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  • 特開-抵抗体及びその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151271
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】抵抗体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C22C 19/05 20060101AFI20241017BHJP
   C22F 1/10 20060101ALI20241017BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20241017BHJP
【FI】
C22C19/05 J
C22F1/10 H
C22F1/00 683
C22F1/00 685
C22F1/00 623
C22F1/00 630C
C22F1/00 660A
C22F1/00 661B
C22F1/00 692A
C22F1/00 691B
C22F1/00 691C
C22F1/00 692B
C22F1/00 604
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064521
(22)【出願日】2023-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003713
【氏名又は名称】大同特殊鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110227
【弁理士】
【氏名又は名称】畠山 文夫
(72)【発明者】
【氏名】副田 凌雅
(72)【発明者】
【氏名】中村 優樹
(72)【発明者】
【氏名】宮本 寛幸
(57)【要約】
【課題】適度な硬さ、適度な体積抵抗率及び適度な抵抗温度係数を兼ね備えた抵抗体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】抵抗体は、Ni基合金からなる。前記Ni基合金は、15.0≦Cr≦25.0mass%、1.0≦Al≦4.0mass%、1.0≦Cu≦3.0mass%、0≦Si≦1.5mass%、及び、0≦Mn≦1.5mass%を含み、残部がNi及び不可避的不純物からなる。前記抵抗体は、20℃におけるビッカース硬さが160Hv以上230Hv以下であり、20℃における体積抵抗率が125μΩ・cm以上150μΩ・cm以下であり、20~155℃における抵抗温度係数が-50ppm以上10ppm/℃以下である。このような抵抗体は、冷間成形体に対し、所定の条件下で熱処理することにより得られる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構成を備えた抵抗体。
(1)前記抵抗体は、Ni基合金からなり、
前記Ni基合金は、
15.0≦Cr≦25.0mass%、
1.0≦Al≦4.0mass%、
1.0≦Cu≦3.0mass%、
0≦Si≦1.5mass%、及び、
0≦Mn≦1.5mass%
を含み、残部がNi及び不可避的不純物からなる。
(2)前記抵抗体は、
20℃におけるビッカース硬さが160Hv以上230Hv以下であり、
20℃における体積抵抗率が125μΩ・cm以上150μΩ・cm以下であり、
20~155℃における抵抗温度係数が-50ppm以上10ppm/℃以下である。
【請求項2】
厚さが3mm以下である請求項1に記載の抵抗体。
【請求項3】
原料を溶解及び鋳造し、
15.0≦Cr≦25.0mass%、
1.0≦Al≦4.0mass%、
1.0≦Cu≦3.0mass%、
0≦Si≦1.5mass%、及び、
0≦Mn≦1.5mass%
を含み、残部がNi及び不可避的不純物からなる鋳塊を得る溶解・鋳造工程と、
前記鋳塊に対して均質化熱処理を行い、熱処理体を得る均質化熱処理工程と、
前記熱処理体に対して熱間加工を行い、熱間成形体を得る熱間加工工程と、
前記熱間成形体に対して冷間加工を行い、冷間成形体を得る冷間加工工程と、
前記冷間成形体に対して、歪を除去し、かつ、γ’相の析出量及び短範囲規則相の形成量を制御するための熱処理を行い、請求項1に記載の抵抗体を得る熱処理工程と
を備えた抵抗体の製造方法。
【請求項4】
前記熱処理工程は、
前記冷間成形体を800℃以上1200℃以下の加熱温度にて30秒以上3時間以下保持し、その後、前記加熱温度から400℃までの温度区間を、請求項1に記載の抵抗体を得ることが可能な平均冷却速度で冷却する溶体化処理工程
