IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-光通信装置 図1
  • 特開-光通信装置 図2
  • 特開-光通信装置 図3
  • 特開-光通信装置 図4
  • 特開-光通信装置 図5
  • 特開-光通信装置 図6
  • 特開-光通信装置 図7
  • 特開-光通信装置 図8
  • 特開-光通信装置 図9
  • 特開-光通信装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150864
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】光通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/80 20130101AFI20241017BHJP
   H04B 10/27 20130101ALI20241017BHJP
【FI】
H04B10/80 160
H04B10/27
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063878
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100203677
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 力
(72)【発明者】
【氏名】朱 志偉
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AL08
5K102AN01
5K102AN02
5K102AN03
5K102LA08
5K102LA11
5K102LA52
5K102MA01
5K102MB02
5K102MB11
5K102PB03
5K102PB13
5K102PC05
5K102PD14
5K102PH31
5K102PH47
5K102PH49
5K102PH50
(57)【要約】
【課題】蓄電量を考慮して光給電を行うこと。
【解決手段】OLT100は、蓄電池230を有するONU200と通信する。OLT100は、レーザ部111と、光スイッチ112と、蓄電池230の蓄電量を示す蓄電量情報をONU200から受信する通信部120と、蓄電量情報が示す蓄電量に応じて、レーザ部111の光出力パワーを調整し、レーザ部111から出力される給電用の光信号が供給先であるONU200に出力されるように、光スイッチ112を制御する制御部130と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池を有する子局装置と通信する親局装置である光通信装置であって、
レーザ部と、
光スイッチと、
前記蓄電池の蓄電量を示す蓄電量情報を前記子局装置から受信する通信部と、
前記蓄電量情報が示す前記蓄電量に応じて、前記レーザ部の光出力パワーを調整し、前記レーザ部から出力される給電用の光信号が供給先である前記子局装置に出力されるように、前記光スイッチを制御する制御部と、
を有する光通信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記蓄電量情報が最大蓄電量を示している場合、前記レーザ部が前記給電用の光信号を出力しないように、制御を行う、
請求項1に記載の光通信装置。
【請求項3】
前記通信部は、蓄電池をそれぞれ有する複数の子局装置のそれぞれから、前記蓄電池の蓄電量を示す蓄電量情報を受信し、
前記制御部は、複数の前記蓄電量情報に基づいて、前記レーザ部の光出力パワーを調整し、前記給電用の光信号の供給割合が調整されるように、複数の前記蓄電量情報に基づいて、前記光スイッチを制御する、
請求項1又は2に記載の光通信装置。
【請求項4】
蓄電池を有する子局装置と、分光器を介して通信する親局装置である光通信装置であって、
レーザ部と、
前記蓄電池の蓄電量を示す蓄電量情報を前記子局装置から受信する通信部と、
前記蓄電量情報が示す前記蓄電量に応じて、前記レーザ部の光出力パワーを調整し、かつ前記子局装置に割当てられている波長の給電用の光信号が出力されるように、前記レーザ部を制御する制御部と、
を有する光通信装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記蓄電量情報が最大蓄電量を示している場合、前記レーザ部が前記給電用の光信号を出力しないように、制御を行う、
請求項4に記載の光通信装置。
【請求項6】
複数のレーザ部を有し、
前記通信部は、蓄電池をそれぞれ有する複数の子局装置のそれぞれから、前記蓄電池の蓄電量を示す蓄電量情報を受信し、
前記制御部は、複数の前記蓄電量情報に基づいて、前記複数のレーザ部の光出力パワーを調整し、かつ複数の前記蓄電量情報を送信した前記複数の子局装置に割当てられている波長の給電用の光信号が出力されるように、前記複数のレーザ部を制御する、
請求項4又は5に記載の光通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムであるPON(Passive Optical Network)システムが、知られている。PONシステムは、通信事業者局舎に設置される光通信装置(親局装置とも言う)と、加入者側(子局側とも言う)の複数の光通信装置(子局装置とも言う)とを含む。親局装置は、OLT(Optical Line Termination)と言う。子局装置は、ONU(Optical Network Unit)と言う。
