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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150925
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】浴室システム
(51)【国際特許分類】
   A47K 4/00 20060101AFI20241017BHJP
   F24H 15/196 20220101ALI20241017BHJP
   F24H 15/14 20220101ALI20241017BHJP
   F24H 15/265 20220101ALI20241017BHJP
   F24H 15/281 20220101ALI20241017BHJP
   F24H 15/30 20220101ALI20241017BHJP
【FI】
A47K4/00
F24H15/196 301Z
F24H15/14
F24H15/265
F24H15/281
F24H15/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063976
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】杉本 和也
【テーマコード(参考)】
2D132
3L024
【Fターム(参考)】
2D132GA02
3L024CC10
3L024DD50
3L024EE03
3L024HH60
(57)【要約】
【課題】浴室空調機の特定箇所の清掃時に汚れた浴室を洗浄する際の使用者の負担を軽減することを可能とする浴室システムを提供する。
【解決手段】浴室システム1Aは、浴室6の上部空間に設けられた浴室空調機2と、浴室空間の少なくとも一部を洗浄する洗浄装置3Aと、制御装置70とを備える。前記制御装置70は、前記浴室空調機2の特定箇所の清掃完了を検出した場合、前記洗浄装置3Aを動作させる清掃完了連動洗浄を実行する構成を備える。例えば、浴室空調機2における吸入口22に設けられたフィルタ24が取外された後に取り付けられたことを検出した場合、洗浄装置3Aによる清掃完了連動洗浄を実行させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の上部空間に設けられた浴室空調機と、浴室空間の少なくとも一部を洗浄する洗浄装置と、制御装置とを備えた浴室システムであって、
前記制御装置は、前記浴室空調機の特定箇所の清掃完了を検出した場合、前記洗浄装置を動作させる清掃完了連動洗浄を実行する構成を備える、浴室システム。
【請求項2】
請求項1に記載の浴室システムにおいて、
前記洗浄装置は、洗浄動作において洗浄性能の異なる複数の動作モードを有し、
前記制御装置は、前記複数の動作モードのうちで洗浄性能の低い動作モードにより前記清掃完了連動洗浄を実行する、浴室システム。
【請求項3】
請求項1に記載の浴室システムにおいて、
前記制御装置は、さらに、前記清掃完了連動洗浄の実行前に、使用者に前記清掃完了連動洗浄の実行の要否を確認する処理を行い、
前記清掃完了連動洗浄の実行が必要であると確認された場合に前記清掃完了連動洗浄を実行し、前記清掃完了連動洗浄の実行が不要であると確認された場合は前記清掃完了連動洗浄を実行しない構成を備える、浴室システム。
【請求項4】
請求項1に記載の浴室システムにおいて、
前記特定箇所は、前記浴室空調機内部に浴室内空気を取り込む吸入口に設けられたフィルタであり、
前記フィルタの脱着を検出するフィルタ脱着検出手段を備え、
前記制御装置は、前記フィルタ脱着検出手段の出力に基づいてフィルタが取外された後にフィルタの取付けを検出した場合、前記特定箇所の清掃完了を検出する、浴室システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の浴室システムにおいて、
前記浴室内に人が居るか否かを検出する浴室内在室検出手段を備え、
前記制御装置は、さらに、前記浴室内在室検出手段の出力に基づいて前記浴室内に人が居ないことが検出された場合、前記清掃完了連動洗浄の実行を開始させる構成を備える、浴室システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室空調機と洗浄装置とを備える浴室システムに関する。
【背景技術】
【0002】
浴室空調機は、浴室の天井部等に設置されて浴室の暖房、乾燥、換気等の運転を行う。浴室空調機の空気の吸入口には、埃や細かな塵等を捕集するフィルタが配設されており、フィルタには次第に埃等の汚れが溜まってくる。従来、浴室空調機において、フィルタの清掃が必要となる所定の条件を満足したとき、使用者に対しフィルタの清掃を促すフィルタ清掃サインの報知を行うものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/012591号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
