(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151200
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】巻取機構および試験片回収システム
(51)【国際特許分類】
G01N 3/04 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
G01N3/04 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064417
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 俊介
【テーマコード(参考)】
2G061
【Fターム(参考)】
2G061AA01
2G061AB01
2G061BA01
2G061CA09
2G061CB01
2G061CC18
2G061DA19
(57)【要約】
【課題】伸びた試験片を適切に回収する。
【解決手段】巻取機構(100)は、伸びて破断した試験片(T)を掴んでいるチャック部(61、62、81、82)から前記試験片(T)を巻取って回収する巻取機構(100)であって、前記チャック部(61、62、81、82)に向けて相対的に進退する巻取部(121)を備え、前記巻取部(121)は複数の巻取棒(118)を備え、前記巻取部(121)を回転させて複数の前記巻取棒(118)により前記試験片(T)を巻き取って回収する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸びて破断した試験片を掴んでいるチャック部から前記試験片を巻取って回収する巻取機構であって、前記チャック部に向けて相対的に進退する巻取部を備え、前記巻取部は複数の巻取棒を備え、前記巻取部を回転させて複数の前記巻取棒により前記試験片を巻き取って回収する巻取機構。
【請求項2】
前記巻取部は、前記巻取棒を待機位置と巻取位置との間で進退させる進退機構を備える請求項1に記載の巻取機構。
【請求項3】
前記巻取部は、前記巻取棒を前記巻取位置に進出させた状態で前記試験片を巻取り、前記巻取棒を前記待機位置に後退させる際に前記巻取った前記試験片を前記巻取棒から離脱させる請求項2に記載の巻取機構。
【請求項4】
試験片に引張試験を行う試験装置と、伸びて破断した試験片を前記試験装置から回収する回収装置と、を備える試験片回収システムであって、
前記回収装置のチャック部から前記試験片を巻取って回収する巻取機構を備え、前記巻取機構は、前記回収装置のチャック部に向けて相対的に進退する巻取部を備え、前記巻取部は複数の巻取棒を備え、前記巻取部を回転させて複数の前記巻取棒により前記試験片を巻き取って回収する試験片回収システム。
【請求項5】
前記試験装置は、前記試験片の第1端を掴む第1のチャック部と、前記試験片の第2端を掴む第2のチャック部と、を備え、
前記回収装置は、前記第1のチャック部から破断した前記試験片を回収する第1の回収機構と、前記第2のチャック部から破断した前記試験片を回収する第2の回収機構と、を備え、
前記巻取機構は、前記第1の回収機構および前記第2の回収機構のそれぞれに応じて設けられ、
前記第1の回収機構および前記第2の回収機構のそれぞれは、破断した前記試験片を掴む一対の前記チャック部を有し、
前記巻取機構は、対応する前記一対のチャック部の間に相対的に進退可能に設けられる
請求項4に記載の試験片回収システム。
【請求項6】
前記第1の回収機構および前記第2の回収機構のそれぞれは、前記試験片を回収する回収位置と、回収した前記試験片を廃棄する廃棄位置との間を移動可能に設けられ、
前記第1の回収機構および前記第2の回収機構は、前記試験片が破断する前に、前記回収位置に移動され、
前記試験片が破断した場合に、前記一対のチャック部を開放位置から掴み位置に移動させる
請求項5に記載の試験片回収システム。
【請求項7】
前記回収機構が回収位置に移動した場合に、前記一対のチャック部のそれぞれは、前記試験装置の前記第1のチャック部および前記第2のチャック部のうちの対応するチャック部の内側と外側に配置される
請求項5または6に記載の試験片回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻取機構および試験片回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チャックにより試験片の両端を掴み、試験片の破断試験を行う試験機が知られている。この種の試験機では、試験片回収装置を備えている場合があり、破断後の試験片をチャックから自動的に取り出すことがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、破断後も大きく収縮しないフィルムなどで構成された試験片を回収する構成が記載されている。特許文献1では、チャックに掴まれた試験片を回収チャックで挟んで回収しており、特に下側の試験片については回収時に二つの回収チャックを順に受け渡して搬送することにより試験片を上下反転させて回収している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
