(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150902
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】無線スイッチ装置及び制御システム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/04 20060101AFI20241017BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
H04B1/04 P
H04Q9/00 301D
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063930
(22)【出願日】2023-04-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】301072063
【氏名又は名称】株式会社エコー総合企画
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(74)【代理人】
【識別番号】100228669
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 愛規
(72)【発明者】
【氏名】森山 明彦
【テーマコード(参考)】
5K048
5K060
【Fターム(参考)】
5K048BA07
5K048DB01
5K048DC01
5K048EB02
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA04
5K048HA36
5K060CC04
5K060DD08
5K060JJ23
5K060MM08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】スイッチ操作部の異なる操作部位の個別操作で作動する2回路のスイッチに対し発電部を共通化して設置スペースとコストの低減を可能とする無線スイッチ装置及び制御システムを提供する。
【解決手段】無線スイッチ装置には、スイッチ筐体20をカバーする枠体22の開口部にスイッチ操作プレート24が設けられる。スイッチ操作プレート24の両端の裏路面側には、スイッチ44、46及び誘導発電方式の発電部26が配置され、スイッチ操作プレート24の一端を押込むと発電部26が発電しスイッチ44がオンし、固有の信号を無線送信し、スイッチ操作プレート24の他端を押込むと発電部26が発電しスイッチ46がオンし、固有の信号を無線送信する。1枚のスイッチ操作プレート24で、単一の発電部26の共通動作と2回路のスイッチ44,46の個別動作を実現可能とする。無線スイッチ装置からの信号は、照明装置の制御などに用いられる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気発生部材及び又は電磁誘導コイルとの相対移動により発電する発電部と、
前記発電部による前記発電を整流して電源を供給する電源部と、
一端を押込んだ場合に他端を支点に揺動し、前記他端を押込んだ場合に前記一端を支点に揺動するスイッチ操作プレートと、
前記スイッチ操作プレートの前記一端の押込みと押離しの各々で前記発電部により発電させるとともに、前記スイッチ操作プレートの前記他端の押込みと押離しの各々で前記発電部により発電させる発電機構と、
前記スイッチ操作プレートの前記一端の押込みによりオンし、前記一端の押離しによりオフする第1スイッチと、
前記スイッチ操作プレートの前記他端の押込みによりオンし、前記他端の押離しによりオフする第2スイッチと、
前記電源部から電源の供給を受けたときに動作し、前記スイッチ操作プレートの一端の押込みと押離しによる前記第1スイッチのオンとオフの各々に対応して固有の信号を送信部から無線送信させるとともに、前記スイッチ操作プレートの他端の押込みと押離しによる前記第2スイッチのオンとオフの各々に対応して固有の信号を前記送信部から無線送信させる信号処理部と、
を備えたことを特徴とする無線スイッチ装置。
【請求項2】
請求項1記載の無線スイッチ装置において、更に、
操作側に開いた箱状のスイッチ筐体と、
前記スイッチ筐体の開口部の周囲を覆って配置され、前記スイッチ操作プレートの両端を抜け止めして前記スイッチ筐体の開口部に保持する枠体と、
前記スイッチ操作プレートの両端裏面側から延在されて前記枠体の内側の支点受部に当接する支点部と、
前記スイッチ操作プレートを前記枠体の内側へ押圧する付勢部材と、
を備え、
前記スイッチ操作プレートの一端を押込んだ場合に他端の前記支点部の前記枠体の内側の前記支点受部への当接により一端を揺動させて前記発電部で発電させるとともに前記第1スイッチをオンし、前記スイッチ操作プレートの一端を押離した場合の初期位置への戻りにより前記発電部で発電させるとともに前記第1スイッチをオフし、
前記スイッチ操作プレートの他端を押込んだ場合に一端の前記支点部の前記枠体の内側の前記支点受部への当接により他端を揺動させて前記発電部で発電させるとともに前記第2スイッチをオンし、前記スイッチ操作プレートの他端を押離した場合の初期位置への戻りにより前記発電部で発電させるとともに前記第2スイッチをオフすることを特徴とする無線スイッチ装置。
【請求項3】
請求項2記載の無線スイッチ装置において、
前記枠体が配置されたスイッチ筐体の開口部に対し、分割された複数のスイッチ操作プレートが配置され、
前記複数のスイッチ操作プレートの各々に対応して前記第1スイッチと前記第2スイッチの組が複数組配置されたことを特徴とする無線スイッチ装置。
【請求項4】
請求項1記載の無線スイッチ装置において、
前記信号処理部は、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのオンに対応して固有のオン信号を送信し、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのオフに対応して共通のオフ信号を送信することを特徴とする無線スイッチ装置。
【請求項5】
請求項1乃至4何れかに記載の無線スイッチ装置と、前記無線スイッチ装置から送信した信号を受信して所定の負荷を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする制御システム。
【請求項6】
請求項5記載の制御システムにおいて、
前記制御装置は照明装置を制御する照明制御装置であり、
前記無線スイッチ装置は、前記スイッチ操作プレートの一端及び他端の短押し操作と長押し操作の組み合わせにより、前記照明装置を点灯、消灯、明るさを調整する調光の各々を識別可能な所定の固有信号を送信し、
前記照明制御装置は、前記固有信号の受信に基づいて、前記照明装置の点灯、消灯、調光を制御することを特徴とする制御システム。
【請求項7】
請求項5記載の制御システムにおいて、
前記制御装置はカーテン装置を開閉制御するカーテン制御装置であり、
前記無線スイッチ装置は、前記スイッチ操作プレートの一端及び他端の短押し操作と長押し操作の組み合わせにより、前記カーテン装置の開放、閉鎖及び途中停止の各々を識別可能な所定の固有信号を送信し、
前記カーテン制御装置は、前記固有信号の受信に基づいて、前記カーテン装置の開放、閉鎖又は途中停止を制御することを特徴とする制御システム。
【請求項8】
請求項5記載の制御システムにおいて、
前記制御装置はシャッター装置を開閉制御するシャッター制御装置であり、
前記無線スイッチ装置は、前記スイッチ操作プレートの一端及び他端の短押し操作と長押し操作の組み合わせにより、前記シャッター装置の開放、閉鎖及び途中停止の各々を識別可能な所定の固有信号を送信し、
前記シャッター制御装置は、前記固有信号の受信に基づいて、前記シャッター装置の開放、閉鎖又は途中停止を制御することを特徴とする制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ操作に伴う電磁誘導方式の自己発電により信号を無線送信する無線スイッチ装置及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、制御システムで使用している無線スイッチ装置は電池電源で動作しているが、定期的な充電や交換を必要とするために維持管理が大変であることから、近年にあっては、スイッチ操作に伴う電磁誘導方式の自己発電により信号を送信する電池レスの無線スイッチ装置が実用化され、普及が進んでいる。
【0003】
しかし、従来の無線スイッチ装置にあっては、1回のスイッチ操作により発電した電力で1回だけ信号を無線送信するようにしており、通信環境によっては、1回の通信では正常に電波を受信できない場合があり、信頼性が十分とは云えない場合がある。この問題を解決するためには、1回のスイッチ操作で複数回信号を送信すれば良いが、1回の電磁誘導方式による自己発電で得られる電力で無線スイッチ操作が動作可能な時間は1~2msといった短時間であり、この間に信号を複数回を送信することは困難である。
【0004】
この問題を解決するため、スイッチ操作部を押したときに発電して固有の信号を送信し、スイッチ操作部の押込みを離したときに発電して固有の信号を送信する無線スイッチ装置が提案され、実用化されている(特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-092073号公報
