(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151179
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】実装ヘッド及び実装システム
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
H05K13/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064349
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門田 昌三
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC05
5E353GG01
5E353HH11
5E353JJ25
5E353JJ48
5E353KK01
5E353QQ08
(57)【要約】
【課題】メンテナンス作業の効率化を図る。
【解決手段】実装ヘッド1は、第1ブロック7と、第2ブロック8と、を備える。第1ブロック7は、部品を保持可能な保持部71を有する。第2ブロック8は、保持部71に電力を供給する電源部81の少なくとも一部を有し、第1ブロック7と分離可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を保持可能な保持部を有する第1ブロックと、
前記保持部に電力を供給する電源部の少なくとも一部を有し、前記第1ブロックと分離可能な第2ブロックと、を備える、
実装ヘッド。
【請求項2】
前記第1ブロックの前記保持部は、
前記部品を吸着可能な吸着ノズルと、
前記吸着ノズルを移動方向に沿って移動させるモータと、を含み、
前記第2ブロックが有する前記電源部の少なくとも一部は、
前記モータに供給する電力を生成する電源回路を含む、
請求項1に記載の実装ヘッド。
【請求項3】
前記第1ブロックは、
前記吸着ノズルに接続されているチューブと、
前記チューブに接続されているバルブと、を更に有し、
前記第2ブロックは、
前記バルブを制御する制御部を更に有する、
請求項2に記載の実装ヘッド。
【請求項4】
前記第2ブロックは、
前記バルブを介して前記チューブとしての第1チューブに接続される第2チューブと、
前記第2チューブ、前記バルブ及び前記第1チューブを介して前記吸着ノズルにエアを供給するエアタンクと、を更に有する、
請求項3に記載の実装ヘッド。
【請求項5】
前記第2ブロックが有する前記電源部の少なくとも一部は、
前記電源回路に電力を供給するバッテリを更に含む、
請求項2~4のいずれか1項に記載の実装ヘッド。
【請求項6】
前記第1ブロックは、
前記モータとしての第1モータとは異なり、前記移動方向に沿った回転軸を有し、前記回転軸を回転中心として前記吸着ノズルを回転させる第2モータと、
前記第2モータを収容可能な収容部を有する筐体と、を更に有する、
請求項2~4のいずれか1項に記載の実装ヘッド。
【請求項7】
前記第1ブロックは、前記第1モータを複数有し、
前記複数の第1モータは、一の方向に沿って並んでおり、
前記第2モータは、前記一の方向と直交する直交方向からの平面視において、前記複数の第1モータのうち両端に位置する2つの第1モータの間で、かつ前記筐体の中心部に位置している、
請求項6に記載の実装ヘッド。
【請求項8】
前記第1ブロックは、
前記第2モータの駆動力を前記吸着ノズルに伝達する駆動ベルトを更に有し、
前記駆動ベルトは、前記回転軸に平行な方向からの平面視において、前記回転軸を通る直線に対して線対称に配置されており、
前記一の方向と前記直線とが直交する、
請求項7に記載の実装ヘッド。
【請求項9】
前記第1ブロックの前記保持部は、前記モータを複数含み、
前記第1ブロックは、
前記複数のモータのうち隣接する2つのモータ間に配置されている少なくとも1つの磁気シールドと、
前記複数のモータ及び前記磁気シールドを収容可能な筐体と、を更に有し、
前記磁気シールドは、前記磁気シールドを前記筐体に固定するための固定部を有する、
請求項2~4のいずれか1項に記載の実装ヘッド。
【請求項10】
前記第1ブロックは、
第1方向に沿って延びている第1ガイドピンと、
前記第1方向と直交する第2方向に沿って延びている第2ガイドピンと、を更に有し、
前記第2ブロックは、
前記第1ブロックと前記第2ブロックとが結合する際に前記第1ガイドピンをガイドする第1ガイド部と、
前記第1ブロックと前記第2ブロックとが結合する際に前記第2ガイドピンをガイドする第2ガイド部と、を更に有する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の実装ヘッド。
【請求項11】
前記第2ガイド部は、前記第1方向に沿って形成されている開口部を有し、
前記第2ガイドピンは、前記第1ブロックが前記第1方向で、かつ前記第2ブロックから離れる向きに移動する際に前記第1方向における前記開口部の開口端縁に接触する、
請求項10に記載の実装ヘッド。
【請求項12】
前記第2ブロックは、
前記第1ブロックと前記第2ブロックとが結合する際に前記第2ガイドピンをガイドする第3ガイド部を更に有し、
前記第3ガイド部は、
前記第1方向において前記開口部としての第1開口部と並んでおり、前記第2方向からの平面視において前記第1方向及び前記第2方向の両方と直交する第3方向における幅寸法が前記第1開口部よりも狭い第2開口部を有し、
前記第2ガイドピンは、前記第1ブロックと前記第2ブロックとが結合する際に前記第1開口部、前記第2開口部の順に差し込まれる、
請求項11に記載の実装ヘッド。
【請求項13】
前記第1ガイドピンは、先端に近づくほど細くなるテーパ部を有し、
前記第1ガイド部は、
第1挿通部と、
前記第1方向において前記第1挿通部と並んでおり、前記第1方向からの平面視における開口寸法が前記第1挿通部よりも小さい第2挿通部と、を有し、
前記第1ガイドピンは、前記第1ブロックと前記第2ブロックとが結合する際に前記第1挿通部、前記第2挿通部の順に挿通される、
請求項10に記載の実装ヘッド。
【請求項14】
前記第2ブロックは、
第1方向に沿って延びている第1ガイドピンと、
前記第1方向と直交する第2方向に沿って延びている第2ガイドピンと、を更に有し、
前記第1ブロックは、
前記第1ブロックと前記第2ブロックとが結合する際に前記第1ガイドピンをガイドする第1ガイド部と、
前記第1ブロックと前記第2ブロックとが結合する際に前記第2ガイドピンをガイドする第2ガイド部と、を更に有する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の実装ヘッド。
【請求項15】
請求項1~4のいずれか1項に記載の実装ヘッドと、
前記実装ヘッドの前記第2ブロックに取り付けられ、前記実装ヘッドを移動させる移動機構と、を備える、
実装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に実装ヘッド及び実装システムに関し、より詳細には、部品を保持可能な保持部を有する実装ヘッド、及び実装ヘッドを備える実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フレームエレメントと、フレームエレメントに取り付けられる実装ヘッドモジュールと、を備える実装ヘッドが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のような実装ヘッドでは、メンテナンス作業の効率化を図ることが望まれている。
【0005】
本開示の目的は、メンテナンス作業の効率化を図ることが可能な実装ヘッド及び実装システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る実装ヘッドは、第1ブロックと、第2ブロックと、を備える。前記第1ブロックは、部品を保持可能な保持部を有する。前記第2ブロックは、前記保持部に電力を供給する電源部の少なくとも一部を有し、前記第1ブロックと分離可能である。
【0007】
