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特開2024-15120プリナブリンおよびG-CSF製剤の投与による化学療法誘発性好中球減少症を軽減するための組成物および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015120
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】プリナブリンおよびG-CSF製剤の投与による化学療法誘発性好中球減少症を軽減するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/496 20060101AFI20240125BHJP
   A61K 38/19 20060101ALI20240125BHJP
   A61K 47/60 20170101ALI20240125BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20240125BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
A61K31/496
A61K38/19
A61K47/60
A61P7/00
A61P43/00 121
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023202765
(22)【出願日】2023-11-30
(62)【分割の表示】P 2020541924の分割
【原出願日】2019-01-30
(31)【優先権主張番号】62/625,290
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/713,486
(32)【優先日】2018-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/749,060
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/757,648
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517282078
【氏名又は名称】ビヨンドスプリング ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モハンラル,ラモーン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ラン
(72)【発明者】
【氏名】ロイド,ジョージ,ケネス
(57)【要約】
【課題】化学療法誘発性好中球減少症の治療、好中球生存の刺激、G-CSF製剤によって誘発された骨痛およびG-CSF製剤によって誘発された免疫抑制効果の軽減のための、プリナブリンおよび1つ以上のG-CSF製剤を提供することを課題とする。
【解決手段】化学療法誘発性好中球減少症の治療、好中球生存の刺激、G-CSF製剤によって誘発された骨痛およびG-CSF製剤によって誘発された免疫抑制効果の軽減のための、プリナブリンおよび1つ以上のG-CSF製剤を提供することができ、また、ドセタキセル誘発性好中球減少症を、プリナブリンおよび1つ以上のG-CSF化合物の同時投与によって軽減することができることを見出した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリナブリンおよび1つ以上のG-CSF製剤を同時投与することを含む、化学療法誘発性好中球減少症の治療方法。
【請求項2】
プリナブリンおよび1つ以上のG-CSF製剤を同時投与することを含む、好中球生存の刺激方法。
【請求項3】
前記G-CSF製剤は、ペグフィルグラスチムである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記G-CSF製剤は、Neupogen(登録商標)、Tevagrastim(登録商標)、Biograstim(登録商標)、Ratiograstim(登録商標)、Zarxio(登録商標)、Filgrastim Hexal(登録商標)、Neulasta(登録商標)、Granocyte(登録商標)、Neutrogin(登録商標)、Neu-up(登録商標)、Rolontis(登録商標)、Aiduo(メカペグフィルグラスチム、ハンルイ)、およびFulphila(登録商標)から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
21日サイクルで使用される前記G-CSF製剤の総投与量は、約0.1mg~約20mgの範囲である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
21日サイクルで使用される前記G-CSF製剤の総投与量は、約6mg未満である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
21日サイクルで使用される前記G-CSF製剤の総投与量は、約1.5mgである、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
21日サイクルにおける前記G-CSF製剤の総投与量は、約3mgである、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
21日サイクルにおける前記G-CSF製剤の総投与量は、約6mgである、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記G-CSF製剤を、21日サイクルにおいて単回投与する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記G-CSF製剤を、21日サイクルにおいて2回以上投与する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記G-CSF製剤を、オンボディ型インジェクターを使用して投与する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記G-CSF製剤を、皮下投与する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記化学療法薬投与後少なくとも24時間において前記G-CSF製剤を投与することを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記化学療法薬投与後24時間以内に前記G-CSF製剤を投与することを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記患者が約1.5×10/Lより低い好中球絶対数を有する場合に前記G-CSF製剤を投与することを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記G-CSF製剤を2回以上投与することを含み、前記化学療法薬投与後約24時間~48時間に前記G-CSF製剤の第一用量を投与する、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記化学療法薬投与後24時間以内にプリナブリンを投与することを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記化学療法薬投与後2時間以内にプリナブリンを投与することを含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記化学療法薬投与後1時間以内にプリナブリンを投与することを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
21日治療サイクルにおいてプリナブリンを単回投与することを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
21日サイクルにおいて約1mg/m~約50mg/mの範囲の総投与量でプリナブリンを投与することを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
21日サイクルにおいて40mg/m以下の総投与量でプリナブリンを投与することを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
21日サイクルにおいて約10mg/mの総投与量でプリナブリンを投与することを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
21日サイクルにおいて約20mg/mの総投与量でプリナブリンを投与することを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
21日サイクルにおいて約30mg/mの総投与量でプリナブリンを投与することを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
21日サイクルにおいて約10mg~約60mgの範囲の総量でプリナブリンを投与することを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
21日サイクルにおいて約40mgの総量でプリナブリンを投与することを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記化学療法は、ドセタキセルの投与を含み、他の化学療法薬を含まない、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記化学療法は、ドセタキセル、ドキソルビシンおよびシクロホスファミド(TAC);ドセタキセルおよびシクロホスファミド(TC);ドキソルビシンおよびシクロホスファミド(AC);ドセタキセルおよびドキソルビシン(TA);ドセタキセル;ドキソルビシン;またはシクロホスファミドを投与することを含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記化学療法は、ドセタキセルを含まない、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記患者は、進行性または転移性乳がん、早期乳がん、非小細胞肺がん、抵抗性転移性前立腺がんに罹患している、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記患者は、頭頸部がん、肺がん、胃がん、結腸がん、膵がん、前立腺がん、乳がん、腎がん、膀胱がん、卵巣がん、子宮頸がん、メラノーマ、神経膠芽腫、骨髄性白血病、骨髄腫、リンパ腫、または白血病に罹患している、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記化学療法薬投与後1時間未満に前記プリナブリンを投与する、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記化学療法薬投与後約30分で前記プリナブリンを投与する、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記好中球減少症は、グレード3または4の好中球減少症である、請求項1~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記好中球減少症は、グレード4の好中球減少症である、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
グレード3または4の好中球減少症の罹患率を、少なくとも5%低減することを含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
グレード3または4の好中球減少症の持続期間を、少なくとも約2倍短縮することを含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
化学療法薬、約1mg~約80mgのプリナブリン、および約0.1mg~約20mgのG-CSFを含むキットであって、化学療法薬、G-CSF、およびプリナブリンを個別の滅菌容器で提供する、キット。
【請求項41】
前記プリナブリンの量は、50mg未満である、請求項40に記載のキット。
【請求項42】
前記プリナブリンの量は、約10mgである、請求項40に記載のキット。
【請求項43】
前記プリナブリンの量は、約20mgである、請求項40に記載のキット。
【請求項44】
前記プリナブリンの量は、約30mgである、請求項40に記載のキット。
【請求項45】
前記プリナブリンの量は、約40mgである、請求項40に記載のキット。
【請求項46】
前記G-CSFの量は、10mg未満である、請求項40~45のいずれか一項に記載のキット容器。
【請求項47】
前記G-CSFの量は、約6mgである、請求項40~46のいずれか一項に記載のキット。
【請求項48】
前記G-CSFの量は、約3mgである、請求項40~46のいずれか一項に記載のキ
ット。
【請求項49】
前記G-CSFの量は、約1.5mgである、請求項40~46のいずれか一項に記載のキット。
【請求項50】
プリナブリンの効果量を投与することを含む、G-CSF製剤によって誘発された骨痛の軽減方法。
【請求項51】
プリナブリンの効果量を投与することを含む、G-CSF製剤によって誘発された免疫抑制効果の軽減方法。
【請求項52】
1サイクル以上の化学療法レジメンを含む、化学療法誘発性好中球減少症の治療方法または好中球生存の刺激方法であって、前記化学療法レジメンの各サイクルは:
1日目に1つ以上の化学療法薬を投与すること;
1日目にプリナブリンを投与すること;および
2日目に1つ以上のG-CSF製剤を投与すること、
を独立して含み、
前記1つ以上の化学療法薬の投与後12時間以内、4時間以内、2時間以内、または1時間以内にプリナブリンを投与する、
方法。
【請求項53】
前記1つ以上のG-CSF製剤を、前記プリナブリンの投与後24時間以内に投与する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
2~4サイクルの前記化学療法レジメンを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記化学療法レジメンの各サイクルは、30日まで独立して継続する、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記化学療法レジメンの各サイクルは、21日継続する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記化学療法レジメンの各サイクルにおいて、独立して、前記1つ以上の化学療法薬は、ドセタキセル、ドキソルビシン、およびシクロホスファミドから成る群から選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項58】
前記化学療法レジメンの各サイクルにおいて、独立して、前記1つ以上の化学療法薬の投与後約10~50分、または約20~40分に、約40mg/m以下で前記プリナブリンを単回投与または反復投与する、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記化学療法レジメンの各サイクルにおいて、独立して、前記1つ以上の化学療法薬の投与後約25~35分、または約28~32分、または約30分に、約5mg/m、約10mg/m、または約20mg/mで前記プリナブリンを単回投与する、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記化学療法レジメンの各サイクルにおいて、独立して、前記1つ以上のG-CSF製剤は、Neupogen(登録商標)、Tevagrastim(登録商標)、Biograstim(登録商標)、Ratiograstim(登録商標)、Zarxio(登録商標)、Filgrastim Hexal(登録商標)、Neulasta(登録商標)、Granocyte(登録商標)、Neutrogin(登録商標)、Neu-up(登録商標)、Rolontis(登録商標)、Aiduo(メカペグフィルグラスチ
ム、ハンルイ)、およびFulphila(登録商標)から成る群から選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項61】
前記1つ以上のG-CSF製剤は、ペグフィルグラスチムである、請求項52に記載の方法。
【請求項62】
前記化学療法レジメンの各サイクルにおいて、独立して、前記1つ以上の化学療法薬の投与後少なくとも約24時間に、約6mg以下で前記1つ以上のG-CSF製剤を単回投与または反復投与する、請求項52に記載の方法。
【請求項63】
前記化学療法レジメンの各サイクルにおいて、独立して、前記プリナブリンの投与後約20~約50時間に、約6mg以下で前記1つ以上のG-CSF製剤を単回投与または反復投与する、請求項52に記載の方法。
【請求項64】
前記化学療法レジメンの各サイクルにおいて、独立して、前記プリナブリンの投与後約20~約30時間に、約1.5mg、約3.0mg、または約6mgで前記1つ以上のG-CSF製剤を単回投与する、請求項52に記載の方法。
【請求項65】
化学療法誘発性好中球減少症の治療のための1つ以上のG-CSF製剤と組み合わせて使用するためのプリナブリン。
【請求項66】
好中球生存の刺激のための1つ以上のG-CSF製剤と組み合わせて使用するためのプリナブリン。
【請求項67】
G-CSF製剤によって誘発された骨痛の軽減において使用するためのプリナブリン。
【請求項68】
G-CSF製剤によって誘発された免疫抑制効果の軽減において使用するためのプリナブリン。
【請求項69】
1サイクル以上の化学療法レジメンにおける化学療法誘発性好中球減少症の治療または好中球生存の刺激のために1つ以上のG-CSF製剤と組み合わせて使用するためのプリナブリンであって、前記化学療法レジメンの各サイクルは:
1日目に1つ以上の化学療法薬を投与すること;
1日目にプリナブリンを投与すること;および
2日目に1つ以上のG-CSF製剤を投与すること、
を独立して含み、
前記1つ以上の化学療法薬の投与後12時間以内、4時間以内、2時間以内、または1時間以内にプリナブリンを投与する、
プリナブリン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学および医薬分野に関する。より詳細には、本発明は、プリナブリンを使用する好中球減少症の軽減または寛解方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨髄抑制は、しばしば適用が限定される多くの化学療法レジメンの一次毒性である。グレード4の好中球減少症の期間および好中球最下点の深さの両方は、重症かつ致死的な感染症と関連付けられる。結果として、好中球減少症予防は、安全性および費用効果の両方ならびに生活の質のための腫瘍学開業医にとって主要な目的である。
【0003】
好中球減少症は、細胞傷害性骨髄抑制化学療法の高頻度かつ致死的である可能性がある合併症である。好中球減少症に罹る患者は抗生物質での治療をしばしば必要とし、重度の場合には入院を必要とする感染により罹りやすいことが研究で示されている。さらに、重度好中球減少症は、化学療法レジメンの修正をしばしば必要とし、それにより、抗がん治療プランの終局の成功を損なう。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態は、プリナブリンおよび1つ以上のG-CSF化合物を同時投与することを含む、化学療法誘発性好中球減少症の治療方法に関する。
【0005】
いくつかの実施形態は、プリナブリンの効果量を投与することを含む、骨痛の軽減方法に関する。いくつかの実施形態では、骨痛は、G-CSF製剤により誘発される。いくつかの実施形態では、骨痛は、ペグフィルグラスチムにより誘発される。
【0006】
いくつかの実施形態は、プリナブリンおよび1つ以上のG-CSF化合物を同時投与することを含む、好中球生存の刺激方法に関する。
【0007】
いくつかの実施形態は、好中球減少症を引き起こすのに充分な量のドセタキセルを投与されている患者の治療方法であって、方法はプリナブリンおよび1つ以上のG-CSF化合物を同時投与して患者における好中球減少を軽減または予防することを含む方法に関する。
【0008】
いくつかの実施形態は、プリナブリンおよび1つ以上のG-CSF化合物を同時投与することを含む、対象におけるドセタキセル誘発性好中球減少症の治療方法であって、プリナブリンを約1mg/m~約50mg/mの範囲の投与量で投与する方法に関する。
【0009】
いくつかの実施形態は、患者が進行性または転移性乳がんであると特定すること;ならびにプリナブリンおよび1つ以上のG-CSF化合物を同時投与することを含む、進行性乳がん(例えば、早期または転移性乳がん)に罹患している対象におけるドセタキセル誘発性好中球減少症の治療方法であって、プリナブリンを約1mg/m~約50mg/mの範囲の投与量で投与する方法に関する。
【0010】
いくつかの実施形態は、患者が非小細胞肺がんであると特定すること;ならびにプリナブリンおよび1つ以上のG-CSF化合物を同時投与することを含む、非小細胞肺がんに罹患している対象におけるドセタキセル誘発性好中球減少症の治療方法であって、プリナブリンを約1mg/m~約50mg/mの範囲の投与量で投与する方法に関する。
【0011】
いくつかの実施形態は、患者がホルモン抵抗性転移性前立腺がんであると特定すること;ならびにプリナブリンおよび1つ以上のG-CSF化合物を同時投与することを含む、ホルモン抵抗性転移性前立腺がんに罹患している対象におけるドセタキセル誘発性好中球減少症の治療方法であって、プリナブリンを約1mg/m~約50mg/mの範囲の投与量で投与する方法に関する。
【0012】
いくつかの実施形態は、プリナブリンおよび1つ以上のG-CSF化合物を同時投与することを含む、好中球生存の刺激方法であって、プリナブリンを約1mg/m~約50mg/mの範囲の投与量で投与する方法に関する。
【0013】
いくつかの実施形態は、約1mg~約150mg、1mg~約100mgまたは約1mg~約40mgのプリナブリンを含む医薬組成物に関する。
【0014】
いくつかの実施形態は、ドセタキセル、および約1mg~約150mg、1mg~約100mgまたは約1mg~約40mgのプリナブリンを含む医薬組成物であって、ドセタキセルおよびプリナブリンを2つの個別の滅菌容器において提供する、医薬組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】プリナブリン対ペグフィルグラスチムの治療を用いた時間に対する好中球数変化を示すグラフである。
図2】プリナブリンとG-CSFとの組合せまたはG-CSF製剤のみを受ける患者に対する、サイクル1化学療法治療の最初の10日間における平均好中球数(ANC)メジアンの変化を測定するグラフである。
図3】プリナブリンとG-CSFとの組合せまたはG-CSFのみを受けた乳がん患者に対するTAC治療のサイクル1におけるグレード3/4好中球減少症の罹患率を示す棒グラフである。
図4】プリナブリンとG-CSFとの組合せまたはG-CSF製剤のみを受けた乳がん患者に対するTAC治療のサイクル1における骨痛の罹患率を示す棒グラフである。
図5】プリナブリンとG-CSFとの組合せまたはG-CSFのみを受けた乳がん患者に対するTAC治療のサイクル1における骨痛の持続期間を示すグラフである。
図6】様々な治療群において5より大きいリンパ球に対する好中球の比(NLR)の値を有する患者のパーセンテージを示すグラフである。
図7図7Aは、プリナブリン(20mg/m)単独、プリナブリン(20mg/m)+Neulasta 6mg、およびNeulasta(6mg)において5より大きいNLRを有する患者のパーセンテージを示す。図7Bは、プリナブリン(20mg/m)単独、プリナブリン(20mg/m)+Neulasta 6mg、およびNeulasta(6mg)において3.2未満の単球に対するリンパ球の比(LMR)を有する患者のパーセンテージを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
プリナブリン、(3Z,6Z)-3-ベンジリデン-6-{[5-(2-メチル-2-プロパニル)-1H-イミダゾール-4-イル]メチレン}-2,5-ピペラジンジオン、は、天然化合物フェニルアヒスチンの合成類似体である。プリナブリンは、米国特許第7,064,201号および同第7,919,497号(その全文を参照することによって本明細書に組み入れられる)に詳述された方法および手順に従って容易に製造することができる。いくつかの実施形態では、プリナブリンは、抗原取り込みおよびリンパ節への樹状細胞の遊走を効果的に促進することができ、樹状細胞によって腫瘍特異的抗原が一次免疫エフェクター細胞へ提示される。樹状細胞のプリナブリンへの暴露は、樹状細胞の成熟を誘発し、一次T細胞に対するその能力を著しく増大することができる。いくつかの実施形態では、プリナブリンは、腫瘍内微小環境の免疫調節により腫瘍量減少を媒介し、抗腫瘍免疫増強効果を促進することができる。いくつかの実施形態では、プリナブリンをG-CSFと組み合わせる場合に、実質的治療相乗作用を得ることができる。
