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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151085
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】包装装置および包装システム
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20241017BHJP
   B65B 5/08 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
B65B57/00 A
B65B5/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064218
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3E003
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003BC01
3E003BD04
3E003CA02
3E003CA10
3E003CB06
3E003DA07
(57)【要約】
【課題】包装作業を簡素化すること。
【解決手段】実施形態に係る包装装置は、識別部と、包装部とを備える。識別部は、箱に収容されている少なくとも1つの物品がロボットアームにとって掴むことに適していない特定物品であるか否かを識別する。包装部は、物品が特定物品である場合、箱から特定物品である物品を取り出し、特定物品をロボットアームにとって掴むことができるように、箱から取り出した物品を包装する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱に収容されている少なくとも1つの物品がロボットアームにとって掴むことに適していない特定物品であるか否かを識別する識別部と、
前記物品が前記特定物品である場合、前記箱から前記特定物品である前記物品を取り出し、前記特定物品を前記ロボットアームにとって掴むことができるように、前記箱から取り出した前記物品を包装する包装部と
を備える、包装装置。
【請求項2】
前記包装部は、前記特定物品の形状、および、前記特定物品の外形部材の材質の少なくとも1つに応じて、前記特定物品に対する包装方法を変更する、請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記物品は、前記ロボットアームの吸着部によって吸着されることで掴まれる、請求項1に記載の包装装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載の包装装置と、
前記箱を搬送する搬送部と
を備え、
前記搬送部は、前記箱を運搬する運搬車から降ろされた前記箱を直接搬送し、
前記識別部は、前記搬送部によって搬送されている前記箱に収容されている前記物品が前記特定物品か否かを識別する、包装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、包装装置および包装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、物品を保管用の容器に収容し、物品が収容された保管用の容器を保管庫に保管する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-180082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、保管用の容器から物品が取り出される場合、ロボットアームによって保管用の容器から物品が取り出されることがあるが、物品によっては、ロボットアームによって掴むことが難しいことがある。
【0005】
このため、ロボットアームによって物品を容易に掴ませることが可能な包装装置が提案されている。このような包装装置は、たとえば、物品がロボットアームにとって掴むことに適していない特定物品であるか否かを識別する識別部と、物品が特定物品である場合、特定物品をロボットアームにとって掴むことができるように物品を包装する包装部とを備える。
【0006】
このような包装装置は、包装作業を簡素化する点についてさらなる改善の余地がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、包装作業を簡素化することができる包装装置および包装システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の一態様に係る包装装置は、識別部と、包装部とを備える。識別部は、箱に収容されている少なくとも1つの物品がロボットアームにとって掴むことに適していない特定物品であるか否かを識別する。包装部は、物品が特定物品である場合、箱から特定物品である物品を取り出し、特定物品をロボットアームにとって掴むことができるように、箱から取り出した物品を包装する。
【0009】