本開示の一態様に係る実装システムは、前記実装ヘッドと、移動機構と、を備える。前記移動機構は、前記実装ヘッドの前記第2ブロックに取り付けられ、前記実装ヘッドを移動させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る実装ヘッド及び実装システムによれば、メンテナンス作業の効率化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る実装ヘッド及び実装システムのブロック図である。
【
図2】
図2は、同上の実装システムの概略構成図である。
【
図3】
図3は、同上の実装システムの要部を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、同上の実装ヘッドに関し、第1ブロックと第2ブロックとが結合した状態を模式的に表した側面図である。
【
図5】
図5は、同上の実装ヘッドに関し、第1ブロックと第2ブロックとが分離した状態を模式的に表した側面図である。
【
図6】
図6は、同上の実装ヘッドに関し、第1ブロックと第2ブロックとの結合構造を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、同上の実装ヘッドに関し、第1ブロックと第2ブロックとの結合構造のうち第1結合構造を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、同上の実装ヘッドに関し、第1ブロックと第2ブロックとの結合構造のうち第2結合構造を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、同上の実装ヘッドに関し、第1結合構造の一部である第1ガイド部を模式的に示した断面図である。
【
図10】
図10は、同上の実装ヘッドに関し、第2結合構造の一部である第2ガイド部及び第3ガイド部を模式的に示した平面図である。
【
図11】
図11は、同上の実装ヘッドに関し、吸着ノズル、バルブ及びエアタンクの接続関係を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、同上の実装ヘッドに関し、第2モータ及び駆動ベルトの配置を模式的に示した平面図である。
【
図13】
図13は、比較例に係る実装ヘッドに関し、第2モータ及び駆動ベルトの配置を模式的に示した平面図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る実装ヘッドに関し、第1モータ及び磁気シールドの配置を模式的に示した平面図である。
【
図15】
図15は、比較例に係る実装ヘッドに関し、第1モータ及び磁気シールドの配置を模式的に示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る実装ヘッド及び実装システムについて、図面を参照して説明する。下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、下記の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、下記の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(実施形態)
(1)概要
まず、本実施形態に係る実装ヘッド1及び実装システム10の概要について、
図1~
図3を参照して説明する。
【0012】
本実施形態に係る実装システム10は、例えば、
図2に示すように、保持部71に保持させた部品100を基板200に実装(装着)するためのシステムである。より詳細には、実装システム10は、部品供給装置4から供給される部品100を保持部71に保持させる保持動作を実行した後、保持動作にて保持部71に保持させた部品100を基板200に実装する実装動作を実行する。
【0013】
本実施形態に係る実装システム10は、例えば、工場、研究所、事務所及び教育施設等の施設において、電子機器及び自動車等の種々の製品の製造のための作業に用いられる。
【0014】
基板200への部品100の装着(実装)に用いられる実装システム10は、
図1に示すように、実装ヘッド1と、移動機構2と、を備える。移動機構2は、実装ヘッド1の第2ブロック8に取り付けられ、実装ヘッド1を移動させる。また、実装システム10は、
図1に示すように、制御装置3と、複数の部品供給装置4と、搬送装置5と、固定カメラ6と、架台9(
図2参照)と、を更に備える。
【0015】
複数の部品供給装置4は、架台9に連結される台車11のフィーダベース111にX軸方向(
図2の紙面に垂直な方向)に並んで取り付けられたテープフィーダを有する。複数の部品供給装置4の各々は、リール12より供給されるキャリアテープ121をピッチ送りし、キャリアテープ121に保持された部品100を部品供給口41に供給する。リール12は、台車11に保持されている。搬送装置5は、架台9上においてX軸方向に延びた一対のコンベア機構51を有しており、基板200をX軸方向に搬送して所定の実装スペースに位置決めする。固定カメラ6は、架台9上に取り付けられ、上方を撮像する。架台9は、構造物300に固定されている。構造物300は、例えば、上記施設内の床面である。
【0016】
実装ヘッド1は、部品100を保持可能な保持部71を有する。保持部71は、一例として吸着ノズル711を含み、部品100を、解放(つまり保持を解除)可能な状態で保持する。実装ヘッド1は、保持部71の吸着ノズル711を部品供給装置4の部品供給口41に近づけるように下降させて、吸着ノズル711に部品100を吸着(保持)させる。また、実装ヘッド1は、吸着ノズル711に部品100を吸着させた状態で、吸着ノズル711を基板200に近づけるように下降させて、部品100を基板200に装着(実装)する。
【0017】
本実施形態に係る実装ヘッド1は、
図1に示すように、第1ブロック7と、第2ブロック8と、を備える。第1ブロック7は、部品100を保持可能な保持部71を有する。第2ブロック8は、保持部71に電力を供給する電源部81の少なくとも一部を有し、第1ブロック7と分離可能である。第1ブロック7は、例えば、メンテナンス作業においてメンテナンス対象となり得る部分である。より詳細には、第1ブロック7は、例えば、メンテナンス作業において交換が必要となり得る部分である。また、本開示において、「第1ブロック7と第2ブロック8とが分離可能である」とは、
図4及び
図5に示すように、第2ブロック8が第1移動機構21(後述する)に取り付けられている状態で、第2ブロック8から第1ブロック7を分離可能であることをいう。
【0018】
本実施形態に係る実装ヘッド1では、メンテナンス作業において交換や清掃等が必要となり得る第1ブロック7と、メンテナンス作業において交換が必要でない第2ブロック8とが分離可能である。このため、作業者は、メンテナンス作業において、第2ブロック8から分離させた第1ブロック7のみを交換すればよい。したがって、本実施形態に係る実装ヘッド1によれば、メンテナンス作業において実装ヘッド全体を交換する場合に比べて、メンテナンス作業の効率化を図ることが可能となる。
【0019】
(2)詳細
(2.1)前提
本実施形態では、実装システム10が、工場での電子機器の製造に用いられる場合について説明する。一般的な電子機器は、例えば、電源回路及び制御回路等の各種の回路基板を有する。これらの回路基板の製造にあたっては、一例として、はんだ塗布工程、実装工程及びはんだ付け工程が、この順で行われる。はんだ塗布工程では、基板(プリント配線板を含む)にクリーム状はんだが塗布(又は印刷)される。実装工程では、基板に部品(電子部品を含む)が実装(装着)される。はんだ付け工程では、例えば、部品が実装された状態の基板を、リフロー炉にて加熱することにより、クリーム状はんだを溶かしてはんだ付けが行われる。
【0020】
本実施形態では一例として、表面実装技術(SMT:Surface Mount Technology)による部品100の実装に、実装システム10が用いられる場合について説明する。つまり、部品100は、表面実装用の部品(SMD:Surface Mount Device)であって、基板200の実装面201(
図2参照)上に配置されることをもって装着される。ただし、この例に限らず、挿入実装技術(IMT:Insertion Mount Technology)による部品100の実装に、実装システム10が用いられてもよい。この場合には、部品100は、リード端子を有する挿入実装用の部品であり、基板200の孔にリード端子を挿入することをもって、基板200の実装面201上に装着される。すなわち、本開示において、「基板に部品を装着する」とは、基板の実装面上に部品を配置することと、基板の孔に部品のリード端子を挿入することと、を含む。
