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特開2024-151220廃棄物処理方法及び廃棄物処理プラント並びにそれらに用いられる解砕装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151220
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】廃棄物処理方法及び廃棄物処理プラント並びにそれらに用いられる解砕装置
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/60 20220101AFI20241017BHJP
   B09B 3/35 20220101ALI20241017BHJP
   B07B 1/00 20060101ALI20241017BHJP
   B07B 7/08 20060101ALI20241017BHJP
   B07B 9/00 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
B09B3/60 ZAB
B09B3/35
B07B1/00 B
B07B7/08
B07B9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064448
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】508047738
【氏名又は名称】新和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000615
【氏名又は名称】弁理士法人Vesta国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安野 民雄
【テーマコード(参考)】
4D004
4D021
【Fターム(参考)】
4D004AA03
4D004AA07
4D004AA12
4D004BA03
4D004BA04
4D004CA04
4D004CA08
4D004CA19
4D004CB13
4D021AA15
4D021AB01
4D021CA07
4D021CA11
4D021EA10
4D021EB01
4D021FA25
4D021GB01
4D021GB03
4D021HA01
4D021HA10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】廃棄物を再資源化する処理の効率を高めることができること。
【解決手段】廃棄物処理方法は、廃棄物1、嵩密度調節材2、及び好気性微生物を付着した発酵補助材3とを混合してなる発酵資材10を好気発酵し乾燥させて発酵乾燥処理物20とする発酵乾燥工程(ステップS20)と、発酵乾燥処理物20を解砕する解砕工程(ステップS30)と、解砕した発酵乾燥解砕処理物30の重量・粒度選別や、磁気選別や、手選別等を行い、発酵乾燥解砕処理物30から金属類310、不燃物320、塩化ビニル330等を取り除き、また、嵩密度調節材2や発酵補助材3を分離し、堆肥原料210、固形燃料原料220、または熱分解油原料230の何れか1種以上を選別する選別工程(ステップS40、ステップS51,ステップS52、ステップS61、ステップS62、ステップS81等)とを具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を好気発酵し乾燥させて発酵乾燥処理物とする発酵乾燥工程と、
前記発酵乾燥処理物を解砕する解砕工程と、
前記解砕された前記発酵乾燥処理物の選別を行う選別工程と
を具備することを特徴とする廃棄物処理方法。
【請求項2】
前記解砕工程における前記発酵乾燥処理物の解砕は、振動するスクリーンに前記発酵乾燥処理物を通すことにより行われることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処理方法。
【請求項3】
前記スクリーンは、縦桟及び横桟が互いに直角に配設された格子状に形成されたものであることを特徴とする請求項2に記載の廃棄物処理方法。
【請求項4】
廃棄物を好気発酵し乾燥させて発酵乾燥処理物とする発酵乾燥部と、
前記発酵乾燥処理物を解砕する解砕手段と、
前記解砕された前記発酵乾燥処理物の選別を行う選別手段と
を具備することを特徴とする廃棄物処理プラント。
【請求項5】
前記解砕手段は、振動するスクリーンに前記発酵乾燥処理物を通過させて解砕するものであることを特徴とする請求項4に記載の廃棄物処理プラント。
【請求項6】
前記スクリーンは、縦桟及び横桟が互いに直角に配設された格子状に形成されたものであることを特徴とする請求項5に記載の廃棄物処理プラント。
【請求項7】
廃棄物を好気発酵し乾燥させてなる発酵乾燥処理物を解砕する解砕装置であって、
前記発酵乾燥処理物を通過させるスクリーンと、
前記スクリーンに振動を与える振動手段と、
を具備することを特徴とする解砕装置。
【請求項8】
前記スクリーンは、縦桟及び横桟が互いに直角に配設された格子状に形成されたものであることを特徴とする請求項7に記載の解砕装置。
【請求項9】
前記スクリーンは、前記縦桟及び前記横桟に高低差があるものであることを特徴とする請求項8に記載の解砕装置。
【請求項10】
更に、前記スクリーンの開口に対して挿脱自在な突起部を設けた押込手段を具備することを特徴とする請求項7に記載の解砕装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭、レストラン、料亭、ホテル、スーパーマーケット等で発生する生ごみ、紙、プラスチック等が混在した廃棄物を、例えば、固形燃料(Refuse Derived Fuel:RDF)、熱分解油(生成油)等として再資源化するために好気性発酵乾燥処理する廃棄物処理方法及び廃棄物処理プラント並びにそれらに用いられる解砕装置に関するもので、特に、廃棄物を再資源化する処理の効率を高めることができる廃棄物処理方法及び廃棄物処理プラント並びにそれらに用いられる解砕装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭や、レストラン、料亭、ホテル、スーパーマーケット等の飲食物提供を行なう産業や、学校や、その他の事業所から排出される、生野菜、果実、肉類等の生ごみ類、紙類、布類、小型プラスチック等を含む一般ごみ、生活ごみ等の可燃ごみ(燃やせるごみ)の多くは、自治体により指定された方法で数種類に分別収集され、焼却処分場において焼却処分されている。
しかし、近年では、環境負荷の観点から生ごみ等の有機性廃棄物を含む一般廃棄物を資源として再利用することにより少しでも焼却量を減少させる努力がなされ、焼却処理に替えてサーマルリサイクル、ケミカルリサイクル、マテリアルリサイクル等への試みが積極的に行われている。
【0003】
そこで、本出願人は、先に、特許文献1や特許文献2に記載の発明を提供した。特許文献1及び特許文献2では、生ごみ等の有機性廃棄物を好気的な環境下で発酵乾燥させて、有機肥料や、固形燃料(RDF)として再資源化する技術を開示している。
【0004】
具体的には、特許文献1及び特許文献2では、生ごみ等の有機性廃棄物を発酵補助材や嵩密度調節材と混合してから好気的な環境下で発酵乾燥させたのち、金属やプラスチック等の異物を取り除いたり、発酵補助材や嵩密度調節材を繰り返し再利用するためにそれらを分離する選別処理を行い、選別された発酵乾燥処理物が有機肥料の原料や固形燃料原料(RDF)として供されることを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許6567741号公報
【特許文献2】特開2023-004654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、生ごみ等の有機性廃棄物を好気的な環境下で発酵乾燥させる場合、生ごみ等の有機性廃棄物の状態、発酵時の微生物の活動状態、発酵乾燥時の通気状態、廃棄物に嵩密度調節材を混合したときの嵩密度の状態等によっては、発酵乾燥された処理物において大きな塊が生じることがある。このため、それら塊を含んだ発酵乾燥処理物を後処理として選別処理する場合には、搬送のためのコンベアや選別機に詰まりを生じさせたり、選別機による処理効率を低下させたりすることがあり、生ごみ等の有機性廃棄物を再資源化する処理効率を低下させる一因となっていた。
【0007】
そこで、本発明は、廃棄物を再資源化する処理の効率を高めることができる廃棄物処理方法及び廃棄物処理プラント並びにそれらに用いられる解砕装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明の廃棄物処理方法は、発酵乾燥工程で、廃棄物を好気発酵し乾燥させて発酵乾燥処理物とし、解砕工程で、前記発酵乾燥処理物を解砕し、選別工程で、前記解砕された前記発酵乾燥処理物の選別を行うものである。
【0009】
上記発酵乾燥工程は、廃棄物を好気発酵、好ましくは、嵩密度調節材や好気性微生物を付着した発酵補助材と混合した状態で好気発酵し乾燥させて発酵乾燥処理物とする工程であり、例えば、外部からの空気の導入及び外部への空気の排出を可能とし負圧に制御して臭気の漏れを防止した気密構造のハウジング内において、廃棄物を好気発酵し、その発酵熱で水分除去して乾燥させるものである。好ましくは、廃棄物に空気を供給する送風(通気)によって廃棄物の好気発酵及び乾燥の進行を促進する。また、発酵中に廃棄物に散水することで均一な好気発酵を促進する。
【0010】
上記解砕工程は、前記発酵乾燥工程で得られた発酵乾燥処理物を解砕し、好ましくは粒度をも調整する工程である。廃棄物を含む発酵資材を好気発酵し乾燥させてなる発酵乾燥処理物中の所定寸法以上の塊、即ち、後の選別工程で使用される選別機や搬送コンベア等の機械において目詰まりを生じさせるような寸法の塊を解砕できれば、その手段は特に問われず、例えば、スクリーンに発酵乾燥処理物を通すことにより塊を解砕し発酵乾燥処理物の粒度調整をしてもよいし、粉砕機等で粉砕することにより解砕してもよい。
【0011】
上記選別工程は、前記解砕工程で得られた発酵乾燥解砕処理物から、塩化ビニルや金属等の不燃物を除去し、また、廃棄物を嵩密度調節材や発酵補助材と混合して好気発酵させる場合には再利用のために嵩密度調節材や発酵補助材を分離し、固形燃料の原料となる固形燃料原料、堆肥の原料となる堆肥原料、または熱分解油の原料となる熱分解油原料の何れかの1以上を選別する工程である。例えば、粒度選別、重量選別、磁気選別、手選別等によって、発酵乾燥解砕処理物から塩化ビニルや金属等の不燃物が除去され、また、嵩密度調節材や発酵補助材が分離され、残りが、固形燃料の原料となる固形燃料原料や堆肥の原料となる堆肥原料や熱分解油の原料等として使用される。
【0012】
なお、上記廃棄物とは、家庭や事業所で排出された生ごみや紙屑等の燃やせるごみである家庭系一般廃棄物や、事務系廃棄物や、産業廃棄物としての食品廃棄物、動食物性残渣等の有機性廃棄物を含むものである。
【0013】
請求項2の発明の廃棄物処理方法の前記解砕工程における前記発酵乾燥処理物の解砕は、振動するスクリーンに前記発酵乾燥処理物を通すことにより行われるものであり、前記発酵乾燥処理物を振動するスクリーンに通すことにより粒度調整されるものでもある。
【0014】
請求項3の発明の廃棄物処理方法の前記スクリーンは、複数の縦桟及び横桟を組み合わせた格子状に形成されたものである。
上記縦桟及び横桟は、平板状または角材状であるものであり、線材等から構成される網とは区別されるものである。互いに直角に配置する構造であれば、縦桟間に横桟を架設、または、横桟に縦桟を架設する構成であってもよいし、縦桟と横桟とを交差させる構成であってもよい。
