(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150998
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】シャンプー組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20241017BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
A61K8/44
A61Q5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064097
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】306018376
【氏名又は名称】クラシエ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】内田 浩行
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA032
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB332
4C083AC122
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC392
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC541
4C083AC642
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC712
4C083AD132
4C083AD212
4C083AD352
4C083AD412
4C083AD532
4C083BB04
4C083CC38
4C083DD02
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE09
(57)【要約】
【課題】
アミノ酸系基剤を用い不透明化剤を含有するシャンプーにおいて、発がん性物質を生成するおそれのある3級アミド構造を有するノニオン性界面活性剤を使用せずに、適度な粘性を有し、外観が経時的に分離することがなく長期安定性に優れたシャンプー組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】
3級アミド型ノニオン活性剤を含有しないシャンプー組成物であって、
下記(A)、(B)、(C)を含有し、30±2℃におけるシャンプー組成物の比重値が1.02~1.04であるシャンプー組成物により上記課題を解決する。
(A)アシルアミノ酸系アニオン性活性剤
(B)ノニオン性活性剤
(C)不透明化剤
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3級アミド型ノニオン活性剤を含有しないシャンプー組成物であって、
下記(A)、(B)、(C)を含有し、30±2℃におけるシャンプー組成物の比重値が1.02~1.04であるシャンプー組成物。
(A)アシルアミノ酸系アニオン性活性剤
(B)ノニオン性活性剤
(C)不透明化剤
【請求項2】
シャンプー組成物全体に対し、下記配合量である請求項1に記載のシャンプー組成物。
(A)アシルアミノ酸系アニオン性活性剤 2~25重量%
(B)ノニオン性活性剤 1~4重量%
(C)不透明化剤 0.5重量%以上
【請求項3】
pHが5.1~6.0である請求項1又は2に記載のシャンプー組成物。
【請求項4】
3級アミド型ノニオン活性剤を含有しないシャンプー組成物であって、
下記(A)、(B)、(C)を含有し、
30±2℃における組成物の比重値を1.02~1.04に調製し、かつ
pHを5.1~6.0に調製する
ことを特徴とするシャンプー組成物の長期安定性向上方法。
(A)アシルアミノ酸系アニオン性活性剤
(B)ノニオン性活性剤
(C)不透明化剤
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明者等は、3級アミド型ノニオン活性剤を配合することなく、(A)アシルアミノ酸系アニオン性活性剤、(B)ノニオン性活性剤、(C)不透明化剤を含有する、長期安定性に優れるシャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、ファッションとしてヘアスタイルや髪の色を楽しむようになり、ヘアカラーやパーマを行うことは日常的になっている。ヘアカラーやパーマなどによって毛髪はダメージを受け、シャンプー時に髪が絡まったり、すすぎ時に指通りが悪くギシギシとした感触となったり、洗髪後のタオルドライの時にも髪が絡まるなどシャンプー使用感の向上が求められている。このことに対してシャンプーの使用感を向上させることから、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩を主剤とするシャンプー製剤のみならず、アシルアミノ酸系アニオン性活性剤を主剤とするシャンプー製剤が主流になりつつある。
