特開 2024-151192 空気浄化装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024151192

(43)【公開日】2024-10-24

(54)【発明の名称】空気浄化装置

(51)【国際特許分類】

   A61L 9/20 20060101AFI20241017BHJP

   F24F 8/22 20210101ALI20241017BHJP

【ＦＩ】

A61L9/20

F24F8/22

【審査請求】未請求

【請求項の数】6

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023064399

(22)【出願日】2023-04-11

(71)【出願人】

【識別番号】000226242

【氏名又は名称】日機装株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100105924

【弁理士】

【氏名又は名称】森下 賢樹

(72)【発明者】

【氏名】糀屋 睦

【テーマコード（参考）】

4C180

【Ｆターム（参考）】

4C180AA02

4C180AA07

4C180AA10

4C180AA16

4C180CC03

4C180DD03

4C180EA34X

4C180HH15

4C180HH19

4C180LL04

(57)【要約】

【課題】筐体内の広範な範囲に紫外光を照射する。
【解決手段】空気浄化装置１０は、空気が流れる内部空間１８を有する筐体１２と、筐体１２内に設けられ、紫外光５０を照射する光源１４と、筐体１２内において、紫外光５０の照射方向に光源１４から離れて配置され、光源１４に向けて凸曲面となる反射面４２を有する反射構造１６と、を備える。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

空気が流れる内部空間を有する筐体と、
前記筐体内に設けられ、紫外光を照射する光源と、
前記筐体内において、前記紫外光の照射方向に前記光源から離れて配置され、前記光源に向けて凸曲面となる反射面を有する反射構造と、を備える空気浄化装置。

【請求項2】

前記光源は、所定方向に延びる基板と、前記基板上に前記所定方向に並べられる複数の発光素子とを備え、
前記反射面は、前記所定方向または前記所定方向と交差する方向に延びる、請求項１に記載の空気浄化装置。

【請求項3】

前記光源は、第１方向に間隔を空けて配置される複数の発光ユニットを備え、
前記複数の発光ユニットのそれぞれは、前記第１方向と直交する第２方向に延びる基板と、前記基板上に前記第２方向に並べられる複数の発光素子とを備え、
前記反射構造は、前記第１方向に間隔を空けて配置される複数の反射体を備え、
前記複数の反射体のそれぞれは、前記第２方向に延びる前記反射面を有する、請求項１に記載の空気浄化装置。

【請求項4】

前記複数の反射体の少なくとも一つの前記反射面は、前記複数の発光ユニットのいずれかと対向する位置に配置される、請求項３に記載の空気浄化装置。

【請求項5】

前記複数の反射体の少なくとも一つの前記反射面は、前記複数の発光ユニットのいずれかと対向する位置から前記第１方向にずれて配置される、請求項３に記載の空気浄化装置。

【請求項6】

前記光源は、第１方向に間隔を空けて配置される複数の発光ユニットを備え、
前記複数の発光ユニットのそれぞれは、前記第１方向と直交する第２方向に延びる基板と、前記基板上に前記第２方向に並べられる複数の発光素子とを備え、
前記反射構造は、前記第２方向に間隔を空けて配置される複数の反射体を備え、
前記複数の反射体のそれぞれは、前記第１方向に延びる前記反射面を有する、請求項１に記載の空気浄化装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、空気浄化装置に関する。

【背景技術】

【0002】

空気が流れるダクト内に紫外線ランプを配置し、紫外線によって空気を浄化する空気清浄システムが知られている。ダクト内で紫外線ランプを移動させたり、ダクト内に紫外線を導く反射板の向きを変化させたりすることにより、ダクトの内部において広範に紫外線を照射する技術が提案されている（例えば、特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２００５－１６０５７６号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

上述の先行技術では、ダクト内の広範な範囲に紫外線を照射するために可動部を設ける必要があり、装置構成が複雑となる。

【0005】

本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その例示的な目的のひとつは、筐体内の広範な範囲に紫外光を照射する技術を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明のある態様の空気浄化装置は、空気が流れる内部空間を有する筐体と、筐体内に設けられ、紫外光を照射する光源と、筐体内において、紫外光の照射方向に光源から離れて配置され、光源に向けて凸曲面となる反射面を有する反射構造と、を備える。