【0015】
請求項4の発明の廃棄物処理プラントは、廃棄物を好気発酵し乾燥させて発酵乾燥処理物とする発酵乾燥部と、前記発酵乾燥処理物を解砕する解砕手段と、前記解砕された前記発酵乾燥処理物の選別を行う選別手段とを具えるものである。
【0016】
上記発酵乾燥部は、廃棄物を好気発酵、好ましくは、嵩密度調節材や好気性微生物を付着した発酵補助材と混合した状態で好気発酵し乾燥させて発酵乾燥処理物とする発酵乾燥装置、発酵乾燥槽、発酵乾燥処理室等であり、例えば、外部からの空気の導入及び外部への空気の排出を可能とし負圧に制御して臭気の漏れを防止した気密構造のハウジング内において、廃棄物を好気発酵し、その発酵熱で水分除去して乾燥させるものである。好ましくは、廃棄物に空気を供給する送風(通気)によって廃棄物の好気発酵及び乾燥の進行を促進する。また、発酵中に廃棄物に散水することで均一な好気発酵を促進する。
【0017】
上記解砕手段は、廃棄物を含む発酵資材を好気発酵し乾燥させてなる発酵乾燥処理物中の所定寸法以上の塊、即ち、後の選別手段で使用される選別機等の機械において目詰まりを生じさせるような寸法の塊を解砕できるものであればよく、好ましくは粒度をも調整するものである。例えば、スクリーンに発酵乾燥処理物を通すことにより塊を解砕し発酵乾燥処理物の粒度調整をしてもよいし、粉砕機等で粉砕することにより解砕するものであってもよい。
【0018】
上記選別手段は、前記解砕手段により解砕された発酵乾燥処理物から塩化ビニルや金属等の不燃物を除去し、また、廃棄物を嵩密度調節材や発酵補助材と混合して好気発酵させる場合には再利用のために嵩密度調節材や発酵補助材を分離し、固形燃料の原料となる固形燃料原料、堆肥の原料となる堆肥原料、または熱分解油の原料となる熱分解油原料の何れかの1以上を選別する手段である。例えば、粒度選別機、重量選別機、磁気選別機、手選別等によって塩化ビニルや金属等の不燃物が除去され、また、発酵乾燥解砕処理物から前記嵩密度調節材や前記発酵補助材が分離され、残りが固形燃料の原料となる固形燃料原料、堆肥の原料となる堆肥原料、または熱分解油の原料等として使用される。
【0019】
請求項5の発明の廃棄物処理プラントの前記解砕手段は、振動するスクリーンに前記発酵乾燥処理物を通すことにより行われるものであり、前記発酵乾燥処理物を振動するスクリーンに通すことにより粒度調整されるものでもある。
【0020】
請求項6の発明の廃棄物処理プラントの前記スクリーンは、複数の縦桟及び横桟を組み合わせた格子状に形成されたものである。
上記縦桟及び横桟は、平板状または角材状であるものであり、線材等からなる網とは区別されるものである。互いに直角に配置する構造であれば、縦桟間に横桟を架設、または、横桟に縦桟を架設する構成であってもよいし、縦桟と横桟とを交差させる構成であってもよい。
【0021】
請求項7の発明の解砕装置は、廃棄物を好気発酵し乾燥させてなる発酵乾燥処理物を解砕する解砕装置であって、前記発酵乾燥処理物を通過させるスクリーンと、前記スクリーンに振動を与える振動手段とを有するものである。
【0022】
上記スクリーンとしては、好ましくは、縦桟及び横桟を格子状に形成したものが使用され、その開口は、例えば、200mm~500mm×200mm~500mm程度の矩形状または正方形状に設計される。
【0023】
上記振動手段としては、振動を発生させる機構であればよく、例えば、重心が偏心したものを回転させて振動を発生させるものであってもよいし、電気的に振動を発生させるものであってもよいし、カムとバネを使用して振動を発生させるものであってもよい。
【0024】
請求項8の発明の解砕装置の前記スクリーンは、縦桟及び横桟が互いに直角に配設された格子状に形成されたものである。
上記縦桟及び横桟は、平板状または角材状であるものであり、線材等からなる網とは区別されるものである。互いに直角に配置する構造であれば、縦桟間に横桟を架設、または、横桟に縦桟を架設する構成であってもよいし、縦桟と横桟とを交差させる構成であってもよい。
【0025】
請求項9の発明の解砕装置の前記スクリーンは、前記縦桟と前記横桟とで高低差があるものである。
上記縦桟と前記横桟とで高低差があるとは、上記縦桟及び前記横桟のうちの一方が他方の高さより突出していたり、前記縦桟及び前記横桟のうちの一方が他方より上に配設していたりすることを意味する。
上記縦桟及び横桟のうちの一方が他方の高さより突出しているとは、縦桟間に横桟を架設、または、横桟に縦桟を架設する構成において、縦桟の上端が横桟の上端よりも高い位置にくるように設計されているものであってもよいし、横桟の上端が縦桟の上端よりも高い位置にくるように設計されているものであってもよい。
また、上記縦桟及び横桟のうちの一方が他方より上に配設しているとは、縦桟が横桟の上に配置して縦桟及び横桟が交差しているものであってもよいし、横桟が縦桟の上に配置して縦桟及び横桟が交差しているものであってもよい。
【0026】
請求項10の発明の解砕装置は、更に、前記スクリーンの開口に対して押脱自在な突起部を設けた押込手段を具備するものである。
上記押込手段は、前記スクリーンの開口に差し込んだり外したりの挿脱が自在な突起部を設け、前記スクリーンの開口への突起部の挿入により開口の目詰まりを解消するものである。
【発明の効果】
【0027】
請求項1の発明に係る廃棄物処理方法によれば、発酵乾燥工程にて、廃棄物を好気発酵し乾燥させて発酵乾燥処理物を形成し、解砕工程にて、前記発酵乾燥処理物を解砕してから、選別工程にて、前記解砕した前記発酵乾燥処理物の選別を行うから、発酵乾燥工程を経て得られた発酵乾燥処理物中に大きな塊が生じても選別工程前に解砕工程で解砕されることにより、その後の選別工程で使用する選別機や搬送ベルト等の機械において目詰まりが生じ難くなる。よって、選別工程の選別効率を上げることができ、廃棄物を再資源化する処理効率を高めることができる。
【0028】
請求項2の発明に係る廃棄物処理方法によれば、前記解砕工程における前記発酵乾燥処理物の解砕は、振動するスクリーンに前記発酵乾燥処理物を通すことにより行われるものであるから、破砕機等による破砕による解砕に比べ、発酵乾燥処理物に嵩密度調節材が含まれていても、それを細かく粉砕することなく、即ち、嵩密度調節材の再利用性を損なうことなく、解砕できる。よって、請求項1に記載の効果に加えて、嵩密度調節材の再利用性を損なうことなく、発酵乾燥処理物を解砕できる。更に、スクリーンを通った発酵乾燥解砕処理物であれば、所定の大きさの塊がなく粒度調整されたものであるから、選別工程における機械の目詰まりをより効果的に防ぐことができる。
【0029】
請求項3の発明の廃棄物処理方法によれば、前記スクリーンは、複数の縦桟及び横桟が互いに直角に配設された格子状に形成されたものである。
こうした平板状または角材状の縦桟及び横桟であれば、断面円形の線材で形成される網状のものよりも発酵乾燥処理物に衝撃力を与えやすいことにより、請求項1に記載の効果に加えて、解砕効果を高めることができる。
【0030】
請求項4の発明に係る廃棄物処理プラントによれば、発酵乾燥部にて、廃棄物を好気発酵し乾燥させて発酵乾燥処理物を形成し、解砕手段によって前記発酵乾燥処理物を解砕し、選別手段によって、前記解砕した前記発酵乾燥処理物の選別を行うから、発酵乾燥処理物中に塊が生じても選別手段による選別の前に解砕手段で解砕されることにより、その後の選別手段で使用する選別機や搬送ベルト等の機械において目詰まりが生じ難くなる。よって、選別効率を上げることができ、廃棄物を再資源化する処理効率を高めることができる。
【0031】
請求項5の発明に係る廃棄物処理プラントによれば、前記解砕手段における前記発酵乾燥処理物の解砕は、振動するスクリーンに前記発酵乾燥処理物を通すことにより行われるものであるから、破砕機等による破砕による解砕に比べ、発酵乾燥処理物に嵩密度調節材が含まれていても、それを細かく粉砕することなく、即ち、嵩密度調節材の再利用性を損なうことなく、解砕できる。よって、請求項4に記載の効果に加えて、嵩密度調節材の再利用性を損なうことなく、発酵乾燥処理物を解砕できる。更に、スクリーンを通った発酵乾燥解砕処理物であれば、所定の大きさの塊がなく粒度調整されたものであるから、選別工程における機械の目詰まりをより効果的に防ぐことができる。
【0032】
請求項6の発明に係る廃棄物処理方法によれば、前記スクリーンは、複数の縦桟及び横桟が互いに直角に配設された格子状に形成されたものである。
こうした平板状または角材状の縦桟及び横桟であれば、断面円形の線材で形成される網状のものよりも発酵乾燥処理物に衝撃力を与えやすいことにより、請求項4に記載の効果に加えて、解砕効果を高めることができる。
【0033】
請求項7の発明に係る解砕装置によれば、廃棄物を好気発酵し乾燥させてなる発酵乾燥処理物を通過させるスクリーンと、前記スクリーンに振動を与える振動手段とを具備することにより、発酵乾燥処理物を振動により、及び、スクリーンを通過するときのスクリーンとの衝突により解砕する。よって、その後に、発酵乾燥処理物の選別を行うときでも、目詰まりを生じさせ難く、選別効率を上げることができることで、廃棄物を再資源化する処理効率を高めることができる。特に、振動するスクリーンに発酵乾燥処理物を通すことにより発酵乾燥処理物を解砕するものであるから、破砕機等による破砕による解砕に比べ、粉砕機発酵乾燥処理物に嵩密度調節材が含まれていても、それを細かく粉砕することなく、即ち、嵩密度調節材の再利用性を損なうことなく、解砕できる。
【0034】
請求項8の発明に係る解砕装置の前記スクリーンは、縦桟及び横桟が互いに直角に配設された格子状に形成されたものである。
こうした平板状または角材状の縦桟及び横桟であれば、断面円形の線材で形成される網状のものよりも発酵乾燥処理物に衝撃力を与えやすいことにより、請求項7に記載の効果に加えて、解砕効果を高めることができる。
【0035】
請求項9の発明に係る解砕装置の前記スクリーンは、前記縦桟及び前記横桟に高低差があるものであるから、縦桟及び横桟との衝突頻度を高めることができ、請求項8に記載の効果に加えて、解砕効果を高めることができる。
【0036】
請求項10の発明に係る解砕装置は、更に、前記スクリーンの開口に対して挿脱自在な突起部を設けた押込手段を具備するから、スクリーンの開口内に突起部を挿入することによりスクリーンの開口の目詰まりを解消できる。よって、請求項7に記載の効果に加えて、解砕の処理効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は本発明の実施の形態の廃棄物処理方法及び廃棄物プラントにおける廃棄物処理工程のフローチャートである。
図2図2は本発明の実施の形態の廃棄物処理方法及び廃棄物プラントにおける廃棄物処理システムを説明する概念図である。
図3図3は本発明の実施の形態の廃棄物処理方法及び廃棄物プラントにおける発酵乾燥処理物の解砕処理及び選別処理を説明する概念図である。
図4図4は本発明の実施の形態の廃棄物処理方法及び廃棄物プラントにおける発酵乾燥処理物の解砕処理で用いる解砕装置の概略構成を説明する斜視図である。
図5図5は本発明の実施の形態の廃棄物処理方法及び廃棄物プラントにおける発酵乾燥処理物の解砕処理で用いる解砕装置の概略構成を説明する構成図であり、(a)は正面側から見た構成図、(b)は上側から見た構成図である。
図6図6は本発明の実施の形態の廃棄物処理方法及び廃棄物プラントにおける発酵乾燥処理物の解砕処理で用いる解砕装置の概略構成を説明する構成図であり、(a)は図5(b)の切断線A-Aによる断面構成図、(b)は図5(b)の切断線B-Bによる断面構成図である。
