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特開2024-151211依頼件数算出プログラム、依頼件数算出方法及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151211
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】依頼件数算出プログラム、依頼件数算出方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20241017BHJP
【FI】
G06Q10/10 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064434
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】炭澤 幸佑
(72)【発明者】
【氏名】酒井 卓郎
(72)【発明者】
【氏名】林 成和
(72)【発明者】
【氏名】西 啓行
(72)【発明者】
【氏名】石井 宏昌
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA11
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】承認業務を効率化する依頼件数算出プログラム、依頼件数算出方法及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】申請者端末から承認者端末に対して送信される承認依頼の件数と承認依頼の申請者の識別情報とを取得し、取得した識別情報が示す申請者毎の承認依頼の経験回数を含む申請者情報及び承認者の承認依頼を差し戻した履歴を示す差戻履歴情報を基に、取得した承認依頼の件数のうち差し戻しが発生する承認依頼の件数の予測値を算出する処理をコンピュータに実行させる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
申請者端末から承認者端末に対して送信される承認依頼の件数と前記承認依頼の申請者の識別情報とを取得し、
取得した前記識別情報が示す申請者毎の承認依頼の経験回数を含む申請者情報及び承認者の承認依頼を差し戻した履歴を示す差戻履歴情報を基に、取得した前記承認依頼の件数のうち差し戻しが発生する承認依頼の件数の予測値を算出する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする依頼件数算出プログラム。
【請求項2】
承認依頼の種別を示す申請種別の情報を取得し、
前記申請種別毎に発生した過去の承認依頼の件数を示す依頼件数情報を基に、前記申請種別により示される種別の承認依頼が申請される件数を算出する
処理を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項1に記載の依頼件数算出プログラム。
【請求項3】
承認依頼の件数が増加する要因となる前段作業の発生を示す予兆情報を取得し、
前記前段作業の発生時間、過去の前記前段作業により発生した承認依頼の承認依頼履歴情報、前記申請者情報及び前記差戻履歴情報を基に、時期毎の承認依頼の件数を算出する
処理を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項1に記載の依頼件数算出プログラム。
【請求項4】
前記前段作業が行われた時間、前記承認依頼履歴情報、前記申請者情報及び前記差戻頼履歴情報に、承認依頼の件数の増加率を加えた情報を基に前記時期毎の承認依頼の件数を算出する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項3に記載の依頼件数算出プログラム。
【請求項5】
申請者端末から承認者端末に対して申請される承認依頼の種別を示す申請種別の情報を取得し、
前記申請種別毎に発生した過去の承認依頼の件数を示す依頼件数情報を基に、前記申請種別により示される種別の承認依頼が申請される件数を算出する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする依頼件数算出プログラム。
【請求項6】
申請者端末から承認者端末に対して送信される承認依頼の件数が増加する要因となる前段作業を示す予兆情報を取得し、
記憶部に記憶された過去の前記前段作業により発生した承認依頼の履歴情報、申請者毎の過去の承認依頼の経験回数を含む申請者情報及び承認者の承認依頼を差し戻した履歴の情報、並びに、前記前段作業が行われた時間を基に、時期毎の承認依頼の件数を算出する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする依頼件数算出プログラム。
【請求項7】
情報処理装置が、
申請者端末から承認者端末に対して送信される承認依頼の件数と前記承認依頼の申請者の識別情報とを取得し、
取得した前記識別情報が示す申請者毎の承認依頼の経験回数を含む申請者情報及び承認者の承認依頼を差し戻した履歴を示す差戻履歴情報を基に、取得した前記承認依頼の件数のうち差し戻しが発生する承認依頼の件数の予測値を算出する
処理を実行することを特徴とする依頼件数算出方法。
【請求項8】
申請者端末から承認者端末に対して申請される承認依頼の件数と前記承認依頼の申請者の識別情報とを格納する申請物情報データベースと、
前記識別情報に対応する申請者毎の過去の承認依頼の経験回数を含む申請者情報を格納する申請者情報データベースと、
承認者の承認依頼を差し戻した履歴を示す差戻履歴情報を格納する承認者情報データベースと、
