(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151262
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】情報処理方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G09B 29/10 20060101AFI20241017BHJP
G06F 16/909 20190101ALI20241017BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20241017BHJP
G06Q 50/00 20240101ALI20241017BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241017BHJP
【FI】
G09B29/10 A
G06F16/909
G01C21/26 C
G06Q50/00
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064509
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大泉 透
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5B175
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C032HB05
2C032HC08
2C032HC27
2C032HD16
2C032HD21
2F129AA03
2F129BB02
2F129CC16
2F129DD15
2F129DD19
2F129DD20
2F129DD34
2F129DD39
2F129DD66
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE54
2F129EE79
2F129EE81
2F129EE83
2F129EE84
2F129EE96
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF32
2F129FF59
2F129FF63
2F129FF65
2F129FF67
2F129FF68
2F129HH02
2F129HH12
5B175DA03
5B175HA02
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】ユーザの暗黙の出発意図を察知してユーザに天気予報を知らせる。
【解決手段】ユーザ操作に基づいて電子機器200から送信されたコマンドに基づいて車両C1の操作を行うことが可能な情報処理方法である。この情報処理方法は、電子機器200においてコマンドを送信するための特定ユーザ操作が行われたことを検出する検出処理(ステップS715乃至S720)と、ユーザ操作が行われた場合には、車両C1の出発地と、その出発地の周辺と、車両C1の目的地と、その目的地の周辺とのうちの少なくとも1つに関連するエリアの天気予報を電子機器200から出力させる出力処理(ステップS723)とを含む。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作に基づいて電子機器から送信されたコマンドに基づいて車両の操作を行うことが可能な情報処理方法であって、
前記電子機器において前記コマンドを送信するための特定ユーザ操作が行われたことを検出する検出処理と、
前記特定ユーザ操作が行われた場合には、前記車両の出発地と、前記出発地の周辺と、前記車両の目的地と、前記目的地の周辺とのうちの少なくとも1つに関連するエリアの天気予報を前記電子機器から出力させる出力処理と、を含む、
情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法であって、
前記出力処理では、前記車両の出発地として前記車両の現在地の天気予報を出力させる、
情報処理方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理方法であって、
前記ユーザの行動履歴に基づいて前記車両の目的地を推定する推定処理、をさらに含み、
前記出力処理では、推定された前記目的地の天気予報を出力させる、
情報処理方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理方法であって、
前記推定処理では、前記行動履歴に基づいて、前記目的地を起点とした前記ユーザの行動範囲を推定し、
前記行動範囲に基づいて、前記目的地を含む天気予報の予報エリアを決定する決定処理、をさらに含み、
前記出力処理では、前記予報エリアの天気予報を出力させる、
情報処理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理方法であって、
前記決定処理では、複数の前記目的地が推定された場合には、当該各目的地を含む1つの前記予報エリア、又は、当該各目的地のそれぞれに対応する複数の前記予報エリアを決定する、
情報処理方法。
【請求項6】
請求項3に記載の情報処理方法であって、
前記推定処理では、前記目的地での不特定ユーザの滞在時間を集計して求められた統計情報と、前記目的地での前記ユーザの過去の滞在時間を集計して求められた個人履歴情報とのうちの少なくとも1つに基づいて前記目的地での前記ユーザの滞在時間を推定し、
前記ユーザの滞在時間に基づいて、前記目的地の所定時刻毎の天気予報を出力させる時間帯の範囲を決定する決定処理、をさらに含み、
前記出力処理では、前記目的地の所定時刻毎の天気予報を、前記時間帯の範囲に基づいて出力させる、
情報処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理方法であって、
前記推定処理では、前記目的地までの移動経路に基づいて前記目的地の到着時刻を推定し、
前記決定処理では、前記時間帯の範囲を、前記滞在時間及び前記到着時刻に基づいて決定し、
前記出力処理では、前記到着時刻から前記時間帯の範囲までの間の、前記目的地の所定時刻毎の天気予報を出力させる、
情報処理方法。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理方法であって、
前記ユーザが前記車両に乗車したことを検出する乗車検出処理、をさらに含み、
前記出力処理では、前記ユーザが前記車両に乗車したタイミングで、前記車両に設置されている出力機器から、前記天気予報を再度出力させる、
情報処理方法。
【請求項9】
ユーザ操作に基づいて電子機器から送信されたコマンドに基づいて車両の操作を行うことが可能な情報処理装置であって、
前記電子機器において前記コマンドを送信するための特定ユーザ操作が行われたことを検出する検出部と、
前記特定ユーザ操作が行われた場合には、前記車両の出発地と、前記出発地の周辺と、前記車両の目的地と、前記目的地の周辺とのうちの少なくとも1つに関連するエリアの天気予報を前記電子機器から出力させる出力部と、を備える、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが所望するエリアの天気予報を提供する技術が存在する。例えば、ユーザにより行われた交通機関の経路検索の結果を表示する場合に、出発地、乗換駅、目的地のそれぞれの到着日時における天気予報を表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、出発地、乗換駅、目的地のそれぞれの天気予報をユーザに提供することが可能である。ここで、ユーザが、普段の通勤通学、買い物等で車両を使用する場合、経路検索をしないで出発することが多いと考えられる。しかし、従来技術では、ユーザが経路検索をしないで出発する場合、経路検索の結果を表示することがないため、その結果表示とともにユーザに天気予報を知らせることができない。そこで、車両での出発前において、ユーザの暗黙の出発意図を察知してユーザに天気予報を知らせることができれば便利である。
【0005】
本発明は、ユーザの暗黙の出発意図を察知してユーザに天気予報を知らせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ユーザ操作に基づいて電子機器から送信されたコマンドに基づいて車両の操作を行うことが可能な情報処理方法である。この情報処理方法は、電子機器においてそのコマンドを送信するための特定ユーザ操作が行われたことを検出する検出処理と、特定ユーザ操作が行われた場合には、車両の出発地と、その出発地の周辺と、車両の目的地と、その目的地の周辺とのうちの少なくとも1つに関連するエリアの天気予報を電子機器から出力させる出力処理とを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの暗黙の出発意図を察知してユーザに天気予報を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、電子機器及び車両の使用例を簡略化して示す図である。
【
図2】
図2は、情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、車両管理DBの格納内容を簡略化して示す図である。
【
図4】
図4は、カテゴリ毎の滞在時間の統計情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、スポット毎の滞在時間の統計情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、カテゴリ毎の滞在時間の個人履歴情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、スポット毎の滞在時間の個人履歴情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、電子機器に表示されるメイン画面の表示例を示す図である。
【
図9】
図9は、電子機器に表示されるエアコン操作画面の表示例を示す図である。
【
図10】
図10は、電子機器に表示される設定画面の表示例を示す図である。
【
図11】
図11は、電子機器に表示される表示画面の表示例を示す図である。
【
図12】
図12は、電子機器に表示される表示画面の表示例を示す図である。
【
図13】
図13は、電子機器に表示される表示画面の表示例を示す図である。
【
図14】
図14は、IVIに表示される表示画面の表示例を示す図である。
【
図15】
図15は、天気予報出力処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、天気予報出力処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0010】
[IVI及び電子機器の使用例]
図1は、ユーザU1が所有する電子機器200及び車両C1の使用例を簡略化して示す図である。車両C1には、IVI(In-Vehicle Infotainment)300が設置されている。なお、IVI300は、車載機器の一例であり、他の情報を出力が可能な他の機器、例えば表示装置、音声出力装置を用いてもよい。また、電子機器200は、ユーザU1が所持することが可能な携帯型の機器であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。
【0011】
[情報処理システムの構成例]
図2は、ユーザ操作に基づいて電子機器200から送信されたコマンドに基づいて車両C1の操作を行うことが可能な情報処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。
【0012】
情報処理システム1は、ネットワーク10を介して接続可能な複数の機器により構成される。
図2では、サーバ100と、電子機器200と、IVI300とにより情報処理システム1が構成される例を示す。サーバ100、電子機器200、IVI300のそれぞれは、有線通信又は無線通信を利用した通信方式によってネットワーク10に接続される。ネットワーク10は、公衆回線網、インターネット等のネットワークである。なお、電子機器200及びIVI300については、ネットワーク10を経由せずに、有線通信又は無線通信を利用した直接的な接続により接続されてもよい。
【0013】
[サーバの構成例]
サーバ100は、車両C1を含む複数の車両を管理するサーバである。例えば、サーバ100は、電子機器200を用いて車両C1の状態を設定する設定操作が行われた場合には、その設定操作に応じて、車両C1の状態を制御する。例えば、車両C1のオンオフ、開錠等を実行することが可能である。また、サーバ100は、電子機器200を用いて車両C1の目的地を設定する設定操作が行われた場合には、その設定操作に応じて目的地までの経路を検索し、その検索結果を電子機器200又はIVI300に提供する。
【0014】
サーバ100は、通信部110と、制御部120と、記憶部130とを備える。
【0015】
通信部110は、制御部120の制御に基づいて、有線通信又は無線通信を利用して、他の機器との間で各種情報のやりとりを行うものである。
【0016】
制御部120は、記憶部130に記憶されている各種プログラムに基づいて各部を制御するものである。制御部120は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置により実現される。
【0017】
制御部120は、機器管理部121と、経路検索部122と、検出部123と、推定部124と、決定部125とを備える。
【0018】
機器管理部121は、管理対象となる車両を管理するための各種制御を実行するものである。例えば、機器管理部121は、管理対象となる車両C1に関連付けて車両管理DB140(
図3参照)に登録されている電子機器200とのやりとりを行い、電子機器200のUI部240に各種表示画面(
図8乃至
図14参照)を表示させる。例えば、機器管理部121は、車両アプリのメイン画面400(
