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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150764
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】決済端末及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20241016BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALI20241016BHJP
【FI】
G06Q30/0201
G06Q20/20
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024128985
(22)【出願日】2024-08-05
(62)【分割の表示】P 2020161598の分割
【原出願日】2020-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】南部 和哉
(72)【発明者】
【氏名】荒井 康博
(72)【発明者】
【氏名】桜井 謙次
(57)【要約】
【課題】決済者が電子決済を利用して購入した商品の情報を決済事業者に提供するサービスを実現する。
【解決手段】レシートサーバは、取得部と、出力部と、を備える。取得部は、商取引の決済時に決済端末で生成されたレシートデータを記憶するレシート記憶部から、商取引の決済を支援する決済事業者に対して決済端末から通知される決済売上データに含まれる取引識別情報で識別される商取引のレシートデータを取得する。出力部は、取得部で取得したレシートデータに含まれる購入商品に係る情報を決済事業者の決済サーバに出力する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商取引の決済時に決済端末で生成されたレシートデータを記憶するレシート記憶部から、前記商取引の決済を支援する決済事業者に対して前記決済端末から通知される決済売上データに含まれる取引識別情報で識別される商取引のレシートデータを取得する取得部と、
前記取得部で取得した前記レシートデータに含まれる購入商品に係る情報を前記決済事業者の決済サーバに出力する出力部と、
を具備するレシートサーバ。
【請求項2】
前記取得部は、前記決済サーバからの要求コマンドに含まれる前記取引識別情報で識別される商取引のレシートデータを取得し、
前記出力部は、前記要求コマンド送信元の前記決済サーバに前記購入商品に係る情報を出力する、請求項1記載のレシートサーバ。
【請求項3】
前記取引識別情報で識別される商取引の決済者に設定された第1識別情報を検出する検出部と、
前記レシート記憶部に記憶され、前記取得部によって取得されたレシートデータに前記第1識別情報を追加する追加部と、
をさらに具備する、請求項1又は2記載のレシートサーバ。
【請求項4】
前記レシート記憶部は、第1レシート記憶部と第2レシート記憶部とを含み、
電子レシート利用者を識別する第2識別情報を含むレシートデータを前記第1レシート記憶部に記憶させ、決済事業者による支援により決済された商取引であることを示す情報を含むレシートデータを前記第2レシート記憶部に記憶させる処理部、
をさらに具備し、
前記取得部は、前記第2レシート記憶部からレシートデータを取得する、請求項1乃至3のうちいずれか1項記載のレシートサーバ。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちいずれか1項記載のレシートサーバと、
決済端末から通知される決済売上データに含まれる取引識別情報で前記レシートサーバに問合せを行う問合せ部、及び、前記問合せに対して前記レシートサーバから出力された購入商品に係る情報を、前記取引識別情報を含む前記決済売上データと関連付けて記憶する記憶部、を有する決済サーバと、
を具備するサーバシステム。
【請求項6】
コンピュータに、
商取引の決済時に決済端末で生成されたレシートデータを記憶するレシート記憶部から、前記商取引の決済を支援する決済事業者に対して前記決済端末から通知される決済売上データに含まれる取引識別情報で識別される商取引のレシートデータを取得させる機能と、
前記取得した前記レシートデータに含まれる購入商品に係る情報を前記決済事業者の決済サーバに出力させる機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、レシートサーバ及びそのプログラム、並びにレシートサーバを含むサーバシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、取引の決済を電子的に処理する電子決済が注目されている。電子決済は、例えばクレジットカード決済、電子マネー決済、バーコード又は二次元コード等を用いたコード決済等である。実店舗において電子決済が行われると、決済端末から決済事業者のサーバに決済売上データが出力される。決済売上データには、決済者の情報、取引日時の情報、取引店舗の情報、決済金額の情報等が含まれる。しかし、決済者が購入した商品の情報は含まれていない。したがって決済事業者は、誰がいつどこでいくら電子決済を利用したかという情報は把握できるものの、何を購入したかという情報までは把握できない。決済者が電子決済を利用して購入した商品の情報を決済事業者に提供するサービスが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-113005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、決済者が電子決済を利用して購入した商品の情報を決済事業者に提供するサービスを実現できるレシートサーバ及びサーバシステムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、レシートサーバは、取得部と、出力部と、を備える。取得部は、商取引の決済時に決済端末で生成されたレシートデータを記憶するレシート記憶部から、商取引の決済を支援する決済事業者に対して決済端末から通知される決済売上データに含まれる取引識別情報で識別される商取引のレシートデータを取得する。出力部は、取得部で取得したレシートデータに含まれる購入商品に係る情報を決済事業者の決済サーバに出力する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態の概略を示すシステム図。
図2】POS側設定テーブルのデータ構造を示す模式図。
図3】レシート処理部の主要な処理手順を示す流れ図。
図4】レシートサーバの要部回路構成を示すブロック図。
図5】サーバ側設定テーブルのデータ構造を示す模式図。
図6】レシートサーバのプロセッサが実行するレシートデータ振分処理の手順を示す流れ図。
図7】第1ファイルに記憶される第1レシートデータの構造を示す模式図。
図8】第2ファイルに記憶される第2レシートデータの構造を示す模式図。
図9】決済サーバの要部回路構成を示すブロック図。
図10】決済情報ファイルに記憶される決済売上データの構造を示す模式図。
図11】一実施形態において、決済サーバのプロセッサが実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
図12】一実施形態において、レシートサーバのプロセッサが実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
図13】他の実施形態において、決済サーバのプロセッサが実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
図14】他の実施形態において、レシートサーバのプロセッサが実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、レシートサーバ及びサーバシステムの一実施形態について、図面を用いて説明する。
