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特開2024-151051電力変換器、電力変換器の制御方法、充電装置及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151051
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】電力変換器、電力変換器の制御方法、充電装置及び車両
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
H02M3/28 H
H02M3/28 Q
H02M3/28 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064166
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】千葉 明輝
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AS01
5H730AS17
5H730BB26
5H730BB66
5H730BB82
5H730BB85
5H730BB88
5H730DD03
5H730DD04
5H730DD16
5H730EE04
5H730EE07
5H730FG07
5H730FG22
(57)【要約】
【課題】出力側に切替スイッチを設けることなく、運用周波数範囲に対する出力電圧の出力範囲を広げることができる電力変換器を提供する。
【解決手段】直流電圧Vinの正極と負極との間に直列に接続された上スイッチ素子QHと下スイッチ素子QLとの接続点に接続された共振インダクタLr、トランスTの一次巻線N1及び共振キャパシタCrと、を含むLLC回路10を用いて、上スイッチ素子QH及び下スイッチ素子QLのスイッチング動作によって直流電圧Vinを出力電圧Voに変換する電力変換器1であって、トランスTの二次巻線N2が直列に接続された複数段のLLC回路10と、複数段のLLC回路10のいずれか1以上で共振インダクタLrと共振キャパシタCrの直列共振回路を形成させ、他のLLC回路10をスイッチング動作させる制御部30とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧の正極と負極との間に直列に接続された上スイッチ素子及び下スイッチ素子と、前記上スイッチ素子と前記下スイッチ素子との接続点に接続された共振インダクタ、トランスの一次巻線及び共振キャパシタと、を含むLLCコンバータを用いて、前記上スイッチ素子及び前記下スイッチ素子のスイッチング動作によって前記直流電圧を出力電圧に変換する電力変換器であって、
前記トランスの二次巻線が直列に接続された複数段の前記LLCコンバータと、
複数段の前記LLCコンバータのいずれか1以上で前記共振インダクタと前記共振キャパシタの直列共振回路を形成させ、他の前記LLCコンバータをスイッチング動作させる制御部と、を備える電力変換器。
【請求項2】
前記制御部は、前記出力電圧の出力電圧指令値が閾電圧未満である場合に、前記直列共振回路を形成させる請求項1記載の電力変換器。
【請求項3】
前記制御部は、前記上スイッチ素子と前記下スイッチ素子のいずれか一方を常時オン状態とし、他方を常時オフ状態とすることで、前記共振インダクタと前記共振キャパシタの前記直列共振回路を形成させる請求項1又は2に記載の電力変換器。
【請求項4】
前記二次巻線が直列に接続された複数段の前記LLCコンバータを一つの相として、複数相のマルチフェーズLLCコンバータを構成し、
前記LLCコンバータは、前記一次巻線と前記共振キャパシタとの接続点に一端が接続された相間接続用共振キャパシタを備え、
前記相間接続用共振キャパシタの他端は、同じ段の前記LLCコンバータに備えられた前記相間接続用共振キャパシタの他端と接続されている請求項1又は2に記載の電力変換器。
【請求項5】
直流電圧の正極と負極との間に直列に接続された上スイッチ素子及び下スイッチ素子と、前記上スイッチ素子と前記下スイッチ素子との接続点に接続された共振インダクタ、トランスの一次巻線及び共振キャパシタと、を含むLLCコンバータを用いて、前記上スイッチ素子及び前記下スイッチ素子のスイッチング動作によって前記直流電圧を出力電圧に変換する電力変換器の制御方法であって、
前記トランスの二次巻線が直列に接続された複数段の前記LLCコンバータを備え、
複数段の前記LLCコンバータのいずれか1以上で前記共振インダクタと前記共振キャパシタの直列共振回路を形成し、他の前記LLCコンバータをスイッチング動作する電力変換器の制御方法。
【請求項6】