図7図7は本発明の実施の形態の廃棄物処理方法及び廃棄物プラントにおける発酵乾燥処理物の解砕処理で用いる解砕装置及びその周辺の概略構成を説明する斜視図である。
図8図8は本発明の実施の形態の廃棄物処理方法及び廃棄物プラントにおける発酵乾燥処理物の解砕処理で用いる解砕装置のスクリーンの縦桟及び横桟の例を説明するための要部拡大斜視図であり(a)は縦桟及び横桟の先端部の一例の説明図、(b)は縦桟及び横桟の先端部の別の例の説明図、(c)は縦桟及び横桟の先端部の他の例の説明図、(c)は縦桟及び横桟の先端部の更に他の例の説明図である。
図9図9は本発明の実施の形態の廃棄物処理方法及び廃棄物プラントにおける発酵乾燥処理物の解砕処理で用いる解砕装置のスクリーンの縦桟及び横桟の配置の他の例を説明するための説明図であり(a)はスクリーンの斜視図、(b)は(a)の切断線A-Aによる断面構成図、(c)は(a)の切断線B-Bによる断面構成図である。
図10図10は本発明の実施の形態の廃棄物処理方法及び廃棄物プラントにおける発酵乾燥処理物の解砕処理で用いる解砕装置のスクリーンの縦桟及び横桟の別の形態の例を説明するための説明図であり(a)はスクリーンの斜視図、(b)は(a)の切断線A-Aによる断面構成図、(c)は(a)の切断線B-Bによる断面構成図である。
図11図11は本発明の実施の形態の廃棄物処理方法及び廃棄物プラントにおける発酵乾燥処理物の解砕処理で用いる解砕装置のスクリーンの縦桟及び横桟の更に別の形態の例を説明するための説明図であり(a)はスクリーンの斜視図、(b)は(a)の切断線A-Aによる断面構成図、(c)は(a)の切断線B-Bによる断面構成図である。
図12図12は本発明の実施の形態の廃棄物処理方法及び廃棄物プラントにおける発酵乾燥処理物の解砕処理で用いる解砕装置のスクリーンの縦桟及び横桟の他の形態の例を説明するための縦桟及び横桟の要部拡大斜視図である。
図13図13は本発明の実施の形態の廃棄物処理方法及び廃棄物プラントにおける発酵乾燥処理物の解砕処理で用いる解砕装置の変形例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0039】
[実施の形態]
本発明の実施の形態の廃棄物処理方法及び廃棄物処理プラントにおける廃棄物処理の全体の流れを、図1乃至図3を参照して説明する。
本実施の形態の廃棄物処理方法及び廃棄物処理プラントは、一般家庭等から廃棄された生ごみ、紙、布、プラスチック等の廃棄物1を固形燃料(Refuse Derived Fuel:RDF)211、熱分解油221、または堆肥231の何れか1種以上に再資源化(リサイクル)するための廃棄物再資源化(廃棄物リサイクル)に適用されるものである。
【0040】
家庭内または事業所で生ごみ、紙屑、庭木の剪定屑、プラスチック等の燃やせるごみ(可燃ごみ)として排出され、塵収集車11で収集、搬送されてきた家庭系または事業系一般廃棄物や、産業廃棄物として搬送されてきた食品廃棄物や動植物性残渣等の有機性廃棄物等の廃棄物1は、廃棄物処理プラントの建屋110内に入ると、まず、破砕工程(ステップS1)において、生ごみ、紙、プラスチック類等の廃棄物1を収容していた塵袋が破砕機14によって破られる。また、破砕機14による粗破砕や押し潰し等によって廃棄物1が破砕、減容化される。
【0041】
例えば、塵収集車11で集められた家庭系または事業系一般廃棄物としての燃やせるごみや、産業廃棄物としての食品廃棄物、動植物性残渣等の廃棄物1は、廃棄物処理プラントの建屋110内の受入ヤードY1に下され、建屋110内に受け入れられる。そこから、ホイールローダー12等が中継し、ベルトコンベア13等を介して破砕機14のホッパーに投入される。この破砕機14では、生ゴミ、プラスチック、紙、布等を収容した塵袋の破袋を行う。即ち、破砕機14は外力を加えることにより少なくとも破袋するもので、具体的には、低速回転する破砕機14では、受入れ廃棄物1に対して、多段減容、均一化と破袋を行うという破袋機能及び押し潰し機能を有する。よって、この破砕機14で処理した結果の廃棄物1は、受け入れられた廃棄物1が破袋され、減容化されたものである。なお、本発明を実施する場合には、破砕機14は、少なくとも破袋機能があればよく、その破砕方式も、例えば、衝撃、せん断力、回転力、圧縮力等の何れであってもよい。
【0042】
破袋、減容化された廃棄物1は、続く混合工程(ステップS10)において、廃棄物1の堆積物内に通気の空隙を多く形成して嵩増しをするための嵩密度調節材2及び好気性微生物が付着した発酵補助材3と混合され、嵩密度が所定の範囲内となるように調節されて、発酵資材10を形成する。
【0043】
例えば、破砕機14で破袋された廃棄物1は、建屋110内の廃棄物ストックヤードY2に収集する。廃棄物ストックヤードY2に収集した廃棄物1は、ホイールローダー12等が中継し、混合作業部15の混合機16のホッパーに投入される。混合機16では、投入された所定量の廃棄物1に加え、木材チップ等の嵩密度調節材2や、好気性微生物が付着されている発酵補助材3が所定量投入される。
そして、発酵乾燥処理部120のハウジング121内に蓄える前に、混合機16で混合された混合物を建屋110内の混合作業部15の嵩密度調節ヤードY3に収集し、そこで、ホイールローダー等によってそれら混合物が均一に混合されるように、必要回数混ぜ合わせたのち、上からプラスチック製、木製、または金属製のパレット等により荷重をかけて所定の嵩密度に調節し、所定の嵩密度とした発酵資材10を作成する。
【0044】
廃棄物1に混合する嵩密度調節材2としては、廃棄物1の堆積物を嵩増しして、堆積物内に通気の空隙を形成できる所定寸法の有機材料であればよく、好ましくは、吸水性、吸湿性があり微生物を担持できる有機材料、例えば、木材チップ等の木質材や、後述の発酵乾燥処理物20から選別した固形燃料原料210や、それを固形燃料化してなる固形燃料211のRDF(Refuse Derived Fuel)や、固形燃料のRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)等が使用できる。
【0045】
木材チップ等の木質材や固形燃料や固形燃料原料210は低コストであり、好気性微生物を担持しやすいことで繰り返しの再使用で廃棄物1の効率の良い好気発酵及び乾燥処理を促進できる。よって、低コストで廃棄物1の好気発酵の促進を可能とする。特に、後述するように、発酵資材10を発酵乾燥させてなる発酵乾燥処理物20から嵩密度調節材2として選別する木質材や固形燃料原料210は、生ゴミ等の分解物の付着量、含有量が多いことで好気性微生物の好気性発酵による発熱(発酵熱)効果が期待でき、発酵資材10の好気発酵、乾燥の進行の高い促進効果を期待できる。
なお、発酵資材10の堆積物内に所定の空隙を形成するための木材チップ等の嵩密度調節材2は、例えば、最大径が20mm以上、50mm未満、より好ましくは、20mm以上、48mm以下、更に好ましくは、22mm以上、48mm以下の範囲内で、長さが20mm以上、300mm以下、より好ましくは、50mm以上、300mm以下の範囲内のものであり、平均寸法からすれば、長さ100mm以上、250mm以下の範囲内のものが好適である。当該範囲内であれば、発酵資材10の堆積物の下部側であっても所定の空隙を確保し酸欠不足を防止できて効率的な発酵、乾燥処理ができ、かつ、経済的な運転となる。よって、発酵乾燥の効率の良い処理を可能とする。
【0046】
また、発酵補助材3は、廃棄物1の好気発酵乾燥の処理効率を高めるものであり、発酵乾燥処理済みである発酵乾燥処理物20は好気性微生物が多く付着していることから発酵補助材3として好適である。即ち、発酵補助材3は、後述するように、廃棄物1を含んだ発酵資材10を発酵乾燥させてなる発酵乾燥処理物20から選別されものが使用される。好ましくは、発酵乾燥処理物20から選別され、更に脱塩処理されたものが使用される。即ち、後述するように、発酵乾燥処理物20の粒度・重量選別(ステップS40)によって発酵乾燥解砕処理物30から固形燃料原料210等となるものとは別に分離選別された発酵乾燥細粒物43を、好ましくは脱塩処理(ステップS83)してから、それを発酵補助材3として発酵資材10の好気発酵処理に戻して再利用する。
【0047】
特に、このように発酵乾燥させる廃棄物1に発酵補助材3を加え、また、木材チップ等の嵩密度調節材2を加えて所定の嵩密度に調節し、それを発酵資材10として発酵乾燥処理(ステップS20)に供することで、発酵乾燥処理(ステップS20)の前に不燃物を取り除く処理をしなくとも、即ち、発酵乾燥処理(ステップS20)の前に不燃物を取り除く工程を省略しても、発酵不足を生じさせることのない短時間での好気発酵及び乾燥処理を可能とする。よって、発酵乾燥後に不燃物を取り除けばよいから、不燃物除去処理に必要なエネルギ及びエネルギコストを少なくできる。したがって、廃棄物処理に使用するエネルギ及びエネルギコストを抑えることができ、二酸化炭素の排出量を抑えることができる。また、発酵乾燥前に不燃物を取り除く処理を必要としないことで、発酵処理前の不燃物除去における人為的選別の不衛生さを解消でき、発酵乾燥後に不燃物を取り除くだけでよいから人為的選別であっても衛生さを確保できる。即ち、高温の発酵乾燥処理後の好気発酵乾燥処理物20であれば雑菌等が死滅していることで、比較的衛生的に処理できる。よって、作業員と廃棄物1の接触を制限し、雑菌汚染等の懸念がある発酵処理前の廃棄物1に作業員が選別作業として触れることのない処理を可能とする。
【0048】
次に、こうして廃棄物1に嵩密度調節材2及び発酵補助材3が混合されて所定の嵩密度に調節された発酵資材10は、建屋110内に全体あるいは一部が格納された発酵乾燥処理部120のコンクリート製のハウジング121内にホイールローダー12等によって搬入されて積み込まれ、そこで、発酵乾燥工程(ステップS20)として所定の日数、好気発酵され、また、乾燥処理される。
【0049】
このとき、発酵乾燥処理部120では、ハウジング121内に静置した発酵資材10の堆積物に散水(噴霧)を行っている。これにより、発酵資材10を好気性発酵する好気性微生物の活性、生育に必要な水分をより均一に付加できるから、好気発酵の処理効率を高めることができる。
【0050】
なお、本実施の形態では、図2に示すように、ハウジング121内に排出された廃水、即ち、廃棄物1を含んだ発酵資材10から染み出た廃水、散水の余剰水等を回収し、フィルタで濾過し、その濾過した水をハウジング内の発酵資材10への散水(噴霧)に再び使用している。また、前述した廃棄物1の破砕や、嵩密度調節材2及び発酵補助材3との混合工程等を含め、廃棄物1から建屋110内に排出された廃水についてもそれを回収し、フィルタで濾過し、その濾過した水をハウジング121内の発酵資材10への散水(噴霧)に使用している。
即ち、ハウジング121から排出される廃水、更には、ハウジング121以外の建屋110内から排出される廃水を回収し、それらをハウジング121の室内に積み込んだ発酵資材10に噴霧する循環水部171を形成している。この循環水部171では、ハウジング121から排出される廃水及びハウジング121とは別途の場所から排出される廃水をも回収し、それらが貯水タンク173Aでまとめられ、貯水タンク173Aに収集した水は、ポンプ等によって、フィルタ172に圧送され、そこで異物等が取り除かれたのち、貯水タンク173Bで集められる。更に、貯水タンク173Bに収集した水は、ポンプ等によって圧送され、ハウジング121の天井側に設けた散水ノズルでハウジング121室内に水滴として噴霧される。
【0051】