を備えている請求項3に記載の抵抗体の製造方法。
【請求項5】
前記熱処理工程は、
前記冷間成形体を800℃以上1200℃以下の加熱温度にて30秒以上3時間以下保持し、その後、前記加熱温度から400℃までの温度区間を、空冷を超える平均冷却速度で冷却し、溶体化処理体を得る溶体化処理工程と、
前記溶体化処理体を200℃以上700℃以下の加熱温度にて30秒以上5時間以下保持し、請求項1に記載の抵抗体を得る焼鈍工程と
を備えている請求項3に記載の抵抗体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、適度な硬さ、適度な体積抵抗率及び適度な抵抗温度係数を兼ね備えた抵抗体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電源装置、電気自動車などの高性能化・発展に伴い、精密抵抗材料、特に高体積抵抗率・低抵抗温度係数を有する抵抗材料の要求が高まっている。さらに、従来のSiパワーデバイスよりも動作可能温度が向上したSiCパワーデバイスの普及に伴い、抵抗材料にも150℃以上での特性安定性が求められるようになっている。そのため、このような抵抗材料に関し、従来から種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、
(a)所定量のCr、Al、Mn、及び、Siを含み、残部がNiからなる合金を溶製し、
(b)溶製材を所定の形状に加工し、
(c)加工材を900℃で30分間、溶体化処理する
ことにより得られる精密電気抵抗用合金が開示されている。
同文献には、精密電気抵抗用Ni-Cr-Al系合金に所定量のSiを添加すると、従来必要とされていた時効処理を省略することができ、溶体化処理のみで機械的性質及び電気的特性を調整できる点が記載されている。
【0004】
特許文献2には、
(a)Ni-25mass%Cr-3mass%Cu-3mass%Alを溶製し、
(b)溶製材に対して、均質化熱処理及び冷間加工し、
(c)冷間加工材を1000℃で1時間加熱した後、300℃/Hrで炉冷すること
により得られる精密抵抗合金が開示されている。
同文献には、このような方法により、比電気抵抗が114μΩ・cm(20℃)であり、比電気抵抗の温度係数(TCR)が+90×10-6/℃(0~50℃)である精密抵抗合金が得られる点が記載されている。
【0005】
特許文献3には、Ni-19mass%Cr-3mass%Al-1mass%Mnからなる抵抗線が開示されている。
同文献には、Ni-Cr系精密抵抗線に所定量のMnを添加すると、合金固有抵抗値が増大し、温度係数が低下する点が記載されている。
【0006】
特許文献4には、Ni-19mass%Cr-3mass%Mn-3mass%Al-1mass%Siからなる精密抵抗用Ni合金が開示されている。
同文献には、Ni-Mn-Cr-Al合金に所定量のSiを添加すると、抵抗温度係数を増大させることなく、固有電気抵抗が増大する点が記載されている。
【0007】
特許文献5には、Ni-4mass%Al-2mass%Cu-20mass%Crからなる電気抵抗合金が開示されている。
同文献には、この電気抵抗合金は、20℃、サーキュラーミルフィート当たりの抵抗が約900オームであり、抵抗の温度係数が7×10-6オーム/オーム/℃である点が記載されている。
【0008】
さらに、特許文献6には、Ni-20mass%Cr-1.5mass%Cu-1.5mass%Alからなる電気抵抗合金が開示されている。
同文献には、この電気抵抗合金は、抵抗が約668オーム(C.M.F.)であり、抵抗の温度係数が33×10-6オームである点が記載されている。
【0009】
従来、精密抵抗材料としては、抵抗温度係数が小さいCu-Mn系合金などからなる金属薄膜抵抗体が用いられてきた。しかしながら、従来のCu-Mn系合金は、体積抵抗率が小さいという問題があった。
一方、Ni-Cr-Al系合金は、一般に、抵抗温度係数が小さく、かつ、体積抵抗率が大きい。しかしながら、従来のNi-Cr-Al系合金は、製造条件が不適切であると、抵抗温度係数が大きくなる場合、あるいは、硬さが過度に高くなり、加工性が低下する場合があった。
さらに、適度な硬さ、適度な体積抵抗率及び適度な抵抗温度係数を兼ね備えた抵抗体が提案された例は、従来にはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特公昭44-028783号公報
【特許文献2】特開平04-052243号公報
