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特開2024-150852圧電素子アレイ化方法およびアレイ化圧電素子
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  • 特開-圧電素子アレイ化方法およびアレイ化圧電素子 図1
  • 特開-圧電素子アレイ化方法およびアレイ化圧電素子 図2
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  • 特開-圧電素子アレイ化方法およびアレイ化圧電素子 図4
  • 特開-圧電素子アレイ化方法およびアレイ化圧電素子 図5
  • 特開-圧電素子アレイ化方法およびアレイ化圧電素子 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150852
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】圧電素子アレイ化方法およびアレイ化圧電素子
(51)【国際特許分類】
   A61N 7/00 20060101AFI20241017BHJP
   H04R 17/00 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
A61N7/00
H04R17/00 332B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063843
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000189486
【氏名又は名称】上田日本無線株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004374
【氏名又は名称】日清紡ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】後藤 幹博
(72)【発明者】
【氏名】酒井 亮
(72)【発明者】
【氏名】小林 繁雄
【テーマコード(参考)】
4C160
5D019
【Fターム(参考)】
4C160JJ32
4C160JJ50
5D019AA09
5D019AA26
5D019BB02
5D019BB18
5D019FF04
(57)【要約】
【課題】圧電素子をアレイ化する場合において、厚みが同じ圧電素子で複数の周波数を出力可能な圧電素子アレイ化方法を提供する。
【解決手段】圧電素子2に複数の溝2aを平行に形成することで、圧電素子2を複数のチャネルCHに分割する圧電素子アレイ化方法であって、溝2a間のチャネルCHの幅wに対する溝2aの深さdの割合を深度とし、厚みtが同じ圧電素子2に対して、第1の周波数を出力させる場合には、第1の深度で溝2aを形成し、第1の周波数と異なる第2の周波数を出力させる場合には、第1の深度と異なる第2の深度で溝2aを形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電素子に複数の溝を平行に形成することで、前記圧電素子を複数のチャネルに分割する圧電素子アレイ化方法であって、
前記溝間の前記チャネルの幅に対する前記溝の深さの割合を深度とし、厚みが同じ前記圧電素子に対して、出力させる周波数に応じて前記深度を調整して前記溝を形成する、
ことを特徴とする圧電素子アレイ化方法。
【請求項2】
圧電素子に複数の溝が平行に形成されて、前記圧電素子が複数のチャネルに分割されたアレイ化圧電素子であって、
前記溝間の前記チャネルの幅に対する前記溝の深さの割合を深度とし、厚みが同じ1つの前記圧電素子において、前記深度が異なる複数の前記溝が形成されていることで、異なる複数の周波数が出力されるようになっている、
ことを特徴とするアレイ化圧電素子。
【請求項3】
所定の超音波特性が得られるように、前記深度が異なる複数の前記溝が配設されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のアレイ化圧電素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、圧電素子を複数にアレイ化・分割する圧電素子アレイ化方法および、複数にアレイ化・分割された圧電素子であるアレイ化圧電素子に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波は、従来から様々な分野で利用され、例えば、医療分野においては、生体の深部にある組織を超音波で加熱、破壊して治療効果を得る高密度焦点式超音波療法(HIFU, High Intensity Focused Ultrasound)として利用されている。このような超音波加熱による焼灼治療では、焼灼エリアのエナジーレベル(スポット集約、強さ、深さ、幅)をコントロールできることが求められ、さらに、今後血管や内視鏡などに入るような小型化が求められている。
【0003】
このような要求を満たすために、小型の圧電素子をアレイ化・分割することが検討されている。すなわち、分極された圧電素子(個片素子)にダイシングなどで溝を設けることで、複数のチャネルに分割するものである。
