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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151014
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】縦型ブラインド
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/36 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
E06B9/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064120
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤荻 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】堀内 和哉
(57)【要約】
【課題】複数の装置サイズに対して、同一の部品で操作部材の位置をヘッドレールの端部に保持することができる技術を提供する。
【解決手段】ヘッドレール2の長手方向に沿って移動可能な複数のルーバーを備える縦型ブラインド1であって、長手方向に沿って移動可能に構成され、複数のルーバー220A,220Bを長手方向に沿って移動させる操作キャリア230と、操作キャリア230に吊り下げられた操作バトン240と、ヘッドレール2の長手方向一端部に設けられ、操作キャリア230の一部または操作バトン240の一部を長手方向に異なる複数の位置で保持するエンドキャップ3とを備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドレールの長手方向に沿って移動可能な複数のルーバーを備える縦型ブラインドであって、
前記長手方向に沿って移動可能に構成され、前記複数のルーバーを前記長手方向に沿って移動させる操作キャリアと、
前記操作キャリアに吊り下げられた操作部材と、
前記ヘッドレールの長手方向一端部に設けられ、前記操作キャリアの一部または前記操作部材の一部を前記長手方向に異なる複数の位置で保持する保持部材と
を備える縦型ブラインド。
【請求項2】
前記保持部材は、前記ヘッドレールの長手方向一端部に設けられる基部と、該基部から前記長手方向内方側に突出し、前記操作キャリアの一部または前記操作部材の一部を前記長手方向に異なる複数の位置で保持する保持部が先端に形成される突出片とを備えることを特徴とする請求項1に記載の縦型ブラインド。
【請求項3】
前記保持部は、前記操作キャリアの一部または前記操作部材の一部を前記長手方向に異なる複数の位置で挟持する一対の腕部を有することを特徴とする請求項2に記載の縦型ブラインド。
【請求項4】
前記突出片は、前記保持部が前記長手方向に異なる複数の位置に位置付けられるように前記基部に装着されることを特徴とする請求項2に記載の縦型ブラインド。
【請求項5】
前記操作キャリアは、前記操作部材と連結され、回転可能に構成された軸部を有し、前記操作部材は前記軸部に連結された長尺部材であり、
前記保持部は、前記軸部または前記操作部材を回転可能に保持することを特徴とする請求項2~請求項4のいずれか一項に記載の縦型ブラインド。
【請求項6】
前記複数のルーバーの少なくとも一部に前記軸部の回転力を伝達可能であり、軸方向が前記長手方向を向く駆動軸を更に備え、
前記保持部材は、前記駆動軸を前記ヘッドレールに支持するように前記操作キャリアと前記ヘッドレールの一端部との間に設けられるロッドサポートの数に応じて前記長手方向に異なる複数の位置で前記軸部または前記操作部材を回転可能に保持することを特徴とする請求項5に記載の縦型ブラインド。
【請求項7】
前記ヘッドレールの長手方向一端部は開口されており、
前記基部は、前記ヘッドレールの開口を閉塞可能に形成されるとともに、前記ヘッドレールの長手方向一端部に着脱可能に形成されることを特徴とする請求項2に記載の縦型ブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、複数のルーバーを備える縦型ブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の縦型ブラインドとして、特許文献1に示されるものが知られている。この縦型ブラインドは、ヘッドレール内を移動可能な複数のキャリアを備えており、最も端部に配置されるマスターキャリアには操作部材が吊り下げられ、マスターキャリア以外のキャリアにはルーバーが吊り下げられる。また、この縦型ブラインドは、操作部材の回転操作を介してルーバーを鉛直軸周りに回転動作させるための駆動軸を含む駆動機構を備えている。この駆動機構によれば、操作部材の移動操作によりルーバーを左右方向に開閉させ、操作部材の回転操作によりルーバーを鉛直軸周りに回転させることができる。