【特許文献3】特公昭35-008458号公報
【特許文献4】特公昭43-017499号公報
【特許文献5】米国特許第2293878号明細書
【特許文献6】米国特許第2638425号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、適度な硬さ、適度な体積抵抗率及び適度な抵抗温度係数を兼ね備えた抵抗体を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、このような抵抗体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明に係る抵抗体は、以下の構成を備えている。
(1)前記抵抗体は、Ni基合金からなり、
前記Ni基合金は、
15.0≦Cr≦25.0mass%、
1.0≦Al≦4.0mass%、
1.0≦Cu≦3.0mass%、
0≦Si≦1.5mass%、及び、
0≦Mn≦1.5mass%
を含み、残部がNi及び不可避的不純物からなる。
(2)前記抵抗体は、
20℃におけるビッカース硬さが160Hv以上230Hv以下であり、
20℃における体積抵抗率が125μΩ・cm以上150μΩ・cm以下であり、
20~155℃における抵抗温度係数が-50ppm以上10ppm/℃以下である。
【0013】
本発明に係る抵抗体の製造方法は、
原料を溶解及び鋳造し、
15.0≦Cr≦25.0mass%、
1.0≦Al≦4.0mass%、
1.0≦Cu≦3.0mass%、
0≦Si≦1.5mass%、及び、
0≦Mn≦1.5mass%
を含み、残部がNi及び不可避的不純物からなる鋳塊を得る溶解・鋳造工程と、
前記鋳塊に対して均質化熱処理を行い、熱処理体を得る均質化熱処理工程と、
前記熱処理体に対して熱間加工を行い、熱間成形体を得る熱間加工工程と、
前記熱間成形体に対して冷間加工を行い、冷間成形体を得る冷間加工工程と、
前記冷間成形体に対して、歪を除去し、かつ、γ’相の析出量及び短範囲規則相の形成量を制御するための熱処理を行い、本発明に係る抵抗体を得る熱処理工程と
を備えている。
【0014】
前記熱処理工程は、
前記冷間成形体を800℃以上1200℃以下の加熱温度にて30秒以上3時間以下保持し、その後、前記加熱温度から400℃までの温度区間を、本発明に係る抵抗体を得ることが可能な平均冷却速度で冷却する溶体化処理工程
を備えているものでも良い。
【0015】
あるいは、前記熱処理工程は、
前記冷間成形体を800℃以上1200℃以下の加熱温度にて30秒以上3時間以下保持し、その後、前記加熱温度から400℃までの温度区間を、空冷を超える平均冷却速度で冷却し、溶体化処理体を得る溶体化処理工程と、
前記溶体化処理体を200℃以上700℃以下の加熱温度にて30秒以上5時間以下保持し、本発明に係る抵抗体を得る焼鈍工程と
を備えているものでも良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る抵抗体の硬さ、体積抵抗率、及び、抵抗温度係数(TCR)は、抵抗体の組成だけでなく、抵抗体中のγ’相(Ni3Al相)の析出量と、短範囲規則相(SRO)の形成量にも依存する。また、γ’相の析出量とSROの形成量は、いずれも、熱処理条件に依存する。そのため、組成を最適化することに加えて、熱処理条件を最適化すると、適度な硬さ、適度な体積抵抗率及び適度な抵抗温度係数を兼ね備えた抵抗体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施例1、6、及び、比較例1~4で得られた抵抗体の硬さである。
図2】実施例1、6、及び、比較例1~4で得られた抵抗体の体積抵抗率である。
図3】実施例1、6、及び、比較例1~4で得られた抵抗体の抵抗温度係数である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. Ni基合金]
[1.1. 主成分]
本発明に係る抵抗体は、Ni基合金からなる。Ni基合金は、以下のような元素を含み、残部がNi及び不可避的不純物からなる。添加元素の種類、その成分範囲、及び、その限定理由は、以下の通りである。
【0019】
(1)15.0≦Cr≦25.0mass%:
Crは、Ni中に固溶し、体積抵抗率を増加させる作用、及び、抵抗温度係数の絶対値を低下させる作用を有する。また、短範囲規則相を形成することで、さらに体積抵抗率を増加させること、及び、抵抗温度係数の絶対値をさらに低下させることができる。このような効果を得るためには、Cr量は、15.0mass%以上である必要がある。Cr量は、好ましくは、18.0mass%以上である。