【0021】
本開示において、撮像部74の撮像画像は、静止画(静止画像)及び動画(動画像)を含む。さらに、「動画」は、コマ撮り等により得られる複数の静止画にて構成される撮像画像を含む。撮像部74の撮像画像は、撮像部74から出力されたデータそのものでなくてもよい。例えば、撮像部74の撮像画像は、必要に応じて適宜データの圧縮、他のデータ形式への変換、又は撮像部74の撮像画像から一部を切り出す加工、ピント調整、明度調整、若しくはコントラスト調整等の加工が施されていてもよい。本実施形態では一例として、撮像部74の撮像画像は、フルカラーの動画である。
【0022】
以下では一例として、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の3軸を設定し、基板200の表面に平行な軸を「X軸」及び「Y軸」とし、基板200の厚み方向に平行な軸を「Z」軸とする。さらに、Z軸に沿う両方向のうち一方向を上方向とし、他方向を下方向とする。例えば、保持部71が基板200に対向しているとき、基板200は、保持部71の下方に位置する。なお、X軸、Y軸及びZ軸は、いずれも仮想的な軸であり、図面中の「X」、「Y」、「Z」を示す矢印は、説明のために表記しているに過ぎず、いずれも実体を伴わない。また、これらの方向は実装システム10の使用時の方向を限定する趣旨ではない。
【0023】
また、実装システム10には、冷却水の循環用のパイプ及び電力供給用のケーブル等が接続されるが、本実施形態では、これらの図示を適宜省略する。
【0024】
(2.2)全体構成
次に、本実施形態に係る実装システム10の各構成要素について、
図1~
図15を参照して説明する。本実施形態に係る実装システム10は、部品供給装置4から供給される部品100を保持部71にて保持する保持動作、及び、保持動作により保持部71に保持させた部品100を基板200に実装する実装動作を実行する。
【0025】
本実施形態に係る実装システム10は、
図1に示すように、実装ヘッド1と、移動機構2と、を備える。移動機構2は、実装ヘッド1の第2ブロック8に取り付けられ、実装ヘッド1を移動させる。また、実装システム10は、制御装置3と、複数の部品供給装置4と、搬送装置5と、固定カメラ6と、を更に備える。ただし、制御装置3、複数の部品供給装置4、搬送装置5及び固定カメラ6は、実装システム10に必須の構成ではない。つまり、制御装置3、複数の部品供給装置4、搬送装置5及び固定カメラ6の全部又は一部は、実装システム10の構成要素に含まれなくてもよい。
【0026】
また、
図3では、実装ヘッド1及び移動機構2のみを図示し、実装システム10のその他の構成要素の図示を適宜省略している。
【0027】
(2.2.1)実装ヘッド
実装ヘッド1は、
図1、
図4及び
図5に示すように、第1ブロック7と、第2ブロック8と、を備える。
【0028】
(2.2.1.1)第1ブロック
第1ブロック7は、保持部71を有する。保持部71は、部品100(
図2参照)を保持可能である。保持部71は、複数の吸着ノズル711を含む。複数の吸着ノズル711の各々は、部品100を吸着可能である。実装ヘッド1は、
図2に示すように、保持位置(吸着位置)P1に近づけるように保持部71の吸着ノズル711を移動(下降)させ、保持位置P1に位置している部品100を吸着ノズル711に吸着させる。また、実装ヘッド1は、
図2に示すように、吸着ノズル711に部品100を吸着させた状態で、基板200の実装面201上の装着位置P2に近づけるように吸着ノズル711を移動(下降)させ、装着位置P2に部品100を装着(実装)させる。つまり、実装ヘッド1は、保持部71の吸着ノズル711を、保持位置P1及び装着位置P2に向けて移動可能に保持する。
【0029】
保持部71は、上述したように、吸着ノズル711を含む。保持部71は、部品100を吸着(保持)する吸着状態と、部品100を解放(吸着を解除)する解放状態と、を切替可能である。ただし、保持部71は、吸着ノズル711に限らず、例えば、ロボットハンドのように部品100をつかむ(摘む)ことによって保持する構成であってもよい。すなわち、本開示において、「部品を保持する」は、部品を吸着することと、部品をつかむことを含む。
【0030】
保持部71による部品100の保持に関しては、実装ヘッド1は、動力としての空圧(真空)の供給を受けて動作する。つまり、実装ヘッド1は、保持部71の吸着ノズル711に繋がる空圧(真空)の供給路上のバルブ77(
図11参照)を開閉することによって、保持部71の吸着状態と、解放状態と、を切り替える。
【0031】
また、保持部71は、複数の第1モータ(モータ)712を更に含む。複数の第1モータ712の各々は、例えば、リニアモータである。複数の吸着ノズル711と複数の第1モータ712とは一対一に対応している。複数の第1モータ712の各々は、複数の吸着ノズル711のうち対応する吸着ノズル711を移動方向D0(
図2参照)に沿って移動させる。これにより、各吸着ノズル711は、保持動作において、部品100を保持(吸着)する保持位置P1に向けて移動(下降)可能である。また、各吸着ノズル711は、実装動作において、部品100を装着(実装)する装着位置P2に向けて移動(下降)可能である。本実施形態では一例として、移動方向D0はZ軸方向である。
【0032】
また、第1ブロック7は、
図1に示すように、第2モータ72を更に有する。第2モータ72は、例えば、回転型モータである。第2モータ72は、後述の駆動ベルト791(
図12参照)を介して複数の吸着ノズル711を回転させる。より詳細には、第2モータ72は、移動方向D0(Z軸方向)に沿った回転軸721(
図12参照)を有し、回転軸721を回転中心として複数の吸着ノズル711を回転させる。すなわち、第2モータ72は、第1モータ712とは異なるモータである。
【0033】
また、第1ブロック7は、
図1に示すように、第1制御部73と、撮像部74と、第1結合部75と、を更に有する。第1制御部73は、例えば、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムにより実現され得る。すなわち、コンピュータシステムの1以上のメモリに記録されたプログラムを、1以上のプロセッサが実行することにより、第1制御部73として機能する。プログラムは、ここでは第1制御部73のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。第1制御部73として機能するコンピュータシステムは、例えば、第1ブロック7の第1回路基板101(
図11参照)に設けられている。
【0034】
第1制御部73は、例えば、第1モータ712、第2モータ72及び撮像部74の各々に電気的に接続されている。第1制御部73は、第1モータ712に対して第1駆動信号を出力し、この第1駆動信号により第1モータ712を駆動する。また、第1制御部73は、第2モータ72に対して第2駆動信号を出力し、この第2駆動信号により第2モータ72を駆動する。また、第1制御部73は、撮像部74に対して第1制御信号を出力し、この第1制御信号により撮像部74を制御したり、撮像部74で撮像された画像を撮像部74から取得したりする。
【0035】
撮像部74は、
図2及び
図3に示すように、実装ヘッド1に固定されている。撮像部74は、撮像素子と、光学系と、を含む。撮像部74は、例えば、動画を撮像するビデオカメラである。撮像部74は、保持部71に部品100を保持させる保持動作においては、例えば、保持位置P1を含む第1撮像領域を撮像する。また、撮像部74は、保持部71に保持させた部品100を基板200に実装する実装動作においては、例えば、装着位置P2を含む第2撮像領域を撮像する。
【0036】
第1結合部75は、
図6及び
