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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150954
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】難燃性布帛および繊維製品
(51)【国際特許分類】
   D06M 15/643 20060101AFI20241017BHJP
   D06M 15/564 20060101ALI20241017BHJP
   D06M 15/263 20060101ALI20241017BHJP
   D06M 15/227 20060101ALI20241017BHJP
   D06M 13/395 20060101ALI20241017BHJP
   D06M 13/03 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
D06M15/643
D06M15/564
D06M15/263
D06M15/227
D06M13/395
D06M13/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064014
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003001
【氏名又は名称】帝人株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169085
【弁理士】
【氏名又は名称】為山 太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 亜郁
【テーマコード(参考)】
4L033
【Fターム(参考)】
4L033AA08
4L033AB04
4L033AC03
4L033BA03
4L033BA69
4L033CA12
4L033CA18
4L033CA50
4L033CA59
(57)【要約】
【課題】パラ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、極めて優れた難燃性を有し、火炎暴露後の布帛形態および強度を維持し、環境に配慮しながらも高い洗濯耐久性を有する撥水性にも優れた難燃性布帛および繊維製品を提供する。
【解決手段】単繊維繊度1.7dtex以下のパラ型全芳香族ポリアミド繊維を布帛質量対比15~90質量%含む布帛であって、炭化水素系化合物、シリコーン系化合物、ウレタン系化合物、アクリル系化合物、およびワックスからなる群から選択されるいずれかを含む撥水剤を含み、かつJIS L1091:1999A-4法の別法で規定される燃焼試験で残炎時間が2秒以下であり、かつ、JIS L0217法に規定された洗濯(但し、JAFET標準配合洗剤を使用)を20回行った後において、JIS L1092 スプレー法により測定した撥水度が4級以上である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単繊維繊度1.7dtex以下のパラ型全芳香族ポリアミド繊維を布帛質量対比15~90質量%含む布帛であって、炭化水素系化合物、シリコーン系化合物、ウレタン系化合物、アクリル系化合物、およびワックスからなる群から選択されるいずれかを含む撥水剤を含み、かつJIS L1091-1999 A-4法の別法で規定される燃焼試験で残炎時間が2秒以下であり、かつ、JIS L0217法に規定された洗濯(但し、JAFET標準配合洗剤を使用)を20回行った後において、JIS L1092 スプレー法により測定した撥水度が4級以上であることを特徴とする難燃性布帛。
【請求項2】
前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維において、単繊維繊度が1.2dtex以下、繊維長が25~200mmの範囲内である、請求項1に記載の難燃性布帛。
【請求項3】
布帛にアルキルフルオロポリマーが含まれない、請求項1に記載の難燃性布帛。
【請求項4】
布帛にブロックイソシアネートが含まれる、請求項1に記載の難燃性布帛。
【請求項5】
前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維が布帛に、布帛質量対比25~90質量%含まれる、請求項1に記載の難燃性布帛。
【請求項6】
布帛の目付けが120~300g/mの範囲内である、請求項1に記載の難燃性布帛。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載された難燃性布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、極めて優れた難燃性を有し、火炎暴露後の布帛形態および強度を維持し、環境に配慮しながらも高い洗濯耐久性を有する撥水性にも優れた難燃性布帛および繊維製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、難燃ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、軍服などの用途で、難燃性を有する布帛が用いられている。
一方、近年では、難燃性だけでなく、環境に配慮した撥水性および火炎暴露後の布帛形態と強度の維持にも優れた難燃性布帛が求められている。撥水性を有する布帛としては、これまで各種提案されているが、撥水性、難燃性、火炎暴露後の布帛形態および強度の維持の点でまだ満足とは言えなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60-94645号公報
【特許文献2】特開昭61-70043号公報
【特許文献3】特開2017-145521号公報