【0003】
ところで、この種の縦型ブラインドでは、装置サイズが大きくなるにつれてルーバーの左右方向の開閉操作時に駆動軸の撓みが生じやすくなるため、マスターキャリアとヘッドレールの端部に設けられるエンドキャップとの間に、駆動軸のヘッドレールへの支持を補助するロッドサポートを設けることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-185493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、操作部材の位置をヘッドレールの端部に保持するために、エンドキャップがマスターキャリアの一部を保持できる仕様の縦型ブラインドにおいては、ロッドサポートの数を増やしてマスターキャリアとエンドキャップとの距離が大きくなると、エンドキャップがマスターキャリアの一部を保持できなくなってしまう。このため、ロッドサポートの数に応じた異なる仕様のエンドキャップを複数用意しなければならなかった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、複数の装置サイズに対して、同一の部品で操作部材の位置をヘッドレールの端部に保持することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様は、ヘッドレールの長手方向に沿って移動可能な複数のルーバーを備える縦型ブラインドであって、前記長手方向に沿って移動可能に構成され、前記複数のルーバーを前記長手方向に沿って移動させる操作キャリアと、前記操作キャリアに吊り下げられた操作部材と、前記ヘッドレールの長手方向一端部に設けられ、前記操作キャリアの一部または前記操作部材の一部を前記長手方向に異なる複数の位置で保持する保持部材とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の装置サイズに対して、同一の部品で操作部材の位置をヘッドレールの端部に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る展開状態にある縦型ブラインドの構成を示す正面図である。
図2】第1実施形態に係る畳み込み状態にある縦型ブラインドの構成を示す正面図である。
図3】第1実施形態に係るヘッドレール内の構成を示す分解斜視図である。
図4】第1実施形態に係るヘッドレール内の構成を示す斜視図である。
図5】第1実施形態に係るエンドキャップの構成を示す斜視図である。
図6】第1実施形態に係るエンドキャップの構成を示す底面図である。
図7】第1実施形態に係る、第1保持状態にあるエンドキャップを示す正面図である。
図8】第1実施形態に係る、第1保持状態にあるエンドキャップを示す底面図である。
図9】第1実施形態に係る、第2保持状態にあるエンドキャップを示す正面図である。
図10】第1実施形態に係る、第2保持状態にあるエンドキャップを示す底面図である。
図11】第1比較例に係るエンドキャップの構成を示す底面図である。
図12】第2比較例に係るエンドキャップの構成を示す底面図である。
図13】第3比較例に係るエンドキャップの構成を示す底面図である。
図14】第2実施形態に係る第1保持状態にあるエンドキャップの構成を示す正面図である。
図15図14のA-A線断面図である。
図16図14のA-A線断面図に相当する第2保持状態におけるエンドキャップを示す図である。
図17】第3実施形態に係るエンドキャップの構成を示す分解斜視図である。
図18】第4実施形態に係るエンドキャップの構成を示す分解斜視図である。
図19】第4実施形態に係る第1装着状態にあるエンドキャップの構成を示す斜視図である。
図20】第4実施形態に係る第2装着状態にあるエンドキャップの構成を示す斜視図である。
図21】第5実施形態に係るエンドキャップの構成を示す分解斜視図である。
図22】第5実施形態に係る第1装着状態にあるエンドキャップの構成を示す斜視図である。
図23】第5実施形態に係る第2装着状態にあるエンドキャップの構成を示す斜視図である。
図24】第6実施形態に係るエンドキャップの構成を示す分解斜視図である。
図25】第6実施形態に係るエンドキャップの構成を示す側面図である。