図8参照)を電子機器200のUI部240に表示させ、この車両アプリを用いて車両C1の状態等を設定可能とする。また、機器管理部121は、管理対象となる車両から取得した情報を車両管理DB140に順次格納して、車両の状態を管理する。
【0019】
経路検索部122は、電子機器200又はIVI300においてユーザ操作に基づいて目的地が指定された場合には、記憶部130の地図情報DBを用いて、車両の現在地からその目的地までの経路を検索するものである。そして、経路検索部122は、その目的地及び検索結果を機器管理部121、推定部124、決定部125に出力する。なお、経路の検索方法については、公知の検索方法を用いることが可能である。
【0020】
検出部123は、電子機器200において、車両C1の操作(又は、車両C1に関連する機器の操作)を行うためのコマンドを送信するための特定ユーザ操作が行われたことを検出するものである。すなわち、検出部123は、特定ユーザ操作が行われたことに基づいて、車両C1を用いたユーザU1の暗黙の出発意図を検出する。そして、検出部123は、その検出結果を機器管理部121、推定部124、決定部125に出力する。ここで、特定ユーザ操作は、例えば、
図8に示す車両の状態ボタン402、錠操作ボタン405、エアコン操作ボタン406、車庫操作ボタン407の何れかを選択する選択操作である。なお、電子機器200のUI部240に表示されている表示画面での選択操作は、例えば、タッチ操作、近接操作である。ただし、音声入力操作、ジェスチャーによる操作等により選択操作を実行してもよい。また、検出部123による検出処理の詳細については、後述する。
【0021】
推定部124は、検出部123によりユーザU1の暗黙の出発意図が検出された場合に、ユーザU1の行動履歴に基づいて車両C1の目的地を推定するものであり、その検出結果を機器管理部121、決定部125に出力する。また、推定部124は、ユーザU1の行動履歴に基づいて、車両C1の目的地を起点としたユーザU1の行動範囲を推定する。また、推定部124は、車両C1の目的地までの移動経路に基づいてその目的地の到着時刻を推定する。また、推定部124は、車両C1の目的地での不特定ユーザの滞在時間を集計して求められた統計情報と、その目的地でのユーザU1の過去の滞在時間を集計して求められた個人履歴情報とのうちの少なくとも1つに基づいて、その目的地でのユーザU1の滞在時間を推定する。なお、これらの各推定方法については、
図4乃至
図7を参照して詳細に説明する。
【0022】
決定部125は、検出部123によりユーザU1の暗黙の出発意図が検出された場合に、ユーザU1に提供する天気予報の予報エリアを決定するものであり、その決定結果を機器管理部121に出力する。例えば、決定部125は、推定部124により推定された目的地に基づいて、その目的地を含む天気予報の予報エリアを決定する。例えば、決定部125は、その目的地でのユーザU1の行動範囲に基づいて、その目的地を含む天気予報の予報エリアを決定することが可能である。なお、決定部125は、複数の目的地が推定された場合には、それらの各目的地を含む1つの予報エリア、又は、それらの各目的地のそれぞれに対応する複数の予報エリアを決定してもよい。また、決定部125は、ユーザU1の目的地での滞在時間に基づいて、その目的地の所定時刻毎の天気予報を出力させる時間帯の範囲(予報時間レンジ)を決定する。この場合に、決定部125は、その時間帯の範囲(予報時間レンジ)を、目的地での滞在時間及び目的地の到着時刻に基づいて決定することが可能である。なお、予報エリアの詳細な決定方法については、後述する。
【0023】
記憶部130は、各種情報を記憶する記憶媒体である。例えば、記憶部130には制御部120が各種処理を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム、車両管理DB140(
図3参照)、カテゴリ毎の統計情報DB150(
図4参照)、スポット毎の統計情報DB160(
図5参照)、カテゴリ毎の個人履歴情報DB170(
図6参照)、スポット毎の個人履歴情報DB180(
図7参照)、地図情報DB)が記憶される。また、記憶部130には、通信部110を介して取得された各種情報が記憶される。記憶部130として、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせを用いることができる。
【0024】
[電子機器の構成例]
電子機器200は、通信部210と、制御部220と、記憶部230と、UI(User Interface)部240と、センサ類250とを備える。通信部210は、制御部220の制御に基づいて、有線通信又は無線通信を利用して、他の機器との間で各種情報のやりとりを行うものである。
【0025】
制御部220は、記憶部230に記憶されている各種プログラムに基づいて各部を制御するものである。制御部220は、例えば、CPU等の処理装置により実現される。
【0026】
記憶部230は、各種情報を記憶する記憶媒体である。例えば、記憶部230には制御部220が各種処理を行うために必要となる各種情報(例えば、制御プログラム、車両アプリ)が記憶される。また、記憶部230には、通信部210を介して取得された各種情報が記憶される。記憶部230として、例えば、ROM、RAM、SRAM、HDD、SSD、又は、これらの組み合わせを用いることができる。
【0027】
UI部240は、受付部241と、出力部242とを備える。なお、図示を省略するが、音入力部等の他の構成をUI部140に備えてもよい。音入力部は、電子機器200の周囲の音を取得するものであり、取得された音に関する音情報を制御部220に出力する。音入力部として、例えば、1又は複数のマイクや音取得センサを用いることができる。表示部、音出力部、音入力部及び受付部241は、ユーザインタフェースの一例であり、これらのうちの一部を省略してもよく、他のユーザインタフェースを用いてもよい。
【0028】
受付部241は、ユーザU1からの各種操作を受け付けるものであり、その受け付けられた操作内容を制御部220に出力する。なお、受付部241及び出力部242については、ユーザがその指を表示面に接触又は近接することにより操作入力を行うことが可能なタッチパネルとして構成してもよく、別体のユーザインタフェースとして構成してもよい。別体のユーザインタフェースとして構成する場合には、ボタン、キーボード等の各種操作部材を受付部241として用いることが可能である。
【0029】
出力部242は、制御部220の制御に基づいて、各種情報を出力するものである。例えば、出力部242は、表示部及び音出力部により構成することが可能である。この表示部は、制御部220からの指示に基づいて、各種画像を表示する。表示部として、例えば、有機ELパネル、LCDパネル等の表示パネルを用いることができる。音出力部は、制御部220からの指示に基づいて、各種音声を出力する。音出力部として、例えば1又は複数のスピーカを用いることができる。
【0030】
センサ類250は、各種情報を取得可能なセンサであり、例えば、一般的なスマートフォン等に搭載されている各種センサである。センサ類250は、例えば、被写体を撮像して画像(画像データ)を生成する画像センサ(イメージセンサ)、位置情報を取得可能な位置情報取得センサ(例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)機器)等の各種センサである。
【0031】
[IVIの構成例]
IVI300は、通信部310と、制御部320と、記憶部330と、UI部340とを備える。なお、通信部310、制御部320、記憶部330、UI部340のそれぞれについては、電子機器200の同一名称の各部に対応する。このため、通信部310、制御部320、記憶部330、UI部340のそれぞれについては、電子機器200と共通する点についての説明を省略する。なお、車両C1の車両ECU(Electronic Control Unit)を制御部320としても使用してもよく、車両ECUとは異なる処理装置を制御部320として設けてもよい。
【0032】
[車両管理DBの格納内容例]
図3は、記憶部130に記憶されている車両管理DB140の格納内容を簡略化して示す図である。
【0033】
車両管理DB140は、車両に関する各種情報を管理するためのデータベースである。具体的には、電子機器ID142と、車両の状態情報143と、経路情報144と、予報エリア情報145と、履歴情報146とが車両ID141に関連付けて車両管理DB140に格納される。
【0034】
車両ID141は、各車両を識別するための識別情報である。例えば、車両ID141の「C1」は車両C1(
図1参照)に対応するものとする。
【0035】
電子機器ID142は、車両C1を所有するユーザが所持する各電子機器を識別するための識別情報である。例えば、電子機器ID142の「MC1」は電子機器200(
図1参照)に対応するものとする。
図3では、1つの車両に1つの電子機器を関連付けて格納する例を示すが、1つの車両に複数の電子機器を関連付けて格納してもよい。
【0036】
車両の状態情報143は、管理対象となる各車両の状態に関する情報である。例えば、ドアのロック状態、エンジンのオンオフ、エアコンのオンオフ、窓の開閉状態等の各状態に関する情報が車両の状態情報143に格納される。
【0037】
経路情報144は、電子機器ID142にIDが格納されている電子機器を用いて推定(又は設定)された目的地までの経路に関する情報である。例えば、ユーザU1が電子機器200を用いて特定ユーザ操作を実行した場合には、暗黙の出発意図が検出され、車両C1の目的地が推定される。この目的地までの経路を特定するための各情報が経路情報144に格納される。なお、これらの目的地及び経路については、経路情報144を用いて、IVI300に表示することが可能となる。
【0038】
予報エリア情報145は、経路情報144に格納されている経路情報を各機器に提供する場合に、その経路情報とともに天気予報を提供するエリア(予報エリア)に関する情報である。例えば、ユーザU1が電子機器200を用いて特定ユーザ操作を実行した場合には、暗黙の出発意図が検出され、車両C1の目的地が推定される。この場合、推定された目的地等に関連付けられて出力される天気予報の予報エリアを特定するための各エリア情報が予報エリア情報145に格納される。それら予報エリアについては、予報エリア情報145を用いてIVI300に表示することが可能となる。
【0039】
履歴情報146は、車両ID141にIDが格納されている車両、又は、電子機器ID142にIDが格納されている電子機器を所有するユーザの移動履歴に関する情報である。例えば、車両に設置されている位置情報取得部(例えば、GNSS機器)により取得された位置情報及びその取得時刻が車両の移動履歴として履歴情報146に格納される。また、例えば、電子機器に設置されている位置情報取得部(例えば、GNSS機器)により取得された位置情報及びその取得時刻がその電子機器を所持するユーザの移動履歴として履歴情報146に格納される。
【0040】
なお、
図3に示す各情報は一例であり、これらのうちの一部のみを車両管理DB140に格納してもよく、他の情報を車両管理DB140に格納してもよい。
【0041】
[滞在時間の推定例]
次に、ユーザU1が目的地に滞在する滞在時間を推定する推定方法について説明する。例えば、ユーザU1以外の他者の各地での滞在時間の統計情報を用いて、ユーザU1の滞在時間を推定することが可能である。この場合には、あるスポットでの滞在時間は、そのスポットでの不特定ユーザの滞在時間を集計した統計情報に基づいて算出される。例えば、あるスポットでの滞在時間として、そのスポットでの不特定ユーザの滞在時間を集計して求めた平均滞在時間を、そのスポットでの滞在時間として用いることが可能である。なお、地図情報を提供するサービス(例えば、グーグル(登録商標)マップ)では、「ここを訪れた人は通常2乃至3時間滞在しています」という情報を提供しているため、この情報を利用してもよい。
【0042】
また、滞在時間の統計情報には、特定日の混雑状況の違いによる滞在時間の変化、時間帯・時季・天候による滞在時間の変化、施設情報等を加味してもよい。ここで、特定日の混雑状況の違いによる滞在時間の変化は、例えば、混んでいるため、待ち行列のために長く留まる人が多数存在して滞在時間が長くなる等を意味する。また、時間帯・時季・天候による滞在時間の変化は、例えば、寒い又は雨降りのため、屋外施設には短時間しかいない人が多数存在する等を意味する。また、施設情報は、例えば、閉店時間、ホテルのチェックアウト時間等を意味する。例えば、閉店時間、ホテルのチェックアウト時間が過ぎた場合には、普通はその場を立ち去る人が多いため、これらの属性情報を時間情報とともに用いることが可能である。これらの各情報については、例えば、属性情報として用いることが可能である。
【0043】
[カテゴリ毎の滞在時間の統計情報例]
図4は、カテゴリ毎の滞在時間の統計情報(カテゴリ毎の統計情報DB150)の一例を示す図である。カテゴリ毎の統計情報DB150については、サーバ100の記憶部130に格納して用いてもよく、必要に応じて他の機器(例えば、統計情報提供サーバ)から取得してもよい。なお、
図4では、説明を容易にするため、簡略化して数値を示す。
【0044】
カテゴリ毎の統計情報DB150は、カテゴリ毎に分類された各スポットの滞在時間を管理するためのデータベースである。具体的には、カテゴリ151及び滞在時間152が関連付けてカテゴリ毎の統計情報DB150に格納される。
図4では、各スポットでの不特定ユーザの一般的な滞在時間(平均滞在時間)が例示されている。
【0045】
滞在時間152を用いて、推定部124により推定された目的地の滞在時間を推定可能となる。例えば、推定部124により目的地としてテーマパークが推定された場合、ユーザU1は、そのテーマパークに5時間程度滞在する可能性が高いと推定可能である。なお、推定部124により推定された目的地と、
図4のカテゴリ151とについては、キーワード等の要素に基づいて一致判定が可能である。
図6のカテゴリ171についても同様である。
【0046】
[スポット毎の滞在時間の統計情報例]
