(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150975
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】医用情報処理装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 40/20 20180101AFI20241017BHJP
G06Q 10/0631 20230101ALI20241017BHJP
【FI】
G16H40/20
G06Q10/0631
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064052
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】山地 圭
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昌史
(72)【発明者】
【氏名】大田 浩二
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】業務の効率化を適切に行うこと。
【解決手段】実施形態に係る医用情報処理装置は、検出部と、決定部と、制御部とを備える。検出部は、ネットワークに接続された装置によって実施されている医療に関する業務において、操作者による操作を要するイベントを検出する。決定部は、ネットワークに接続された端末装置を操作する操作者のうち、イベントに対応可能な少なくとも1人の操作者を決定する。制御部は、少なくとも1人の操作者が操作する端末装置に対して、イベントの発生を通知する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された装置によって実施されている医療に関する業務において、操作者による操作を要するイベントを検出する検出部と、
前記ネットワークに接続された端末装置を操作する操作者のうち、前記イベントに対応可能な少なくとも1人の操作者を決定する決定部と、
前記少なくとも1人の操作者が操作する端末装置に対して、前記イベントの発生を通知する制御部と、
を備える、医用情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記通知に対して応答した操作者の端末装置に対して、前記イベントの内容に関する情報を表示させる、請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記通知に対して応答した操作者の端末装置に対して、前記イベントに対する操作を実行するための操作画面を表示させる、請求項2に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記通知に対して応答した操作者の属性に応じて、前記操作画面の表示内容を変更する、請求項3に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記イベントの発生を通知した端末装置のうち、当該通知に対して応答した操作者以外の操作者が操作する端末装置を、前記通知に対する応答が実行されたことを識別可能な状態に遷移させる、請求項1~4のいずれか1つに記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記通知に対して応答した操作者以外の操作者が操作する端末装置に対する通知を停止する、請求項5に記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
前記決定部は、前記ネットワークに接続された端末装置を操作する操作者の権限情報及び能力情報に基づいて、前記イベントに対応可能な操作者を決定する、請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記医療に関する業務を前記ネットワークに接続された装置に実施させ、当該業務の進行を制御する業務制御部をさらに備える、請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項9】
ネットワークに接続された装置によって実施されている医療に関する業務において、操作者による操作を要するイベントを検出し、
前記ネットワークに接続された端末装置を操作する操作者のうち、前記イベントに対応可能な少なくとも1人の操作者を決定し、
前記少なくとも1人の操作者が操作する端末装置に対して、前記イベントの発生を通知する、
ことを含む、医用情報処理方法。
【請求項10】
ネットワークに接続された装置によって実施されている医療に関する業務において、操作者による操作を要するイベントを検出する検出機能と、
前記ネットワークに接続された端末装置を操作する操作者のうち、前記イベントに対応可能な少なくとも1人の操作者を決定する決定機能と、
前記少なくとも1人の操作者が操作する端末装置に対して、前記イベントの発生を通知する制御機能と、
をコンピュータに実行させる、医用情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用情報処理装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医師・医療従事者の働き方改革が求められており、2024年度には医師に時間外労働の上限規制が適用されるようになり、業務の効率化が急務とされている。このような業務の効率化に向けて、ICT(Information and Communication Technology)や、ロボットなどの活用が重視されてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、業務の効率化を適切に行うことである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る医用情報処理装置は、検出部と、決定部と、制御部とを備える。