図26図25のB-B線断面図である。
図27】第6実施形態に係る第1装着状態にあるエンドキャップの構成を示す斜視図である。
図28】第6実施形態に係る第2装着状態にあるエンドキャップの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態においては、縦型ブラインドが設けられた際の室内側の面を正面、室外側の面を背面、正面と背面とからなる方向を前後方向、前後方向及び上下方向に直交する方向を左右方向と称して説明を行う。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
<第1実施形態>
(縦型ブラインドの構成) 第1実施形態に係る縦型ブラインドの構成について説明する。図1図2は、それぞれ、本実施形態に係る展開状態、畳み込み状態にある縦型ブラインドの構成を示す正面図である。図3は、本実施形態に係るヘッドレール内の構成を示す分解斜視図である。図4は、本実施形態に係るヘッドレール内の構成を示す斜視図である。なお、図4は、ヘッドレールを透過し、底面側から見たヘッドレール内の構成を示す。
【0012】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る縦型ブラインド1は、ヘッドレール2、複数の第1キャリア210A、複数の第2キャリア210B、複数の第1ルーバー220A、複数の第2ルーバー220B、2つのマスターキャリア200、2つの操作キャリア230、2つの操作バトン240、2つのスペーサ250、複数のロッドサポート260、チルトロッド290、2つのエンドキャップ3を備える。
【0013】
ヘッドレール2は、一方向に延在する長尺の略方形状に形成され、縦型ブラインド1の構成要素の一部を収容する内部空間を画成する。ヘッドレール2は、図示しない複数のブラケットを介して、その長手方向が左右方向を向くように室内の窓面などに設置される。ヘッドレール2の内部空間には、複数の第1キャリア210A、複数の第2キャリア210B、2つのマスターキャリア200、2つの操作キャリア230、2つのスペーサ250、複数のロッドサポート260、チルトロッド290が収容される。
【0014】
ヘッドレール2の内部空間は、収容された複数の第1キャリア210A、複数の第2キャリア210B、2つのマスターキャリア200のそれぞれの一部が下方から外部に突出するように形成される。また、ヘッドレール2の内部空間は、長手方向両端部が開口されており、2つの開口は、2つのエンドキャップ3が取り付けられることによって閉塞される。
【0015】
チルトロッド290は、長尺に形成された駆動軸であり、軸方向に伸びる複数のスプライン溝が外周に形成される。チルトロッド290は、長手方向が左右方向を向くようにヘッドレール2内に回転可能に支持される。複数の第1キャリア210A、複数の第2キャリア210B、2つのマスターキャリア200、2つの操作キャリア230、複数のロッドサポート260は、左右方向、即ち軸方向に移動可能にチルトロッド290に軸支される。
【0016】
図1図3に示すように、操作キャリア230は、第1キャリア210A、第2キャリア210B、マスターキャリア200に対して左右方向外方側に位置するようにチルトロッド290に軸支される。図4に示すように、操作キャリア230は、その軸方向が上下方向を向き回転可能に設けられた軸部231と、軸部231の下端に設けられた被連結部232とを有する。操作キャリア230は、軸部231がヘッドレール2の底部から外部に露出するように設けられる。操作キャリア230は、軸部231の回転をチルトロッド290に伝達するように構成される。被連結部232は、略棒状に形成された操作バトン240の一端部に形成された連結部と連結可能に形成される。縦型ブラインド1の操作者は、操作バトン240の他端部を把持して操作バトン240を回転させることによって、軸部231を回転させる。
【0017】
マスターキャリア200は、第1キャリア210A、第2キャリア210Bに対して左右方向外方側に位置するようにチルトロッド290に軸支される。図3及び図4に示すように、マスターキャリア200は、第1ルーバー220Aを吊り下げ支持するとともに上下方向を向く軸周りに回転可能に設けられた軸部を有し、この軸部にチルトロッド290の回転を伝達可能に構成される。マスターキャリア200は、スペーサ250により左右方向に隣接する操作キャリア230と左右方向に所定距離の間隔を空けて連結される。
【0018】