【0008】
[第1の実施形態]
図1は、一実施形態の概略を示すシステム図である。本システムは、複数台のPOS(Point Of Sales)端末10と、1台のレシートサーバ20と、複数台の決済サーバ30と、通信ネットワーク40とを含む。通信ネットワーク40は、インターネット、電話網又はLAN(Local Area Network)等の1以上のネットワークで構成される。
【0009】
各POS端末10は、それぞれ店舗に設置され、客が購入する商品の登録と決済に利用されるコンピュータ端末である。店舗は、業態を問わない。店舗は、量販店、専門店等の小売店であってもよいし、飲食店であってもよい。各POS端末10は、それぞれ通信ネットワーク40に接続される。各POS端末10は、各々が通信ネットワーク40に直接接続されていてもよいし、1台以上のPOS端末10が中継サーバを介して通信ネットワーク40に接続されていてもよい。
【0010】
レシートサーバ20は、電子レシートサービスを運営する企業体によって管理されるサーバ用コンピュータである。電子レシートサービスは、店舗での会計の際にPOS端末10から発行されるレシートの印字データを電子化し、決済者である客が所有する通信端末でレシートを画像として閲覧可能にするサービスである。通信端末は、典型的にはスマートフォンである。通信端末は、タブレット端末、パソコン等であってもよい。レシートサーバ20は、通信ネットワーク40に接続される。レシートサーバ20は、通信ネットワーク40に接続された各POS端末10と協働して、客に電子レシートサービスを提供する。
【0011】
電子レシートサービスを利用するユーザは、専用のアプリケーションプログラム、いわゆる電子レシートアプリを可搬型の通信端末、例えばスマートフォンにインストールする。電子レシートアプリを通信端末にインストールすることにより、ユーザの識別子となるレシートIDが発行される。レシートIDは、例えばバーコードの形態で通信端末のディスプレイに表示される。ユーザが客となる商取引の決済時にPOS端末10のスキャナでレシートIDが読み取られると、その商取引の明細を示すレシートデータが電子化されてPOS端末10からレシートサーバ20へと送信される。レシートデータには、レシートIDが含まれる。ユーザは、通信端末の電子レシートアプリでレシートサーバ20にアクセスする。そうすると、その通信端末に設定されたレシートIDを含むレシートデータに基づくレシート画像がレシートサーバ20からダウンロードされる。ユーザは、ダウンロードされたレシート画像を通信端末で閲覧することができる。
【0012】
各決済サーバ30は、それぞれ電子決済による商取引の決済を支援する決済事業者によって管理されるサーバ用コンピュータである。電子決済は、クレジットカード決済、電子マネー決済、バーコード又は二次元コード等を用いたコード決済等である。各決済サーバ30は、通信ネットワーク40に接続される。各決済サーバ30は、通信ネットワーク40を通じて各POS端末10で実行される電子決済を支援する。
【0013】
決済サーバ30は、その決済サーバ30で支援する電子決済がPOS端末10で実行される毎に、決済番号を発番する。決済番号は、典型的には通し番号である。決済番号は、決済事業者により、承認番号、取引通番、伝票番号等と称される。決済番号は、決済名称、決済金額等とともに、電子決済された商取引のレシートデータに含まれる。
【0014】
決済名称は、決済金額の種別を表す名称である。決済金額が現金決済の支払金額である場合、決済名称は例えば「現計」である。決済金額がクレジットカード決済の支払金額の場合、決済名称は例えば「信計」又は「クレジット計」である。決済金額が電子マネー決済の支払金額の場合、決済名称は例えば電子マネーの種類を示す固有名称である。決済金額がコード決済の支払金額の場合、決済名称は例えばコード決済の種類を示す固有名称である。
【0015】
ここに、レシートサーバ20と各決済サーバ30とは、サーバシステム100を構成する。すなわちサーバシステム100は、レシートサーバ20と各決済サーバ30とを通信ネットワーク40で接続したコンピュータネットワークシステムである。なお、サーバシステム100は、レシートサーバ20及び決済サーバ30以外のサーバを含んでいてもよい。
【0016】
次に、POS端末10、レシートサーバ20及び決済サーバ30について詳細に説明する。
POS端末10は、商品登録部11としての機能と、決済処理部12としての機能と、レシート処理部13としての機能とを有する。商品登録部11は、客が購入する商品の販売データをメモリに登録する機能である。この機能により、客との商取引の合計金額が算出される。商品登録部11としての機能は周知であるので、詳細な説明は省略する。
【0017】
決済処理部12は、商取引の合計金額に対しての支払データを基に商取引を決済する機能である。現金支払いの場合、決済処理部12は、現金決済処理を実行する。クレジットカード支払いの場合、決済処理部12は、クレジットカード決済処理を実行する。電子マネー支払いの場合、決済処理部12は、電子マネー決済処理を実行する。コード決済支払いの場合、決済処理部12はコード決済処理を実行する。現金決済処理、クレジットカード決済処理、電子マネー決済処理及びコード決済処理はいずれも周知の処理であるので、詳細な説明は省略する。なお、決済サーバ30によって支援される電子決済によって商取引が決済された場合、従来と同様に、POS端末10からその決済サーバ30へと決済売上データが出力される。決済売上データには、決済者である客の情報、取引日時の情報、取引店舗の情報、決済番号及び決済金額の情報等が含まれる。
【0018】
レシート処理部13は、商取引の決済毎に生成されるレシートデータを処理する機能である。レシート処理部13は、図2に示すデータ構造のPOS側設定テーブル131を用いて、レシートデータを処理する。POS側設定テーブル131は、例えばレシートサーバ20から各POS端末10にダウンロードされる。
【0019】
POS側設定テーブル131は、事業者コード別に決済名称を設定したデータテーブルである。事業者コードは、各決済事業者を個々に識別するために決済事業者毎に設定された一意のコードである。決済名称は、対応する事業者コードで特定される決済事業者の決済サーバ30で支援された電子決済での決済金額を表す名称である。
【0020】
図3は、レシート処理部13の主要な処理手順を示す流れ図である。この処理は、決済処理部12で商取引が決済される毎に開始される。すなわちレシート処理部13は、商取引が決済されると、ACT1としてその商取引の明細を示すレシートデータを取得する。レシートデータは、決済処理部12によって生成される。レシートデータは、取引日時、取引番号、登録商品データ、合計金額、決済名称、決済金額等が含まれる。また、商取引の決済の際にPOS端末10のスキャナでレシートIDが読み取られていた場合には、レシートIDがレシートデータに含まれる。また、電子決済により商取引が決済された場合には、決済番号がレシートデータに含まれる。
【0021】
レシート処理部13は、ACT2としてレシートデータにレシートIDが含まれているか否かを確認する。レシートデータにレシートIDが含まれている場合、レシート処理部13は、ACT2においてYESと判定し、ACT6へと進む。ACT6以降の処理は後述する。
【0022】
レシートデータにレシートIDが含まれていない場合には、レシート処理部13は、ACT2においてNOと判定し、ACT3へと進む。レシート処理部13は、ACT3としてレシートデータに含まれる決済名称を取得する。レシート処理部13は、ACT4としてその決済名称がPOS側設定テーブル131に設定されているか否か、つまりは電子決済の決済金額を表す名称であるか否かを確認する。決済名称がPOS側設定テーブル131に設定されていない場合、すなわち電子決済でない場合には、レシート処理部13は、ACT4においてNOと判定し、ACT5へと進む。レシート処理部13は、ACT5としてPOS端末10のプリンタを制御して、レシートデータをレシート用紙に印字出力する。
