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特開2024-151100商品販売データ処理装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151100
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20241017BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
G07G1/12 301A
G07G1/01 301D
G07G1/01 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064235
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】小森 龍史
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142AA03
3E142DA08
3E142DA09
3E142EA05
3E142FA22
3E142KA01
(57)【要約】
【課題】動作モードの切り替えを簡単にし、誤った切り替えがされないようにした商品販売データ処理装置を提供すること。
【解決手段】実施形態における商品販売データ処理装置は、顧客が買い上げる購買商品を登録し、登録した購買商品についての会計処理をするものであって、制御手段、選択手段を有する。制御手段は、店員の操作により購買商品の登録をし、客の操作により会計処理をする第1モードと、客の操作により購買商品の登録と会計処理をする第2モードの何れかの動作モードによる運用を制御する。選択手段は、電源オン時に、前記第1モードと前記第2モードの何れかを選択するための選択画面を表示させ、前記選択画面から前記第1モードと前記第2モードの何れかを選択する指示を受け付ける。前記制御手段は、前記選択手段により受け付けられた前記第1モードあるいは前記第2モードの動作モードによる運用を制御する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が買い上げる購買商品を登録し、登録した購買商品についての会計処理をする商品販売データ処理装置であって、
店員の操作により購買商品の登録をし、客の操作により会計処理をする第1モードと、客の操作により購買商品の登録と会計処理をする第2モードの何れかの動作モードによる運用を制御する制御手段と、
電源オン時に、前記第1モードと前記第2モードの何れかを選択するための選択画面を表示させ、前記選択画面から前記第1モードと前記第2モードの何れかを選択する指示を受け付ける選択手段とを有し、
前記制御手段は、前記選択手段により受け付けられた前記第1モードあるいは前記第2モードの動作モードによる運用を制御する、商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記選択画面から指示を受け付けた、前記第1モードあるいは前記第2モードの動作モードによる制御を電源オフまで継続する、請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
店員の操作に応じて動作する店員側ユニットと客の操作に応じて動作する客側ユニットを有し、
前記制御手段は、前記第2モードの動作モードが選択された場合に、前記店員側ユニットの動作を停止させる、請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
店員の操作に応じて動作する店員用表示装置を含む店員側ユニットと客の操作に応じて動作する客用表示装置を含む客側ユニットを有し、
前記制御手段は、前記第2モードの動作モードが選択された場合に、前記店員用表示装置と前記客用表示装置に同じ画面を表示させる、請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
顧客が買い上げる購買商品を登録し、登録した購買商品についての会計処理をする商品販売データ処理装置のコンピュータを、
店員の操作により購買商品の登録をし、客の操作により会計処理をする第1モードと、客の操作により購買商品の登録と会計処理をする第2モードの何れかの動作モードによる運用を制御する制御手段と、
電源オン時に、前記第1モードと前記第2モードの何れかを選択するための選択画面を表示させ、前記選択画面から前記第1モードと前記第2モードの何れかを選択する指示を受け付ける選択手段として機能させ、
前記制御手段に、前記選択手段により受け付けられた前記第1モードあるいは前記第2モードの動作モードによる運用を制御させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケット等の小売店では、労力の軽減及び効率化等の観点から、セミセルフ方式あるいはフルセルフ方式と称される動作モードにより動作する商品販売データ処理装置が注目されている。
【0003】
セミセルフ方式の動作モードは、店の従業員(店員)が客の購買商品を登録する操作をし、客が登録された購買商品について代金支払いの会計処理の操作をするようにしたものである。一方、フルセルフ方式の動作モードは、客が購買商品の登録と購買商品の代金支払いの両方を操作するようにとしたものである。
【0004】
従来では、セミセルフ方式とフルセルフ方式の動作モードを切り替えて動作可能とする商品販売データ処理装置も考えられているが、動作を切り替えるために、タッチパネルの操作画面に動作モードを切り替えるための切り替えボタンを設けたものがある。この場合、切り替えボタンの操作に応じて動作モードを切り替えるが、運用中に誤って切り替えボタンに触れてしまうと、意図せずに動作モードが切り替えられてしまうおそれがある。
【0005】