こうして、本実施の形態では、ハウジング121内で廃棄物1から染み出した廃水及び散水の余剰水である廃水を回収し、外部に排出することなくフィルタ172で異物を除去したのち廃棄物1を含んだ発酵資材10に繰り返し散水として循環させて使用するものであり、ハウジング121内で生じた廃水は好気性微生物を含むから、それを水滴として噴霧する水にも、好気性微生物が含まれることで、発酵資材10に対して好気性微生物を均一に分布させて好気性発酵による処理効率を高めることができる。即ち、水滴の噴霧により、水滴に含まれる好気性微生物が発酵資材1全体に浸透し均一化するため、効率のよい好気発酵処理を可能とする。
更に、ハウジング121内からの廃水及びハウジング121以外の建屋110内から生じた廃水をも回収して散水に使用するから、発酵資材10の効率的な好気発酵処理のための好気性微生物に必要な水分を低コストでまかなうことができ、外部への排水量を少なくでき、排水のための浄化設備を小規模にまたは不要化できる。
【0052】
また、本実施の形態の発酵乾燥処理部120では、ハウジング121内の空気(臭気)の排出とハウジング121内への建屋110内の新鮮な空気の取り入れとの入れ替えを行うことによって酸素を補充し、また、ハウジング121内を所定の温度及び負の気圧に制御している。
即ち、この発酵乾燥処理部120では、ハウジング121の上部から室内空気をファン(ブロア)165で吸気し、その空気を圧縮してハウジング121の下面から噴出することでハウジング121内の空気を循環させる空気循環部163を形成し、ハウジング121内に積み込まれた発酵資材10に対し通気を行っている。また、ハウジング121の室内空気を排出する空気排出部162と、ハウジング121の室内にハウジング121の室外の建屋110内の空気を導入する空気導入部161とが形成されており、ハウジング121の室内を常に負圧に維持する通気を行っている。
【0053】
本実施の形態では、図2に示すように、ハウジング121室外の建屋110内の空気をハウジング121室内に取り込む空気導入部161のハウジング121室内への入力と、ハウジング121の上部から吸気した空気を下部から噴出して循環させる空気循環部163のハウジング121室内への入力とをまとめており、それら空気導入部161及び空気循環部163の合流した経路にファン(ブロア)165を配設し、ファン165の吸い込みによってハウジング121の上部から出力した空気とハウジング121室外の建屋110内から取り入れた空気とをまとめてハウジング121の下面から噴出させている。このように空気循環部163におけるハウジング121の上部から吸気した空気と、空気導入部161におけるハウジング121室外の建屋110内から取り込んだ導入空気との混合空気をハウジング121室内の下部から発酵資材10に対し送風し供給していることで、その混合空気では、ハウジング121の上部から吸気した空気よりも相対的に湿気が低下しているから、発酵資材10の堆積物内を上から下に通過する際に発酵資材10内の水分を蒸発させやすいものとなる。
【0054】
なお、発酵乾燥処理部120のハウジング121は、例えば、コンクリート製で形成され、室内と室外の空気流を結果的に遮断できる程度の封止状態を維持して、室外温度に一致しない程度に室内温度を制御自在とする構成である。
ハウジング121は、通常、搬入搬出口がその室内と室外の空気流を遮断できる扉で開閉自在とされる。なお、仮に、搬入搬出口と扉との間に隙間があっても、室内側が負圧で室内から室外方向の空気流が防止され、室外から室内方向の空気流であれば許容される。扉は発酵資材10の積み込み及び発酵資材10の積み出し時にのみ開けられ、処理工程時には常に閉じられた状態にある。ハウジング121の台数は、複数台が好ましいが1台であってもよく、複数台の場合には、バッチ処理によって運転され、稼働日数及び処理量から、その容量及び台数を決定できる。
【0055】
こうして、本実施の形態の発酵乾燥処理部120では、発酵資材10が積み込まれたハウジング121室内に循環水部171からの水滴が噴霧され、また、空気導入部161によるハウジング121室外の建屋110内の空気の導入によって常に酸素が補充されることで、廃棄物1、嵩密度調節材2、及び発酵補助材3を含んだ発酵資材10中の好気性微生物が活性化され、好気性微生物による発酵資材10の好気性発酵が進行する。
【0056】
ここで、本実施の形態の発酵乾燥処理部120での発酵資材10の微生物による発酵過程では、まず、初期の数日間には、廃棄物1中の易分解性の有機物質、例えば、たんぱく質、アミノ酸、糖質等をバクテリア、糸状菌等が積極的に分解し、廃棄物1、延いてはハウジング121内の温度を上昇させる。易分解性の物質が消費され温度が高温になると、高温性好気性の放線菌等が有機物の分解に携わるようになり、ヘミセルロースやセルロースの分解が始まり、温度は最高60℃~80℃になる。この高温環境によって雑菌類が死滅することで処理物の衛生化が図れる。通常55℃以上、3日間、好ましくは、65℃以上、48時間以上で病原菌等が殺菌される。続いて30℃~50℃の中温域を維持し、有機物の分解を更に促進させる。その後、室外からハウジング121内に取り入れる空気量を増やして、冷却及び乾燥を促進させる。
【0057】
こうして、本実施の形態の発酵乾燥処理部120において、発酵資材10の堆積物中の廃棄物1の好気性微生物による分解、好気発酵が進み、また、発酵熱、通気による乾燥が進む。即ち、この好気発酵乾燥工程(ステップS20)では、バクテリア、糸状菌等の好気性微生物によって、酸素及び廃棄物1の有機物が消費されて二酸化炭素及びエネルギ(熱)が生産され、ここで発生した熱は、発酵資材10の温度を上昇させ、発酵資材10を乾燥させる。なお、通常組成(有機ごみ20%、全体水分量60%)の廃棄物1は発酵乾燥による分解、水分の除去で概ね半分量に減容する。
【0058】
なお、本実施の形態では、図2に示すように、発酵乾燥処理部120のハウジング121に入力する空気量よりも、ハウジング121から排出する空気量を大きく設定し、ハウジング121内を負圧に維持することでハウジング121室外に臭気が出る可能性を皆無としているが、ハウジング121から排出した空気(臭気)は、エアプレナム室130を介して生物脱臭処理部140で脱臭処理してから外部に排気している。
即ち、ハウジング121から排出された湿気を多く含む空気(臭気)は、ハウジング121からエアプレナム室130に送られ、そこで、ハウジング121室外の建屋110内から取り入れた導入空気と混合された後、建屋110の屋外に設置された生物脱臭処理部140に送られる。必要に応じ、エアプレナム室130から生物脱臭処理部140まで経路の途中にはスクラバー装置137を配設し、エアプレナム室130からの空気に含まれる有害物質等を除去してから、生物脱臭処理部140に供給するようにしてもよい。更には、化学脱臭装置を設けることも可能である。化学脱臭装置では、フィルタ媒体中を強制通過させ、そこで、ガス中に含まれる水溶性の化合物がフィルタ媒体を覆っている湿潤状態のバイオフィルムに溶解吸収される。なお、バイオフィルムは、水分と多糖類、バクテリアのエコシステムに起因する物質や微生物に由来する物質で構成された薄い層であり、気流中のガスがバイオフィルムの中に入ると、汚染物質は、微生物と接触し、化合物が分解されることになる。
【0059】
生物脱臭処理部140は、好気性微生物が付着した木材チップ、堆肥床、土壌、ビート等の担体を堆積してなるバイオフィルタ142を備え、エアプレナム室130から送られてきた混合空気をバイオフィルタ142に通すことによって、混合空気に含まれていた臭気成分をバイオフィルタ142内の好気性微生物の好気的発酵によって分解脱臭してから、外部、即ち、屋外の大気中へと排気(放出)する。このような好気性微生物の生物的処理による消化によって脱臭を行う生物脱臭処理部140では、発酵乾燥処理部120から排気された悪臭ガスが、例えば、CO2、H2Oのような無害な物質や、SO4 -やNO3 -のような無機イオンに分解されて放出されるが、このとき、後処理が必要な残渣を発生することもなく、また、焼却するものでもないから、CO2やNOXの排出も最小限に抑えられる。
【0060】
なお、本実施の形態において、生物脱臭処理部140では、木材チップ等からなるバイオフィルタ142に対し散水を行っており、散水の余剰水は回収し、再び散水として再利用している。これにより、臭気を分解、消費する木材チップ等の担体に付着した好気性微生物の活性、生育に必要な水分を均一に付加、補充できるから、安定した脱臭効率が得られる。特に、バイオフィルタ142を通過して回収された散水の余剰水は好気性微生物を含むから、それを水滴として噴霧する水にも、好気性微生物が含まれることで、バイオフィルタに対して好気性微生物を均一に分布させて好気性発酵による消化効率を高めることができる。即ち、循環水の水滴の噴霧により、水滴に含まれる好気性微生物がバイオフィルタ142全体に浸透し均一化するため、効率の良い臭気処理が可能となる。更に、散水の余剰水を回収して再使用するから安定した脱臭効率のための好気性微生物に必要な水分を低コストでまかなうことができ、また、バイオフィルタ142への散水の余剰水を外部に排出しないものであるから、排水のための浄化設備を小規模にまたは不要化できる。
【0061】
例えば、本実施の形態では、バイオフィルタ142の上方から散水され、底部に落下した余剰水を回収しそれを再びバイオフィルタ142の上方から散水する循環水部181を形成している。循環水部181では、生物脱臭処理部140から排出された散水の余剰水が貯水タンク183に集水され、貯水タンク183からポンプ等によって、バイオフィルタ142の上側に設けた噴霧ノズルに圧送し、噴霧ノズルからバイオフィルタ142に水滴として噴霧される。また、この循環水部181では、工業用水や飲用水等の外部からの水をバルブ等を介して貯水タンク183に補充できるようにしている。なお、本実施の形態では、循環水部171においてハウジング121室内に噴霧する水の供給量が不足する場合等には、バルブ等を設けた供給路174を介して循環水部181の貯水タンク183に収集した水を循環水部171の貯水タンク173Aに供給できるようにもしている。
【0062】
こうして、本実施の形態の廃棄物処理プラントでは、常に負圧に保たれる建屋110内の発酵乾燥処理部120で廃棄物1の発酵乾燥処理が行われている。即ち、建屋110内に格納され室外よりも高い陰圧に保たれて室外から室内の空気流を遮断し臭気漏れを防止しているハウジング121内で発酵資材10の好気発酵、乾燥が行われている。そして、ハウジング121内の空気(臭気)は、エアプレナム室130を介して屋外に設置された生物脱臭処理部140において槽内に充填された木質チップ等の担体からなるバイオフィルタ142を通ることで脱臭処理され、大気中へ排気される。したがって、悪臭の排出、制御不能な臭い漏れのないものである。
【0063】
そして、発酵乾燥処理部120で好気発酵、乾燥を終えた発酵乾燥処理物20、即ち、好気性微生物により好気発酵され、その発酵熱及び通気(送風)によって乾燥された発酵乾燥処理物20は、図3に示すように、ホイールローダー12等が中継し、続く解砕工程(ステップS30)で、解砕装置130の振動スクリーン131に通されることにより解砕され所定の寸法(粒度)に調整される。
【0064】
ここで、発酵乾燥処理物20を解砕する本実施の形態の解砕装置130について、図4乃至図13を参照して、説明する。
本実施の形態の解砕装置130は、略矩形状の外枠体131Aの内側で縦桟131L及び横桟131Wを略格子状に配置してなるスクリーン131を有する本体部138と、スクリーン131を加振する偏心モータ等またはモータ及び偏心振動体等を有する振動部132と、複数のコイルバネ(スプリング)134を介しスクリーン131を有する本体部138を支持する架台135とから概略構成されている。
