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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151269
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】測量システム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/30 20060101AFI20241017BHJP
   G01C 7/04 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
G01B11/30 101
G01C7/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064518
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100083563
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 祥二
(72)【発明者】
【氏名】西田 信幸
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA53
2F065CC14
2F065DD06
2F065FF11
2F065FF31
2F065GG04
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065MM13
2F065MM23
2F065PP22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】容易に測定対象面の設定高さに対する偏差、或は不陸状態を測定可能であり、設定対象面の高さ或は不陸状態の測定と並行して打設作業或は整地作業等の施工作業を可能とする測量システムを提供する。
【解決手段】測量システムは、高さ測定装置1と高低偏差測定装置2とを具備する。前記高低偏差測定装置は、測定対象物18と、移動体15と、該移動体に設けられた不陸測定装置14とを具備し、前記高さ測定装置と前記測定対象物とで構成される基準レベル測定装置により、基準レベルが検出され、前記測定対象物と既知の関係に設けられ、施工面迄の距離を測定する測距センサと、施工面に高低情報を投影する投影装置17と、演算制御部21とを具備し、該演算制御部は、前記基準レベルと、前記測距センサが測定した前記施工面に対する距離情報と、施工仕上り面の設計高さとに基づき前記高低情報を演算する様構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ測定装置と高低偏差測定装置とを具備する測量システムであって、前記高低偏差測定装置は、測定対象物と、移動体と、該移動体に設けられた不陸測定装置とを具備し、前記高さ測定装置と前記測定対象物とで構成される基準レベル測定装置により、基準レベルが検出され、前記測定対象物と既知の関係に設けられ、施工面迄の距離を測定する測距センサと、施工面に高低情報を投影する投影装置と、演算制御部とを具備し、該演算制御部は、前記基準レベルと、前記測距センサが測定した前記施工面に対する距離情報と、施工仕上り面の設計高さとに基づき前記高低情報を演算する様構成された測量システム。
【請求項2】
前記高さ測定装置は、既知の高さの水平基準面を形成し、前記測定対象物は前記水平基準面を検出する受光器であり、前記演算制御部は前記受光器の検出結果に基づき前記基準レベルを演算する様構成された請求項1に記載の測量システム。
【請求項3】
前記測定対象物はプリズムであり、前記高さ測定装置は、既知の高さに設けられた測量機であり、追尾機能を有し、前記測定対象物の測定結果を送信可能なTS通信部を有し、前記高低偏差測定装置は、前記TS通信部からの測定結果を受信可能な端末通信部を有し、前記演算制御部は前記端末通信部を介して前記測定結果を取得し、該測定結果に基づき前記基準レベルを演算する様構成された請求項1に記載の測量システム。
【請求項4】
前記高低偏差測定装置は、傾斜センサを更に具備し、前記演算制御部は、前記傾斜センサの検出結果に基づき前記高低情報を補正する様構成された請求項1~請求項3のうちいずれか1項に記載の測量システム。
【請求項5】
前記高低偏差測定装置は傾斜センサを更に具備し、前記演算制御部は、前記傾斜センサの検出結果に基づき前記測距センサの測距結果を補正する様構成された請求項1又は請求項2に記載の測量システム。
【請求項6】
前記移動体はドローンである請求項1に記載の測量システム。
【請求項7】
前記移動体は走行台車である請求項1に記載の測量システム。
【請求項8】
前記移動体が追尾装置を具備し、人の動きに追従可能である請求項1に記載の測量システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は測定対象面の不陸状態を測定する測量システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリートの打設作業、或は整地作業に於いて、打設面或は整地面の不陸状態を解消し、設定した高さに施工することが望まれる。
【0003】
従来、例えば、コンクリートの打設作業に於いては、打設済部分に測定棒をコンクリートに当て、打設済部分のコンクリートの高さを所定間隔で実測していた。
【0004】
高さの実測後、凹凸が生じていた場合、凹部分にはコンクリートを継足し、凸部分にはコンクリートを削除する等の修正作業をしていた。
