(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150759
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】半導体基板内のプレーナ埋込み光導波路および形成方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/134 20060101AFI20241016BHJP
G02B 6/12 20060101ALI20241016BHJP
G02F 1/01 20060101ALN20241016BHJP
【FI】
G02B6/134 321
G02B6/12 341
G02F1/01 C
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024128690
(22)【出願日】2024-08-05
(62)【分割の表示】P 2023116249の分割
【原出願日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】63/389,514
(32)【優先日】2022-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/221,281
(32)【優先日】2023-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519146787
【氏名又は名称】ツー-シックス デラウェア インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】II-VI Delaware,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-カイ・チェン
(57)【要約】
【課題】半導体基板内のプレーナ埋込み光導波路および形成方法を提供すること。
【解決手段】半導体デバイスを形成する方法は、基板上面を有する半導体基板および基板上面に沿った誘電体層を形成するステップと、誘電体層の上に第1のマスク層を形成するステップと、を含み得る。方法は、第1のマスク層内の第1の開口を介して下部クラッディング壁および上部クラッディング壁を形成するステップを含み得る。方法はまた、誘電体層の上に第2のマスク層を形成するステップと、第2のマスク層内の第2の開口を介して側方クラッディング壁を形成するステップと、を含み得る。方法を介して形成された中に埋め込まれた導波路を有するさまざまな半導体デバイスもまた開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスを製造する方法であって、
基板上面を有する半導体基板および前記基板上面に沿った誘電体層を提供するステップと、
前記基板上面を介して下部クラッディング壁を前記半導体基板において形成するステップと、
前記基板上面を介して上部クラッディング壁を前記半導体基板において形成するステップであって、前記上部クラッディング壁は、前記下部クラッディング壁の上方にある、ステップと、
前記基板上面を介して側方クラッディング壁を前記半導体基板において形成するステップであって、前記側方クラッディング壁は、前記下部クラッディング壁および前記上部クラッディング壁の横方向の側面に位置する、ステップと
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記基板上面に沿った前記誘電体層を形成するステップを含む方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記誘電体層の上にマスク層を形成するステップを含み、
前記下部クラッディング壁を形成する前記ステップは、前記マスク層における開口を介して前記下部クラッディング壁にイオン注入するステップを含み、
前記上部クラッディング壁を形成する前記ステップは、前記マスク層における前記開口を介して前記上部クラッディング壁にイオン注入するステップを含む、
方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記誘電体層の上にマスク層を形成するステップを含み、
前記側方クラッディング壁を形成する前記ステップは、前記マスク層における開口を介して前記側方クラッディング壁にイオン注入するステップを含む、
方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記誘電体層の上に第1のマスク層を形成するステップと、
前記誘電体層から前記第1のマスク層を除去するステップと、
前記第1のマスク層を除去するステップの後に、前記誘電体層の上に第2のマスク層を形成するステップと
を含み、
前記下部クラッディング壁を形成する前記ステップおよび前記上部クラッディング壁を形成する前記ステップは、前記第1のマスク層における第1の開口を介して前記下部クラッディング壁および前記上部クラッディング壁にイオン注入するステップを含み、