蓄電池を充電する充電装置であって、
前記直流電圧を、前記蓄電池を充電する前記出力電圧に変換する請求項1又は2に記載の電力変換器を備える充電装置。
【請求項7】
蓄電池が搭載された車両であって、
車外からの供給電力を、前記蓄電池を充電する前記出力電圧に変換する請求項1又は2に記載の電力変換器を備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電圧を所望の出力電圧に変換する電力変換器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車等に搭載された蓄電池(バッテリー)に充電を充電する充電装置は、効率の良いLLC回路(共振回路)が採用されていることが多くなっている(例えば、特許文献1参照)。LLC回路は、効率が良い入出力範囲があり、それ以外ではかえって効率が非常に悪化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-249375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数個のLLC回路を設け、出力を並列接続もしくは直列接続に切り替えることで、効率の良い入出力範囲を得ることができる。図11に示す電力変換器100は、2個のハーフブリッジLLCコンバータ(以下、LLC回路200と称す)と、切替スイッチSWとを備える。切替スイッチSWは、2個のLLC回路200の出力を直列接続もしくは並列接続に切り替える。図11において、(a)は、2個のLLC回路200の出力が並列接続された状態を、(b)は、2個の出力が直列接続された状態をそれぞれ示す。
【0005】
LLC回路200の出力電圧Voは、スイッチング周波数に応じて変化する。図12は、スイッチング周波数と出力電圧Voとの出力特性例を示し、低圧出力では、周波数が大きく上昇する。2個のLLC回路200の出力特性は、並列接続した場合と直列接続した場合とで異なる。スイッチング周波数の運用範囲(以下、運用周波数範囲と称す)をX11~X12(X11<X12)とした場合、出力電圧Voの出力範囲は、直列接続でV1~V2(V1>V2)、並列接続でV2~V3(Y2>Y3)となる。切替スイッチSWにより、出力電圧Vo=V2で並列接続と直列接続とを切り替えることで、運用周波数範囲X1~X2に対し、出力電圧Voの出力範囲は、V1~V3に広げることができる。
【0006】
しかしながら、切替スイッチSWは、蓄電池が接続されたLLC回路200の出力側に設ける必要があるため、回路故障による蓄電池短絡など大きなエネルギ-を持つサージ電流が発生することがある。従って、切替スイッチSWは、機械式リレーを用いる必要があり、半導体スイッチを用いることができない。機械式リレーは、高額で大サイズであり、廉価で小サイズの半導体スイッチに置き換えるができない。
【0007】
本発明の一態様は、出力側に切替スイッチを設けることなく、運用周波数範囲に対する出力電圧の出力範囲を広げることができる電力変換器、電力変換器の制御方法、充電装置及び車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る電力変換器は、直流電圧の正極と負極との間に直列に接続された上スイッチ素子及び下スイッチ素子を含むLLCコンバータを備える。LLCコンバータは、前記上スイッチ素子と前記下スイッチ素子との接続点に接続された共振インダクタ、トランスの一次巻線及び共振キャパシタを含む。電力変換器は、LLCコンバータを用いて、前記上スイッチ素子及び前記下スイッチ素子のスイッチング動作によって前記直流電圧を出力電圧に変換する。電力変換器は、前記トランスの二次巻線が直列に接続された複数段の前記LLCコンバータを備える。電力変換器は、複数段の前記LLCコンバータのいずれか1以上で前記共振インダクタと前記共振キャパシタの直列共振回路を形成させ、他の前記LLCコンバータをスイッチング動作させる制御部を備える。
本発明の一態様に係る電力変換器の制御方法は、LLCコンバータのスイッチング動作によって直流電圧を出力電圧に変換する電力変換器の制御方法である。電力変換器は、直流電圧の正極と負極との間に直列に接続された上スイッチ素子及び下スイッチ素子を含むLLCコンバータを備える。LLCコンバータは、前記上スイッチ素子と前記下スイッチ素子との接続点に接続された共振インダクタ、トランスの一次巻線及び共振キャパシタを含む。電力変換器は、LLCコンバータを用いて、前記上スイッチ素子及び前記下スイッチ素子のスイッチング動作によって前記直流電圧を出力電圧に変換する。電力変換器は、前記トランスの二次巻線が直列に接続された複数段の前記LLCコンバータを備える。