また、誤った操作によって動作モードが切り替えられないように、動作モードの繰り替え指示だけでなく、従業員番号等の入力を必要とすることも考えられているが、動作モードの切り替えに手間がかかってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4222054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、動作モードの切り替えを簡単にし、誤った切り替えがされないようにした商品販売データ処理装置、及びプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態における商品販売データ処理装置は、顧客が買い上げる購買商品を登録し、登録した購買商品についての会計処理をするものであって、制御手段、選択手段を有する。制御手段は、店員の操作により購買商品の登録をし、客の操作により会計処理をする第1モードと、客の操作により購買商品の登録と会計処理をする第2モードの何れかの動作モードによる運用を制御する。選択手段は、電源オン時に、前記第1モードと前記第2モードの何れかを選択するための選択画面を表示させ、前記選択画面から前記第1モードと前記第2モードの何れかを選択する指示を受け付ける。前記制御手段は、前記選択手段により受け付けられた前記第1モードあるいは前記第2モードの動作モードによる運用を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係る会計システムの概略構成を示す模式図である。
図2図2は、本実施形態における商品販売データ処理装置の客が操作する側の外観を示す斜視図である。
図3図3は、本実施形態における商品販売データ処理装置のプロセッサが運用選択処理プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図4図4は、本実施形態における商品販売データ処理装置のプロセッサが商品販売データ処理プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図5図5は、本実施形態における商品販売データ処理装置のプロセッサが商品販売データ処理プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図6図6は、本実施形態における商品販売データ処理装置のタッチパネルの画面の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における商品販売データ処理装置のタッチパネルの画面の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態における商品販売データ処理装置のタッチパネルの画面の一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態における商品販売データ処理装置のタッチパネルの画面の一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態における商品販売データ処理装置のタッチパネルの画面の一例を示す図である。
図11図11は、本実施形態における商品販売データ処理装置のタッチパネルの画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、セミセルフ方式あるいはフルセルフ方式への動作モードの切り替えを簡単にし、誤った切り替えがされないようにした商品販売データ処理装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る商品販売データ処理装置10の要部回路構成を示すブロック図である。商品販売データ処理装置10は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34、通信インターフェース35、店員側ユニット40、客側ユニット50、及びシステム伝送路60等を備える。システム伝送路60は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路60は、プロセッサ31と他の各部とを直接又は信号入出力回路を介して接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0012】
店員側ユニット40には、キーボード41、スキャナ42、タッチパネル43、自動釣銭機44等が含まれる。また、客側ユニット50には、スキャナ51、タッチパネル52、プリンタ53、カードリーダ54、自動釣銭機55等が含まれる。
【0013】
商品販売データ処理装置10は、プロセッサ31と、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34及び通信インターフェース35とをシステム伝送路60で接続することにより、コンピュータを構成する。そして商品販売データ処理装置10は、そのコンピュータに、システム伝送路60を介して、キーボード41、スキャナ42、タッチパネル43、自動釣銭機44、スキャナ51、タッチパネル52、プリンタ53、カードリーダ54、自動釣銭機55等のデバイスを接続する。
【0014】
プロセッサ31は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ31は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、商品販売データ処理装置10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ31は、複数の処理を並行して実行可能なマルチコア又はマルチスレッドタイプであることが好ましい。プロセッサ31は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0015】
アプリケーションプログラムには、例えば、店員の操作により購買商品の登録をし、客の操作により会計処理をする通常(セミセルフ)運用処理(第1モード)と、客の操作により購買商品の登録と会計処理をするフルセルフ運用処理(第2モード)の動作モードによる運用を制御する商品販売データ処理プログラム、通常(セミセルフ)運用処理とフルセルフ運用処理(第2モード)の何れかを選択するための選択画面を表示させ、選択画面から何れかの動作モードを選択する指示を受け付ける運用選択処理プログラムが含まれる。
【0016】