前記側方クラッディング壁を形成する前記ステップは、前記第2のマスク層における第2の開口を介して前記側方クラッディング壁にイオン注入するステップを含む、
方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、側方クラッディング壁を形成する前記ステップは、各側方クラッディング壁が前記下部クラッディング壁から前記上部クラッディング壁まで垂直に広がるようなエネルギーの範囲を用いてイオン注入するステップを含む、方法。
【請求項7】
半導体デバイスであって、
基板上面を有する半導体基板および前記基板上面に埋め込まれる導波路を備え、
前記導波路は、ドーピングした下部クラッディング壁および前記ドーピングした下部クラッディング壁の上方のドーピングした上部クラッディング壁を備え、
前記導波路は、前記ドーピングした下部クラッディング壁および前記ドーピングした上部クラッディング壁の横方向の側面に位置するドーピングした側方クラッディング壁を備える、
半導体デバイス。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体デバイスであって、前記ドーピングした下部クラッディング壁、前記ドーピングした上部クラッディング壁、および、前記ドーピングした側方クラッディング壁の各々の屈折率は、前記半導体基板の屈折率と異なる、半導体デバイス。
【請求項9】
請求項7に記載の半導体デバイスであって、前記ドーピングした下部クラッディング壁、前記ドーピングした上部クラッディング壁、および、前記ドーピングした側方クラッディング壁の各々の自由キャリアの密度は、前記半導体基板の自由キャリアの密度と異なる、半導体デバイス。
【請求項10】
請求項7に記載の半導体デバイスであって、
前記ドーピングした側方クラッディング壁は、第1のドーピングした側方クラッディング壁および第2のドーピングした側方クラッディング壁を含み、
前記ドーピングした下部クラッディング壁は、前記第1のドーピングした側方クラッディング壁から前記第2のドーピングした側方クラッディング壁まで広がる、
半導体デバイス。
【請求項11】
請求項10に記載の半導体デバイスであって、前記ドーピングした上部クラッディング壁は、前記第1のドーピングした側方クラッディング壁から前記第2のドーピングした側方クラッディング壁まで広がる、半導体デバイス。
【請求項12】
請求項7に記載の半導体デバイスであって、
前記ドーピングした側方クラッディング壁は、第1のドーピングした側方クラッディング壁および第2のドーピングした側方クラッディング壁を含み、
前記第1のドーピングした側方クラッディング壁は、前記ドーピングした下部クラッディング壁から前記上部のドーピングしたクラッディング壁まで広がり、
前記第2のドーピングした側方クラッディング壁は、前記ドーピングした下部クラッディング壁から前記上部のドーピングしたクラッディング壁まで広がる、
半導体デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載の半導体デバイスであって、前記第1のドーピングした側方クラッディング壁および前記第2のドーピングした側方クラッディング壁は、前記ドーピングした下部クラッディング壁の下方に延在する、半導体デバイス。
【請求項14】
請求項12に記載の半導体デバイスであって、前記第1のドーピングした側方クラッディング壁および前記第2のドーピングした側方クラッディング壁は、前記基板上面まで延在する、半導体デバイス。
【請求項15】
請求項12に記載の半導体デバイスであって、前記基板上面は、前記導波路にわたって平坦である、半導体デバイス。
【請求項16】
請求項7に記載の半導体デバイスであって、
前記半導体基板の側面の切断されたファセットを備え、
前記導波路の出口端は、前記切断されたファセットまで延在する、
半導体デバイス。
【請求項17】
請求項7に記載の半導体デバイスであって、前記導波路は、変調器の一部を備える、半導体デバイス。
【請求項18】
請求項7に記載の半導体デバイスであって、前記導波路は、フィルタの一部を備える、半導体デバイス。
【請求項19】
請求項7に記載の半導体デバイスであって、前記導波路は、位相器の一部を備える、半導体デバイス。
【請求項20】
請求項7に記載の半導体デバイスであって、前記導波路は、マッハツェンダー変調器の一部を備える、半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張および関連出願の相互参照/参照による組み込み