【特許文献4】特開2022-147094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、パラ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、極めて優れた難燃性を有し、火炎暴露後の布帛形態および強度を維持し、環境に配慮しながらも高い洗濯耐久性を有する撥水性にも優れた難燃性布帛および繊維製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。かくして以下の本発明が提供される。
【0006】
1.単繊維繊度1.7dtex以下のパラ型全芳香族ポリアミド繊維を布帛質量対比15~90質量%含む布帛であって、炭化水素系化合物、シリコーン系化合物、ウレタン系化合物、アクリル系化合物、およびワックスからなる群から選択されるいずれかを含む撥水剤を含み、かつJIS L1091-1999 A-4法の別法で規定される燃焼試験で残炎時間が2秒以下であり、かつ、JIS L0217法に規定された洗濯(但し、JAFET標準配合洗剤を使用)を20回行った後において、JIS L1092 スプレー法により測定した撥水度が4級以上であることを特徴とする難燃性布帛。
2.前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維において、単繊維繊度が1.2dtex以下、繊維長が25~200mmの範囲内である、上記1に記載の難燃性布帛。
3.布帛にアルキルフルオロポリマーが含まれない、上記1または2に記載の難燃性布帛。
4.布帛にブロックイソシアネートが含まれる、上記1~3のいずれかに記載の難燃性布帛。
5.前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維が布帛に、布帛質量対比25~90質量%含まれる、上記1~4のいずれかに記載の難燃性布帛。
6.布帛の目付けが120~300g/mの範囲内である、上記1~5のいずれかに記載の難燃性布帛。
7.上記1~6のいずれかに記載された難燃性布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、パラ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、極めて優れた難燃性を有し、火炎暴露後の布帛形態および強度を維持し、環境に配慮しながらも高い洗濯耐久性を有する撥水性にも優れた難燃性布帛および繊維製品が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の布帛には、パラ型全芳香族ポリアミド繊維が含まれる。パラ型全芳香族ポリアミド繊維は、テクノーラ(登録商標)、ケブラー(登録商標)およびトワロン(登録商標)に代表されるものであり、主鎖中に芳香族環を有するポリアミドからなる繊維である。かかるパラ型全芳香族ポリアミド繊維を形成するポリマーは、ポリ-p-フェニレンテレフタルアミド(PPTA)でもよいし共重合タイプのコポリパラフェニレン-3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミド(PPODPA)であってもよい。
【0009】
前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維において、単繊維繊度が1.7dtex以下(好ましくは1.2dtex以下、特に好ましくは0.1~1.2dtex)であることが優れた撥水性を得る上で重要である。
【0010】
本発明の布帛には、前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維のほかに、さらに、メタ型全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンズチアゾール(PBTZ)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリスルホンアミド(PSA)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリアリレート(PAr)繊維、メラミン繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、ポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維などの難燃性繊維が含まれていることが好ましい。その際、かかる難燃性繊維において限界酸素指数(LOI)が20以上であることが好ましい。
【0011】
また、布帛にさらに、セルロース繊維(好ましくは難燃レーヨン繊維)、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、コットン繊維、獣毛繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維、ポリカーボネート繊維などが含まれていると、吸水性、染色性、着用快適性などが付加され好ましい。
【0012】
前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維など本発明の布帛を構成する繊維において、繊維形態は、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし短繊維でもよい。特に、他の繊維と混紡する上で繊維長25~200mm(より好ましくは30~150mm)の短繊維が好ましい。また、前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維以外の繊維において、単繊維繊度としては、0.5~5dtexの範囲が好ましい。
【0013】
