(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151112
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】車両用視認装置
(51)【国際特許分類】
B60R 1/06 20060101AFI20241017BHJP
B60R 1/25 20220101ALI20241017BHJP
B60Q 1/34 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
B60R1/06 D
B60R1/25
B60Q1/34 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064252
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱田 健宏
【テーマコード(参考)】
3D053
3K339
【Fターム(参考)】
3D053FF30
3D053FF31
3D053GG06
3D053GG12
3D053HH03
3D053HH14
3D053HH55
3K339AA21
3K339AA25
3K339BA26
3K339CA12
3K339CA27
3K339DA01
3K339GB13
3K339HA02
3K339JA26
3K339MA01
(57)【要約】
【課題】複数の電気装置への配線作業を容易にする。
【解決手段】ドアミラー装置38は、車体に支持されるミラー本体部14を備えている。ミラー本体部14には、ターンランプ20、格納用モータ22、メモリユニット26及びミラー調節用モータ24が設けられている。ターンランプ20には、ターンランプ配線36A、格納用モータ配線36B、メモリユニット配線36D及びミラー調節用モータ配線36Cが設けられている。ターンランプ配線36Aは、ターンランプ20に接続されている。格納用モータ配線36B、メモリユニット配線36D及びミラー調節用モータ配線36Cは、格納用モータ22、メモリユニット26及びミラー調節用モータ24にそれぞれ接続されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に支持される車両用視認装置本体部と、
前記車両用視認装置本体部に設けられていると共に第1配線及び第2配線を有し、前記第1配線に接続された第1電気装置と、
前記車両用視認装置本体部に設けられ、前記第2配線に接続された第2電気装置と、
を備えた車両用視認装置。
【請求項2】
前記第1電気装置は、前記第1配線を介して通電されることで発光する発光部と、前記発光部を支持する発光部支持部と、前記発光部支持部に沿って設けられた前記第1配線及び前記第2配線と、を含んで構成されたターンランプとなっている請求項1に記載の車両用視認装置。
【請求項3】
前記車両用視認装置本体部には、複数の前記第2電気装置が設けられ、
複数の前記第2電気装置にそれぞれ接続される複数の前記第2配線が、前記第1電気装置に設けられている請求項1に記載の車両用視認装置。
【請求項4】
複数の前記第2電気装置には、複数の前記第2配線がそれぞれ接続されるコネクタがそれぞれ設けられ、
複数の前記第2電気装置に設けられたそれぞれの前記コネクタが、前記第1電気装置側に向けられている請求項3に記載の車両用視認装置。
【請求項5】
前記第2電気装置は、車両の周囲を視認するための視認部となっている請求項1に記載の車両用視認装置。
【請求項6】
前記第2配線の少なくとも一部が、可撓製を有するシートに沿って設けられている請求項1に記載の車両用視認装置。
【請求項7】
前記第2配線の少なくとも一部が、前記第1電気装置の内部に設けられている請求項1に記載の車両用視認装置。
【請求項8】
前記第2配線の少なくとも一部及び前記シートが、前記第1電気装置の内部に形成された中空内で曲げられている請求項6を引用する請求項7に記載の車両用視認装置。
【請求項9】
前記第2配線の少なくとも一部が、前記第1電気装置の外部に設けられている請求項1に記載の車両用視認装置。
【請求項10】
前記第1電気装置は複数の機能を有している請求項1に記載の車両用視認装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用視認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両のサイドドアに設けられるドアミラー装置が開示されている。この文献に記載されたドアミラー装置は、ミラーを格納させる格納装置、ミラーの姿勢を調節する調節装置、光を放つターンランプ及び車両のサイドドアの足元を照らす足元ランプ等の各種電気装置を備えている。