前記承認依頼の件数との前記申請者の識別情報を取得し、取得した前記識別情報が示す申請者毎の前記申請者情報及び前記差戻履歴情報を基に、取得した前記承認依頼の件数のうち差し戻しが発生する承認依頼の件数の予測値を算出する差戻件数算出部と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、依頼件数算出プログラム、依頼件数算出方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
新たに開発した商品の商品情報を登録するための商品化申請業務を一例として、様々な業務において、承認が要求されることが多々ある。承認者は、申請者からの承認依頼を受けて、送られてきた申請物の内容を確認して、適切な内容であれば承認を行い、内容が不適切な場合には申請者への差し戻しを行うといった承認作業を実行する。差し戻しを行った場合には、当該申請者から再度の承認依頼が承認者に送られ、承認者は、その申請物に対して再度の承認作業を行うことが一般的である。
【0003】
ただし、承認者は、承認依頼がいつ、どの程度の申請内容の質で届くかといった申請状況を把握することは難しい。ここで、申請内容の質とは、承認に値する内容か否かを指し、承認に値する内容であれば質が高く、差し戻しとする内容であれば質が低いといえる。従来、承認者は、経験に依存した状況判断にしたがって申請状況の見通しをつけている。
【0004】
さらに、承認者は、承認作業以外の他の業務についても担当していることが一般的である。そのような場合、承認は、他の作業との兼ね合いで承認作業にリソースを割くことが難しく、承認依頼を受け取ってから承認作業を開始するまでに時間を要することとなる。
【0005】
これらの理由から、承認者が承認業務の予定を立てることが困難となり、承認を伴う業務フローの完結までに時間を要するという問題が生じる。このような承認を伴う業務フローの長期化に対して、従来、承認業務自体の短縮化による業務フローの最適化を図る手法が存在する。
【0006】
なお、ワークフローシステムに関する技術として、過去のワークフローのログを解析した解析結果を用いて、将来の特定の時刻までに所定ノードに到着する案件の件数を予測する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001-155062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、承認業務自体の短縮化によりフロー最適化を図る手法では、承認者の作業リソースを超えた承認依頼が来た場合や、時間確保が行えない場合には、承認作業を短縮化しても対応しきれないおそれがある。また、過去の平均件数や処理時間を用いて依頼件数や作業時間を予測する方法では、申請内容の質や申請者及び承認者といった作業者のスキルを考慮していないため、申請内容や作業者のスキルによってバラツキが生じる。そのため、予測した情報の確度が低く、業務フローを短縮することが困難である。したがって、承認業務を効率化することは困難である。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、承認業務を効率化する依頼件数算出プログラム、依頼件数算出方法及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の開示する依頼件数算出プログラム、依頼件数算出方法及び情報処理装置の一つの態様において、申請者端末から承認者端末に対して送信される承認依頼の件数と前記承認依頼の申請者の識別情報とを取得し、取得した前記識別情報が示す申請者毎の承認依頼の経験回数を含む申請者情報及び承認者の承認依頼を差し戻した履歴を示す差戻履歴情報を基に、取得した前記承認依頼の件数のうち差し戻しが発生する承認依頼の件数の予測値を算出する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
1つの側面では、本発明は、承認業務を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施例に係る情報処理システムの構成図である。
図2図2は、申請物情報DBに格納される情報の一例を示す図である。
図3図3は、アプリケーションサーバの詳細を示すブロック図である。
図4図4は、イベント登録画面の一例を示す図である。
図5図5は、申請予測画面の申請種別選択状態の一例を示す図である。
図6図6は、申請予測画面の予測対象選択状態の一例を示す図である。
図7図7は、承認依頼の予想分布を示す図である。
図8図8は、発生する承認依頼件数を表示する予測結果画面の一例の図である。
図9図9は、承認依頼の予想分布を表示する予測結果画面の一例の図である。
図10図10は、差し戻し件数の予測を表示する予測結果画面の一例の図である。
図11図11は、新規承認依頼予測処理のフローチャートである。
図12図12は、予測処理の概要を示すフローチャートである。
図13図13は、新規承認依頼件数算出処理のフローチャートである。
図14図14は、差し戻し件数算出処理のフローチャートである。
図15図15は、承認依頼時期算出処理のフローチャートである。
図16図16は、コンピュータのハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願の開示する依頼件数算出プログラム、依頼件数算出方法及び情報処理装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する依頼件数算出プログラム、依頼件数算出方法及び情報処理装置が限定されるものではない。
【実施例0014】
図1は、実施例に係る情報処理システムの構成図である。情報処理システム1は、承認処理が付随して発生する特定の「業務」における特定の承認者に対する承認依頼の数を予測するシステムである。ここで、業務とは、一連のワークフローにより処理される仕事である。業務には、例えば、自社ミドルウェア商品の販売に向けた商品情報管理や、管理や提供を行うシステムのセキュリティ情報登録やセキュリティ点検等がある。
【0015】