メインメモリ32は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ32は、プロセッサ31が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ32は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ31によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0017】
補助記憶デバイス33は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス33となり得る。補助記憶デバイス33は、プロセッサ31が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ31での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス33は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0018】
補助記憶デバイス33には、運用選択処理プログラム、商品販売データ処理プログラム等がインストールされる。
【0019】
各プログラムを補助記憶デバイス33にインストールする方法は特に限定されない。リムーバブルな記録媒体にプログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信によりプログラムを配信して、プログラムを補助記憶デバイス33にインストールすることができる。記録媒体は、SDメモリカード、USBメモリ等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0020】
また、補助記憶デバイス33には、運用選択処理プログラムによる運用選択処理において、予め商品販売データ処理装置10の運用処理(通常(セミセルフ)運用処理(第1モード)、フルセルフ運用処理(第2モード))が設定されていることを示す運用選択設定情報、及び運用選択設定情報が設定されている場合に実行する運用処理を示す運用選択情報が記憶される。運用選択設定情報及び運用選択情報は、運用選択処理とは別に、例えば管理者等の操作によって実行される設定処理によって記憶される。なお、常時、商品販売データ処理装置10が電源オンされる毎に運用選択処理を実行して、店員に通常(セミセルフ)運用とフルセルフ運用の何れかを選択させる運用とする場合には、運用選択設定情報及び運用選択情報を設定する設定処理を実行しないようにしても良い。
【0021】
時計34は、日付と時刻を計時する。プロセッサ31は、時計34によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。
【0022】
通信インターフェース35は、ネットワークを介して接続されたサーバなどの外部機器(図示せず)との間でデータ通信を行う。
【0023】
店員側ユニット40には、キーボード41、スキャナ42、タッチパネル43、自動釣銭機44等が含まれる。
【0024】
キーボード41、客が購入する商品に係るデータの入力等に必要な種々のキーを配置した入力デバイスである。
【0025】
スキャナ42は、バーコード、二次元コード等の商品に付されたコードシンボルを読み取るための入力デバイスである。スキャナ42は、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0026】
タッチパネル43は、ディスプレイに文字、記号、画像等からなる表示要素を表示可能な表示デバイスである。またタッチパネル43は、ディスプレイに対するタッチ操作位置をセンサで検知し、その位置の表示要素が入力されたものとして処理する入力デバイスでもある。タッチパネル43は、商品販売データ処理装置10のオペレータである店員に対して情報を表示し、その店員による操作入力を受け付ける。
【0027】
自動釣銭機44は、現金を処理する装置である。自動釣銭機44は、紙幣投入口、紙幣排出口、硬貨投入口及び硬貨排出口を有する。自動釣銭機44は、紙幣投入口に投入された紙幣を処理する。自動釣銭機44は、釣銭としての紙幣を紙幣排出口から排出する。自動釣銭機44は、硬貨投入口に投入された硬貨を受け入れて処理する。自動釣銭機44は、釣銭としての硬貨を硬貨排出口から排出する。
【0028】
なお、商品販売データ処理装置10を通常(セミセルフ)運用処理(第1モード)、あるいはフルセルフ運用処理(第2モード)の何れかによって動作させる場合には、何れの動作モードにおいても客の操作によって会計処理が実行されるため自動釣銭機44を省くことができる。
【0029】
また、自動釣銭機44を設けることで、商品販売データ処理装置10に店員の操作により購買商品の登録と会計処理を実行させる運用(第3モード)も可能となる。
【0030】
客側ユニット50は、商品販売データ処理装置10がフルセルフ運用処理(第2モード)によって動作される場合に動作を停止させることができる。例えば、客側ユニット50に電源供給を停止させたり、待機状態(最小限の動作状態にして入力操作があった場合に復帰可能な状態)にしたりすることで、省電力化を図ることができる。
【0031】
客側ユニット50には、スキャナ51、タッチパネル52、プリンタ53、カードリーダ54、自動釣銭機55等が含まれる。
【0032】
スキャナ51は、バーコード、二次元コード等の商品に付されたコードシンボルを読み取るための入力デバイスである。スキャナ42は、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0033】
タッチパネル52は、ディスプレイに文字、記号、画像等からなる表示要素を表示可能な表示デバイスである。またタッチパネル52は、ディスプレイに対するタッチ操作位置をセンサで検知し、その位置の表示要素が入力されたものとして処理する入力デバイスでもある。タッチパネル43は、客に対して情報を表示し、その客による操作入力を受け付ける。
【0034】
プリンタ53は、レシート用紙に買上レシート、クレジットカード伝票等に係るデータを印刷する出力デバイスである。プリンタ53によって種々のデータが印刷されたレシート用紙は、カッタによりカットされて、レシート発行口から発行される。プリンタ53は、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタ等によって実現される。
【0035】
