(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151064
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】シャツ保持ボード及びシャツ収納袋
(51)【国際特許分類】
B65D 85/18 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
B65D85/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064186
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】523135872
【氏名又は名称】合同会社Gоbuunо
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】弁理士法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】石川 真紀夫
【テーマコード(参考)】
3E068
【Fターム(参考)】
3E068AA15
3E068BB15
3E068CC20
3E068CC22
3E068CC28
3E068CE02
3E068CE03
3E068CE08
3E068DD20
3E068DD31
3E068EE01
3E068EE02
3E068EE11
3E068EE31
(57)【要約】
【課題】襟全体の形状をきれいに保つことが可能なシャツ保持ボード及びシャツ収納袋を提供する。
【解決手段】シャツ保持ボード1は、板状の本体部2と、本体部2の左右に備えられた板状の右袖側及び左袖側第1折返部3、5と、本体部2の下方に備えられた板状の裾側折返部8と、本体部2の上方に備えられた板状の襟側折返部9と、右袖側及び左袖側第1折返部3、5の上方にそれぞれ備えられた板状の右袖側及び左袖側第2折返部4、6とを有し、襟側折返部9は、シャツの襟全体を露出させるための襟露出口と、シャツの奥襟部分を支持するためにシャツの台襟と襟羽根との間に挿入される奥襟支持部16と、シャツの襟先部分を支持するためにシャツの台襟と襟先部分との間に挿入される左右一対の第1襟先支持部18、18とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の本体部と、
前記本体部の左方及び右方に折り返し自在に備えられた板状の右袖側第1折返部及び左袖側第1折返部と、
前記本体部の下方に折り返し自在に備えられた板状の裾側折返部と、
前記本体部の上方に折り返し自在に備えられた板状の襟側折返部と、
前記右袖側第1折返部及び前記左袖側第1折返部の上方にそれぞれ折り返し自在に備えられた板状の右袖側第2折返部及び左袖側第2折返部と、を有し、
前記襟側折返部は、シャツの襟全体を露出させるための襟露出口と、前記シャツの奥襟部分を支持するために前記シャツの台襟と襟羽根との間に挿入される奥襟支持部と、前記シャツの襟先部分を支持するために前記シャツの台襟と襟先部分との間に挿入される左右一対の第1襟先支持部とを有することを特徴とするシャツ保持ボード。
【請求項2】
前記奥襟支持部及び前記第1襟先支持部は、前記襟側折返部の一部を折り曲げてなり、
前記襟露出口は、前記襟側折返部の前記一部を折り曲げてできた開口からなることを特徴とする請求項1に記載のシャツ保持ボード。
【請求項3】
前記第1襟先支持部は、前記シャツの襟先部分を支持するための第2襟先支持部を先端に有し、
前記第2襟先支持部は、前記第1襟先支持部の先端を折り曲げてなることを特徴とする請求項1に記載のシャツ保持ボード。
【請求項4】
前記本体部と前記裾側折返部との間に、前記本体部及び前記裾側折返部に対して折り返し自在な小折返部を有することを特徴とする請求項1に記載のシャツ保持ボード。
【請求項5】
前記奥襟支持部及び前記第1襟先支持部は、折り曲げ角度が変更可能であることを特徴とする請求項2に記載のシャツ保持ボード。
【請求項6】
前記第2襟先支持部は、折り曲げ角度が変更可能であることを特徴とする請求項3に記載のシャツ保持ボード。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のシャツ保持ボードに保持されたシャツを収納可能な第1袋部及び第2袋部を有し、
前記第1袋部に収納されたシャツの襟部分が、前記第2袋部に収納されたシャツの前身頃部分に対向し、かつ前記第1袋部に収納されたシャツの前身頃部分が前記第2袋部に収納されたシャツの襟部分に対向することを特徴とするシャツ収納袋。
【請求項8】