【0017】
プリナブリンは、腫瘍阻害および免疫増強効果を有する小分子である。プリナブリンは、樹状細胞の成熟、サイトカインインターロイキン-1β(IL-1β)、IL-6、およびIL-12産生を誘発し、これらの全ては好中球生存において重要である。プリナブリンは、MHCII、CD40、CD80およびCD86の産生ならびに関連抗原特異性T細胞活性化も誘発する。プリナブリンは樹状細胞の成熟を誘発し得、単球/樹状細胞からのサイトカインインターロイキン(IL)-1β、IL-6およびIL-12の放出をもたらし、サイトカインは好中球をアポトーシスから守る。特に、IL-6は、好中球アポトーシスの阻止において介在され、IL-1βは好中球数増加で介在され得る。プリナブリンは、G-CSF類似体と異なる作用機序により、ドセタキセル誘発またはシクロホスファミド誘発好中球減少症を予防することができる。固形腫瘍の治療のために使用される場合、プリナブリンは、好中球減少症に対する防護作用を示した。フェーズ2(Ph2)治験では、測定可能な病変を有するNSCLC患者(pts)におけるドセタキセルへのプリナブリンの添加(Plin+Doc;n=38)は、Doc単独に対して4.6ヶ月mOSを改善した。DOR(免疫効果のマーカー)はドセタキセル単独に対してプリナブリン+ドセタキセルでは約1年長かった(P<0.05)。Plinは、免疫関連有害事象(IR-AE)の増加なく、免疫増強効果(DOR)を発揮した。
【0018】
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)は、ヒト対象を含む動物における顆粒球の増殖、分化、拘束および終末細胞機能的活性化を刺激する化合物または因子を表す。用語G-CSFまたはG-CSF変異体としてはG-CSFの全ての天然変異体(リーダー配列あり又は無し)、G-CSFバイオシミラー、ならびに組換えDNA技術によって改変されたこれから誘導されたG-CSFタンパク質、特にG-CSF部分は別として更なるポリペプチド配列を含む融合タンパク質が挙げられる。例えば、(1)例えば、G-CSF分子に対して作用するプロテアーゼ能力の低減または1つ異常のポリエチレングリコール分子または血清もしくは他の半減期を増加または抗原性を増大するなど、上記G-CSF分子のいくつかの特徴を変更するように作用する経口用製剤のための腸溶コーティングなどのG-CSF分子へ化学的修飾を添加することによって、G-CSF分子の半減期(または、例えば、経口用剤形を製剤する)を増長してよく;(2)G-CSFを、G-CSF-G-CSF受容体輸送機構による細胞を通した侵入によるシグナル伝達を行う別のサイトカインもしくは別のタンパク質などの別のタンパク質の一部もしくは全てと結合することなどハイブリッド分子を製造してよく;または(3)例えば、好中球を選択的に刺激する(非修飾G-CSF分子と比較して)能力のように生物活性を増大してよい。G-CSFとしては、米国特許第5,399,345号;同第5,416,195号;同第5,981,551号;同第6,166,183号および同第6,261,550号(これらの内容はその全文を参照することにより組み入れられる)に記載されているその誘導体、ミメティック、変異体および化学的修飾化合物またはハイブリッドが挙げられる。G-CSF化合物としては、フィルグラスチムおよびペグフィルグラスチムが挙げられるが、これらに限定されない。G-CSFの例としては、Neupogen(登録商標)(Amgen)、Tevagrastim(登録商標)(Teva)、Biograstim(登録商標)(CT Arzneimittel)、Ratiograstim(登録商標)(Ratiopharm GmbH))、Zarxio(登録商標)(Sandoz GmbH)、Filgrastim Hexal(登録商標)(Hexal AG)、Neulasta(登録商標)(Amgen)、Granocyte(登録商標)およびNeutrogin(登録商標)(Chugai)、およびNeu-up(登録商標)(Kyowa Hakko)、Rolontis(登録商標)(Spectrum、eflapegrastim)、Aiduo(mecapegfilgrastim、Hengrui)、Fulphila(商標)(pegfilgrastim-jmdb、Mylan)が挙げられるが、これらに限定されない。G-CSFは、化学療法誘発性重度好中球減少症を治療するために与えられることが多い。ペグフィルグラスチムなどのG-CSFは、特定の細胞表面受容体と結合して、それにより、増殖、分化、拘束、および終末細胞機能的活性化を刺激することによって造血細胞に作用するコロニー刺激因子である。
【0019】
発熱性好中球減少症(FN)は、発熱(≧38.3℃)およびドセタキセル誘発性好中球減少症(好中球絶対数[ANC]<0.5×10/L)を特徴とする致命的になる可能性ある病態である。FNを含む重度好中球減少症のリスクは、ドセタキセル投与量の低減または薬剤の投与間隔の延長によって緩和する。しかしながら、薬剤投与強度の相対的低減が理由でこれらの測定はより低い長期生存率と直接的に相関することが研究により示された。したがって、フィルグラスチム(Neupogen(登録商標))またはペグフィルグラスチム(Neulasta(登録商標))のような顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を与えて化学療法誘発性重度好中球減少症を治療することができ、化学療法をより効果的に行うことを可能とする。これらのガイドラインに従って、G-CSFの予防的使用は、化学療法レジメンおよび患者の特定のリスク因子に基づいて、FNの著しいリスク患者に対して推奨される。しかしながら、G-CSFの予防的使用は、安全性、費用および使用の便宜に関していくつかの著しい限定を有する。化学療法開始14日以内に治療を行うべきである。さらに、各治療サイクルの化学療法の最後の投与後24時間までG-CSF治療を開始することができず、概して、化学療法サイクル毎に1回投与する(治療中ベースライン全血球数[CBC]および血小板数を要する)。化学療法の日にG-CSFを投与することに対する懸念は、骨髄系細胞の増殖の増加が細胞傷害性化学療法薬に対する感受性を増大し得ることである。細胞傷害性化学療法は急速に増殖する細胞に対する最大のダメージを引き起こすので、化学療法を行いながら、骨髄系細胞をより速く増殖させる薬剤を与えることは、より毒性の原因となり得る。G-CSF治療の期間は化学療法誘発性好中球減少症を減弱するためであり、使用される化学療法レジメンの骨髄抑制の可能性に依存する。患者は、薬剤を自己投与するか、またはしばしば患者にとって困難かつ費用がかかる治療および評価のために施設に戻るかいずれかの必要がある。
【0020】
ペグフィルグラスチムに対する警告および注意としては、脾臓破裂、急性呼吸促迫症候群、アナフィラキシーを含むアレルギー反応、致命的な鎌状赤血球急性発症、糸球体腎炎、毛細管漏出症候群、および白血球増多症が挙げられる。最大の共通の副作用は、骨痛および四肢の疼痛であって、それぞれ、患者の31%および9%に起こる。更なる注目すべき有害事象としては、急性熱性好中球性皮膚症、皮膚血管炎および注射部位反応が挙げられる。
【0021】
プリナブリンは、ドセタキセル関連重度好中球減少症(FNを含む)の寛解において効果的であり得、より良好な安全プロファイル(ずっと少ない骨痛)を有し、必要な患者の来院回数を減らし、医療制度への負担も減らす可能性があることによって患者にとってより都合がよい。最も重要なことだが、サイクル(ペグフィルグラスチム、G-CSFおよびそのバイオシミラーにより処方)完了後24時間とは対照的に、ドセタキセルサイクル(例えば、30分または1時間)後、プリナブリンを与えることができる。
【0022】
プリナブリン単独療法治療(化学療法が行われていない場合)を受けた固形腫瘍患者は、血液学または化学実験室パラメーターにおける臨床的に有意な悪化を経験しなかったが;しかしながら、ドセタキセル単独療法治療群と比較して、プリナブリン+ドセタキセルを受けている患者における好中球減少症は有意に低い罹患率であった。
【0023】
好中球減少症の臨床的合併症(発熱性好中球減少症、感染、敗血症、および死亡率)は
、グレード2または3の好中球減少症と比較して、グレード4の好中球減少症と共に併発する。規制認可のため、FDAおよび保健当局は、グレード4好中球減少症データに着目している。グレード4好中球減少症/重度好中球減少症は、<0.5×10/Lの好中球絶対数である。動物モデル試験では、プリナブリンは、異なる機序を有する化学療法によって引き起こされた好中球減少症を予防することが分かった:ドセタキセル、シスプラチン、アドリアマイシン、シクロホスファミド、トポテカン、およびゲムシタビン。表1は、好中球減少症の治療または減弱のため、プリナブリンは、G-CSF製剤に勝る多くの利点を有することを示す。
【表1】
【0024】
ドセタキセル治療単独と比較して、ドセタキセルへのプリナブリンの添加は、サイクル1において、33.3%~4.6%のグレード4好中球減少症患者の比率を有意に(p<0.0003)低減した。データは、好中球数の最大減少に対応するドセタキセル投与後近くの日、8日目にグレード4好中球減少症(好中球絶対数[ANC]<0.5×10/L)患者の比率低下を示している。プリナブリンは、ドセタキセル誘発性好中球減少症に関連する臨床的続発症(敗血症、感染、入院、ドセタキセル用量低減の必要性、およびG-CSFの使用)も低減した。骨痛は、プリナブリンを受けている患者の4%で報告された。プリナブリンは、好ましい安全プロファイルを有する;それぞれ、30mg/mおよび20mg/mプリナブリンを受けている患者の20%および5%でグレード3一過性高血圧症が最も顕著に見られた。
【0025】
ドセタキセル誘発性好中球減少症の緩和のために、プリナブリンは効果的であり得る。ドセタキセル投与の同日(投与後おおよそ30分または1時間)に点滴静注により投与して、プリナブリンを、サイクル毎に決定される単回用量で与えることができる。プリナブリンは、効果的、安全(ずっと少ない骨痛)、対費用効果が高く、ドセタキセル誘発性好中球減少症予防のためのG-CSFの便利な代替手段である可能性を有する。
【0026】
プリナブリンおよびG-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムまたはフィルグラスチム)は、化学療法中に発症する好中球減少症を治療または予防するために相乗的に作用することができる。化学療法は、化学療法薬または放射線療法を使用する治療を含むことができる。プリナブリンおよびG-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムまたはフィルグラスチム)の組合せは、化学療法誘発性重度好中球減少症の治療、治療中の患者の好中球数の維持、およびより効果的に行われる化学療法を可能とする助けとなり得る。加えて、プリナブリンおよびG-CSF製剤の投与は、重度好中球減少症期間の短縮および好中球絶対数を正常範囲内に維持する助けとなり得る。
【0027】
定義
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本
開示が属する技術分野の当業者によって通常に理解されるのと同じ意味を有する。全ての特許、出願、出願公開、および他の出版物は、その全文を参照することにより組み入れられる。本明細書中の用語に対して複数の定義がある場合、別段に指定されない限り、本セクション中のものが優先する。
【0028】
本明細書で使用されるとき、「対象」は、ヒトまたは非ヒト哺乳類、例えば、イヌ、ネコ、マウス、ラット、雌ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、非ヒト霊長類またはトリ、例えば、ニワトリ、ならびに他の脊椎動物または無脊椎動物を意味する。
【0029】
用語「哺乳類」は、その通常の生物学的意味で使用される。したがって、詳細には、サル(チンパンジー、類人猿、サル)およびヒトを含む霊長類、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウサギ、イヌ、ネコ、げっ歯類、ラット、マウス、モルモットなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書で使用されるとき、「効果量」または「治療効果量」は、疾病もしくは病態の徴候の1つ以上の発症の可能性をある程度軽減、または低減するのに効果的であり、疾病もしくは病態を治癒することを含む治療薬の量を表す。
【0031】
本明細書で使用されるとき、「治療する」、「治療」、または「治療すること」は、予防および/または治療目的のために、対象に化合物または医薬組成物を投与することを表す。用語「予防的治療」は、疾病もしくは病態の徴候を未だ示していないが、特定の疾病もしくは病態にかかり易い、さもなければその危険にさらされている対象を治療して、それによって、治療は、患者が該疾病もしくは病態を発症する可能性を低減することを表す。用語「治療処置」は、疾病または病態を既に罹患している、発症している、または発症しそうである対象に対して治療を行うことを表す。
【0032】
用語「薬剤的に許容可能な塩」は、化合物の生物学的効果および特性を保持し、医薬品における使用に生物学的または他の点で望ましくなくない塩を表す。多くの場合、本明細書に開示されている化合物は、アミノ基および/もしくはカルボン酸基またはこれに類似の基の存在のおかげで酸塩および/または塩基塩を形成することができる。薬剤的に許容可能な酸付加塩を、無機酸および有機酸を用いて形成することができる。塩を誘導することができる無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。塩を誘導することができる有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。薬剤的に許容可能な塩を、無機塩基および有機塩基を使用して形成することもできる。塩を誘導することができる無機塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどを含む塩基が挙げられ、特に好ましくは、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されている化合物と無機塩基との処理は、化合物から反応活性水素の損失をもたらし、Li、Na、K、Mg2+およびCa2+などの無機カチオンを含む塩形態を得る。塩を誘導することができる有機塩基としては、例えば、第一級、第二級、および第三級アミン、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などが挙げられ、特に、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンである。多くのかかる塩は、国際公開第87/05297号、Johnston et al.,published September 11,1987(その全文を参照することにより本明細書に組み入れられる)に記載されているように、当技術分野において公知である。
【0033】
治療方法
プリナブリンは、化学療法関連(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC関連)重度好中球減少症(FNを含む)の寛解または治療に効果的であり得、より良好な安全プロファイルを有する。プリナブリン治療を受けている患者は、他の治療方法(例えば、G-CSF)と比較した場合、サイクル1において、より少ない骨痛、より低い入院頻度、およびグレード4好中球減少症のより低い頻度を示した。加えて、プリナブリン治療は、他の治療方法(例えば、G-CSF)と比較した場合、最小またはより少ない発熱性好中球減少症をもたらした。患者は、プリナブリンの優れた特性のおかげでより良好な生活の質を有することができる。
【0034】
いくつかの実施形態のため、本明細書に記載されている化学療法誘発性好中球減少症の治療において、G-CSFをプリナブリンと共に投与することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、化学療法は、ドセタキセルのみを含み、他の追加の化学療法薬を含まない。いくつかの実施形態では、化学療法は、ドセタキセルを含まない。
【0036】
いくつかの実施形態では、プリナブリンをG-CSFと同時投与し、化学療法または放射線療法により誘発された好中球減少症を軽減、寛解、または予防することができる。いくつかの実施形態では、プリナブリンをG-CSFと同時投与し、好中球産生または増殖を刺激することができる。いくつかの実施形態では、プリナブリンをG-CSFと同時投与し、ドセタキセルを原因とする好中球減少症を軽減、寛解、または予防することができる。好中球減少症予防の効果と合わせて、プリナブリンを受けている患者は、G-CSF治療をあまり必要としない可能性がある。プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、患者の好中球数を継続的に維持し、重度副作用が原因の化学療法を停止するリスクを低減するように相乗的に作用することができる。
【0037】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載されている組成物、および/または医薬組成物と、追加の薬物との同時投与を含む。例えば、上記のように、いくつかの実施形態は、プリナブリンおよび1つ以上のG-CSF製剤の同時投与を含む。「同時投与」は、何時または如何に実際に投与されたかに関わらず、1つ以上の薬剤の投与が、1つ以上の他の薬剤と同時に幅広い効果を有するような方法で、2つ以上の薬剤を投与することを意味する。1つの実施形態では、薬剤を同時に投与する。1つのかかる実施形態では、併用投与を、単回剤形で薬剤を組み合わせることによって行う。別の実施形態では、薬剤を、逐次投与する。1つの実施形態では、薬剤を、経口または静脈内など、同じ経路により投与する。別の実施形態では、薬剤を、経口投与されるものおよび静脈内投与されるもう1つのものなど、異なる経路により投与する。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬剤の投与と同時投与される1つ以上の薬剤の投与との間の時間は、約5分、10分、20分、30分、40分、45分、50分、55分、1時間、65分、70分、75分、90分、2時間、3時間、5時間、8時間、10時間、12時間、15時間、18時間、20時間、24時間、36時間、48時間、3日、4日、5日、6日、7日、10日、14日、21日、28日、または30日であり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬剤の投与と同時投与される1つ以上の薬剤の投与との間の時間は、約1分~5分、1分~10分、1分~20分、1分~30分、1分~40分、1分~50分、1分~1時間、1分~2時間、1分~4時間、1分~6時間、1分~8時間、1分~10時間、1分~12時間、1分~24時間、1分~36時間、1分~48時間、1分~60時間、1分~72時間、5分~10分、5分~20分、5分~30分、5分~40分、5分~50分、5分~1時間、5分~75分、5分~2時間、5分~4時間、5分~6時間、5分~8時間、5分~10時間、5分~12時間、5分~24時間、5分~36時間、5分~48時間、5分~60時間、5分~72時間、10分~20分、10分~30分、10分~40分、10分~50分、10分~1時間、10分~75分、10分~2時間、10分~4時間、10分~6時間、10分~8時間、10分~10時間、10分~12時間、10分~24時間、10分~36時間、10分~48時間、10分~60時間、10分~72時間、30分~40分、30分~50分、30分~1時間、30分~75分、30分~2時間、30分~4時間、30分~6時間、30分~8時間、30分~10時間、30分~12時間、30分~24時間、30分~36時間、30分~48時間、30分~60時間、30分~72時間、1時間~2時間、1時間~4時間、1時間~6時間、1時間~8時間、1時間~10時間、1時間~12時間、1時間~24時間、1時間~36時間、1時間~48時間、1時間~60時間、1時間~72時間、6時間~8時間、6時間~10時間、6時間~12時間、6時間~24時間、6時間~36時間、6時間~48時間、6時間~60時間、6時間~72時間、12時間~24時間、12時間~36時間、12時間~48時間、12時間~60時間、または12時間~72時間の範囲であり得る。
【0038】
プリナブリンとG-CSFとの組合せ治療を受けている患者は、化学療法(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)用量低減を、必要とする可能性が低い。プリナブリンの安全プロファイルは、ドセタキセル誘発性好中球減少症を治療または寛解するために使用する他の薬剤(例えば、G-CSF治療)より良好である。
【0039】
プリナブリンとG-CSFとの組合せ治療を受けている患者は、次の状態の少なくとも1つを示すことができる:1)グレード4好中球減少症(好中球絶対数[ANC]<0.5×10/L)のより低い罹患率;2)発熱性好中球減少症(FN)(ANC<0.5×10/Lおよび体温≧38.3℃)のより低い罹患率;3)治療サイクル中のより高い好中球数;4)サイクル1~4における確認された感染のより低い罹患率;5)治療サイクル中のFNが原因のより低い罹患率およびより短い入院期間、ならびにより低い死亡率;6)より良好な健康に関連した生活の質;7)より短い重度好中球減少症期間;7)正常範囲内の好中球数の維持および好中球数の上記正常範囲のオーバーシュート予防。G-CSF治療(例えば、ペグフィルグラスチムまたはフィルグラスチム)と比較した場合、プリナブリン治療は、より低い抗生物質使用頻度、より低いドセタキセル投与遅延頻度、用量低減、および/または投与中断、有害事象(AE)/重篤有害事象(SAE)のより低い罹患率、発症、および重症度、骨痛のより低い罹患率、発症、および重症度、より良好な全身寛容(身体検査および安全臨床検査)を示した。
【0040】
いくつかの実施形態では、好中球減少症の治療は、好中球減少症の可能性または罹患率の低減、好中球減少症期間の低減、および/または対象の平均好中球数を化学療法治療に許容可能な範囲内に維持することを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、プリナブリンを使用して、骨痛発症の罹患率を低減することができる。いくつかの実施形態では、プリナブリンを使用して、骨痛の期間を短縮することができる。いくつかの実施形態では、骨痛は、G-CSF製剤により誘発される。
【0042】
いくつかの実施形態では、プリナブリンを使用して、G-CSFの免疫抑制作用を軽減することができる。いくつかの実施形態では、免疫抑制作用は、G-CSF製剤を原因とする。いくつかの実施形態では、プリナブリンを使用して、化学療法または放射線療法中、G-CSF製剤誘発性免疫抑制作用を軽減することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、プリナブリンを使用して、化学療法を受けている患者におけるNLR値(好中球絶対数とリンパ球絶対数との比)を低減することができる。いくつかの実施形態では、プリナブリンを使用して、化学療法中にG-CSF製剤を受けている患者のNLR値を低減することができる。いくつかの実施形態では、患者のNLR値は、5より小さい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている方法は、5超のNLR
値を有する患者の罹患率を低下することができる。5超のNLRは、低い生存期間に関する負の予測因子である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている方法は、5超のNLR値を有する患者の罹患率を低下することができ、罹患率は少なくとも10%低下する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている方法は、5超のNLR値を有する患者の罹患率を低下することができ、罹患率は少なくとも10%、20%、30%、40%、または50%低下する。
【0044】
いくつかの実施形態では、プリナブリンを使用して、化学療法を受けている患者におけるLMR値(リンパ球絶対数と単球絶対数との比)を低減することができる。いくつかの実施形態では、患者にG-CSF製剤も投与する。3.6未満のLMRは、低い生存期間に関する負の予測因子である。