図5は、スポット毎の滞在時間の統計情報(スポット毎の統計情報DB160)の一例を示す図である。スポット毎の統計情報DB160については、サーバ100の記憶部130に格納して用いてもよく、必要に応じて他の機器(例えば、統計情報提供サーバ)から取得してもよい。なお、
図5では、説明を容易にするため、簡略化して数値を示す。
【0047】
スポット毎の統計情報DB160は、各スポットの滞在時間と、そのスポットからの移動先とを管理するためのデータベースである。具体的には、滞在時間162と、移動先1(163)と、移動先2(164)と、移動先3(165)とがスポット161に関連付けてスポット毎の統計情報DB160に格納される。
【0048】
ここで、
図4に示すカテゴリは、各個別の場所ではなく、類似する複数の場所をまとめた一般的な集合を意味する。これに対して、
図5に示すスポットは、各個別の場所を意味する。例えば、異なる場所にテーマパークA乃至Cが存在する場合を想定する。この場合に、テーマパークAでは、不特定ユーザの滞在時間が7時間であり、テーマパークBでは、不特定ユーザの滞在時間が6時間であり、テーマパークCでは、不特定ユーザの滞在時間が2時間である場合を想定する。この場合には、これらの各値の平均値(5時間)がカテゴリ毎の統計情報DB150(
図4参照)でのテーマパーク(A乃至C)の滞在時間として格納される。これに対して、スポット毎の統計情報DB160では、テーマパークA乃至Cのそれぞれの滞在時間が格納される。
【0049】
また、
図5に示すスポット毎の統計情報DB160には、各スポットに滞在した不特定ユーザが移動する可能性が高い場所を移動先1(163)乃至移動先3(165)として示す。移動先1(163)乃至移動先3(165)は、各スポットに滞在した不特定ユーザの移動履歴に基づいて集計された統計情報である。例えば、スポットAに滞在した不特定ユーザのうちの、所定割合以上のユーザが移動した場所を移動先として格納することが可能である。この所定割合は、実験データ等に基づいて適宜設定可能であり、例えば、3乃至5割程度の値を用いることが可能である。
【0050】
図5では、ショッピングセンタSC1に滞在した不特定ユーザのうち、所定割合以上のユーザは、遊園地AP1及び公園P1に移動する場合の例を示す。これらの移動先1(163)乃至移動先3(165)を用いて、推定部124により推定された目的地以外にユーザU1が移動するか否かを判定可能となる。例えば、推定部124により目的地としてショッピングセンタSC1が推定された場合には、ユーザU1は、ショッピングセンタSC1の滞在後又は滞在前に遊園地AP1及び公園P1に移動する可能性が高いと推定可能である。なお、推定部124により推定された目的地と、
図5に示すスポット161とについては、緯度及び経度、キーワード等の要素に基づいて一致判定が可能である。
図7に示すスポット181についても同様である。
【0051】
[個人の行動パターンを加味する例]
以上では、不特定ユーザの統計情報に基づいて設定されたカテゴリ毎の滞在時間と、スポット毎の滞在時間、移動先とをDBに格納して用いる例を示した。ここで、ユーザU1が所持する電子機器200又は車両C1を利用して、サーバ100は、ユーザU1の移動履歴を取得することが可能である。そこで、不特定ユーザの統計情報にユーザU1の移動履歴を加味することにより、各スポットでの滞在時間、移動先の推定精度を向上させることが可能となる。なお、ユーザU1の移動履歴については、ユーザU1が所持する電子機器200の位置情報取得部(センサ類250)により取得された位置情報を、電子機器200がサーバ100に順次送信することにより取得可能である。
【0052】
[カテゴリ毎の滞在時間の個人履歴情報例]
図6は、カテゴリ毎の滞在時間の個人履歴情報(カテゴリ毎の個人履歴情報DB170)の一例を示す図である。カテゴリ毎の個人履歴情報DB170については、サーバ100の記憶部130に格納して用いてもよく、必要に応じて他の機器(例えば、個人情報提供サーバ)から取得してもよい。なお、
図6では、説明を容易にするため、簡略化して数値を示す。また、
図6では、ユーザU1のカテゴリ毎の個人履歴情報DB170を示すが、カテゴリ毎の個人履歴情報DB170はユーザ毎に存在するものとする。
【0053】
カテゴリ毎の個人履歴情報DB170は、カテゴリ毎に分類された各スポットの滞在時間を管理するためのデータベースである。具体的には、カテゴリ171及び滞在時間172が関連付けてカテゴリ毎の個人履歴情報DB170に格納される。
図6では、各スポットでのユーザU1の滞在時間(平均滞在時間)が例示されている。
【0054】
カテゴリ毎の統計情報DB150(
図4参照)とともに、カテゴリ毎の個人履歴情報DB170を用いることにより、推定部124により推定された目的地の滞在時間の推定精度を向上させることが可能となる。例えば、推定部124により目的地としてテーマパークが推定された場合を想定する。この場合には、カテゴリ毎の統計情報DB150のテーマパークの滞在時間152は「5時間」であり、カテゴリ毎の個人履歴情報DB170のテーマパークの滞在時間172は「8時間」である。そこで、カテゴリ毎の統計情報DB150の「5時間」と、カテゴリ毎の個人履歴情報DB170の「8時間」との平均値を求めその平均値6.5時間をユーザU1がそのテーマパークに滞在する滞在時間として推定することが可能である。この場合に、カテゴリ毎の個人履歴情報DB170への情報の蓄積度合に応じて、カテゴリ毎の個人履歴情報DB170を反映させる度合を高めてもよい。
【0055】
[スポット毎の滞在時間の個人履歴情報例]
図7は、スポット毎の滞在時間の個人履歴情報(スポット毎の個人履歴情報DB180)の一例を示す図である。スポット毎の個人履歴情報DB180については、サーバ100の記憶部130に格納して用いてもよく、必要に応じて他の機器(例えば、個人情報提供サーバ)から取得してもよい。なお、
図7では、説明を容易にするため、簡略化して数値を示す。また、
図7では、ユーザU1のスポット毎の個人履歴情報DB180を示すが、スポット毎の個人履歴情報DB180はユーザ毎に存在するものとする。
【0056】
スポット毎の個人履歴情報DB180は、各スポットの滞在時間と、そのスポットからの移動先とを管理するためのデータベースである。具体的には、滞在時間182と、移動先1(183)と、移動先2(184)と、移動先3(185)とがスポット181に関連付けてスポット毎の個人履歴情報DB180に格納される。
【0057】
また、スポット毎の個人履歴情報DB180には、各スポットに滞在したユーザU1が移動した確率が高い場所を移動先1(183)乃至移動先3(185)として示す。すなわち、移動先1(183)乃至移動先3(185)は、スポットを起点とした行動履歴に基づいて設定される。また、移動先1(183)乃至移動先3(185)は、各スポットに滞在したユーザU1の移動履歴に基づいて集計された統計情報である。例えば、スポットAに滞在したユーザU1が、所定割合以上移動した場所を移動先として格納することが可能である。この所定割合は、実験データ等に基づいて適宜設定可能であり、例えば、3乃至5割程度の値を用いることが可能である。
【0058】
図7では、ショッピングセンタSC1に滞在したユーザU1は、所定割合以上の確率で遊園地AP1に移動する場合の例を示す。これらの移動先1(183)乃至移動先3(185)を用いて、推定部124により推定された目的地以外にユーザU1が移動するか否かを判定可能となる。例えば、推定部124により目的地としてショッピングセンタSC1が推定された場合には、ユーザU1は、ショッピングセンタSC1の滞在後又は滞在前に遊園地AP1に移動する可能性が高いと推定可能である。
【0059】
また、スポット毎の統計情報DB160及びスポット毎の個人履歴情報DB180の比較により、ユーザU1の嗜好を判定可能である。例えば、レストランRT1について、スポット毎の統計情報DB160では滞在時間が1時間であるのに対し、スポット毎の個人履歴情報DB180では滞在時間が3時間である。このため、ユーザU1にとって、レストランRT1は居心地のいい、長居できる環境であると推定可能である。また、コンビニCV1について、スポット毎の統計情報DB160では滞在時間が20分であるのに対し、スポット毎の個人履歴情報DB180では滞在時間が8時間である。このため、ユーザU1は、コンビニCV1に勤務していることを推定可能である。
【0060】
また、スポット毎の統計情報DB160(
図5参照)とともに、スポット毎の個人履歴情報DB180を用いることにより、推定部124により推定された目的地の滞在時間、移動先の推定精度を向上させることが可能となる。例えば、推定部124により目的地としてショッピングセンタSC1が推定された場合を想定する。この場合には、スポット毎の統計情報DB160のショッピングセンタSC1の滞在時間162は「2時間」であり、スポット毎の個人履歴情報DB180のショッピングセンタSC1の滞在時間182は「1時間」である。そこで、スポット毎の統計情報DB160の「2時間」と、スポット毎の個人履歴情報DB180の「1時間」との平均値を求めその平均値1.5時間をユーザU1がショッピングセンタSC1に滞在する滞在時間として推定することが可能である。この場合に、スポット毎の個人履歴情報DB180への情報の蓄積度合に応じて、スポット毎の個人履歴情報DB180を反映させる度合を高めてもよい。
【0061】
また、スポット毎の統計情報DB160のショッピングセンタSC1の移動先1(163)に「遊園地AP1」が格納され、移動先2(164)には「公園P1」が格納され、スポット毎の個人履歴情報DB180のショッピングセンタSC1の移動先1(183)に「遊園地AP1」が格納されている。そこで、ユーザU1は、スポット毎の統計情報DB160及びスポット毎の個人履歴情報DB180で共通する「遊園地AP1」に移動する可能性が高いが、「公園P1」に移動する可能性は低いと推定可能である。
【0062】
統計情報及び個人履歴情報として所定の学習を施した情報を使用してもよい。また、滞在時間及び移動先については、例えば、人工知能(AI:Artificial Intelligence)を利用して判定してもよい。例えば、ユーザの属性、目的地の属性、滞在日時、到着時刻等を予め学習しておき、この学習データを判定に用いるようにする。そして、暗黙の出発意図が検出されたユーザの属性、推定された目的地の属性、その目的地での滞在日時、その目的地での到着時刻等について、その学習データを用いて、その目的地での滞在時間及び移動先を判定するための評価値を算出し、その評価値に基づいて、その目的地での滞在時間及び移動先を判定することができる。なお、人工知能については、後述する暗黙の出発意図の検出、予報エリアの設定についても利用することが可能である。
【0063】
[暗黙の出発意図の検出例]
上述したように、本実施形態では、暗黙の出発意図があったときに天気予報をユーザに案内する。そこで、ここでは、暗黙の出発意図の検出方法について説明する。
【0064】
出発意図は、ユーザU1が車両C1を利用してどこかに移動しようとする意思があることを意味する。また、車両C1に乗車する前において、ユーザU1の行動に応じて、明示的な出発意図と、暗黙の出発意図とに分類することが可能である。例えば、所望の目的地まで移動するため、出発意図を持っているユーザU1が、車両C1に乗車する前に電子機器200を用いて経路検索操作を行った場合には、ユーザU1の出発意図を推定することが可能である。この出発意図は、明示的な出発意図と称することが可能である。
【0065】
一方、日常生活において、毎日向かう場所(例えば、育児施設、職場)までの移動に車両C1を利用することも想定される。この場合には、車両C1に乗車する前に、ユーザU1が電子機器200を用いて経路検索操作を行うことは少ないと考えられる。このような場合であっても、出発意図を持っているユーザU1が、車両C1に乗車する前に電子機器200を用いて何らかの操作を行ったことに基づいて、ユーザU1の出発意図を推定することが可能である。この出発意図は、暗黙の出発意図と称することが可能である。そこで、本実施形態では、車両C1に乗車する前の状態において、電子機器200を用いたユーザ操作に基づいて、暗黙の出発意図又は明示的な出発意図を推定する。
【0066】
本実施形態では、車両C1の操作を行うことが可能なコマンドを、ユーザ操作に基づいて送信可能な電子機器200を用いて暗黙の出発意図を判定する例を示す。具体的には、検出部123は、電子機器200においてそのコマンドを送信するための特定ユーザ操作が行われたことを検出し、その特定ユーザ操作が検出された場合には、暗黙の出発意図があると判定する。このように、ユーザ操作に基づいて車両C1の操作を行うことが可能なコマンドが電子機器200から送信されたタイミングに基づいて、暗黙の出発意図を検出することが可能である。
【0067】
車両C1の操作を行うことが可能なコマンドは、例えば、ユーザU1が出発前に車両C1に対して行う電子機器200からのリモート制御のコマンドである。このリモート制御のコマンドは、出発前に車両C1の状態を操作するためのリモート操作に基づいて送信されるコマンドである。言い換えると、車両C1に対する制御、車両C1の周辺機器に対する制御、車両C1の出発を意図するような制御等を、リモート制御と称することが可能である。
【0068】
例えば、車両C1の操作を行うためのユーザU1の操作(リモコン操作)が電子機器200においてされた場合に、ユーザU1の暗黙の出発意図を推定することが可能である。例えば、電子機器200を用いて、車両C1のエアコンのオン操作をした場合、車両C1のシート、ハンドル等の温度を調整するための操作をした場合、車両C1のドアロックを解錠する操作をした場合、車両C1(エンジン車の場合)のエンジンをオンする操作をした場合、車両C1の窓を開ける操作をした場合、車両C1の車庫の扉を開ける操作をした場合、車両C1のエアコンをオンする時間のスケジュール操作をした場合等に、そのリモコン操作がされたと判定可能である。
【0069】
このように、ユーザU1の暗黙の出発意図が推定された場合には、車両C1の出発地及び目的地、又はこれらの周辺の天気予報をユーザU1に知らせるようにする。
