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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150976
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】ドアストッパ
(51)【国際特許分類】
   E05C 17/56 20060101AFI20241017BHJP
   E05F 5/00 20170101ALI20241017BHJP
【FI】
E05C17/56
E05F5/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064056
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】509099464
【氏名又は名称】株式会社マグエバー
(74)【代理人】
【識別番号】110003454
【氏名又は名称】弁理士法人友野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤渡 紀子
(57)【要約】
【課題】片開き式のドアを全開するときに緩衝ゴムが緩衝停止させる状態と、磁気吸引方向が全開状態のドアの磁性面に直交するよう磁石の回転方向の位置決め可能な磁石でドア全開状態に保持する状態とに切り替えられるドアストッパを提供すること。
【解決手段】ドアストッパ100は、床Fより立ち上がるベースフレーム10に取着したた可動フレーム20に緩衝ゴム30と磁石40とを取り付け、可動フレーム20を90度の往復回動に制限する移動制限機構50を設け、ベースフレーム10の基部より張り出す位相設定部材60を可動フレーム20の周方向の位置を設定して床Fに固定する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
片開き式のドアの全開時に、前記ドアを緩衝停止させその後のドアクローザによる閉扉を可能とする通常機能と、前記ドアを全開状態に係止する非通常機能とに切り替えられる複合機能を有するドアストッパであって、
床または壁より設けられるベースフレームと、
前記ベースフレームに係合され切替操作により移動される可動フレームと、
前記ベースフレームまたは前記可動フレームに取り付けられ通常時に全開状態となる前記ドアを緩衝停止しうる緩衝ゴムと、
前記可動フレームに取り付けられ非通常時に全開状態となる前記ドアを前記ドアを磁気吸引しうる磁石と、
前記可動フレームの移動を規制する移動制限機構と、
前記ベースフレームより延設され、取付時の位相を合わせてから前記床または前記壁に固定される位相設定部材と
を備えたことを特徴とするドアストッパ。
【請求項2】
前記移動制限機構は、前記可動フレームの一移動操作により前記緩衝ゴムを前記ドアを緩衝停止する位置と、前記可動フレームの次の一移動操作により前記磁石を前記ドアに磁気吸引する位置とを交番するよう前記可動フレームの移動を制限する構成である請求項1に記載のドアストッパ。
【請求項3】
前記移動制限機構は、前記ベースフレームと前記可動フレームとの係合部に設けられ、前記ベースフレームと前記可動フレームのいずれか一方のブラケット部に設けられる円弧状スリットと、いずれか他方のブラケット部に設けられる前記円弧状スリットに相対的に係合案内される突起との組み合わせからなり、 前記可動フレームの、前記ベースフレームの中心線の周りに水平回動する範囲を制限する構成である請求項2に記載のドアストッパ。
【請求項4】
前記移動制限機構は、前記ベースフレームと前記可動フレームのいずれか一方に設けられる逆さハート形のガイド溝と前記ガイド溝に相対的に係合案内される突起とからなり、前記可動フレームの、前記ベースフレームの中心線の周りに回動する範囲と上下動する範囲を制限する構成である請求項2に記載のドアストッパ。
【請求項5】
前記位相設定部材は、前記床または前記壁に沿うよう前記ベースフレームの基部より延設された板状部と、前記板状部の張出端に設けられた小孔と、前記小孔に上側からねじ込むタッピンネジとを含み、前記可動フレームの前記次の一移動操作を行ったときに前記磁石の磁気吸引方向と前記ドアの平面とが平面視垂直となるよう前記板状部が前記ベースフレームの軸心周りの位相を合わせた状態で前記タッピンネジで前記床または前記壁に固定される構成である請求項2に記載のドアストッパ。
【請求項6】
前記床より立ち上がる前記ベースフレームを構成する不動の柱体の上面に、前記可動フレームを構成する短柱体が回動可能、浮き上がり不能に載置され、前記可動フレームを構成する短柱体の少なくとも一側に前記緩衝ゴムが取り付けられ、および他側に前記磁石が取り付けられた構成である請求項1に記載のドアストッパ。
【請求項7】
前記床より立ち上がる前記ベースフレームを構成する不動の柱体の外周面の上部に前記緩衝ゴムが取り付けられ、前記柱体の外周面の前記緩衝ゴムより下側部分に、前記可動フレームを構成する筒体が回動可能に被嵌され、前記筒体の一側に前記磁石が取り付けられた構成である請求項1に記載のドアストッパ。
【請求項8】
前記可動フレームの外周面に、前記緩衝ゴムがおよび前記緩衝ゴムより上側部分に前記磁石が取り付けられた構成である請求項4に記載のドアストッパ。
【請求項9】
ベースフレームは二股ブラケット部を含み、前記可動フレームは前記二股ブラケット部に両端支持され回動可能な円筒体を含み、前記円筒体に前記緩衝ゴムおよび前記磁石が設けられた構成である請求項1に記載のドアストッパ。
【請求項10】
前記磁石に、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、またはアルニコ磁石が用いられる請求項1に記載のドアストッパ。
【請求項11】
前記磁石は、水平面内に僅かに首振り自在であるヨークにより囲まれかつ保持される請求項1に記載のドアストッパ。
【請求項12】
前記磁石および/または前記ヨークにシリコンコートが施されている請求項1に記載のドアストッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばドアストッパに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図6に示すドアストッパ100は、既設の戸当たり200の支柱30の下面によって床面にぐらつきなく押さえ付けられる取付け部12とこの取付け部12に一側より立ち上がる立上り部11とを有するL字状の板金製支持体10と、立上り部11に固定された磁石Mとを含む構成である。
【0003】
また、特許文献1の図8に示すドアストッパ100は、床面に押さえ付けられる取付け部12とこの取付け部12に一側より立ち上がる立上り部11とを有するL字状の板金製支持体10と、取付け部12上に立ち上がり戸当たり200の支柱30に被嵌(遊嵌)される外筒17と、立上り部11に固定された磁石Mとを含み、磁石Mが全開状態の片開きドアの磁性面に吸着可能である構成である。既設の戸当たり200は、支柱30の雌ねじ部をアンカーボルト40に強く螺合することにより支柱30が床面に据え付けられているとともに、緩衝体32の下端面の外筒17の上端面とが強く当接し、ドアストッパ100がぐらつきなく装着されている。