【0045】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている方法は、G-CSF治療を受けた後に骨痛を発症するまたは発症する危険がある患者を特定することを含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、化学療法は、メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシン、シスプラチン、MVAC(メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシンおよびシスプラチン)、ドセタキセル、トラスツズマブ、シクロホスファミド、パクリタキセル、ドーズデンス(dose-dense)AC次いでT(すなわち、ドキソルビシン、シクロホスファミド、パクリタキセル)、TAC(ドセタキセル、ドキソルビシン、シクロホスファミド)、フルオロウラシル、ブレオマイシン、エトポシド、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾン、BEACOPP(ブレオマイシン、エトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾン)、ゲムシタビン、イホスファミド、カルボプラチン、ICE(イホスファミド、カルボプラチン、エトポシド)、リツキシマブ、RICE(リツキシマブ、イホスファミド、カルボプラチン、エトポシド)、CHOP-14(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン)、メスナ、ノバントロン、MINE(メスナ、イホスファミド、ノバントロン、エトポシド)、デキサメタゾン、シタラビン、DHAP(デキサメタゾン、シスプラチン、シタラビン)、メチルプレドニゾロン、ESHAP(エトポシド、メチルプレドニゾロン、シスプラチン、シタラビン)、HyperCVADおよびリツキシマブ(シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン、リツキシマブ)、ダカルバジン、ビンブラスチン、ダカルバジン系合剤(ダカルバジン、シスプラチン、ビンブラスチン)、IL-2およびインターフェロンαを含むダカルバジン系合剤(ダカルバジン、シスプラチン、ビンブラスチン、IL-2、インターフェロンα)、トポテカン、MAID(メスナ、ドキソルビシン、イホスファミン、ダカルバジン)、VeIP(ビンブラスチン、イホスファミド、シスプラチン)、VIP(エトポシド、イホスファミド、シスプラチン)、TIP(パクリタキセル、イホスファミド、シスプラチン)、ゲムシタビン、CMFクラシック(シクロホスファミド、メトトレキサート、フルオロウラシル)、AC(ドキソルビシン、シクロホスファミド)、FEC(フルオロウラシル、エピルビシン、シクロホスファミド)、TC(ドセタキセル、シクロホスファミド)、シスプラチン/トポテカン、パクリタキセル/シスプラチン、イリノテカン、FOLFOX(フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン)、イリノテカン/シスプラチン、エピルビシン/シスプラチン/5-フルオロウラシル、エピルビシン/シスプラチン/カペシタビン、DT-PACE(デキサメタゾン/サリドマイド/シスプラチン/ドキソルビシン/シクロホスファミド/エトポシド)、ET-PACEおよびボルテゾミブ、EPOCH(エトポシド、プレドニゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン)、GDP(ゲムシタビン、デキサメタゾン、シスプラチン)、GDPおよびリツキシマブ、FMR(フルダラビン、ミトキサントロン、リツキシマブ、CHOPおよびリツキシマブ(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、リツキシマブ)、シスプラチン/パクリタキセル、シスプラチン/ビノレルビン、シスプラチン/ドセタキセル、シスプラチン/エトポシド、カルボプラチン/パクリタキセル、カルボプラチン/ドセタキセル、FOLFIRINOX(5-FU/ロイコボリン、イリノテカンおよびオキサリプラチン)、カバジタキセル、エトポシド/カルボプラチン、エトポシド/シスプラチンから成る群から選択される1つ以上の薬剤を独立して含むことができる。いくつかの実施形態では、化学療法は、メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシン、シスプラチン、ドセタキセル、トラスツズマブ、シクロホスファミド、パクリタキセル、フルオロウラシル、ブレオマイシン、エトポシド、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾン、ゲムシタビン、イホスファミド、カルボプラチン、メスナ、ノバントロン、シタラビン、メチルプレドニゾロン、リツキシマブ、ダカルバジン、ビンブラスチン、トポテカン、ゲムシタビン、イリノテカン、エピルビシン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ボルテゾミブ、およびカバジタキセルから成る群から選択される1つ以上の薬剤を独立して含むことができる。いくつかの実施形態では、化学療法は、タキサンを含まない。いくつかの実施形態では、化学療法は、ドセタキセル単独を含まない。いくつかの実施形態では、化学療法が1つより多い化学療法薬を投与することを含む場合、化学療法薬の少なくとも1つはタキサンではない。いくつかの実施形態では、化学療法が1つより多い化学療法薬を投与することを含む場合、化学療法薬の少なくとも1つはドセタキセルではない。いくつかの実施形態では、化学療法が1つのみの化学療法薬を含む場合、化学療法はタキサンではない。いくつかの実施形態では、化学療法が1つのみの化学療法薬を含む場合、化学療法はドセタキセルではない。いくつかの実施形態では、化学療法は、ドセタキセル、ドキソルビシンおよびシクロホスファミド(TAC);ドセタキセルおよびシクロホスファミド(TC);ドキソルビシンおよびシクロホスファミド(AC);ドセタキセルおよびドキソルビシン(TA);ドセタキセル;ドキソルビシン;またはシクロホスファミドを投与することを含む。いくつかの実施形態では、化学療法は、ドセタキセル、ドキソルビシンおよびシクロホスファミド(TAC)を投与することを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、化学療法は、メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシン、シスプラチン、MVAC(メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシンおよびシスプラチン)、トラスツズマブ、シクロホスファミド、ドーズデンス(dose-dense)AC次いでT(すなわち、ドキソルビシン、シクロホスファミド、パクリタキセル)、フルオロウラシル、ブレオマイシン、エトポシド、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾン、BEACOPP(ブレオマイシン、エトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾン)、ゲムシタビン、イホスファミド、カルボプラチン、ICE(イホスファミド、カルボプラチン、エトポシド)、リツキシマブ、RICE(リツキシマブ、イホスファミド、カルボプラチン、エトポシド)、CHOP-14(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン)、メスナ、ノバントロン、MINE(メスナ、イホスファミド、ノバントロン、エトポシド)、デキサメタゾン、シタラビン、DHAP(デキサメタゾン、シスプラチン、シタラビン)、メチルプレドニゾロン、ESHAP(エトポシド、メチルプレドニゾロン、シスプラチン、シタラビン)、HyperCVADおよびリツキシマブ(シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン、リツキシマブ)、ダカルバジン、ビンブラスチン、ダカルバジン系合剤(ダカルバジン、シスプラチン、ビンブラスチン)、IL-2およびインターフェロンαを含むダカルバジン系合剤(ダカルバジン、シスプラチン、ビンブラスチン、IL-2、インターフェロンα)、トポテカン、MAID(メスナ、ドキソルビシン、イホスファミン、ダカルバジン)、VeIP(ビンブラスチン、イホスファミド、シスプラチン)、VIP(エトポシド、イホスファミド、シスプラチン)、TIP(パクリタキセル、イホスファミド、シスプラチン)から成る群から選択される1つ以上の薬剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、ゲムシタビン、CMFクラシック(シクロホスファミド、メトトレキサート、フルオロウラシル)、AC(ドキソルビシン、シクロホスファミド)、FEC(フルオロウラシル、エピルビシン、シクロホスファミド)、シスプラチン/トポテカン、パクリタキセル/シスプラチン、イリノテカン、FOLFOX(フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン)、イリノテカン/シスプラチン、エピルビシン/シスプラチン/5-フルオロウラシル、エピルビシン/シスプラチン/カペシタビン、DT-PACE(デキサメタゾン/サリドマイド/シスプラチン/ドキソルビシン/シクロホスファミド/エトポシド)、ET-PACEおよびボルテゾミブ、EPOCH(エトポシド、プレドニゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン)、GDP(ゲムシタビン、デキサメタゾン、シスプラチン)、GDPおよびリツキシマブ、FMR(フルダラビン、ミトキサントロン、リツキシマブ、CHOPおよびリツキシマブ(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン、リツキシマブ)、シスプラチン/パクリタキセル、シスプラチン/ビノレルビン、シスプラチン/エトポシド、カルボプラチン/パクリタキセル、FOLFIRINOX(5-FU/ロイコボリン、イリノテカンおよびオキサリプラチン)、カバジタキセル、エトポシド/カルボプラチン、エトポシド/シスプラチン。いくつかの実施形態では、化学療法は、メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシン、シスプラチン、トラスツズマブ、シクロホスファミド、フルオロウラシル、ブレオマイシン、エトポシド、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾン、ゲムシタビン、イホスファミド、カルボプラチン、メスナ、ノバントロン、シタラビン、メチルプレドニゾロン、リツキシマブ、ダカルバジン、ビンブラスチン、トポテカン、ゲムシタビン、イリノテカン、エピルビシン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、およびボルテゾミブから成る群から選択される1つ以上の薬剤を含むことができる。
【0048】
いくつかの実施形態は、化学療法により誘発される好中球減少症の軽減方法または予防方法であって、方法は、化学療法治療を経験する患者へプリナブリンおよび1つ以上のG-CSF化合物を同時投与することを含む方法に関する。いくつかの実施形態は、ドセタキセルにより誘発される好中球減少症の軽減方法または予防方法であって、方法は、ドセタキセル治療を経験する患者へプリナブリンおよび1つ以上のG-CSF化合物を同時投与することを含む方法に関する。
【0049】
タキソテール、アドリアマイシンおよびシクロホスファミド(TAC)、ならびにタキソテールおよびシクロホスファミド(TC)などの化学療法も、重度好中球減少症を引き起こし得る。TACは、FNを引き起こす高いリスク(>20%)を有する。いくつかの実施形態では、TAC化学療法中、ドキソルビシン成分を除き、TA化学療法薬を投与する。例えば、TAC化学療法中、サイクル2~4において、研究者の裁量でドキソルビシン成分を除いてもよく、すなわち、TACの代わりにTCを投与してよい。いくつかの実施形態は、TACまたはTCにより誘発される好中球減少症の軽減方法または予防方法であって、方法は、ドセタキセル治療を経験する患者へプリナブリンを投与することを含む方法に関する。いくつかの実施形態では、化学療法は、TACのみを含み、他の追加の化学療法薬を含まない。いくつかの実施形態では、化学療法は、TCのみを含み、他の追加の化学療法薬を含まない。いくつかの実施形態では、TACの投与スケジュールは、1日目:ドキソルビシン50mg/m静脈内、次いでシクロホスファミド500mg/m静脈内、次いで1時間の間隔後ドセタキセル75mg/m静脈内を含む。いくつかの実施形態では、TCの投与スケジュールは、1日目:ドセタキセル75mg/m静脈内、次いでシクロホスファミド600mg/m静脈内を含む。
【0050】
プリナブリンは、化学療法(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)から生じる好中球減少の予防、治療、または寛解に有用である。
【0051】
いくつかの実施形態は、好中球減少症を引き起こすのに充分な量のドセタキセルを投与されている患者の治療方法であって、方法はプリナブリンおよび1つ以上のG-CSF化合物を同時投与して患者における好中球減少を軽減または予防することを含む方法に関す
る。
【0052】
いくつかの実施形態は、好中球減少症を引き起こすのに充分な量の化学療法薬を投与されている患者の治療方法であって、方法はプリナブリンおよびG-CSFを同時投与して患者における好中球減少を軽減または予防することを含む方法に関する。
【0053】
いくつかの実施形態は、プリナブリンおよびG-CSFを同時投与して、好中球減少症の程度を軽減し、好中球減少症の重度の期間を短縮することに関する。
【0054】
いくつかの実施形態では、患者は、進行性または転移性乳がん、早期乳がん、非小細胞肺がん、抵抗性転移性前立腺がんに罹患している。いくつかの実施形態では、患者は、頭頸部がん、肺がん、胃がん、結腸がん、膵がん、前立腺がん、乳がん、腎がん、膀胱がん、卵巣がん、子宮頸がん、メラノーマ、神経膠芽腫、骨髄性白血病、骨髄腫、リンパ腫、または白血病に罹患している。いくつかの実施形態では、患者は、腎細胞がん、悪性メラノーマ、非小細胞肺がん(NSCLC)、卵巣がん、ホジキンリンパ腫または有棘細胞がんに罹患している。いくつかの実施形態では、患者は、乳がん、結腸がん、直腸がん、肺がん、前立腺がん、メラノーマ、白血病、卵巣がん、胃がん、腎細胞がん、肝臓がん、膵がん、リンパ腫および骨髄腫に罹患する。いくつかの実施形態では、患者は、固形腫瘍または血液がんに罹患している。いくつかの実施形態では、患者は、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、副腎がん、基底および扁平細胞皮膚がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳および脊髄腫瘍、乳がん、子宮頸がん、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、大腸がん、子宮内膜がん、食道がん、眼がん(眼メラノーマおよびリンパ腫)、胆嚢がん、消化管カルチノイド腫瘍、胃腸間質性腫瘍(GIST)、妊娠性絨毛性疾患、ホジキンリンパ腫、カポジ肉腫、腎がん、喉頭および下咽頭がん、白血病、肝がん、肺がん、肺カルチノイド腫瘍、リンパ腫、悪性中皮腫、メラノーマ皮膚がん、メルケル細胞皮膚がん、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、鼻腔および副鼻腔がん、上咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔および中咽頭がん、骨肉腫、卵巣がん、膵がん、前立腺がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、皮膚がん、小細胞肺がん、小腸がん、軟部肉腫、胃がん、精巣がん、胸腺がん、甲状腺がん、子宮肉腫、腟がん、外陰がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、またはウィルムス腫瘍に罹患している。
【0055】
いくつかの実施形態は、進行性または転移性乳がん患者を特定すること;およびプリナブリンの薬剤的効果量およびG-CSF化合物の薬剤的効果量を同時投与することを含む、進行性または転移性乳がんを罹患している対象における化学療法(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)誘発性好中球減少症を治療することに関する。
【0056】
いくつかの実施形態は、非小細胞肺がん患者を特定すること;およびプリナブリンの薬剤的効果量およびG-CSF化合物の薬剤的効果量を同時投与することを含む、非小細胞肺がんを罹患している対象における化学療法(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)誘発性好中球減少症の治療方法に関する。
【0057】
いくつかの実施形態は、ホルモン抵抗性転移性前立腺がん患者を特定すること;およびプリナブリンの薬剤的効果量およびG-CSF化合物の薬剤的効果量を同時投与することを含む、ホルモン抵抗性転移性前立腺がんを罹患している対象における化学療法(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)誘発性好中球減少症の治療方法に関する。
【0058】
いくつかの実施形態では、好中球減少症は、発熱性好中球減少症である。いくつかの実施形態では、好中球減少症は、薬剤誘発性好中球減少症である。いくつかの実施形態では、好中球減少症は、タキサン誘発性好中球減少症である。
【0059】
いくつかの実施形態は、プリナブリンおよびG-CSFを同時投与することを含む、好中球生存の刺激方法であって、プリナブリンを約1mg/m~約50mg/mの範囲の投与量で投与する方法に関する。いくつかの実施形態は、プリナブリンおよび1つ以上のG-CSF化合物を同時投与することを含む、好中球生存の刺激方法に関する。
【0060】
いくつかの実施形態では、G-CSF製剤を、オンボディ型インジェクター(例えば、Onpro(登録商標)オンボディ型インジェクター)を使用して投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF製剤を皮下投与する。
【0061】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている方法は、患者の好中球絶対数をモニターすることを更に含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている方法は、患者が約1.5×10/L、約1.0×10/L、または約0.5×10/L未満である好中球絶対数を有する場合、患者の好中球絶対数をモニターすることと、G-CSF製剤を投与することとを更に含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、プリナブリンを、好中球減少症を治療するためにG-CSFと同時投与する場合、患者は、500未満の好中球/mclの好中球絶対数(ANC)または1000未満の好中球/mclのANCを有し、次の48時間にわたって500以下の好中球/mclの減少が予測される。いくつかの実施形態では、プリナブリンを、100未満の好中球/mclのANCを有する患者において好中球減少症を治療するためにG-CSFと同時投与する。いくつかの実施形態では、プリナブリンを、500未満の好中球/mclのANCを有する患者において好中球減少症を治療するためにG-CSFと同時投与する。いくつかの実施形態では、プリナブリンを、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100または50未満の好中球/mclのANCを有する患者において好中球減少症を治療するためにG-CSFと同時投与する。いくつかの実施形態では、プリナブリンをG-CSFと同時投与して、約1000~100、900~100、800~100、700~100、600~100、500~100、400~100、300~100、200~100、1000~200、900~200、800~200、700~200、600~200、500~200、400~200、300~200、1000~300、900~300、800~300、700~300、600~300、500~300、400~300、1000~400、900~400、800~400、700~400、600~400、500~400、1000~500、900~500、800~500、700~500、または600~500好中球/mclの範囲のANCを有する患者における好中球減少症を治療する。
【0063】
いくつかの実施形態では、体表面積に対して約1~50mg/mの範囲の用量でプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、体表面積に対して約20mg/m未満の用量でプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、体表面積に対して約10~30または約15~25mg/mの範囲の用量でプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、プリナブリンを、約1~2、1~3、1~4、1~5、1~6、1~7、1~8、1~9、1~10、1~11、1~12、1~13、1~13.75、1~14、1~15、1~16、1~17、1~18、1~19、1~20、1~22.5、1~25、1~27.5、1~30、1.5~2、1.5~3、1.5~4、1.5~5、1.5~6、1.5~7、1.5~8、1.5~9、1.5~10、1.5~11、1.5~12、1.5~13、1.5~13.75、1.5~14、1.5~15、1.5~16、1.5~17、1.5~18、1.5~19、1.5~20、1.5~22.5、1.5~25、1.5~27.5、1.5~30、2.5~2、2.5~3、2.5~4、2.5~5、2.5~6、2.5~7、2.5~8、2.5~9、2.5~10、2.5~11、2.5~12、2.5~13、2.5~13.75、2.5~14、2.5~15、2.5~16、2.5~17、2.5~18、2.5~19、2.5~20、2.5~22.5、2.5~25、2.5~27.5、2.5~30、2.5~7.5、3~4、3~5、3~6、3~7、3~8、3~9、3~10、3~11、3~12、3~13、3~13.75、3~14、3~15、3~16、3~17、3~18、3~19、3~20、3~22.5、3~25、3~27.5、3~30、3.5~6.5、3.5~13.75、3.5~15、2.5~17.5、4~5、4~6、4~7、4~8、4~9、4~10、4~11、4~12、4~13、4~13.75、4~14、4~15、4~16、4~17、4~18、4~19、4~20、4~22.5、4~25、4~27.5、4~30、5~6、5~7、5~8、5~9、5~10、5~11、5~12、5~13、5~13.75、5~14、5~15、5~16、5~17、5~18、5~19、5~20、5~22.5、5~25、5~27.5、5~30、6~7、6~8、6~9、6~10、6~11、6~12、6~13、6~13.75、6~14、6~15、6~16、6~17、6~18、6~19、6~20、6~22.5、6~25、6~27.5、6~30、7~8、7~9、7~10、7~11、7~12、7~13、7~13.75、7~14、7~15、7~16、7~17、7~18、7~19、7~20、7~22.5、7~25、7~27.5、7~30、7.5~12.5、7.5~13.5、7.5~15、8~9、8~10、8~11、8~12、8~13、8~13.75、8~14、8~15、8~16、8~17、8~18、8~19、8~20、8~22.5、8~25、8~27.5、8~30、9~10、9~11、9~12、9~13、9~13.75、9~14、9~15、9~16、9~17、9~18、9~19、9~20、9~22.5、9~25、9~27.5、9~30、10~11、10~12、10~13、10~13.75、10~14、10~15、10~16、10~17、10~18、10~19、10~20、10~22.5、10~25、10~27.5、10~30、11.5~15.5、12.5~14.5、7.5~22.5、8.5~32.5、9.5~15.5、15.5~24.5、5~35、17.5~22.5、22.5~32.5、25~35、25.5~24.5、27.5~32.5、2~20、t2.5~22.5、または9.5~21.5mg/体表面積mの範囲の用量で投与する。いくつかの実施形態では、プリナブリンを、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40mg/体表面積mの用量で投与する。いくつかの実施形態では、プリナブリンを、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40mg/体表面積m未満の用量で投与する。いくつかの実施形態では、プリナブリンを、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50mg/体表面積m超の用量で投与する。