【0003】
ところで、下記特許文献1に記載されたドアミラー装置のように複数の電気装置を備えた構成では、複数の電気装置への配線作業を容易にできることが望ましいが、下記特許文献1に記載されたドアミラー装置にはこの点で改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、複数の電気装置への配線作業を容易にすることができる車両用視認装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る車両用視認装置は、車体に支持される車両用視認装置本体部と、前記車両用視認装置本体部に設けられていると共に第1配線及び第2配線を有し、前記第1配線に接続された第1電気装置と、前記車両用視認装置本体部に設けられ、前記第2配線に接続された第2電気装置と、を備えている。
【0007】
第2の態様に係る車両用視認装置は、第1の態様の車両用視認装置において、前記第1電気装置は、前記第1配線を介して通電されることで発光する発光部と、前記発光部を支持する発光部支持部と、前記発光部支持部に沿って設けられた前記第1配線及び前記第2配線と、を含んで構成されたターンランプとなっている。
【0008】
第3の態様に係る車両用視認装置は、第1の態様又は第2の態様の車両用視認装置において、前記車両用視認装置本体部には、複数の前記第2電気装置が設けられ、複数の前記第2電気装置にそれぞれ接続される複数の前記第2配線が、前記第1電気装置に設けられている。
【0009】
第4の態様に係る車両用視認装置は、第3の態様の車両用視認装置において、複数の前記第2電気装置には、複数の前記第2配線がそれぞれ接続されるコネクタがそれぞれ設けられ、複数の前記第2電気装置に設けられたそれぞれの前記コネクタが、前記第1電気装置側に向けられている。
【0010】
第5の態様に係る車両用視認装置は、第1の態様~第4の態様のいずれか1つの態様の車両用視認装置において、前記第2電気装置は、車両の周囲を視認するための視認部となっている。
【0011】
第6の態様に係る車両用視認装置は、第1の態様~第5の態様のいずれか1つの態様の車両用視認装置において、前記第2配線の少なくとも一部が、可撓製を有するシートに沿って設けられている。
【0012】
第7の態様に係る車両用視認装置は、第1の態様~第6の態様のいずれか1つの態様の車両用視認装置において、前記第2配線の少なくとも一部が、前記第1電気装置の内部に設けられている。
【0013】
第8の態様に係る車両用視認装置は、第6の態様の構成を備えた第7の態様の車両用視認装置において、前記第2配線の少なくとも一部及び前記シートが、前記第1電気装置の内部に形成された中空内で曲げられている。
【0014】
第9の態様に係る車両用視認装置は、第1の態様~第6の態様のいずれか1つの態様の車両用視認装置において、前記第2配線の少なくとも一部が、前記第1電気装置の外部に設けられている。
【0015】
第10の態様に係る車両用視認装置は、第1の態様~第9の態様のいずれか1つの態様の車両用視認装置において、前記第1電気装置は複数の機能を有している。
【発明の効果】
【0016】
第1の態様に係る車両用視認装置は、車体に支持される車両用視認装置本体部を備えている。この車両用視認装置本体部には、第1電気装置及び第2電気装置が設けられている。ここで、第1電気装置は、第1配線及び第2配線を有している。そして、第1電気装置は、当該第1電気装置に設けられた第1配線に接続されている。また、第2電気装置は、第1電気装置に設けられた第2配線に接続されている。この構成では、第1配線及び第2配線が第1電気装置に対して独立して設けられている構成と比べて、第1配線及び第2配線の配線経路が複雑化することを抑制することができる。これにより、複数の電気装置(第1電気装置及び第2電気装置)への配線作業を容易にすることができる。
【0017】
第2の態様に係る車両用視認装置では、第1配線及び第2配線がターンランプに設けられている。また、第1配線及び第2配線は、ターンランプの一部を構成する発光部支持部に沿って配置されている。そして、ターンランプの他の一部を構成する発光部は、第1配線を介して通電されることで発光する。また、ターンランプに設けられた第2配線には、第2電気装置が接続される。このように、第2の態様に係る車両用視認装置では、ターンランプを介して第2電気装置に配線をすることができる。