【0007】

本発明によれば、筐体内の広範な範囲に紫外光を照射できる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】第１実施形態に係る空気浄化装置の構成を概略的に示す図である。

【図2】図１の光源の構成を概略的に示す図である。

【図3】図１の反射構造の構成を概略的に示す図である。

【図4】第２実施形態に係る空気浄化装置の構成を概略的に示す図である。

【図5】第３実施形態に係る空気浄化装置の構成を概略的に示す図である。

【図6】第３実施形態に係る空気浄化装置の構成を概略的に示す図である。

【図7】図６の反射構造の構成を概略的に示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。説明の理解を助けるため、各図面における各構成要素の寸法比は、必ずしも実際の寸法比と一致しない。

【0010】

（第１実施形態）
図１は、第１実施形態に係る空気浄化装置１０の構成を概略的に示す図である。空気浄化装置１０は、筐体１２と、光源１４と、反射構造１６とを備える。空気浄化装置１０は、筐体１２の内部空間１８を流れる空気に、光源１４からの紫外光５０を照射することにより、空気を浄化するよう構成される。

【0011】

筐体１２は、空気が流れる内部空間１８を有する。筐体１２は、内部空間１８に露出する内面２０を有する。筐体１２の内面２０は、例えば、亜鉛鉄板、ガルバリウム鋼板（登録商標）、ステンレス鋼板といった金属材料で構成される。筐体１２の内面２０は、紫外光５０を反射する材料で構成されてもよい。紫外光を反射する材料として、アルミニウム（Ａｌ）などの金属材料や、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）などのフッ素系樹脂材料を用いることができる。筐体１２の内面２０には、紫外光５０によって活性化する光触媒材料が設けられてもよい。光触媒材料として、酸化チタンなどを用いることができる。

【0012】

筐体１２は、流入口２２と、流入部２３と、本体部２４と、流出部２５と、流出口２６とを備える。矢印Ｆ１で示されるように流入口２２から流入する空気は、流入部２３、本体部２４および流出部２５を順に通過し、矢印Ｆ２で示されるように流出口２６から流出する。筐体１２は、例えば、空気が流れるダクトの途中に設けられる。流入口２２は、例えば上流側ダクトに接続され、流出口２６は、例えば下流側ダクトに接続される。

【0013】

本体部２４は、流入口２２および流出口２６に比べて流路断面積が大きくなるように構成される。本体部２４は、例えば、所定方向に直線状に延びており、流路断面積が一定となるように構成される。流入部２３は、流入口２２と本体部２４の間を接続する。流入部２３は、流入口２２から本体部２４に向けて流路断面積が徐々に大きくなるようにテーパー状に構成される。流出部２５は、本体部２４と流出口２６の間を接続する。流出部２５は、本体部２４から流出口２６に向けて流路断面積が徐々に小さくなるようにテーパー状に構成される。

【0014】

図面において、本体部２４の延在方向をｚ方向とし、ｚ方向と直交する二方向をｘ方向およびｙ方向としている。内部空間１８における空気の流れ方向は＋ｚ方向である。これらの方向は、説明のために便宜的に設定されるものであり、空気浄化装置１０の設置や使用時の方向を何ら限定するものではない。

【0015】

光源１４は、筐体１２の内部空間１８に配置される。光源１４は、本体部２４の内部に配置される。光源１４は、空気の流れ方向（例えば＋ｚ方向）に紫外光５０を照射するように構成される。光源１４は、例えば、流入部２３の近傍に配置され、本体部２４の上流側から下流側に向けて紫外光５０を照射する。変形例において、光源１４は、流出部２５の近傍に配置され、本体部２４の下流側から上流側に向けて紫外光を照射してもよい。

【0016】

光源１４は、少なくとも一つの発光ユニット３０を備える。光源１４は、複数の発光ユニット３０を備えることができる。複数の発光ユニット３０は、第１方向（例えばｘ方向）に間隔をあけて配置される。第１方向（例えばｘ方向）は、紫外光５０を照射する方向（例えば＋ｚ方向）と交差または直交する方向である。図１に示す例において、光源１４は、３個の発光ユニット３０を備える。光源１４が備える発光ユニット３０の個数は特に限られず、１個または２個であってもよいし、４個以上であってもよい。

