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特開2024-150963画像形成システムおよび画像形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150963
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】画像形成システムおよび画像形成方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20241017BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241017BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20241017BHJP
   H04L 67/141 20220101ALI20241017BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
B41J29/38 401
H04N1/00 127Z
H04N1/00 E
H04N1/00 838
B41J29/00 E
B41J29/00 Z
H04L67/141
G06F3/12 304
G06F3/12 385
G06F3/12 336
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064036
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 文典
(74)【代理人】
【識別番号】100187492
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 元啓
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】森下 陽介
(72)【発明者】
【氏名】岸 義尚
(72)【発明者】
【氏名】桂 健一
(72)【発明者】
【氏名】小川 新矢
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061CG01
2C061CG02
2C061CG15
2C061CL10
2C061HJ08
2C061HK11
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP00
2C061HP06
2C061HQ06
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC24
5C062AC38
5C062AF01
5C062AF02
5C062AF14
(57)【要約】
【課題】無線通信タグへの機器外からの書き込みを禁止している画像形成装置においても、ネットワークへの接続設定が容易にできる画像形成システム100を提供する。
【解決手段】端末10と、画像形成装置20と、ネットワーク中継器30とを備える画像形成システム100である。画像形成装置20は、ネットワーク中継器30の識別情報を無線通信タグ22に書き込む書込部24を備える。端末10は、無線通信タグ22から読み取った識別情報を表示する表示部12と、画像形成装置20と通信可能に接続する端末通信部16と、ユーザーに選択された識別情報およびユーザーにより入力された暗号キーを画像形成装置20に送信する送信部14とを備える。画像形成装置20は、端末10から送信された識別情報および暗号キーを用いてネットワーク中継器30との接続を設定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが利用する端末と、
前記ユーザーが利用する、無線通信タグを備える画像形成装置と、
前記画像形成装置をネットワークに通信可能に接続させるためのネットワーク中継器と
を備え、
前記ネットワーク中継器は、前記ネットワーク中継器を特定する識別情報を発信するネットワーク中継器通信部を備え、
前記画像形成装置は、受信した前記識別情報を前記無線通信タグに書き込む書込部を備え、
前記端末は、
前記無線通信タグから前記識別情報を読み取る読取部と、
前記読取部が読み取った前記識別情報を表示する表示部と、
前記画像形成装置と通信可能に接続する端末通信部と、
前記識別情報と紐づく情報であって前記ネットワーク中継器との接続に必要となる暗号キーを入力する入力部と、
前記表示部に表示された単数または複数の前記識別情報から前記ユーザーによって選択された前記識別情報および前記ユーザーによって入力された前記暗号キーを前記画像形成装置に送信する送信部と
を備え、