【0005】
従来の方法では、個々の高さ測定が人手作業となり、不陸測定の作業性が悪いと言う問題があり、又、コンクリートの打設作業、高さ測定作業、修正作業が別工程となることから作業能率が悪いという問題があった。
【0006】
又、整地作業に於いても、整地後所定高さに糸を張る等して、整地高さ(不陸状態)の測定を行い、設定高さに対する偏差、不陸を生じている場合は、土盛り、除去の修正を行っていた。
【0007】
又、均し材としてのコンクリート以外の砂、砂利、ビーズ玉等の均し材を施工面に打設し、表面を均一に均し、設定高さに施工する場合も同様に、人手作業で実測し、凹凸があった場合は、均し材を継足し、或は削除する等の作業を繰返していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7-49228号公報
【特許文献2】特許第6130078号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/0235053号明細書
【特許文献4】特開2005-140523号公報
【特許文献5】特開2006-84346号公報
【特許文献6】特開平9-210687号公報
【特許文献7】特開2004-45159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、容易に測定対象面の設定高さに対する偏差、或は不陸状態を測定可能であり、設定対象面の高さ或は不陸状態の測定と並行して打設作業或は整地作業等の施工作業を可能とする測量システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、高さ測定装置と高低偏差測定装置とを具備する測量システムであって、前記高低偏差測定装置は、測定対象物と、移動体と、該移動体に設けられた不陸測定装置とを具備し、前記高さ測定装置と前記測定対象物とで構成される基準レベル測定装置により、基準レベルが検出され、前記測定対象物と既知の関係に設けられ、施工面迄の距離を測定する測距センサと、施工面に高低情報を投影する投影装置と、演算制御部とを具備し、該演算制御部は、前記基準レベルと、前記測距センサが測定した前記施工面に対する距離情報と、施工仕上り面の設計高さとに基づき前記高低情報を演算する様構成された測量システムに係るものである。
【0011】
又本発明は、前記高さ測定装置は、既知の高さの水平基準面を形成し、前記測定対象物は前記水平基準面を検出する受光器であり、前記演算制御部は前記受光器の検出結果に基づき前記基準レベルを演算する様構成された測量システムに係るものである。
【0012】
又本発明は、前記測定対象物はプリズムであり、前記高さ測定装置は、既知の高さに設けられた測量機であり、追尾機能を有し、前記測定対象物の測定結果を送信可能なTS通信部を有し、前記高低偏差測定装置は、前記TS通信部からの測定結果を受信可能な端末通信部を有し、前記演算制御部は前記端末通信部を介して前記測定結果を取得し、該測定結果に基づき前記基準レベルを演算する様構成された測量システムに係るものである。
【0013】
又本発明は、前記高低偏差測定装置は、傾斜センサを更に具備し、前記演算制御部は、前記傾斜センサの検出結果に基づき前記高低情報を補正する様構成された測量システムに係るものである。
【0014】
又本発明は、前記高低偏差測定装置は傾斜センサを更に具備し、前記演算制御部は、前記傾斜センサの検出結果に基づき前記測距センサの測距結果を補正する様構成された測量システムに係るものである。
【0015】
又本発明は、前記移動体はドローンである測量システムに係るものである。
【0016】
又本発明は、前記移動体は走行台車である測量システムに係るものである。
【0017】
更に又本発明は、前記移動体が追尾装置を具備し、人の動きに追従可能である測量システムに係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、高さ測定装置と高低偏差測定装置とを具備する測量システムであって、前記高低偏差測定装置は、測定対象物と、移動体と、該移動体に設けられた不陸測定装置とを具備し、前記高さ測定装置と前記測定対象物とで構成される基準レベル測定装置により、基準レベルが検出され、前記測定対象物と既知の関係に設けられ、施工面迄の距離を測定する測距センサと、施工面に高低情報を投影する投影装置と、演算制御部とを具備し、該演算制御部は、前記基準レベルと、前記測距センサが測定した前記施工面に対する距離情報と、施工仕上り面の設計高さとに基づき前記高低情報を演算する様構成されたので、その場の測定情報、高低情報が直接投影される為、容易に測定対象面の不陸状態を視認でき、不陸状態の測定と並行して打設作業或は整地作業等の施工作業が可能となるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施例に係る測量システムの概略図である。
図2】第1の実施例に係るレーザレベルプレーナの概略構成図である。
図3】第1の実施例に係る高低偏差測定装置の概略構成図である。
図4】第1の実施例に係る不陸状態の測定についての説明図である。
図5】第1の実施例に係る不陸測定作業のフローチャートである。
図6】第2の実施例に係る測量システムの概略図である。
図7】第2の実施例に於けるトータルステーションの概略構成図である。
図8】第2の実施例に於ける高低偏差測定装置の概略構成図である。
図9】第2の実施例に於ける不陸状態の測定についての説明図である。
図10】第3の実施例に係る測量システムの概略図である。