【0017】

発光ユニット３０は、基板３２と、発光素子３４と、ヒートシンク３６とを備える。発光素子３４は、基板３２の第１面３２ａに設けられる。ヒートシンク３６は、基板３２の第１面３２ａとは反対側の第２面３２ｂに設けられる。発光素子３４は、紫外光を出力するよう構成されるＬＥＤ（Light Emitting Diode）である。発光素子３４は、例えば、２００ｎｍ以上３２０ｎｍ以下の波長を有する紫外光を出力し、例えば２４０ｎｍ以上２８０ｎｍ以下の波長を有するよう構成される。

【0018】

図２は、図１の光源１４の構成を概略的に示す図である。図２は、反射構造１６の位置から本体部２４の内部を－ｚ方向に見たときの図である。図２に示されるように、基板３２は、第１方向（例えばｘ方向）と直交する第２方向（例えばｙ方向）に延びる。基板３２は、短冊形状を有する。光源１４は、複数の基板３２を備えることができる。複数の基板３２は、第１方向（例えばｘ方向）に間隔を空けて配置される。複数の基板３２の間の隙間３８は、空気の通り道となる。基板３２の第１方向の幅ｗ１は、隙間３８の第１方向の幅ｗ２と同じか、それよりも小さいことが好ましい。基板３２の第１方向の幅ｗ１は、例えば、隙間３８の第１方向の幅ｗ２の７０％以下、５０％以下または３０％以下である。流路断面積において複数の基板３２が占める面積割合は、例えば５０％以下、３０％以下または２０％以下である。

【0019】

発光ユニット３０は、複数の発光素子３４を備えることができる。複数の発光素子３４は、基板３２上において第２方向（例えばｙ方向）に並べられる。図１に示す例において、一つの発光ユニット３０は５個の発光素子３４を備え、光源１４は３×５＝１５個の発光素子３４を備える。発光ユニット３０が備える発光素子３４の個数は特に限られず、１個以上４個以下であってもよいし、６個以上であってもよい。

【0020】

図１に戻り、反射構造１６は、筐体１２の内部空間１８に配置される。反射構造１６は、紫外光５０の照射方向（例えば＋ｚ方向）に光源１４から離れて配置される。反射構造１６は、例えば、光源１４よりも空気の流れの下流側に配置される。反射構造１６は、光源１４に向けて（例えば－ｚ方向）に凸曲面となる反射面４２を有する。反射面４２は、光源１４からの紫外光５０を反射する。反射面４２にて反射された紫外光５２は、反射構造１６から光源１４に向かうように拡散される。反射面４２からの紫外光５２は、例えば、光源１４よりも上流側に位置する流入部２３に向けて照射される。

【0021】

反射構造１６は、少なくとも一つの反射体４０を備える。反射構造１６は、複数の反射体４０を備えることができる。複数の反射体４０は、第１方向（例えばｘ方向）に間隔をあけて配置される。図１に示す例において、反射構造１６は、３個の反射体４０を備える。反射構造１６が備える反射体４０の個数は特に限られず、１個または２個であってもよいし、４個以上であってもよい。

【0022】

図３は、図１の反射構造１６の構成を概略的に示す図である。図３は、光源１４の位置から本体部２４の内部を＋ｚ方向に見たときの図である。図３に示されるように、反射体４０および反射面４２は、第２方向（例えばｙ方向）に延びる。複数の反射体４０および反射面４２は、第１方向（例えばｘ方向）に間隔を空けて配置される。複数の反射体４０および反射面４２の間の隙間４８は、空気の通り道となる。反射体４０および反射面４２の第１方向の幅ｗ３は、隙間４８の第１方向の幅ｗ４と同じか、それよりも小さいことが好ましい。反射体４０の第１方向の幅ｗ３は、例えば、隙間４８の第１方向の幅ｗ４の５０％以下、３０％以下または２０％以下である。流路断面積において複数の反射体４０が占める面積割合は、例えば３０％以下、２５％以下または２０％以下である。

【0023】

反射面４２は、例えば、第２方向（例えばｙ方向）に直交する断面形状（例えば、図１に示される形状）が一定となるように構成される。反射面４２は、例えば、円柱面または楕円柱面となるように構成される。この場合、反射体４０は、円柱状または楕円柱状に形成される。