前記画像形成装置は、前記端末の前記送信部から送信された前記識別情報および前記暗号キーを用いて前記ネットワーク中継器との接続を設定する、画像形成システム。
【請求項2】
前記書込部は、接続可能な前記ネットワーク中継器が複数存在するときは、複数の前記ネットワーク中継器の前記識別情報を前記ネットワーク中継器の電波強度が強い順番に前記無線通信タグに書き込み、
前記表示部は、前記識別情報を、前記識別情報が前記無線通信タグに書き込まれた順番に表示する、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記書込部は、前記画像形成装置を特定する画像形成装置識別情報および前記画像形成装置との接続に必要となる画像形成装置暗号キーを前記無線通信タグにさらに書き込み、
前記読取部は、前記画像形成装置識別情報および前記画像形成装置暗号キーをさらに読取り、
前記端末通信部は、前記画像形成装置識別情報および前記画像形成装置暗号キーを用いて前記画像形成装置と前記端末とを通信可能に接続する、請求項1または請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記端末は、前記ネットワーク中継器と通信可能に接続が可能であり、前記端末が過去に接続した履歴を前記端末が有するところの前記ネットワーク中継器についての識別情報履歴および前記識別情報履歴に紐づく暗号キー履歴を保存する保存部をさらに備え、
前記送信部は、前記ユーザーの選択した前記識別情報が、前記識別情報履歴の中に存在するときは、選択された前記識別情報に紐づく前記暗号キーを前記暗号キー履歴の中から抽出し、前記画像形成装置に送信する、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項5】
ネットワーク中継器を特定する識別情報を発信するステップと、
発信された前記識別情報を無線通信タグに記録するステップと、
前記無線通信タグから前記識別情報を読み取るステップと、
読み取った前記識別情報を表示するステップと、
表示された単数または複数の前記識別情報からユーザーに選択された前記識別情報および前記ユーザーにより入力された、前記ネットワーク中継器との接続に必要となる暗号キーを画像形成装置に送信するステップと、
端末から受信した前記識別情報および前記暗号キーを用いて前記ネットワーク中継器との接続を設定する画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムおよび画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近距離無線通信機能を有する携帯端末を用いて、電子機器を無線でネットワークに接続するための設定装置が提案されている。
【0003】
特許文献1に記載の電子機器は、設定に必要な情報を、電子機器が備える無線通信タグに、携帯端末が書き込むように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-128493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の電子機器は、無線通信タグへの機器外からの書き込みを禁止している機器には適応できないという課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、無線通信タグへの機器外からの書き込みを禁止している画像形成装置においても、ネットワークへの接続設定が容易にできる、画像形成システムおより画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、画像形成システムは、ユーザーの利用する端末と、前記ユーザーの利用する、無線通信タグを備える画像形成装置と、前記画像形成装置をネットワークに通信可能に接続させるためのネットワーク中継器とを備え、前記ネットワーク中継器は、前記ネットワーク中継器を特定する識別情報を発信するネットワーク中継器通信部を備え、前記画像形成装置は、受信した前記識別情報を前記無線通信タグに書き込む書込部を備え、前記端末は、前記無線通信タグから前記識別情報を読み取る読取部と、前記読取部が読み取った前記識別情報を表示する表示部と、前記画像形成装置と通信可能に接続する端末通信部と、前記識別情報と紐づく情報であって前記ネットワーク中継器との接続に必要となる暗号キーを入力する入力部と、前記表示部に表示された単数または複数の前記識別情報から前記ユーザーに選択された前記識別情報および前記ユーザーにより入力された前記暗号キーを前記画像形成装置に送信する端末送信部とを備え、前記画像形成装置は、前記端末の