【特許文献2】特開2022-032757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、スイッチ操作部を押込んだときと押込みを離したときに発電して信号を送信する従来の無線スイッチ装置にあっては、例えば、無線スイッチ装置からの信号により照明システムを制御する場合には、照明装置の点灯と消灯を行う無線スイッチ装置、照明装置の明暗を調整する調光操作を行う無線スイッチ装置を必要とし、それぞれの無線スイッチ装置が電磁誘導方式による発電部を備えているため、無線スイッチ装置全体として設置スペースやコストが増加する問題がある。
【0007】
また、照明システムのスイッチ装置にあっては、一か所に複数のスイッチ装置を並べて配置する場合があり、この場合にも複数の無線スイッチ装置が電磁誘導方式による発電部を個別に備えているため、無線スイッチ装置全体として設置スペースやコストが増加する問題がある。
【0008】
本発明は、スイッチ操作部の異なる操作部位の個別操作で作動する2回路のスイッチに対し発電部を共通化して設置スペースとコストの低減を可能とする無線スイッチ装置及び制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(無線スイッチ装置)
本発明は、無線スイッチ装置であって、
磁気発生部材及び又は電磁誘導コイルとの相対移動により発電する発電部と、
発電部による発電を整流して電源を供給する電源部と、
一端を押込んだ場合に他端を支点に揺動し、他端を押込んだ場合に一端を支点に揺動するスイッチ操作プレートと、
スイッチ操作プレートの一端の押込みと押離しの各々で発電部により発電させるとともに、スイッチ操作プレートの他端の押込みと押離しの各々で発電部により発電させる発電機構と、
スイッチ操作プレートの一端の押込みによりオンし、一端の押離しによりオフする第1スイッチと、
スイッチ操作プレートの他端の押込みによりオンし、他端の押離しによりオフする第2スイッチと、
電源部から電源の供給を受けたときに動作し、スイッチ操作プレートの一端の押込みと押離しによる第1スイッチのオンとオフの各々に対応して固有の信号を送信部から無線送信させるとともに、スイッチ操作プレートの他端の押込みと押離しによる第2スイッチのオンとオフの各々に対応して固有の信号を送信部から無線送信させる信号処理部と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
(スイッチ操作プレートの揺動構造)
無線スイッチ装置は、更に、
操作側に開いた箱状のスイッチ筐体と、
スイッチ筐体の開口部の周囲を覆って配置され、スイッチ操作プレートの両端を抜け止めしてスイッチ筐体の開口部に保持する枠体と、
スイッチ操作プレートの両端裏面側から延在されて枠体の内側の支点受部に当接する支点部と、
スイッチ操作プレートを枠体の内側へ押圧する付勢部材と、
を備え、
スイッチ操作プレートの一端を押込んだ場合に他端の支点部の枠体の内側の支点受部への当接により一端を揺動させて発電部で発電させるとともに第1スイッチをオンし、スイッチ操作プレートの一端を押離した場合の初期位置への戻りにより発電部で発電させるとともに第1スイッチをオフし、スイッチ操作プレートの他端を押込んだ場合に一端の支点部の枠体の内側の支点受部への当接により他端を揺動させて発電部で発電させるとともに第2スイッチをオンし、スイッチ操作プレートの他端を押離した場合の初期位置への戻りにより発電部で発電させるとともに第2スイッチをオフする。
【0011】
(複数のスイッチ操作プレートを備えたスイッチ構造)
無線スイッチ装置は、
枠体が配置されたスイッチ筐体の開口部に対し、分割された複数のスイッチ操作プレートが配置され、
複数のスイッチ操作プレートの各々に対応して第1スイッチと第2スイッチの組が複数組配置される。
【0012】
(オンオフ信号)
信号処理部は、第1スイッチ及び第2スイッチのオンに対応して固有のオン信号を送信し、第1スイッチ及び第2スイッチのオフに対応して共通のオフ信号を送信する。
【0013】
(制御システム)
本発明は、制御システムであって、前述した無線スイッチ装置と、無線スイッチ装置から送信した信号を受信して所定の負荷を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
(照明制御システム)
制御装置は照明装置を制御する照明制御装置であり、
無線スイッチ装置は、スイッチ操作プレートの一端及び他端の短押し操作と長押し操作の組み合わせにより、照明装置を点灯、消灯、明るさを調整する調光の各々を識別可能な所定の固有信号を送信し、
照明制御装置は、固有信号の受信に基づいて、照明装置の点灯、消灯又は調光を制御する。
【0015】
(カーテン制御システム)
制御装置はカーテン装置を開閉制御するカーテン制御装置であり、
無線スイッチ装置は、スイッチ操作プレートの一端及び他端の短押し操作と長押し操作の組み合わせにより、カーテン装置の開放、閉鎖及び途中停止の各々を識別可能な所定の固有信号を送信し、
カーテン制御装置は、固有信号の受信に基づいて、カーテン装置の開放、閉鎖又は途中停止を制御する。
【0016】
(シャッター制御システム)
制御装置はシャッター装置を開閉制御するシャッター制御装置であり、
無線スイッチ装置は、スイッチ操作プレートの一端及び他端の短押し操作と長押し操作の組み合わせにより、シャッター装置の開放、閉鎖及び途中停止の各々を識別可能な所定の固有信号を送信し、
シャッター制御装置は、固有信号の受信に基づいて、シャッター装置の開放、閉鎖又は途中停止を制御する。
【発明の効果】
【0017】
(無線スイッチ装置の効果)
本発明は、無線スイッチ装置であって、磁気発生部材及び又は電磁誘導コイルとの相対移動により発電する発電部と、発電部による発電を整流して電源を供給する電源部と、一端を押込んだ場合に他端を支点に揺動し、他端を押込んだ場合に一端を支点に揺動するスイッチ操作プレートと、スイッチ操作プレートの一端の押込みと押離しの各々で発電部により発電させるとともに、スイッチ操作プレートの他端の押込みと押離しの各々で発電部により発電させる発電機構と、スイッチ操作プレートの一端の押込みによりオンし、一端の押離しによりオフする第1スイッチと、スイッチ操作プレートの他端の押込みによりオンし、他端の押離しによりオフする第2スイッチと、電源部から電源の供給を受けたときに動作し、スイッチ操作プレートの一端の押込みと押離しによる第1スイッチのオンとオフの各々に対応して固有の信号を送信部から無線送信させるとともに、スイッチ操作プレートの他端の押込みと押離しによる第2スイッチのオンとオフの各々に対応して固有の信号を送信部から無線送信させる信号処理部と、を備えたため、共通の操作部となるスイッチ操作プレートの一端と他端の異なる操作部位の操作で個別に作動する2回路の第1スイッチと第2スイッチに対し単一の発電部を設けることで共通化し、スイッチに1対1に対応して発電部を設けた場合と比較して、設置スペースとコストの低減を可能とする。
【0018】
(スイッチ操作プレートの揺動構造の効果)
また、無線スイッチ装置は、更に、
操作側に開いた箱状のスイッチ筐体と、スイッチ筐体の開口部の周囲を覆って配置され、スイッチ操作プレートの両端を抜け止めしてスイッチ筐体の開口部に保持する枠体と、スイッチ操作プレートの両端裏面側から延在されて枠体の内側の支点受部に当接する支点部と、スイッチ操作プレートを枠体の内側へ押圧する付勢部材と、を備え、スイッチ操作プレートの一端を押込んだ場合に他端の支点部の枠体の内側の支点受部への当接により一端を揺動させて発電部で発電させるとともに第1スイッチをオンし、スイッチ操作プレートの一端を押離した場合の初期位置への戻りにより発電部で発電させるとともに第1スイッチをオフし、スイッチ操作プレートの他端を押込んだ場合に一端の支点部の枠体の内側の支点受部への当接により他端を揺動させて発電部で発電させるとともに第2スイッチをオンし、スイッチ操作プレートの他端を押離した場合の初期位置への戻りにより発電部で発電させるとともに第2スイッチをオフするようにしたため、スイッチ操作プレートの一端の押込みで他端を支点に一端を揺動させる所謂シーソー構造としての動きが実現され、また、スイッチ操作プレートの他端の押込みで一端を支点に他端を揺動させる逆のシーソー構造としての動きが実現され、スイッチ操作プレートの浮動シーソー構造としての動きにより、第1スイッチ又は第2スイッチの個別作動と発電部の共通した作動を適切に実現可能とする。
【0019】
(複数のスイッチ操作プレートを備えたスイッチ構造の効果)
また、無線スイッチ装置は、枠体が配置されたスイッチ筐体の開口部に対し、分割された複数のスイッチ操作プレートが配置され、複数のスイッチ操作プレートの各々に対応して第1スイッチと第2スイッチの組が複数組配置されるようにしたため、スイッチ筐体及びその枠体を変更することなく、枠体の内側に配置されるスイッチ操作プレートを分割し、例えば2分割又は3分割して配置するとともに、分割した各スイッチプレートに対応して第1スイッチと第2スイッチを配置することで、発電部や発電機構を変更することなく、無線スイッチ装置に設けられる第1スイッチと第2スイッチの組を簡単且つ容易に増加させることを可能とする。