【0024】

反射体４０は、中実部材であってもよいし、中空部材であってもよい。反射体４０は、反射体４０の全体が紫外光を反射する材料で構成されてもよいし、反射面４２のみが紫外光を反射する材料で構成されてもよい。紫外光を反射する材料として、アルミニウム（Ａｌ）などの金属材料や、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）などのフッ素系樹脂材料を用いることができる。反射面４２のみが紫外光を反射する材料で構成される場合、反射体４０の反射面４２とは異なる部分の材料は特に問わず、任意の金属材料や樹脂材料を用いることができる。反射面４２は、鏡面反射が主体となる平滑面で構成されてもよいし、拡散反射が主体となる粗面で構成されてもよい。

【0025】

図１に示す例において、複数の反射体４０は、複数の発光ユニット３０のそれぞれの正面に位置するように配置される。言い換えれば、複数の反射体４０のそれぞれの反射面４２の頂部４４は、複数の発光ユニット３０のいずれかと照射方向（ｚ方向）と対向する位置に配置される。なお、後述する別の実施形態では、反射面４２の頂部４４は、複数の発光ユニット３０のいずれかと照射方向（ｚ方向）と対向する位置から第１方向（例えばｘ方向）にずれて配置されてもよい。

【0026】

つづいて、空気浄化装置１０の動作について説明する。筐体１２の内部空間１８において空気が所定方向（ｚ方向）に流れる。本体部２４の流路断面積は、流入口２２や流出口２６の流路断面積よりも大きいため、本体部２４における空気の流速は、流入口２２や流出口２６における空気の流速よりも小さい。

【0027】

光源１４は、紫外光５０を照射することにより、内部空間１８を流れる空気を紫外光５０を用いて浄化する。本体部２４における空気の流速を下げることにより、内部空間１８を流れる空気に対する紫外光５０の作用時間を長くできる。空気の流れ方向（ｚ方向）に延びる本体部２４の内部において、光源１４からの紫外光５０を流れ方向（ｚ方向）に照射することにより、内部空間１８を流れる空気に対する紫外光５０の作用長を長くできる。これにより、内部空間１８を流れる空気を効率的に浄化できる。

【0028】

光源１４からの紫外光５０は、筐体１２の内面２０にも照射され、内面２０に付着する油汚れなどの有機物を分解して浄化する。筐体１２の内面２０に光触媒材料が設けられる場合、紫外光５０による光触媒材料の活性化によって内面２０に付着する油汚れなどの有機物が分解して浄化できる。光源１４からの紫外光５０は、本体部２４や流出部２５の内面に直接的に照射される。光源１４からの紫外光５０の一部は、反射構造１６にて反射される。反射構造１６にて反射された紫外光５２は、流入部２３の内面に照射される。したがって、光源からの紫外光５０により、流入部２３、本体部２４および流出部２５の内面を浄化できる。

【0029】

本実施形態によれば、光源１４と対向するように反射構造１６を設けることにより、光源１４からの紫外光５０を直接的に照射できない光源１４の裏側に向けて、反射構造１６にて反射された紫外光５２を照射できる。これにより、光源１４の裏側に油汚れなどの有機物が溜まりにくい構成とすることができる。

【0030】

本実施形態によれば、反射構造１６が光源１４に向けて凸曲面となる反射面４２を有するため、反射面４２にて反射される紫外光５２を光源１４の裏側に向けて効率的に照射できる。また、反射面４２が凸曲面で構成されるため、内部空間１８における空気の流れを阻害しにくい構造とすることができ、反射構造１６の追加による圧力損失の増加を抑制できる。

【0031】

本実施形態によれば、複数の発光ユニット３０の正面に複数の反射体４０が配置されるため、内部空間１８における空気の流れを阻害しにくい構造とすることができ、反射構造１６の追加による圧力損失の増加を抑制できる。

【0032】

（第２実施形態）
図４は、第２実施形態に係る空気浄化装置１０Ａの構成を概略的に示す図である。第２実施形態では、矢印ｄで示されるように、反射体４０Ａが発光ユニット３０の正面からずれて配置される点で、上述の実施形態と相違する。以下、第２実施形態について、第１実施形態との相違点を中心に説明し、共通点については説明を適宜省略する。

