IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社トプコンの特許一覧

<>
  • 特開-測量システム及び測定方法 図1
  • 特開-測量システム及び測定方法 図2
  • 特開-測量システム及び測定方法 図3
  • 特開-測量システム及び測定方法 図4
  • 特開-測量システム及び測定方法 図5
  • 特開-測量システム及び測定方法 図6
  • 特開-測量システム及び測定方法 図7
  • 特開-測量システム及び測定方法 図8
  • 特開-測量システム及び測定方法 図9
  • 特開-測量システム及び測定方法 図10
  • 特開-測量システム及び測定方法 図11
  • 特開-測量システム及び測定方法 図12
  • 特開-測量システム及び測定方法 図13
  • 特開-測量システム及び測定方法 図14
  • 特開-測量システム及び測定方法 図15
  • 特開-測量システム及び測定方法 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151268
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】測量システム及び測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/00 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
G01C15/00 103D
G01C15/00 103E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064516
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100083563
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 祥二
(72)【発明者】
【氏名】西田 信幸
(57)【要約】      (修正有)
【課題】容易に測定対象面の設定高さに対する偏差、或は不陸状態を測定可能であり、測定対象面の施工作業と並行して施工面の高低情報を取得可能とする。
【解決手段】基準レベル測定装置1と高低偏差測定装置2とを具備する測量システムであって、前記高低偏差測定装置は、前記基準レベル測定装置が測定する測定対象物と、該測定対象物と既知の関係に設けられ、施工面迄の距離を測定する測距センサ16と、該測距センサの測定範囲を含む範囲を撮影する画像カメラ23と、演算制御部19とを具備し、前記測距センサにより測定範囲が順次測定され、前記演算制御部は前記測距センサが測定する施工面の画像を取得し、該演算制御部は、前記基準レベル測定装置が測定した前記測定対象物の高さ情報と、前記測距センサが測定した距離情報に基づき施工面の高低情報を演算し、前記演算制御部は画像の合成により前記施工面の高低情報を合成する様構成された。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準レベル測定装置と高低偏差測定装置とを具備する測量システムであって、前記高低偏差測定装置は、前記基準レベル測定装置が測定する測定対象物と、該測定対象物と既知の関係に設けられ、施工面迄の距離を測定する測距センサと、該測距センサの測定範囲を含む範囲を撮影する画像カメラと、演算制御部とを具備し、前記測距センサにより測定範囲が順次測定され、前記演算制御部は前記測距センサが測定する施工面の画像を取得し、該演算制御部は、前記基準レベル測定装置が測定した前記測定対象物の高さ情報と、前記測距センサが測定した距離情報に基づき施工面の高低情報を演算し、前記演算制御部は画像の合成により前記施工面の高低情報を合成する様構成された測量システム。
【請求項2】
前記基準レベル測定装置は、既知の高さの水平基準面を形成し、前記測定対象物は前記水平基準面を検出する受光器を有し、前記演算制御部は前記受光器の検出結果に基づき前記水平基準面に対する前記測距センサの測定基準位置の高さを演算し、前記測距センサの測定結果に基づき前記施工面の高低情報を演算する様構成された請求項1に記載の測量システム。
【請求項3】
前記基準レベル測定装置は既知の高さに設けられ、測定結果を送信可能なTS通信部を有し、追尾機能を有する測量機を含み、前記高低偏差測定装置は、前記TS通信部からの測定結果を受信可能な端末通信部を有し、前記測定対象物はプリズムであり、前記演算制御部は前記端末通信部を介して前記プリズムの高さ情報を取得し、前記プリズムの高さ情報に基づき、前記測距センサの測定基準位置の高さを演算し、前記測距センサの測定結果に基づき前記施工面の高低情報を演算する様構成された請求項1に記載の測量システム。
【請求項4】
前記高低偏差測定装置が移動体に設けられた請求項1~請求項3のうちいずれか1項に記載の測量システム。
【請求項5】
前記高低偏差測定装置は、傾斜センサを更に具備し、前記演算制御部は、前記傾斜センサの検出結果に基づき前記高低情報を補正する様構成された請求項1~請求項3のうちいずれか1項に記載の測量システム。
【請求項6】
前記高低偏差測定装置は、前記測距センサの測定範囲より広い画角を有し、前記施工面の高低情報を投影する投影装置を更に具備する請求項5に記載の測量システム。
【請求項7】
前記測距センサは、測距カメラである請求項1~請求項3のうちいずれか1項に記載の測量システム。
【請求項8】
前記画像の合成は、画像の重複部分に基づき行われる請求項1に記載の測量システム。
【請求項9】
前記高低偏差測定装置は、広角カメラを更に具備し、該広角カメラは施工面全体を含む全体画像を取得し、前記演算制御部は前記端末通信部を介して前記プリズムの水平面内での位置情報を取得し、該位置情報に基づき前記画像カメラが取得した画像を前記全体画像に合成する様構成した請求項3に記載の測量システム。
【請求項10】
測定対象物と、該測定対象物と既知の関係に設けられ、所定の画角を有し、該画角を測定範囲として施工面迄の距離を測定する測距センサと、該測距センサの測定範囲を含む範囲を撮影する画像カメラと、演算制御部とを具備する高低偏差測定装置と、前記測定対象物の高さを測定する基準レベル測定装置とを有する測量システムに於いて、前記測距センサにより前記測定範囲を順次測定する工程と、前記測距センサの測定範囲の画像を取得する工程と、前記基準レベル測定装置が測定した前記測定対象物の高さ情報と、前記測距センサが測定した距離情報に基づき施工面の高低情報を演算する工程と、画像の合成に基づき前記施工面の高低情報を合成する測定方法。
【請求項11】
前記測量システムは、前記測距センサの測定範囲より広い画角を有する投影装置を更に具備し、該投影装置により前記施工面の高低情報を投影する工程を有する請求項10に記載の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は測定対象面の不陸状態を測定する測量システム及び測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリートの打設作業、或は整地作業に於いて、打設面或は整地面の不陸状態(凹凸状態)を解消し、設定した高さに施工することが望まれる。
【0003】