【0065】
本実施の形態では、振動部132のモータ駆動により加振されるスクリーン131に対し、発酵乾燥処理物20を上方から供給すると、発酵乾燥処理物20中に大きな塊が生じていても、その塊はスクリーン131からの振動及びスクリーン131を形成する格子状の縦桟131Lや横桟131Wや外枠131Aとの衝突で解砕されスクリーン131の開口131aを通過していく。そして、スクリーン131の開口131aを通り抜けた発酵乾燥解砕処理物30はスクリーン131の下方に設けた排出部133から排出され、更にその下方に配設する搬送コンベアCVで所定の位置に搬送されそこで堆積する。
【0066】
こうして、本実施の形態では、スクリーン131側に設置された振動部132で発生する振動により上下及び/又は水平に加振されたスクリーン131の上方から発酵乾燥処理物20をスクリーン131に供給して、スクリーン131の縦桟131L及び横桟131Wで画成された開口131aに通すことにより発酵乾燥処理物20が解砕処理される。即ち、スクリーン131の上方から供給された発酵乾燥処理物20に振動が加えられることで発酵乾燥処理物20の塊が解され、また、上方から供給された発酵乾燥処理物20をスクリーン131に通すときのスクリーン131の縦桟131Lや横桟131Wや外枠131Aへの発酵乾燥処理物20の衝突により発酵乾燥処理物20の塊が解される。
【0067】
本実施の形態の解砕装置130は、直下型のもので、スクリーン131を有する本体部138がコイルバネ134を介し架台135の上に配置していることにより振動自在に支持されている。即ち、スクリーン131を有する本体部138は、複数のコイルバネ134を介して架台135に支持されている。
架台135は、振動するスクリーン131を有する本体部138や、スクリーン131に供給される発酵乾燥処理物20や、振動部132の重量等を考慮し、本体部138を支持できる構成であればよく、例えば、コイルバネ134が設置される略矩形状のフレーム部135a及びフレーム部135aを支持する複数の支持脚部135bから構成され、好ましくは、各支持脚部1345の下端部にはスクリーン131を有する本体部138の振動が床面に伝播するのを防止するための防振ゴム135cが取り付けられている。
なお、コイルバネ134の数やばね定数は、スクリーン131に加振する振動数、振幅、スクリーン134に供給する発酵乾燥処理物20の重量等を考慮して設計される。
【0068】
架台135の上で複数のコイルバネ134を介して振動自在に支持された本体部138は、略矩形状の外枠体131Aの内側に格子状に縦桟131L及び横桟131Wが配列して固着されたスクリーン131と、スクリーン131の縦桟131Lと横桟131Wとで画成された開口131aや、それらと外枠131Aとで画成された開口131aを上方から下方に通過した発酵乾燥解砕処理物30をコンベア133に向けて排出する排出部133を有する。
【0069】
なお、通常、下方に向かって開口を狭くしたテーパ状の排出部133の下には、スクリーン131を通り抜け排出部133から排出された発酵乾燥解砕処理物30を搬送するコンベアCVが設置され、コンベアCVの端部において、スクリーン131を通り抜けた発酵乾燥解砕処理物30が堆積され、そこからホイールローダー12等が中継し、次の選別工程(ステップS40)を実施する選別部に供給される。
【0070】
スクリーン131は、略矩形状の金属製の外枠体131Aとその内側に格子状に配置した金属製の縦桟131L及び横桟131Wとから構成され、縦桟131Lと横桟131Wとの間や、それらと外枠131Aとの間で形成される1辺が、例えば、200mm以上、600mm以下、好ましくは、200mm以上、500mm以下、より好ましくは、200mm以上、400mm以下の正方形状または長方形状の複数の開口131aを有している。
【0071】
本実施の形態において、格子状に組まれた縦桟131L及び横桟131Wのうち、スクリーン131の長さ方向に長く連続した長尺状の横桟131Wは、例えば、その長尺の長さ寸法が3m~5m、厚み寸法が5mm~20mm、上下の高さ寸法が25mm~100mmの平板状であり、その断面が略矩形状である。また、互いに長尺の長さ方向を平行にして配置された複数本の横桟131W間には、それぞれ、横桟131Wに対して直角に縦桟131が配置し、スクリーン131の高さ方向に長い長尺状の縦桟131Lは、例えば、その長尺の長さ(高さ)寸法が25mm~100mmm、幅寸法が30mm~50mm、厚み寸法が5mm~20mmの平板状であり、その断面が略矩形状のものである。
【0072】
特に、本実施の形態のスクリーン131では、その長手方向に延びる横桟131Wが、横桟131W間でそれに直角に配設した縦桟131Lよりも高くなるように設定されて、スクリーン131の長さ方向に連続した横桟131Wの高さを、スクリーンの長さ方向に対して直角な幅方向で横桟131W間に配置された不連続な縦桟131Lよりも突出させている。即ち、縦桟131Lと横桟131Wとでは上端側の高さ位置を一致させず、相違させている。例えば、横桟131Wの高さが縦桟131Lの高さよりも3mm以上、60mm以下、好ましくは、5mm以上、55mm以下の範囲内で高いものである。
これより、縦桟131Lと横桟131Wとでその上端側の高さ位置を相違させてスクリーン131の面が平面的でなく縦桟131Lよりも横桟131Wが上に突出し、換言すれば、縦桟131Lが横桟131Wよりも低位置で高低差がある立体的となることにより、高さの高い横桟131Wと低い縦桟131Lとの2段階での衝突を可能として、発酵乾燥処理物20のスクリーン131への衝突頻度を高めることができる。よって、発酵乾燥処理物20の解し効果を高めることが可能であり、解砕の精度、即ち、所定の粒度(寸法)調節の精度を高めることが可能となる。
【0073】
更に、図8(a)に示すように、縦桟131Lや横桟131Wの上端部は、断面略矩形の角張った形状に限定されず、例えば、図8(b)乃至図8(d)に示すように、先端に向かって細幅とする凸状や、凹凸状とする。先端部に向かって細幅とする凸状は、図8(b)に示すように先端をR形状としてもよいし、図8(c)に示すように、先端を鋭利状(尖鋭状)としてもよく、更には、図示しないが、先端に向かって細幅とするもその先端面を平板状としていてもよい。また、先端部を凹凸状は、例えば、図8(d)に示すように、先端部をギザギザ状としてもよく、その他にも、図示しないが、鋸歯状や波形状としてもよく、それら凹凸状の凸部の先端面は、鋭利状(尖鋭状)であっておよいし、R形状であってもよいし、平坦面であってもよい。
こうしたスクリーン131の縦桟131Lや横桟131Wの先端部において、先端に向かって細幅とする凸状や先端部に凹凸状を形成することによっても、発酵乾燥処理物20の解し効果を高めることが可能であり、解砕の精度、即ち、所定の粒度(寸法)調節の精度を高めることが可能となる。
【0074】
本実施の形態において、スクリーン131の側面側に配設する振動部132は、振動を発生させる構成であればよく、即ち、それ自身の振動によりスクリーン131に対し所定の振動数、振幅で加振できる構成であればよく、偏心モータによって水平、垂直または斜めの何れか1つ以上の動きの振動を発生させてもよいし、モータ及び振動体によって水平、垂直または斜めの何れか1つ以上の動きの振動を発生させる構成であってもよい。
例えば、偏心モータは、所定形状の偏心錘(アンバランスウェイト、振動子)をモータの回転軸に取付けてなるものであり、モータの駆動によって偏心錘を回転させることで振動を発生させるものである。偏心モータでは、偏心錘の重量、枚数やモータの回転数の制御により振動力を制御することが可能である。
【0075】
また、例えば、モータ、モータの上側または/及び下側に配置される偏心錘、Vベルト、及びプーリ等で振動部132を構成し、モータによりVベルトとプーリを介して偏心錘を回転させることで振動を発生させる。これによって、スクリーン131を振動させてもよい。
即ち、例えば、回転軸(主軸)を支える軸受けの上下両側に、回転軸と一体に回転可能に偏心錘を取付け、軸受を介して回転軸を回転可能に支持する。また、偏心錘が取付けられた回転軸には、更にプーリ(Vプーリ等)を取付け、一方、モータの回転軸にも別のプーリ(Vプーリ等)を取付け、それらプーリ間に、ベルト(Vベルト等)を掛け渡す。これよりモータの駆動によって、そのモータの回転軸の回転を、プーリ及びベルトを介して、偏心錘が取付けられた回転軸に伝達させて偏心錘を回転させ、偏心錘による振れまわり荷重で円形の振動を発生させることで、軸受けを通してスクリーン131を振動させる。
【0076】
この場合、振動部132は、振動を発生させるための駆動源となるモータと、振動が発生する部分となる振動錘、回転軸、プーリ、Vベルトとを振動体として別体に備えた構成である。なお、モータには、インバータ装置を含む制御装置を接続し、モータの駆動は制御装置によって制御されるようにしてもよい。また、回転軸の上下に取付ける上側の偏心錘は回転軸に固定する一方、下側の偏心錘は回転軸に回動可能に支持される取付けとすることによって、上側の偏心錘と下側の偏心錘との間の角度を調整可能とし、上側の偏心錘と下側の偏心錘の間の角度調整によって、振動特性を制御するようにしてもよい。なお、振動特性は、スクリーン131に投入する発酵乾燥処理物20の重さ、寸法等の条件に応じて適宜設定される。更に、スクリーン131への発酵乾燥処理物20の通過速度を速めるために、別途超音波振動機を設けることも可能である。
【0077】
そして、振動部132のモータの駆動は、例えば、スクリーン131を有する本体部138に上方から発酵乾燥処理物20が供給されたときの重み、加えられた圧力を検知する近接センサスイッチ、変位センサスイッチ、感圧スイッチ等のスイッチSWによりスイッチ制御される。
【0078】
こうした振動部132の駆動によって振動するスクリーン131に供給された発酵乾燥処理物20は、スクリーン131の振動によって加振されることによって、また、スクリーン131を構成する格子状の縦桟131Lや横桟131Wや外枠131Aへの衝突によって、解されながらスクリーン131の縦桟131L及び横桟131W間の開口131aや、それらと外枠131Aとの間の開口131aを落下していく。即ち、振動部132によりスクリーン131に振動を発生させた状態で、スクリーン131の上方から発酵乾燥処理物20を供給すると、発酵乾燥処理物20が加振され、また、スクリーン131を構成する格子状の縦桟131Lや横桟131Wや外枠131Aと衝突することによって、発酵乾燥処理物20中の塊がスクリーン131の開口131aを通る寸法にまで解砕され、重力によってスクリーン131の開口131aを通過していく。
【0079】
そして、上述したように、振動部132のモータ駆動により振動するスクリーン131の下部には、スクリーン131を通過した発酵乾燥解砕処理物30が排出され下方に向かって幅狭としたテーパ状の排出部133が設けられている。更に、この排出部133の下方には、排出部133から排出された発酵乾燥解砕処理物30を搬送する搬送コンベアCVが設置される。これより、振動したスクリーン131の開口131aを落下し、排出部133から排出された発酵乾燥解砕処理物30は、搬送コンベアCVに落下して所定の位置まで搬送され、搬送コンベアCVの端部で堆積する。そこでホイールローダー12等の中継により次の選別工程(ステップS40)に搬送される。
【0080】