試験片の伸びが大きい場合には、破断後の試験片を挟んで搬送するだけでは、伸びた試験片が試験装置や回収装置などに引っ掛かった状態となる恐れがあり、適切に回収できない恐れがあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、伸びた試験片を適切に回収することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一の態様は、伸びて破断した試験片を掴んでいるチャック部から前記試験片を巻取って回収する巻取機構であって、前記チャック部に向けて相対的に進退する巻取部を備え、前記巻取部は複数の巻取棒を備え、前記巻取部を回転させて複数の前記巻取棒により前記試験片を巻き取って回収する巻取機構である。
【0006】
本発明の第二の態様は、試験片に引張試験を行う試験装置と、伸びて破断した試験片を前記試験装置から回収する回収装置と、を備える試験片回収システムであって、前記回収装置のチャック部から前記試験片を巻取って回収する巻取機構を備え、前記巻取機構は、前記回収装置のチャック部に向けて相対的に進退する巻取部を備え、前記巻取部は複数の巻取棒を備え、前記巻取部を回転させて複数の前記巻取棒により前記試験片を巻き取って回収する試験片回収システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、伸びた試験片が試験装置などに引っ掛かっても巻取部で巻き取るため、引っかかった状態を解消できる。また、巻取ることにより伸びた試験片を塊状にして回収し易くできる。よって、伸びた試験片を適切に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る材料試験機を示す正面図である。
【
図2】上チャック、下チャック、下部回収装置、および、上部回収装置の斜視図である。
【
図4】下部回収装置が回収位置に移動した場合の回収機構と下チャックとの位置関係を示す図である。
【
図6】巻取機構が回収機構から試験片を巻き取る場合を示す図である。
【
図7】
図6の続きであって巻取機構が回収機構から試験片を巻き取る場合を示す図である。
【
図8】
図7の続きであって巻取機構が回収機構から試験片を廃棄する場合を示す図である。
【
図9】制御装置の試験片回収処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0010】
[1.実施形態]
図1は、実施形態に係る材料試験機1を示す正面図である。
本実施形態の材料試験機1は、試験片Tに対して試験力としての試験荷重を付与することにより、試験片Tの引張力を自動で測定する材料試験機である。
【0011】
試験片回収システムの一例としての材料試験機1は、試験片供給装置10と、試験装置30と、試験片回収装置50と、制御装置200と、備える。
【0012】
試験片供給装置10は、試験装置30に試験片Tを供給する。本実施の形態では、試験片Tは、引張荷重により伸びて破断し、破断後も大きく収縮しない試験片である。具体的には、試験片Tは、ポリプロピレンフィルムや、ポリエステルフィルム等で製造されたフィルム試験片である。試験片供給装置10は、試験に供する複数の試験片Tを収容する収容機構11と、収容機構11から試験片Tを取り出す取出機構12とを備える。取出機構12は、例えば、掴み具や吸着パッドなどを備えたロボットアームで構成される。取出機構12は、収容機構11に収容された試験片Tを掴み具などにより一片ずつ取り出して保持し、試験装置30に搬送、供給する。取出機構12は、試験片Tを試験装置30の所定位置にセットする。
【0013】
試験装置30は、試験片供給装置10から供給された試験片Tに試験荷重を付与して試験片Tを試験する。
試験装置30は、台座31を有する。台座31の上部にはテーブル32が設けられている。テーブル32には、鉛直方向上方に延びる支柱33が立設されている。支柱33は、材料試験機1の幅方向に一対設けられている。支柱33の上部には、一対の支柱33の間に延びるクロスヨーク34が架け渡されている。支柱33の内部には、図示しないねじ棒が設けられている。ねじ棒はボールネジで構成されている。ねじ棒には、クロスヘッド35の両端が図示しないナットを介して連結されている。クロスヘッド35は、ねじ棒の回転によりテーブル32に対して昇降する。なお、ねじ棒は、図示しないモータにより回転駆動される。
【0014】
クロスヘッド35には、ロードセル36が設置されている。ロードセル36には、継手37が取り付けられる。継手37は、下方に延びている。継手37の下端には、上チャック38が接続されている。上チャック38には、不図示のシリンダ装置が配置されている。不図示のシリンダ装置が作動することにより、上チャック38のチャック歯(試験装置の第1のチャック部)38A、38Bは開閉される。上チャック38のチャック歯38A、38Bには、試験片Tの上端が掴まれる。