【0070】
なお、エアコンをオンするスケジュールが設定された場合には、そのスケジュールに基づいて、エアコンをオンする時刻が取得可能である。そこで、この場合には、エアコンをオンする時刻を基準にして、その時刻を含む時間帯(例えば、その時刻以降の時間帯)の天気予報を出力する。又は、エアコンをオンする時刻に近づいた場合に、電子機器200から天気予報を出力させてもよい。
【0071】
なお、ユーザU1が出発前に車両C1に対して行う電子機器200におけるコマンド送信の予備動作に基づいて、暗黙の出発意図を検出することも可能である。この予備動作は、例えば、車両C1の操作を行うことが可能なコマンドを送信するための操作を行う設定画面に遷移されたことに基づいて検出可能である。例えば、メイン画面400(
図8参照)において、車の状態ボタン402、錠操作ボタン405、エアコン操作ボタン406、車庫操作ボタン407の何れかの選択操作がされ、次の画面に遷移したタイミングで予備動作が行われたと判定可能である。又は、車の状態ボタン402、錠操作ボタン405、エアコン操作ボタン406、車庫操作ボタン407の何れかの選択操作がされ、次の画面に遷移した後に、その画面において何も操作されずにメイン画面400に戻ったタイミングで予備動作が行われたと判定可能である。これらの場合には、電子機器200において車両C1の操作を行うことが可能なコマンドを送信するためのユーザ操作は行われていないが、そのコマンドを送信するためのユーザ操作と同等の動作(予備動作)が行われたと判定して、ユーザU1の暗黙の出発意図を推定する。
【0072】
このように、車両C1の操作を行うことが可能なコマンドが電子機器200から送信されない場合であっても、上述した予備動作をしたときには、ユーザU1に暗黙の出発意図があると推定して天気予報を出力することが可能である。
【0073】
[目的地の推定例]
日常生活においては、暗黙の出発意図を持ったユーザU1が車両C1を利用して外出する場合として、近場に外出する場合が想定される。例えば、日常生活において近場に外出する場合は、事前に計画を立てずに、例えば経路検索等を実行せずに出発することが多いと考えられる。このように、日常生活において、暗黙の出発意図を持ったユーザU1が車両C1を利用した移動として、例えば、普段使いの比較的近場への移動、日常生活でルーチン化された決まった場所への移動等が予想される。
【0074】
そこで、履歴情報146(
図3参照)に格納されている車両C1及びユーザU1の移動履歴のうちの少なくとも1つに基づいて、目的地及びその目的地での滞在時間を推定可能である。例えば、履歴情報146に基づいて、平日の略同じ時間帯において、ユーザU1が車両C1に乗車して所定の場所に移動することを検出可能である。この場合には、平日のその時間帯において、暗黙の出発意図が検出された場合には、ユーザU1が車両C1に乗車してその所定の場所に移動することを推定可能である。また、ユーザU1がその所定の場所で滞在する滞在時間を推定可能である。所定の場所は、例えば、ユーザU1の会社、ユーザU1の子供の保育園、塾等が想定される。また、ユーザU1の会社の場合には、その会社での勤務時間が滞在時間であり、ユーザU1の子供の保育園、塾等の場合には、その場所での待ち時間が滞在時間となる。例えば、履歴情報146に基づいて、平日の午前8時頃の時間帯において、ユーザU1が車両C1に乗車して自宅から職場に移動し、平日の午前17時頃の時間帯において、ユーザU1が車両C1に乗車して職場から自宅に移動することを検出可能である。この場合には、平日の午前8時頃の時間帯において、暗黙の出発意図が検出された場合には、ユーザU1が車両C1に乗車して自宅から職場に移動することを推定可能である。また、平日の午前17時頃の時間帯において、暗黙の出発意図が検出された場合には、ユーザU1が車両C1に乗車して職場から自宅に移動することを推定可能である。この場合には、ユーザU1が職場で滞在する滞在時間として9時間を推定可能である。
【0075】
なお、電子機器200又はサーバ100においてユーザU1がスケジュール管理をしていることも想定される。この場合には、推定部124は、電子機器200又はサーバ100において管理されているスケジュール情報を取得し、このスケジュール情報に基づいて、目的地及び目的地での滞在時間を推定可能である。例えば、2023年1月31日の午後12時30分頃に暗黙の出発意図が推定され、2023年1月31日の午後13時から午後15時の時間帯にショッピングセンタAでの予定がスケジュール情報に記録されている場合を想定する。この場合には、ユーザU1が車両C1に乗車してショッピングセンタAに移動し、2時間滞在することを推定可能である。このように、ユーザU1の過去の移動履歴、スケジュール等に基づいて、ユーザU1の目的地及びその目的地での滞在時間を推定可能である。なお、ショッピングセンタAの位置情報については、キーワード検索等により取得可能である。
【0076】
また、例えば、履歴情報146に基づいて、ユーザU1が車両C1に乗車して移動する場所を推定可能である。例えば、時間帯にかかわらず、ユーザU1が車両C1に乗車してショッピングセンタに頻繁に移動しているような場合を想定する。このような場合において、暗黙の出発意図が検出されたときには、ユーザU1が車両C1に乗車してそのショッピングセンタに移動することを推定可能である。そこで、この場合には、そのショッピングセンタを目的地として推定可能である。
【0077】
なお、履歴情報146に基づいて目的地を推定できないことも想定される。このような場合でも、事前に計画を立てずに出発するため、普段使いで比較的近場への移動が予想される。このような場合には、具体的な目的地を推定せずに、ユーザU1の自宅を含む地域の市町村等の広域エリアを目的地として推定可能である。
【0078】
[自宅以外の出発地を基準として目的地を推定する例]
以上では、ユーザU1の自宅を出発地として目的地を推定する例を示した。ただし、ユーザU1が旅行をしていて旅行先の宿泊地に宿泊することも想定される。この場合には、その宿泊地を出発地として目的地を推定する必要がある。そこで、このような場合には、不特定ユーザの統計情報に基づいて、その宿泊地を出発地とする目的地を推定可能である。例えば、スポット毎の統計情報DB160(
図5参照)に基づいて、目的地を推定可能である。
【0079】
[推定された目的地を起点としたユーザの行動範囲の推定例]
次に、推定された目的地を起点としたユーザU1の行動範囲を推定し、その行動範囲に基づいて予報エリアを変更してもよい。例えば、スポット毎の個人履歴情報DB180(
図7参照)に基づいて、ユーザU1の行動範囲を推定することが可能である。例えば、推定される目的地がショッピングセンタSC1(海老名市)である場合には、ショッピングセンタSC1での滞在後に、遊園地AP1(海老名市)に移動することを推定可能である。そこで、推定される目的地がショッピングセンタSC1(海老名市)である場合には、海老名市の広域エリアを予報エリアとして決定し、海老名市の広域エリアの天気予報を出してもよい。
【0080】
ここで、広域エリアは、目的地のスポットエリアよりも大きいエリアを意味する。例えば、目的地が神奈川県厚木市森の里青山である場合、その目的地が存在する市町村(厚木市)又は神奈川県を広域エリアとすることが可能である。これにより、ユーザU1が車両C1を利用して近場に移動する場合に、目的地として推定された場所を含む広域エリア(例えば、厚木市又は神奈川県のエリア)の天気予報を容易に知ることが可能となる。
【0081】
なお、推定された目的地が複数の場合には、複数の目的地を含む広域エリアを、天気予報を出力する予報エリアとする代わりに、それらの各目的地のスポットエリアを、天気予報を出力する予報エリアと決定してもよい。すなわち、それらの各目的地のスポットエリアの天気予報をユーザU1に知らせるようにする。また、複数の目的地を含む広域エリアと、それらの各目的地のスポットエリアとの天気予報を同時に知らせてもよい。
【0082】
ここで、スポットエリアは、目的地に相当するエリアを意味する。例えば、目的地が神奈川県厚木市森の里青山である場合には、その場所(森の里青山)をスポットエリアとすることが可能である。これにより、ユーザU1が車両C1を利用して近場に移動する場合に、目的地として推定された場所のスポットエリアの天気予報を容易に知ることが可能となる。
【0083】
なお、スポット毎の個人履歴情報DB180に基づいて、ユーザU1の行動範囲が推定できない場合には、スポット毎の統計情報DB160(
図5参照)に基づいて、ユーザU1の行動範囲を推定することが可能である。
【0084】
また、複数の目的地が推定された場合には、それらの各目的地を含む1つの予報エリア、又は、それらの各目的地のそれぞれに対応する複数の予報エリアを決定してもよい。
【0085】
[予報エリアについて]
本実施形態では、目的地に応じて予報エリアを決定する。そこで、ここでは、予報エリアについて説明する。
【0086】
[単一の予報エリアについて]
単一の予報エリアは、推定されるユーザU1の行動範囲をカバーする1エリアで構成される。ユーザU1の行動範囲は、例えば、スポット毎の統計情報DB160(
図5参照)、スポット毎の個人履歴情報DB180(
図7参照)のそれぞれの移動先に基づいて判定可能である。また、ユーザU1の行動範囲は、例えば、複数の段階に分類することが可能である。例えば、ユーザU1が目的地の周辺にしか行かないと推定される場合には、ユーザU1の行動範囲が小と判定可能である。また、ユーザU1が目的地を含む市町村内の移動が主であると推定される場合には、ユーザU1の行動範囲が中と判定可能である。また、ユーザU1が目的地を含む市町村の外側への移動も多いと推定される場合には、ユーザU1の行動範囲が大と判定可能である。また、ユーザU1が目的地を含む市町村の外側への移動も多く、さらに広いエリアを移動すると推定される場合には、ユーザU1の行動範囲が特大と判定可能である。
【0087】
例えば、目的地が神奈川県厚木市森の里青山であり、ユーザU1の行動範囲が小であると判定された場合には、単一の予報エリアとして神奈川県厚木市森の里青山のスポットエリアが決定される。また、例えば、目的地が神奈川県厚木市森の里青山であり、ユーザU1の行動範囲が中であると判定された場合には、単一の予報エリアとして神奈川県厚木市のスポットエリアが決定される。また、例えば、目的地が神奈川県厚木市森の里青山であり、ユーザU1の行動範囲が大であると判定された場合には、単一の予報エリアとして神奈川県西部のスポットエリアが決定される。また、例えば、目的地が神奈川県厚木市森の里青山であり、ユーザU1の行動範囲が特大であると判定された場合には、単一の予報エリアとして神奈川県のスポットエリアが決定される。
【0088】
[単一の予報エリアを広げる上限について]
予報エリアの大きさは、原則として、出発地を含めない範囲までしか広げないことが好ましい。例えば、神奈川県小田原市の自宅を出発地とし、神奈川県横浜市を目的地とする場合において、目的地の到着後のユーザU1の行動範囲が広い(例えば特大)ときに、単一の予報エリアとしての神奈川県のエリアが決定された場合を想定する。この場合には、神奈川県の天気予報が出力されるため、この天気予報を見たユーザU1は、出発地の天気予報か、目的地の天気予報かを理解できないことも想定される。そこで、神奈川県小田原市の自宅を出発地とし、神奈川県横浜市を目的地とする場合において、目的地の到着後のユーザU1の行動範囲が広い(例えば特大)としても、単一の予報エリアとして神奈川県東部までしか広げないようにする。ただし、出発地及び目的地間の距離が比較的近い場合も想定される。また、出発地である自宅の天気予報を知りたいと考えるユーザも想定される。そこで、予報エリアの大きさを、出発地を含める範囲まで広げてもよい。この場合に、出発地と目的地とが同じ天気予報である場合には、単一の予報エリアの天気予報を出力し、出発地と目的地とが異なる天気予報である場合には、両者が異なる天気予報である旨を明示した単一の予報エリアの天気予報を出力することが好ましい。
【0089】
[通知方法]
予報エリアが単一のエリアで構成される場合には、その単一のエリアに対する天気予報を通知する。また、予報エリアが複数のサブエリアで構成される場合には、サブエリア毎の天気予報を通知する。又は、サブエリアの中心のスポットエリア又は広域エリアの天気予報を通知してもよい。また、ユーザU1が予報エリアに到着してから滞在すると推定される滞在時間の長さだけ、その予報エリアの天気予報が通知される。
【0090】
[予報エリアの天気予報の取得方法]
例えば、広域の標記(例えば、神奈川県)の天気予報のときでも、実際は、その地域(例えば、神奈川県)の気象台があるスポットの天気予報を代表して出すことが多い。一方、特定のスポットの標記(例えば、神奈川県厚木市森の里青)の天気予報のときには、数値計算モデルでそのスポットの天気を算出して出すことが可能である。なお、数値計算モデルを用いて各スポットの天気を算出する算出方法については、公知の算出方法を用いることが可能である。
【0091】
[天気予報を出力する予報エリアの決定例]
上述したように、暗黙の出発意図が検出された場合には、事前に計画を立てずに出発することが多いと想定される。このため、暗黙の出発意図が検出された場合には、ユーザU1は、普段使いの比較的近場への移動が予想される。すなわち、車両C1の出発地及び目的地が近いことが想定される。そこで、暗黙の出発意図が検出された場合には、車両C1の出発地及び目的地を含む広域エリア、又は、出発地、目的地の各周辺を含む広域エリアを予報エリアとして決定することができる。例えば、車両C1の出発地及び目的地が神奈川県厚木市である場合には、神奈川県厚木市に相当するエリア、又は、神奈川県に相当するエリアを予報エリアとして決定することができる。
【0092】