実施形態の一態様に係る包装システムは、包装装置と、搬送部とを備える。包装装置は、識別部と、包装部とを備える。識別部は、箱に収容されている少なくとも1つの物品がロボットアームにとって掴むことに適していない特定物品であるか否かを識別する。包装部は、物品が特定物品である場合、箱から特定物品である物品を取り出し、特定物品をロボットアームにとって掴むことができるように、箱から取り出した物品を包装する。搬送部は、箱を搬送する。搬送部は、箱を運搬する運搬車から降ろされた箱を直接搬送する。
【発明の効果】
【0010】
実施形態の一態様によれば、包装作業を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、物流センターの概略を示すブロック図である。
図2図2は、発送部の概略を示す図である。
図3図3は、包装システムおよび包装装置の概略を示す図である。
図4図4は、情報処理装置の制御系ブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る包装処理を説明するフローチャートである。
図6図6は、情報処理装置として機能するコンピュータハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
実施形態に係る包装システム4および包装装置8は、たとえば、図1に示すように、物流センター1に設けられる。図1は、物流センター1の概略を示すブロック図である。
【0014】
物流センター1は、貯蔵部2と、発送部3と、包装システム4とを備える。包装システム4は、後述する包装装置8を備える。貯蔵部2は、物品を保管する棚などである。物品は、たとえば、商品である。貯蔵部2では、商品箱5(トート、および、バスケット)に収容された状態で物品が保管される。
【0015】
貯蔵部2に保管された物品は、出庫情報に基づいて、たとえば、カートロボットによって貯蔵部2から取り出され、発送部3に搬送される。カートロボットは、たとえば、物品が収容された商品箱5を貯蔵部2から取り出し、取り出した商品箱5を発送部3に搬送する。
【0016】
発送部3は、搬送された商品箱5から、物品Pを取り出し、発送用の出荷箱6(たとえば、段ボール箱)に商品を移し替える。発送部3は、図2に示すように、ロボットアーム7を備える。図2は、発送部3の概略を示す図である。発送部3は、ロボットアーム7によって、商品箱5から物品Pを取り出し、ロボットアーム7によって出荷箱6に物品Pを収容する。物品Pが収容された出荷箱6は、物流センター1から出荷される。
【0017】
ロボットアーム7は、複数の棒部7aと、複数の関節部7bとを有する。関節部7bは、たとえば、2つの棒部7aとの間に設けられ、2つの棒部7aを相対的に回転可能とする。各関節部7bは、モータを有する。各関節部7bによって、棒部7aが相対的に回転することで、ロボットアーム7は、伸縮し、360度回転可能となる。
【0018】
ロボットアーム7の先端部には、吸着部7cが設けられる。ロボットアーム7は、吸着部7cによって吸引することで、物品Pを吸着させて、この物品Pを把持する。なお、ロボットアーム7における物品Pの把持は、吸着に限られることはない。たとえば、ロボットアーム7は、物品Pを掴んで把持してもよい。また、ロボットアーム7は、物品Pを掬って把持してもよい。
【0019】
貯蔵部2には、物品Pの形状や、物品Pの外形部材材質などによっては、ロボットアーム7によって把持することが困難な物品Pが、保管されていることがある。そこで、実施形態に係る包装装置8は、ロボットアーム7によって物品Pを把持することが容易となるように、貯蔵部2に保管される前段階で、少なくとも一部の物品Pを包装する。これにより、ロボットアーム7によって把持が容易な状態で、物品Pが貯蔵部2に保管される。
【0020】
次に、包装システム4および包装装置8について、図3を参照して説明する。図3は、包装システム4および包装装置8の概略を示す図である。図3に示すように、包装システム4は、包装装置8と、搬送部30とを備える。
【0021】
包装装置8は、カメラ10と、仕分け部11と、包装部12と、情報処理装置13とを備える。
【0022】
カメラ10は、後述する搬送部30によって搬送される入荷箱9および物品を撮影する。カメラ10は、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子と、レンズとを備える。カメラ10によって撮影されて、取得された物品の画像データは、情報処理装置13に送信される。搬送部30は、たとえば、ベルトコンベアや、ローラベルトである。
【0023】
仕分け部11は、入荷箱9(たとえば、段ボール箱)に収容されている物品Pの中から、特定物品(図中の物品P1)を仕分ける。特定物品は、搬送部30の近傍に設けられたロボットアーム7によって掴むことに適していない物品である。特定物品は、吸着部7cによって吸引して掴むことが困難な物品である。たとえば、特定物品は、物品Pの形状、および、特定物品の外形部材の材質などに起因して、吸引によって掴むことが困難な物品である。なお、特定物品は、ロボットアーム7における物品の把持方法に応じて決定される。
【0024】
仕分け部11は、搬送部30を搬送される入荷箱9に収容されている物品Pの中から、特定物品を包装レーン31に移動させる。仕分け部11では、後述する包装ロボットアーム15によって、入荷箱9から特定物品を包装レーン31に移動させる。また、仕分け部11は、搬送部30の搬送面上の包装ロボットアーム15によって特定物品を仕分ける位置に入荷箱9を停止させる停止部材11aを備える。停止部材11aは、たとえば、搬送部30に搬送される入荷箱9を遮るような板状部材または棒状部材である。