【0004】
図6図8に示すいずれのドアストッパ100も、既設の戸当たり200によってドアクローザにより閉扉する片開きドアを全開するときに壁に衝突するのを防いで緩衝停止させる状態と、戸当たり200に回転可能に装着されたドアストッパ100によって片開きドアを全開するときにドアの磁性面に吸着して全開状態に保持する状態とに切り替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3207462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたドアストッパ100は、戸当たり200の支柱30の周りに回転可能に装着されているけれども、戸当たり200を弛めた状態に放置しておくと、ドアストッパ100がぐらつきを生じてしまうとともに、戸当たり200が外れてしまうことに繋がるので、支柱30の雌ねじ部をアンカーボルト40に強く螺合しており、その結果、既設の戸当たり200およびドアストッパ100を床に固定しており、戸当たり200を弛める方向に回転させるにはかなりの力を必要とする。他方、戸当たり200を弛める方向に回転させてからドアストッパ100を回転させて磁石Mの向きを片開きドアを全開位置に合わせるように回転することができる。すなわち、片開きドアを全開するときに壁に衝突するのを防いで緩衝停止させる状態と、片開きドアを全開状態に保持する状態とに切り替えられる全開状態に保持する状態とに一方向切り替えと戻す方向の切り替えをするには、戸当たり200を弛めて絞めることを2度行わなければならず手間がかかる。
【0007】
また、特許文献1に開示されたドアストッパ100は、戸当たり200に替わり、磁石Mが全開状態の片開きドアの磁性面に吸着可能な向きに位置決めできないので、磁石Mの向きが適切でないときは片開きドアを全開状態に吸引保持できないことがあり、磁石Mの向きの修正を余儀なくされる。
【0008】
このため、ホテルの部屋を清掃する高齢者の清掃員が、戸当たり200を弛めて絞めること、および磁石Mが適切な向きになるようドアストッパ100の回転方向の位置決めを行うことが作業条件としてきついものとなることが問題である。
【0009】
本発明は、片開き式のドアが全開時に、緩衝ゴムが緩衝停止させる状態と、磁石が吸着保持する状態とに切り替えることができて、特に、磁石の吸着保持方向を全開時のドア平面に対し平面視において直角になる位置決めできるドアストッパを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題の解決にあたり、考察を深めた結果、ドアクローザにより自動閉扉する片開き式のドアが全開するときに、ドアが壁に衝突するのを防いで緩衝停止させる機能と、ドアを全開状態に係止する機能とに切り替えられるドアストッパを発案した。
【0011】
そこで、上記課題を解決するために、本願の第1の態様に係るドアストッパは、上記目的と達成するため、片開き式のドアの全開時に、前記ドアを緩衝停止させその後のドアクローザによる閉扉を可能とする通常機能と、前記ドアを全開状態に係止する非通常機能とに切り替えられる複合機能を有するドアストッパであって、床または壁より設けられるベースフレームと、前記ベースフレームに係合され切替操作により移動される可動フレームと、前記ベースフレームまたは前記可動フレームに取り付けられ通常時に全開状態となる前記ドアを緩衝停止しうる緩衝ゴムと、前記可動フレームに取り付けられ非通常時に全開状態となる前記ドアを前記ドアを磁気吸引しうる磁石と、前記可動フレームの移動を規制する移動制限機構と、前記ベースフレームより延設され、取付時の位相を合わせてから前記床または前記壁に固定される位相設定部材とを備えて構成される。
【0012】
本願の第2の態様として、第1の態様において、前記移動制限機構が、前記可動フレームの一移動操作により前記緩衝ゴムを前記ドアを緩衝停止する位置と、前記可動フレームの次の一移動操作により前記磁石を前記ドアに磁気吸引する位置とを交番するよう前記可動フレームの移動を制限する構成であるとしてもよい。
【0013】
本願の第3の態様として、第2の態様において、前記移動制限機構が、前記ベースフレームと前記可動フレームとの係合部に設けられ、前記ベースフレームと前記可動フレームのいずれか一方のブラケット部に設けられる円弧状スリットと、いずれか他方のブラケット部に設けられる前記円弧状スリットに相対的に係合案内される突起との組み合わせからなり、前記可動フレームの、前記ベースフレームの中心線の周りに水平回動する範囲を制限する構成であるとしてもよい。
【0014】
本願の第4の態様として、第2の態様において、前記移動制限機構が、前記ベースフレームと前記可動フレームのいずれか一方に設けられる逆さハート形のガイド溝と前記ガイド溝に相対的に係合案内される突起とからなり、前記可動フレームの、前記ベースフレームの中心線の周りに回動する範囲と上下動する範囲を制限する構成であるとしてもよい。
【0015】
本願の第5の態様として、第2の態様において、前記位相設定部材が、前記床または前記壁に沿うよう前記ベースフレームの基部より延設された板状部と、前記板状部の張出端に設けられた小孔と、前記小孔に上側からねじ込むタッピンネジとを含み、前記可動フレームの前記次の一移動操作を行ったときに前記磁石の磁気吸引方向と前記ドアの平面とが平面視垂直となるよう前記板状部が前記ベースフレームの軸心周りの位相を合わせた状態で前記タッピンネジで前記床または前記壁に固定される構成であるとしてもよい。
【0016】
本願の第6の態様として、第1の態様において、前記床より立ち上がる前記ベースフレームを構成する不動の柱体の上面に、前記可動フレームを構成する短柱体が回動可能、浮き上がり不能に載置され、前記可動フレームを構成する短柱体の少なくとも一側に前記緩衝ゴムが取り付けられ、および他側に前記磁石が取り付けられた構成であるとしてもよい。
【0017】
本願の第7の態様として、第1の態様において、前記床より立ち上がる前記ベースフレームを構成する不動の柱体の外周面の上部に前記緩衝ゴムが取り付けられ、前記柱体の外周面の前記緩衝ゴムより下側部分に、前記可動フレームを構成する筒体が回動可能に被嵌され、前記筒体の一側に前記磁石が取り付けられた構成であるとしてもよい。
【0018】
本願の第8の態様として、第4の態様において、前記可動フレームの外周面に、前記緩衝ゴムがおよび前記緩衝ゴムより上側部分に前記磁石が取り付けられた構成であるとしてもよい。
【0019】
本願の第9の態様として、第1の態様において、前記ベースフレームが二股ブラケット部を含み、前記可動フレームが前記二股ブラケット部に両端支持され回動可能な円筒体を含み、前記円筒体に前記緩衝ゴムおよび前記磁石が設けられた構成であるとしてもよい。