また、上述したように、事前に計画を立てずに出発する場合には、ルーチン化された決まった場所に移動することが多いと想定される。このため、ユーザU1の行動履歴に基づいて推定された車両C1の目的地を含む広域エリア、又は、その目的地の周辺含む広域エリアを予報エリアとして決定することができる。なお、事前に計画を立てずに出発する場合は、旅行ではなく普段使いであるため、目的地に到着した後において、ユーザU1が車両C1から下車した後の移動距離は限定的であることが想定される。そこで、暗黙の出発意図が検出された場合には、車両C1の目的地を含むスポットエリアを予報エリアとして決定してもよい。例えば、車両C1の目的地が神奈川県厚木市森の里青山である場合には、神奈川県厚木市森の里青山のスポットエリアを予報エリアとして決定することができる。
【0093】
[天気予報を出力する時間帯の決定例]
上述したように、推定された目的地での滞在時間を推定することが可能である。そこで、推定された目的地の車両C1の到着予定時刻から、その滞在時間に応じた時間帯の範囲を、予報時間レンジとして決定することが可能である。
【0094】
予報時間レンジは、天気予報を出力する時間の範囲を示すものである。例えば、長時間レンジの場合には、数時間、例えば3乃至6時間程度の天気予報を所定単位(例えば、1時間単位)で出力することが可能である。また、例えば、短時間レンジの場合には、1時間程度の天気予報を出力することが可能である。
【0095】
また、目的地での滞在時間に応じた長時間レンジとする場合、車両C1が予報エリアに到着する到着予定時刻からその滞在時間と同じ時間の予報時間レンジを決定する。例えば、推定された目的地の車両C1の到着予定時刻が午前10時であり、推定された目的地での滞在時間が5時間と推定された場合には、午前10時から午後15時までの天気予報を出力する長時間レンジを決定する。
【0096】
また、例えば、推定された目的地での推定滞在時間に基づいて予報時間レンジを決定することが可能である。例えば、目的地での推定滞在時間が閾値以上である場合には、その推定滞在時間の長さと同様の長時間レンジとする。すなわち、長時間レンジで天気予報をユーザU1に知らせる。例えば、ユーザU1の近場に存在するショッピングセンタAが目的地である場合には、車両C1の出発地から目的地までの移動距離は短い。また、ショッピングセンタAにおいてユーザU1が車両C1から下車した後に、ユーザU1の移動距離が限定的となることが想定される。ただし、ショッピングセンタAでの滞在時間が長くなることも想定される。そこで、長時間滞在する可能性が高いショッピングセンタAが目的地として推定された場合には、ショッピングセンタAのスポットエリアの天気予報を長時間レンジでユーザU1に知らせることが可能である。なお、推定された目的地での滞在時間が所定時間(例えば、6時間以上)以上である場合には、一日分の天気予報を出力する決定をしてもよい。なお、長時間レンジの表示例を
図12に示す。
【0097】
一方、目的地での推定滞在時間が閾値未満である場合には、短時間レンジとする。すなわち、短時間レンジで天気予報をユーザU1に知らせる。例えば、近場の施設(例えば、保育園、学校)が目的地として推定された場合には、その施設のスポットエリアの天気予報を短時間レンジでユーザU1に知らせる。例えば、推定された目的地での滞在時間が短時間滞在と推定された場合には、1、2時間先の天気予報を出力する短時間レンジを決定することが可能である。なお、ここで示す閾値は、実験データ等に基づいて適宜設定可能である。短時間レンジの表示例を
図11に示す。
【0098】
[出発地を予報エリアとする決定例]
以上では、目的地又はその周辺を予報エリアとして天気予報を出力する例を示した。ここで、出発地から目的地までの移動距離が閾値未満となる場合、又は、出発地から目的地までの移動時間が閾値未満となる場合も想定される。例えば、ユーザU1の自宅が出発地であり、近場の施設が目的地である場合、ユーザU1が自宅にすぐに戻ることも可能である。例えば、近場の施設での天気によっては、自宅の洗濯物が気になり、帰宅することも想定される。このような場合には、自宅のスポットエリアの天気予報をスポット天気又は長時間レンジでユーザU1に知らせることが可能である。
【0099】
[メイン画面の表示例]
図8は、電子機器200のUI部240に表示される車両アプリのメイン画面400の表示例を示す図である。なお、UI部240への表示内容(
図8乃至
図14)については、サーバ100の機器管理部121により制御される。ただし、サーバ100から送信される表示情報を電子機器200の記憶部230に保持しておき、その表示情報を用いて電子機器200の制御部220がUI部240の表示内容を制御してもよい。
【0100】
メイン画面400には、ユーザU1が所有する車両C1を示す車両画像401と、車の状態ボタン402と、目的地の設定ボタン403と、ドライブ履歴ボタン404と、錠操作ボタン405と、エアコン操作ボタン406と、車庫操作ボタン407とが表示される。機器管理部121は、車両管理DB140(
図3参照)の格納内容に基づいて、車両C1に関するメイン画面400を電子機器200に表示させることが可能である。
【0101】
車の状態ボタン402は、車両C1の状態に関する各種設定操作を実行する場合に選択されるボタンである。車両C1の状態に関する各種設定操作として、例えば、車両C1のドアロックの解錠又は施錠、エアコンのオンオフ、エンジンのオンオフ(ガソリン車の場合)、エアコンをオンする時間のスケジュール、車両C1の窓の開閉、車両C1の車庫の扉の開閉が想定される。例えば、車の状態ボタン402の選択操作が行われた場合、これらの各種設定操作を実行するための設定操作画面がUI部240に表示される。また、車の状態ボタン402には、車の状態を示す車状態情報が表示される。
図8では、車両C1のドアロックの状態「施錠されています」を表示する例を示す。
【0102】
目的地の設定ボタン403は、車両C1の目的地を設定する設定操作を実行する場合に選択されるボタンである。目的地の設定ボタン403の選択操作が行われると、目的地を設定するための設定画面がUI部240に表示される。
【0103】
ドライブ履歴ボタン404は、車両C1の走行履歴に関する各種履歴情報を確認する場合に選択されるボタンである。例えば、ドライブ履歴ボタン404の選択操作が行われた場合には、車両C1の走行履歴に関する各種履歴情報を含むドライブ履歴画面がUI部240に表示される。
【0104】
錠操作ボタン405は、車両C1のドアロックの解錠又は施錠に関する設定操作を実行する場合に選択されるボタンである。錠操作ボタン405には、車両C1のドアロックの状態を示す錠画像が表示され、錠操作ボタン405の下側には、車両C1のドアロックの状態を示す文字(解錠又は施錠)が表示される。
図8では、施錠された状態の錠画像、文字(施錠)を示す。なお、錠画像、文字の表示内容は、車の状態ボタン402に表示される車状態情報に対応する。例えば、施錠された状態の錠画像、文字が表示され、車の状態ボタン402に「施錠されています」が表示されている場合に、錠操作ボタン405の選択操作が行われると、車両C1のドアロックが解錠される。また、この解錠に応じて、錠操作ボタン405の錠画像が、解錠された状態の錠画像に遷移し、錠操作ボタン405の下側の文字が「施錠」から「解錠」に遷移し、車の状態ボタン402の表示内容が「施錠されています」から「解錠されています」に遷移する。一方、解錠された状態の錠画像、文字が表示され、車の状態ボタン402に「解錠されています」が表示されている場合に、錠操作ボタン405の選択操作が行われると、車両C1のドアロックが施錠される。この場合についても同様に、錠操作ボタン405の錠画像、錠操作ボタン405の下側の文字、車の状態ボタン402の表示内容が遷移する。なお、
図9に示すエアコン操作と同様に、錠操作ボタン405の選択操作後に確認画面を表示して、この確認画面におけるユーザ操作がされたことを条件に、ドアロックの解錠又は施錠を実行してもよい。
【0105】
エアコン操作ボタン406は、車両C1のエアコンのオンオフに関する設定操作を実行する場合に選択されるボタンである。エアコン操作ボタン406には、エアコンのファンの状態を示すファン画像が表示され、エアコン操作ボタン406の下側には、エアコンのファンの状態を示す文字(OFF又はON)が表示される。
図8では、ファンが停止した状態のファン画像、文字(OFF)を示す。例えば、ファンが停止した状態のファン画像、文字が表示されている場合に、エアコン操作ボタン406の選択操作が行われると、エアコン操作画面410(
図9参照)が表示される。そして、エアコン操作画面410におけるユーザ操作に基づいてエアコンのオン操作が実行される。また、エアコンのオン操作に応じて、エアコン操作ボタン406のファン画像が、ファンが回転する状態のファン画像に遷移し、エアコン操作ボタン406の下側の文字が「OFF」から「ON」に遷移する。一方、ファンが回転する状態のファン画像、文字が表示されている場合に、エアコン操作ボタン406の選択操作が行われた場合についても同様に、エアコン操作画面410(
図9参照)に相当するエアコン操作画面が表示される。また、エアコンのオフ操作に応じて、エアコン操作ボタン406のファン画像が、ファンが停止した状態のファン画像に遷移し、エアコン操作ボタン406の下側の文字が「ON」から「OFF」に遷移する。
【0106】
車庫操作ボタン407は、車両C1の車庫の扉の開閉に関する設定操作を実行する場合に選択されるボタンである。車庫操作ボタン407には、車庫の扉の状態を示す車庫画像が表示され、車庫操作ボタン407の下側には、車庫の扉の状態を示す文字(閉又は開)が表示される。
図8では、車庫の扉が閉じた状態の車庫画像、文字を示す。例えば、車庫の扉が閉じた状態の車庫画像、文字が表示されている場合に、車庫操作ボタン407の選択操作が行われると、車庫の扉が開けられる。また、車庫の扉が開くのに応じて車庫操作ボタン407の車庫画像が、車庫の扉が開いた状態の車庫画像に遷移し、車庫操作ボタン407の下側の文字が「閉」から「開」に遷移する。一方、車庫の扉が開いた状態の車庫画像、文字が表示されている場合に、車庫操作ボタン407の選択操作が行われると、車庫の扉が閉じられる。この場合についても同様に、車庫操作ボタン407の車庫画像、車庫操作ボタン407の下側の文字が遷移する。なお、
図9に示すエアコン操作と同様に、車庫操作ボタン407の選択操作後に確認画面を表示して、この確認画面におけるユーザ操作がされたことを条件に、車庫の扉の開閉を実行してもよい。
【0107】
[エアコン操作画面の表示例]
図9は、電子機器200のUI部240に表示されるエアコン操作画面410の表示例を示す図である。エアコン操作画面410は、メイン画面400(
図8参照)におけるエアコン操作ボタン406の選択操作がされた後に表示される確認画面である。なお、エアコン操作画面410は、メイン画面400(
図8参照)にエアコン操作領域411を重ねて表示する点以外は、メイン画面400と同様であるため、
図8と共通する部分には共通の符号を付す。
【0108】
エアコン操作領域411には、エアコン操作をキャンセルするためのキャンセルボタン412と、エアコンをオン操作するためのOKボタン413とが表示される。ユーザU1は、OKボタン413の選択操作をすることにより、車両C1のエアコンを起動することが可能である。なお、ユーザU1によりキャンセルボタン412の選択操作がされた場合には、
図8に示すメイン画面400に戻る。
【0109】
[車の状態設定画面の表示例]
図10は、電子機器200のUI部240に表示される車の状態設定画面420の表示例を示す図である。車の状態設定画面420は、メイン画面400(
図8参照)における車の状態ボタン402の選択操作がされた後に表示される画面である。
【0110】
車の状態設定画面420には、車両C1のエンジンを始動するためのエンジン始動ボタン421と、車両C1の窓の開閉操作をするための窓の開閉操作ボタン422と、車両C1のエアコンのスケジュールを設定するためのエアコンのスケジュール設定操作ボタン423とが表示される。ユーザU1は、所望のボタンの選択操作をすることにより、車両C1の各種設定をすることが可能である。なお、ユーザU1により下ボタン424の選択操作がされた場合には、車の状態を設定するための他のボタンが表示される。
【0111】
例えば、エンジン始動ボタン421の選択操作がされた場合には、車両C1のエンジンを始動するための表示画面が表示される。そして、その表示画面において所定の操作を行うことにより車両C1のエンジンを始動することが可能となる。
【0112】
[天気予報の表示画面の表示例(短時間滞在の例)]
図11は、電子機器200のUI部240に表示される天気予報の表示画面430の表示例を示す図である。
図11では、目的地での滞在時間が短時間滞在であると推定された場合の表示例を示す。なお、本実施形態では、車両C1の現在地を、車両C1の出発地とする例を示す。例えば、車両C1がユーザU1の自宅に駐車されている場合には、その駐車場の位置が車両C1の現在地となる。また、車両C1がユーザU1の自宅以外の場所(例えば、職場、旅行先の宿泊施設)に駐車されている場合には、その駐車場の位置が車両C1の現在地となる。なお、車両C1の現在地は、履歴情報146(
図3参照)を用いて取得可能である。
【0113】
また、
図11乃至
図13に示す天気予報の表示画面は、ユーザ操作に基づいて暗黙の出発意図が検出された後に、メイン画面400(
図8参照)に戻る前のタイミングで表示される。例えば、
図11乃至
図13に示す天気予報の表示画面では、天気予報を表示する天気予報表示領域がメイン画面400の上部領域に表示される。また、
図11乃至
図13に示す天気予報の表示画面は、何らかのユーザ操作、又は、自動で消去される。
【0114】
表示画面430には、車両C1の出発地の天気予報を示す天気予報画像431と、推定された車両C1の目的地の天気予報を示す天気予報画像432と、天気予報に関するアドバイスを示すメッセージ表示領域433とが表示される。なお、表示画面430における下部領域には、メイン画面400(
図8参照)と同様に各種ボタンが表示される。また、
図12、
図13の下部領域にも同様にメイン画面400と同様の各種ボタンが表示される。
【0115】