【0023】
一方、決済名称がPOS側設定テーブル131に設定されている場合には、レシート処理部13は、ACT4においてYESと判定し、ACT6へと進む。
このようにレシート処理部13は、レシートIDを含むレシートデータを取得するか、レシートIDは含まれていないが電子決済の決済名称を含むレシートデータを取得した場合には、ACT6へと進む。レシート処理部13は、ACT6としてレシートデータの電子化を行う。すなわちレシート処理部13は、非構造化形式のレシートデータを、所定の変換規則に従って、構造化形式のレシートデータ、いわゆる電子レシートデータに変換する。
【0024】
レシートデータの電子化を終えると、レシート処理部13は、ACT7としてその電子化したレシートデータをレシートサーバ20に送信する。レシートデータは、通信ネットワーク40を通じて、レシートサーバ20へと送信される。
【0025】
このように、レシートデータをレシート用紙に印字出力するか、電子化してレシートサーバ20に送信すると、レシート処理部13は、図3の流れ図に示す手順の処理を終了する。
【0026】
図4は、レシートサーバ20の要部回路構成を示すブロック図である。レシートサーバ20は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24及び通信インターフェース25を備える。レシートサーバ20は、プロセッサ21と、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24及び通信インターフェース25とを、システムバス26で接続している。システムバス26は、アドレスバス、データバス等を含む。レシートサーバ20は、プロセッサ21とメインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24及び通信インターフェース25とを、システムバス26で接続することによって、コンピュータを構成している。
【0027】
プロセッサ21は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、レシートサーバ20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0028】
メインメモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域及び揮発性のメモリ領域を含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。またメインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0029】
補助記憶デバイス23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス23としては、例えばEEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の周知の記憶デバイスを単独で、あるいは複数組み合わせて用いられる。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ21での処理によって生成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス23は、アプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0030】
メインメモリ22又は補助記憶デバイス23が記憶するアプリケーションプログラムは、後述する制御プログラムを含む。制御プログラムをメインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールする方法は特に限定されない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0031】
時計24は、レシートサーバ20の時刻情報源として機能する。プロセッサ21は、時計24によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時刻を取得する。
【0032】
通信インターフェース25は、通信ネットワーク40を接続する。レシートサーバ20は、通信インターフェース25を介して、通信ネットワーク40に接続されるPOS端末10及び決済サーバ30とデータ通信を行う。また、レシートサーバ20は、通信インターフェース25を介して、電子レシートアプリがインストールされた通信端末とデータ通信を行う。
【0033】
かかる構成のレシートサーバ20は、補助記憶デバイス23の記憶領域の一部を、サーバ側設定テーブル231としての領域と、第1ファイル232としての領域と、第2ファイル233としての領域としている。
【0034】
図5は、サーバ側設定テーブル231のデータ構造を示す模式図である。図示するようにサーバ側設定テーブル231は、事業者コード別に決済名称と出力フラグとを設定したデータテーブルである。出力フラグは、対応する事業者コードで特定される決済事業者が購買情報提供対象の決済事業者であるか否かを識別するための1ビットデータである。購買情報とは、客が購入した商品、いわゆる購入商品の商品コード、商品名、価格等である。本実施形態では、購買情報提供対象の決済事業者を示す出力フラグを“1”とし、購買情報提供対象外の決済事業者を示す出力フラグを“0”とする。
【0035】
第1ファイル232及び第2ファイル233は、各POS端末10から受信したレシートデータを記憶するためのレシート記憶部として機能する。プロセッサ21は、サーバ側設定テーブル231を参照して、各POS端末10から受信したレシートデータの記憶先を第1ファイル232又は第2ファイル233あるいは第1ファイル232と第2ファイル233との双方に振り分ける。
【0036】
図6は、レシートサーバ20のプロセッサ21が実行するレシートデータ振分処理の手順を示す流れ図である。プロセッサ21は、ACT11としてレシートデータの受信を待ち受けている。レシートデータを受信すると、プロセッサ21は、ACT11においてYESと判定し、ACT12へと進む。プロセッサ21は、ACT12としてレシートデータにレシートIDが含まれているか否かを確認する。レシートデータにレシートIDが含まれている場合、プロセッサ21は、ACT12においてYESと判定し、ACT13へと進む。プロセッサ21は、ACT13としてレシートデータを第1ファイル232に保存する。そしてプロセッサ21は、ACT14へと進む。
【0037】
レシートデータにレシートIDが含まれていない場合には、プロセッサ21は、ACT12においてNOと判定する。プロセッサ21は、ACT13の処理をスキップして、ACT14へと進む。プロセッサ21は、ACT14としてレシートデータに含まれる決済名称を取得する。そしてプロセッサ21は、ACT15としてその決済名称がサーバ側設定テーブル231に設定されているか否か、つまりは電子決済の決済金額を表す名称であるか否かを確認する。決済名称がサーバ側設定テーブル231に設定されていない場合、すなわち電子決済でない場合には、プロセッサ21は、ACT15においてNOと判定し、この振分処理を終了する。
【0038】
決済名称がサーバ側設定テーブル231に設定されている、すなわち電子決済である場合には、プロセッサ21は、ACT16としてその決済名称に対応してサーバ側設定テーブル231に設定されている出力フラグを調べる。ここで、出力フラグが“0”、すなわち購買情報提供対象外の決済事業者に係る電子決済の場合には、プロセッサ21は、ACT16においてNOと判定し、この振分処理を終了する。
【0039】
