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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150978
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】炊飯システム
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
A47J27/00 109Z
A47J27/00 109P
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064060
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊池 理人
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 紀子
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA03
4B055BA40
4B055BA43
4B055CD73
4B055GB43
4B055GC36
4B055GC38
4B055GC40
4B055GD06
(57)【要約】
【課題】より簡単に過去の炊飯設定の履歴や登録された炊飯設定を選択可能な炊飯システムを提供する。
【解決手段】本発明の炊飯システムは、炊飯器1と、サーバ5を介して炊飯器1と通信可能なスマートフォン6-1と、を備え、スマートフォン6-1は、炊飯器1の過去の炊飯で使用した炊飯の設定である炊飯設定選択用表示体B35-1,B35-2・・・を選択可能に表示する炊飯履歴画面G2と、個別に登録された炊飯設定選択用表示体B35-11,B35-12・・・を選択可能に表示するお気に入り画面G3と、を有し、炊飯履歴画面G2またはお気に入り画面G3により、選択された当該炊飯設定選択用表示体の炊飯コース情報を受信した炊飯器1の炊飯設定が可能であり、スマートフォン6-1は、炊飯履歴画面G2とお気に入り画面G3とを一回の操作で変更可能である構成としている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯器と、当該炊飯器と通信可能な情報端末と、を備え、
前記情報端末は、
過去の炊飯で使用した前記炊飯の設定である炊飯設定の履歴を選択可能に表示する炊飯履歴表示手段と、
個別に登録された前記炊飯設定を選択可能に表示するお気に入り表示手段と、を有し、
前記炊飯履歴表示手段または前記お気に入り表示手段により、前記炊飯器の炊飯設定が可能であり、
前記情報端末は、前記炊飯履歴表示手段と前記お気に入り表示手段とを一回の操作で変更可能であることを特徴とする炊飯システム。
【請求項2】
前記お気に入り表示手段に表示される前記履歴は、前記炊飯設定と共に当該炊飯設定の名称が登録され、
当該登録後も前記名称を変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の炊飯システム。
【請求項3】
前記炊飯器は、炊飯完了時に前記履歴を残すことを特徴とする請求項1または2に記載の炊飯システム。
【請求項4】
前記個別に登録された炊飯設定は、前記炊飯履歴表示手段の前記履歴を登録可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の炊飯システム。
【請求項5】
前記炊飯器は、複数の前記情報端末と通信可能であり、
前記複数の情報端末において、前記炊飯履歴表示手段には、すべての前記情報端末で同一の前記履歴が表示され、前記お気に入り表示手段には、それぞれの前記情報端末で前記個別に登録された炊飯設定が表示されることを特徴とする請求項1または2に記載の炊飯システム。
【請求項6】
前記炊飯器は、前記個別に登録された炊飯設定を選択可能に表示するお気に入り設定選択画面を有し、
前記お気に入り設定選択画面は、前記炊飯器のそれぞれの炊飯の設定画面から移行可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の炊飯システム。
【請求項7】
炊飯器と通信可能な情報端末のコンピュータを、
過去の炊飯で使用した前記炊飯の設定である炊飯設定の履歴を選択可能に表示する炊飯履歴表示手段、
個別に登録された前記炊飯設定を選択可能に表示するお気に入り表示手段、
前記炊飯履歴表示手段又は前記お気に入り表示手段により前記炊飯設定が選択されることにより、前記炊飯器に前記炊飯設定を指示する炊飯指示手段、
一回の操作を受け付けることにより、前記炊飯履歴表示手段と前記お気に入り表示手段とを変更する表示変更手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末と、当該情報端末との間で通信が可能な炊飯器とを備えた炊飯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報端末と調理器とが通信可能な調理システムにおいて、調理器の調理の設定情報を情報端末で選択操作して調理器に送信するものが知られている。例えば特許文献1には、通信端末において過去の調理履歴や過去に検索、閲覧された調理履歴などの一覧が表示されたマイメニュー画面からある調理履歴を選択すると、当該選択された調理履歴の詳細画面になり、その画面で操作することにより当該選択された調理履歴の設定情報が調理器に送信されるものが開示されている。この調理システムでは、通信端末によりマイメニュー画面に表示された調理履歴の一覧から所望の調理履歴をサーバに登録可能であり、通信端末において、登録された調理履歴の一覧画面であるマイレシピ画面からある調理履歴を選択すると、当該選択された調理履歴の詳細画面になり、その画面で操作することにより当該選択された調理履歴の設定情報が調理器に送信される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-4139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、マイメニュー画面とマイレシピ画面とを変更する場合、タッチパネルを操作してホーム画面やメニュー画面に一旦移行してから、改めてマイメニュー画面やマイレシピ画面を選択する操作を行なう必要があり、手間が煩わしかった。
【0005】
そこで本発明は上記事情に鑑み、より簡単に過去の炊飯設定の履歴や登録された炊飯設定を選択可能な炊飯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の炊飯システムは、炊飯器と、当該炊飯器と通信可能な情報端末と、を備え、前記情報端末は、過去の炊飯で使用した前記炊飯の設定である炊飯設定の履歴を選択可能に表示する炊飯履歴画面と、個別に登録された前記炊飯設定を選択可能に表示するお気に入り画面と、を有し、前記炊飯器は、前記炊飯履歴画面で選択された前記履歴の情報、または前記お気に入り画面で選択された、前記個別に登録された前記炊飯設定の情報を受信して、当該受信した前記情報を今回の炊飯の設定とすることができ、前記情報端末は、前記炊飯履歴画面と前記お気に入り画面とを一回の操作で変更可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡単に炊飯履歴表画面とお気に入り画面とを変更して切替えることができるため、炊飯履歴画面およびお気に入り画面の両画面を使用して、炊飯器に送信する炊飯設定の情報をより簡単に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態における炊飯システムの概要を示す説明図である。
図2】同上、炊飯器の斜視図である。
図3】同上、炊飯器の縦断面図である。
図4】同上、炊飯器の電気的構成を示すブロック図である。
図5】同上、トップ画面を表示しているLCDの上面図である。
図6】同上、情報端末の外観上面図である。
図7】同上、情報端末の電気的構成を示すブロック図である。
図8】同上、サーバの電気的構成を示すブロック図である。
図9】同上、(A)炊飯履歴画面を表示している表示手段の上面図、(B)お気に入り画面を表示している表示手段の上面図である。
図10】同上、お気に入り登録画面を表示している表示手段の上面図である。
図11】同上、(A)お気に入り画面を表示している表示手段の上面図、(B)お気に入り削除画面を表示している表示手段の上面図である。
図12】同上、炊飯設定送信画面を表示している表示手段の上面図である。
図13】同上、(A)炊飯情報受信画面を表示しているLCDの上面図、(B)トップ画面を表示しているLCDの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明における炊飯システムの好ましい実施形態について、添付図面を参照しながら詳しく説明する。なお、これらの全図面にわたり、共通する部分には共通する符号を付すものとする。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態における炊飯システム100の全体構成を概略的に示したものである。同図において、1は被炊飯物Sの炊飯調理が可能な炊飯器、2は無線端末となるアクセスポイントとしての無線LANルータであり、炊飯器1が無線LANルータ2に無線で接続される。無線LANルータ2は、ネットワーク3へのアクセス手段としての機能を有し、無線LANルータ2を経由して、炊飯器1との間で、相互に各種情報やデータのやり取りを行なう構成となっている。
【0011】
6は表示及び通信の機能を有する情報端末、7は無線端末となるアクセスポイントであり、ここでの情報端末6は、炊飯器1を使用する各ユーザが個別に保有しているスマートフォン6-1,6-2や、タブレット端末6-3により構成され、それぞれがアクセスポイント7に無線で接続される。アクセスポイント7は、ネットワーク3へのアクセス手段としての機能を有し、アクセスポイント7を経由して、情報端末6を構成するスマートフォン6-1,6-2やタブレット端末6-3と、ネットワーク3に接続するクラウド4上のサーバ5との間で、相互に各種情報やデータのやり取りを行なう構成となっている。なお、無線LANルータ2とアクセスポイント7が同一のものであってもよい。