カードリーダ54は、クレジットカード、電子マネーカード、ポイントカード等のカード媒体に記録されたデータを読み取る入力デバイスである。カード媒体が磁気カードの場合、カードリーダ54は磁気カードリーダである。カード媒体がICカードの場合、カードリーダ54は、ICカードリーダである。商品販売データ処理装置10は、カードリーダ54として磁気カードリーダまたはICカードリーダのいずれか一方を備えていてもよいし、両方を備えていてもよい。カードリーダ54は、カードへのデータ書込み機能を有したカードリーダ・ライタであってもよい。
【0036】
自動釣銭機55は、現金を処理する装置である。自動釣銭機55は、紙幣投入口、紙幣排出口、硬貨投入口及び硬貨排出口を有する。自動釣銭機55は、紙幣投入口に投入された紙幣を処理する。自動釣銭機55は、釣銭としての紙幣を紙幣排出口から排出する。自動釣銭機55は、硬貨投入口に投入された硬貨を受け入れて処理する。自動釣銭機55は、釣銭としての硬貨を硬貨排出口から排出する。
【0037】
このような商品販売データ処理装置10のハードウェアとしては、例えば既存のフルセルフPOS端末あるいはセミフルセルフPOS端末を利用することが可能である。商品販売データ処理装置10に接続されるデバイスは、図1に示すキーボード41、スキャナ42,51、タッチパネル43,52、自動釣銭機44,55、プリンタ53及びカードリーダ54に限定されるものではない。商品販売データ処理装置10の用途において必要なデバイスを追加したり、一部のデバイスを省略したりしてもよい。
【0038】
図2は、本実施形態における商品販売データ処理装置10の客が操作する側の外観を示す斜視図である。
【0039】
商品販売データ処理装置10の客側には、タッチパネル52、プリンタ53、自動釣銭機55、スキャナ51及びカードリーダ54(図2では図示を省略)が設けられている。また、商品販売データ処理装置10の店員側には、タッチパネル52とは反対側に表示面が向けられたタッチパネル43の他、キーボード41、スキャナ42、自動釣銭機44等が設けられている(図示は省略する)。
【0040】
商品販売データ処理装置10の通常(セミセルフ)運用処理(第1モード)時には、店員は、タッチパネル43、スキャナ42、タッチパネル43に対する操作によって、客による購買商品の登録をする。一方、客は、店員の操作によって登録された購買商品に対して、タッチパネル52に対する操作や自動釣銭機55やカードリーダ54を用いた支払い操作などをする。
【0041】
商品販売データ処理装置10のフルセルフ運用処理(第2モード)時には、客は、タッチパネル52及びスキャナ51に対する操作によって購買商品の登録をし、タッチパネル52に対する操作や自動釣銭機55やカードリーダ54を用いた支払い操作などをする。会計処理が完了することで、プリンタ53によりレシート用紙等が印刷されて、レシート発行口から排出される。
【0042】
次に、本実施形態における商品販売データ処理装置10の動作について説明する。
【0043】
図3は、本実施形態における商品販売データ処理装置10のプロセッサ31が運用選択処理プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。図4及び図5は、同じくプロセッサ31が商品販売データ処理プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。以下、各図を用いて商品販売データ処理装置10の主要な動作について説明する。なお、以下に説明する情報処理の手順及び内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であればその手順及び内容は特に限定されるものではない。
【0044】
商品販売データ処理装置10のプロセッサ31は、例えば店員による電源スイッチなどの操作によって電源オンされた後、商品販売データ処理プログラムに従う運用処理の前に、運用選択処理プログラムに従う運用選択処理を開始する。
【0045】
プロセッサ31は、補助記憶デバイス33に記憶された運用選択設定情報を参照して、予め商品販売データ処理装置10の運用処理(通常(セミセルフ)運用処理(第1モード)、フルセルフ運用処理(第2モード))が設定されているかを判別する。運用選択設定情報が設定されている場合(ACT1,YES)、プロセッサ31は、運用選択情報を参照して、通常(セミセルフ)運用あるいはフルセルフ運用の何れが設定されているかを判別する。
【0046】
ここで、通常(セミセルフ)運用が設定されていると判別した場合(ACT2、YES)、プロセッサ31は、商品販売データ処理プログラムによる通常(セミセルフ)運用処理(第1モード)に移行する(ACT5)。また、フルセルフ運用処理(第2モード)が設定されていると判別した場合(ACT2、NO)、プロセッサ31は、商品販売データ処理プログラムによるフルセルフ運用処理(第2モード)に移行する(ACT7)。
【0047】
一方、運用選択設定情報が設定されていない場合(ACT1,NO)、プロセッサ31は、運用を店員の操作によって設定させるために、店員側ユニット40のタッチパネル43に運用選択画面DA1を表示させる。図6(A)は、運用選択画面DA1の一例を示す図である。
【0048】
運用選択画面DA1には、通常(セミセルフ)運用処理(第1モード)を選択するための「通常」ボタンDA11と、フルセルフ運用処理(第2モード)を選択するための「セルフ」ボタンDA12と共に、「運用選択を行ってください」のメッセージが表示されている。なお、運用を店員の操作によって設定させるため、客側での操作が不要となる。プロセッサ31は、客側ユニット50のタッチパネル52について、図6(B)に示すように、非表示状態のままにする。
【0049】
ここで、タッチパネル52の「通常」ボタンDA11を選択する操作が検出されると、プロセッサ31は、商品販売データ処理プログラムによる通常(セミセルフ)運用処理(第1モード)に移行する(ACT5)。一方、タッチパネル52の「セルフ」ボタンDA12を選択する操作が検出されると、プロセッサ31は、商品販売データ処理プログラムによるフルセルフ運用処理(第2モード)に移行する(ACT7)。
【0050】