電力変換器は、前記出力電圧が閾電圧未満である場合、複数段の前記LLCコンバータのいずれか1以上で前記共振インダクタと前記共振キャパシタの直列共振回路を形成し、他の前記LLCコンバータをスイッチング動作する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、出力側に切替スイッチを設けることなく、運用周波数範囲で出力可能な出力電圧Voの範囲を広げることができる。運用周波数範囲は、共振周波数付近の狭い範囲に設定でき、変換効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】電力変換器の充電装置としての使用例を示す図である。
図2】電力変換器の構成例を示す図である。
図3】単独動作時の電力変換器を示す図である。
図4】インピーダンスの変化を示す図である。
図5図2に示す電力変換器の出力特性例を示す図である。
図6】3段構成の電力変換器の構成例を示す図である。
図7図6に示す電力変換器の2回路直列接続動作時及び単独動作を示す図である。
図8図6に示す電力変換器の出力特性例を示す図である。
図9】マルチフェーズLLCコンバータの構成例を示す図である。
図10】マルチフェーズLLCコンバータの他の構成例を示す図である。
図11】従来の電力変換器の構成例を示す図である。
図12図11に示す従来の電力変換器の出力特性例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。以下の実施の形態において、同様の機能を示す構成には、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0012】
本実施の形態の電力変換器1は、図1を参照すると、電気自動車等の車両2に搭載された蓄電池3(バッテリー)に充電を充電する充電装置として用いられる。
【0013】
図1(a)に示すように、車外から車両2への供給電力が商用電源等の交流(AC)電圧である場合、電力変換器1は、PFC(力率改善回路)4と共に車両2に搭載される。PFC4は、車両2に供給された交流電圧を直流(DC)電圧に変換し、電力変換器1は、PFC4によって変換された直流電圧を所望の出力電圧に変換して蓄電池3を充電する。
【0014】
図1(b)に示すように、車外から車両2への供給電力が直流電圧である場合、電力変換器1は、PFC(力率改善回路)4と共に充電ステーション等の車両2外の施設に設置される。PFC4は、商用電源等から供給された交流電圧を直流(DC)電圧に変換し、電力変換器1は、PFC4によって変換された直流電圧を所望の直流電圧に変換して車両2に供給して蓄電池3を充電する。
【0015】
電力変換器1は、図2を参照すると、2個のハーフブリッジLLCコンバータ(以下、LLC回路10と称す)を備えた2段構成であり、整流器20と、制御部30と、を備える。
【0016】
LLC回路10は、直流電圧Vinの正極と負極との間に、スイッチングレッグ(switching leg)として上スイッチ素子QH及び下スイッチ素子QLが直列に接続されている。上スイッチ素子QH及び下スイッチ素子QLは、例えば、電界効果トランジスタ(MOSFET:metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)で構成される。上スイッチ素子QH及び下スイッチ素子QLは、ソース-ドレイン間にボディダイオードを有する。上スイッチ素子QH及び下スイッチ素子QLは、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やGaNデバイス、SiC(Silicon Carbide)デバイス等のスイッチング素子を用いてもよい。
【0017】
直流電圧Vinの正極に接続された上スイッチ素子QHは、スイッチングレッグの上アーム(upper arm)である。直流電圧Vinの負極側に接続された下スイッチ素子QLは、スイッチングレッグの下アーム(lower arm)である。
【0018】
LLC回路10は、上スイッチ素子QHと下スイッチ素子QLとの接続点に、一端が接続された共振インダクタLrを備える。LLC回路10は、トランスTと、共振キャパシタCrと、を備える。トランスTの一次巻線N1と共振キャパシタCrとは、共振インダクタLrの他端と直流電圧Vinの負極との間に、直列に接続されている。
【0019】
2個のLLC回路10のそれぞれのトランスTは、二次巻線N2が直列に接続されている。以下、トランスTの二次巻線N2が直列に接続された2個のLLC回路10は、区別する場合、1段目、2段目と呼称する。
【0020】