【0020】
本願の第10の態様として、第1の態様において、前記磁石に、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、またはアルニコ磁石のいずれかが用いられた構成であるとしてもよい。
【0021】
本願の第11の態様として、第1の態様において、前記磁石が、水平面内に僅かに首振り自在であるヨークにより囲まれかつ保持される構成であるとしてもよい。
【0022】
本願の第12の態様として、第1の態様において、前記磁石および/または前記ヨークにシリコンコートが施されている構成であるとしてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の各態様によれば、片開き式のドアが全開時に、緩衝ゴムが緩衝停止させる状態と、磁石が吸着保持する状態とに切り替えることができて、特に、磁石の吸着保持方向を全開時のドア平面に対し平面視において直角になる位置決めできるドアストッパを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本願発明の第1の実施の形態に係るドアストッパの取付位置を示す平面図である。
図2A図2Aは本願発明の第2の実施の形態に係るドアストッパの縦断正面図である。
図2B図2Bは本願発明の第2の実施の形態に係るドアストッパの平面図である。
図2C図2Cは本願発明の第2の実施の形態に係り、図2Bの状態から磁石が90度回動した位置で全開時のドアを磁気吸引保持した状態のドアストッパの平面図である。
図3図3は本願発明の第2の実施の形態に係り、図3(A)はドアストッパの縦断正面図、図3(B)は図3(A)におけるIIb-IIb矢視の平面図を示す。
図4A図4Aは本願発明の第3の実施の形態に係るドアストッパの縦断正面図である。
図4B図4Bは本願発明の第3の実施の形態に係るドアストッパの平面図である。
図4C図4Cは本願発明の第3の実施の形態に係り、図4Bの状態から磁石が90度回動した位置で全開時のドアを磁気吸引保持した状態のドアストッパの平面図である。
図5A図5Aは本願発明の第4の実施の形態に係るドアストッパの縦断正面図である。
図5B図5Bは本願発明の第4の実施の形態に係り、図5AにおけるVb-Vb矢視のドアストッパの平面図である。
図5C図5Cは本願発明の第4の実施の形態に係り、図5Bの状態から磁石が90度回動した位置で全開時のドアを磁気吸引保持した状態のドアストッパの平面図である。
図6A図6Aは本願発明の第5の実施の形態に係り、平常利用時の入退室のためのドア全開時のドアストッパの正面図である。
図6B図6Bは本願発明の第5の実施の形態に係り、平常利用時の入退室のためのドア全開時のドアストッパの平面図である。
図6C図6Cは本願発明の第5の実施の形態に係り、部屋の掃除や空気の入れ替え、点検等の入退出のためのドア全開時のドアストッパの正面図である。
図6D図6Dは本願発明の第5の実施の形態に係り、部屋の掃除や空気の入れ替え、点検等の入退出のためのドア全開時のドアストッパの平面図である。
図7A図7Aは本願発明の第6の実施の形態に係り、平常利用時の入退室のためのドア全開時のドアストッパの正面図である。
図7B図7Bは本願発明の第6の実施の形態に係り、部屋の掃除や空気の入れ替え、点検等の入退出のためのドア全開時のドアストッパの正面図である。
図8A図8Aは本願発明の第7の実施の形態に係り、平常利用時の入退室のためのドア全開時のドアストッパの正面図である。
図8B図8Bは本願発明の第7の実施の形態に係り、部屋の掃除や空気の入れ替え、点検等の入退出のためのドア全開時のドアストッパの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[本願発明のドアストッパの取付位置]
図1に示すように、本願発明のドアストッパSは、ドアクローザ(不図示)により自動閉扉する片開き式のドアDが全開する位置と、この全開位置のドアDに近接する壁Wとの間に介在するよう設けられる。ドアストッパSは、床Fより立ち上がる状態に設けられる場合と壁Wより水平に張り出して設けられる場合とがある。
【0026】
ドアストッパSは、後述する緩衝ゴム30と磁石40とを交替移動可能に備え、平常利用時の入退室のためのドアDの全開時に緩衝ゴム30でドアDを当接緩衝停止させその後のドアクローザによる自動閉扉を可能とする通常機能と、部屋の掃除や空気の入れ替え、点検等の入退出のためのドアDの全開時にドアDを磁石40で磁気吸引して全開状態を継続する非通常機能とに切り替えられる構成である。
【0027】
[第1の実施の形態:図2A図2C
図2A図2Cは本願発明の第1の実施の形態に係るドアストッパ100を示す。図2Aに示すように、ドアストッパ100は、床Fより立ち上がる不動のベースフレーム10と、ベースフレーム10の上に分離不能、水平回動可能に載置された可動フレーム20と、可動フレーム20の外面に被嵌されたリング形状の緩衝ゴム30と、緩衝ゴム30Aの一側に設けられた凹部30aに水平に首振り可能に遊嵌され可動フレーム20に取り付けられた磁石40と、磁石40Bを全開状態となるドアDに緩衝しない位置と緩衝ゴム30Bと全開状態となるドアDとの間となる位置との間を往復回動できるよう可動フレーム20の例えば回動角度が90度の往復回動に制限する移動制限機構50と、ベースフレーム10の基部より半径方向外方に床Fに沿って張り出し張出端を床Fに固定されることにより移動制限機構50の可動フレーム20の周方向の位置(位相)を設定する位相設定部材60とを有する。
【0028】
移動制限機構50は、可動フレーム20の一方向に水平回動して停止することにより緩衝ゴム30が全開位置に来るドアDに対して当接停止し(図2B)、および他方向に水平回動して停止することにより磁石40が全開位置に来るドアDに対して磁気吸着できるよう(図2C)、例えば回動角度が90度の往復回動に制限する。
【0029】
このドアストッパ100の特徴は、不動のベースフレーム10の上に把持操作対象である可動フレーム20が載置され、可動フレーム20に緩衝ゴム30と磁石40とが設けられていて、位相設定部材60により移動制限機構50の可動フレーム20の周方向の位置(位相)を設定されることを条件として、可動フレーム20が90度の往復回動することにより緩衝ゴム30と磁石40とが一体に90度の往復回動することでドアDに当接する位置への緩衝ゴム30と磁石40の切り替わりが行われる構成である。位相設定部材60による位相設定が行われない、位相が異なる場合には、磁石40によるドアの磁気吸引保持が不可となる。以下、詳述する。
【0030】
ベースフレーム10は、床Fに穿設した穴に打ち込まれ床Fより立ち上がるボルト部10a’を含むアンカー10aと、このボルト部10a’に螺合される雌ネジ部を有する短円柱状であり床Fより立ち上がる柱体10bと、柱体10bの上端周縁部より周囲に水平に突設された円形板状の下側水平ブラケット部10cと、下側水平ブラケット部10cの上面外周部に突設された外周壁部10dと、外周壁部10dの上にビスネジ10eで固定されるリングプレート10fとを含む。