従来、例えば、コンクリートの打設作業に於いては、打設済部分に測定棒をコンクリートに差込み、打設済部分のコンクリートの高さを所定間隔で実測していた。
【0004】
高さの実測後、不陸状態を生じていた場合、凹部分にはコンクリートを継足し、或は凸部分はコンクリートを削除する等の修正作業をしていた。
【0005】
更に、コンクリートの固化後、表面に残っている凹凸を研磨する等して円滑にしている。
【0006】
又、均し材としてのコンクリート以外の均し材、例えば、砂、砂利、ビーズ玉等の均し材を施工面に打設し、表面を均一に均し、設定高さに施工する場合も、同様に、人手作業で実測し、凹凸があった場合は、均し材を継足し、或は削除する等の作業を繰返している。
【0007】
従来の方法では、個々の高さ測定が人手作業となり不陸測定の作業性が悪いという問題があり、又、均し材の打設作業、高さ測定作業、修正作業が別工程となることから作業能率が悪いという問題が有った。
【0008】
又、整地作業に於いても、整地後所定高さに糸を張る等して、整地高さ(不陸状態)の測定を行い、設定高さに対する偏差、不陸を生じている場合は、土盛り、除去の修正を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7-49228号公報
【特許文献2】特許第6130078号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/0235053号明細書
【特許文献4】特開2005-140523号公報
【特許文献5】特開2006-84346号公報
【特許文献6】特開平9-210687号公報
【特許文献7】特開2004-45159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、容易に測定対象面の設定高さに対する偏差、或は不陸状態を測定可能であり、測定対象面の施工作業と並行して施工面の高低情報を取得可能な測量システム及び測定方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、基準レベル測定装置と高低偏差測定装置とを具備する測量システムであって、前記高低偏差測定装置は、前記基準レベル測定装置が測定する測定対象物と、該測定対象物と既知の関係に設けられ、施工面迄の距離を測定する測距センサと、該測距センサの測定範囲を含む範囲を撮影する画像カメラと、演算制御部とを具備し、前記測距センサにより測定範囲が順次測定され、前記演算制御部は前記測距センサが測定する施工面の画像を取得し、該演算制御部は、前記基準レベル測定装置が測定した前記測定対象物の高さ情報と、前記測距センサが測定した距離情報に基づき施工面の高低情報を演算し、前記演算制御部は画像の合成により前記施工面の高低情報を合成する様構成された測量システムに係るものである。
【0012】
又本発明は、前記基準レベル測定装置は、既知の高さの水平基準面を形成し、前記測定対象物は前記水平基準面を検出する受光器を有し、前記演算制御部は前記受光器の検出結果に基づき前記水平基準面に対する前記測距センサの測定基準位置の高さを演算し、前記測距センサの測定結果に基づき前記施工面の高低情報を演算する様構成された測量システムに係るものである。
【0013】
又本発明は、前記基準レベル測定装置は既知の高さに設けられ、測定結果を送信可能なTS通信部を有し、追尾機能を有する測量機を含み、前記高低偏差測定装置は、前記TS通信部からの測定結果を受信可能な端末通信部を有し、前記測定対象物はプリズムであり、前記演算制御部は前記端末通信部を介して前記プリズムの高さ情報を取得し、前記プリズムの高さ情報に基づき、前記測距センサの測定基準位置の高さを演算し、前記測距センサの測定結果に基づき前記施工面の高低情報を演算する様構成された測量システムに係るものである。
【0014】
又本発明は、前記高低偏差測定装置が移動体に設けられた測量システムに係るものである。
【0015】
又本発明は、前記高低偏差測定装置は、傾斜センサを更に具備し、前記演算制御部は、前記傾斜センサの検出結果に基づき前記高低情報を補正する様構成された測量システムに係るものである。
【0016】
又本発明は、前記高低偏差測定装置は、前記測距センサの測定範囲より広い画角を有し、前記施工面の高低情報を投影する投影装置を更に具備する測量システムに係るものである。
【0017】
又本発明は、前記測距センサは、測距カメラである測量システムに係るものである。
【0018】
又本発明は、前記画像の合成は、画像の重複部分に基づき行われる測量システムに係るものである。
【0019】
又本発明は、前記高低偏差測定装置は、広角カメラを更に具備し、該広角カメラは施工面全体を含む全体画像を取得し、前記演算制御部は前記端末通信部を介して前記プリズムの水平面内での位置情報を取得し、該位置情報に基づき前記画像カメラが取得した画像を前記全体画像に合成する様構成した測量システムに係るものである。
【0020】
又本発明は、測定対象物と、該測定対象物と既知の関係に設けられ、所定の画角を有し、該画角を測定範囲として施工面迄の距離を測定する測距センサと、該測距センサの測定範囲を含む範囲を撮影する画像カメラと、演算制御部とを具備する高低偏差測定装置と、前記測定対象物の高さを測定する基準レベル測定装置とを有する測量システムに於いて、前記測距センサにより前記測定範囲を順次測定する工程と、前記測距センサの測定範囲の画像を取得する工程と、前記基準レベル測定装置が測定した前記測定対象物の高さ情報と、前記測距センサが測定した距離情報に基づき施工面の高低情報を演算する工程と、画像の合成に基づき前記施工面の高低情報を合成する測定方法に係るものである。
【0021】
更に又本発明は、前記測量システムは、前記測距センサの測定範囲より広い画角を有する投影装置を更に具備し、該投影装置により前記施工面の高低情報を投影する工程を有する測定方法に係るものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、基準レベル測定装置と高低偏差測定装置とを具備する測量システムであって、前記高低偏差測定装置は、前記基準レベル測定装置が測定する測定対象物と、該測定対象物と既知の関係に設けられ、施工面迄の距離を測定する測距センサと、該測距センサの測定範囲を含む範囲を撮影する画像カメラと、演算制御部とを具備し、前記測距センサにより測定範囲が順次測定され、前記演算制御部は前記測距センサが測定する施工面の画像を取得し、該演算制御部は、前記基準レベル測定装置が測定した前記測定対象物の高さ情報と、前記測距センサが測定した距離情報に基づき施工面の高低情報を演算し、前記演算制御部は画像の合成により前記施工面の高低情報を合成する様構成されたので、施工面の施工作業と並行して施工面の高低情報が取得できると共に、施工面の画像の合成に基づき容易に施工面の高低情報の合成が可能となるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1の実施例に係る測量システムの概略図である。
図2】レーザレベルプレーナの概略構成図である。
図3】高低偏差測定装置の概略構成図である。
図4】不陸状態の測定についての説明図である。
図5】打設、均し作業を実行する順路及び不陸情報の合成を示す説明図である。
