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特開2024-151074排出ガス中の二酸化炭素及び窒素酸化物の回収方法及び回収装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151074
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】排出ガス中の二酸化炭素及び窒素酸化物の回収方法及び回収装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/62 20060101AFI20241017BHJP
   B01D 53/56 20060101ALI20241017BHJP
   B01D 53/78 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
B01D53/62 ZAB
B01D53/56 200
B01D53/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064202
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】391017447
【氏名又は名称】サン・プラント工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086346
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 武信
(72)【発明者】
【氏名】上埜 盛生
(72)【発明者】
【氏名】南 悠一
【テーマコード(参考)】
4D002
【Fターム(参考)】
4D002AA09
4D002AA12
4D002AC04
4D002AC10
4D002BA02
4D002CA01
4D002DA01
4D002DA02
4D002DA03
4D002DA04
4D002DA05
4D002FA02
4D002FA10
4D002GA03
4D002GB09
(57)【要約】
【課題】種々の燃焼物の燃焼処理時に発生する排出ガスに含有する二酸化炭素及び窒素酸化物の分離回収能力向上、連続稼働による自動化及び後処理の課題を解決する。
【解決手段】排出ガスに含有する二酸化炭素及び窒素酸化物と周期表第I族元素のアルカリ金属のアルカリ性化合物よりなるアルカリ水溶液及び周期表第II族元素アルカリ土類金属のアルカリ性化合物の沈殿物を含有するアルカリ水溶液等とを、反応塔内にて、接触混合させることによる化学反応にて、アルカリ土類金属の炭酸塩の沈殿物及び硝酸塩の水溶液及びアルカリ金属の炭酸塩と硝酸塩の水溶液として二酸化炭素及び窒素酸化物を分離回収するもので、アルカリ水溶液及び沈殿物を含有するアルカリ水溶液等を、循環ポンプにより調整槽1→反応塔11→貯水槽2→調整槽1と循環させ、連続稼働によって二酸化炭素及び窒素酸化物を分離回収する方法及び装置を提供した。
【選択図】 図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体燃料、液体燃料、気体燃料及び廃棄物からなる群の少なくとも一種の燃焼物の燃焼処理時に発生する排出ガスを、反応塔内に導入する工程と、
前記排出ガスに対して、アルカリ水溶液を噴射或いはシャワーの単独或いは併用にて付与し、前記排出ガス中に含有された二酸化炭素及び窒素酸化物に対して接触化学反応を行わせる反応工程とを備え、
前記反応工程は、前記アルカリ水溶液を噴射或いはシャワーの単独或いは併用により付与することで前記排出ガスと前記アルカリ水溶液との気体・液体の乱流及び/又は波動による化学反応を促進させる工程を含み、
前記アルカリ水溶液は、周期表第I族元素のアルカリ金属により構成されたアルカリ性化合物よりなるアルカリ水溶液であり、
前記反応塔は反応促進の目的の為の障害物が設置され、