【0004】
一方、圧電素子において複数の異なる周波数を出力させるには、圧電素子の厚みを変える必要があることが従来から知られている(例えば、特許文献1等参照。)。このため、圧電素子をアレイ化する場合においても、複数の異なる周波数を出力させるには、厚みが異なる圧電素子を使用しなければならないと考えられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭60-40124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、圧電素子をアレイ化して複数の周波数を出力させるには、周波数ごとに圧電素子の厚みを変えなければならず、製造コストが嵩むばかりでなく、1つの圧電素子で1つの周波数しか出力できないため、広帯域化や焼灼深さの広域化などを図ることができない。
【0007】
そこで本発明は、圧電素子をアレイ化する場合において、厚みが同じ圧電素子で複数の周波数を出力可能な圧電素子アレイ化方法およびアレイ化圧電素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、圧電素子に複数の溝を平行に形成することで、前記圧電素子を複数のチャネルに分割する圧電素子アレイ化方法であって、前記溝間の前記チャネルの幅に対する前記溝の深さの割合を深度とし、厚みが同じ前記圧電素子に対して、出力させる周波数に応じて前記深度を調整して前記溝を形成する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、圧電素子に複数の溝が平行に形成されて、前記圧電素子が複数のチャネルに分割されたアレイ化圧電素子であって、前記溝間の前記チャネルの幅に対する前記溝の深さの割合を深度とし、厚みが同じ1つの前記圧電素子において、前記深度が異なる複数の前記溝が形成されていることで、異なる複数の周波数が出力されるようになっている、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のアレイ化圧電素子において、所定の超音波特性が得られるように、前記深度が異なる複数の前記溝が配設されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願発明者の考察、検証などによれば、厚みが同じ圧電素子であっても、チャネルの幅(溝間の幅)に対する溝の深さの割合つまり溝の深度を変えることで、異なる周波数が出力されることが確認された。例えば、溝の深度が小さい(幅に対して溝が浅い)場合には、厚み縦振動・厚みモードによる周波数(周波数定数がNt)が励振・出力され、溝の深度が大きい(幅に対して溝が深い)場合には、縦振動・長さモードによる周波数(周波数定数がN33)が励振・出力されることが確認された。
【0012】
そして、請求項1に記載の発明によれば、厚みが同じ圧電素子に対して、出力させる周波数に応じて深度を調整して溝を形成するため、厚みが同じ圧電素子で複数の周波数を出力することが可能となる。そして、アレイ化した圧電素子で複数の周波数を出力させる場合に、圧電素子の厚みを変える必要がなく、溝の深度を変えるだけでよいため、製造コストを削減することが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、厚みが同じ1つの圧電素子において、深度が異なる複数の溝が形成されていることで、異なる複数の周波数が出力されるようになっているため、厚みが均一な1つの圧電素子で複数の周波数を出力することが可能となる。この結果、1つの圧電素子で複数の周波数を出力することによる広帯域化や焼灼深さの広域化などを図ることが可能となる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、所定の超音波特性が得られるように、深度が異なる複数の溝が配設・配置されているため、厚みが均一な1つの圧電素子で所望の特性を有する超音波を照射、使用することが可能となる。例えば、複数の周波数の焦点が一致するように超音波を照射して、治療部のみを効果的に焼灼することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の実施の形態1に係る圧電素子アレイ化方法を説明するためのアレイ化圧電素子を示す斜視図(a)と、図(a)の矢印方向から見た正面図(b)である。
図2】この発明の実施の形態1に係る圧電素子アレイ化方法を説明するための図であり、溝間隔が広く溝が浅い場合(a)と、溝間隔が広く溝が深い場合(b)と、溝間隔が狭く溝が浅い場合(c)と、溝間隔が狭く溝が深い場合(d)における、アレイ化圧電素子の正面図と、周波数に対するインピーダンス値を示す図である。
図3】この発明の実施の形態1に係る圧電素子アレイ化方法を説明するための図であり、チャネルの幅と高さを示す斜視図(a)と、チャネルの幅に対する高さの割合(溝の深度)と出力周波数との関係を示す図(b)である。