整流器20は、直列に接続された二次巻線N2から出力される交流電流を整流して高電位出力端子と低電位出力端子から出力する。整流器20は、センタータップ整流、ブリッジ整流、倍電圧整流、コックウォルトン整流などの回路方式を採用できる。また、整流器20は、ダイオードの代わりにFETを用いて同期整流とすることもできる。整流器20は、高電位出力端子と低電位出力端子との間に接続された出力キャパシタを備えてもよい。この場合、整流器20は、出力キャパシタCoと共に、整流平滑回路を構成する。
【0021】
制御部30は、半導体基板上に集積化された半導体装置であり、出力電圧指令値に基づいて、1段目及び2段目のLLC回路10のスイッチングレッグ(上スイッチ素子QH及び下スイッチ素子QL)を駆動するパルス信号Sg2、Sg1を生成する。
【0022】
制御部30は、パルス信号生成部31と、インバータ回路INV1とを備える。パルス信号生成部31は、出力電圧指令値に基づいて、1段目及び2段目のLLC回路10における下スイッチ素子QLを駆動するパルス信号Sg1を生成する。インバータ回路INV1は、パルス信号Sg1を反転させ、1段目及び2段目のLLC回路10における上スイッチ素子QHを駆動するパルス信号Sg2を生成する。パルス信号生成部31は、周波数制御により、パルス信号Sg1(パルス信号Sg2)のスイッチング周波数を上げることで出力電圧Voを下げ、スイッチング周波数を下げることで出力電圧Voを上げる。
【0023】
制御部30は、動作切替部32と、オア回路OR2と、アンド回路AND2、インバータ回路INV2とを備える。動作切替部32は、出力電圧指令値が閾電圧Vth以上である場合にLowレベルとなり、出力電圧指令値が閾電圧Vth未満である場合にHiレベルとなる2段動作切替信号S2を出力する。
【0024】
オア回路OR2は、一方の入力端子にパルス信号Sg1が、他方の入力端子に2段動作切替信号S2がそれぞれ入力され、出力端子が2段目のLLC回路10における下スイッチ素子QLに接続されている。アンド回路AND2は、一方の入力端子にパルス信号Sg1が、他方の入力端子にインバータ回路INV2によって反転された2段動作切替信号S2がそれぞれ入力され、出力端子が2段目のLLC回路10における上スイッチ素子QHに接続されている。
【0025】
出力電圧指令値が閾電圧Vth以上である場合、2段動作切替信号S2は、Lowレベルとなる。オア回路OR2は、他方の入力端子にLowレベルが、アンド回路AND2は、他方の入力端子にHiレベルがそれぞれ入力される。従って、2段目のLLC回路10における上スイッチ素子QH及び下スイッチ素子QLは、1段目のLLC回路10と同様に、パルス信号Sg2及びパルス信号Sg1によってそれぞれ駆動される。電力変換器1は、直列に接続された1段目及び2段目のLLC回路10がいずれもスイッチング動作する直列接続動作となる。
【0026】
出力電圧指令値が閾電圧Vth未満である場合、2段動作切替信号S2は、Hiレベルとなる。オア回路OR2は、他方の入力端子にHiレベルが、アンド回路AND2は、他方の入力端子にLowレベルがそれぞれ入力される。従って、図3(a)に示すように、2段目のLLC回路10において、上スイッチ素子QHは、常時オフ状態になり、下スイッチ素子QLは、常時オン状態になる。電力変換器1は、2段目のLLC回路10が共振インダクタLrと共振キャパシタCrの直列共振回路を形成し、1段目のLLC回路10のみがスイッチング動作する単独動作となる。
【0027】
下スイッチ素子QLを常時オン状態にしたことで、2段階目のLLC回路10には、図3(b)に示すように、共振インダクタLrと共振キャパシタCrの直列共振回路が形成される。共振インダクタLrと共振キャパシタCrの直列共振回路のインピーダンスZは、以下の式(1)で示される。式(1)において、ωは、角周波数であり、周波数fを用いて、ω=2πfで表される。
【0028】
【数1】
【0029】
角周波数ωが以下の式(2)に示すωrである場合のインピーダンスZは、以下の式(3)に示すようにゼロとなる。
【0030】
【数2】
【0031】
【数3】
【0032】
このようにインピーダンスZがゼロとなる角周波数ωrは、共振角周波数と称され、共振周波数frは、fr=ωrは/2πとなる。インピーダンスZは、図4に示すように、スイッチングの周波数が共振周波数frから遠ざかるほど大きな値となる。
【0033】
周波数によってインピーダンスZが変化するということは、トランスTの2次側から見てもインピーダンスが変化し、図3(c)に示すように、2段目のトランスTは、インピーダンス可変の等価回路として表すことができる。
【0034】