図11】第4の実施例に係る測量システムの概略図である。
図12】第4の実施例に係る高低偏差測定装置の概略構成図である。
図13】第5の実施例に係る測量システムの概略図である。
図14】第6の実施例を示す要部概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0021】
図1は第1の実施例に係る測量システムの概略を示しており、測量システムは主に高さ測定装置1、高低偏差測定装置2によって構成されている。尚、図1中、4は不陸マップを示している。
【0022】
第1の実施例に於いて、前記高さ測定装置1としてレーザレベルプレーナ3が用いられている。
【0023】
該レーザレベルプレーナ3は、レーザ光線により所定高さの水平基準面を形成するものである。水平基準面としては、レーザ光線を水平面に回転照射し、形成されるものであっても、或は、扇状のレーザ光線を水平に照射し、形成されるものであってもよい。以下の説明では、レーザ光線を水平面に回転照射して、水平基準面Oを形成した場合を説明する。
【0024】
図2を参照して、前記レーザレベルプレーナ3の概略を説明する。
【0025】
該レーザレベルプレーナ3は、三脚等の支持装置(図示せず)を介して所要の位置に設置される。該レーザレベルプレーナ3は、主に制御部5、第1傾斜センサ(チルトセンサ)6、レーザ光線照射部7、整準部8、水平回転駆動部9、操作部11、表示部12を含んでいる。
【0026】
前記第1傾斜センサ6は前記レーザレベルプレーナ3の水平に対する傾斜、即ち照射するレーザ光線の水平に対する傾斜を検出する。前記第1傾斜センサ6の検出結果は、前記制御部5に入力される。
【0027】
前記制御部5は前記第1傾斜センサ6の検出結果に基づき前記整準部8を駆動し、前記レーザレベルプレーナ3を水平に調整する。前記制御部5は、前記レーザ光線照射部7にレーザ光線を照射させ、前記水平回転駆動部9により前記レーザ光線照射部7を回転させ、水平基準面Oが形成される様にレーザ光線を回転照射する。
【0028】
前記レーザレベルプレーナ3は、水平基準面Oが既知の高さとなる様に設置される。例えば、基準となる床面からの前記水平基準面Oの高さは、実測、或は前記レーザレベルプレーナ3の仕様等から既知とされる。既知の水平基準面Oが形成されることで、測定対象面及び測定対象面の凹凸の該水平基準面Oを基準とした高さを測定することができる。
【0029】
前記操作部11から前記レーザレベルプレーナ3の動作のON/OFF指令、作動条件の設定等が入力され、前記表示部12には作動状態等が表示される。
【0030】
図3を参照して、前記高低偏差測定装置2を説明する。
【0031】
該高低偏差測定装置2は、移動体、遠隔操縦器、前記移動体に搭載された不陸測定装置14を含んでいる。第1の実施例では、移動体としてドローン15が用いられている。
【0032】
前記不陸測定装置14は、主に測距センサ16、投影装置としてのプロジェクタ17、受光器18、第2傾斜センサ19、画像カメラ20、演算制御部21を具備し、これらは一体に構成されている。尚、前記画像カメラ20は省略してもよい。
【0033】
前記測距センサ16の光軸と、前記プロジェクタ17の光軸との関係は、固定され既知の関係となっている。又、前記測距センサ16の測距範囲31は、前記プロジェクタ17の前記不陸マップ4の投影範囲より広くなっており、該投影範囲が前記測距範囲31から食出さない様に前記測距センサ16の光軸と、前記プロジェクタ17の光軸との関係が設定されている。
【0034】
又、前記測距センサ16の光軸及び前記プロジェクタ17の光軸は、前記ドローン15が水平姿勢の状態で、鉛直となる様に設定されている。尚、前記測距センサ16の光軸及び前記プロジェクタ17の光軸は、前記ドローン15が水平姿勢の状態で、所定角度(既知の角度)、オフセットされてもよい。
【0035】
測定対象物としての前記受光器18は、前記測距センサ16の光軸と平行で上下方向に延び、所定の長さを有する受光センサ23を有し、該受光センサ23は前記レーザ光線を検知し、検知信号を発する。前記受光センサ23は受光基準位置(例えば、前記受光センサ23の上下方向の中心、或は前記受光センサ23の下端等)を有し、該受光基準位置は前記高低偏差測定装置2に於いて既知の位置となっている。例えば、前記受光基準位置と前記測距センサ16の測距基準位置間の鉛直距離が既知となっている。
【0036】
前記検知信号は受光信号と共に検知位置情報を含んでいる。検知位置情報としては、前記受光基準位置に対する鉛直方向の偏差等が含まれる。従って、前記検知信号に基づき、前記水平基準面Oに対する前記受光基準位置の高さ(基準位置のレベル)を測定することができる。前記検知信号は、前記演算制御部21に入力される。
【0037】
前記水平基準面Oを形成する前記レーザレベルプレーナ3及び前記水平基準面Oの位置を検出する前記受光センサ23は、不陸測定の基準となる基準レベルを測定するものであり、基準レベル測定装置として機能する。
【0038】
前記測距センサ16は下方に向けられ、地表迄の距離を測定するものであり、前記測距センサ16としては、種々のものが採用可能である。一例として、測距カメラ22が用いられる。該測距カメラ22は、多数のピクセルからなる測距素子を有し、各ピクセル毎に測距光を発し、反射光を受光し、TOF(Time Of Flight)により測距を行うものであり、画像の様に面的に測距データを取得する。各ピクセルが出力する測距データは前記測距素子上での位置情報を含んでいる。測距データは前記演算制御部21に入力される。尚、測距データは、測距光を高速に2次元に走査して面的に測定して取得してもよい。