【0012】
本実施形態の炊飯システム100は、炊飯器1とn台の情報端末6とを、ネットワーク3を介して管理用のサーバ5に接続したシステムと言える(nは自然数)。サーバ5には、炊飯器1について、その炊飯器1で炊飯調理が可能な全ての炊飯コースの情報が記憶保持される。サーバ5に記憶する炊飯コースの情報は、ユーザが炊飯器1を利用してその炊飯コースのご飯を炊き上げるのに必要なあらゆる情報を含む。サーバ5については、後程詳しく説明する。
【0013】
図1では、炊飯器1に接続するサーバ5には、ネットワーク3を介して3台の情報端末、すなわちスマートフォン6-1,6-2やタブレット端末6-3が接続される。炊飯器1を利用する家庭のユーザは、1人が1台ずつ情報端末6を保有するのが現状であるため、炊飯器1に対して、n人のユーザにそれぞれ割り当てられたn台の情報端末6が接続する関係(つまり、1対多の関係)となる。これによりそれぞれの情報端末6は、炊飯器1で調理が可能なメニューのレシピ情報を、ネットワーク3を介して受け取れる構成となっている。
【0014】
次に図2および図3を参照して炊飯器1の構成を説明すると、11は本体であり、上方から見て前面と後面、左側面と右側面が対向する略矩形状をなし、上面が開口されている。12は本体11の上面開口部を開閉自在に覆う蓋体であり、本体11と同様に、上方から見て前面と後面、左側面と右側面が対向する略矩形状をなし、上面が略平坦に構成されている。本体11は上面を開口した鍋収容部13を有し、蓋体12を開けたときに、被炊飯物Sである水や米を収容する容器としての有底状の鍋14が、その鍋収容部13に着脱自在に収容される構成となっている。鍋収容部13は、椀状で樹脂製の内枠15などを組み合わせて構成され、全体が有底筒状に形成される。
【0015】
鍋14は、熱伝導性の良いアルミニウムを主材17とし、フェライト系ステンレスなどの磁性金属板からなる発熱体18が、主材17の外面の側部下部から底部にかけて接合してある。また、鍋14の側面下部から底面に対向する内枠15の外面には、鍋14の発熱体18を電磁誘導加熱する加熱手段として、加熱コイル21を備えている。そして加熱コイル21に高周波電流を供給すると、加熱コイル21から発生する交番磁界によって鍋14の発熱体18が発熱し、炊飯時と保温時に鍋14内の被炊飯物を加熱する構成となっている。また内枠15の底部中央部には、鍋温度検出手段としての鍋センサ22が、鍋14の外面底部と弾発的に接触するように配設される。
【0016】
蓋体12の後部には本体11との連結部となるヒンジ23が設けられる。また蓋体12の前方上面には、蓋体操作体24が露出状態で配設されており、この蓋体操作体24を押すと、本体11と蓋体12との係合が解除され、本体11の上部後方に設けたヒンジバネ(図示せず)により、ヒンジ23のヒンジ軸23-1を回転中心として蓋体12が開く構成となっている。
【0017】
蓋体12の後方上面には、鍋14内の被炊飯物Sから発生する蒸気を炊飯器1の外部に排出する蒸気口25が配設される。また蓋体12の上面には、この蒸気口25や蓋体操作体24の他に、炊飯に関わる様々な情報を表示するための、画面表示部としてのLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)26や状態表示部としてのLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)表示部27などで構成される表示手段28と、タッチセンサで構成されてLCD26の上方に配設され、炊飯を開始させたり、時間や炊飯コ-スなどを選択させたりするための操作手段29と、がそれぞれ配設される。また、表示手段28や操作手段29の下面には、操作や表示に関わる制御を行なうための表示・操作制御手段56(図3参照)を備えた制御PC(Printed Circuit:印刷回路)板31が配置される。
【0018】
LED表示部27は、実際の炊飯器1の状態を表示するもので、本実施形態では、予約設定がされていているときに「予約」のLED表示部が点灯し、保温状態になると「保温」の工程LED表示部が点灯し、炊飯中に鍋14の内部に圧力がかかり始めてから、被炊飯物Sが炊き上がるまでの鍋14の内部が加圧されているときに、「圧力」の工程LED表示部が点灯し、後述する送受信手段59により情報の送受信可能であるときに扇状のWi-Fiマークの工程LED表示部が点灯するように構成される。そのため、LCD26のバックライトを減光させた減光状態のときでも、ユーザがLED表示部27を確認することで炊飯器の現在の状態を一目で理解することができる。LCD26については、後程詳しく説明する。
【0019】
タッチセンサで構成された操作手段29は、例えば、導電性ポリマーによる透明電極部と制御PC板31に接続する接点部との間をパターン配線で繋いだ構成要素が、タッチキーとして複数配設されるものであり、LCD26に表示される複数のボタン表示部の何れかにタッチ操作を行なうことで、そのボタン表示部の上に配設され、当該ボタン表示部に対応したタッチキーがタッチ操作されて、このボタン表示部が選択される構成となっている。
【0020】
蓋体12の下側には、蓋体12の下部部材としての内蓋組立体33が配設される。内蓋組立体33は、鍋14の上方開口部と略同径の円盤状を有する金属材料からなり、鍋14の上方開口部を覆う内蓋34と、この内蓋34と鍋14との間をシールするために、内蓋34の外側全周に設けられる弾性部材としての蓋パッキン35と、鍋14の内圧力を調整する調圧部36とを備えている。環状に形成された蓋パッキン35は、図3に示されるように蓋体12を閉じた蓋閉時に、鍋14の開口部である上面に当接して、この鍋14と内蓋34との間の隙間を塞ぎ、鍋14から発生する蒸気を密閉するものである。
【0021】
蓋体12の内部には、蓋体12の開閉を検知するために、ヒンジ23近傍に蓋開閉検知手段37が設けられる。ここで蓋開閉検知手段37は、光学式、機械式、磁石式など、どのような検知方式のものでもよく、蓋体12の開閉に応じた検知信号を出力できればよい。また蓋体12の内部には、内蓋34を加熱する蓋加熱手段としての蓋ヒータ41と、この蓋ヒータ41による内蓋34の温度管理を行なうためのサーミスタ式の蓋温度センサ42がそれぞれ設けられる。そして蓋体12の内部には、鍋14内で発生した蒸気を外部へ放出する通路として、蒸気口25と調圧部36とを連通する蒸気排出経路43が形成される。
【0022】
調圧部36には、鍋14の内部と蒸気口25との間の蒸気排出経路43を開閉する調圧弁44が設けられる。調圧弁44はボール状で、蓋体12の内部に設けたソレノイド45と連動し、鍋14内の蒸気を外部へ放出する場合には蒸気排出経路43を開放し、鍋14内を加圧または減圧状態にする場合には蒸気排出経路43を閉塞するように、ソレノイド45が調圧弁44を転動させる。そして加圧時には、加熱コイル21への高周波通電により鍋14内の被炊飯物Sが加熱され、被炊飯物Sが沸騰して蒸気が発生し、この蒸気が鍋14内に充満することにより鍋14の内圧が所定値に達すると、調圧弁44の自重に抗して蒸気排出経路43を開放することで、鍋14内の圧力を大気圧以上に維持する構成となっている。
【0023】
48は、蓋体12を本体11に閉じた状態で、鍋14の内部を通常の大気圧よりも低くするための減圧手段である。減圧手段48は、鍋14を鍋収容体3に収容し、蓋体12を閉じた後にソレノイド45を通電させて調圧弁44が蒸気排出経路43を塞いだ状態で、減圧手段48の動作源となる減圧ポンプ49を動作させることで、密閉した鍋14の内部圧力を低下させる。また鍋14内部の圧力が大気圧よりも一定値下がった場合には、減圧ポンプ49の動作を停止し、鍋14内部を減圧状態に保っている。さらに鍋14内部を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す場合には、減圧ポンプ49の動作を停止し、減圧ポンプ49と鍋14の内部との間を連通する図示しない経路を開放する。つまり減圧手段48は、鍋14内部を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す圧力戻し手段としての構成を兼用している。なお、ソレノイド45により調圧弁44を転動させて蒸気排出経路43を開放することで、鍋14内部を減圧状態から外気と同じ圧力に戻すように構成してもよく、この場合は調圧部36が圧力戻し手段としての機能を有する。
【0024】
その他、本体11の内部には、加熱制御手段51を含むユニット化された加熱基板組立52が配設される。加熱制御手段51は、表示・操作制御手段56と組み合わせて炊飯器1の各部を電気的に制御するために、制御用IC53や記憶手段58(図4参照)などを備えたマイクロコンピュータ(マイコン)などを含んで構成され、ここでは鍋センサ22や蓋温度センサ42からの各温度検知信号と、操作手段29からの操作信号を受けた表示・操作制御手段56からの信号とを受けて、炊飯時および保温時に鍋14を加熱する加熱コイル21と、内蓋34を加熱する蓋ヒータ41とを各々制御すると共に、ソレノイド45と、減圧ポンプ49の動作を各々制御する。特に加熱制御手段51は、鍋センサ22の検知温度に基づいて主に加熱コイル21を制御して鍋14の底部を温度管理し、蓋温度センサ42の検知温度に基づいて主に蓋ヒータ41を制御して、被炊飯物に対向する内蓋34を温度管理するように構成される。
【0025】
次に、上記炊飯器1における主な制御系統について、図4を参照しながら説明する。同図において、本体11に装備される加熱制御手段51は、マイクロコンピュータを構成する制御用IC53や、各種の情報やデータを記憶する読み出しおよび書き込みが可能なメモリなどの記憶手段54や、図示しない計時手段などを備え、鍋センサ22や蓋温度センサ42からの各温度検知信号と、蓋開閉検知手段37からの検知信号と、後述する表示・操作制御手段56からの制御信号とを受けて、炊飯時および保温時に鍋14を加熱する加熱コイル21と、内蓋34を加熱する蓋ヒータ41を各々制御すると共に、前述した調圧弁44を動かすソレノイド45や、減圧手段48の減圧ポンプ49の動作を各々制御するものである。