【0025】
停止部材11aは、たとえば、図示しない回動軸を有し、回動軸を中心に搬送部30の搬送面に沿って回動可能に設けられる。停止部材11aは、入荷箱9を停止させる場合、初期位置から所定の回動位置へと回動する。すなわち、停止部材11aは、入荷箱9の搬送方向に対して交差する状態となることで入荷箱9を停止させる。また、停止部材11aは、入荷箱9の搬送方向に対して略平行な状態となることで入荷箱9を通過させる。通過した入荷箱9は、搬送方向のさらに下流側へと搬送される。
【0026】
また、仕分け部11は、包装レーン31を含む。包装レーン31は、搬送部30から分岐したレーンであり、たとえば、搬送部30に対して入荷箱9の搬送方向と直交する方向へ延びたレーンである。
【0027】
また、仕分け部11は、複数設けられる。この場合、包装レーン31は、仕分け部11の数に応じて、複数設けられる。複数の包装レーン31では、それぞれ包装方法が異なる。仕分け部11は、複数の包装レーン31のそれぞれに対応して設けられる。仕分け部11は、対応する包装レーン31に特定物品を移動させる。
【0028】
仕分け部11では、包装ロボットアーム15によって、入荷箱9の中の特定物品の特徴に応じて、特定物品を包装レーン31に移動させる。特定物品の特徴は、特定物品の形状、および、特定物品の外形部材の材質の少なくとも1つを含む。特定物品の特徴は、特定物品の内容物を含んでもよい。包装レーン31には、ベルトコンベアなどの搬送部が設けられてもよい。また、包装レーン31には、包装ロボットアーム15に把持された特定物品を収容する、たとえば、入荷箱9とは別の箱(たとえば、商品箱5)が準備されていてもよい。仕分け部11は、後述する情報処理装置13によって制御されて動作する。
【0029】
包装部12は、複数の包装ロボットアーム15を備える。包装ロボットアーム15は、各包装レーン31に応じて設けられる。各包装レーン31に設けられる包装ロボットアーム15の数は、特定物品を包装する包装方法に応じて設定される。包装部12は、特定物品の特徴に応じて、包装方法を変更して、特定物品を包装する。
【0030】
包装ロボットアーム15は、搬送部30のロボットアーム7と同様の構成である。包装ロボットアーム15の先端部には、把持部15aが設けられる。把持部15aは、複数の指部15bを備える。包装ロボットアーム15は、複数の指部15bによって、たとえば、物品Pを持ち上げることができる。また、包装ロボットアーム15は、複数の指部15bによって、特定物品を包装することができる。
【0031】
把持部15a、たとえば、指部15bの数や、指部15bの形状などは、各包装レーン31に応じて設定される。すなわち、把持部15aは、特定物品を包装する包装方法に応じて設定される。
【0032】
特定物品の包装方法は、たとえば、第1包装、第2包装、および、第3包装を含む。第1包装では、特定物品に、テーピングが付けられる。テーピングは、発送部3のロボットアーム7の吸着部7cが吸着可能な部位を有する紐状の部材である。なお、紐状の部材が、発送部3のロボットアーム7の吸着部7cが吸着可能であってもよい。
【0033】
第2包装では、特定物品が、圧縮されてラップされる。ラップする部材は、発送部3のロボットアーム7の吸着部7cが吸着可能な部材である。
【0034】
第3包装では、特定物品が、ラップされる。ラップする部材は、第2包装と同様に、発送部3のロボットアーム7の吸着部7cが吸着可能な部材である。
【0035】
複数の包装ロボットアーム15は、第1包装~第3包装を実行可能なロボットである。なお、特定物品の包装方法は、第1包装~第3包装のいずれか1つであってもよい。特定物品の包装方法は、第1包装~第3包装の少なくとも1つを含む。特定物品の包装方法は、上記方法に限られることはない。
【0036】
搬送部30は、少なくとも1つの物品Pを収容している入荷箱9を搬送する。搬送部30は、トラックなどの運搬車40によって運搬されてきた入荷箱9を、運搬車40から直接受け取る。すなわち、搬送部30は、運搬車40から降ろされた入荷箱9を直接搬送する。
【0037】
次に、情報処理装置13について、図4を参照して説明する。図4は、情報処理装置13の制御系ブロック図である。情報処理装置13は、情報取得部20と、記憶部21と、制御部22とを備える。情報処理装置13は、特定物品を識別する識別部である。
【0038】
情報取得部20は、カメラ10によって撮影されて、得られた物品Pの画像データを取得する。
【0039】
記憶部21は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子などの記憶媒体によって実現される。記憶部21は、制御部22によって実行される各種のプログラムなどを記憶する。
【0040】
制御部22は、カメラ10、仕分け部11、および、包装部12を制御する。制御部22は、カメラ10を動作させる。制御部22は、仕分け部11を動作させる。情報処理装置13は、各包装ロボットアーム15を動作させる。
【0041】