【0003】
また、光給電を行うことが可能な光通信システムが提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-164127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、光給電を行うことが可能な光通信システムでは、ONUが有する蓄電池の蓄電量の状況が考慮されていない場合がある。そのため、蓄電池の蓄電量が適切ではない場合がある。
【0006】
本開示の目的は、蓄電量を考慮して光給電を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る光通信装置が提供される。光通信装置は、蓄電池を有する子局装置と通信する親局装置である。光通信装置は、レーザ部と、光スイッチと、前記蓄電池の蓄電量を示す蓄電量情報を前記子局装置から受信する通信部と、前記蓄電量情報が示す前記蓄電量に応じて、前記レーザ部の光出力パワーを調整し、前記レーザ部から出力される給電用の光信号が供給先である前記子局装置に出力されるように、前記光スイッチを制御する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、蓄電量を考慮して光給電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1の光給電システムを示す図(その1)である。
図2】実施の形態1の光給電システムを示す図(その2)である。
図3】実施の形態1の光給電システムの機能を示すブロック図である。
図4】実施の形態1のOLTの機能を示すブロック図である。
図5】実施の形態1の光給電システムのタイミングチャートの例を示す図である。
図6】実施の形態1の複数のONUに給電が行われる場合の例を示す図である。
図7】実施の形態2の光給電システムを示す図である。
図8】実施の形態2の光給電システムの機能を示すブロック図である。
図9】実施の形態2のOLTの機能を示すブロック図である。
図10】実施の形態2の光給電システムのタイミングチャートの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら実施の形態を説明する。以下の実施の形態は、例にすぎず、本開示の範囲内で種々の変更が可能である。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の光給電システムを示す図(その1)である。光給電システムは、OLT100、ONU200_1,・・・,200_n、及びONU201_1,・・・,201_nを含む。なお、nは、正の整数である。
【0012】
OLT100とONU200_1,・・・,200_nとは、光カプラ10と光ファイバ20_1,・・・,20_nを介して通信する。OLT100とONU201_1,・・・,201_nとは、光カプラ11と光ファイバ21_1,・・・,21_nを介して通信する。
【0013】
OLT100は、通信ポート101_1,・・・,101_nを有する。OLT100は、通信ポート101_1,・・・,101_nを介して、通信用の光信号を送受信する。
【0014】
図1のOLT100、ONU200_1,・・・,200_n、及びONU201_1,・・・,201_nの構成は、PONシステムと同じである。また、OLT100、ONU200_1,・・・,200_n、及びONU201_1,・・・,201_nは、次のような構成で接続される。
【0015】
図2は、実施の形態1の光給電システムを示す図(その2)である。OLT100とONU200_1,・・・,200_nとは、光ファイバ30_1,・・・,30_nを介して接続する。OLT100とONU201_1,・・・,201_nとは、光ファイバ31_1,・・・,31_nを介して接続する。
【0016】
OLT100は、給電ポート102_1,・・・,102_nを有する。OLT100は、給電ポート102_1,・・・,102_nを介して、給電用の光信号を送信する。
【0017】
ここで、ONU200_1,・・・,200_nの総称は、ONU200と呼ぶ。光ファイバ20_1,・・・,20_nの総称は、光ファイバ20と呼ぶ。光ファイバ30_1,・・・,30_nの総称は、光ファイバ30と呼ぶ。
【0018】
OLT100とONU200との間で行われる処理は、OLT100とONU201_1,・・・,201_nとの間で行われる処理と同じである。そのため、OLT100とONU200との間で行われる処理を説明し、OLT100とONU201_1,・・・,201_nとの間で行われる処理の説明は、省略する。
【0019】
次に、光給電システムの機能を説明する。
図3は、実施の形態1の光給電システムの機能を示すブロック図である。OLT100は、光給電部110、通信部120、及び制御部130を有する。
【0020】