【0018】
第3の態様に係る車両用視認装置では、第1電気装置に設けられた複数の第2配線を介して複数の第2電気装置に配線をすることができる。
【0019】
第4の態様に係る車両用視認装置では、複数の第2電気装置に設けられたそれぞれのコネクタが、第1電気装置側に向けられている。これにより、第1電気装置に設けられた複数の第2配線をそれぞれコネクタへ容易に接続することができる。
【0020】
第5の態様に係る車両用視認装置では、第1電気装置を介して視認部に配線をすることができる。
【0021】
第6の態様に係る車両用視認装置では、第2配線の少なくとも一部が、可撓製を有するシートに沿って設けられている。これにより、第2配線においてシートに沿って設けられている部分をシートと共に曲げて配索することができる。
【0022】
第7の態様に係る車両用視認装置では、第2配線の少なくとも一部が、第1電気装置の内部に設けられている。これにより、第2配線において第1電気装置の内部に設けられている部分を第1電気装置によって保護することができる。
【0023】
第8の態様に係る車両用視認装置では、第2配線の少なくとも一部及びシートが、第1電気装置の内部に形成された中空内で曲げられている。このように、第2配線においてシートに沿って設けられている部分を中空内においてシートと共に曲げて配索することができる。
【0024】
第9の態様に係る車両用視認装置では、第2配線の少なくとも一部が、第1電気装置の外部に設けられている。これにより、第1電気装置内のスペースが第2配線によって狭くなることを抑制することができる。
【0025】
第10の態様に係る車両用視認装置では、第1電気装置に複数の機能を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】ドアミラー装置を前方側から見た正面図である。
【
図2】バイザの一部を取外した状態のドアミラー装置を前方側から見た正面図である。
【
図4】
図1に示されたA-A線と対応する線に沿って切断した第1実施形態に係るドアミラー装置の断面を示す断面図である。
【
図5】
図1に示されたA-A線と対応する線に沿って切断した第2実施形態に係るドアミラー装置の断面を示す断面図である。
【
図6】
図1に示されたA-A線と対応する線に沿って切断した第3実施形態に係るドアミラー装置の断面を示す断面図である。
【
図7】
図1に示されたA-A線と対応する線に沿って切断した第4実施形態に係るドアミラー装置の断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(アウタミラー装置10の概略の構成)
図1~
図3を用いて車両用視認装置としてのアウタミラー装置10の概略の構成について説明する。なお、図中に適宜示す矢印FR、矢印OUT及び矢印UPは、アウタミラー装置10を備えた車両の車両前方、車幅方向外側及び車両上方をそれぞれ示している。また以下、単に前後、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下を示すものとする。
【0028】
図1に示されるように、本実施形態のアウタミラー装置10は、図示しない車体のフロントサイドドアの外側に支持される。このアウタミラー装置10は、ミラー12(
図4参照)によって車両の乗員の視認を補助するためのものである。具体的には、アウタミラー装置10は、ミラー12等が設けられた車両用視認装置本体部としてのミラー本体部14と、ミラー本体部14を移動可能に支持するベース16と、を備えている。なお、ミラー12に代えてカメラによって車両の乗員の視認を補助するようにしてもよい。
【0029】
ミラー本体部14は、当該ミラー本体部14の外殻を形成するバイザ18を備えている。このバイザ18は、前後方向に2分割構造となっている。
図2には、バイザ18における前方側の部位を取り外した状態のミラー本体部14等が示されている。この図に示されるように、ミラー本体部14の内部には、各種電気装置22、24、26、28、30、32、34が設けられている。
【0030】
図3には、ミラー本体部14内に設けられた各種電気装置22、24、26、28、30、32、34を示すブロック図が示されている。この図に示されるように、ミラー本体部14内には、第1電気装置としてのターンランプ20が設けられている。また、ミラー本体部14内には、第2電気装置としての格納用モータ22、ミラー調節用モータ24、メモリユニット26、ミラーヒータ28、ブラインドスポットモニタ30、カメラ32及びランプ34が設けられている。