【0026】
加熱制御手段51は、記憶手段54から読み出したプログラムの制御シーケンス上の機能として、炊飯制御手段61および保温制御手段62を制御用IC53に備えている。炊飯制御手段61は、操作手段29からの炊飯開始の指示を受けて、鍋14に投入した米の吸水を促進させるひたし炊き工程と、被炊飯物の温度を短時間に沸騰まで上昇させる沸騰加熱工程と、被炊飯物の沸騰状態を継続させる沸騰継続工程と、ご飯を焦がさない程度の高温に維持するむらし工程の各工程を順に実行して、鍋14内部の被炊飯物Sに対して所望の圧力で炊飯加熱する炊飯制御を行なうものである。また保温制御手段62は、鍋14内部の被炊飯物Sとしてのご飯を所定の保温温度に保つように制御するものである。
【0027】
一方、表示・操作制御手段56は、マイクロコンピュータを構成する制御用IC57や記憶手段58、図示しない計時手段などを備え、操作手段29からの操作信号や、加熱制御手段51からの制御信号や、送受信手段59で受信した情報を受けて表示手段28の表示動作を制御し、加熱制御手段51に制御信号を送信し、サーバ5や情報端末6に情報を送信するものである。
【0028】
送受信手段59は、通信モジュールなどで構成されており、有線や無線のネットワーク3を介して、クラウド4上のサーバ5や、ユーザが保有する情報端末6との情報の送受信を可能にするものである。そのため送受信手段59は、情報を送受信可能な通信手段としての機能を有している。
【0029】
表示・操作制御手段56は、記憶手段58に記憶されたプログラムの制御シーケンス上の機能として、表示制御手段63および条件設定手段64を制御用IC57に備えている。表示制御手段63は、操作手段29からの操作信号に基づき各種の制御信号を生成し、また表示手段28の表示動作を制御するものである。また条件設定手段64は、表示制御手段63と連携して、操作手段29で選択できる条件の選択および設定、例えば複数のお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定がある炊飯コースの中から所望の炊飯コースの選択および設定、を可能にするものである。
【0030】
本実施形態の炊飯器1では、それぞれのお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定に応じた炊飯コースが記憶手段58に記憶されており、その記憶された炊飯コースのお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定が表示手段28に選択可能に表示され、これらの設定を行なうことで、当該炊飯コースの選択および設定を行なっている。そして表示・操作制御手段56から加熱制御手段51にこの炊飯コースの設定が送信されると、加熱制御手段51の炊飯制御手段61は、この炊飯コースの炊飯の設定ごとに加熱コイル21および蓋ヒータ41の加熱制御やソレノイド45および減圧ポンプ49の制御、すなわち炊飯制御を行なっており、そのため適切な炊飯を行なうことで、炊飯されたご飯の美味しさをより際立たせることができる。したがって、これらのお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定は、炊飯の設定としての機能を有している。
【0031】
図5は表示手段28の上面図を示しており、それぞれの図面の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」として説明する。また、それぞれの図面の手前側を「手前」、奥側を「奥」として説明する。図5ではLCD26がトップ画面G1を表示している。ユーザが予め本体11に設けた電源プラグを家庭用のコンセントに差し込むと、炊飯器1の各部に必要な電力が投入される。このとき表示制御手段63は、所定時間経過後または所定の起動時表示画面の表示に、LCD26に表示される普段使いの初期画面として、図4に示すようなトップ画面G1の配置をLCD26に表示させる。
【0032】
図5を参照してトップ画面G1の説明をすると、その上部には、4つのボタン表示体B1~B7を左右に並べて表示したメニューキー表示領域A1が形成されている。ここで「お米」のボタン表示体B1は、「お米」なるテキスト表示体D1、および「▼」というテキスト表示体D2を含む。また「炊き方」のボタン表示体B3は、「炊き方」なるテキスト表示体D3、および「▼」というテキスト表示体D4を含む。そして「かたさ調節」のボタン表示体B5は、「かたさ調節」なるテキスト表示体D5、および「▼」というテキスト表示体D6を含む。また「水硬度」のボタン表示体B7は、「水硬度」なるテキスト表示体D7、および「▼」というテキスト表示体D8を含む。
【0033】
また、メニューキー表示領域A1の下には、4つの設定表示体D11~D14を左右に並べて表示した炊飯情報表示領域A2が形成される。ここで「お米」の設定表示体D11は設定されたお米の情報が表示されており、「お米」のボタン表示体B1の後ろに配置され、図4では「白米 銘柄おまかせ」が表示されている。また「炊き方」の設定表示体D12は設定された炊き方の情報が表示されており、「炊き方」のボタン表示体B3の後ろに配置され、図4では「かまど名人」が表示されている。そして「かたさ調節」の設定表示体D13は設定されたかたさ調整の情報が表示されており、「かたさ調節」のボタン表示体B5の後ろに配置され、図4では「おすすめ」が表示されている。また「水硬度」の設定表示体D14は設定された水の硬度の情報が表示されており、「水硬度」のボタン表示体B7の後ろに配置され、図4では「40~60」が表示されている。
【0034】
そして、炊飯情報表示領域A2の下には、時計用表示体D16に表示される数字が炊飯時間であることを連想させる「炊飯時間」なるテキスト表示体D15と、炊飯所要時間や、実際の炊飯完了までの時間である残時間や、予想される炊飯完了の時刻である炊上り時刻などを表示し、図4では炊飯情報表示領域A2の設定から算出された炊飯所要時間である「約38分」が表示された時計用表示体D16と、「炊飯スタート」なるテキスト表示体D17を含むボタン表示体B17と、が左右に並べて表示される。
【0035】
またトップ画面G1の下部には、歯車の図を連想させるテキスト表示体D18を含む設定用ボタン表示体B18と、「保温」なるテキスト表示体D19を含むボタン表示体B19と、「予約」なるテキスト表示体D20を含むボタン表示体B20と、現在時刻を表示する時刻用表示体D21と、「切」なるテキスト表示体D22を含むボタン表示体B22と、が左右に並べて表示される。
【0036】
「切」のボタン表示体B22は、炊飯や保温をやめる際に操作されるもので、「切」のボタン表示体B22をタッチ操作すると、「切」のボタン表示体B22の上に配設された操作手段29からの操作信号を表示制御手段63が受け付けて加熱制御手段51に送信し、炊飯制御手段61が鍋14内の被炊飯物に対する加熱や予約炊飯を中止して切状態にする制御を行ない、表示制御手段63が、炊飯情報表示領域A2の表示を、最も直前に炊飯されたときの設定、すなわち記憶手段58に記憶されていた設定にしてトップ画面G1を表示するように表示手段28を制御する。なお、トップ画面G1で「切」のボタン表示体B22をタッチ操作すると、表示制御手段63が、炊飯前に設定され、現在、炊飯情報表示領域A2に表示されたお米の設定、炊き方の設定、かたさ調節の設定、および水の硬度の設定を破棄して、炊飯情報表示領域A2の表示を最も直前に炊飯されたときの設定、すなわち記憶手段58に記憶されていた設定にして表示するように表示手段28を制御する。
【0037】
「炊飯スタート」のボタン表示体B17は炊飯を開始する際に操作されるもので、「炊飯スタート」のボタン表示体B17をタッチ操作すると、条件設定手段64が、現在、炊飯情報表示領域A2に表示されたお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定を今回の炊飯コースの設定として記憶手段58に記憶し、炊飯制御手段61が、記憶手段58に記憶した今回の炊飯コースの設定で、本体11内の被炊飯物に対する炊飯開始の制御をする構成となっている。
【0038】
「保温」のボタン表示体B19は、保温を行なう際に操作されるもので、「保温」のボタン表示体B19をタッチ操作すると、保温制御手段62が、本体11内の被炊飯物に対する保温再加熱を開始するように、加熱コイル21や蓋ヒータ41に適切な制御信号を送信する構成となっている。
【0039】
「お米」のボタン表示体B1は、被炊飯物としてのお米の種類や銘柄を選択するのに操作されるもので、「お米」のボタン表示体B1をタッチ操作すると、表示制御手段63が、お米選択画面(図示せず)を表示するように表示手段28を制御し、このお米選択画面でお米の種類や銘柄が選択されると、表示制御手段63が、トップ画面G1に戻って、選択されたお米の種類や銘柄をテキスト表示体D11に表示するように表示手段28を制御する。
【0040】
「炊き方」のボタン表示体B3は、被炊飯物の炊き方の種類を選択するのに操作されるもので、「炊き方」のボタン表示体B3をタッチ操作すると、表示制御手段63が炊き方選択画面(図示せず)を表示するように表示手段28を制御し、この炊き方選択画面で被炊飯物の炊き方が選択されると、表示制御手段63が、トップ画面G1に戻って、選択された被炊飯物の炊き方をテキスト表示体D12に表示するように表示手段28を制御する。
【0041】
「かたさ調節」のボタン表示体B5は、被炊飯物としてのご飯の食感の種類を選択するのに操作されるもので、「かたさ調節」のボタン表示体B5をタッチ操作すると、表示制御手段63が、かたさ選択画面(図示せず)を表示するように表示手段28を制御し、この炊き方選択画面でご飯の食感が選択されると、表示制御手段63が、トップ画面G1に戻って、選択されたご飯の食感をテキスト表示体D13に表示するように表示手段28を制御する。
【0042】