【0031】
可動フレーム20は、柱体10bの上面に載置された短柱体20aと、短柱体20aの下端周縁部より周囲に水平に突設された円形板状の上側水平ブラケット部20bとを含む。上側水平ブラケット部20bは、ベースフレーム10の下側水平ブラケット部10c上に重なりかつベースフレーム10の外周壁部10dに回動可能な摺接状態に囲まれ、さらに、上面をリングプレート10fにより浮き上がり不能に抑えられており、もって、ベースフレーム10の軸心の周りに回転可能、分離不能に載置されている。
【0032】
なお、下側水平ブラケット部10cと上側水平ブラケット部20bとの連結構造が上下逆転していても良い。また、下側水平ブラケット部10cと上側水平ブラケット部20bは円形板状であることに限定されない。
【0033】
緩衝ゴム30は、リング形状であり、可動フレーム20の短柱体20aの上部に被嵌されており一巻きするように取り付けられ、図2Bに示すように、全開状態となるドアDに当接し緩衝停止し、もってドアDが壁Wに当接して傷がつくのを回避できる。
【0034】
磁石40は、水平面内に僅かに首振り自在であるヨーク41により三方を囲まれかつ保持される形態が好ましい。磁石40は、可動フレーム20の短柱体20aの一側に取り付けられドアDの全開時にドアDを磁気吸引しうる。磁石40は、ネオジム磁石が採用されるのが好ましいが、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石といった他の種類の磁石であってもよい。この実施の形態のように、磁石40の磁力線を多く集めて強い磁場を形成するヨーク41が付設されていることが好ましい。
【0035】
ヨーク41は、磁石40の背面を密着固定しかつ両側面との間に磁場を形成するための小さなギャップを有して囲むチャンネル部41aと、チャンネル部41aの背面の上下位置より水平方向に偏在する2つの目付きブラケット部41bとを有する。チャンネル部41aの両側部は磁石40の正面よりもたとえば0.5mm外方へ突出していて磁石40に替わって磁器吸着する部分となる。ヨーク41は、2つの目付きブラケット部41bを緩衝ゴム30の一側より可動フレーム20の短柱体20aの一側に到達するよう設けられた凹部20cに差し込まれ、かつ短柱体20aの上面より凹部20cに交差して設けられたネジ穴に螺合されたピン軸41cが目付きブラケット部41bのピン孔を挿通していることにより、短柱体20aに連結され水平面内に僅かに首振り自在である。ヨーク41は、少なくともドアDに当接する部分にシリコンコートが施されている。
【0036】
移動制限機構50は、ベースフレーム10と可動フレーム20との係合箇所である下側水平ブラケット部10cと上側水平ブラケット部20bとの外周部に設けられる。この実施の形態では、移動制限機構50は、固定側の下側水平ブラケット部10cに設けられ曲率中心が可動フレーム20の回動中心と一致し回動角度が例えば90度である円弧状スリット50aと、可動側の上側水平ブラケット部20bに設けられ円弧状スリット50aに係合案内される突起50bとの組み合わせであり、突起50bが90度の回動角度の範囲となるよう規制する円弧状スリット50aに相対的に移動可能に案内され、もって、可動フレーム20が90度の回動角度の範囲で往復移動できる。なお、円弧状スリット50aが上側水平ブラケット部20bに設けられ、突起50bが下側水平ブラケット部10cに設けられても良い。
【0037】
したがって、移動制限機構50は、可動フレーム20の一方向の回動操作(一移動操作)により円弧状スリット50aの一端が突起50bに当接停止する位置になって緩衝ゴム30でドアDを緩衝停止する状態と(図2B)、可動フレーム20の他方向の回動操作(次の一移動操作)により円弧状スリット50aの他端が突起50bに当接停止する位置になって磁石40でドアDに磁気吸引する状態と(図2C)を交番するよう可動フレーム20の回動を制限する。
【0038】
位相設定部材60は、床Fに沿うようベースフレーム10の基部より延設された例えば、矩形の板状部60aと、板状部60aの張出端に設けられた小孔60bと、小孔60bに上側から床Fにねじ込むタッピンネジ60cとを含んでいる。磁石40でドアDに磁気吸引する側に可動フレーム20を回動停止状態にして、位相設定部材60を所要位置に回動していき、図2Cに示すように、磁石40の磁気吸引方向を全開位置に来るドアの平面に対し平面視直角になるようにすると位相合わせが完了するので、タッピンネジ60cを床Fにねじ込み位相設定部材60Aを固定する。
【0039】
この実施の形態のドアストッパ100によれば、床Fより立ち上がるアンカー10aのボルト部10a’に柱体10bの雌ネジ部を固く螺合してベースフレーム10を立設する際、位相設定部材60の位相を合わせる。位相設定部材60の位相合わせは、板状部60aを所要の位置に回動させてタッピンネジ60cで固定する。板状部60aの固定により柱体10bの周りの円弧状スリット50aの位置が固定され、突起50bの回動範囲が固定されるとともに可動フレーム20の回動範囲が決定する。この可動フレーム20の往復回動範囲を図2B図2Cに示すように決定する。これにより、通常時の入退室においては可動フレーム20を一方向に回動して図2Bに示すように設定することにより、ドアDの全開時に緩衝ゴム30でドアDを当接緩衝停止させその後のドアクローザによる自動閉扉することになり、また、部屋の掃除や空気の入れ替え、点検等の入退出を繰り返す非通常時の入退室においては可動フレーム20を他方向に回動して図2Cに示すように設定することにより、ドアDの全開時にドアDを磁石40で磁気吸引して全開状態を継続する状態とすることができる。
【0040】
[第2の実施の形態:図3
図3は本願発明の第2の実施の形態に係るドアストッパ100Aを示す。このドアストッパ100Aは、第1の実施の形態の変形例である。このドアストッパ100Aは、床Fより立ち上がる不動のベースフレーム10Aと、ベースフレーム10A上に分離不能、水平回動可能に載置された可動フレーム20Aと、可動フレーム20Aの外周面に設けられた緩衝ゴム30Aと、緩衝ゴム30Aの一側に設けられた凹部30aに収容され可動フレーム20Aにネジ固定された磁石40Aと、可動フレーム20Aの一方向に水平回動して停止することにより緩衝ゴム30Aが全開位置に来るドアに対して当接停止し、および他方向に水平回動して停止することにより磁石40Aが全開位置に来るドアに対して磁気吸着を継続することができるよう、例えば回動角度が90度の往復回動に制限する移動制限機構50Aと、ベースフレーム10Aの基部より半径方向外方に床Fに沿って張り出し張出端を床Fに固定されることにより移動制限機構50Aの可動フレーム20Aの周方向の位置(位相)を設定する位相設定部材60Aとを有する。
【0041】
この実施の形態は、第1の実施の形態に比較したとき、ベースフレーム10Aを立設するためのアンカー10a’の構成、ベースフレーム10Aと可動フレーム20Aとの連結構造、および磁石40Aの取付構造、移動制限機構50Aの構成の各点において相違がある。