前記端末送信部から送信された前記識別情報および前記暗号キーを用いて前記ネットワーク中継器との接続を設定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、無線通信タグへの機器外からの書き込みを禁止している画像形成装置においても、ネットワークへの接続設定が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図2】複数のネットワーク中継器が存在する場合の画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図3】端末と画像形成装置との通信設定を、端末側から容易に設定することが可能な画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図4】ネットワーク中継器が過去に端末と接続した履歴がある場合の画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図5】画像形成システムの全体の処理の内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図中、同一または相当部分については、同一の参照符号を付すことで、説明を繰り返さない。
【0011】
[画像形成システムの構成]
図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成システム100の構成について説明する。図1は、画像形成システム100の構成を示すブロック図である。
【0012】
画像形成システム100は、ユーザーが利用する端末10(以下、単に端末10と称する)と、画像形成装置20と、画像形成装置20をネットワークに通信可能に接続させるためのネットワーク中継器30とを備える。
【0013】
端末10は、本実施形態ではスマートフォンであるが、タブレット端末や、PC(Personal Computer)などであってもよい。画像形成装置20は、典型的にはネットワークプリンター、MFP(MultiFunction Peripheral:複合機)である。ネットワーク中継器30は、例えばアクセスポイント、無線LAN(Local Area Network)ルーターなどである。
【0014】
画像形成装置20をネットワークに通信可能に接続するために、ユーザーは、画像形成装置20をネットワーク中継器30に接続するための設定を、端末10を用いて行う。本実施形態では、画像形成装置20とネットワーク中継器30との通信は、無線LAN通信として具体的にはWi-Fi(登録商標)通信方式により行う。
【0015】
ネットワーク中継器30は、ネットワーク中継器通信部32と、ネットワーク中継器制御部34とを備える。ネットワーク中継器通信部32は、画像形成装置20と通信可能に無線LANを介して接続される。よって、ネットワーク中継器通信部32は、無線LANのI/F(InterFace)を備える。
【0016】
また、ネットワーク中継器通信部32は、ネットワーク中継器30を特定する識別情報を発信する(矢印1)。具体的には、ネットワーク中継器30の無線LANの電波が届く範囲内に、識別情報を発信する。識別情報は、ネットワーク中継器30のSSID(Service Set Identifier)である。SSIDは、ネットワーク中継器30が送信する無線LAN信号に与えられた名前である。ネットワーク中継器制御部34は、ネットワーク中継器通信部32を制御して識別情報を発信させる。
【0017】
画像形成装置20は、ユーザーが利用する無線通信タグ22と、画像形成装置通信部28と、書込部24と、画像形成装置制御部26とを備える。
【0018】
無線通信タグ22は、本実施形態ではNFC(Near Field Communication)タグである。他の実施形態として、NFCタグ以外のRFID(Radio Frequency IDentification)タグを用いてもよい。
【0019】
画像形成装置通信部28は、ネットワーク中継器通信部32から発信された識別情報を受信する。また、画像形成装置通信部28は、他の装置と通信可能に接続する。また、詳しくは後述するが、画像形成装置通信部28は、端末10との間で、無線LAN通信として具体的にはWi-Fiダイレクト(登録商標)通信方式により接続されるように構成される。Wi-Fiダイレクトとは、Wi-Fiの通信モードの一つで、ネットワーク中継器30を介さずに端末10同士が直接に接続しあって通信するモードである。
【0020】
書込部24は、画像形成装置通信部28が受信した識別情報を無線通信タグ22に書き込む。具体的には、無線通信タグ22が備えるIC(Integrated Circuit)チップに識別情報を記憶させる。