なお、天気予報に関する各種アドバイスについては、例えば、天気予報と天気に応じた対応をユーザに促すためのアドバイス情報とを関連付けたアドバイス情報DBをサーバ100の記憶部130に格納して用いることが考えられる。また、サーバ100の機器管理部121は、予報エリアの天気予報を出力するタイミングで、出力対象となる天気予報に関連付けられているアドバイス情報がアドバイス情報DBに存在するか否かを判定する。そして、機器管理部121は、出力対象となる天気予報に関連付けられているアドバイス情報がアドバイス情報DBに存在する場合には、その天気予報とともに、そのアドバイス情報を出力するようにする。例えば、音声情報の出力、文字情報の表示、画像情報の表示等により、そのアドバイス情報を出力することが可能である。また、電子機器200、IVI300の双方においてアドバイス情報を出力することが可能である。また、所定のアドバイス情報については、予報エリアに到着するタイミングで出力してもよい。
【0116】
例えば、予報エリアの天気予報に基づいて、雨傘、日傘、アームカバー、フロントガラスの日差し除けカバー等を持っていくこと等の各種アドバイスすることが可能である。例えば、「雨」と「雨傘を持つこと」、「紫外線量が強い」と「日傘を持つこと、及び、アームカバーをつけること」、「真夏日、猛暑日」と「フロントガラスの日差し除けカバーをつけること、又は、日陰に駐車すること」、「雪」と「ワイパーを立てること、及び、スタッドレスタイヤを用意すること」、「雹」と「速度制限をすること」、「濃霧」と「フォグランプ、ライト等を早めに付けること」、「ゲリラ豪雨」と「出発を後らせること」等の、天気予報及びアドバイス情報をアドバイス情報DBに関連付けて格納することが可能である。
【0117】
このように、表示画面430に各天気予報を表示することにより、ユーザU1は、車両C1に乗車して出発しようと準備等をしている場合に、自宅の天気予報とともに、推定される目的地の天気予報を容易に把握することが可能となる。例えば、自宅周辺の天気予報は曇りであるが、推定される目的地周辺の天気予報は雨であることも想定される。このような場合でも、メッセージ表示領域433に「傘を持って出発して下さい。」等のアドバイス情報を表示することにより、ユーザU1は、目的地で雨に濡れずに過ごすことが可能となる。
【0118】
[天気予報の表示画面の表示例(長時間滞在の例)]
図12は、電子機器200のUI部240に表示される天気予報の表示画面440の表示例を示す図である。
図12では、目的地での滞在時間が長時間滞在であると推定された場合の表示例を示す。
【0119】
表示画面440には、車両C1の出発地の天気予報を示す天気予報画像441と、推定された車両C1の目的地の天気予報を示す天気予報画像442と、天気予報に関するアドバイスを示すメッセージ表示領域443とが表示される。
【0120】
上述したように、目的地での滞在時間が長時間滞在であると推定された場合には、長時間レンジでの天気予報を知らせるようにする。このため、天気予報画像442として、推定される滞在時間と同じ時間の天気予報を時系列で表示するようにする。
図12では、車両C1の到着予想時間である午前10時から、ユーザU1が滞在すると想定される午後14時までの天気予報を1時間単位で表示する例を示す。これにより、ユーザU1は、推定される目的地での推定滞在時間の天気予報とともに、自宅の天気予報を容易に把握することが可能となる。例えば、
図12に示すように、午後14時には雪が予想される場合には、早めの出発、又は、早めの帰宅等の対策を考えることが可能となる。
【0121】
[天気予報の表示画面の表示例(地図上に表示する例)]
図13は、電子機器200のUI部240に表示される天気予報の表示画面450の表示例を示す図である。
図13では、目的地での滞在時間が短時間滞在であると推定された場合の表示例を示す。また、
図13では、ユーザU1の自宅(神奈川県秦野市)を出発地S1とし、神奈川県相模原市を目的地G1とする経路R1が推定された場合の例を示す。
【0122】
表示画面450には、ユーザU1の個人履歴に基づいて推定された出発地S1、目的地G1、経路R1とともに、出発地S1の天気予報を示す天気予報画像451と、目的地G1の天気予報を示す天気予報画像452とが地図上に重ねて表示される。また、メッセージ表示領域453には、出発地S1及び目的地G1の天気予報に関するメッセージが表示される。これにより、ユーザU1は、推定された目的地G1の天気予報とともに、自宅の天気予報を容易に把握することが可能となる。
【0123】
[ユーザが車両に乗車した場合のIVIの表示例]
図14は、IVI300のUI部340に表示される表示画面460の表示例を示す図である。例えば、表示画面460は、ユーザU1が車両C1に乗車して車両C1のオン操作をしたタイミングで表示される。なお、UI部340への表示内容については、サーバ100の機器管理部121により制御される。ただし、サーバ100から送信される表示情報をIVI300の記憶部330に保持しておき、その表示情報を用いてIVI300の制御部320がUI部340の表示内容を制御してもよい。
【0124】
図14では、電子機器200を用いたユーザ操作に基づいてユーザU1の暗黙の出発意図が検出され、
図13に示す表示画面450が電子機器200に表示された場合の表示例を示す。すなわち、
図14では、目的地での滞在時間が短時間滞在であると推定された場合の表示例を示す。また、
図14に示すように、出発地S1、目的地G1、経路R1、各予報エリアは、
図13に示す表示画面450の内容と同じである。すなわち、表示画面460には、車両C1の出発地S1、推定された目的地G1、経路R1とともに、出発地S1の天気予報を示す天気予報画像461と、目的地G1の天気予報を示す天気予報画像462とが地図上に重ねて表示される。また、メッセージ表示領域463には、出発地S1及び目的地G1の天気予報に関するメッセージが表示される。これにより、ユーザU1は、ユーザU1の暗黙の出発意図に基づいて推定された目的地G1の天気予報とともに、自宅の天気予報を、車両C1に乗車したタイミングで容易に把握することが可能となる。なお、表示画面460については、サーバ100の記憶部130に格納されている車両管理DB140(
図3参照)の経路情報144、予報エリア情報145に基づいて生成することが可能である。
【0125】
ここで、電子機器200を用いたユーザ操作に基づいてユーザU1の暗黙の出発意図が検出されるタイミングと、ユーザU1が車両C1に乗車するタイミングとが異なることも想定される。例えば、真夏日又は真冬日に早めにエアコンを起動させておき、そのエアコンの起動時から数十分後にユーザU1が車両C1に乗車して出発することが想定される。この場合には、電子機器200での表示画面450の表示タイミングから、IVI300での表示画面460の表示タイミングまでの時間が長くなり、各予報エリアの天気予報が変わることも想定される。そこで、本実施形態では、電子機器200での表示画面450の表示タイミングと、IVI300での表示画面460の表示タイミングとのそれぞれにおいて、最新の天気予報をサーバ100が取得して提供するようにする。この場合には、例えば、
図13に示す表示画面450では目的地G1の天気予報が雨であるのに対し、
図14に示す表示画面460では目的地G1の天気予報が曇りに変わることもある。
【0126】
[サーバの動作例]
図15は、サーバ100における天気予報出力処理の一例を示すフローチャートである。また、この天気予報出力処理は、記憶部130(
図2参照)に記憶されているプログラムに基づいて制御部120(
図2参照)により実行される。また、この天気予報出力処理は、制御周期毎に常時実行される。また、この天気予報出力処理では、
図1乃至
図14を適宜参照して説明する。
【0127】
ステップS701において、機器管理部121は、電子機器200からサーバ100に送信された操作情報に基づいて、電子機器200において車両アプリの起動操作があったか否かを判定する。例えば、電子機器200のUI部240において、車両アプリを起動するための操作標識を選択する選択操作がユーザU1により行われた場合には、電子機器200の制御部220は、その旨の操作情報をサーバ100に送信する。この操作情報を受信した場合には、機器管理部121は、電子機器200において車両アプリの起動操作があったと判定可能となる。電子機器200において車両アプリの起動操作があった場合には、ステップS702に進む。一方、電子機器200において車両アプリの起動操作がなかった場合には、天気予報出力処理の動作を終了する。
【0128】
ステップS702において、機器管理部121は、車両アプリのメイン画面をUI部240に表示させる。例えば、
図8に示すように、UI部240に車両アプリのメイン画面400が表示される。
【0129】
ステップS703において、機器管理部121は、車両アプリのメイン画面において、目的地の設定の選択操作があったか否かを判定する。例えば、
図8に示す車両アプリのメイン画面400において、目的地の設定ボタン403を選択する選択操作がユーザU1により行われた場合には、電子機器200の制御部220は、その旨の操作情報をサーバ100に送信する。この操作情報を受信した場合には、機器管理部121は、目的地の設定の選択操作があったと判定可能となる。目的地の設定の選択操作があった場合には、ステップS704に進む。一方、目的地の設定の選択操作がなかった場合には、ステップS715に進む。
【0130】
ステップS704において、機器管理部121は、目的地を設定する目的地設定画面をUI部240に表示させる。
【0131】
ステップS705において、機器管理部121は、目的地の設定操作があったか否かを判定する。例えば、目的地設定画面の文字入力領域において目的地の文字を入力する入力操作、又は、地図表示領域において目的地を指定する指定操作により、ユーザU1が目的地を指定することが可能である。この指定操作の後に、経路検索の指示操作がされると、電子機器200の制御部220は、それらの指定操作に関する各情報をサーバ100に送信する。この各情報を受信した場合には、機器管理部121は、目的地の設定操作があったと判定する。目的地の設定操作があった場合には、ステップS707に進む。一方、目的地の設定操作がなかった場合には、ステップS706に進む。
【0132】
ステップS706において、機器管理部121は、戻る操作があったか否かを判定する。例えば、目的地設定画面の戻るボタンの選択操作がされた場合には、電子機器200の制御部220は、その操作情報をサーバ100に送信する。この操作情報を受信した場合には、機器管理部121は、戻る操作があったと判定可能である。戻る操作があった場合には、ステップS702に戻る。一方、戻る操作がなかった場合には、ステップS705に戻る。
【0133】
ステップS707において、経路検索部122は、電子機器200を用いてユーザU1により行われた設定操作に応じて、車両C1の現在地から目的地までの経路を検索して目的地までの移動経路を設定する。なお、移動経路の検索方法は、公知の移動経路の検索方法を採用することが可能である。また、検索された移動経路のユーザU1への提示、ユーザU1による承認操作、ユーザU1による再検索操作等については、公知の移動経路の設定方法を採用することが可能であるため、ここでの詳細な図示及び説明を省略する。
【0134】
ステップS708において、推定部124は、ステップS707で設定された目的地に基づいて、ユーザU1の旅程パターンを推定する推定処理を実行する。例えば、以下の(1)乃至(3)の何れかに該当する場合に、周回旅行と判定することが可能である。一方、以下の(1)乃至(3)の何れにも該当しない場合に、ピストン旅行と判定することが可能である。
判定条件(1) 複数の目的地が設定されている場合。
判定条件(2) 出発地から目的地までの移動距離が第1閾値以上離れている場合又は出発地から目的地までの移動時間が第2閾値以上となる場合、かつ、その目的地での滞在時間が第3閾値未満と推定される場合。
判定条件(3) 目的地への到着予定時刻が1日のうちの所定の時間帯に含まれ、かつ、その目的地での滞在時間が第3閾値未満と推定される場合。なお、所定の時間帯は、例えば、午前の早い時間帯(午前6時から午前10時、午前11時程度の時間帯)である。
【0135】
なお、第1乃至第3閾値は、実験データ等に基づいて適宜設定可能である。第1閾値として、例えば50km乃至100km(一般道)程度の値を設定可能である。また、第2閾値として、例えば1時間乃至1時間半程度の値を設定可能である。また、第3閾値として、例えば1時間乃至2時間程度の値を設定可能である。なお、移動距離及び移動時間については、公知の経路探索技術を用いて算出可能である。また、目的地での滞在時間については、
図4乃至
図7に示す各情報に基づいて取得可能である。なお、地図上において指定された目的地と、
図4乃至
図7に示す各DBの目的地とについては、緯度及び経度、キーワード等の要素に基づいて一致判定が可能である。
【0136】
ステップS709において、決定部125は、ステップS708で推定された旅程パターンがピストン旅行であるか否かを判定する。ピストン旅行である場合には、ステップS710に進む。一方、ピストン旅行でない場合、すなわち周回旅行である場合には、ステップS711に進む。
【0137】
ステップS710において、決定部125は、ステップS707で設定された目的地を含むスポットエリア(広域エリアよりも狭いエリア)を、天気予報を出力する予報エリアとして決定する。すなわち、ステップS707で設定された目的地及び目的地近辺を含むスポットエリアが天気予報を出力する予報エリアとして決定される。
【0138】
ステップS711において、決定部125は、ステップS707で複数の目的地が設定されたか否かを判定する。複数の目的地が設定された場合には、ステップS713に進む。一方、1の目的地のみが設定された場合には、ステップS712に進む。
【0139】
ステップS712において、決定部125は、ステップS707で設定された1の目的地を含む広域エリアを、天気予報を出力する予報エリアとして決定する。ここで、広域エリアは、目的地を含み、ステップS710で設定されるスポットエリアよりも大きい領域を意味する。例えば、目的地が「神奈川県厚木市森の里青山」である場合には、神奈川県厚木市、神奈川県西部、神奈川県等が広域エリアとすることが可能である。