出力フラグが“1”、すなわち購買情報提供対象の決済事業者に係る電子決済の場合には、プロセッサ21は、ACT16においてYESと判定し、ACT17へと進む。プロセッサ21は、ACT17としてレシートデータを第2ファイル233に保存する。以上で、プロセッサ21は、この振分処理を終了する。
【0040】
このような振分処理により、第1ファイル232には、レシートIDを含むレシートデータ、つまりは電子レシートサービスを受ける客の商取引に係るレシートデータが記憶される。第2ファイル233には、購買情報提供対象の決済事業者に係る電子決済で決済された商取引のレシートデータが記憶される。なお、電子レシートサービスを受ける客の商取引であっても、購買情報提供対象の決済事業者に係る電子決済で決済された商取引のレシートデータは、第1ファイル232と第2ファイル233の双方に記憶される。以下では、第1ファイル232に記憶されるレシートデータを第1レシートデータRa(図7を参照)と称する。第2ファイル233に記憶されるレシートデータを第2レシートデータRb(図8を参照)と称する。
【0041】
ここに、第1ファイル232及び第2ファイル233は、レシート記憶部を構成する。そして第1ファイル232は、第1レシート記憶部を構成し、第2ファイル233は、第2レシート記憶部を構成する。
【0042】
また、振分処理を実行するプロセッサ21は、処理部を構成する。すなわちプロセッサ21は、電子レシート利用者を識別する第2識別情報(レシートID)を含むレシートデータを第1レシート記憶部(第1ファイル232)に記憶させ、決済事業者による支援により決済された商取引であることを示す情報(決済名称)を含むレシートデータを第2レシート記憶部(第2ファイル233)に記憶させる。
【0043】
図7は、第1ファイル232に記憶される第1レシートデータRaの構造を示す模式図である。図示するように第1レシートデータRaは、少なくともレシートID、店舗コード、取引日時、レジ番号、取引番号、登録商品データ、合計金額、決済名称、決済金額等を含む。店舗コードは、第1レシートデータRaを送信したPOS端末10が設置されている店舗の識別子である。取引日時は、POS端末10で商取引が決済された日付と時刻である。レジ番号は、POS端末10の識別子である。取引番号は、そのPOS端末10で決済された商取引に対して発番される通し番号である。登録商品データは、購入商品として登録された商品に係る情報であって、商品コード、価格、販売点数、販売金額等からなる。登録商品データは、商品コードの代わりに商品名を含んでいてもよい。あるいは登録商品データは、商品コードと商品名とを含んでいてもよい。合計金額は、登録商品データに含まれる販売金額の合算額である。決済名称及び決済金額は、その合計金額に対する支払データの決済名称及び決済金額である。なお、電子決済された商取引に係る第1レシートデータRaには、さらに決済番号が含まれる。
【0044】
図8は、第2ファイル233に記憶される第2レシートデータRbの構造を示す模式図である。図示するように第2レシートデータRbは、少なくとも店舗コード、取引日時、レジ番号、取引番号、登録商品データ、合計金額、決済名称、決済金額、決済番号等を含む。なお、電子レシートサービスを受ける客の商取引に係る第2レシートデータRbには、レシートIDが含まれる。
【0045】
図8に示される他方の第2レシートデータRbbは、後述する購買情報受渡し処理が行われた後の第2レシートデータを示すものである。第2レシートデータRbbは、第2レシートデータRbにユーザIDと端末IDとを追加したデータである。ユーザIDと端末IDとについては後述する。
【0046】
図9は、決済サーバ30の要部回路構成を示すブロック図である。決済サーバ30は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34及び通信インターフェース35を備える。決済サーバ30は、プロセッサ31と、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34及び通信インターフェース35とを、システムバス36で接続している。システムバス36は、アドレスバス、データバス等を含む。決済サーバ30は、プロセッサ31とメインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34及び通信インターフェース35とを、システムバス36で接続することによって、コンピュータを構成している。
【0047】
プロセッサ31は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ31は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、決済サーバ30としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ31は、例えばCPUである。
【0048】
メインメモリ32は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域及び揮発性のメモリ領域を含む。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ32は、プロセッサ31が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。またメインメモリ32は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ31によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0049】
補助記憶デバイス33は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス33としては、例えばEEPROM、HDD又はSSD(等の周知の記憶デバイスを単独で、あるいは複数組み合わせて用いられる。補助記憶デバイス33は、プロセッサ31が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ31での処理によって生成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス33は、アプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0050】
メインメモリ32又は補助記憶デバイス33が記憶するアプリケーションプログラムは、後述する制御プログラムを含む。制御プログラムをメインメモリ32又は補助記憶デバイス33にインストールする方法は特に限定されない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ32又は補助記憶デバイス33にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0051】
時計34は、決済サーバ30の時刻情報源として機能する。プロセッサ31は、時計34によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時刻を取得する。
【0052】
通信インターフェース35は、通信ネットワーク40を接続する。決済サーバ30は、通信インターフェース35を介して、通信ネットワーク40に接続されるPOS端末10及びレシートサーバ20とデータ通信を行う。
【0053】
かかる構成の決済サーバ30は、補助記憶デバイス33の記憶領域の一部を、決済情報ファイル331としての領域としている。決済情報ファイル331は、各POS端末10から決済サーバ30へと送信された決済売上データを記憶するためのデータファイルである。
【0054】