【0042】
アンカー10a’は雌ネジタイプのアンカーであり、詳しくは、上半部が円筒形で内周面に雌ねじを有し、下半部が円筒形で周方向に3つまたは4つのスリワリを有し、下端より下半部内に截頭円錐体形状の楔を挿入し、床Fに穿ったアンカー設置穴に打ち込むことにより下半部が楔で押し開かれ穴内にロックされる構成である。これに対応して、ベースフレーム10Aを構成する柱体10b’はアンカー10a’の雌ネジに螺合する雄ネジ10gを有する構成である。
【0043】
可動フレーム20Aは上端が閉塞した円筒状体である。ベースフレーム10Aと可動フレーム20Aとの連結構造については、図2A図2Cに示す下側水平ブラケット部10cと上側水平ブラケット部20bがこの実施の形態では存在しない、それらに替わって、ベースフレーム10Aを構成する柱体10b’の上部が1段小径の段軸部10iとなっていて、この段軸部10iに、可動フレーム20Aを構成するキャップ状の短柱体20a’が被嵌しており、さらに、この嵌合部であって緩衝ゴム30Aの下側に、短柱体20a’に対し放射方向に穿設されたねじ孔に小ねじ20dがねじ込まれたかつ小ねじ20dの内端が柱体10b’の上部の段軸部に設けられた周溝(符号なし)に入り込んでいる。これにより、可動フレーム20Aがベースフレーム10Aに対し分離不能で回転可能に連結されている。
【0044】
緩衝ゴム30Aは、リング形状でありベースフレーム10Aの上部に被嵌している。なお、緩衝ゴム30Aはキャップ形状であっても良い。
【0045】
磁石40Aは、緩衝ゴム30Aの一側に設けられた直方体空間の凹部に密着状態に収容され、ボルト42aとナット42bにより可動フレーム20Aを構成する短柱体20aに締結された構成である。
【0046】
磁石40Aはネオジムが採用されかつドアDに当接する部分にシリコンコートが施されているのが好ましい。この実施の形態では磁石40Aにはヨークが付設されていないが、第1の実施の形態と同様に付設されていても良い。
【0047】
移動制限機構50Aは、図3(B)に示すように、ベースフレーム10Aを構成する短柱体10gの段軸部10iの下側に円周面の略四分の一を有する段軸部よりも浅い凹部20eが設けられ、短柱体20a’の下端より下方に棒状に延在する掛止部50cが設けられ、この掛止部50cが凹部20eに係合し相対的に90度の回動角の往復回動ができるよう構成されている。
【0048】
凹部20eは第1の実施の形態の円弧状スリット50aに対応し、掛止部50cは第1の実施の形態の突起50bに対応している。
【0049】
位相設定部材60Aは、第1の実施の形態の位相設定部材60と構成、作用が実質的に同一である。ベースフレーム10Aを立設する際、位相設定部材60Aの位相を合わせる。板状部60aを所要の位置に回動させてタッピンネジ60cで固定すると、凹部20eが固定され、掛止部50cの水平回動の範囲(=可動フレーム20の回動範囲)が決定する。
【0050】
この実施の形態のドアストッパ100Aによれば、第1の実施の形態と同様に、通常時の入退室においては可動フレーム20Aを一方向に回動することにより、ドアの全開時に緩衝ゴム30Aでドアを当接緩衝停止させることになり、また、部屋の掃除や空気の入れ替え、点検等の入退出を繰り返す非通常時の入退室においては可動フレーム20Aを他方向に回動することにより、ドアの全開時にドアを磁石40Aで磁気吸引して全開状態を継続する状態とすることができる。
【0051】
[第3の実施の形態:図4A図4C
図4A図4Cは本願発明の第3の実施の形態に係るドアストッパ100Bを示す。このドアストッパ100Bは、床Fに打ち込まれるアンカー10aに螺合連結され立ち上がる不動のベースフレーム10Bと、ベースフレーム10Bの上部を除いた外周面に分離不能、回動可能に配置された可動フレーム20Bと、不動のベースフレーム10Bの上部に設けられた緩衝ゴム30Bと、緩衝ゴム30Bと同じ高さ位置となるよう可動フレーム20Bに設けられた磁石40Bと、磁石40Bを全開状態となるドアDに緩衝しない位置と緩衝ゴム30Bと全開状態となるドアDとの間となる位置との間を往復回動できるよう可動フレーム20Bの例えば回動角度が90度の往復回動に制限する移動制限機構50Bと、可動フレーム20Bの下端に設けられ移動制限機構50Bの可動フレーム20Bの周方向の位置(位相)を設定する位相設定部材60Bとを有する。
【0052】
このドアストッパ100Bの特徴は、不動のベースフレーム10Bの外周に把持操作対象である可動フレーム20Bが配置され、緩衝ゴム30Bがベースフレーム10Bの上端に、また磁石40Bが可動フレーム20Bに設けられていて、位相設定部材60Bにより移動制限機構50Bの可動フレーム20Bの周方向の位置(位相)を設定されることを条件として、可動フレーム20Bの一方向へ回動しストップエンドで停止すると磁石40Bが緩衝ゴム30Bの前側に来て全開状態となるドアDに当接し、また可動フレーム20Bの他方向の回動により磁石40Bが他方向へ例えば90度回動しストップエンドで停止すると磁石40Bがドア当接位置から離れ、替わって緩衝ゴム30Bが全開状態となるドアDに当接する。以下、詳述する。
【0053】
ベースフレーム10Bは、第1の実施の形態と同様にアンカー10aのボルト部10a’に螺合連結され床Fより立ち上がる不動の柱体10jと、柱体10jの緩衝ゴム30Bより直ぐ下に高さ位置の一側より水平に小さく突設された舌片状の上側水平ブラケット部10kとを含む。
【0054】
可動フレーム20Bは、柱体10jの上側水平ブラケット部10kよりも下側範囲の外周面に回転可能に被嵌された筒体20hと、筒体20hの上端一側より水平に張り出しさらに張出端より上方に延在するL形ブラケット20iとを含み、L形ブラケット20iの水平部20i1が上側水平ブラケット部10kの下面に重なる構成である。図4B図4Cに示すように、L形ブラケット20iは平面視において円形でなく略扇状に広がる。
【0055】
移動制限機構50Bは、上側水平ブラケット部10kとブラケット20iの水平部20i1との重なり部に設けられ、第1の実施の形態と同様に、L形ブラケット20iの水平部20i1に設けられた円弧状スリット50aと上側水平ブラケット部10kに設けられ円弧状スリット50aに係合し相対的に案内される突起50bとからなる。
【0056】
移動制限機構50Bは、突起50bが円弧状スリット50aの一方の端位置では緩衝ゴム30BがドアDに当接し、また突起50bが円弧状スリット50aの他方の端位置では磁石40Bの磁気吸着方向を全開位置に来るドアDの平面に対し平面視直角になるよう、可動フレーム20Bの回動範囲を90度に制限する。なお、回動範囲を180度に制限しても良い。
【0057】
緩衝ゴム30は、緩衝ゴム30Bは、リング形状であり柱体10jの上部に被嵌されており回動することがなく、全開状態となるドアDに当接し緩衝停止しドアDが壁Wに当接して傷がつくのを回避できる。
【0058】