プロセッサ31は、通常(セミセルフ)運用処理(第1モード)に移行した場合、商品販売データ処理装置10が電源オフ(再起動)されるまでの間(ACT6、NO)、通常(セミセルフ)運用処理による制御を継続する(ACT5)。同様にして、プロセッサ31は、フルセルフ運用処理(第2モード)に移行した場合、商品販売データ処理装置10が電源オフ(再起動)されるまでの間(ACT8、NO)、フルセルフ運用処理による制御を継続する(ACT7)。
【0051】
すなわち、本実施形態における商品販売データ処理装置10は、電源オン時に、運用選択画面において選択された通常(セミセルフ)運用あるいはフルセルフ運用を電源オフまで継続することで、運用動作中に誤ったモード切り替えがされないようにする。また、商品販売データ処理装置10の電源オン時に、従業員番号等の入力をすることなく、運用選択画面に対する操作を1回するだけで良いので、通常(セミセルフ)運用あるいはフルセルフ運用の設定を簡単に実行することができる。
【0052】
次に、通常(セミセルフ)運用処理について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0053】
プロセッサ31は、店員側ユニット40のタッチパネル43に商品登録画面DA2を表示させ、商品登録画面DA2にオーバーラップさせて開局画面ダイアログボックスDA21を表示させる。また、プロセッサ31は、客側ユニット50のタッチパネル52に取引明細書画面DB2を表示させる(ACT11)。プロセッサ31は、タッチパネル43とタッチパネル52による2画面ディスプレイを拡張表示として制御して、タッチパネル43とスキャナ42に対して、それぞれ異なる画面を表示させる。
【0054】
店員側では、商品販売データ処理装置10を運用可能に設定するための操作画面を表示させ、客側では、運用時の初期画面を表示させる。客側ユニット50のタッチパネル52の表示は、運用開始まで運用時の初期画面を表示させたままとする。
【0055】
図7(A)は、店員側ユニット40のタッチパネル43に表示された開局画面ダイアログボックスDA21の一例を示す図、図7(B)は、客側ユニット50のタッチパネル52に表示された初期画面DB2の一例を示す図である。図7(A)に示す開局画面ダイアログボックスDA21では、開局に必要な情報として、例えば「売上計上日付」と「釣銭準備金」についての入力エリアが設けられ、情報を入力するためのソフトウェアキー(例えば、券種キー、数値キー、Enterキー、クリアキーなどを含む)が設けられている。
【0056】
プロセッサ31は、タッチパネル43の開局画面ダイアログボックスDA21に対する操作によって指定される入力エリアに対して、数値キーに対する操作に応じて指定された数値を表示させる。プロセッサ31は、店員によるタッチパネル43に対するソフトウェアキーに対する操作によって「売上計上日付」と「釣銭準備金」について数値が入力され、Enterキーが操作されると、開局のための設定完了と判別する(ACT12、YES)。
【0057】
次に、プロセッサ31は、店員側ユニット40のタッチパネル43に、開局画面ダイアログボックスDA21に代えて責任者登録ダイアログボックスDA31を表示させる(ACT13)。図8(A)は、店員側ユニット40のタッチパネル43に表示された責任者登録ダイアログボックスDA31の一例を示す図である。
【0058】
図8(A)に示す責任者登録ダイアログボックスDA31では、責任者登録に必要な情報として、例えば「責任者No.」と「パスワード」について、ソフトウェアキーに対する操作によって入力することができる。
【0059】
プロセッサ31は、タッチパネル43の責任者登録ダイアログボックスDA31に対する操作によって指定される入力エリアに対して、数値キーに対する操作に応じて指定された数値を表示させる(ACT14、NO)。プロセッサ31は、店員によるタッチパネル43に対するソフトウェアキーに対する操作によって「責任者No.」と「パスワード」について数値が入力され、Enterキーが操作されると、責任者登録完了と判別する(ACT14、YES)。
【0060】
プロセッサ31は、責任者登録が完了することで、商品販売データ処理装置10を運用状態、すなわち店員側ユニット40に対する店員の操作による購買商品の登録、及び客側ユニット50に対する客の操作による会計処理を実行可能にする。プロセッサ31は、タッチパネル43に商品登録画面DA2を表示させる(ACT15)。
【0061】
図8(B)は、タッチパネル43に表示される商品登録画面DA2の一例を示す図である。商品登録画面DA2は、明細領域DA41と合計領域DA42とを配置した画面である。明細領域DA41は、一連の番号順に、購買商品の商品名、単価、点数及び金額をリスト形式で表示するための領域である。なお、明細領域DA411に表示される項目は、商品名、単価、点数及び金額に限定されるものではない。他の項目が追加されてもよいし、いずれかの項目、例えば金額が省略されてもよい。合計領域DA42は、明細領域DA41に表示された個数の合計(点)、金額の合計(円)、値引き、税金(外税)等をそれぞれ表示するための領域である。
【0062】
商品登録画面DA2を表示させたプロセッサ31は、商品登録を待ち受ける。多くの商品には、その商品の識別情報である商品コードを表すバーコードが付されている。店員は、客から購買商品の申し出を受けると、スキャナ42を操作してその購買商品に付されたバーコードを読み取る。スキャナ42でバーコードが読み取られることによって、購買商品の商品コードが商品販売データ処理装置10に入力される(商品登録)。このように、購買商品の商品コードが登録機11に入力されると、プロセッサ31は、商品登録有りと判断する。
【0063】
商品登録有りと判断した場合(ACT16、YES)、プロセッサ31は、商品販売データ処理を実行する。具体的にはプロセッサ31は、商品ファイルを検索して、スキャナ42又はタッチパネル43を介して入力された商品コードで識別される商品の商品名、単価等の商品データを取得する。プロセッサ31は、商品コード、商品名、単価、販売点数、販売金額等の項目を含む商品販売データを、トランザクションメモリに保存する。トランザクションメモリは、メインメモリ32における揮発性メモリ領域の一部である。
【0064】