前記第1袋部及び前記第2袋部は、前記シャツ保持ボードに保持された前記シャツを挿脱するために一端面が開放されており、前記一端面を閉塞するためのストラップと、互いの前記ストラップを固定するためのバンドとを備えることを特徴とする請求項7に記載のシャツ収納袋。
【請求項9】
折り畳んだ第1、第2シャツの状態を保持するために、第1シャツの襟部分が第2シャツの前身頃部分に対向し、かつ前記第1シャツの前身頃部分が前記第2シャツの襟部分に対向するように、前記第1シャツを収納可能な第1袋部と、前記第2シャツを収納可能な第2袋部と、を有し、
前記第1袋部及び前記第2袋部は、前記第1シャツ及び前記第2シャツを挿脱するために一端面が開放されており、前記一端面を閉塞するためのストラップと、互いの前記ストラップを固定するためのバンドとを備えることを特徴とするシャツ収納袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャツ保持ボード及びシャツ収納袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、襟付きシャツを畳んだ状態で保持するための台紙が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述のような従来の台紙は、シャツの襟について、奥襟部分のみを支持する構成であるため、奥襟部分以外は形状をきれいに保つことが困難であるという問題があった。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、襟全体の形状をきれいに保つことが可能なシャツ保持ボード及びシャツ収納袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、
板状の本体部と、
前記本体部の左方及び右方に折り返し自在に備えられた板状の右袖側第1折返部及び左袖側第1折返部と、
前記本体部の下方に折り返し自在に備えられた板状の裾側折返部と、
前記本体部の上方に折り返し自在に備えられた板状の襟側折返部と、
前記右袖側第1折返部及び前記左袖側第1折返部の上方にそれぞれ折り返し自在に備えられた板状の右袖側第2折返部及び左袖側第2折返部と、を有し、
前記襟側折返部は、シャツの襟全体を露出させるための襟露出口と、前記シャツの奥襟部分を支持するために前記シャツの台襟と襟羽根との間に挿入される奥襟支持部と、前記シャツの襟先部分を支持するために前記シャツの台襟と襟先部分との間に挿入される左右一対の第1襟先支持部とを有することを特徴とするシャツ保持ボードを提供する。
【0007】
また本発明は、
前記シャツ保持ボードに保持されたシャツを収納可能な第1袋部及び第2袋部を有し、
前記第1袋部に収納されたシャツの襟部分が、前記第2袋部に収納されたシャツの前身頃部分に対向し、かつ前記第1袋部に収納されたシャツの前身頃部分が前記第2袋部に収納されたシャツの襟部分に対向することを特徴とするシャツ収納袋を提供する。
【0008】
また本発明は、
折り畳んだ第1、第2シャツの状態を保持するために、第1シャツの襟部分が第2シャツの前身頃部分に対向し、かつ前記第1シャツの前身頃部分が前記第2シャツの襟部分に対向するように、前記第1シャツを収納可能な第1袋部と、前記第2シャツを収納可能な第2袋部と、を有し、
前記第1袋部及び前記第2袋部は、前記第1シャツ及び前記第2シャツを挿脱するために一端面が開放されており、前記一端面を閉塞するためのストラップと、互いの前記ストラップを固定するためのバンドとを備えることを特徴とするシャツ収納袋を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、襟全体の形状をきれいに保つことが可能なシャツ保持ボード及びシャツ収納袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1(a)は本発明の実施形態に係るシャツ保持ボードの各折返部を開いた様子を示す展開図であり、
図1(b)はシャツ保持ボードの各折返部を折り畳んだ様子を示す図である。
【
図2】
図2(a)~
図2(c)はシャツ保持ボードの使用方法(手順1~3)を示す図である。
【
図3】
図3(a)~
図3(c)はシャツ保持ボードの使用方法(手順4~6)を示す図である。
【
図4】
図4(a)~
図4(c)はシャツ保持ボードの使用方法(手順7~9)を示す図である。
【
図5】
図5(a)~
図5(c)はシャツ保持ボードの使用方法(手順10~12)を示す図である。
【
図6】
図6(a)~
図6(c)はシャツ保持ボードの使用方法(手順13~15)を示す図である。
【
図7】