一方、Cr量が過剰になると、短範囲規則相が完全に規則化してNi2Cr相を形成する場合がある。Ni2Cr相が形成されると、短範囲規則相形成による体積抵抗率の増加及び抵抗温度係数の絶対値の低下の効果が得られなくなる。従って、Cr量は、25.0mass%以下である必要がある。Cr量は、好ましくは、22.0mass%以下である。
【0020】
(2)1.0≦Al≦4.0mass%:
Alは、Ni中に固溶し、体積抵抗率を増加させる作用、及び、抵抗温度係数の絶対値を低下させる作用を有する。このような効果を得るためには、Al量は、1.0mass%以上である必要がある。Al量は、好ましくは、2.0mass%以上である。
一方、Al量が過剰になると、γ’相(Ni3Al相)が形成されやすくなる。過剰のγ’相が形成されると、硬さが過度に上昇し、加工性を害する場合がある。従って、Al量は、4.0mass%以下である必要がある。Al量は、好ましくは、3.0mass%以下である。
【0021】
(3)1.0≦Cu≦3.0mass%:
Cuは、Alと同様に、Ni中に固溶し、体積抵抗率を増加させる作用、及び、抵抗温度係数の絶対値を低下させる作用を有する。このような効果を得るためには、Cu量は、1.0mass%以上である必要がある。Cu量は、好ましくは、1.5mass%以上である。
一方、Cu量が過剰になると、熱間加工性が低下する場合がある。従って、Cu量は、3.0mass%以下である必要がある。Cu量は、好ましくは、2.5mass%以下である。
【0022】
(4)0≦Si≦1.5mass%:
Siは、主に溶解精錬時の脱酸剤として作用する元素であり、必要に応じて含有させることができる。また、Siは、体積抵抗率の増加にも寄与する。Si量は、好ましくは、0.5mass%以上である。
一方、Si量が過剰になると、靱性や熱間加工性が低下する場合がある。従って、Si量は、1.5mass%以下である必要がある。Si量は、好ましくは、1.2mass%以下である。
【0023】
(5)0≦Mn≦1.5mass%:
Mnは、Siと同様に、主に溶解精錬時の脱酸剤として作用する元素であり、必要に応じて含有させることができる。また、Mnは、体積抵抗率の増加にも寄与する。Mn量は、好ましくは、0.5mass%以上である。
一方、Mn量が過剰になると、熱間加工性が低下する場合がある。従って、Mn量は、1.5mass%以下である必要がある。Mn量は、好ましくは、1.2mass%以下である。
【0024】
[1.2. 不可避的不純物]
(6)C≦0.01mass%:
(7)P≦0.01mass%:
(8)S≦0.01mass%:
(9)Mo≦0.1mass%:
(10)W≦0.1mass%:
(11)V≦0.1mass%:
(12)Ti≦0.1mass%:
(13)Fe≦0.5mass%:
(14)O≦0.01mass%:
(15)N≦0.01mass%:
【0025】
本発明に係るNi基合金は、不可避的不純物が含まれる場合がある。不可避的不純物としては、例えば、C、P、S、Mo、W、V、Ti、Fe、O、N等が挙げられる。これらの元素の含有量は、少ないほど良い。また、Ni基合金の電気的特性の低下を抑制するためには、これらの元素の含有量は、上記の含有量に制限されているのが好ましい。
【0026】
[2. 抵抗体]
本発明に係る抵抗体は、
Ni基合金からなり、
20℃におけるビッカース硬さが160Hv以上230Hv以下であり、
20℃における体積抵抗率が125μΩ・cm以上150μΩ・cm以下であり、
20~155℃における抵抗温度係数が-50ppm以上10ppm/℃以下である。
【0027】
[2.1. Ni基合金]
本発明に係る抵抗体は、Ni基合金からなる。Ni基合金の詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
【0028】
[2.2. 特性]
[2.2.1. ビッカース硬さ]
本発明に係る抵抗体の硬さは、主として、γ’相の析出量に依存する。また、γ’相の析出量は、主として、抵抗体の組成及び熱処理条件(特に、溶体化処理時の冷却速度)に依存する。成分及び熱処理条件を最適化すると、20℃におけるビッカース硬さが160HV以上230Hv以下である抵抗体が得られる。
【0029】
[2.2.2. 体積抵抗率]
本発明に係る抵抗体の体積抵抗率は、主として、γ’相の析出量及び短範囲規則相(SRO)の形成量に依存する。また、γ’相の析出量及びSROの形成量は、抵抗体の組成及び熱処理条件(特に、溶体化処理時の冷却速度、及び、焼鈍条件)に依存する。成分及び熱処理条件を最適化すると、20℃における体積抵抗率が125μΩ・cm以上150μΩ・cm以下である抵抗体が得られる。