【0020】
(オンオフ信号の効果)
また、信号処理部は、第1スイッチ及び第2スイッチのオンに対応して固有のオン信号を送信し、第1スイッチ及び第2スイッチのオフに対応して共通のオフ信号を送信することで、第1スイッチと第2スイッチのオン信号は各々固有の識別符号(識別コード)を含むことで受信側で区別可能とするが、第1スイッチと第2スイッチのオフ信号は各々共通の識別符号(識別コード)を含むことで受信側での処理を簡略化することを可能とする。
【0021】
(制御システムの効果)
また、本発明は、制御システムであって、前述した無線スイッチ装置と、無線スイッチ装置から送信した信号を受信して所定の負荷を制御する制御装置と、を備えるようにしたため、前述した無線スイッチ装置の効果を活かして、無線スイッチ装置の設置スペースとコストを低減可能とする制御システムの構築を可能とする。
【0022】
(照明制御システムの効果)
また、制御装置は照明装置を制御する照明制御装置であり、無線スイッチ装置は、スイッチ操作プレートの一端及び他端の短押し操作と長押し操作の組み合わせにより、照明装置を点灯、消灯、明るさを調整する調光の各々を識別可能な所定の固有信号を送信し、照明制御装置は、固有信号の受信に基づいて、照明装置の点灯、消灯、調光を制御するようにしたため、前述した無線スイッチ装置に設けるスイッチ操作プレートを分割して各々に第1スイッチと第2スイッチの組を配置することで、照明装置の制御に必要とするスイッチ数を簡単且つ容易に実現し、、無線スイッチ装置の設置スペースとコストを低減可能とする照明制御システムの構築を可能とする。この点は、カーテン制御システムやシャッター制御システムに前述した無線スイッチ装置を用いた場合にも同様となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】無線スイッチ装置を備えた照明制御システムを示した説明図である。
【
図2】
図1の無線スイッチ装置を取出して外観を示した説明図である。
【
図3】無線スイッチ装置の内部構造を枠体及びスイッチ操作プレートを外して示した説明図である。
【
図4】無線スイッチ装置の枠体を取出して示した説明図である。
【
図5】
図1の無線スイッチ装置のスイッチ操作プレートを取出して示した説明図である。
【
図6】無線スイッチ装置の内部構造とスイッチ動作を断面で示した説明図である。
【
図7】
図1の無線スイッチ装置の機能構成を示した説明図である。
【
図8】
図7の無線スイッチ装置の操作内容と識別符号の関係を一覧で示した説明図である。
【
図9】無線スイッチ装置からの受信信号に基づく
図1の照明制御装置による短押操作と長押操作の判別を示したタイムチャートである。
【
図10】
図1の無線スイッチ装置の操作に対応した照明制御を一覧で示した説明図である。
【
図11】
図1の二連無線スイッチ装置の機能構成を示した説明図である。
【
図12】
図11の二連無線スイッチ装置の操作内容と識別符号の関係を一覧で示した説明図である。
【
図13】
図1の二連無線スイッチ装置に用いる2分割されたスイッチ操作プレートを示した説明図である。
【
図14】
図1の三連無線スイッチ装置の機能構成を示した説明図である。
【
図15】
図14の三連無線スイッチ装置の操作内容と識別符号の関係を一覧で示した説明図である。
【
図16】
図1の三連無線スイッチ装置に用いる3分割されたスイッチ操作プレートを示した説明図である。
【
図17】二連無線スイッチ装置を用いたカーテン制御システムを示した説明図である。
【
図18】
図17の二連無線スイッチ装置の操作に対応したカーテン制御を一覧で示した説明図である。
【
図19】二連無線スイッチ装置を用いたシャッター制御システムを示した説明図である。
【
図20】
図19の二連無線スイッチ装置の操作に対応したシャッター制御を一覧で示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明に係る無線スイッチ装置及び制御システムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態により、この発明が限定されるものではない。
【0025】
[実施形態の基本的な概念]
実施形態は、概略的に、無線スイッチ装置に関するものである。無線スイッチ装置とは、スイッチ操作部のスイッチ操作による電磁誘導方式の自己発電により動作して所定の信号を無線送信するものである。
【0026】
また、実施形態は、概略的に、制御システムに関するものである。制御システムとは、無線スイッチ装置から送信された信号を制御装置で受信して所定の処理を行うものである。
【0027】
実施形態の無線スイッチ装置は、発電部、電源部、スイッチ操作プレート、発電機構、第1スイッチ、第2スイッチ及び信号処理部で構成されるものである。
【0028】
ここで、「発電部」とは、磁気発生部材及び又は電磁誘導コイルとの相対移動により、電磁誘導コイルを通過する磁束を変化させることで発電するものである。なお、「磁気発生部材」とは、永久磁石及び磁性材料で作られたヨーク等の磁気を発生して磁束を電磁誘導コイルに通過させるものである。
【0029】
また、「電源部」とは、発電部による発電を整流して電源を供給するものであり、例えば、発電電力をダイオードブリッジ等により全波整流し、定電圧回路等により所定の定電圧に変換するものである。
【0030】
また、「スイッチ操作プレート」とは、一端を押込んだ場合に他端を支点に揺動し、他端を押込んだ場合に一端を支点に揺動する部材である。
【0031】
また、「発電機構」とは、スイッチ操作プレートの一端の押込みと押離しの各々で発電部により発電させるとともに、スイッチ操作プレートの他端の押込みと押離しの各々で発電部により発電させる機構であり、より詳細には、スイッチ操作プレートの一端又は他端の押込みにより磁気発生部材及び又は電磁誘導コイルを所定の一方向に相対移動させて1回目の発電を行わせ、押込みの解除により磁気発生部材及び又は電磁誘導コイルを所定の一方向とは逆方向に相対移動させて2回目の発電を行わせるものである。
【0032】
また、「第1スイッチ」とは、スイッチ操作プレートの一端の押込みによりオンし、一端の押離しによりオフするスイッチであり、また、「第2スイッチ」とは、スイッチ操作プレートの他端の押込みによりオンし、他端の押離しによりオフするスイッチである。
【0033】
また、「信号処理部」とは、電源部から電源の供給を受けたときに動作し、スイッチ操作プレートの一端の押込みと押離しによる第1スイッチのオンとオフの各々に対応して固有の信号を送信部から無線送信させるとともに、スイッチ操作プレートの他端の押込みと押離しによる第2スイッチのオンとオフの各々に対応して固有の信号を前記送信部から無線送信させるものである。
【0034】
ここで、「固有の信号」とは、少なくとも送信側となる無線スイッチ装置を識別可能な符号、例えば、スイッチID、第1スイッチ及び第2スイッチのオンとオフを識別可能な符号を含む所定形式の信号である。
【0035】
また,「送信部」とは、信号処理部から出力された信号を無線送信するものであり、無線通信方式は任意であるが、例えば920MHz帯の特定小電力通信を行うものである。
【0036】
このため、実施形態の無線スイッチ装置によれば、共通の操作部となるスイッチ操作プレートの一端と他端の異なる操作部位の操作で個別に作動する2回路の第1スイッチと第2スイッチに対し単一の発電部を設けることで共通化し、スイッチに1対1に対応して発電部を設けた従来例と比較して、設置スペースとコストの低減を可能とするものである。
【0037】
実施形態の無線スイッチ装置は、さらに、スイッチ筐体、枠体、支点部及び付勢部材を備える。ここで、「スイッチ筐体」とは、操作側に開いた薄い箱状の収納体であり、スイッチ筐体の内部には、発電部、電源部、発電機構、及び信号処理部が収納され、スイッチ本体ということもできる。
【0038】
また、「枠体」とは、スイッチ筐体の開口部の周囲を覆って配置され、スイッチ操作プレートの両端を抜け止めしてスイッチ筐体の開口部に保持する部材である。また、「支点部」とは、スイッチ操作プレートの両端裏面側から延在されて枠体の内側の支点受部に当接する部材である。また、「付勢部材」とは、スイッチ操作プレートを枠体の内側へ押圧する部材であり、例えば、スイッチ筐体内の底部に起立されたコイルばねなどである。
【0039】
これらの構成により、スイッチ操作プレートの一端を押込んだ場合に他端の支点部の枠体の内側の支点受部への当接により一端を揺動させて発電部で発電させるとともに第1スイッチをオンする。また、スイッチ操作プレートの一端を押離した場合の初期位置への戻りにより発電部で発電させるとともに第1スイッチをオフする動作が行われる。
【0040】
また、スイッチ操作プレートの他端を押込んだ場合に一端の支点部の枠体の内側の支点受部への当接により他端を揺動させて発電部で発電させるとともに第2スイッチをオンし、スイッチ操作プレートの他端を押離した場合の初期位置への戻りにより発電部で発電させるとともに第2スイッチをオフする動作が行われる。
【0041】