通信部120及び制御部130の一部又は全部は、処理回路によって実現してもよい。また、通信部120及び制御部130の一部又は全部は、プロセッサが実行するプログラムのモジュールとして実現してもよい。
【0021】
光給電部110は、給電用の光信号をONU200に送信する。光給電部110の機能は、後で詳細に説明する。
通信部120は、通信用の光信号を送受信する。なお、通信の規格は、IEEE 802.3ah(GE-PON)、IEEE 802.3av(10G-EPON)、ITU-T G.984(G-PON)、ITU-T G.987(XG-PON)、ITU-T G.989(NG-PON2)などである。
制御部130の機能は、後で詳細に説明する。
【0022】
次に、ONU200の機能を説明する。ONU200は、光受信部210、光電変換実行部220、蓄電池230、電圧センサ240、制御部250、及び通信部260を有する。
【0023】
光電変換実行部220、制御部250、及び通信部260の一部又は全部は、処理回路によって実現してもよい。また、光電変換実行部220、制御部250、及び通信部260の一部又は全部は、プロセッサが実行するプログラムのモジュールとして実現してもよい。
【0024】
光受信部210は、給電用の光信号をOLT100から受信する。
光電変換実行部220は、給電用の光信号を用いて、光電変換を行う。光電変換により得られた電気エネルギーは、蓄電池230に蓄積される。
【0025】
蓄電池230に蓄積されている電力は、ONU200に用いられる。ここで、ONU200は、外部装置と接続することができる。例えば、外部装置は、パソコン、ルータ、HW(Home Gateway)などである。蓄電池230に蓄積されている電力は、外部装置に供給されてもよい。
電圧センサ240は、蓄電池230の出力電圧を測定する。
【0026】
制御部250は、測定された電圧値を用いて、蓄電池230の蓄電量を算出する。例えば、電圧値がV1、放電時間がt1、及び電流値がA1とする。また、蓄電池230の全エネルギーは、Eとする。制御部250は、使用されたエネルギー(E1=V1×A1×t1)を算出する。制御部250は、蓄電池230の蓄電量(E2=E-E1)を算出する。制御部250は、蓄電量(言い換えれば、使用状況)に基づいて、蓄電池230の供給を制御する。例えば、制御部250は、蓄電量が50%以上である場合、蓄電量の電力が通信部260と外部装置とに供給されるように、制御を行う。制御部250は、蓄電量が50%未満である場合、蓄電量の電力が通信部260に供給されるように、制御を行う。
【0027】
通信部260は、定期的に、蓄電池230の蓄電量を示す蓄電量情報をOLT100に送信する。蓄電量情報は、通信部120に受信される。
【0028】
次に、光給電部110の機能を主に説明する。
図4は、実施の形態1のOLTの機能を示すブロック図である。光給電部110は、レーザ部111と光スイッチ112とを有する。例えば、レーザ部111は、レーザと駆動回路とで実現される。
【0029】
制御部130は、蓄電量情報が示す蓄電量に応じて、レーザ部111の光出力パワーを調整する。これにより、レーザ部111は、制御部130の制御により、給電用の光信号を発光する。なお、当該給電用の光信号は、単一波長の光信号である。
【0030】
制御部130は、レーザ部111から出力される給電用の光信号が供給先のONUに出力されるように、光スイッチ112を制御する。例えば、通信部120がONU200_1から蓄電量情報を受信した場合、制御部130は、給電用の光信号がONU200_1に出力されるように、光スイッチ112を制御する。これにより、給電用の光信号は、給電ポート102_1と光ファイバ30_1とを介して、ONU200_1に出力される。
【0031】
次に、光給電システムのタイミングチャートを示す。
図5は、実施の形態1の光給電システムのタイミングチャートの例を示す図である。
(ステップST11)ONU200は、蓄電量情報をOLT100に送信する。当該蓄電量情報は、ONU200で定められている最小蓄電量を示しているものとする。なお、最小蓄電量は、ONU200で使用される限度値である。
【0032】
(ステップST12)OLT100の制御部130は、蓄電量が最大になるように、レーザ部111の光出力パワーを制御する。OLT100の光給電部110は、レーザ部111が出力した給電用の光信号をONU200に送信する。
【0033】
(ステップST13)ONU200は、時間Tが経過した後、蓄電量情報をOLT100に送信する。当該蓄電量情報は、中間蓄電量を示しているものとする。
【0034】
(ステップST14)OLT100の制御部130は、蓄電量が最大になるように、レーザ部111の光出力パワーを制御する。OLT100の光給電部110は、レーザ部111が出力した給電用の光信号をONU200に送信する。
【0035】
(ステップST15)ONU200は、時間Tが経過した後、蓄電量情報をOLT100に送信する。当該蓄電量情報は、最大蓄電量を示しているものとする。
【0036】
(ステップST16)OLT100は、給電を行わない。すなわち、OLT100の制御部130は、蓄電量情報が最大蓄電量を示している場合、レーザ部111が給電用の光信号を出力しないように、制御を行う。
【0037】