【0064】
いくつかの実施形態では、プリナブリンを、治療サイクル毎に単回投与する。いくつかの実施形態では、プリナブリンを、治療サイクル毎に2回以上投与する。いくつかの実施形態では、治療サイクルは、21日治療サイクルである。
【0065】
いくつかの実施形態では、21日治療サイクルにおいて投与されるプリナブリンの総投与量は、約1~50mg/体表面積mの範囲である。いくつかの実施形態では、21日治療サイクルにおいて投与されるプリナブリンの総投与量は、約20mg/体表面積m未満である。いくつかの実施形態では、21日治療サイクルにおいて投与されるプリナブリンの総投与量は、約10~30または約15~25mg/体表面積mの範囲である。いくつかの実施形態では、21日治療サイクルにおいて投与されるプリナブリンの総投与量は、約1~2、1~3、1~4、1~5、1~6、1~7、1~8、1~9、1~10、1~11、1~12、1~13、1~13.75、1~14、1~15、1~16、1~17、1~18、1~19、1~20、1~22.5、1~25、1~27.5、1~30、1.5~2、1.5~3、1.5~4、1.5~5、1.5~6、1.5~7、1.5~8、1.5~9、1.5~10、1.5~11、1.5~12、1.5~13、1.5~13.75、1.5~14、1.5~15、1.5~16、1.5~17、1.5~18、1.5~19、1.5~20、1.5~22.5、1.5~25、1.5~27.5、1.5~30、2.5~2、2.5~3、2.5~4、2.5~5、2.5~6、2.5~7、2.5~8、2.5~9、2.5~10、2.5~11、2.5~12、2.5~13、2.5~13.75、2.5~14、2.5~15、2.5~16、2.5~17、2.5~18、2.5~19、2.5~20、2.5~22.5、2.5~25、2.5~27.5、2.5~30、2.5~7.5、3~4、3~5、3~6、3~7、3~8、3~9、3~10、3~11、3~12、3~13、3~13.75、3~14、3~15、3~16、3~17、3~18、3~19、3~20、3~22.5、3~25、3~27.5、3~30、3.5~6.5、3.5~13.75、3.5~15、2.5~17.5、4~5、4~6、4~7、4~8、4~9、4~10、4~11、4~12、4~13、4~13.75、4~14、4~15、4~16、4~17、4~18、4~19、4~20、4~22.5、4~25、4~27.5、4~30、5~6、5~7、5~8、5~9、5~10、5~11、5~12、5~13、5~13.75、5~14、5~15、5~16、5~17、5~18、5~19、5~20、5~22.5、5~25、5~27.5、5~30、6~7、6~8、6~9、6~10、6~11、6~12、6~13、6~13.75、6~14、6~15、6~16、6~17、6~18、6~19、6~20、6~22.5、6~25、6~27.5、6~30、7~8、7~9、7~10、7~11、7~12、7~13、7~13.75、7~14、7~15、7~16、7~17、7~18、7~19、7~20、7~22.5、7~25、7~27.5、7~30、7.5~12.5、7.5~13.5、7.5~15、8~9、8~10、8~11、8~12、8~13、8~13.75、8~14、8~15、8~16、8~17、8~18、8~19、8~20、8~22.5、8~25、8~27.5、8~30、9~10、9~11、9~12、9~13、9~13.75、9~14、9~15、9~16、9~17、9~18、9~19、9~20、9~22.5、9~25、9~27.5、9~30、10~11、10~12、10~13、10~13.75、10~14、10~15、10~16、10~17、10~18、10~19、10~20、10~22.5、10~25、10~27.5、10~30、11.5~15.5、12.5~14.5、7.5~22.5、8.5~32.5、9.5~15.5、15.5~24.5、5~35、17.5~22.5、22.5~32.5、25~35、25.5~24.5、27.5~32.5、2~20、t2.5~22.5、または9.5~21.5mg/体表面積mの範囲である。いくつかの実施形態では、21日サイクルにおいて投与されるプリナブリンの総投与量は、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40mg/体表面積mである。いくつかの実施形態では、21日サイクルにおいて投与されるプリナブリンの総投与量は、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40mg/体表面積m未満である。いくつかの実施形態では、21日サイクルにおいて投与されるプリナブリンの総投与量は、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50mg/体表面積m超である。
【0066】
いくつかの実施形態では、化学療法(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)治療サイクル(例えば、21日)毎に1回、プリナブリンの単回用量を投与する場合、化学療法の治療サイクル毎に投与されるプリナブリンの総量は、約1~2、1~3、1~4、1~5、1~6、1~7、1~8、1~9、1~10、1~11、1~12、1~13、1~13.75、1~14、1~15、1~16、1~17、1~18、1~19、1~20、1~22.5、1~25、1~27.5、1~30、1.5~2、1.5~3、1.5~4、1.5~5、1.5~6、1.5~7、1.5~8、1.5~9、1.5~10、1.5~11、1.5~12、1.5~13、1.5~13.75、1.5~14、1.5~15、1.5~16、1.5~17、1.5~18、1.5~19、1.5~20、1.5~22.5、1.5~25、1.5~27.5、1.5~30、2.5~2、2.5~3、2.5~4、2.5~5、2.5~6、2.5~7、2.5~8、2.5~9、2.5~10、2.5~11、2.5~12、2.5~13、2.5~13.75、2.5~14、2.5~15、2.5~16、2.5~17、2.5~18、2.5~19、2.5~20、2.5~22.5、2.5~25、2.5~27.5、2.5~30、2.5~7.5、3~4、3~5、3~6、3~7、3~8、3~9、3~10、3~11、3~12、3~13、3~13.75、3~14、3~15、3~16、3~17、3~18、3~19、3~20、3~22.5、3~25、3~27.5、3~30、3.5~6.5、3.5~13.75、3.5~15、2.5~17.5、4~5、4~6、4~7、4~8、4~9、4~10、4~11、4~12、4~13、4~13.75、4~14、4~15、4~16、4~17、4~18、4~19、4~20、4~22.5、4~25、4~27.5、4~30、5~6、5~7、5~8、5~9、5~10、5~11、5~12、5~13、5~13.75、5~14、5~15、5~16、5~17、5~18、5~19、5~20、5~22.5、5~25、5~27.5、5~30、6~7、6~8、6~9、6~10、6~11、6~12、6~13、6~13.75、6~14、6~15、6~16、6~17、6~18、6~19、6~20、6~22.5、6~25、6~27.5、6~30、7~8、7~9、7~10、7~11、7~12、7~13、7~13.75、7~14、7~15、7~16、7~17、7
~18、7~19、7~20、7~22.5、7~25、7~27.5、7~30、7.5~12.5、7.5~13.5、7.5~15、8~9、8~10、8~11、8~12、8~13、8~13.75、8~14、8~15、8~16、8~17、8~18、8~19、8~20、8~22.5、8~25、8~27.5、8~30、9~10、9~11、9~12、9~13、9~13.75、9~14、9~15、9~16、9~17、9~18、9~19、9~20、9~22.5、9~25、9~27.5、9~30、10~11、10~12、10~13、10~13.75、10~14、10~15、10~16、10~17、10~18、10~19、10~20、10~22.5、10~25、10~27.5、10~30、11.5~15.5、12.5~14.5、7.5~22.5、8.5~32.5、9.5~15.5、15.5~24.5、5~35、17.5~22.5、22.5~32.5、25~35、25.5~24.5、27.5~32.5、2~20、2.5~22.5、または9.5~21.5mg/体表面積mの範囲である。いくつかの実施形態では、化学療法の治療サイクル毎に投与されるプリナブリンの総量は、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40mg/体表面積mである。いくつかの実施形態では、化学療法の治療サイクル毎に投与されるプリナブリンの総量は、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40mg/体表面積m未満である。いくつかの実施形態では、化学療法の治療サイクル毎に投与されるプリナブリンの総量は、約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、30.5、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50mg/体表面積m超である。いくつかの実施形態では、化学療法の治療サイクル毎に投与されるプリナブリンの総量は、約20mg/体表面積mである。
【0067】
いくつかの実施形態では、プリナブリンの用量は、約5mg~300mg、5mg~200mg、7.5mg~200mg、10mg~100mg、15mg~100mg、20mg~100mg、30mg~100mg、40mg~100mg、10mg~80mg、15mg~80mg、20mg~80mg、30mg~80mg、40mg~80mg、10mg~60mg、15mg~60mg、20mg~60mg、30mg~60mg、約40mg~60mg、1mg~40mg、1mg~35mg、1mg~30mg、10mg~40mg、10mg~35mg、または20mg~35mgである。いくつかの実施形態では、投与されるプリナブリンは、約20mg~60mg、27mg~60mg、20mg~45mg、または27mg~45mgである。いくつかの実施形態では、投与されるプリナブリンは、約5mg~7.5mg、5mg~9mg、5mg~10mg、5mg~12mg、5mg~14mg、5mg~15mg、5mg~16mg、5mg~18mg、5mg~20mg、5mg~22mg、5mg~24mg、5mg~26mg、5mg~28mg、5mg~30mg、5mg~32mg、5mg~34mg、5mg~36mg、5mg~38mg、5mg~40mg、5mg~42mg、5mg~44mg、5mg~46mg、5mg~48mg、5mg~50mg、5mg~52mg、5mg~54mg、5mg~56mg、5mg~58mg、5mg~60mg、7mg~7.7mg、7mg~9mg、7mg~10mg、7mg~12mg、7mg~14mg、7mg~15mg、7mg~16mg、7mg~18mg、7mg~20mg、7mg~22mg、7mg~24mg、7mg~26mg、7mg~28mg、7mg~30mg、7mg~32mg、7mg~34mg、7mg~36mg、7mg~38mg、7mg~40mg、7mg~42mg、7mg~44mg、7mg~46mg、7mg~48mg、7mg~50mg、7mg~52mg、7mg~54mg、7mg~56mg、7mg~58mg、7mg~60mg、9mg~10mg、9mg~12mg、9mg~14mg、9mg~15mg、9mg~16mg、9mg~18mg、9mg~20mg、9mg~22mg、9mg~24mg、9mg~26mg、9mg~28mg、9mg~30mg、9mg~32mg、9mg~34mg、9mg~36mg、9mg~38mg、9mg~40mg、9mg~42mg、9mg~44mg、9mg~46mg、9mg~48mg、9mg~50mg、9mg~52mg、9mg~54mg、9mg~56mg、9mg~58mg、9mg~60mg、10mg~12mg、10mg~14mg、10mg~15mg、10mg~16mg、10mg~18mg、10mg~20mg、10mg~22mg、10mg~24mg、10mg~26mg、10mg~28mg、10mg~30mg、10mg~32mg、10mg~34mg、10mg~36mg、10mg~38mg、10mg~40mg、10mg~42mg、10mg~44mg、10mg~46mg、10mg~48mg、10mg~50mg、10mg~52mg、10mg~54mg、10mg~56mg、10mg~58mg、10mg~60mg、12mg~14mg、12mg~15mg、12mg~16mg、12mg~18mg、12mg~20mg、12mg~22mg、12mg~24mg、12mg~26mg、12mg~28mg、12mg~30mg、12mg~32mg、12mg~34mg、12mg~36mg、12mg~38mg、12mg~40mg、12mg~42mg、12mg~44mg、12mg~46mg、12mg~48mg、12mg~50mg、12mg~52mg、12mg~54mg、12mg~56mg、12mg~58mg、12mg~60mg、15mg~16mg、15mg~18mg、15mg~20mg、15mg~22mg、15mg~24mg、15mg~26mg、15mg~28mg、15mg~30mg、15mg~32mg、15mg~34mg、15mg~36mg、15mg~38mg、15mg~40mg、15mg~42mg、15mg~44mg、15mg~46mg、15mg~48mg、15mg~50mg、15mg~52mg、15mg~54mg、15mg~56mg、15mg~58mg、15mg~60mg、17mg~18mg、17mg~20mg、17mg~22mg、17mg~24mg、17mg~26mg、17mg~28mg、17mg~30mg、17mg~32mg、17mg~34mg、17mg~36mg、17mg~38mg、17mg~40mg、17mg~42mg、17mg~44mg、17mg~46mg、17mg~48mg、17mg~50mg、17mg~52mg、17mg~54mg、17mg~56mg、17mg~58mg、17mg~60mg、20mg~22mg、20mg~24mg、20mg~26mg、20mg~28mg、20mg~30mg、20mg~32mg、20mg~34mg、20mg~36mg、20mg~38mg、20mg~40mg、20mg~42mg、20mg~44mg、20mg~46mg、20mg~48mg、20mg~50mg、20mg~52mg、20mg~54mg、20mg~56mg、20mg~58mg、20mg~60mg、22mg~24mg、22mg~26mg、22mg~28mg、22mg~30mg、22mg~32mg、22mg~34mg、22mg~36mg、22mg~38mg、22mg~40mg、22mg~42mg、22mg~44mg、22mg~46mg、22mg~48mg、22mg~50mg、22mg~52mg、22mg~54mg、22mg~56mg、22mg~58mg、22mg~60mg、25mg~26mg、25mg~28mg、25mg~30mg、25mg~32mg、25mg~34mg、25mg~36mg、25mg~38mg、25mg~40mg、25mg~42mg、25mg~44mg、25mg~46mg、25mg~48mg、25mg~50mg、25mg~52mg、25mg~54mg、25mg~56mg、25mg~58mg、25mg~60mg、27mg~28mg、27mg~30mg、27mg~32mg、27mg~34mg、27mg~36mg、27mg~38mg、27mg~40mg、27mg~42mg、27mg~44mg、27mg~46mg、27mg~48mg、27mg~50mg、27mg~52mg、27mg~54mg、27mg~56mg、27mg~58mg、27mg~60mg、30mg~32mg、30mg~34mg、30mg~36mg、30mg~38mg、30mg~40mg、30mg~42mg、30mg~44mg、30mg~46mg、30mg~48mg、30mg~50mg、30mg~52mg、30mg~54mg、30mg~56mg、30mg~58mg、30mg~60mg、33mg~34mg、33mg~36mg、33mg~38mg、33mg~40mg、33mg~42mg、33mg~44mg、33mg~46mg、33mg~48mg、33mg~50mg、33mg~52mg、33mg~54mg、33mg~56mg、33mg~58mg、33mg~60mg、36mg~38mg、36mg~40mg、36mg~42mg、36mg~44mg、36mg~46mg、36mg~48mg、36mg~50mg、36mg~52mg、36mg~54mg、36mg~56mg、36mg~58mg、36mg~60mg、40mg~42mg、40mg~44mg、40mg~46mg、40mg~48mg、40mg~50mg、40mg~52mg、40mg~54mg、40mg~56mg、40mg~58mg、40mg~60mg、43mg~46mg、43mg~48mg、43mg~50mg、43mg~52mg、43mg~54mg、43mg~56mg、43mg~58mg、42mg~60mg、45mg~48mg、45mg~50mg、45mg~52mg、45mg~54mg、45mg~56mg、45mg~58mg、45mg~60mg、48mg~50mg、48mg~52mg、48mg~54mg、48mg~56mg、48mg~58mg、48mg~60mg、50mg~52mg、50mg~54mg、50mg~56mg、50mg~58mg、50mg~60mg、52mg~54mg、52mg~56mg、52mg~58mg、または52mg~60mgである。いくつかの実施形態では、プリナブリンの用量は、約5mg、約10mg、約12.5mg、約13.5mg、約15mg、約17.5mg、約20mg、約22.5mg、約25mg、約27mg、約30mg、約35mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、または約200mg超である。いくつかの実施形態では、プリナブリンの用量は、約5mg、約10mg、約12.5mg、約13.5mg、約15mg、約17.5mg、約20mg、約22.5mg、約25mg、約27mg、約30mg、約35mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、または約200mg未満である。
【0068】
いくつかの実施形態では、好中球減少症は、化学療法によって誘発される。腫瘍が抑制下のままであり、レジメンが臨床的に許容される限り、投与期間は複数週治療サイクルであり得る。いくつかの実施形態では、化学療法薬およびプリナブリンを3週間毎に1回投与することができる。いくつかの実施形態では、化学療法薬およびプリナブリンを、毎週1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、4週間毎に1回、5週間毎に1回、または6週間毎に1回投与することができる。いくつかの実施形態では、化学療法薬およびプリナブリンを、週1回、好ましくは3週間(21日)治療サイクルの1日目および8日目の各々に1回投与することができる。いくつかの実施形態では、化学療法薬およびプリナブリンを、週1回、週2回、週3回、週4回、週5回、週6回、または1週間、2週間、3週間
、4週間、もしくは5週間治療サイクル中毎日投与することができる。投与は、治療サイクルにおいて各週の同日または異なる日に行うことができる。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与前にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与と同時にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与後にプリナブリンを投与する。
【0069】
本明細書に記載されているG-CSF製剤としては、短時間作用性または長時間作用性G-CSF製剤の両方が挙げられる。いくつかの実施形態では、長時間作用性G-CSFとしては、徐放効果を得るようにペグ化リンカーまたは他のリンカーを有する薬剤の両方を挙げることができる。いくつかの実施形態では、G-CSF製剤は2週間まで、または化学療法を経験している患者に許容可能なレベルにANCが達するまで、毎日の投与を必要とする短時間作用性薬剤である。いくつかの実施形態では、G-CSF製剤は、毎日の投与を必要としない長時間作用性薬剤である。いくつかの実施形態では、G-CSF製剤は、治療サイクル毎に1回の投与を必要とする長時間作用性薬剤である。いくつかの実施形態では、長時間作用性G-CSF製剤は、ペグフィルグラスチム、エフラペグラスチム、マカフィルグラスチムであり得る。いくつかの実施形態では、短時間作用性G-CSFは、フィルグラスチムであり得る。いくつかの実施形態では、G-CSF製剤は、Neupogen(登録商標)(Amgen)、Tevagrastim(登録商標)(Teva)、Biograstim(登録商標)(CT Arzneimittel)、Ratiograstim(登録商標)(Ratiopharm GmbH))、Zarxio(登録商標)(Sandoz GmbH)、Filgrastim Hexal(登録商標)(Hexal AG)、Neulasta(登録商標)(Amgen)、Granocyte(登録商標)およびNeutrogin(登録商標)(Chugai)、およびNeu-up(登録商標)(Kyowa Hakko)、Rolontis(登録商標)(Spectrum、eflapegrastim)、Aiduo(mecapegfilgrastim、Hengrui)、Fulphila(商標)(pegfilgrastim-jmdb、Mylan)から選択することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、化学療法治療サイクルの間、化学療法薬を、治療サイクル開始時に1回のみ投与し、次いで、プリナブリンおよびG-CSFを、治療サイクル中に1回、2回、3回、4回、5回、または6回同時投与する。いくつかの実施形態では、化学療法治療サイクルの間、化学療法薬を、治療サイクル開始時に1回のみ投与し、次いで、プリナブリンおよびG-CSFを、毎週1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、4週間毎に1回、5週間毎に1回、または6週間毎に1回同時投与する。いくつかの実施形態では、化学療法治療サイクルの間、化学療法薬を、治療サイクル開始時に1回のみ投与し、次いで、プリナブリンおよびG-CSFを、週1回、週2回、週3回、週4回、週5回、週5回、週6回、または1週間、2週間、3週間、4週間、もしくは5週間治療サイクルの間毎日同時投与する。いくつかの実施形態では、化学療法治療サイクルの間、化学療法薬を、治療サイクル開始時に1回のみ投与し、次いで、治療サイクル毎に1回プリナブリンを投与してから、G-CSFを投与し、G-CSF製剤は、長時間作用性G-CSFを使用する場合に治療サイクル毎に1回投与するか、あるいは短時間作用性G-CSFを使用する場合に治療サイクル毎に複数回投与することができる。G-CSF製剤の投与を、化学療法薬投与後≧24時間に行う。いくつかの実施形態では、化学療法治療サイクルの間、化学療法薬を、治療サイクル毎の1日目に1回プリナブリンを投与し、次いで、治療サイクル毎に1回プリナブリンを投与してから、治療サイクル毎の2日目にG-CSFを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法治療が1つより多い化学療法薬を含み、治療サイクルの1日目および2日目に化学療法薬を投与し、第一化学療法薬を投与した後1日目にプリナブリンを投与してから、治療サイクル毎の3日目にG-CSFを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法治療が1つより多い化学療法薬を含み、治療サイクルの1日目、2日目および3日目に化学療法薬を投与し、第一化学療法薬を投与した後1日
目にプリナブリンを投与してから、治療サイクル毎の4日目にG-CSFを投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF製剤を、長時間作用性G-CSFを使用する場合に治療サイクル毎に1回投与するか、あるいは短時間作用性G-CSFを使用する場合に治療サイクル毎に複数回投与することができる。G-CSF製剤の投与を、化学療法薬投与後≧24時間に行う。