図6】不陸測定作業のフローチャートである。
図7】測距光と照射角度の誤差と測定高さの誤差との関係を示す図である。
図8】第1の実施例の変更例を示す概略図である。
図9】第2の実施例に係る測量システムの概略図である。
図10】(A)は視差により距離測定を行う場合のパターンの一例を示す図、(B)はパターンに不陸画像を重合させた状態の投影画像の図である。
図11】第3の実施例に係る測量システムの概略図である。
図12】第3の実施例に於けるトータルステーションの概略構成図である。
図13】第3の実施例に於ける高低偏差測定装置の概略構成図である。
図14】第3の実施例に於ける不陸状態の測定についての説明図である。
図15】第4の実施例に係る測量システムの概略図である。
図16】第5の実施例に係る測量システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0025】
図1は第1の実施例に係る測量システムの概略を示しており、測量システムは主に高さ測定装置1、高低偏差測定装置2によって構成されている。尚、前記測量システムは、端末装置10を具備しても良い。該端末装置10としては、スマートフォン、携帯可能なPC等、通信部、表示部を有するものが用いられる。図1中、4は不陸マップ(後述)を示している。
【0026】
第1の実施例に於いて、前記高さ測定装置1としてレーザレベルプレーナ3が用いられている。尚、レーザレベルプレーナ3としては、例えば、特許文献4~特許文献7に示されるものがある。
【0027】
該レーザレベルプレーナ3は、レーザ光線により所定高さの水平基準面を形成するものである。水平基準面としては、レーザ光線を水平面に回転照射し、形成されるものであっても、或は、扇状のレーザ光線を水平に照射し、形成されるものであってもよい。以下の説明では、レーザ光線を水平面に回転照射して、水平基準面Oを形成した場合を説明する。
【0028】
図2を参照して、前記レーザレベルプレーナ3の概略を説明する。
【0029】
該レーザレベルプレーナ3は、3脚等の支持装置を介して所要の位置に設置される。該レーザレベルプレーナ3は、主に制御部5、第1傾斜センサ(チルトセンサ)6、レーザ光線照射部7、整準部8、水平回転駆動部9、操作部11、表示部12を含んでいる。
【0030】
前記第1傾斜センサ6は前記レーザレベルプレーナ3の水平に対する傾斜、即ち照射するレーザ光線の水平に対する傾斜を検出する。前記第1傾斜センサ6の検出結果は、前記制御部5に入力される。
【0031】
前記制御部5は前記第1傾斜センサ6の検出結果に基づき前記整準部8を駆動し、前記レーザレベルプレーナ3を水平に調整する。前記制御部5は、前記レーザ光線照射部7にレーザ光線を照射させ、前記水平回転駆動部9により前記レーザ光線照射部7を回転させ、水平基準面Oが形成される様にレーザ光線を回転照射する。
【0032】
前記レーザレベルプレーナ3は水平基準面Oが既知の高さとなる様に設置される。例えば、基準となる床面からの前記水平基準面Oの高さは、実測、或は前記レーザレベルプレーナ3の仕様等から既知とされる。既知の水平基準面Oが形成されることで、測定対象物の該水平基準面Oを基準とした高さを測定することができる。
【0033】
前記操作部11から前記レーザレベルプレーナ3の動作のON/OFF指令、作動条件の設定等が入力され、前記表示部12には作動状態等が表示される。
【0034】
図3を参照して、前記高低偏差測定装置2を説明する。
【0035】
前記高低偏差測定装置2は、支持体としてのポール14に設けられており、該ポール14の所要高さに設けられた測定対象物としての受光器15、前記ポール14の上端に設けられた測距センサ16、プロジェクタ17、第2傾斜センサ18、演算制御部19、操作部を兼ねる表示部20、後述する画像カメラ23及び端末通信部26を具備している。前記受光器15と前記測距センサ16とは既知の位置関係に設けられている。尚、図示では、前記ポール14は地面に設置する長さとなっているが、持運びが便利な様に短くしても良い。
【0036】
前記受光器15は上下方向に延び、所定の長さを有する受光センサ21を有し、該受光センサ21は前記レーザ光線を検知し、検知信号を発する。前記受光センサ21は受光基準位置(例えば、前記受光センサ21の上下方向の中心、或は前記受光センサ21の下端等)を有し、受光基準位置は前記高低偏差測定装置2に於いて既知の位置となっている。例えば、受光基準位置と前記ポール14の下端との距離が既知となっている。
【0037】
前記検知信号は受光信号と共に検知位置情報を含んでいる。検知位置情報としては、前記受光基準位置に対する偏差等が含まれる。従って、前記検知信号に基づき、前記水平基準面Oに対する前記受光基準位置の高さを測定することができる。前記検知信号は、前記演算制御部19に入力される。
【0038】
前記水平基準面Oを形成する前記レーザレベルプレーナ3及び前記水平基準面Oの位置を検出する前記受光センサ21は、不陸測定の基準となるレベルを測定するものであり、基準レベル測定装置として機能する。
【0039】
前記測距センサ16は下方に向けられ、地表迄の距離を測定するものであり、前記測距センサ16としては、種々のものが採用可能である。一例として、測距カメラ22が用いられる。該測距カメラ22は、多数のピクセルからなる測距素子を有し、各ピクセル毎に測距光を発し、反射光を受光し、TOF(Time Of Flight)により測距を行うものであり、画像の様に面的に測距データを取得する。各ピクセルが出力する測距データは、前記測距素子上での位置情報(例えば、光軸を原点とする直交座標系の座標情報)を含んでいる。尚、前記測距センサ16としては、例えばレーザスキャナの様に測距光を高速に2次元に走査して面的に測定するのであってもよい。距離データは前記演算制御部19に入力される。
【0040】
前記測距カメラ22は測定基準位置を有し、該測距カメラ22が測定する距離は測定基準位置からの距離となっている。又、前記測距カメラ22の測定基準位置と前記受光センサ21の受光基準位置との関係は既知となっており、前記測定基準位置と前記受光基準位置間の鉛直距離も既知となっている。
【0041】
従って、前記受光センサ21によって前記水平基準面Oの高さ(後述する不陸測定をする場合の基準レベル)を測定することで、前記水平基準面Oに対する前記測定基準位置の高さを取得できる。
【0042】
前記測定基準位置と前記プロジェクタ17の投影光学系の基準点との関係は既知となっており、更に、前記測距カメラ22の光軸と前記プロジェクタ17の光軸とは既知の関係に固定される。又、前記測距カメラ22の測距範囲に対して前記プロジェクタ17の投影範囲は小さくなっており、前記測距カメラ22の光軸と前記プロジェクタ17の光軸とは前記プロジェクタ17で投影した像が測距範囲から食出さない様な関係になっていれば良い。
【0043】
前記第2傾斜センサ18は、前記測距カメラ22の水平に対する傾斜、或は前記測距カメラ22の光軸の鉛直に対する傾斜を検出する。或は、前記ポール14の鉛直に対する傾斜を検出する。前記第2傾斜センサ18の傾斜検出結果は、前記演算制御部19に入力される。
【0044】
