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特開2024-151101冷感生地用複合繊維、その製造方法、冷感生地、及び繊維製品
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  • 特開-冷感生地用複合繊維、その製造方法、冷感生地、及び繊維製品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151101
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】冷感生地用複合繊維、その製造方法、冷感生地、及び繊維製品
(51)【国際特許分類】
   D01F 8/12 20060101AFI20241017BHJP
   D01F 8/06 20060101ALI20241017BHJP
   D02G 1/02 20060101ALI20241017BHJP
   D02J 1/00 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
D01F8/12 Z
D01F8/06
D02G1/02 B
D02J1/00 K
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064236
(22)【出願日】2023-04-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】519381469
【氏名又は名称】青島紗支紡織科技有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】521358556
【氏名又は名称】青島新嘉程家紡有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王 暁東
【テーマコード(参考)】
4L036
4L041
【Fターム(参考)】
4L036MA04
4L036MA06
4L036MA15
4L036MA20
4L036MA33
4L036MA39
4L036PA01
4L036PA03
4L036PA42
4L036UA25
4L041AA07
4L041BA02
4L041BA05
4L041BA21
4L041BA33
4L041BA38
4L041BC04
4L041BC20
4L041BD08
4L041CA21
4L041CA37
4L041DD01
4L041EE20
(57)【要約】
【課題】高い吸湿性、速乾性及び柔軟性を有し、染色可能で、冷感を与える繊維を提供する。
【解決手段】芯鞘構造を備える冷感生地用複合繊維の芯は高密度ポリエチレンを含み、その鞘はナイロン6を含む。冷感生地用複合繊維の製造方法が、芯を構成する高密度ポリエチレンと、鞘を構成するナイロン6を共押出する共押出工程と、この共押出工程で得られたフィラメントを延伸する延伸工程を含む。この冷感生地用複合繊維が冷感生地に使用されている。この冷感生地が繊維製品に使用されている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯鞘構造を備える冷感生地用複合繊維であって、
当該芯は高密度ポリエチレンを含み、
当該鞘はナイロン6を含むことを特徴とする冷感生地用複合繊維。
【請求項2】
前記冷感生地用複合繊維における前記芯の含有量が20~60質量%、前記冷感生地用複合繊維における前記鞘の含有量が40~80質量%であることを特徴とする請求項1に記載された冷感生地用複合繊維。
【請求項3】
前記芯及び前記鞘の断面が外周に凹凸を有する異形断面であることを特徴とする請求項1に記載された冷感生地用複合繊維。
【請求項4】
繊度が8~400tex、かつフィラメント数が10~250であることを特徴とする請求項1に記載された冷感生地用複合繊維。
【請求項5】
前記芯を構成する高密度ポリエチレンと、前記鞘を構成するナイロン6を共押出する共押出工程と、
当該共押出工程で得られたフィラメントを延伸する延伸工程を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載された冷感生地用複合繊維の製造方法。
【請求項6】