プロセッサ31は、登録された購買商品の情報をもとに、商品登録画面DA2(明細領域DA41、合計領域DA42など)を更新すると共に、客側ユニット50のタッチパネル52に表示された取引明細書画面DB2を更新する(ACT17)。取引明細書画面DB2には、図7(B)に示すように、購買商品の商品名、単価、購買商品の点数、合計の金額(その他、会計処理時に表示されるお預かり、残額)を表示するための領域が設けられている。なお、取引明細書画面DB2に表示される項目は、商品名、単価、個数、合計に限定されるものではない。
【0065】
商品販売データ処理を終えたプロセッサ31は、次の購買商品についての商品登録があるか、小計出力が指示されるかを待ち受ける。小計出力は、小計キーが操作されることによって指示される。小計キーによる指示は、商品登録画面DA2に配置されるソフトキー(小計キーDA43)に対する操作でも良いし、キーボード41に配置されているハードキーであっても良い。
【0066】
店員は、他の商品登録がある場合、その購買商品についても上述したような登録操作を行う(ACT16、YES)。プロセッサ31は、商品販売データ処理を実行して、前述と同様に、商品登録画面DA2(明細領域DA41、合計領域DA42など)を更新すると共に、客側ユニット50のタッチパネル52に表示された取引明細書画面DB2を更新する(ACT17)。そして、全ての購買商品の登録操作を終えると、店員は、小計キーを操作する。
【0067】
小計キーが操作されことを検出すると(ACT18、YES)、プロセッサ31は、商品販売データ処理によって取得された商品販売データをもとに、客側ユニット50に対する客の操作による会計処理を実行する(ACT19)。すなわち、プロセッサ31は、客側ユニット50のタッチパネル52に購買商品についての支払い画面を表示させ、客の操作を受け付け可能な状態にする。
【0068】
支払い画面には、例えば、支払い方法を選択するための複数の支払い方法のそれぞれに対応する支払い方法選択キー(例えば、現金キー、クレジットキー、電子マネーキー及びコード決済キー)が表示されている。代金を現金で支払う客は、現金キーを操作し、自動釣銭機55に現金を投入する。代金をクレジットカードで支払う客は、クレジットキーを操作し、クレジットカードのデータをカードリーダ54で読み取らせる。代金を電子マネーで支払う客は、電子マネーキーを操作し、電子マネーカードのデータをカードリーダ54で読み取らせる。代金をコード決済で支払う客は、コード決済キーを操作し、スマートフォンに表示させた決済用のコードをスキャナ51で読み取らせる。
【0069】
支払い方法選択画面を表示させたプロセッサ31は、例えば、現金キー、クレジットキー、電子マネーキー及びコード決済キーからいずれかの支払方法が選択されると、それぞれの支払い方法に応じた会計処理を実行する。例えば現金キーが操作された場合には、プロセッサ31は、自動釣銭機55に投入された現金に基づいて現金会計処理を実行する。例えばクレジットキーが操作された場合には、プロセッサ31は、カードリーダ54で読み取ったクレジットカードのデータに基づいてクレジット会計処理を実行する。例えば電子マネーキーが操作された場合には、カードリーダ54で読み取った電子マネーカードのデータに基づいて電子マネー会計処理を実行する。例えばコード決済キーが操作された場合には、スキャナ51で読み取った決済用コードに基づいてコード会計処理を実行する。これらの会計処理は、いずれも周知の処理であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0070】
会計処理を終えると、プロセッサ31は、プリンタ53を制御してレシートを発行する。レシート発行後、プロセッサ31は、次の客に対する取引を開始する待機状態となり、店員側ユニット40のタッチパネル43に図8(B)に示す商品登録画面DA2を表示させ、客側ユニット50のタッチパネル52に図7(B)に示す初期画面DB2を表示させる。
【0071】
本実施形態における通常(セミセルフ)運用処理では、運用動作中に誤ったモード切り替えがされないようにするため、モード切り替えのボタン(キー)などをタッチパネル43,52の表示画面、及びキーボード41に設けていない。
【0072】
従来の商品販売データ処理装置では、運用動作中に、例えばアテンダントと称される店員により商品販売データ処理装置を管理させるために、アテンダントバーコードをスキャンさせることで、モード切り替えなどのモード切り替え機能を有しているものがある。これに対して、本実施形態における商品販売データ処理装置10では、アテンダントバーコードのスキャンがあったとしてもモード切り替え機能の使用不可(機能カット)とし、モード切り替えの手段を提供しないことで、いかなる場合もモード切り替えされないようにする。
【0073】
本実施形態における商品販売データ処理装置10は、通常(セミセルフ)運用からフルセルフ運用に動作モードを切り替える場合には、電源オフして、再度、前述した運用選択処理を実行することが必要となる。これにより、運用中の誤った操作による動作モードの切り替えが発生するおそれがない。
【0074】
次に、フルセルフ運用処理について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0075】
プロセッサ31は、商品販売データ処理装置10のフルセルフ運用が選択された場合には、店員による操作が不要となるため店員側ユニット40の動作を停止させる。
【0076】
例えば、プロセッサ31は、店員側ユニット40に対する電源供給を停止させることで、店員側ユニット40の動作を停止させる。これにより、商品販売データ処理装置10のフルセルフ運用処理時の省電力化を図ることができる。あるいは、プロセッサ31は、店員側ユニット40の動作状態を、電力消費を最小限にするスタンバイ状態にすることで、店員側ユニット40の動作を停止させる。スタンバイ状態にした場合には、プロセッサ31は、例えばキーボード41あるいはタッチパネル43に対する所定の操作に応じて、店員側ユニット40を動作状態に復帰させる。
【0077】