前記測距カメラ22の光軸は、前記ポール14に対して所要の角度で傾斜している。前記第2傾斜センサ18が、前記ポール14の鉛直に対する前記測距カメラ22の光軸の傾斜を検出する様構成された場合は、前記測距カメラ22の光軸は前記ポール14に対して既知の角度で傾斜している。
【0045】
前記第2傾斜センサ18は前記演算制御部19に内蔵されてもよい。又、前記第2傾斜センサ18としては、加速度センサ、ジャイロセンサ等、種々のIMUセンサの使用が可能である。
【0046】
前記ポール14には、前記画像カメラ23が設けられる。該画像カメラ23は前記測距カメラ22と固定した関係に設けられ、該画像カメラ23の光軸は前記測距カメラ22の光軸と平行であり、両光軸間の距離は既知となっている。
【0047】
尚、前記画像カメラ23の光軸と前記測距カメラ22の光軸とが合致する様に両光学系が構成されても良い。或は、前記測距カメラ22が前記画像カメラ23を内蔵する様に一体化しても良い。尚、前記画像カメラ23の光軸と前記測距カメラ22の光軸とが平行とは、完全な平行から略平行な状態を含むものとする。
【0048】
又、該画像カメラ23の画角と前記測距カメラ22の画角とが一致している、又は前記測距カメラ22の画角に対して該画像カメラ23の画角が広くなる様に設定されている。
【0049】
前記画像カメラ23はデジタルカメラであり、撮像素子として画素の集合体である、CCD或はCMOSセンサを有し、各画素からの信号は、画像素子上での位置が特定できる様になっている。例えば、各画素は、カメラの前記撮像光軸を原点とした直交座標系で位置が特定され、各画素からの画像信号には位置情報が含まれている。
【0050】
更に、前記測距カメラ22と前記画像カメラ23の光軸の既知の関係、及び該画像カメラ23の各画素の位置情報と前記測距カメラ22の測距素子の位置情報とにより、相互の座標系に於ける対応付けが可能となっている。
【0051】
前記演算制御部19は、演算処理部24及び記憶部25を含む。前記演算処理部24は本実施例に特化されたCPU、或は汎用性CPU、埋込みCPU、マイクロプロセッサ等が用いられる。又、前記記憶部25としてはRAM、ROM、FlashROM、DRAM等の半導体メモリ、HDD等の磁気記録メモリが用いられる。
【0052】
前記演算処理部24は、前記記憶部25に格納された各種プログラムを展開して所要の処理、作動を実行する。
【0053】
前記記憶部25には、本実施例を実行する為の種々のプログラムが格納されている。プログラムとしては、例えば、前記測距カメラ22、前記画像カメラ23、前記プロジェクタ17の同期等の統合制御する為の制御プログラム、前記測距カメラ22に測距を実行させる為の測距プログラム、前記画像カメラ23に撮像を実行させる為のプログラム、測距データに基づき3次元データを演算する演算プログラム、測距データと画像データとを関連付ける為のプログラム、画像データ或は3次元データに基づきビデオ信号を演算するプログラム等が含まれる。
【0054】
又、前記記憶部25には、高低状態を判断する為の閾値が格納され、或は測定結果、画像データ等が格納される。以下高低状態とは、測定対象面の設定高さに対する偏差の状態、設定面に対する凹凸(不陸)の状態、水平面に対する傾斜の状態を含むものとする。又、高低情報とは測定対象面の設定高さに対する偏差の情報(数値データ)、設定面に対する不陸の情報(数値データ)、水平面に対する傾斜の状態を含むものとする。
【0055】
前記測距カメラ22により不陸状態が測定され、前記プロジェクタ17によって不陸マップ(後述)が施工面に投影される。更に、前記画像カメラ23によって前記測距カメラ22の測定範囲が撮像される。上記した様に、前記画像カメラ23の撮像範囲は前記測距カメラ22による測定範囲と同じか、該測定範囲よりも広くなっている。
【0056】
又、前記測距カメラ22による測定、前記プロジェクタ17による投影は同時に実行され、且つ間欠的に実行される。前記画像カメラ23による撮像は、前記測距カメラ22による測定、前記プロジェクタ17による投影が停止している時に実行される。従って、前記演算制御部19は、前記プロジェクタ17による投影、前記測距カメラ22による測定と、前記画像カメラ23による撮像(画像)が交互に実行される様制御する。
【0057】
尚、画像カメラとしては、近赤外光のカメラを用いても良い。この場合は、前記プロジェクタ17による投影を停止させることなく、撮像しても良い。更に、画像カメラに偏光フィルタを設けても良い。偏光フィルタを設けることで、撮像面からの照り返し反射を抑制でき良質な画像が取得できる。
【0058】
又、前記画像カメラ23による画像の撮像タイミングは、自動で連続的に撮像しても良く、後述する様に均し作業が完了した時に撮像しても良く、或は手動で適宜行っても良い。
【0059】
前記測距カメラ22の測定結果、及び前記画像カメラ23が撮像した画像は、前記記憶部25に格納される。
【0060】
前記画像カメラ23により取得された画像は、該画像カメラ23が有する時計機能、若しくは、前記演算処理部24が有する時計機能から得られる撮像時刻に関連付けられて前記記憶部25に格納される。尚、前記演算処理部24の時計機能と前記画像カメラ23の時計機能とは前記演算処理部24により同期されている。又、前記画像の格納は、順序が付けられて格納されても良い。前記測距カメラ22の測定結果は後述する不陸情報データとして前記記憶部25に格納される。
【0061】
図4を参照して不陸状態を測定する場合について説明する。尚、以下の説明では、均し材をコンクリートとしている。
【0062】
図4中、27は基準となる床面を示し、前記レーザレベルプレーナ3は前記床面27に対して既知の高さに設置され、前記床面27に対して既知の高さの水平基準面Oを形成する。
【0063】
前記床面27から所定量下がった施工床面28にコンクリートを打設するとし、施工仕上り面を28a(設定高さの面)とする。
【0064】
測定者は、例えば前記ポール14を前記施工床面28に設置し、前記高低偏差測定装置2を鉛直又は略鉛直に支持する。高低偏差測定装置2の垂直状態については、前記第2傾斜センサ18によって検出される。
【0065】
以下は、前記高低偏差測定装置2が鉛直に支持されたとして説明する。
【0066】
図中、O1は前記測距カメラ22の測定基準位置を通過する水平線を示し、O2は前記受光センサ21の受光基準位置を通過する水平線を示している。前記施工仕上り面28aは、所定の打設厚みになる様、水平基準面Oに対して高さの差Dに設定されている。
【0067】
前述した様に、測定基準位置と受光基準位置とは既知の関係にあり、O1とO2との間の距離は既知の値dとなっている。又、前記受光センサ21のレーザ光線受光位置と受光基準位置との偏差Δ(即ち、水平基準面Oと受光基準位置との鉛直方向の偏差Δ)とし、前記測距カメラ22による施工面(コンクリート打設表面)28bの測距値(即ち、前記測距カメラ22の測定基準位置と施工面28b迄の距離)をSとする。
【0068】
前記施工仕上り面28aを基準とした、前記施工面28bの不陸ΔF(鉛直方向の偏差(不陸データ))は以下の式で求められる。
【0069】
ΔF=D+(d-Δ)-S…(1式)
【0070】
ここで、Δは受光基準位置より上方で+、下方で-を示す。又、不陸ΔFは、+で施工仕上り面28aより凸の状態、マイナスで凹の状態を示している。
【0071】
