及び前記第2部分の
少なくとも一部を加熱する。
【0023】
実施例で使用される用語は、本実施例での機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使
用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野に係わる技術者の意図または判例、
新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した
用語もあり、その場合、当該実施例の説明部分で詳細にその意味を記載する。したがって
、本実施例で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本
実施例の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0024】
明細書全体においてある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反
対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含ん
でもよいということを意味する。また、明細書に記載した「-部」、「-モジュール」な
どの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェ
アまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの結合によ
っても具現される。
【0025】
本明細書で使用されたところのように、「少なくともいずれか1つの」のような表現が
配列された構成要素の前にあるとき、配列されたそれぞれの構成ではない全体構成要素を
修飾する。例えば、「a、b、及びcのうち、少なくともいずれか1つ」のような表現は
、a、b、c、または、aとb、aとc、bとc、または、aとbとcを含むものと解釈
せねばならない。
【0026】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」のように序数を含む用語は、多様
な構成要素の説明に使用することができるが、構成要素は、用語によって限定されてはな
らない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
【0027】
明細書全体において、「エアロゾル発生物品」は、喫煙に用いられる物品を意味する。
例えば、エアロゾル発生物品は、点火され燃焼されて用いられる一般燃焼式シガレットで
もあり、またはエアロゾル発生装置によって加熱されて用いられる加熱式シガレットでも
ある。他の例示として、エアロゾル発生物品は、カートリッジに含有された液状が加熱さ
れる方式で用いられる物品でもある。
【0028】
明細書全体において、「エアロゾル発生物品の長手方向」は、エアロゾル発生物品の長
さが延びる長手方向またはエアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置に挿入される方向を
意味する。
【0029】
明細書全体において、「タバコ要素」は、タバコを含む物質を意味する。
【0030】
明細書全体において、「タバコ物質」は、タバコ葉に由来する全ての形態の物質を意味
する。
【0031】
明細書全体において「冷却要素」は、ある物質を冷却させる要素を意味する。例えば、
冷却要素は、タバコ要素から発生したエアロゾルを冷却させうる。
【0032】
明細書全体において、「フィルタ要素」は、濾過素材を含む要素を意味する。例えば、
フィルタ要素は、複数の繊維ストランドを含む。
【0033】
以下、添付図面に基づいて本開示の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知
識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異な
る形態に具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0034】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0035】
図1ないし
図3は、エアロゾル発生装置にシガレットが挿入された例を示す図面である
。
【0036】
図1を参照すれば、エアロゾル発生装置10000は、バッテリ11000、制御部1
2000及びヒータ13000を含む。
図2及び
図3を参照すれば、エアロゾル発生装置
10000は、蒸気化器14000をさらに含む。また、エアロゾル発生装置10000
の内部空間には、エアロゾル発生物品20000が挿入されうる。
【0037】
図1ないし
図3に図示されたエアロゾル発生装置10000には、本実施例に係わる構
成要素が図示されている。したがって、
図1ないし
図3に図示された構成要素以外に他の
汎用的な構成要素がエアロゾル発生装置10000にさらに含まれるということを、本実
施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0038】
また、
図2及び
図3には、エアロゾル発生装置10000にヒータ13000が含まれ
ていると図示されているが、必要によって、ヒータ13000は省略されうる。
【0039】
図1には、バッテリ11000、制御部12000、及びヒータ13000が一列に配
置されていると図示されている。また、
図2には、バッテリ11000、制御部1200
0、蒸気化器14000、及びヒータ13000が一列に配置されていると図示されてい
る。また、