【0021】
ここで、一般的に無線LANは、混線を防止するなどを目的として、同時に複数の電波帯域の電波を提供する。その際、共通のSSIDの末尾に記号を加えるなどして、それぞれの電波帯域の識別情報を識別可能としている。例えば電波帯域が2.4GHz帯(IEEE 802.11b/g/n)では、SSIDの末尾に「_A」などを追記し、5GHz帯(IEEE 802.11ac/a)では、SSIDの末尾に「_G」などを追記する。画像形成装置通信部28が電波帯域違いの識別情報を受信した場合、書込部24は全ての電波帯域の識別情報を無線通信タグ22に書き込む。
【0022】
さらには、同じく混線を防止するなどを目的として、一般的に無線LANは、各電波帯域で複数のチャンネルを提供する。この場合も共通のSSIDの末尾に記号を加えるなどして、各チャンネルを識別可能としている。例えば2.4GHz帯域の1chでは末尾に「_A-1」などを追記し、2.4GHzの2chでは末尾に「_A-2」などを追記する。画像形成装置通信部28がチャンネル違いの識別情報を受信した場合、書込部24は全てのチャンネルの識別情報を無線通信タグ22に書き込む。
【0023】
画像形成装置制御部26は、画像形成装置20における各ユニットの処理を制御する。なお、画像形成装置通信部28が受信した識別情報に、上述の電波帯域違いやチャンネル違いの識別情報が含まれている場合、画像形成装置制御部26は、書込部24が無線通信タグ22に識別情報を書き込む順番を制御するように構成されても良い。
【0024】
具体的には、どの周波数帯の識別情報から、または、どのチャンネルの識別情報から無線通信タグ22に書き込むか予めルールを決めておき、画像形成装置制御部26は、決められたルールにしたがって無線通信タグ22に識別情報を書き込むように書込部24を制御する。
【0025】
端末10は、読取部11と、表示部12と、入力部13と、送信部14と、端末通信部16と、端末制御部15と、保存部17とを備える。
【0026】
読取部11は、無線通信タグ22から識別情報を読み取る(矢印2)。読取部11は、具体的には近距離無線通信技術を用いて無線通信タグ22に書き込まれた識別情報を読み取る。より具体的には、無線通信タグ22(NFCタグ)に端末10(が備えるNFCに対応したI/F)を近付けて双方間に発生する誘導電流により通信を行い、無線通信タグ22のICチップに記憶された識別情報を読み取る。なお、読取部11は、上述の電波帯域違い、チャンネル違いの識別情報を含めてすべての識別情報を読み取る。
【0027】
表示部12は、読取部11が読み取った識別情報を表示する。本実施形態では、端末10はスマートフォンである。よって、表示部12は、典型的にはディスプレイ(タッチパネル)である。表示部12は、入力装置でもあり、ユーザーが指で触れて操作する。表示部12は、識別情報をユーザーが選択可能なように表示する。その際、識別情報が複数ある場合には、表示部12は、複数の識別情報の一覧をユーザーが選択可能なように表示する。なお、表示部12は、上述の電波帯域違いやチャンネル違いの識別情報を含めてすべての識別情報を表示する。その際、表示部12は、画像形成装置20の書込部24が無線通信タグ22に書き込んだ順番で識別情報を表示するように構成されても良い。
【0028】
入力部13は、識別情報と紐づく情報であってネットワーク中継器30との接続に必要となる暗号キーが入力される。
【0029】
入力部13は、典型的には表示部12を兼ねるディスプレイ(タッチパネル)である。入力部13は、識別情報と紐づく暗号キーを、ユーザーによって入力可能なように構成される。暗号キーは、画像形成装置20とネットワーク中継器30との接続におけるセキュリティ対策として、ネットワーク中継器30側で設定されるものである。
【0030】
端末通信部16は、端末10と画像形成装置20とを無線で通信可能に接続する。端末通信部16は、具体的には上述したWi-Fiダイレクト通信方式によって無線通信を行う。なお、端末通信部16は、Bluetooth(登録商標)などの他の方式で無線通信を行うように構成されても良い。
【0031】
送信部14は、表示部12に表示された単数または複数の識別情報からユーザーによって選択された識別情報および、ユーザーによって入力された暗号キーを画像形成装置20に送信する。具体的には、ユーザーは、表示部12に選択可能に表示された識別情報から、画像形成装置20との接続を希望するネットワーク中継器30の識別情報を選択する。そして、ユーザーは、選択した識別情報と紐づく暗号キーを入力部13に入力する。送信部14は、入力された暗号キーを、端末通信部16を介して画像形成装置20に送信する(矢印3)。