【0003】
しかしながら、アシルアミノ酸系アニオン性活性剤を配合すると、シャンプー製剤自体の粘度が低下してしまうという問題がある。シャンプー製剤の粘度が低下することで、シャンプー製剤自体の長期安定性が悪化し、製造後室温下にて3年間の品質保証を担保できなくなってしまう。そのためシャンプー製剤には適度な粘性を持たせる必要がある。シャンプー製剤に適度な粘度を持たせるために、3級アミド構造を有するノニオン性活性剤のような増粘剤を配合することが一般的となっている(特許文献1)。
【0004】
またシャンプー製剤においては、使用感などの性能面に加え、高級感を演出する目的で、不透明化剤(別称:光沢剤、パール化剤、パール付与剤)を配合する外観が不透明なシャンプー製剤が一般的となっている。外観が不透明であるシャンプー製剤においては、室温において変化が起きないこととして、製剤の外観が長期において一定であること(分離が発生しないこと)が求められる。
【0005】
不透明化剤をシャンプーに配合することで、シャンプーの外観を不透明にすることが可能になる。一方で不透明化剤はシャンプーの長期安定性に影響を与えることがあり、長期保管時に、2層以上に分離することがある。不透明化剤としては、油性の成分が主流となっている(特許文献2)。そのため単純に配合するだけでは水と混ざりにくく分離しやすい状況になる。シャンプー製剤に増粘作用のある成分を配合することで、製剤自体に粘性を付与し分離することを抑制することが一般的である。特にアミノ酸系シャンプーにおいては、ジエタノールアミド型ノニオン活性剤のような3級アミド構造を有する成分が多岐にわたって使用されている。
【0006】
しかしながら、3級アミン構造を有するジエタノールアミド型ノニオン活性剤等は、発がん性物質であるニトロソアミンを生成する可能性が懸念されている。そのため近年では3級アミド構造である脂肪酸ジエタノールアミド型ノニオン活性剤等以外の増粘作用のある成分が見出されている(特許文献3)。
【0007】
特許文献3におけるポリエチレングリコールのモノまたはジエステル成分による増粘作用は、シャンプー製剤を増粘させるうえで優れる成分であるが、単純に配合するだけでは叶えられない点がある。不透明化剤を配合するシャンプー製剤において、長期にわたって分離することなく外観が安定であるためには、特定の配合量であり、かつ組成物自体が特定の比重値であることが必要であった。また、シャンプーとしての使用感(洗髪時のきしみ軽減感)を優れた製剤にするために、特定の配合量にすることが必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10-183176号公報
【特許文献2】WO2014/208162号公報
【特許文献3】特開2002-265993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、アミノ酸系基剤を用い不透明化剤を含有するシャンプーにおいて、発がん性物質を生成するおそれのある3級アミド構造を有するノニオン性界面活性剤を使用せずに、適度な粘性を有し、外観が経時的に分離することがなく長期安定性に優れたシャンプー組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、3級アミド型ノニオン活性剤を含有しないシャンプー組成物において、(A)アシルアミノ酸系アニオン性活性剤、(B)ノニオン性活性剤、(C)不透明化剤を含有し、30±2℃におけるシャンプー組成物の比重値を1.02~1.04に調製することで、長期安定性に優れたシャンプー組成物を提供することができることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、
[1]
3級アミド型ノニオン活性剤を含有しないシャンプー組成物であって、
下記(A)、(B)、(C)を含有し、30±2℃におけるシャンプー組成物の比重値が1.02~1.04であるシャンプー組成物である。
(A)アシルアミノ酸系アニオン性活性剤
(B)ノニオン性活性剤
(C)不透明化剤
[2]
シャンプー組成物全体に対し、下記配合量である[1]に記載のシャンプー組成物である。
(A)アシルアミノ酸系アニオン性活性剤 2~25重量%
(B)3級アミド構造を有さないノニオン性活性剤 1~4重量%
(C)不透明化剤 0.5重量%以上
[3]
pHが5.0~6.0である[1]又は[2]に記載のシャンプー組成物である。
【0012】
[4]
3級アミド型ノニオン活性剤を含有しないシャンプー組成物であって、
下記(A)、(B)、(C)を含有し、30±2℃における組成物の比重値を1.02~1.04に調製し、かつpHを5.1~6.0に調製することを特徴とするシャンプー組成物の長期安定性向上方法である。
(A)アシルアミノ酸系アニオン性活性剤
(B)ノニオン性活性剤
(C)不透明化剤。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、アミノ酸系基剤を用い不透明化剤を含有するシャンプーにおいて、発がん性物質を生成するおそれのある3級アミド構造を有するノニオン性界面活性剤を使用せ