図7に示すように、複数(図示例では2つ)の第1ガイドピン751と、1つの第2ガイドピン752と、を含む。複数の第1ガイドピン751の各々は、第1方向D1に沿って延びている。より詳細には、各第1ガイドピン751は、例えば、第1方向D1に沿って長尺な丸棒状に形成されている。本実施形態では一例として、第1方向D1はY軸方向である。各第1ガイドピン751は、テーパ部7511を有する。テーパ部7511は、第1ガイドピン751の先端部分に設けられている。テーパ部7511は、先端に近づくほど径が小さくなるような先細り形状である。
【0037】
第2ガイドピン752は、第2方向D2に沿って延びている。より詳細には、第2ガイドピン752は、例えば、第2方向D2に沿って長尺な丸棒状に形成されている。本実施形態では一例として、第2方向D2はZ軸方向である。すなわち、第2方向D2は、第1方向D1と直交する方向である。第2ガイドピン752は、テーパ部7521を有する。テーパ部7521は、第2ガイドピン752の先端部分に設けられている。テーパ部7521は、先端に近づくほど径が小さくなるような先細り形状である。
【0038】
本実施形態では、上述したように、第1ブロック7が第1ガイドピン751及び第2ガイドピン752を有している。したがって、本実施形態では、第1ブロック7及び第2ブロック8のうちの一方である第1ブロック7が第3ブロックに相当する。
【0039】
また、第1ブロック7は、
図11に示すように、複数(図示例では1つのみ図示)の第1チューブ(チューブ)76と、複数(図示例では1つのみ図示)のバルブ77と、を更に有する。複数の吸着ノズル711と複数の第1チューブ76とは一対一に対応している。また、複数の第1チューブ76と複数のバルブ77とは一対一に対応している。各第1チューブ76の第1端(
図11の左端)は、対応する吸着ノズル711に接続されている。各第1チューブ76の第2端(
図11の右端)は、マニホールド78を介して対応するバルブ77に接続されている。すなわち、第1チューブ76は、吸着ノズル711に接続されている。
【0040】
複数のバルブ77の各々は、例えば、電磁バルブであり、後述の第2ブロック8の第2制御部82からの開閉信号に従って開閉する。各バルブ77の第1端(
図11の左端)は、マニホールド78を介して対応する第1チューブ76に接続されている。各バルブ77の第2端(
図11の右端)は、後述の第2チューブ85を介してエアタンク83に接続されている。すなわち、バルブ77は、第1チューブ(チューブ)76に接続されている。
【0041】
実装ヘッド1では、第2制御部82からの開閉信号に従ってバルブ77が開閉することで、吸着ノズル711にエアが供給される供給状態と、吸着ノズル711にエアが供給されない停止状態と、が切り替えられる。
【0042】
第1ブロック7は、
図12に示すように、筐体70と、駆動ベルト791と、を更に有する。筐体70は、収容部701を有する。収容部701は、第2モータ72を収容するためのスペースである。ここで、比較例に係る実装ヘッドでは、第2モータ72Aは、
図13に示すように、第3方向D3において筐体70Aの側方に配置されている。このため、比較例に係る実装ヘッドでは、第3方向D3における外形寸法W4が大きくなってしまう。これに対して、本実施形態に係る実装ヘッド1では、第2モータ72は、
図12に示すように、筐体70内に設けられた収容部701に収容されており、第3方向D3における外形寸法W3を小さくすることが可能となる。すなわち、本実施形態に係る実装ヘッド1によれば、第1ブロック7の小型化が可能となる。本実施形態では一例として、第3方向D3はX軸方向である。
【0043】
また、本実施形態に係る実装ヘッド1では、第2モータ72は、
図12に示すように、駆動ベルト791を介して複数の第1モータ712と連結されている。複数の第1モータ712は、第3方向D3(一の方向)に沿って等間隔に配置されている(並んでいる)。また、第1方向D1における複数の第1モータ712と第2モータ72との間には、複数(図示例では2つ)のテンションローラ792が配置されている。駆動ベルト791は、第2モータ72の回転軸721に平行な方向(
図12の紙面に垂直な方向)からの平面視において、回転軸721を通る直線L1に対して線対称に配置されている。直線L1は、第3方向D3における筐体70の中心を通る線である。言い換えると、第2モータ72は、一の方向(第3方向D3)と直交する直交方向(
図12の紙面に垂直な方向)からの平面視において、複数の第1モータ712のうち両側に位置する2つの第1モータ712の間で、かつ筐体70の中心部に位置している。ここでいう「中心部」は、上記直交方向からの平面視における筐体70の中心を含む所定範囲をいう。なお、「中心部」は、第3方向D3における筐体70の中心を含んでいればよく、第1方向D1における筐体70の中心を含んでいなくてもよい。これにより、第2モータ72の駆動力を、駆動ベルト791を介して複数の第モータ712に効率よく伝達することが可能となる。また、実装ヘッド1の運動特性を向上させることも可能となる。ここで、複数の吸着ノズル711の各々は、対応する第1モータ712に取り付けられているため、第2モータ72の駆動力は、複数の第1モータ712を介して複数の吸着ノズル711にも伝達される。
【0044】
また、第1ブロック7は、
図14に示すように、少なくとも1つの磁気シールド86を更に有する。本実施形態では、第1ブロック7は、複数の磁気シールド86を更に有する。複数の磁気シールド86の各々は、複数の第1モータ712のうち隣接する2つの第1モータ712間に配置されている。複数の磁気シールド86は、複数の第1モータ712と共に筐体70に収容される。すなわち、筐体70は、複数の第1モータ712及び複数の磁気シールド86を収容可能である。複数の磁気シールド86の各々は、第3方向D3において両側に位置する第1モータ712間の磁気干渉を抑制する。
【0045】
ここで、比較例に係る実装ヘッドでは、複数の磁気シールド86Aの各々は、
図15に示すように、複数の第1モータ712Aのうち対応する第1モータ712Aと一体化されている。このため、比較例に係る実装ヘッドでは、筐体70Aを構成する2つのフレーム間を連結する連結部材70Bが必要である。これに対して、本実施形態に係る実装ヘッド1では、各磁気シールド86は、各磁気シールド86を筐体70に固定するための固定部87を有する。すなわち、各磁気シールド86と固定部87とが一体である。これにより、筐体70を構成する2つのフレーム間を複数の磁気シールド86により連結することが可能となり、その結果、連結部材70Bを省略することが可能となる。また、隣接する2つの第1モータ712間に磁気シールド86を配置することで、2つの第1モータ712間の磁気干渉を抑制することが可能となる。
【0046】
(2.2.1.2)第2ブロック
第2ブロック8は、電源部81の少なくとも一部を有する。電源部81は、第1ブロック7に対して電力を供給する。より詳細には、電源部81は、第1ブロック7の保持部71に電力を供給する。また、電源部81は、第1ブロック7の第2モータ72、撮像部74及び第1回路基板101にも電力を供給する。
【0047】
電源部81は、
図1に示すように、電源回路811を含む。電源回路811は、例えば、DC/DCコンバータを有する。本実施形態では一例として、電源回路811は、後述のバッテリ812から供給される第1直流電力から、保持部71の複数の第1モータ712、第2モータ72、撮像部74及び第1回路基板101に供給する第2直流電力を生成する。すなわち、第2ブロック8が有する電源部81の少なくとも一部は、第1モータ(モータ)712に供給する電力(第2直流電力)を生成する電源回路811を含む。
【0048】
また、電源部81は、
図1に示すように、バッテリ812を更に含む。バッテリ812は、例えば、モバイルバッテリである。バッテリ812は、外部から供給される交流電力(例えば、AC200V)を上述の第1直流電力に変換し、変換した第1直流電力を電源回路811に供給する。すなわち、第2ブロック8が有する電源部81の少なくとも一部は、電源回路811に電力(第1直流電力)を供給するバッテリ812を更に含む。
【0049】
本実施形態に係る実装ヘッド1では、第2ブロック8は、電源部81に含まれている電源回路811及びバッテリ812を有している。すなわち、本実施形態に係る実装ヘッド1では、第2ブロック8は、電源部81の全部を有している。
【0050】
また、第2ブロック8は、