【0032】
画像形成装置20は、端末10の送信部14から端末通信部16を介して送信された識別情報および暗号キーをネットワーク中継器30に送信し、画像形成装置20とネットワーク中継器30を通信可能に接続する(矢印4)。
【0033】
以上のように、ネットワーク中継器通信部32は、ネットワーク中継器30を特定する識別情報を発信する(矢印1)。
【0034】
書込部24は、ネットワーク中継器30より発信された識別情報を無線通信タグ22に書き込む。
【0035】
読取部11は、無線通信タグ22から識別情報を読み取る(矢印2)。表示部12は、読み取られた単数または複数の識別情報を表示する。表示部12に表示された識別情報の中から、画像形成装置20と接続させるネットワーク中継器30の識別情報が、ユーザーにより選択され、入力部13は、識別情報と紐づく暗号キーをユーザーにより入力される。
【0036】
端末通信部16は、端末10と画像形成装置20とを通信可能に接続する(矢印3)。送信部14は、ユーザーによって選択された識別情報およびユーザーによって入力された暗号キーを画像形成装置20に送信する(矢印3)。画像形成装置20は、送信された識別情報および暗号キーを用いてネットワーク中継器30との接続を設定する(矢印4)。
【0037】
本実施形態によれば、画像形成システム100は、無線通信タグ22への書き込みは画像形成装置20が行い、書き込まれた情報を端末10が読み取って、端末10と画像形成装置20とが通信可能に接続されて接続設定に必要な情報が通信される。その結果、無線通信タグ22が画像形成装置20の外部からの書き込みを禁止している設定であっても端末10を使って画像形成装置20をネットワーク中継器30へ接続することができる。
【0038】
次に、図2を参照して、ネットワーク中継器30が複数存在する場合における画像形成システム100の構成について説明する。
【0039】
図2において、ネットワーク中継器30は、3台存在している。ネットワーク中継器30A、30Bおよび30Cは、それぞれネットワーク中継器通信部32A、32Bおよび32Cを備えている。ネットワーク中継器通信部32A、32Bおよび32Cは、それぞれ異なる識別情報を無線LANの電波とともに発信している(矢印1A、1B、1C)。
【0040】
画像形成装置通信部28は、ネットワーク中継器通信部32A、32Bおよび32Cから発信される識別情報を受信する。画像形成装置制御部26は、識別情報とともにそれぞれのネットワーク中継器30から発信される無線LANの電波強度の強弱に関する情報を画像形成装置通信部28から取得する。また、画像形成装置制御部26は、電波強度が強い順番に識別情報を順位付けする。
【0041】
そして、画像形成装置制御部26は、書込部24に、電波強度が強い順番にそれぞれのネットワーク中継器の識別情報を無線通信タグ22にそれぞれ書き込ませる。
【0042】
すなわち、書込部24は、接続可能なネットワーク中継器30が複数存在するときは、複数のネットワーク中継器30の識別情報をネットワーク中継器30の電波強度が強い順番に無線通信タグに書き込む。
【0043】
端末10の読取部11は、無線通信タグ22に書き込まれた識別情報を読み取る。端末制御部15は、読取部11によって読み取られた識別情報を、画像形成装置20の書込部24が無線通信タグ22に書き込んだ順番に端末10の表示部12に表示させる。
【0044】
すなわち、表示部12は、識別情報を、識別情報が無線通信タグに書き込まれた順番に表示する。
【0045】
本実施形態によれば、画像形成システム100の端末10は、ネットワーク中継器30A、30B、30Cのそれぞれの識別情報が電波強度の強い順番に表示されるので、ユーザーは、容易に電波強度の強いネットワーク中継器30を選択することができる。
【0046】
以下、図3を参照して、端末10と画像形成装置20との通信を容易に設定する構成について説明する。図3は、端末10と画像形成装置20との通信設定を、端末10側から容易に設定することが可能な画像形成システム100の構成を模式的に示すブロック図である。
【0047】
ここで、端末10と画像形成装置20の通信方式は、Wi-Fiダイレクト通信方式である。ここで、Wi-Fiダイレクト通信方式の対応機器は、画像形成装置20である。Wi-Fiダイレクト通信方式で通信する場合、一方がWi-Fiダイレクト通信方式に対応していれば、他方の機器からは通常のWi-Fi通信用のI/Fを介して通信可能となる。
【0048】