【0015】
上チャック38の下方には、下チャック39が配置される。下チャック39は、接手40を介してテーブル32の上面に固定される。下チャック39は、上下対称な点以外は、上チャック38と同様に構成される。下チャック39のチャック歯(試験装置の第2のチャック部)39A、39Bには、試験片Tの下端が掴まれる。試験片Tは、上チャック38と下チャック39の掴む位置に基づく基準位置線L上に配置される。
【0016】
上チャック38及び下チャック39により試験片Tが掴まれた状態で、上チャック38がクロスヘッド35と共に昇降する。これにより、上チャック38と下チャック39との間に掴まれた試験片Tには、引張荷重の試験力が付与される。この際に、ロードセル36は、継手37を介して、上チャック38が付与する試験力を計測する。ロードセル36の計測信号は制御装置200に入力される。
【0017】
上チャック38および下チャック39の後側には、試験片回収装置50が配置されている。試験片回収装置50は、試験装置30から試験片Tを回収する。試験片回収装置50は、下チャック39に対応して設けられた下部回収装置51と、上チャック38に対応して設けられた上部回収装置71と、を備える。
【0018】
図2は、上チャック38、下チャック39、下部回収装置51、および、上部回収装置71の斜視図である。
図3は、下部回収装置51の平面図である。
下部回収装置51は、試験片Tを回収する回収機構(第2の回収機構)52と、回収機構52を下チャック39が掴まれた試験片Tに対向可能に支持する支持機構53とを備える。
支持機構53は、上下方向に延びる固定部材54を備える。固定部材54は、テーブル32に固定されている。固定部材54の上端は、下チャック39に対する高さに対応する。固定部材54の上端には、回転駆動源55が支持される。回転駆動源55は、上下方向に延びる駆動軸55Aを備える。駆動軸55Aには、水平方向に延びる板状の試験片回収アーム56が支持される。試験片回収アーム56の先端には、回収機構52が支持される。
【0019】
回転駆動源55は、回転式のエアシリンダである。回転駆動源55は、正逆駆動可能に構成されている。回転駆動源55が正逆駆動することにより、試験片回収アーム56が駆動軸55Aを回動中心として正逆回動する。これにより、支持機構53では回収機構52が下チャック39に進入する回収位置P2(
図3の破線)と、回収機構52が下チャック39から退避する廃棄位置P1(
図3の実線)との間を移動する。
固定部材54と、回転駆動源55と、試験片回収アーム56とにより、本実施形態の支持機構53が構成される。
本実施形態では、回転駆動源55が、回転式のエアシリンダの構成を説明するが、回転駆動源は、電動モータなどの他の駆動源でもよい。
【0020】
回収機構52は、試験片回収アーム56の先端に固定された上下方向に延びるブロック状の固定体60と、固定体60の上下に設けられた上側の回収チャック部(チャック部)61と下側の回収チャック部(チャック部)62とを備える。回収チャック部61、62では、図示しないエア供給装置が作動することにより、回収チャック部61、62のそれぞれの掴み歯が、互いに接近して試験片Tを掴む掴み位置Q1(
図6参照)と、互いが離間する開放位置Q2(
図7参照)との間を移動可能である。
【0021】
図4は、下部回収装置51が回収位置P2に移動した場合の回収機構52と下チャック39との位置関係を示す図である。ここで、回収機構52は回収位置P2に移動した場合には、下チャック39の後側に位置する(
図3参照)が、
図4では、説明の便宜のために、下チャック39の右側に図示している。
下チャック39は、接手40に支持されたチャック本体39Cと、チャック本体39Cの幅方向両端から上方に突出する突出部39D,39Eと、一対の突出部39D、39Eの先端部に設けられ互いに対向するチャック歯39A、39Bとを有する。チャック歯39A、39Bが、図示しないエアシリンダ(駆動源)により作動して試験片Tを挟んで掴む。
【0022】
下部回収装置51は、回収機構52が回収位置P2に移動した場合に、回収チャック部61、62がそれぞれ、下チャック39の内側と外側とに進入するように構成される。すなわち、下部回収装置51の上側の回収チャック部61は、チャック歯39A、39Bの上側に進入し、下側の回収チャック部62は、チャック歯39A、39Bの下側に進入する。これにより、試験片Tが破断して、破断後の下側の試験片Tの上端が垂れ下がっても、試験片Tを所定の間隔を空けて掴むことができる。
【0023】
図2に示すように、下部回収装置51の上方には、上部回収装置(第1の回収機構)71が配置される。上部回収装置71は、下部回収装置51に対応して、回収機構52に対応する回収機構72と、支持機構53に対応する支持機構73とを備える。上部回収装置71は、下部回収装置51と上下逆に配置され、支持機構73の固定部材74がクロスヘッド35の下面に固定される点以外は、下部回収装置51と同様に構成される。上部回収装置71では、固定部材74はクロスヘッド35と共に昇降可能であり、上チャック38に対する相対的な高さが一定に保持される。よって、クロスヘッド35が上昇した場合でも、上チャック38に回収機構72の回収チャック部81、82が進入可能に構成される。