【0071】
いくつかの実施形態では、好中球減少症は、ドセタキセルによって誘発される。腫瘍が抑制下のままであり、レジメンが臨床的に許容される限り、投与期間は複数週治療サイクルであり得る。いくつかの実施形態では、ドセタキセルおよびプリナブリンを3週間毎に1回投与することができる。いくつかの実施形態では、ドセタキセルおよびプリナブリンを、毎週1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、4週間毎に1回、5週間毎に1回、または6週間毎に1回投与することができる。いくつかの実施形態では、ドセタキセルおよびプリナブリンを、週1回、好ましくは3週間(21日)治療サイクルの1日目および8日目の各々に1回投与することができる。いくつかの実施形態では、ドセタキセルおよびプリナブリンを、週1回、週2回、週3回、週4回、週5回、週6回、または1週間、2週間、3週間、4週間、もしくは5週間治療サイクル中毎日投与することができる。投与は、治療サイクルにおいて各週の同日または異なる日に行うことができる。いくつかの実施形態では、ドセタキセル投与前にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、ドセタキセル投与と同時にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、ドセタキセル投与後にプリナブリンを投与する。
【0072】
いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFを、化学療法薬投与後に同時投与することができる。プリナブリンおよび/またはG-CSFを化学療法薬投与後に投与する場合、化学療法の最後の化学療法薬を患者に完全に投与した後にプリナブリンおよび/またはG-CSFを投与することを表す。例えば、TAC化学療法の実施後約30分にプリナブリンを投与することは、最後の化学療法薬(例えば、ドセタキセル)の投与後約30分にプリナブリンの投与を始めることを表す。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与後約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、50分、1時間、75分、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、または12時間にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与後約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、50分、1時間、75分、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間未満にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与後約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、50分、1時間、75分、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間超にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与後約1分~5分、1分~10分、1分~15分、1分~20分、1分~25分、1分~30分、1分~45分、1分~1時間、1分~75分、1分~90分、1分~120分、0.25時間~0.5時間、0.25~0.75時間、15分~45分、15分~75分、15分~90分、15分~120分、0.25~1時間、30分~45分、30分~75分、30分~90分、0.5時間~1時間、0.5時間~2時間、0.5時間~2.5時間、1時間~2時間、1時間~3時間、1時間~5時間にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与後30分にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与後約1時間未満にプリナブリンを投与する。
【0073】
いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFを、化学療法薬投与後に投与することができる。プリナブリンおよび/またはG-CSFを化学療法薬投与後に投与する場合、化学療法の最後の化学療法薬を患者に完全に投与した後にプリナブリンおよび/またはG-CSFを投与することを表す。例えば、TAC化学療法の投与後約30分にプリナブリンを投与することは、最後の化学療法薬(例えば、ドセタキセル)の投与後約30分にプリナブリンの投与を始めることを表す。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与後約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、50分、1時間、75分、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、または12時間にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与後約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、50分、1時間、75分、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間未満にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与後約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、50分、1時間、75分、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間超にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与後約1分~5分、1分~10分、1分~15分、1分~20分、1分~25分、1分~30分、1分~45分、1分~1時間、1分~75分、1分~90分、1分~120分、0.25時間~0.5時間、0.25~0.75時間、15分~45分、10分~20分、10~30分、10~40分、10~50分、15分~75分、15分~90分、15分~120分、20分~30分、20分~40分、20分~50分、25分~35分、28分~32分、0.25~1時間、30分~45分、30分~75分、30分~90分、0.5時間~1時間、0.5時間~2時間、0.5時間~2.5時間、1時間~2時間、1時間~3時間、1時間~5時間にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与後約30分にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与後約1時間未満にプリナブリンを投与する。
【0074】
いくつかの実施形態では、G-CSFを、化学療法薬投与後に投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF(短時間作用性G-CSFを使用する場合、G-CSFの第一投与)を、化学療法薬投与後約5時間、10時間、12時間、15時間、20時間、24時間、30時間、36時間、41時間、48時間、または54時間に投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF(短時間作用性G-CSFを使用する場合、G-CSFの第一投与)を、化学療法薬投与後約24時間、30時間、36時間、42時間、48時間、54時間、または60時間未満に投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF(短時間作用性G-CSFを使用する場合、G-CSFの第一投与)を、化学療法薬投与後約10時間、12時間、15時間、20時間、24時間、30時間、36時間、41時間、48時間、または54時間超に投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF(短時間作用性G-CSFを使用する場合、G-CSFの第一投与)を、化学療法薬投与後約10時間~36時間、10時間~48時間、10時間~54時間、24時間~36時間、24時間~48時間、24時間~54時間、または24時間~60時間に投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF(短時間作用性G-CSFを使用する場合、G-CSFの第一投与)を、化学療法薬投与後少なくとも24時間に投与する。
【0075】
いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFを、ドセタキセル投与後に投与する。いくつかの実施形態では、ドセタキセル投与後約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、50分、1時間、75分、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、または12時間にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、ドセタキセル投与後約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、50分、1時間、75分、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間未満にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、ドセタキセル投与後約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、50分、1時間、75分、 1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間超にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、ドセタキセル投与後約1分~5分、1分~10分、1分~15分、1分~20分、1分~25分、1分~30分、1分~45分、1分~1時間、1分~75分、1分~90分、1分~120分、0.25時間~0.5時間、0.25~0.75時間、15分~45分、15分~75分、15分~90分、15分~120分、0.25~1時間、30分~45分、30分~75分、30分~90分、0.5時間~1時間、0.5時間~2時間、0.5時間~2.5時間、1時間~2時間、1時間~3時間、1時間~5時間にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、プリナブリンを、ドセタキセル投与後30分に投与する。いくつかの実施形態では、プリナブリンを、ドセタキセル投与後1時間未満に投与する。
【0076】
いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFを化学療法薬投与前に同時投与する場合、化学療法薬投与前約1分~5分、1分~10分、1分~15分、1分~20分、1分~25分、1分~30分、0.25時間~0.5時間、0.25~0.75時間、0.25~1時間,0.5時間~1時間、0.5時間~2時間、0.5時間~2.5時間、1時間~2時間、1時間~3時間、1時間~5時間にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与前約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、または12時間にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与前約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間未満にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与前約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間超にプリナブリンを投与する。
【0077】
いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFをドセタキセル投与前に同時投与する場合、ドセタキセル投与前約1分~5分、1分~10分、1分~15分、1分~20分、1分~25分、1分~30分、0.25時間~0.5時間、0.25~0.75時間、0.25~1時間,0.5時間~1時間、0.5時間~2時間、0.5時間~2.5時間、1時間~2時間、1時間~3時間、1時間~5時間にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、ドセタキセル投与前約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、または12時間にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、ドセタキセル投与前約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間未満にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、ドセタキセル投与前約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間超にプリナブリンを投与する。
【0078】
いくつかの実施形態では、プリナブリンの注入時間は、約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、50分、1時間、75分、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、または12時間である。いくつかの実施形態では、プリナブリンの注入時間は、約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、50分、1時間、75分、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間未満である。いくつかの実施形態では、プリナブリンの注入時間は、約1分、5分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、50分、1時間、75分、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、または24時間超である。いくつかの実施形態では、プリナブリンの注入時間は、約1分~5分、1分~10分、1分~15分、1分~20分、1分~25分、1分~30分、1分~45分、1分~1時間、1分~75分、1分~90分、1分~120分、0.25時間~0.5時間、0.25~0.75時間、15分~45分、15分~75分、15分~90分、15分~120分、0.25~1時間、30分~45分、30分~75分、30分~90分、0.5時間~1時間、0.5時間~2時間、0.5時間~2.5時間、1時間~2時間、1時間~3時間、1時間~5時間である。いくつかの実施形態では、プリナブリンの注入時間は、単回投与(例えば、5、10、20、または30mg/m未満)において30分である。いくつかの実施形態では、プリナブリンの注入時間は、約1時間である(例えば、20、30、または30mg/m超)。
【0079】
いくつかの実施形態では、プリナブリンをG-CSFと同時投与する場合、治療スケジュールは、化学療法薬投与、次いで、3週間毎に1回のプリナブリンの投与を含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬を投与、次いで、化学療法薬投与後約30分にプリナブリンを投与することを含み、プリナブリンは治療サイクルにおいて3週間毎に1回投与する。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬を投与、次いで、毎週、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、または8週間毎に1回プリナブリンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬を投与、次いで、1週間毎、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、または8週間毎に2回プリナブリンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬を投与、次いで、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、または8週間の治療サイクルにおいて毎週1回プリナブリンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬を投与、次いで、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、または8週間の治療サイクルにおいて毎週2回プリナブリンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬を投与、次いで、21日治療サイクルの1日目、8日目、および15日目にプリナブリンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬投与の全ての投与後にプリナブリンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬投与の最初の投与/サイクル後のプリナブリンの投与、次いで、化学療法薬投与の2回投与、3回投与、4回投与、5回投与、または6回投与毎に続いてプリナブリンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬投与1回おきの投与後にプリナブリンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、化学療法薬投与の2回投与毎、3回投与毎、4回投与毎、5回投与毎、または6回投与毎の後に、プリナブリンを投与する。
【0080】
いくつかの実施形態では、プリナブリンまたはG-CSFの第一投与を、好中球減少症発症が疑われて直ぐにまたは確定されて直ぐに投与する。
【0081】
いくつかの実施形態では、プリナブリンをG-CSFと同時投与する場合、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)の投与、次いで、3週間毎に1回のプリナブリンの投与を含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)を投与、次いで、化学療法薬投与後約30分にプリナブリンを投与することを含み、プリナブリンは治療サイクルにおいて3週間毎に1回投与する。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)を投与、次いで、1週間毎、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、または8週間毎に1回プリナブリンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)を投与、次いで、1週間毎、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、または8週間毎に2回プリナブリンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)を投与、次いで、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、または8週間の治療サイクルにおいて1週間毎に1回プリナブリンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)を投与、次いで、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、または8週間の治療サイクルにおいて1週間毎に2回プリナブリンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)を投与、次いで、21日治療サイクルの1日目、8日目、および15日目にプリナブリンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)の全ての投与後にプリナブリンおよびG-CSFを同時投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)投与の最初の投与後のプリナブリンおよびG-CSFの同時投与、次いで、化学療法薬投与の2回投与、3回投与、4回投与、5回投与、または6回投与毎に続いてプリナブリンおよびG-CSFを同時投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)の1回おきの投与後にプリナブリンおよびG-CSFを同時投与することを含む。いくつかの実施形態では、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)投与の2回投与毎、3回投与毎、4回投与毎、5回投与毎、または6回投与毎の後に、プリナブリンおよび/またはG-CSFを投与する。
【0082】
いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)の投与、次いで、3週間毎に1回のプリナブリンおよびG-CSFの同時投与を含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)を投与、次いで、プリナブリンおよびG-CSFを同時投与することを含み、プリナブリンは治療サイクルにおいて3週間毎に1回投与する。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)を投与、次いで、1週間毎、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、または8週間毎に1回プリナブリンおよびG-CSFを同時投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)を投与、次いで、1週間毎、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、6週間毎、7週間毎、または8週間毎に2回プリナブリンおよびG-CSFを同時投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)を投与、次いで、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、または8週間の治療サイクルにおいて1週間毎に1回プリナブリンおよびG-CSFを同時投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)を投与、次いで、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、または8週間の治療サイクルにおいて1週間毎に2回プリナブリンおよびG-CSFを同時投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)を投与、次いで、21日治療サイクルの1日目、8日目、および15日目にプリナブリンおよびG-CSFを同時投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)の全ての投与後にプリナブリンおよびG-CSFを同時投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)投与の最初の投与後のプリナブリンおよびG-CSFの同時投与、次いで、化学療法薬投与の2回投与、3回投与、4回投与、5回投与、または6回投与毎に続いてプリナブリンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)の1回おきの投与後にプリナブリンおよびG-CSFを同時投与することを含む。いくつかの実施形態では、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)投与の2回投与毎、3回投与毎、4回投与毎、5回投与毎、または6回投与毎の後に、プリナブリンおよびG-CSFを投与する。
【0083】
いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、プリナブリンの最初の用量を投与した後に1つの用量のG-CSFのみを投与し、化学療法治療サイクル毎にプリナブリンの第二投与後にG-CSFを投与しないことを含む。いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、各用量のプリナブリンを投与した後に1つの用量のG-CSFを投与することを含む。いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、プリナブリンを1回投与してから、1週間、2週間、もしくは3週間まで毎日、または患者のANCが化学療法を許容可能なレベルに戻るまでG-CSFを投与することを含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)の全てのサイクル後にプリナブリンおよびG-CSFを同時投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)投与の最初のサイクル後のプリナブリンの投与、次いで、化学療法薬投与の2回サイクル、3回サイクル、4回サイクル、5回サイクル、または6回サイクル毎に続いてプリナブリンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、治療スケジュールは、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)の1回おきのサイクル後にプリナブリンを投与することを含む。いくつかの実施形態では、化学療法薬(例えば、ドセタキセル、TAC、またはTC)投与の2回サイクル毎、3回サイクル毎、4回サイクル毎、5回サイクル毎、または6回サイクル毎の後に、プリナブリンを投与する。
【0085】
レジメンが臨床的に許容される限り、治療サイクルを反復することができる。いくつかの実施形態では、ドセタキセルまたは他の化学療法のための治療サイクルを、n回反復し、nは2~30の範囲の整数である。いくつかの実施形態では、nは、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。いくつかの実施形態では、前の治療サイクル完了直後に新しい治療サイクルを行うことができる。いくつかの実施形態では、前の治療サイクル完了後ある時間後に新しい治療サイクルを行うことができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、グレード3および/または4の好中球減少症の罹患率を、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、10%、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、25%、27.5%、30%、32.5%、35%、37.5%、40%、42.5%、45%、47.5%、50%、52.5%、55%、57.5%、60%、62.5%、65%、67.5%、70%、72.5%、75%、77.5%、80%、82.5%、85%、87.5%、90%、95%、または100%低減することができる。いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、グレード3および/または4の好中球減少症の罹患率を、少なくとも約5%、10%、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、25%、27.5%、30%、32.5%、35%、37.5%、40%、42.5%、45%、47.5%、50%、52.5%、55%、57.5%、60%、62.5%、65%、67.5%、70%、72.5%、75%、77.5%、80%、82.5%、85%、87.5%、90%、95%、または100%低減することができる。いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、グレード3および/または4の好中球減少症の罹患率を、約5%、10%、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、25%、27.5%、30%、32.5%、35%、37.5%、40%、42.5%、45%、47.5%、50%、52.5%、55%、57.5%、60%、62.5%、65%、67.5%、70%、72.5%、75%、77.5%、80%、82.5%、85%、87.5%、90%、95%、または100%未満低減することができる。いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、グレード3および/または4の好中球減少症の罹患率を、約1%~5%、1%~10%、1%~15%、1%~20%、1%~30%、1%~40%、1%~50%、2.5%~10%、2.5%~15%、2.5%~20%、2.5%~30%、5%~10%、5%~15%、5%~20%、5%~30%、5%~40%、10%~40%、12.5%~40%、5%~50%、10%~50%、12.5%~50%、15%~50%、17.5%~50%、20%~50%、25%~50%、27.5%~50%、30%~50%、5%~60%、10%~60%、12.5%~60%、15%~60%、17.5%~60%、20%~60%、25%~60%、27.5%~60%、30%~60%、35%~60%、37.5%~60%、40%~60%、45%~70%、または50%~80%の範囲で低減することができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、グレード3および/または4の好中球減少症の罹患率の低減において、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチム)の使用より約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、225%、250%、275%、300%、350%、400%、450%、または500%効果的であり得る。いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、グレード3および/または4の好中球減少症の罹患率の低減において、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチム)の使用より約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、225%、250%、275%、300%、350%、400%、450%、または500%超効果的であり得る。いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、グレード3および/または4の好中球減少症の罹患率の低減において、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチム)の使用より約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、18
0%、190%、200%、225%、250%、275%、300%、350%、400%、450%、または500%未満効果的であり得る。いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、グレード3および/または4の好中球減少症の罹患率の低減において、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチム)の使用より約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、225%、250%、275%、300%、350%、400%、450%、または500%超効果的であり得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、重度好中球減少症の持続期間を、約1%、2%、3%、4%、5%、10%、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、25%、27.5%、30%、32.5%、35%、37.5%、40%、42.5%、45%、47.5%、50%、52.5%、55%、57.5%、60%、62.5%、65%、67.5%、70%、72.5%、75%、77.5%、80%、82.5%、85%、87.5%、90%、95%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、225%、250%、275%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、700%、800%、900%、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、または16倍短縮することができる。いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、重度好中球減少症の持続期間を、約1%、2%、3%、4%、5%、10%、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、25%、27.5%、30%、32.5%、35%、37.5%、40%、42.5%、45%、47.5%、50%、52.5%、55%、57.5%、60%、62.5%、65%、67.5%、70%、72.5%、75%、77.5%、80%、82.5%、85%、87.5%、90%、95%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、225%、250%、275%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、700%、800%、900%、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、または16倍超短縮することができる。いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、重度好中球減少症の持続期間を、約5%、10%、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、25%、27.5%、30%、32.5%、35%、37.5%、40%、42.5%、45%、47.5%、50%、52.5%、55%、57.5%、60%、62.5%、65%、67.5%、70%、72.5%、75%、77.5%、80%、82.5%、85%、87.5%、90%、95%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、225%、250%、275%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、700%、800%、900%、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、または16倍未満短縮することができる。いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、重度好中球減少症の持続期間を、約5%~10%、5%~20%、5%~30%、5%~40%、5%~50%,5%~60%、5%~70%、5%~80%、5%~100%、5%~2倍、5%~5倍、5%~15倍、20%~10倍、または50%~500%の範囲で短縮することができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、重度好中球減少症の持続期間の短縮において、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチム)より、約5%、10%、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、25%、27.5%、30%、32.5%、35%、37.5%、40%、42.5%、45%、47.5%、50%、52.5%、55%、57.5%、60%、62.5%、65%、67.5%、70%、72.5%、75%、77.5%、80%、82.5%、85%、87.5%、90%、95%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、225%、250%、275%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、700%、800%、900%、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、または16倍効果的であり得る。いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、重度好中球減少症の持続期間の短縮において、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチム)より、約5%、10%、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、25%、27.5%、30%、32.5%、35%、37.5%、40%、42.5%、45%、47.5%、50%、52.5%、55%、57.5%、60%、62.5%、65%、67.5%、70%、72.5%、75%、77.5%、80%、82.5%、85%、87.5%、90%、95%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、225%、250%、275%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、700%、800%、900%、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、または16倍超効果的であり得る。いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、重度好中球減少症の持続期間の短縮において、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチム)より、約5%、10%、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、25%、27.5%、30%、32.5%、35%、37.5%、40%、42.5%、45%、47.5%、50%、52.5%、55%、57.5%、60%、62.5%、65%、67.5%、70%、72.5%、75%、77.5%、80%、82.5%、85%、87.5%、90%、95%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、225%、250%、275%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、700%、800%、900%、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、または16倍未満効果的であり得る。いくつかの実施形態では、プリナブリンおよびG-CSFの同時投与は、重度好中球減少症の持続期間の短縮において、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチム)より、約5%~15倍、20%~10倍、または50%~500%の範囲で効果的であり得る。
【0090】
化学療法後に、プリナブリンおよびG-CSFを同時投与して、好中球減少症を治療または寛解することができる。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムもしくはエフラペグラスチム、または他の長時間作用性G-CSF)の単回用量は、約10mg、約0.3mg~約6mg、約0.1mg~約6mg、0.1mg~約7mg、0.5mg~約10mg、約0.5mg~約8mg、約0.5mg~約7mg、約0.5mg~約6mg、約0.5mg~約5mg、約0.5mg~約4mg、約0.5mg~約3mg、1mg~約100mg、約1mg~約50mg、約1mg~約25mg、約1mg~約15mg、約1mg~約10mg、約1mg~約8mg、約1mg~約7mg、約1mg~約6mg、約1mg~約5mg、約1mg~約4mg、約1mg~約3mg、約2mg~約50mg、約2mg~約25mg、約2mg~約15mg、約2mg~約10mg、約2mg~約10mg、約2mg~約8mg、約2mg~約7mg、約2mg~約6mg、約2mg~約5mg、約2mg~約4mg、約2mg~約3mg、約3mg~約50mg、約3mg~約25mg、約3mg~約15mg、約3mg~約10mg、約3mg~約10mg、約3mg~約8mg、約3mg~約7mg、約3mg~約6mg、約3mg~約5mg、約3mg~約4mg、約4mg~約50mg、約4mg~約25mg、約4mg~約15mg、約4mg~約10mg、約4mg~約6mg、約4mg~約5mg、約5mg~約25mg、約5mg~約15mg、約5mg~約10mg、または約5mg~約8mgの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムもしくはエフラペグラスチム、または他の長時間作用性G-CSF)の単回用量は、0.5mg~約10mg、約0.5mg~約8mg、約0.5mg~約7mg、約0.5mg~約6mg、約0.5mg~約5mg、約0.5mg~約4mg、約0.5mg~約3mg、1mg~約100mg、約1mg~約50mg、約1mg~約25mg、約1mg~約15mg、約1mg~約10mg、約1mg~約8mg、約1mg~約7mg、約1mg~約6mg、約1mg~約5mg、約1mg~約4mg、約1mg~約3mg、約2mg~約50mg、約2mg~約25mg、約2mg~約15mg、約2mg~約10mg、約2mg~約10mg、約2mg~約8mg、約2mg~約7mg、約2mg~約6mg、約2mg~約5mg、約2mg~約4mg、約2mg~約3mg、約3mg~約50mg、約3mg~約25mg、約3mg~約15mg、約3mg~約10mg、約3mg~約10mg、約3mg~約8mg、約3mg~約7mg、約3mg~約6mg、約3mg~約5mg、約3mg~約4mg、約4mg~約50mg、約4mg~約25mg、約4mg~約15mg、約4mg~約10mg、約4mg~約6mg、約4mg~約5mg、約5mg~約25mg、約5mg~約15mg、約5mg~約10mg、または約5mg~約8mgの範囲でフィルグラスチムと同じ量であり得る。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムもしくはエフラペグラスチム、または他の長時間作用性G-CSF)の単回用量は、約3mg~約10mg、もしくは約4mg~約8mg、または本明細書に記載されている範囲でフィルグラスチムの量と同じであってよい。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムもしくはエフラペグラスチム、または他の長時間作用性G-CSF)の単回用量は、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.5mg、約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、約5mg、約5.5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、または約10mg超であってよい。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムもしくはエフラペグラスチム、または他の長時間作用性G-CSF)の単回用量は、約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、約5mg、約5.5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約12.5mg、または約15mg未満であってよい。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムもしくはエフラペグラスチム、または他の長時間作用性G-CSF)の単回用量は、約0.5mg、約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、約5mg、約5.5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、または約10mgであってよい。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムもしくはエフラペグラスチム、または他の長時間作用性G-CSF)の単回用量は、約6mgであってよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、21日治療サイクルにおいて投与されるG-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムもしくはエフラペグラスチム、または他の長時間作用性G-CSF)の総投与量は、0.1mg~約10mg、約0.3mg~約6mg、約0.1mg~約6mg、0.1mg~約7mg、0.5mg~約10mg、約0.5mg~約8mg、約0.5mg~約7mg、約0.5mg~約6mg、約0.5mg~約5mg、約0.5mg~約4mg、約0.5mg~約3mg、1mg~約100mg、約1mg~約50mg、約1mg~約25mg、約1mg~約15mg、約1mg~約10mg、約1mg~約8mg、約1mg~約7mg、約1mg~約6mg、約1mg~約5mg、約1mg~約4mg、約1mg~約3mg、約2mg~約50mg、約2mg~約25mg、約2mg~約15mg、約2mg~約10mg、約2mg~約10mg、約2mg~約8mg、約2mg~約7mg、約2mg~約6mg、約2mg~約5mg、約2mg~約4mg、約2mg~約3mg、約3mg~約50mg、約3mg~約25mg、約3mg~約15mg、約3mg~約10mg、約3mg~約10mg、約3mg~約8mg、約3mg~約7mg、約3mg~約6mg、約3mg~約5mg、約3mg~約4mg、約4mg~約50mg、約4mg~約25mg、約4mg~約15mg、約4mg~約10mg、約4mg~約6mg、約4mg~約5mg、約5mg~約25mg、約5mg~約15mg、約5mg~約10mg、または約5mg~約8mgの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、21日サイクル毎のG-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムもしくはエフラペグラスチム、または他の長時間作用性G-CSF)の総投与量は、0.5mg~約10mg、約0.5mg~約8mg、約0.5mg~約7mg、約0.5mg~約6mg、約0.5mg~約5mg、約0.5mg~約4mg、約0.5mg~約3mg、1mg~約100mg、約1mg~約50mg、約1mg~約25mg、約1mg~約15mg、約1mg~約10mg、約1mg~約8mg、約1mg~約7mg、約1mg~約6mg、約1mg~約5mg、約1mg~約4mg、約1mg~約3mg、約2mg~約50mg、約2mg~約25mg、約2mg~約15mg、約2mg~約10mg、約2mg~約10mg、約2mg~約8mg、約2mg~約7mg、約2mg~約6mg、約2mg~約5mg、約2mg~約4mg、約2mg~約3mg、約3mg~約50mg、約3mg~約25mg、約3mg~約15mg、約3mg~約10mg、約3mg~約10mg、約3mg~約8mg、約3mg~約7mg、約3mg~約6mg、約3mg~約5mg、約3mg~約4mg、約4mg~約50mg、約4mg~約25mg、約4mg~約15mg、約4mg~約10mg、約4mg~約6mg、約4mg~約5mg、約5mg~約25mg、約5mg~約15mg、約5mg~約10mg、または約5mg~約8mgの範囲でフィルグラスチムと同じ量であり得る。いくつかの実施形態では、21日サイクル毎のG-CSF(例えば、ペグフィルグラスチム、エフラペグラスチム、または他の長時間作用性G-CSF)の総投与量は、約3mg~約10mg、もしくは約4mg~約8mg、または本明細書に記載されている範囲でフィルグラスチムの量と同じであってよい。いくつかの実施形態では、21日サイクル毎のG-CSF(例えば、ペグフィルグラスチム、エフラペグラスチム、または他の長時間作用性G-CSF)の総投与量は、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.5mg、約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、約5mg、約5.5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、または約10mg超であってよい。いくつかの実施形態では、21日サイクル毎のG-CSF(例えば、ペグフィルグラスチム、エフラペグラスチム、または他の長時間作用性G-CSF)の総投与量は、約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、約5mg、約5.5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約12.5mg、または約15mg未満であってよい。いくつかの実施形態では、21日サイクル毎のG-CSF(例えば、ペグフィルグラスチム、エフラペグラスチム、または他の長時間作用性G-CSF)の総投与量は、約0.5mg、約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、約5mg、約5.5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、または約10mgであってよい。いくつかの実施形態では、21日サイクル毎のG-CSF(例えば、ペグフィルグラスチム、エフラペグラスチム、または他の長時間作用性G-CSF)の総投与量は、約6mgであってよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、フィルグラスチムまたは他の短時間作用性G-CSF)を、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20μg/kg/日の量で投与することができる。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、フィルグラスチムまたは他の短時間作用性G-CSF)を、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20μg/kg/日超の量で投与することができる。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、フィルグラスチムまたは他の短時間作用性G-CSF)を、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、または50μg/kg/日未満の量で投与することができる。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、フィルグラスチムまたは他の短時間作用性G-CSF)を、約1~5、1~10、1~15、1~20、1~30、2.5~5、2.5~7.5、2.5~10、2.5~15、2.5~20、5~10、5~15、5~20、5~25、または5~30μg/kg/日の量で投与することができる。いくつかの実施形態では、G-CSFを、投与毎に約0.05、0.75、0.1、0.2、0.3、0.4、0.48、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.5、1.75、または2mgの量で投与する。いくつかの実施形態では、G-CSFを、投与毎に約0.05~0.5mg、0.05~1.0mg、0.1~1.0mg、または0.05~2.0mgの範囲で投与する。