なお、緩衝ゴム30Bはキャップ形状であっても良い。また、緩衝ゴム30Bは、リング形状ではなく、円弧状のブロック体であり、図4Bに示すドアDに当接するよう柱体10bに取り付けられる形態であっても良い。
【0059】
磁石40Bは、L形ブラケット20iの垂直部20i2に設けられている。磁石40Bは、ヨーク41に囲まれた状態に接着されさらにヨーク41と共にボルト42aとナット42bにより垂直部20i2に締結されている。
【0060】
位相設定部材60Bは、可動フレーム20Bの下端に設けられ、第1の実施の形態の位相設定部材60と同一の構成、機能を有する。位相設定部材60Bにおける位相設定の仕方も第1の実施の形態と同一である。すなわち、板状部60aを適切な位置に回動することにより、図4Cに示すように、磁石40Bの磁気吸引方向が全開時のドアDの平面に対して平面視直角になるように移動制限機構50Bの可動フレーム20Bの周方向の位置(位相)を設定してから板状部60aが床Fにタッピンネジ60cで固定される。
【0061】
この実施の形態のドアストッパ100Bによれば、ベースフレーム10Bを立設する際、位相設定部材60Bにおいて位相を設定することにより可動フレーム20Bの回動範囲が図4B図4Cに示すように決定する。これにより、通常時の入退室においては可動フレーム20Bを一方向に回動して図4Bに示すように設定することにより、ドアDの全開時に緩衝ゴム30BでドアDを当接緩衝停止させその後のドアクローザによる自動閉扉することになり、また、部屋の掃除や空気の入れ替え、点検等の入退出を繰り返す非通常時の入退室においては可動フレーム20Bを他方向に回動して図4Cに示すように設定することにより、ドアDの全開時にドアDを磁石40Bで磁気吸引して全開状態を継続する状態とすることができる。
[第4の実施の形態:図5A図5C
図5A図5Cは本願発明の第4の実施の形態に係るドアストッパ100Cを示す。このドアストッパ100Cは、床Fに打ち込まれるアンカー10aに螺合連結され立ち上がるベースフレーム10Cと、ベースフレーム10Cの上部を除いた外周面に分離不能、回動可能に配置された可動フレーム20Cと、ベースフレーム10Cの上部に設けられた緩衝ゴム30Cと、可動フレーム20Cに設けられた磁石40Cと、可動フレーム20Cの例えば回動角度が90度の往復回動に制限する移動制限機構50Cと、可動フレーム20Cの下端に設けられ移動制限機構50Cの可動フレーム20Cの周方向の位置(位相)を設定する位相設定部材60Cとを有する。以下、詳述する。
【0062】
ベースフレーム10Cは、第1の実施の形態と同様の床Fより立ち上がるボルト部10a’を有するアンカー10aと、ボルト部10a’に柱体10bが螺合連結され下側水平ブラケット部11を押え付けて立ち上がる柱体10bと、柱体10bの下端周縁部より周囲に水平に突設された舌片状の上側水平ブラケット部10gとを含む。この実施の形態の柱体10bは第1の実施の形態の可動フレーム20の上面と略等しくなるよう長尺に設けられている。
【0063】
可動フレーム20Cは、柱体10bの緩衝ゴム30Cよりも下側範囲の外周面に回転可能に被嵌された筒体20aと、筒体20aの上端一側より水平に張り出しさらに張出端より上方に延在するL形ブラケット20jとを含む構成である。
【0064】
緩衝ゴム30Cは、キャップ形状であり柱体10mの上部に被嵌されており回動することがなく、全開状態となるドアDに当接し緩衝停止しドアDが壁Wに当接して傷がつくのを回避できる。なお、緩衝ゴム30Cはリング形状であっても良い。また、緩衝ゴム30Cは、ドアDの全開時にドアDに当接するようベースフレーム10Cの柱体10mの上部の所要一側に取り付けられた形態であっても良い。
【0065】
磁石40Cは、可動フレーム20CのL形ブラケット20jの垂直部に取り付けられドアDの全開時にドアDを磁気吸引しうる。磁石40には、ネオジムが採用され、ヨーク41が付設されている。
【0066】
移動制限機構50Cは、ベースフレーム10Cの柱体10mの下端一側より外方に突出し平面視において略扇状に広がる下側水平ブラケット部10nと、可動フレーム20Cの筒体20aの下端一側より外方に突出する舌片状の上側水平ブラケット部20kとの重なり部に設けられ、下側水平張り出し部10nに設けられた円弧状スリット50aと、上側水平ブラケット部20kに設けられ円弧状スリット50aに係合し相対的に案内される突起50bとからなる。不動である円弧状スリット50aをガイドとして突起50bが回動範囲を限定される。
【0067】
したがって、移動制限機構50Cは、可動フレーム20の往復回動操作により、図5Bに示すように緩衝ゴム30CをドアDを緩衝停止する位置と、図5Cに示すように磁石40でドアDに磁気吸引する位置とを交番するよう可動フレーム20の回動を制限する。
【0068】
位相設定部材60Cは、第3の実施の形態の位相設定部材60Bと同様に構成されている。
【0069】
この実施の形態のドアストッパ100Cによれば、ベースフレーム10Cを立設する際、位相設定部材60Cにおいて位相を設定することにより可動フレーム20Cの回動範囲が図5B図5Cに示すように決定する。これにより、通常時の入退室においては可動フレーム20Cを一方向に回動して図5Bに示すように設定することにより、ドアDの全開時に緩衝ゴム30CでドアDを当接緩衝停止させその後のドアクローザによる自動閉扉することになり、また、部屋の掃除や空気の入れ替え、点検等の入退出を繰り返す非通常時の入退室においては可動フレーム20Cを他方向に回動して図5Cに示すように設定することにより、ドアDの全開時にドアDを磁石40Cで磁気吸引して全開状態を継続する状態とすることができる。
【0070】
[第5の実施の形態:図6A図6D
図6A図6Dは本願発明の第5の実施の形態に係るドアストッパ100Dを示す。図6A図6Bは平常利用時の入退室のためのドア全開時の正面図と平面図を示し、図6C図6Dは部屋の掃除や空気の入れ替え、点検等の入退出のためのドア全開時の正面図と平面図を示す。
【0071】
ドアストッパ100Dは、床Fに打ち込まれるアンカー10aに螺合連結され立ち上がる円筒形のベースフレーム10Dと、ベースフレーム10Dの外周面に被さり、かつコイルバネ21が持ち上がる方向に付勢する可動フレーム20Dと、可動フレーム20Dに設けられた緩衝ゴム30Dおよび磁石40Dと、可動フレーム20Dの回動角度が180度の往復回動に制限する移動制限機構50Dと、可動フレーム20Dの下端に設けられ移動制限機構50Dの可動フレーム20Dの周方向の位置(位相)を設定する位相設定部材60Dとを有する。位相設定部材60Dによる位相設定により、通常のドア開閉時には、磁石40Dは、ベースフレーム10Dに関し全開状態のドアDと反対側に位置する。以下、詳述する。
【0072】
ベースフレーム10Dは、アンカー10aと、アンカー10aのボルト部に柱体10bが螺合連結され立ち上がる柱体10bとを含む。柱体10bは、上面より中程まで凹設された凹部にコイルバネ21の半部を収容している。