さらに、業務には、承認依頼が発生する各種の「イベント」が含まれる。例えば、自社ミドルウェア商品の販売に向けた商品情報管理の業務であれば、新たな商品の登録や、登録済み商品の販売停止や、登録済み商品が対応するOS(Operating System)の追加といったイベントが存在する。また、管理や提供を行うシステムのセキュリティ情報登録やセキュリティ点検等の業務であれば、システム情報の登録、システムの点検、登録済みシステムの削除といったイベントが存在する。
【0016】
そして、それぞれのイベントについて各種の承認依頼が発生する。承認依頼には、それぞれについて申請種別が存在する。例えば、自社ミドルウェア商品の販売に向けた商品情報管理の業務における新たな商品の登録で行われる承認依頼の申請種別は「新規」である。また、登録済み商品の販売停止で行われる承認依頼の申請種別は「販売停止」である。登録済み商品が対応するOSの追加で行われる承認依頼の申請種別は「OS追加」である。
【0017】
また、承認種別毎に具体的なイベントが複数存在する。例えば、OS追加であれば、OS#Aの追加、OS#Bの追加というように新たに追加されるOS毎にイベントが存在する。
【0018】
情報処理システム1は、承認者端末装置3、アプリケーションサーバ10及びDB(Data Base)サーバ20を有する。承認者端末装置3とアプリケーションサーバ10とはネットワークで接続される。また、アプリケーションサーバ10とDBサーバ20とはネットワーク等で接続される。
【0019】
承認者Pは、特定の業務において、特定のイベントが発生した場合に承認依頼を受けて、申請の内容の適否を判定して承認又は差し戻しを行う者である。承認者端末装置3は、承認者Pが承認依頼の発生件数の確認等に用いる装置である。
【0020】
DBサーバ20は、申請物、申請者及び承認者等の各種情報を管理する情報処理装置である。DBサーバ20は、申請物情報DB21、申請者情報DB22及び承認者情報DB23を有する。
【0021】
申請物情報DB21は、各申請者からの承認依頼による申請物の情報を格納して管理するデータベースである。申請物情報DB21に登録される申請物情報は、例えば、申請物の申請名、申請種別及びイベント名を含む。
【0022】
図2は、申請物情報DBに格納される情報の一例を示す図である。申請物情報DB21に格納された申請物情報には、図2に示すような構造を有してもよい。例えば、申請物情報には、申請物番号に対応させて、申請名、イベント番号、申請日時、申請者番号及び承認者番号等が登録されたデータ212が存在する。そして、データ212に、イベント番号に対応させて、イベント名称及び開始日が登録されたデータ213が関連付けられる。さらに、データ213には、申請種別番号に対応付けて申請種別名等が登録されたデータ214が関連付けられる。また、データ212には、従業員番号に対応付けて従業員名等が登録されたデータ211が関連付けられる。ただし、データ211は従業員情報用のデータベースに登録されてもよい。
【0023】
さらに、申請物情報は、過去に承認依頼が行われた期間と量の傾向及び分布を含む。また、申請物情報は、承認依頼が発生する予兆となる前段作業の発生を示すイベントとその前段作業に応じて発生する承認依頼の申請種別との組を含む予兆情報を含む。
【0024】
例えば、予兆情報は、前段作業である出張申請と、出張申請に対応する申請種別である出張後の旅費申請との組を含む。また、予兆情報は、前段作業である企画会議と、申請種別である企画会議で承認が得られた後の商品化申請との組を含む。また、予兆情報は、新OSの販売の販売時期の決定と、申請種別であるそのOSが販売される数か月前から増加が見込まれる新OSに関する申請との組を含む。また、予兆情報は、前段作業であるOS#Aリリースと、申請種別であるOS情報の追加との組を含む。
【0025】
申請者情報DB22は、承認依頼を行った申請者の情報を格納して管理するデータベースである。申請者情報DB22に登録される申請者情報は、申請者の氏名に対応させて、申請した申請種別、申請作業の経験回数、申請作業の頻度、過去の実績から予測される前段作業の終了から承認依頼を行うまでの平均日数、及び、差し戻された経験の有無等が登録される。
【0026】
承認者情報DB23は、承認を行った承認者の情報を格納して管理するデータベースである。承認者情報DB23に登録される承認者情報には、承認者の氏名に対応させて、承認を行った承認依頼の申請種別に対する差し戻し率といった差戻履歴情報等が登録される。差し戻し率は、例えば、申請された承認依頼の件数に対する、差し戻した承認依頼の件数の割合を示す。
【0027】
アプリケーションサーバ10は、業務のワークフローを管理する。また、アプリケーションサーバ10は、特定の前段作業の発生による承認依頼の発生数を予測して承認者Pに通知する。アプリケーションサーバ10は、ワークフロー処理部100及び予測処理部200を有する。
【0028】
ワークフロー処理部100は、情報の登録及び転送や、申請物の受け付けや、受け付けた申請物の承認者への転送等といった業務におけるワークフローを管理する。また、ワークフロー処理部100は、業務のワークフローにおいて発生した申請物に対する申請物情報の申請物情報DB21への登録、申請者情報の申請者情報DB22への登録及び承認者情報の承認者情報DB23への登録を行う。ただし、申請物情報DB21、申請者情報DB22及び承認者情報DB23への情報の登録は、一部又は全てが人手により行われてもよい。
【0029】
予測処理部200は、承認者Pからの承認依頼の発生数の予測要求を承認者端末装置3から受けて、DBサーバ20を利用して特定の前段作業の発生による承認依頼の発生数を予想する。図3は、アプリケーションサーバの詳細を示すブロック図である。以下に、図3を参照して、アプリケーションサーバ10による承認依頼の発生数の予測処理の詳細について説明する。
【0030】