図3には、蒸気化器14000及びヒータ13000が並列に配置されている
と図示されている。しかし、エアロゾル発生装置10000の内部構造は、
図1ないし図
3に図示されたところに限定されない。すなわち、エアロゾル発生装置10000の設計
によって、バッテリ11000、制御部12000、ヒータ13000、及び蒸気化器1
4000の配置は変更されうる。
【0040】
エアロゾル発生物品20000がエアロゾル発生装置10000に挿入されれば、エア
ロゾル発生装置10000は、ヒータ13000及び/または蒸気化器14000を作動
させ、エアロゾル発生物品20000及び/または蒸気化器14000からエアロゾルを
発生させうる。ヒータ13000及び/または蒸気化器14000によって発生したエア
ロゾルは、エアロゾル発生物品20000を通過してユーザに伝達される。
【0041】
必要によって、エアロゾル発生物品20000がエアロゾル発生装置10000に挿入
されていない場合にも、エアロゾル発生装置10000は、ヒータ13000を加熱する
ことができる。
【0042】
バッテリ11000は、エアロゾル発生装置10000が動作するのに用いられる電力
を供給する。例えば、バッテリ11000は、ヒータ13000または蒸気化器1400
0が加熱されるように電力を供給し、制御部12000の動作に必要な電力を供給する。
また、バッテリ11000は、エアロゾル発生装置10000に設けられたディスプレイ
、センサー、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0043】
制御部12000は、エアロゾル発生装置10000の動作を全般的に制御する。具体
的に、制御部12000は、バッテリ11000、ヒータ13000及び蒸気化器140
00だけではなく、エアロゾル発生装置10000に含まれた他の構成の動作を制御する
。また、制御部12000は、エアロゾル発生装置10000の構成それぞれの状態を確
認し、エアロゾル発生装置10000が動作可能な状態であるか否かを判断する。
【0044】
制御部12000は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理
ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセ
ッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。ま
た、他の形態のハードウェアによって具現されるということを、本実施例が属する技術分
野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0045】
ヒータ13000は、バッテリ11000から供給された電力によって加熱されうる。
例えば、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置10000に挿入されれば、ヒータ1
3000は、エアロゾル発生物品の外部に位置する。したがって、加熱されたヒータ13
000は、エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生物質の温度を上昇させうる。
【0046】
ヒータ13000は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ13000には、導
電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることにより、ヒータ130
00が加熱されうる。しかし、ヒータ13000は、上述した例に限定されず、希望温度
まで加熱されるものであれば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル
発生装置10000に既に設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定され
うる。
【0047】
一方、他の例として、ヒータ13000は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒ
ータ13000には、エアロゾル発生物品を誘導加熱方式で加熱するための導電性コイル
を含み、エアロゾル発生物品は、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタを含む
。
【0048】
例えば、ヒータ13000は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒
状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってエアロゾル発生物品20000の内部または
外部を加熱することができる。
【0049】
また、エアロゾル発生装置10000には、ヒータ13000が複数個配置されうる。
この際、複数個のヒータ13000は、エアロゾル発生物品20000の内部に挿入され
るようにも配置され、エアロゾル発生物品20000の外部にも配置されうる。また、複
数個のヒータ13000のうち、一部は、エアロゾル発生物品20000の内部に挿入さ
れるように配置され、残りは、エアロゾル発生物品20000の外部に配置されうる。ま
た、ヒータ13000の形状は、
図1ないし
図3に図示された形状に限定されず、多様な
形状にも作製される。
【0050】
蒸気化器14000は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロ
ゾルは、エアロゾル発生物品20000を通過してユーザに伝達されうる。すなわち、蒸