【0031】
ターンランプ20は、車両の右左折時等に点灯されるランプである。このターンランプ20は、第1配線としてのターンランプ配線36Aに接続されている。
【0032】
格納用モータ22は、ミラー本体部14をベース16に対して移動(傾動)させるためのものである。この格納用モータ22は、第2配線としての格納用モータ配線36Bに接続されている。
【0033】
ミラー調節用モータ24は、ミラー12の姿勢を調節するためのものである。このミラー調節用モータ24は、第2配線としてのミラー調節用モータ配線36Cに接続されている。
【0034】
メモリユニット26は、ミラー12の姿勢を記録しておくためのものである。このメモリユニット26は、第2配線としてのメモリユニット配線36Dに接続されている。
【0035】
ミラーヒータ28は、ミラー12を加熱するためのものである。このミラーヒータ28は、第2配線としてのミラーヒータ配線36Eに接続されている。
【0036】
ブラインドスポットモニタ30は、車両の斜め後方側に車両等が存在する場合に警告表示を行うためのものである。このブラインドスポットモニタ30は、第2配線としてのブラインドスポットモニタ配線36Fに接続されている。
【0037】
視認部としてのカメラ32は、ミラー本体部14の下方側を撮影するためのものである。このカメラ32は、第2配線としてのカメラ配線36Gに接続されている。
【0038】
ランプ34は、ミラー本体部14の下方側に光を照射するためのものである。このランプ34は、第2配線としてのランプ配線36Hに接続されている。なお、本アウタミラー装置10では、ミラー本体部14の下方側を照らすためのランプ34及び赤外線を照射するためのランプ34の2つのランプが設けられている。
【0039】
(第1実施形態のアウタミラー装置38の構成)
次に、
図4を用いて、本発明の第1実施形態に係るアウタミラー装置38について説明する。なお、第1実施形態に係るアウタミラー装置38において前述のアウタミラー装置10と対応する部材及び部分には、アウタミラー装置10と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。また、
図4及び後の説明で用いる
図5~
図7においては、断面のハッチングを省略している。
【0040】
図4には、
図1に示されたA-A線と対応する線に沿って切断したアウタミラー装置38の断面が示されている。
図3及び
図4に示されるように、本実施形態のアウタミラー装置38では、ターンランプ配線36A、格納用モータ配線36B、メモリユニット配線36D及びミラー調節用モータ配線36Cがターンランプ20に設けられている。
【0041】
本実施形態のターンランプ20は、ターンランプ配線36Aを介して通電されることで発光する発光部40と、発光部40の光が導光される導光部42と、発光部40を支持する発光部支持部44と、ターンランプ20の外殻を構成するケース46及びカバー48と、を備えている。
【0042】
発光部40は、一例として、ターンランプ基板40Aと、ターンランプ基板40Aに取付けられたLED40Bと、を含んで構成されている。そして、ターンランプ基板40Aが発光部支持部44に支持された状態では、LED40Bが車幅方向外側へ向けられている。
【0043】
導光部42は、一例として透明な素材を用いて板状に形成されている。この導光部42は、車幅方向外側へ向かうにつれて後方側へ湾曲した形状となっている。この導光部42の車幅方向内側の端部は、LED40Bと近接して配置されている。
【0044】
カバー48は、一例として透明な素材を用いて形成されている。このカバー48がケース46の前方側に取付けられることで、発光部40、導光部42及び発光部支持部44が配置されるスペースがケース46とカバー48との間に形成されるようになっている。
【0045】
ケース46における車幅方向内側の端部には、コネクタ50が接続される第1コネクタ部46Aが形成されている。また、ケース46の後方側には、第2コネクタ部46B、第3コネクタ部46C及び第4コネクタ部46Dが形成されている。これらの第2コネクタ部46B、第3コネクタ部46C及び第4コネクタ部46Dは、互いにケース46から後方側へ突出した構成となっている。また、第2コネクタ部46Bは、格納用モータ22に設けられたコネクタとしての格納用モータコネクタ22Aに係合するようになっている。また、第3コネクタ部46Cは、メモリユニット26に設けられたコネクタとしてのメモリユニットコネクタ26Aに係合するようになっている。また、第4コネクタ部46Dは、ミラー調節用モータ24に設けられたコネクタとしてのミラー調節用モータコネクタ24Aに係合するようになっている。ここで、格納用モータコネクタ22A、メモリユニットコネクタ26A及びミラー調節用モータコネクタ24Aは、互いにターンランプ20側である前方側へ向けて突出した構成となっている。