【0073】
可動フレーム20Dは、円筒部と上面部とを有するキャップ形状でありベースフレーム10Dの外周面に被さり上下動可能・回動可能であり、かつコイルバネ21の残りの半部を内蔵しており、コイルバネ21により持ち上がる方向に付勢されている。
【0074】
緩衝ゴム30Dは、リング形状であり可動フレーム20Dの上下方向の中程の若干の小径部に被嵌されている。磁石40Dは、直方体形状であり可動フレーム20Dの上部一側に凹設された角穴に嵌入されかつ緩衝ゴム30Dよりも外方に突出した状態にネジ固定されている。
【0075】
移動制限機構50Dは、不動のベースフレーム10Dの外周面に刻設されたエンドレスなガイド溝50dと、可動フレーム20Dの内面より突設されガイド溝50dに係合案内される突起50eとを含み、ガイド溝50dに突起50eが係合案内されることにより、可動フレーム20Dの上下動可能・回動可能である可動性に対し制限する。ガイド溝50dは可動フレーム20Dの外方から内方へ貫通する小孔を設けてこの小孔に短いネジ部を有するピン軸を螺入しても良い。
【0076】
ここで、移動制限機構50Dを構成するガイド溝50dと突起50eの構成、作用について詳述する。ガイド溝50dは、ベースフレーム10Dの外周面を逆さハート形に一回りするようエンドレスに刻設されており、突起50eを係合案内する固定溝である。図6Aにおいて、ガイド溝50dの上半分はベースフレーム10Dの外周面の手前側(磁石40Dと反対側)に刻設され、ガイド溝50dの下半分はベースフレーム10Dの外周面の向こう側(磁石40Dと同じ側)に刻設されているものとする。ガイド溝50dは第1の実施の形態の円弧状スリット50aに対応し、突起50eは第1の実施の形態の突起50bに対応する。
【0077】
図6Aに示すように、可動フレーム20Dがコイルバネ21により持ち上がった状態では、可動フレーム20Dに設けられた突起50eがガイド溝50dの逆さハート形の上端に係合停止した状態にあって、これにより、可動フレーム20Dがベースフレーム10Dに対し上方への脱出が不能である。またこのとき、通常のドア開閉時の状態であって、図6Bに示すように、磁石40Dが可動フレーム20Dに関し全開状態のドアDと反対側に来るので、緩衝ゴム30Dが全開状態のドアDを当接緩衝停止することができる。
【0078】
図6Aに示す状態から、可動フレーム20Dがコイルバネ21の付勢に抗して押下されとき、突起50eがガイド溝50dに案内され回動と下降をすることに伴い可動フレーム20Dが180度回動しつつ押し下げられていき、下限まで押し下げられた後に押下力を解除されると、可動フレーム20Dがコイルバネ21により若干寸法持ち上がり、突起50eがガイド溝50dの逆さハート形の上端と180度異なる上向きに凸の屈曲部に係合停止した図6Cに示す状態になる。このとき、図6Dに示すように、磁石40Dが全開状態のドアDに対し磁気吸引保持状態になる。
【0079】
位相設定部材60Dは、図2A図2Cに示す第1の実施の形態の位相設定部材60の構成、作用と同一である。位相設定部材60Dは、図6B図6Dに示す状態に位相設定する。
【0080】
この実施の形態によれば、図6Aに示す通常のドア開閉時の状態において緩衝ゴム30Dが全開状態のドアDを当接緩衝停止することができる。部屋の掃除や空気の入れ替え、点検等の入退出のときには、図6Aに示す状態から可動フレーム20Dの上面を押下する。すると、可動フレーム20Dが180度回動しかつ押し下げられた後若干押し上げられて図6Cに示す状態になり、このとき、図6Dに示すように、磁石40Dが全開状態のドアDに対し磁気吸引保持状態になり、続いて、図6Cに示す状態から可動フレーム20Dの上面を押下され押し下げ力が解除されると、可動フレーム20Dが若干押し下げられた後コイルバネ21により持ち上げられかつ180度回動し図6Aに示す状態に戻る。
【0081】
なお、この実施の形態の変形例として、ガイド溝50dを可動フレーム20Dに設け、突起50eをベースフレーム10Dに設けても良い。
【0082】
[第6の実施の形態:図7A図7B
図7A図7Bは本願発明の第6の実施の形態に係るドアストッパ100Eを示す。図7Aは平常利用時の入退室のためのドア全開時の正面図を示し、図7Bは部屋の掃除や空気の入れ替え、点検等の入退出のためのドア全開時の正面図を示す。
【0083】
ドアストッパ100Eは、床Fに打ち込まれるアンカー10aに螺合連結され立ち上がる円筒形のベースフレーム10Eと、ベースフレーム10Eの外周面に被さり、かつコイルバネ21が持ち上がる方向に付勢する可動フレーム20Eと、可動フレーム20Eに設けられたリング形状の緩衝ゴム30Eおよび直方体形状の磁石40Eと、可動フレーム20Eの上下動を制限する移動制限機構50Eと、可動フレーム20Eの下端に設けられ移動制限機構50Eの可動フレーム20Eの周方向の位置(位相)を設定する位相設定部材60Eとを有する。
【0084】
位相設定部材60Eによる位相設定により、通常のドア開閉時には、図7Aに示すように緩衝ゴム30EがドアDに設けられた磁性体(金属製)の凸部D1と同じ高さに位置しドア全開時に凸部D1に当接し、また部屋の掃除や空気の入れ替え、点検等の入退出時には、可動フレーム20Eが押し下げられることにより図7Bに示すように磁石40Eが凸部D1と同じ高さに位置し全開時のドアDを磁気吸引保持することができる。以下、詳述する。
【0085】
ベースフレーム10Eと可動フレーム20Eと緩衝ゴム30Eと磁石40Eは、第5の実施の形態と略同一の構成である。
【0086】
移動制限機構50Eは、不動のベースフレーム10Eの外周面に刻設されたエンドレスなガイド溝50fと、可動フレーム20Eの内面より突設されガイド溝50cに係合案内される突起50gとを含み、ガイド溝50fに突起50gが係合案内されることにより、可動フレーム20Eの上下動可能・回動可能である可動性に対し制限する。
【0087】
ここで、移動制限機構50Eを構成するガイド溝50fと突起50gの構成、作用について詳述する。ガイド溝50fは、ベースフレーム10Eの外周半面に逆さハート形にエンドレスに刻設されており、突起50dを係合案内する固定溝である。ガイド溝50fの上端屈曲部と下部の上向きの凸の屈曲部とは上下配置にあり、図7Aは突起50dが上端屈曲部に位置するときを示し、図7Bは突起50dが下部の上向きの凸の屈曲部に位置するときを示す。
【0088】
図7Aに示すように、可動フレーム20Eがコイルバネ21により持ち上がった状態では、可動フレーム20Eに設けられた突起50gがガイド溝50fの逆さハート形の上端に係合停止した状態にあって、これにより、可動フレーム20Eがベースフレーム10Eに対し上方への脱出が不能である。またこのとき、通常のドア開閉時の状態であって、緩衝ゴム30Eが全開状態のドアDを当接緩衝停止することができる。
【0089】