前記アルカリ水溶液には「PH8.0以上」管理の下、絶えず前記アルカリ性化合物が添加されながら、前記アルカリ水溶液は調整槽→反応塔→貯水槽を経て、前記貯水槽に戻るように循環させて、連続稼働を行い、前記反応工程により生じた周期表第I族元素の前記アルカリ金属の炭酸塩及び硝酸塩を、濃縮液として前記排出ガスより分離することにより、前記二酸化炭素及び前記窒素酸化物を前記排出ガスより分離回収することを特徴とする排出ガス中の二酸化炭素及び窒素酸化物の回収方法。
【請求項2】
固体燃料、液体燃料、気体燃料及び廃棄物からなる群の少なくとも一種の燃焼物の燃焼処理時に発生する排出ガスを、反応塔内に導入する工程と、
前記排出ガスに対して、周期表第II族元素のアルカリ土類金属により構成されたアルカリ性化合物の粉体を含有するアルカリ水溶液を噴射或いはシャワーの単独或いは併用にて付与し、前記排出ガス中に含有された二酸化炭素及び窒素酸化物に対して接触化学反応を行わせる反応工程とを備え、
前記排出ガスと前記アルカリ水溶液との気体・液体の乱流及び/又は波動による化学反応を促進させる為の障害物が設置され、前記アルカリ水溶液は絶えず「PH8.0以上」の管理の下、絶えず、アルカリ土類金属の前記アルカリ性化合物が添加されながら、前記アルカリ水溶液は「調整槽→反応塔→貯水槽→前記調整槽」との間を循環させて、連続稼働を行い、前記反応工程によって、前記二酸化炭素は周期表第II族元素の前記アルカリ土類金属の炭酸塩の結晶として成長した沈殿物として、一方、前記窒素酸化物は周期表第II族元素の前記アルカリ土類金属の硝酸塩の濃縮水溶液として、それぞれ前記排出ガスより分離回収することを特徴とする排出ガス中の二酸化炭素及び窒素酸化物の回収方法。
【請求項3】
固体燃料、液体燃料、気体燃料及び廃棄物からなる群の少なくとも一種の燃焼物の燃焼処理時に発生する排出ガスを、反応塔内に導入する工程と、
前記排出ガスに対して、周期表第I族元素のアルカリ金属のアルカリ水溶液に周期表第II族元素のアルカリ土類金属の粉体を含有するアルカリ水溶液を噴射、或いはシャワーの単独或いは併用にて付与し、
前記排出ガス中に含有された二酸化炭素及び窒素酸化物に対して前記アルカリ水溶液との気体・液体の乱流及び/又は波動により、前記反応塔内での化学反応を促進の目的の為の障害物が設置され、前記アルカリ水溶液には絶えず「PH8.0以上」の管理の下で周期表第II族元素のアルカリ土類金属のアルカリ性化合物は添加され、前記アルカリ水溶液は「調整槽→反応塔→貯水槽→調整槽」と循環を繰り返し、前記反応塔内での化学反応工程によって、前記二酸化炭素は、前記アルカリ土類金属の炭酸塩の沈殿物となり、貯水槽にて沈殿物して回収され、一方、前記窒素酸化物は前記アルカリ土類金属の硝酸塩の水溶液となり「調整槽→反応塔→貯水槽→調整槽」と循環を繰り返し、前記硝酸塩の濃厚水溶液として、前記排出ガスより分離回収することを特徴とする排出ガス中の二酸化炭素及び窒素酸化物の回収方法。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載の排出ガス中の二酸化炭素及び窒素酸化物の回収方法を実施するに際して用いる前記調整槽、前記反応塔、前記貯水槽を少なくとも備えたことを特徴とする排出ガス中の二酸化炭素及び窒素酸化物の回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体燃料、液体燃料、気体燃料、及び廃棄物の燃焼処理時に、大量に発生する燃焼排出ガス(以下、単に排出ガスという)に含有する二酸化炭素CO2及び窒素酸化物NOxを連続稼働によって分離回収する方法及び装置に関するものであり、地球の環境改善に寄与するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、排出ガス中の二酸化炭素及び酸化窒素の除去については、様々な提案がなされている。