【0046】
発光部支持部44は、絶縁性の材料を用いて板状に形成されたインシュレータであり、ケース46に支持されている。この発光部支持部44は、ケース46の内部における第1コネクタ部46Aから第4コネクタ部46Dまでの範囲において当該ケース46の内面に沿って配置される第1延在部44A~第5延在部44Eを備えている。詳述すると、発光部支持部44は、第1コネクタ部46A側から車幅方向外側に向けて延びる第1延在部44Aを備えている。また、発光部支持部44は、第1延在部44Aにおける車幅方向外側の端部から後方側へ向けて屈曲して延びる第2延在部44Bを備えている。さらに、発光部支持部44は、第2延在部44Bにおける後方側の端部から車幅方向外側へ向けて屈曲して延びる第3延在部44Cを備えている。また、発光部支持部44は、第3延在部44Cにおける車幅方向外側の端部から後方側へ向けて屈曲して延びる第4延在部44Dを備えている。さらに、発光部支持部44は、第4延在部44Dにおける後方側の端部から車幅方向外側へ向けて屈曲して延びる第5延在部44Eを備えている。また、発光部支持部44は、第3延在部44Cから前方側へ突出する発光部係止部44Fを備えている。そして、ターンランプ基板40Aの後端部が発光部係止部44Fに係止されることで、発光部40が発光部支持部44に支持されるようになっている。また、発光部40が発光部支持部44に支持された状態では、ターンランプ基板40Aと第2延在部44Bとが両者の厚み方向(車幅方向)に対向して配置されている。
【0047】
発光部支持部44の第1延在部44A~第5延在部44Eの内部には、ターンランプ配線36Aの一部、格納用モータ配線36Bの一部、メモリユニット配線36Dの一部及びミラー調節用モータ配線36Cの一部が埋設されている。ここで、配線とは、銅線等の線材に限定されるものではなく、基板上に形成される導電パターンやターミナル等を含むものである。なお、ターンランプ配線36Aの一部、格納用モータ配線36Bの一部、メモリユニット配線36Dの一部及びミラー調節用モータ配線36Cの一部は、コネクタ50に設けられた図示しないターミナル等を介して車両側の配線とつながっている。また、ターンランプ配線36Aの一部、格納用モータ配線36Bの一部、メモリユニット配線36Dの一部及びミラー調節用モータ配線36Cの一部をそれぞれ構成するターミナル等が、発光部支持部44やケース46にインサート成型された構成となっていてもよい。
【0048】
第1延在部44Aからは格納用モータ配線36Bが延出している。格納用モータ配線36Bにおいて第1延在部44Aから延出している部分は、第2コネクタ部46Bを介して後方側へ向けて突出している。これにより、第2コネクタ部46Bが格納用モータコネクタ22Aに係合することで、格納用モータ配線36Bと格納用モータ22とが接続されるようになっている。
【0049】
第2延在部44Bからはターンランプ配線36Aが延出している。ターンランプ配線36Aにおいて第2延在部44Bから延出している部分は、ターンランプ基板40Aに接続されている。これにより、ターンランプ配線36Aと発光部40とが接続されるようになっている。なお、ターンランプ配線36Aにおいて第2延在部44Bから延出している部分は、一例としてシートとしてのフレキシブル基板52に沿って形成された導電パターンとなっている。ここで、フレキシブル基板52は可撓性を有するシートである。これにより、フレキシブル基板52をその厚み方向に容易に曲げることが可能となっている。
【0050】
第3延在部44Cからはメモリユニット配線36Dが延出している。メモリユニット配線36Dにおいて第3延在部44Cから延出している部分は、第3コネクタ部46Cを介して後方側へ向けて突出している。これにより、第3コネクタ部46Cがメモリユニットコネクタ26Aに係合することで、メモリユニット配線36Dとメモリユニット26とが接続されるようになっている。
【0051】