第1キャリア210A及び第2キャリア210Bは、マスターキャリア200に対して左右方向内方側に位置するようにチルトロッド290に軸支される。第1キャリア210A及び第2キャリア210Bは、いずれも上下方向を向く軸周りに回転可能に設けられた軸部を有する。第1キャリア210Aは、その軸部にチルトロッド290の回転を伝達可能に構成され、第1キャリア210Aの軸部には第1ルーバー220Aが吊り下げ支持される。第2キャリア210Bは、その軸部に一回転方向を向く回転力を常時付勢するように構成され、第2キャリア210Bの軸部には第2ルーバー220Bが吊り下げ支持される。第1キャリア210Aと第2キャリア210Bは左右方向に交互に並ぶように配され、第2キャリア210Bはマスターキャリア200と隣接するように配される。
【0019】
第1ルーバー220A及び第2ルーバー220Bは、いずれも一方向に長尺な略板状に形成される。第1ルーバー220Aは、光透過性を有さない部材により形成され、一端部にマスターキャリア200、第1キャリア210Aのいずれかが吊り下げ支持するための孔が形成される。第2ルーバー220Bは、光透過性を有する部材、例えば半透明の部材により形成され、一端部に第2キャリア210Bが吊り下げ支持するための孔が形成される。マスターキャリア200、第1キャリア210A、第2キャリア210Bの配列によって、第1ルーバー220Aと第2ルーバー220Bは左右方向に交互に並ぶように配される。
【0020】
図1に示すように、2つの操作キャリア230が左右方向外方側端部に位置付けられることによって、縦型ブラインド1は、第1ルーバー220A及び第2ルーバー220Bが展開される展開状態に移行される。また、展開状態にある縦型ブラインド1において、操作バトン240が操作者によって回転されると、第1ルーバー220Aが上下方向を向く軸周りに回転する。この際、第2ルーバー220Bが隣接する2つの第1ルーバー220Aの間を閉塞するように付勢される。これによって、展開状態において、半透明の第2ルーバー220Bを介して室外からの採光量が調整される。なお、図1には、第1ルーバー220Aの短手方向端部が前後方向を向き、展開状態において採光量が最も大きくなる状態が示される。
【0021】
図2に示すように、2つの操作キャリア230の一方が左右方向内方側に移動されることによって、縦型ブラインド1は、2つのマスターキャリア200間の距離が最小となり、第1キャリア210Aと隣り合う第2キャリア210Bとが近接する畳み込み状態となる。この際、第2ルーバー220Bは、左右に隣接する2つの第1ルーバー220Aに挟まれることによって、付勢力に抗してその短手方向端部が前後方向を向く。畳み込み状態にある縦型ブラインド1においては、チルトロッド290の軸方向において荷重負荷が偏り、チルトロッド290が撓むこととなる。このようなチルトロッド290の撓みは、ロッドサポート260によって抑制される。
【0022】
図3に示すように、ロッドサポート260は、所定の厚みを有する略板状に形成され、操作キャリア230に対して左右方向外方側に位置するとともに、左右方向に移動可能にチルトロッド290に軸支される。また、ロッドサポート260は、ヘッドレール2に対して左右方向に移動可能且つ上下方向に移動不能に構成される。チルトロッド290には、操作キャリア230に取り付けられた永久磁石に吸着する永久磁石が取り付けられる。これによって、ロッドサポート260は、操作キャリア230の左右方向内方への移動に追従する。また、ロッドサポート260は、ヘッドレール2の内壁部に形成された係止部によって、所定の左右方向位置より内方側への移動が制限される。
【0023】
縦型ブラインド1が畳み込み状態にある場合に、一方の操作キャリア230とヘッドレール2の一方の端部との間でロッドサポート260がチルトロッド290を支持することによって、チルトロッド290の撓みが抑制される。より長いチルトロッド290ほどより多くの位置でチルトロッド290を支持する必要があるため、縦型ブラインド1に備えられるロッドサポート260の数は、縦型ブラインド1が設けられる窓面などの幅によって増減する。図1図4に示すように、本実施形態においては、両端部のそれぞれに2つのロッドサポート260が備えられている。一端部側に複数のロッドサポート260が備えられる場合、複数のロッドサポート260は、互いに異なる位置でヘッドレール2に係止されるように構成される。
【0024】
(エンドキャップの構成)