前記共押出工程で得られたフィラメントを撚る撚り工程を更に含むことを特徴とする、請求項5に記載された冷感生地用複合繊維の製造方法。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載された冷感生地用複合繊維が使用されている冷感生地。
【請求項8】
請求項7に記載された冷感生地が使用されている繊維製品。
【請求項9】
布団、布団カバー、枕、マットレス、座布団、クッション、敷物、又は衣服である請求項8に記載された繊維製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷感生地用複合繊維、その製造方法、冷感生地、及び繊維製品に関する。
【背景技術】
【0002】
芯鞘構造を有する複合繊維は知られている。引用文献1には、芯、鞘それぞれが誘電正接と融点が異なる成分からなる芯鞘型複合繊維を含む不織布が開示されている。
現在、冷感を与える芯鞘型複合繊維が市販されている。前記市販の芯鞘型複合繊維の芯はナイロン6からなり、鞘はポリエチレンからなる。ポリエチレンの特性に起因し、前記市販の芯鞘型複合繊維の吸湿性及び染色性は低い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-231592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近、高い吸湿性、速乾性及び柔軟性を有し、染色可能で、冷感を与える繊維が希求されている。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、高い吸湿性、速乾性及び柔軟性を有し、染色可能で、冷感を与える繊維を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題に鑑み検討を重ね、高密度ポリエチレンを含む芯と、ナイロン6を含む鞘を備える複合繊維が、高い吸湿性、速乾性及び柔軟性を有し、染色可能で、冷感を与えることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
【0007】
本発明は、芯鞘構造を備える冷感生地用複合繊維であって、当該芯は高密度ポリエチレンを含み、当該鞘はナイロン6を含むことを特徴とする冷感生地用複合繊維に関する。
好ましくは、前記冷感生地用複合繊維における前記芯の含有量は20~60質量%、前記冷感生地用複合繊維における前記鞘の含有量は40~80質量%である。
前記芯及び鞘の断面形状は、好ましくは外周に凹凸を有する異形断面である。
好ましくは、前記冷感生地用複合繊維繊度は8~400tex、かつそのフィラメント数は10~250である。
【0008】
本発明は、前記芯を構成する高密度ポリエチレンと、前記鞘を構成するナイロン6を共押出する共押出工程と、当該共押出工程で得られたフィラメントを延伸する延伸工程を含む、冷感生地用複合繊維の製造方法に関する。
冷感生地用複合繊維の製造方法は、好ましくは前記共押出工程で得られたフィラメントを撚る撚り工程を更に含む。
【0009】
また本発明は、前記冷感生地用複合繊維が使用されている冷感生地に関する。
【0010】
さらに本発明は、前記冷感生地が使用されている繊維製品に関する。
前記繊維製品は、好ましくは、布団、布団カバー、枕、マットレス、座布団、クッション、敷物、又は衣服である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の芯鞘構造を備える冷感生地用複合繊維は、高い吸湿性、速乾性及び柔軟性を有し、染色可能で、冷感を与える繊維を提供する。本発明の冷感生地用複合繊維の製造方法は、前記冷感生地用複合繊維の製造方法を提供する。本発明の冷感生地は、高い吸湿性、速乾性及び柔軟性を有し、冷感を与える冷感生地を提供する。本発明の繊維製品は、高い吸湿性、速乾性及び柔軟性を有し、冷感を与える繊維製品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の冷感生地用複合繊維の1実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明について更に詳細に説明する。
なお、数値範囲の「~」は、断りがなければ、以上から以下を表し、両端の数値をいずれも含む。また、数値範囲を示したときは、上限値および下限値を適宜組み合わせることができ、それにより得られた数値範囲も開示したものとする。
さらに図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0014】