第5延在部44Eからはミラー調節用モータ配線36Cが延出している。ミラー調節用モータ配線36Cにおいて第5延在部44Eから延出している部分は、第4コネクタ部46Dを介して後方側へ向けて突出している。これにより、第4コネクタ部46Dがミラー調節用モータコネクタ24Aに係合することで、ミラー調節用モータ配線36Cとミラー調節用モータ24とが接続されるようになっている。
【0052】
以上説明した本実施形態のドアミラー装置38では、ターンランプ配線36A、格納用モータ配線36B、メモリユニット配線36D及びミラー調節用モータ配線36Cがターンランプ20に設けられている。この構成では、ターンランプ配線36A、格納用モータ配線36B、メモリユニット配線36D及びミラー調節用モータ配線36Cがターンランプ20に対して独立して設けられている構成と比べて、ターンランプ配線36A、格納用モータ配線36B、メモリユニット配線36D及びミラー調節用モータ配線36Cの配線経路が複雑化することを抑制することができる。これにより、複数の電気装置(ターンランプ20、格納用モータ22、メモリユニット26及びミラー調節用モータ24)への配線作業を容易にすることができる。
【0053】
また、本実施形態のドアミラー装置38では、格納用モータコネクタ22A、メモリユニットコネクタ26A及びミラー調節用モータコネクタ24Aが互いにターンランプ20側である前方側へ向けて突出した構成となっている。これにより、ターンランプ20側の第2コネクタ部46B、第3コネクタ部46C及び第4コネクタ部46Dを格納用モータコネクタ22A、メモリユニットコネクタ26A及びミラー調節用モータコネクタ24Aに容易に接続することができる。
【0054】
(第2実施形態のアウタミラー装置54の構成)
次に、
図5を用いて、本発明の第2実施形態に係るアウタミラー装置54について説明する。なお、第2実施形態に係るアウタミラー装置54において既に説明したアウタミラー装置10、38と対応する部材及び部分には、アウタミラー装置10、38と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。
【0055】
図5には、
図1に示されたA-A線と対応する線に沿って切断したアウタミラー装置54の断面が示されている。
図3及び
図5に示されるように、本実施形態のアウタミラー装置54では、ターンランプ配線36A、格納用モータ配線36B、メモリユニット配線36D及びミラー調節用モータ配線36Cに加えてブラインドスポットモニタ配線36Fがターンランプ20に設けられている。
【0056】
第5延在部44Eからはブラインドスポットモニタ配線36Fが延出している。ブラインドスポットモニタ配線36Fにおいて第5延在部44Eから延出している部分は、ケース46に形成された開口46Eを通じて後方側へ向けて突出している。これにより、ブラインドスポットモニタ配線36Fとミラー12に取付けられたブラインドスポットモニタ30とが接続されるようになっている。ここで、ブラインドスポットモニタ配線36Fにおいて第5延在部44Eから延出している部分は、シートとしてのフレキシブル基板56に沿って形成された導電パターンとなっている。そして、ブラインドスポットモニタ配線36Fとブラインドスポットモニタ30とが接続された状態では、フレキシブル基板56がその厚み方向に撓んだ状態となっている。これにより、ミラー12と共にブラインドスポットモニタ30が変位した際に、ブラインドスポットモニタ配線36Fにおいて第5延在部44Eから延出している部分が引き伸ばされることが防止又は抑制されるようになっている。
【0057】
以上説明した本実施形態のドアミラー装置54においても前述のドアミラー装置38と同様に複数の電気装置(ターンランプ20、格納用モータ22、メモリユニット26、ミラー調節用モータ24及びブラインドスポットモニタ30)への配線作業を容易にすることができる。
【0058】
(第3実施形態のアウタミラー装置58の構成)
次に、
図6を用いて、本発明の第3実施形態に係るアウタミラー装置58について説明する。なお、第3実施形態に係るアウタミラー装置58において既に説明したアウタミラー装置10、38、54と対応する部材及び部分には、アウタミラー装置10、38、54と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。
【0059】
図6には、
図1に示されたA-A線と対応する線に沿って切断したアウタミラー装置58の断面が示されている。
図3及び