例えば、排出ガス中の二酸化炭素及び酸化窒素の除去についての特許文献1によると、乗用車及びディーゼル車の燃焼室から外部に排出される廃棄ガスの処理について、アルカリ水溶液によるバッチ式の浄化装置及び二酸化炭素除去フイルターによる大気中の二酸化炭素及び窒素酸化物の除去に関しての提案が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-284543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来の技術は、固体燃料、液体燃料、気体燃料、及び廃棄物の燃焼処理時に大量に発生する排出ガスに含有する二酸化炭素CO2及び窒素酸化物NOxの分離回収の能力は小さく、更に大量に発生する排出ガスに含有する二酸化炭素CO2及び窒素酸化物NOx連続稼働による自動化は望めない。又、分離回収後に発生した炭酸塩の化合物及び窒素化合物に関する後処理に付いての提示はされて無く、成分の内容によっては、処理の方法による害に繋がる恐れがある。
本発明は、この問題点を解決する為の処理方法及び装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための本発明の方法は固体燃料、液体燃料、気体燃料及び廃棄物からなる群の少なくとも一種の燃焼物の燃焼処理時に、大量に発生する排出ガスに含有する二酸化炭素CO2及び窒素酸化物NOxと周期表第I族元素のアルカリ金属のアルカリ性化合物よりなるアルカリ水溶液及び周期表第II族元素アルカリ土類金属のアルカリ性化合物の沈殿物を含有するアルカリ水溶液等とを、反応塔内にて、接触混合させることによる化学反応にて、アルカリ土類金属の炭酸塩の沈殿物及び硝酸塩の水溶液及びアルカリ金属の炭酸塩と硝酸塩の水溶液として二酸化炭素CO2及び窒素酸化物NOXを分離回収するものであり、そのためにアルカリ水溶液及び沈殿物を含有するアルカリ水溶液等を、循環ポンプにより調整槽→反応塔→貯水槽→調整槽と循環させ、これにより連続稼働によって二酸化炭素CO2及び窒素酸化物NOxを分離回収する方法及び装置を提供したものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、連続稼働によって二酸化炭素CO2及び窒素酸化物NOxを分離回収する方法及び装置を提供し得たものである。
本発明によると、燃焼過程で発生する、二酸化炭素及び窒素酸化物と噴射又はシャワ状のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の元素よりなるアルカリ性化合物の水溶液との接触混合による化学反応にて炭酸塩及び硝酸塩として回収し、二酸化炭素及び窒素酸化物の空中への排出を防止する事は、地球の温暖化及び酸性雨の阻止に繋がると共に、二酸化炭素及び窒素酸化物の処理工程で得られたアルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩及び硝酸塩には土壌の改良剤としての特性があり、酸性土壌に対しては、中和作用の働きが有り、堆肥作りで炭酸塩及び硝酸塩を混合する事により中和作用と同時に発生する二酸化炭素(-CO3)及び硝酸塩(-NO3)は堆肥中のアンモニア(NH4OH)と結合して炭酸アンモニュウム((NH4)2CO3)及び硝酸アンモニゥム(NHNOg)となり土壌に固定化され、土壌のPHの安定化と共に植物の栄養元となり地球の温暖化及び酸性雨の防止に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】本発明の実施の形態に係る「反応塔」内の「排出ガス」と「アルカリ性水溶液」の流れが交差する構造の構成を示すもので、左側が全体の「側面図」、右側上が障害物15の「上面図」、右側下が障害物15の「側面図」である。
図1B】本発明の実施の形態に係る「反応塔」内の「排出ガス」及び「アルカリ性水溶液」の流れを示すもので、左側が全体の「側面図」、右側上が噴霧治具16の「上面図」、右側下が絞り治具20の「上面図」である。
図1C】本発明の実施の形態に係る「貯水槽」「調整槽」を示すもので、上がそれらの「側面図」、下がそれらの「上面図」である。
図2A】本発明の実施の形態に係る「反応塔」内の「排出ガス」と「アルカリ性水溶液」の流れが交差する構造の構成を示すもので、左側が全体の「側面図」、右側上が集配冶具13の「上面図」、右側下が集配冶具13「側面図」である。