【0039】
前記プロジェクタ17は、後述する不陸情報を測定対象面に投影する。
【0040】
前記測距カメラ22は測定基準位置を有し、該測距カメラ22が測定する距離は前記測定基準位置からの距離となっている。又、上記した様に、前記測距カメラ22の測定基準位置と前記受光センサ23の受光基準位置との関係は既知となっている。
【0041】
従って、前記受光センサ23によって前記水平基準面Oの高さを測定することで、前記水平基準面Oに対する前記測定基準位置の高さを取得できる。又、前記測距データを前記水平基準面Oを基準とした距離データに変換することができる。
【0042】
前記第2傾斜センサ19は、前記測距カメラ22の光軸の鉛直に対する傾斜を検出する。前記第2傾斜センサ19の傾斜検出結果は、前記演算制御部21に入力される。又、該演算制御部21は、前記ドローン15が傾斜している場合に、前記第2傾斜センサ19の傾斜検出結果に基づき前記測距カメラ22が測定した測距値を補正する。
【0043】
前記第2傾斜センサ19は、前記演算制御部21に内蔵されてもよい。又、前記第2傾斜センサ19としては、加速度センサ、ジャイロセンサ等、種々のIMUセンサの使用が可能である。
【0044】
前記画像カメラ20は、前記測距センサ16の光軸と平行又は略平行な光軸を有し、前記測距センサ16の画角と同等或は広い画角を有し、前記測距センサ16の測距範囲を含む画像を取得する様設定されている。取得した画像は前記演算制御部21に入力される。
【0045】
前記画像カメラ20により取得した測定場所、施工場所の画像を不陸情報と共に保存することで、不陸情報の位置、場所を画像から確認することができる。
【0046】
前記演算制御部21は、演算処理部24及び記憶部25を含む。前記演算処理部24は本実施例に特化されたCPU、或は汎用性CPU、埋込みCPU、マイクロプロセッサ等が用いられる。又、前記記憶部25としてはRAM、ROM、FlashROM、DRAM等の半導体メモリ、HDD等の磁気記録メモリが用いられる。
【0047】
前記演算処理部24は、前記記憶部25に格納された各種プログラムを展開して所要の処理、作動を実行し、前記受光器18、前記プロジェクタ17、前記画像カメラ20、前記測距カメラ22、前記記憶部25を所要のタイミングで、所要の作動をさせる様制御する。又、前記演算制御部21は、前記受光器18の検知信号(即ち、レーザ光線の受光位置)を飛行制御部26(後述)にフィードバックする。
【0048】
前記記憶部25には、本実施例を実行する為の種々のプログラムが格納されている。プログラムとしては、例えば、前記測距カメラ22、前記プロジェクタ17の同期等の統合制御する為の制御プログラム、前記プロジェクタ17に不陸情報を投影させる為のプログラム、前記測距カメラ22に撮像、測距を実行させる為の測距プログラム、測距データに基づき3次元データを演算する演算プログラム、3次元データに基づき不陸情報を演算するプログラム等が含まれる。
【0049】
又、前記記憶部25には、高低状態を判断する為の閾値が格納され、或は測定結果、画像データ等が格納される。
【0050】
前記高低状態とは、測定対象面の設定高さに対する偏差の状態、設定面に対する凹凸(不陸)の状態、水平面に対する傾斜の状態を含むものとする。又、高低情報とは測定対象面の設定高さに対する偏差の情報、設定面に対する不陸の情報、水平面に対する傾斜の状態を含むものとする。
【0051】
次に、前記ドローン15の概略を説明する。
【0052】
該ドローン15は市販のものを使用することができ、該ドローン15の底面に前記不陸測定装置14が搭載される。
【0053】
前記ドローン15は、飛行制御部26、飛行体通信部27、ジャイロユニット28を有し、遠隔操縦器(図示せず)からの遠隔操作により飛行する様になっている。前記飛行制御部26は、前記ジャイロユニット28からの信号に基づきドローン15の飛行姿勢を制御する。又、前記飛行制御部26は、前記演算制御部21からフィードバックされた前記受光センサ23の検知信号に基づき、前記ドローン15の高さ制御を行う。
【0054】
前記ドローン15は遠隔操作により、所要の飛行、向きの変更及び設定、更にホバリングを行うことができる。尚、図3中、30a,30b,30c,30dは前記飛行制御部26によって駆動、出力が制御されるプロペラユニットを示している。
【0055】
図4を参照して、測定対象面が床面である場合の、床面の不陸状態を測定する場合について説明する。
【0056】
図4中、33は基準となる床面を示し、前記レーザレベルプレーナ3は前記床面33に対して既知の高さに設置され、前記床面33に対して既知の高さの水平基準面Oを形成する。
【0057】
前記床面33から所定量下がった施工床面34に均し材としてコンクリートを打設するとし、施工仕上り面を34aとする。
【0058】
作業者は、前記ドローン15を施工位置迄飛行させ、施工位置の上方でホバリングさせる。
【0059】
以下は、前記ドローン15が水平姿勢に保持され、前記測距カメラ22、前記プロジェクタ17の光軸は鉛直状態であるとして説明する。
【0060】
図4中、O1は前記測距カメラ22の測定基準位置を通過する水平線を示し、O2は前記受光センサ23の受光基準位置を通過する水平線を示している。前記施工仕上り面34aは、所定の打設高さ(設計高さ)になる様、水平基準面Oに対して高さの差Dに設定されている。
【0061】