図10は、決済情報ファイル331に記憶される決済売上データRcの構造を示す模式図である。決済売上データRcは、店舗コード、取引日時、決済番号、決済金額、ユーザID及び端末IDを含む。ユーザIDは、電子決済を利用する客の識別子である。端末IDは、スマートフォン等の通信端末の識別子である。
【0055】
電子決済を利用する客は、事前に決済事業者に対してユーザ登録を行う。このユーザ登録により、決済事業者から固有のユーザIDが発行される。ユーザIDは、クレジットカード、電子マネーカード、スマートフォン等の電子決済用の媒体に記憶される。POS端末10は、電子決済を実行する際に媒体からユーザIDを取り込む。そしてPOS端末10は、ユーザIDを含む決済売上データRcを、該当する決済事業者の決済サーバ30へと送信する。ここで、媒体が通信端末であった場合には、POS端末10は、その通信端末から端末IDも取り込む。そしてPOS端末10は、この端末IDもさらに含めて、決済売上データRcを決済サーバ30へと送信する。因みに、媒体が通信端末でなかった場合の電子決済に係る決済売上データRcの端末IDは、NULLデータとなる。
【0056】
図10に示される他方の決済売上データRccは、後述する購買情報受渡し処理が行われた後の決済売上データを示すものである。決済売上データRccは、決済売上データRcに1以上の登録商品データを追加したデータである。
【0057】
このように、購買情報受渡し処理が実行される前の決済売上データRcは、登録商品データを含まない。したがって決済事業者は、決済情報ファイル331の決済売上データRcから、誰がいつどこでいくら電子決済を利用したかという情報を把握することができるが、決済者が購入した商品の情報、いわゆる購買情報までは把握できない。購買情報は、レシートサーバ20にある。そこで本実施形態では、決済サーバ30に、購買情報をレシートサーバ20から取得する処理を実現するための制御プログラム、いわゆる購買情報取得アプリを実装する。またレシートサーバ20に、この購買情報取得アプリと連動して、必要な購買情報を決済サーバ30に応答する処理を実現するための制御プログラム、いわゆる購買情報応答アプリを実装する。
【0058】
図11は、購買情報取得アプリに従い決済サーバ30のプロセッサ31が実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。図12は、購買情報応答アプリに従いレシートサーバ20のプロセッサ21が実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。以下、各図を参照して、第1の実施形態に係るサーバシステム100の主要な動作について説明する。なお、以下に説明する動作は一例である。同様な作用効果を得ることができるのであれば、動作の手順は特に限定されない。
【0059】
決済情報ファイル331に決済売上データRcが保存される毎に起動する。購買情報取得アプリは、予め設定された時刻、例えば毎時0分になると起動してもよい。
【0060】
購買情報取得アプリが起動すると、決済サーバ30のプロセッサ31は、図11の流れ図に示す手順の処理を開始する。先ず、プロセッサ31は、ACT21として処理対象となる決済売上データが決済情報ファイル331に保存されている否かを確認する。処理対象の決済売上データとは、登録商品データが付加されていない決済売上データRcである。登録商品データが付加された決済売上データRccは、処理対象外となる。
【0061】
決済情報ファイル331に処理対象の決済売上データRcが保存されている場合、プロセッサ31は、ACT21においてYESと判定し、ACT22へと進む。プロセッサ31は、ACT22として決済売上データRcを決済情報ファイル331から取得する。そしてプロセッサ31は、ACT23としてその決済売上データRcから決済番号を取得する。またプロセッサ31は、ACT24として決済売上データRcからユーザIDと端末IDとを取得する。
【0062】
プロセッサ31は、ACT25としてレシートサーバ20に対して購買情報要求コマンドを送信する。購買情報要求コマンドには、決済売上データRcから取得した決済番号とユーザID及び端末IDとが含まれる。購買情報要求コマンドは、通信ネットワーク40を介してレシートサーバ20に送信される。
【0063】
レシートサーバ20においては、購買情報応答アプリが常駐している。そしてレシートサーバ20のプロセッサ21は、図12のACT31として購買情報要求コマンドを待ち受けている。通信ネットワーク40を介して購買情報要求コマンドを受信すると、プロセッサ21は、ACT31においてYESと判定し、ACT32へと進む。プロセッサ21は、ACT32として購買情報要求コマンドから決済番号を取得する。そしてプロセッサ21は、ACT33としてこの決済番号を検索キーとして第2ファイル233を検索する。
【0064】
プロセッサ21は、ACT34として検索キーとしての決済番号を含む第2レシートデータRbの有無を判別する。該当する第2レシートデータRbが第2ファイル233に保存されていない場合、プロセッサ21は、ACT34においてNOと判定し、ACT35へと進む。プロセッサ21は、ACT35として購買情報要求コマンド送信元の決済サーバ30に対し、エラー応答コマンドを送信する。
【0065】
例えば、POS端末10とレシートサーバ20との間の通信に障害が発生した場合、電子決済された商取引の決済売上データは該当する決済サーバ30に送信されるものの、その商取引のレシートデータは第2ファイル233に保存されていない。このような場合、エラーとなる。
【0066】
検索キーとしての決済番号を含む第2レシートデータRbが第2ファイル233に保存されている場合には、プロセッサ21は、ACT34においてYESと判定し、ACT36へと進む。プロセッサ21は、ACT36としてその第2レシートデータRbから登録商品データを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT37として購買情報要求コマンド送信元の決済サーバ30に対し、正常応答コマンドを送信する。正常応答コマンドは、ACT36の処理で取得した登録商品データを含む。
【0067】
プロセッサ21は、ACT38として購買情報要求コマンドからユーザID及び端末IDを検出する。そしてプロセッサ21は、ACT39としてそのユーザID及び端末IDを、検索キーとしての決済番号を含む第2レシートデータRbに追加する。
【0068】
以上で、プロセッサ21は、購買情報要求コマンドに対する応答処理を終了する。そしてプロセッサ21は、次の購買情報要求コマンドを受信すると、ACT32乃至ACT38の処理を前述したのと同様に実行する。
【0069】
図11の説明に戻る。
正常応答コマンド又はエラー応答コマンドは、通信ネットワーク40を介して購買情報要求コマンド送信元の決済サーバ30で受信される。購買情報要求コマンドを送信した決済サーバ30のプロセッサ31は、ACT26として応答コマンドを待ち受けている。この待ち受け状態において、エラー応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT26においてNOと判定し、ACT21へと戻る。
【0070】
一方、正常応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT26においてYESと判定し、ACT27へと進む。プロセッサ31は、ACT27として正常応答コマンドに含まれる登録商品データを、ACT22の処理で取得した処理対象の決済売上データRcに追加する。これにより、決済売上データRcは、決済売上データRccとなる。その後、プロセッサ31は、ACT21へと戻る。
【0071】
プロセッサ31は、他に処理対象の決済売上データRcが決済情報ファイル331に保存されているか否かを確認する。処理対象の決済売上データRcが保存されている場合には、プロセッサ31は、その決済売上データRcについて、ACT22乃至ACT27の処理を前述したのと同様に実行する。処理対象の決済売上データRcが保存されていない場合には、プロセッサ31は、図11の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0072】