予測処理部200は、図3に示すように、受付部201、新規承認依頼件数算出部202、差戻件数算出部203、期間予測部204、出力部205及び換算表206を有する。
【0031】
受付部201は、承認者Pによる承認依頼の発行数の予測要求を承認者端末装置3から受け付ける。受付部201は、操作画面を承認者端末装置3に表示させる。図4は、イベント登録画面の一例を示す図である。予測対象とするイベントが未登録の場合、承認者Pは、図4におけるイベント登録の項目301を選択する。イベント登録の項目が選択されると、受付部201は、図4に示すイベント登録画面300を承認者端末装置3に表示させる。
【0032】
イベント登録画面300には、イベント名称、申請種別及び開始日を入力するための入力項目302~304が存在する。例えば、自社ミドルウェア商品の出荷向けた商品情報を登録するための商品化申請業務に関して発生する承認依頼の情報を予測する場合で説明する。より詳しくは、OSベンダーから新規OS#Aがリリースされたので、登録済み商品情報の項目である「動作保証OS」へのOS#Aの追加に向けての申請量や時期を予測する場合で説明する。この場合、承認者Pは、予測対象となるイベント名称として、「OS#Aのリリース」を入力する。また、承認者Pは、申請種別として「OS情報の追加」を入力する。動作保証OSへのOS#Aの追加に向けての処理の開始日を入力する。受付部201は、承認者Pによるイベント登録画面300の入力項目302及び304を用いたイベント名称及び開始日の登録を受け付ける。これにより、受付部201は、OS#Aのリリースをトリガと、関連する申請種別が「OS情報の追加」となる予兆情報を保持する。
【0033】
図5は、申請予測画面の申請種別選択状態の一例を示す図である。受付部201は、申請予測の項目311が承認者により選択されると、図5に示す申請予測画面310を承認者端末装置3に表示させる。さらに、受付部201は、予測する申請種別のドロップダウンリストを申請予測画面310に表示させる。承認者Pは、ドロップダウンリストに登録された申請種別の中から予測対象とする申請種別を選択する。
【0034】
図6は、申請予測画面の予測対象選択状態の一例を示す図である。図5において承認者Pにより予測する申請種別が選択されると、受付部201は、申請予測画面310に選択された申請種別に対応するイベントをドロップダウンリストで表示させる。承認者Pは、申請予測画面310において予測対象の一覧の中から予測対象とするイベントを選択することができる。
【0035】
その後、受付部201は、申請予測画面310の実行ボタンが承認者Pにより押下されると、予測する申請種別及び予測対象とするイベントの情報を承認者端末装置3から受信して、新規承認依頼件数算出部202へ出力する。そして、受付部201は、予測の実行を新規承認依頼件数算出部202に依頼する。
【0036】
図3に戻って説明を続ける。新規承認依頼件数算出部202は、予測する申請種別及び予測対象とするイベントを含む予兆情報とともに予測の実行依頼を受付部201から受ける。次に、新規承認依頼件数算出部202は、申請物情報DB21に登録された過去のイベントの中から予測する申請種別と同じ申請種別の直近のイベントを1つ特定する。そして、新規承認依頼件数算出部202は、特定したイベントにおいて発生した申請物の数を申請物情報DB21の情報を用いて算出する。以下では、申請物情報DB21に格納された同じ申請種別の直近のイベントにおける申請物を、「直近のイベントの申請物」と呼ぶ。さらに、直近のイベントの申請物の数を、「直近のイベントの申請件数」と呼ぶ。ここで、本実施例では、直近のイベントの申請件数の算出に直近の1つのイベントの情報を用いたが、これに限らず、新規承認依頼件数算出部202は、複数のイベントの平均などを用いて直近のイベントの申請件数を算出してもよい。
【0037】
例えば、予測対象の申請種別が「OSの追加」であり、イベントが「OS#Aのリリース対応」である場合について説明する。この場合、新規承認依頼件数算出部202は、申請種別が「OSの追加」である過去のイベントの中から「OS#Bのリリース対応」というイベントを特定する。次に、新規承認依頼件数算出部202は、「OS#Bのリリース対応」において行われた承認依頼の総数を直近のイベントの申請件数として算出する。
【0038】
次に、新規承認依頼件数算出部202は、予測する申請種別の申請物の増加率を算出する。具体的には、新規承認依頼件数算出部202は、複数年間の増加率の平均を算出することで増加率を求めることができる。例えば、1年前が100件であり、2年前が90件であり、3年前が80件であれば、新規承認依頼件数算出部202は、各年間の増加率の平均を求めて、小数第2位を四捨五入して、増加率を1.1と算出する。
【0039】
次に、新規承認依頼件数算出部202は、直近のイベントの申請件数に増加率を乗算して、予測対象のイベントにおいて発生する承認依頼の新規件数である新規承認依頼件数を算出する。例えば、「OS#Bのリリース対応」における「OSの追加」の承認依頼の申請件数が100であり、増加率が1.1の場合で説明する。この場合、新規承認依頼件数算出部202は、「OS#Aのリリース対応」における承認依頼の新規承認依頼件数を、100×1.1=110(件)と算出する。
【0040】
その後、新規承認依頼件数算出部202は、算出した新規承認依頼件数を差戻件数算出部203へ出力する。さらに、新規承認依頼件数算出部202は、差戻件数の算出を差戻件数算出部203に指示する。また、新規承認依頼件数算出部202は、直近のイベントの申請物それぞれの申請者の情報、申請日時及び差し戻し経験を期間予測部204へ出力する。また、新規承認依頼件数算出部202は、予測する申請種別の申請物の増加率も期間予測部204へ出力する。
【0041】
このように、新規承認依頼件数算出部202は、承認依頼の種別を示す申請種別の情報を取得する。そして、新規承認依頼件数算出部202は、申請種別毎に発生した過去の承認依頼の件数、すなわち直近のイベントの申請件数を示す依頼件数情報を基に、申請種別により示される種別の承認依頼が申請される件数を算出する。