こうして解砕装置130の振動したスクリーン131の開口131aを通り抜けた発酵乾燥解砕処理物30は、発酵乾燥処理物20が加振されることによって、また、発酵乾燥処理物20が格子状の縦桟131L及び横桟131Wや外枠131Aと衝突することによって発酵乾燥処理物20中の塊がスクリーン131の開口131aを通り抜ける程度の寸法に解砕されたものであり、スクリーン131の開口131aを通過したものであることにより、所定の寸法(粒度)に調節されたものである。
【0081】
ところで、上記説明では、スクリーン131を振動させる振動部132は、スクリーン131の側面側に設ける説明としたが、本発明を実施する場合には、架台135側に設置する構成としてもよい。
【0082】
また、上記説明では、スクリーン131の長手方向に延びる横桟131Wを、それに対して直角に横桟131W間に配設される縦桟131Lの位置よりも高く突出させる構成としたが、本発明を実施する場合には、図9に示すように、スクリーン131の長手方向に延びる横桟131Wよりもそれに対して直角に横桟131W間に配設される縦桟131Lの高さを高く突出させる構成としてもよい。これによっても、縦桟131Lと横桟131Wとでは上端側の高さ位置に相違があり、即ち、高低差があることで、高さの高い縦桟131Lと低い横桟131Wとの2段階での衝突を可能として衝突頻度を高めることができる。よって、発酵乾燥処理物20の解し効果を高めることが可能であり、解砕の精度、即ち、所定の粒度(寸法)調節の精度を高めることが可能となる。
【0083】
更に、上記説明では、スクリーン131の長手方向を左右方向とするとき、スクリーン131の長手方向と並行して延びる横桟131Wを外枠131Aの左右の縦框間に架設し、横桟131Wに対して直角に配設する縦桟131Lが横桟131W間及び横桟131Wと外枠131Aの上下框間に架設する構成としたが、本発明を実施する場合には、図10図11に示すように、スクリーン131の長手方向に対して直角方向に延びる縦桟131Lを外枠131Aの上下框間に架設し、縦桟131Lに対して直角に配設する横桟131Wが縦桟131L間及び縦桟131Lと外枠131Aの上下框間に架設する構成としてもよい。
【0084】
この場合でも、好ましくは、図10に示すように、スクリーン131の長手方向に対して直角方向に延びる縦桟131Lを、それに対して直角に縦桟131L間や縦桟131Lと外枠131Aの上下框間に配設される横桟131Wの位置よりも高く突出させる構成としたり、或いは、図11に示すように、スクリーン131の長手方向に対して直角方向に延びる縦桟131Lよりも、それに対して直角に縦桟131L間や縦桟131Lと外枠131Aの上下框間に配設される横桟131Wを高く突出させる構成としたりすることで、縦桟131Lと横桟131Wとでは上端側の高さ位置に相違、即ち、高低を設ける。これにより、縦桟131Lと横桟131Wとの2段階での衝突を可能として衝突頻度を高めることができる。
【0085】
また、上記説明ではスクリーン131の格子状に配設する縦桟131L及び横桟131Wは、横桟131W間に縦桟131Lを架設する構成、または、縦桟131L間に横桟131Wを架設する構成としたが、本発明を実施する場合には、縦桟131L及び横桟131Wの何れか一方を他方の上に配設し、縦桟131L及び横桟131Wを交差させる構成としてもよい。例えば、図12の概念図で示すように、スクリーン131の外枠131Aの左右框間に架設する横桟131Wの上にスクリーン131の外枠131Aの上下框間に架設する縦桟131Lを配設する構成とすることができる。或いは、横桟131Wと縦桟131Lの寸法や、位置の上下を逆としてもよい。なお、図12においては、上側に配置する縦桟131Lは、下側に配置する横桟131Wよりも、高さ寸法が小さく厚み寸法が大きいものであるが、縦桟131L及び横桟131Wを同一寸法としてもよい。
このような構成によっても、縦桟131Lと横桟131Wとで高さ位置が相違していることにより、縦桟131Lと横桟131Wとの2段階での衝突を可能として衝突頻度を高めることができる。
【0086】
また、本発明を実施する場合、解砕装置130には、突起部142を有する押込部141を備えてもよい。図13に示すように、変形例1に係る解砕装置130Aは、架台135の上に或いは架台135に一体に設置した基台145に軸支された回動部143に、スクリーン131の開口131aに対応し開口131a内に入り込む突起部142を設けた押し込み部141を有するものである。
解砕装置130Aでは、スクリーン131の上方からスクリーン131に供給された発酵乾燥処理物20の塊がスクリーン131の振動により、また、スクリーン131を構成する縦桟131Lや横桟131Wや外枠131Aとの衝突により解砕されてスクリーン131の開口131aを落下していくことになるが、スクリーン131の開口131aの目詰まりを防止して処理効率を高めるために、所定のタイミングで、基台151に軸支された回動部143に形成した押込部141を略90°回動させて、スクリーン131の開口131aに対し、押込部141に形成した突起部142を押し込む。これにより、スクリーン131の開口131aの目詰まりを解消し、発酵乾燥処理物20をスクリーン131に通過させる処理効率を高めることができる。なお、押込部141を回動させて、突起部142を開口131aに挿脱するタイミングは、例えば、タイマー等で特定の時限のタイミングで動作するように回路を組んでも良いし、変位センサ、感圧センサ等により所定の重み、圧力を感知したときに動作するようにしてもよいし、目視で目詰まりを監視し、人が手動で操作するものであってもよい。
【0087】
こうして、本実施の形態の解砕装置130,130Aによれば、外枠131A内に縦桟131L及び横桟131Wを格子状に組んでなるスクリーン131を有する。よって、そのスクリーン131に振動部132によって振動を与え、振動したスクリーン131に発酵乾燥処理物20を供給することにより、発酵乾燥処理物20中に大きな塊があっても、その塊が振動及びスクリーン131の縦桟131Lや横桟131Wや外枠131Aとの衝突により解れスクリーン131の開口131aを通過することで、発酵乾燥処理物20が解砕され、所定の寸法粒度に調整される。
【0088】
特に、本実施の形態の解砕装置130,130Aのスクリーン131は、外枠131A内に縦桟131L及び横桟131Wを互いに直角に配置して格子状に組んでなるものであるから、発酵乾燥処理物20の塊が縦桟131Lや横桟131Wや外枠131Aとの衝突したときの衝撃力により解れやすい。即ち、本発明者らの実験研究によれば、市販の一般的な振動篩機の網状のスクリーンでは、そこに発酵乾燥処理物20を供給しても、振動する網の上で塊が跳ね回るだけで解れ難いのに対し、板状や角材状の縦桟131L及び横桟131Wからなるスクリーン131であれば、縦桟131L及び横桟131Wが角張っていることにより、塊に対して高い衝撃力を与えることができる。
【0089】
また、このように振動したスクリーン131に発酵乾燥処理物20を通すことによって発酵乾燥処理物20の塊の解砕を行い所定粒度に調整するものでは、市販の一般的な粉砕機による解砕とは異なり、発酵乾燥処理物20中の木質チップ等の嵩密度調節材2が必要以上に細かくされる恐れはなく、発酵乾燥処理物20中の嵩密度調節材2の再利用性を損なわせることはない。即ち、嵩密度調節材2を必要以上に細かくすることなく塊を解すことができる。
【0090】
更に、粒度を細かくする粉砕機と比べ、本実施の形態の解砕装置130、130Aによればメンテナンス費を含むコストを抑えることもできる。加えて、本実施の形態の解砕装置130,130Aのスクリーン131は、外枠131A内に縦桟131L及び横桟131Wを格子状に組んでなるものであるから、網に比べ、発酵乾燥処理物20の重みで撓み難い強度に設計、即ち、強固に形成でき、更に、解砕の処理効率を高くできるものである。
そして、本実施の形態では、廃棄物1の発酵乾燥前に解砕するものでなく、廃棄物1を含む発酵資材10の発酵乾燥後の発酵乾燥処理物20を解砕装置130で選別するものであるから、衛生的に処理することができる。
【0091】
このようにして解砕工程(ステップS30)で解砕処理され所定の寸法(粒度)に調整された発酵乾燥解砕処理物30は、図1及び図3で示すように、続く選別工程(ステップS40)で、寸法(粒度)や重力(比重)等の基準で、木質材等の嵩密度調節材2が主に含まれる所定のオーバーサイズの発酵乾燥重量物42と、主に固形燃料(RDF)211の原料210や熱分解油221の原料220となる所定のオーバーサイズの発酵乾燥軽量物41と、主に堆肥231の原料230となったり発酵補助材3として再利用されたりする所定のアンダーサイズの発酵乾燥細粒物43とに選別される。
【0092】
具体的には、本実施の形態では、最初に粒度及び重量選別機Sで所定の空気流による浮力及び所定サイズのメッシュの篩で重量(比重)及び粒度(寸法)で発酵乾燥解砕処理物30の選別を行う。なお、粒度及び重量選別機Sにおいては、例えば、トロンメルスクリーン、スタースクリーン、振動篩等のスクリーンによる粒度(寸法)選別及び風力選別(重量選別)を組合せることにより行われる。このとき粒度(寸法)及び重量選別機Sに導入した空気流は、サイクロンCに導き、渦流で塵芥を下に落として除去し、サイクロンCの上部から塵芥を除去した空気を排出している。サイクロンCの出力側にもファンで吸引するのが効果的である。
【0093】
この選別機Sでは、発酵乾燥解砕処理物30を、嵩密度調節材2として再使用される大きな木材チップ(木片)といった木質資材等を主に含む所定のオーバーサイズ(所定の目開きの篩を通過しなかったサイズ)及び所定重量以上の発酵乾燥重量物42と、主に、紙、プラスチック、生ごみ等の分解物等が含まれる所定のオーバーサイズ(所定の目開きの篩を通過しなかったサイズ)で所定の重量未満の発酵乾燥軽量物41と、主に生ごみ等の分解物等が含まれる所定のアンダーサイズ(所定の目開きの篩を通過したサイズ)の発酵乾燥細粒物43とに選別する。
【0094】
粒度及び重量選別機Sで選別された所定のオーバーサイズで所定重量以上の発酵乾燥重量物42は、嵩密度調節材2として使用される大きな木材チップといった木質材等を主に含むものであり、磁気選別機Mによる磁気選別(ステップS51)等によって鉄等の金属類310が選別除去され、更に、手選別(人為選別)(ステップS52)等で、瓶、ガラス、陶器、石等の不燃物320が選別除去され、それら金属類310及び不燃物320が除去された残りが、次回好気発酵させる未処理の廃棄物1に混合される嵩密度調節材2として回収され、再使用される。なお、こうした磁気選別、手選別、また後述する光学選別といった選別工程で除去された鉄等の金属類310や、瓶、ガラス、陶器等の不燃物320や、後述する塩化ビニル330は、リサイクルまたは廃棄処分される。
【0095】
また、粒度及び重量選別機Sで選別した所定のオーバーサイズで所定重量未満の発酵乾燥軽量物41は、主に紙、プラスチック、生ごみ等の分解物等を含むものであり、例えば、磁気選別機Mによる磁気選別(ステップS61)等によって鉄等の金属類310が選別除去され、更に、必要に応じ、光学選別機Uによる近赤外線分光法等を用いた光学選別(ステップS62)等によって塩化ビニル330が選別除去され、金属類310及び塩化ビニル330が除去された残りが、固形燃料(RDF)211に使用される固形燃料原料210となる。好ましくは、磁気選別(ステップS61)等によって鉄等の金属類310や必要に応じ光学選別(ステップS62)等によって塩化ビニル330が選別除去された残りが、脱塩工程(ステップS63)で脱塩処理されたのち、固形燃料原料210となる。
【0096】