[0001]本特許出願は、2022年7月15日に出願された米国特許出願第63/389,514号の非仮出願であり、上述した出願は、その全体が参照によって本願明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示は、一般に導波路および導波路を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]シリコンフォトニクスは、光デバイスまたは光電子デバイスのための光媒体として、シリコンの使用を含む。いくつかのフォトニクスデバイスにおいて、シリコンは、シリコン基板の酸化物層の頂部に位置決めされ得、そのような構成は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)として知られている。シリコンは、フォトニック部品またはマイクロフォトニック部品内にパターニングされ得る。シリコンフォトニックデバイスは、既存の半導体製造技術を用いて作製され得、シリコンは、いくつかの集積回路のための基板としてすでに用いられるので、光学および電子部品が単一のマイクロチップ上に集積されるハイブリッドデバイスを作成することが可能であり得る。
【0004】
[0004]従来は、そのような半導体製造技術は、エッチング、ブラスティング、再成長および平坦化ステップが続く成長、堆積または低屈折率材料とのボンディングを含んだ。しかしながら、そのような製造技術の複数の成長およびエッチングステップは、結果として、スタックされたチップまたはウェーハとの異質な統合のため、表面平坦性が不十分になる。
【発明の概要】
【0005】
[0005]導波路およびそのような導波路を形成する方法は、図面の少なくとも1つに関連して図示および/または記載され、請求項においてより完全に記載される。
[0006]本開示のこれらおよびその他の利点、態様および新規の特徴ならびにその示された実施形態の詳細は、以下の説明および図面からより完全に理解される。
【0006】
[0007]本開示のさまざまな特徴および利点は、添付の図面に関連した以下の詳細な説明を参照してより明確に理解され得るものであり、同様の参照符号は、同様の構造要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】[0008]半導体基板の平坦面に埋め込まれる光導波路を備える半導体デバイスの斜視図を提供する。
【
図2】[0009]
図1の半導体デバイスの断面図を提供する。
【
図3A】[0010]
図1および
図2の半導体デバイスを製造するためのプロセスを描写する。
【
図3B】
図1および
図2の半導体デバイスを製造するためのプロセスを描写する。
【
図3C】
図1および
図2の半導体デバイスを製造するためのプロセスを描写する。
【
図3D】
図1および
図2の半導体デバイスを製造するためのプロセスを描写する。
【
図3E】
図1および
図2の半導体デバイスを製造するためのプロセスを描写する。
【
図3F】
図1および
図2の半導体デバイスを製造するためのプロセスを描写する。
【
図4】[0011]
図3Aから
図3Fのプロセスによって製造される切断されたファセットのレーザデバイスおよびウィンドウファセットのレーザデバイスの上面図および端面図を提供する。
【
図5】[0012]
図3Aから
図3Fのプロセスによって製造される垂直格子結合器の上面図および断面図を提供する。
【
図6】[0013]pn接合位相器、熱光位相器、pnマイクロリング変調器および調整可能なマイクロリング波長分割多重(WDM)フィルタのための上面図および側面図を提供する。
【
図7】[0014]導波路マッハツェンダー変調器およびマイクロリングマッハツェンダー変調器のための上面図を提供する。
【
図8】[0015]さまざまな半導体材料のための特性を描写する表を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0016]以下の説明は、本開示の例を提供することによって、本開示のさまざまな態様を示す。そのような例は、非限定的であり、したがって、本開示のさまざまな態様の範囲は、提供される例のいかなる特定の特徴によっても制限されるべきではない。以下の説明において、「例えば」および「例示的な」というフレーズは、非限定的であり、概して、「例として、であり、この例に限定されない」、「例えば、であり、限定ではない」などと同義である。
【0009】
[0017]本願明細書において利用されるとき、「および/または」は、「および/または」によって接続されるリストにおける項目の任意の1つまたは複数を意味する。例えば、「xおよび/またはy」は、3つの要素セット{(x)、(y)、(x、y)}の任意の要素を意味する。換言すれば、「xおよび/またはy」は、「xおよびyの一方または両方」を意味する。他の例として、「x、yおよび/またはz」は、7つの要素セット{(x)、(y)、(z)、(x、y)、(x、z)、(y、z)、(x、y、z)}の任意の要素を意味する。換言すれば、「x、yおよび/またはz」は、「x、yおよびzの1つまたは複数」を意味する。
【0010】
[0018]本願明細書において用いられる用語は、特定の例のみを記載するためであり、開示を限定することを意図するものではない。本願明細書において用いられるとき、文脈が明らかに別段の指示をしない限り、単数形は、複数形も含むことを意図する。この明細書において用いられるとき、「備える」、「含む」、「備えている」、「含んでいる」、「有する」、「有している」などの用語は、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素および/またはそのグループの存在または追加を排除しないということをさらに理解されたい。