前述した様に、測定基準位置と受光基準位置とは既知の関係にあり、水平線O1と水平線O2との間の距離は既知の値dとなっている。又、前記受光センサ23のレーザ光線受光位置と受光基準位置との偏差Δ(即ち、水平基準面Oと受光基準位置との偏差Δ)とし、前記測距カメラ22による施工面(コンクリート打設表面)34bの測距値(即ち、前記測距カメラ22の測定基準位置と施工面34b迄の距離)をSとする。
【0062】
前記施工仕上り面34aを基準とした、前記施工面34bの不陸ΔF(高低差)は以下の式で求められる。
【0063】
ΔF=D+(d-Δ)-S…(1式)
【0064】
ここで、Δは受光基準位置より上方で+、下方で-を示す。又、不陸ΔFは、+で施工仕上り面34aより凸の状態、-で施工仕上り面34aより凹の状態を示している。
【0065】
前記高さの差D、測定基準位置と受光基準位置との距離dは、予め前記演算制御部21に設定され、前記測距カメラ22の測距結果、及び前記受光センサ23の検知信号はそれぞれ前記演算制御部21に入力され、該演算制御部21は前記高さの差D、距離d、前記測距結果、検知信号に基づき前記不陸ΔFを演算する。
【0066】
又、前記測距カメラ22は、測距素子のピクセル単位で測距が可能であり、前記演算制御部21がピクセル単位で前記不陸ΔFを演算することで、前記測距カメラ22の画角全体の不陸ΔFデータ(高低の数値データ)、及び該不陸ΔFデータと測距データが有する位置情報から得られる不陸ΔF分布をリアルタイムで取得することができる。
【0067】
更に、前記演算制御部21は、不陸ΔFを前記記憶部25に設定されている閾値により区分することで、不陸マップ4(図6参照)を作成することができる。
【0068】
前記不陸マップ4は、前記不陸ΔFの値に応じて着色されたヒートマップとして可視化することができる。例えば、不陸ΔFが前記施工仕上り面34aに対して+の場合は暖色系とし、例えば3mmの増加毎に濃度或は色調を濃くする。更に、不陸ΔFが前記施工仕上り面34aに対して-の場合は寒色系とし、例えば3mmの減少毎に濃度或は色調を濃くする等である。
【0069】
尚、区分する閾値について、3mmに限らず、5mm、1cmとする等、適宜設定することができる。又、閾値について全面で同一の数値ではなく、周辺にいく程漸次大きくしてもよい。又、区分分けについては、一色で濃淡のみで表示してもよい。
【0070】
前記演算制御部21は、不陸ΔFデータ、不陸ΔF分布、作成した不陸マップを含む不陸情報を前記記憶部25に保存する。又、前記演算制御部21は、作成した不陸マップ4を、映像信号として前記プロジェクタ17に入力し、前記測距カメラ22による不陸測定と同期して前記不陸マップ4は該プロジェクタ17によって前記施工面34bに投影される。
【0071】
投影される不陸マップ4の位置、範囲は、前記測距カメラ22で測定した位置及び測距範囲と合致しており、前記施工面34bの不陸情報が不陸マップ4により、正確に表示される。又、作業者は、投影された不陸マップ4から視覚により前記施工面34bの不陸状態を確認することができる。不陸マップ4の投影は、連続的であってもよいし、点滅させてもよい。
【0072】
不陸マップがコンクリート打設状態の前記施工面34bに投影される場合は、作業者はコンクリート打設時の不陸状態をリアルタイムで確認することができ、不陸状態をリアルタイムで修正することができる。従って、コンクリート打設作業を不陸状態を修正しつつ実行することができる。
【0073】
又、不陸マップがコンクリート打設済の前記施工面34bに投影される場合は、該施工面34bの仕上り状態、仕上り精度を確認することができる。
【0074】
上記説明では、前記ドローン15が水平を保持されたとして説明したが、実際には前記ドローン15は傾斜、或は揺動することが考えられる。前記ドローン15の傾斜、揺動によって前記不陸測定装置14も傾斜、揺動する。
【0075】
一方、前記不陸測定装置14は前記第2傾斜センサ19を具備しており、前記不陸測定装置14の傾斜をリアルタイムで検出し、傾斜検出結果は、前記演算制御部21にリアルタイムで入力されている。
【0076】
該演算制御部21は、前記第2傾斜センサ19の傾斜検出結果に基づき、前記測距カメラ22の測定結果(測定距離S(図4参照)及び測定位置)をリアルタイムで補正する。従って、前記ドローン15が傾斜、或は揺動した場合でも、補正された不陸マップが投影され、作業者は正確な高低情報を確認することができる。
【0077】
次に、図5を参照して不陸測定作業について更に説明する。
【0078】
STEP:01 高さ測定装置1(本実施例ではレーザレベルプレーナ3)を所定の位置に設置し、整準後、射出されるレーザ光線の基準位置からの高さ(本実施例では前記床面33の位置)を実測する等し、既知化する。
【0079】
STEP:02 レーザ光線を回転照射し、水平基準面Oを形成する。
【0080】
STEP:03 遠隔操縦器から移動体(ドローン15)に水平基準への高さ移動指示をする。前記ドローン15は、前記受光器18が前記レーザ光線を受光可能な位置に移動する。
【0081】
STEP:04 前記受光器18により水平基準面Oを検出する。前記受光センサ23の受光位置から前記水平基準面Oに対する前記測距センサ16(本実施例では測距カメラ22)の測定基準位置の高さを求める。又、前記受光器18による水平基準面Oの検出結果は前記演算制御部21を介して前記飛行制御部26にフィードバックされ、前記受光センサ23が基準位置で前記レーザ光線を受光する様、前記ドローン15の高さが制御される。
【0082】