【0024】
図5は、巻取機構100の断面図である。
下部回収装置51および上部回収装置71の廃棄位置P1には、下側の巻取機構100および上側の巻取機構100が配置される。下側の巻取機構100および上側の巻取機構100は、同様の構成である。
【0025】
巻取機構100は、巻取部材101と、巻取部材101を進退させる進退シリンダ102と、巻取部材101を駆動する巻取モータ103と、を備える。
【0026】
巻取部材101は、円筒状の巻取軸110を有する。巻取軸110は、ベアリング111を介して支持プレート112に回転可能に支持される。巻取軸110は、支持プレート112に貫通した状態で支持される。巻取軸110の軸方向第一端には、軸方向第一側が開放されたケーシング113が固定される。ケーシング113は、巻取軸110と一体に回転可能である。本実施の形態では、ケーシング113には、開放端113Aを閉塞するリッド(試験片離脱部材)114が固定される。よって、本実施の形態では、リッド114はケーシング113と一体的に回転する。リッド114には、巻取爪118を突出させる貫通孔114Aが形成される。貫通孔114Aは、巻取爪118の数だけ形成される。なお、巻取機構100の説明において、軸方向とは、特段の説明がない限り、巻取軸110が延びる方向に対応する。
【0027】
巻取軸110の内部には、軸方向に延びる筒状の進退軸115が挿入される。進退軸115の軸方向第一端には、円板状の進退ステージ116が支持される。進退ステージ116は、ケーシング113の内部に配置される。進退ステージ116の外周部には、厚み方向に貫通するガイド孔116Aが形成される。ガイド孔116Aには、軸方向に延びるガイドピン117が挿通される。ガイドピン117はリッド114の内面に固定されている。本実施の形態では、進退ステージ116は、ガイドピン117に沿って軸方向にスライド可能であると共に、リッド114が回転する場合にガイドピン117から軸回りの回転力を得て回転する。
【0028】
進退ステージ116には、柱状の巻取爪(巻取棒)118が支持される。巻取爪118は、軸方向に延びる。巻取爪118は先端が丸みを帯びている。巻取爪118は、巻取軸110の中心線L11から偏心した状態で支持される。巻取爪118は、周方向に間隔を空けて複数支持される。本実施の形態では、3本の巻取爪118が配置される。巻取爪118は同心円上に配置される。巻取爪118は、進退ステージ116の軸方向の進退移動に伴って、ケーシング113に収容される収容位置(待機位置)R1(
図8参照)と、ケーシング113のリッド114から突き出す突出位置(巻取位置)R2(
図7参照)と、の間を移動する。
【0029】
進退軸115の軸方向第二端には、フランジ形状を有するバネ受けフランジ119が固定される。バネ受けフランジ119と支持プレート112との間には、圧縮スプリング120が配置される。圧縮スプリング120により、バネ受けフランジ119は軸方向第二側に付勢される。よって、進退軸115の第一端に固定されている巻取爪118が収容位置R1に付勢される。
【0030】
バネ受けフランジ119の軸方向第二側には、進退シリンダ102が配置される。進退シリンダ102は、筒状のシリンダ本体102Aと、シリンダ本体102Aに対して伸縮可能に支持されたロッド部102Bと、を有する。ロッド部102Bは先端がバネ受けフランジ119に当接する。
【0031】
よって、進退シリンダ102が作動してロッド部102Bが延びると、圧縮スプリング120の付勢力に抗して、ロッド部102Bがバネ受けフランジ119を押す。これにより、バネ受けフランジ119、進退軸115、進退ステージ116が一体に移動し、進退ステージ116上の巻取ピン108が突出位置R2に移動する。また、進退シリンダ102のロッド部102Bが縮むと、圧縮スプリング120の付勢力によりバネ受けフランジ119がロッド部102Bに追従して、巻取爪118が収容位置R1に移動する。
巻取部材101と進退シリンダ(進退機構)102とにより、本実施の形態の巻取部121が構成される。
【0032】
支持プレート112には巻取部材101を駆動する巻取モータ103が支持される。巻取モータ103は、電動モータである。巻取モータ103のモータ軸103Aには、駆動プーリ130が支持される。駆動プーリ130には、無端帯状のベルト131が巻かれている。ベルト131は、巻取軸110の外周部に固定された従動プーリ132に巻かれている。
【0033】
巻取モータ103が駆動すると、ベルト131を介して巻取軸110に回転力が伝達され、巻取部材101が回転する。すなわち、巻取軸110や、ケーシング113、リッド114、ガイドピン117、進退ステージ116、巻取爪118、進退軸115、バネ受けフランジ119が一体に回転する。
【0034】