検出部は、ネットワークに接続された装置によって実施されている医療に関する業務において、操作者による操作を要するイベントを検出する。決定部は、前記ネットワークに接続された端末装置を操作する操作者のうち、前記イベントに対応可能な少なくとも1人の操作者を決定する。制御部は、前記少なくとも1人の操作者が操作する端末装置に対して、前記イベントの発生を通知する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置を含むシステムの例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の処理手順の例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る参加者テーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係るイベントの通知を説明するための図である。
【
図6A】
図6Aは、第1の実施形態に係るイベント内容の表示の一例を説明するための図である。
【
図6B】
図6Bは、第1の実施形態に係るイベント内容の表示の一例を説明するための図である。
【
図7A】
図7Aは、第1の実施形態に係る操作画面の一例を示す図である。
【
図7B】
図7Bは、第1の実施形態に係る操作画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る操作画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る操作画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係る操作者による操作に応じた処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、医用情報処理装置、方法及びプログラムの実施形態について詳細に説明する。なお、本願に係る医用情報処理装置、方法及びプログラムは、以下に示す実施形態によって限定されるものではない。
【0008】
(第1の実施形態)
上記したように、現在の医療現場では、業務の効率化が求められている。これに対して、例えば、一人の操作者(医師や、検査技師)が複数の医用画像診断装置をリモート操作することにより、業務の効率化を行うことができる。しかしながら、一人の操作者が複数の医用画像診断装置をリモート操作する場合、当該操作者による操作が滞ると、業務が止まってしまう。また、一人の操作者が複数の医用画像診断装置をリモート操作する場合、混同して装置を取り違えるおそれもある。そこで、本実施形態に係る医用情報処理装置は、操作者による操作を要するタイミングで、対応可能な操作者に操作を依頼することで、業務の効率化を適切に行うことを可能にする。
【0009】
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置を含むシステムの例を示すブロック図である。例えば、
図1に示すように、本実施形態に係る医用情報処理装置6は、端末装置1と、医用画像診断装置2と、データ管理装置3と、データ保管装置4と、処理装置5とがネットワーク10を介して接続されたシステムに含まれ、ネットワーク10を介して各種装置と通信可能に接続されている。ここで、ネットワーク10は、例えば、病院内に設置された院内LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)を含む。なお、
図1に示すネットワーク10には、その他種々の装置及びシステムが接続される場合でもよい。
【0010】
端末装置1は、病院内に勤務する医師や検査技師によって操作される装置である。例えば、端末装置1は、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)やタブレット式PC、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話等によって実現される。端末装置1は、医用情報処理装置6から受信した各種情報を自装置のディスプレイに表示させるとともに、自装置の入力インターフェースを介した各種操作を受け付ける。例えば、端末装置1は、種々の検査のオーダや、検査結果、診断情報などの入力操作を受け付け、医用情報処理装置6に送信する。なお、
図1には単一の端末装置1が示されているが、実際には、複数の端末装置1がネットワーク10に接続されることとなる。
【0011】
医用画像診断装置2は、被検体を撮像して医用画像を生成する。また、医用画像診断装置2は、生成した医用画像をネットワーク上の各種装置に送信する。例えば、医用画像診断装置2は、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、X線診断装置、超音波診断装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置等である。なお、
図1には単一の医用画像診断装置2が示されているが、実際には、上記した種々の医用画像診断装置2がネットワーク10に接続される。
【0012】
データ管理装置3は、被検体の医療情報を管理する。具体的には、データ管理装置3は、被検体を撮像して収集された生データ、当該生データを再構成することで得られた医用画像、医用画像を解析した解析結果、及び、医用画像の読影結果を示すレポートなどを紐づけて一元管理する。ここで、実際の医療情報のデータ(上記した生データや、医用画像、解析結果、レポートなど)は、データ保管装置4によって保管される。すなわち、データ管理装置3は、上記した医療情報のデータに関する情報(収集された日時や、データの保管場所など)を紐づけて管理する。例えば、データ管理装置3は、サーバやワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。
【0013】