STEP:05 前記測距センサ16により、施工面を測定する。
【0083】
STEP:06 前記第2傾斜センサ19により前記測距センサ16の光軸の傾斜を検出する。
【0084】
STEP:07 傾斜検出結果に基づき前記測距センサ16の測定結果を補正する。
【0085】
STEP:08 補正された測定結果(以下、補正測定結果)と、前記水平基準面Oに対する測定基準位置の高さに基づき前記水平基準面Oに対する施工面34bとの高さを求める。
【0086】
STEP:09 予め設定してある施工仕上り面34aと前記施工面34bとの高さの差を演算し、高低情報を取得する。
【0087】
STEP:10 高低情報と予め設定した閾値に基づき不陸マップ画像を作成する。
【0088】
STEP:11 前記測距センサ16と前記プロジェクタ17との位置関係、及び前記補正測定結果に基づき、前記プロジェクタ17と投影面(施工面34b)迄の距離を演算し、不陸マップ画像を投影する。
【0089】
測定位置を変更して、測定を継続する場合は、STEP:02~STEP:11を繰返して実行する。
【0090】
図6図9を参照して第2の実施例を説明する。
【0091】
図6図9は第2の実施例に係る測量システムの概略を示しており、第1の実施例と同様、測量システムは主に高さ測定装置1、高低偏差測定装置2′によって構成されている。
【0092】
第2の実施例では、高さ測定装置1として追尾機能を有する光波距離装置、例えば、トータルステーション37が用いられている。尚、追尾機能を有する測定装置としては、イメージセンサを用いた画像による追尾やレーザスキャナによる形状追尾等の機能を有する測定装置が挙げられる。
【0093】
尚、図9中、図1中で示したものと同等のものには同符号を付しその説明を省略する。
【0094】
前記トータルステーション37は、所要の位置に水平に整準されて設置される。前記トータルステーション37は既知の高さに設置される。即ち、前記トータルステーション37は測量基準点を有し、該測量基準点の3次元座標、少なくとも高さの座標(高さ位置)が既知とされる様設置される。例えば、図9を参照して、床面33に前記トータルステーション37が設置されるものとして、床面33を測量基準高さとすると、該床面33から前記測量基準点迄の高さDが既知とされる。
【0095】
高低偏差測定装置2′は、第1の実施例と同様、移動体、遠隔操縦器、前記移動体に搭載された不陸測定装置14′を含んでいる。第2の実施例は、移動体として第1の実施例に示されたドローン15が用いられた場合を示している。
【0096】
前記高低偏差測定装置2′は、高さを測定する為の測定対象物として再帰反射特性を有するプリズム35を有する。該プリズム35の光学中心と測距カメラ22の測定基準位置とは既知の関係となっている。前記プリズム35は前記ドローン15に設けられてもよく、或は前記不陸測定装置14′に設けられてもよい。要は、前記トータルステーション37によって視準できる位置に設けられていればよい。図示では、前記測距カメラ22に前記プリズム35が設けられた場合を示している。又、測定対象物として反射シートを用いてもよい。
【0097】
前記トータルステーション37は、前記プリズム35を視準する望遠鏡部(図示せず)を有し、該望遠鏡部を介して追尾光を射出し、前記プリズム35を追尾し、又望遠鏡部を介して測距光を射出し、前記プリズム35からの反射光を受光し、前記プリズム35について3次元の光波距離測定を行う。
【0098】
図7を参照して、トータルステーション37の概略の構成を説明する。
【0099】
該トータルステーション37は、主に演算制御部38、TS通信部42、記憶部43、測距部44、追尾部45、水平角検出器47、鉛直角検出器48、水平回転駆動部49、鉛直回転駆動部50、表示部51、操作部52を有している。
【0100】
前記演算制御部38は、TS通信部42、測距部44、追尾部45、水平回転駆動部49、鉛直回転駆動部50、表示部51の駆動制御、同期制御等、個々の制御と共に統合制御を行う。
【0101】
前記TS通信部42は前記不陸測定装置14′との間で、データ通信を行い、前記追尾部45は追尾光を射出し、前記プリズム35からの反射光を受光して追尾を行う。又、前記追尾部45による追尾と並行して、前記測距部44は測距光を射出し、前記プリズム35からの反射光を受光し、該プリズム35を測定対象物として測距を行う。
【0102】
又、前記水平角検出器47は、基準点を有し、この基準点に対する望遠鏡の光軸の水平角を検出する様になっている。又、前記鉛直角検出器48は水平に対する高低角を検出する様になっている。
【0103】
前記水平回転駆動部49、前記鉛直回転駆動部50は、前記プリズム35を追尾する様、望遠鏡を鉛直回転及び水平回転する。前記水平角検出器47、前記鉛直角検出器48は、測距時の水平角、鉛直角を検出する。従って、前記トータルステーション37は、測定対象物を測距すると共に測定対象物の3次元座標を測定する。
【0104】
前記TS通信部42は測定された3次元座標をリアルタイムで、前記不陸測定装置14′に送信する。
【0105】
前記操作部52から前記トータルステーション37の動作のON/OFF、作動条件の設定等が入力され、前記表示部12にはトータルステーション37の作動状態等が表示される。
【0106】
図8は、第2の実施例の不陸測定装置14′の概略を示している。第2の実施例に於ける不陸測定装置14′と第1実施例に於ける不陸測定装置14とは略同様な構成を有しており、前記受光器18の代りに前記プリズム35が設けられている。更に前記トータルステーション37とのデータ通信の為の端末通信部53を備えている。