図2に示すように、下側の巻取機構100と、上側の巻取機構100とは、上下方向に延びる接続プレート141に固定されている。接続プレート141には、伸縮シリンダ142が接続される。伸縮シリンダ142は所定の高さ、位置に固定される。伸縮シリンダ142はエアシリンダである。伸縮シリンダ142は、シリンダ本体142Aと、シリンダ本体142Aに対して伸縮可能に支持されるロッド部142Bと、ロッド部142Bの先端に設けられた固定プレート142Cと、固定プレート142Cに設けられた一対のガイドロッド142D、142Eと、を有する。固定プレート142Cが接続プレート141に固定される。
上下一対の巻取機構100は、伸縮シリンダ142により、回収機構52、72から試験片Tを巻き取る進入位置S1(
図7参照)と、進入位置S1から退避した退避位置S2(
図8参照)と、の間を移動可能に支持される。
【0035】
進入位置S1に移動した場合に、下側の巻取機構100の巻取部材101は、下部回収装置51の上側の回収チャック部61と下側の回収チャック部62との間に進入するように構成される。このとき、上側の回収チャック部61と下側の回収チャック部62とに掴まれた破断試験片T1に、巻取軸110の中心線L11上と交差するように構成されている。換言すれば、巻取軸110の軸方向視で、破断試験片T1と巻取軸110の中心線L11が重なる。
【0036】
同様に、伸縮シリンダ142が進入位置S1に移動した場合に、上側の巻取機構100の巻取部材101は、上部回収装置71の上側の回収チャック部81と下側の回収チャック部82との間に進入するように構成される。このとき、上側の回収チャック部81と下側の回収チャック部82とに掴まれた破断試験片T2に、巻取軸110の中心線L11上と交差するように構成されている。換言すれば、巻取軸110の軸方向視で、破断試験片T2と巻取軸110の中心線L11が重なる。
【0037】
巻取機構100の下方には、回収ボックス90が配置されている(
図2参照)。回収ボックス90は、上方が開放されている。回収ボックス90には、巻取機構100が巻き取った試験片が落下して回収ボックス90内に回収される。回収ボックス90は吸引ダクトを備え、落下した試験片Tを吸引する構成でもよい。
【0038】
図1に示すように、材料試験機1には、材料試験機1の各部を制御する制御装置200が配置される。制御装置200は、材料試験機1との間で信号を送受信可能に接続される。制御装置200が受信する信号は、ロードセル36が出力する計測信号など、制御や試験に要する適宜の信号である。制御装置200が送信する信号は、試験片供給装置10の制御信号、チャック38、39の図示しないシリンダ装置の制御信号や、図示しないネジ棒のモータの制御信号、回収装置51、71の制御信号、巻取機構100の制御信号、その他の制御や試験に要する適宜の信号である。
【0039】
制御装置200はコンピュータを備え、このコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリデバイスと、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージ装置と、制御装置200や各種の周辺機器などを接続するためのインターフェース回路と、を備える。そして、プロセッサがメモリデバイス又はストレージ装置に記憶された制御プログラムを実行することで、材料試験機1の各種の機能を実現する。
【0040】
図6は、巻取機構100が回収機構52、72から試験片Tを巻き取る場合を示す図である。
図7は、
図6の続きであって巻取機構100が回収機構52、72から試験片Tを巻き取る場合を示す図である。
図8は、
図7の続きであって巻取機構100が回収機構52、72から試験片Tを廃棄する場合を示す図である。
材料試験機1では、試験が開始されると、試験片供給装置10が作動する。試験片供給装置10では、取出機構12が試験片Tを一片ずつ収容機構11から取り出して試験装置30に供給し、上チャック38と下チャック39とに試験片Tを掴ませる。すなわち、試験片Tが試験装置30にセットされる。
【0041】
試験片Tが試験装置30にセットされると、回収装置51、71が回収位置P2に移動する。このとき、回収チャック部61、62、81、82は開放位置Q2に移動しており、回収チャック部61、62、81、82が試験片Tを掴み可能な状態で保持される。すなわち、下チャック39においては、回収チャック部61、62が、チャック歯38A、38Bの上下両側に配置されると共に、試験片Tを掴み可能に保持される。また、上チャック38においては、回収チャック部81、82が、チャック歯39A、39Bの上下両側に配置されると共に、試験片Tを掴み可能に保持される。なお、回収チャック部61、62、81、82は、試験片Tが破断するまで試験片Tには接触しないため、試験には影響しない。
【0042】
この状態で、試験装置30が作動する。すなわち、クロスヘッド35が上昇して、上チャック38が下チャック39から離間することにより、試験片Tには引張荷重が付与される。このとき、ロードセル36により引張荷重が計測される。本実施の形態の試験片Tはフィルムなので、引っ張り荷重により塑性変形して長く伸びた状態が維持され易い。そして、伸びが大きくなると、試験片Tが破断する。