【0042】
差戻件数算出部203は、新規承認依頼件数の入力を新規承認依頼件数算出部202から受ける。次に、差戻件数算出部203は、承認者Pの差し戻し率を承認者情報DB23から取得する。
【0043】
次に、差戻件数算出部203は、申請物情報DB21に格納された直近のイベントの申請物の中から1つ申請物を選択する。次に、差戻件数算出部203は、選択した申請物の申請者を特定する。次に、差戻件数算出部203は、特定した申請者のスキルレベルを算出する。
【0044】
例えば、差戻件数算出部203は、申請者のその種類の申請物の申請の経験回数及び申請頻度を申請者情報DB22に格納された申請者情報を用いて算出する。次に、差戻件数算出部203は、予め決められた換算ルールにしたがって、経験回数及び申請頻度をポイントに換算する。例えば、差戻件数算出部203は、経験回数が0~4回であれば-1ポイント、5~9回であれば0ポイント、10回以上であれば1ポイントとしてポイントに換算する。また、差戻件数算出部203は、申請頻度が「初めて」であれば-1ポイント、年1回であれば0ポイント、半年に1回であれば1ポイントとしてポイントに換算する。そして、差戻件数算出部203は、ポイント換算した経験回数と申請頻度とを合計して、申請者のスキルレベルを算出する。
【0045】
次に、差戻件数算出部203は、ポイントを補正値に直す換算表206を参照して、申請者のスキルレベルから選択した申請物の個別のスキル補正値を算出する。例えば、換算表206は、0ポイント未満であればスキル補正値は1.1であり、0ポイントであればスキル補正値が1であり、0ポイントより大きければスキル補正値が0.9であると規定する。
【0046】
差戻件数算出部203は、直近のイベントの申請物の全てについて個別のスキル補正値を算出する。そして、差戻件数算出部203は、算出した個別のスキル補正値を全て合計してスキル補正値を算出する。
【0047】
次に、差戻件数算出部203は、差し戻し率にスキル補正値を乗算し、乗算結果に新規承認依頼件数を乗算して、差し戻し件数を算出する。例えば、差し戻し率が0.1であり、スキル補正値が1.1であり、新規承認依頼件数が110の場合、差戻件数算出部203は、差し戻し件数を0.1×1.1×110=12.1と算出する。
【0048】
このように、差戻件数算出部203は、申請者毎の過去の承認依頼の経験回数を含む申請者情報及び承認者の承認依頼を差し戻した履歴を示す差戻履歴情報を基に、申請される承認依頼の申請件数情報が示す件数のうち差し戻しが発生する承認依頼の件数を算出する。
【0049】
さらに、差戻件数算出部203は、新規承認依頼件数に差し戻し件数を加算して、予測対象のイベントに関して発生する承認依頼件数を算出する。その後、差戻件数算出部203は、新規承認依頼件数、差し戻し件数及び発生する承認依頼件数を出力部205へ出力する。また、差戻件数算出部203は、差し戻し率、申請者のスキルレベル及びスキル補正値の情報を期間予測部204へ出力する。
【0050】
期間予測部204は、直近のイベントの申請物それぞれの申請物情報、申請者の情報、申請日時及び差し戻し経験の情報及び前段作業をトリガとして発生する申請種別と同じ種類の申請物の増加率の入力を新規承認依頼件数算出部202から受ける。また、期間予測部204は、差し戻し率、申請者のスキルレベル及びスキル補正値の情報の入力を差戻件数算出部203から受ける。さらに、期間予測部204は、予兆情報の入力を受付部201から取得する。
【0051】
次に、期間予測部204は、直近のイベントにおいて前段作業が開始されてからその前段作業に基づいて発生する承認依頼の最終承認が行われるまでの時間を算出する。以下では、前段作業が発生してからその前段作業に基づいて発生する承認依頼の最終承認が行われるまでの時間を申請処理の「期間」と呼ぶ。さらに、期間予測部204は、申請処理の期間を予め決められた所定単位に分割する。以下では、この所定単位を承認依頼の「時期」と呼ぶ。承認依頼の時期は、予想を行う粒度によって決定されることが好ましく、例えば、1日、1月、3か月(1クォーター)等を用いることができる。
【0052】
次に、期間予測部204は、直近のイベントの申請物の数を申請処理の期間における承認依頼の時期に応じて分布化する。図7は、承認依頼の予想分布を示す図である。図7において期間Tが申請処理の期間であり、期間T1が承認依頼の時期を表す。ここでは、承認依頼の時期は1日単位である。例えば、期間予測部204は、図7におけるグラフ111のように、直近のイベントの申請物の数の承認依頼の時期に応じた分布を作成する。
【0053】
次に、期間予測部204は、時期毎の直近のイベントの申請物の数に、増加率を乗算し、その乗算結果に、差し戻し率とスキル補正値との積と1との合計値を乗算して新規承認依頼の時期毎の予想件数を算出する。すなわち、期間予測部204は、新規承認依頼の時期毎の予想件数=時期毎の直近のイベントの申請物の数×増加率×(1+差し戻し率×スキル補正値)を計算する。これにより、期間予測部204は、新規承認依頼の時期毎の予想件数として、図7におけるグラフ112を作成することができる。
【0054】
ここで、新規承認依頼の時期毎の予想件数の導出式について説明する。Nが時期毎の直近のイベントの申請物の数であり、αが増加率であり、βが差し戻し率であり、γがスキル補正値であるとする。この場合、新規承認依頼件数は、N×αである。そして、差し戻し件数は、N×α×β×γである。そこで、発生する承認依頼件数=N×α+N×α×β×γ=α×N×(1+β×γ)である。
【0055】