「水硬度」のボタン表示体B7は、被炊飯物としての水の硬度を選択するのに操作されるもので、「水硬度」のボタン表示体B7をタッチ操作すると、表示制御手段63が、水硬度選択画面(図示せず)を表示するように表示手段28を制御し、この水硬度選択画面で水の硬度が選択されると、表示制御手段63が、トップ画面G1に戻って、選択された水の硬度をテキスト表示体D14に表示するように表示手段28を制御する。
【0043】
設定用ボタン表示体B18は、炊飯器を設定するのに操作されるもので、設定用ボタン表示体B18をタッチ操作すると、表示制御手段63が、設定画面(図示せず)を表示するように表示手段28を制御する。
【0044】
「予約」のボタン表示体B20は、予約炊飯を行なう際に操作されるもので、「予約」のボタン表示体B20をタッチ操作すると、表示制御手段63が予約設定画面(図示せず)を表示するように表示手段28を制御し、この予約設定画面で予約の設定がされ、予約炊飯を開始させると、当該設定した予約時刻に本体11内の被炊飯物が炊き上がるように炊飯制御手段61により炊飯を開始し、また保温制御手段62による保温を開始するように制御する構成となっている。
【0045】
なお、この他にも、それぞれの情報端末6で登録された個別に登録された炊飯設定としての炊飯コース情報を、後述するサーバ5のお気に入り情報提供部90から受信し、表示制御手段63が、お気に入り設定選択画面として、当該炊飯コース情報を選択可能に表示するように表示手段28を制御してもよい。この場合、表示制御手段63は、トップ画面G1や、お米選択画面や、炊き方選択画面や、かたさ選択画面や、水硬度選択画面から移行できるように表示手段28を制御する構成としてもよい。
【0046】
本実施形態の炊飯時における動作を説明すると、先ず鍋14内に被炊飯物Sとして米および水を入れ、この鍋14を鍋収容部13にセットした後に、蓋体12を閉じる。それと前後して、炊飯器1の本体11を通電させると、本体11は炊飯や保温が行われていない初期の切(待機)状態となり、表示・操作制御手段56は、トップ画面G1の炊飯情報表示領域A2に現在の炊飯コースの設定を表示させるようにLCD26を制御する。
【0047】
ここで操作手段29を操作して炊飯コースの設定を行ない、トップ画面G1の「炊飯スタート」のボタン表示体B17をタッチ操作すると、条件設定手段64が、現在、炊飯情報表示領域A2に表示されたお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定を今回の炊飯コースの設定として記憶手段58に記憶して、加熱制御手段51にこの炊飯コースの設定を送信する。この炊飯コースの設定を受け取ると、加熱制御手段51の炊飯制御手段61は、その設定した炊飯コースの加熱パターンに沿って、鍋14内の被炊飯物Sに対する炊飯工程である、ひたし炊き工程、沸騰加熱工程、沸騰継続工程、むらし工程の各炊飯動作を行なう。
【0048】
具体的には、表示・操作制御手段56から送出された情報を受けると、ひたし炊き工程に移行し、ひたし炊き工程中では鍋14内の圧力が大気圧よりも低い減圧状態となるように、炊飯制御手段61が、ソレノイド45や減圧手段48の動作を各々制御する。ひたし炊き工程が開始されると、炊飯制御手段61はソレノイド45を非通電状態から通電状態に切替えて、調圧弁44で蒸気排出経路43を閉塞する。そしてこの状態で、炊飯制御手段61は、減圧手段48の経路を開放すると共に、減圧ポンプ49を連続動作させ、密閉した鍋14の内部の空気を減圧ポンプ49で抜き取る真空引きを行なう。その後、炊飯制御手段61は、鍋14内部の圧力が一定値以下になる減圧状態で維持されるように減圧ポンプ49を制御する。こうして、ひたし炊き工程の全期間に亘って、鍋14内部を減圧状態に保っている。
【0049】
また炊飯制御手段61は、鍋センサ22による鍋14の底部の温度検知に基づき加熱コイル21を通断電制御して鍋14を加熱する制御を行ない、米の吸水を促進させる。このとき維持される設定温度は40~60℃であることが好ましい。その後、所定のひたし炊き工程の時間が経過するとひたし工程が終了し、次の沸騰加熱工程に移行する。
【0050】
沸騰加熱工程に移行すると、被炊飯物Sの沸騰検知を行なうまでの加熱で、炊飯制御手段61は、加熱コイル21を連続通電する制御を行なうことにより、ひたし炊き工程よりも鍋14内の被炊飯物Sを強く加熱し、被炊飯物Sを短時間で沸騰の温度まで上昇させる。ここで炊飯制御手段61は、ひたし炊き工程から引き続いて鍋14の内部を大気圧よりも低い減圧状態に維持するために、減圧手段28の経路を閉塞するように制御している。そのため、ひたし炊き工程から沸騰加熱工程に移行した後も、鍋14への加熱やスローリークにより鍋14の内部は次第に圧力が上昇するものの、暫くの間は減圧ポンプ49を動作させることなく減圧状態を維持することができる。こうして、ひたし炊き工程の後の昇温工程でも鍋14内部の被炊飯物Sが減圧状態に保持されることで、昇温工程中は100℃以下の温度で水が沸騰する。そのため、米の糊化温度とされる60℃~100℃で被炊飯物Sを減圧状態で沸騰させることで、沸騰時の泡で米を舞わせて加熱ムラがなくなり、併せて被炊飯物Sを減圧状態にすることで米の芯まで短時間に吸水させることができる。
【0051】
次に、炊飯制御手段61は鍋センサ22からの温度検知信号を取り込んで、鍋14の底部の検知温度が所定温度となる100℃に達したら、鍋14内部の被炊飯物Sが減圧状態で沸騰したと判断して、減圧手段28の経路を閉塞させて減圧ポンプ49を動作させないまま、ソレノイド45を一時的に非通電状態にして調圧弁44を退避させる。これにより蒸気排出経路43は、鍋14の内外を密閉せずに連通させた開放状態となり、鍋14内部は直ちに外気と同じ常圧に戻る。その後、炊飯制御手段61がソレノイド45を短時間で通電状態に切替え、鍋14の内部を再び密閉した状態にすると、引き続き、鍋14内部で被炊飯物Sを強く加熱しているため鍋14内部で加圧される。このときの圧力Pは、1.2気圧以内であることが好ましい。
【0052】
こうして炊飯制御手段61は、沸騰加熱工程中に鍋14内部の被炊飯物Sが減圧状態で沸騰したと判断したら、鍋14内部を減圧状態から大気圧よりも高い加圧状態へ一気に切替えて、被炊飯物Sに圧力ショックを加えるために、ソレノイド45、ひいては調圧部36を構成する調圧弁44の動作を制御して、蒸気排出経路43を一時的に開放している。これにより、加圧状態における米の糊化最適温度である105℃(1.2気圧の場合)で被炊飯物Sを沸騰させることで、米の硬さと粘りのバランスを確保し、芯まで一気に米を糊化させることができる。
【0053】
その後、炊飯制御手段61は、鍋温度が所定温度以上、例えば90℃以上になったことを鍋センサ22からの温度検知信号により検出し、それに加えて蓋温度t2が所定温度以上、例えば90℃以上になったことを蓋温度センサ42からの温度検知信号により検出すると、被炊飯物の加圧状態での沸騰を検知する沸騰検知の制御を開始する。炊飯制御手段61が、引き続き、加熱コイル21を連続通電する制御を行なって鍋14内部で被炊飯物Sを強く加熱する一方で、鍋センサ22の検知温度や蓋温度センサ42の検知温度が所定の時間にどの程度上昇するのかという検知温度の傾きを算出する。具体的には、炊飯制御手段61が、鍋センサ22の検知温度から鍋14の底部の温度である鍋温度の上昇が、例えば120秒で3℃以下など所定の温度上昇率以下になったと算出したら、鍋温度の温度上昇率の変化による沸騰を検知したと判定する。また炊飯制御手段61が、蓋温度センサ42の検知温度から内蓋8の温度である蓋温度の上昇が、例えば60秒で1℃以下など所定の温度上昇率以下になったと算出したら、蓋温度の温度上昇率の変化による沸騰を検知したと判定する。
【0054】
このとき炊飯制御手段61は、沸騰加熱工程から引き続き、この被炊飯物Sが設定された圧力で鍋14内部を加圧するようにソレノイド45を制御しており、その加圧状態で被炊飯物Sの沸騰を継続させることができるようにしている。炊飯制御手段61が、鍋温度の温度上昇率の変化による沸騰を検知し、かつ、蓋温度の温度上昇率の変化による沸騰を検知した時点で、次の沸騰継続工程に移行する。
【0055】
沸騰継続工程に移行すると、炊飯制御手段61は、鍋センサ22の検知温度から鍋温度が、例えば98℃以上など所定の温度を維持するように加熱コイル21の通断電制御を行なうと共に、蓋温度センサ42からの検知温度から蓋温度が、例えば98℃以上など所定の温度を維持するように蓋ヒータ41を連続通電する制御を行ない、被炊飯物Sの沸騰状態を継続させる。また沸騰継続工程に移行したら、炊飯制御手段61は鍋14内を常圧と大気圧よりも高い圧力Pとの間に繰り返し変化させるために、ソレノイド45を周期的に通断電制御して、調圧弁44で蒸気排出経路43を周期的に開閉している。
【0056】
炊飯制御手段61は、沸騰継続工程で鍋14内部の水が無くなり、鍋センサ22の検知温度から鍋14の底部の温度の上昇が10秒で0.5℃以上など所定の温度上昇率以上になったと算出すると、鍋温度の温度上昇率の変化を検知したと判定する。また炊飯制御手段61は、鍋センサ22の検知温度が所定のドライアップ温度に達すると、鍋14内部の被炊飯物Sの炊き上がりを検知したと判定する。炊飯制御手段61が鍋温度の温度上昇率の変化または被炊飯物Sの炊き上がりを検知すると沸騰継続工程が終了し、次のむらし工程に移行する。
【0057】
むらし工程中は、炊飯制御手段61が蓋温度センサ42の検知温度により、蓋ヒータ41を通断電制御して温度管理を行ない、内蓋34への露付きを防止すると共に、鍋14内部のご飯が焦げない程度に高温が保持されるように、加熱コイル21を通断電制御を設定された時間としてのむらし工程時間だけ継続して行ない、鍋14の底部の温度を管理する。このとき炊飯制御手段61は、沸騰継続工程から引き続き、圧力Pで鍋14内部を加圧するようにソレノイド45を制御するように構成される。むらし工程が終了したら、保温制御手段62による保温工程に移行する。
【0058】