このようなスイッチ操作プレートの一端の押込みで他端を支点に一端を揺動させる所謂シーソー構造としての動きが実現され、また、スイッチ操作プレートの他端の押込みで一端を支点に他端を揺動させる逆のシーソー構造としての動きが実現され、スイッチ操作プレートの浮動シーソー構造としての動きにより、第1スイッチ又は第2スイッチの個別作動と発電部の共通した作動を適切に実現可能とするものである。
【0042】
実施形態の無線スイッチ装置は、無線スイッチ装置は、枠体が配置されたスイッチ筐体の開口部に対し、分割された複数のスイッチ操作プレートが配置され、複数のスイッチ操作プレートの各々に対応して第1スイッチと第2スイッチの組が複数組配置される。
【0043】
スイッチ操作プレートの分割数は任意であるが、例えば、2分割又は3分割される。実施形態では、単一のスイッチ操作プレートを設けた無線スイッチ装置に対し、2分割したスイッチ操作プレートを設けた無線スイッチ装置を「二連無線スイッチ装置」とし、また、3分割したスイッチ操作プレートを設けた無線スイッチ装置を「三連無線スイッチ装置」としている。
【0044】
ここで、「無線スイッチ装置」は、枠体が配置されたスイッチ筐体の開口部に対し、単一のスイッチ操作プレートが配置されるとともに、単一のスイッチ操作プレートに対応して第1スイッチと第2スイッチの組が1組配置される。
【0045】
また、「二連の無線スイッチ装置」は、枠体が配置されたスイッチ筐体の開口部に対し、単一のスイッチ操作プレートの2分割に相当するスイッチ操作プレートが配置されるとともに、2分割したスイッチ操作プレートの各々に対応して第1スイッチと第2スイッチの組が2組配置される。
【0046】
また、「三連無線スイッチ装置」は、枠体が配置されたスイッチ筐体の開口部に対し、単一のスイッチ操作プレートの3分割に相当するスイッチ操作プレートが配置され.とともに、3分割したスイッチ操作プレートの各々に対応して第1スイッチと第2スイッチの組が3組配置される。
【0047】
このため、実施形態の無線スイッチ装置は、スイッチ筐体の枠体に配置されるスイッチ操作プレートを分割し、例えば2分割又は3分割して配置するとともに、分割した各スイッチプレートに対応して第1スイッチと第2スイッチを配置することで、発電部や発電機構を変更することなく、無線スイッチ装置に設けられる第1スイッチと第2スイッチの組を簡単且つ容易に増加させることを可能とするものである。
【0048】
また、無線スイッチ装置の信号処理部は、第1スイッチ及び第2スイッチのオンに対応して固有のオン信号を送信し、第1スイッチ及び第2スイッチのオフに対応して共通のオフ信号を送信するものである。このため、第1スイッチと第2スイッチのオン信号は各々固有の識別符号(識別コード)を含むことで受信側で個別に識別可能とするが、第1スイッチと第2スイッチのオフ信号は各々共通の識別符号(識別コード)を含むことで受信側で共通に識別可能とし、処理を簡略化することを可能とする。
【0049】
また、実施形態は、制御システムに関するものであり、制御システムは前述した無線スイッチ装置と、無線スイッチ装置から送信した信号を受信して所定の負荷を制御する制御装置とで構成されるものである。このため、前述した無線スイッチ装置の利点を活かして、無線スイッチ装置の設置スペースとコストを低減可能とする制御システムの構築を可能とするものである。
【0050】
実施形態の制御システムは任意であるが、例えば、照明制御システム、カーテン制御システム、シャッター制御システム等が含まれる。
【0051】
「照明制御システム」は、前述した無線スイッチ装置と照明制御装置とで構成される。ここで、「照明制御システムの無線スイッチ装置」は、スイッチ操作プレートの一端及び他端の短押し操作と長押し操作の組み合わせにより、照明装置を点灯、消灯、明るさを変える調光の各々を識別可能な所定の固有の信号を送信する。また、「照明制御装置」は、無線スイッチ装置から送信された固有信号の受信に基づいて、照明装置の点灯、消灯、調光を制御するものである。
【0052】
このため、前述したように無線スイッチ装置に設けるスイッチ操作プレートを分割して各々に第1スイッチと第2スイッチの組を配置する二連無線スイッチ装置又は三連無線スイッチ装置を使用することで、照明装置の制御に必要な数のスイッチを簡単且つ容易に確保可能とし、無線スイッチ装置の設置スペースとコストを低減可能とする照明制御システムの構築を可能とする。この点は、カーテン制御システムやシャッター制御システムに前述した無線スイッチ装置を用いた場合にも同様となる。
【0053】
以下、具体的な実施形態を説明する。以下に示す具体的な実施形態では、制御システムとして「照明制御システム」を基本とし、照明制御システムの照明区画に無線スイッチ装置として、「無線スイッチ装置」、「二連無線スイッチ装置」及び「三連無線スイッチ装置」を設けた場合について説明する。また、制御システムは、照明制御システム、カーテン制御システム、シャッター制御システムについて説明する。
【0054】
[実施形態の具体的内容]
無線スイッチ装置及び制御システムの実施形態について、より詳細に説明する。その内容については以下のように分けて説明する。
a.照明制御システム
b.無線スイッチ装置
b1.無線スイッチ装置の外観
b2.無線スイッチ装置の内部構造
b3.スイッチ操作プレートの揺動機構
b4.無線スイッチ装置の機能構成
c.二連無線スイッチ装置
d.三連無線スイッチ装置
e.カーテン制御システム
f.シャッター制御システム
g.本発明の変形例
【0055】
[a.照明制御システム]
実施形態の無線スイッチ装置を備えた照明制御システムについて説明する。当該説明にあっては、無線スイッチ装置を備えた照明制御システムを示した
図1を参照する。
【0056】
図1に示すように、実施形態の照明制御システムは、建物の室内等の照明区画A1,A2,A3に設置された照明装置16を制御するため、照明装置16の設置数に対応して、壁面などには無線スイッチ装置10、二連無線スイッチ装置12、三連無線スイッチ装置14が設置されている。
【0057】
また、照明区画A1~A3に設置された無線スイッチ装置10、二連無線スイッチ装置12及び三連無線スイッチ装置14から無線送信される信号電波を受信可能な管理人室や電気室などに照明制御装置18が設置されている。照明制御装置18からは照明区画A1~A3に設置された照明装置16に対し電源線及び制御線を含む信号配線が接続され、照明装置16の点灯、消灯、明るさを調整する調光制御を可能としている。
【0058】
照明区画A1に設置された無線スイッチ装置10は、単一のスイッチ操作プレート24を有し、スイッチ操作プレート24の上端又は下端の押込み操作と押離し操作に対応して発電部で電磁誘導による自己発電を行って電源を供給し、上端の押込み操作と押離し操作に対応したスイッチのオンとオフにより固有の信号を送信し、また、下端の押込み操作と押離し操作に対応した別のスイッチのオンとオフにより固有の信号を送信する。このため無線スイッチ装置10は2回路のスイッチとして機能する。
【0059】
照明区画A2に設置された二連無線スイッチ装置12は、分割された2枚のスイッチ操作プレート24A,24Bを有し、無線スイッチ装置10を2組設けたことに相当するスイッチ操作を可能とする。このため二連無線スイッチ装置12は4回路のスイッチとして機能する。
【0060】
照明区画A3に設置された三連無線スイッチ装置14は、分割された3枚のスイッチ操作プレート24a,24b,24cを有し、無線スイッチ装置10を3組設けたことに相当するスイッチ操作を可能とする。このため三連無線スイッチ装置14は6回路のスイッチとして機能する。
【0061】
[b.無線スイッチ装置]
続いて、無線スイッチ装置について説明する。当該説明にあっては、
図1の無線スイッチ装置を取出して外観を示した
図2、無線スイッチ装置の内部構造を枠体及びスイッチ操作プレートを外して示した
図3、無線スイッチ装置の枠体を取出して示した
図4、
図1の無線スイッチ装置のスイッチ操作プレートを取出して示した
図5及び無線スイッチ装置の内部構造とスイッチ動作を断面で示した
図6を参照する。
【0062】
なお、
図2(A)は正面を示し、
図2(B)は底面を示す。また、
図4(A)は正面を示し、
図4(B)は右側面を示し、
図4(C)は底面を示す。また、
図5(A)は正面を示し、
図5(B)は右側面を示し、
図5(C)は底面を示す。さらに、
図6(A)は
図2の切断線a-a及び
図3の切断線b-bの断面についてスイッチオフ状態を示し、
図6(B)はスイッチ操作プレートの上端側を押込み操作した場合のスイッチのオン操作を示し、
図6(C)はスイッチ操作プレートの下端側を押込み操作した場合のスイッチのオン操作を示す。
【0063】
(b1.無線スイッチ装置の外観)
図2に示すように、無線スイッチ装置10は、スイッチ筐体20、枠体22及びスイッチ操作プレート24を備える。スイッチ筐体20は操作側に開いた10数ミリ程度の高さを持った薄い箱状の収納体であり、スイッチ筐体20の開口部の周囲を覆って枠体22が配置され、枠体22はスイッチ操作プレート24の上下の両端を抜け止めしてスイッチ筐体20の開口部に保持している。スイッチ操作プレート24の上部と下部には、スイッチ操作部位を示す「丸1」、「丸2」のスイッチマークが表示されている。なお、スイッチマークの表記は任意であり、文字、記号などの適宜のマークを含む。
【0064】