図7(a)~
図7(b)はシャツ保持ボードの使用方法(手順16、17)を示す図であり、
図7(c)はワイシャツを保持したシャツ保持ボードを示す図である。
【
図8】
図8(a)は本発明の実施形態に係るシャツ収納袋の外観を示す図であり、
図8(b)はシャツ収納袋における第1、第2袋部の構成を示す図である。
【
図9】
図9(a)はシャツ収納袋の変形例の外観を示す図であり、
図9(b)は変形例における第1、第2袋部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態に係るシャツ保持ボード及びシャツ収納袋を添付図面に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、本発明の実施形態に係るシャツ保持ボード1は、本体部2、右袖側第1折返部3、右袖側第2折返部4、左袖側第1折返部5、左袖側第2折返部6、小折返部7、裾側折返部8及び襟側折返部9から構成されている。
【0012】
本体部2はプラスチック製で長方形状の板状部材からなる。本体部2は2つの開口10、10が
図1(a)上下方向に並んで形成されており、軽量化が図られている。詳しくは、2つの開口10、10は同寸法で
図1(a)左右方向へ延びた長方形状であって、本体部2を貫通している。
【0013】
本体部2の
図1(a)左方側には、本体部2と同じプラスチック製で長方形状の板状部材からなる右袖側第1折返部3が一体的に備えられている。右袖側第1折返部3は
図1(a)上下方向の長さが本体部2と同じで
図1(a)左右方向の長さが本体部2の約半分に設計されている。右袖側第1折返部3と本体部2との境界(つなぎ目部分)には
図1(a)上下方向に延びる直線状の溝3aが設けられており、右袖側第1折返部3は本体部2に対して折り返し自在となっている。右袖側第1折返部3はシャツの右袖を畳む際のガイドとして機能するものである。
【0014】
右袖側第1折返部3の
図1(a)上方側には、右袖側第1折返部3と同じプラスチック製で同形状かつ同寸法の板状部材からなる右袖側第2折返部4が一体的に備えられている。右袖側第2折返部4と右袖側第1折返部3との境界には
図1(a)左右方向に延びる直線状の溝4aが設けられており、右袖側第2折返部4は右袖側第1折返部3に対して折り返し自在となっている。
【0015】
本体部2の
図1(a)右方側には直線状の溝5aを介して左袖側第1折返部5が一体的に備えられており、左袖側第1折返部5の
図1(a)上方側には直線状の溝6aを介して左袖側第2折返部6が一体的に備えられている。左袖側第1折返部5及び左袖側第2折返部6の構成は、右袖側第1折返部3及び右袖側第2折返部4と同様である。
【0016】
本体部2の
図1(a)下方側には、本体部2と同じプラスチック製で
図1(a)左右方向へ延びた細長い長方形状の板状部材からなる小折返部7が一体的に備えられている。小折返部7と本体部2との境界には
図1(a)左右方向に延びる直線状の溝7aが設けられており、小折返部7は本体部2に対して折り返し自在となっている。
【0017】
小折返部7は
図1(a)左右方向の長さが本体部2と同じで
図1(a)上下方向の長さが
図1(a)左右方向の長さに比して十分に小さく設計されている。詳しくは、小折返部7の
図1(a)上下方向の長さは、後述するように裾側折返部8をシャツとともに折り返す際に、シャツの厚みによって裾側折返部8を折り返しにくくなることがないように、シャツの厚みを考慮した長さに設計されている。
【0018】
小折返部7の
図1(a)下方側には、本体部2と同じプラスチック製で同形状かつ同寸法の板状部材からなる裾側折返部8が一体的に備えられている。裾側折返部8と小折返部7との境界には
図1(a)左右方向に延びる直線状の溝8aが設けられており、裾側折返部8は小折返部7に対して折り返し自在となっている。裾側折返部8は本体部2と同様に2つの開口11、11が形成されており、軽量化が図られている。裾側折返部8はシャツの裾側の身頃を畳む際のガイドとして機能するものである。なお、裾側折返部8及び本体部2の開口10、10、11、11の数や形状は上述のものに限られず、例えば複数の円形状の開口を裾側折返部8及び本体部2に形成してもよい。
【0019】
本体部2の
図1(a)上方側には、本体部2と同じプラスチック製で同形状かつ同寸法の板状部材からなる襟側折返部9が一体的に備えられている。襟側折返部9と本体部2との境界には
図1(a)左右方向に延びる直線状の溝9aが設けられており、襟側折返部9は本体部2に対して折り返し自在となっている。襟側折返部9はシャツの襟を整形してきれいな形状で保持するとともにシャツの襟周辺の前身頃を保護するものである。