図2B】本発明の実施の形態に係る「反応塔」内の「排出ガス」及び「アルカリ性水溶液」の流れを示すもので、左側が全体の「側面図」、右側上が障害物15の「上面図」、右側下が障害物15の「側面図」である。
図3A】本発明の実施の形態に係る「反応塔」内の「排出ガス」と「アルカリ性水溶液」の流れが交差する構造の構成を示す全体の「側面図」である。
図3B】本発明の実施の形態に係る「反応塔」内の「排出ガス」及び「アルカリ性水溶液」の流れを示す構造の構成を示す全体の「側面図」である。
図3C】本発明の実施の形態に係る「反応塔」内に設置された障害物の冶具を示すもので、上から1番目はその一例(12-a)の「上面図」、上から2番目はその一例(12-a)の「側面図」上から3番目は他の一例(12-b)の「上面図」、上から4番目は他の一例(12-b)の「側面図」である。
図3D】本発明の実施の形態に係る「反応塔」内に設置された障害物の冶具の他の例を示すもので、上から1番目の左側はその一例(13)の「上面図」、上から1番目の右側はその一例(13と15)の「上面図」、上から2番目はその一例(13)の「側面図」、上から3番目はその一例(13と15)の「側面図」である。
図3E】本発明の実施の形態に係る「反応塔」内に設置された収集通路の例を示すもので、上から1番目の左側はその一例の(収集通路14)の「上面図」、上から1番目の右側はその一例の(収集通路14)の「側面図」、上から2番目はその一例(帯状の障害物15)の展開状態を示す「側面図」、上から3番目はその一例(帯状の展開状態の障害物15の一端を収集通路14)に取り付けた状態)を示す「上面図」、上から4番目はその一例(帯状の展開状態の障害物15を収集通路14の外側に巻き付けた状態)を示す「上面図」、上から5番目はその一例(帯状の展開状態の障害物15を収集通路14の外側に巻き付けた状態)を示す「側面図」である。
図4A】本発明の実施の形態に係る「反応塔」内の「排出ガス」と「アルカリ性水溶液」のの流れが交差する構造の構成を示すもので、左側が全体の「側面図」、右側上が絞り冶具13の「上面図」、右側下が絞り冶具13「側面図」である。
図4B】本発明の実施の形態に係る「反応塔」内の「排出ガス」と「アルカリ性水溶液」の流れを示すもので、左側が全体の「側面図」、右側上が障害物15の「上面図」、右側下が障害物15の「側面図」である。
図5】本発明の実施の形態に係る図2図3図4に示す「調整槽」及び「貯水槽」の構成を示すもので、上がそれらの「側面図」、下がそれらの「上面図」である。
図6】請求項1の発明に係る工程の流れを示す工程説明図。
図7】請求項2の発明に係る工程の流れを示す工程説明図。
図8】請求項3の発明に係る工程の流れを示す工程説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は以下の様々な形態で実施することができるものである。これについて図1図2図3図4図5図6図7図8に基づき順次説明する。
(実施の形態1)
【0009】
実施の形態1は、周期表第I族元素のアルカリ金属の水酸化カリウム(KOH)のアルカリ水溶液を調整槽1にて調合し、このアルカリ水溶液を循環ポンプ7-aにて障害物を設置した反応塔11の上部より「図1」の場合は噴霧冶具16、「図2図3図4」の場合はシャワー方式にて下方向に、一方燃焼装置の稼働時に発生する排出ガス中の二酸化炭素及び酸化窒素は「図1」の場合は反応塔11の上部より挿入され、「図2図3図4」の場合は反応塔11の下部より挿入され、「図1図4」の反応塔11に設置された「絞り冶具13」或いは「図2図3」の障害物15とアルカリ水溶液の撒布冶具16の組み合わせ構造により、アルカリ水溶液と排出ガス中の二酸化炭素及び酸化窒素の液体・気体の「乱流及び/又は波動」による接触化学反応の促進により二酸化炭素は炭酸カリウムの水溶液に、窒素酸化物は硝酸カリウムの水溶液となり貯水槽2の水酸化カリウムのアルカリ水溶液に混合され、調整槽1→反応塔11→貯水槽2→調整槽1と工程の流れを「図6」に示す如く循環を繰り返す。
【0010】