【0030】
[2.2.3. 抵抗温度係数]
「抵抗温度係数(TCR)」とは、次の式(1)で表される値をいう。
抵抗温度係数(ppm/℃)={(R-Ra)/Ra}×106/(T-Ta) …(1)
但し、
aは、基準温度における抵抗値、
Rは、任意温度における抵抗値、
aは、基準温度(本発明では20℃)、
Tは、任意温度(本発明では155℃)。
【0031】
本発明に係る抵抗体は、成分が最適化されたNi基合金に対して適切な熱処理を施すことにより得られたものからなる。そのため、本発明に係る抵抗体は、従来の抵抗体に比べて、抵抗温度係数の絶対値が小さく、かつ、抵抗温度係数の熱的安定性も高い。成分及び熱処理条件を最適化すると、20~155℃における抵抗温度係数が-50ppm/℃以上10ppm/℃以下である抵抗体が得られる。
【0032】
[2.2.4. 厚さ]
本発明に係る抵抗体は、体積抵抗率が高く、かつ、抵抗温度係数の絶対値が小さいことに加えて、加工性も高い。そのため、厚さの薄いリボン状に容易に加工することができる。製造条件を最適化すると、厚さが3mm以下である抵抗体が得られる。
【0033】
[3. 抵抗体の製造方法]
本発明に係る抵抗体の製造方法は、
原料を溶解及び鋳造し、
15.0≦Cr≦25.0mass%、
1.0≦Al≦4.0mass%、
1.0≦Cu≦3.0mass%、
0≦Si≦1.5mass%、及び、
0≦Mn≦1.5mass%
を含み、残部がNi及び不可避的不純物からなる鋳塊を得る溶解・鋳造工程と、
前記鋳塊に対して均質化熱処理を行い、熱処理体を得る均質化熱処理工程と、
前記熱処理体に対して熱間加工を行い、熱間成形体を得る熱間加工工程と、
前記熱間成形体に対して冷間加工を行い、冷間成形体を得る冷間加工工程と、
前記冷間成形体に対して、歪を除去し、かつ、γ’相の析出量及び短範囲規則相の形成量を制御するための熱処理を行い、本発明に係る抵抗体を得る熱処理工程と
を備えている。
【0034】
[3.1. 溶解・鋳造工程]
まず、本発明に係る抵抗体が得られるように配合された原料を溶解及び鋳造し、鋳塊を得る(溶解・鋳造工程)。溶解・鋳造の方法及び条件は、特に限定されるものではなく、周知の方法を用いることができる。
【0035】
[3.2. 均質化熱処理工程]
次に、前記鋳塊に対して均質化熱処理を行い、熱処理体を得る(均質化熱処理工程)。本発明に係る抵抗体は、多量のCrを含むNi基合金を用いているので、鋳造ままの状態では元素が偏析しやすい。均質化熱処理は、このような元素の偏析を除去するために行われる。
【0036】
均質化熱処理の温度が低すぎると、元素の偏析を十分に除去できない。従って、熱処理温度は、1000℃以上が好ましい。熱処理温度は、好ましくは、1100℃以上、さらに好ましくは、1200℃以上である。
一方、熱処理温度が高すぎると、酸化が急速に進行し、酸化層の除去が必要になる場合がある。従って、熱処理温度は、1250℃以下が好ましい。
【0037】
均質化熱処理の時間が短すぎると、元素の偏析を十分に除去できない。従って、熱処理時間は、4時間以上が好ましい。熱処理時間は、好ましくは、8時間以上、さらに好ましくは、16時間以上である。
一方、熱処理時間が長くなりすぎると、酸化層の除去が必要になる場合がある。従って、熱処理時間は、24時間以下が好ましい。
【0038】
[3.3. 熱間加工工程]
次に、前記熱処理体に対して熱間加工を行い、熱間成形体を得る(熱間加工工程)。熱間加工は、組織を均一化し、粗形状に加工するために行われる。熱間加工の方法及び条件は、組織の均一化及び粗形状への加工が可能な限りにおいて、特に限定されない。
なお、熱間加工後、冷間加工前に溶体化処理を行っても良い。冷間加工前に溶体化処理を行うと、熱間加工によって加工硬化した材料を軟化させ、容易に冷間加工を行うことができるという利点がある。
【0039】
[3.4. 冷間加工工程]
次に、前記熱間成形体に対して冷間加工を行い、冷間成形体を得る(冷間加工工程)。通常、熱間加工のみでは、高い厚さ精度は得られない。冷間加工は、最終的な厚さ寸法に加工するために行われる。冷間加工の方法及び条件は、目的とする寸法精度が得られる限りにおいて、特に限定されない。
【0040】
[3.5. 熱処理工程]
次に、前記冷間成形体に対して、歪を除去し、かつ、γ’相の析出量及び短範囲規則相の形成量を制御するための熱処理を行う(熱処理工程)。これにより、本発明に係る抵抗体が得られる。