【0020】
襟側折返部9には、
図1(a)上方側の中央位置に二等辺三角形状の三角開口12が形成されており、三角開口12の底辺の中央から
図1(a)下方側へ延びる縦スリット13が形成されている。縦スリット13の
図1(a)下端には
図1(a)左右方向へ延びる横スリット14が形成されている。横スリット14の両端には、三角開口12の両辺の延長線に一致するように、
図1(a)下方側へ向かって斜めに延びる斜めスリット15、15が形成されている。
【0021】
斜めスリット15、15は前述した直線状の溝9aまで延びており、襟側折返部9において横スリット14と斜めスリット15、15で画成された部分16は、奥襟支持部16として当該溝9aを境に
図1(a)紙面手前側へ向かって折り曲げられている。奥襟支持部16はシャツの奥襟部分、詳しくはシャツの襟においてシャツ着用者の首の後ろ側に位置する部分を支持するために、シャツの台襟と襟羽根との間に挿入されるものである。奥襟支持部16の両角部分17、17は、奥襟支持部16をシャツの台襟と襟羽根との間に挿入しやすくするために、角張らないように湾曲して丸みを帯びた形状とすることがより好ましい。なお、
図1(a)及び
図1(b)において奥襟支持部16は形状を正確に示すために折り曲げられていない状態を示しており、このことは後述する第1、第2襟先支持部18、18、19、19についても同様である。
【0022】
襟側折返部9において、三角開口12と奥襟支持部16との間の部分、即ち縦スリット13の左右に位置する部分18、18は、第1襟先支持部18、18として三角開口12の両辺の延長線を折り目18a、18aとして
図1(a)紙面奥側へ向かって折り曲げられている。さらに、第1襟先支持部18、18の縦スリット13に面した
図1(a)下方側の部分は、第2襟先支持部19、19として折り目19a、19aを境に
図1(a)紙面奥側へ向かって折り曲げられている。折り目19a、19aは
図1(a)左右方向に対する角度が折り目18a、18aよりも小さく設計されており、第2襟先支持部19、19は直角三角形状となっている。
【0023】
斯かる第1、第2襟先支持部18、18、19、19はシャツの台襟と襟先(剣先)部分との間に挿入されてシャツの襟先部分を整形、支持するためのものである。襟先とその周辺部分を襟先部分と称する。なお、上述のように襟側折返部9の一部を折り曲げて奥襟支持部16及び第1襟先支持部18、18を形成することによって襟側折返部9にできた開口は、襟側折返部9からシャツの襟全体を露出させるための襟露出口となる。
【0024】
以上に述べた構成のシャツ保持ボード1は、不使用時には、本体部2に対して襟側折返部9を
図1(a)紙面手前側に折り返し、右袖側第2折返部4及び左袖側第2折返部6を
図1(a)紙面奥側に折り返した上で、右袖側第1折返部3及び左袖側第1折返部5を
図1(a)紙面奥側に折り返し、最後に裾側折返部8及び小折返部7を
図1(a)紙面奥側に折り返すことにより、コンパクトに折り畳むことができる(
図1(b)参照)。
【0025】
ここで、シャツ保持ボード1の使用方法、詳しくはシャツ保持ボード1によりワイシャツをきれいに畳んで保持するための手順について説明する。
手順1:使用者は
図1(b)に示すように折り畳まれた状態のシャツ保持ボード1の襟側折返部9を
図2(a)に示すように
図2(a)上方へ広げる。
【0026】
手順2:
図2(b)に示すように、使用者はワイシャツ20を本体部2に載せ、奥襟支持部16をワイシャツ20の
図2(b)紙面奥側の台襟と襟羽根との間に挿入する。これにより、奥襟支持部16はワイシャツ20の奥襟部分を、形状をきれいに保ちつつ支持することができる。なお、本手順にあたり使用者はワイシャツ20の少なくとも台襟ボタン(不図示)を留めておく。また、使用者はワイシャツ20がボタンダウンシャツである場合には襟先のボタンを予め外しておく。
【0027】
手順3:
図2(c)に示すように、使用者は襟側折返部9を
図2(c)下方へ閉じてワイシャツ20の前身頃に被せる。これにより、ワイシャツ20の奥襟部分を襟側折返部9の横スリット14と斜めスリット15、15で画成される開口から
図2(c)紙面手前側へ露出させることができる。
【0028】
手順4:
図3(a)に示すように、使用者は
図3(a)左方の第1、第2襟先支持部18、19をワイシャツ20の右側(
図3(a)左方)の襟先部分と台襟との間に挿入する。これにより、第1、第2襟先支持部18、19はワイシャツ20の右側の襟先部分を、形状をきれいに保ちつつ支持することができる。詳しくは、第1襟先支持部18で当該襟先部分及び台襟を支持して形状をきれいに保つことができ、第2襟先支持部19で当該襟先部分の形状をよりきれいに保つことができる。