その間、循環するアルカリ性水溶液には絶えず「PH8.0以上」の管理の下で周期表第I族元素のアルカリ金属の水酸化カリウム(KOH)が添加され、濃厚な炭酸カリウム及び硝酸カリウムの水溶液を造り、貯水槽2より分離し、加熱濃縮により結晶として排出ガス中の二酸化炭素及び窒素酸化物を分離回収する方法である。
(実施の形態2)
【0011】
実施の形態2は、周期表第II族元素のアルカリ土類金属の水酸化カルシウムの結晶と水酸化カルシウムの水溶液の混合水溶液を調整槽1にて調合し、その結晶混合アルカリ水溶液を循環ポンプ7-aにて障害物15を設置した「図2図3図4」の反応塔11の上部から撒布冶具16によるアルカリ性水溶液のシャワーと反応塔11の下部より挿入される排出ガス中の二酸化炭素及び窒素酸化物の液体・気体の「乱流及び/又は波動」による接触化学反応の促進により二酸化炭素及び窒素酸化物は炭酸カルシウムの結晶および硝酸カルシウムの水溶液となり水酸化カルシウムの混合水溶液とし、調整槽1→反応塔11→貯水槽2→調整槽へと工程の流れを「図7」に示す如く循環を繰り返し炭酸カルシウムの結晶は沈殿・蓄積される。
その間、アルカリ性水溶液には絶えず「PH8.0以上」の管理の下で周期表第II族元素のアルカリ土類金属のアルカリ性化合物が添加される。
【0012】
貯水槽2に沈殿蓄積された炭酸カルシウムの結晶・沈殿物は汲み上げ用ポンプ9により沈殿物分離装置8に汲み上げられて分離される。一方、硝酸カルシウムの水溶液は循環を繰り返し濃厚液として蓄積され、濃厚液は加熱濃縮により結晶として、排出ガス中の二酸化炭素及び窒素酸化物を分離回収する方法である。
(実施の形態3)
【0013】
実施の形態3は、周期表第I族元素のアルカリ金属の水酸化ナトリウム(NaOH)と周期表第II族元素のアルカリ土類金属の水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の結晶を含有するアルカリ性水溶液を調整槽1にて調合し、循環ポンプ7-aにて障害物15を設置した「図2図3図4」の反応塔11の上部から集配冶具13を通じ、アルカリ性水溶液のシャワーと、反応塔11の下部より挿入される排出ガス中の二酸化炭素及び窒素酸化物の気体を反応塔11内の障害物15構造及び絞り冶具20により「乱流及び/又は波動」にて接触化学反応が促進され二酸化炭素及び窒素酸化物は炭酸カルシウムの結晶、硝酸カルシウム、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、の混合水溶液となり、反応塔11→貯水槽2→調整槽1へと巡回し、調整槽では、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウムは調整槽1内の水酸化カルシウムと「イオン化傾向の法則」による置換反応により、炭酸ナトリウムは炭酸カルシウムと水酸化ナトリウムに、硝酸ナトリウムは硝酸カルシウムとなり、調整槽1→反応塔11→貯水槽2→調整槽1へと工程の流れを「図8」に示す如く循環を繰り返し炭酸カルシウムの結晶は生長し貯水槽2で沈殿・蓄積され、硝酸カルシウム、水酸化ナトリウム、硝酸ナトリウムの液体は循環濃縮を繰り返し蓄積される。
その間、循環されるアルカリ性水溶液は絶えず「PH8.0以上」の管理の下で周期表第II族元素のアルカリ土類金属のアルカリ性化合物が添加される。
貯水槽2に沈殿・蓄積された炭酸カルシウムは、汲み上げポンプ9により沈殿物分離装置8に汲み上げられ分離回収され、排出ガス中より二酸化炭素及び酸化窒素を分離回収する方法である。
(実施の形態4)
【0014】
実施の形態4は、周期表第I族元素のアルカリ金属の水酸化カリウム(KOH)のアルカリ水溶液を調整槽1にて調合し、このアルカリ水溶液を循環ポンプ7-aにて障害物を設置した反応塔11の上部より噴霧冶具16にて下方向に噴霧、一方燃焼装置の稼働時に発生する排出ガス中の二酸化炭素及び酸化窒素は「図1」の反応塔11の上部より挿入され、反応塔11内では液体、気体は共に下方向、同一方向に進行し、反応塔11に設置された「絞り冶具13」により、アルカリ性水溶液と排出ガス中の二酸化炭素及び酸化窒素の液体・気体の「乱流及び/又は波動」による接触化学反応の促進により二酸化炭素は炭酸カリウムの水溶液に、窒素酸化物は硝酸カリウム水溶液となり貯水槽2の水酸化カリウムのアルカリ水溶液に混合され、調整槽1→反応塔11→貯水槽2→調整槽1と循環を繰り返し濃厚水溶液になる。