【0043】
ここで、制御装置200は、試験片Tの破断が生じたか否かを判断する。制御装置200は、試験片Tに破断が生じたと判断する場合には、回収装置51、71の回収チャック部61、62、81、82を掴み位置Q2に移動させる。よって、下部回収装置51では、破断された試験片Tが上側の回収チャック部61と下側の回収チャック部62とによって、上下の二か所で掴まれる。また、上部回収装置71では、破断された試験片Tが上側の回収チャック部81と下側の回収チャック部82とによって上下の二か所で掴まれる。よって、破断された試験片Tを、確実に所定間隔を空けて掴み易くなっている。なお、破断された試験片Tを、以下では、破断試験片T1、T2として説明する。
【0044】
破断試験片T1、T2を掴むと、回収装置51、71が廃棄位置P1に移動する。回収装置51、71が廃棄位置P1に移動すると、巻取機構100では、巻取爪118が突出位置R2に移動し(
図6の破線)、伸縮シリンダ142が作動して巻取機構100が進入位置S1に移動する。よって、巻取爪118が、回収機構52、72に挟まれた破断試験片T1、T2に近接する。このとき、本実施の形態では、巻取軸110の中心線L11の外周側に、3本の巻取爪118が配置されるため、3つの巻取爪118で囲まれた内側に伸びた破断試験片T1、T2が位置し易くなっている。よって、巻取機構100を駆動すると共に、回収チャック部61、62、81、82を開放位置Q2に移動させて破断試験片T1、T2から離間させることにより、破断試験片T1、T2が巻取爪118に巻き取られる。
【0045】
そして、伸縮シリンダ142により、巻取機構100を退避位置S2に移動させると、巻取機構100が回収機構52、72から離間する。この状態で、巻取爪118が収容位置R1に移動すると、リッド114が巻取爪118の基端側から先端側に相対的に移動するため、巻取爪118に巻かれていた破断試験片T1、T2がリッド114に押されて巻取爪118から離脱される。よって、破断試験片T1、T2が巻取爪118から抜け落ち、回収ボックス90に向けて落下する。このとき、破断試験片T1、T2は巻き取られた状態であり、塊状に落下する。このため、所定の位置に落下させ易く、回収ボックス90に安定的に落下させて回収させ易くなっている。
【0046】
図9は、制御装置200の試験片回収処理の一例を示すフローチャートである。本実施の形態の「試験片回収処理」とは、試験片Tを回収する際の回収装置51、71および巻取機構100の処理である。試験片回収処理は、試験片Tが試験片供給装置10から供給される度に、実行される。
ステップST11において、制御装置200は、試験装置30に試験片Tがセットされたか否かを判断する。なお、試験片Tがセットされたか否かは、制御装置200の試験片供給装置10や試験装置30の制御処理に基づいて判断可能である。
【0047】
制御装置200は、試験装置30に試験片Tがセットされていないと判断する場合(ステップST11:NO)には、ステップST11を繰り返す。
制御装置200は、試験装置30に試験片Tがセットされたと判断する場合(ステップST11:YES)には、処理をステップST12に進める。
【0048】
ステップST12において、制御装置200は、試験片Tの伸びが所定値以上か否かを判断する。試験片Tの伸びが所定値以上か否かは、図示しない伸び測定装置の計測結果に基づいて判断することが可能である。また、クロスヘッド35の移動量に基づいて判断してもよい。
制御装置200は、試験片Tの伸びが所定値以上でないと判断する場合(ステップST12:NO)には、ステップST12を繰り返す。
制御装置200は、試験片Tの伸びが所定値以上であると判断する場合(ステップST11:YES)には、処理をステップST13に進める。
【0049】
ステップST13において、制御装置200は、回収機構52、72を回収位置P2に移動させる。
ステップST14において、制御装置200は、試験片Tが破断したか否かを判断する。試験片Tが破断したか否かは、例えば、ロードセル36の荷重の変化が所定期間で所定値以上変化したか否かに基づいて判断可能である。すなわち、ロードセル36の荷重の変化が所定期間で所定値以上変化した場合には、試験片Tに破断が生じたと判断可能である。
制御装置200は、試験片Tが破断していないと判断する場合(ステップST14:NO)には、ステップST14を繰り返す。
制御装置200は、試験片Tが破断したと判断する場合(ステップST14:YES)には、処理をステップST15に進める。
ステップST15において、制御装置200は、回収機構52、72の回収チャック部61、62、81、82を掴み位置Q1に移動させる。
【0050】
ステップST16において、制御装置200は、上チャック38および下チャック39が試験片Tを開放したか否かを判断する。なお、上チャック38および下チャック39が試験片Tを開放したか否かは、制御装置200の試験片供給装置10や試験装置30の制御処理に基づいて判断可能である。