【0041】
高い体積抵抗率、かつ、安定した抵抗温度係数を得るためには、Ni基合金中に短範囲規則相を生成させる必要がある。熱間加工後の冷却過程において、このような短範囲規則相が生成する場合がある。しかし、冷間加工によって短範囲規則相は破壊されるため、冷間加工ままの状態では、体積抵抗率が小さく、かつ、抵抗温度係数の絶対値も大きくなる。また、冷間加工後の熱処理時の冷却速度が速く、短範囲規則相の生成が十分でない場合も、体積抵抗率が小さく、かつ、抵抗温度係数の絶対値も大きくなる。さらに、冷間加工後、熱処理によって歪の除去を十分に行わない場合、使用環境下で徐々に歪みが緩和され、体積抵抗率及び抵抗温度係数が変化する。
【0042】
そこで、冷間加工によって消滅した短範囲規則相を十分に再形成させ、これによって体積抵抗率を上昇させ、かつ、抵抗温度係数の絶対値を減少させる必要がある。また、同時に、残留歪みを十分に除去する必要がある。
但し、熱処理は、γ’相が過度に析出しない条件下で行うのが好ましい。γ’相が過度に析出するような条件下において熱処理を行うと、体積抵抗率が低下し、かつ、抵抗温度係数の絶対値が大きくなるだけでなく、抵抗体の硬さが過度に高くなる場合がある。
熱処理方法としては、具体的には、以下のような方法がある。
【0043】
[3.5.1. 第1の方法]
前記熱処理工程は、
前記冷間成形体を800℃以上1200℃以下の加熱温度にて30秒以上3時間以下保持し、その後、前記加熱温度から400℃までの温度区間を、本発明に係る抵抗体を得ることが可能な平均冷却速度で冷却する溶体化処理工程
を備えているものでも良い。
【0044】
ここで、「溶体化処理」とは、
(a)冷間成形体を相対的に高い溶体化処理温度において、相対的に短時間保持することにより、巨視的には元素が均一に固溶しており、規則相が消滅している固溶体とし、
(b)その後、固溶体を溶体化処理温度から所定の平均冷却速度で冷却することにより、冷却過程において短範囲規則相を形成する
処理をいう。
「平均冷却速度」とは、加熱温度から400℃までの区間の温度差(ΔT)を冷却に要した時間(t)で除した値(=ΔT/t)をいう。
【0045】
溶体化処理の温度が低すぎると、歪の除去や元素の固溶が不十分となる。従って、処理温度は、800℃以上が好ましい。処理温度は、好ましくは、1000℃以上である。
一方、溶体化処理の温度が高すぎると、結晶粒が急速に成長し、材料強度が低下する場合がある。従って、処理温度は、1200℃以下が好ましい。処理温度は、好ましくは、1100℃以下である。
【0046】
溶体化処理の時間が短すぎると、歪の除去や元素の固溶が不十分となる。従って、熱処理時間は、30秒以上が好ましい。熱処理時間は、好ましくは、60秒以上、さらに好ましくは、90秒以上である。
一方、溶体化処理の時間が長くなりすぎると、結晶粒が成長し、材料強度が低下する場合がある。従って、熱処理時間は、3時間以下が好ましい。
【0047】
平均冷却速度が遅すぎると、冷却中にγ’相(Ni3Al相)が析出し、硬さが上昇する。また、γ’相の析出は、体積抵抗率の低下、及び、抵抗温度係数の絶対値の増加にもつながる。一方、平均冷却速度が速くなりすぎると、短範囲規則相の形成が不十分となり、十分に大きい体積抵抗率が得られず、抵抗温度係数の絶対値も大きくなる。従って、溶体化処理のみを行う場合、平均冷却速度は、本発明に係る抵抗体が得られるように、最適な値を選択するのが好ましい。
【0048】
溶体化処理時の平均冷却速度は、冷却方法だけでなく、冷間成形体の形状にも依存する。例えば、冷間成形体の厚さが2mm以下である場合、冷間成形体を溶体化処理温度に加熱した後、空冷するだけでもγ’相の析出を抑制することができる場合がある。
一方、冷間成形体の厚さが2mmを超える場合、冷間成形体を溶体化処理温度に加熱した後、空冷すると、冷却過程で過剰のγ’相が析出し、硬さが増大する場合がある。このような場合、空冷を超える平均冷却速度が得られる冷却方法を用いて、冷却を行うのが好ましい。このような冷却方法としては、例えば、ガス急冷が挙げられる。
【0049】
但し、水冷を行うと、短範囲規則相の形成が不十分となる。その結果、体積抵抗率が過度に低下し、かつ、抵抗温度係数の絶対値が増加する場合がある。従って、平均冷却速度は、空冷を超えて水冷未満が好ましい。空冷を超える平均冷却速度としては、100℃/min以上を例示することができる。水冷未満の平均冷却速度としては、60000℃/min未満を例示することができる。なお、上記したガス急冷を用いることにより、100℃/min以上10000℃/min以下の平均冷却速度とすることが可能である。