【0015】
その間、循環するアルカリ性水溶液には絶えず「PH8.0以上」の管理下で調整槽1に設置された「アルカリ性化合物定量投入装置3-a」により周期表第I族元素のアルカリ金属の水酸化カリウム(KOH)は調整槽1に設置された「溶解カゴ3-b」に投入し溶解し「攪拌機4」により攪拌し濃度を均一にされ、水位は「レベルセンサ-5」により感知し「自動給水6」によりされる。
炭酸カリウム及び硝酸カリウムの濃厚水溶液は「貯水槽2」より分離し、加熱濃縮し結晶として、排出ガス中の二酸化炭素及び窒素酸化物を分離回収する装置である。
(実施の形態5)
【0016】
実施の形態5は、周期表第II族元素のアルカリ土類金属の水酸化カルシウム(Ca(OH)2)結晶混合水溶液を調整槽1にて調合し、このアルカリ水溶液を循環ポンプ7-aにて障害物を設置した反応塔11の上部より分配冶具16にて集配冶具13に分配し下方向にシヤワー、一方燃焼装置の稼働時に発生する排出ガス中の二酸化炭素及び窒素酸化物は「図2」の反応塔11の下部より挿入されアルカリ水溶液と障害物15内で気体、液体、の交差接触による接触化学反応の促進により二酸化炭素は炭酸カルシウムの結晶に、窒素酸化物は硝酸カルシウムの水溶液なり、水酸化カルシウムのアルカリ水溶液の混合水溶液となり、反応塔11→貯水槽2→調整槽1→反応塔11と循環を繰り返し水酸化カルシウムの結晶は生長し貯水槽2で沈殿し、汲み上げポンプ9により沈殿物分離装置8へ送られて二酸化炭素は炭酸カルシウムの結晶として分離回収され、硝酸カルシウムの水溶液は、水酸化カルシウムのアルカリ混合水溶液として貯水槽2→調整槽1→反応塔11→貯水槽2と調整槽1に設置された循環ポンプ7-aにより循環を繰り返し濃厚水溶液になる。
【0017】
その間、循環するアルカリ性水溶液には絶えず「PH8.0以上」の管理下で「図5」の調整槽1に設置された「アルカリ性化合物定量投入装置3-a」により周期表第II族元素のアルカリ土類金属の水酸化カルシウム(Ca(OH)2)は調整槽1に設置された「溶解カゴ3-b」に投入し溶解し「攪拌機4」により攪拌し濃度を均一となり水位は「レベルセンサ-5」により感知し「自動給水6」により水位の安定化が図れる。尚、硝酸カルシウムの濃厚水溶液は「貯水槽2」より分離し加熱濃縮し結晶として、排出ガス中の二酸化炭素及び酸化窒素を分離回収する装置である。
(実施の形態6)
【0018】
実施の形態6は、周期表第II族元素のアルカリ土類金属の水酸化カルシウム(Ca(OH)2)結晶混合水溶液を調整槽1にて調合し、このアルカリ水溶液を循環ポンプ7-aにて図3の障害物を設置した反応塔11の上部より分配冶具16にて分散冶具12によりアルカリ水溶液を360度均一に分配し下方向に流し、集配冶具13に集め、図3Eの集配冶具13に「セット」した障害物15の上部より、下方向・垂直に流れ分散冶具12より、再びアルカリ水溶液を360度均一に分配し下方向に流れ集配冶具13に集られ反応塔11内で繰り返しながら下方向に流れ貯水槽2に集合する。
【0019】
排出ガス中の二酸化炭素及び窒素酸化物は反応塔11の下より上昇し障害物15の側面より通過し、排気ガス・収集通路14に集まり通路内を上昇し、次の障害物15の側面に排気ガスは集合する。
【0020】
アルカリ性水溶液と排出ガス中の二酸化炭素及び酸化窒素の液体・気体の「乱流及び/又は波動」による接触化学反応が促進され二酸化炭素は炭酸カルシウムの結晶に、窒素酸化物は硝酸カルシウムの水溶液になり、水酸化カルシウムのアルカリ水溶液の混合水溶液となり、反応塔11→貯水槽2→調整槽1→反応塔11と循環を繰り返し水酸化カルシウムの結晶は生長し貯水槽2で沈殿し、汲み上げポンプ9により沈殿物分離装置8へ送られて二酸化炭素は炭酸カルシウムの結晶として分離回収され、硝酸カルシウムの水溶液は、水酸化カルシウムのアルカリ混合水溶液として貯水槽2→調整槽1→反応塔11→貯水槽2と調整槽1に設置された循環ポンプ7-aにより循環を繰り返し濃厚水溶液になる。