制御装置200は、上チャック38および下チャック39が試験片Tを開放していないと判断する場合(ステップST16:NO)には、ステップST16を繰り返す。
制御装置200は、上チャック38および下チャック39が試験片Tを開放したと判断する場合(ステップST16:YES)には、処理をステップST17に進める。
ステップST17において、制御装置200は、回収機構52、72を廃棄位置P1に移動させる。
ステップST18において、制御装置200は、巻取爪118を突出位置(巻取位置)R2に移動させる。
ステップST19において、制御装置200は、巻取機構100を進入位置S1に移動させる。
【0051】
ステップST20において、制御装置200は、巻取モータ103を駆動させると共に、回収チャック部61、62、81、82を開放位置Q2に移動させる。
ステップST21において、制御装置200は、巻取るために設定された所定時間の計測を開始する。
ステップST22において、制御装置200は、所定時間が経過したか否かを判断する。
制御装置200は、所定時間が経過していないと判断する場合(ステップST22:NO)には、ステップST22を繰り返す。
制御装置200は、所定時間が経過したと判断する場合(ステップST22:YES)には、処理をステップST23に進める。
【0052】
ステップST23において、制御装置200は、巻取機構100を退避位置S2に移動させる。
ステップST24において、制御装置200は、巻取爪118を収容位置R1に移動させて、試験片回収処理を終了する。
【0053】
上述の通り、本実施形態では、一対のチャック38、39で試験片Tを掴んで引張試験し、破断した試験片T1、T2を一対の回収機構52、72で回収し、それぞれの回収機構52、72は試験片Tを把持する一対の回収チャック部61、62、81、82を備える、引張試験機1の巻取機構100であって、一対の回収機構52、72に対向する一対の巻取部材121を備え、巻取部材121は一対の回収チャック部61、62、81、82の間に進入する複数本の巻取爪118を備え、複数本の巻取爪118を回転させて一対の回収チャック部61、62、81、82の間に把持された試験片Tを巻き取って回収する。これにより、伸びた試験片Tが試験装置30などに引っ掛かっても巻取部材121で巻き取るため、引っかかった状態を解消できる。また、巻取ることにより伸びた試験片T1、T2を塊状にして回収し易くできる。よって、伸びた試験片T1、T2を適切に回収することができる。
【0054】
[2.変形例]
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、および応用が可能である。
【0055】
上述した実施形態においては、巻取爪118が3つ設けられた構成を説明した。巻取爪118は、3つ以上が望ましいが、2つ以上設けられればよい。
【0056】
上述した実施形態においては、試験片Tを巻取爪118から離脱させる試験片離脱部材として、板状のリッド114を説明し、リッド114が巻取爪118に沿って相対的に移動することにより、試験片Tが巻取爪118から離脱される構成を説明した。しかしながら、試験片離脱部材としての形状は、板状に限定されず、網状、櫛歯状、円環状でもよく、巻取後に巻取爪118に沿って試験片離脱部材を移動させることで、試験片T1、T2を巻取爪118から離脱させることが可能な形状であれば任意の形状でもよい。
【0057】
上述した実施形態においては、試験片Tを巻取爪118から離脱させる試験片離脱部材として、板状のリッド114を説明し、リッド114がケーシング113に固定されてケーシング113と一体に回転する構成を説明したが、試験片離脱部材は回転する構成に限定されない。例えば、伸縮移動用のシリンダを用いることにより、試験片離脱部材を進退移動可能に構成することにより、試験片離脱部材を巻取爪118に接近離間可能にして、巻取爪118に沿って移動可能にすることにより、巻取爪118から試験片Tを離脱させてもよい。
【0058】
上述した実施形態においては、回収機構52、72の回収チャック部61、62、81、82に、巻取部121が進退する構成を説明したが、回収機構52、72に進退移動用のシリンダを設けて、回収機構52、72が巻取部121に進退する構成にしてもよい。
【0059】
上述した実施形態においては、上下一対のチャック38、39で試験片Tを掴んで引張試験し、破断した試験片Tを一対の回収機構52、72で回収し、それぞれの回収機構52、72の一対の回収チャック部61、62、81、82が掴む試験片Tを巻取機構100が巻き取って試験片を回収する構成を説明した。しかしながら、巻取機構100が試験片Tを回収する構成は、これに限定されない。例えば、試験片回収アーム56には回収機構52、72に代えて、巻取機構100、100を設けて、試験装置30のチャック38、39から試験片Tを巻き取る構成にしてもよい。
【0060】
[3.態様]
上述した例示的な実施形態、及び変形例は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0061】