前記高さの差D、測定基準位置と受光基準位置との距離dは、予め前記演算制御部19に設定され、前記測距カメラ22の測距結果、及び前記受光センサ21の検知信号はそれぞれ前記演算制御部19に入力され、該演算制御部19は前記高さの差D、距離d、前記測距結果、検知信号に基づき前記不陸ΔFを演算する。
【0072】
又、前記測距カメラ22は、撮像素子のピクセル単位で測距が可能であり、前記演算制御部19がピクセル単位で前記不陸ΔFを演算し、ピクセル単位の不陸ΔFと各ピクセルの位置情報により、前記測距カメラ22の画角全体の不陸ΔF、及び該不陸ΔFと各ピクセルの位置情報に基づく不陸分布をリアルタイムで取得することができる。以下、不陸ΔF及び前記不陸分布を含めて不陸情報データと称す。
【0073】
更に、前記演算制御部19は、不陸ΔFを前記記憶部25に設定されている閾値により段階的に区分することで、前記不陸分布より不陸マップ4(図1参照)を作成することができる。
【0074】
前記不陸マップ4は、前記不陸ΔFの値に応じて着色されたヒートマップとして可視化することができる。例えば、不陸ΔFが前記施工仕上り面28aに対して+の場合は暖色系とし、例えば3mmの増加毎に濃度或は色調を濃くする。更に、不陸ΔFが前記施工仕上り面28aに対して-の場合は寒色系とし、例えば3mmの減少毎に濃度或は色調を濃くする等である。
【0075】
又、区分分けについては、一色で濃淡のみで表示してもよい。図1に示す不陸マップ4では、不陸状態を濃淡で示している。
【0076】
尚、区分する閾値について、3mmに限らず、5mm、1cmとする等、適宜設定することができる。又、閾値について、設定高さの近傍については小さい値で、設定高さからの差が大きくなる程大きい値とする不等間隔で設定しても良い。
【0077】
前記演算制御部19は、前記不陸情報データ、不陸マップ、前記画像カメラ23が取得した画像を前記記憶部25に保存する。又、前記不陸情報データ、不陸マップを前記端末通信部26を介して前記端末装置10に送信する。該端末装置10は、受信した前記不陸情報データ、前記不陸マップが表示部に表示される様に構成されている。
【0078】
前記演算制御部19は、作成した不陸マップを、映像信号として前記プロジェクタ17に入力し、前記不陸マップ4は該プロジェクタ17によって前記施工面28bに投影される。投影される不陸マップ4の位置、範囲は、前記測距カメラ22で測定した位置及び測距範囲と合致しており、前記施工面28bの不陸情報が不陸マップ4により、正確に表示される。又、作業者は、投影された不陸マップ4から視覚により前記施工面28bの不陸状態を確認することができる。
【0079】
不陸マップがコンクリート打設状態の前記施工面28bに投影される場合は、作業者はコンクリート打設時の不陸状態をリアルタイムで確認することができ、不陸状態リアルタイムで修正することができる。従って、コンクリート打設作業を不陸状態を修正しつつ実行することができる。
【0080】
又、コンクリート打設面の修正状態は投影される不陸マップによって把握でき、前記施工面28bが前記施工仕上り面28aとなった時(設計精度の範囲となった時)を不陸マップによって確認できる。例えば、不陸マップを点滅する等である。
【0081】
前記施工面28bが前記施工仕上り面28aとなった時(均し作業が完了した時)の前記画角全体の不陸ΔF、及び前記不陸分布、及び不陸マップは、前記記憶部25に時刻と共に格納される。又、前記画像カメラ23で取得した画像は、時刻と共に前記記憶部25に格納される。又、時系列で前記不陸マップ、前記不陸情報データ、前記画像を格納し、取得順序を記録しても良い。尚、時刻と順序は両方を記録してもよく、或はいずれか一方でも良い。
【0082】
前記不陸情報データ、前記画像が、時刻、順序と共に格納されることで、前記不陸情報データと前記画像との対応が可能となる。
【0083】
不陸マップ投影範囲の均し作業が完了し、前記不陸情報データ、前記画像が取得されると、不陸マップ投影範囲を移動し、隣の不陸マップ投影範囲での打設、均し作業が行われる。
【0084】
打設、均し作業、及び前記不陸情報データ、前記画像の取得を順次繰返して、施工床面28全体でのコンクリートの打設、均し作業を行う。
【0085】
前記演算制御部19は、前記施工床面28全体で取得された前記不陸情報データは前記画像に基づき合成する。上記した様に、前記画像カメラ23の光軸と前記測距カメラ22の光軸は、平行(略平行を含む。以下同様)であるので、前記画像を合成し、前記施工床面28全体の画像とすることで、個々の不陸情報データを前記施工床面28全体の不陸情報データに合成することができる。
【0086】
尚、前記画像を合成(画像マッチング)する場合、隣接する画像同士で重複部分が必要となる。前記測距カメラ22の画角と前記画像カメラ23の画角を同一、又は略同一として、画像同士を合成し、不陸データの合成をしても良いが、前記画像カメラ23の画角を前記測距カメラ22の画角に対し画像の重複部分だけ大きくし、画像の合成をしても良い。
【0087】
前記画像カメラ23の画角を前記測距カメラ22の画角より大きくすれば、個々の不陸情報データを重複させることなく、前記施工床面28全体の不陸情報データを取得することができる。
【0088】
而して、コンクリートの打設、均し作業と並行して前記施工床面28全体の仕上り状態を示すデータ(不陸情報データ)を取得することができる。
【0089】
更に、不陸情報データの取得により、各不陸マップ投影範囲毎に不陸点検が行えると共に、前記施工床面28全体のコンクリートの打設、均し作業完了後に、前記施工床面28全体について不陸点検を行うことができる。
【0090】
上記説明では、前記高低偏差測定装置2が鉛直に支持されたとして説明したが、実際には前記高低偏差測定装置2が傾斜、或は揺動することが考えられる。該高低偏差測定装置2は第2傾斜センサ18を具備しており、前記高低偏差測定装置2(前記ポール14或は測距カメラ22の光軸)の傾斜をリアルタイムで検出し、傾斜検出結果は、前記演算制御部19にリアルタイムで入力されている。
【0091】
該演算制御部19は、前記施工仕上り面28aから前記測定基準位置迄の距離、及び傾斜検出結果に基づき前記測距カメラ22の測定結果(測定距離、測定位置)をリアルタイムで補正する。従って、前記高低偏差測定装置2が傾斜、或は揺動した場合でも、補正された不陸マップが投影され、測定者は正確な高低情報を確認することができる。
【0092】
前記演算制御部19は不陸マップを前記施工面28bにリアルタイムで投影するが、前記演算制御部19は、前記不陸マップ投影範囲の打設、均し状態を個々に、前記表示部20に表示することもできる。或は、コンクリート打設、均し作業の進捗状態に応じ、均し作業が完了した範囲を合成しつつ仕上り状態を表示しても良い。
【0093】
前記施工床面28全体の均し作業が完了すると、前記施工床面28全体の仕上り状況を前記表示部20に表示し、確認することができる。更に、前記施工床面28全体の不陸データのみ、不陸マップのみ等を適宜選択して前記表示部20に表示することもできる。
【0094】
次に、図5図6図7を参照して不陸測定作業、不陸データ取得作業について説明する。
【0095】