特に、インピーダンスZがゼロとなる共振周波数frおいて、2段目のトランスTは1次側で短絡していることになり、図3(d)に示すように、2次側もインピーダンスがゼロになる。すなわち、2段目のトランスTは、二次巻線N2も短絡されていることと同じである。
【0035】
従って、1段目のLLC回路10は、最も効率がよい共振周波数fr付近でスイッチング動作させ、2段目のLLC回路10は、共振インダクタLrと共振キャパシタCrの直列共振回路を形成させる。すると、図3(d)に示すように、2段目は短絡したものとみなせるため、電力変換器1は、1段目のLLC回路10のみとみなせる。すなわち、1段目及び2段目のLLC回路10をスイッチング動作させる直列接続動作と、1段目のLLC回路10のみをスイッチング動作させる単独動作とを、2次側に切替スイッチを設けることなく、切り替えることができる。
【0036】
図5は、直列接続動作と単独動作とにおけるスイッチングの周波数と出力電圧Voとの出力特性例である。図5を参照すると、同じ周波数の出力電圧Voは、単独動作が直列接続動作よりも低くなる。共振周波数frを挟んだX1~X2(X1<X2)をスイッチング周波数の運用範囲(以下、運用周波数範囲と称す)として設定した場合、直列接続動作は、運用周波数範囲で出力可能な出力電圧Voは、Va~Vb(Va>Vb)である。単独動作の出力電圧Voは、共振周波数frの付近で直列接続動作の1/2である。単独動作の出力電圧Voは、共振周波数frから離れるほどインピーダンスZによって直列接続動作の1/2よりも低くなる。単独動作は、出力電圧Vo=0となる最大周波数が直列接続動作よりも抑えられる。
【0037】
運用周波数範囲で出力可能な出力電圧Voの範囲は、適切な閾電圧Vth(例えば、出力電圧Vo=Vb)を設定し、閾電圧Vth未満を直列接続動作から単独動作に切り替えることで、出力電圧Vo=Vbをよりも低圧側に広がることになる。
【0038】
共振インダクタLrと共振キャパシタCrの直列共振回路は、上スイッチ素子QHを常時オフ状態、下スイッチ素子QLを常時オン状態として形成したが、上スイッチ素子QHを常時オン状態、下スイッチ素子QLを常時オフ状態として形成してもよい。ただし、この場合は、上スイッチ素子QHを常時オン状態にするための別の電圧を用意する必要がある。
【0039】
単独動作は、1段目のLLC回路10を共振インダクタLrと共振キャパシタCrの直列共振回路とし、2段目のLLC回路10のみをスイッチング動作させてもよい。
【0040】
図6に示す電力変換器1aは、トランスTの二次巻線N2が直列に接続された3段のLLC回路10を備えた3段構成になっている。電力変換器1aは、3段のLLC回路10を駆動する制御部30aを備える。
【0041】
制御部30aは、半導体基板上に集積化された半導体装置であり、出力電圧指令値に基づいて、1段目乃至3段目のLLC回路10のスイッチングレッグ(上スイッチ素子QH及び下スイッチ素子QL)を駆動するパルス信号Sg1、Sg2を生成する。
【0042】
制御部30aは、パルス信号生成部31と、インバータ回路INV1とを備える。パルス信号生成部31は、出力電圧指令値に基づいて、1段目乃至3段目のLLC回路10における下スイッチ素子QLを駆動するパルス信号Sg1を生成する。インバータ回路INV1は、パルス信号Sg1を反転させ、1段目乃至3段目のLLC回路10における上スイッチ素子QHを駆動するパルス信号Sg2を生成する。パルス信号生成部31は、周波数制御により、パルス信号Sg1(パルス信号Sg2)のスイッチング周波数を上げることで出力電圧Voを下げ、スイッチング周波数を下げることで出力電圧Voを上げる。
【0043】
制御部30aは、動作切替部32aと、オア回路OR2、OR3と、アンド回路AND2、AND3、インバータ回路INV2、INV3とを備える。動作切替部32aは、出力電圧指令値が第1閾電圧Vth1以上である場合にLowレベルとなり、出力電圧指令値が第1閾電圧Vth1未満である場合にHiレベルとなる3段動作切替信号S3を出力する。動作切替部32aは、出力電圧指令値が第1閾電圧Vth1よりも低い第2閾電圧Vth2以上である場合にLowレベルとなり、出力電圧指令値が第2閾電圧Vth2未満である場合にHiレベルとなる2段動作切替信号S2を出力する。
【0044】
オア回路OR3は、一方の入力端子にパルス信号Sg1が、他方の入力端子に3段動作切替信号S3がそれぞれ入力され、出力端子が3段目のLLC回路10における下スイッチ素子QLに接続されている。アンド回路AND3は、一方の入力端子にパルス信号Sg1が、他方の入力端子にインバータ回路INV3によって反転された3段動作切替信号S3がそれぞれ入力され、出力端子が3段目のLLC回路10における上スイッチ素子QHに接続されている。