浴室空調機において、前記フィルタ清掃サインが報知され、使用者がフィルタ清掃を行う場合、フィルタの取外し及び取付けによって、フィルタやフィルタ取付け部周辺に付着していた埃や細かな塵等が浴室の洗い場や浴槽等に落下して汚れてしまう場合がある。また、浴室空調機がフィルタや熱交換器等を自動的に清掃する自動清掃機構を備える場合、自動清掃機構が作動したときにも、その清掃動作によって、埃等が落下して浴室が汚れてしまう場合がある。浴室を清潔に保つため、埃等が落下した浴室を洗浄する必要があるが、使用者自ら洗浄することは、フィルタや熱交換器等の特定箇所の清掃に伴って使用者の負担となる。また、洗浄装置として、浴室の洗い場や側壁等を洗浄する浴室洗浄装置や浴槽内を洗浄する浴槽洗浄装置を浴室に備える場合、これらの洗浄装置によって、浴室空調機から浴室に落下した埃等を洗浄させるにしても、適時に洗浄装置を運転させる操作が必要であり、使用者にとって手間である。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、浴室空調機の特定箇所の清掃時に汚れた浴室を洗浄する際の使用者の負担を軽減することを可能とする浴室システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る浴室システムは、
浴室の上部空間に設けられた浴室空調機と、浴室空間の少なくとも一部を洗浄する洗浄装置と、制御装置とを備えた浴室システムであって、
前記制御装置は、前記浴室空調機の特定箇所の清掃完了を検出した場合、前記洗浄装置を動作させる清掃完了連動洗浄を実行する構成を備える。
【0007】
前記構成より、浴室空調機の特定箇所の清掃が完了すると、自動的に洗浄装置が動作して清掃完了連動洗浄が実行されるため、特定箇所の清掃時に埃や細かな塵等の落下で汚れた浴室の少なくとも一部を洗浄し、浴室を清潔に保つことができる。これにより、使用者自らによる浴室洗浄の負担を軽減でき、また、洗浄装置を操作する使用者の手間を省くこともでき、使用者の利便性が向上する。
【0008】
ここで、前記浴室空調機は、浴室暖房、浴室乾燥、浴室換気のうち少なくとも1つを運転可能な浴室空調機を含む。前記洗浄装置は、浴室の洗い場や側壁等を洗浄する浴室洗浄装置、浴槽内を洗浄する浴槽洗浄装置を含む。前記浴室空調機の特定箇所は、その清掃時に埃や細かな塵等を浴室に落下させるおそれのある箇所(部品、部分、場所等)であり、例えば、浴室空調機における、吸入口に配設されたフィルタ、熱交換器、カバー等を含む。前記清掃完了の検出は、例えば、フィルタの取外し及び取付けの検出、フィルタの自動清掃完了通知の検出、熱交換器の自動清掃完了通知の検出、カバーの開放及び取付けの検出等を含む。
【0009】
(2)前記(1)に記載の浴室システムにおいて、
前記洗浄装置は、洗浄動作において洗浄性能の異なる複数の動作モードを有し、
前記制御装置は、前記複数の動作モードのうちで洗浄性能の低い動作モードにより前記清掃完了連動洗浄を実行する構成とすることができる。
【0010】
浴室空調機の特定箇所の清掃時においては、例えば、埃や細かな塵等の落下のように、比較的簡単に洗い落とせる汚れの場合が多い。前記構成によれば、清掃完了連動洗浄においては、洗浄性能の低い動作モードで実行することで、洗い場や浴槽等の浴室に落下した埃等を除去でき、且つ、洗浄装置の洗浄動作によるランニングコストを削減できる。ここで、前記洗浄性能の低い動作モードは、例えば、洗剤等を含む洗浄モードと水洗いのみの水洗いモードがある場合には「水洗いモード」、洗剤等を含む洗浄モードで強・中・弱がある場合には「弱モード」、標準の動作モードを時間短縮した専用モード等を含む。
【0011】
(3)前記(1)又は(2)に記載の浴室システムにおいて、
前記制御装置は、さらに、前記清掃完了連動洗浄の実行前に、使用者に前記清掃完了連動洗浄の実行の要否を確認する処理を行い、
前記清掃完了連動洗浄の実行が必要であると確認された場合に前記清掃完了連動洗浄を実行し、前記清掃完了連動洗浄の実行が不要であると確認された場合は前記清掃完了連動洗浄を実行しない構成とすることができる。
【0012】
例えば、浴室空調機の特定箇所の清掃時に埃等が落下せずに浴室が汚れない場合や、非常に軽微な汚れの場合には使用者自身で清掃を行うことを所望する場合も考えられる。前記構成のように、清掃完了連動洗浄の実行前に使用者に実行要否を確認することで、使用者は、浴室の汚れ具合や使用者の都合などに応じて任意に清掃完了連動洗浄を行うか否かを決めることができ、使用者の利便性がより向上する。
【0013】
(4)前記(1)~(3)のいずれか1つに記載の浴室システムにおいて、
前記特定箇所は、前記浴室空調機内部に浴室内空気を取り込む吸入口に設けられたフィルタであり、
前記フィルタの脱着を検出するフィルタ脱着検出手段を備え、
前記制御装置は、前記フィルタ脱着検出手段の出力に基づいてフィルタが取外された後にフィルタの取付けを検出した場合、前記特定箇所の清掃完了を検出する構成とすることができる。
【0014】
浴室空調機におけるフィルタの取外し及び取付け行動によって、フィルタやフィルタ取付け部周辺に付着していた埃や細かな塵等が洗い場や浴槽等の浴室に落下することがある。前記構成によれば、浴室空調機のフィルタの取外しと取付けが検出されたことによってフィルタの清掃が完了、すなわち、浴室空調機における特定箇所の清掃が完了したと判断し、洗浄装置に清掃完了連動洗浄の洗浄動作を実行させる。これにより、フィルタ清掃時に浴室に落下した埃等を除去して浴室を清潔に保つことができ、使用者においてはフィルタ清掃時に落下した埃等で汚れた浴室を洗浄する負担を軽減できる。
【0015】
(5)前記(1)~(4)のいずれか1つに記載の浴室システムにおいて、
前記浴室内に人が居るか否かを検出する浴室内在室検出手段を備え、
前記制御装置は、さらに、前記浴室内在室検出手段の出力に基づいて前記浴室内に人が居ないことが検出された場合、前記清掃完了連動洗浄の実行を開始させる構成とすることができる。