図5中に於いて、29は打設、均し作業を実行する順路を示し、30-1,…,30n+1 のそれぞれは、不陸マップの投影範囲を示している。打設、均し作業は投影範囲30-1で実行され、打設、均し作業が完了すると、前記投影範囲30-1の不陸情報データを取得し、不陸マップの投影位置を投影範囲30-2に移動させ、更に、投影位置を投影範囲30-3,…30-nに順次移動させ、前記施工床面28の全面について打設、均し作業、不陸情報データの取得を実行する。
【0096】
又、各隣接する投影範囲30-n,30n+1 間では、前記画像カメラ23が取得する画像がパノラマ画像の合成に必要な重複部分31が得られる様に移動距離を調整する。
【0097】
尚、前記画像カメラ23で取得する画像を不陸マップ投影範囲より大きくし、前記重複部分31に不陸マップ投影範囲が含まれない様にする。或は、不陸マップ投影範囲同士が重複部分をできるだけ少なくすると、打設、均し作業の重複する部分が少なくなり作業性が向上する。
【0098】
又、前記画像を前記不陸マップ投影範囲より大きくする場合、該不陸マップ投影範囲を囲む枠を不陸マップに重ねて投影しても良い。又、前記枠を投影する場合、均し作業が完了すると、枠の色を変える、或は枠を点滅させ、作業者に均し作業の完了を告知する様にしても良い。
【0099】
尚、前記順路29は図5に示されたものに限られるものではない。
【0100】
以下のSTEP:03~STEP:14は、1つの不陸マップ投影範囲(例えば、30-1)での不陸測定作業、不陸データ取得作業について説明している。
【0101】
STEP:01 高さ測定装置1(本実施例ではレーザレベルプレーナ3)を所定の位置に設置し、整準後、射出されるレーザ光線の基準位置からの高さ(本実施例では前記床面27の位置)を実測する等し、既知化する。
【0102】
STEP:02 レーザ光線を回転照射し、水平基準面Oを形成する。
【0103】
STEP:03 受光器15により水平基準面Oを検出する。前記受光センサ21の受光位置から前記水平基準面Oに対する前記測距センサ16(本実施例では測距カメラ22)の測定基準位置の高さを求める。
【0104】
STEP:04 前記測距センサ16により、施工面を測定する。
【0105】
STEP:05 画像カメラ23により施工面を撮影する。
【0106】
STEP:06 前記第2傾斜センサ18により前記測距センサ16の光軸の傾斜を検出する。
【0107】
STEP:07 傾斜検出結果に基づき前記測距センサ16の測定結果を補正する。
【0108】
STEP:08 補正された測定結果(以下、補正測定結果)と、前記水平基準面Oに対する測定基準位置の高さに基づき前記水平基準面Oに対する施工面28bとの高さを求める。
【0109】
STEP:09 予め設定してある施工仕上り面28aと前記施工面28bとの高さの差を演算し、高低情報を取得する。
【0110】
STEP:10 前記測距センサ16と前記プロジェクタ17との位置関係、及び前記補正測距結果に基づき、前記プロジェクタ17と投影面(施工面28b)迄の距離が演算され、更に、前記測距カメラ22の測距光の照射角θ(鉛直に対する角度:図7参照)が、前記第2傾斜センサ18によって検出される。前記照射角θに基づき不陸測定の精度(即ち、不陸マップの精度)が所定範囲であるかどうかが確認される。
【0111】
図7を参照すると、測距光の照射に基づく高さ測定は、測定高さD=測距値L×cosθとなり、角度θは前記第2傾斜センサ18によって検出される。ここで、該第2傾斜センサ18の検出角度θは、誤差Δθ含むと考えられる。この誤差Δθは、測定高さの誤差ΔFeとなって現れる。従って、ΔFoを不陸許容値とすると、不陸測定精度が保証できる範囲は下記(2式)となる。
【0112】
ΔFe=|Lcos(θ±Δθ)-Lcosθ|≦ΔFo…(2式)
ここで、不陸許容値ΔFoは、施工上で求められる値、例えば3mmとされる。
【0113】
STEP:11 不陸測定精度が確認されると、高低情報と予め設定した閾値に基づき不陸マップを作成する。
【0114】
STEP:12 不陸マップが施工面28bへ投影される。
【0115】
STEP:13 画像カメラの画像マッチングが行われ、不陸マップの結合が行われる。尚、不陸マップの結合はリアルタイムで行っても良いし、後処理で行っても良い。
【0116】
STEP:14 測距範囲が、例えば、30-2(図5参照)に変更される。
【0117】
測距範囲30-2に対して上記STEP:03~STEP:13迄の工程が繰返され、前記施工床面28全体に対してコンクリートの打設、均し作業、不陸情報データの取得が実行される。
【0118】
従って、前記施工床面28全体に対してコンクリートの打設、均し作業が完了すると、同時に前記施工床面28全体の不陸情報データ(不陸ΔF及び前記不陸分布)が取得されたことになる。
【0119】
次に、個々の不陸情報データ(30-1~30-e(最後の不陸マップ投影範囲))の合成作業がリアルタイムで行われ、前記施工床面28全体に関する不陸情報データ、不陸マップデータが取得される。不陸情報データの合成は、上記した様に画像の合成により行われる。前記測距カメラ22の光軸と前記画像カメラ23の光軸は、平行であるので画像同士の合成により、不陸情報データ同士の合成も同時に行える。
【0120】
尚、画像の合成による不陸情報データの合成は、全ての不陸情報が取得された後、後処理で行っても良い。
【0121】
合成後の画像データは、不陸情報データ付の画像データとなり、前記演算制御部19は前記表示部20に前記施工床面28全体の不陸情報データを単独に、或は前記施工床面28全体の不陸マップを単独に、或は画像と共に不陸情報データを、適宜選択して表示することができる。又、演算された全体の不陸マップ、不陸情報データ等は、前記端末装置10に送信し、前記端末装置10の表示部に表示させても良い。
【0122】
尚、上記した様に、前記端末装置10には不陸情報データ、不陸マップ、カメラ画像が送信されており、該端末装置10に於いて、ヒートマップの作成、カメラ画像の合成に基づく不陸情報データの合成を行っても良く、又、不陸情報データ、不陸マップ、合成した不陸情報データをリアルタイムで前記端末装置10の表示部に表示しても良い。
【0123】
前記端末装置10で、不陸マップ、不陸情報データ等を表示する様にした場合、前記プロジェクタ17を省略することも可能である。
【0124】
図8は第1の実施例の変更例を示している。
【0125】
図8中、図1中で示したものと同等のものには同符号を付しその説明を省略する。
【0126】
ポール14の所要位置に、距離キャリブレーション用のターゲット板32を設ける。該ターゲット板32と測距カメラ22の基準位置との距離を実測し、或は製図から既知とし、既知化した距離を実測値とする。
【0127】
前記測距カメラ22により床面(施工仕上り面28a、施工面28b)を測定する際に、前記ターゲット板32を事前又は事後に、或は同時に測定し、前記測距カメラ22による前記ターゲット板32の測距結果と前記実測値とを比較し、前記測距カメラ22のキャリブレーションを行う。キャリブレーションにより、前記測距カメラ22の有する誤差が補正され、測定精度が向上する。
【0128】
図9は、第2の実施例に係る測量システムの概略を示しており、測量システムは主に高さ測定装置1、高低偏差測定装置2によって構成されている。尚、図1中、4は投影された不陸マップを示す。