スイッチ操作プレート24はスイッチ筐体20に対する枠体22の配置により、上端の押込みと押離しにより下端を支点に上下回りに僅かに揺動(回動)するシーソー構造の動きを実現し、また、下端の押込みと押離しにより上端を支点に上下回りに僅かに揺動(回動)するシーソー構造の動きを実現する。
【0065】
(b2.無線スイッチ装置の内部構造)
続いて、無線スイッチ装置の内部構造について説明する。
図3に示すように、スイッチ筐体20の内部にはプリント基板25が配置され、また、スイッチ筐体20の内部には発電部26が配置されている。発電部26は電磁誘導コイル28と磁気発生部材として機能する磁気ヨーク30で構成される。実施形態では電磁誘導コイル28を固定し、磁気ヨーク30をスイッチ操作プレートの上端又は下端の押込み操作で相対移動させるようにしている。
【0066】
発電部26に対しては、スッチ操作プレートの動きを発電部26の磁気ヨーク30に伝達するためのレバープレート32が配置されている。レバープレート32は扇状の形状であり、扇の根本側を二股に分けて軸部34により筐体内に前後方向に回動自在に軸支している。磁気ヨーク30は上方に押圧片3010を延在しており、2個所の軸部にばね端を巻き回した矩形の戻しばね36を押圧片3010の下側に当接させている。
【0067】
このためレバープレート32の扇状に広がった面をスイッチ操作プレート24で押すと、軸部34を中心にレバープレート32が回動して発電部26の磁気ヨーク30を瞬時的に磁気誘導コイル28に対し押下げて磁気誘導発電を行い、続いて、スイッチ操作プレート24を押離してレバープレート32の押込みを解除すると、戻しばね36により磁気ヨーク30が瞬時的に初期位置に戻され、逆極性の電磁誘導発電が行われる。ここで、レバープレート32及び戻しばね36により発電部26の磁気ヨーク30を作動させる発電機構が構成されている。
【0068】
スイッチ筐体20に配置したプリント基板25の上側及び下側の6箇所に分けてスイッチ40,42,44,46,48,50が配置されている。スイッチ40~50はスイッチ筐体20から出没自在なスイッチノブが取り出された公知のスイッチであり、
図1に示した無線スイッチ装置10、二連無線スイッチ装置12、三連無線スイッチ装置14のスイッチ操作プレート24,24A,24B,24a~24cの何れかの上端又は下端の押込み操作により対応するスイッチがオンし、押離し操作によりオンしたスイッチがオフする。
【0069】
ここで、無線スイッチ装置10の場合には、中央の上下に配置されたスイッチ44,46の組が使用されてプリント基板25に実装され、それ以外のスイッチ40,42,48,50は実装されない。
【0070】
また、二連無線スイッチ装置12の場合には、左右の上下に配置されたスイッチ40,42とスイッチ48,50の2組が使用されてプリント基板25に実装され、それ以外のスイッチ44,46は実装しない。
【0071】
また、三連無線スイッチ装置14の場合には、上下の左右3箇所に配置されたスイッチ40,42、スイッチ44,46及びスイッチ48,50の3組が使用されてプリント基板25に実装されている。
【0072】
また、レバープレート32の上端側の左右3箇所には、開口部に配置する単一、2分割又は3分割のスイッチ操作プレート24,24A,24B,24a~24cを枠体側へ押圧する付勢部材として、例えば、コイルばね38が起立状態配置されている。
【0073】
(b3.スイッチ操作プレートの揺動構造)
続いて、スイッチ操作プレートの揺動構造について、単一のスイッチ操作プレートを備えた無線スイッチ装置を例にとって説明する。
【0074】
図4に示すように、スイッチ筐体20の開口部に配置される枠体22の上部裏側の6箇所、及び、枠体22の下部裏側の6箇所のそれぞれには、支点受部54が一体に形成されている。支点受部54は
図4(B)の右側面に示すように、枠体22の上下の裏面から突出したアーム部の先端に互いに向かい合うように受爪5410が形成されている。
【0075】
また、枠体22の上部裏側及び下部裏側の6箇所に配置された支点受部54の配置間隔は、枠体22の開口52に、
図1に示した三連無線スイッチ装置14の3分割されたスイッチ操作プレート24a~24cを配置した場合に、それぞれ2個所の支点受部54が対応して位置するように配置している。
【0076】
図4の枠体22に設けられた支点受部54に対応して
図5のスイッチ操作プレート24には、
図5(C)の底面に示すように、上部裏側の6箇所、及び、下部裏側の6箇所のそれぞれに、支点部56が一体に形成されている。支点部56は
図5(B)の右側面に示すように、スイッチ操作プレート24の上下の裏面から突出したアーム部の先端に外側へ向けて支点爪5610が形成されている。
【0077】
続いて、無線スイッチ装置10のスイッチ動作について説明する。
図6(A)に示すスイッチオフ状態にあっては、スイッチ操作プレート24はコイルばね38の押上げを受けて、スイッチ操作プレート24の上端及び下端の支点部56は枠体22の支点受部54に当接した状態に保持されている。スイッチ操作プレート24の裏面の略中央にはレバー押圧部2410が形成され、また、裏面の上下側にはスイッチ押圧部2420,2430が形成され、レバー押圧部2410にはレバープレート32が接触し、また、スイッチ押圧部2420,2430はスイッチ44,46のスイッチノブを押し上げた位置にあることから、スイッチ44,46をオフとしている。
【0078】
図6(B)に示すように、スイッチ操作プレート24の上端側を矢印で示すように押込み操作したとすると、スイッチ操作プレート24は下端側の支点受部54に対する支点部56の当接状態を支点として、上側で枠体22の支点受部54から支点部56が離れるようにコイルばね38に抗して押し込まれる。このため、スイッチ操作プレート24の裏面のレバー押圧部2410でレバープレート32の上端側を押込んで軸部34を中心に回動させ、これに伴い発電部26の
図3に示した磁気ヨーク30が電磁誘導コイル28に対し瞬時的に移動して発電が行われ、電源が供給される。また、スイッチ操作プレート24の押込み操作に伴いスイッチ押圧部2420がスイッチ44のスイッチノブを押込み、スイッチ44がオンとなる。
【0079】
続いて、スイッチ操作プレート24の上端の押込み操作を解除して押離すと、戻しばね36の力で磁気ヨーク30とともにレバープレート32が押し戻され、また、スイッチ操作プレート24はコイルばね38の力で押し戻され、
図6(A)の状態に戻る。これに伴い発電部26の
図3に示した磁気ヨーク30が電磁誘導コイル28に対し瞬時的に戻り移動し、逆極性の発電が行われ、電源が供給される。また、スイッチ操作プレート24の押し戻しに伴いスイッチ押圧部2420がスイッチ44のスイッチノブの押込みを解除し、スイッチ44がオフとなる。
【0080】
一方、
図6(C)に示すように、スイッチ操作プレート24の下端側を矢印で示すように押込み操作したとすると、スイッチ操作プレート24は上端側の支点受部54に対する支点部56の当接状態を支点として、下側で枠体22の支点受部54から支点部56が離れるようにコイルばね38に抗して押し込まれる。このため、スイッチ操作プレート24の裏面のレバー押圧部2410でレバープレート32の上端側を押込んで軸部34を中心に回動させ、これに伴い発電部26の
図3に示した磁気ヨーク30が電磁誘導コイル28に対し瞬時的に移動して発電が行われ、電源が供給される。また、スイッチ操作プレート24の押込み操作に伴いスイッチ押圧部2430がスイッチ46のスイッチノブを押込み、スイッチ46がオンとなる。
【0081】
続いて、スイッチ操作プレート24の下端の押込み操作を解除して押離すと、戻しばね36の力で磁気ヨーク30とともにレバープレート32が押し戻され、また、スイッチ操作プレート24はコイルばね38の力で押し戻され、
図6(A)の状態に戻る。これに伴い発電部26の
図3に示した磁気ヨーク30が電磁誘導コイル28に対し瞬時的に戻り移動し、逆極性の発電が行われ、電源が供給される。また、スイッチ操作プレート24の押し戻しに伴いスイッチ押圧部2430がスイッチ46のスイッチノブの押込みを解除し、スイッチ46がオフとなる。
【0082】
(b4.無線スイッチ装置の機能構成)
続いて、無線スイッチ装置の機能構成について説明する。当該説明にあっては、
図1の無線スイッチ装置の機能構成を示した
図7及び
図7の無線スイッチ装置の操作内容と識別符号の関係を一覧で示した
図8を参照する。
【0083】
図7に示すように、単一のスイッチ操作プレート24を備えた無線スイッチ装置10は、電源部58、信号処理部60、アンテナ64を接続した通信部64を備える。
【0084】
電源部58は、スイッチ操作プレート24の上端又は下端の押込み操作に伴う発電部26からの発電出力を受けて所定の直流電源電圧に変換し、信号処理部60及び送信部62に電源を供給して動作させる。また、電源部58は、スイッチ操作プレート24の上端又は下端の押離し操作に伴う発電部26からの逆極性の発電出力を受けて所定の直流電源電圧に変換し、信号処理部60及び送信部62に電源を供給して動作させる。
【0085】
電源部58の構成は任意であるが、例えばダイオードブリッジ及び定電圧回路部を備え、全波整流回路を構成したダイオードブリッジで発電部26の発電で出力された発電電圧を整流し、定電圧回路部で所定の定電圧である電源に変換して信号処理部60及び送信部62を動作させるものであり、スイッチ操作プレート24の上端又は下端のスイッチ操作(押込み操作及び押離し操作)に伴い2回の発電により電源を供給する。