第1実施形態に係るエンドキャップの構成について説明する。図5図6は、それぞれ、本実施形態に係るエンドキャップの構成を示す斜視図、底面図である。図7図8は、それぞれ、第1保持状態にあるエンドキャップを示す正面図、底面図である。図9図10は、それぞれ、第2保持状態にあるエンドキャップを示す正面図、底面図である。
【0025】
図5図6に示すように、本実施形態に係るエンドキャップ3は、基部30と基部30と一体的に形成された突出片31とを備える。基部30は、ヘッドレール2の側部開口に嵌合可能に構成された全体として略板状の部材であり、嵌合された状態において側部開口を閉塞する。突出片31は、ヘッドレール2の側部開口に取り付けられた基部30の下端縁部から、ヘッドレール2の内部空間内の底部近傍に位置して左右方向内方側に突出する略板状の部材であり、その先端部に保持部311が形成される。
【0026】
保持部311は、エンドキャップ3がヘッドレール2に取り付けられた状態において、前後方向に互いに対向するように設けられた一対の腕部312を有し、一対の腕部312のそれぞれは左右方向内方に延在する。一対の腕部312は、少なくとも前後方向に撓む程度の可撓性を有する。
【0027】
一対の腕部312の間には、左右方向に互いに位置が異なる2つの把持部が形成される。2つの把持部のそれぞれは、円柱状に形成された操作キャリア230の軸部231の外周に形状合致する凹部として、一対の腕部312のそれぞれに形成される。2つの把持部のうち、左右方向内方側の把持部は、一対の腕部312のそれぞれにおいて互いに対向する円弧状の2つの凹部によって形成される。また、左右方向外方側の把持部は、一対の腕部312のそれぞれにおいて互いに対向する円弧状の2つの凹部と、これら2つの凹部を接続するように一対の腕部312の間に形成された凹部とによって形成される。
【0028】
ヘッドレール2の一端部に1つのみのロッドサポート260が備えられる縦型ブラインド1において、操作者が操作バトン240を介して操作キャリア230の軸部231を保持部311における左右方向外方側の把持部まで移動させることによって、図7及び図8に示すように、エンドキャップ3が第1保持状態となる。第1保持状態において、操作キャリア230は、ヘッドレール2の一端部、より具体的には、ヘッドレール2に装着されたエンドキャップ3の基部30の嵌合部分から、1つのロッドサポート260の厚み以上、好ましくは1つのロッドサポート260の厚みと同等の距離だけ離間した位置に固定される。この際、軸部231は回転可能に保持部311に保持される。
【0029】
ヘッドレール2の一端部に2つのみのロッドサポート260が備えられる縦型ブラインド1において、操作者が操作バトン240を介して操作キャリア230の軸部231を保持部311における左右方向内方側の把持部まで移動させることによって、図9及び図10に示すように、エンドキャップ3が第2保持状態となる。第2保持状態において、操作キャリア230は、ヘッドレール2の一端部、より具体的には、ヘッドレール2に装着されたエンドキャップ3の基部30の嵌合部分から、2つのロッドサポート260の厚み以上、好ましくは2つのロッドサポート260の厚みと同等の距離だけ離間した位置に固定される。この際、軸部231は回転可能に保持部311に保持される。
【0030】
このように、本実施形態に係るエンドキャップ3によれば、縦型ブラインド1に備えられるロッドサポート260の数の変化に対応することができる。なお、本実施形態に係るエンドキャップ3は、保持部311に2つの把持部が設けられるものとしたが、2つ以上の把持部が設けられたものであれば良い。
【0031】
(他のエンドキャップとの比較)
第1実施形態に係るエンドキャップと他のエンドキャップとの差異について説明する。図11図13は、それぞれ、第1比較例、第2比較例、第3比較例に係るエンドキャップの構成を示す底面図である。
【0032】
図11に示すように、保持部319が形成された突出片31Aを備えるエンドキャップ9Aについて説明する。保持部319には1つのみの把持部が形成され、突出片31Aは、ヘッドレール2の一端部から1つのロッドサポート260の厚みと同等の距離だけ操作キャリア230が離間するように軸部231を保持する位置に保持部319を位置づける。このようなエンドキャップ9Aによれば、縦型ブラインド1の一端部に2つ以上のロッドサポート260が備えられる場合、軸部231を保持することができない。
【0033】