端末10側から画像形成装置20にWi-Fiダイレクト通信を介して通信可能に接続するためには、端末10から画像形成装置20に、画像形成装置20の認証情報を送信する必要がある。
【0049】
図3の画像形成システム100においては、画像形成装置20の書込部24は、画像形成装置20の認証情報として、画像形成装置20を特定するための画像形成装置識別情報および画像形成装置20との接続に必要となる画像形成装置暗号キーを、無線通信タグ22に書き込む。
【0050】
そして、端末10の読取部11は、画像形成装置識別情報および画像形成装置暗号キーを読み取る(矢印2)。
【0051】
端末通信部16は、読取部11が読み取った画像形成装置識別情報および画像形成装置暗号キーを用いて画像形成装置20と端末10とをWi-Fiダイレクト通信を介して通信可能に接続する(矢印3)。
【0052】
本実施形態によれば、画像形成システム100によれば、ユーザーが端末10側で画像形成装置20の認証情報を入力しなくても良いので、画像形成装置20と端末10とを容易に通信可能に接続できる。
【0053】
以下、図4を参照して、端末10における暗号キーの入力をスキップできる場合の構成について説明する。図4は、ネットワーク中継器30が過去に端末10と接続した履歴がある場合の画像形成システム100の構成を模式的に示すブロック図である。
【0054】
図4より、画像形成システム100は、端末10自身もネットワーク中継器30と通信可能に接続が可能である。図4において、ユーザーが利用するネットワーク中継器30は、端末10が過去に接続した履歴を有するところのネットワーク中継器30である(破線矢印5)。図4において、端末10は、過去に端末10と接続した履歴のあるネットワーク中継器30の識別情報を識別情報履歴として、保存部17に保存する。また、端末10は、識別情報履歴および識別情報履歴に紐づく暗号キー履歴を、保存部17に保存する。
【0055】
すなわち、保存部17は、ネットワーク中継器30と通信可能に接続が可能であり、端末10が過去に接続した履歴を端末10が有するところのネットワーク中継器30についての識別情報履歴、および、識別情報履歴に紐づく暗号キー履歴を保存する。
【0056】
そして、端末制御部15は、ユーザーが選択したネットワーク中継器30の識別情報が、識別情報履歴の中に存在するか否か確認する。ユーザーが選択したネットワーク中継器30の識別情報が、識別情報履歴の中に存在するとき、端末10の送信部14は、選択された識別情報に紐づく暗号キーを暗号キー履歴の中から抽出し、端末通信部16を介して画像形成装置20に送信する(矢印3)。画像形成装置20は、受信した暗号キーを用いてネットワーク中継器30との接続を行う(矢印4)。
【0057】
すなわち、送信部14は、ユーザーの選択した識別情報が、識別情報履歴の中に存在するときは、選択された識別情報に紐づく暗号キーを暗号キー履歴の中から抽出し、画像形成装置20に送信する。
【0058】
本実施形態によれば、画像形成システム100は、ユーザーが端末10に暗号キーを入力しなくても良いので、容易に画像形成装置20をネットワークへ接続することができる。
【0059】
[画像形成システムの処理の流れ]
以下、図5を参照して、画像形成システム100が行うネットワークの設定方法について説明する。図5は、画像形成システム100の全体の処理の内容を示すフローチャートである。
【0060】
まず、画像形成装置20は、ネットワーク接続モードをWi-Fi接続専用のモードに移行する(ステップS11)。すなわち、画像形成装置20は、無線LANのI/Fを有効にする。
【0061】
次に、画像形成装置20は、ネットワーク中継器30が発信するネットワーク中継器30の識別情報を受信する。識別情報として、具体的にはSSIDを画像形成装置20が受信する(ステップS12)。なお、ネットワーク中継器30が複数存在する場合、画像形成装置20は、それぞれのネットワーク中継器30が発信する識別情報をそれぞれ受信するように構成されても良い。
【0062】
画像形成装置20は、受信したネットワーク中継器30の識別情報を無線通信タグ22に書き込む(ステップS13)。なお、ネットワーク中継器30が複数存在する場合、画像形成装置20は、複数のネットワーク中継器30の識別情報を、ネットワーク中継器30の発信する電波強度が強い順番に無線通信タグ22に書き込むように構成されても良い。
【0063】
また、画像形成装置20を親機として画像形成装置20と端末10とのWi-Fiダイレクト通信を行うために、画像形成装置20は、画像形成装置識別情報と画像形成装置暗号キーを無線通信タグ22にさらに書き込むように構成されても良い。
【0064】