【0016】
前記構成によれば、浴室内に人が居なくなったことを条件として清掃完了連動洗浄が開始されるため、浴室空調機の特定箇所の清掃を行った使用者が洗浄装置から噴射する水等で濡れることがなく、使用者における快適性・利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態1による浴室システムの全体構成を示す模式図である。
図2】実施形態1による浴室システムの動作を説明するためのフローチャートである。
図3】実施形態2による浴室システムの全体構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1に示すように、実施形態1の浴室システム1Aは、浴室空調機2と、洗浄装置である浴室洗浄装置3Aと、制御装置70とを備える。浴室空調機2及び浴室洗浄装置3Aは、熱源機4の熱媒循環路5と接続されている。浴室空調機2及び浴室洗浄装置3Aは、浴室6の天井部7に設けられている。浴室6には、浴槽8が設置され、浴槽8と浴室6の側壁9との間に洗い場10が設けられている。実施形態1では、浴室空調機2は、洗い場10の上方の天井部7に配設されている。
【0019】
浴槽8の底壁には、浴槽8内の浴槽水を貯留又は排水させる排水栓11が設けられ、浴槽8の上面フランジ壁には、排水栓11の排水スイッチ12a及び排水栓開閉駆動部12bが設けられている。浴槽8の側壁には、循環アダプタ13が設けられ、循環アダプタ13には熱源機4に連なる風呂循環路14が接続されたており、風呂循環路14を介して熱源機4により浴槽8への湯はり及び浴槽水の追焚きが行われる。浴槽8の上面開放部には、湯はり運転時に使用者によって浴槽蓋(不図示)が配置される。
【0020】
熱源機4は、給湯器であり、図示しないバーナ及び熱交換器を備える。熱源機4は、バーナの燃焼排ガスを熱交換器に流通させ、熱交換器により、給水管15から給水される水を加熱して湯水を生成し出湯管16に出湯する動作、風呂循環路14を循環する浴槽水を加熱する動作、熱媒循環路5を循環する熱媒体(湯、不凍液等)を加熱する動作等を実行する。熱源機4は、熱源機4の動作を制御する熱源制御部17を備えている。熱源制御部17には、熱源機4を遠隔操作するための台所リモコン18及び浴室リモコン19が通信線又は無線により通信可能に接続されている。なお、熱源機4は、給湯器に限らず、貯湯式温水器等でもよい。
【0021】
浴室空調機2は、浴室6の天井裏空間に配設される本体ケース20と、本体ケース20の下面の開口部に取り付けられて浴室6内の天井部7に配設するカバー21とを有する。
カバー21には、吸入口22と吹出口23とが設けられている。吸入口22には、埃等を装置内部に吸い込まないように、埃や細かな塵等を捕集するフィルタ24が脱着可能に配設されている。フィルタ24は、使用者によって清掃できるように、カバー21から引き抜いて取外すか、カバー21を開いて取外すように設置されている。
【0022】
本体ケース20内には、吸入口22と吹出口23とを繋ぐ風路25と、風路25内に配設された熱交換器26及び循環ファン27と、本体ケース20と連通して本体ケース20の側面に配設された換気ファン28とを備える。熱交換器26には、熱源機4に連なる熱媒循環路5が接続されている。本体ケース20内の熱媒循環路5には、開閉弁29が設けられており、この開閉弁29を開弁することにより熱源機4で加熱された熱媒体が熱交換器26に供給される。熱交換器26に熱媒体を供給して循環ファン27を作動させることにより吸入口22から本体ケース20の風路25内に吸い込まれる浴室6内の空気が熱交換器26で加熱され、温風となって吹出口23から浴室6内に送風されて浴室6の暖房が行われる。熱交換器26に熱媒体を供給させず循環ファン27を停止させた状態で、換気ファン28を作動させることにより吸入口22から本体ケース20内に吸い込まれる浴室6内の空気が屋外に排気されて浴室6の換気が行われる。熱交換器26に熱媒体を供給して循環ファン27及び換気ファン28を作動させることにより浴室6内に温風を送風しつつ浴室6内の空気が屋外に排気されて浴室6内の乾燥が行われる。なお、本発明では、浴室空調機2は、浴室暖房、浴室乾燥、浴室換気のうち少なくとも1つを運転可能な浴室空調機でもよく、例えば、浴室換気のみ行う浴室空調機であってもよい。
【0023】
浴室空調機2は、この浴室空調機2に電力を供給するとともに、浴室空調機2の動作を制御する空調制御部30を備えている。この空調制御部30は、浴室システム1Aの制御装置70の一部を構成する。空調制御部30は、マイクロコンピュータ等の演算処理手段、RAMやROM等の記憶手段、時間経過をカウントするタイマー等を備えている。また、空調制御部30は、図示しないがフィルタ24の清掃完了を検出する清掃完了検出部を備えている。すなわち、清掃完了検出部は、浴室空調機2における特定箇所の清掃完了を検出する機能を実現する構成部であり、例えば、センサ類、自動清掃機構、画像解析手段等からの信号、制御装置70による制御処理動作等に基づいて前記清掃完了を検出する。空調制御部30は、清掃完了検出部でフィルタ24の清掃完了を検出した場合、浴室洗浄装置3Aを動作させる清掃完了連動洗浄を実行させるように浴室洗浄装置3Aへ指令する。なお、清掃完了連動洗浄については、後述する。空調制御部30には、浴室空調機2を遠隔操作するための空調リモコン31が通信線又は無線により通信可能に接続されている。空調リモコン31は、浴室6の壁面に設置されている。なお、空調リモコン31は、浴室洗浄装置3Aを遠隔操作する洗浄機能部をも備えている。