データ保管装置4は、被検体の医療情報を保管する。具体的には、データ保管装置4は、ネットワーク10を介して、端末装置1や、医用画像診断装置2、処理装置5から医療情報のデータ(生データや、医用画像、解析結果、レポートなど)を受信し、受信した医療情報のデータを自装置内の記憶回路に記憶させて保管する。例えば、データ保管装置4は、PACS(Picture Archiving and Communication System)や、HIS(Hospital Information System)、RIS(Radiology Information System)等によって実現される。
【0014】
処理装置5は、医用画像診断装置2によって収集されたデータに基づいて医用画像を再構成したり、医用画像に基づく各種解析処理を実行したりする。例えば、処理装置5は、サーバやワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。
【0015】
医用情報処理装置6は、システムにおける業務を実施・管理することで、医師や検査技師などの医療従事者を支援する。具体的には、医用情報処理装置6は、データ管理装置3によって管理された医療情報に基づいて、端末装置1から受信した検査のオーダに適したワークフローを構築して医療従事者に提供する。そして、医用情報処理装置6は、医療従事者による承認のもと、構築されたワークフローに基づく各種業務を実施するように、ネットワーク10上の装置を制御する。例えば、医用情報処理装置6は、医用画像診断装置2を制御して生データを収集する。そして、医用情報処理装置6は、収集した生データを処理装置5に送信させて、医用画像を再構成させ、各種解析処理を実行させる。また、医用情報処理装置6は、医用画像や解析結果を端末装置1に送信させ、読影やレポート作成を促す。
【0016】
ここで、医用情報処理装置6は、システム上で実施されている業務の進捗を監視して、ワークフローが円滑に進むように制御する。すなわち、医用情報処理装置6は、ワークフローが自動で進むように、各種制御を実行する。また、医用情報処理装置6は、業務において操作者(医療従事者)の判断(及び操作)を要する場面では、端末装置1に対して判断結果を入力するための操作画面を提供することができる。換言すると、医用情報処理装置6は、システム上で実施されている業務において操作者(医療従事者)の判断(及び操作)を要する作業以外の作業が自動で進行するように制御することができる。
【0017】
そして、本実施形態に係る医用情報処理装置6は、業務の効率化を適切に行うための各種処理を実行する。具体的には、医用情報処理装置6は、システム上で実施されている業務において操作者による操作を要するイベントを検出し、システムに接続された端末装置1を操作する操作者のうち検出したイベントに対応可能な操作者(イベントを対応する権限・能力を有する操作者)を特定し、特定した操作者にイベントの発生を通知する。ここで、医用情報処理装置6は、イベントに対応可能な全ての操作者に対してイベントの発生を通知し、イベントが発生した時点で時間的及び作業的にイベントに対応することができる操作者から応答を受信するように制御することで、取り違えの発生を抑止して、業務の効率化を適切に行うことを可能にする。例えば、医用情報処理装置6は、サーバやワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。
【0018】
図2は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置6の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、通信インターフェース61と、入力インターフェース62と、ディスプレイ63と、記憶回路64と、処理回路65とを備える。
【0019】
通信インターフェース61は、医用情報処理装置6と、ネットワーク10を介して接続された各装置との間で送受信される各種データの伝送及び通信を制御する。具体的には、通信インターフェース61は、処理回路65に接続されており、ネットワーク10上の各装置から受信したデータを処理回路65に送信、又は、処理回路65から受信したデータをネットワーク10上の各装置に送信する。例えば、通信インターフェース61は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0020】
入力インターフェース62は、操作者から各種指示及び各種情報の入力操作を受け付ける。具体的には、入力インターフェース62は、処理回路65に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換して処理回路65に送信する。例えば、入力インターフェース62は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力インターフェース、及び音声入力インターフェース等によって実現される。なお、本明細書において、入力インターフェース62は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ送信する電気信号の処理回路も入力インターフェース62の例に含まれる。
【0021】
ディスプレイ63は、各種情報及び各種データを表示する。具体的には、ディスプレイ63は、処理回路65に接続されており、処理回路65から受信した各種情報及び各種データを表示する。例えば、ディスプレイ63は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、タッチパネル等によって実現される。
【0022】
記憶回路64は、各種データ及び各種プログラムを記憶する。具体的には、記憶回路64は、処理回路65に接続されており、処理回路65から受信したデータを記憶、又は、記憶しているデータを読み出して処理回路65に送信する。例えば、記憶回路64は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。なお、記憶回路64は、医用情報処理装置6とネットワーク10を介して接続されたクラウドコンピュータにより実現されることとしてもよい。
【0023】