ここに、決済サーバ30のプロセッサ31は、図11のACT21乃至ACT25の処理を実行することにより、問合せ部を構成する。すなわちプロセッサ31は、決済端末(POS端末10)から通知される決済売上データRcに含まれる取引識別情報(決済番号)でレシートサーバ20に問合せを行う。
【0073】
またプロセッサ31は、図11のACT26及びACT27の処理を実行することにより、記憶部を構成する。すなわちプロセッサ31は、問合せに対してレシートサーバ20から出力された購入商品に係る情報(登録商品データ)を、取引識別情報(決済番号)を含む決済売上データRcと関連付けて記憶する。
【0074】
レシートサーバ20のプロセッサ21は、図12のACT31乃至ACT36の処理を実行することにより、取得部を構成する。すなわちプロセッサ21は、商取引の決済時に決済端末(POS端末10)で生成されたレシートデータ(第2レシートデータRb)を記憶するレシート記憶部(第2ファイル233)から、商取引の決済を支援する決済事業者に対して決済端末から通知される決済売上データに含まれる取引識別情報(決済番号)で識別される商取引のレシートデータを取得する。
【0075】
またプロセッサ21は、図12のACT37の処理を実行することにより、出力部を構成する。すなわちプロセッサ21は、取得部で取得したレシートデータ(第2レシートデータRb)に含まれる購入商品に係る情報(登録商品データ)を決済事業者の決済サーバ30に出力する。
【0076】
さらにプロセッサ21は、図12のACT38及びACT39の処理を実行することにより、検出部及び追加部を構成する。すなわちプロセッサ21は、取引識別情報(決済番号)で識別される商取引の決済者に設定された第1識別情報(ユーザID、端末ID)を検出する。そしてプロセッサ21は、レシート記憶部(第2ファイル233)に記憶され、取得部によって取得されたレシートデータ(第2レシートデータRb)に第1識別情報(ユーザID、端末ID)を追加する。
【0077】
以上、詳述したようにサーバシステム100は、購買情報取得アプリを実装した決済サーバ30と、購買情報応答アプリを実装したレシートサーバ20とが連動する。そしてこの連動により、決済サーバ30の決済情報ファイル331に記憶された決済売上データRcは、レシートサーバ20から提供される購買情報、つまりは登録商品データを含む決済売上データRccとなる。したがって決済事業者は、誰がいつどこでいくら電子決済を利用したかという情報に加えて、何を購入したかという情報まで把握できるようになる。
【0078】
このように、レシートサーバ20は、決済者が電子決済を利用して購入した商品の情報を決済事業者に提供するサービスを実現することができる。
【0079】
しかもレシートサーバ20は、決済サーバ30からの要求コマンドに応じて購入商品に係る情報を決済サーバ30に提供するように構成されている。したがって、レシートサーバ20は、要求のあった決済サーバ30に対してだけ購入商品に係る情報を提供すればよく、情報提供に要する処理の負担が小さい。
【0080】
その上、レシートサーバ20は、サーバ側設定テーブル231を備えている。そしてレシートサーバ20は、出力フラグが“1”に設定された決済事業者すなわち、購買情報提供対象の決済事業者に係る電子決済のレシートデータだけを第2ファイル233に保存する。したがって、第2ファイル233の記憶容量を節約できる。また、購買情報提供対象外であった決済事業者が購買情報の提供を申し出た場合、あるいは購買情報提供対象であった決済事業者がする購買情報の不要を申し出た場合には、出力フラグの値を切り替えるだけでよい。したがって、決済事業者の要望に対して容易にかつ迅速に対処することができる。
【0081】
ところでレシートサーバ20は、第2ファイル233に保存した第2レシートデータRbに対し、購買情報要求コマンドに含まれているユーザIDと端末IDとを追加して、第2レシートデータRbbとする機能を有している。第2レシートデータRbに追加されるユーザIDまたは端末IDは、電子決済を利用した決済者の識別子として有効である。
【0082】
一方、第2レシートデータRbには、必ずしも電子レシート利用者の識別子であるレシートIDが含まれているとは限らない。すなわち本実施形態では、各POS端末10は、レシートIDを含むレシートデータに限らず、レシートIDを含まなくても、POS側設定テーブル131に設定された決済名称を含むレシートデータを電子化してレシートサーバ20に送信する。そしてレシートサーバ20は、レシートIDを含むか否かに拘わらず、その決済名称を含む第2レシートデータRbを第2ファイル233に保存する。
【0083】
そこで、サーバシステム100は、ユーザIDまたは端末IDと、そのIDで識別される決済者のレシートIDとを連携させる手段を備える。当該手段は、レシートサーバ20が主体となってもよいし、決済サーバ30が主体となってもよい。ユーザIDまたは端末IDとレシートIDとを連携させることで、ユーザIDと端末IDとが付加された第2レシートデータRbbは、電子レシートサービスを受けることが可能な第1レシートデータRaとなり得る。よって、例えば電子決済時には電子レシートサービス対象外の決済者であっても、後で、ユーザIDまたは端末IDを連携させることで、電子レシートサービスを受けられるようになる。
【0084】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、レシートサーバ20のプロセッサ21が、決済サーバ30からの購買情報要求コマンドに都度応答して、購入商品に係る情報をリアルタイムに出力する場合を例示した。このため、購買情報要求コマンドが増えるに従い、プロセッサ21の処理負荷が大きくなる懸念がある。そこで第2の実施形態は、プロセッサ21が、購入商品に係る情報をバッチ処理によりまとめて決済サーバ30に出力する場合を例示する。
【0085】
第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、図11を用いて説明した決済サーバ30のプロセッサ31が実行する処理手順の一部と、図12を用いて説明したレシートサーバ20のプロセッサ21が実行する処理手順の一部である。図1乃至図10を用いて説明したその他の部分は第1の実施形態と共通なので、第2の実施形態でもそのまま使用する。
【0086】
図13は、購買情報取得アプリに従い決済サーバ30のプロセッサ31が実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。図14は、購買情報応答アプリに従いレシートサーバ20のプロセッサ21が実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。以下、各図を参照して、第2の実施形態に係るサーバシステム100の主要な動作について説明する。なお、以下に説明する動作は一例である。同様な作用効果を得ることができるのであれば、動作の手順は特に限定されない。
【0087】
購買情報取得アプリは、予め設定された時刻、例えば午前0時00分になると起動する。購買情報取得アプリが起動すると、決済サーバ30のプロセッサ31は、図13の流れ図に示す手順の処理を開始する。先ず、プロセッサ31は、ACT41として処理対象となる決済売上データが決済情報ファイル331に保存されている否かを確認する。処理対象の決済売上データとは、登録商品データが付加されていない決済売上データRcである。登録商品データが付加された決済売上データRccは、処理対象外となる。決済情報ファイル331に処理対象の決済売上データRcが保存されていない場合、プロセッサ31は、ACT41においてNOと判定し、この処理を終了する。