ずに、適度な粘性を有し、外観が経時的に分離することがなく長期安定性に優れ、さらにはシャンプー製剤としての使用感観点である、洗髪時のきしみ感軽減感に優れるシャンプー組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
本発明において、長期安定性とは、シャンプー組成物が、経時的に水性成分と油性成分に分離しないことをいう。
【0016】
<(A)アシルアミノ酸系アニオン性活性剤>
本発明に配合される(A)成分は、アシルアミノ酸系アニオン性活性剤である。(A)は洗髪時のきしみ軽減感を付与するために加えられる。(A)成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、ラウロイルサルコシンTEA、ラウロイルサルコシンNa、ココイルグルタミン酸TEA、ココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸2Na、ラウロイルメチルアラニンNa、ラウロイルヒドロキシエチルβアラニンNa、ココイルトレオニンNa、ココイルメチルタウリンNa、ラウロイルアスパラギン酸Na、ラウロイルアスパラギン酸TEA等が挙げられる。
【0017】
これらの中でも、特に洗髪時のきしみ軽減感を与えられるという観点から、ラウロイルサルコシンTEA、ココイルグルタミン酸TEA、ココイルメチルタウリンNaを用いることが好ましい。本発明のシャンプー組成物において、(A)はこれらのうちの1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
(A)の配合量は、本発明の効果を発揮できる限りにおいて特に限定されるものではないが、本発明のシャンプー組成物全体に対して、2~25重量%であることが好ましい。2重量%以上であればと、シャンプーを定法にて製造する際に油性成分の不透明化剤を十分に溶解でき、長期安定性が良好となる。25重量%以下であれば、アニオン活性剤量が適量で油性成分系の不透明化剤を溶解する可溶化力が適度で不透明な外観へ悪影響を与えない。
【0019】
<(B)ノニオン性界面活性剤>
本発明に配合される(B)成分は、3級アミド構造を有さないノニオン性界面活性剤である。(B)はシャンプー組成物への増粘性を向上させるために加えられる。ノニオン活性剤は特に限定されるものではないが、これらの中でも、シャンプー組成物への増粘性、長期案定性が優れるという観点から、一般式(1)のノニオン性活性剤やコカミドモノエタノールアミド、ラウラミドモノイソプロパーノールアミドなどが好ましい。本発明のシャンプー組成物において、成分(B)はこれらのうちの1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一般式(1) RO(C2H4O)nOH
R=C10~C16のアルキル基、n=1~3
【0020】
シャンプー組成物への増粘性、長期案定性が優れるという観点から、一般式(1)のノニオン性活性剤において、はR=C12のアルキル基、n=2を用いることが好ましい。
【0021】
一般式(1)成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、ラウリン酸PEG―2が挙げられる。
【0022】
(B)の配合量は、本発明の効果を発揮できる限りにおいて特に限定されるものではないが、本発明のシャンプー組成物全体に対して、1~4重量%であることが好ましい。より好ましくは1~3%である。1重量%以上であれば、組成物に1000mPa・s以上の粘度を与えることができる。一方、4重量%以下であれば、長期安定性が良好で、さらに油性感が強くなりすぎず洗髪時のきしみ軽減感が良好である。
【0023】
<(C)不透明化剤>
本発明に配合される(C)成分は、不透明化剤である。不透明化剤は、別称として「光沢剤」、「パール化剤」、「パール付与剤」などと称することもある。本発明のシャンプー組成物に配合される成分(C)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール又はトリエチレングリコールのステアリン酸エステルが好ましい。具体的には、ヒドロキシステアレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、ステアリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールステアレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】
これらの中でも、長期安定性の観点から、エチレングリコールジステアレートが特に好ましい。
【0025】
(C)の配合量は、本発明の効果を発揮できる限りにおいて特に限定されるものではないが、0.5重量%以上であることが好ましく、2.5重量%以下であればさらに好ましい。0.5重量%以上であれば外観の不透明具合が良好で、2.5重量%以下であれば粘度が高くなりすぎない。
【0026】