図4】この発明の実施の形態1において、第1の周波数で出力させる場合(a)と、第2の周波数で出力させる場合(b)のアレイ化圧電素子の正面図と、周波数に対するインピーダンス値を示す図である。
図5】この発明の実施の形態2に係るアレイ化圧電素子の第1の例を示す正面図である。
図6】この発明の実施の形態2に係るアレイ化圧電素子の第2の例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係る圧電素子アレイ化方法を説明するためのアレイ化圧電素子1を示す斜視図(a)と、図(a)の矢印方向から見た正面図(b)である。圧電素子アレイ化方法とは、圧電素子2に複数の溝2aを平行に形成することで、圧電素子2を複数のチャネルCHに分割する方法であり、アレイ化圧電素子1とは、圧電素子2に複数の溝2aが平行に形成されて、圧電素子2が複数のチャネルCHに分割された圧電素子である。
【0018】
アレイ化圧電素子1は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT, lead zirconate titanate)などで構成され厚みtが均一な圧電素子(個片素子)2が分極され、圧電素子2の下部・下面に接地電極3が形成され、圧電素子2の上部・上面に信号電極4が形成されている。そして、ダイシングなどで圧電素子2の信号電極4側に複数の溝2aが平行に形成されて、溝2aと溝2aとの間にチャネルCHが形成されている。
【0019】
ここで、溝2aと溝2aとの間であるチャネルCHの幅wに対する、溝2aの深さ(
チャネルCHの深さ・厚み)dの割合(=d/w)を溝2aの深度とする。また、各溝2aには、樹脂などが充填されて使用される。なお、圧電素子2の両端部は、溝2aと溝2aとで挟まれておらず、溝2aと開放端とで挟まれているが、この両端部もチャネルCHを構成する。
【0020】
このようなアレイ化圧電素子1において、本願発明者は、厚みtが同じ圧電素子2であっても、溝2aの深度を変えることで、複数の異なる周波数が出力される(励振する周波数が異なる)場合があることを発見、確認した。例えば、溝2aの深度が小さい(幅wに対して溝2aが浅い)場合には、厚み縦振動・厚みモードによる周波数(周波数定数がNt)が励振・出力され、溝2aの深度が大きい(幅wに対して溝2aが深い)場合には、縦振動・長さモードによる周波数(周波数定数がN33)が励振・出力されることを発見、確認した。
【0021】
例えば、図2(a)に示すように、溝2a間隔が広く溝2aが浅い場合、つまり、溝2aの深度が小さい場合、9MHz付近で励振する。同様に、図2(b)に示すように、溝2aが深くても溝2a間隔が広い場合、つまり、溝2aの深度が小さい場合、9MHz付近で励振する。さらに、図2(c)に示すように、溝2a間隔が狭くても溝2aが浅い場合、つまり、溝2aの深度が小さい場合、9MHz付近で励振する。
【0022】
これに対して、図2(d)に示すように、溝2a間隔が狭く溝2aが深い場合、つまり、溝2aの深度が大きい場合には、6MHz付近で励振する。このように、厚みtが同じ圧電素子2であっても、溝2aの深度を所定の値にすることで、2つの異なる周波数が出力されることを発見、確認した。
【0023】
さらに、溝2aの深度(d/w)をどのような値にすることで、2つの異なる周波数が出力されるかを検証した。すなわち、図3(a)に示すように、チャネルCHの厚み、つまり、溝2aの深さdを一定とし、チャネルCHの幅wを変えることで溝2aの深度(d/w)を変えて、チャネルCHのインピーダンスをシミュレーションで計算し、共振周波数を算出した。その結果、一例として、図3(b)に示すように、溝2aの深度(d/w)が0.4以下(第1の深度)では、厚み縦振動によって約9MHzの周波数(第1の周波数)が出力され、溝2aの深度(d/w)が1.5以上(第2の深度)では、縦振動によって約6MHzの周波数(第2の周波数)が出力されることが確認された。
【0024】
そして、このような本願発明者の考察、検証などに基づいて、この実施の形態に係る圧電素子アレイ化方法は、厚みtが同じ圧電素子2に対して、出力させる周波数に応じて深度を調整して溝2aを形成するものである。ここで、この実施の形態では、出力させる周波数が第1の周波数と第2の周波数の2つの異なる周波数であり、また、第1の周波数では厚み縦振動が励起され、第2の周波数では縦振動が励起される場合について説明する。これに対して、出力させる周波数が3つ以上の異なる周波数であってもよく、また、厚み縦振動や縦振動以外の振動、例えば、長辺方向伸び振動や厚みすべり振動が励起されるようにしてもよい。
【0025】
この実施の形態では、第1の周波数を出力させる場合には、第1の深度(例えば、浅い深度)で溝2aを形成し、第1の周波数と異なる第2の周波数を出力させる場合には、第1の深度と異なる第2の深度(例えば、深い深度)で溝2aを形成する。例えば、図4(a)に示すように、約10MHzの第1の周波数を出力させる場合には、浅い第1の深度で溝2aを形成し、図4(b)に示すように、約7MHzの第2の周波数を出力させる場合には、深い第2の深度で溝2aを形成する。ここで、上記のように、第1の深度は、厚み縦振動が行われる値に設定され、第2の深度は、縦振動が行われる値に設定されている。