【0140】
ステップS713において、決定部125は、ステップS707で設定された複数の目的地のそれぞれを含む広域エリアを、天気予報を出力する予報エリアとして決定する。なお、ステップS707で設定された複数の目的地のそれぞれのスポットエリアを、天気予報を出力する予報エリアとして決定してもよい。
【0141】
ステップS714において、機器管理部121は、ステップS710、S712、S713で設定された予報エリアの天気予報を電子機器200から出力させる。この場合に、サーバ100は、外部機器(例えば、気象情報提供サーバ)から各予報エリアの天気予報に関する各種情報を取得し、その予報エリアの天気予報を電子機器200に送信する。
【0142】
例えば、ステップS710で目的地を含むスポットエリアが予報エリアとして決定された場合には、ステップS707で設定された目的地のスポット天気予報が出力される。また、例えば、ステップS712で目的地を含む広域エリアが予報エリアとして決定された場合には、その広域エリアの広域天気予報が出力される。また、例えば、ステップS713で複数の目的地のそれぞれを含む広域エリアが予報エリアとして決定された場合には、その広域エリアの広域天気予報が出力される。なお、例えば、ステップS713で複数の目的地のそれぞれのスポットエリアが予報エリアとして決定された場合には、その各目的地のスポット天気予報が出力される。
【0143】
また、決定部125は、目的地での滞在時間に応じて予報時間レンジを決定する。そして、機器管理部121は、目的地での滞在時間に応じた予報時間レンジの天気予報を時系列で表示する。
【0144】
ステップS715において、機器管理部121は、車両アプリのメイン画面において、車両の状態の選択操作があったか否かを判定する。例えば、
図8に示す車両アプリのメイン画面400において、車両の状態ボタン402、錠操作ボタン405、エアコン操作ボタン406、車庫操作ボタン407の何れかを選択する選択操作がユーザU1により行われた場合には、電子機器200の制御部220は、その旨の操作情報をサーバ100に送信する。この操作情報を受信した場合には、機器管理部121は、車両の状態の選択操作があったと判定可能となる。車両の状態の選択操作があった場合には、ステップS716に進む。一方、車両の状態の選択操作がなかった場合には、ステップS717に進む。
【0145】
ステップS716において、機器管理部121は、車両の状態を設定する設定画面をUI部240に表示させる。例えば、エアコン操作ボタン406の選択操作があった場合には、
図9に示すエアコン操作画面410がUI部240に表示される。また、車両の状態ボタン402の選択操作があった場合には、
図10に示す車の状態設定画面420がUI部240に表示される。
【0146】
ステップS717において、機器管理部121は、ユーザU1の操作に応じた処理を実行する。例えば、ドライブ履歴ボタン404を選択する選択操作がユーザU1により行われた場合には、電子機器200の制御部220は、その旨の操作情報をサーバ100に送信する。この操作情報を受信した場合には、機器管理部121は、車両管理DB140の履歴情報146(
図3参照)に基づいて、車両C1の履歴情報を電子機器200のUI部240に表示させる。
【0147】
ステップS718において、機器管理部121は、車両の状態の設定操作があったか否かを判定する。例えば、
図9に示すエアコン操作画面410においてOKボタン413の選択操作があった場合には、車両の状態の設定操作があったと判定される。また、例えば、
図10に示す車の状態設定画面420においてエンジン始動ボタン421の選択操作があり、かつ、次の表示画面においてエンジンを始動するための操作が行われた場合には、車両の状態の設定操作があったと判定される。車両の状態の設定操作があった場合には、検出部123により暗黙の出発意図が検出され、ステップS720に進む。一方、車両の状態の設定操作がなかった場合には、ステップS719に進む。
【0148】
ステップS719において、機器管理部121は、戻る操作があったか否かを判定する。例えば、
図9に示すエアコン操作画面410においてキャンセルボタン412の選択操作があった場合には、戻る操作があったと判定される。また、例えば、
図10に示す車の状態設定画面420において戻るボタン426の選択操作があった場合には、戻る操作があったと判定される。戻る操作があった場合には、ステップS702に戻る。一方、戻る操作がなかった場合には、ステップS718に戻る。
【0149】
なお、ステップS719で戻る操作があったと判定された場合でも、上述したように、ステップS715で車両の状態の選択操作があったことに基づいて予備動作が行われたと判定し、暗黙の出発意図を検出してもよい。この場合には、ステップS719で戻る操作があったと判定されると、ステップS721乃至S732の各処理を実行した後に、ステップS702に戻るようにする。
【0150】
ステップS720において、機器管理部121は、ステップS718で行われた車両の状態の設定操作に応じた設定処理を実行する。例えば、施錠又は解錠、エンジンの始動、エアコンのオン、窓の開閉、車庫の扉の開閉等の車両C1の状態が設定される。具体的には、ステップS718で行われた車両の状態の設定操作に応じた各操作情報が、電子機器200からサーバ100に送信される。そして、サーバ100の機器管理部121は、電子機器200から受信した各操作情報に基づいて、車両C1の各部、又は、車両C1に関する周辺機器(例えば、車庫の扉)を制御する。なお、車両C1に関する周辺機器を制御する場合には、サーバ100は、その周辺機器に制御情報を送信し、その周辺機器の制御を実行する。
【0151】
ステップS721において、推定部124は、ステップS718で行われた車両の状態の設定操作のタイミングに基づいて車両C1の目的地を推定する。例えば、上述したように、履歴情報146(
図3参照)に格納されている車両C1及びユーザU1の移動履歴のうちの少なくとも1つに基づいて、目的地及びその目的地での滞在時間を推定可能である。例えば、履歴情報146に基づいて、平日の午前8時頃の時間帯において、ユーザU1が車両C1に乗車して職場に移動することが検出された場合を想定する。この場合に、平日の午前8時頃の時間帯において、暗黙の出発意図が検出されたときには、ユーザU1が車両C1に乗車して職場に移動することを推定可能である。また、上述したように、職場での滞在時間も推定可能となる。また、電子機器200又はサーバ100においてユーザU1がスケジュール管理をしている場合には、そのスケジュール情報に基づいて、目的地及びその目的地での滞在時間を推定可能である。なお、履歴情報146、スケジュールに基づいて目的地を推定できないことも想定される。このような場合には、上述したように、具体的な目的地を推定せずに、ユーザU1の自宅を含む地域の市町村等の広域エリアを目的地として推定可能である。
【0152】
ステップS722において、決定部125は、ステップS721で推定された車両C1の目的地の推定結果に基づいて、天気予報を出力する対象エリアを決定する。
【0153】
例えば、車両C1の出発地及び目的地を含む広域エリア、又は、出発地、目的地の各周辺を含む広域エリアを予報エリアとして決定することができる。例えば、車両C1の出発地及び目的地が神奈川県厚木市である場合には、神奈川県厚木市に相当するエリア、又は、神奈川県に相当するエリアを予報エリアとして決定することができる。また、ルーチン化された決まった場所に移動する場合には、ユーザU1の行動履歴に基づいて推定された車両C1の目的地を含む広域エリア、又は、その目的地の周辺含む広域エリアを予報エリアとして決定することができる。なお、目的地に到着した後において、ユーザU1が車両C1から下車した後の移動距離が限定的である場合には、車両C1の目的地を含むスポットエリアを予報エリアとして決定することができる。例えば、車両C1の目的地が神奈川県厚木市森の里青山である場合には、神奈川県厚木市森の里青山のスポットエリアを予報エリアとして決定することができる。
【0154】
ステップS723において、機器管理部121は、ステップS722で決定された予報エリアの天気予報を電子機器200から出力させる。この場合に、サーバ100は、外部機器(例えば、気象情報提供サーバ)から各予報エリアの天気予報に関する各種情報を取得し、その予報エリアの天気予報を電子機器200に送信する。
【0155】
例えば、ステップS722で目的地を含むスポットエリアが予報エリアとして決定された場合には、ステップS721で推定された目的地のスポット天気予報が出力される。例えば、
図11に示すように、表示画面430において、出発地及び目的地のスポット天気予報を示す天気予報画像431、432が表示される。
【0156】
また、例えば、ステップS722で目的地を含む広域エリアが予報エリアとして決定された場合には、その広域エリアの広域天気予報が出力される。また、
図13に示すように、地図上に天気予報を重ねて表示してもよい。
【0157】
また、決定部125は、目的地での滞在時間に応じて予報時間レンジを決定する。そして、機器管理部121は、目的地での滞在時間に応じた予報時間レンジの天気予報を時系列で表示する。例えば、
図12に示すように、表示画面440において、出発地及び目的地のスポット天気予報を示す天気予報画像441、442が表示される。この場合に、天気予報画像442は、長時間レンジとして表示される。なお、長時間レンジの天気予報が同じである場合には、その旨を明示して1つの天気予報を表示することが可能である。
【0158】
ステップS724において、機器管理部121は、電子機器200からサーバ100に送信された操作情報に基づいて、電子機器200において車両アプリの終了操作があったか否かを判定する。例えば、電子機器200のUI部240において、車両アプリを終了するための操作標識を選択する選択操作がユーザU1により行われた場合には、電子機器200の制御部220は、その旨の操作情報をサーバ100に送信する。この操作情報を受信した場合には、機器管理部121は、電子機器200において車両アプリの終了操作があったと判定可能となる。電子機器200において車両アプリの終了操作があった場合には、所定の終了処理を実行した後に、天気予報出力処理の動作を終了する。一方、電子機器200において車両アプリの終了操作がなかった場合には、ステップS702に戻る。
【0159】
[サーバの動作例]
図16は、サーバ100における天気予報出力処理の一例を示すフローチャートである。また、この天気予報出力処理は、IVI300のUI部340の表示状態を制御する処理であり、記憶部130(
図2参照)に記憶されているプログラムに基づいて制御部120(
図2参照)により実行される。また、この天気予報出力処理は、制御周期毎に常時実行される。また、この天気予報出力処理では、
図1乃至
図15を適宜参照して説明する。
【0160】
ステップS751において、機器管理部121は、車両C1のオン操作があったか否かを判定する。例えば、ユーザU1が車両C1に乗車してオン操作をした場合には、車両C1の車載機器は、その旨のオン情報をサーバ100に送信する。このオン情報を受信した場合には、機器管理部121は、車両C1のオン操作があったと判定可能となる。車両C1のオン操作があった場合には、ステップS752に進む。一方、車両C1のオン操作がなかった場合には、天気予報出力処理の動作を終了する。なお、ステップS751の処理は、ユーザU1が車両C1に乗車したことを検出する乗車検出処理の一例である。
【0161】
ステップS752において、機器管理部121は、IVI300のUI部340に地図画面を表示させる。
【0162】
ステップS753において、機器管理部121は、電子機器200で目的地の設定操作があったか否かを判定する。例えば、車両管理DB140の経路情報144(
図3参照)に基づいて、電子機器200で目的地の設定操作があったか否かが判定可能である。電子機器200で目的地の設定操作があった場合には、ステップS755に進む。一方、電子機器200で目的地の設定操作がなかった場合には、ステップS754に進む。
【0163】
ステップS754において、機器管理部121は、電子機器200の使用に基づいて暗黙の出発意図が検出されたか否かを判定する。電子機器200を用いて車両C1のドアの解錠操作、エアコンのオン操作等がされた場合には、暗黙の出発意図を検出可能である。電子機器200の使用に基づいて暗黙の出発意図が検出された場合には、ステップS755に進む。一方、電子機器200の使用に基づいて暗黙の出発意図が検出されなかった場合には、ステップS756に進む。
【0164】
ステップS755において、機器管理部121は、電子機器200で出力された予報エリアの最新の天気予報をIVI300のUI部340に表示させる。例えば、電子機器200の表示内容と同様の内容の表示画面をIVI300のUI部340に表示させることが可能である。ただし、この場合には、電子機器200での表示タイミングと、IVI300での表示タイミングとが異なるため、最新の天気予報がIVI300のUI部340に表示される。例えば、
図14に示すように、表示画面460が表示される。
【0165】
ステップS756において、機器管理部121は、IVI300においてユーザ操作があったか否かを判定する。ユーザ操作があった場合には、ステップS757に進む。一方、ユーザ操作がなかった場合には、監視を継続して行う。
【0166】
ステップS757において、機器管理部121は、ステップS756でのユーザ操作に基づいて、IVI300のUI部340の表示状態を制御する。
【0167】
ステップS758において、機器管理部121は、車両C1のオフ操作があったか否かを判定する。例えば、車両C1に乗車するユーザU1によりオフ操作がされた場合には、車両C1の車載機器は、その旨のオフ情報をサーバ100に送信する。このオフ情報を受信した場合には、機器管理部121は、車両C1のオフ操作があったと判定可能となる。車両C1のオフ操作があった場合には、天気予報出力処理の動作を終了する。一方、車両C1のオフ操作がなかった場合には、ステップS756に戻る。