【0045】
オア回路OR2は、一方の入力端子にパルス信号Sg1が、他方の入力端子に2段動作切替信号S2がそれぞれ入力され、出力端子が2段目のLLC回路10における下スイッチ素子QLに接続されている。アンド回路AND2は、一方の入力端子にパルス信号Sg1が、他方の入力端子にインバータ回路INV2によって反転された2段動作切替信号S2がそれぞれ入力され、出力端子が2段目のLLC回路10における上スイッチ素子QHに接続されている。
【0046】
出力電圧指令値が第1閾電圧Vth1以上である場合、3段動作切替信号S3及び2段動作切替信号S2は、Lowレベルとなる。オア回路OR3、OR2は、他方の入力端子にLowレベルが、アンド回路AND3、AND2は、他方の入力端子にHiレベルがそれぞれ入力される。従って、3段目及び2段目のLLC回路10における上スイッチ素子QH及び下スイッチ素子QLは、1段目のLLC回路10と同様に、パルス信号Sg2及びパルス信号Sg1によってそれぞれ駆動される。電力変換器1は、直列に接続された1段目乃至3段目のLLC回路10がいずれもスイッチング動作する3回路直列接続動作となる。
【0047】
出力電圧指令値が第1閾電圧Vth1未満、第2閾電圧Vth2以上である場合、3段動作切替信号S3は、Hiレベル、2段動作切替信号S2は、Lowレベルとなる。オア回路OR3は、他方の入力端子にHiレベルが、アンド回路AND2は、他方の入力端子にLowレベルがそれぞれ入力される。オア回路OR2は、他方の入力端子にLowレベルが、アンド回路AND3は、他方の入力端子にHiレベルがそれぞれ入力される。従って、3段目のLLC回路10において、上スイッチ素子QHは、常時オフ状態になり、下スイッチ素子QLは、常時オン状態になる。2段目のLLC回路10における上スイッチ素子QH及び下スイッチ素子QLは、1段目のLLC回路10と同様に、パルス信号Sg2及びパルス信号Sg1によってそれぞれ駆動される。電力変換器1は、図7(a)に示すように、3段目LLC回路10が共振インダクタLrと共振キャパシタCrの直列共振回路となり、直列に接続された1段目及び2段目のLLC回路10がスイッチング動作する2回路直列接続動作となる。
【0048】
出力電圧指令値が第2閾電圧Vth2未満である場合、3段動作切替信号S3及び2段動作切替信号S2はHiレベルとなる。オア回路OR2は、他方の入力端子にHiレベルが、アンド回路AND2は、他方の入力端子にLowレベルがそれぞれ入力される。従って、3段目及び2段目のLLC回路10において、上スイッチ素子QHは、常時オフ状態になり、下スイッチ素子QLは、常時オン状態になる。電力変換器1は、図7(b)に示すように、3段目及び2段目のLLC回路10が共振インダクタLrと共振キャパシタCrの直列共振回路となり、1段目のLLC回路10のみがスイッチング動作する単独動作となる。
【0049】
図8は、3回路直列接続動作と2回路直列接続動作と単独動作とにおけるスイッチングの周波数と出力電圧Voとの出力特性例である。図8を参照すると、同じ周波数であれば、出力電圧Voは、2回路直列接続動作が3回路直列接続動作よりも低く、単独動作が2回路直列接続動作よりもさらに低くなる。共振周波数frを挟んだX1~X2(X1<X2)を運用周波数範囲として設定した場合、3回路直列接続動作の運用周波数範囲で出力可能な出力電圧Voは、図7に示す例では、Va~Vb(Va>Vb)である。2回路直列接続動作の出力電圧Voは、共振周波数frの付近で3回路直列接続動作の2/3である。2回路直列接続動作の出力電圧Voは、共振周波数frから離れるほどインピーダンスZによって直列接続動作の2/3よりも低くなる。2回路直列接続動作は、出力電圧Vo=0となる最大周波数が3回路直列接続動作よりも抑えられる。2回路直列接続動作の運用周波数範囲で出力可能な出力電圧Voは、図8に示す例では、Vb~Vc(Vb>Vc)である。単独動作の出力電圧Voは、共振周波数frの付近で2回路直列接続動作の1/2である。単独動作の出力電圧Voは、共振周波数frから離れるほど二つのインピーダンスZによって2回路直列接続動作の1/2よりも低くなる。単独動作は、出力電圧Vo=0となる最大周波数が2回路直列接続動作よりもさらに抑えられる。
【0050】
運用周波数範囲で出力可能な出力電圧Voの範囲は、適切な第1閾電圧Vth1(例えば、出力電圧Vo=Vb)未満を3回路直列接続動作から2回路直列接続動作に切り替えることで、出力電圧Vo=Vbをよりも低圧側に広がることになる。運用周波数範囲で出力可能な出力電圧Voの範囲は、適切な第2閾電圧Vth2(例えば、出力電圧Vo=Vc)未満を2回路直列接続動作から単独動作に切り替えることで、出力電圧Vo=Vcをよりも低圧側にさらに広がることになる。