脱塩工程(ステップS63)では、金属類310が除去された発酵乾燥軽量物41に散水を行うことで発酵乾燥軽量物41に含まれている無機塩化物を水に溶解させて脱塩する水洗処理を行い、次に、無機塩化物が除去された発酵乾燥軽量物41を所定の温度、好ましくは、250℃以上、300℃以下で加熱することで発酵乾燥軽量物41に含まれている塩化ビニリデン(PVDC)、塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ゴム等の有機塩素化合物を熱分解して脱塩酸化(有機塩素化合物中の塩素、水素の脱離)する加熱処理を行う。これより、発酵乾燥軽量物41の塩素濃度が低減され、塩分濃度が少ない固形燃料原料210を提供できることになる。なお、脱塩処理を行う場合においては、水洗処理または所定温度の加熱処理のみの一方であってもよいし、その処理順序を逆にしてもよい。
なお、固形燃料原料210は、例えば、ベーラー(圧縮梱包機)で圧縮梱包することによって固形燃料製造工程への移送を容易にすることができる。
【0097】
固形燃料原料210は、その後の固形燃料製造工程で、例えば、乾いたプラスチック、木質材、紙、布等の熱量調整材と混合され、また、粉砕機で粉砕され、更に必要に応じて鉄や石等の不燃物を除去し、成形機で成形されることによって固形燃料化され、固形燃料(RDF)211となる。なお、成形工程では、必要に応じ腐敗防止剤等の添加剤が添加される。また、このときの固形燃料製造工程、特に成形工程で生じた臭気、水蒸気等は、生物脱臭装置に送給し、そこで脱臭した後、外へ排気することもできる。
こうして成形された固形燃料(RDF)211は、輸送性、貯蔵性に優れ、燃料として扱いやすくなり、多用途(暖房、発電等)に使用できる。特に、脱塩工程(ステップS63)を経て塩分濃度が低減された固形燃料原料210によれば、汎用性が高く、ボイラー等の燃焼設備を劣化させ難い固形燃料(RDF)211を形成できる。即ち、廃棄物1の生ゴミ等由来の無機塩化物や塩素含有プラスチック由来の塩素を除去でき、塩素濃度が固形燃料(RPF)並みに低い固形燃料(RDF)211を形成することが可能となる。
【0098】
或いは、粒度及び重量選別機Sで選別した所定のオーバーサイズで所定重量未満の発酵乾燥軽量物41は、主に紙、プラスチック、生ごみ等の分解物等を含むものであることにより、磁気選別機Mによる磁気選別(ステップS61)等によって鉄等の金属類310が選別除去された残りが、熱分解油221の生成に使用される熱分解油原料220となる。
好ましくは、磁気選別(ステップS61)等によって鉄等の金属類310が選別除去された残りが、熱分解油原料220となり、続く脱塩工程(ステップS73)で脱塩処理されてから熱分解工程(ステップS74)で熱分解されることにより熱分解油221を生成する。
【0099】
脱塩工程(ステップS73)では、金属類310が除去された発酵乾燥軽量物41に散水を行うことで発酵乾燥軽量物41に含まれている無機塩化物を水に溶解させて脱塩する水洗処理を行い、次に、無機塩化物が除去された発酵乾燥軽量物41を所定の温度、好ましくは、250℃以上、300℃以下で加熱することで発酵乾燥軽量物41に含まれている塩化ビニリデン(PVDC)、塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ゴム等の有機塩素化合物を熱分解して脱塩酸化(有機塩素化合物中の塩素、水素の脱離)する加熱処理を行う。
【0100】
更に、続く熱分解工程(ステップS74)では、300℃以下で加熱された残渣の発酵乾燥軽量物41を更に300℃を超え、700℃以下で加熱することにより、発酵乾燥軽量物41の炭化水素分を熱分解する油化を行って熱分解油(生成油)221を生成する。また、油化された残渣は改質固形燃料原料210Aとなり、固形燃料(RDF)211として使用することができる。即ち、300℃を超え、700℃以下に加熱処理された発酵乾燥軽量物41の残渣は、改質された固形燃料原料210Aとして回収されて、固形燃料化(RDF化)してもよい。特に、脱塩工程(ステップS73)を経ていることにより、発酵乾燥軽量物41の塩素濃度が低減され、塩分濃度が少ない固形燃料原料210Aを提供できることになるから、汎用性が高く、ボイラー等の燃焼設備を劣化させ難い固形燃料(RDF)211を形成できる。即ち、廃棄物1の生ゴミ等由来の無機塩化物や塩素含有プラスチック由来の塩素を除去でき、塩素濃度が固形燃料(RPF)並みに低い固形燃料(RDF)211を形成することが可能となる。
【0101】
更に、粒度及び重量選別機Sで選別した所定のアンダーサイズの発酵乾燥細粒物43は、主に生ごみ等の分解物を含むものであることから廃棄物1を好気発酵させる種菌(好気性微生物)も存在し、廃棄物1の好気発酵乾燥を効率的に促進できる発酵補助材3に好適に使用されるものとして、及び/または、堆肥231の原料となる堆肥原料230として回収される。
【0102】
選別機Sで選別した所定のアンダーサイズの発酵乾燥細粒物43を、発酵補助材3として利用する場合には、好ましくは、脱塩工程(ステップS83)で水洗処理による脱塩処理してから、次サイクルの未処理の廃棄物1に混合させる発酵補助材3として使用される。なお、必要に応じ磁気選別機による磁気選別等によって鉄等の金属類を除去してから、脱塩処理してもよい。
発酵乾燥細粒物43の水洗処理を行うことで発酵乾燥細粒物43の塩分濃度を低減することにより、発酵乾燥工程(ステップS20)において発酵乾燥細粒物43を未処理の発酵資材10の発酵乾燥処理に戻して発酵補助材3として繰り返し使用する場合でも、発酵資材10を発酵乾燥してなる発酵乾燥処理物20に塩分濃縮、塩分の蓄積が生じることなく、発酵乾燥処理物20の塩分濃度を低濃度に維持でき、また、安定した発酵乾燥効率を維持できる。これより、発酵乾燥処理物20から選別される固形燃料原料210においても、塩分濃度が低く抑えられることになる。よって、汎用性が高く、ボイラー等の燃焼設備を劣化させ難い固形燃料(RDF)211の供給を可能とする。なお、このときの散水処理に使用される水は、上述したハウジング121内や建屋110内で廃水(汚水)として排出され、回収された廃水とは別途でそれよりも塩分濃度が低い水である。また、発酵乾燥細粒物43の散水で使用した水は回収し、溶解された無機塩化物を除去したのち、再び発酵乾燥細粒物43への散水として循環させて繰り返し使用してもよい。
【0103】
粒度及び重量選別機Sで選別した所定のアンダーサイズの発酵乾燥細粒物43を堆肥原料230とする場合には、必要に応じ磁気選別機Mによる磁気選別等によって鉄等の金属類310を除去してから、別途の熟成床で、堆肥化工程を行う。堆肥化工程では、上述の好気発酵乾燥のときと同様、散水と通気を行いながら、数日から数週間寝かせて熟成させ、その後、用途や使用条件に合わせた篩分けや、必要があれば更なる熟成を行う。これにより、高品位な堆肥231を得ることができる。
【0104】
こうして、本実施の形態の廃棄物処理方法及び廃棄物処理プラントは、生ごみ、プラスチック、紙、布等が混在している廃棄物1を好気発酵し発酵の熱や通気を利用して乾燥させることにより発酵乾燥処理物20とし、その発酵乾燥処理物20を解砕装置130のフィルタ131を通して寸法(粒度)調整してから、金属類310や不燃物320や塩化ビニル330といった異物、不純物を分離除去し、また、木質チップ等の嵩密度調節材2や発酵補助材3を分離選別する選別処理を行い、その残渣を固形燃料211の原料となる固形燃料原料210や、熱分解油221の原料となる熱分解油原料220や、堆肥231の原料となる堆肥原料230とし、固形燃料(RDF)211や熱分解油221や堆肥231へと再資源化するものである。
【0105】
このように、本実施の形態の廃棄物処理方法では、混合工程(ステップS10)にて廃棄物1と、嵩密度調節材2、及び好気性微生物を付着した発酵補助材3とを混合して所定密度の発酵資材10を形成し、発酵乾燥工程(ステップS20)にて、発酵資材10を好気発酵し乾燥させて発酵乾燥処理物20とし、続く解砕工程(ステップS30)にて、発酵乾燥処理物20を解砕装置130のスクリーン131aに通し、解砕及び粒度調整してから、選別工程(ステップS40、ステップS51,ステップS52、ステップS61、ステップS62、ステップS81等)にて、解砕済みの発酵乾燥処理物20である発酵乾燥解砕処理物30から、金属類310や不燃物320や塩化ビニル330等の異物、不純物を分離除去し、また、木質チップ等の嵩密度調節材2や発酵補助材3と分離し、固形燃料原料210、堆肥原料220、または熱分解油原料230の何れか1以上を選別するものである。
【0106】
金属類310や不燃物320や塩化ビニル330等の異物、不純物を除去し、また、木質チップ等の嵩密度調節材2や発酵補助材3と分離し、固形燃料原料210、堆肥原料220、または熱分解油原料230の何れか1以上を選別する選別工程(ステップS40、ステップS51,ステップS52、ステップS61、ステップS62、ステップS81等)の前に、即ち、本実施の形態では、嵩密度調節材2と、発酵補助材3と、固形燃料原料210や熱分解油原料230とを分別する粒度・重量選別(ステップS40)の前に、廃棄物1、嵩密度調節材2、及び発酵補助材3からなる発酵資材10を好気発酵して乾燥させた発酵乾燥処理物20を解砕する解砕工程(ステップS30)を実施することで、生ごみ等の有機性廃棄物を含む廃棄物1の寸法、水分等の状態や、嵩密度調節材2で嵩密度を調整した発酵資材1の嵩密度の状態や、発酵乾燥工程(ステップS20)において廃棄物1を好気発酵する微生物の活動状態や、発酵乾燥時の通気状態等の要因で、発酵乾燥工程(ステップS20)を経て得た発酵乾燥処理物20の大きな塊が生じていたとしても、その塊が解砕される。よって、その後の選別工程(ステップS40、ステップS51,ステップS52、ステップS61、ステップS62、ステップS81等)で使用する選別機S,M、Uや搬送ベルト等の機械において、発酵乾燥工程(ステップS20)を経て得た発酵乾燥処理物20の塊による目詰まりが生じ難く、選別工程(ステップS40、ステップS51,ステップS52、ステップS61、ステップS62、ステップS81等)での選別効率を上げることができる。故に、本実施の形態の廃棄物処理方法によれば、廃棄物1を再資源化する処理効率が高いものとなる。
【0107】
特に、本実施の形態では、廃棄物1の破袋、減容の処理をしてから、廃棄物1の発酵乾燥処理を行うものであり、さらに、発酵乾燥処理を行う前に、発酵乾燥させる廃棄物1に木質材等の嵩密度調節材2と発酵補助材3も混合して、所定の嵩密度に調節してから、それらの堆積物を発酵資材10として発酵乾燥処理するものであり、嵩密度調節材2により通気の空隙を確保できることで、乾燥効率、水分除去率が良いものである。よって、発酵乾燥工程(ステップS20)で発酵乾燥処理物20の大きな塊を生じさせ難くでき、また、水分除去効率が高いことで発酵乾燥処理物20の塊が生じても解砕装置131で塊が解れやすいものとなっている。
【0108】
以上説明してきたように、上記実施の形態に係る廃棄物処理方法は、廃棄物1と嵩密度調節材2と好気性微生物を付着した発酵補助材3とを混合してなる発酵資材10を好気発酵し乾燥させて発酵乾燥処理物20とする発酵乾燥工程(ステップS20)と、発酵乾燥処理物20を解砕する解砕工程(ステップS30)と、解砕した発酵乾燥解砕処理物30の重量・粒度選別や、磁気選別や、手選別等を行い、発酵乾燥解砕処理物30から金属類310、不燃物320、塩化ビニル330等を取り除き、また、嵩密度調節材2や発酵補助材3を分離し、堆肥原料210、固形燃料原料220、または熱分解油原料230の何れか1種以上を選別する選別工程(ステップS40、ステップS51,ステップS52、ステップS61、ステップS62、ステップS81等)とを具備するものである。