図6に示されるように、本実施形態のアウタミラー装置58では、フレキシブル基板56がターンランプ基板40Aに接続されていると共に、フレキシブル基板56の一部が導光部42の後面に沿って曲げられている。そして、ブラインドスポットモニタ配線36Fの一部が、フレキシブル基板52、ターンランプ基板40A及びフレキシブル基板56に沿って形成されている。
【0060】
以上説明した本実施形態のドアミラー装置58においても前述のドアミラー装置54と同様に複数の電気装置(ターンランプ20、格納用モータ22、メモリユニット26、ミラー調節用モータ24及びブラインドスポットモニタ30)への配線作業を容易にすることができる。
【0061】
(第4実施形態のアウタミラー装置60の構成)
次に、
図7を用いて、本発明の第4実施形態に係るアウタミラー装置60について説明する。なお、第4実施形態に係るアウタミラー装置60において既に説明したアウタミラー装置10、38、54、58と対応する部材及び部分には、アウタミラー装置10、38、54、58と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。
【0062】
図7には、
図1に示されたA-A線と対応する線に沿って切断したアウタミラー装置60の断面が示されている。
図3及び
図7に示されるように、本実施形態のアウタミラー装置60は、ブラインドスポットモニタ30がターンランプ20における車幅方向外側の端部に取付けられて複数の機能(ブラインドスポットモニタ30としての機能及びターンランプ20としての機能)を有する第1電気装置を構成していることを除いては、前述のアウタミラー装置58と同様に構成されている。
【0063】
以上説明した本実施形態のドアミラー装置60においても前述のドアミラー装置58と同様に複数の電気装置(ターンランプ20、格納用モータ22、メモリユニット26、ミラー調節用モータ24及びブラインドスポットモニタ30)への配線作業を容易にすることができる。
【0064】
以上説明した各実施形態のドアミラー装置38、54、58、60では、発光部支持部44とケース46とを別体に形成した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、発光部支持部44とケース46とを一体に形成してもよい。
【0065】
また、以上説明した各実施形態のドアミラー装置38、54、58、60では、他の電気装置の配線をターンランプ20に設けた例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ターンランプ20、格納用モータ22、ミラー調節用モータ24、メモリユニット26、ミラーヒータ28、ブラインドスポットモニタ30、カメラ32及びランプ34の中のいずれか1つを第1電気装置とすると共にその他の1つ又は複数を第2電気装置とする。そして、第2電気装置としたものの配線を第1電気装置に設けることもできる。
【0066】
また、以上説明した各実施形態のドアミラー装置38、54、58、60では、各配線の大部分をターンランプ20内に設けた例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各配線をターンランプ20等に第1電気装置の外側に取付けた構成としてもよい。
【0067】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0068】
14 ミラー本体部(車両用視認装置本体部)
20 ターンランプ(第1電気装置)
22 格納用モータ(第2電気装置)
22A 格納用モータコネクタ(コネクタ)
24 ミラー調節用モータ(第2電気装置)
24A ミラー調節用モータコネクタ(コネクタ)
26 メモリユニット(第2電気装置)
26A メモリユニットコネクタ(コネクタ)
28 ミラーヒータ(第2電気装置)
30 ブラインドスポットモニタ(第2電気装置)
32 カメラ(視認部、第2電気装置)
34 ランプ(第2電気装置)
36A ターンランプ配線(第1配線)
36B 格納用モータ配線(第2配線)
36C ミラー調節用モータ配線(第2配線)
36D メモリユニット配線(第2配線)
36E ミラーヒータ配線(第2配線)
36F ブラインドスポットモニタ配線(第2配線)
36G カメラ配線(第2配線)
36H ランプ配線(第2配線)
38 ドアミラー装置(車両用視認装置)
40 発光部
44 発光部支持部
54 ドアミラー装置(車両用視認装置)
58 ドアミラー装置(車両用視認装置)
60 ドアミラー装置(車両用視認装置)