【0051】
単独動作は、3段目もしくは2段目のいずれかのLLC回路10のみを動作させ、他のLLC回路10を共振インダクタLrと共振キャパシタCrの直列共振回路としてもよい。2回路直列接続動作は、2段目もしくは1段目のいずれかのLLC回路10を共振インダクタLrと共振キャパシタCrの直列共振回路とし、他の2段のLLC回路10をスイッチング動作させてもよい。
【0052】
LLC回路10の段数Nは、4以上であってもよい。LLC回路10がN段である場合、N回路直列接続動作、(N-1)回路直列接続動作、~、単独動作のN通りの動作に切り替えることができる。
【0053】
N段のLLC回路10を用いてマルチフェーズLLCコンバータを構成しても良い。図9に示す電力変換器1cは、N×M個のハーフブリッジLLCコンバータ(以下、LLC回路10cと称す)を備え、M相のマルチフェーズLLCコンバータである。N、Mは、2以上の自然数である。
【0054】
電力変換器1cは、各相は、トランスTの二次巻線N2が直列に接続されたN段のLLC回路10cで構成され、1~M相を360°/Mの位相差でスイッチング動作させる。
【0055】
LLC回路10cは、LLC回路10の構成に加えて、トランスTの一次巻線N1と共振キャパシタCrとの接続点に一端が接続された相間接続用共振キャパシタCR1を備えている。相間接続用共振キャパシタCR1の他端は、同じ段のLLC回路10cに備えられた相間接続用共振キャパシタCR1の他端と接続されている。
【0056】
電力変換器1cは、制御部30cを備える。制御部30cは、半導体基板上に集積化された半導体装置である。制御部30cは、出力電圧指令値に基づいて、1~M相の上スイッチ素子QH及び下スイッチ素子QLを360°/Mの位相差で駆動するパルス信号Sg2~Sg2、Sg1~Sg1を生成するパルス信号生成部31cを備える。
【0057】
電力変換器1cは、動作切替部32cを備える。動作切替部32cは、出力電圧指令値に応じて、2段からN段の動作をそれぞれ切り替える2段動作切替信号S2~N段動作切替信号SNを出力する。2段動作切替信号S2~N段動作切替信号SNは、n(2~Nの自然数)段のLLC回路10cは、n段動作切替信号SnがLowレベルの場合、1弾と同様にパルス信号Sg2、Sg1によって駆動される。n段のLLC回路10cは、n段動作切替信号SnがHiレベルの場合、共振インダクタLrと共振キャパシタCrの直列共振回路を形成する。
【0058】
m(1~Mの自然数)相の1~N段の二次巻線N21m~N2Nmに流れる電流は、直列に接続されているため、同じである。すなわち、m(1~Mの自然数)相の1~N段の一次巻線N11m~N1Nmに流れる電流(図9に示す行方向の電流)は、同じである。n段の一次巻線N1n1~N1nMに流れる電流(図9に示す列方向の電流)は、相間接続用共振キャパシタCR1で電流バランスがとられる。従って、全てのLLC回路10cは、電流バランスする。
【0059】
図10に示す電力変換器1dは、電力変換器1cの構成に加え、倍電圧整流のためのキャパシタCa、Cbを備える。キャパシタCa、Cbは、両方あってもよく、いずれか一方のみでもよい。
【0060】
(まとめ)
(1)本発明の各実施形態にかかる電力変換器1、1a、1c、1dは、LLC回路10(LLCコンバータ)を用いて直流電圧Vinを出力電圧Voに変換する。LLC回路10は、直流電圧Vinの正極と負極との間に直列に接続された上スイッチ素子QH及び下スイッチ素子QLを含む。LLC回路10は、上スイッチ素子QHと下スイッチ素子QLとの接続点に接続された共振インダクタLr、トランスTの一次巻線N1及び共振キャパシタCr含む。電力変換器1、1a、1c、1dは、LLC回路10を用いて、上スイッチ素子QH及び下スイッチ素子QLのスイッチング動作によって直流電圧Vinを出力電圧Voに変換する。電力変換器1、1a、1c、1dは、トランスTの二次巻線N2が直列に接続された複数段のLLC回路10を備える。電力変換器1、1a、1c、1dは、出力電圧Voが閾電圧Vth未満である場合、複数段のLLC回路10のいずれか1以上で共振インダクタLrと共振キャパシタCrの直列共振回路を形成させ、他のLLC回路10をスイッチング動作させる制御部30を備える。
【0061】
上記(1)に記載の電力変換器1、1a、1c、1dによれば、出力側に切替スイッチを設けることなく、運用周波数範囲で出力可能な出力電圧Voの範囲を広げることができるため、運用周波数範囲を共振周波数付近の狭い範囲に設定でき、変換効率を向上できる。
【0062】