【0024】
浴室洗浄装置3Aは、浴室6の天井部7に設けられて浴室6に湯水を噴射する複数のノズル33a,33b,33cと、上流端が水導入路60に接続され、下流端が各ノズル33a,33b,33cに接続された給水路34とを備える。複数のノズル33a,33b,33cは、各々の噴射方向が異なっており、各ノズル33a,33b,33cが、浴室6の洗い場10、浴室6の側壁9等に向けて湯水を噴射することで浴室6の洗浄が行われる。給水路34には、上流側から順に、給水弁35、電解槽36、液々熱交換器37が設けられている。給水弁35を開弁することにより水導入路60から水道水(水)が給水路34に流される。
【0025】
電解槽36は、一対の電極が配設されており、両電極間に電圧を印加することで給水路34に流れる水道水を電気分解して次亜塩素酸を発生させて、次亜塩素酸を含む水を生成する。水道水には塩素イオンが含まれているので、電気分解により塩素と水とが反応して次亜塩素酸が生成される。次亜塩素酸は除菌効果を有し、次亜塩素酸を含む水をノズル33a,33b,33cから浴室6内に噴射することで浴室6の壁面、床面等でのカビ等の繁殖が防止される。なお、浴室洗浄装置3Aは、電解槽36を有しない構成でもよいし、また、電解槽36に代えて銀イオンを水に含ませる銀イオン発生器を設けてもよい。
【0026】
液々熱交換器37には、熱媒循環路5から分岐した分岐熱媒循環路38が接続されている。分岐熱媒循環路38には、開閉弁39が設けられており、この開閉弁39を開弁することで液々熱交換器37に熱媒体が供給される。液々熱交換器37に熱媒体が供給されることで給水路34に流れる水が液々熱交換器37で加熱されて湯水となって各ノズル33a,33b,33cに供給される。
【0027】
浴室洗浄装置3Aは、この浴室洗浄装置3Aに電力を供給するとともに、浴室洗浄装置3Aの動作を制御する浴室洗浄制御部40を備えている。浴室洗浄制御部40は、マイクロコンピュータ等の演算処理手段、RAMやROM等の記憶手段、時間経過をカウントするタイマー等を備えている。浴室洗浄制御部40と浴室空調機2の空調制御部30とは、通信線又は無線により通信可能に接続されている。この浴室洗浄制御部40は、浴室システム1Aの制御装置70の一部を構成する。すなわち、実施形態1の浴室システム1Aにおける制御装置70は、浴室空調機2の空調制御部30と浴室洗浄装置3Aの浴室洗浄制御部40とで構成される。
【0028】
浴室洗浄制御部40は、空調リモコン31と通信線又は無線により通信可能に接続されている。従って、空調リモコン31により浴室洗浄装置3Aをも遠隔操作できる。なお、浴室洗浄装置3Aは、浴室洗浄制御部40と通信線又は無線で通信可能に接続した専用の浴室洗浄リモコンを備え、浴室洗浄リモコンにより浴室洗浄装置3Aを遠隔操作する構成としてもよい。
【0029】
浴室洗浄装置3Aは、浴室洗浄運転として、湯水のみを噴射する水洗い工程と、次亜塩素酸を含む湯水を噴射する仕上げ洗浄工程とが実行可能であり、例えば、水洗い工程と仕上げ洗浄工程とがこの順に実行される。この浴室洗浄運転の動作モードは、洗浄性能が異なる複数の動作モードを有している。例えば、洗浄能力の高い順に、強モード(例えば、水洗い工程を15分、仕上げ洗浄工程を5分)、中モード(例えば、水洗い工程を10分、仕上げ洗浄工程を5分)、弱モード(例えば、水洗い工程を5分、仕上げ洗浄工程を3分)を標準の動作モードとして有する。各動作モードは、使用者により空調リモコン31で設定できるが、後述する清掃完了連動洗浄では、浴室洗浄制御部40によって洗浄能力の低い動作モードである弱モードを実行するように設定される。なお、清掃完了連動洗浄の動作モードは、前記標準の動作モードとは別の専用モードを設けてもよい。専用モードとしては、例えば、水洗いのみの動作モード、前記弱モードの各工程の全部又は一部を時間短縮した時間短縮モード等とすることができる。
【0030】
本実施形態1の浴室システム1Aは、浴室空調機2の特定箇所の清掃完了を検出した場合に浴室洗浄装置3Aを動作させる清掃完了連動洗浄を実行することを特徴としている。ここで、「浴室空調機2の特定箇所」は、その清掃時に埃や細かな塵等を浴室空調機2から浴室6に落下させるおそれのある部品、部分、場所等の箇所であり、例えば、フィルタ24、熱交換器26、カバー21等を含む。「清掃完了の検出」は、空調制御部30の清掃完了検出部において、例えば、使用者によるフィルタ24の取外しとその後の取付けを検出した場合、フィルタ24の自動清掃機構による自動清掃完了通知を検出した場合、熱交換器26の自動清掃機構による自動清掃完了通知を検出した場合、使用者によるカバー21の開放とその後の取付けを検出した場合等を含む検出に基づいて実現される。例えば、清掃完了検出部は、センサ類からの検知信号や自動清掃機構からの完了信号等の受信、あるいは撮像手段の画像解析等に基づいて清掃完了を検出することができる。なお、清掃完了検出部は、浴室洗浄装置3Aの浴室洗浄制御部40に備え、浴室洗浄制御部40にて前記清掃完了の検出を行ってもよい。本実施形態1では、浴室空調機2の特定箇所はフィルタ24であり、清掃完了の検出は、使用者によるフィルタ24の取外し及び取付けを検出した場合とする。
【0031】