気化器14000によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル発生装置10000の気
流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器14000によって生成されたエアロゾル
がエアロゾル発生物品を通過してユーザに伝達されるように構成されうる。
【0051】
例えば、蒸気化器14000は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含むことが
できるが、それに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は、独
立したモジュールとしてエアロゾル発生装置10000に含まれうる。
【0052】
液体保存部は、液状組成物を保存する。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を
含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部
は、蒸気化器14000から/に脱/付着するように作製され、蒸気化器14000と一
体にも作製される。
【0053】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、ま
たは、ビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミン
トオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤
は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、
ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合され
たものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン
及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0054】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば
、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのよう
な芯(wick)にもなるが、それらに限定されない。
【0055】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である
。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それら
に限定されるものではない。また、加熱要素はニクロム線のような伝導性フィラメントで
構成され、液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置される。加熱要素は、電流供給に
よって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱する
ことができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0056】
例えば、蒸気化器14000は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも
称されるが、それに限定されない。
【0057】
一方、エアロゾル発生装置10000は、バッテリ11000、制御部12000、ヒ
ータ13000及び蒸気化器14000以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例え
ば、エアロゾル発生装置10000は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/また
は触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル発生装置10000
は、少なくとも1つのセンサー(例えば、パフ感知センサー、温度感知センサー、エアロ
ゾル発生物品挿入感知センサーなど)を含む。また、エアロゾル発生装置10000は、
エアロゾル発生物品20000が挿入された状態でも外部空気が流入されるか、内部気体
が流出されうる構造によっても作製される。
【0058】
図1ないし
図3には図示されていないが、エアロゾル発生装置10000は、別途のク
レードルと共に、システムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル発生装
置10000のバッテリ11000の充電に用いられうる。または、クレードルとエアロ
ゾル発生装置10000が結合された状態でヒータ13000が加熱されうる。
【0059】
エアロゾル発生物品20000は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例え
ば、エアロゾル発生物品20000は、エアロゾル発生物質を含む第1部分とフィルタな
どを含む第2部分に区分されうる。または、エアロゾル発生物品20000の第2部分に
もエアロゾル発生物質が含まれうる。例えば、顆粒状またはカプセル状に作られたエアロ
ゾル発生物質が第2部分に挿入されうる。
【0060】
一例として、外部空気は、エアロゾル発生装置10000に形成された少なくとも1つ
の空気通路を介して流入されうる。例えば、エアロゾル発生装置10000に形成された