【0026】
このように、この圧電素子アレイ化方法によれば、厚みtが同じ圧電素子2に対して、第1の周波数を出力させる場合には、第1の深度で溝2aを形成し、第2の周波数を出力させる場合には、第2の深度で溝2aを形成するため、厚みtが同じ圧電素子2で2つの周波数を出力することが可能となる。そして、アレイ化圧電素子1で2つの周波数を出力させる場合に、圧電素子2の厚みtを変える必要がなく、溝2aの深度を変えるだけでよいため、製造コストを削減することが可能となる。
【0027】
すなわち、圧電素子2の厚みtを変えて2つの周波数を出力させる場合、厚みtが異なる圧電素子2ごとに2工程で研磨した後に、それぞれに溝2aを形成しなければならない。これに対して、この圧電素子アレイ化方法によれば、厚みtが同じ圧電素子2を1工程で研磨した後に、溝2aの深度を変えて溝2aを形成するだけでよいため、製造コストを削減することが可能となる。
【0028】
(実施の形態2)
図5は、この実施の形態に係るアレイ化圧電素子11を示す正面図である。この実施の形態では、厚みtが同じ(均一な)1つの圧電素子2において、深度が異なる複数の溝2aが形成されている点、つまり、溝2aの深度が複数混在している点で、実施の形態1と構成が異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。
【0029】
ここで、この実施の形態では、2つの異なる深度の溝2aが形成されることで、第1の周波数と第2の周波数の2つの異なる周波数が出力され、また、第1の周波数では厚み縦振動が励起され、第2の周波数では縦振動が励起される場合について説明する。これに対して、3つ以上の異なる深度の溝2aが形成され、3つ以上の異なる周波数が出力されるようにしてもよく、また、厚み縦振動や縦振動以外の振動、例えば、長辺方向伸び振動や厚みすべり振動が励起されるようにしてもよい。
【0030】
アレイ化圧電素子11において、第1の周波数を出力する第1のチャネルCH1では、第1の深度(例えば、浅い深度)で溝2a1が形成され、第1の周波数と異なる第2の周波数を出力する第2のチャネルCH2では、第1の深度と異なる第2の深度(例えば、深い深度)で溝2a2が形成されている。換言すると、第1の深度で溝2a1が形成された第1のチャネルCH1では、第1の周波数が出力され、第2の深度で溝2a2が形成された第2のチャネルCH2では、第2の周波数が出力されるようになっている。
【0031】
さらに、所定の超音波特性が得られるように、第1の深度の溝2a1と第2の深度の溝2a2が配設されている。すなわち、この実施の形態では、圧電素子2の上面左右の一方の面(左面)に第1の深度の溝2a1が複数形成されて複数の第1のチャネルCH1が設けられ、他方の面(右面)に第2の深度の溝2a2が複数形成されて複数の第2のチャネルCH2が設けられている。これにより、圧電素子2の一方側(左面側)から第1の周波数のみを出力し、他方側(右面側)から第2の周波数のみを出力する、という超音波特性が得られるようになっている。
【0032】
これに対して、所定・所望の超音波特性に応じて、図6に示すアレイ化圧電素子12のように、圧電素子2の上面中央に第1の深度の溝2a1を複数形成して複数の第1のチャネルCH1を設け、上面両側に第2の深度の溝2a2を複数形成して複数の第2のチャネルCH2を設けるようにしてもよい。
【0033】
このような実施の形態によれば、厚みtが同じ(均一な)1つの圧電素子2において、第1の深度で溝2a1が形成された第1のチャネルCH1では、第1の周波数が出力され、第2の深度で溝2a2が形成された第2のチャネルCH2では、第2の周波数が出力されるため、厚みtが均一な1つの圧電素子2で2つの周波数を出力することが可能となる。この結果、1つの圧電素子2で2つの周波数を出力することによる広帯域化や焼灼深さの広域化などを図ることが可能となる。
【0034】
また、所定の超音波特性が得られるように、第1の深度の溝2a1(第1の周波数を出力する第1のチャネルCH1)と第2の深度の溝2a2(第2の周波数を出力する第2のチャネルCH2)とが配設されているため、厚みtが均一な1つの圧電素子2で所望の特性を有する超音波を照射、使用することが可能となる。例えば、2つの周波数の焦点が一致するように超音波を照射して、治療部のみを効果的に焼灼することが可能となる。
【0035】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態2において、第1の深度の溝2a1と第2の深度の溝2a2を上記以外の配置で配設してもよい。例えば、第1の深度の溝2a1と第2の深度の溝2a2を交互に配設するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 アレイ化圧電素子
2 圧電素子
2a 溝
3 接地電極
4 信号電極
CH チャネル
w チャネルの幅
d 溝の深さ
t 圧電素子の厚み
図1
図2
図3
図4
図5
図6