(第1項)
一態様に係る巻取機構は、伸びて破断した試験片を掴んでいるチャック部から前記試験片を巻取って回収する巻取機構であって、前記チャック部に向けて相対的に進退する巻取部を備え、前記巻取部は複数の巻取棒を備え、前記巻取部を回転させて複数の前記巻取棒により前記試験片を巻き取って回収してもよい。
【0062】
第1項の巻取機構によれば、伸びた試験片が試験装置などに引っ掛かっても巻取部で巻き取るため、引っかかった状態を解消できる。また、巻取ることにより伸びた試験片を塊状にして回収し易くできる。よって、伸びた試験片を適切に回収することができる。
【0063】
(第2項)
第1項に記載の巻取機構において、前記巻取部は、前記巻取棒を待機位置と巻取位置との間で進退させる進退機構を備えてもよい。
【0064】
第2項の巻取機構によれば、巻取部をチャック部に相対的に進退させる際に、巻取棒をチャック部に干渉し難くできる。
【0065】
(第3項)
第2項に記載の巻取機構において、前記巻取部は、前記巻取棒を前記巻取位置に進出させた状態で前記試験片を巻取り、前記巻取棒を前記待機位置に後退させる際に前記巻取った前記試験片を前記巻取棒から離脱させてもよい。
【0066】
第3項の巻取機構によれば、巻取部を巻取位置から待機位置に進退させるという単純な動作を利用して、試験片を巻取部から離脱させることができる。
【0067】
(第4項)
一態様に係る試験片回収システムは、試験片に引張試験を行う試験装置と、伸びて破断した試験片を前記試験装置から回収する回収装置と、を備える試験片回収システムであって、前記回収装置のチャック部から前記試験片を巻取って回収する巻取機構を備え、前記巻取機構は、前記回収装置のチャック部に向けて相対的に進退する巻取部を備え、前記巻取部は複数の巻取棒を備え、前記巻取部を回転させて複数の前記巻取棒により前記試験片を巻き取って回収してもよい。
【0068】
第4項の試験片回収システムによれば、伸びた試験片が試験装置などに引っ掛かっても巻取部で巻き取るため、引っかかった状態を解消できる。また、巻取ることにより伸びた試験片を塊状にして回収し易くできる。よって、伸びた試験片を適切に回収することができる。
【0069】
(第5項)
第4項に記載の試験片回収システムにおいて、前記試験装置は、前記試験片の第1端を掴む第1のチャック部と、前記試験片の第2端を掴む第2のチャック部と、を備え、前記回収装置は、前記第1のチャック部から破断した前記試験片を回収する第1の回収機構と、前記第2のチャック部から破断した前記試験片を回収する第2の回収機構と、を備え、前記巻取機構は、前記第1の回収機構および前記第2の回収機構のそれぞれに応じて設けられ、前記第1の回収機構および前記第2の回収機構のそれぞれは、破断した前記試験片を掴む一対の前記チャック部を有し、前記巻取機構は、対応する前記一対のチャック部の間に相対的に進退可能に設けられてもよい。
【0070】
第5項に記載の試験片回収システムによれば、回収機構の一対のチャック部により、破断した試験片を張った状態にできるため、巻取機構によって試験片を巻き取り易くできる。
【0071】
(第6項)
第5項に記載の試験片回収システムにおいて、前記第1の回収機構および前記第2の回収機構のそれぞれは、前記試験片を回収する回収位置と、回収した前記試験片を廃棄する廃棄位置との間を移動可能に設けられ、前記第1の回収機構および前記第2の回収機構は、前記試験片が破断する前に、前記回収位置に移動され、前記試験片が破断した場合に、前記一対のチャック部を開放位置から掴み位置に移動させてもよい。
【0072】
第6項に記載の試験片回収システムによれば、破断した試験片が垂れ下がる前に破断した試験片を掴み易くできるため、所定の状態で試験片を掴み易く、巻取機構によって試験片を巻き取り易くできる。
【0073】
(第7項)
第5項または第6項に記載の試験片回収システムにおいて、前記回収機構が回収位置に移動した場合に、前記一対のチャック部のそれぞれは、前記試験装置の前記第1のチャック部および前記第2のチャック部のうちの対応するチャック部の内側と外側に配置される。
【0074】
第7項に記載の試験片回収システムによれば、所定の状態で試験片を掴み易く、巻取機構に巻き取り易い状態で試験片を渡すことができる。
【符号の説明】
【0075】
1 材料試験機(試験片回収システム)
30 試験装置
51、71 回収装置
38A チャック歯(第1のチャック部)
38B チャック歯(第1のチャック部)
39A チャック歯(第2のチャック部)
39B チャック歯(第2のチャック部)
52 回収機構(第2の回収機構)
61 回収チャック部(チャック部)
62 回収チャック部(チャック部)
72 回収機構(第1の回収機構)
81 回収チャック部(チャック部)
82 回収チャック部(チャック部)
100 巻取機構
102 進退シリンダ(進退機構)
118 巻取爪(巻取棒)
121 巻取部
P1 廃棄位置
P2 回収位置
Q2 開放位置
Q1 掴み位置
R1 収容位置(待機位置)
R2 突出位置(巻取位置)
T 試験片