【0021】
その間、循環するアルカリ性水溶液には絶えず「PH8.0以上」の管理下で「図5」の調整槽1に設置された「アルカリ性化合物定量投入装置3-a」により周期表第II族元素のアルカリ土類金属の水酸化カルシウム(Ca(OH)2)は調整槽1に設置された「溶解カゴ3-b」に投入し溶解し「攪拌機4」により攪拌し濃度を均一にされ水位は「レベルセンサ-5」により感知し「自動給水6」により水位の安定化が図れる。硝酸カリウムの濃厚水溶液は「貯水槽2」より分離し加熱濃縮し結晶として、排出ガス中の二酸化炭素及び酸化窒素を分離回収する装置である。
(実施の形態7)
【0022】
実施の形態7は、周期表第II族元素のアルカリ土類金属の水酸化カルシウム(Ca(OH)2)結晶混合水溶液を調整槽1にて調合し、このアルカリ水溶液を循環ポンプ7-aにて図4の障害物を設置した反応塔11の上部より分配ノズル16-bにてシャワー冶具13よりアルカリ水溶液を均一に分配し下方向にシヤワー、一方燃焼装置の稼働時に発生する排出ガス中の二酸化炭素及び窒素酸化物は「図~4」の反応塔11の下部より挿入され通過する際、シャワー冶具13、絞り冶具20の設置により、乱流・交差にて、気体、液体、は「乱流及び/又は波動」による接触による接触化学反応の促進により二酸化炭素は炭酸カルシウムの結晶に、窒素酸化物は硝酸カルシウムの水溶液になり、水酸化カルシウムのアルカリ水溶液の混合水溶液は、反応塔11→貯水槽2→調整槽1→反応塔11と循環を繰り返し水酸化カルシウムの結晶は生長し貯水槽2で沈殿し、汲み上げポンプ9にて沈殿物分離装置8に汲み上げ、二酸化炭素は炭酸カルシウムの結晶として分離回収される、硝酸カルシウムの水溶液は、水酸化カルシウムのアルカリ混合水溶液として貯水槽2→調整槽1→反応塔11→貯水槽2と調整槽1に設置された循環ポンプ7-aにより循環を繰り返し濃厚水溶液になる。
【0023】
その間、循環するアルカリ性水溶液には絶えず「PH8.0以上」の管理下で「図5」の調整槽1に設置された「アルカリ性化合物定量投入装置3-a」により周期表第3族元素のアルカリ土類金属の水酸化カルシウム(Ca(OH)2)は調整槽1に設置された「溶解カゴ3-b」に投入し溶解し「攪拌機4」により攪拌し濃度を均一となり水位は「レベルセンサ-5」により感知し「自動給水6」により水位の安定化が図れる。尚、硝酸カリウムの濃厚水溶液は「貯水槽2」より分離し加熱濃縮し結晶として、排出ガス中の二酸化炭素及び酸化窒素を分離回収する装置である。
(各部の説明)
【0024】
上記の実施の形態の細部について、各図を参照して説明を加えるが、本発明はこれらの実施の形態に限定して理解されるべきではない。
【0025】
図1A」の反応塔11は、接続フランジ21にて筒状体同士が接続されて、縦長の筒体として構成されたもので、その上端が閉じられている。
反応塔11の上部には排出ガス18が、排出ガス管10により導かれる。反応塔11の内部には撒布冶具16aの下方の収集通路14に障害物15が配置されている。障害物15の上下の周囲には絞り冶具20が配置されている。
撒布冶具16aと障害物15と絞り冶具20は、「図1A」の例では3段が配置されているが、1段でも構わないし、他の複数段に数を変更して実施しても構わない。
【0026】
撒布冶具16aは、下方の障害物15に向けてアルカリ性溶液17をシャワー状や霧状に散布する。より具体的には「図1B」に示すように撒布冶具16aの個数の設定は、は撒布面積に対し均等に撒布できるものとしておくことが好ましい。撒布冶具16aの構成は、収集通路14の障害物15に対してアルカリ性溶液17を均一に分散した状態で供給することができる様々な形態で実施することができる。
絞り冶具20は「図1B」に示すように、狭くなった収集通路14の開口を中央に備えたもので、通過する流体の流量を制御するものである。流量を絞って通過させることによって、気体の風圧の変動による波動及び乱流による気体と液体の接触混合の向上を図り、置換反応を促進する効果を発揮することができる点で有利である。
【0027】