処理回路65は、医用情報処理装置6の全体を制御する。具体的には、処理回路65は、システムにおける業務を実施・管理する。例えば、処理回路65は、受信したオーダに基づくワークフローの構築、医用画像診断装置2及び処理装置5の制御、データ管理装置3及びデータ保管装置4に対するアクセスなどを実行する。また、処理回路65は、端末装置1との間で行う情報の送受信を制御する。なお、処理回路65は、入力インターフェース62を介した入力操作に応じた各種処理(ネットワーク10上の装置とのデータのやり取り、記憶回路64に対するデータの保存、ディスプレイ63における情報の表示など)を行うこともできる。
【0024】
例えば、
図2に示すように、本実施形態では、医用情報処理装置6の処理回路65が、業務制御機能651と、検出機能652と、決定機能653と、制御機能654とを実行する。ここで、業務制御機能651は、業務制御部の一例である。また、検出機能652は、検出部の一例である。また、決定機能653は、決定部の一例である。また、制御機能654は、制御部の一例である。
【0025】
業務制御機能651は、医療に関する業務をネットワーク10に接続された装置に実施させ、当該業務の進行を制御する。具体的には、業務制御機能651は、データ管理装置3によって管理された医療情報に基づくワークフローの構築、構築されたワークフローに基づく医用画像診断装置2及び処理装置5の制御などを実行する。なお、業務制御機能651による処理については、後に詳述する。
【0026】
検出機能652は、ネットワーク10に接続された装置によって実施されている医療に関する業務において、操作者による操作を要するイベントを検出する。具体的には、検出機能652は、業務制御機能651による制御のもとシステム上で実施されているワークフローにおいて、医療従事者による判断および操作が必要となるイベントを検出する。なお、検出機能652による処理については、後に詳述する。
【0027】
決定機能653は、ネットワーク10に接続された端末装置1を操作する操作者のうち、イベントに対応可能な少なくとも1人の操作者を決定する。具体的には、決定機能653は、検出機能652によってイベントが検出された場合に、イベントを検出した時点で当該イベントに対応可能な少なくとも1人の操作者を決定する。なお、決定機能653による処理については、後に詳述する。
【0028】
制御機能654は、決定機能653によって決定された少なくとも1人の操作者が操作する端末装置1に対して、イベントの発生を通知する。また、制御機能654は、通知に対して応答した操作者の端末装置1に対して、イベントの内容に関する情報を表示させる。なお、制御機能654による処理については、後に詳述する。
【0029】
上述した処理回路65は、例えば、プロセッサによって実現される。その場合に、上述した各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路64に記憶される。そして、処理回路65は、記憶回路64に記憶された各プログラムを読み出して実行することで、各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、処理回路65は、各プログラムを読み出した状態で、
図2に示した各処理機能を有することとなる。
【0030】
なお、処理回路65は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサがプログラムを実行することによって各処理機能を実現するものとしてもよい。また、処理回路65が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、処理回路65が有する各処理機能は、回路等のハードウェアとソフトウェアとの混合によって実現されても構わない。また、ここでは、各処理機能に対応するプログラムが単一の記憶回路64に記憶される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、各処理機能に対応するプログラムが複数の記憶回路が分散して記憶され、処理回路65が、各記憶回路から各プログラムを読み出して実行する構成としても構わない。なお、処理回路65が有する各処理機能の一部は、医用情報処理装置6とネットワーク10を介して接続されたクラウドコンピュータにより実現されることとしてもよい。
【0031】
次に、医用情報処理装置6による処理の手順について、
図3を用いて説明した後、各処理の詳細について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置6の処理手順の例を示すフローチャートである。
【0032】
例えば、
図3に示すように、本実施形態では、業務制御機能651が、ワークフローの進行を制御する(ステップS101)。例えば、業務制御機能651は、ネットワーク10に接続された各装置を制御することで、オーダに基づくワークフローを構築し、構築したワークフローにおける各種処理を実行する。この処理は、例えば、処理回路65が、業務制御機能651に対応するプログラムを記憶回路64から呼び出して実行することにより実現される。
【0033】
続いて、検出機能652が、ワークフローにおいて医療従事者による判断および操作が必要となるイベントの検出を行う(ステップS102)。この処理は、例えば、処理回路65が、検出機能652に対応するプログラムを記憶回路64から呼び出して実行することにより実現される。
【0034】
ステップS102においてイベントが検出されると(ステップS102、YES)、決定機能653が、イベントの発生を通知する通知先を決定する(ステップS103)。この処理は、例えば、処理回路65が、決定機能653に対応するプログラムを記憶回路64から呼び出して実行することにより実現される。なお、ステップS102においてイベントが検出されるまで、業務制御機能651によりワークフローが進行される(ステップS102、NO)。
【0035】