図12に示すように、保持部319が形成された突出片31Bを備えるエンドキャップ9Bについて説明する。突出片31Bは、ヘッドレール2の一端部から2つのロッドサポート260の厚みと同等の距離だけ操作キャリア230が離間するように軸部231を保持する位置に保持部319を位置づける。このようなエンドキャップ9Bによれば、縦型ブラインド1の一端部に1つのロッドサポート260が備えられる場合、軸部231を適切な位置に保持することができない。
【0034】
図13に示すように、保持部319Cが形成された突出片31Cを備えるエンドキャップ9Cについて説明する。保持部319Cには1つのみの把持部が形成される。この把持部は、ヘッドレール2の一端部から1つのロッドサポート260の厚みと同等の距離だけ操作キャリア230が離間する位置から、ヘッドレール2の一端部から2つのロッドサポート260の厚みと同等の距離だけ操作キャリア230が離間する位置までにかけて軸部231を把持するように形成される。このようなエンドキャップ9Cによれば、縦型ブラインド1の一端部に1つのロッドサポート260が備えられる場合、操作キャリア230は左右方向内方へ移動可能となる。
【0035】
このようなエンドキャップ9A,9B,9Cは、縦型ブラインド1の一端部に特定数のロッドサポート260が備えられた場合にのみ操作キャリア230を適切な位置に固定することができない。よって、縦型ブラインド1の一端部に備えられるロッドサポート260の数が増減に応じて異なるエンドキャップに交換する必要がある。
【0036】
<第2実施形態>
第2実施形態に係るエンドキャップについて説明する。図14は、本実施形態に係る第1保持状態にあるエンドキャップの構成を示す正面図である。図15は、図14のA-A線断面図である。図16は、図14のA-A線断面図に相当する第2保持状態におけるエンドキャップを示す図である。
【0037】
図14に示すように、本実施形態に係るエンドキャップ3Aは、突出片31に代えて、突出片32を備える点において第1実施形態に係るエンドキャップ3とは異なる。突出片32は、基部30の下端縁部から下方に延在する略板状に形成された鉛直延在部と、鉛直延在部の下端から左右方向内方側に延在する水平延在部とを有して略L字状に形成される。鉛直延在部は、操作キャリア230の軸部231の下端に形成された被連結部232よりも下方に水平延在部を位置づけるように下方に延在する。
【0038】
突出片32の先端部、即ち突出片32の水平延在部の左右方向内方側の端部には、保持部321が形成される。保持部321は、図15図16に示すように、一対の腕部312に代えて一対の腕部322を有する点において保持部311とは異なる。一対の腕部322は、軸部231ではなく、円柱状に形成された操作バトン240の外周に形状合致する2つの把持部が形成される点において一対の腕部312とは異なる。
【0039】
ヘッドレール2の一端部に1つのみのロッドサポート260が備えられる縦型ブラインド1において、操作者が操作キャリア230に連結される操作バトン240を保持部321における左右方向外方側の把持部まで移動させることによって、図15に示すように、エンドキャップ3Aが第1保持状態となる。
【0040】
ヘッドレール2の一端部に2つのみのロッドサポート260が備えられる縦型ブラインド1において、操作者が操作キャリア230に連結される操作バトン240を保持部321における左右方向内方側の把持部まで移動させることによって、図16に示すように、エンドキャップ3Aが第2保持状態となる。
【0041】
このように、本実施形態に係るエンドキャップ3Aによれば、操作バトン240を左右方向に異なる複数の位置で保持することによって、縦型ブラインド1に備えられるロッドサポート260の数の変化に対応することができる。なお、本実施形態に係るエンドキャップ3Aは、保持部321に2つの把持部が設けられるものとしたが、2つ以上の把持部が設けられたものであれば良い。
【0042】
<第3実施形態>
第3実施形態に係るエンドキャップについて説明する。図17は、本実施形態に係るエンドキャップの構成を示す分解斜視図である。
【0043】
図17に示すように、本実施形態に係るエンドキャップ3Bは、基部30、突出片31に代えて、基部30B、突出片33を備える点において第1実施形態に係るエンドキャップ3とは異なる。
【0044】
基部30Bは、突出片33と一体形成されず、下端部近傍から左右方向内方側に突出する被装着部301が形成される点が基部30とは異なる。突出片33は、基部30Bと一体形成されず、基部30Bの被装着部301に着脱可能に構成される点が突出片31とは異なる。突出片33には2つの係止爪332が形成され、被装着部301には2つの係止爪332に対応する2つの係止孔301Hが形成される。2つの係止爪332を2つの係止孔301Hに挿入すると、2つの係止爪332が2つの係止孔301Hに係止され、突出片33が被装着部301に装着される。