このように、制御部130は、蓄電量情報が示す蓄電量に応じて、レーザ部111の光出力パワーを調整する。
【0038】
実施の形態1によれば、OLT100は、蓄電量情報が示す蓄電量に応じて、光給電を行う。よって、OLT100は、蓄電量を考慮して光給電を行うことができる。
【0039】
上記では、給電が1つのONUに行われる場合を説明した。OLT100は、同時に、複数のONUに給電を行ってもよい。以下、給電が複数のONUに行われる場合を説明する。
【0040】
図6は、実施の形態1の複数のONUに給電が行われる場合の例を示す図である。OLT100の通信部120は、ONU200_1~200_3から蓄電量情報を受信する。ONU200_1の蓄電量情報は、最大蓄電量を示しているものとする。ONU200_2の蓄電量情報は、中間蓄電量を示しているものとする。なお、中間蓄電量は、50%の蓄電量とする。ONU200_3の蓄電量情報は、ONUで定められている最小蓄電量を示しているものとする。
【0041】
OLT100の制御部130は、ONU200_1~200_3の蓄電量情報が示す蓄電量に応じて、レーザ部111の光出力パワーを調整する。例えば、1つのONUの蓄電量を最大にするときの光出力パワーを1と表現した場合、制御部130は、1.5倍の光出力パワーが出力されるように、レーザ部111を調整する。制御部130は、給電用の光信号がONU200_2とONU200_3に出力されるように、光スイッチ112を制御する。ここで、制御部130は、給電用の光信号が“1:2”の割合でONU200_2とONU200_3とに出力されるように、光スイッチ112を制御する。例えば、制御される光スイッチ112は、以下のような動作を行う。光スイッチ112は、光スイッチ112に内蔵されている光カプラなどを用いて、1.5倍の光出力パワーの光信号を、3本の光信号に分割する。なお、1本当たりの光信号の光出力パワーは、0.5倍である。光スイッチ112は、光スイッチ112に内蔵されている複数のスライドプリズムなどを用いて、1本の光信号をONU200_2に送信し、2本の光信号をONU200_3に送信する。これにより、OLT100の光給電部110は、1/3の給電用の光信号をONU200_2に送信する。OLT100の光給電部110は、2/3の給電用の光信号をONU200_3に送信する。なお、OLT100の光給電部110は、給電用の光信号をONU200_1に送信しない。また、ONU200_2とONU200_3とに供給される光信号の波長は、同じである。
【0042】
このように、制御部130は、ONU200_1~200_3の蓄電量情報に基づいて、レーザ部111の光出力パワーを調整し、給電用の光信号の供給割合が調整されるように、ONU200_1~200_3の蓄電量情報に基づいて、光スイッチ112を制御する。そして、給電用の光信号は、供給先のONUに送信される。これにより、OLT100は、同時に、複数のONUに給電を行うことができる。
【0043】
実施の形態2.
次に、実施の形態2を説明する。実施の形態2では、実施の形態1と相違する事項を主に説明する。そして、実施の形態2では、実施の形態1と共通する事項の説明を省略する。
【0044】
実施の形態2における光給電システムでは、OLTと複数のONUは、通信用の光信号の送受信を行う。この点は、実施の形態1と同じである。しかし、実施の形態2では、給電用の光信号の通信関係が、実施の形態1と異なる。そのため、以下、給電用の光信号の通信関係を説明する。
【0045】
図7は、実施の形態2の光給電システムを示す図である。OLT100aとONU200_1,・・・,200_nとは、光ファイバ30、分光器300_1、及び光ファイバ30_1,・・・,30_nを介して接続する。OLT100aとONU201_1,・・・,201_nとは、光ファイバ31、分光器300_n、及び光ファイバ31_1,・・・,31_nを介して接続する。
【0046】
このように、OLTと複数のONUとの間には、分光器が設置される。分光器300_1,・・・,300_nの総称は、分光器300と呼ぶ。分光器300の機能は、後で詳細に説明する。
【0047】
次に、光給電システムの機能を説明する。
図8は、実施の形態2の光給電システムの機能を示すブロック図である。OLT100aは、光給電部110a、及び制御部130aを有する。
光給電部110aは、給電用の光信号をONU200に送信する。光給電部110aの機能は、後で詳細に説明する。制御部130aの機能は、後で詳細に説明する。
【0048】
次に、OLT100aの機能を詳細に説明する。
図9は、実施の形態2のOLTの機能を示すブロック図である。光給電部110aは、レーザ部111aを有する。
【0049】
例えば、レーザ部111aは、DFB(Distributed Feedback)分布帰還型半導体レーザで実現される。レーザ部111aは、可変波長レーザである。そのため、レーザ部111aは、様々な波長の光信号を出力できる。例えば、波長は、光ファイバの光透過率が高い波長帯の波長である。例えば、波長帯は、O-band(Original-band)、S-band(Short-wavelength-band)、C-band(Conventional-band)、又はL-band(Long-wavelength-band)である。