<冷感生地用複合繊維>
本発明の芯鞘構造を備える冷感生地用複合繊維の芯は高密度ポリエチレンを含み、好ましくは高密度ポリエチレンからなる。本発明の冷感生地用複合繊維の鞘はナイロン6を含み、好ましくはナイロン6からなる。ナイロン6は極性基を有しているので、ナイロン6を含む鞘を備える本発明の冷感生地用複合繊維は高い吸湿性を有する。しかしながら、ナイロン6は疎水性の樹脂であるので、本発明の冷感生地用複合繊維は高い速乾性を有する。さらに高密度ポリエチレン及びナイロン6の柔軟性に起因し、本発明の冷感生地用複合繊維は高い柔軟性を有する。
【0015】
ナイロン6は染色可能な樹脂であるので、本発明の冷感生地用複合繊維は染色可能である。さらにナイロン6の融点は200℃以上なので、本発明の冷感生地用複合繊維の耐熱温度は100℃以上である。一方、前記市販の芯鞘型複合繊維が100℃以上に加熱されると、鞘を構成するポリエチレンが溶融し、その耐熱温度は100℃未満である。
【0016】
本発明の冷感生地用複合繊維における前記芯の含有量は、好ましくは20~60質量%であり、前記冷感生地用複合繊維における前記鞘の含有量は、好ましくは40~80質量%である。本発明の冷感生地用複合繊維における前記芯及び鞘の含有量が前記範囲であると、本発明の冷感生地用複合繊維の成形性及び冷感を与える能力がより高くなる。
【0017】
本発明の冷感生地用複合繊維の1実施態様を図1に示す。冷感生地用複合繊維1は芯2及び鞘3を備える。
前記芯2及び鞘3の断面形状は、特定の形状に限定されない。芯2と鞘3とで断面形状が異なっていてもよい。前記断面形状としては、円形、楕円形、三角形、四角形、星形、十字形、Y字形等が挙げられる。前記芯2及び鞘3の断面形状は、好ましくは星形、十字形、Y字形などの外周に凹凸を有する異形断面である。前記芯2及び鞘3の断面形状が、外周に凹凸を有する異形断面であると、本発明の冷感生地用複合繊維の速乾性がより高くなる。
【0018】
本発明の冷感生地用複合繊維の繊度は、好ましくは8~400tex、かつフィラメント数は、好ましくは10~250である。本発明の冷感生地用複合繊維の繊度及びフィラメント数が前記範囲であると、本発明の冷感生地用複合繊維の吸湿性、速乾性、柔軟性、及び冷感を与える能力がより高くなる。
【0019】
<冷感生地用複合繊維の製造方法>
本発明の冷感生地用複合繊維の製造方法は、前記芯を構成する高密度ポリエチレンと、前記鞘を構成するナイロン6を共押出する共押出工程を含む。前記共押出工程は、合成樹脂の紡糸工程における通常の共押出条件で実施される。乾燥された高密度ポリエチレン、ナイロン6のそれぞれのペレットは、スクリュー押出機により溶融されて押出され、それぞれの溶融物が計量ポンプを経て、予め設定された吐出量で紡糸モジュールに入れられる。次に前記紡糸モジュール中の高密度ポリエチレン、ナイロン6のそれぞれが濾過され、加圧されて均一に連続して紡糸板から共押出される。好ましくは前記紡糸モジュールの初期圧力が110Kg程度に調整され、80~100メッシュの焼結ステンレス鋼金属濾過砂が前記濾過において使用される。
【0020】
前記紡糸板から押し出された共押出物は120~140℃程度まで均一に冷却されてロールに巻き取られ、成形されてよい。前記巻き取りは8回程度繰り返されてよく、前記成形物の熱収縮率は9%程度になる。前記成形後、前記成形物はタンカー中で給油され、次いで後述する延伸工程に付される。
【0021】
本発明の冷感生地用複合繊維の製造方法は、前記共押出工程で得られたフィラメントを延伸する延伸工程を含む。給油された前記成形物は、巻取ローラに巻き取られ、延伸される。延伸倍率は好ましくは4~5倍、延伸温度は好ましくは40~50℃である。前記延伸倍率及び延伸温度が前記範囲であると、本発明の冷感生地用複合繊維の毛羽立ち及び巻取ローラへの絡みがより防止され、吸湿性、速乾性、柔軟性、及び冷感を与える能力がより高くなる。
【0022】
本発明の冷感生地用複合繊維の製造方法は、好ましくは、前記共押出工程で得られたフィラメントを撚る撚り工程を更に含む。したがって、本発明の冷感生地用複合繊維はインターレース部4を有していてよい。本発明の冷感生地用複合繊維はインターレース部4により切断され難くなる。
【0023】
<冷感生地用複合繊維の応用>
本発明の冷感生地用複合繊維は、布帛、ニット等の冷感生地の材料として使用される。前記冷感生地は、布団、布団カバー、枕、マットレス、座布団、クッション、敷物、衣服等の繊維製品の材料として使用される。