【0093】
プリナブリンおよびG-CSFの投与は、化学療法治療によって誘発された重度好中球減少症を予防または治療する助けとなり得る。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムまたはフィルグラスチム)を、化学療法サイクル毎に1回投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムまたはフィルグラスチム)を、細胞傷害性化学療法薬投与後14時間~24時間投与しない。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムまたはフィルグラスチム)を、細胞傷害性化学療法薬投与後24時間前に投与しない。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムまたはフィルグラスチム)の2回の投与を、1週間離して投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムまたはフィルグラスチム)を、1週間または2週間に、週1回、週2回、週3回、週4回、週5回、週6回、週7回投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムまたはフィルグラスチム)を、1週間毎、2週間毎、3週間毎、4週間毎、5週間毎、または6週間毎に1回投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムまたはフィルグラスチム)の1回目の投与を、骨髄抑制化学療法または骨髄抑制照射線量に対する曝露が疑われるかまたは確定して直ぐに投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムまたはフィルグラスチム)を皮下投与する。
【0094】
いくつかの実施形態では、化学療法治療サイクルの間、化学療法薬を、治療サイクル開始時に1回のみ投与し、次いで、プリナブリンおよびG-CSFを、治療サイクル中に1回、2回、3回、4回、5回、または6回同時投与する。いくつかの実施形態では、化学療法治療サイクルの間、化学療法薬を、治療サイクル開始時に1回のみ投与し、次いで、プリナブリンおよびG-CSFを、毎週1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、4週間毎に1回、5週間毎に1回、または6週間毎に1回同時投与する。いくつかの実施形態では、化学療法治療サイクルの間、化学療法薬を、治療サイクル開始時に1回のみ投与し、次いで、プリナブリンおよびG-CSFを、週1回、週2回、週3回、週4回、週5回、週5回、週6回、または1週間、2週間、3週間、4週間、もしくは5週間治療サイクルの間毎日同時投与する。
【0095】
いくつかの実施形態では、G-CSFおよびプリナブリンを、3週間毎に1回同時投与または別々に投与することができる。いくつかの実施形態では、G-CSFおよびプリナブリンを、毎週1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、4週間毎に1回、5週間毎に1回、または6週間毎に1回同時投与または別々に投与することができる。いくつかの実施形態では、G-CSFおよびプリナブリンを、週1回同時投与または別々に投与することができる。いくつかの実施形態では、G-CSFおよびプリナブリンを、週1回、週2回、週3回、週4回、週5回、週5回、週6回、または1週間、2週間、3週間、4週間、もしくは5週間治療サイクルの間毎日同時投与または別々に投与することができる。投与は、治療サイクルにおいて各週の同日または異なる日に行うことができる。いくつかの実施形態では、G-CSF投与前にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF投与と同時にプリナブリンを投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF投与後にプリナブリンを投与する。
【0096】
いくつかの実施形態では、プリナブリン投与前にG-CSFを投与する。いくつかの実施形態では、プリナブリン投与と同時にG-CSFを投与する。いくつかの実施形態では
、プリナブリン投与後に、G-CSFを投与する。いくつかの実施形態では、プリナブリン投与後約10時間~約72時間、約20時間~約72時間、約20時間~約70時間、約20時間~約60時間、約20時間~約50時間、約20~約48時間、約20時間~約40時間、約20時間~約36時間、約20時間~約30時間、または約20時間~約24時間にG-CSFを投与する。いくつかのなお更なる実施形態では、プリナブリン投与後48時間以内、24時間以内、または12時間以内にG-CSFを投与する。
【0097】
いくつかの実施形態では、G-CSF(短時間作用性G-CSFを使用する場合、G-CSFの1回目の投与)を、化学療法薬投与後約6時間、12時間、18時間、24時間、36時間、48時間、または72時間に投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF(短時間作用性G-CSFを使用する場合、G-CSFの1回目の投与)を、化学療法薬投与後約12時間、18時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、84時間、96時間、5日、6日、または7日未満に投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF(短時間作用性G-CSFを使用する場合、G-CSFの1回目の投与)を、化学療法薬投与後約1時間~24時間、12時間~36時間、10時間~40時間、24時間~36時間、1日~2日、1日~5日、1日~1週間に投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF(短時間作用性G-CSFを使用する場合、G-CSFの1回目の投与)を、化学療法薬投与後少なくとも約24時間に投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF(短時間作用性G-CSFを使用する場合、G-CSFの1回目の投与)を、化学療法薬投与後少なくとも約48時間に投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF(短時間作用性G-CSFを使用する場合、G-CSFの1回目の投与)を、化学療法薬投与後約24時間に投与する。いくつかの実施形態では、G-CSF(短時間作用性G-CSFを使用する場合、G-CSFの1回目の投与)を、化学療法薬投与後約48時間に投与する。
【0098】
いくつかの実施形態は、化学療法レジメンの1サイクル、2サイクル、3サイクル、4サイクル、5サイクル、6サイクル、またはそれ以上のサイクルの投与を含み、化学療法レジメンの各サイクルは、1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、またはその組合せに1つ以上の化学療法薬を投与すること、1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目またはその組合せにプリナブリンを投与すること、および2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、14日目、またはその組合せに1つ以上のG-CSF製剤を投与することを独立して含む。いくつかの実施形態では、前述の説明による、または本明細書の他の場所のいずれかの説明の化学療法の各サイクルにおいて、独立して、1つ以上の化学療法薬を投与してよい。いくつかの実施形態では、前述の説明による、または本明細書の他の場所のいずれかの説明の化学療法の各サイクルにおいて、独立して、プリナブリンを投与してよい。いくつかの実施形態では、前述の説明による、または本明細書の他の場所のいずれかの説明の化学療法の各サイクルにおいて、独立して、1つ以上のG-CSF製剤を投与してよい。いくつかの実施形態では、化学療法レジメンの各サイクルは、30日まで継続、21日まで継続、14日まで継続、または7日まで継続する。いくつかの実施形態では、化学療法レジメンの各サイクルは、30日継続、21日継続、14日継続、または7日継続する。
【0099】
本明細書に記載されている医薬組成物の投与は、これに限定されないが、経口、舌下、口腔内、皮下、静脈内、鼻腔内、局所、経皮、皮内、腹腔内、筋肉内、肺内、腟内、直腸内、または眼内を含む同様な有用性の役割をする薬剤のための許容可能な投与方法のいずれかを経ることができる。好ましい実施形態の対象である適応症の治療において、経口および非経口投与は通例である。
【0100】
医薬組成物
いくつかの実施形態は、プリナブリンを含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態は、約1mg~約100mgのプリナブリンを含む医薬組成物に関する。
【0101】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている組成物を、ドセタキセル治療と組み合わせて投与または使用することができる。
【0102】
他の実施形態は、別々の組成物または同じ組成物でプリナブリン、G-CSF、およびドセタキセルを同時投与することを含む。したがって、いくつかの実施形態は、(a)ドセタキセルまたはその薬剤的に許容可能な塩の安全かつ治療有効量および(b)薬剤的に許容可能な担体、希釈剤、賦形剤またはその組合せを含む第一医薬組成物と;(a)プリナブリンの安全かつ治療有効量および(b)薬剤的に許容可能な担体、希釈剤、賦形剤またはその組合せを含む第二医薬組成物と;ならびに(a)G-CSFの安全かつ治療有効量および(b)薬剤的に許容可能な担体、希釈剤、賦形剤またはその組合せを含む第三医薬組成物と、を含む。いくつかの実施形態は、(a)ドセタキセルまたはその薬剤的に許容可能な塩の安全かつ治療有効量と;(b)プリナブリンの安全かつ治療有効量と;(c)G-CSFの安全かつ治療有効量と;ならびに(d)薬剤的に許容可能な担体、希釈剤、賦形剤またはその組合せと、を含む医薬組成物を含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている医薬組成物は、1つ以上の薬剤的に許容可能な希釈剤を更に含むことができる。いくつかの実施形態では、薬剤的に許容可能な希釈剤は、Kolliphor(登録商標)(ポリエチレングリコール(15)-ヒドロキシステアレート)を含むことができる。いくつかの実施形態では、薬剤的に許容可能な希釈剤は、プロピレングリコールを含むことができる。いくつかの実施形態では、薬剤的に許容可能な希釈剤は、Kolliphor(Kolliphor HS15)およびプロピレングリコールを含むことができる。いくつかの実施形態では、薬剤的に許容可能な希釈剤は、Kolliphorおよびプロピレングリコールを含むことができ、希釈剤の総重量に対してKolliphorは約40重量%であり、プロピレングリコールは約60重量%である。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の他の薬剤的に許容可能な賦形剤を更に含むことができる。
【0104】
Remington’s The Science and Practice of
Pharmacy,21st Ed.,Lippincott Williams &
Wilkins(2005)(その全文を参照することにより本明細書に組み入れられる)に開示されているものなど、本明細書に記載されている医薬組成物を製造するために標準的医薬製剤技術を使用することができる。したがって、いくつかの実施形態は、(a)プリナブリンまたはその薬剤的に許容可能な塩の安全かつ治療有効量と;および(b)薬剤的に許容可能な担体、希釈剤、賦形剤またはその組合せと、を含む医薬組成物を含む。
【0105】
用語「薬剤的に許容可能な担体」または「薬剤的に許容可能な賦形剤」は、いずれかおよび全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。かかる媒体および薬剤的に活性な物質のための薬剤の使用は、当技術分野において周知である。いずれかの従来媒体が有効成分と不親和性である場合を除いて、治療用組成物におけるその使用は期待される。加えて、当技術分野で通常使用されるような様々なアジュバントを含有してよい。医薬組成物中の様々な成分の含有についての考察は、例えば、Gilman et al.(Eds.)(1990);Goodman and Gilman’s: The Pharmacological Basis of Therapeutics,8th Ed.,Pergamon Press(その全文を参照することにより本明細書に組み入れられる)に記載されている。
【0106】
薬剤的に許容可能な担体またはその成分の役割をする物質のいくつかの例は、ラクトース、グルコースおよびショ糖などの糖類;トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン類;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、およびメチルセルロースなどのセルロースおよびその誘導体;トラガント末;麦芽;ゼラチン;タルク;ステアリン酸およびステアリン酸マグネシウムなどの固体潤滑剤;硫酸カルシウム;ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびカカオ脂などの植物油;プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール類;アルギン酸;ツイーン(TWEENS)などの乳化剤;ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤;着色料;香料;錠剤化剤、安定化剤;抗酸化剤;防腐剤;発熱性物質除去水;等張食塩水;ならびにリン酸緩衝液である。
【0107】
本明細書に記載されている組成物を、好ましくは、単位剤形で提供する。本明細書で使用されるとき、「単位剤形」は、適正な医療行為に従って単回投与で動物、好ましくは哺乳類対象への投与に適している化合物または組成物のある量を含む組成物である。しかしながら、単回または単位剤形の製剤は、1日1回または治療過程毎に1回投与することを意味しない。かかる剤形は、1日1回、1日2回、1日3回以上投与すると考えられ、ある時間にわたって(例えば、約30分から約2~6時間まで)点滴で投与してもよく、持続点滴投与してもよく、単回投与は特に排除されないが、治療過程中に1回より多く与えてもよい。製剤は治療の全過程を特に考慮していないことを当業者は認識しているだろうし、かかる製剤よりむしろ治療の当業者はこのような決定を行う。
【0108】
上記のように有用な組成物は、例えば、経口、舌下、口腔内、鼻腔内、直腸内、局所(経皮および皮内を含む)、眼球、脳内、頭蓋内、くも膜下腔内、動脈内、静脈内、筋肉内用投与のための様々な経路、または他の非経口投与経路のための様々な適切な形態のいずれかであってよい。経口および鼻腔用組成物は、吸入により投与され、利用可能な方法を使用して製造される組成物を含むことを当業者は認識するだろう。所望の特定の投与経路に応じて、当技術分野において周知の様々な薬剤的に許容可能な担体を使用してよい。薬剤的に許容可能な担体としては、例えば、固体または液体フィラー、希釈剤、ヒドロトロピー、界面活性剤、およびカプセル化物質が挙げられる。化合物または組成物の活性と実質的に干渉しない薬剤的に活性な物質を必要に応じて含んでよい。化合物または組成物と共に使用される担体量は、化合物の単位投与当たりの投与のための実用量の物質を提供するのに充分である。本明細書に記載されている方法に有用な剤形を製造するための技術および組成物は、次の参考文献(全ては参照により本明細書に組み入れられる)に記載されている:Modern Pharmaceutics,4th Ed.,Chapters 9 and 10(Banker & Rhodes,editors,2002);Lieberman et al.,Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets(1989);およびAnsel,Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms 8th Edition(2004)。
【0109】
錠剤、カプセル剤(例えば、液体ゲルカプセルおよび固体ゲルカプセル)、顆粒剤および混合散剤のような固体形態を含む、様々な経口用剤形を使用することができる。錠剤は圧縮錠剤、湿製錠剤、腸溶錠、糖衣錠、フィルムコーティング錠、または適切な結合剤、潤滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色料、香料、流動剤、および溶融剤を含む多層錠剤であり得る。液体経口用剤形としては、水性溶液、乳剤、懸濁剤、適切な溶媒、防腐剤、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味料、溶融剤、着色料および香料を含む発泡性顆粒剤から投与前に調製された溶液および/または懸濁剤が挙げられる。
【0110】
経口用投与のための単位剤形の製剤に適した薬剤的に許容可能な担体は、当技術分野において周知である。錠剤は、通常、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラ
クトースおよびセルロースなどの不活性希釈剤として従来の薬剤的に適合したアジュバント;デンプン、ゼラチンおよびショ糖などの結合剤;デンプン、アルギニン酸およびクロスカルメロースなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルクなどの潤滑剤を含む。二酸化ケイ素などの流動促進剤を使用して粉末混合物の流動特性を改善することができる。FD&C染料などの着色料を外観のために添加することができる。アスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミント、ショ糖、および果実フレーバーなどの甘味料および香料は、咀嚼錠にとって有用なアジュバントである。カプセル剤は、通常、上記開示されている1つ以上の固体希釈剤を含む。担体成分の選択は、あまり重要でない味、費用、保存性などの二次的考察に依存し、当業者により容易に製造することができる。
【0111】
経口用組成物としては、液剤、乳剤、懸濁剤なども挙げられる。かかる組成物の製剤に適した薬剤的に許容可能な担体は、当技術分野において周知である。シロップ剤、エリキシル剤、乳剤および懸濁剤のための担体の通常成分としては、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液糖、ソルビトールおよび水が挙げられる。懸濁剤のため、典型的な懸濁化剤としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、AVICEL RC-591、トラガントおよびアルギン酸ナトリウムが挙げられ;典型的な湿潤剤としては、レシチンおよびポリソルベート80が挙げられ;典型的防腐剤としてはメチルパラベンおよび安息香酸ナトリウムが挙げられる。経口用液体組成物は、上記開示されている甘味料、香料および着色料などの1つ以上の成分を含んでもよい。
【0112】
対象の組成物を所望の局所適用の近くの胃腸管内に放出されるように、または様々な時間に所望の作用を延長するように、かかる組成物を、従来方法により典型的にpH依存性または時間依存性コーティングで被覆してもよい。かかる剤形は、典型的には、これに限定されないが、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、エチルセルロース、オイドラギットコーティング、ワックスおよびシェラックの1つ以上を含む。
【0113】
本明細書に記載されている組成物は、必要に応じて、他の活性薬剤を含んでよい。
【0114】
対象の化合物の全身送達を達成するために有用な他の組成物としては、舌下、口腔および経鼻用剤形が挙げられる。かかる組成物は、典型的には、ショ糖、ソルビトールおよびマンニトールなどの可溶性充填物質;ならびにアカシア、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの結合剤の1つ以上を含む。上記開示されている流動促進剤、潤滑剤、甘味料、着色料、抗酸化剤および香料を含んでもよい。
【0115】
局所的眼科使用のために製剤された液体組成物を、局所的に眼に投与することができるように製剤する。製剤検討(例えば、薬剤安定性)は、決して最適な快適さを必要としないこともあるが、快適さを可能な限り最大限にしてよい。快適さを最大にすることができない場合、局所的眼科使用のために液体を患者に対して許容することができるように、液剤を製剤してよい。加えて、眼科的に許容可能な液剤を単回使用用にパッケージするか、あるいは複数回の使用にわたって不純物を防止するために防腐剤を含んでよい。
【0116】
眼科用途のため、溶液または薬物を、主媒体として生理食塩水を使用して製剤することが多い。眼科用溶液を、好ましくは、適切な緩衝系を用いて快適なpHに維持してよい。製剤は、従来の薬剤的に許容可能な防腐剤、安定剤および界面活性剤を含んでもよい。
【0117】
本明細書に開示されている医薬組成物において使用してよい防腐剤としては、塩化ベン