【0086】
信号処理部60は、例えば、CPU、メモリ、各種の入出力ポートを備えたコンピュータ回路を用いる。信号処理部60は、スイッチ40,42,44,46,48,50に対応してスイッチポートP1~P6を備え、実装しているスイッチ44,46をスイッチポートP3,P4に接続している。ここで、スイッチ44が第1スイッチとして機能し、スイッチ46が第2スイッチとして機能する。
【0087】
また、無線スイッチ装置10にあっては、スイッチ操作プレート24に対応してスイッチ44,46を実装しているが、スイッチ40,42,48,50は使用しないことから、想像線で示すように実装していない。このため、スイッチポートP1,P2,P5,P6は空ポートとなっている。
【0088】
信号処理部60はスイッチ操作プレート24の上端又は下端の押込み操作に対応したスイッチ44,46からのオン信号を入力して固有の識別符号を含む信号を送信部62へ出力する。また、信号処理部60はスイッチ操作プレート24の上端又は下端の押離し操作に対応したスイッチ44,46からのオフ信号を入力して固有の識別符号を含む信号を送信部62へ出力する。
【0089】
信号処理部60から出力される信号は、
図8の一覧に示すようになる。
図8にあっては、
図2に示した無線スイッチ装置10のスイッチマーク「丸1」、「丸2」に対応して実装されたスイッチ44,44について、スイッチポート、操作内容及び識別符号の一例を示している。
【0090】
例えば、スイッチ44はスイッチポートP3に接続され、スイッチマーク「丸1」を操作部位とするスイッチ操作プレート24の上端の押込み操作によるスイッチオンを示す「押込みオン」に基づき、識別符号「xxxxxxxxA103」を出力する。ここで、前側の「xxxxxxxx」は、無線スイッチ装置10を識別するためのスイッチIDであり、後側「A103」がスイッチオンを示している。なお、識別符号は16進表示であり、「xxxxxxxx」が4バイト、「A103」が2バイトの合計6バイト(48ビット)としている。また、信号処理部60から出力する信号形式は、
図8に示す識別符号を含む任意の信号形式であり、例えば、識別符号に加え、信号強度、チェックサム(CK)及び区切符号で構成される6~12バイト長(48~96ビット長)の信号とする。
【0091】
スイッチ44はスイッチ操作プレート24の上端の押込離しによるスイッチオフを示す「押離しオフ」に基づき、識別符号「xxxxxxxxA100」を出力し、「A100」がスイッチオフを示している。
【0092】
また、スイッチ46はスイッチポートP4に接続され、スイッチマーク「丸2」を操作部位とするスイッチ操作プレート24の下端の押込み操作によるスイッチオンを示す「押込みオン」に基づき、識別符号「xxxxxxxxA104」を出力し、スイッチ操作プレート24の下端の押込離しによるスイッチオフを示す「押離しオフ」に基づき、識別符号「xxxxxxxxA100」を出力する。ここで、スイッチ44,46の「押離しオフ」を示す識別符号は同じ「A100」に共通化されており、識別符号の種別を低減している。
【0093】
これらのスイッチ44,46のオン、オフに対応した識別符号は、信号処理部60のメモリに予め記憶されている。また、未使用となっているスイッチポートP1,P2,P5,P6について、予め定められた識別符号が信号処理部60のメモリに予め記憶されている。
【0094】
送信部62は、信号処理部60から出力される信号を変調して無線送信するものであり、その構成及び機能は任意であるが、例えば、特定小電力通信となる920MHz帯の所定のチャンネル周波数を使用した、例えばFSK変調により送信し、送信電力は1mW以下となる。
【0095】
無線スイッチ装置10から送信された信号は、
図1に示した照明制御装置18で受信され、
図9に示すように、スイッチオンの識別符号を含む信号E1を受信してからスイッチオフの識別符号を含む信号E2を受信するまでの時間に基づき、無線スイッチ装置10の「短押操作」と「長押操作」を判別して対応する照明区画A1の照明装置16を制御するものである。
【0096】
まず短押操作の判別は、
図9(A)に示すように、無線スイッチ装置10のスイッチ操作プレート24の例えば上端の押込みと押離しに対応して順次送信されたスイッチオン信号E1とスイッチオフ信号E2を受信することから、例えばスイッチオン信号E1の受信を判別したときにタイマを起動し、スイッチオフ信号E2の受信を判別したときにタイマを停止し、タイマで計測した押込み操作時間Tを所定の閾値時間Tthと比較し、例えば押込み操作時間Tが閾値時間Tth未満の場合は、無線スイッチ装置10の短押し操作と判別し、押込み操作時間Tが閾値時間Tth以上の場合は、無線スイッチ装置10の長押し操作と判別するものである。ここで、閾値時間Tthは任意であるが、例えば1~3秒程度の範囲内の所定時間が設定される。
【0097】
照明制御装置18で短押操作と長押操作が判別された場合の照明制御は、例えば、
図10の一覧に示すようになる。例えば、スイッチ操作プレート24の上端の押込みと押離しに対応して「短押」を判別した場合には、照明装置16の制御前の初期状態が「消灯」となっていることを条件に「点灯」とする制御が行われる。また、初期状態が照明装置16の調光制御の途中で停止した場合を示す「調光」についても、同様に「点灯」とする制御が行われる。
【0098】
また、スイッチ操作プレート24の上端の押込みと押離しに対応して「長押」を判別した場合には、照明装置16の制御前の初期状態が「消灯」となっていることを条件に「操作時間の経過に応じて明るくする」調光制御が行われる。また、初期状態が照明装置16の調光制御の途中で停止した場合を示す「調光」についても、同様に「操作時間の経過に応じて明るくする」となる調光制御が行われる。
【0099】
一方、スイッチ操作プレート24の下端の押込みと押離しに対応して「短押」を判別した場合には、照明装置16の制御前の初期状態が「点灯」となっていることを条件に「消灯」とする制御が行われる。また、初期状態が照明装置16の調光制御の途中で停止した場合を示す「調光」についても、同様に「消灯」とする制御が行われる。
【0100】
また、スイッチ操作プレート24の下端の押込みと押離しに対応して「長押」を判別した場合には、照明装置16の制御前の初期状態が「点灯」又は「調光」となっていることを条件に「操作時間の経過に応じて暗くする」調光制御が行われる。
【0101】
[c.二連無線スイッチ装置]
続いて、二連無線スイッチ装置について説明する。当該説明にあっては、
図1の二連無線スイッチ装置の機能構成を示した
図11、
図11の二連無線スイッチ装置の操作内容と識別符号の関係を一覧で示した
図12及び
図1の二連無線スイッチ装置に用いる2分割されたスイッチ操作プレートを示した
図13を参照する。
【0102】
図11に示すように、2分割されたスイッチ操作プレート24A,24Bを備えた二連無線スイッチ装置12は、電源部58、信号処理部60、アンテナ64を接続した送信部62を備える。ここで、電源部58及び送信部62の機能は
図7に示した無線スイッチ装置10の場合と同様であることから、その説明は省略する。
【0103】
2分割されたスイッチ操作プレート24A,24Bは、
図13に示すように、上下の裏面側の3箇所に支点部56を形成しており、枠体22によりスイッチ筐体20の開口部に配置した場合に、
図6(A)に示したスイッチ操作プレート24と同様に配置され、
図6(B)に示す上端の押込み押離し操作、
図6(C)に示す下端の押込み押離し操作を可能としている。スイッチ操作プレート24A,24Bの上部と下部には、スイッチ操作部位を示す「丸1」、「丸2」、「丸3」、「丸4」のスイッチマークが表示されている。
【0104】
図11に示す信号処理部60は、スイッチ操作プレート24Aに対応して実装しているスイッチ40,42をスイッチポートP1,P2に接続し、スイッチ操作プレート24Bに対応して実装しているスイッチ48,50をスイッチポートP5,P6に接続している。尚、スイッチ44,46は使用しないことから、想像線で示すように未実装であり、スイッチポートP3,P4は空ポートとなっている。
【0105】
信号処理部60はスイッチ操作プレート24Aの上端又は下端の押込み操作に対応したスイッチ40,42からのオン信号を入力して固有の識別符号を含む信号を送信部62へ出力する。また、信号処理部60はスイッチ操作プレート24Aの上端又は下端の押離し操作に対応したスイッチ40,42からのオフ信号を入力して固有の識別符号を含む信号を送信部62へ出力する。
【0106】
信号処理部60から出力される信号は、
図12の一覧に示すようになる。
図12にあっては、
図13に示したスイッチ操作プレート24A,24Bの操作部位を示すスイッチマーク「丸1」、「丸2」、「丸3」、「丸4」に対応して実装されたについて、スイッチポート、操作内容及び識別符号の一例を示している。ここで、スイッチ40,48は第1スイッチとして機能し、スイッチ42,50は第2スイッチとして機能する。
【0107】