次に、期間予測部204は、直近のイベントで申請を行った各申請者の申請者情報に含まれる前段作業の終了から承認依頼を行うまでの平均日数を申請者情報DB22から取得する。次に、期間予測部204は、申請者のスキルレベル及び差し戻し経験を用いて各申請者の差し戻し可能性を数値化した値を算出する。例えば、期間予測部204は、差し戻された経験の有無を予め決められたルールによりポイント換算する。例えば、期間予測部204は、差し戻された経験があれば2ポイントとし、なければ1ポイントとする。そして、期間予測部204は、申請者のスキルレベルを表すポイントと差し戻された経験の有無から得られるポイントとを乗算して差し戻しの可能性の値を算出する。例えば、申請者の申請依頼の経験回数が1回、申請頻度が年1回野場合、申請者のスキルポイントをポイント換算の結果が5ポイントの場合、差し戻し経験が無ければ、期間予測部204は、差し戻しの可能性を1×(3+2)=5と算出する。
【0056】
次に、期間予測部204は、直近のイベントで申請を行った各申請者について差し戻しの可能性の値が予め決められた閾値以上の申請者を差し戻しの可能性がある申請者として抽出する。そして、期間予測部204は、抽出した申請者それぞれについて、今回の前段作業の開始日時と申請者の前段作業の終了から承認依頼を行うまでの平均日数から、予想承認依頼時期を算出する。
【0057】
例えば、申請者として、X、Y、Zがいる場合で説明する。申請者Xの差し戻し可能性が5ポイント、申請者Yの差し戻し可能性が8ポイント、申請者Zの差し戻し可能性が1ポイントで、閾値が6であれば、期間予測部204は、差し戻しの可能性がある申請者として申請者Yを抽出する。そして、期間予測部204は、申請者Yの予想依頼時期を前段作業が終了してから5日後とする。
【0058】
その後、期間予測部204は、新規承認依頼の時期毎の予想件数、並びに、差し戻しの可能性がある申請者及び予想承認依頼時期の情報を出力部205へ出力する。
【0059】
このように、期間予測部204は、前段作業の発生を示す予兆情報を取得する。そして、期間予測部204は、前段作業の発生日時、過去の前段作業により発生した承認依頼の承認依頼履歴情報、申請者情報及び差戻履歴情報を基に、時期毎の承認依頼の件数を算出する。ここで、承認依頼履歴情報は、申請者情報に含まれる、直近のイベントで申請を行った各申請者の申請者情報に含まれる前段作業の終了から承認依頼を行うまでの平均日数等である。
【0060】
出力部205は、新規承認依頼件数、差し戻し件数及び発生する承認依頼件数の入力を差戻件数算出部203から受ける。また、出力部205は、新規承認依頼の時期毎の予想件数、並びに、差し戻しの可能性がある申請者及び予想承認依頼時期の情報の入力を期間予測部204から受ける。
【0061】
そして、出力部205は、新規承認依頼件数、差し戻し件数、発生する承認依頼件数、新規承認依頼の時期毎の予想件数、並びに、差し戻しの可能性がある申請者及び予想承認依頼時期の情報を承認者端末装置3に送信して表示装置(不図示)に表示させる。
【0062】
図8は、発生する承認依頼件数を表示する予測結果画面の一例の図である。承認者端末装置3は、承認者Pによりサマリーが選択されると図8に示す予測結果画面320を表示装置に表示する。この場合、承認者端末装置3は、図8に示すように、予測結果画面320に、次回予想として、予測結果である新規承認依頼件数、差し戻し件数及び発生する承認依頼件数を表示させる。また、承認者端末装置3は、予測結果画面320の前回の欄に、直近のイベントでの、承認依頼件数、差し戻し件数及びその合計である承認依頼件数を表示させる。
【0063】
図9は、承認依頼の予想分布を表示する予測結果画面の一例の図である。承認者端末装置3は、承認者Pにより依頼件数が選択されると図9に示す予測結果画面320を表示装置に表示する。この場合、承認者端末装置3は、図9に示すように、予測結果画面320に、直近のイベントでの時期毎の承認依頼件数の推移と、承認依頼の予想分布とを示すグラフを表示させる。
【0064】
図10は、差し戻し件数の予測を表示する予測結果画面の一例の図である。承認者端末装置3は、承認者Pにより差し戻し件数が選択されると図10に示す予測結果画面320を表示装置に表示する。この場合、承認者端末装置3は、図10に示すように、予測結果画面320に表示された承認依頼の予想分布のグラフにおいて特定の時期がポインタなどによる指定されると、その時期において、差し戻しの可能性がある申請者の情報331を予測結果画面320に表示させる。
【0065】
図11は、新規承認依頼予測処理のフローチャートである。次に、図11を参照して、アプリケーションサーバ10による新規承認依頼予測処理の全体的な流れについて説明する。
【0066】
予測処理部200の受付部201は、承認者Pによる承認者端末装置3を用いた新規承認依頼予測の実施の要求を受け付ける。そして、受付部201は、承認者端末装置3の表示装置に操作画面を表示させる。承認者Pは、承認者端末装置3の表示装置に表示された操作画面を用いて予測対象とするイベントが既に登録されているか否かを判定する(ステップS1)。
【0067】
イベントが既に登録されている場合(ステップS1:肯定)、新規承認依頼予測処理は、ステップS3へ進む。
【0068】
これに対して、イベントが登録されていない場合(ステップS1:否定)、承認者Pは、承認者端末装置3の表示装置に表示されたイベント登録画面を用いて、予測対象の申請種別、イベント及び開始日時を入力してイベントを登録する(ステップS2)。
【0069】
承認者Pは、承認者端末装置3の表示装置に表示された申請予測画面を用いて予測する申請種別及び予測対象のイベントを入力して操作画面上の実行ボタンを押下する(ステップS3)。
【0070】
予測処理部200は、実行ボタンが押下されると、予測する申請種別及び予測対象とするイベントの情報を含む予兆情報を受信して保持する。そして、受付部201は、予測対象のイベントに対する予測処理を実行する(ステップS4)。
【0071】