制御部22は、入荷箱9に収容されている物品Pが、特定物品であるか否かを識別する。制御部22は、カメラ10によって撮影されて、得られた物品の画像データに基づいて、特定物品を識別する。制御部22は、物品の画像データに対して、所定の画像処理を行うことで、特定物品を識別する。たとえば、制御部22は、パターンマッチングによって、特定物品を識別する。なお、所定の画像処理は、パターンマッチングに限られることはない。制御部22は、たとえば、物品Pの形状が、吸引できる平面を有しない場合には、この物品Pが特定物品であると識別する。また、制御部22は、たとえば、物品Pの外形部材の材質が、吸引できる材質でない場合には、この物品Pが特定物品であると識別する。
【0042】
また、制御部22は、入荷箱9に収容されている物品Pが特定物品であると識別された場合、特定物品の特徴を識別する。制御部22は、所定の画像処理を行うことで、特定物品の特徴を識別する。特定物品を識別する画像処理と、特定物品の特徴を識別する画像処理とは、同じ画像処理であってもよく、異なる画像処理であってもよい。
【0043】
なお、制御部22は、カメラ10によって得られた物品Pの画像データに基づいて、特定物品、および、特定物品の特徴を識別したが、これに限られることはない。特定物品、および、特定物品の特徴は、センサなどを用いて識別されてもよい。
【0044】
また、制御部22は、入荷箱9に収容されている物品Pが特定物品である場合、特定物品の特徴に応じて、特定物品に対する包装方法を設定する。制御部22は、特定物品の特徴に応じて、物品Pの包装方法を、第1包装~第3包装の中から設定する。具体的には、制御部22は、物品Pの形状が、吸引できる平面を有しない場合には、物品Pの包装方法として第2包装を設定する。また、制御部22は、物品Pの形状が箱状であり、物品Pの外形部材の材質が、吸引できる材質でない場合には、物品Pの包装方向として第1包装を設定する。また、制御部22は、物品Pの形状が、吸引できる平面を有するものの箱状ではなく、物品Pの外形部材の材質が、吸引できる材質でない場合には、包装方法として第3包装を設定する。
【0045】
制御部22は、特定物品の特徴に応じて、仕分け部11の動作を設定する。たとえば、制御部22は、特定物品の特徴に基づいて、特定物品の包装方法を第1包装に設定した場合、第1包装を実行する包装ロボットアーム15の仕分け位置に入荷箱9が停止するように、仕分け部11の停止部材11aを制御する。
【0046】
制御部22は、入荷箱9から取り出した特定物品を、設定された包装方法によって包装するように包装ロボットアーム15を制御する。たとえば、制御部22は、特定物品の包装方法を第1包装に設定した場合、第1包装を実行する包装ロボットアーム15が入荷箱9から取り出した特定物品に、テーピングが付けられるように、包装ロボットアーム15を制御する。
【0047】
包装ロボットアーム15によって包装された特定物品は、商品箱5に収容されて、貯蔵部2に保管される。また、包装ロボットアーム15によって包装された特定物品は、包装レーンに準備されている商品箱5などに、包装ロボットアーム15によって収容されて、たとえば、商品箱5が満杯になると、商品箱5ごと貯蔵部2に移動されてもよい。
【0048】
次に、実施形態に係る包装処理について、図5を参照して説明する。図5は、実施形態に係る包装処理を説明するフローチャートである。
【0049】
情報処理装置13は、入荷箱9に収容されている物品Pをカメラ10によって撮影する(ステップS101)。情報処理装置13は、カメラ10によって撮影されて、得られた物品Pの画像データに基づいて、この物品Pが特定物品であるか否かを識別する(ステップS102)。なお、入荷箱9複数の物品Pが収容されている場合、入荷箱9に収容されている複数の物品Pのうち、たとえば、1つの物品Pだけが特定物品の場合もあれば、2つ以上の物品Pが特定物品の場合もある。
【0050】
情報処理装置13は、情報処理装置13は、特定物品であると識別した場合(ステップS102:Yes)、特定物品の特徴を識別する(ステップS103)。
【0051】
情報処理装置13は、識別された特定物品に対して、包装方法を設定する(ステップS104)。具体的には、情報処理装置13は、識別された特定物品の特徴に基づいて、包装方法を設定する。
【0052】
情報処理装置13は、特定物品を仕分ける(ステップS105)。具体的には、情報処理装置13は、設定した包装方法を実行する包装ロボットアーム15が設けられた仕分け位置において入荷箱9が停止するように、仕分け部11を制御する。そして、情報処理装置13は、入荷箱9から特定物品を取り出すように、包装ロボットアーム15を制御する。
【0053】
情報処理装置13は、入荷箱9から取り出した特定物品を包装する(ステップS106)。情報処理装置13は、設定された包装方法によって、特定物品を包装するように、包装ロボットアーム15を制御する。情報処理装置13は、ステップS102の処理において特定物品でないと識別した場合(ステップS102:No)、この物品Pを仕分けない(ステップS107)。情報処理装置13は、物品Pを仕分けないように仕分け部11を制御する。これにより、物品Pは、仕分け位置を通過する。
【0054】