【0011】
[0019]本願明細書において、第1、第2などの用語は、さまざまな要素を記載するために用いられ得るが、これらの要素は、これらの用語によって制限されるべきでないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素を他の要素と区別するために用いられるだけである。したがって、例えば、後述する第1の要素、第1の構成要素または第1の部分は、本開示の教示を逸脱しない範囲で、第2の要素、第2の構成要素または第2の部分と称することができる。同様に、さまざまな空間的用語、例えば、「上部」、「下部」、「側部」などは、相対的な方法で1つの要素を他の要素と区別する際に用いられ得る。しかしながら、構成要素が異なる方法で配向され得ることを理解されたい。例えば、半導体デバイスまたはパッケージは、本開示の教示を逸脱しない範囲で、その「上」面が水平に面しており、その「側」面が垂直に面しているように、横向きにされ得る。
【0012】
[0020]図面において、層、領域および/または構成要素の厚さまたはサイズは、明確にするために誇張され得る。したがって、この開示の範囲は、そのような厚さまたはサイズによって制限されるべきではない。加えて、図面において、同様の参照符号は、考察の全
体にわたって同様の要素を参照し得る。アポストロフィ(’)を有する番号付きの要素は、アポストロフィのない対応して番号が付けられた要素に類似し得る。
【0013】
[0021]特に明記しない限り、「結合される」という用語は、互いに直接接触する2つの要素を記載するかまたは1つもしくは複数の他の要素によって間接的に接続される2つの要素を記載するために用いられ得る。例えば、要素Aが要素Bに結合される場合、要素Aは、要素Bに直接接触することができるかまたは介在する要素Cによって要素Bに間接的に接続することができる。同様に、「上に(over)」または「上に(on)」という用語は、互いに直接接触する2つの要素を記載するかまたは1つもしくは複数の他の要素によって間接的に接続される2つの要素を記載するために用いられ得る。
【0014】
[0022]
図1および
図2を以下参照して、半導体基板100および半導体基板100に埋め込まれるプレーナ光導波路200を備える半導体デバイス10が示される。特に、半導体基板100は、屈折率n
0およびキャリア密度C
0を有し得る。
図3Aから
図3Fに関しより詳細に後述するように、導波路200およびその壁210、220、230、240は、拡散、イオン注入または選択的成長および平坦化技術による高ドープ領域であり得る。この目的で、半導体基板100の結晶組成は、ドーパント(例えば、SiC内のアルミニウムまたは窒素)の高濃度から自由キャリアによってその屈折率を減少するために変更され得る。特に、屈折率は、式(1)によって自由キャリアにより減少し得る。
【0015】
【0016】
ni:クラッド領域の屈折率
n0:基板の屈折率
C0:基板の残りの自由キャリア密度
Ci:クラッド領域の自由キャリア密度。
光子周波数がキャリアのプラズマ周波数を上回り、かつ、導波路材料のバンドギャップ吸収周波数未満であるとき、そのような領域は、低い光学損失を経験し得る(例えば、高ドーピングのSiCにおける1,300/1,500nm)。
【0017】
[0023]Bennetら、IEEE、J.Quantum Elec.、26、113(1990)およびBosmaら、Appl.Phys.131、025703(2022)を参照されたい。その内容は、その全体が参照により本願明細書に組み込まれる。
【0018】
[0024]
図3Aから
図3Fを以下参照して、
図1から
図2の半導体デバイス10を製造するためのプロセスが示される。高ドープ領域は、例示のプレーナイオン注入プロセスにより、高濃度のドーパントを導入することによって形成され得るが、拡散または選択的成長のような他のプレーナ選択的ドーピングプロセスが用いられ得る。
図3Aでは、屈折率n
0を有する半導体基板100が提供される。半導体基板100は、基板上面101、基板上面101の反対側の基板下面102および基板上面101と基板下面102との間の基板側面103を含み得る。さらに、誘電体層110は、基板上面101上に形成され得る。さまざまな実施形態において、誘電体層110は、堆積プロセスを介して形成され得る
。
【0019】
[0025]
図3Bに示すように、開口122を有する第1のマスク層120は、誘電体層110上に形成され得る。さまざまな実施形態において、第1のマスク層120は、堆積および/または他の技術を通して誘電体層110上に形成され得る。さらに、開口122は、フォトリソグラフィ、レーザアブレーションおよび/または他のプロセスを介して形成され得る。