その後、予測処理部200の出力部205は、予測対象のイベントにおける承認依頼に関する予想結果を出力する(ステップS5)。承認者端末装置3は、予測処理部200の出力部205から出力された予測結果を示す予測結果画面を表示装置に表示する。承認者Pは、承認者端末装置3の表示装置に表示された予測結果画面を確認して、指定したイベントにおける承認依頼の発生件数を把握することができる。
【0072】
図12は、予測処理の概要を示すフローチャートである。図12に示したフローにおける各処理は、図11のステップS4で実行される処理の一例にあたる。次に、図12を参照して、予測処理部200による予測処理の流れの概要を説明する。
【0073】
新規承認依頼件数算出部202は、予測する申請種別及び予測対象のイベントを含む予兆情報とともに予測の実行依頼を受付部201から受ける。そして、新規承認依頼件数算出部202は、予兆情報から新規承認依頼件数を算出する(ステップS11)。
【0074】
差戻件数算出部203は、新規承認依頼件数の入力を新規承認依頼件数算出部202から受ける。そして、差戻件数算出部203は、申請者及び承認者Pのスキルを加味して差し戻し件数を算出する(ステップS12)。
【0075】
期間予測部204は、予測対象とするイベントと申請種別が同じ直近のイベントにおける申請物情報の入力を新規承認依頼件数算出部202から受ける。また、期間予測部204は、予兆情報を受付部201から取得する。そして、期間予測部204は、予兆情報及び直近のイベントにおける申請物の情報を基に承認依頼時期を算出する(ステップS13)。
【0076】
図13は、新規承認依頼件数算出処理のフローチャートである。図13に示したフローにおける各処理は、図12のステップS11で実行される処理の一例にあたる。次に、図13を参照して、新規承認依頼件数算出部202による新規承認依頼件数算出処理の流れを説明する。
【0077】
新規承認依頼件数算出部202は、予測対象のイベント及び予測する申請種別を含む予兆情報を受信部201から取得する(ステップS101)。
【0078】
次に、新規承認依頼件数算出部202は、申請物情報DB21に登録された過去のイベントの中から予測する申請種別と同じ申請種別の直近のイベントを1つ特定する。そして、新規承認依頼件数算出部202は、特定した直近のイベントの申請件数を申請物情報DB21の情報を用いて算出する(ステップS102)。
【0079】
次に、新規承認依頼件数算出部202は、予測する申請種別と同じ種類の申請物の複数年間の増加率の平均を求めて、前段作業をトリガとして発生する申請物の増加率を算出する(ステップS103)。
【0080】
次に、新規承認依頼件数算出部202は、直近のイベントの申請件数に増加率を乗算して、予測対象のイベントにおいて発生する承認依頼の新規件数である新規承認依頼件数を算出する(ステップS104)。
【0081】
図14は、差し戻し件数算出処理のフローチャートである。図14に示したフローにおける各処理は、図12のステップS12で実行される処理の一例にあたる。次に、図14を参照して、差戻件数算出部203による差し戻し件数算出処理の流れを説明する。
【0082】
差戻件数算出部203は、新規承認依頼件数の入力を新規承認依頼件数算出部202から受ける。次に、差戻件数算出部203は、承認者Pの差し戻し率を承認者情報DB23から取得する(ステップS201)。
【0083】
次に、差戻件数算出部203は、申請物情報DB21に格納された直近のイベントの申請物の中から1つ申請物を選択する(ステップS202)。
【0084】
次に、差戻件数算出部203は、選択した申請物の申請者を特定する。次に、差戻件数算出部203は、申請者のその種類の申請物の申請の経験回数及び申請頻度を申請者情報DB22に格納された情報を用いて算出する。次に、差戻件数算出部203は、予め決められた換算ルールにしたがって、経験回数及び申請頻度をポイントに換算する。そして、差戻件数算出部203は、ポイント換算した経験回数と申請頻度とを合計して、申請者のスキルレベルを算出する(ステップS203)。
【0085】
次に、差戻件数算出部203は、ポイントを補正値に直す換算表206を参照して、申請者のスキルレベルから選択した申請物の個別のスキル補正値を算出する(ステップS204)。
【0086】
差戻件数算出部203は、直近のイベントの申請物の全てについて個別のスキル補正値の算出が完了したか否かを判定する(ステップS205)。個別のスキル補正値を算出していない申請物が存在する場合(ステップS205:否定)、差戻件数算出部203は、ステップS202へ戻る。
【0087】
これに対して、直近のイベントの申請物の全てについて個別のスキル補正値の算出が完了した場合(ステップS205:肯定)、差戻件数算出部203は、算出した個別のスキル補正値を全て合計してスキル補正値を算出する(ステップS206)。
【0088】
その後、差し戻し率にスキル補正値を乗算し、乗算結果に新規承認依頼件数を乗算して、差し戻し件数を算出する(ステップS207)。
【0089】
図15は、承認依頼時期算出処理のフローチャートである。図15に示したフローにおける各処理は、図12のステップS13で実行される処理の一例にあたる。次に、図15を参照して、期間予測部204による承認依頼時期算出処理の流れを説明する。
【0090】
期間予測部204は、直近のイベントの申請物それぞれの申請物情報を新規承認依頼件数算出部202から取得する(ステップS301)。
【0091】
さらに、期間予測部204は、今回のイベント及び直近のイベントについて、前段作業の発生日時を含む予兆情報を受付部201から取得する(ステップS302)。
【0092】
次に、期間予測部204は、直近のイベントにおいて、前段作業が発生してからその前段作業に基づいて発生する承認依頼の最終承認が行われるまでの申請処理の期間を算出する。さらに、期間予測部204は、申請処理の期間を予め決められた所定単位である時期に区分する。そして、期間予測部204は、直近のイベントの申請物の数を申請処理の期間における承認依頼の時期に応じて分布化する(ステップS303)。