図1に示すように、第2制御部82と、エアタンク83と、第2結合部84と、を更に有する。
【0051】
第2制御部82は、例えば、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムにより実現され得る。すなわち、コンピュータシステムの1以上のメモリに記録されたプログラムを、1以上のプロセッサが実行することにより、第2制御部82として機能する。プログラムは、ここでは第2制御部82のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。第2制御部82として機能するコンピュータシステムは、例えば、第2ブロック8の第2回路基板(図示せず)に設けられている。
【0052】
第2制御部82は、例えば、複数のバルブ77を制御する。第2制御部82は、複数のバルブ77の各々に対して開閉信号を出力することで、各バルブ77の開閉を制御する。すなわち、第2ブロック8は、バルブ77を制御する第2制御部(制御部)82を更に有する。
【0053】
エアタンク83には、
図11に示すように、複数(図示例では1つのみ図示)の第2チューブ85が接続されている。複数の第2チューブ85は、複数のバルブ77のうち対応するバルブ77に接続されている。各バルブ77には、上述したように、対応する第1チューブ76が接続されている。したがって、複数の第1チューブ76と複数の第2チューブ85とは一対一に対応している。要するに、各第2チューブ85は、対応するバルブ77を介して、対応する第1チューブ76に接続される。そして、エアタンク83は、各吸着ノズル711に対して、対応する第2チューブ85、バルブ77及び第1チューブ76を介してエアを供給する。
【0054】
第2結合部84は、
図6~
図8に示すように、複数(図示例では2つ)の第1ガイド部841と、第2ガイド部842と、第3ガイド部843と、を含む。複数の第1ガイド部841と複数の第1ガイドピン751とは一対一に対応している。複数の第1ガイド部841は、第2ブロック8の一部を構成する支持部材840に形成されている。支持部材840は、第1ブロック7を支持するための部材であって、複数の第1ガイド部841、第2ガイド部842及び第3ガイド部843が一体に設けられている。
【0055】
複数の第1ガイド部841の各々は、第1ブロック7と第2ブロック8とが結合する際に、複数の第1ガイドピン751のうち対応する第1ガイドピン751をガイド(案内)する。各第1ガイド部841は、
図9に示すように、第1挿通部8411と、第2挿通部8412と、を有する。第1挿通部8411と第2挿通部8412とは、
図9に示すように、第1方向D1に沿って並んでいる。ここで、第1ブロック7と第2ブロック8とが結合する際に、第1ガイドピン751は、
図9における左側から第1ガイド部841に挿通される。すなわち、第1挿通部8411と第2挿通部8412とは、第1方向D1における第1ガイドピン751側(
図9の左側)から、第1挿通部8411、第2挿通部8412の順に並んでいる。これにより、第1ガイドピン751は、第1ブロック7と第2ブロック8とが結合する際に、第1挿通部8411、第2挿通部8412の順に挿通される。
【0056】
第1挿通部8411は、第1方向D1からの平面視において、第1方向D1及び第2方向D2の両方と直交する第3方向(
図9の紙面に垂直な方向)よりも第2方向D2に長い楕円形状に形成されている。第2挿通部8412は、第1方向D1からの平面視において、円形に形成されている。第2方向D2における第1挿通部8411の開口寸法d1は、第2方向D2における第2挿通部8412の開口寸法d2よりも大きい。すなわち、第2挿通部8412は、第1方向D1からの平面視における開口寸法が第1挿通部8411よりも小さい。ここで、第1ブロック7は、第2ブロック8に対して、第2ガイドピン752及び第3ガイド部843により上記第3方向に位置決めされる。このため、上記第3方向における第2挿通部8412の開口寸法は、上記第3方向における第1挿通部8411の開口寸法と同じであってもよいし、小さくてもよいし、大きくてもよい。
【0057】
ところで、本実施形態では、第1ガイドピン751の先端部分にテーパ部7511が設けられている。これにより、第1ガイドピン751が第1挿通部8411から第2挿通部8412に移動する際に、テーパ部7511により第2挿通部8412に案内されるため、作業性が向上するという利点がある。
【0058】
ここで、本実施形態では、複数の第1ガイドピン751と複数の第1ガイド部841とで、第1ブロック7と第2ブロック8とを結合させるための第1結合構造が構成されている。
【0059】
第2ガイド部842は、第1ブロック7と第2ブロック8とが結合する際に、第2ガイドピン752をガイドする。第2ガイド部842は、
図10に示すように、第1開口部(開口部)8421を有する。第1開口部8421は、第1方向D1に沿って形成されている。第1開口部8421の開口寸法は第2ガイドピン752を挿通可能な大きさである。より詳細には、第3方向D3における第1開口部8421の幅寸法W1は、第2ガイドピン752の直径よりも大きい。
【0060】
第3ガイド部843は、第1ブロック7と第2ブロック8とが結合する際に、第2ガイドピン752をガイドする。第3ガイド部843は、
図10に示すように、第2開口部8431を有する。第2開口部8431は、第1方向D1に沿って形成されている。
図10の例では、第1開口部8421と第2開口部8431とは、第2方向D2(
図10の紙面に垂直な方向)からの平面視において互いの一部が重なっているが、重なっていなくてもよい。第2開口部8431の開口寸法は第2ガイドピン752を挿通可能な大きさである。より詳細には、第3方向D3における第2開口部8431の幅寸法W2は、第2ガイドピン752の直径とほぼ同じである。したがって、第2ガイドピン752が第2開口部8431に挿通されることによって、第1ブロック7は、第2ブロック8に対して第3方向D3に位置決めされる。また、第2方向D2からの平面視において、第3方向D3における第2開口部8431の幅寸法W2は、第3方向D3における第1開口部8421の幅寸法W1よりも狭い。
【0061】
第3ガイド部843の第2開口部8431は、第1方向D1において、第2ガイド部842の第1開口部8421と並んでいる。ここで、第2ガイドピン752は、第1ブロック7と第2ブロック8とが結合する際に、
図10における左側から右側へと移動する。したがって、第2ガイドピン752は、第1ブロック7と第2ブロック8とが結合する際に、第1開口部8421、第2開口部8431の順に差し込まれる。
【0062】
本実施形態では、上述したように、第2ブロック8が第1ガイド部841、第2ガイド部842及び第3ガイド部843を有している。したがって、本実施形態では、第1ブロック7及び第2ブロック8のうちの残りである第2ブロック8が第4ブロックに相当する。
【0063】
ところで、第2ブロック8から第1ブロック7を分離する際に第1ブロック7と第2ブロック8とを固定する固定ねじを取り外すと、第1ブロック7が、第1方向D1で、かつ第2ブロック8から離れる向きに移動し、落下する可能性がある。本実施形態に係る実装ヘッド1では、第1ブロック7が第1方向D1で、かつ第2ブロック8から離れる向きに移動する際に、第2ガイドピン752が第1方向D1における第1開口部8421の開口端縁8422に接触する(
図10参照)。これにより、第1ブロック7が第2ブロック8に保持され、第1ブロック7が落下する不具合を抑制することが可能となる。
【0064】
ここで、本実施形態では、第2ガイドピン752と第2ガイド部842と第3ガイド部843とで、第1ブロック7と第2ブロック8とを結合させるための第2結合構造が構成されている。
【0065】
第2ブロック8は、
図4及び
図5に示すように、第1ブロック7と分離可能である。本実施形態に係る実装ヘッド1では、