図7Aに示す状態から、可動フレーム20Eがコイルバネ21の付勢に抗して押下されとき、突起50gがガイド溝50fに案内され僅かな往復回動を伴いながら下降することに伴い可動フレーム20Eが下限まで押し下げられた後に押下力を解除されると、可動フレーム20Eがコイルバネ21により若干寸法持ち上がり、突起50gがガイド溝50fの逆さハート形の下部の上向きに凸の屈曲部に係合停止した状態になる。このとき、磁石40Eが全開状態のドアDに対し磁気吸引保持状態になる。
【0090】
位相設定部材60Eは、図2A図2Cに示す第1の実施の形態の位相設定部材60の構成、作用と同一である。位相設定部材60Eは、磁石40Eの位置がドア側に来るように設定する。
【0091】
この実施の形態によれば、図7Aに示す通常のドア開閉時の状態において緩衝ゴム30Eが全開状態のドアDを当接緩衝停止することができる。部屋の掃除や空気の入れ替え、点検等の入退出のときには、図7Aに示す状態から可動フレーム20Eの上面を押下する。すると、可動フレーム20Eが押し下げられた後若干押し上げられて図7Bに示す状態になり、磁石40Eが全開状態のドアDに対し磁気吸引保持状態になり、続いて、図7Bに示す状態から可動フレーム20Eの上面を押下され押し下げ力が解除されると、可動フレーム20Eが若干押し下げられた後コイルバネ21により持ち上げられ図7Aに示す状態に戻る。
【0092】
[第7の実施の形態:図8A図8B
図8A図8Bは本願発明の第7の実施の形態に係るドアストッパ100Fを示す。図8Aは平常利用時の入退室のためのドア全開時の正面図を示し、図8Bは部屋の掃除や空気の入れ替え、点検等の入退出のためのドア全開時の正面図を示す。
【0093】
ドアストッパ100Fは、タッピンネジ10pを壁Wに穿設した穴にねじ込むことにより壁Wより水平に張り出すベースフレーム10Fと、ベースフレーム10Fの二股ブラケット部10rに上下の軸部を両端支持され回動可能な可動フレーム20Fと、可動フレーム20Fに設けられたリング形状の緩衝ゴム30Fおよび直方体形状の磁石40Fと、可動フレーム20Fの回動を90度の範囲に制限する移動制限機構50Fと、可動フレーム20Fの軸部10qより壁Wに沿って張り出すように設けられ移動制限機構50Fの可動フレーム20Fの周方向の位置(位相)を設定する位相設定部材60Fとを有する。以下、詳述する。
【0094】
ベースフレーム10Fは、タッピンネジ10pと、軸部10qと、軸部10qに支持され上下に分かれる二股ブラケット部10rとを含む。
【0095】
可動フレーム20Fは、円筒体20mと、円筒体20mと一体であって円筒体20mの中心を貫通し両端を二股ブラケット部10rに両端支持される軸部20nとを含む。
【0096】
緩衝ゴム30Fは、可動フレーム20Fの円筒体20mに被嵌固定され、磁石40Fは、直方体であり、緩衝ゴム30Fに設けられた凹部に収容され円筒体20mにネジ固定されている。
【0097】
移動制限機構50Fは、二股ブラケット部10rの上側に突出する軸部20nの上端に被嵌固定された回動つまみ50hと、回動つまみ50hの一側より張り出した指示針部50iと、指示針部50iの回動を90度の範囲に制限する二股ブラケット部10rより突出する2つの係止突起50j、50kとを含む。
【0098】
位相設定部材60Fは、軸部10qより壁Wに沿って張り出す板状部60aが壁Wにタッピンネジ60cで固定される。この実施の形態では、位相設定部材60Fは、板状部60aを軸部10qより垂下する状態にして固定することにより、可動フレーム20Fの二股ブラケット部10rが上下に分かれ、移動制限機構50Fの可動フレーム20Fの周方向の位置(位相)を設定することができる。回動つまみ50hを回すことで、図8Aに示す平常利用時の状態と、図8Bは部屋の掃除や空気の入れ替え、点検等の入退出時の状態とに切り替えることができる。
【0099】
なお、この実施の形態では、ベースフレーム10Fの二股ブラケット部10rに両端支持される軸部20nが二股ブラケット部10rにより水平に両端支持されるよう板状部60aを壁Wに固定する位相設定としても良い。また、ベースフレーム10Fを床Fより立ち上げても適用できる。
【0100】
[上記実施の形態に共通する構成]
上記のいずれに実施の形態でも、ヨークを首振り可能に付設すること、磁石またはヨークにシリコンコートを施すこと、磁石にネオジム磁石を用いることができる。
【0101】
本発明のドアストッパによれば、ドアクローザにより自動閉扉する片開き式のドアを全開するときに壁に衝突するのを防いで緩衝停止させる状態と、ドア全開状態に保持する状態とに切り替えることができて、特に、戸当たりを弛めたり締めたりする回転操作を行う必要が無く、磁石が全開状態の片開き式のドアの磁性面に吸着可能な向きとなるよう磁石の回転方向の位置決め可能である複合機能付きのドアストッパを提供することができる。
【0102】
本発明の複合機能付きのドアストッパによれば、ホテル客室のドアのように、室内清掃中に開け放たれたままにされるドアクローザにより自動閉扉する片開き式のドアのドアストッパとして特に好適に採用することができ、その際に、既設の戸当たりが設置されている箇所では、その戸当たりを利用することによって、新たに取付けボルトなどを設置することなく据え付けることができ、ホテルの部屋を清掃する高齢者の清掃員による操作の容易化に寄与することができる。
【符号の説明】
【0103】
10、10A-10F…ベースフレーム、
10a…アンカー、
10a’…ボルト部、
10b、10b’…柱体、
10c…下側水平ブラケット部、
10d…外周壁部、
10e…ビスネジ、
10f…リングプレート、
10g…雄ネジ、
10h…段軸部、
10j…柱体、
10k…上側水平ブラケット部、
10m…柱体、
10n…下側水平ブラケット部、
10p…タッピンネジ、
10q…軸部、
10r…二股ブラケット部、
11…下側水平ブラケット部、
20、20A-20F…可動フレーム、
20a、20a’…短柱体、
20b…上側水平ブラケット部、
20c…凹部、
20a…筒体、
20d…小ねじ、
20e…凹部、
20h…筒体、
20i…L形ブラケット、
20i1…水平部、
20i2…垂直部、
20j…L形ブラケット、
20j1…水平部、
20j2…垂直部、
20k…上側水平ブラケット部、
20m…円筒体、
20n…軸部、
21…コイルバネ、
30、30A-30F…緩衝ゴム、
…凹部30a、
40、40A-40F…磁石、
41a…チャンネル部、
41c…ピン軸、
41b…目付きブラケット部、
42a…ボルト、
42b…ナット、
50、50A-50F…移動制限機構、
50a…円弧状スリット、
50b…突起、
50c…掛止部、
50d…ガイド溝、
50e…突起、
50f…ガイド溝、
50g…突起、
50h…回動つまみ、
50i…指示針部、
50j、50k…係止突起
60、60A-60F…位相設定部材、
…板状部60a、
…小孔60b、
…タッピンネジ60c、
100、100A-100F…ドアストッパ、
D…ドア、
D1…凸部、
F…床、
S…ドアストッパ、
W…壁。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B