【0029】
手順5:手順4と同様、
図3(b)に示すように、使用者は
図3(b)右方の第1、第2襟先支持部18、19をワイシャツ20の左側(
図3(b)右方)の襟先部分と台襟との間に挿入する。これにより、第1、第2襟先支持部18、19でワイシャツ20の左側の襟先部分を、形状をきれいに保ちつつ支持することができる。
手順6:
図3(c)に示すように、使用者はシャツ保持ボード1とワイシャツ20を一緒に裏返し、ワイシャツ20の襟が
図3(c)の下方へ位置するように上下の向きを逆さまにする。
【0030】
手順7:
図4(a)に示すように、使用者は裾側折返部8及び小折返部7を
図4(a)上方へ広げ、右袖側第1折返部3を
図4(a)左方へ広げて右袖側第2折返部4を
図4(a)下方へ広げ、左袖側第1折返部5を
図4(a)右方へ広げて左袖側第2折返部6を
図4(a)下方へ広げる。
手順8:
図4(b)に示すように、使用者はワイシャツ20の左袖を左袖側第1折返部5に沿って
図4(b)左方へ畳む。
【0031】
手順9:
図4(c)に示すように、使用者は左袖側第2折返部6を
図4(c)上方へ折り返す。これにより、ワイシャツ20の左袖の付け根周辺部分が左袖側第1折返部5と左袖側第2折返部6によって挟み込まれる。
手順10:
図5(a)に示すように、使用者は左袖側第1折返部5を左袖側第2折返部6及びワイシャツ20の左袖の付け根周辺部分とともに
図5(a)左方へ折り返す。また、これと同時に使用者はワイシャツ20の身頃の裾側部分を裾側折返部8に沿って
図5(a)左方へ畳む。なお、手順9によりワイシャツ20の左袖の付け根周辺部分が左袖側第1折返部5と左袖側第2折返部6に挟み込まれたことにより、本手順を実施した際にワイシャツ20の左袖を左袖側第2折返部6に沿ってきれいに畳むことができる。
【0032】
手順11:
図5(b)に示すように、使用者はワイシャツ20の左袖を左袖側第1折返部5に沿って
図5(b)右方へ折り返す。
手順12:
図5(c)に示すように、使用者はワイシャツ20の右袖を右袖側第1折返部3に沿って
図5(c)右方へ畳み、手順11で折り返された左袖に重ねる。
手順13:手順9と同様、
図6(a)に示すように、使用者は右袖側第2折返部4を
図6(a)上方へ折り返す。これにより、ワイシャツ20の右袖の付け根周辺部分が右袖側第1折返部3と右袖側第2折返部4とによって挟み込まれる。
【0033】
手順14:手順10と同様、
図6(b)に示すように、使用者は右袖側第1折返部3を右袖側第2折返部4及びワイシャツ20の右袖の付け根周辺部分とともに
図6(b)右方へ折り返す。また、これと同時に使用者はワイシャツ20の身頃の裾側部分を裾側折返部8に沿って
図6(b)右方へ畳む。なお、手順10と同様、手順13によりワイシャツ20の右袖の付け根周辺部分が右袖側第1折返部3と右袖側第2折返部4に挟み込まれたことにより、本手順を実施した際にワイシャツ20の右袖を右袖側第2折返部4に沿ってきれいに折り返すことができる。
手順15:
図6(c)に示すように、使用者は手順12で重ねたワイシャツ20の右袖と左袖をともに
図6(c)左方へ畳む。このとき、使用者は右袖及び左袖の先端が手順14で畳んだ身頃の裾側部分の
図6(c)左端よりも左方へ突き出ないように留意する。
【0034】
手順16:
図7(a)に示すように、使用者は裾側折返部8に対して本体部2を手順8~15で折り返した右袖側第1、2折返部3、4、左袖側第1、2折返部5、6及びワイシャツ20とともに
図7(a)上方へ折り返す。このとき、上述のように裾側折返部8と本体部2の間にはワイシャツ20の厚みを考慮して小折返部7が設けられており、裾側折返部8、小折返部7及び本体部2は側方から見てU字状をなす。このため、裾側折返部8に対して本体部2を無理なく折り返すことができ、ワイシャツ20に強い折りシワが付いてしまうことを効果的に防ぐことができる。
【0035】
手順17:
図7(b)に示すように、使用者は本体部2の
図7(b)上端よりも上方へ飛び出したワイシャツ20の身頃の裾部分を右袖側第2折返部4及び左袖側第2折返部6に沿って折り返し、右袖側第2折返部4及び左袖側第2折返部6と本体部2との間に差し込む。これにより全ての手順が完了し、
図7(c)に示すようにシャツ保持ボード1によってワイシャツ20をきれいに畳んで保持することができる。なお、使用者は本手順を実施することにより、ワイシャツ20を保持したシャツ保持ボード1を持ち運ぶ際にワイシャツ20がシャツ保持ボード1から外れてしまうことを防ぐことができる。