図5に示すように、第1移動機構21に取り付けられている第2ブロック8に対して第1ブロック7を分離可能である。ここで、第1ブロック7は、上述したように、吸着ノズル711及びバルブ77等の消耗部品を有しているため、例えば、メンテナンスにおいて交換が必要となる場合がある。一方、第2ブロック8は、上述のような消耗部品を有していないため、メンテナンスにおいて交換を必要としない。このように、メンテナンスにおいて、交換を必要とする部分(第1ブロック7)と、交換を必要としない部分(第2ブロック8)とに分離可能とすることで、実装ヘッド全体を交換する場合に比べて、メンテナンス作業の効率化を図ることが可能となる。
【0066】
(2.2.2)移動機構
移動機構2は、実装ヘッド1を移動させる機構である。本実施形態では、移動機構2は、X-Y平面内で、実装ヘッド1を移動させる。ここで、「X-Y平面」は、X軸及びY軸を含む平面であって、Z軸と直交する平面である。つまり、移動機構2は、実装ヘッド1をX軸方向及びY軸方向に移動させる。本実施形態では、上述したように、撮像部74が実装ヘッド1に固定されているため、移動機構2は、撮像部74についてもX軸方向及びY軸方向に移動させる。
図2の例では、実装ヘッド1は、移動機構2によって、部品供給装置4の部品供給口41の上方と、搬送装置5の実装スペースに位置決めされている基板200の上方との間を移動する。
【0067】
具体的には、移動機構2は、
図1、
図3、
図4及び
図5に示すように、第1移動機構21と、第2移動機構22と、を有する。第1移動機構21は、実装ヘッド1をX軸方向に直進移動させる。第2移動機構22は、実装ヘッド1をY軸方向に直進移動させる。第2移動機構22は、実装ヘッド1を、第1移動機構21ごとY軸に沿って移動させることで、実装ヘッド1をY軸方向に直進移動させる。本実施形態では一例として、第1移動機構21及び第2移動機構22の各々は、リニアモータを含み、電力供給を受けてリニアモータで発生する駆動力により、実装ヘッド1を移動させる。
【0068】
(2.2.3)制御装置
制御装置3は、実装システム10の各部を制御する。制御装置3は、例えば、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムにより実現され得る。すなわち、コンピュータシステムの1以上のメモリに記録されたプログラムを、1以上のプロセッサが実行することにより、制御装置3として機能する。プログラムは、ここでは制御装置3のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。制御装置3は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含む。制御装置3は、例えば、
図2に示すように、架台9に保持される。
【0069】
制御装置3は、例えば、実装ヘッド1、移動機構2、複数の部品供給装置4、搬送装置5及び固定カメラ6の各々と電気的に接続されている。制御装置3は、実装ヘッド1及び移動機構2に対して制御信号を出力し、保持部71にて部品100を保持させ、かつ保持部71に保持させた部品100を基板200の実装面201に実装するように、実装ヘッド1及び移動機構2を制御する。また、制御装置3は、実装ヘッド1に固定された撮像部74及び固定カメラ6に制御信号を出力し、撮像部74及び固定カメラ6を制御したり、撮像部74及び固定カメラ6の各々で撮像された画像を、撮像部74及び固定カメラ6の各々から取得したりする。
【0070】
また、制御装置3は、複数の部品供給装置4に制御信号を出力し、各部品供給口41に部品100が位置するように、複数の部品供給装置4を制御する。また、制御装置3は、搬送装置5に制御信号を出力し、基板200が実装スペースに位置するように、搬送装置5を制御する。
【0071】
(2.2.4)部品供給装置
複数の部品供給装置4の各々は、実装ヘッド1の保持部71によって保持される部品100を供給する。各部品供給装置4は、一例として、キャリアテープ121に保持された部品100を供給するテープフィーダを有する。各部品供給装置4は、テープフィーダによってキャリアテープ121をY軸方向に送り出すことで、部品供給口41に部品100を移動させる。なお、各部品供給装置4は、テープフィーダの代わりに、又はテープフィーダと共に、複数の部品100が載せ置かれたトレイを有していてもよい。また、各部品供給装置4は、テープフィーダの代わりに、又はテープフィーダと共に、バルクフィーダを有していてもよい。
【0072】
(2.2.5)搬送装置
搬送装置5は、基板200を搬送する装置である。搬送装置5は、例えば、
図2に示すように、一対のコンベア機構51を有する。搬送装置5は、一対のコンベア機構51によって、X軸方向(
図2の紙面に垂直な方向)に基板200を搬送する。搬送装置5は、少なくとも実装ヘッド1の下方、つまりZ軸方向において保持部71と対向する実装スペースに基板200を搬送する。そして、搬送装置5は、実装ヘッド1による基板200への部品100の実装が完了するまでは、実装スペースに基板200を停止させる。
【0073】
(2.2.6)固定カメラ
固定カメラ(部品認識カメラ)6は、部品供給装置4の部品供給口41の上方と、実装スペースに位置決めされている基板200の上方と、の間を移動している実装ヘッド1を下方から撮像する。したがって、固定カメラ6の撮像画像には、保持部71に保持された部品100が写っている。すなわち、固定カメラ6の撮像画像には、保持部71と部品100との相互の位置関係の情報、言い換えると保持部71に対する部品100のずれの情報が含まれている。
【0074】
なお、固定カメラ6は、部品供給口41から基板200に移動している実装ヘッド1を下方から撮像することが好ましい。この場合、固定カメラ6は、常時撮像するのではなく、部品100を保持している保持部71が固定カメラ6の上方を通過するタイミングで撮像する。また、固定カメラ6は、部品供給口41の下方に設置されてもよい。また、実装システム10は、固定カメラ6の撮像領域を照明する照明装置を更に備えていてもよい。
【0075】
(2.2.7)その他
実装システム10は、上記構成に加えて、例えば、照明装置及び通信部を備えていてもよい。
【0076】
照明装置は、撮像部74の撮像領域(上述の第1撮像領域及び第2撮像領域)を照明する。照明装置は、少なくとも撮像部74が撮像するタイミングで点灯すればよく、例えば、撮像部74の撮像タイミングに合わせて発光する。本実施形態では、撮像部74の撮像画像は、フルカラーの動画であるので、照明装置は、赤色又は青色等の可視光領域の波長域の光を出力する。本実施形態では一例として、照明装置は、LED(Light Emitting Diode)等の光源を複数有する。照明装置は、これら複数の光源を発光させることで、撮像部74の撮像領域を照らす。照明装置は、例えば、拡散型又は斜光型等の適宜の照明方式にて実現される。照明装置は、例えば、撮像部74と共に実装ヘッド1に固定される。
【0077】
通信部は、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、上位システムと通信するように構成されている。これにより、実装システム10は、上位システムとの間でデータを授受することが可能となる。
【0078】
(3)効果
本実施形態に係る実装ヘッド1では、メンテナンス作業において交換が必要となり得る第1ブロック7と、メンテナンス作業において交換が必要でない第2ブロック8とが分離可能である。このため、作業者は、メンテナンス作業において、第2ブロック8から分離させた第1ブロック7のみを交換すればよい。したがって、本実施形態に係る実装ヘッド1によれば、メンテナンス作業において実装ヘッド全体を交換する場合に比べて、メンテナンス作業の効率化を図ることが可能となる。また、本実施形態に係る実装ヘッド1によれば、軽量化による作業性向上、及びメンテナンス用としての在庫費用削減が見込まれる。
【0079】
また、本実施形態に係る実装ヘッド1によれば、第1モータ712によって吸着ノズル711を移動方向D0に沿って移動させることで、吸着ノズル711に部品100を吸着させることが可能となる。
【0080】
また、本実施形態に係る実装ヘッド1によれば、第2制御部82によって各バルブ77を制御することで、対応する吸着ノズル711にエアを供給する状態と供給しない状態とを切り替えることが可能となる。
【0081】
また、本実施形態に係る実装ヘッド1によれば、第2チューブ85、バルブ77及び第1チューブ76を介してエアタンク83内のエアを吸着ノズル711に供給することが可能となる。