【0129】
図9中、図1中で示したものと同等のものには同符号を付しその説明を省略する。尚、図9に於いて、レーザレベルプレーナ3の図示を省略している。
【0130】
第2の実施例では、測距センサ16がプロジェクタ17及びカメラ33によって構成されている。
【0131】
前記プロジェクタ17の光軸と前記カメラ33の光軸は平行(略平行を含む)であり、両光軸は所定の距離離間しており、離間距離は既知であり、又床面を測定するに充分な視差が得られる距離pとなっている。従って、前記プロジェクタ17と前記カメラ33は視差により距離測定を行う測距センサ16となっている。
【0132】
床面の距離測定時、前記プロジェクタ17は、測距用のパターン34が入った画像を投影する(図10(A))。尚、図10(A)では格子状のパターンを示しているが、視差による変位が確認できるパターンであればよく、例えば、縦横、所定間隔で分布させた点状のパターンであってもよい。
【0133】
床面に投影された前記パターン34を前記カメラ33によって撮像する。
【0134】
前記カメラ33で取得された画像では、前記パターン34の交点(黒○)が白○の位置に変位している。この変位量は、不陸の大きさに対応しているので、前記パターン34全体で各交点の変位量を求めれば変位量に基づき不陸状態を測定できる。
【0135】
この不陸状態に基づき、上記実施例と同様、不陸マップ4を作成することができる。この不陸マップ4は前記パターン34に重合させて投影してもよいし(図10(B)参照)、或は不陸マップ4のみを投影してもよい。
【0136】
第2の実施例に於いて、前記カメラ33が取得する画像を、合成用の画像として用いても良い。尚、不陸情報データの合成については、第1の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0137】
又、第2の実施例の変形例として、前記測距センサ16が所定の視差を有する2つのカメラ(視差カメラ)で構成されてもよい。第2の実施例の変形例に於いて、視差カメラの一方を画像合成用のカメラとしても良い。
【0138】
図11図14を参照して第3の実施例を説明する。
【0139】
図11図14は第3の実施例に係る測量システムの概略を示しており、第1の実施例と同様、測量システムは主に高さ測定装置1、高低偏差測定装置2′によって構成されている。
【0140】
第3の実施例では、高さ測定装置1として追尾機能を有する光波距離装置、例えば、トータルステーション37が用いられている。尚、追尾機能を有する測定装置としては、イメージセンサを用いた画像による追尾やレーザスキャナによる形状追尾等が挙げられる。
【0141】
尚、図11中、図1中で示したものと同等のものには同符号を付しその説明を省略する。
【0142】
前記トータルステーション37は、所要の位置に水平に整準されて設置される。前記トータルステーション37は既知の高さに設置される。即ち、前記トータルステーション37は測量基準点を有し、該測量基準点の3次元座標、少なくとも高さの座標(高さ位置)が既知とされる様設置される。例えば、図14を参照して、床面27に前記トータルステーション37が設置されるものとして、床面27を測量基準高さとすると、該床面27から前記測量基準点迄の高さDが既知とされる。
【0143】
高低偏差測定装置2′は、高さを測定する為の測定対象物として再帰反射特性を有するプリズム35を有する。該プリズム35の光学中心と測距カメラ22の測定基準位置とは既知の関係となっている。前記測距カメラ22と光軸が平行又は同軸の画像カメラ23が設けられている。尚、測定対象物として反射シートを用いてもよい。
【0144】
前記トータルステーション37は、測定対象としての前記プリズム35を視準する望遠鏡部(図示せず)を有し、該望遠鏡部を介して追尾光を射出し、前記プリズム35を追尾し、又望遠鏡部を介して測距光を射出し、前記プリズム35からの反射光を受光し、前記プリズム35について光波距離測定を行う。
【0145】
図12を参照して、トータルステーション37の概略の構成を説明する。
【0146】
該トータルステーション37は、主に演算制御部38、TS通信部42、記憶部43、測距部44、追尾部45、整準部46、水平角検出器47、鉛直角検出器48、水平回転駆動部49、鉛直回転駆動部50、表示部51、操作部52を有している。
【0147】
前記演算制御部38は、TS通信部42、測距部44、追尾部45、水平回転駆動部49、鉛直回転駆動部50、表示部51の駆動制御、同期制御等、個々の制御と共に統合制御を行う。
【0148】
前記TS通信部42は前記高低偏差測定装置2′との間で、データ通信を行い、前記追尾部45は追尾光を射出し、前記プリズム35からの反射光を受光して追尾を行う。又、前記追尾部45による追尾と並行して、前記測距部44は測距光を射出し、前記プリズム35からの反射光を受光し、該プリズム35を測定対象として測距を行う。
【0149】
又、前記水平角検出器47は、基準点を有し、この基準点に対する望遠鏡の光軸の水平角を検出する様になっている。又、前記鉛直角検出器48は水平に対する高低角を検出する様になっている。
【0150】
前記水平回転駆動部49、前記鉛直回転駆動部50は、前記プリズム35を追尾する様、望遠鏡を鉛直回転及び水平回転する。前記水平角検出器47、前記鉛直角検出器48は、測距時の水平角、鉛直角を検出する。従って、測定対象を測距すると共に測定対象の3次元座標を測定する。
【0151】
前記TS通信部42は測定された3次元座標をリアルタイムで、前記高低偏差測定装置2′に送信する。
【0152】
前記操作部52から前記トータルステーション37の動作のON/OFF、作動条件の設定等が入力され、前記表示部12にはトータルステーション37の作動状態等が表示される。
【0153】
図13は、第3の実施例の高低偏差測定装置2′の概略を示しており、第3の実施例に於ける高低偏差測定装置2′と第1の実施例に於ける高低偏差測定装置2とは略同様な構成を有しており、前記受光器15の代りに前記プリズム35が設けられ、前記トータルステーション37とのデータ通信の為の端末通信部53を備えている。
【0154】
尚、図13中、測距センサ16として測距カメラ22を示しているが、第2の実施例で示した様に、測距センサ16がプロジェクタ17及びカメラ33或は視差カメラによって構成されてもよい。
【0155】
第3の実施例に於ける不陸測定について、図14を参照して説明する。尚、図14中、図4中で示したものと同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。又、第3の実施例に於いても、不陸情報データの合成については、第1の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0156】
前記トータルステーション37により前記プリズム35を測定し、測定データとして前記プリズム35の3次元座標を前記TS通信部42から前記高低偏差測定装置2′の前記端末通信部53に送信する。該端末通信部53は受信した3次元データを演算制御部19に入力する。
【0157】