空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節されうる。これに
より、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、
エアロゾル発生物品20000の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介してエ
アロゾル発生物品20000の内部に流入されもする。
【0061】
図4は、誘導加熱方式を用いたエアロゾル発生装置の一例を示す図面である。
【0062】
図4を参照すれば、エアロゾル発生装置10000は、バッテリ11000、制御部1
2000、コイルC及びサセプタSを含む。また、エアロゾル発生装置10000の空洞
Vには、エアロゾル発生物品20000の少なくとも一部が収容されうる。
図4のエアロ
ゾル発生物品20000、バッテリ11000及び制御部12000は、それぞれ
図1な
いし
図3のエアロゾル発生物品20000、バッテリ11000及び制御部12000に
対応しうる。また、コイルC及びサセプタSは、ヒータ13000に含まれうる。したが
って、以下において反復説明は省略する。
【0063】
図4は、特に本実施例に係わるエアロゾル発生装置10000の特定構成要素のみを図
示する。したがって、
図4に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾ
ル発生装置10000にさらに含まれるということを、本技術分野で通常の知識を有する
者であれば、理解できるであろう。
【0064】
コイルCは、空洞V周辺に位置しうる。
図4は、コイルCが空洞Vを取り囲むところを
示すが、実施例は、それに限定されない。
【0065】
エアロゾル発生物品20000がエアロゾル発生装置10000の空洞Vに収容されれ
ば、エアロゾル発生装置10000は、コイルCが磁場を発生させるように、コイルCに
電力を供給する。コイルCによって発生した磁場が、サセプタSを貫通することにより、
サセプタSが加熱されうる。
【0066】
このような誘導加熱現状は、よく知られており、ファラデーの誘導法則(Faraday’s La
w of induction)によって説明されうる。具体的に、サセプタS内の磁気誘導が変化する
場合、電場がサセプタS内に発生することで、渦電流(eddy current)がサセプタS内に流
れ、渦電流は、サセプタS内で電流密度及び伝導体抵抗に比例する熱を発生させる。
【0067】
サセプタSが渦電流によって加熱され、エアロゾル発生物品20000内のエアロゾル
発生物質は、加熱されたサセプタSによって加熱されることにより、エアロゾルが発生し
うる。エアロゾル発生物質から発生したエアロゾルは、エアロゾル発生物品20000を
通過してユーザに伝達される。
【0068】
バッテリ11000は、コイルCが磁場を発生させるように電力を供給することができ
る。制御部12000は、コイルCと電気的に連結されうる。
【0069】
コイルCは、バッテリ11000から供給された電力によって磁場を発生させる導電性
コイルでもある。コイルCは、空洞Vの少なくとも一部を取り囲むように配置されうる。
コイルCによって発生した磁場は、空洞Vに配置されるサセプタSに印加されうる。
【0070】
サセプタSは、コイルCから発生する磁場が貫通することにより加熱され、金属または
炭素を含んでもよい。例えば、サセプタSは、フェライト(ferrite)、強磁性合金(fer
romagnetic alloy)、ステンレス鋼(stainles ssteel)及びアルミニウム(Al)のうち
、少なくとも1つを含んでもよい。
【0071】
サセプタSは、セラミックス(例えば、黒鉛(graphite)、モリブデン(molybdenum)、シ
リコンカーバイド(silicon carbide)、ニオブ(niobium)、ニッケル合金(nickel alloy)、
金属フィルム(metal film)、ジルコニア(zirconia))、遷移金属(例えば、ニッケル(N
i)またはコバルト(Co))、及び半金属(例えば、ホウ素(B)または、リン(P)
)のうち、少なくとも1つを含んでもよい。しかし、サセプタSは、前述した例に限定さ
れず、希望温度まで加熱されうる物質が制限なしに該当されうる。ここで、希望温度は、
エアロゾル発生装置10000に既に設定されていてもよく、ユーザによって設定されて
いてもよい。
【0072】
エアロゾル発生物品20000がエアロゾル発生装置10000の空洞Vに収容されれ
ば、サセプタSは、エアロゾル発生物品20000の少なくとも一部を取り囲むように配
置されうる。したがって、加熱されたサセプタSは、エアロゾル発生物品20000内の
エアロゾル発生物質の温度を上昇させうる。
【0073】
図4には、サセプタSがエアロゾル発生物品の少なくとも一部を取り囲むように配置さ
れているが、サセプタSの形状と配置は、それに限定されない。例えば、サセプタSは、
管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形
状によってエアロゾル発生物品20000の内部または外部を加熱することができる。
【0074】
また、エアロゾル発生装置10000には、サセプタSが複数個配置されうる。この際
、複数個のサセプタSは、エアロゾル発生物品20000の外部にも配置され、エアロゾ
ル発生物品20000の内部に挿入されるように配置されうる。また、複数個のサセプタ
Sのうち、一部は、エアロゾル発生物品20000の内部に挿入されるように配置され、