【0033】

空気浄化装置１０Ａは、筐体１２と、光源１４と、反射構造１６Ａとを備える。筐体１２および光源１４は、第１実施形態と同様に構成される。反射構造１６Ａは、少なくとも一つの反射体４０Ａを備える。反射構造１６Ａは、複数の反射体４０Ａを備えることができる。反射体４０Ａの形状は、第１実施形態に係る反射体４０と同様である。

【0034】

複数の反射体４０Ａの少なくとも一つの反射面４２の頂部４４は、複数の発光ユニット３０のいずれかと対向する位置から第１方向（例えばｘ方向に）ずれて配置される。複数の反射体４０Ａの少なくとも一つの反射面４２の頂部４４の第１方向の位置は、複数の発光ユニット３０の第１方向の位置とは異なる。複数の反射体４０Ａの少なくとも一つは、複数の発光ユニット３０の間の隙間３８（図２参照）と対向する位置に配置される。

【0035】

本実施形態においても上述の第１実施形態と同様の効果を奏することができる。本実施形態によれば、発光ユニット３０の正面に反射体４０が配置されないため、発光ユニット３０の正面に向けて紫外光５０を効率的に照射できる。本実施形態によれば、反射体４０の正面に発光ユニット３０が配置されないため、複数の発光ユニット３０の間の隙間３８を通じて、反射体４０にて反射される紫外光５２を光源１４の裏側に効率的に照射できる。

【0036】

（第３実施形態）
図５および図６は、第３実施形態に係る空気浄化装置１０Ｂの構成を概略的に示す図である。図５は、ｙ方向に見た図を示し、図６は、ｘ方向に見た図を示す。第３実施形態では、複数の発光ユニット３０が並べられる第１方向（例えばｘ方向）と交差する方向に反射体４０Ｂおよび反射面４２が延びるように反射構造１６Ｂが構成される点で、上述の実施形態と相違する。以下、第３実施形態について、第１実施形態との相違点を中心に説明し、共通点については説明を適宜省略する。

【0037】

空気浄化装置１０Ｂは、筐体１２と、光源１４と、反射構造１６Ｂとを備える。筐体１２および光源１４は、第１実施形態と同様に構成される。反射構造１６Ｂは、少なくとも一つの反射体４０Ｂを備える。反射体４０Ｂの形状は、第１実施形態に係る反射体４０と同様である。反射体４０Ｂは、第１方向（例えばｘ方向）に延びる。反射体４０Ｂが延びる方向は、発光ユニット３０が延びる方向とねじれの関係となっている。

【0038】

反射構造１６Ｂは、複数の反射体４０Ｂを備えることができる。複数の反射体４０Ｂのそれぞれは、光源１４に向けて凸曲面となる反射面４２を有する。反射面４２は、円柱面または楕円柱面となるように構成される。

【0039】

図７は、図６の反射構造の１６Ｂ構成を概略的に示す図である。複数の反射体４０Ｂおよび反射面４２は、第１方向（例えばｘ方向）に延びる。複数の反射体４０Ｂおよび反射面４２は、第２方向（例えばｙ方向）に間隔を空けて配置される。複数の反射体４０Ｂおよび反射面４２の間の隙間４８は、空気の通り道となる。反射体４０Ｂおよび反射面４２の第１方向の幅ｗ３は、隙間４８の第１方向の幅ｗ４と同じか、それよりも小さいことが好ましい。反射体４０Ｂの第１方向の幅ｗ３は、例えば、隙間４８の第１方向の幅ｗ４の５０％以下、３０％以下または２０％以下である。流路断面積において複数の反射体４０が占める面積割合は、例えば３０％以下、２５％以下または２０％以下である。

【0040】

複数の反射体４０Ｂおよび反射面４２の少なくとも一つは、光源１４が備える複数の発光素子３４のいずれかの正面に配置されてもよい。例えば、図６において中央に配置される反射体４０Ｂの反射面４２の頂部４４は、発光素子３４の正面に配置されている。
複数の反射体４０Ｂおよび反射面４２の少なくとも一つは、複数の発光素子３４のいずれかの正面から第２方向（例えばｙ方向）にずれて配置されてもよい。例えば、図６において下側に配置される反射体４０Ｂの反射面４２の頂部４４は、発光素子３４の正面からずれて配置されている。