フィルタ24は、浴室空調機2のカバー21の吸入口22に配設され、吸入口22から空気とともに吸込まれる埃や細かな塵等を捕集する。フィルタ24は、カバー21の内側面に脱着可能に取り付けられている。フィルタ24は、浴室空調機2の運転性能を維持するため、定期的に清掃して付着した埃等を除去する必要がある。空調制御部30は、例えば、浴室空調機2の運転時間の積算値、ファン(循環ファン27及び換気ファン28)の風量の積算値、空調制御部30の通電時間の積算値等に基づいて所定の基準値に達した場合、使用者に対しフィルタ24の清掃時期が来たことを知らせるフィルタ清掃サインを報知するように構成されている。フィルタ清掃サインの報知は、表示器(不図示)により行われ、表示器は、浴室6内から見えるようにカバー21の窓孔に配設されている。例えば、表示器は、LEDランプで構成し、フィルタ24の清掃不要時期は緑色を点灯し、フィルタ24の清掃時期が来たときは赤色を点灯する。なお、フィルタ清掃サインの報知は、空調リモコン31に表示させるようにしてもよい。
【0032】
本実施形態1では、フィルタ24は、使用者によって清掃できるようにカバー21のフィルタ取付口(不図示)からフィルタ24を引き抜いて取外すことができ、フィルタ取付口にフィルタ24を差し込んで取り付けることができる。フィルタ清掃時に使用者がフィルタ24の取外し及び取付けを行った際、フィルタ24及びフィルタ取付け部周辺に付着していた埃や細かな塵等が浴室6に落下することがある。本実施形態1における浴室6では、浴室空調機2が洗い場10の上方の天井部7に設置されているため、埃等は、洗い場10に落下することとなり、また、洗い場10に隣接する浴室6の側壁9にも付着する場合もある。本実施形態1では、このように洗い場10等に落下した埃等を、浴室洗浄装置3Aによる清掃完了連動洗浄の実行によりきれいに洗浄する。
【0033】
本体ケース20には、フィルタ24の脱着を検出するマイクロスイッチ(フィルタ脱着検出手段)41が設けられている。マイクロスイッチ41は、例えば、フィルタ24の取外しによりONし、フィルタ24の取付けによりOFFするように設けられている。これにより、マイクロスイッチ41のONによりフィルタ24の取外しが検出され、マイクロスイッチ41のOFFによりフィルタ24の取付けが検出される。
【0034】
マイクロスイッチ41は、空調制御部30と通信可能に通信線又は無線で接続されている。空調制御部30の清掃完了検出部は、マイクロスイッチ41からの出力に基づいてフィルタ24の清掃完了を検出する。すなわち、清掃完了検出部は、マイクロスイッチ41がONを出力し、次いでOFFを出力したとき、フィルタ24の清掃が完了したものと判断し、フィルタ24の清掃完了を検出する。本実施形態1では、埃等が付いたフィルタ24の取外し及び取付けにより埃等が浴室6に落下することを問題とするため、清掃完了検出部でのフィルタ清掃完了検出は、フィルタ24が実際に清掃されたか否かにかかわらず、フィルタ24の取外し及び取付けの検出により行う。
【0035】
一方、前記フィルタ清掃サインの報知を解除する場合、フィルタ24が実際に清掃されたことを想定するため、本実施形態1では、例えば、(1)フィルタ24の取外し検出後、所定時間経過した時点、又は、(2)フィルタ24の取外し検出後、所定時間経過し、フィルタ24の取付けを検出した時点、などでフィルタ清掃サインを報知解除(赤色点灯から緑色点灯へ変更等)する。なお、前記(1)は、フィルタ24の取付けの検出の有無にかかわらず、フィルタ24の取外し検出から所定時間経過した時点とする。前記「所定時間」は、前回のフィルタ清掃後(例えば、フィルタ清掃サインの解除時点)から今回のフィルタ取外し検出時点までの浴室空調機2の運転時間やファン27,28の風量の積算値等に応じて変化させることができ、例えば、運転時間が長いほど前記所定時間を長く設定してもよい。すなわち、前記「所定時間」は、フィルタ24の汚れ具合を考慮した条件と位置づけることができ、フィルタ清掃サインが報知された時、それまでの浴室空調機2の運転時間が長かった場合、フィルタ24には埃等が多く付着し、フィルタ清掃に時間が掛かると想定される。また、フィルタ清掃サインの報知解除条件として前記「所定時間」の経過を含めることで、フィルタ24を取外して清掃せずに直ちに取付けられた場合にフィルタ清掃サインの報知が解除されないようにすることができる。これにより、フィルタ清掃サインが報知解除されたが、フィルタ24が汚れた状態であるため、性能低下したまま浴室空調機2の運転が行われて、暖房、乾燥、換気等の運転効率が低下したり製品故障が発生する等を防止できる。
【0036】
浴室空調機2には、浴室6内に人が居るか否かを検出する人検知センサ(浴室内在室検出手段)42が設けられている。人検知センサ42は、天井部7の浴室空調機2から浴室6内の360度全方位を見渡せるようにカバー21の窓孔に配設される。人検知センサ42は、様々な人感センサを使用でき、また、カメラ等の撮像手段であってもよい。なお、人検知センサ42は、浴室空調機2に設けず、浴室6内の天井部7、側壁9等の任意の位置に設けられてもよい。
【0037】
人検知センサ42は、空調制御部30と通信可能に通信線又は無線で接続されている。空調制御部30は、人検知センサ42からの検出信号を受信し、浴室6内に人が居ないことを検出した場合に浴室洗浄装置3Aに清掃完了連動洗浄の実行を開始させるように浴室洗浄制御部40に指令する。なお、空調制御部30は、人検知センサ42の検出信号にかかわらず、浴室洗浄制御部40に対し清掃完了連動洗浄の実行指令を出力してもよく、この場合、浴室洗浄制御部40は、空調制御部30から人検知センサ42の検出信号を受信するか、人検知センサ42から直接に検出信号を受信して、浴室6内に人が居ないことを検出した場合に清掃完了連動洗浄の実行を開始させるようにしてもよい。