残りは、エアロゾル発生物品20000の外部に配置されうる。サセプタSの形状は、図
4に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0075】
図5は、一実施例によるエアロゾル発生物品20000の構造を概略的に示す図面であ
る。
【0076】
図5を参照すれば、エアロゾル発生物品20000は、第1部分21000、第2部分
22000、第3部分23000、及び第4部分24000を含む。具体的に、第1部分
21000、第2部分22000、第3部分23000、及び第4部分24000は、そ
れぞれエアロゾル発生要素(すなわち、エアロゾル発生物質)、タバコ要素、冷却要素、
及びフィルタ要素を含む。一例として、第1部分21000は、エアロゾル発生物質を含
み、第2部分22000は、タバコ物質及び保湿剤を含み、第3部分23000は、第1
部分21000及び第2部分22000を通過する気流を冷却させ、第4部分24000
は、フィルタ物質を含む。
【0077】
図5を参照すれば、第1部分21000、第2部分22000、第3部分23000、
及び第4部分24000は、エアロゾル発生物品20000の長手方向に沿って順次に整
列されうる。ここで、エアロゾル発生物品20000の長手方向は、エアロゾル発生物品
20000の長さが延びる方向でもある。例えば、エアロゾル発生物品20000の長手
方向は、第1部分21000から第4部分24000に向かう方向でもある。これにより
、第1部分21000及び第2部分22000のうち、少なくとも1つから発生するエア
ロゾルが第1部分21000、第2部分22000、第3部分23000、及び第4部分
24000を順次に通過して気流を形成し、これにより、喫煙者は、第4部分24000
からエアロゾルを吸い込むことができる。
【0078】
第1部分21000は、エアロゾル発生要素を含む。また、風味剤、湿潤剤及び/また
は有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含み、メントールまたは保湿剤などの
加香液を含むことができる。ここで、エアロゾル発生要素は、例えば、グリセリン、プロ
ピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち
、少なくとも1つを含む。但し、本発明は、前述した例示に制限されず、第1部分210
00は、当該技術分野で広く知られた多様な種類のエアロゾル発生要素を含んでもよく。
【0079】
第1部分21000は、巻縮されたシートを含み、エアロゾル発生要素は、巻縮された
シートに含まれうる。また、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような
他の添加物質及び加香液が巻縮されたシートに含まれうる。
【0080】
巻縮されたシートは、高分子素材で構成されたシートでもある。例えば、高分子素材は
、紙、酢酸セルロース(cellulose acetate)、リヨセル(lyocell)、ポリ乳酸(polylactic
acid)のうち、少なくとも1つを含む。例えば、巻縮されたシートは、高温に加熱されて
も、熱による異臭が発生しない紙シートでもある。但し、それに制限されるものではない
。
【0081】
第1部分21000は、約7~20mmの長さを有し、第2部分22000は、約7~
20mmの長さを有する。但し、そのような数値範囲に必ずしも制限されるものではなく
、第1部分21000及び第2部分22000の長さは、実施例によって異なりうる。第
2部分22000は、タバコ要素を含む。タバコ要素は、特定形態のタバコ物質でもある
。例えば、タバコ要素は、刻みタバコ、タバコ粒子(particle)、タバコシート(sheet)、
タバコビーズ(beads)、タバコ顆粒(granule)、タバコ粉末(powder)またはタバコ抽出物の
形態を有する。また、タバコ物質は、例えば、タバコ葉、タバコ葉脈、膨化タバコ、切断
された刻みタバコ、板状葉刻みタバコ、及び再構成タバコのうち、1種以上を含んでもよ
い。
【0082】
第3部分23000は、第1部分21000及び第2部分22000を通過する気流を
冷却させうる。第3部分23000は、高分子物質または生分解性高分子物質によって製
造され、冷却機能を有することができる。例えば、第3部分23000は、ポリ乳酸(P
LA)繊維によっても作製されるが、それに限定されない。または、第3部分23000
は、複数の孔が形成された酢酸セルロースフィルタによっても作製される。しかし、第3
部分23000は、上述した例示に限定されず、エアロゾルを冷却することができる他の
物質が制限なしに使用されうる。例えば、第3部分23000は、中空を含むチューブフ
ィルタまたは紙管フィルタでもある。
【0083】
第4部分24000は、フィルタ物質を含む。例えば、第4部分24000は、酢酸セ
ルロースフィルタでもある。第4部分24000の形状には制限がない。例えば、第4部
分24000は、円柱状(type)ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状(type)ロッ
ドでもある。また、第4部分24000は、リセス状(type)ロッドでもある。もし、第4
部分24000が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち、少なく
とも1つが異なる形状を有する。
【0084】
第4部分24000は、香味が発生するようにも作製される。例えば、第4部分240
00に加香液が噴射されうる。他の例として、加香液が塗布された別途の繊維が第4部分