【0050】
[3.5.1. 第2の方法]
熱処理工程は、
前記冷間成形体を800℃以上1200℃以下の加熱温度にて30秒以上3時間以下保持し、その後、前記加熱温度から400℃までの温度区間を、空冷を超える冷却速度で冷却し、溶体化処理体を得る溶体化処理工程と、
前記溶体化処理体を200℃以上700℃以下の加熱温度にて30秒以上5時間以下保持し、本発明に係る抵抗体を得る焼鈍工程と
を備えているものでも良い。
すなわち、熱処理工程は、溶体化処理及び焼鈍によって、本発明に係る抵抗体を得ることが可能なものでも良い。
【0051】
[A. 溶体化処理]
上述したように、冷間成形体を溶体化処理温度に加熱した後、加熱された冷間成形体を水冷すると、体積抵抗率が過度に低下し、かつ、抵抗温度係数の絶対値が増加する場合がある。しかしながら、第2の方法においては、溶体化処理後に焼鈍処理が行われる。焼鈍条件を最適化すると、適度な短範囲規則相が形成され、体積抵抗率が増加し、かつ、抵抗温度係数の絶対値が低下する。従って、第2の方法において、溶体化処理時の冷却方法は、水冷であっても良い。
溶体化処理に関するその他の点は、第1の方法と同様であるので説明を省略する。
【0052】
[B. 焼鈍処理]
「焼鈍処理」とは、冷間成形体を溶体化処理した後、溶体化処理体を所定の焼鈍温度に相対的に長時間保持することにより、溶体化処理時に導入された歪の除去と、短範囲規則相の形成とを同時に行う処理をいう。
【0053】
焼鈍温度が低すぎると、現実的な焼鈍時間内に短範囲規則相を十分に形成することができない。従って、焼鈍温度は、200℃以上が好ましい。
一方、焼鈍温度が高すぎると、γ’相(Ni3Al相)が析出し、規則化が過度に進行し、あるいは、金属組織の一部又は全部が固溶状態になることにより規則相が消滅する。その結果、かえって体積抵抗率が低下し、あるいは、抵抗変化率の絶対値が増大する場合がある。従って、焼鈍温度は、700℃以下が好ましい。
【0054】
焼鈍時間が短すぎると、短範囲規則相の形成が不十分となる。従って、焼鈍時間は、30秒以上が好ましい。焼鈍時間は、好ましくは、60秒以上、さらに好ましくは、90秒以上である。
一方、焼鈍時間が長すぎると、生産性が悪くなる。従って、焼鈍時間は、5時間以下が好ましい。焼鈍時間は、好ましくは、4時間以下、さらに好ましは、3時間以下である。
【0055】
[4. 作用]
本発明に係る抵抗体の硬さ、体積抵抗率、及び、抵抗温度係数(TCR)は、抵抗体の組成だけでなく、抵抗体中のγ’相(Ni3Al相)の析出量と、短範囲規則相(SRO)の形成量にも依存する。また、γ’相の析出量とSROの形成量は、いずれも、熱処理条件に依存する。そのため、組成を最適化することに加えて、熱処理条件を最適化すると、適度な硬さ、適度な体積抵抗率及び適度な抵抗温度係数を兼ね備えた抵抗体を得ることができる。
【0056】
具体的には、溶体化処理時の冷却速度が遅くなるほど、抵抗体の硬さが高くなる。これは、冷却速度が遅くなるほど、γ’相の析出量が増加するためと考えられる。
また、溶体化処理時の冷却速度が遅くなるほど、体積抵抗率が増加し、かつ、TCRの絶対値が低下する。これは、冷却速度が遅くなるほど、SROの形成量が増加するためと考えられる。
但し、溶体化処理時の冷却速度が過度に遅くなると、かえって体積抵抗率が低下し、かつ、TCRの絶対値が増加する場合がある。これは、冷却速度が過度に遅くなると、冷却過程でγ’相が過剰に析出するためと考えられる。
【0057】
溶体化処理後に焼鈍を行う場合において、焼鈍温度が500℃以上になると、抵抗体の硬さが高くなる場合がある。これは、焼鈍時にγ’相が析出するためと考えられる。
さらに、溶体化処理後に焼鈍を行う場合において、焼鈍温度が高くなるほど、体積抵抗率が増加し、かつ、TCRの絶対値が低下する。これは、焼鈍温度が高くなるほど、SROの形成量が増加するためと考えられる。
但し、焼鈍温度が過度に高くなると、かえって体積抵抗率が低下し、かつ、TCRの絶対値が増加する場合がある。これは、焼鈍温度が過度に高くなると、γ’相が過度に析出するためと考えられる。
【実施例0058】
(実施例1~6、比較例1~6)
[1. 試料の作製]
表1に示す組成となるように配合された原料を真空誘導加熱炉で溶製し、30kgのインゴットを得た。次いで、インゴットを1200℃で24時間加熱する均質化処理を行った。その後、1150℃にて鍛造加工を行い、厚さ10mmの板形状に成形した。また、板状の熱間成形体に対し、1100℃で2時間保持した後、空冷する溶体化処理を行った。さらに、室温にて熱間成形体の冷間圧延を行い、厚さ1.25mm、又は、0.25mmの冷間成形体を得た。