【0020】
[0026]
図3Bにさらに示すように、導波路200の下部クラッディング壁210は、イオン注入または他のドーピングプロセスを介して半導体基板100において形成され得る。例えば、深いイオン注入は、開口122を通してイオン注入し得、屈折率n
2を有するドーピングした水平領域を形成し得る。このドーピングした水平領域は、導波路200の下部クラッディング壁210を提供し得る。
【0021】
[0027]
図3Cに示すように、導波路200の上部クラッディング壁220は、下部クラッディング壁210と同様の方法で、イオン注入または他のドーピングプロセスを介して半導体基板100において形成され得る。例えば、浅いイオン注入プロセスは、下部クラッディング壁210を形成するために用いられたのと同じ開口122を通して、イオン注入し得る。注入されたイオンは、屈折率n
1を有する下部クラッディング壁210の上方にドーピングした水平領域を形成し得る。このドーピングした水平領域は、導波路200の上部クラッディング壁220を提供し得る。いくつかの実施形態において、浅いイオン注入プロセスは、深いイオン注入プロセスより少ないエネルギーにより注入されたイオンを与え、したがって、結果として、浅いイオン注入プロセスのイオンは、深くは注入されず、基板上面101内に注入される。
【0022】
[0028]
図3Dに示すように、
図3Bおよび
図3Cの第1のマスク層120は、除去され、開口132、134を有する第2のマスク層130によって置換され得る。例えば、第1のマスク層120は、エッチング、グラインディングおよび/またはいくつかの他の手段を介して除去され得る。さらに、第2のマスク層130は、堆積および/または他の技術を通して誘電体層110上に形成され得る。さらに、開口132、134は、フォトリソグラフィ、レーザアブレーションおよび/または他のプロセスを介して形成され得る。
【0023】
[0029]そのような開口132、134を介して、導波路200の側方クラッディング壁230、240は、イオン注入または他のドーピングプロセスを介して形成され得る。例えば、イオンは、そのような開口132、134を介して、半導体基板100内のさまざまな深さで注入され得る。開口132、134を介した複数のイオン注入を通して、屈折率n3およびn4を有するドーピング垂直領域が形成され得る。さまざまな実施形態において、複数のイオン注入は、深さの範囲にわたりイオンを基板上面101内に注入し、ドーピング垂直領域を形成するようなエネルギーの範囲に広がり得る。これらのドーピング垂直領域は、埋め込まれた導波路200の側方クラッディング壁230、240を提供し得る。示すように、下部クラッディング壁210および上部クラッディング壁220が側方クラッディング壁230、240の間に位置決めされるように、側方クラッディング壁230、240は、下部クラッディング壁210および上部クラッディング壁220の両方の横方向の側面に位置し得る。描写された実施形態において、下部クラッディング壁210および上部クラッディング壁220は、一方の側方クラッディング壁230から他方の側方クラッディング壁240まで広がり得るかまたは横断し得る。同様に、側方クラッディング壁230、240は、下部クラッディング壁210から上部クラッディング壁220まで広がり得るかまたは横断し得る。
【0024】
[0030]
図3Dの第2のマスク層130は、
図3Eに示すように除去され得、半導体デバ
イス10は、アニールされ、ドーピング領域内の自由キャリアを活性化し得る。例えば、第2のマスク層130は、エッチング、グラインディングおよび/またはいくつかの他の手段を介して除去され得る。そのようなアニーリングの後、誘電体層110は、除去され得る。また、誘電体層110は、エッチング、グラインディングおよび/またはいくつかの他の手段を介して除去され、
図1および
図2の半導体デバイスを達成し得る。注目すべきこととして、
図3Aから
図3Fのプロセスの結果としての半導体デバイス10の基板上面101は、平坦面のままとなり得ることを認識されたい。そのような平面性は、導波路200の上の他の構造、例えば、
図4から
図7で示す伝導性パッドまたはコンタクトの次の形成につながると判明し得る。
【0025】
[0031]
図4から
図7は、半導体デバイスを取得するために
図3Aから
図3Fのプロセスによって製造され得るさまざまな半導体デバイスを描写し、半導体デバイスの各々は、プレーナ上面およびそれぞれの光学構造体の少なくとも一部を備える埋め込まれた導波路を有する。特に、
図4は、切断されたファセットのレーザデバイスおよびウィンドウファセットのレーザデバイスの上面図および端面図を提供する。示すように、切断されたファセットのレーザデバイスは、導波路200の出口端が、半導体基板100の基板側面103からのレーザ出力を放出する切断されたファセット260まで延在する埋め込まれた導波路200を備え得る。反対に、ウィンドウファセットのレーザデバイスは、導波路200の出口端が、基板側面103の方に延在するが、基板側面103までは到達せず、ウィンドウファセット261を介して、基板側面103からレーザ出力を放出する埋め込まれた導波路200を備え得る。