スイッチ40,42,48,50の「押込みオン」に対応した識別符号は、固有の符号「A101」、「A102」、「A105」、「A106」を含むが、スイッチ40,42,48,50の「押込みオフ」に対応した識別符号は、共通の符号「A100」としている。
【0108】
また、二連無線スイッチ装置12からのスイッチオン信号とスイッチオフ信号の受信に基づく照明制御装置18での「短押」と「長押」の判別は
図9に示したと同様となる。また、照明制御装置18の「短押」と「長押」の判別に基づく照明制御は、分割したスイッチ操作プレート24A,24Bの操作に対応して
図10に示したと同様の制御となる。
【0109】
[d.三連無線スイッチ装置]
続いて、三連無線スイッチ装置について説明する。当該説明にあっては、
図1の三連無線スイッチ装置の機能構成を示した
図14、
図14の三連無線スイッチ装置の操作内容と識別符号の関係を一覧で示した
図15及び
図1の三連無線スイッチ装置に用いる3分割されたスイッチ操作プレートを示した
図16を参照する。
【0110】
図14に示すように、3分割されたスイッチ操作プレート24a,24b,24cを備えた三連無線スイッチ装置14は、電源部58、信号処理部60、アンテナ64を接続した送信部62を備える。ここで、電源部58及び送信部62の機能は
図7に示した無線スイッチ装置10の場合と同様であることから、その説明は省略する。
【0111】
3分割されたスイッチ操作プレート24a,24b,24cは、
図16に示すように、上下の裏面側の2箇所に支点部56を形成しており、枠体22によりスイッチ筐体20の開口部に配置した場合に、
図6(A)に示したスイッチ操作プレート24と同様に配置され、
図6(B)に示す上端の押込み押離し操作、
図6(C)に示す下端の押込み押離し操作を可能としている。スイッチ操作プレート24a,24b,24cの上部と下部には、スイッチ操作部位を示す「丸1」、「丸2」、「丸3」、「丸4」、「丸5」、「丸6」のスイッチマークが表示されている。ここで、スイッチ40,44,48は第1スイッチとして機能し、スイッチ42,46,50は第2スイッチとして機能する。
【0112】
図14に示す信号処理部60は、スイッチ操作プレート24aに対応して実装しているスイッチ40,42をスイッチポートP1,P2に接続し、スイッチ操作プレート24bに対応して実装しているスイッチ44,46をスイッチポートP3,P4に接続し、スイッチ操作プレート24cに対応して実装しているスイッチ48,50をスイッチポートP5,P6に接続している。
【0113】
信号処理部60はスイッチ操作プレート24aの上端又は下端の押込み操作に対応したスイッチ40,42からのオン信号を入力して固有の識別符号を含む信号を送信部62へ出力する。また、信号処理部60はスイッチ操作プレート24aの上端又は下端の押離し操作に対応したスイッチ40,42からのオフ信号を入力して固有の識別符号を含む信号を送信部62へ出力する。
【0114】
また、信号処理部60はスイッチ操作プレート24bの上端又は下端の押込み操作に対応したスイッチ44,46からのオン信号を入力して固有の識別符号を含む信号を送信部62へ出力する。また、信号処理部60はスイッチ操作プレート24bの上端又は下端の押離し操作に対応したスイッチ44,46からのオフ信号を入力して固有の識別符号を含む信号を送信部62へ出力する。
【0115】
さらに信号処理部60はスイッチ操作プレート24cの上端又は下端の押込み操作に対応したスイッチ48,50からのオン信号を入力して固有の識別符号を含む信号を送信部62へ出力する。また、信号処理部60はスイッチ操作プレート24cの上端又は下端の押離し操作に対応したスイッチ48,50からのオフ信号を入力して固有の識別符号を含む信号を送信部62へ出力する。
【0116】
信号処理部60から出力される信号は、
図15の一覧に示すようになる。
図15にあっては、
図16に示したスイッチ操作プレート24a,24b,24cの操作部位を示すスイッチマーク「丸1」、「丸2」、「丸3」、「丸4」、「丸5」、「丸6」に対応して実装されたスイッチ40,42,44,46,48,50について、スイッチポート、操作内容及び識別符号の一例を示している。
【0117】
スイッチ40,42,44,46,48,50の「押込みオン」に対応した識別符号は、固有の符号「A101」、「A102」、「A103」、「A104」」、「A105」、「A106」を含むが、スイッチ40,42,44,46,48,50の「押込みオフ」に対応した識別符号は、共通の符号「A100」としている。
【0118】
また、三連無線スイッチ装置14からのスイッチオン信号とスイッチオフ信号の受信に基づく照明制御装置18での「短押」と「長押」の判別は
図9に示したと同様となる。また、照明制御装置18の「短押」と「長押」の判別に基づく照明制御は、分割したスイッチ操作プレート24a,24b,24cの操作に対応して
図10に示したと同様の制御となる。
【0119】
[e.カーテン制御システム]
続いて、カーテン制御システムついて説明する。当該説明にあっては、二連無線スイッチ装置を用いたカーテン制御システムを示した
図17及び
図17の二連無線スイッチ装置の識別操作に対応したカーテン制御を一覧で示した
図18を参照する。
【0120】
図17に示すように、実施形態のカーテン制御システムは、建物の室内等の対象区画66に設置された例えば2台の電動カーテン70を制御するため、対象区画66の壁面などには電動カーテン70の台数に対応して二連無線スイッチ装置12が配置されている。
【0121】
二連無線スイッチ装置12は、
図11及び
図12に示した機能及び識別符号を含むスイッチオン信号とスイッチオフ信号を送信するものであり、カーテン制御装置68は二連無線スイッチ装置12から送信された信号を受信し、駆動部72を動作させて
図18に示すカーテン制御を行う。
【0122】
例えば、スイッチ操作プレート24Aの上端の押込みと押離しに対応して「短押」を判別した場合には、電動カーテン70の制御前の初期状態が「全閉」又は「途中停止」となっていることを条件に「全開まで開放動作」とする制御が行われる。また、初期状態が「開放中」の場合は「開放動作を停止」とする制御が行われる。
【0123】
また、スイッチ操作プレート24Aの上端の押込みと押離しに対応して「長押」を判別した場合には、電動カーテン70の制御前の初期状態が「全閉」又は「途中停止」となっていることを条件に「操作しているあいだ開放動作」とする制御が行われる。
【0124】
一方、スイッチ操作プレート24Aの下端の押込みと押離しに対応して「短押」を判別した場合には、電動カーテン70の制御前の初期状態が「全開」又は「途中停止」となっていることを条件に「全閉まで閉鎖動作」とする制御が行われる。また、電動カーテン70の初期状態が「閉鎖中」の場合には「閉鎖動作を停止」とする制御が行われる。
【0125】
また、スイッチ操作プレート24Aの下端の押込みと押離しに対応して「長押」を判別した場合には、電動カーテン70の初期状態が「全開」又は「途中停止」となっていることを条件に「操作しているあいだ閉鎖動作」とする制御が行われる。
【0126】
[f.シャッター制御システム]
続いて、シャッター制御システムについて説明する。当該説明にあっては、二連無線スイッチ装置を用いたシャッター制御システムを示した
図19及び
図19の二連無線スイッチ装置の識別操作に対応したシャッター制御を一覧で示した
図20を参照する。
【0127】
図19に示すように、実施形態のシャッター制御システムは、建物の室内等の対象区画76に設置された例えば2台の電動シャッター80を制御するため、対象区画76の壁面などには電動シャッター80の台数に対応して二連無線スイッチ装置12が配置されている。
【0128】
二連無線スイッチ装置12は、
図11及び
図12に示した機能及び識別符号を含むスイッチ信号とスイッチオフ信号を送信するものであり、シャッター制御装置78は二連無線スイッチ装置12から送信された信号を受信し、駆動部82を動作させて
図20に示すシャッター制御を行う。
【0129】
例えば、スイッチ操作プレート24Aの上端の押込みと押離しに対応して「短押」を判別した場合には、電動シャッター80の制御前の初期状態が「全閉」又は「途中停止」となっていることを条件に「全開まで上昇動作」とする制御が行われる。また、初期状態が「開放上昇中」の場合は「上昇を停止」とする制御が行われる。
【0130】
また、スイッチ操作プレート24Aの上端の押込みと押離しに対応して「長押」を判別した場合には、電動シャッター80の制御前の初期状態が「全閉」又は「途中停止」となっていることを条件に「操作しているあいだ上昇動作」とする制御が行われる。
【0131】
一方、スイッチ操作プレート24Aの下端の押込みと押離しに対応して「短押」を判別した場合には、電動シャッター80の制御前の初期状態が「全開」又は「途中停止」となっていることを条件に「全閉まで下降動作」とする制御が行われる。また、電動シャッター80の初期状態が「閉鎖下降中」の場合には「下降動作を停止」とする制御が行われ、これは「緊急停止」としての制御を含む。
【0132】
また、スイッチ操作プレート24Aの下端の押込みと押離しに対応して「長押」を判別した場合には、電動シャッター80の初期状態が「全開」又は「途中停止」となっていることを条件に「操作しているあいだ下降動作」とする制御が行われる。