続いて、制御機能654が、決定された通知先の端末装置1に対して、イベントの派生を通知する(ステップS104)。そして、制御機能654は、イベントの通知に対する応答を受信した場合に(ステップS105、YES)、応答した端末装置1に操作画面を表示させ、応答していない端末装置の通知を停止する(ステップS106)。なお、制御機能654は、応答を受信するまで通知を継続する(ステップS105、No)。この処理は、例えば、処理回路65が、制御機能654に対応するプログラムを記憶回路64から呼び出して実行することにより実現される。
【0036】
続いて、業務制御機能651が、端末装置1における操作画面を介した操作に応じた処理を実行する(ステップS107)。この処理は、例えば、処理回路65が、業務制御機能651に対応するプログラムを記憶回路64から呼び出して実行することにより実現される。
【0037】
以下、医用情報処理装置6によって実行される各処理の詳細について、説明する。
【0038】
(ワークフローの制御処理)
図3のステップS101で説明したように、業務制御機能651は、ワークフローの構築及び実施を制御する。具体的には、業務制御機能651は、データ管理装置3によって管理された被検体の医療情報に基づいて、端末装置1から受信したオーダに適したワークフローを構築する。例えば、業務制御機能651は、端末装置1から受信したオーダの対象となる被検体の過去の医療情報や、オーダに記載された検査内容に対応する医療情報などをデータ管理装置3から取得し、取得した医療情報に基づいてオーダに適したワークフローを構築する。
【0039】
一例を挙げると、業務制御機能651は、医療情報に基づいて、スキャンを実行する医用画像診断装置2の種別、撮像条件(スキャンプロトコルや、スキャンパラメータなど)、再構成条件、解析処理の種別などを決定することで、ワークフローを構築する。そして、業務制御機能651は、構築したワークフローを記憶回路64に記憶させる。
【0040】
(イベントの検出処理)
図3のステップS102で説明したように、検出機能652は、ワークフローにおいて医療従事者による判断および操作が必要となるイベントの検出を行う。例えば、検出機能652は、ワークフローの構築における操作者の承認作業や、スキャン終了後の確認作業、自動で生成されたレポートの所見の確認作業、ワークフロー進行中に問題が発生した場合の確認作業などを検出する。ここで、医療従事者による判断および操作が必要となるイベントは予め設定され、設定されたイベントに関する情報が記憶回路64に記憶される。すなわち、検出機能652は、記憶回路64に記載されたイベントに関する情報を参照して、医療従事者による判断および操作が必要となるイベントを検出する。
【0041】
(通知先の決定処理)
図3のステップS103で説明したように、決定機能653は、検出機能652によって検出されたイベントの通知先を決定する。具体的には、決定機能653は、まず、ネットワーク10に接続された端末装置1を特定し、特定した端末装置1を操作する操作者のうち、イベントに対応可能な操作者を決定する。
【0042】
ここで、決定機能653は、ネットワーク10に接続された端末装置1を特定するために、ネットワーク10に接続された端末装置1を管理するための参加者テーブルを作成する。具体的には、決定機能653は、ネットワーク10に対する端末装置1の接続状況を監視し、端末装置1がネットワーク10に接続されると、接続した端末装置1に関する情報を取得して参加者テーブルに登録する。
【0043】
図4は、第1の実施形態に係る参加者テーブルの一例を示す図である。例えば、決定機能653は、
図4に示すように、「端末情報」と、「操作者」と、「能力」と、「権限」とを対応付けた参加者テーブルを作成する。ここで、
図4における「端末情報」とは、ネットワーク10に接続された端末装置1を識別するための情報であり、「操作者」とは、「端末情報」で識別される端末装置1を操作する操作者の情報である。また、
図4における「能力」とは、操作者の能力情報であり、「権限」とは、操作者の権限情報である。
【0044】
例えば、決定機能653は、
図4に示すように、「端末情報」として端末装置1のアドレスを登録し、「操作者」として操作者の名称を登録し、「能力」として診療科の情報を登録し、「権限」として職種や制御可能な装置に関する情報などを登録する。決定機能653は、ネットワーク10に対する端末装置1の接続状況を監視し、ネットワーク10に接続された端末装置1について、上記した情報を参加者テーブルに登録する。ここで、決定機能653は、ネットワーク10に対する接続が切られた場合、当該端末装置1の情報を参加者テーブルから削除する。
【0045】
なお、
図4に示す情報はあくまでも一例であり、その他の情報が参加者テーブルに登録される場合でもよい。例えば、「端末情報」として、端末装置1のOS(Operating System)や、ソフトウェアの導入状況、バージョンなどが登録される場合でもよい。また、例えば、「能力」として、検査に関する診断経験の有無や、装置に対する経験値、勤続年数などが登録される場合でもよい。
【0046】
決定機能653は、参加者テーブルに基づいてネットワーク10に接続された端末装置1を特定し、特定した端末装置1のうち、イベントに対応可能な操作者が操作する端末装置1を決定する。具体的には、決定機能653は、参加者テーブルに登録された端末装置1のうち、検出機能652によって検出されたイベントの内容に対応可能な操作者が操作する全ての端末装置1を決定する。より具体的には、決定機能653は、ネットワーク10に接続された端末装置1を操作する操作者の権限情報及び能力情報に基づいて、イベントに対応可能な操作者を決定する。
【0047】
例えば、イベントとしてスキャン終了後の確認作業が検出された場合、決定機能653は、ワークフローに含まれる検査情報や、医用画像診断装置2の種別、スキャン対象の部位などと、参加者テーブルにおける能力情報及び権限能力とを比較して、今回実施されたスキャンにおけるスキャン終了後の確認作業ができる全ての操作者を決定する。
【0048】
(イベントの通知処理)