【0088】
決済情報ファイル331に処理対象の決済売上データRcが保存されている場合には、プロセッサ31は、ACT41においてYESと判定し、ACT42へと進む。プロセッサ31は、ACT42として処理対象の決済売上データRcを決済情報ファイル331から取得する。そしてプロセッサ31は、ACT43としてその決済売上データRcから決済番号を取得する。またプロセッサ31は、ACT44としてその決済売上データRcからユーザIDと端末IDとを取得する。
【0089】
プロセッサ31は、ACT45として要求レコードを作成する。要求レコードには、決済売上データRcから取得した決済番号とユーザID及び端末IDとが含まれる。プロセッサ31は、ACT46として要求レコードを要求ファイルに保存する。なお、要求ファイルは、当該処理の開始に先立ってクリアされている。
【0090】
プロセッサ31は、ACT47として処理対象となる決済売上データRcがさらに決済情報ファイル331に保存されている否かを確認する。決済売上データRcが保存されている場合、プロセッサ31は、ACT47においてYESと判定し、ACT42へと戻る。そしてプロセッサ31は、ACT42以降の処理を前述したのと同様に実行する。したがって、処理対象となる決済売上データRcをもとに作成された要求レコードが要求ファイルに蓄積される。
【0091】
処理対象となる決済売上データRcが決済情報ファイル331に保存されていないことを確認しならば、プロセッサ31は、ACT47においてNOと判定し、ACT48へと進む。プロセッサ31は、ACT48として要求ファイルをレシートサーバ20に送信する。要求ファイルは、通信ネットワーク40を介してレシートサーバ20へと送信される。
【0092】
一方、購買情報応答アプリも予め設定された時刻、例えば午前2時00分になると起動する。購買情報応答アプリが起動すると、レシートサーバ20のプロセッサ21は、図14のACT61として要求ファイルを受信しているか否かを確認する。要求ファイルを受信していない場合、プロセッサ21は、ACT61においてNOと判定し、この処理を終了する。
【0093】
要求ファイルを受信している場合には、プロセッサ21は、ACT61においてYESと判定し、ACT62へと進む。プロセッサ21は、ACT62として要求ファイルから要求レコードを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT63としてその要求レコードから決済番号を取得する。プロセッサ21は、ACT64としてこの決済番号を検索キーとして第2ファイル233を検索する。
【0094】
プロセッサ21は、ACT65として検索キーとしての決済番号を含む第2レシートデータRbの有無を判別する。該当する第2レシートデータRbが第2ファイル233に保存されていない場合、プロセッサ21は、ACT65においてNOと判定し、ACT70へと進む。
【0095】
検索キーとしての決済番号を含む第2レシートデータRbが第2ファイル233に保存されている場合には、プロセッサ21は、ACT65においてYESと判定し、ACT66へと進む。プロセッサ21は、ACT66としてその第2レシートデータRbから登録商品データを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT67としてその登録商品データを、ACT62の処理で要求ファイルから検出した要求レコードに追加する。
【0096】
プロセッサ21は、ACT68として要求レコードからユーザID及び端末IDを検出する。そしてプロセッサ21は、ACT69としてそのユーザID及び端末IDを、検索キーとしての決済番号を含む第2レシートデータRbに追加する。これにより、第2レシートデータRbは、ユーザID及び端末IDが追加された第2レシートデータRbbとなる。
【0097】
プロセッサ21は、ACT70として要求ファイルに別の要求レコードが存在するか否かを確認する。要求レコードが存在する場合、プロセッサ21は、ACT70においてYESと判定し、ACT62へと戻る。そしてプロセッサ21は、ACT62以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0098】
こうして、要求ファイルに保存されている全ての要求レコードに対し、ACT62乃至ACT69の処理を実行したならば、プロセッサ21は、ACT70においてNOと判定し、ACT71へと進む。プロセッサ21は、ACT71として登録商品データを追加した要求データで応答ファイルを作成する。そしてプロセッサ21は、ACT72として要求ファイル送信元の決済サーバ30に応答ファイルを送信する。以上で、プロセッサ21は、図14に示す手順の情報処理を終了する。
【0099】
レシートサーバ20から送信された応答ファイルは、通信ネットワーク40を介して要求ファイル送信元の決済サーバ30で送信される。
【0100】
図13の説明に戻る。
要求ファイルを送信した決済サーバ30のプロセッサ31は、ACT49として応答ファイルを待ち受けている。応答ファイルを受信すると、プロセッサ31は、ACT49においてYESと判定し、ACT50へと進む。プロセッサ31は、ACT50として応答ファイルから要求データを取得する。そしてプロセッサ31は、ACT51としてその要求データに付加されている登録商品データを、当該要求データで特定される決済売上データRcに追加する。これにより、決済売上データRcは、登録商品データが追加された決済売上データRccとなる。
【0101】
プロセッサ31は、ACT52として応答ファイルに他の要求データが存在するか否かを確認する。存在する場合、プロセッサ31は、ACT52においてYESと判定し、ACT50へと戻る。すなわちプロセッサ31は、その要求データから登録商品データを取得し、該当する決済売上データRcに追加する処理を繰り返す。
【0102】
応答ファイルに他の要求データが存在しない場合には、プロセッサ31は、ACT52においてNOと判定する。プロセッサ31は、図13の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0103】
このような構成の第2の実施形態においても、決済事業者は、誰がいつどこでいくら電子決済を利用したかという情報に加えて、何を購入したかという情報まで把握できるようになる。すなわちレシートサーバ20は、決済者が電子決済を利用して購入した商品の情報を決済事業者に提供するサービスを実現することができる。
【0104】
しかもレシートサーバ20は、決済サーバ30への情報提供サービスをバッチ処理により行う。したがって、購買情報の要求量が増えた場合でも、レシートサーバ20の処理負荷が著しく大きくなることはない。
【0105】
なお、この第2の実施形態において、決済サーバ30のプロセッサ31は、ACT41乃至ACT47の処理と、ACT48乃至ACT52の処理とを異なるタイミングで行ってもよい。すなわちプロセッサ31は、第1の実施形態と同様に、処理対象の決済売上データRcを検出する毎にその決済売上データRcに基づく要求データを作成する。そしてプロセッサ31は、その要求データを要求ファイルに蓄える。その後、例えば予め設定された時刻になると、プロセッサ31は、要求ファイルをレシートサーバ20へと送信する。そして、レシートサーバ20から応答ファイルを受信すると、プロセッサ31は、その応答ファイルのデータを基に決済売上データRcに登録商品データを追加する。このような構成を採用しても、同様な効果を奏することができる。
【0106】
以上、レシートサーバ20と決済サーバ30を含むサーバシステム100の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0107】