24000の内部に挿入されうる。
【0085】
エアロゾル発生物品20000は、第1部分21000ないし第4部分24000のう
ち、少なくとも一部を取り囲む第1ラッパ25000を含む。第1ラッパ25000は、
エアロゾル発生物品20000の最外郭に位置しうる。第1ラッパ25000は、単一ラ
ッパであるか、複数個のラッパの組合わせでもある。
【0086】
また、エアロゾル発生物品20000は、第1ラッパ25000の外郭に覆い包まれる
第2ラッパ26000をさらに含む。すなわち、エアロゾル発生物品20000の少なく
とも一部は、第1ラッパ25000及び第2ラッパ26000によって二重に包装されう
る。例えば、第2ラッパ26000は、第1ラッパ25000によって包装された第3部
分23000の少なくとも一部及び第4部分24000を包装することができる。
【0087】
一例として、エアロゾル発生物品20000の第1部分21000は、エアロゾル発生
物質を含む巻縮されたシワ状シートを含み、第2部分22000は、タバコ物質として板
状葉刻みタバコ及び保湿剤としてグリセリンを含み、第3部分23000は、チューブを
含み、第4部分24000は、酢酸セルロース(CA)繊維を含むが、本発明がそれに必
ずしも制限されるものではない。
【0088】
図6Aは、一実施例によるエアロゾル発生物品100の構成を概略的に示す図面であり
、
図6Bは、他の実施例によるエアロゾル発生物品100の構成を概略的に示す図面であ
る。
【0089】
図6A及び
図6Bを参照すれば、エアロゾル発生物品100は、エアロゾル発生要素を
含む第1部分110、タバコ要素を含む第2部分120、冷却要素を含む第3部分130
及びフィルタ要素を含む第4部分140を含む。第1部分110、第2部分120、第3
部分130、及び第4部分140は、エアロゾル発生物品100の長手方向に沿って順次
に整列される。第1部分110、第2部分120、第3部分130、及び第4部分140
について、
図5で前述した事項が同一に適用されうる。
【0090】
以下、エアロゾル発生物品100の第1部分110についてさらに詳細に説明する。
【0091】
第1部分110は、エアロゾル発生要素を含むエアロゾル発生要素吸収体として複数の
巻縮された紙片111を含む。複数の巻縮された紙片111は、
図6Aのように第1部分
110内でランダムに配置されるか、
図6Bのように第1部分110内で一定方向に整列
されうる。
【0092】
複数の巻縮された紙片111は、
図5で説明したエアロゾル発生要素が含浸された巻縮
された紙シートを細く切って得られる。複数の紙片111は、単一紙シートを含む場合に
比べて、さらに多量のエアロゾル発生要素を含む。また、複数の巻縮された紙片111が
第1部分110内に散在することで、ユーザの吸入時、第1部分110内部で気流が複数
の方向に分散され、第1部分110の全体にわたってエアロゾルが発生する。結果として
、ユーザにさらに多量のエアロゾル発生量を提供することができる。
【0093】
また、単一紙シートに比べて個別エアロゾル発生要素吸収体の面積が減少するので、複
数の巻縮された紙片111は、エアロゾル発生装置の加熱要素が供給する熱にさらに敏感
に反応することができる。したがって、複数の巻縮された紙片111を含む第1部分11
0は、単一紙シートを含む第1部分110に比べて目標温度に迅速に到逹し、喫煙初期に
も、ユーザに豊富な量のエアロゾルを均一に供給することができる。
【0094】
また、さらに多量の吸収体が第1部分110内に高密度で投入されうるので、第1部分
110の真円度及び硬度が向上してユーザの便宜性を改善することができる。
【0095】
真円度は、第1部分110の断面が真円である程度を意味し、公知技術を通じて測定す
ることができる。例えば、第1部分110を回転させつつ、コンパレータなどで測定し、
測定子の動きで半径の誤差を求めることができる。
【0096】
硬度は、第1部分110の弾性及び復元度に係わる物性であって、第1部分110が長
手方向に垂直方向に加えられる圧力に抵抗する程度を意味する。ユーザがエアロゾル発生
物品を容易に使用するには、エアロゾル発生物品が形状を保持することができる特定レベ
ルの硬度が要求される。
【0097】
複数の巻縮された紙片111の形状と大きさは制限されない。例えば、複数の巻縮され
た紙片111は、一方向を基準に5~15mmの平均長を有する。例えば、複数の巻縮さ
れた紙片111は、長方形を有し、長方形の長辺が5~15mmの平均長を有する。複数
の巻縮された紙片111が前記範囲の平均長を有することが、第1部分110内に生成さ
れる気流が適切に分散されてエアロゾル発生量が向上しうる。一方、複数の巻縮された紙
片111が過度に長い平均長を有する場合、第1部分110の初期温度上昇が緩く、結果
として、初期エアロゾル発生量が減少する。エアロゾル発生量の向上のために、複数の巻
縮された紙片111は、一方向を基準に7~14mmの平均長、さらに望ましくは、8~
13mmの平均長を有することができる。
【0098】
紙片111の厚さは、第1部分110の真円度及び硬度に影響を与える。この際、紙片
111は、真円度及び硬度を向上させるために100~300μmの厚さを有する。第1
部分110の真円度及び硬度を向上させるために紙片111は、120~250μmの厚
さを有し、さらに望ましくは、130~240μmの厚さを有する。
【0099】
また、紙片111は、20~100g/m2の坪量を有する。紙片111の坪量が前記
範囲未満である場合、紙片111に含浸されるエアロゾル発生要素の量が減少するので、
エアロゾル発生量が減少しうる。逆に、前記範囲を超過する場合、加熱要素による温度上