【0133】
[g.本発明の変形例]
本発明による無線スイッチ装置及び制御システムの変形例について説明する。本発明の無線スイッチ装置及び制御システムは、上記の実施形態以外に、以下の変形を含むものである。
【0134】
(無線スイッチ装置と制御システムの適用対象)
上記の実施形態は、無線スイッチ装置を用いた制御システムとして、照明制御システム、カーテン制御システム、シャッター制御システムを例にとるものであったが、これに限定されず、適宜の負荷を遠隔的なスイッチ操作により制御する制御システムを含むものである。また、上記の実施形態の無線スイッチ装置および制御システムの適用対象は任意であり、例えば、工場の組立ライン、飲食店舗施設、販売施設、宿泊施設、バス等の交通機関の降車通知、建設現場などを含むものである。
【0135】
(多連無線スイッチ装置)
上記の実施形態は、スイッチ操作プレートを2分割した2連無線スイッチ装置又はスイッチ操作プレートを3分割した3連無線スイッチ装置を例にとっているが、スイッチ操作プレートを更に分割した任意の多連無線スイッチとしてもよい。
【0136】
(信号処理部)
上記の実施形態は、スイッチ操作プレートの最大分割数の3分割に対応した6個のスイッチに対応したスイッチポートを備えるとともに全ての識別符号をメモリに予め記憶するようにしているが、これに限定されず、実装するスイッチの数に対応したスイッチポートを備えるとともに対応する識別符号をメモリに予め記憶するようにしてもよい。
【0137】
(その他)
また,本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0138】
A1~A3:照明区画
10:無線スイッチ装置
12:二連無線スイッチ装置
14:三連無線スイッチ装置
16:照明装置
18:照明制御装置
20:スイッチ筐体
22:枠体
24,24A,24B,24a~24c:スイッチ操作プレート
2410:レバー押圧部
2420,2430:スイッチ押圧部
25:プリント基板
26:発電部
28:電磁誘導コイル
30:磁気ヨーク
32:レバープレート
34:軸部
36:戻しばね
38:コイルばね
40,42,44,46,48,50:スイッチ
52:開口
54:支点受部
5410:受爪
56:支点部
5610:支点爪
58:電源部
60:信号処理部
62:送信部
64:アンテナ
66,76:対象区画
68:カーテン制御装置
70:電動カーテン
72,82:駆動部
78:シャッター制御装置
80:電動シャッター
【手続補正書】
【提出日】2024-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気発生部材及び又は電磁誘導コイルとの相対移動により発電する発電部と、
前記発電部による前記発電を整流して電源を供給する電源部と、
一端を押込んだ場合に他端を支点に揺動し、前記他端を押込んだ場合に前記一端を支点に揺動するスイッチ操作プレートと、
前記スイッチ操作プレートの前記一端の押込みと押離しの各々で前記発電部により発電させるとともに、前記スイッチ操作プレートの前記他端の押込みと押離しの各々で前記発電部により発電させる発電機構と、
前記スイッチ操作プレートの前記一端の押込みによりオンし、前記一端の押離しによりオフする第1スイッチと、
前記スイッチ操作プレートの前記他端の押込みによりオンし、前記他端の押離しによりオフする第2スイッチと、
前記電源部から電源の供給を受けたときに動作し、前記スイッチ操作プレートの一端の押込みと押離しによる前記第1スイッチのオンとオフの各々に対応して固有の信号を送信部から無線送信させるとともに、前記スイッチ操作プレートの他端の押込みと押離しによる前記第2スイッチのオンとオフの各々に対応して固有の信号を前記送信部から無線送信させる信号処理部と、
を備え、
前記信号処理部は、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのオンに対応して固有のオン信号を送信し、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのオフに対応して共通のオフ信号を送信することを特徴とする無線スイッチ装置。
【請求項2】
請求項1記載の無線スイッチ装置において、更に、
操作側に開いた箱状のスイッチ筐体と、
前記スイッチ筐体の開口部の周囲を覆って配置され、前記スイッチ操作プレートの両端を抜け止めして前記スイッチ筐体の開口部に保持する枠体と、
前記スイッチ操作プレートの両端裏面側から延在されて前記枠体の内側の支点受部に当接する支点部と、
前記スイッチ操作プレートを前記枠体の内側へ押圧する付勢部材と、
を備え、
前記スイッチ操作プレートの一端を押込んだ場合に他端の前記支点部の前記枠体の内側の前記支点受部への当接により一端を揺動させて前記発電部で発電させるとともに前記第1スイッチをオンし、前記スイッチ操作プレートの一端を押離した場合の初期位置への戻りにより前記発電部で発電させるとともに前記第1スイッチをオフし、
前記スイッチ操作プレートの他端を押込んだ場合に一端の前記支点部の前記枠体の内側の前記支点受部への当接により他端を揺動させて前記発電部で発電させるとともに前記第2スイッチをオンし、前記スイッチ操作プレートの他端を押離した場合の初期位置への戻りにより前記発電部で発電させるとともに前記第2スイッチをオフすることを特徴とする無線スイッチ装置。
【請求項3】
請求項2記載の無線スイッチ装置において、
前記枠体が配置されたスイッチ筐体の開口部に対し、分割された複数のスイッチ操作プレートが配置され、
前記複数のスイッチ操作プレートの各々に対応して前記第1スイッチと前記第2スイッチの組が複数組配置されたことを特徴とする無線スイッチ装置。
【請求項4】
請求項1乃至3何れかに記載の無線スイッチ装置と、前記無線スイッチ装置から送信した信号を受信して所定の負荷を制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする制御システム。
【請求項5】
請求項4記載の制御システムにおいて、
前記制御装置は照明装置を制御する照明制御装置であり、
前記無線スイッチ装置は、前記スイッチ操作プレートの一端及び他端の短押し操作と長押し操作の組み合わせにより、前記照明装置を点灯、消灯、明るさを調整する調光の各々を識別可能な所定の固有信号を送信し、
前記照明制御装置は、前記固有信号の受信に基づいて、前記照明装置の点灯、消灯、調光を制御することを特徴とする制御システム。
【請求項6】
請求項4記載の制御システムにおいて、
前記制御装置はカーテン装置を開閉制御するカーテン制御装置であり、
前記無線スイッチ装置は、前記スイッチ操作プレートの一端及び他端の短押し操作と長押し操作の組み合わせにより、前記カーテン装置の開放、閉鎖及び途中停止の各々を識別可能な所定の固有信号を送信し、
前記カーテン制御装置は、前記固有信号の受信に基づいて、前記カーテン装置の開放、閉鎖又は途中停止を制御することを特徴とする制御システム。
【請求項7】
請求項4記載の制御システムにおいて、
前記制御装置はシャッター装置を開閉制御するシャッター制御装置であり、
前記無線スイッチ装置は、前記スイッチ操作プレートの一端及び他端の短押し操作と長押し操作の組み合わせにより、前記シャッター装置の開放、閉鎖及び途中停止の各々を識別可能な所定の固有信号を送信し、
前記シャッター制御装置は、前記固有信号の受信に基づいて、前記シャッター装置の開放、閉鎖又は途中停止を制御することを特徴とする制御システム。
【請求項8】
無線スイッチ装置と、
前記無線スイッチ装置から送信した信号を受信して所定の負荷を制御する制御装置と、を備えた制御システムであって、
前記無線スイッチ装置は、
磁気発生部材及び又は電磁誘導コイルとの相対移動により発電する発電部と、
前記発電部による前記発電を整流して電源を供給する電源部と、
一端を押込んだ場合に他端を支点に揺動し、前記他端を押込んだ場合に前記一端を支点に揺動するスイッチ操作プレートと、
前記スイッチ操作プレートの前記一端の押込みと押離しの各々で前記発電部により発電させるとともに、前記スイッチ操作プレートの前記他端の押込みと押離しの各々で前記発電部により発電させる発電機構と、
前記スイッチ操作プレートの前記一端の押込みによりオンし、前記一端の押離しによりオフする第1スイッチと、
前記スイッチ操作プレートの前記他端の押込みによりオンし、前記他端の押離しによりオフする第2スイッチと、
前記電源部から電源の供給を受けたときに動作し、前記スイッチ操作プレートの一端の押込みと押離しによる前記第1スイッチのオンとオフの各々に対応して固有の信号を送信部から無線送信させるとともに、前記スイッチ操作プレートの他端の押込みと押離しによる前記第2スイッチのオンとオフの各々に対応して固有の信号を前記送信部から無線送信させる信号処理部と、
を備え、
前記制御装置は照明装置を制御する照明制御装置であり、
前記無線スイッチ装置は、前記スイッチ操作プレートの一端及び他端の短押し操作と長押し操作の組み合わせにより、前記照明装置を点灯、消灯、明るさを調整する調光の各々を識別可能な所定の固有信号を送信し、
前記照明制御装置は、前記固有信号の受信に基づいて、前記照明装置の点灯、消灯、調光を制御することを特徴とする制御システム。