【0036】
シャツ保持ボード1によれば、簡単な構成でありながら、折りシワを最小限に抑えつつ、ワイシャツ20を簡単かつきれいに畳むことができる。また、ワイシャツ20をきれいに畳んだ状態を維持することができるため、保管や運搬にも適している。また、ワイシャツ20の襟周辺の前身頃が襟側折返部9で保護されているため、保管や運搬時にシワ、汚れ、傷を防ぐこともできる。
特に、使用者は手順2、4の簡単な作業により、奥襟支持部16及び左右の第1、第2襟先支持部18、18、19、19にワイシャツ20の襟をきれいな形状に保持させることができる。即ち、シャツ保持ボード1はワイシャツ20を畳む際の襟の取り扱いが非常に容易である。
【0037】
また、使用者は手順8、10、11、12、14、16、17において、ワイシャツ20を左袖側第1、第2折返部5、6、右袖側第1、第2折返部3、4、裾側折返部8に沿ってきれいに、かつ折り畳む角度や寸法を気にせず簡単に折り畳むことができる。
また、シャツ保持ボード1の本体部2の寸法をA4(210×297mm)サイズ程度の大きさに設計することにより、ワイシャツ20を一般的な書類サイズに折り畳むことができる。そして、不使用時にシャツ保持ボード1を折り畳んだ際には、一般的な書類とともに持ち運ぶことも容易となる。
【0038】
従来、ワイシャツが販売される際には、紙製の台紙やプラスチック製の複数のクリップによってワイシャツが保持されており、これらは全て開封時に廃棄物となってしまっていた。これに対してシャツ保持ボード1は、クリップ等を必要とせず部品点数が1点のみであり、使い捨てでなく繰り返し利用することができるという利点も有している。
【0039】
なお、本実施形態においてシャツ保持ボード1を構成する本体部2及び各折返部3~9はプラスチック製であるが、これに限られず例えば紙製、金属製等としてもよい。本体部2及び各折返部3~9を紙製とすれば、使い捨てのシャツ保持ボード1を実現することもできる。
【0040】
シャツ保持ボード1の右袖側第1折返部3は、上述のように本体部2との境界に溝3aを設けたことにより本体部2に対して折り返し自在であるが、右袖側第1折返部3を折り返し自在とする構成はこれに限られない。例えば、右袖側第1折返部3と本体部2との境界に蝶番を設けたり、右袖側第1折返部3と本体部2とをテープ材で連結することにより、右袖側第1折返部3を折り返し自在な構成としてもよい。このことは他の折返部4~9についても同様である。
【0041】
本実施形態では本体部2と裾側折返部8との間に小折返部7が設けられているが、小折返部7を省略し、裾側折返部8が本体部2に折り返し自在に備えられる構成としてもよい。
本体部2と裾側折返部8との間に設けられた小折返部7と同様の小折返部を、本体部2と右袖側第1折返部3との間にさらに備える構成としてもよい。当該小折返部の幅はワイシャツ20の厚み及び右袖側第2折返部4の厚みを考慮した長さに設計することが好ましい。これにより、上記手順10において左袖側第1折返部5を左袖側第2折返部6及びワイシャツ20とともに折り返す作業をより無理なく行うことができ、ワイシャツ20に強い畳みシワが付くことを防ぐことができる。これと同様に、本体部2と左袖側第1折返部5との間に小折返部をさらに備える構成としてもよい。
【0042】
上述のように、襟側折返部9において、奥襟支持部16は溝9aを境にして
図1(a)紙面手前側へ向かって折り曲げられ、第1襟先支持部18、18は折り目18a、18aを境にして、第2襟先支持部19、19は折り目19a、19aを境にして
図1(a)紙面奥側へ向かって折り曲げられている。しかしながらこれに限られず、奥襟支持部16及び第1、第2襟先支持部18、18、19、19は、それぞれの境に例えば蝶番を配置することにより、角度自在に折り曲げ可能な構成としてもよい。
【0043】
これにより、上述したシャツ保持ボード1の使用方法の手順2において、使用者は奥襟支持部16の折り曲げ角度を調整することにより、ワイシャツ20の奥襟部分をよりきれいに整形することができる。また、手順4、5において、使用者は第1、第2襟先支持部18、18、19、19の折り曲げ角度を調整することにより、ワイシャツ20の襟先部分をよりきれいに整形することができる。また、シャツ保持ボード1の不使用時には、襟側折返部9に対する奥襟支持部16及び第1、第2襟先支持部18、18、19、19の折り曲げ角度を0度とすることで、シャツ保持ボード1をよりコンパクトに折り畳むことができる。なお、シャツ保持ボード1を紙製とする場合には、奥襟支持部16及び第1、第2襟先支持部18、18、19、19をそれぞれの境に特別な構成を要することなく折り曲げ角度変更可能とすることができる。