前記実施形態では、レシートサーバ20は電子レシートサービスを提供するレシートサーバとして例示した。レシートサーバ20は必ずしも電子レシートサービスに対応していなくてもよい。例えば、所定の決済事業者の決済名称を含むレシートデータを第2ファイル233に保存し、決済サーバ30からの購買情報要求コマンドに応じて、該当するレシートデータから購買情報である登録商品データを応答することに特化したレシートサーバであってもよい。このようなレシートサーバは、第1ファイル232が不要となる。また、プロセッサ21は、図6の流れ図に示す手順のうち、ACT12及びACT13が不要となる。
【0108】
前記実施形態では、決済売上データRcに含まれる取引識別情報を決済番号として説明した。決済事業者によっては、電子決済の商取引に対して決済番号を発番しない場合もあり得る。このような場合には、店舗コードと取引日時、又は、取引日時と取引金額とを取引識別情報としてもよい。
【0109】
ただし、決済売上データRcに含まれる取引日時は、決済サーバ30が決済売上データRcを取得した日時とする場合もあり得る。そのような場合には、必ずしもPOS端末10の時計と決済サーバ30の時計34とは一致しないので、決済売上データRcの取引日時とレシートデータの取引日時とがずれる可能性がある。そこでレシートサーバ20は、取引日時については完全一致ではなく、検索範囲に若干の幅を持たせる必要がある。
【0110】
前記実施形態では、出力フラグを記憶しない設定テーブルをPOS側設定テーブル131としてPOS端末10に設ける場合を例示した。他の実施形態としては、出力フラグを記憶するサーバ側設定テーブル231と同等のものをPOS側設定テーブルとしてPOS端末10に設けてもよい。そうすることにより、購買情報提供対象外の決済事業者に係る電子決済で決済されたレシートデータをPOS端末10からレシートサーバ20に送信する無駄をなくすことができる。その結果、通信ネットワーク40の通信トラフィック量を低減できる効果を奏する。
【0111】
前記実施形態では、POS端末10が商品登録部11、決済処理部12及びレシート処理部13としての機能を有するとして説明した。例えば決済処理部12及びレシート処理部13としての機能は、POS端末10に接続された電子決済専用の決済端末が有していてもよい。この場合、POS側設定テーブル131は、POS端末10ではなく決済端末が備えることとなる。
【0112】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0113】
10…POS端末、11…商品登録部、12…決済処理部、13…レシート処理部、20…レシートサーバ、21,31…プロセッサ、22,32…メインメモリ、23,33…補助記憶デバイス、24,34…時計、25,35…通信インターフェース、26,36…システムバス、30…決済サーバ、40…通信ネットワーク、131…POS側設定テーブル、231…サーバ側設定テーブル、232…第1ファイル、233…第2ファイル、331…決済情報ファイル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商取引の合計金額に対しての支払データを基に商取引を決済する決済手段と、
前記決済が電子的に処理する電子決済である場合、前記商取引のレシートデータを電子化する電子化手段と、
前記電子化されたレシートデータをレシートサーバに出力する出力手段と、
を具備する決済端末。
【請求項2】
前記電子化手段は、前記電子決済を支援する決済サーバが前記商取引の決済時に発番した決済番号を含むレシートデータを電子化する、請求項1記載の決済端末。
【請求項3】
前記電子化手段は、前記レシートデータに含まれる決済名称を取得し、当該決済名称が前記決済サーバで支援される電子決済を示すものであるとき、レシートデータを電子化する、請求項2記載の決済端末。
【請求項4】
前記決済が前記電子決済でない場合、前記商取引のレシートデータを印字する印字手段、
をさらに具備する請求項1記載の決済端末。
【請求項5】
前記決済端末は、POS端末、又は、当該POS端末に接続された電子決済専用の端末である、請求項1乃至4のうちいずれか一記載の決済端末。
【請求項6】
決済端末のコンピュータを、
商取引の合計金額に対しての支払データを基に商取引を決済する決済手段、
前記決済が電子的に処理する電子決済である場合、前記商取引のレシートデータを電子化する電子化手段、及び、
前記電子化されたレシートデータをレシートサーバに出力する出力手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
前記電子化手段は、前記電子決済を支援する決済サーバが前記商取引の決済時に発番した決済番号を含むレシートデータを電子化する、請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
前記電子化手段は、前記レシートデータに含まれる決済名称を取得し、当該決済名称が前記決済サーバで支援される電子決済を示すものであるとき、レシートデータを電子化する、請求項7記載のプログラム。
【請求項9】
前記決済端末のコンピュータを、
前記決済が前記電子決済でない場合、前記商取引のレシートデータを印字する印字手段、
としてさらに機能させるための請求項6記載のプログラム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0112
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0112】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]商取引の決済時に決済端末で生成されたレシートデータを記憶するレシート記憶部から、前記商取引の決済を支援する決済事業者に対して前記決済端末から通知される決済売上データに含まれる取引識別情報で識別される商取引のレシートデータを取得する取得部と、前記取得部で取得した前記レシートデータに含まれる購入商品に係る情報を前記決済事業者の決済サーバに出力する出力部と、を具備するレシートサーバ。
[2]前記取得部は、前記決済サーバからの要求コマンドに含まれる前記取引識別情報で識別される商取引のレシートデータを取得し、前記出力部は、前記要求コマンド送信元の前記決済サーバに前記購入商品に係る情報を出力する、付記[1]記載のレシートサーバ。
[3]前記取引識別情報で識別される商取引の決済者に設定された第1識別情報を検出する検出部と、前記レシート記憶部に記憶され、前記取得部によって取得されたレシートデータに前記第1識別情報を追加する追加部と、をさらに具備する、付記[1]又は[2]記載のレシートサーバ。
[4]前記レシート記憶部は、第1レシート記憶部と第2レシート記憶部とを含み、電子レシート利用者を識別する第2識別情報 を含むレシートデータを前記第1レシート記憶部に記憶させ、決済事業者による支援により決済された商取引であることを示す情報 を含むレシートデータを前記第2レシート記憶部に記憶させる処理部、をさらに具備し、前記取得部は、前記第2レシート記憶部からレシートデータを取得する、付記[1]乃至[3]のうちいずれか1項記載のレシートサーバ。
[5]付記[1]乃至[4]のうちいずれか1項記載のレシートサーバと、決済端末から通知される決済売上データに含まれる取引識別情報で前記レシートサーバに問合せを行う問合せ部、及び、前記問合せに対して前記レシートサーバから出力された購入商品に係る情報を、前記取引識別情報を含む前記決済売上データと関連付けて記憶する記憶部、を有する決済サーバと、を具備するサーバシステム。
[6]コンピュータに、商取引の決済時に決済端末で生成されたレシートデータを記憶するレシート記憶部から、前記商取引の決済を支援する決済事業者に対して前記決済端末から通知される決済売上データに含まれる取引識別情報で識別される商取引のレシートデータを取得させる機能と、前記取得した前記レシートデータに含まれる購入商品に係る情報を前記決済事業者の決済サーバに出力させる機能と、を実現させるためのプログラム。