図3のステップS104で説明したように、制御機能654は、決定機能653によって決定された通知先(端末装置1)に対して、イベントの発生を通知する。
図5は、第1の実施形態に係るイベントの通知を説明するための図である。
図6に示すように、医用情報処理装置6は、ネットワーク10に接続された装置とやり取りを行い、イベントの発生に応じて当該イベントに対応可能な操作者の端末装置1を決定し、決定した端末装置1に対してイベントの発生を通知する。ここで、制御機能654は、決定機能653によって決定された全ての端末装置1に対して、イベントの発生を通知する。
【0049】
例えば、制御機能654は、決定機能653によって決定された全ての端末装置1のディスプレイにイベントが発生したことを示す情報を表示させる。ここで、イベントの発生が通知される操作者は、通常勤務中・就労中である。そこで、制御機能654は、現在実施している作業に支障をきたさず、かつ、認識可能となる表示形態で、イベントが発生したことを示す情報を表示させる。
【0050】
(イベント内容の表示処理)
図3のステップS105、S106で説明したように、制御機能654は、イベント発生の通知に対して応答した操作者の端末装置1に対して、イベントの内容に関する情報を表示させる。具体的には、制御機能654は、通知に対して応答した操作者の端末装置に対して、イベントに対する操作を実行するための操作画面を表示させる。
【0051】
図6A及び
図6Bは、第1の実施形態に係るイベント内容の表示の一例を説明するための図である。例えば、制御機能654は、
図6Aの上段の図に示すように、決定機能653によって決定された全ての端末装置1のディスプレイにイベントが発生したことを示す通知を表示させる。すなわち、制御機能654は、別の作業画面で作業が行われている端末装置1に対してイベントが発生したことを示す通知を表示させる。
【0052】
この通知に対していずれかの操作者が応答すると、制御機能654は、
図6Aの下段の図に示すように、応答した操作者が操作する端末装置1に対して、ワークフロー画面や、検査・カルテ情報、進捗状況などを含むGUIを表示させる。これにより、応答した操作者は、イベントが発生したワークフローにおける現在の状況を把握することができる。
【0053】
また、ワークフロー画面では、例えば、
図6Bに示すように、制御機能654は、操作者に実施してもらいたい作業内容(撮像画面の確認)が一目でわかる情報を表示させることもできる。なお、制御機能654は、ワークフロー全体を表示させ、その中の現在の作業内容がわかるように表示させることもできる。
【0054】
そして、制御機能654は、撮像画面の確認として、例えば、
図7Aに示すGUIを端末装置1のディスプレイに表示させる。例えば、制御機能654は、
図7Aに示すように、スキャンによって得られた医用画像と、検査情報と、ワークフローとを示し、承認用のGUIを含む操作画面を、端末装置1のディスプレイに表示させる。すなわち、制御機能654は、作業内容が確認しやすく、操作しやすい操作画面を端末装置1のディスプレイに表示させる。
【0055】
本実施形態では、操作者が実施する作業内容はワークフローから明確であるため、
図7Aに示すように、必要な情報のみを含んだ操作画面を表示させることができる。これは、その他の作業においても同様である。例えば、撮像条件の確認を行う場合、制御機能654は、
図7Bに示すように、撮像条件の一覧と、設定されている条件と、ワークフローとを一目で確認することができる操作画面を端末装置1のディスプレイに表示させることができる。なお、
図7A及び
図7Bは、第1の実施形態に係る操作画面の一例を示す図である。
【0056】
また、制御機能654は、通知先の状態に応じて操作画面の表示内容を変更することができる。具体的には、制御機能654は、通知に対して応答した操作者の属性に応じて、操作画面の表示内容を変更する。例えば、制御機能654は、参加者テーブルにおける「能力」を参照して、操作者の勤続年数、検査に関する診断の有無、装置に対する経験値などの情報に基づいて、操作画面の表示内容を変更する。
【0057】
図8は、第1の実施形態に係る操作画面の一例を示す図である。例えば、通知に対して応答した操作者が、勤続年数が短い、或いは、検査に関する診断の経験や装置に対する経験が浅い医療従事者である場合、制御機能654は、
図8に示すように、操作画面において注目する部分に「!」マークを付した操作画面を表示させる。ここで、「!」マークには、確認するポイントをガイドする情報が付帯されており、カーソルを「!」マークの位置に合わせることで、付帯された情報が表示される。すなわち、制御機能654は、通知に対して応答した操作者が経験の浅い医療従事者である場合に、サポートする情報を表示させることができる。
【0058】
また、制御機能654は、通知に対して応答した操作者が経験の浅い医療従事者である場合に、難しい用語を簡単な用語に置き換えて表示させることもできる。一方、通知に対して応答した操作者が経験の豊富な医療従事者である場合、制御機能654は、「!」マークの表示や、難しい用語の簡単な用語への置き換えを行わず、不要な情報を除いたより見やすい操作画面を表示させることもできる。
【0059】
また、制御機能654は、通知に対して応答した操作者が経験の豊富な医療従事者である場合、表による一覧表示を行うことで確認効率を上げることもできる。また、制御機能654は、通知に対して応答した操作者が経験の浅い医療従事者である場合、イラストなどを利用したわかりやすい表示を行うこともできる。
【0060】
さらに、制御機能654は、例えば、スキャン後の確認作業を行う操作者が、撮像条件を承認した操作者と異なる場合にも、操作画面の表示内容を変更することができる。
図9は、第1の実施形態に係る操作画面の一例を示す図である。ここで、
図9は、撮像条件の承認において、業務制御機能651によって設定された撮像条件に対して操作者が変更を加え、変更後の撮像条件でスキャンを実行し、スキャン後の確認を行うための操作画面を示す。
【0061】