【0038】
次に、実施形態1の浴室システム1Aにおいて、制御装置70による清掃完了連動洗浄の動作を説明する。清掃完了連動洗浄は、浴室空調機2の特定箇所としてのフィルタ24の清掃完了検出に連動して浴室洗浄装置3Aが実行する洗浄動作である。なお、以下の説明では、清掃完了連動洗浄の制御動作は、浴室空調機2においてフィルタ24の清掃時期が来た旨を報知するフィルタ清掃サインの出力を契機に開始されるが、フィルタ清掃サイン報知とは無関係に開始されてもよい。また、制御装置70による制御動作は、空調制御部30での制御動作と、浴室洗浄制御部40での制御動作とに区別して説明する。
【0039】
図2のフローチャートを参照して、浴室空調機2のフィルタ清掃サインが出力されると、ステップS1において、空調制御部30は、フィルタ24の清掃が完了したか否かを判断する。浴室空調機2のフィルタ清掃サインが出力された場合、使用者は、浴室空調機2からフィルタ24を取外して清掃を行う。そして、清掃後のフィルタ24を浴室空調機2に取付けることでフィルタ24の清掃が完了する。このとき、マイクロスイッチ41は、フィルタ24の取外しによりONし、フィルタ24の取付けによりOFFする。このようなマイクロスイッチ41のON、OFFの出力に基づいてフィルタ24の清掃完了を検出する。空調制御部30は、空調制御部30が有する清掃完了検出部においてマイクロスイッチ41のON、OFFの出力からフィルタ24が取外された後にフィルタ24の取付けが行われたことを検出した場合、フィルタ24の清掃が完了したと判断する。
【0040】
フィルタ24の清掃が完了したと判断した場合(ステップS1で「Yes」)、ステップS2において、空調制御部30は、清掃完了連動洗浄の実行要否を確認する。この実行要否の確認は、例えば、空調リモコン31を通じて行う。空調リモコン31には、例えば、フィルタ清掃完了を検出したとき、清掃完了連動洗浄の実行要否を選択するための画面を表示させる。なお、空調リモコン31には、この画面表示と同時にブザー又は音声等の報知を行わせてもよい。使用者は、清掃完了連動洗浄を行うか否かを決定するため、空調リモコン31の画面表示に従って所定のスイッチ操作又は画面上の表示ボタンのタッチ操作等により清掃完了連動洗浄の実行要否を選択する。
【0041】
使用者により清掃完了連動洗浄の実行要否が選択されると、ステップS3において、清掃完了連動洗浄の「実行否」が選択された場合(ステップS3で「No」)、ステップS4に進み、空調制御部30は、この制御動作を終了する。これにより、浴室空調機2のフィルタ24の清掃完了を検出した場合でも、浴室洗浄装置3Aによる清掃完了連動洗浄は、実行されない。一方、使用者により清掃完了連動洗浄の「実行要」が選択された場合(ステップS3で「Yes」)、ステップS5へ処理を進める。
【0042】
ステップS5において、空調制御部30は、人検知センサ42の出力に基づいて浴室6内に人が居るか否かを判断する。すなわち、フィルタ24の取付けを行った使用者が浴室6外へ退出し浴室6に不在となったか否かを判断する。人検知センサ42により浴室6内に人が居なくなったことを検出した場合(ステップS5で「Yes」)、ステップS6において、空調制御部30は、浴室洗浄装置3Aによる清掃完了連動洗浄の実行開始処理を行う。
【0043】
ステップS6では、空調制御部30は、浴室洗浄制御部40に対し、清掃完了連動洗浄を実行開始させるための指令を出力する。ステップS7において、浴室洗浄制御部40は、空調制御部30から清掃完了連動洗浄の実行開始指令を受けると、浴室洗浄装置3Aに清掃完了連動洗浄の洗浄動作を実行させる。この清掃完了連動洗浄は、洗浄性能の異なる複数の動作モードのうちで洗浄性能の最も低い動作モード(例えば、水洗い工程のみ)により洗浄動作を実行する。そして、清掃完了連動洗浄は、所定の洗浄時間の経過により終了し、これにて、この清掃完了連動洗浄の制御動作を終了する。
【0044】
以上の構成よる実施形態1の浴室システム1Aは、以下の作用効果を有する。
浴室空調機2のフィルタ清掃サインが出力された場合、フィルタ24を清掃するため、使用者がフィルタ24の取外し及び取付けを行うことによって、フィルタ24やフィルタ取付け部周辺に付着していた埃や細かな塵等が洗い場10等に落下することがある。本実施形態1の浴室システム1Aによれば、浴室空調機2のフィルタ24が取外された後に取付けられたことを検出し、フィルタ24の清掃が完了したと判断した場合、浴室洗浄装置3Aが清掃完了連動洗浄による洗浄動作を実行する。これにより、フィルタ清掃時に埃や細かな塵等が落下した浴室6の一部である洗い場10等を洗浄し埃等を除去して浴室6を清潔に保つことができる。従って、フィルタ清掃時に落下した埃等で汚れた浴室6を使用者自らが洗浄する負担を軽減でき、また、使用者自らにより浴室洗浄装置3Aを運転開始させる操作の手間も省くことができる。よって、浴室空調機2のフィルタ清掃時における使用者の利便性が向上する。
【0045】
また、浴室空調機2のフィルタ清掃時に洗い場10等に落下する埃や細かな塵等は、比較的簡単に洗い落とせる汚れである場合が多い。本実施形態1の浴室システム1Aによれば、清掃完了連動洗浄は、浴室洗浄装置3Aが有する洗浄性能の異なる複数の動作モードのうちで洗浄性能の低い動作モードで実行(図2中、ステップS7)するが、このような洗浄性能の低い動作モードでも、浴室空調機2から洗い場10等に落下した埃等を除去でき、さらには、浴室洗浄装置3Aの洗浄動作によるランニングコストを削減できる。
【0046】