店員側ユニット40の動作を停止させることで、プロセッサ31は、店員側ユニット40のタッチパネル43を非表示とし、客側ユニット50のタッチパネル52に対してのみ、商品登録画面DB4を表示させ、商品登録画面DB4にオーバーラップさせて開局画面ダイアログボックスDB41を表示させる(ACT21)。なお、プロセッサ31は、タッチパネル43とタッチパネル52による2画面ディスプレイを複製表示として制御して、店員側ユニット40を動作可能とする場合には、タッチパネル43に対してタッチパネル52と同じ画面を表示させる。
【0078】
客側では、商品販売データ処理装置10を運用可能に設定するための操作画面を表示させ、店員側では、非表示のままとする。
【0079】
図9(A)は、店員側ユニット40のタッチパネル43が非表示とされた画面DA6の一例を示す図、図9(B)は、客側ユニット50のタッチパネル52に表示された開局画面ダイアログボックスDB41の一例を示す図である。図9(B)に示す開局画面ダイアログボックスDB41は、前述した図7(A)の開局画面ダイアログボックスDA21と同じものとして詳細な説明を省略する。
【0080】
プロセッサ31は、タッチパネル52の開局画面ダイアログボックスDB41に対する操作によって指定される入力エリアに対して、数値キーに対する操作に応じて指定された数値を表示させる。プロセッサ31は、店員によるタッチパネル52に対するソフトウェアキーに対する操作によって「売上計上日付」と「釣銭準備金」について数値が入力され、Enterキーが操作されると、開局のための設定完了と判別する(ACT22、YES)。
【0081】
なお、プロセッサ31は、開局の設定完了する前に(ACT22、No)、商品登録画面DB4に設けられた業務メニューボタンDB42に対する操作が検出された場合(ACT23、YES)、タッチパネル52に業務メニュー画面DB5を表示させる(ACT24)。
【0082】
図10(A)は、業務メニュー画面DB5の一例を示す図である。業務メニュー画面DB5では、業務に関する各種の業務に関する情報を確認することができる。業務メニュー画面DB5に設けられた戻るボタンDB51(「登録画面へ」)に対する操作を検出した場合(ACT25、YES)、プロセッサ31は、タッチパネル52を元の表示画面に戻して(図9(B))、開局のための設定処理をすることができる。
【0083】
開局のための設定が完了すると(ACT22、YES)、プロセッサ31は、客側ユニット50のタッチパネル52に、開局画面ダイアログボックスDB41に代えて責任者登録ダイアログボックスDB61を表示させる(ACT26)。図10(B)は、客側ユニット50のタッチパネル52に表示された責任者登録ダイアログボックスDB61の一例を示す図である。
【0084】
図10(B)に示す責任者登録ダイアログボックスDB61は、前述した図8(A)の責任者登録ダイアログボックスDA31と同じものとして詳細な説明を省略する。
【0085】
プロセッサ31は、タッチパネル52の責任者登録ダイアログボックスDB61に対する操作によって指定される入力エリアに対して、数値キーに対する操作に応じて指定された数値を表示させる。プロセッサ31は、店員によるタッチパネル52に対するソフトウェアキーに対する操作によって「責任者No.」と「パスワード」について数値が入力され、Enterキーが操作されると、責任者登録完了と判別する(ACT27、YES)。
【0086】
なお、プロセッサ31は、責任者登録が完了する前に(ACT27、NO)、商品登録画面DB4に設けられた業務メニューボタンDB42に対する操作が検出された場合(ACT28、YES)、タッチパネル52に前述した図10(A)に示す業務メニュー画面DB5を表示させる(ACT29)。業務メニュー画面DB5については前述と同じとして説明を省略する。
【0087】
業務メニュー画面DB5に設けられた戻るボタンDB51(「登録画面へ」)に対する操作を検出した場合(ACT30、YES)、プロセッサ31は、タッチパネル52を元の表示画面に戻して(図10(B))、責任者登録のための処理をすることができる。
【0088】
プロセッサ31は、責任者登録が完了することで、商品販売データ処理装置10を運用状態、すなわち客側ユニット50に対する客の操作による購買商品の登録と会計処理を実行可能にする。プロセッサ31は、タッチパネル52に、客による操作を待ち受けるための待機画面DB7を表示させる。
【0089】
図11(A)は、タッチパネル52に表示される待機画面DB7の一例を示す図である。待機画面DB7には、例えば、客に対して、タッチパネル52に対する操作を促すメッセージ「いらっしゃいませ/画面をタッチしてください」が表示されている。
【0090】
この待機画面DB7を表示する状態において、プロセッサ31は、スキャナ51により特定のバーコード(責任者再登録の処理と対応づけられたコード)がスキャンされたことを検出した場合(ACT33、YES)、現在の責任者登録された店員による利用を終了(サインオフ)させて、前述した図10(B)に示す責任者登録ダイアログボックスDB61を表示させる(ACT26)。これにより、別の店員を責任者として登録して、フルセルフ運用処理を実行することができる。
【0091】
一方、待機画面DB7を表示するタッチパネル52に対するタッチ操作が検出されると(ACT32、YES)、プロセッサ31は、商品登録画面DB8をタッチパネル67に表示させる(ACT34)。
【0092】
図11(B)は、タッチパネル52に表示される商品登録画面DB8の一例を示す図である。商品登録画面DB8は、明細領域DB81と合計領域DB82の他、支払い方法選択領域DB83とを配置した画面である。明細領域DB81は、一連の番号順に、購買商品の商品名、単価、点数及び金額をリスト形式で表示するための領域である。なお、明細領域DB81に表示される項目は、商品名、単価、点数及び金額に限定されるものではない。他の項目が追加されてもよいし、いずれかの項目、例えば金額が省略されてもよい。合計領域DB82は、明細領域DB81に表示された個数の合計(点)、金額の合計(円)、値引き、税金(外税)等をそれぞれ表示するための領域である。また、支払い方法選択領域D83には、複数の支払い方法のそれぞれに対応する支払い方法選択キー(例えば、現金キー、クレジットキー、電子マネーキー及びコード決済キー)が表示されている。
【0093】