(2)上記(1)に記載の電力変換器1、1a、1c、1dにおいて、制御部30は、出力電圧Voの出力電圧指令値が閾電圧Vth未満である場合に、直列共振回路を形成させる。
【0063】
上記(2)に記載の電力変換器、1a、1c、1dによれば、低圧出力での運用周波数を抑制できる。
【0064】
(3)上記(1)又は(2)に記載の電力変換器1、1a、1c、1dにおいて、制御部30は、上スイッチ素子QHと下スイッチ素子QLのいずれか一方を常時オン状態とし、他方を常時オフ状態とすることで、共振インダクタLrと共振キャパシタCrの直列共振回路を形成させる。
【0065】
上記(3)に記載の電力変換器、1a、1c、1dによれば、共振インダクタLrと共振キャパシタCrの直列共振回路は、上スイッチ素子QH及び下スイッチ素子QLの簡単な制御で形成できる。
【0066】
(4)上記(1)~(3)の電力変換器1c、1dにおいて、二次巻線N2が直列に接続された複数段のLLC回路10cを一つの相として、複数相のマルチフェーズLLCコンバータを構成する。LLC回路10cは、一次巻線N1と共振キャパシタCrとの接続点に一端が接続された相間接続用共振キャパシタCr1を備える。相間接続用共振キャパシタCr1の他端は、同じ段のLLC回路10cに備えられ相間接続用共振キャパシタCr1の他端と接続されている。
【0067】
上記(4)に記載の電力変換器1c、1dによれば、出力側に切替スイッチを設けることなく、運用周波数範囲で出力可能な出力電圧Voの範囲を広げることができと共に、各相の電流バランスをとることができる。
【0068】
(5)本発明の各実施形態にかかる電力変換器1、1a、1c、1dの制御方法は、LLC回路10(LLCコンバータ)のスイッチング動作によって直流電圧Vinを出力電圧Voに変換する電力変換器1、1a、1c、1dの制御方法である。LLC回路10は、直流電圧Vinの正極と負極との間に直列に接続された上スイッチ素子QH及び下スイッチ素子QLを含む。LLC回路10は、上スイッチ素子QHと下スイッチ素子QLとの接続点に接続された共振インダクタLr、トランスTの一次巻線N1及び共振キャパシタCr含む。電力変換器1、1a、1c、1dは、LLC回路10を用いて、上スイッチ素子QH及び下スイッチ素子QLのスイッチング動作によって直流電圧Vinを出力電圧Voに変換する。電力変換器1、1a、1c、1dは、トランスTの二次巻線N2が直列に接続された複数段のLLC回路10を備える。電力変換器1、1a、1c、1dは、複数段のLLC回路10のいずれか1以上で共振インダクタLrと共振キャパシタCrの直列共振回路を形成し、他のLLC回路10をスイッチング動作する。
【0069】
上記(5)に記載の電力変換器1、1a、1c、1dの制御方法によれば、出力側に切替スイッチを設けることなく、運用周波数範囲で出力可能な出力電圧Voの範囲を広げることができるため、運用周波数範囲を共振周波数付近の狭い範囲に設定でき、変換効率を向上できる。
【0070】
(6)蓄電池3を充電する充電装置であって、上記(1)~(4)の電力変換器1、1a、1c、1dの出力電圧Voによって蓄電池3を充電する。
【0071】
上記(6)に記載の充電装置によれば、運用周波数範囲で出力可能な出力電圧Voの範囲を広げることができるため、運用周波数範囲を共振周波数付近の狭い範囲に設定でき、蓄電池3を効率よく充電できる。
【0072】
(7)蓄電池3が搭載された車両2であって、外部からの供給電力を、蓄電池3を充電する出力電圧Voに変換する上記(1)~(4)の電力変換器1、1a、1c、1dを備える。
【0073】
上記(7)に記載の車両2によれば、運用周波数範囲で出力可能な出力電圧Voの範囲を広げることができるため、運用周波数範囲を共振周波数付近の狭い範囲に設定でき、搭載された蓄電池3を効率よく充電できる。
【0074】
以上、本発明を具体的な実施形態で説明したが、上記実施形態は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更して実施できることは言うまでも無い。
【符号の説明】
【0075】
1、1a、1c、1d 電力変換器
2 車両
3 蓄電池
10、10c ハーフブリッジLLCコンバータ(LLC回路)
20 整流器
30、30a、30b、30c 制御部
31、31c パルス信号生成部
32、32a、32b、32c 動作切替部
100 電力変換器
Cr 共振キャパシタ
Cr1 相間接続用共振キャパシタ
Lr 共振インダクタ
QH 上スイッチ素子
QL 下スイッチ素子
T トランス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12