また、浴室空調機2のフィルタ清掃時に埃等が落下せずに浴室6が汚れない場合や、非常に軽微な汚れの場合には使用者自身で洗浄を行うことを所望することも考えられる。本実施形態1の浴室システム1Aによれば、清掃完了連動洗浄の実行前に、使用者に実行要否を確認するステップ(図2中、ステップS2)を設けることで、使用者は、浴室6の汚れ具合や使用者の都合などに応じて清掃完了連動洗浄を行うか否かを決定することができ、使用者の利便性がより向上する。なお、清掃完了連動洗浄の実行要否を使用者に選択させるタイミングは、清掃完了連動洗浄の実行直前(フィルタ清掃完了検出直後)とするが、フィルタ清掃完了検出前(例えば、フィルタ清掃サインの報知後からフィルタ清掃完了検出までの間)でも使用者が選択可能とする構成でもよく、また、初期設定として清掃完了連動洗浄の実行要否を設定する構成としてもよい。この場合、図2のステップS2は、すでに選択された清掃完了連動洗浄の実行要否を確認するステップとする。
【0047】
また、フィルタ清掃を行った使用者が浴室6内に滞在しているときに浴室洗浄装置3Aが清掃完了連動洗浄を開始すると、浴室6内の使用者は、浴室洗浄装置3Aが噴射する湯水を浴びて不快な思いをしてしまう。本実施形態1の浴室システム1Aによれば、人検知センサ42の出力に基づいて浴室6内に人が居ないことが検出された場合に清掃完了連動洗浄の実行を開始するため(図2中、ステップS5で「Yes」→ステップS6)、使用者が浴室洗浄装置3Aから噴射する湯水で濡れることがなく、使用者における快適性・利便性が向上する。
【0048】
なお、浴室洗浄装置3Aは、浴室空調機2に浴室洗浄機能として搭載した構成でもよく、例えば、ミスト機能を備える浴室空調機においてミスト噴射ノズルから洗浄水(水、湯水、除菌性を有する水等、洗剤を含む水等)を噴射する浴室洗浄機能部でもよい。この場合、浴室洗浄制御部40は、空調制御部30に備える機能部としてもよく、この場合の空調制御部30が制御装置70となる。また、制御装置70は、空調制御部30及び浴室洗浄制御部40とは別に、一連の清掃完了連動洗浄の動作を制御する制御装置として設けられてもよい。
【0049】
また、浴室洗浄装置3Aのノズル33a,33b,33cは、浴室6の天井部7に設けたものに限らず、浴室6の側壁9、洗い場10のカウンタ、床面、浴槽8のエプロン等のように浴室空間の様々な場所に任意に設けたものでもよい。清掃完了連動洗浄を行うノズルは、複数のノズルの全部又は一部とするなどを事前に設定できる構成としてもよいし、清掃完了連動洗浄の実行前に使用者が所定のノズルを任意に選択(全部又は一部など)できる構成としてもよい。
【0050】
(実施形態2)
図3に示すように、実施形態2の浴室システム1Bは、浴室空調機2と、洗浄装置としての浴槽洗浄装置3Bと、制御装置70とを備える。実施形態2では、浴室空調機2は、浴槽8の上方の天井部7に配設されている。浴槽洗浄装置3Bは、熱源機4に接続されている。
【0051】
浴槽洗浄装置3Bは、浴槽8の底面に設けられて浴槽8の内壁面に向けて湯水を噴射する洗浄ノズル43と、上流端が熱源機4の出湯管16から引き出された湯水導入路44に接続され、下流端が洗浄ノズル43に接続された湯水供給路45と、上流端が洗剤タンク46に接続され、下流端が湯水供給路45に接続された洗剤供給路47とを備える。湯水供給路45には、上流側から順に、注湯弁48、逆止弁49、洗剤混合部50が設けられている。注湯弁48を開弁することにより熱源機4で生成された湯水が湯水導入路44を通して湯水供給路45に供給される。洗剤混合部50には、洗剤供給路47が接続されており、洗剤供給路47に配設する洗剤開閉弁51を開弁することにより洗剤タンク46内の洗剤原液が洗剤混合部50で湯水供給路45の湯水に混合されて洗剤を含む洗浄水となって洗浄ノズル43に供給される。逆止弁49は、洗浄水や洗剤原液等が湯水供給路45の上流側へ逆流することを防止する。なお、浴槽洗浄装置3Bは、熱源機4から供給される湯水を貯留する貯留タンクと、貯留タンク内の湯水を圧送するポンプとを備え、ポンプによって貯留タンク内の湯水を湯水供給路45に供給する構成であってもよい。
【0052】
浴槽洗浄装置3Bは、この浴槽洗浄装置3Bに電力を供給するとともに、浴槽洗浄装置3Bの動作を制御する浴槽洗浄制御部52を備えている。浴槽洗浄制御部52は、浴室6の天井裏空間に配設されている。浴槽洗浄制御部52は、マイクロコンピュータ等の演算処理手段、RAMやROM等の記憶手段、時間経過をカウントするタイマー等を備えている。浴槽洗浄制御部52と空調制御部30とは、通信線又は無線により通信可能に接続されている。この浴槽洗浄制御部52は、浴室システム1Bの制御装置70の一部を構成する。すなわち、実施形態2の浴室システム1Bにおける制御装置70は、浴室空調機2の空調制御部30と浴槽洗浄装置3Bの浴槽洗浄制御部52とで構成される。
【0053】
浴槽洗浄制御部52は、浴室リモコン19と通信線又は無線により通信可能に接続されている。従って、浴室リモコン19により浴槽洗浄装置3Bをも遠隔操作できる。なお、浴槽洗浄装置3Bは、浴槽洗浄制御部52と通信線又は無線で通信可能に接続した専用の浴槽洗浄リモコンを備え、浴槽洗浄リモコンにより浴槽洗浄装置3Bを遠隔操作する構成としてもよい。
【0054】