ここで保温工程中に、ユーザが「切」のボタン表示体B22をタッチ操作すると、保温制御手段62が保温工程を中止して切状態にする制御を行なう。また条件設定手段は、炊飯工程が完了したものと判定し、記憶手段58に記憶された今回の炊飯コースの設定を今回の炊飯設定として送受信手段59によりサーバ5に送信する。
【0059】
以上、炊飯器1の主な構成を説明したが、これはあくまでも一例であり、例えば鍋4内の圧力を検知可能な圧力センサを備えた構成であってもよく、また例えば、減圧手段48が省略された構成であってもよい。
【0060】
図6は、情報端末6の中で代表的なスマートフォン6-1の外観構成を示したものである。同図において、スマートフォン6-1は、画面表示が可能な表示手段71や、押動式の操作ボタン72や、通信モジュール73などを主な構成要素とする。表示手段71の表面にはタッチパネル74が設けられており、操作ボタン72とタッチパネル74により、スマートフォン6-1からの操作を可能にする操作手段75が構成される。また端末通信手段となる通信モジュール73は、アクセスポイント7との間の無線通信を可能とする送受信部として、スマートフォン6-1の本体内部に搭載される。なお、スマートフォン6-1はその他に、マイクやスピーカーなどの通話手段や、カメラなどの撮影手段などを備えているが、ここでは図示を省略する。
【0061】
図7は、スマートフォン6-1の主な電気的構成を示している。同図において、77はマイクロコンピュータにより構成される端末制御手段であり、この端末制御手段77は周知のように、演算処理手段としてのCPUや、各種の情報やデータを記憶する読み出しおよび書き込みが可能なメモリなどの記憶手段80や、計時手段としてのタイマや、入出力デバイスなどを備えている。端末制御手段77の入力ポートには、操作手段75と通信モジュール73がそれぞれ電気的に接続され、端末制御手段77の出力ポートには、表示手段71と通信モジュール73がそれぞれ電気的に接続される。
【0062】
端末制御手段77は、操作手段75からの操作信号を受けて、通信モジュール73から取り込んだ情報に基づき、計時手段からの計時に基づく所定のタイミングで、表示手段71に表示用の制御信号を出力する機能を有する。こうした機能は、記憶媒体としての記憶手段80に記録したアプリケーションなどのプログラムを起動させることで実現するが、特に本実施形態では、端末制御手段77を通信制御部78と表示制御部79として主に機能させるプログラムを備えている。
【0063】
通信制御部78は、主に通信モジュール73に関わる動作を制御するもので、必要に応じて通信モジュール73を動作させることにより、端末制御手段77からネットワーク3を介して、サーバ5に各種情報やデータを送り出したり、逆にサーバ5からネットワーク3を介して、端末制御手段77に各種情報やデータを取り込んだりする機能を有する。
【0064】
表示制御部79は、主に表示手段71の表示に関わる動作を制御するもので、表示手段71に様々な画面を切換えて表示させる機能を備えている。特に本実施形態では、サーバ5からの炊飯設定の情報や炊飯設定の履歴の情報を通信モジュール73で受信すると、表示制御部79がその炊飯設定の情報や炊飯設定の履歴の情報を表示手段71で表示している画面に反映させる構成となっている。
【0065】
図8は、情報処理装置の一例となるサーバ5の主な電気的構成を示している。同図において、81はマイクロコンピュータにより構成されるサーバ制御手段であり、このサーバ制御手段81は周知のように、演算処理手段としてのCPUや、記憶手段としてのメモリや、計時手段としてのタイマや、入出力デバイスなどを備えている。サーバ制御手段77の入力ポートには、レシピ提供管理システム100の管理者からの操作を可能にする操作手段82と、ネットワーク3への接続を可能にする通信モジュール83がそれぞれ電気的に接続され、サーバ制御手段81の出力ポートには、通信モジュール83と、画面表示が可能な表示手段84がそれぞれ電気的に接続される。サーバ通信手段となる通信モジュール83は、ネットワーク3を介して炊飯器1や情報端末6との通信を可能にする送受信部として、サーバ5に搭載される。
【0066】
サーバ制御手段81は、記憶媒体としての前記メモリに記憶したプログラムを読み取ることにより、機器情報登録部86と、炊飯コース情報登録部87と、炊飯コース情報提供部88と、炊飯履歴情報提供部89と、お気に入り情報提供部90として主に機能する構成を有する。またサーバ制御手段81に内蔵するメモリには、こうしたプログラムとは別に、ユーザが保有する情報端末6とユーザが使用する炊飯器1とを関連付けた機器情報を記憶する機器情報記憶部92と、サーバ5に接続可能な炊飯器1に関する炊飯コース情報を記憶保存する全炊飯コース情報記憶部93と、炊飯器1から送信されてきた、炊飯コースの設定としての炊飯設定の履歴である炊飯履歴を記憶する炊飯履歴記憶部94と、情報端末6から送信されてきた、お気に入りに個別に登録された炊飯設定を記憶するお気に入り情報記憶部95と、がそれぞれ設けられる。なお、ここでいう炊飯コース情報とは、その炊飯コースに関連した情報を情報端末6の表示手段71に表示させるためのあらゆる表示用情報と、その炊飯コースで被炊飯物Sを炊飯できる炊飯器1に対して、被炊飯物Sの炊飯に必要な炊飯制御の条件などの炊飯用情報を含んでいる。
【0067】
機器情報登録部86は、ユーザが保有する情報端末6から、その情報端末6やユーザを特定する第1識別情報とユーザが使用する炊飯器1を特定する第2識別情報が入力されると、これらの第1識別情報と第2識別情報を関連付けて、その機器情報を機器情報記憶部92に記憶登録させるものである。具体的には、例えばネットワーク3を介してサーバ5にアクセスされた一台の情報端末6として、図1に示すスマートフォン6-1を保有するユーザが炊飯器1を使用する場合、そのユーザやスマートフォン6-1を識別するのにスマートフォン6-1から入力された固有の第1識別情報に、炊飯器1を識別するのにスマートフォン6-1から入力された固有の第2識別情報を関連付けた機器情報が、スマートフォン6-1からサーバ5に送信されると、機器情報登録部86によりこの機器情報をサーバ5の機器情報記憶部92に記憶登録させる構成となっている。
【0068】
炊飯コース情報登録部87は、管理者による操作手段82からの操作入力により、全炊飯コース情報記憶部93には記憶登録されていない新たな炊飯コース情報を、全炊飯コース情報記憶部93に追加で記憶登録させたり、全炊飯コース情報記憶部93に記憶登録されている炊飯コースの情報を、一部変更して全炊飯コース情報記憶部93に上書き更新させたりするものである。具体的には、管理者が操作手段82を操作して、新たな炊飯コース情報を登録させようとする場合に、お米の設定や、炊き方の設定や、かたさの設定や、水硬度の設定などを含んだ炊飯コースの特徴を、炊飯器1のLCD26や情報端末6の表示手段71に表示させるための表示用情報と、炊飯が可能な炊飯器1で炊飯調理を行なうのに必要な炊飯制御の情報などを含んだ炊飯加熱用情報を入力すると、炊飯コース情報登録部87は、こうした炊飯コース情報を全炊飯コース情報記憶部93に記憶登録させる。
【0069】
炊飯コース情報提供部88は、ネットワーク3を介してサーバ5にアクセスが可能な炊飯器1に対して、全炊飯コース情報記憶部93に記憶する全ての炊飯コース情報の中から、一乃至複数の炊飯コース情報を抽出して送信するものである。そのため炊飯器1は、記憶手段58に記憶されていない炊飯コースでも、サーバ5の全炊飯コース情報記憶部93から抽出して記憶することができる。また本実施形態では、上述の例でユーザによるスマートフォン6-1の操作手段75からの操作により、選択された炊飯履歴の情報や、選択された、個別に登録された炊飯設定の情報がネットワーク3を介してサーバ5に送信されると、サーバ5の炊飯コース情報提供部88は、受信した炊飯履歴の情報や個別に登録された炊飯設定を全炊飯コース情報記憶部93に記憶する全ての炊飯コース情報と照らし合わせ、該当する炊飯コース情報を抽出して炊飯器1に送信するように構成される。
【0070】
炊飯履歴情報提供部89は、ネットワーク3を介してサーバ5にアクセスが可能な炊飯器1から送信されてきた炊飯履歴を、炊飯履歴記憶部94に記憶させるものであり、また情報端末6に送信するものである。具体的には、例えば炊飯器1の炊飯が完了して保温工程に移行し、ユーザによりトップ画面G1の「切」のボタン表示体B22がタッチ操作されると、炊飯器1の表示・操作制御手段56は、記憶手段58に記憶された今回の炊飯コースの炊飯設定を、送受信手段59によりサーバ5に送信する。これを受けた炊飯履歴情報提供部89は、送信されてきた炊飯設定を、今回の炊飯コースの炊飯設定の履歴として炊飯履歴記憶部94に記憶させる。その後、ユーザによるスマートフォン6-1の操作手段75からの操作により、機器情報登録部86により既に登録された炊飯器1に関する炊飯履歴の表示要求がネットワーク3を介してサーバ5に送信されると、サーバ5の炊飯履歴情報提供部89は、サーバ5の炊飯履歴記憶部94に記憶される炊飯履歴の情報をスマートフォン6-1に送信する。これを受けたスマートフォン6-1の表示制御部79は、炊飯器1の炊飯履歴を好適に表示手段71に表示させることが可能になる。なお炊飯履歴記憶部94に記憶された炊飯履歴は、機器情報記憶部92に炊飯器1と関連付けて記憶登録された他の情報端末6であるスマートフォン6-2やタブレット端末6-3にも送信され、スマートフォン6-やタブレット端末6-3の表示手段71にも表示可能である。このとき、スマートフォン6-1,6-2やタブレット端末6-3には同一の炊飯器1からの炊飯履歴の情報が送信されるため、スマートフォン6-1,6-2やタブレット端末6-3のすべての情報端末6において同一の炊飯履歴がそれぞれの表示手段71に表示される構成となっている。
【0071】