【実施例0024】
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
実施例及び比較例において、各種物性は以下のとおりに測定された。
<Q-MAX値(冷感値)>
JIS L1927に準じてカトーテック株式会社製サーモラボII接触冷温感測定装置を用いて各ニット生地が与える冷感を測定した。すなわち、センサーと熱板を接触させて当該センサーを加熱し、ニット生地と当該センサーの温度差を10℃にして両者を接触させ、熱の移動量(Q-MAX値)を測定した。前記値が大きいほど、ニット生地は人肌により強い冷感を与える。
【0026】
<速乾性>
各ニット生地の速乾性を、ISO I7617 A-1法に基づいて、20℃、65%RHの条件下で測定した。
【0027】
[実施例1]
乾燥された高密度ポリエチレンのペレットを押出温度230℃、245℃、249℃に設定された押出機で溶融押出した。乾燥されたナイロン6のペレットを押出温度246℃、250℃、268℃に設定された押出機で溶融共押出された。共押出された溶融物は、269℃に設定された紡糸モジュールに入れられた。次に前記紡糸モジュール中の高密度ポリエチレン、ナイロン6のそれぞれが、80~100メッシュの焼結ステンレス鋼金属濾過砂で濾過され、紡糸モジュールの初期圧力110Kgで均一に連続して紡糸板から共押出された。前記紡糸板から押出されたフィラメントは、30質量%の高密度ポリエチレンからなる芯と、70質量%のナイロン6からなる鞘を備えていた。前記フィラメントは、風速0.7m/秒、26℃の空気で冷却され、2.2m投下された。投下された前記フィラメントは、前記フィラメント及び油剤の質量に対する当該油剤の質量(給油率)が1.2質量%となるようにタンカー中で給油された。給油された前記フィラメントは、132℃まで均一に冷却されてロールに6回巻き取られ、成形された。成形物は、巻取ローラに巻き取られ、毛羽が除去され、延伸倍率4.9倍、延伸温度46℃となるように延伸された。製造された冷感生地用複合繊維の熱収縮率は9%、その繊度80tex、そのフィラメント数は48であった。前記冷感生地用複合繊維を織ってニット生地を作製し、そのQ-MAX値を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0028】
[実施例2]
乾燥された高密度ポリエチレンのペレットを押出温度230℃、245℃、249℃に設定された押出機で溶融押出した。乾燥されたナイロン6のペレットを押出温度246℃、250℃、268℃に設定された押出機で溶融共押出された。共押出された溶融物は、269℃に設定された紡糸モジュールに入れられた。次に前記紡糸モジュール中の高密度ポリエチレン、ナイロン6のそれぞれが、80~100メッシュの焼結ステンレス鋼金属濾過砂で濾過され、紡糸モジュールの初期圧力110Kgで均一に連続して紡糸板から共押出された。前記紡糸板から押出されたフィラメントは、40質量%の高密度ポリエチレンからなる芯と、60質量%のナイロン6からなる芯を備えていた。前記フィラメントは、風速0.7m/秒、26℃の空気で冷却され、2.2m投下された。投下された前記フィラメントは、前記フィラメント及び油剤の質量に対する当該油剤の質量(給油率)が1.2質量%となるようにタンカー中で給油された。給油された前記フィラメントは、133℃まで均一に冷却されてロールに7回巻き取られ、成形された。成形物は、巻取ローラに巻き取られ、毛羽が除去され、延伸倍率4.9倍、延伸温度46℃となるように延伸された。製造された冷感生地用複合繊維の熱収縮率は9%、その繊度100tex、そのフィラメント数は48であった。前記冷感生地用複合繊維を織ってニット生地を作製し、そのQ-MAX値を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0029】
[実施例3]