ザルコニウム、PHMB、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀および硝酸フェニル水銀が挙げられるが、これらに限定されない。有用な界面活性剤は、例えば、ツイーン80である。同様に、様々な有用な媒体を、本明細書に開示されている眼科用製剤において使用してよい。これらの媒体としては、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよび精製水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0118】
等張化剤を、必要に応じて、または便宜的に添加してよい。等張化剤としては、塩、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトールおよびゼラチン、またはいずれかの他の適切な眼科的に許容可能な等張化剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
得られた製剤が眼科的に許容可能である限り、pHを調節するための様々な緩衝剤および手段を使用してよい。多くの組成物において、pHは4~9であろう。したがって、緩衝剤としては、酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤およびホウ酸緩衝剤が挙げられる。酸または塩基を使用して、必要に応じて、これらの製剤のpHを調節してよい。
【0120】
眼科的に許容可能な酸化防止剤としては、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびブチル化ヒドロキシトルエンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
眼科用製剤中に含んでよい他の賦形剤成分は、キレート剤である。他のキレート剤を代わりに使用してもよく、これと組み合わせて使用してもよいが、有用なキレート剤は、エデト酸二ナトリウム(EDTA)である。
【0122】
局所使用のため、本明細書に開示されている組成物を含むクリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、溶液または懸濁剤、その他を使用する。局所用製剤は、概して、医薬用担体、共溶媒、乳化剤、浸透促進剤、防腐系、および皮膚軟化薬から成り得る。
【0123】
静脈内投与のため、本明細書に記載されている組成物を、生理食塩水またはデキストロース溶液など薬剤的に許容可能な希釈剤中に溶解または分散してよい。適切な賦形剤を、所望のpHを得るために含んでよく、NaOH、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、HCl、およびクエン酸が挙げられるが、これらに限定されない。様々な実施形態では、最終組成物のpHは、2~8、好ましくは4~7の範囲である。酸化防止剤賦形剤としては、重亜硫酸ナトリウム、アセトン-重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウム、スルホキシル酸塩、チオ尿素、およびEDTAを挙げることができる。最終静脈内組成物中に見られる適切な賦形剤の他の非限定的例としては、リン酸ナトリウムまたはカリウム、クエン酸、酒石酸、ゼラチン、およびデキストロース、マンニトール、およびデキストランなどの炭水化物を挙げることができる。更なる許容可能な賦形剤は、Powell,et al.,Compendium of Excipients for Parenteral Formulations,PDA J Pharm Sci and Tech 1998, 52 238-311およびNema et al.,Excipients and Their Role in Approved Injectable Products: Current Usage and Future Directions,PDA J Pharm Sci and Tech 2011,65 287-332(この両方はこれらの全文を参照することにより本明細書に組み入れられる)に記載されている。抗菌剤を静菌性または静真菌性溶液を得るために使用してよく、硝酸フェニル水銀、チメロサール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、フェノール、クレゾール、およびクロロブタノールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0124】
静脈内投与用組成物を、投与直前に、滅菌水、生理食塩水または水中のデキストロースなどの適切な希釈剤で調製する1つ以上の固体の形態で介護者へ提供してよい。他の実施形態では、組成物を、すぐに非経口投与できる溶液で提供する。さらに他の実施形態では、組成物を、投与前に更に希釈する溶液で提供する。本明細書に記載されている化合物および別の薬剤の組合せを投与することを含む実施形態では、組合せを、混合物として介護者へ提供してもよく、介護者が投与前に2つの薬剤を混合してもよく、2つの薬剤を別々に投与してもよい。
【0125】
本明細書に記載されているプリナブリンの実際の用量は、使用される化学療法薬;および治療しようとする病態に依存し;適切な用量の選択は当業者の知識の充分な範囲内である。いくつかの実施形態では、プリナブリンの単回用量は、体表面積当たり約5mg/m~約150mg/m、体表面積当たり約5mg/m~約100mg/m、体表面積当たり約10mg/m~約100mg/m、体表面積当たり約10mg/m~約80mg/m、体表面積当たり約10mg/m~約50mg/m、体表面積当たり約10mg/m~約40mg/m、体表面積当たり約10mg/m~約30mg/m、体表面積当たり約13.5mg/m~約100mg/m、体表面積当たり約13.5mg/m~約80mg/m、体表面積当たり約13.5mg/m~約50mg/m、体表面積当たり約13.5mg/m~約40mg/m、体表面積当たり約13.5mg/m~約30mg/m、体表面積当たり約15mg/m~約80mg/m、体表面積当たり約15mg/m~約50mg/m、または体表面積当たり約15mg/m~約30mg/mであってよい。いくつかの実施形態では、プリナブリンの単回用量は、体表面積当たり約13.5mg/m~約30mg/mであってよい。いくつかの実施形態では、プリナブリンの単回用量は、体表面積当たり約5mg/m、約10mg/m、約12.5mg/m、約13.5mg/m、約15mg/m、約17.5mg/m、約20mg/m、約22.5mg/m、約25mg/m、約27.5mg/m、約30mg/m、約40mg/m、約50mg/m、約60mg/m、約70mg/m、約80mg/m、約90mg/m、または約100mg/m超であってよい。いくつかの実施形態では、プリナブリンの単回用量は、体表面積当たり約5mg/m、約10mg/m、約12.5mg/m、約13.5mg/m、約15mg/m、約17.5mg/m、約20mg/m、約22.5mg/m、約25mg/m、約27.5mg/m、約30mg/m、約40mg/m、約50mg/m、約60mg/m、約70mg/m、約80mg/m、約90mg/m、または約100mg/m未満であってよい。いくつかの実施形態では、プリナブリンの単回用量は、体表面積当たり約5mg/m、約10mg/m、約12.5mg/m、約13.5mg/m、約15mg/m、約17.5mg/m、約20mg/m、約22.5mg/m、約25mg/m、約27.5mg/m、約30mg/m、約40mg/m、約50mg/m、約60mg/m、約70mg/m、約80mg/m、約90mg/m、または約100mg/mであってよい。
【0126】
いくつかの実施形態は、約1mg~100mgのプリナブリンを含む組成物に関する。いくつかの実施形態では、組成物は、約5mg~約300mg、約5mg~約200mg、約7.5mg~約200mg、約10mg~約100mg、約15mg~約100mg、約20mg~約100mg、約30mg~約100mg、約40mg~約100mg、約10mg~約80mg、約15mg~約80mg、約20mg~約80mg、約30mg~約80mg、約40mg~約80mg、約10mg~約60mg、約15mg~約60mg、約20mg~約60mg、約30mg~約60mg、または約40mg~約60mgのプリナブリンを含む。いくつかの実施形態では、プリナブリンまたは他の治療薬の単回用量は、約20mg~約60mg、約27mg~約60mg、約20mg~約45mg、または約27mg~約45mgであってよい。いくつかの実施形態では、プリナブリンまたは他の治療薬の単回用量は、約5mg、約10mg、約12.5mg、約13.5mg、約15mg、約17.5mg、約20mg、約22.5mg、約25mg、約27mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、または約200mg超であってよい。いくつかの実施形態では、プリナブリンまたは他の治療薬の単回用量は、約5mg、約10mg、約12.5mg、約13.5mg、約15mg、約17.5mg、約20mg、約22.5mg、約25mg、約27mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約125mg、約150mg、または約200mg未満であってよい。
【0127】
いくつかの実施形態は、プリナブリンおよび1つ以上のG-CSF製剤を含む医薬組成物に関する。
【0128】
いくつかの実施形態は、本明細書に記載されているプリナブリンの医薬組成物を含む滅菌容器に関する。いくつかの実施形態は、化学療法薬、約1mg~約80mgのプリナブリン、および約0.1mg~約20mgのG-CSFを含むキットであって、化学療法薬、G-CSF、およびプリナブリンを個別の滅菌容器で提供する、キットに関する。
【0129】
いくつかの実施形態では、キット中のプリナブリン量は、50mg未満である。いくつかの実施形態では、滅菌容器中のプリナブリン量は、約10mgである。いくつかの実施形態では、滅菌容器中のプリナブリン量は、約20mgである。いくつかの実施形態では、滅菌容器中のプリナブリン量は、約30mgである。いくつかの実施形態では、滅菌容器中のプリナブリン量は、約40mgである。いくつかの実施形態では、滅菌容器中のG-CSF量は、10mg未満である。いくつかの実施形態では、滅菌容器中のG-CSF量は、約6mgである。いくつかの実施形態では、滅菌容器中のG-CSF量は、約3mgである。いくつかの実施形態では、滅菌容器中のG-CSF量は、約1.5mgである。
【0130】
いくつかの実施形態は、プリナブリン、G-CSF、およびドセタキセルを含むキットを含む。1つの実施形態では、プリナブリン、G-CSF、およびドセタキセルを個別の滅菌容器で提供する。投与直前に調製するための固形物の場合、薬剤を容器に同時に添加してもよく、別のステップにおいて容器中に充填された乾燥粉末であってもよい。いくつかの実施形態では、固形物は滅菌結晶製品である。他の実施形態では、固形物は凍結乾燥物である。
【実施例0131】
実施例1
ドセタキセル骨髄抑制化学療法を受けている固形腫瘍患者におけるプリナブリン対ペグフィルグラスチムを用いた重度好中球減少症を評価するための無作為化二重盲検試験を行った。患者を無作為に次の群に割り当てた(それぞれのサンプルの大きさで):群1:ドセタキセル(75mg/m)+ペグフィルグラスチム(6mg)(n=14);群2:ドセタキセル(75mg/m)+プリナブリン(20mg/m)(n=14);群3:ドセタキセル(75mg/m)+プリナブリン(10mg/m)(n=14);および群4:ドセタキセル(75mg/m)+プリナブリン(5mg/m)(n=13)。試験結果を図1に示す。
【0132】
図1に示されているように、ペグフィルグラスチム群における好中球数は10日後に下降し始めるが、プリナブリン群における好中球数は10日後に再び上昇し始めた。結果は、プリナブリンが化学療法薬によって誘発された好中球減少症の治療において効果的であることを示した。プリナブリンおよびペグフィルグラスチムは好中球減少症の軽減の異なるプロファイルを有し、最下点はペグフィルグラスチムに対してプリナブリンについては異なり、2つの薬剤を組み合わせて好中球数レベルを継続的に維持することができることを示唆している。プリナブリンは、軽減中にANCのオーバーシュートを防止した。結果は、好中球減少症治療に必要なG-CSF製剤またはプリナブリンの量は組合せの付加的効果のおかげで減少し得ることも示唆した。
【0133】
実施例2
G-CSFおよびプリナブリンに関する多施設無作為化試験を行った。フェーズ2部分は無作為化し、非盲検であった。非盲検として試験のフェーズ2部分を完了する決定は、試験実施の複雑さを減らし、G-CSFの翌日投与に対する同日のプリナブリン投与(すなわち、化学療法薬投与の日)のQoLによる評価を可能とするように行った。第一選択の乳がん患者を試験に登録した。
【0134】
患者は、3週間毎(21日)に、ドセタキセル/ドキソルビシン/シクロホスファミドベースの化学療法レジメンの4サイクルまでを受けた。サイクル1の1日目、全患者は、ドセタキセル(75mg/m)、ドキソルビシン(50mg/m)、およびシクロホスファミド(500mg/m)-タキソテール、アドリアマイシンおよびシクロホスファミド(TAC)を受ける。
【0135】
サイクル2~4の間、研究者の裁量においてドキソルビシン成分を除いてもよく、すなわち、TACの代わりにTCを投与することができる。
【0136】
28日スクリーニング期間の間に、全患者の適格性を決定した。
【0137】
プリナブリンがヒトのドセタキセル誘発性好中球減少症に対する有効性を実証し、TACレジメンの2つの他の成分を用いた非臨床試験においてプリナブリンの有益な効果を実証したので、プリナブリンはTACによって誘発された好中球減少症を寛解する助けとなった。
【0138】
フェーズ2(非盲検):フェーズ2では、表2に示されているように群割り当ておよび計画的介入を用いて、患者を群の1つに無作為に割り当てた。
【表2】
【0139】
患者は無作為化され、群1、2、3、および4の各々においてTAC(またはサイクル2~4についてはTC)+ペグフィルグラスチムまたはプリナブリンとペグフィルグラスチムとの組合せを受けた。
【0140】
フェーズ2(非盲検)では、サイクル1~4は、21日毎の1日目に静脈内投与されるTAC(またはサイクル2~4についてはTC)から成った。群2および3の患者は、1日目にTAC(またはサイクル2~4についてはTC)終了後30分に、30分(±5分)間にわたってプリナブリンの単回投与を受けた。各サイクルの2日目(化学療法完了後≧24時間)、群1の患者は、非盲検治療においてペグフィルグラスチム(6.0mg)の単回投与(皮下注射)を受けた。
【0141】
ドセタキセル:ドセタキセルを、75mg/mの用量で投与した。この臨床試験プロトコールにより記載されている用量(75mg/m)で施設プロトコールに従って1時間点滴静注で投与を行った。デキサメタゾン(8mgを毎日2回として1日16mgを投与または施設基準に従って)を、ドセタキセル点滴前の日、点滴の日(1日目)、および点滴後の日(2日目)に与えた。
【0142】
ドキソルビシン:ドキソルビシンを、50mg/mの用量で投与した。ドキソルビシンは、心臓毒性の可能性がある。ドキソルビシンの心臓毒性リスクは、ドキソルビシンの生涯累積投与量と共に増加する。本試験におけるドキソルビシン用量およびスケジュールにおいて、患者は、症候性心機能不全に対する閾値未満の体表面積当たり240mg/mの累積ドキソルビシン投与量を受けた。施設基準に従って、ドキソルビシン心臓毒性について、患者をモニターした。
【0143】
サイクル2~4の間、研究者の裁量においてドキソルビシン成分を除いてもよく、すなわち、TACの代わりにTCを投与することができる。
【0144】
シクロホスファミド:シクロホスファミドを、500mg/mの用量で投与した。
【0145】
TACレジメン:全ての患者は、TAC化学療法の3週サイクルを受けた。各サイクルでは、15分点滴静注として与えられたドキソルビシン(50mg/m)を最初に投与し、次いで直ぐに30分点滴静注として与えられたシクロホスファミド(500mg/m)を投与してから、1時間点滴静注(言及された点滴時間はおおよそである)としてドセタキセル(75mg/m)を投与した。早期乳がんのためのアジュバント治療としてTAC化学療法を受けている患者は、TAC化学療法の4サイクル、研究者の裁量でTAC化学療法の6サイクルまでを受けた(すなわち、プロトコールに基づいた4サイクル完了後、これらの患者はTAC化学療法を受け続けるが、非盲検ペグフィルグラスチムを用いて好中球減少症を予防する)。
【0146】
TACは、FNを引き起こす高いリスク(>20%)を有する。NCCNガイドラインは、TACなどの高リスクレジメンを用いた治療患者において骨髄増殖因子のサポートを用いたルーチン的な一次予防を推奨している。サイクル2~4の間、研究者の裁量においてドキソルビシン成分を除いてもよく、すなわち、TACの代わりにTCを投与してよい。
【0147】
プリナブリンとG-CSF(例えば、ペグフィルグラスチム)との組合せは、好中球減少症の軽減において、驚くべきことに効果的であった。図2は、ペグフィルグラスチム群ならびにプリナブリン(20mg/m)およびペグフィルグラスチム(6mg)群におけるANCメジアンを示す。図2では、プリナブリン(20mg/m)とペグフィルグラスチム(6mg)との組合せは正常範囲内のANC最下点を保持するが、ペグフィルグラスチム群はANC最下点がグレード3/4好中球減少症範囲内であることを示した。
【0148】
試験結果は、プリナブリンとペグフィルグラスチムとの組合せは、重度好中球減少症の罹患率を有意に低減することも示した。図3では、乳がんに対するTAC治療後サイクル1において、ペグフィルグラスチム(6mg)群はグレード3/4好中球減少症発症の81%罹患率を示したが、乳がんに対するTAC治療後サイクル1において、プリナブリン(20mg/m)とペグフィルグラスチム(6mg)との群はグレード3/4好中球減少症発症の50%罹患率を示し、プリナブリン(20mg/m)とペグフィルグラスチム(3mg)との群はグレード3/4好中球減少症発症の57%罹患率を示した。
【0149】
加えて、プリナブリンとペグフィルグラスチムとの組合せは、骨痛発症の罹患率を有意に低減し、骨痛の持続期間も短縮した。図4では、乳がんに対するTAC治療後サイクル1において、ペグフィルグラスチム(6mg)群は骨痛の95%罹患率を示したが、乳がんに対するTAC治療後サイクル1において、プリナブリン(20mg/m)とペグフィルグラスチム(6mg)との群は骨痛の罹患率が6%を示し、プリナブリン(20mg/m)とペグフィルグラスチム(3mg)との群は骨痛の罹患率が33%を示し、プリナブリン(20mg/m)とペグフィルグラスチム(1.5mg)との群は骨痛の罹患率が36%を示した。図5では、乳がんに対するTAC治療後サイクル1において、ペグフィルグラスチム(6mg)群は、少なくとも1日の骨痛を有する患者は90%超を示し、少なくとも2日の骨痛を有する患者80%超を示し、少なくとも3日の骨痛を有する患者ほとんど40%を示した。比較すると、プリナブリン(20mg/m)とペグフィルグラスチム(6mg)との群は、少なくとも1日の骨痛を有する患者は10%未満を示し、少なくとも3日の骨痛を有すると報告された患者はなかった。乳がんに対するTAC治療後サイクル1において、プリナブリン(20mg/m)とペグフィルグラスチム(3mg)との群は少なくとも1日の骨痛を有する患者は40%未満を示し、プリナブリン(20mg/m)とペグフィルグラスチム(1.5mg)との群は骨痛を有する患者は40%未満を示した。
【0150】
試験結果は、リンパ球に対する好中球の比(NLR)およびLMR(単球に対するリンパ球の比)を使用して測定したとき、プリナブリンはペグフィルグラスチムの免疫抑制効果を軽減する効果があった。図6は、様々な治療群において、5超のNLR値を有する患者のパーセンテージを示す。NLR値上昇は、免疫抑制およびがん治療における予後不良に関連することが多い。図6では、乳がんに対するTAC治療後サイクル1において、ペグフィルグラスチム(6mg)群は5超のNRLを有する患者は76%を示したが、プリナブリン(20mg/m)とペグフィルグラスチム(6mg)との群は5超のNRLを有する患者は50%を示し、プリナブリン(20mg/m)とペグフィルグラスチム(3mg)との群は5超のNRLを有する患者は35%を示し、プリナブリン(20mg/m)とペグフィルグラスチム(1.5mg)との群は5超のNRLを有する患者は7%を示した。
【0151】
図7Aは、プリナブリン(20mg/m)単独、プリナブリン(20mg/m)+Neulasta 6mg、およびNeulasta(6mg)において5より大きいNLRを有する患者のパーセンテージを示す。図7Bは、プリナブリン(20mg/m)単独、プリナブリン(20mg/m)+Neulasta 6mg、およびNeulasta(6mg)において3.2未満のLMRを有する患者のパーセンテージを示す。
【表3】

【表4】
【0152】
表4は、ペグフィルグラスチム治療に対する、プリナブリンとペグフィルグラスチムとの組合せの優れたプロファイルを示す。
【0153】
実施例3
フェーズ3の多施設無作為化試験を行う。フェーズ3部分は二重盲検である。180名の乳がん患者の見込み総数を本試験のフェーズ3部に登録することができる。患者は地域(中国および日本対世界のその他の地域)によって層別化する。
【0154】
患者は、3週間毎(21日)に、ドセタキセル/ドキソルビシン/シクロホスファミドベースの化学療法レジメンの4サイクルまでを受ける。サイクル1の1日目、全患者は、ドセタキセル(75mg/m)、ドキソルビシン(50mg/m)、およびシクロホ
スファミド(500mg/m)-タキソテール、アドリアマイシンおよびシクロホスファミド(TAC)を受ける。
【0155】
フェーズ3(二重盲検治療)では、サイクル1~4は、21日毎の1日目に静脈内投与されるTAC(またはサイクル2~4についてはTC)から成る。患者は、TAC(またはサイクル2~4についてはTC)点滴の終了後30分に、二重盲検法で30分(±5分)間にわたってプリナブリンまたはプラセボを静脈内への単回投与を受ける。各サイクルの2日目(化学療法完了後≧24時間)、患者は、二重盲検法でペグフィルグラスチム(6.0mg)またはプラセボの単回投与(皮下注射)を受ける。プリナブリンおよびマッチングプラセボを、同体積で投与する。ペグフィルグラスチムを、単回用量注射器として6mgの用量で投与する。マッチングプラセボを、同体積で投与する。
【0156】
実施例4
G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムまたはフィルグラスチム)およびプリナブリンの組合せを、化学療法または放射線療法によって誘発された好中球減少症の軽減におけるその効果に関して試験する。骨髄抑制化学療法または放射線療法を受けているがん患者を、次の群に割り当てる:群(1)約1mg~25mg(例えば、0.1mg~6mg、1mg~5.5mg、2mg~5.5mg、2mg~4mg、3mg~6mg、3mg~5.5mg、4mg~5.5mg、または6mg未満)の範囲のG-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムまたはフィルグラスチム)と約1mg/m~50mg/m(例えば、1~20、1~30、5~10、5~30、5、10、20、30mg/m)の範囲のプリナブリンとの組合せの投与;群(2)G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムまたはフィルグラスチム)単独の投与;群(3)プリナブリン単独の投与;ならびに群(4)プラセボの投与。
【0157】
プリナブリンまたはマッチングプラセボ:プリナブリンを選択された用量(例えば、1~20、1~30、5~10、5~30、5、10、20、30mg/m)で投与する。1つのコントロール群では、マッチングプラセボを、同体積で投与する。ペグフィルグラスチムまたはマッチングプラセボ:ペグフィルグラスチムを単回用量注射器として選択された用量(例えば、0.1mg~6mg、1mg~5.5mg、2mg~5.5mg、2mg~4mg、3mg~6mg、3mg~5.5mg、4mg~5.5mg、または6mg未満)で皮下投与する。別のコントロール群では、マッチングプラセボを、同体積で投与する。
【0158】
母集団薬物動態法を使用して、化学療法または放射線療法後のプリナブリンおよびペグフィルグラスチムの薬物動態の特性決定をすることができる。薬物動態評価は、試験の様々なサイクルにおける血圧およびDSNを含む。
【0159】
G-CSF(例えば、ペグフィルグラスチムまたはフィルグラスチム)とプリナブリンとの組合せは好中球減少症、特に重症度グレード3/4好中球減少症の罹患率を低減する効果があり、この組合せは患者の好中球数を維持して化学療法治療の継続を可能とすることができることが期待される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリナブリンおよび1つ以上のG-CSF製剤を同時投与することを含む、化学療法誘発性好中球減少症の治療方法。