商品登録画面DB8を表示させたプロセッサ31は、商品登録を待ち受ける。客は、スキャナ51を操作してその購買商品に付されたバーコードを読み取る。スキャナ51でバーコードが読み取られることによって、購買商品の商品コードが商品販売データ処理装置10に入力される(商品登録)。このように、購買商品の商品コードが登録機11に入力されると、プロセッサ31は、商品登録有りと判断する。
【0094】
商品登録有りと判断した場合(ACT35、YES)、プロセッサ31は、商品販売データ処理を実行する。商品販売データ処理については、店員による商品登録の場合と同じものとして詳細な説明を省略する。プロセッサ31は、登録された購買商品の情報をもとに、商品登録画面DB8の明細領域DB81、合計領域DB82などを更新する(ACT36)。
【0095】
商品販売データ処理を終えたプロセッサ31は、次の購買商品についての商品登録があるか、支払いが指示されるかを待ち受ける。支払いは、商品登録画面DB8に設けられた支払いキーDB84が操作されることによって指示される。
【0096】
客は、他の商品登録がある場合、その購買商品についても上述したような登録操作を行う(ACT35、YES)。プロセッサ31は、商品販売データ処理を実行して、前述と同様に、商品登録画面DB8(明細領域DB81、合計領域DB82など)を更新する(ACT36)。そして、全ての購買商品の登録操作を終えると、客は、支払いキーDB84を操作する。
【0097】
支払いキーDB84が操作されことを検出すると(ACT37、YES)、プロセッサ31は、商品販売データ処理によって取得された商品販売データをもとに、客側ユニット50に対する客の操作による会計処理を実行する(ACT19)。すなわち、プロセッサ31は、商品登録画面DB8の支払い方法選択領域D83に表示させた、例えば、現金キー、クレジットキー、電子マネーキー及びコード決済キーからいずれかの支払方法を客の操作により選択させ、キー操作により選択された支払い方法に応じた会計処理を実行する。これらの会計処理は、前述した通常(セミセルフ)運用処理(第1モード)における会計処理(ACT19)と同様に実行されるものとして詳細な説明を省略する。
【0098】
会計処理を終えると、プロセッサ31は、プリンタ53を制御してレシートを発行する。レシート発行後、プロセッサ31は、次の客に対する取引を開始する待機状態となり、客側ユニット50のタッチパネル52に図11(A)に示す待機画面DB7を表示させ、次の客による操作の待受状態となる。
【0099】
本実施形態におけるフルセルフ運用処理では、運用動作中に誤ったモード切り替えがされないようにするため、店員側ユニット40の動作を停止させ、また店員側ユニット40ではモード切り替えのボタン(キー)などをタッチパネル52の表示画面に設けていない。また、前述した通常(セミセルフ)運用処理と同様に、例えば、アテンダントバーコードのスキャンがあったとしてもモード切り替え機能の使用不可(機能カット)とし、モード切り替えの手段を提供しないことで、いかなる場合もモード切り替えされないようにする。
【0100】
本実施形態における商品販売データ処理装置10は、フルセルフ運用から通常(セミセルフ)運用に動作モードを切り替える場合には、電源オフして、再度、前述した運用選択処理を実行することが必要となる。これにより、運用中の誤った操作による動作モードの切り替えが発生するおそれがない。
【0101】
なお、前述したフルセルフ運用処理では、店員側ユニット40の動作を停止させるとしているが、客側ユニット50と並行して動作させるようにしても良い。例えば、常時、動作状態としても良いし、基本的にスタンバイ状態の動作状態にして、例えばキーボード41あるいはタッチパネル43に対する所定の操作に応じて、店員側ユニット40を動作状態に復帰させるようにしても良い。
【0102】
店員側ユニット40が動作状態にある場合、プロセッサ31は、タッチパネル43とタッチパネル52による2画面ディスプレイを複製表示として制御して、タッチパネル43に対してタッチパネル52と同じ画面を表示させる。これにより、店員は、タッチパネル43に表示される表示内容を参照することで、客によるタッチパネル52に対する操作状況を確認することができる。これにより、例えば、客が操作に戸惑っているような場合に、適切なタイミングで客を補助することができる。
【0103】
また、客によるスキャナ51を用いた商品登録(バーコードスキャン)中に、店員によるスキャナ42を用いた商品登録を並行して実行するようにしても良い。例えば、客の購買商品が多い場合に、店員と客が協働して商品登録をすることで、商品登録に要する時間及び客の負担を軽減することができる。プロセッサ31は、2つのスキャナ42,51によりスキャンされたバーコードに応じて商品販売データ処理を実行する。この場合、商品登録が完了(支払いキーDB84の操作の検出)に応じて、プロセッサ31は、店員側ユニット40の動作を停止させ、基本的なフルセルフ運用処理(第2モード)の状態に戻る。これにより、動作モードを切り替えることなく、必要時にのみ店員側ユニット40を利用することができる。
【0104】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0105】
また、前述した実施の形態において記載した処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に提供することができる。また、通信媒体により伝送して各種装置に提供することも可能である。コンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、または通信媒体を介してプログラムを受信し、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【符号の説明】
【0106】
10…商品販売データ処理装置、31…プロセッサ、32…メインメモリ、33…補助記憶デバイス、34…時計、40…店員側ユニット、41…キーボード、42,51…スキャナ、43,52…タッチパネル、44,55…自動釣銭機、50…客側ユニット、53…プリンタ、54…カードリーダ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11