お気に入り情報提供部90は、ネットワーク3を介してサーバ5にアクセスが可能な情報端末6から送信されてきたお気に入りに個別に登録された炊飯設定を、お気に入り情報記憶部95に記憶させるものである。そのためお気に入り情報提供部90は、スマートフォン6-1,6-2やタブレット端末6-3などのそれぞれの情報端末6から送信された個別に登録された炊飯設定の情報を、機器情報記憶部92に記憶登録された、それぞれの情報端末6の固有の第1識別情報と関連付けてお気に入り情報記憶部95に記憶させる構成としている。このように構成することで、スマートフォン6-1,6-2やタブレット端末6-3において、それぞれの情報端末6でお気に入りに個別に登録された炊飯設定がそれぞれの情報端末6と関連付けてお気に入り情報記憶部95に記憶されるため、スマートフォン6-1,6-2やタブレット端末6-3のそれぞれの情報端末6において、それぞれ個別に登録された炊飯設定がそれぞれの表示手段71に表示される。なお、お気に入り情報提供部90は、個別に登録された炊飯設定の表示要求が、機器情報登録部86により既に登録された炊飯器1からネットワーク3を介してサーバ5に送信されたときに、お気に入り情報記憶部95に記憶される個別に登録された炊飯設定を炊飯器1に送信するように構成してもよい。
【0072】
次に、上記構成の炊飯システム100について、その作用を詳しく説明する。
【0073】
図9は、スマートフォン6-1の操作手段75からの操作によりアプリケーションを起動させたときに表示手段71に表示される画面の一例であり、(A)では炊飯履歴画面G2、(B)ではお気に入り画面G3を示している。
【0074】
ユーザがスマートフォン6-1の操作手段75を操作してアプリケーションを起動させると、通信制御部78は、通信モジュール73によりネットワーク3を介してサーバ5に機器情報を送信する。このとき送信する機器情報は、記憶手段80に記憶された個別に登録された炊飯設定が含まれていてもよい。サーバ5がこの機器情報を受け取ると、機器情報記憶部92に登録された機器情報と照合し、照合された機器に関する情報をスマートフォン6-1に送信するように通信モジュール83を制御する。このとき送信する情報は、炊飯履歴記憶部94に記憶された炊飯器1の過去の炊飯設定や、お気に入り情報記憶部95に記憶された個別に登録された炊飯設定が含まれていてもよい。スマートフォン6-1が当該情報をこの機器情報を受け取ると、アプリケーションが起動する。
【0075】
先ず図9(A)を参照して炊飯履歴画面G2を説明すると、その上部には、「お気に入り/炊飯履歴」なるテキスト表示体D31と、「×」なるテキスト表示体D32を含むボタン表示体B32と、が左右に並べて表示される。また「お気に入り/炊飯履歴」のテキスト表示体D31および「×」のボタン表示体B32の下には、2つのタブ表示体B32,B33を左右に並べて表示した炊飯設定画面表示領域A3が形成され、現在選択されているタブ表示部、例えば図9(A)の場合は「炊飯履歴」のタブ表示体B33が彩色表示された点灯表示され、他のタブ表示部、例えば図9(A)の場合は「お気に入り」のタブ表示体B34がグレーアウトで表示された消灯表示されている。ここで「炊飯履歴」のタブ表示体B33は、「炊飯履歴」なるテキスト表示体D33を含む。また「お気に入り」のボタン表示体B34は、「お気に入り」なるテキスト表示体D34を含む。
【0076】
そして炊飯設定画面表示領域A3の下には、過去の炊飯設定を表示している炊飯履歴としての炊飯設定選択用表示体B35-1,B35-2・・・を上下に並べて表示した炊飯履歴表示領域A4が形成されている。ここで、それぞれの炊飯設定選択用表示体B35-1,B35-2・・・は、例えば「お米 白米・銘柄おまかせ」や「炊き方 かまど名人」などお米の設定や、炊き方の設定や、かたさの設定や、水硬度の設定などを含んだ炊飯コースの設定が表示された炊飯設定表示体D35-1,D35-2・・・と、それぞれの炊飯設定表示体B35-1,B35-2・・・の名称としての、サーバ5の炊飯履歴記憶部94に記憶された日時が表示された炊飯日時表示体D36-1,D36-2・・・と、お気に入りの登録の有無を示すハートマークの画像表示体P37-1,P37-2・・・と、を含んでいる。
【0077】
「×」のボタン表示体B32は、現在の画面、例えば炊飯履歴画面G2やお気に入り画面G3における設定を破棄して一つ前の画面やトップ画面(図示せず)に戻る際に操作されるもので、「×」のボタン表示体B32をタッチ操作すると、スマートフォン6-1の表示制御部79が、現在、表示手段71に表示された設定を破棄して、トップ画面に戻るように表表示手段71を制御する。
【0078】
炊飯履歴表示領域A4は、過去の炊飯コースの炊飯設定である炊飯履歴について、その概要をユーザが見やすいように、各々の炊飯設定や記憶された日時をブロック状の炊飯設定選択用表示体B35-1,B35-2・・・に分け、一覧で区画したものである。スマートフォン6-1の操作手段75により炊飯履歴画面G2に移行するように操作されると、スマートフォン6-1の通信制御部78は、サーバ5に炊飯履歴の表示要求を送信する。サーバ5の炊飯履歴情報提供部89は、この表示要求の信号を受信すると、サーバ5の炊飯履歴記憶部94に記憶される炊飯履歴の情報をスマートフォン6-1に送信する。そして表示制御部79は、炊飯履歴の情報を受信すると、記憶手段80に記憶された炊飯履歴の情報に今回受信した炊飯履歴の情報を反映させて、図9(A)に示されるような炊飯履歴表示領域A4を表示手段71に表示させる。
【0079】
なお本実施形態では、記憶手段80に記憶される炊飯履歴の情報の数は、例えば最大で10個など所定数であり、そのため炊飯履歴表示領域A4に表示される炊飯設定選択用表示体B35-1,B35-2・・・の数も最大で10個などの所定数となっており、この所定数を超えると古い炊飯履歴の情報から順に消去して当該所定数を保持する構成としている。しかし、これは一例であり、本発明はこれに限定されない。また本実施形態では、新しい炊飯履歴の情報から順に上から下に表示するように構成しており、そのため図9(A)に示される例では、炊飯設定選択用表示体B35-1に表示される炊飯設定表示体D35-1の設定が最新の炊飯設定の履歴となるように構成しているが、本発明はこれに限定されない。
【0080】
本実施形態では、炊飯履歴画面G2の炊飯履歴表示領域A4に表示された炊飯設定選択用表示体の中から、例えば10個など所定数の炊飯設定選択用表示体をお気に入りとして登録することができ、登録された炊飯設定選択用表示体の一覧を、図9(B)に示されるように、お気に入り画面G3のお気に入り炊飯設定表示領域A5で表示させることができる構成としている。図9(B)を参照してお気に入り画面G3を説明すると、その上部には、「お気に入り/炊飯履歴」のテキスト表示体D31と、「×」のボタン表示体B32と、が左右に並べて表示されその下には、炊飯設定画面表示領域A3が形成されて、「お気に入り」のタブ表示体B34が点灯表示されている。そして炊飯設定画面表示領域A3の下には、お気に入りに個別に登録された炊飯設定を表示している炊飯設定選択用表示体B35-11,B35-12・・・を上下に並べて表示したお気に入り炊飯設定表示領域A5が形成されている。それぞれの炊飯設定選択用表示体B35-11,B35-12・・・は、炊飯設定選択用表示体B35-1,B35-2・・・と同様の構成をしており、例えば炊飯コースの設定が表示された炊飯設定表示体D35-11,D35-12・・・と、それぞれの炊飯設定表示体の名称として名称表示体D36-11,D36-12・・・と、ハートマークの画像表示体P37-11,P37-12・・・と、を含んでいる。
【0081】
ここで、炊飯設定選択用表示体B35-1,B35-2・・・をお気に入りとして登録する方法について説明すると、炊飯設定選択用表示体B35-1,B35-2・・・の何れか、例えば炊飯設定選択用表示体B35-2を登録する場合、ユーザによりハートマークの画像表示体P37-1,P37-2・・・の何れか、例えば画像表示体P37-2がタッチ操作されると、スマートフォン6-1の表示制御部79は、図10に示されるようなお気に入り登録画面G4をポップアップ表示するように表示手段71を制御する。
【0082】
図10を参照してお気に入り登録画面G4を説明すると、お気に入り登録する炊飯設定選択用表示体の名称を入力可能な、お気に入り登録ポップアップ表示体PU41と、お気に入り登録ポップアップ表示体PU41に文字や記号を入力するためのキーボード表示領域A6と、が上下に並べて表示され、登録ポップアップ表示体PU41およびキーボード表示領域A6以外の場所がグレーアウト表示されている。なおキーボード表示領域A6については、スマートフォンの分野において周知の技術であるため、ここでは詳細には説明しない。
【0083】
お気に入り登録ポップアップ表示体PU41は、その上部に、「お気に入り登録します 炊飯設定をお気に入りに追加します」なるテキスト表示体D41が表示される。またテキスト表示体D41の下には、入力フィールド表示体D43は炊飯設定選択用表示体の名称が入力される場所であることを連想させる「名称」なるテキスト表示体D42と、キーボード表示領域A6を用いて入力された文字や記号が表示される入力フィールド表示体D43とが上下に並べて表示される。そしてお気に入り登録ポップアップ表示体PU41の下部には、「キャンセル」なるテキスト表示体D44を含むボタン表示体B44と、「登録」なるテキスト表示体D45を含むボタン表示体B45と、が左右に並べて表示される。なお本実施形態では、入力フィールド表示体D43には全角で15文字分の文字や記号が入力可能であり、また文字や記号、絵文字の種類はスマートフォン6-1の機種に依存しているが、これらは一例である。
【0084】
「キャンセル」のボタン表示体B44は、現在のお気に入り登録画面G4における設定を破棄して一つ前の画面である炊飯履歴画面G2やお気に入り画面G3に戻る際に操作されるもので、「キャンセル」のボタン表示体B44をタッチ操作すると、表示制御部79が、現在、表示手段71に表示された設定を破棄して、一つ前の画面である炊飯履歴画面G2またはお気に入り画面G3に戻るように表示手段71を制御する。
【0085】