【0026】
[0032]
図5は、垂直格子結合器270を有する埋め込まれた導波路200の上面図および断面図を提供する。示すように、垂直格子結合器270は、導波路200のレーザ出力を基板上面101の方に向け得る。このように、
図5のレーザデバイスは、レーザ出力を基板側面の代わりに基板上面101から放出し得る。
【0027】
[0033]
図6は、pn接合位相器、熱光位相器、pnマイクロリング変調器および調整可能なマイクロリング波長分割多重(WDB)フィルタのための上面図および側面図を提供する。
図7は、導波路マッハツェンダー変調器およびマイクロリングマッハツェンダー変調器のための上面図を提供する。
図6および
図7に描写される構造により示すように、
図3Aから
図3Fのプロセスを用いて、導波路200のクラッディング壁210、220、230、240および/またはさまざまな幾何学的配置の他の構造を形成し得る。この目的で、第1のマスク層120および/または第2のマスク層130は、パターニングされ、それぞれの幾何学的配置によってクラッディング壁210、220、230、240を形成するための適切な開口を提供し得る。
【0028】
[0034]最後に、
図8は、
図1から
図7の半導体基板100に適切となり得るさまざまな半導体材料のための特性を描写する。
[0035]本開示は、特定の例の参照を含むが、開示の範囲から逸脱することなく、さまざまな変更がなされ得、均等物が置換され得ることは、当業者によって理解されている。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、開示された例に対して修正が行われ得る。それゆえ、本開示が開示される例に限定されるものではなく、開示が添付の請求の範囲に含まれるすべての例を含むことが意図される。
【符号の説明】
【0029】
10 半導体デバイス
100 半導体基板
101 基板上面
102 基板下面
103 基板側面
110 誘電体層
120 第1のマスク層
122 開口
130 第2のマスク層
132 開口
134 開口
200 導波路
210 下部クラッディング壁、クラッディング壁
220 上部クラッディング壁、クラッディング壁
230 側方クラッディング壁、クラッディング壁
240 側方クラッディング壁、クラッディング壁
260 ファセット
261 ウィンドウファセット
270 垂直格子結合器
【手続補正書】
【提出日】2024-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
半導体基板上面および半導体基板下面を含む半導体基板と、
前記半導体基板上面と前記半導体基板下面との間の前記半導体基板の第1領域であって、導波路の下部クラッディング壁を提供する第1領域と、
前記第1領域と前記半導体基板上面との間の前記半導体基板の第2領域であって、前記導波路の上部クラッディング壁を提供する第2領域と、
前記半導体基板の第3領域であって、前記導波路の第1面クラッディング壁を提供する第3領域と、
前記半導体基板の第4領域であって、前記導波路の第2面クラッディング壁を提供する第4領域と
を含み、
前記第3領域により提供される前記第1面クラッディング壁および前記第4領域により提供される前記第2面クラッディング壁は、前記第1領域により提供される前記下部クラッディング壁および前記第2領域により提供される前記上部クラッディング壁の横方向の側面に位置する、
半導体デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記半導体基板の前記第1領域と、前記第2領域と、前記第3領域と、前記第4領域との各々の屈折率は、前記半導体基板の屈折率と異なる、半導体デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記半導体基板の前記第1領域と、前記第2領域と、前記第3領域と、前記第4領域との各々の自由キャリア密度は、前記半導体基板の自由キャリア密度と異なる、半導体デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記第1領域により提供される前記下部クラッディング壁は、
少なくとも、前記第3領域により提供される前記第1面クラッディング壁と、
少なくとも、前記第4領域により提供される前記第2面クラッディング壁と
まで横方向に広がる、半導体デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体デバイスであって、前記第2領域により提供される前記上部クラッディング壁は、
少なくとも、前記第3領域により提供される前記第1面クラッディング壁と、
少なくとも、前記第4領域により提供される前記第2面クラッディング壁と