このような状況において、スキャン後の確認作業を行う操作者が、撮像条件を承認した(変更した)操作者と異なる場合に、制御機能654は、
図9に示すように、変更された条件に対して「!」マークを表示させる。ここで、「!」マークには、変更内容や変更理由、変更した操作者を識別する情報などが付帯されており、カーソルを「!」マークの位置に合わせることで、付帯された情報が表示される。
【0062】
また、制御機能654は、操作者が操作する端末装置1の状況に応じて操作画面の表示内容を変更することもできる。例えば、通知に対して応答した操作者が操作する端末装置1がタブレットである場合、制御機能654は、タブレットの画面サイズに合わせて表示内容を分けて表示させる。一例を挙げると、制御機能654は、ワークフローの情報と撮像条件が順に表示させるように制御することできる。また、制御機能654は、端末装置1に導入されているOSやソフトウェア、バージョンの情報に応じて適切な表示を制御することもできる。
【0063】
上述したように、制御機能654は、イベントの発生を通知した操作者のうち、通知に対して応答した操作者が操作する端末装置1に対して、イベントに対する操作を実行するための操作画面を表示させる。
【0064】
一方、制御機能654は、イベントの発生を通知した端末装置1のうち、当該通知に対して応答した操作者以外の操作者(通知に対して応答しなかった操作者)が操作する端末装置1を、通知に対する応答が実行されたことを識別可能な状態に遷移させる。例えば、制御機能654は、通知に対して応答した操作者以外の操作者が操作する端末装置1に対する通知を停止する。すなわち、制御機能654は、端末装置1のディスプレイから通知を消すように制御する。
【0065】
なお、通知に対する応答が実行されたことを識別可能とする制御は、端末装置1のディスプレイから通知を消すだけでなく、他の操作者が通知に対して応答したことを示す情報を表示させるものでもよい。また、制御機能654は、通知に対して応答しなかった操作者によって操作される端末装置1のディスプレイに対してイベントの内容に関する情報を表示させることもできる。すなわち、制御機能654は、通知に対して応答しなかった操作者であってもイベントの内容を確認することできるように制御することができる。
【0066】
(操作に応じた処理)
図3のステップS107で説明したように、業務制御機能651は、操作者による操作に応じて処理を実行する。
図10は、第1の実施形態に係る操作者による操作に応じた処理を説明するための図である。例えば、
図10に示すように、制御機能654によって表示された操作画面において操作者が承認操作を実行すると、業務制御機能651は、ネットワーク10上の装置に対して、ワークフローにおける次の処理を実行するように制御する。一例を挙げると、業務制御機能651は、構築したワークフローの撮像条件に対して承認操作が実行されると、承認された撮像条件で撮像を行うように、医用画像診断装置2を制御する。
【0067】
上述したように、第1の実施形態によれば、検出機能652は、ネットワークに接続された装置によって実施されている医療に関する業務において、操作者による操作を要するイベントを検出する。決定機能653は、ネットワークに接続された端末装置1を操作する操作者のうち、イベントに対応可能な少なくとも1人の操作者を決定する。制御機能654は、少なくとも1人の操作者が操作する端末装置1に対して、イベントの発生を通知する。したがって、第1の実施形態に係る医用情報処理装置6は、イベントが発生した時点で、当該イベントに対応可能な操作者に対応を依頼することができ、業務の効率化を適切に行うことを可能にする。
【0068】
また、第1の実施形態によれば、制御機能654は、通知に対して応答した操作者の端末装置1に対して、イベントの内容に関する情報を表示させる。したがって、第1の実施形態に係る医用情報処理装置6は、時間的・作業的にイベントに対応可能な操作者に対してイベントの対応を依頼することができ、業務の効率化を適切に行うことを可能にする。
【0069】
また、第1の実施形態によれば、制御機能654は、通知に対して応答した操作者の端末装置1に対して、イベントに対する操作を実行するための操作画面を表示させる。したがって、第1の実施形態に係る医用情報処理装置6は、イベントに対する作業を効率よく行うことを可能にする。
【0070】
また、第1の実施形態によれば、制御機能654は、通知に対して応答した操作者の属性に応じて、操作画面の表示内容を変更する。したがって、第1の実施形態に係る医用情報処理装置6は、通知に応答した操作者に応じて適切な操作画面を表示させることを可能にする。
【0071】
また、第1の実施形態によれば、制御機能654は、イベントの発生を通知した端末装置1のうち、当該通知に対して応答した操作者以外の操作者が操作する端末装置1を、通知に対する応答が実行されたことを識別可能な状態に遷移させる。したがって、第1の実施形態に係る医用情報処理装置6は、通知に対して応答しなかった操作者に対して、適切な制御を行うことを可能にする。
【0072】
また、第1の実施形態によれば、制御機能654は、通知に対して応答した操作者以外の操作者が操作する端末装置1に対する通知を停止する。したがって、第1の実施形態に係る医用情報処理装置6は、応答済みのイベントに関する通知を消すことを可能にする。
【0073】
また、第1の実施形態によれば、決定機能653は、ネットワーク10に接続された端末装置1を操作する操作者の権限情報及び能力情報に基づいて、イベントに対応可能な操作者を決定する。したがって、第1の実施形態に係る医用情報処理装置6は、イベントに対応可能な操作者を適切に決定することを可能にする。
【0074】
また、第1の実施形態によれば、業務制御機能651は、医療に関する業務をネットワーク10に接続された装置に実施させ、当該業務の進行を制御する。したがって、第1の実施形態に係る医用情報処理装置6は、ワークフローを自動で制御することを可能にする。
【0075】
(その他の実施形態)