そして「登録」のボタン表示体B45は、現在のお気に入り登録画面G4における設定で炊飯設定選択用表示体をお気に入り登録するのに操作されるものであり、「登録」のボタン表示体B45をタッチ操作すると、表示制御部79が、現在、表示手段71に表示された設定を記憶手段80に記憶し、お気に入り画面G3に移行して、入力フィールド表示体D43に入力された文字や記号を炊飯設定表示体D35-11にした炊飯設定表示体D35-11をお気に入り炊飯設定表示領域A5に追加して表示するように表示手段71を制御する。
【0086】
お気に入りとして登録する方法についての説明に戻ると、お気に入り登録画面G4で、ユーザによりキーボード表示領域A6を用いて、例えば「学校のお弁当用1234」の文字およびおむすびの絵文字が入力フィールド表示体D43に入力され、その後に「登録」のボタン表示体B45がタッチ操作されると、表示制御部79は、「学校のお弁当用1234」の文字およびおむすびの絵文字と、選択された炊飯設定選択用表示体B35-2の炊飯設定としての炊飯設定表示体D35-2とを関連させて記憶手段80に記憶させる。また表示制御部79は、図9(B)に示されるようにお気に入り画面G3に移行して、炊飯設定表示体D35-1の内容を炊飯設定表示体D35-11とし、名称表示体D36-11の内容を入力フィールド表示体D43に入力された内容、例えば「毎日の晩ごはん用(おむすびの絵文字)」として、ハートマークの画像表示体P37-11を、登録済を示す、例えばピンク色の彩色表示とした炊飯設定選択用表示体B35-11を、お気に入り炊飯設定表示領域A5の最も上に表示し、以前に登録した炊飯設定選択用表示体B35-12・・・を順に下に下げて表示するように表示手段71を制御する。なお入力フィールド表示体D43に何も入力されない状態で「登録」のボタン表示体B45がタッチ操作された場合に、名称表示体の内容を、例えば「お気に入り1」など所定の書式にして記憶手段80に記憶させるように構成してもよい。
【0087】
また、この時に「炊飯履歴」のタブ表示体B33がタッチ操作されて炊飯履歴画面G2に移行すると、表示制御部79は、登録された炊飯設定選択用表示体B35-2のハートマークの画像表示体P37-2を、登録済を示す彩色表示とするように表示手段71を制御する。このようにして炊飯器1の炊飯履歴をお気に入り登録することができ、炊飯履歴の情報の数が所定数を超え、例えば炊飯設定選択用表示体B35-1などの炊飯履歴の情報が炊飯履歴画面G2の炊飯履歴表示領域A4から消去されても、例えば炊飯設定選択用表示体B35-11などの個別に登録された炊飯設定として、お気に入り画面G3のお気に入り炊飯設定表示領域A5に表示されるため、好みの炊飯設定をいつでも呼び出すことができる。
【0088】
また図11を参照して、お気に入りとして登録された炊飯設定選択用表示体の登録を解除する方法について説明する。前述したように、個別に登録された炊飯設定選択用表示体は、例えば図9(A)の炊飯履歴画面G2の炊飯設定選択用表示体B35-1や、図9(A)のお気に入り画面G3のお気に入り炊飯設定表示領域A5に表示される炊飯設定選択用表示体B35-11,B35B-12・・・に含まれるハートマークの画像表示体が彩色表示になっている。ここでユーザにより、彩色表示のハートマークの画像表示体の何れか、例えば炊飯設定選択用表示体B35-11のハートマークの画像表示体P37-11がタッチ操作されると、スマートフォン6-1の表示制御部79は、お気に入り削除画面G5をポップアップ表示するように表示手段71を制御する。
【0089】
図11(B)を参照してお気に入り削除画面G5を説明すると、お気に入り削除ポップアップ表示体PU51が表示され、お気に入り削除ポップアップ表示体PU51以外の場所がグレーアウト表示されている。お気に入り削除ポップアップ表示体PU51は、その上部に、「お気に入りを削除しますか? 削除した内容は元に戻せません」なるテキスト表示体D51が表示される。また、お気に入り削除ポップアップ表示体PU51の下部には、「キャンセル」のボタン表示体B44と、「削除」なるテキスト表示体D52を含むボタン表示体B52と、が左右に並べて表示される。
【0090】
「削除」のボタン表示体B52は、現在、お気に入り登録されている炊飯設定選択用表示体の登録を解除するのに操作されるものであり、「削除」のボタン表示体B52をタッチ操作すると、表示制御部79が、現在、選択された炊飯設定選択用表示体の情報を記憶手段80の記憶から削除するように制御する。そのため、お気に入り画面G3に移行すると、表示制御部79は、記憶手段80の記憶から削除された炊飯設定選択用表示体に対応する炊飯設定選択用表示体を、お気に入り炊飯設定表示領域A5に表示しないように表示手段71を制御する。
【0091】
炊飯設定選択用表示体の登録を解除する方法についての説明に戻ると、お気に入り削除画面G5で、「削除」のボタン表示体B52がタッチ操作されると、表示制御部79は、選択されたハートマークの画像表示体を含む炊飯設定選択用表示体、例えばハートマークの画像表示体P37-11を含む炊飯設定選択用表示体B35-11の情報を記憶手段80の記憶から削除する。また表示制御部79は、お気に入り画面G3に移行して、削除された炊飯設定選択用表示体に対応する炊飯設定選択用表示体、例えば今回の場合は炊飯設定選択用表示体B35-11を、お気に入り炊飯設定表示領域A5に表示しないように表示手段71を制御する。したがって表示制御部79は、お気に入り炊飯設定表示領域A5に表示される炊飯設定選択用表示体の数が、炊飯設定選択用表示体の登録の解除前と比較して1つ減少させて表示するように表示手段71を制御している。
【0092】
この時に「炊飯履歴」のタブ表示体B33がタッチ操作されて炊飯履歴画面G2に移行すると、表示制御部79は、登録が解除された炊飯設定選択用表示体B35-11に対応する炊飯設定選択用表示体B35-2のハートマークの画像表示体P37-2を、登録前であることを示す白抜き表示とするように表示手段71を制御する。このようにして、お気に入りとして登録された炊飯設定選択用表示体の登録を容易に解除することができる。またお気に入り画面G3からだけでなく炊飯履歴画面G2からも、個別に登録された炊飯設定選択用表示体の登録を容易に解除することができる。
【0093】
次に、炊飯履歴画面G2やお気に入り画面G3の炊飯設定選択用表示体に表示された炊飯設定で炊飯器1の炊飯を実施する方法について説明すると、炊飯履歴画面G2の炊飯履歴表示領域A4や、お気に入り画面G3のお気に入り炊飯設定表示領域A5において、炊飯設定選択用表示体のハートマークの画像表示体以外の場所、例えばお気に入り炊飯設定表示領域A5の炊飯設定選択用表示体B35-12における画像表示体P37-12以外の場所がタッチ操作されると、スマートフォン6-1の表示制御部79は、炊飯設定送信画面G6をポップアップ表示するように表示手段71を制御する。ここで炊飯履歴画面G2やお気に入り画面G3の炊飯設定画面表示領域A3の「炊飯履歴」のタブ表示体B33や「お気に入り」のタブ表示体B34をタッチ操作することにより、簡単に炊飯履歴画面G2とお気に入り画面G3とを変更して切替えることができるため、炊飯履歴画面G2とお気に入り画面G3の両画面を使用して、炊飯器1に送信する炊飯設定の情報としての炊飯設定選択用表示体をより簡単に選択することができる。
【0094】
図12を参照して炊飯設定送信画面G6を説明すると、送信ポップアップ表示体PU61が表示され、送信ポップアップ表示体PU61以外の場所がグレーアウト表示されている。送信ポップアップ表示体PU61は、その上部に、送信する炊飯設定選択用表示体の選択元が炊飯履歴画面G2かお気に入り画面G3かを表示する選択元表示体D61と、「×」のボタン表示体B32と、が左右に並べて表示される。また、選択元表示体D61および「×」のボタン表示体B32の下部には、例えば「毎日の晩ごはん用」の名称表示体D36-12など、選択された炊飯設定選択用表示体の炊飯日時表示体または名称表示体と、「編集」なるテキスト表示体D62を含むボタン表示体B62と、が左右に並べて表示される。そして炊飯日時表示体または名称表示体や「編集」のボタン表示体B62の下には、例えば「毎日の晩ごはん用」の炊飯設定表示体D35-12など、選択された炊飯設定選択用表示体の炊飯設定表示体が表示される。また送信ポップアップ表示体PU61の下部には、「炊飯コースを送信」なるテキスト表示体D63を含むボタン表示体B63が表示される。
【0095】
「編集」のボタン表示体B62は、選択された炊飯設定選択用表示体の名称表示体の記載を変更して編集する際に操作されるもので、「編集」のボタン表示体B62をタッチ操作すると、表示制御部79が、お気に入り登録画面G4に移行するように表示手段71を制御する。なお本実施形態では、このとき、お気に入り画面G3から選択された炊飯設定選択用表示体の名称表示体が編集可能である一方で、炊飯履歴画面G2から選択された炊飯設定選択用表示体の炊飯日時表示体が編集できないように構成されているが、これは一例であり、炊飯日時表示体が編集可能である構成にしてもよい。
【0096】
「炊飯コースを送信」のボタン表示体B63は、表示手段71に表示された炊飯設定表示体の炊飯設定を炊飯器1に送信する際に操作されるもので、「炊飯コースを送信」のボタン表示体B63をタッチ操作すると、スマートフォン6-1の通信制御部78が、表示手段71に表示された炊飯設定表示体の炊飯設定の情報、例えば今回の場合は「毎日の晩ごはん用」の名称表示体D36-12および炊飯設定表示体D35-12の情報をサーバ5に送信するように通信モジュール73を制御する。なお、このとき送信する情報に、炊飯履歴記憶部94に記憶された炊飯器1の過去の炊飯設定や、お気に入り情報記憶部95に記憶された個別に登録された炊飯設定が含まれていてもよい。
【0097】
炊飯設定送信画面G6で「炊飯コースを送信」のボタン表示体B63が操作されて送信された、炊飯設定表示体の炊飯設定の情報を受け取ると、サーバ5の炊飯コース情報提供部88は、スマートフォン6-1からの炊飯設定の情報を全炊飯コース情報記憶部93に記憶する全ての炊飯コース情報と照らし合わせ、該当する炊飯コース情報を抽出して炊飯器1に送信する。
【0098】