【0045】
このように、本実施形態に係るエンドキャップ3Bによれば、基部30Bと突出片33とを別体として形成することができる。
【0046】
<第4実施形態>
第4実施形態に係るエンドキャップについて説明する。図18は、本実施形態に係るエンドキャップの構成を示す分解斜視図である。図19図20は、それぞれ、本実施形態に係る第1装着状態、第2装着状態にあるエンドキャップの構成を示す斜視図である。
【0047】
図18に示すように、本実施形態に係るエンドキャップ3Cは、基部30B、突出片33に代えて、基部30C、突出片34を備える点において第3実施形態に係るエンドキャップ3Bとは異なる。
【0048】
基部30Cは、被装着部301に代えて、被装着部302が形成される点が基部30Bとは異なる。被装着部302は、2つの係止孔301Hに代えて、左右方向に異なる位置に形成された3つの係止孔302Hが形成される点が被装着部301とは異なる。
【0049】
突出片34は、2つの係止爪332が形成される点において突出片33と同様であるが、保持部321に代えて保持部341が形成される点が突出片33とは異なる。保持部341は、保持部311と同様に一対の腕部342を有するが、一対の腕部342には操作キャリア230の軸部231を回転可能に挟持する把持部が1つのみ形成される。
【0050】
図19に示すように、3つの係止孔302Hのうち左右方向外方側の2つの係止孔302Hに2つの係止爪332を挿入すると、突出片34が被装着部302に装着され、エンドキャップ3Cを第1装着状態とすることができる。第1装着状態としたエンドキャップ3Cをヘッドレール2に取り付け、操作者が保持部341に操作キャリア230の軸部231を保持させることによって、エンドキャップ3Cは第1保持状態となる。
【0051】
図20に示すように、3つの係止孔302Hのうち左右方向内方側の2つの係止孔302Hに2つの係止爪332を挿入すると、突出片34が被装着部302に装着され、エンドキャップ3Cを第1装着状態よりも保持部341が左右方向内方側に位置付けられる第2装着状態とすることができる。第2装着状態としたエンドキャップ3Cをヘッドレール2に取り付け、操作者が保持部341に操作キャリア230の軸部231を保持させることによって、エンドキャップ3Cは第2保持状態となる。
【0052】
このように、本実施形態に係るエンドキャップ3Cによれば、左右方向に異なる位置で突出片34を被装着部302に装着することによって、縦型ブラインド1に備えられるロッドサポート260の数の変化に対応することができる。なお、本実施形態に係るエンドキャップ3Cは、異なる2箇所で突出片34が被装着部302に装着されるものとしたが、突出片34が左右方向に異なる2つ以上の位置で被装着部302に装着されるものであれば良い。
【0053】
<第5実施形態>
第5実施形態に係るエンドキャップについて説明する。図21は、本実施形態に係るエンドキャップの構成を示す分解斜視図である。図22図23は、それぞれ、本実施形態に係る第1装着状態、第2装着状態にあるエンドキャップの構成を示す斜視図である。
【0054】
図21に示すように、本実施形態に係るエンドキャップ3Dは、基部30C、突出片34に代えて、基部30D、突出片35を備える点において第4実施形態に係るエンドキャップ3Cとは異なる。
【0055】
基部30Dは、被装着部302に代えて、被装着部303が形成される点が基部30Cとは異なる。被装着部303は、3つの係止孔302Hに代えて、左右方向に異なる位置に形成された3つのねじ孔303Hが形成される点が被装着部302とは異なる。突出片35は、保持部341が形成される点において突出片34と同様であるが、2つの係止爪332に代えて2つのねじ孔352が形成される点が突出片34とは異なる。
【0056】
図22に示すように、被装着部303の3つのねじ孔303Hのうち左右方向外方側の2つのねじ孔303Hと、突出片35の2つのねじ孔352とをねじ留めすると、突出片35が被装着部303に装着され、エンドキャップ3Dを第1装着状態とすることができる。第1装着状態としたエンドキャップ3Dをヘッドレール2に取り付け、操作者が保持部341に操作キャリア230の軸部231を保持させることによって、エンドキャップ3Dは第1保持状態となる。
【0057】