端末10は、無線通信タグ22に書き込まれた識別情報を読み取る(ステップS21)。そして、端末10は、端末10と画像形成装置20との間で通信可能となるように、Wi-Fiダイレクト通信の設定を行う(ステップS22、およびステップS14)。
【0065】
このとき、画像形成装置識別情報と画像形成装置暗号キーが無線通信タグ22に書き込まれている場合、端末10は、読み取った画像形成装置識別情報と画像形成装置暗号キーを用いて、端末10と画像形成装置20との間でWi-Fiダイレクト通信が自動で設定されるように構成されても良い。
【0066】
端末10は、読み取った識別情報を、端末10の表示部12に表示する(ステップS23)。このとき、端末10が複数のネットワーク中継器30の識別情報を読み取った場合、端末10は、読み取った識別情報を読み取った順番に表示部12に表示するように構成されても良い。
【0067】
ユーザーは、端末10に表示されたネットワーク中継器30の識別情報の中から、画像形成装置20とネットワーク中継器30との接続に使用するネットワーク中継器30の識別情報を選択する(ステップS24)。
【0068】
端末10は、ユーザーが選択したネットワーク中継器30の識別情報を画像形成装置20に送信する(ステップS25)。画像形成装置20は、ネットワーク中継器30の識別情報を受信する(ステップS15)。
【0069】
ここで、端末10は、ネットワーク中継器30と接続することが可能である。また、端末10は、過去に接続したネットワーク中継器30の識別情報履歴および識別情報履歴と紐づく暗号キー履歴を端末10内に保存している。
【0070】
端末10が過去に接続した履歴のあるネットワーク中継器30がユーザーによって選択された場合(ステップS26でYes)、端末10は、端末10が保存する暗号キー履歴の中からユーザーが選択した識別情報と紐づく暗号キーを抽出する。そして、端末10は、抽出した暗号キーを画像形成装置20に送信し(ステップS29)、端末10の処理は終了する(END)。画像形成装置20は、送信された暗号キーを受信する(ステップS16)。
【0071】
端末10が過去に接続した履歴のあるネットワーク中継器30がユーザーによって選択されなかった場合(ステップS26でNo)、ユーザーは、ユーザーが選択した識別情報に紐づく暗号キーを端末10に入力する(ステップS28)。端末10は、入力された暗号キーを画像形成装置20に送信し(ステップS29)、画像形成装置20は、送信された暗号キーを受信する(ステップS16)。
【0072】
画像形成装置20は、受信したネットワーク中継器30の識別情報および暗号キーを用いて、ネットワーク中継器30との接続設定を行い(ステップS17)、画像形成装置20の処理は終了する(END)。
【0073】
以上のように、画像形成システム100において、ネットワーク中継器30が、ネットワーク中継器30を特定する識別情報を発信する。画像形成装置20が、発信された識別情報を無線通信タグ22に記録する。端末10が、無線通信タグ22から識別情報を読み取る。また、端末10が、読み取った識別情報を表示する。
【0074】
さらに、端末10は、表示された単数または複数の識別情報からユーザーに選択された識別情報およびユーザーにより入力された、ネットワーク中継器30との接続に必要となる暗号キーを画像形成装置20に送信する。そして、画像形成装置20が、端末10から受信した識別情報および暗号キーを用いてネットワーク中継器30との接続を設定する。
【0075】
したがって、画像形成システム100において以上の方法によれば、画像形成システム100は、無線通信タグ22への書き込みは画像形成装置20が行い、書き込まれた情報を端末10が読み取って、端末10と画像形成装置20とが通信可能に接続されて接続設定に必要な情報が通信される。その結果、無線通信タグ22が画像形成装置20の外部からの書き込みを禁止している設定であっても端末10を用いて画像形成装置20をネットワーク中継器30へ接続することができる。
【0076】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、画像形成システムおよび画像形成方法の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0078】
10 端末
11 読取部
12 表示部
13 入力部
14 送信部
15 端末制御部
16 端末通信部
17 保存部
20 画像形成装置
22 無線通信タグ
24 書込部
26 画像形成装置制御部
28 画像形成装置通信部
30 ネットワーク中継器
32 ネットワーク中継器通信部
34 ネットワーク中継器制御部
100 画像形成システム
図1
図2
図3
図4
図5