【0044】
上述のように、本体部2、裾側折返部8には軽量化のために開口10、10、開口11、11がそれぞれ設けられているが、本体部2及び裾側折返部8の強度を確保するためにこれらを設けない構成としてもよい。また、右袖側第1、第2折返部3、4、左袖側第1、第2折返部5、6に本体部2及び裾側折返部8と同様に開口を設けて軽量化を図る構成としてもよい。
【0045】
襟側折返部9の三角開口12の大きさや形状は上述したものに限られない。例えば、三角開口12を底辺の大きな三角形状とすることにより、ワイシャツ20としてボタンダウンシャツをシャツ保持ボード1で畳んで保持した際に、襟先のボタンを留めることができる。例えば、三角開口12を大きな台形状とすることにより、シャツ保持ボード1でワイシャツ20を畳んで保持した際に、三角開口12から露出するワイシャツ20の前身頃の面積が大きくなりワイシャツ20の柄の視認性を向上することができる。
【0046】
また、第1、第2襟先支持部18、18、19、19の大きさや形状は上述したものに限られない。例えば、シャツ保持ボード1で畳んで保持するワイシャツの襟の種類(レギュラーカラー、ワイドカラー、ボタンダウン等)に応じて、第1、第2襟先支持部18、18、19、19の大きさや形状、それぞれの折り目18a、18a、19a、19aの角度(
図1(a)左右方向に対する角度)を設計してもよい。
【0047】
シャツ保持ボード1は上述のようにワイシャツ20を畳んで保持することに適しているが、対象はこれに限られない。シャツ保持ボード1によってその他の長袖の襟付きシャツ(例えばネルシャツ等)、半袖の襟付きシャツ、長袖のTシャツ、半袖のTシャツ等をきれいに畳んで保持することもできる。
【0048】
図8(a)に示す本発明の実施形態に係るシャツ収納袋21は、
図7(c)に示すシャツ保持ボード1によってきれいに畳んで保持されたワイシャツ20をシャツ保持ボード1とともに収納することに適したものである。
シャツ収納袋21は、
図8(b)に示す布製の第1、第2袋部22、23を貼り合わせてなり、
図8(a)に示すように全体として立方体形状をなしている。第1、第2袋部22、23は同形状かつ同寸法、同様の構成であるため、構成要素に同じ符号を付して第1袋部22についてのみ説明する。
【0049】
第1袋部22は、断面が凡そ直角三角形の角柱形状をした中空の袋部材からなる。詳しくは、第1袋部22の対向する2つの側面の各々は、幅(
図8(b)上下方向における長さ)の狭い矩形状部分24と、矩形状部分24に連なり幅が拡大する三角形状部分25と、三角形状部分25に連なる幅の広い正方形状部分26とによって形成されている。なお、第1袋部22は布製に限られず、例えばビニール等のその他の素材で構成してもよい。
【0050】
第1袋部22の長方形状の表面27(第2袋部23と貼り合わせる面に対向する面)の長手方向及び短手方向の長さは、ワイシャツ20を保持したシャツ保持ボード1の長手方向及び短手方向の長さよりも大きく設計されている。第1袋部22の側面において、矩形状部分24の
図8(b)上下方向幅は、ワイシャツ20を保持したシャツ保持ボード1の
図7(c)下方端部分を収納するために、当該下方端部分の厚みよりも大きく設計されている。三角形状部分25及び正方形状部分26の
図8(b)上下方向幅は、ワイシャツ20を保持したシャツ保持ボード1の
図7(c)上側部分即ちワイシャツ20の襟部分を収納するために、当該上側部分の厚みよりも大きく設計されている。これらの構成により、ワイシャツ20を保持したシャツ保持ボード1を第1袋部22にスムーズに挿脱することができ、第1袋部22に収納されたワイシャツ20の襟が潰れてしまうことを効果的に防ぐことができる。
【0051】
第1袋部22の表面27の正方形状部分26側には、表面27の短手方向へ延びる長方形状のポケット28が設けられている。ポケット28にはマスク、ハンカチ、ネクタイ等の小物、防虫剤、防カビ剤等を収納することができる。特に、第1袋部22を本実施形態のように布製とする又は通気性の良いその他の素材(例えば、不織布等)で構成することにより、防虫剤や防カビ剤をポケット28に収納した際に第1袋部22内で防虫効果、防カビ効果を良好に発揮することができる。
【0052】
第1袋部22の正方形状部分26側の端面(
図8(b)左方側の端面)は、ワイシャツ20を保持したシャツ保持ボード1を第1袋部22内へ挿脱するべく開放されており、当該端面を閉塞するためのストラップ29が表面27の正方形状部分26側の端部に取り付けられている。ストラップ29は第1袋部22と同じ布製であって