浴槽洗浄装置3Bは、浴槽洗浄運転として、湯水のみを噴射する水洗い工程と、洗剤を含む湯水(洗浄水)を噴射する洗剤洗浄工程とが実行可能であり、例えば、水洗い工程(予備洗浄工程)、洗剤洗浄工程(本洗い工程)、水洗い工程(すすぎ工程)がこの順に実行される。この浴槽洗浄運転の動作モードは、洗浄性能が異なる複数の動作モードを有している。例えば、洗浄能力の高い順に、強モード、中モード、弱モードを標準の動作モードとして有する。ここで、強モードでは、例えば、予備洗浄工程を1分間行い、本洗い工程として洗浄水の噴射を2秒間行った後30秒間待機する工程を6回行い、すすぎ工程を3分間行う。中モードでは、例えば、予備洗浄工程を1分間行い、本洗い工程として洗浄水の噴射を2秒間行った後30秒間待機する工程を4回行い、すすぎ工程を3分間行う。弱モードでは、例えば、予備洗浄工程を1分間行い、本洗い工程として洗浄水の噴射を2秒間行った後30秒間待機する工程を2回行い、すすぎ工程を3分間行う。各動作モードは、使用者により浴室リモコン19で設定できるが、清掃完了連動洗浄では、浴槽洗浄制御部52によって洗浄能力の低い動作モードである弱モードを実行するように設定される。なお、清掃完了連動洗浄の動作モードは、前記標準の動作モードとは別の専用モードを設けてもよい。専用モードとしては、例えば、水洗いのみの動作モード、前記弱モードの各工程の全部又は一部を時間短縮した時間短縮モード等とすることができる。
【0055】
本実施形態2における浴室6では、浴室空調機2が浴槽8の上方の天井部7に設置されているため、浴室空調機2のフィルタ24の清掃時に使用者がフィルタ24の取外し及び取付けを行った際、フィルタ24やフィルタ取付け部周辺に付着していた埃等は、浴室6の一部である浴槽8に落下することとなる。実施形態2の浴室システム1Bでは、浴室空調機2のフィルタ清掃完了を検出した場合、浴槽洗浄装置3Bを弱モードで動作させる清掃完了連動洗浄を実行する。すなわち、実施形態2の清掃完了連動洗浄は、実施形態1での浴室洗浄装置3Aに代わり、浴槽洗浄装置3Bが実行する。浴槽洗浄装置3Bが担う清掃完了連動洗浄の動作は、空調制御部30と浴槽洗浄制御部52とで構成する制御装置70により、実質的に図2に示したフローチャートに従って実行させる。ここでは、実施形態1で図2を参照して説明した清掃完了連動洗浄の制御動作において、浴室洗浄装置3Aを浴槽洗浄装置3B、浴室洗浄制御部40を浴槽洗浄制御部52、とそれぞれ読み替えることで説明を省略する。なお、清掃完了連動洗浄の実行要否確認(図2のステップS2)は、空調リモコン31を通じて行うが、浴室リモコン19を通じて行うようにしてもよい。
【0056】
実施形態2の浴室システム1Bによれば、浴室空調機2のフィルタ24の清掃完了が検出された場合には浴槽洗浄装置3Bが清掃完了連動洗浄による洗浄動作を実行するため、フィルタ清掃時に埃や細かな塵等が落下した浴室6の一部である浴槽8を洗浄し埃等を除去して浴槽8を清潔に保つことができる。従って、フィルタ清掃時に落下した埃等で汚れた浴槽8を使用者自らが洗浄する負担を軽減でき、また、使用者自らにより浴槽洗浄装置3Bを運転開始させる操作の手間も省くことができる。よって、浴室空調機2のフィルタ清掃時における使用者の利便性が向上する。実施形態2における他の構成及び作用効果は、実施形態1と同様又は相当するのでその説明は省略する。
【0057】
以上が本発明の実施形態であるが、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で様々な変更を行うことが可能である。
例えば、浴室空調機2は、浴室6の天井部7に設置されたものに限らず、浴室6の側壁9上部など、浴室6の上部空間に設けられているものであればよい。また、浴室空調機2は、空気の加熱をヒータ等で行う電気式、ヒートポンプ式等でもよい。
洗浄装置として、浴室洗浄装置3Aと浴槽洗浄装置3Bとを備え、清掃完了連動洗浄を浴室洗浄装置3A及び浴槽洗浄装置3Bの両方、あるいは、浴室洗浄装置3A又は浴槽洗浄装置3Bのどちらか一方でも実行できる構成としてもよい。この場合、清掃完了連動洗浄の実行前に、使用者により、浴室洗浄装置3A及び浴槽洗浄装置3Bの両方、あるいは、浴室洗浄装置3A又は浴槽洗浄装置3Bのどちらか一方を選択して清掃完了連動洗浄を実行させるようにしてもよい。
また、浴槽8の上面開放部に浴槽蓋が載置されている否か検出する浴槽蓋検出手段を設け、浴槽蓋が浴槽8の上面開放部に載置されている場合、浴室洗浄装置3Aにより清掃完了連動洗浄を実行する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1A,1B 浴室システム
2 浴室空調機
3A 浴室洗浄装置(洗浄装置)
3B 浴槽洗浄装置(洗浄装置)
4 熱源機
5 熱媒循環路
6 浴室
7 天井部
8 浴槽
9 側壁
10 洗い場
11 排水栓
12a 排水スイッチ
12b 排水栓開閉駆動部
13 循環アダプタ
14 風呂循環路
15 給水管
16 出湯管
17 熱源制御部
18 台所リモコン
19 浴室リモコン
20 本体ケース
21 カバー
22 吸入口
23 吹出口
24 フィルタ
25 風路
26 熱交換器
27 循環ファン
28 換気ファン
29 開閉弁
30 空調制御部
31 空調リモコン
33 ノズル
34 給水路
35 給水弁
36 電解槽
37 液々熱交換器
38 分岐熱媒循環路
39 開閉弁
40 浴室洗浄制御部
41 マイクロスイッチ(フィルタ脱着検出手段)
42 人検知センサ(浴室内在室検出手段)
43 洗浄ノズル
44 湯水導入路
45 湯水供給路
46 洗剤タンク
47 洗剤供給路
48 注湯弁
49 逆止弁
50 洗剤混合部
51 洗剤開閉弁
52 浴槽洗浄制御部
60 水導入路
70 制御装置
図1
図2
図3