3次元データは更に演算処理部24に入力され、該演算処理部24は、3次元データから前記プリズム35の高さ、即ちトータルステーション37の測距光の照射位置の高さを取得する。
【0158】
取得した測距光の照射位置の高さは、前記床面27(図4参照)を基準とした前記プリズム35の高さ(プリズム35の光学中心の高さ)であり、基準レベルとなっている。
【0159】
更に、前記演算処理部24は、前記プリズム35の光学中心と前記測距カメラ22の測定基準位置との既知の関係と前記プリズム35の高さ(基準レベル)から、前記床面27を基準とした前記測距カメラ22の高さを取得することができる。
【0160】
而して、前記高低偏差測定装置2′は、前記測距カメラ22の測定結果から施工面28bの不陸状態を測定することができる。
【0161】
第3の実施例では、前記トータルステーション37によって測定される前記プリズム35の高さが、不陸測定の基準となるものであり、前記トータルステーション37及び前記プリズム35は、不陸測定の基準となるレベルを測定する基準レベル測定装置として機能する。
【0162】
不陸マップ4の作成、不陸マップ画像の前記施工面28bへの投影については、第1の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0163】
高さ測定装置1としてトータルステーション37を用い、高低偏差測定装置2′を追尾測定する様にした場合、前記高低偏差測定装置2′を施工床面28に設置するのではなく、前記高低偏差測定装置2′を携帯可能な支持体に設けハンディタイプとすることができる。
【0164】
前記高低偏差測定装置2′の高さ(即ち、プリズム35の高さ)は、トータルステーション37によってリアルタイムで測定され、更に前記高低偏差測定装置2′の傾斜(測距センサ16の傾斜)は第2傾斜センサ18によりリアルタイムで検出されるので、前記高低偏差測定装置2′の測定高さを検出された傾斜で補正することで、前記測距センサ16の正確な高さが求められる。従って、前記測距センサ16の測定値から正確な不陸量が測定される。
【0165】
尚、投影される不陸マップについても、リアルタイムで補正されたものが投影されることは言う迄もない。
【0166】
尚、上記実施例では、不陸情報データを隣接する画像間の合成に基づき合成したが、前記高低偏差測定装置2′が広角カメラ或は全周カメラ(以下、全周カメラを含めて広角カメラと称す)を具備し、該全周カメラにより施工床面28全体が含まれる全体画像を取得し、更に、前記トータルステーション37から位置情報を受信し、該位置情報(特に、水平面内での位置情報)に基づき前記画像カメラ23で取得した画像を全体画像に位置付けし、該画像と前記全体画像との画像マッチングで前記画像をパッチワークの様に前記全体画像にはめ込み不陸情報データを合成しても良い。
【0167】
又、画像カメラの撮影する高さや傾斜によって、撮影された画像が拡大縮小や変形する場合は、測距カメラを使って実空間に補正しても良い。
【0168】
又、高低偏差測定装置2′は、移動用のキャスターを有したり、移動体に搭載して、リモートコントロールやプログラムによる移動をしながらの測定対象面の測定、不陸マップの照射も可能である。
【0169】
更に、上記した様に、前記高低偏差測定装置2,2′を施工床面28に設置するのではなく、ハンディタイプとすることができる。
【0170】
ハンディタイプとしては、前記高低偏差測定装置2,2′のポール14の代りに、測距センサ16、プロジェクタ17、演算制御部19、画像カメラ23を一体に支持できる構成であればよく、例えば、ポールを短い棒状の把手としたもの、測距センサ16、プロジェクタ17、演算制御部19、画像カメラ23を一体化して把手を取付けたもの、ヘルメットに取付けたもの、リュックタイプとしたもの、更にポール14の代りにドローンとしたもの等、種々の形態が考えられる。
【0171】
更に又、前記高低偏差測定装置2,2′をドローン等の移動体に搭載することも可能である。
【0172】
図15は第4の実施例を示しており、移動体としてドローン55が用いられ、該ドローン55に高低偏差測定装置2が搭載されている。又、基準レベル測定装置として高さ測定装置1としてのレーザレベルプレーナ3、及び受光センサ21を具備している。
【0173】
不陸測定、不陸マップ、不陸ヒートマップの作成については、第1の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0174】
図16は第5の実施例を示しており、移動体としてドローン55が用いられている。該ドローン55に高低偏差測定装置2′が搭載され、高さ測定装置1としてはトータルステーション37が用いられ、測定対象としてドローン55にプリズム35が設けられている。
【0175】
前記トータルステーション37により前記プリズム35の3次元位置が測定され、測定データを端末通信部26(図3参照)で受信し、測定データから高さ情報を得ることで基準レベルを測定できる。該基準レベルに基づき測距カメラ22により不陸を測定することができる。
【0176】
不陸測定、不陸マップ、不陸ヒートマップの作成については、第1の実施例と同様であるので説明を省略する。又、前記トータルステーション37の測定データから水平面の位置情報を取得することで、位置情報から不陸情報データを容易に合成することが可能である。
【0177】
又、高低偏差測定装置2が移動体に設けられる場合、該移動体にGNSS装置を搭載しても良い。該移動体がGNSS装置を搭載している場合は、GNSS装置から移動体(即ち、測距カメラ22)の3次元座標が得られるので、3次元座標の高さ情報から基準レベルが測定できる。該基準レベルに基づき前記測距カメラ22による不陸測定が行え、3次元座標から前記測距カメラ22の不陸測定時の平面座標が得られるので、該平面座標に基づき不陸情報の合成が行える。この場合、前記画像カメラ23は省略が可能である。
【0178】
又、高低偏差測定装置2が具備している第2傾斜センサ(IMU)18によって得られる位置情報(3次元座標)から高さ情報、平面座標を取得しても良い。
【0179】
更に、移動体がSLAMシステム、INSシステムを具備している場合は、3次元位置、方向の情報が得られるので、前記測距カメラ22による不陸測定が行え、不陸情報の合成が行える。この場合も、前記画像カメラ23は省略が可能である。
【0180】
上記説明では、測定対象面或は施工面の不陸を測定する場合について説明したが、測定対象面或は施工面の設定高さ(施工仕上り面)に対する偏差、或は施工面を複数箇所測定することによって、水平に対する傾斜を測定し得ることは言う迄もない。
【0181】
更に、本発明は均し材が、コンクリート以外の砂、砂利、ビーズ玉等であった場合にも実施可能であることは言う迄もない。
【符号の説明】
【0182】
1 高さ測定装置
2 高低偏差測定装置
3 レーザレベルプレーナ
4 不陸マップ
5 制御部
10 端末装置
15 受光器
16 測距センサ
17 プロジェクタ
18 第2傾斜センサ
19 演算制御部
20 表示部
21 受光センサ
22 測距カメラ
23 画像カメラ
24 演算処理部
30 投影範囲
37 トータルステーション
55 ドローン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16