サーバ5からの炊飯コース情報を受け取ると、炊飯器1の表示制御手段63は、Wi-Fiマークの工程LED表示部を点灯させるようにLED表示部27を制御し、また炊飯情報受信画面G7を表示するようにLCD26を制御する。図13(A)を参照して炊飯情報受信画面G7を説明すると、その上部に、「「IoLIFEアプリ」からの情報を受信しました」なるテキスト表示体D71が表示される。そしてテキスト表示体D71の下には、「キャンセル」なるテキスト表示体D72を含むボタン表示体B72と、「OK」なるテキスト表示体D73を含むボタン表示体B73と、が左右に並べて表示される。
【0099】
「キャンセル」のボタン表示体B72は、サーバ5から送信された炊飯コース情報をトップ画面G1に反映させずに、一つ前の画面であるトップ画面G1に戻る際に操作されるもので、「キャンセル」のボタン表示体B44をタッチ操作すると、例えば図4に示されるように、表示制御部79が、サーバ5から送信された炊飯コース情報を破棄して、現在、記憶手段58に記憶された炊飯コースの設定を表示したトップ画面G1に戻るように表示手段71を制御する。
【0100】
「OK」のボタン表示体B73は、サーバ5から送信された炊飯コース情報をトップ画面G1に反映させずに、一つ前の画面であるトップ画面G1に戻る際に操作されるもので、「OK」のボタン表示体B73をタッチ操作すると、例えば図13(B)に示されるように、表示制御部79が、サーバ5から送信された炊飯コース情報の設定、すなわちスマートフォン6-1から送信された炊飯設定表示体の炊飯設定の情報を表示したトップ画面G1に移行するように表示手段71を制御する。
【0101】
ここでトップ画面G1の「炊飯スタート」のボタン表示体B17をタッチ操作すると、条件設定手段64が、現在、炊飯情報表示領域A2に表示されたお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定、すなわちスマートフォン6-1から送信された炊飯設定表示体の炊飯設定の情報を今回の炊飯コースの設定として記憶手段58に記憶して、加熱制御手段51にこの炊飯コースの設定を送信する。この炊飯コースの設定を受け取ると、加熱制御手段51の炊飯制御手段61は、その設定した炊飯コースの加熱パターンに沿って、鍋14内の被炊飯物Sに対する炊飯工程である、ひたし炊き工程、沸騰加熱工程、沸騰継続工程、むらし工程の各炊飯動作を行なう。このようにしてスマートフォン6-1において炊飯履歴画面G2やお気に入り画面G3から選択された炊飯設定表示体の炊飯設定の情報を炊飯器1に送信して、今回の炊飯コースの設定として使用することができる。
【0102】
その後、炊飯工程終了後に保温工程に移行し、ユーザが「切」のボタン表示体B22をタッチ操作すると、保温制御手段62が保温工程を中止して切状態にする制御を行なう。また条件設定手段は、炊飯工程が完了したものと判定し、記憶手段58に記憶された今回の炊飯コースの設定を今回の炊飯設定として送受信手段59によりサーバ5に送信する。そしてサーバ5がこの炊飯コースの設定の情報である炊飯コース情報を受け取ると、炊飯履歴情報提供部89は、この炊飯コース情報を炊飯履歴として炊飯履歴記憶部94に記憶させる。その後、炊飯履歴情報提供部89は、スマートフォン6-1に送信するときに、当該炊飯履歴を反映させた炊飯器1の過去の炊飯設定を併せてスマートフォン6-1に送信するように通信モジュール83を制御する。
【0103】
以上のように、本実施形態の炊飯システム100では、炊飯器1と、サーバ5を介して炊飯器1と通信可能な情報端末6としてのスマートフォン6-1と、を備え、スマートフォン6-1は、炊飯器1の過去の炊飯で使用した炊飯の設定である炊飯設定の履歴としての炊飯履歴表示領域A4に表示される炊飯設定選択用表示体B35-1,B35-2・・・を選択可能に表示する炊飯履歴表示手段としての炊飯履歴画面G2と、お気に入りとして個別に登録された炊飯設定としての炊飯設定選択用表示体B35-11,B35-12・・・を選択可能に表示するお気に入り表示手段としてのお気に入り画面G3と、を有し、炊飯履歴画面G2またはお気に入り画面G3で炊飯設定選択用表示体を選択し、送信操作を行うことにより、当該炊飯設定選択用表示体の炊飯コース情報を受信した炊飯器1の炊飯設定が可能であり、スマートフォン6-1は、炊飯履歴画面G2やお気に入り画面G3の炊飯設定画面表示領域A3の「炊飯履歴」のタブ表示体B33や「お気に入り」のタブ表示体B34を選択操作することにより、炊飯履歴画面G2とお気に入り画面G3とを一回の操作で変更可能である構成としている。
【0104】
このように構成することにより、炊飯履歴画面G2とお気に入り画面G3の両画面を使用して、炊飯器1に送信する炊飯設定の情報としての炊飯設定選択用表示体をより簡単に選択することができる。
【0105】
また本実施形態のお気に入り画面G3に表示される炊飯設定選択用表示体B35-11,B35-12・・・は、炊飯設定としての炊飯コースの設定が表示された炊飯設定表示体D35-11,D35-12・・・と共に当該炊飯設定表示体D35-11,D35-12・・・の名称としての名称表示体D36-11,D36-12・・・が登録され、当該登録後もお気に入り登録画面G4で名称表示体D36-11,D36-12・・・の記載を変更可能である構成としている。そのため、炊飯設定選択用表示体を一旦お気に入り登録しても名称表示体の編集ができ、ユーザが好みの名称に分かりやすく編集することができる。
【0106】
また本実施形態の炊飯器1は、炊飯工程が終了し、保温工程に移行して「切」のボタン表示体B22を操作された炊飯完了時に炊飯履歴として、記憶手段58に記憶された今回の炊飯コースの設定を残し、送受信手段59によりサーバ5に送信する構成としている。そのため、過去の炊飯コースの設定である炊飯履歴を自動的に残すことができ、利便性が向上する。
【0107】
また本実施形態の個別に登録された炊飯設定としての炊飯設定選択用表示体B35-11,B35-12・・・は、炊飯履歴表示領域A4に表示される炊飯設定の履歴としての炊飯履歴表示領域A4に表示される炊飯設定選択用表示体B35-1,B35-2・・・を登録可能である構成としている。そのため、所定数しか保持されず、の所定数を超えると古いものから順に消去される炊飯設定選択用表示体B35-1,B35-2・・・の所望の炊飯コース情報をお気に入りとして残すことができ、利便性が向上する。
【0108】
また本実施形態の炊飯器1は、複数の情報端末6としてのスマートフォン6-1,6-2やタブレット端末6-3とサーバ5を介して通信可能であり、スマートフォン6-1,6-2やタブレット端末6-3において、炊飯履歴画面G2には、すべての情報端末6で同一の炊飯履歴としての炊飯設定選択用表示体B35-1,B35-2・・・が表示され、お気に入り画面G3には、それぞれの情報端末6で個別に登録された炊飯設定としての炊飯設定選択用表示体B35-11,B35-12・・・が表示される構成としている。
【0109】
このように構成することにより、複数の情報端末6のどの端末でも炊飯器1の炊飯履歴を確認することができ、利便性が向上する。また、それぞれのユーザの所有する情報端末6ごとに個別に登録された炊飯設定を登録可能であるため、ユーザごとに所望のお気に入りの炊飯設定を登録することができ、利便性がさらに向上する。
【0110】
また本実施形態の炊飯器1は、スマートフォン6-1,6-2やタブレット端末6-3で個別に登録された炊飯設定としての炊飯コース情報を、サーバ5のお気に入り情報提供部90により受信して表示手段28に選択可能に表示するように構成するお気に入り設定選択画面を有してもよく、また、このお気に入り設定選択画面は、炊飯器1のトップ画面G1や、お米選択画面や、炊き方選択画面や、かたさ選択画面や、水硬度選択画面のそれぞれの炊飯の設定画面から移行可能であってもよい。このように構成することにより、炊飯器1でも、スマートフォン6-1,6-2やタブレット端末6-3で個別に登録された炊飯設定を選択可能となり、利便性が向上する。
【0111】
また本実施形態のアプリケーションなどのプログラムでは、炊飯器1と、サーバ5を介して通信可能な情報端末6のコンピュータとしてのマイクロコンピュータを、炊飯器1の過去の炊飯で使用した炊飯設定選択用表示体B35-1,B35-2・・・を選択可能に表示する炊飯履歴表示手段としての炊飯履歴画面G2、お気に入りとして個別に登録された炊飯設定選択用表示体B35-11,B35-12・・・を選択可能に表示するお気に入り表示手段としてのお気に入り画面G3、炊飯履歴画面G2またはお気に入り画面G3により炊飯設定選択用表示体が選択されることにより、炊飯器1の炊飯コースの炊飯設定を指示する炊飯指示手段としての炊飯設定送信画面G6の「炊飯コースを送信」のボタン表示体B63、「炊飯履歴」のタブ表示体B33や「お気に入り」のタブ表示体B34がタッチ操作されるという一回の操作を受け付けることにより、炊飯履歴画面G2とお気に入り画面G3とを変更する表示変更手段としての炊飯設定画面表示領域A3、として機能させる構成としている。
【0112】
このように構成することにより、炊飯履歴画面G2とお気に入り画面G3の両画面を使用して、炊飯器1に送信する炊飯設定の情報としての炊飯設定選択用表示体をより簡単に選択することができる。
【0113】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば実施形態中で例示した数値などはあくまでも一例にすぎず、炊飯器の仕様などに応じて適宜変更してかまわない。
【符号の説明】
【0114】
1 炊飯器
6 情報端末
6-1 スマートフォン(複数の情報端末)
6-2 スマートフォン(複数の情報端末)
6-3 タブレット端末(複数の情報端末)
100 炊飯システム
B35-1,B35-2 炊飯設定選択用表示体(炊飯設定の履歴)
B35-11,B35-12 炊飯設定選択用表示体(個別に登録された炊飯設定)
D35-11,D35-12 名称表示体(名称)
G2 炊飯履歴画面
G3 お気に入り画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13