<比重の調製>
本発明においては、シャンプー組成物の比重値を1.02~1.04に調製することが重要である。比重値が1.02以上1.04以下であれば、シャンプー組成物が分離することなく長期安定性が良好である。これは使用する成分によって異なるが、本発明に置いて使用する(C)成分自体の比重と最終組成物自体の比重差を少なくすることで、長期的に安定な状態を保てると考えられる。よって、シャンプー組成物が水性成分と油性成分に分離されるのを抑制するものと推察される。
【0027】
このシャンプー組成物の比重の調製方法は、組成物全体に対して、無機塩で調整することが好ましい。無機塩においても、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウムによって実施することが好ましい。
【0028】
比重の測定方法は、浮秤の測定器具を用いて測定する。測定する組成物を30±2℃の温度下にて2日間静置し、組成物の温度を一定にする。その後浮秤を液面に浮かべ、1日間30±2℃の温度下に静置する。その後、浮秤の液面に該当する数値を記録して測定する。
【0029】
<pHの調製>
本発明においては、シャンプー組成物のpHを5.1~6.0にすることが好ましい。より好ましくは、5.1~5.7である。pHが5.1以上であれば、組成物が10℃以下の低温度下にて、外観に白点が生じることがない。また、pHが6.0以下であれば、増粘性能が極端に低下することなく長期安定性が良好である。
【0030】
このシャンプー組成物のpHの調製方法は、組成物に対し、有機酸成分を添加して調整することが一般的である。有機酸においても、グルタミン酸、乳酸、サリチル酸、クエン
酸等で実施することが好ましい。特に好ましくはクエン酸によって実施することが好ましい。
【0031】
pHの測定方法は、堀場社のガラス電極式pHメーターを用いて測定する。定法によって作ったシャンプー製剤を30±2℃に2日間静置し、製剤の温度を一定にする。その後pHを測定する。
【0032】
<粘度>
シャンプー組成物の粘度は、30℃にて1000~7000mPa・sの粘稠液であることが好ましい。30℃における粘度が1000mPa以上7000以下であれば、シャンプー製剤自体の粘度が高すぎることなく、水との混ざりが良好で、泡立ち等の使用感が良好となる。1000mPa・sよりも低い場合は、粘度が低いことから長期安定性が悪化する。7000mPa・sよりも高い場合は、水との混ざりが悪く泡立ちが遅くなり使用感に悪影響を与える。
【0033】
<その他の成分>
本発明のシャンプー組成物は、前記の必須成分に加えて必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧料に使用されている任意の成分を使用することが可能である。これらの成分としては、アニオン活性剤、両性活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、油分、紫外線吸収剤、防腐剤、保湿剤、ポリマー類、アミノ酸誘導体、糖誘導体、香料、水、アルコール、増粘剤、色剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、薬剤等が挙げられる。
【0034】
<シャンプー剤組成物>
本発明のシャンプー組成物の剤型は任意であり、粘稠液、ゲル状とすることが可能である。
【実施例0035】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。実施例に先立ち、各実施例及び比較例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0036】
(1)30℃における粘度の評価
下記の表1、表2に記載の配合組成よりなるシャンプー組成物を調製し、その粘度を下記の方法により評価した。
(粘度の測定)30℃における粘度を、B型粘度計(ブルックフィールド社製)を用い、ローターNo.2又はNo.3、回転数12rpmで30秒後の粘度を測定した。1000mPa以上7000以下であれば○、それ以外であれば△とした。
【0037】
(2)長期安定性評価
化粧品では製造後3年間品質担保することが求められる。しかしながら3年間の安定性を全て測定するには、多大な時間を要してしまう。そのため、製剤を特定の温度下で長期感保管することで、3年に換算した加速試験を行う。今回は長期安定性の評価方法として、45℃の温度下に3ヵ月保管する。その3ヵ月経過後の製剤について、均一に不透明なパール外観だった状況から、2層以上に分離が発生しているかを確認する。「分離なし(〇)」、「分離している(×)」の2択にて評価する。もちろん、品質担保の観点から本試験結果にて「分離なし」であることが好ましい。
【0038】
(3)シャンプー組成物の使用感評価
男女被験者10名を用いて、本シャンプー組成物を用いて、シャンプーを行い、洗髪時
のきしみ軽減感を判定した。評点は下記のように分類し、平均値を算出した。
【0039】
<洗髪時のきしみ軽減感評価>
きしみ軽減感が非常に高い ・・・ 4点
きしみ軽減感がやや高い ・・・ 3点