【0107】
第2の実施例では、前記トータルステーション37によって測定される前記プリズム35の高さが、不陸測定の基準となるものであり、前記トータルステーション37及び前記プリズム35は、不陸測定の基準となる基準レベルを測定する基準レベル測定装置として機能する。
【0108】
第2の実施例に於ける不陸測定について、図9を参照して説明する。尚、図9中、図4中で示したものと同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0109】
前記トータルステーション37により前記プリズム35を測定し、測定データとして前記プリズム35の3次元座標を前記TS通信部42から前記不陸測定装置14′の前記端末通信部53に送信する。該端末通信部53は受信した3次元データを前記演算制御部21に入力する。
【0110】
3次元データは更に演算処理部24に入力され、該演算処理部24は、3次元データから前記プリズム35の高さ、即ちトータルステーション37の測距光の照射位置の高さを取得する。
【0111】
取得した測距光の照射位置の高さは、前記床面33(図4参照)を基準とした前記プリズム35の高さ(プリズム35の光学中心の高さ)となっている。得られる前記照射位置の高さは、基準レベルとなる。
【0112】
更に、前記演算処理部24は、前記プリズム35の光学中心と前記測距カメラ22の測定基準位置との既知の関係と前記プリズム35の高さから、前記床面33を基準とした前記測距カメラ22の高さを取得することができる。
【0113】
而して、前記測距カメラ22の測定結果から施工面34bの不陸状態を測定することができる。
【0114】
不陸マップ4の作成、不陸マップ画像の前記施工面34bへの投影については、第1の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0115】
図10を参照して第3の実施例を説明する。
【0116】
第3の実施例に於ける測量システムは、高さ測定装置1と高低偏差測定装置2′によって構成され、該高さ測定装置1としてトータルステーション37が用いられ、前記高低偏差測定装置2′は不陸測定装置14′及び移動体として自走可能な走行台車55で構成される。
【0117】
前記トータルステーション37、前記不陸測定装置14′は第2の実施例に説明したものと同等であるので説明を省略する。
【0118】
前記走行台車55は、遠隔操作で自走可能となっており、前記不陸測定装置14′は前記走行台車55に立設したポール56に設けられ、プリズム35を有している。
【0119】
該プリズム35の光学中心と前記不陸測定装置14′の測定基準点間の位置関係は既知とされている。尚、第3の実施例に於いては、前記不陸測定装置14′の測距カメラ22、プロジェクタ17の光軸は下方に向けられ、鉛直に対して既知の角度で傾斜している。
【0120】
前記走行台車55は遠隔操作により、測定位置或は施工位置に遠隔操作で移動する。
【0121】
前記トータルステーション37は前記プリズム35を追尾し、測定位置での前記プリズム35の3次元座標を測定する。又、前記トータルステーション37は、測定結果(3次元座標)を前記不陸測定装置14′に送信する。該不陸測定装置14′は、受信した3次元座標から前記不陸測定装置14′の測定基準レベルを検出し、施工面34bの不陸を測定する(図9参照)。
【0122】
第3の実施例に於いて、前記トータルステーション37及び前記プリズム35は、不陸測定の基準となる基準レベルを測定する基準レベル測定装置として機能する。
【0123】
不陸測定後の不陸マップ4の作成、不陸マップ画像の前記施工面34bへの投影については、第1の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0124】
又、移動体にGNSS(Global Navigation Satellite System)等の衛星測位システムを搭載することもできる。この場合、GNSS装置で前記不陸測定装置14′の測定基準位置の3次元座標を測定する様にした場合、GNSS装置が高さ測定装置としての機能を発揮するので、レーザレベルプレーナ、トータルステーションは省略することができる。
【0125】
尚、第3の実施例に於いて、移動体として走行台車55を用いた場合を説明したが、自走機能を省略し、作業者が台車を移動させる様にしてもよい。
【0126】
次に、移動体に人を追尾する追尾機能を設けることも可能である。
【0127】
図11図12に於いて第4の実施例を説明する。第4の実施例では、高さ測定装置1としては、トータルステーション37が用いられ、移動体のドローン15が人の動きに追従する追尾装置を具備している。尚、図11図12に於いて、図3図6図8中で示したものと同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
【0128】
市販されているドローン15には、搭載されているカメラにより撮像した画像から人を認識し、更に画像上から人の動きを検知し、人の動きに追従する追尾装置60を具備したものがある。第4の実施例では、前記ドローン15の前記追尾装置60を利用している。
【0129】
作業者が施工場所に移動すると、前記追尾装置60が作業者を認識し、作業者に追従して施工場所に移動する。
【0130】
作業者が施工場所で作業を行うと、前記追尾装置60は、作業者の動きから作業範囲、作業範囲の中心位置を認定し、その中心位置でホバリングを行う。
【0131】