上述した実施形態では、医用情報処理装置6が業務制御機能651を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、医用情報処理装置6が業務制御機能651を実行しない場合でもよい。すなわち、医用情報処理装置6が、ワークフローの構築、及び、ワークフローの実施・管理を実行しない場合でもよい。
【0076】
また、上述した実施形態では、イベント発生の通知に対して応答した操作者が、当該イベントに対して対応する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものでなく、イベント発生の通知に対して応答した操作者の端末装置1に対してイベントの内容に関する情報を表示させ、当該情報を確認したうえでイベントに対して対応するか否かが決定される場合でもよい。
【0077】
かかる場合には、制御機能654は、イベント発生の通知に対して応答した操作者の端末装置1に対して、イベントの内容に関する情報を表示させるとともに、当該イベントを対応するか否かを入力するためのGUIを表示させる。これにより、操作者は、イベントの内容を確認したうえで当該イベントに対応するか否かを決めることができる。
【0078】
また、上述した実施形態では、操作者の例として医者を一例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、検査技師、看護師、コメディカルなどの他の医療従事者が操作者となる場合でもよい。
【0079】
また、上述した実施形態では、イベントの発生時にワークフローの状況が確認できる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、イベントの発生時以外にもワークフローを確認できるようにしてもよい。かかる場合には、例えば、制御機能654が、端末装置1からの確認要求に対して、ワークフローの現在の状況を提供する。
【0080】
また、上述した実施形態では、操作者が承認や確認の操作を行う場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば「~時確認、問題なし」などのメモを同時に入力可能としてもよい。
【0081】
また、上述した実施形態では、イベントが発生した後に通知を行う場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、通知の予告を行う場合でもよい。例えば、制御機能654は、「5分後に通知予定」であることを操作者に事前に予告しておくこともできる。
【0082】
また、上述した実施形態では、撮像条件の承認や、撮像画面の確認を端末装置1で行う場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、問題が発生した場合に現場に駆け付けるように通知する場合でもよい。
【0083】
また、上述した実施形態では、通知に対して応答がある場合について説明した。しかしながら、通知に対して応答がない場合も考えられる。かかる場合には、制御機能654は、再通知を行う。ここで、再通知を行う場合、通知先を増やす場合でもよい。例えば、決定機能653が、通知先を決定する際の条件を変更して、通知先を増やすようにしてもよい。
【0084】
なお、上述した実施形態では、本明細書における業務制御部、検出部、決定部、及び、制御部を、それぞれ、処理回路の業務制御機能、検出機能、決定機能、及び、制御機能によって実現する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本明細書における業務制御部、検出部、決定部、及び、制御部は、実施形態で述べた業務制御機能、検出機能、決定機能、及び、制御機能によって実現する他にも、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
【0085】
また、上述した実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合には、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
【0086】
ここで、プロセッサによって実行される医用情報処理プログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、この医用情報処理プログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、この医用情報処理プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることによって提供又は配布されてもよい。例えば、この医用情報処理プログラムは、上述した各処理機能を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体から医用画像処理プログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0087】
また、上述した実施形態及び変形例において、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散又は統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。更に、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0088】
また、上述した実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0089】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、業務の効率化を適切に行うことができる。
【0090】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0091】
6 医用情報処理装置
651 業務制御機能
652 検出機能
653 決定機能
654 制御機能