【0093】
次に、期間予測部204は、前段作業をトリガとして発生する申請種別と同じ種類の申請物の増加率を新規承認依頼件数算出部202から取得する。また、期間予測部204は、差し戻し率及びスキル補正値の情報を差戻件数算出部203から取得する(ステップS304)。
【0094】
次に、期間予測部204は、時期毎の直近のイベントの申請物の数に、増加率を乗算し、その乗算結果に、差し戻し率とスキル補正値との積と1との合計値を乗算して新規承認依頼の時期毎の予想件数を算出する(ステップS305)。
【0095】
次に、期間予測部204は、直近のイベントで申請を行った各申請者の申請者情報に含まれる前段作業の終了から承認依頼を行うまでの平均日数を申請者情報DB22から取得する(ステップS306)。
【0096】
次に、期間予測部204は、申請者のスキルレベル及び差し戻し経験を差戻件数算出部203から取得する(ステップS307)。
【0097】
そして、期間予測部204は、差し戻された経験の有無をポイント換算する。そして、期間予測部204は、申請者のスキルレベルを表すポイントと差し戻された経験の有無から得られるポイントとを乗算して、申請者毎の差し戻しの可能性を数値化した値を算出する(ステップS308)。
【0098】
次に、期間予測部204は、直近のイベントで申請を行った各申請者について差し戻しの可能性の値が予め決められた閾値以上の申請者を差し戻しの可能性がある申請者として抽出する(ステップS309)。
【0099】
そして、期間予測部204は、差し戻しの可能性がある申請者それぞれについて、今回の前段作業の開始日時と申請者の前段作業の終了から承認依頼を行うまでの平均日数から、予想承認依頼時期を算出する(ステップS310)。
【0100】
以上に説明したように、本実施例に係る情報処理システムは、特定のイベントに関する承認依頼について、承認依頼の発生の予兆となる前段作業を示す予兆情報を取得する。そして、本実施例に係る情報処理システムは、過去の同種の申請種別の他のイベントにおいて、同様の前段作業が発生した際に行われた承認依頼の件数を用いて、予測対象のイベントにおける新規承認依頼の発生件数を算出する。また、本実施例に係る情報処理システムは、承認者の差し戻し率及び申請者のスキルレベルを用いて差し戻し件数を算出する。さらに、本実施例に係る情報処理システムは、予兆となる前段作業からその前段作業により発生する承認依頼の処理が全て終わるまでの期間における時期毎の承認依頼の発生件数の推移を求める。加えて、本実施例に係る情報処理システムは、申請者のスキルレベルと差し戻された経験の有無から、差し戻しの可能性がある申請者と特定して、その予想承認依頼時期を算出する。そして、本実施例に係る情報処理システムは、予測した承認依頼に関する各種情報をグラフ化するなどして承認者に提供する。
【0101】
このように、承認者及び申請者の承認申請に関するスキルを考慮して差し戻し件数を求めて承認依頼件数を予測することで、申請内容や作業者のスキルによるバラツキを含めて予測を行うことができ、承認依頼件数を予測の確度を向上させることができる。また、承認依頼が発生する期間に含まれる各時期においてどのくらいの量の承認依頼が発生するかを承認者に提供することで、承認者は、承認処理の事前計画、準備及び対策を容易に施すことが可能となる。したがって、スムースな承認作業が可能となり、承認業務の効率化を図ることが可能となる。
【0102】
(ハードウェア構成)
図16は、コンピュータのハードウェア構成図である。アプリケーションサーバ10のハードウェア構成の一例について説明する。アプリケーションサーバ10は、図16に示すコンピュータ90により実現可能である。
【0103】
コンピュータ90は、図16に示すように、CPU(Central Processing Unit)91、メモリ92、ハードディスク93及びネットワークインタフェース94を有する。CPU91は、バスを介して、メモリ92、ハードディスク93及びネットワークインタフェース94に接続される。
【0104】
ネットワークインタフェース94は、外部装置との間の通信のための通信インタフェースである。例えば、アプリケーションサーバ10では、ネットワークインタフェース94は、CPU91と承認者端末装置3及びDBサーバ20との間の通信を中継する。
【0105】
ハードディスク93は、補助記憶装置である。ハードディスク93は、例えば、換算表206を記憶する。また、ハードディスク93は、図1に例示したワークフロー処理部100及び予測処理部200の機能を実現するためのプログラムを含む各種プログラムを格納する。
【0106】
メモリ92は、主記憶装置である。メモリ92は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)を用いることができる。
【0107】
CPU91は、ハードディスク93に格納された各種プログラムを読み出して、メモリ92に展開して実行する。これにより、CPU91は、図1に例示したワークフロー処理部100及び予測処理部200の機能を実現する。例えば、CPU91は、図1に例示した受付部201、新規承認依頼件数算出部202、差戻件数算出部203、期間予測部204及び出力部205の機能を実現する。
【符号の説明】
【0108】
1 情報処理システム
3 承認者端末装置
10 アプリケーションサーバ
20 DBサーバ
21 申請物情報DB
22 申請者情報DB
23 承認者情報DB
100 ワークフロー処理部
200 予測処理部
201 受付部
202 新規承認依頼件数算出部
203 差戻件数算出部
204 期間予測部
205 出力部
206 換算表
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16