図8(b)左右方向へ延びた長方形状をしている。ストラップ29の短手方向の長さは表面27の短手方向の長さと同じで、長手方向の長さはストラップ29が第2袋部23に備えられた後述するバンド30まで届くように十分な大きさに設計されている。
【0053】
第1袋部22の表面27の矩形状部分24側には、表面27の短手方向へ延びた長方形状のバンド30が備えられている。バンド30は第1袋部22と同じ布製であって、長手方向の両端部が第1袋部22に固定されている。第1袋部22の表面27とバンド30との隙間に第2袋部23に備えられたストラップ29を挿入することにより、第2袋部23のストラップ29を固定し、第2袋部23の開放された端面をストラップ29で閉塞した状態を維持することができる。
【0054】
斯かる構成の下、第1袋部22にワイシャツ20を保持したシャツ保持ボード1を入れてストラップ29を第2袋部23のバンド30に固定し、同様に第2袋部23にもワイシャツ20を保持したシャツ保持ボード1を入れてストラップ29を第1袋部22のバンド30に固定することにより、シャツ収納袋21はワイシャツ20を保持したシャツ保持ボード1を2組収納することができる。これにより、使用者は埃、ゴミ、汚れ、傷等が付くことを効果的に防ぎながらワイシャツ20を2枚同時に保管、運搬することが可能となる。
【0055】
シャツ収納袋21は、2組のワイシャツ20を保持したシャツ保持ボード1が
図8(a)の左右方向両側から挿入され、一方の襟部分が他方の前身頃部分と対向するように収納される構造であり、これによってシャツ収納袋21内の無駄なスペースを排除し小型化を達成することができる。
【0056】
なお、本実施形態では上述のように第1袋部22のバンド30で第2袋部23のストラップ29を固定しているが、ストラップ29を固定するための構成はこれに限られない。例えば、第1袋部22の表面27の矩形状部分24側にバンド30の代わりに面ファスナーのループ面を設け、第2袋部23のストラップ29の内側に面ファスナーのフック面を設け、これらを貼り合わせることによりストラップ29を固定する構成としてもよい。
【0057】
上述のように、シャツ収納袋21は第1、第2袋部22、23を貼り合わせて構成されている。しかしこれに限られず、立方体形状の袋部材の内部に第1、第2袋部22、23と同形状の空間ができるように仕切りを設けることでシャツ収納袋21を構成してもよい。
【0058】
図9(a)は上述したシャツ収納袋21の変形例であるシャツ収納袋31を示している。
図9(a)に示すシャツ収納袋31について、シャツ収納袋21と同じ構成の部分については同じ符号を付している。
【0059】
第1袋部22の表面27には、シャツ収納袋21におけるポケット28とバンド30の代わりに、ポケット28よりも大型で表面27の長手方向へ延びる長方形状の大ポケット32が設けられている。第1袋部22の正方形状部分26側の端面(
図9(b)左方側の端面)は、表面27と同じ布地で閉塞されている。当該端面には表面27の短手方向へ延びるファスナー33が設けられており、ファスナー33を開くことによりワイシャツ20を保持したシャツ保持ボード1を第1袋部22内へ挿脱することができる。なお、第2袋部23の構成は第1袋部22と同様である。
【0060】
斯かる構成のシャツ収納袋31は、第1、第2袋部22、23のそれぞれにワイシャツ20を保持したシャツ保持ボード1を収納することができ、シャツ収納袋21と同様の効果を奏することができる。
なお、シャツ収納袋31は、第1、第2袋部22、23を複数組有し、それらの表面同士を貼り合わせた構成としてもよい。また、シャツ収納袋31は第1袋部22と同様の袋部が別途単品で販売され、使用者は購入した袋部を第1、第2袋部23、23に貼り合わせて使用できる構成としてもよい。
【0061】
以上に述べた実施形態によれば、襟全体の形状をきれいに保つことが可能で、袖及び身頃を簡単かつきれいに畳むことが可能なシャツ保持ボード1、シャツを保持したシャツ保持ボード1の収納に好適なシャツ収納袋21、31を実現することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 シャツ保持ボード
2 本体部
3 右袖側第1折返部
4 右袖側第2折返部
5 左袖側第1折返部
6 左袖側第2折返部
7 小折返部
8 裾側折返部
9 襟側折返部
16 奥襟支持部
18 第1襟先支持部
19 第2襟先支持部
20 ワイシャツ
21、31 シャツ収納袋
22 第1袋部
23 第2袋部
28 ポケット
29 ストラップ
30 バンド
32 大ポケット
33 ファスナー