これらの繊維は混紡されていることが好ましい。その際、パラ型全芳香族ポリアミド繊維の優れた耐熱性と難燃性を発揮させるために、前記パラ型全芳香族ポリアミド繊維が布帛質量対比15~90質量%(好ましくは25~90質量%)であることが重要である。パラ型全芳香族ポリアミド繊維が布帛質量対比15%未満である場合、火炎暴露後の布帛形態を維持できず、着用時に火傷率が上昇するおそれがある。一方で、パラ型全芳香族ポリアミド繊維が布帛質量対比90%を超える場合には、撥水剤の浸透性の悪さから洗濯後の撥水性が低下するおそれがある。また、パラ型全芳香族ポリアミド繊維以外の繊維は、布帛質量対比、10~85質量%(好ましくは10~75質量%)の範囲内で用いることができる。なお、布帛質量は布帛を構成する繊維の質量を総合計した値である。
【0014】
本発明において、布帛の製造方法は特に限定するものではなく、公知のいかなる方法でも用いる可能である。例えば、上記繊維の紡績糸を混綿して紡績糸を得た後、単糸または双糸にてレピア織機などを用いて、綾織、平織などの組織に製織することが好ましい。
【0015】
本発明の難燃性布帛は、非フッ素系撥水剤として、炭化水素系化合物、シリコーン系化合物、ウレタン系化合物、アクリル系化合物、およびワックスからなる群から選択されるいずれかを含む撥水剤を含む。環境配慮の点で、また優れた洗濯耐久性を得る上で、アルキルフルオロポリマーなどのフッ素系化合物は含まないことが好ましい。特に優れた洗濯耐久性を得る上でシリコーン系撥水剤が好ましい。
【0016】
必要に応じて、架橋剤(例えば、ブロックイソシアネートなど)、制電剤、メラミン樹脂、触媒を混合して撥水剤の濃度が3~15質量%程度の加工剤とし、ピックアップ率50~90%程度で、該加工剤を用いて織物の表面を処理することが好ましい。加工剤で織物の表面を処理する方法としては、パッド法、スプレー法などが例示される。なかでも、加工剤を織物内部まで浸透させる上でパッド法が好ましい。前記ピックアップ率とは、織物(加工剤付与前)重量に対する加工剤の重量割合(%)である。
【0017】
非フッ素系撥水剤として具体的には、炭化水素系化合物として、脂肪族系炭化水素、脂肪族カルボン酸、オレフィン、ポリアクリル酸エステルまたはポリメタクリル酸エステルなどを用いることができる。シリコーン系化合物として、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーンなどを用いることができる。市販されているものでは、炭化水素系化合物は、明成化学工業(株)製のメイシールドP-700や日華化学(株)製のNeoseedNR-158、NR-7080、ダイキン(株)製のUnidyneXF5001、XF5002などが好ましく例示される。シリコーン系化合物は、日華化学(株)製のNeoseedNR-8000、NR-8800などが好ましく例示される。
【0018】
本発明の難燃性布帛は、パラ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、かつ前記のような撥水剤を含むので、極めて優れた難燃性を有し、撥水性およびその洗濯耐久性、火炎暴露後の布帛形態、布帛強度の維持にも優れる。
【0019】
ここで、JIS L1091-1999 A-4法の別法で規定される燃焼試験で残炎時間が2秒以下であることが重要である。残ジンは2.0秒以下が好ましい。また、JIS L1092 スプレー法により測定した撥水度が4級以上であることが重要である。また、布帛の目付けが120~300g/mの範囲内であることが好ましい。また、JIS L0217法に規定された洗濯(但し、JAFET標準配合洗剤を使用)を20回行った後において、JIS L1092 スプレー法により測定した撥水度が4級以上であることが重要である。
【0020】
次に、本発明の繊維製品は前記の布帛を用いてなる、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。かかる繊維製品は前記の布帛を用いているので、極めて優れた難燃性を有し、火炎暴露後の布帛形態および強度を維持し、環境に配慮しながらも洗濯耐久性よく撥水性にも優れる。
【実施例0021】
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)目付け
JIS L1096 A法で規定される方法で測定した。
(2)燃焼性
JIS L1091-1999 A-4法の別法で規定される方法で測定した。
(3)撥水性
JIS L1092 スプレー法により撥水度(級)を測定した。
[後加工]
毛焼、精練、撥水加工、ファイナルセットにて後加工を行った。撥水加工は以下の方法で行った。
[撥水加工]
撥水剤80g/Lと架橋20g/Lをピックアップ率60%でパッド、ドライ(160℃、1分)、その後熱処理を190℃、1.5分行った。なお、撥水剤は、実施例1~3、比較例1~4で市販のシリコーン系撥水剤(非フッ素系撥水剤)、比較例5~6は市販のフッ素系撥水剤(C6)を使用した。
【0022】
[実施例1]
パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)(帝人(株)製、商標名「Twaron」、繊維長51mm、単繊維繊度0.9dtex)、メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MA)(帝人(株)製、商標名「Teijinconex」、繊維長51mm、単繊維繊度1.7dtex)の各ステープルファイバー(短繊維)を、PA/MA=60/40の質量比率で混紡した紡績糸20番手/双糸とし、織密度 経44本/25.4mm、緯42本/25.4mmで製織し、目付220g/mの平織物を得た。これを用いて、上記の方法で加工した。結果を表1に示す。
【0023】
[実施例2]
パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)(帝人(株)製、商標名「Twaron」、繊維長51mm、単繊維繊度1.7dtex)、メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MA)(帝人(株)製、商標名「Teijinconex」、繊維長51mm、単繊維繊度1.7dtex)の各ステープルファイバーを、PA/MA=25/75の質量比率で混紡した紡績糸20番手/双糸とし、織密度 経44本/25.4mm、緯42本/25.4mmで製織し、目付220g/mの平織物を得た。これを用いて、上記の方法で加工した。結果を表1に示す。
【0024】
[実施例3]
パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)(帝人(株)製、商標名「Twaron」、繊維長51mm、単繊維繊度0.9dtex)、メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MA)(帝人(株)製、商標名「Teijinconex」、繊維長51mm、単繊維繊度1.7dtex)の各ステープルファイバーを、PA/MA=25/75の質量比率で混紡した紡績糸20番手/双糸とし、織密度 経44本/25.4mm、緯42本/25.4mmで製織し、目付220g/mの平織物を得た。これを用いて、上記の方法で加工した。結果を表1に示す。
【0025】
[比較例1]
パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)(帝人(株)製、商標名「Twaron」、繊維長51mm、単繊維繊度1.7dtex)、メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MA)(帝人(株)製、商標名「Teijinconex neo」、繊維長51mm、単繊維繊度1.7dtex)の各ステープルファイバーを、PA/MA=5/95の質量比率で混紡した紡績糸60番手/双糸とし、織密度 経130本/25.4mm、緯60本/25.4mmで製織し、目付220g/mの平織物を得た。これを用いて、上記の方法で加工した。結果を表1に示す。
【0026】
[比較例2]
パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)(帝人(株)製、商標名「Twaron」、繊維長51mm、単繊維繊度1.7dtex)のステープルファイバーを、PA=100の質量比率で混紡した紡績糸20番手/双糸とし、織密度 経44本/25.4mm、緯42本/25.4mmで製織し、目付220g/mの平織物を得た。これを用いて、上記の方法で加工した。結果を表1に示す。
【0027】
[比較例3]
パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)(帝人(株)製、商標名「Twaron」、繊維長51mm、単繊維繊度0.9dtex)のステープルファイバーを、PA=100の質量比率で混紡した紡績糸20番手/双糸とし、織密度 経44本/25.4mm、緯42本/25.4mmで製織し、目付220g/mの平織物を得た。これを用いて、上記の方法で加工した。結果を表1に示す。
【0028】
[比較例4]
パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)(帝人(株)製、商標名「Twaron」、繊維長51mm、単繊維繊度1.7dtex)、メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MA)(帝人(株)製、商標名「Teijinconex」、繊維長51mm、単繊維繊度1.7dtex)の各ステープルファイバーを、PA/MA=60/40の質量比率で混紡した紡績糸20番手/双糸とし、織密度 経44本/25.4mm、緯42本/25.4mmで製織し、目付220g/mの平織物を得た。これを用いて、上記の方法で加工した。結果を表1に示す。
【0029】
[比較例5]
パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)(帝人(株)製、商標名「Technora」、繊維長51mm、単繊維繊度1.7dtex)、メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MA)(帝人(株)製、商標名「Teijinconex」、繊維長51mm、単繊維繊度1.7dtex)の各ステープルファイバーを、PA/MA=10/90の質量比率で混紡した紡績糸20番手/双糸とし、織密度 経48本/25.4mm、緯46本/25.4mmで製織し、目付230g/mの平織物を得た。これを用いて、上記の方法で加工した。結果を表1に示す。
【0030】
[比較例6]
パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)(帝人(株)製、商標名「Twaron」、繊維長51mm、単繊維繊度1.7dtex)、メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MA)(帝人(株)製、商標名「Teijinconex neo」、繊維長51mm、単繊維繊度1.7dtex)の各ステープルファイバーを、PA/MA=5/95の質量比率で混紡した紡績糸60番手/双糸とし、織密度 経130本/25.4mm、緯60本/25.4mmで製織し、目付220g/mの平織物を得た。これを用いて、上記の方法で加工した。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明によれば、パラ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、極めて優れた難燃性を有し、火炎暴露後の布帛形態および強度を維持し、環境に配慮しながらも高い洗濯耐久性を有する撥水性にも優れた難燃性布帛および繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。