まで横方向に広がる、半導体デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、
前記第3領域により提供される前記第1面クラッディング壁は、前記第1領域により提供される前記下部クラッディング壁より下方まで延在し、
前記第4領域により提供される前記第2面クラッディング壁は、前記第1領域により提供される前記下部クラッディング壁より下方まで延在する、
半導体デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、
前記第3領域により提供される前記第1面クラッディング壁は、前記半導体基板上面まで延在し、
前記第4領域により提供される前記第2面クラッディング壁は、前記半導体基板上面まで延在する、
半導体デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記半導体基板上面は前記導波路にわたり平坦である、半導体デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記半導体基板上面は平坦である、半導体デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、
前記半導体基板の側面の切断されたファセット
を備え、
前記導波路の出口端は、前記切断されたファセットまで延在する、
半導体デバイス。
【請求項11】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記導波路は変調器の一部を含む、半導体デバイス。
【請求項12】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記導波路はフィルタの一部を含む、半導体デバイス。
【請求項13】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記導波路は位相器の一部を含む、半導体デバイス。
【請求項14】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記導波路はマッハツェンダー変調器の一部を含む、半導体デバイス。
【請求項15】
半導体デバイスを製造する方法であって、
導波路の下部クラッディング壁を提供するために半導体基板の第1領域の屈折率を調整するステップと、
前記導波路の上部クラッディング壁を提供するために前記半導体基板の第2領域の屈折率を調整するステップと、
第1面クラッディング壁を提供するために前記半導体基板の第3領域の屈折率を調整するステップであって、前記第1面クラッディング壁は、前記第1領域により提供される前記下部クラッディング壁の第1面および前記第2領域により提供される前記上部クラッディング壁の第1面の側に位置する、ステップと、
第2面クラッディング壁を提供するために前記半導体基板の第4領域の屈折率を調整するステップであって、前記第2面クラッディング壁は、前記第1領域により提供される前記下部クラッディング壁の第2面および前記第2領域により提供される前記上部クラッディング壁の第2面の側に位置する、ステップと
を含む方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記第1領域の前記屈折率を調整する前記ステップは、マスク層における開口を介して第1領域にイオン注入するステップを含み、
前記第2領域の前記屈折率を調整する前記ステップは、前記マスク層における前記開口を介して前記第2領域にイオン注入するステップを含む、
方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、
前記第3領域の前記屈折率を調整する前記ステップは、マスク層における第1開口を介して前記第3領域にイオン注入するステップを含み、
前記第4領域の前記屈折率を調整する前記ステップは、前記マスク層における第2開口を介して前記第4領域にイオン注入するステップを含む、
方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、
前記第3領域の前記屈折率を調整する前記ステップは、前記第3領域により提供される前記第1面クラッディング壁が、前記第1領域により提供される前記下部クラッディング壁から前記第2領域により提供される前記上部クラッディング壁まで垂直に広がるようなエネルギーの範囲を用いて、前記第3領域にイオン注入するステップを含む、
方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であって、前記半導体基板の前記第1領域と、前記第2領域と、前記第3領域と、前記第4領域との各々の自由キャリア密度は、前記半導体基板の自由キャリア密度と異なる、方法。
【請求項20】
請求項15に記載の方法であって、
前記第3領域の前記屈折率の調整は、前記第3領域を前記半導体基板の上面まで延在させ、
前記第4領域の前記屈折率の調整は、前記第4領域を前記半導体基板の前記上面まで延在させる、
方法。
【外国語明細書】