昇が緩く、喫煙初期に豊富な量のエアロゾルの供給が困難である。エアロゾル発生量を保
持すると共に、喫煙持続時間の間、均一なエアロゾルを供給するために、紙片111は、
望ましくは、40~80g/m2の坪量を有し、さらに望ましくは、55~65g/m2
の坪量を有することができる。
【0100】
第1部分110に含まれた複数の巻縮された紙片111の重量は、第1部分110の長
さを基準に5~30mg/mm含む。第1部分110に含まれる複数の巻縮された紙片1
11の重量は、エアロゾル発生量と吸引抵抗に影響を与える。豊富な量のエアロゾルを提
供し、過度な吸引抵抗の上昇を防止する側面で複数の巻縮された紙片111は、第1部分
110の長さを基準に10~20mg/mm含まれ、さらに望ましくは、12~18mg
/mm含まれうる。
【0101】
エアロゾル発生要素は、エアロゾル発生要素の全体重量に対してグリセリンを70~9
9重量%及びプロピレングリコールを1~30重量%含む。
【0102】
一般に、エアロゾル発生要素は、吸収体に吸収されるエアロゾル発生要素の量を高める
ために、別途の添加剤や水分を含む。一方、実施例は、紙片111を含むことにより、単
一紙シートを含む場合に比べて、広い表面積を有するので、別途の水分や添加剤を含まな
いにしても、高い吸収率を保持することができる。
【0103】
他の実施例は、エアロゾル発生要素がグリセリンを99重量%以上含み、さらに望まし
くは、グリセリンを99.9重量%以上含む。
【0104】
エアロゾル発生要素のグリセリン及びプロピレングリコールは、エアロゾル発生量とニ
コチン移行量に影響を与える。プロピレングリコールは、0.042Pa/sの粘度と1
88℃の沸騰点を有し、グリセリンは、1.412Pa/sの粘度と290℃の沸騰点を
有する。相対的に低い粘度及び沸騰点を有するプロピレングリコールの量が増加するほど
、加熱による温度上昇速度が速く、喫煙初期のエアロゾル発生量が増加する傾向がある。
一方、グリセリンの含量が増加する場合、加熱による温度上昇速度が遅いので、喫煙初期
のエアロゾル発生量は減少しうる。しかし、高い粘度及び沸騰点によってニコチンの移行
量が増加し、これにより、喫味が向上しうる。
【0105】
実施例に係わるエアロゾル発生物品は、前述したように、個別エアロゾル発生要素吸収
体の面積が小さいので、加熱によって温度が速く上昇することができる。したがって、エ
アロゾル発生要素に含まれるプロピレングリコールの量が少なくても、高い温度上昇速度
が保持され、喫煙初期にも多量のエアロゾルを提供することができる。
【0106】
エアロゾル発生物品に含まれたエアロゾル発生要素の重量がエアロゾル発生物品の長さ
を基準に3mg/mm~10mg/mmである場合、豊富な量のエアロゾルが発生してニ
コチンが十分に伝達されうる。エアロゾル発生要素の量が前記範囲未満である場合、エア
ロゾル発生量またはニコチン伝達量が顕著に減少しうる。エアロゾル発生要素の量が前記
範囲を超過する場合、エアロゾル発生要素の漏れが発生しうる。実施例は、第1部分11
0の水平断面(すなわち、エアロゾル発生物品の長手方向に垂直に切り取った断面)の硬
度が90%以上であり、真円度が90%以上でもある。単一紙シートを吸収体として使用
する場合、第1部分110の吸収体充填率を一定レベル以上に高めれば、硬度は向上する
が、真円度は減少する。一方、実施例は、小さなサイズの紙片111が複数個充填された
形態なので、単一紙シートを吸収体として使用する場合に比べて、吸収体の充填率を高め
ても優秀な真円度が保持されうる。
【0107】
図7は、
図6Aのエアロゾル発生物品100が一実施例によるエアロゾル発生装置10
に挿入された場合を示す図面である。
【0108】
図7を参照すれば、エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生装置10及びエアロゾ
ル発生物品100を含む。エアロゾル発生装置10は、エアロゾル発生物品100を収容
する収容空間12、エアロゾル発生物品400を加熱する加熱要素11、及び加熱要素1
1に電力を供給するバッテリ(図示せず)を含む。エアロゾル発生物品100は、前述し
た実施例と一致する。加熱要素11は、収容空間12を取り囲むように配置される円筒状
を有する。エアロゾル発生物品100がエアロゾル発生装置10に挿入される場合、加熱
要素11は、エアロゾル発生物品100の第1部分110の少なくとも一部及び第2部分
120の少なくとも一部を加熱することができる。
【0109】
エアロゾル発生装置10は、制御部(図示せず)をさらに含む。制御部は、予め入力さ
れた温度プロファイル(profile)によって加熱要素11がエアロゾル発生物品100を加
熱する温度を制御することができる。
【0110】
加熱要素11が作動すれば、第1部分110に含まれたエアロゾル発生要素及び第2部
分120に含まれたタバコ要素が加熱されうる。発生したエアロゾルは、第3部分130
及び第4部分140を通過してエアロゾル発生物品100の外部に向かって流れる。
【0111】
実施例1.複数の紙片を含むエアロゾル発生物品の製造(グリセリン100重量%)
図6Aに図示された実施例と同一形態のエアロゾル発生物品を製造した。下記表1の物
性を有する原紙をクリンピング(切れ目を形成)した後、一辺の長さが約15mmである
正方形に切ってエアロゾル発生要素に含浸させた。第1部分に第1部分の長さを基準に1
5mg/mmの紙片が充填されるようにエアロゾル発生物品を製造した。
【表1】
【0112】
使用されたエアロゾル発生要素は、エアロゾル発生要素の全体重量を基準に100重量