【0041】

本実施形態においても上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。

【0042】

以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。

【0043】

以下、本発明のいくつかの態様について説明する。

【0044】

本発明の第１の態様は、空気が流れる内部空間を有する筐体と、前記筐体内に設けられ、紫外光を照射する光源と、前記筐体内において、前記紫外光の照射方向に前記光源から離れて配置され、前記光源に向けて凸曲面となる反射面を有する反射構造と、を備える空気浄化装置である。第１の態様によれば、光源に向けて凸曲面となる反射面を有する反射構造を設けることにより、反射面にて反射された紫外光を光源の裏側に向けて照射できる。これにより、光源の裏側に向けて紫外光を照射する別の光源を追加することなく、筐体の内面のより広範な範囲に紫外光を照射できる。これにより、筐体の内面に紫外光を照射して筐体の内面への汚れの付着を抑制できる。

【0045】

本発明の第２の態様は、前記光源は、所定方向に延びる基板と、前記基板上に前記所定方向に並べられる複数の発光素子とを備え、前記反射面は、前記所定方向または前記所定方向と交差する方向に延びる、第１の態様に記載の空気浄化装置である。第２の態様によれば、複数の発光素子を用いることにより、筐体の内面のより広範な範囲に紫外光を照射できる。また、複数の発光素子の配列方向に延びる反射面を設けることにより、複数の発光素子の裏側に向けて紫外光を効率的に照射することができ、筐体の内面のより広範な範囲に紫外光を照射できる。

【0046】

本発明の第３の態様は、前記光源は、第１方向に間隔を空けて配置される複数の発光ユニットを備え、前記複数の発光ユニットのそれぞれは、前記第１方向と直交する第２方向に延びる基板と、前記基板上に前記第２方向に並べられる複数の発光素子とを備え、前記反射構造は、前記第１方向に間隔を空けて配置される複数の反射体を備え、前記複数の反射体のそれぞれは、前記第２方向に延びる前記反射面を有する、第１の態様に記載の空気浄化装置である。第３の態様によれば、複数の発光ユニットを用いることにより、筐体の内面のより広範な範囲に紫外光を照射できる。また、複数の反射体を設けることにより、複数の発光ユニットの裏側に向けて紫外光を効率的に照射することができ、筐体の内面のより広範な範囲に紫外光を照射できる。

【0047】

本発明の第４の態様は、前記複数の反射体の少なくとも一つの前記反射面は、前記複数の発光ユニットのいずれかと対向する位置に配置される、第３の態様に記載の空気浄化装置である。第４の態様によれば、少なくとも一つの反射面を発光ユニットのいずれかと対向する位置に配置することにより、複数の発光ユニットおよび複数の反射体を設けることによる圧力損失の増加を抑制できる。

【0048】

本発明の第５の態様は、前記複数の反射体の少なくとも一つの前記反射面の頂部は、前記複数の発光ユニットのいずれかと対向する位置から前記第１方向にずれて配置される、第３の態様に記載の空気浄化装置である。第５の態様によれば、少なくとも一つの反射面を発光ユニットのいずれかと対向する位置からずらして配置することにより、複数の発光ユニットの裏側に向けて紫外光を効率的に照射できる。

【0049】

本発明の第６の態様は、前記光源は、第１方向に間隔を空けて配置される複数の発光ユニットを備え、前記複数の発光ユニットのそれぞれは、前記第１方向と直交する第２方向に延びる基板と、前記基板上に前記第２方向に並べられる複数の発光素子とを備え、前記反射構造は、前記第２方向に間隔を空けて配置される複数の反射体を備え、前記複数の反射体のそれぞれは、前記第１方向に延びる前記反射面を有する、第１の態様に記載の空気浄化装置である。第６の態様によれば、複数の発光ユニットを用いることにより、筐体の内面のより広範な範囲に紫外光を照射できる。また、複数の反射体を設けることにより、複数の発光ユニットの裏側に向けて紫外光を効率的に照射することができ、筐体の内面のより広範な範囲に紫外光を照射できる。

【符号の説明】

【0050】

１０…空気浄化装置、１２…筐体、１４…光源、１６…反射構造、１８…内部空間、３０…発光ユニット、３２…基板、３４…発光素子、４０…反射体、４２…反射面、５０…紫外光。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】