【0082】
また、本実施形態に係る実装ヘッド1では、バッテリ812を備えているので、外部からの電力が供給されない状態であっても、電源回路811に電力を供給することが可能となる。
【0083】
また、本実施形態に係る実装ヘッド1では、第1ブロック7の筐体70が収容部701を有しているので、この収容部701に第2モータ72を収容させることで、第1ブロック7を小型化することが可能となる。
【0084】
また、本実施形態に係る実装ヘッド1では、駆動ベルト791が直線L1に対して線対称に配置されているので、第2モータ72の駆動力を吸着ノズル711に効率よく伝達することが可能となる。
【0085】
また、本実施形態に係る実装ヘッド1によれば、固定部87により磁気シールド86を筐体70に固定することが可能であると共に、隣接する2つの第1モータ712間の磁気干渉を抑制することが可能となる。
【0086】
また、本実施形態に係る実装ヘッド1では、第1ガイドピン751、第2ガイドピン752、第1ガイド部841及び第2ガイド部842により、第1ブロック7と第2ブロック8とを結合することが可能となる。
【0087】
また、本実施形態に係る実装ヘッド1によれば、第1ブロック7を第2ブロック8から分離させる際に第1ブロック7が落下する不具合を抑制することが可能となる。
【0088】
また、本実施形態に係る実装ヘッド1では、第2ブロック8が、第1開口部8421よりも幅寸法W2の狭い第2開口部8431を有しているので、第2ブロック8に対して第1ブロック7を第3方向D3に位置決めすることが可能となる。
【0089】
また、本実施形態に係る実装ヘッド1では、第2ブロック8が、第1挿通部8411よりも開口寸法d2が小さい第2挿通部8412を有しているので、第2ブロック8に対して第1ブロック7を第2方向D2に位置決めすることが可能となる。
【0090】
(4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0091】
本開示における実装システム10は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における実装システム10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1又は複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1又は複数の電子回路で構成される。
【0092】
また、実装システム10における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは実装システム10に必須の構成ではなく、実装システム10の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、実装システム10の少なくとも一部の機能、例えば、制御装置3の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0093】
反対に、上述の実施形態において、複数の装置に分散されている実装システム10の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、実装ヘッド1と制御装置3とに分散されている実装システム10の一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
【0094】
実装システム10の用途は、工場での電子機器の製造に限らない。例えば、ガラス板への機械部品の実装に実装システム10が用いられる場合、実装システム10は、ガラス板に対して機械部品を実装(装着)する作業を行う。
【0095】
保持部71は、吸着ノズル711の代わりに、真空チャックを有していてもよい。この場合、第2制御部82は、真空チャックの動作を制御する。
【0096】
また、第1ブロック7が第1ガイド部、第2ガイド部及び第3ガイド部を有し、第2ブロック8が第1ガイドピン及び第2ガイドピンを有していてもよい。
【0097】
また、第1ガイドピン751の先端部分にテーパ部7511を形成する代わりに、又は第1ガイドピン751の先端部分にテーパ部7511を形成すると共に、例えば、第1ガイド部841の第1挿通部8411の内面をテーパ面にしてもよい。
【0098】
また、例えば、平面サーボモータを用いた移動機構であってもよい。
【0099】
(態様)
本明細書には、以下の態様が開示されている。
【0100】
第1の態様に係る実装ヘッド(1)は、第1ブロック(7)と、第2ブロック(8)と、を備える。第1ブロック(7)は、部品(100)を保持可能な保持部(71)を有する。第2ブロック(8)は、保持部(71)に電力を供給する電源部(81)の少なくとも一部を有し、第1ブロック(7)と分離可能である。
【0101】
この態様では、メンテナンス作業において交換が必要となり得る第1ブロック(7)と、メンテナンス作業において交換が必要でない第2ブロック(8)とが分離可能である。このため、作業者は、メンテナンス作業において、第2ブロック(8)から分離させた第1ブロック(7)のみを交換すればよい。したがって、この態様によれば、メンテナンス作業において実装ヘッド全体を交換する場合に比べて、メンテナンス作業の効率化を図ることが可能となる。
【0102】
第2の態様に係る実装ヘッド(1)では、第1の態様において、第1ブロック(7)の保持部(71)は、吸着ノズル(711)と、モータ(712)と、を含む。吸着ノズル(711)は、部品(100)を吸着可能である。モータ(712)は、吸着ノズル(711)を移動方向(D0)に沿って移動させる。第2ブロック(8)が有する電源部(81)の少なくとも一部は、モータ(712)に供給する電力を生成する電源回路(811)を含む。
【0103】
この態様によれば、モータ(712)によって吸着ノズル(711)を移動方向(D0)に沿って移動させることで、吸着ノズル(711)に部品(100)を吸着させることが可能となる。
【0104】
第3の態様に係る実装ヘッド(1)では、第2の態様において、第1ブロック(7)は、チューブ(76)と、バルブ(77)と、を更に有する。チューブ(76)は、吸着ノズル(711)に接続されている。バルブ(77)は、チューブ(76)に接続されている。第2ブロック(8)は、制御部(82)を更に有する。制御部(82)は、バルブ(77)を制御する。
【0105】
この態様によれば、制御部(82)によってバルブ(77)を制御することで、吸着ノズル(711)にエアを供給する状態と供給しない状態とを切り替えることが可能となる。
【0106】
第4の態様に係る実装ヘッド(1)では、第3の態様において、第2ブロック(8)は、第2チューブ(85)と、エアタンク(83)と、を更に有する。第2チューブ(85)は、バルブ(77)を介してチューブ(76)としての第1チューブ(76)に接続される。エアタンク(83)は、第2チューブ(85)、バルブ(77)及び第1チューブ(76)を介して吸着ノズル(711)にエアを供給する。
【0107】
この態様によれば、第2チューブ(85)バルブ(77)及び第1チューブ(76)を介してエアタンク(83)内のエアを吸着ノズル(711)に供給することが可能となる。
【0108】
第5の態様に係る実装ヘッド(1)では、第2~第4の態様のいずれか1つにおいて、第2ブロック(8)が有する電源部(81)の少なくとも一部は、バッテリ(812)を更に含む。バッテリ(812)は、電源回路(811)に電力を供給する。
【0109】
この態様によれば、外部からの電力が供給されない状態であっても、バッテリ(812)から電源回路(811)に電力を供給することが可能となる。
【0110】
第6の態様に係る実装ヘッド(1)では、第2~第4の態様のいずれか1つにおいて、第1ブロック(7)は、第2モータ(72)と、筐体(70)と、を更に有する。第2モータ(72)は、モータ(712)としての第1モータ(712)とは異なり、移動方向(D0)に沿った回転軸(721)を有し、回転軸(721)を回転中心として吸着ノズル(711)を回転させる。筐体(70)は、第2モータ(72)を収容可能な収容部(701)を有する。
【0111】