【0168】
なお、本実施形態では、電子機器200を用いて暗黙の出発意図を検出する例を示した。しかし、他の機器を用いて暗黙の出発意図を検出する場合についても同様に適用可能である。例えば、表示部を備える機器以外に、音声入力が可能な機器、例えば、スマートスピーカ等を用いて暗黙の出発意図を検出してもよい。この場合には、スマートスピーカから予報エリアの天気予報が音声出力されたり、他の機器、例えばスマートフォンに予報エリアの天気予報を転送して出力したりすることが可能である。
【0169】
また、本実施形態では、車両C1に車載機器としてIVI300が設置されている例を示したが、車両C1に他の車載機器、例えば、表示装置、音声出力装置が設置されてもよい。
【0170】
また、本実施形態では、天気予報として天気を示す画像のみを表示する例を示したが、他の天気予報、例えば、温度、湿度、降水確率、風向き等を表示してもよい。また、本実施形態では、天気予報の通知方法として天気を示す画像を表示する例を示したが、他の通知方法により天気予報を通知してもよい。例えば、音声情報の出力、文字情報の表示、他の画像情報の出力により天気予報を通知してもよい。
【0171】
[本実施形態の効果例]
このように、本実施形態によれば、電子機器200を用いたユーザ操作に基づいて、暗黙の出発意図が検出されたときに天気予報をユーザU1に通知する。この場合には、車両C1の出発地(例えば、自宅)の天気予報、ユーザU1の行動履歴に基づいて推定された目的地の天気予報等を通知することが可能である。また、推定された目的地の天気予報の予報エリアについては、その目的地を起点としたユーザU1の行動範囲を推定し、その行動範囲に基づいて予報エリアを変更することが可能である。また、推定された目的地の天気予報の予報時間レンジについては、その目的地でのユーザU1のカテゴリ毎の行動履歴、又は、目的地でのユーザU1のスポット毎の行動履歴に基づいて推定される滞在時間に基づいて変更することが可能である。例えば、
図12に示すように、推定された目的地のスポット天気予報を長時間レンジで表示することが可能である。
【0172】
ここで、目的地の検索は、旅行等のように遠出する際の計画に使用されることが多い。これに対して、普段の通勤通学、買い物では、目的地を検索しない可能性が高い。このように、普段の通勤通学、買い物では、目的地の検索結果をユーザU1に通知することがないため、目的地の検索結果とともにユーザU1に天気予報を知らせるタイミングがない。そこで、本実施形態では、普段の通勤通学、買い物等の日常使いにおいても、車両C1での出発前において、ユーザU1の暗黙の出発意図を察知し、ユーザU1に最適な天気を知らせるようにする。このように、目的地を検索しなくても、車両C1の出発前において、車両C1の出発地、目的地、それらの周辺のエリアの天気予報を出力するため、ユーザU1に最適な天気予報を提供することができる。
【0173】
[車両の目的地以外の例]
なお、以上では、ユーザU1が所有する車両C1の暗黙の出発意図を検出した場合に、車両C1の目的地に基づいて予報エリアを決定し、その予報エリアの天気予報を出力する例を示した。ただし、ユーザU1が所有する車両C1以外の他の乗り物の暗黙の出発意図を検出した場合についても、本実施形態を適用可能である。例えば、カーシェアリング、自転車シェアリング等のサービスを利用する場合についても、本実施形態を適用可能である。例えば、カーシェアリング、自転車シェアリング等のサービスを利用する場合に、ユーザU1が予約操作を電子機器200を用いて実行した場合等に、予約対象となる乗り物の暗黙の出発意図を検出可能となる。この場合には、ユーザU1の過去の行動履歴、予約対象となる乗り物の過去の移動履歴等に基づいて、目的地を推定可能である。
【0174】
[他の機器、他のシステムにおいて処理を実行させる例]
なお、以上では、天気予報出力処理等をサーバ100において実行する例を示したが、それらの各処理の全部又は一部を他の機器において実行してもよい。この場合には、それらの各処理の一部を実行する各機器により情報処理システムが構成される。例えば、車載機器(例えば、IVI300)、ユーザが使用可能な機器(例えば、電子機器200、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置)、インターネット等の所定のネットワークを介して接続可能なサーバ等の各種情報処理装置、各種電子機器を用いて各処理の少なくとも一部を実行させることができる。
【0175】
また、サーバ100の機能を実行可能な情報処理システムの一部(又は全部)については、インターネット等の所定のネットワークを介して提供可能なアプリケーションにより提供されてもよい。このアプリケーションは、例えばSaaS(Software as a Service)である。
【0176】
[本実施形態の構成例及びその効果]
本実施形態に係る情報処理方法は、ユーザ操作に基づいて電子機器200から送信されたコマンドに基づいて車両C1の操作を行うことが可能な情報処理方法である。この情報処理方法は、電子機器200においてコマンドを送信するための特定ユーザ操作(例えば、
図8に示す車両の状態ボタン402、錠操作ボタン405、エアコン操作ボタン406、車庫操作ボタン407の何れかを選択する選択操作)が行われたことを検出する検出処理(ステップS715乃至S720)と、特定ユーザ操作が行われた場合には、車両C1の出発地と、その出発地の周辺と、車両C1の目的地と、その目的地の周辺とのうちの少なくとも1つに関連するエリアの天気予報を電子機器200から出力させる出力処理(ステップS723)とを含む。なお、この情報処理方法では、車両C1の操作として、車両C1に関連する機器、車両C1の周囲の機器(例えば、車両C1の車庫の扉の開閉)等についても制御することが可能である。また、本実施形態に係るプログラムは、これらの各処理をコンピュータに実行させるプログラムである。言い換えると、本実施形態に係るプログラムは、サーバ100が実行可能な各機能をコンピュータに実現させるプログラムである。
【0177】
この構成によれば、ユーザU1の暗黙の出発意図を察知し、車両C1の出発前において、車両C1の出発地、目的地、それらの周辺のエリアの天気予報を出力するため、ユーザU1に最適な天気予報を提供することができる。
【0178】
本実施形態に係る情報処理方法において、出力処理(ステップS723)では、車両C1の出発地として車両C1の現在地の天気予報を出力させる。例えば、
図11乃至
図13に示すように、車両C1の出発地(車両C1の現在地)の天気予報が電子機器200のUI部240から出力される。
【0179】
この構成によれば、車両C1の現在地の天気予報を出力させるため、ユーザU1が乗車しようとする車両C1の駐車位置の天気予報をユーザU1が容易に把握することができ、ユーザU1に最適な天気予報を提供することができる。
【0180】
本実施形態に係る情報処理方法において、ユーザU1の行動履歴に基づいて車両C1の目的地を推定する推定処理(ステップS721)をさらに含み、出力処理(ステップS723)では、推定された目的地の天気予報を出力させる。
【0181】
この構成によれば、ユーザU1の行動履歴に基づいて車両C1の目的地を推定するため、推定精度の高い目的地の天気予報をユーザU1が容易に把握することができ、ユーザU1に最適な天気予報を提供することができる。
【0182】
本実施形態に係る情報処理方法において、推定処理(ステップS721)では、ユーザU1の行動履歴(例えば、スポット毎の個人履歴情報DB180)に基づいて、車両C1の目的地を起点としたユーザU1の行動範囲を推定する。また、その行動範囲に基づいて、車両C1の目的地を含む天気予報の予報エリアを決定する決定処理(ステップS722)をさらに含む。また、出力処理(ステップS723)では、その予報エリアの天気予報を出力させる。
【0183】
この構成によれば、ユーザU1の行動範囲に基づく予報エリア(車両C1の目的地を含む)の天気予報をユーザU1が容易に把握することができ、ユーザU1の行動範囲に応じた最適な天気予報を提供することができる。
【0184】
本実施形態に係る情報処理方法において、決定処理(ステップS722)では、複数の目的地が推定された場合には、それらの各目的地を含む1つの予報エリア、又は、それらの各目的地のそれぞれに対応する複数の予報エリアを決定する。
【0185】
この構成によれば、複数の目的地が推定された場合には、それらの各目的地を含む1又は複数の予報エリアの天気予報をユーザU1が容易に把握することができ、ユーザU1の行動範囲に応じた最適な天気予報を提供することができる。
【0186】
本実施形態に係る情報処理方法において、推定処理(ステップS721)では、車両C1の目的地での不特定ユーザの滞在時間を集計して求められた統計情報(例えば、カテゴリ毎の統計情報DB150、スポット毎の統計情報DB160)と、車両C1の目的地でのユーザU1の過去の滞在時間を集計して求められた個人履歴情報(例えば、カテゴリ毎の個人履歴情報DB170、スポット毎の個人履歴情報DB180)とのうちの少なくとも1つに基づいてその目的地でのユーザU1の滞在時間を推定する。また、ユーザU1の滞在時間に基づいて、その目的地の所定時刻毎の天気予報を出力させる時間帯の範囲を決定する決定処理(ステップS722、S723)をさらに含む。また、出力処理(ステップS723)では、その目的地の所定時刻毎の天気予報を、その時間帯の範囲に基づいて出力させる。例えば、
図12に示すように、長時間レンジの天気予報を示す天気予報画像442が表示される。
【0187】
この構成によれば、目的地での滞在時間に基づいて、目的地の予報エリアについての天気予報の時間帯の範囲を決定するため、ユーザU1の目的地での滞在時間に応じたユーザU1に最適な天気予報を提供することができる。
【0188】
本実施形態に係る情報処理方法において、推定処理(ステップS721)では、車両C1の目的地までの移動経路に基づいてその目的地の到着時刻を推定する。また、決定処理(ステップS722、S723)では、その時間帯の範囲を、その滞在時間及びその到着時刻に基づいて決定する。また、出力処理(ステップS723)では、その到着時刻からその時間帯の範囲までの間の、目的地の所定時刻毎の天気予報を出力させる。
【0189】
この構成によれば、目的地の滞在時間及び到着時刻に基づいて、目的地の予報エリアについての天気予報の時間帯の範囲を決定するため、ユーザU1の目的地での滞在時間に応じたユーザU1に最適な天気予報を提供することができる。
【0190】
本実施形態に係る情報処理方法では、ユーザU1が車両C1に乗車したことを検出する乗車検出処理(ステップS751)をさらに含み、出力処理(ステップS755)では、ユーザU1が車両C1に乗車したタイミングで、車両C1に設置されているIVI300(出力機器の一例)から天気予報を再度出力させる。
【0191】
この構成によれば、車両C1に乗車するタイミングでIVI300から天気予報が再度出力されるため、ユーザU1は、車両C1に乗車したときに、迅速に容易に天気予報を確認することが可能となる。
【0192】
本実施形態に係るサーバ100は、ユーザ操作に基づいて電子機器200から送信されたコマンドに基づいて車両C1の操作を行うことが可能な情報処理装置である。サーバ100は、電子機器200においてコマンドを送信するための特定ユーザ操作(例えば、
図8に示す車両の状態ボタン402、錠操作ボタン405、エアコン操作ボタン406、車庫操作ボタン407の何れかを選択する選択操作)が行われたことを検出する検出部123と、特定ユーザ操作が行われた場合には、車両C1の出発地と、その出発地の周辺と、車両C1の目的地と、その目的地の周辺とのうちの少なくとも1つに関連するエリアの天気予報を電子機器200から出力させる機器管理部121(出力部の一例)とを備える。なお、サーバ100は、車両C1の操作として、車両C1に関連する機器、車両C1の周囲の機器(例えば、車両C1の車庫の扉の開閉)等についても制御することが可能である。なお、サーバ100の代わりに、サーバ100により実現される各処理を実行可能な複数の機器により構成される情報処理システムとしてもよい。
【0193】
この構成によれば、ユーザU1の暗黙の出発意図を察知し、車両C1の出発前において、車両C1の出発地、目的地、それらの周辺のエリアの天気予報を出力するため、ユーザU1に最適な天気予報を提供することができる。
【0194】
なお、本実施形態で示した各処理手順は、本実施形態を実現するための一例を示したものであり、本実施形態を実現可能な範囲で各処理手順の一部の順序を入れ替えてもよく、各処理手順の一部を省略したり他の処理手順を追加したりしてもよい。
【0195】
なお、本実施形態の各処理は、各種の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムに基づいて実行される。本実施形態は、それらの各処理を実行する機能を実現するプログラム、そのプログラムを記憶する記録媒体の実施形態としても把握することができる。例えば、情報処理装置に新機能を追加するためのアップデート処理により、そのプログラムを情報処理装置の記憶装置に記憶させることができる。これにより、そのアップデートされた情報処理装置に本実施形態で示した各処理を実施させることが可能となる。
【0196】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0197】
1 情報処理システム、10 ネットワーク、100 サーバ、110、210、310 通信部、120、220、320 制御部、121 機器管理部、122 経路検索部、123 検出部、124 推定部、125 決定部、130、230、330 記憶部、140 車両管理DB、150 カテゴリ毎の統計情報DB、160 スポット毎の統計情報DB、170 カテゴリ毎の個人履歴情報DB、180 スポット毎の個人履歴情報DB、200 電子機器、240、340 UI部、241、341 受付部、242、342 出力部、250 センサ類、300 IVI