【0059】
【表1】
【0060】
次に、得られた冷間成形体に対して、所定の条件下で溶体化処理を行った。さらに、一部の試料については、溶体化処理後に所定の条件下で焼鈍を行った。
【0061】
[2. 試験方法]
[2.1. 試験片の切り出し]
熱処理後の成形体から、1.25mm×3mm×90mm、又は、0.25mm×3mm×90mm(板厚は冷間圧延まま)の電気抵抗測定用試験片を切り出した。試験片の切り出しは、切断による歪の導入を避けるため放電切断を用いた。切断方向は、圧延方向と試験片の長手方向が一致する方向とした。
【0062】
[2.2. 体積抵抗率の測定、及び抵抗温度係数の算出]
四端子法にて体積抵抗率(ρ)を測定した。測定温度は、20℃及び155℃とした。各温度でそれぞれ体積抵抗率を3回測定し、平均値を算出した。また、155℃での測定は、20℃から155℃までは5℃/sで昇温し、155℃に到達してから5分間保持した後に行った。さらに、上述した式(1)を用いて、抵抗温度係数を算出した。
【0063】
[2.3. ビッカース硬さ]
JIS Z2244に定めるビッカース硬さ試験方法に準じて、硬さを測定した。荷重は4.9Nとし、板厚方向の中心位置にて測定を行った。測定は5箇所で行い、その平均値を採用した。
【0064】
[3. 結果]
表2に、結果を示す。なお、表2には、熱処理条件も併せて示した。さらに、図1~3に、それぞれ、実施例1、6、及び、比較例1~4で得られた抵抗体の硬さ、体積抵抗率、及び、抵抗温度係数を示す。表2及び図1~3より、以下のことが分かる。
【0065】
表2中、溶体化処理時の冷却方法に関し、
「炉冷」は50℃/min程度の平均冷却速度に相当し、
「水冷」は60000℃/min程度の平均冷却速度に相当し、
「ガス急冷」は100℃/min以上の平均冷却速度に相当する。
【0066】
硬さに関し、
「◎」は170Hv以上220Hv以下であることを表し、
「○」は160Hv以上230Hv以下であることを表し(但し、◎の場合を除く)、
「×」は160Hv未満又は230Hv超であることを表す。
【0067】
体積抵抗率に関し、
「◎」は128μΩ・cm以上138μΩ・cm以下であることを表し、
「○」は125μΩ・cm以上150μΩ・cm以下であることを表し(但し、◎の場合を除く)、
「×」は125μΩ・cm未満又は150μΩ・cm超であることを表す。
【0068】
抵抗温度係数(TCR)に関し、
「◎」は-10ppm/℃以上10ppm/℃以下であることを表し、
「○」は-50ppm/℃以上10ppm/℃以下であることを表し(但し、◎の場合を除く)、
「×」は-50ppm/℃未満又は10ppm/℃超であることを表す。
【0069】
(1)比較例1は、硬さが230Hvを超え、かつ、TCRが10ppm/℃を超えた。これは、溶体化処理を行っていないために、多量のγ’相を含むためと考えられる。
(2)比較例2は、硬さが230Hvを超え、かつ、TCRが10ppm/℃を超えた。これは、溶体化処理時に炉冷を行っているために、冷却速度が過度に遅くなり、冷却過程で多量のγ'相が析出したためと考えられる。
(3)比較例3は、体積抵抗率が125μΩ・cm未満となり、かつ、TCRが10ppm/℃を超えた。これは、溶体化処理時に水冷を行っているために、冷却速度が過度に速くなり、SROの形成量が少ないためと考えられる。
【0070】
(4)比較例4は、TCRが10ppm/℃を超えた。これは、抵抗体の板厚が薄いために、溶体化処理時の冷却方法としてガス急冷を用いた場合であっても、平均冷却速度が過度に速くなり、SROの形成量が少なくなったためと考えられる。
(5)比較例5は、硬さが230Hvを超え、かつ、TCRが10ppm/℃を超えた。これは、800℃で焼鈍を行っているために、焼鈍時に多量のγ’相が析出したためと考えられる。
【0071】
(6)比較例6は、TCRが10ppm/℃を超えた。これは、100℃で焼鈍を行っているために、SROの形成量が不足したためと考えられる。
(7)実施例1~6は、いずれも、適度な硬さ、適度な体積抵抗率、及び、適度なTCRを兼ね備えていた。
【0072】
【表2】
【0073】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る抵抗体は、電源装置、電気自動車などに用いられる各種の抵抗体として用いることができる。
図1
図2
図3