この態様によれば、筐体(70)の収容部(701)に第2モータ(72)を収容しているので、第1ブロック(7)を小型化することが可能となる。
【0112】
第7の態様に係る実装ヘッド(1)では、第6の態様において、第1ブロック(7)は、第1モータ(712)を複数有する。複数の第1モータ(712)は、一の方向(D3)に沿って並んでいる。第2モータ(72)は、一の方向(D3)と直交する直交方向(D2)からの平面視において、複数の第1モータ(712)のうち両端に位置する2つの第1モータ(712)の間で、かつ筐体(70)の中心部に位置している。
【0113】
この態様によれば、実装ヘッド(1)の運動特性を向上させることが可能となる。
【0114】
第8の態様に係る実装ヘッド(1)では、第7の態様において、第1ブロック(7)は、駆動ベルト(791)を更に有する。駆動ベルト(791)は、第2モータ(72)の駆動力を吸着ノズル(711)に伝達する。駆動ベルト(791)は、回転軸(721)に平行な方向からの平面視において、回転軸(721)を通る直線(L1)に対して線対称に配置されている。一の方向(D3)と直線(L1)とが直交する。
【0115】
この態様によれば、第2モータ(72)の駆動力を吸着ノズル(711)に効率よく伝達することが可能となる。
【0116】
第9の態様に係る実装ヘッド(1)では、第2~第8の態様のいずれか1つにおいて、第1ブロック(7)の保持部(71)は、モータ(712)を複数含む。第1ブロック(7)は、少なくとも1つの磁気シールド(86)と、筐体(70)と、を更に有する。磁気シールド(86)は、複数のモータ(712)のうち隣接する2つのモータ(712)間に配置されている。筐体(70)は、複数のモータ(712)及び磁気シールド(86)を収容可能である。磁気シールド(86)は、磁気シールド(86)を筐体(70)に固定するための固定部(87)を有する。
【0117】
この態様によれば、固定部(87)により磁気シールド(86)を筐体(70)に固定することが可能であると共に、隣接する2つのモータ(712)間の磁気干渉を抑制することが可能となる。
【0118】
第10の態様に係る実装ヘッド(1)では、第1~第9の態様にいずれか1つにおいて、第1ブロック(7)は、第1ガイドピン(751)と、第2ガイドピン(752)と、を更に有する。第1ガイドピン(751)は、第1方向(D1)に沿って延びている。第2ガイドピン(752)は、第1方向(D1)と直交する第2方向(D2)に沿って延びている。第2ブロック(8)は、第1ガイド部(841)と、第2ガイド部(842)と、を更に有する。第1ガイド部(841)は、第1ブロック(7)と第2ブロック(8)とが結合する際に第1ガイドピン(751)をガイドする。第2ガイド部(842)は、第1ブロック(7)と第2ブロック(8)とが結合する際に第2ガイドピン(752)をガイドする。
【0119】
この態様によれば、第1ガイドピン(751)、第2ガイドピン(752)、第1ガイド部(841)及び第2ガイド部(842)により、第1ブロック(7)と第2ブロック(8)とを結合することが可能となる。
【0120】
第11の態様に係る実装ヘッド(1)では、第10の態様において、第2ガイド部(842)は、第1方向(D1)に沿って形成されている開口部(8421)を有する。第2ガイドピン(752)は、第1ブロック(7)が第1方向(D1)で、かつ第2ブロック(8)から離れる向きに移動する際に第1方向(D1)における開口部(8421)の開口端縁(8422)に接触する。
【0121】
この態様によれば、第1ブロック(7)を第2ブロック(8)から分離させる際に第1ブロック(7)が落下する不具合を抑制することが可能となる。
【0122】
第12の態様に係る実装ヘッド(1)では、第11の態様において、第2ブロック(8)は、第3ガイド部(843)を更に有する。第3ガイド部(843)は、第1ブロック(7)と第2ブロック(8)とが結合する際に第2ガイドピン(752)をガイドする。第3ガイド部(843)は、第2開口部(8431)を有する。第2開口部(8431)は、第1方向(D1)において開口部(8421)としての第1開口部(8421)と並んでいる。第2開口部(8431)は、第2方向(D2)からの平面視において第3方向(D3)における幅寸法(W2)が第1開口部(8421)よりも狭い。第3方向(D3)は、第1方向(D1)及び第2方向(D2)の両方と直交する方向である。第2ガイドピン(752)は、第1ブロック(7)と第2ブロック(8)とが結合する際に第1開口部(8421)、第2開口部(8431)の順に差し込まれる。
【0123】
この態様によれば、第2ブロック(8)に対して、第1ブロック(7)を第3方向(D3)に位置決めすることが可能となる。
【0124】
第13の態様に係る実装ヘッド(1)では、第9~第12の態様のいずれか1つにおいて、第1ガイドピン(751)は、先端に近づくほど細くなるテーパ部(7511)を有する。第1ガイド部(841)は、第1挿通部(8411)と、第2挿通部(8412)と、を有する。第2挿通部(8412)は、第1方向(D1)において第1挿通部(8411)と並んでいる。第2挿通部(8412)は、第1方向(D1)からの平面視における開口寸法(d2)が第1挿通部(8411)よりも小さい。第1ガイドピン(751)は、第1ブロック(7)と第2ブロック(8)とが結合する際に第1挿通部(8411)、第2挿通部(8412)の順に挿通される。
【0125】
この態様によれば、第2ブロック(8)に対して第1ブロック(7)を第2方向(D2)に位置決めすることが可能となる。
【0126】
第14の態様に係る実装ヘッド(1)では、第1~第9の態様のいずれか1つにおいて、第2ブロック(8)は、第1ガイドピンと、第2ガイドピンと、を更に有する。第1ガイドピンは、第1方向(D1)に沿って延びている。第2ガイドピンは、第1方向(D1)と直交する第2方向(D2)に沿って延びている。第1ブロック(7)は、第1ガイド部と、第2ガイド部と、を更に有する。第1ガイド部は、第1ブロック(7)と第2ブロック(8)とが結合する際に第1ガイドピンをガイドする。第2ガイド部は、第1ブロック(7)と第2ブロック(8)とが結合する際に第2ガイドピンをガイドする。
【0127】
この態様によれば、第1ガイドピン、第2ガイドピン、第1ガイド部及び第2ガイド部により、第1ブロック(7)と第2ブロック(8)とを結合することが可能となる。
【0128】
第15の態様に係る実装システム(10)は、第1~第13の態様のいずれか1つの実装ヘッド(1)と、移動機構(2)と、を備える。移動機構(2)は、実装ヘッド(1)の第2ブロック(8)に取り付けられ、実装ヘッド(1)を移動させる。
【0129】
この態様では、メンテナンス作業において交換が必要となり得る第1ブロック(7)と、メンテナンス作業において交換が必要でない第2ブロック(8)とが分離可能である。このため、作業者は、メンテナンス作業において、第2ブロック(8)から分離させた第1ブロック(7)のみを交換すればよい。したがって、この態様によれば、メンテナンス作業において実装ヘッド全体を交換する場合に比べて、メンテナンス作業の効率化を図ることが可能となる。
【0130】
第2~第14の態様に係る構成については、実装ヘッド(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0131】
1 実装ヘッド
2 移動機構
7 第1ブロック
8 第2ブロック
10 実装システム
70 筐体
71 保持部
72 第2モータ
76 第1チューブ(チューブ)
77 バルブ
81 電源部
82 第2制御部(制御部)
83 エアタンク
85 第2チューブ
86 磁気シールド
87 固定部
100 部品
711 吸着ノズル
712 第1モータ(モータ)
721 回転軸
751 第1ガイドピン
752 第2ガイドピン
791 駆動ベルト
811 電源回路
812 バッテリ
841 第1ガイド部
842 第2ガイド部
843 第3ガイド部
7511 テーパ部
8411 第1挿通部
8412 第2挿通部
8421 第1開口部(開口部)
8422 開口端縁
8431 第2開口部
d2 開口寸法
D0 移動方向
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向
L1 直線
W2 幅寸法