障害物15は、「図3E」に示すように、上部の筒状部分から複数本の脚部分を下方に向けて伸ばした収集通路14の治具の外側に帯状の障害物15を、複数周巻きつけたものである。障害物15は、金属或いは樹脂の耐熱性・耐薬品性を備え通気性を有する帯状体から構成されており、上下方向に伸びる仕切り棒が、帯状体の長手方向に間隔を隔てて複数本取り付けられている。このように構成することによって、収集通路14と障害物15は、通過する液体に対して、気体の進行方向は交差し、液体/気体の乱流による、「置換化学反応」の作用効果を発揮する点で有利である。
【0028】
図2A」に示したように、集配・シャワー冶具13は、複数の貫通孔を備えた半円形状などの板状のものとして実施することもできる。集配・シャワー冶具13が収集通路14の一部分(この例では約半分)に配置されており、他の部分は解放された通路となっている。集配・シャワー冶具13の位置は各段ごとに異なるものとしており、これによって流体が直線状に移動することを抑制することができる。
【0029】
図3」の各図、特に「図3C」に示されているように、障害物の冶具(12-a)と障害物の冶具(12-b)とを組み合わせて実施しても構わない。「図3A」「図3B」に示したように、冶具(12-a)は「図3A」の治具13の上に載せられるもので、この治具13は障害物15の上部に配置される。冶具(12-b)障害物15の下部に配置される。このような治具(12-a)は上方に向かうに従って漸次径が小さくなる筒状を成しており、その上端が放射状のスリットを備えた液分配治具となっているものである。治具(12-b)は上方に向かうに従って漸次径が小さくなる筒状を成しており、径が変化する筒状を成しており、その上端は平面状である。
【0030】
このような治具(12-a)(12-b)は「図3D」に示す集配治具13と共に用いられる。集配治具13は上方に向かうに従って漸次径が大きくなる筒状を成している。
これらを組み合わせて実施することによって、排出ガス中の二酸化炭素(CO2)及び窒素酸化物(NOx)とアルカリ溶液の「置換化学反応」の促進という効果を生じるものである。
図4A」「図4B」に示すように多数の貫通孔を備えた板状の絞り冶具13を加えて実施しても構わない。
【実施例0031】
以下実施例を説明するが本発明はこれらの実施例に限定して理解されるべきではない。
(実施例1)
【0032】
実施例1は、請求項1に記載した発明に係る実施例を示すもので、下記の表1の上部に実施例の実験の条件を示し、同表の下部に二酸化炭素及び窒素酸化物の回収実験データーを示す。
【0033】
【表1】
(実施例2)
【0034】
実施例2は、請求項2に記載した発明に係る実施例を示すもので、下記の表2の上部に実施例の実験の条件を示し、同表の下部に二酸化炭素及び窒素酸化物の回収実験データーを示す。
【0035】
【表2】
(実施例3)
【0036】
実施例3は、請求項3に記載した発明に係る実施例を示すもので、下記の表3の上部に実施例の実験の条件を示し、同表の下部に二酸化炭素及び窒素酸化物の回収実験データーを示す。
【0037】
【表3】
(実験の結果よりの考察)
【0038】
・燃焼装置の稼働時に発生する排出ガス、二酸化炭素(CO2)及び窒素酸化物(NOx)の成分濃度の数値が低いのは、プロパン(C3H8)に対し、空気の送風量は2m3/minと多く、排出ガスは希釈されているためである。それ故、二酸化炭素(CO2)及び窒素酸化物(NOx)の成分は、総量的に、発生量は多いと考察される。
・酸素(O2)の残存により、一酸化炭素(CO)の発生は確認されない。
・燃焼炉内の温度は、800℃以上と高温のため、存在する窒素(N2)は酸化される為、窒素酸化物(NOx)の発生量は多い。
【符号の説明】
【0039】
1 :調整槽
2 :貯水槽
4 :攪拌機
6 :自動給水
8 :沈殿物分離装置
9 :沈殿汲み上げポンプ
11 :反応塔
12 :分散冶具
13 :集配冶具・シャワー冶具・絞り冶具
14 :収集通路
15 :障害物
16 :撒布冶具・噴霧冶具・分配冶具
20 :絞り冶具
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8