【0109】
上記実施の形態に係る廃棄物処理方法によれば、発酵乾燥工程(ステップS20)にて、廃棄物1と嵩密度調節材2と好気性微生物を付着した発酵補助材3とを混合してなる発酵資材10を好気発酵し乾燥させたのち、解砕工程(ステップS30)にて、発酵乾燥済みの発酵乾燥処理物20を解砕してから、選別工程(ステップS40、ステップS51,ステップS52、ステップS61、ステップS62、ステップS81等)にて、解砕した発酵乾燥解砕処理物30から金属類310、不燃物320、塩化ビニル330等を取り除き、また、嵩密度調節材2や発酵補助材3を分離し、堆肥原料210、固形燃料原料220、または熱分解油原料230の何れか1種以上を選別するものであるから、発酵乾燥工程(ステップS20)で得られた発酵乾燥処理物20中に大きな塊が生じていても選別工程(ステップS40、ステップS51,ステップS52、ステップS61、ステップS62、ステップS81等)前に解砕工程(ステップS30)で塊が解砕されることにより、その後の選別工程(ステップS40、ステップS51,ステップS52、ステップS61、ステップS62、ステップS81等)で使用する選別機や搬送ベルト等の機械において目詰まりを生じさせ難いものである。よって、選別工程(ステップS40、ステップS51,ステップS52、ステップS61、ステップS62、ステップS81等)での選別効率や搬送効率を上げることができ、廃棄物を再資源化する処理効率を高めることができる。
【0110】
特に、上記実施の形態の廃棄物処理方法によれば、解砕工程(ステップS30)における発酵乾燥処理物20の解砕は、振動するスクリーン131に発酵乾燥処理物20を通すことにより行われるものであるから、破砕機等による破砕による解砕に比べ、発酵乾燥処理物20中の木質材等からなる嵩密度調節材2が粉砕され難いものとなる。よって、嵩密度調節材2の再利用性を損なうことなく、発酵乾燥処理物20を解砕できる。
そして、振動するスクリーン131に発酵乾燥処理物20を通すことにより解砕するものでは、振動(外力)による衝撃力によって塊を解すことができ、かつ、スクリーン131を形成する縦桟131L及び横桟131Wや外枠131Aへの発酵乾燥処理物20の衝突によって塊を解することができる。更に、スクリーン131を形成する格子状の縦桟131L及び横桟131の間の開口131aやそれらと外枠131Aとの間の開口131aに通すことで、発酵乾燥処理物20のサイズのバラつきが調整されることになる。したがって、振動するスクリーン131を通った発酵乾燥解砕処理物30であれば、所定の大きさの塊がなく粒度調整されたものであるから、選別工程における機械の目詰まりをより確実に防ぐことができる。故に、後の選別工程((ステップS40、ステップS51,ステップS52、ステップS61、ステップS62、ステップS81等)での選別効率や搬送効率を更に高めて、廃棄物1を再資源化する処理効率をより高めることができる。
【0111】
また、上記実施の形態の廃棄物処理方法において、振動するスクリーン131は、複数の縦桟131L及び横桟131Wが互いに直角に配設された格子状に形成されたものである。こうした平板状または角材状の縦桟及び横桟であれば、断面円形の線材からなる網状のものよりも発酵乾燥処理物20に衝撃力を与えやすいことにより、解砕効果を高めることができる。
【0112】
ところで、上記説明は、廃棄物1と嵩密度調節材2と好気性微生物を付着した発酵補助材3とを混合してなる発酵資材10を好気発酵し乾燥させて発酵乾燥処理物20とする発酵乾燥部としての発酵乾燥処理部120と、発酵乾燥処理物20を解砕する解砕手段としての解砕装置130と、解砕した発酵乾燥解砕処理物30の重量・粒度選別や、磁気選別や、手選別等を行い、発酵乾燥解砕処理物30から金属類310、不燃物320、塩化ビニル330等を取り除き、また、嵩密度調節材2や発酵補助材3を分離し、堆肥原料210、固形燃料原料220、または熱分解油原料230の何れか1種以上を選別する選別手段としての選別機S、磁気選別機M、光学選別機U、手選別等とを具備する廃棄物処理プラントの発明と捉えることもできる。
【0113】
上記実施の形態に係る廃棄物処理プラントによれば、発酵乾燥処理部120により、廃棄物1と嵩密度調節材2と好気性微生物を付着した発酵補助材3とを混合してなる発酵資材10を好気発酵し乾燥させたのち、解砕装置130により、発酵乾燥済みの発酵乾燥処理物20を解砕してから、選別機S、磁気選別機M、光学選別機U、手選別等により、解砕した発酵乾燥解砕処理物30から金属類310、不燃物320、塩化ビニル330等を取り除き、また、嵩密度調節材2や発酵補助材3を分離し、堆肥原料210、固形燃料原料220、または熱分解油原料230の何れか1種以上を選別するものであるから、発酵乾燥処理物20中に大きな塊が生じていても重量・粒度選別や、磁気選別や、手選別等の前に解砕装置130で塊が解砕されることにより、その後の重量・粒度選別や、磁気選別や、手選別等で使用する選別機や搬送ベルト等の機械において目詰まりを生じさせ難いものである。よって、選別効率や搬送効率を上げることができ、廃棄物を再資源化する処理効率を高めることができる。
【0114】
特に、上記実施の形態の廃棄物処理プラントによれば、解砕装置130による発酵乾燥処理物20の解砕は、振動するスクリーン131に発酵乾燥処理物20を通すことにより行われるものであるから、破砕機等による破砕による解砕に比べ、発酵乾燥処理物20中の木質材等からなる嵩密度調節材2が粉砕され難いものとなる。よって、嵩密度調節材2の再利用性を損なうことなく、発酵乾燥処理物20を解砕できる。
そして、振動するスクリーン131に発酵乾燥処理物20を通すことにより解砕するものでは、振動(外力)による衝撃力によって塊を解すことができ、かつ、スクリーン131を形成する縦桟131L及び横桟131Wや外枠131Aへの発酵乾燥処理物20の衝突によって塊を解することができる。更に、スクリーン131を形成する格子状の縦桟131L及び横桟131の間の開口131aやそれらと外枠131Aとの間の開口131aに通すことで、発酵乾燥処理物20のサイズのバラつきが調整されることになる。したがって、振動するスクリーン131を通った発酵乾燥解砕処理物30であれば、所定の大きさの塊がなく粒度調整されたものであるから、選別工程における機械の目詰まりをより確実に防ぐことができる。故に、後の選別工程(ステップS40、ステップS51,ステップS52、ステップS61、ステップS62、ステップS81等)での選別効率や搬送効率を更に高めて、廃棄物1を再資源化する処理効率をより高めることができる。
【0115】
また、上記実施の形態の廃棄物処理プラントで用いる解砕装置130,130Aにおいて、振動するスクリーン131は、複数の縦桟131L及び横桟131Wが互いに直角に配設された格子状に形成されたものである。こうした平板状または角材状の縦桟131L及び横桟131Wであれば、断面円形の線材で形成される網状のものよりも発酵乾燥処理物20に衝撃力を与えやすいことにより、解砕効果を高めることができる。
【0116】
また、上記実施の形態の廃棄物処理方法や廃棄物処理プラントで用いる解砕装置130,130Aは、廃棄物1と嵩密度調節材2と好気性微生物を付着した発酵補助材3からなる発酵資材10を好気発酵し乾燥させてなる発酵乾燥処理物20を解砕する解砕装置130であって、発酵乾燥処理物20を通過させるスクリーン131と、スクリーン131に振動を与える振動手段としての偏心モータやモータ及び振動体を有する振動部132を具備するものである。
【0117】
したがって、上記実施の形態の解砕装置130,130Aによれば、発酵乾燥処理物20中の塊を振動により、及び、スクリーン131を通過するときのスクリーン131を形成する縦桟131Lや横桟131Wや外枠131Aとの衝突により解砕する。よって、その後に発酵乾燥解砕処理物30を選別するときでも、選別に用いる選別機や搬送機等の機械において目詰まりを生じさせ難く、選別効率を上げることができることで、廃棄物1を再資源化する処理効率を高めることができる。特に、破砕機等による破砕による解砕に比べ、発酵乾燥処理物20中の嵩密度調節材2を細かく粉砕することなく、即ち、嵩密度調節材2の再利用性を損なうことなく、解砕できる。
【0118】
また、上記実施の形態の解砕装置130,130Aのスクリーン131は、縦桟131L及び横桟131Wが互いに直角に配設された格子状に形成されたものである。
こうした平板状または角材状の縦桟131L及び横桟131Wであれば、断面円形の線材からなる網状のものよりも発酵乾燥処理物120に衝撃力を与えやすいことにより、解砕効果を高めることができる。即ち、平板状または角材状の縦桟131L及び横桟131Wであれば、断面円形の線材のものよりも角張っていることにより、発酵乾燥処理部物20中の塊に対して高い衝撃力を与えることができ、解砕効果を高めることができる。
【0119】
更に、上記実施の形態の解砕装置130,130Aにおいて、スクリーン131を形成する縦桟131L及び横桟131Wのうちの一方が他方の高さより突出していることにより、縦桟131L及び横桟131Wで高低差があるものであれば、縦桟131L及び横桟131Wとの衝突頻度を高めることができ、解砕効果を高めることができる。
また、上記実施の形態の解砕装置130において、スクリーン131を形成する縦桟131L及び横桟131Wのうちの一方が他方より上に配設しているものであっても、縦桟131L及び横桟131Wで高低差があることにより、縦桟131L及び横桟131Wとの衝突頻度を高めることができ、解砕効果を高めることができる。
しかし、本発明を実施する場合には、縦桟131L及び横桟131Wの高さ位置が一致したものであってもよい。また、複数の縦桟131L間で高さにバラつきを持たせてもよいし、複数の横桟131W間で高さにバラつきを持たせてもよい。
【0120】
変形例に係る解砕装置130Aでは、更に、スクリーン131の開口131aに対して挿脱自在な突起部142を設けた押込手段としての回動する押込部143を具備するから、スクリーン131の開口131a内に突起部142を挿入することによりスクリーン131の開口131aの目詰まりを解消できる。よって、解砕の処理効率を高めることができる。
なお、スクリーン131に振動を与えていることで目詰まりを生じさせ難くできるが、振動数、振幅を定期的に変化させて目詰まりの解消を図ることも可能である。
【0121】
なお、上記実施の形態の説明において、発酵乾燥における好気発酵では、好気性微生物の使用を前提として説明してきたが、嫌気性微生物の付着が皆無であることを意味するものではなく、好気性微生物の働く環境を作ることを意味するものである。
【0122】
本発明を実施するに際しては、廃棄物処理プラント、廃棄物処理方法、及び解砕装置のその他の部分の構成、構造、処理方法、製造方法等については、上記実施例に限定されるものではない。また、本発明の実施の形態及び実施例で挙げている数値は、その全てが臨界値を示すものではなく、ある数値は実施に好適な好適値を示すものであるから、上記数値を許容値内で若干変更してもその実施を否定するものではない。
【符号の説明】
【0123】
1 廃棄物
20 発酵乾燥処理物
30 発酵乾燥解砕処理物
130 解砕装置
131 スクリーン
131L 縦桟
131W 横桟
132 振動部
142 突起部
143 押込部
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