なお、情報処理装置13は、特定物品の包装方法が、上記の第1包装、第2包装、および、第3包装を含む場合、たとえば、入荷箱9に収容されている物品Pの中に第1包装から第3包装のうち2つ以上が混在している場合には、各包装に対応する包装ロボットアーム15による仕分け位置へと順番に入荷箱9を搬送する。
【0055】
以上のように、実施形態に係る包装装置8は、情報処理装置13と、包装部12とを備える。情報処理装置13は、入荷箱9に収容されている少なくとも1つの物品Pがロボットアーム7にとって掴むことに適していない特定物品であるか否かを識別する。包装部12は、物品Pが特定物品である場合、入荷箱9から特定物品である物品(物品P1)を取り出し、特定物品をロボットアームにとって掴むことができるように、入荷箱9から取り出した物品(物品P1)を包装する。
【0056】
このような構成によれば、包装装置8は、出庫情報に基づいて貯蔵部2から出荷される場合に、ロボットアーム7によって物品Pを容易に掴ませることができる。そのため、物流センター1では、物品Pの出荷作業の効率を向上させることができる。そして、特定物品を包装する場合には、入荷箱9に収容されている物品Pから特定物品を識別し、入荷箱9から物品P(物品P1)を直接取り出して包装するため、たとえば、物品Pごとに特定物品であるか否かを識別して包装するという手間を省くことができる。これにより、包装作業を簡素化することができる。
【0057】
また、実施形態に係る包装装置8において、包装部12は、特定物品の形状、および、特定物品の外形部材の材質の少なくとも1つに応じて、特定物品に対する包装方法を変更する。
【0058】
このような構成によれば、包装装置8は、特定物品に応じた包装を行うことができる。そのため、包装装置8は、ロボットアーム7によって物品Pを容易に掴ませることができる。
【0059】
また、実施形態に係る包装装置8において、発送部3に設けられるロボットアーム7は、吸着部7cを有し、吸着部7cによって物品を吸着することで、物品を掴む。
【0060】
このような構成によれば、吸引によって物品Pを掴むロボットアーム7によって、容易に物品Pを掴むことができるように、特定物品を包装する。そのため、物流センター1の発送部3では、商品箱5から出荷箱6への物品Pの移動時間を短くすることができる。すなわち、物流センター1は、物品Pの出荷にかかる時間を短くすることができる。
【0061】
実施形態に係る包装システム4は、包装装置8と、搬送部30とを備える。包装装置8は、情報処理装置13と、包装部12とを備える。情報処理装置13は、入荷箱9に収容されている少なくとも1つの物品Pがロボットアーム7にとって掴むことに適していない特定物品であるか否かを識別する。包装部12は、物品Pが特定物品である場合、入荷箱9から特定物品である物品P(物品P1)を取り出し、特定物品をロボットアーム7にとって掴むことができるように、入荷箱9から取り出した物品P(物品P1)を包装する。搬送部30は、入荷箱9を搬送する。搬送部30は、入荷箱9を運搬する運搬車40から降ろされた入荷箱9を直接搬送する。情報処理装置13は、搬送部30によって搬送されている入荷箱9に収容されている物品Pが特定物品か否かを識別する。
【0062】
このような構成によれば、搬送部30が、運搬車40から降ろされた入荷箱9を直接搬送するため、すなわち、運搬車40から降ろされた入荷箱9をすぐに搬送するため、入荷箱9が特定物品の仕分け位置に到達するまでの時間を短くすることができる。これにより、包装作業にかかる時間を短くすることができる。
【0063】
なお、包装システム4は、搬送部30を複数備え、各搬送部30のそれぞれに包装装置8を備える構成としてもよい。このように、各搬送部30が入荷箱9を搬送することで、包装作業にかかる時間をさらに短くすることができる。
【0064】
また、包装装置8の包装ロボットアーム15は、1つの包装ロボットアーム15で上記の第1包装~第3包装のうち2つ以上の包装に対応するものであってもよい。これにより、包装システムの簡素化を図ることができる。
【0065】
図6は、情報処理装置13として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1または複数の「部」として機能させ、またはコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーションまたは当該1または複数の「部」を実行させることができ、および/またはコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちの一部または全部に関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0066】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200は、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブおよびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブなどであってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブなどであってよい。コンピュータ1200は、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0067】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファなど、またはそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0068】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラムまたはデータをDVD-ROMなどから読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0069】
ROM1230は、その中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラムなど、および/またはコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240は、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポートなどを介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0070】
プログラムは、DVD-ROMまたはICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、またはROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0071】
たとえば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域などに書き込む。
【0072】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカードなどのような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部または必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は、次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0073】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換などを含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベースなどにおける情報を検索してよい。たとえば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0074】
上記したプログラムまたはソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上またはコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0075】
本実施形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階またはオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、たとえば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)などのような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0076】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カードなどが含まれてよい。
【0077】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++などのようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでもよい。
【0078】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、またはプログラマブル回路が、フローチャートまたはブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに、またはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットなどのようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラなどを含む。
【0079】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0080】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0081】
1 物流センター
2 貯蔵部
3 発送部
4 包装システム
5 商品箱
6 出荷箱
7 ロボットアーム
7c 吸着部
8 包装装置
9 入荷箱
10 カメラ
11 仕分け部
12 包装部
13 情報処理装置
15 包装ロボットアーム
20 情報取得部
21 記憶部
22 制御部
30 搬送部
31 包装レーン
40 運搬車
P 物品
P1 物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6