図23に示すように、被装着部303の3つのねじ孔303Hのうち左右方向内方側の2つのねじ孔303Hと、突出片35の2つのねじ孔352とをねじ留めすると、突出片35が被装着部303に装着され、エンドキャップ3Dを第2装着状態とすることができる。第2装着状態としたエンドキャップ3Dをヘッドレール2に取り付け、操作者が保持部341に操作キャリア230の軸部231を保持させることによって、エンドキャップ3Dは第2保持状態となる。
【0058】
このように、本実施形態に係るエンドキャップ3Dによれば、ねじ留めによって左右方向に異なる位置で突出片34を被装着部302に装着することができる。なお、本実施形態に係るエンドキャップ3Dは、異なる2箇所で突出片35が被装着部303に装着されるものとしたが、突出片35が左右方向に異なる2つ以上の位置で被装着部303に装着されるものであれば良い。
【0059】
<第6実施形態>
第6実施形態に係るエンドキャップについて説明する。図24図25は、それぞれ、本実施形態に係るエンドキャップの構成を示す分解斜視図、側面図である。図26は、図25のB-B線断面図である。図27図28は、それぞれ、本実施形態に係る第1装着状態、第2装着状態にあるエンドキャップの構成を示す斜視図である。
【0060】
図24に示すように、本実施形態に係るエンドキャップ3Eは、基部30D、突出片35に代えて、基部30E、突出片36を備える点において第5実施形態に係るエンドキャップ3Dとは異なる。
【0061】
基部30Eは、被装着部303に代えて、被装着部304が形成される点が基部30Dとは異なる。図25図26に示すように、被装着部304は、基部30Eの下端部近傍から左右方向内方側に突出し、ガイド孔304Gと2つの係止孔304Hとが形成される。
【0062】
ガイド孔304Gは、左右方向外方側の開口が基部30Eよりも左右方向内方側に位置するように被装着部304を左右方向に貫通する孔である。2つの係止孔304Hは、いずれもガイド孔304G内から外部に連通するように形成され、前後方向に貫通する孔であり、一方の係止孔304Hは前方側に形成され、他方の係止孔304Hは後方側に形成される。
【0063】
突出片36は、保持部341が形成される点において突出片35と同様であるが、図24に示すように、2つのねじ孔352に代えて2つの係止部362が形成される点が突出片35とは異なる。2つの係止部362は、前後方向に分岐して撓むように形成された2つの延在部であり、前方側の係止部362の先端には前方側に突出する爪が形成され、後方側の係止部362の先端には後方側に突出する爪が形成される。
【0064】
図27に示すように、2つの係止部362それぞれの爪がガイド孔304Gの左右方向外方側の開口から突出するまで突出片36がガイド孔304Gに挿入されると、突出片36が被装着部304に装着され、エンドキャップ3Eを第1装着状態とすることができる。なお、第1装着状態において、突出片36は、2つの係止部362それぞれの先端部が基部30Eに接触することにより左右方向外方側への移動が規制される。第1装着状態としたエンドキャップ3Eをヘッドレール2に取り付け、操作者が保持部341に操作キャリア230の軸部231を保持させることによって、エンドキャップ3Eは第1保持状態となる。
【0065】
図28に示すように、2つの係止部362それぞれの爪が2つの係止孔304Hに挿入されるまで突出片36がガイド孔304Gに挿入されると、突出片36が被装着部304に装着され、エンドキャップ3Eを第2装着状態とすることができる。第2装着状態としたエンドキャップ3Eをヘッドレール2に取り付け、操作者が保持部341に操作キャリア230の軸部231を保持させることによって、エンドキャップ3Eは第2保持状態となる。
【0066】
このように、本実施形態に係るエンドキャップ3Eによれば、突出片36を左右方向にスライドさせて左右方向に異なる位置で突出片36を被装着部304に装着することができる。なお、本実施形態に係るエンドキャップ3Eは、異なる2箇所で突出片36が被装着部304に装着されるものとしたが、突出片36が左右方向に異なる2つ以上の位置で被装着部304に装着されるものであれば良い。
【0067】
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0068】
1 縦型ブラインド
2 ヘッドレール
220A 第1ルーバー
220B 第2ルーバー
230 操作キャリア
240 操作バトン(操作部材)
3,3A~3E エンドキャップ(保持部材)
図1
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