前記トータルステーション37は前記ドローン15(又は、前記不陸測定装置14′)に設けられたプリズム35の3次元位置を測定し、測距データを前記不陸測定装置14′に送信する。該不陸測定装置14′は、受信した3次元位置の高さ情報から基準レベルを取得する。前記測距カメラ22による測距を行うと共に前記基準レベルに基づき該不陸測定装置14′の測定基準位置の高さを検出し、該測定基準位置の高さを基準レベルとして不陸測定を実行する。
【0132】
又、前記測定基準位置の高さは、飛行制御部26に送信され、該飛行制御部26は前記ドローン15を適正高さに維持する。
【0133】
第4の実施例に於いて、前記トータルステーション37及び前記プリズム35は、不陸測定の基準となる基準レベルを測定する基準レベル測定装置として機能する。
【0134】
作業が完了し、作業者が移動すると、前記ドローン15は作業者に追従して次の施工場所に移動する。尚、作業者の施工動作、移動動作の判別は動作中に反復動作が含まれるかどうかで判断してもよい。
【0135】
又、作業者の認識を容易にする為、作業者に識別マークを装着してもよい。例えば、ヘルメットの上面にマークを付す。或は、マークの付いたゼッケンを作業者に着装させてもよい。或は、均し作業具(例えば、トンボ)にマークを付してもよい。
【0136】
作業者が識別マークを装着することで、マークの向きから作業方向、作業位置の認識が容易になり、又作業者が複数人居た場合でも、前記追尾装置60が作業者を誤認することがなくなる。
【0137】
第4の実施例に於いても、不陸測定後の不陸マップ4の作成、不陸マップ画像の施工面への投影については、第1の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0138】
図13は第5の実施例を示しており、第5の実施例は、第3の実施例と同様な構成であり、第3の実施例の走行台車55に人を追尾する追尾装置61が設けられている。
【0139】
該追尾装置61は、カメラを含みカメラで取得した画像から作業者を認識し、又画像上から作業者の動きを検出し、作業者の動きに追従する。
【0140】
所定場所での作業が完了し、作業者が次の施工場所に移動すると、前記走行台車55は作業者に追従して次の施工場所に移動する。
【0141】
第5の実施例に於いても、不陸測定後の不陸マップ4の作成、不陸マップ画像の施工面への投影については、第1の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0142】
上記第1の実施例~第5の実施例に於いて、基準位置のレベルを測定する為の高さ情報を取得する為、レーザレベルプレーナ3、或はトータルステーション37を使用したが、移動体がGNNS装置を備えている場合、GNNS装置が取得する3次元座標から高さ情報を取得し、該高さ情報を測定基準レベルとしても良い。又、3次元座標の水平座標から作業位置の特定をしても良い。
【0143】
更に、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)装置、INS装置(慣性航法装置:inertial navigation system)を備えている場合、SLAM装置或はINS装置によって移動体の現在位置を推定し、現在位置から測定基準レベルとしての高さ情報を取得し、或は作業位置の特定をしても良い。
【0144】
尚、GNNS装置、SLAM装置、INS装置を備える場合は、レーザレベルプレーナ3、トータルステーション37等の高さ測定装置1を省略することができる。
【0145】
尚、作業者の施工動作、移動動作の判別、作業範囲、作業範囲の中心位置の認定、作業者の認識を容易にする識別マーク等については、第4の実施例と同様である。
【0146】
尚、図14は第6の実施例を示しており、図14に示す様に、上記測量システムが、端末装置65を具備しても良い。該端末装置65としては、スマートフォン、携帯可能なPC等、通信部66、表示部67を有するものが用いられる。
【0147】
不陸測定装置14が、不陸情報データ、不陸マップを前記端末装置65に送信する。該端末装置65は、前記通信部66により受信した前記不陸情報データ、前記不陸マップを前記表示部67に表示する様に構成される。図14中、68は前記通信部66によるデータ通信、前記表示部67の情報表示を制御する制御部である。
【0148】
前記不陸情報データ、前記不陸マップが前記端末装置65の表示部67に表示されることで、作業者は任意の位置で不陸情報を確認することができる。この場合、前記プロジェクタ17を省略することができる。
【0149】
上記説明では、測定対象面或は施工面の不陸を測定する場合について説明したが、測定対象面或は施工面の設定高さ(施工仕上り面)に対する偏差、或は施工面を複数箇所測定することによって、水平に対する傾斜を測定し得ることは言う迄もない。
【0150】
更に、本発明は均し材が、コンクリート以外の砂、砂利、ビーズ玉等であった場合にも実施可能であることは言う迄もない。
【符号の説明】
【0151】
1 高さ測定装置
2 高低偏差測定装置
3 レーザレベルプレーナ
4 不陸マップ
5 制御部
6 第1傾斜センサ
14 不陸測定装置
15 ドローン
17 プロジェクタ
18 受光器
19 第2傾斜センサ
21 演算制御部
22 測距カメラ
24 演算処理部
35 プリズム
37 トータルステーション
55 走行台車
60 追尾装置
61 追尾装置
65 端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14