%のグリセリンを含み、エアロゾル発生物品の長手方向を基準に4mg/mm使用した。
【0113】
実施例2.複数の紙片を含むエアロゾル発生物品の製造(グリセリン90重量%、プロ
ピレングリコール10重量%)
エアロゾル発生要素の全体重量を基準に90重量%のグリセリン及びプロピレングリコ
ール10重量%を含むエアロゾル発生要素を使用したということを除いては、実施例1と
同一に実施してエアロゾル発生物品を製造した。
【0114】
実施例3.複数の紙片を含むエアロゾル発生物品の製造(グリセリン80重量%、プロ
ピレングリコール20重量%)
エアロゾル発生要素の全体重量を基準に80重量%のグリセリン及びプロピレングリコ
ール20重量%を含むエアロゾル発生要素を使用したということを除いては、実施例1と
同一に実施してエアロゾル発生物品を製造した。
【0115】
実施例4.複数の紙片を含むエアロゾル発生物品の製造(グリセリン70重量%、プロ
ピレングリコール30重量%)
エアロゾル発生要素の全体重量を基準に70重量%のグリセリン及びプロピレングリコ
ール30重量%を含むエアロゾル発生要素を使用したということを除いては、実施例1と
同一に実施してエアロゾル発生物品を製造した。
【0116】
比較例.単一原紙を含むエアロゾル発生物品の製造
表1の原紙を切断せずに使用したということを除いては、実施例1と同一に実施してエ
アロゾル発生物品を製造した。150mm×100mmの大きさを有する原紙を巻いて第
1部分に投入した。原紙は、実施例1と同様に第1部分の長さを基準に15mg/mm含
まれた。
【0117】
実験例1.第1部分の温度及びエアロゾル発生量の比較実験
実施例1及び比較例のエアロゾル発生物品を外部加熱型エアロゾル発生物品に投入し、
目標温度250℃に加熱し、各エアロゾル発生物品の第1部分の温度を経時的に測定及び
比較した。
図8は、実施例1及び比較例のエアロゾル発生物品の第1部分の時間に対する
温度変化を測定したグラフである。
【0118】
図8を参照すれば、実施例1のエアロゾル発生物品の第1部分の温度は、比較例のエア
ロゾル発生物品の第1部分に比べて早く昇温し、測定時間内で目標温度を均一に保持した
。
【0119】
また、8パフ(puff)間に発生したエアロゾルを捕集し、捕集されたエアロゾルの成分を
分析した。下記表2は、捕集されたエアロゾルの成分分析結果を示す。
【表2】
【0120】
表2に示されたように、実施例1のエアロゾル発生物品で発生したエアロゾルは、比較
例のエアロゾル発生物品で発生したエアロゾルに比べてさらに多くのグリセリンを含んで
ある。したがって、第1部分に複数の巻縮された紙片を含むエアロゾル発生物品が第1部
分に単一紙シートを含むエアロゾル発生物品に比べてさらに豊富な量のエアロゾルを喫煙
持続時間の間、均一に提供することを確認した。
【0121】
実験例2.真円度及び硬度測定
実施例1及び比較例のエアロゾル発生物品の第1部分の真円度及び硬度を測定し、その
結果を下記表3に示した。
【表3】
【0122】
表3に示されたように、実施例1のエアロゾル発生物品が比較例のエアロゾル発生物品
に比べて、さらに高い真円度及び硬度を有することを確認した。
【0123】
実験例3.エアロゾル発生要素組成及び含量によるニコチン移行量分析
エアロゾル発生要素の組成によるニコチン移行量分析のために実施例1ないし4のエア
ロゾル発生物品を外部加熱型エアロゾル発生装置に投入した。その後、8パフ(puff)間に
発生したエアロゾルを捕集し、捕集されたエアロゾルの成分を分析した。下記表4は、捕
集されたエアロゾルの成分分析結果を示す。
【表4】
【0124】
表4に示されたように、エアロゾル発生要素に含まれたグリセリンの量が増加するほど
、ニコチン移行量が増加することを確認した。ニコチン移行量の増加するほど、ユーザの
喫味感が改善されるので、実施例に投入されるエアロゾル発生要素に含まれるグリセリン
が増加することにより、喫味が向上することを確認した。
【0125】
また、エアロゾル発生要素の含量によるニコチン移行量分析のために、エアロゾル発生
要素の含量を変更してエアロゾル発生物品を製造した。エアロゾル発生物品は、エアロゾ
ル発生要素をエアロゾル発生物品の長さを基準に6mg/mmまたは8mg/mm含むと
いうことを除いては、実施例1と同様に製造した。製造したエアロゾル発生物品を外部加
熱型エアロゾル発生装置に投入した後、8パフ(puff)間に発生したエアロゾルを捕集し、
捕集されたエアロゾルのニコチン含量を分析した。下記表5は、捕集されたエアロゾルの
ニコチン含量分析結果を示す。
【表5】
【0126】
表5に示されたように、エアロゾル発生要素の含量が増加しても、ニコチン移行量には
有意味な変化がないということを確認した。一方、エアロゾル発生要素がエアロゾル発生
物品の長さを基準に8mg/mm含まれた場合、過量のエアロゾル発生要素が投入される
ことにより、第1部分外部に漏れることを確認した。
【0127】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外
れない範囲で変形された形態に具現可能であるということを理解できるであろう。したが
って、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されなければなら
ない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な
範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれていると解釈されねばならない。