【0050】
制御部130aは、蓄電量情報が示す蓄電量に応じて、レーザ部111aの光出力パワーを調整する。また、制御部130aは、当該蓄電量情報を送信したONUに割当てられている波長λの給電用の光信号が出力されるように、レーザ部111aを制御する。例えば、ONU200_1が蓄電量情報を送信したものとする。また、ONU200_1には、λが割当てられているものとする。制御部130aは、λの給電用の光信号が出力されるように、レーザ部111aを制御する。なお、nは、正の整数である。
【0051】
また、実施の形態1と同様に、制御部130aは、蓄電量情報が最大蓄電量を示している場合、レーザ部111aが給電用の光信号を出力しないように、制御を行う。
【0052】
ここで、分光器300を説明する。例えば、分光器300は、誘電体多層膜フィルタなどのWDM(Wavelength Division Multiplexing)カプラで実現される。分光器300は、OLT100aが送信した給電用の光信号を、当該給電用の光信号の波長が割当てられているONUに送信する。例えば、ONU200_1には、λが割当てられているものとする。給電用の光信号の波長がλである場合、分光器300は、給電用の光信号をONU200_1に送信する。
【0053】
次に、光給電システムのタイミングチャートを示す。
図10は、実施の形態2の光給電システムのタイミングチャートの例を示す図である。
(ステップST21)ONU200_1は、蓄電量情報をOLT100aに送信する。
(ステップST22)ONU200_2は、蓄電量情報をOLT100aに送信する。
(ステップST23)ONU200_3は、蓄電量情報をOLT100aに送信する。
【0054】
(ステップST24)OLT100aの制御部130aは、蓄電量情報が示す蓄電量に応じて、レーザ部111aの光出力パワーを調整する。また、制御部130aは、λの給電用の光信号が出力されるように、レーザ部111aを制御する。OLT100aの光給電部110aは、レーザ部111aが出力した給電用の光信号を、分光器300を介して、ONU200_1に送信する。
【0055】
(ステップST25)OLT100aの制御部130aは、蓄電量情報が示す蓄電量に応じて、レーザ部111aの光出力パワーを調整する。また、制御部130aは、λの給電用の光信号が出力されるように、レーザ部111aを制御する。OLT100aの光給電部110aは、レーザ部111aが出力した給電用の光信号を、分光器300を介して、ONU200_2に送信する。
【0056】
(ステップST26)OLT100aの制御部130aは、蓄電量情報が示す蓄電量に応じて、レーザ部111aの光出力パワーを調整する。また、制御部130aは、λの給電用の光信号が出力されるように、レーザ部111aを制御する。OLT100aの光給電部110aは、レーザ部111aが出力した給電用の光信号を、分光器300を介して、ONU200_3に送信する。
【0057】
また、レーザ部111aには、最大発光時間が設定されてもよい。
【0058】
実施の形態2によれば、OLT100aは、蓄電量情報が示す蓄電量に応じて、光給電を行う。よって、OLT100aは、蓄電量を考慮して光給電を行うことができる。
【0059】
また、OLT100aは、複数のレーザ部を有してもよい。通信部120が複数のONU(例えば、ONU200_1,200_2)から複数の蓄電量情報を受信した場合、制御部130aは、複数の蓄電量情報に基づいて、複数のレーザ部の光出力パワーを調整する。また、制御部130aは、当該複数の蓄電量情報を送信した複数のONUに割当てられている波長の給電用の光信号が出力されるように、複数のレーザ部を制御する。例えば、複数のレーザ部は、λとλの給電用の光信号を出力する。そして、出力された複数の給電用の光信号は、分光器300を介して、当該複数の蓄電量情報を送信した複数のONUに供給される。このように、OLT100aは、同時に、給電用の光信号を複数のONUに供給することができる。
【0060】
以上に説明した各実施の形態における特徴は、互いに適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0061】
10 光カプラ、11 光カプラ、20,20_1,・・・,20_n 光ファイバ、21,21_1,・・・,21_n 光ファイバ、30,30_1,・・・,30_n 光ファイバ、31,31_1,・・・,31_n 光ファイバ、100 OLT、101,101_1,・・・,101_n 通信ポート、102,102_1,・・・,102_n 給電ポート、110 光給電部、110a 光給電部、111 レーザ部、111a レーザ部、112 光スイッチ、120 通信部、130 制御部、130a 制御部、200,200_1,200_2,200_3,・・・,200_n,201_1,・・・,201_n ONU、210 光受信部、220 光電変換実行部、230 蓄電池、240 電圧センサ、250 制御部、260 通信部、300,300_1,・・・,300_n 分光器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10