きしみ軽減感がやや低い ・・・ 2点
きしみ軽減感が低い ・・・ 1点
【0040】
また、評価の基準を次のように設定した。
◎ ・・・ 平均値が3.0点以上
○ ・・・ 平均値が2.5点以上3.0点未満
△ ・・・ 平均値が2.0点以上2.5点未満
× ・・・ 平均値が2.0点未満
【0041】
実施例1~12、比較例1~9
表1、2に示す処方のシャンプー組成物を常法に従って作成し、前記の諸試験を実施して評価を行った。その結果を併せて表1に示す。
【0042】
【0043】
【0044】
表1、2より明らかなように、本発明の成分を用いた実施例1~12の組成物は比較例1~9の組成物に比べていずれも優れた性能を見出した。
【0045】
以下、本発明のシャンプー組成物のその他の処方例を実施例として挙げる。なお、これらの実施例のシャンプー組成物についても、上記の低温安定性、30℃における粘度、洗髪時のきしみ感軽減、長期安定性などの各項目を検討したところ、いずれの実施例においても、優れた特性を有しており良好であった。
【0046】
実施例13 シャンプー (重量%)
(1)ラウロイルサルコシンTEA 4.0
(2)ココイルグルタミン酸TEA 3.0
(3)ココイルメチルタウリンNa 7.0
(4)パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン 5.0
(5)ラウリン酸PEG-2 1.5
(6)コカミドMEA 1.3
(7)塩化Na 1.1
(8)ポリクオタニウム-10 0.1
(9)ミリスチン酸 0.1
(10)ジステアリン酸グリコール 2.0
(11)ポリクオタニウム-49 0.1
(12)グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド 0.3
(13)ポリクオタニウム-7 0.1
(14)BG 0.1
(15)ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル 1.0
(16)ヒマワリ種子油 0.1
(17)サッカロミセス/ヒマワリ芽発酵エキス 0.1
(18)ヒマワリ種子エキス 0.1
(19)ヒマワリ花エキス 0.1
(20)カラメル 0.01
(21)クエン酸 0.4
(22)香料 1.0
(23)EDTA-2Na 0.2
(24)安息香酸Na 0.5
(25)水 残差
粘度:3000mPa・s、pH:5.3、比重:1.03
【0047】
実施例14 シャンプー (重量%)
(1)ラウロイルサルコシンTEA 6.0
(2)ラウロイルメチルアラニンNa 2.0
(3)ラウラミドプロピルベタイン 2.0
(4)コカミドプロピルベタイン 2.0
(5)ラウリン酸PEG-2 0.2
(6)ジステアリン酸グルコール 1.0
(7)ポリクオタニウム-10 0.2
(8)ポリクオタニウム-22 0.1
(9)BG 0.1
(10)コメヌカエキス 0.1
(11)ムクロジエキス 0.1
(12)カワラナデシコ種子エキス 0.1
(13)ヒオウギエキス 0.1
(14)ツバキ種子エキス 0.1
(15)グリコシルトレハロース 0.1
(16)酒粕エキス 0.1
(17)コムラサキ果実エキス 0.1
(18)チャ種子油 0.1
(19)カラメル 0.01
(20)クエン酸 0.2
(21)香料 1.0
(22)コメ胚芽油 1.0
(23)塩化Na 0.8
(24)コメヌカ油 0.1
(25)EDTA-2Na 0.2
(26)安息香酸Na 0.5
(27)水 残差
粘度:2000mPa・s、pH:5.40、比重:1.03
【0048】
実施例15 シャンプー (重量%)
(1)ラウロイルメチルアラニンNa 5.0
(2)ラウロイルヒドロキシエチルβアラニンNa 5.0
(3)パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン 4.0
(4)ラウラミドMIPA 0.5
(5)ラウリン酸PEG-2 1.5
(6)ジステアリン酸グルコール 1.0
(7)ポリクオタニウム-10 0.2
(8)ポリクオタニウム-49 0.1
(9)BG 0.1
(10)グリチルリチン酸2K 0.1
(11)ラクトフェリン 0.1
(12)ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル 1.1
(13)塩化Na 0.1
(14)クエン酸 0.6
(15)ココアンホ酢酸Na 0.3
(16)シア脂 0.1
(17)乳酸桿菌/乳発酵液 0.1
(18)香料 1.0
(19)EDTA-2Na 0.2
(20)安息香酸Na 0.5
(21)水 残差
粘度:2000mPa・s、pH:5.6、比重:1.027
【0049】
常法により上記組成のシャンプーを調製し、30℃における粘度、低温安定性、洗髪時のきしみ軽減感を評価したところ、いずれの特性も優れており良好な結果を得た。
【0050】
本発明のシャンプー組成物は、30℃における粘度、低温安定性、洗髪時のきしみ軽減感、長期安定性性に優れた特性を有し、シャンプー組成物としてきわめて有用である。