乾燥された高密度ポリエチレンのペレットを押出温度230℃、248℃、252℃に設定された押出機で溶融押出した。乾燥されたナイロン6のペレットを押出温度276℃、272℃、271℃、270℃に設定された押出機で溶融共押出された。共押出された溶融物は、269℃に設定された紡糸モジュールに入れられた。次に前記紡糸モジュール中の高密度ポリエチレン、ナイロン6のそれぞれが、80~100メッシュの焼結ステンレス鋼金属濾過砂で濾過され、紡糸モジュールの初期圧力110Kgで均一に連続して紡糸板から共押出された。前記紡糸板から押出されたフィラメントは、50質量%の高密度ポリエチレンからなる芯と、50質量%のナイロン6からなる鞘を備えていた。前記フィラメントは、風速0.75m/秒、28℃の空気で冷却され、2.3m投下された。投下された前記フィラメントは、前記フィラメント及び油剤の質量に対する当該油剤の質量(給油率)が1.2質量%となるようにタンカー中で給油された。給油された前記フィラメントは、123℃まで均一に冷却されてロールに7回巻き取られ、成形された。成形物は、巻取ローラに巻き取られ、毛羽が除去され、延伸倍率4.9倍、延伸温度42℃となるように延伸された。製造された冷感生地用複合繊維の熱収縮率は9%、その繊度100tex、そのフィラメント数は48であった。前記冷感生地用複合繊維を織ってニット生地を作製し、そのQ-MAX値を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0030】
[比較例1]
高密度ポリエチレンに代えて低密度ポリエチレンを使用した以外、実施例1と同様の操作を実施した。得られた複合繊維を織って作製したニット生地の感触は固く、繊維製品の材料として不適切であった。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
芯及び鞘が所定の樹脂を含む実施例1~3の冷感生地用複合繊維を織って作製した各ニット生地の速乾性は高く、さらに当該各ニット生地は高い冷感を与えた。ナイロン6は極性基を有しているので、ナイロン6を含む鞘を備える実施例1~3の冷感生地用複合繊維を織って作製したニット生地は高い吸湿性を有する。さらに高密度ポリエチレン及びナイロン6の柔軟性に起因し、実施例1~3の冷感生地用複合繊維を織って作製したニット生地は高い柔軟性を有する。
【符号の説明】
【0034】
1・・・冷感生地用複合繊維、2・・・芯、3・・・鞘、4・・・インターレース部。
図1
【手続補正書】
【提出日】2023-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯鞘構造を備える冷感生地用複合繊維であって、
当該芯は高密度ポリエチレンからなり
当該鞘はナイロン6を含むことを特徴とする冷感生地用複合繊維。
【請求項2】
前記冷感生地用複合繊維における前記芯の含有量が20~60質量%、前記冷感生地用複合繊維における前記鞘の含有量が40~80質量%であることを特徴とする請求項1に記載された冷感生地用複合繊維。
【請求項3】
前記芯及び前記鞘の断面が外周に凹凸を有する異形断面であることを特徴とする請求項1に記載された冷感生地用複合繊維。
【請求項4】
繊度が8~400tex、かつフィラメント数が10~250であることを特徴とする請求項1に記載された冷感生地用複合繊維。
【請求項5】
前記芯を構成する高密度ポリエチレンと、前記鞘を構成するナイロン6を共押出する共押出工程と、
当該共押出工程で得られたフィラメントを延伸する延伸工程を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載された冷感生地用複合繊維の製造方法。
【請求項6】
前記共押出工程で得られたフィラメントを撚る撚り工程を更に含むことを特徴とする、請求項5に記載された冷感生地用複合繊維の製造方法。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載された冷感生地用複合繊維が使用されている冷感生地。
【請求項8】
請求項7に記載された冷感生地が使用されている繊維製品。
【請求項9】
布団、布団カバー、枕、マットレス、座布団、クッション、敷物、又は衣服である請求項8に記載された繊維製品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、芯鞘構造を備える冷感生地用複合繊維であって、当該芯は高密度ポリエチレンからなり、当該鞘はナイロン6を含むことを特徴とする冷感生地用複合繊維に関する。
好ましくは、前記冷感生地用複合繊維における前記芯の含有量は20~60質量%、前記冷感生地用複合繊維における前記鞘の含有量は40~80質量%である。
前記芯及び鞘の断面形状は、好ましくは外周に凹凸を有する異形断面である。
好ましくは、前記冷感生地用複合繊維繊度は8~400tex、かつそのフィラメント数は10~250である。