(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151286
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、および、情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/90 20190101AFI20241017BHJP
G06F 16/9035 20190101ALI20241017BHJP
【FI】
G06F16/90 100
G06F16/9035
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023183734
(22)【出願日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2023064055
(32)【優先日】2023-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】中村 孝大
(72)【発明者】
【氏名】坂川 舞
(72)【発明者】
【氏名】奥村 雅英
(72)【発明者】
【氏名】白川 智也
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175EA01
5B175HA02
5B175KA12
(57)【要約】
【課題】可視化目的が曖昧なユーザーであっても、プロジェクトに対応する可視化を容易に行う。
【解決手段】情報処理装置は、過去のプロジェクトの可視化事例に関する情報を記憶する事例記憶部と、対象のプロジェクトを可視化するための設定データを生成する設定部とを備え、設定部が、選択項目として、第1の情報を表示し、選択された第1の情報と事例記憶部で関連づけられる利用動機の候補を、選択項目として表示し、選択された利用動機と事例記憶部で関連づけられる構成要素の候補を、選択項目として表示し、構成要素を含む設定データを生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去のプロジェクトの可視化事例に関する情報を記憶する事例記憶部と、
対象のプロジェクトを可視化するための設定データを生成して可視化ツールへ出力する設定部とを備え、
前記可視化事例に関する情報が、前記過去のプロジェクトに関わる製品の情報およびプロセスの情報のうちの少なくとも1つを含む第1の情報と、可視化の利用動機と、可視化された構成要素とを含み、
前記第1の情報と前記利用動機と前記構成要素とは、前記事例記憶部において互いに関連づけられて記憶され、
前記設定部が、
選択項目として、前記第1の情報を表示し、
選択された前記第1の情報と前記事例記憶部で関連づけられる前記利用動機の候補を、選択項目として表示し、
選択された前記利用動機と前記事例記憶部で関連づけられる前記構成要素の候補を、選択項目として表示し、
前記構成要素を含む前記設定データを生成する、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であり、
前記過去のプロジェクトの、アラート発生時または内在する問題発見時のパラメータと、前記アラートまたは前記問題の解決策とを関連づけて記憶する問題パラメータ記憶部と、
前記対象のプロジェクトで前記アラートが検知された場合、アラート発生時の前記対象のプロジェクトのパラメータと類似する、問題パラメータ記憶部に記憶されている前記過去のプロジェクトのパラメータを抽出し、かつ、抽出された前記過去のプロジェクトのパラメータに関連づけて記憶されている前記解決策を出力する解決策出力部とをさらに備える、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置であり、
前記過去のプロジェクトの、アラート発生時または内在する問題発見時のパラメータと、前記アラートまたは前記問題の解決策とを関連づけて記憶する問題パラメータ記憶部と、
前記対象のプロジェクトのパラメータが、問題パラメータ記憶部に記憶されている前記過去のプロジェクトのアラート発生時または内在する問題発見時のパラメータと類似する場合、類似する前記過去のプロジェクトのパラメータに関連づけて記憶されている前記解決策を出力する解決策出力部とをさらに備える、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の情報処理装置であり、
前記可視化ツールで前記対象のプロジェクトを可視化している間に発生した前記アラートの前記解決策が新たに問題パラメータ記憶部に登録された場合、前記解決策出力部が、新たに登録された前記解決策を出力する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から3のうちのいずれか1つに記載の情報処理装置と、
前記設定部から出力された前記設定データに基づいて、前記構成要素を表示して前記プロジェクトを可視化する前記可視化ツールとを備える、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項1から3のうちのいずれか1つに記載の情報処理装置と、
メールチャットデータを複数の単語に分割して前記単語それぞれの出現割合を算出するメールチャット解析部と、
会議録画データに基づき、ユーザーが可視したい事柄または可視化事例を抽出して前記ユーザーに提示する会議解析部とを備える、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願明細書に開示される技術は、プロジェクトのアラートに対する解決策を提示する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、新規プロジェクトで発生する可能性がある問題を予測するとともに、その問題を改善するためのプロセスを提示する技術がある(たとえば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、プロジェクトの進捗状況を、複数のグラフまたは図表から成るダッシュボードに表示することによって、問題の発生を容易に把握させる技術がある(たとえば、特許文献2を参照)。
【0004】
また、機械学習でプロジェクトを評価し、リスク、問題点または対策を特定して表示する技術がある(たとえば、特許文献3を参照)。
【0005】
また、プロジェクトの進捗に合わせて更新されるそれぞれのWP(work package)の状態を使用して、類似する懸案の実績のアラート発生時解決策を提示する技術がある(たとえば、特許文献4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-345955号公報
【特許文献2】特開2010-244338号公報
【特許文献3】特開2019-148973号公報
【特許文献4】特開2007-316853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方で、プロジェクト(たとえば、業務、プロダクト開発またはソフトウェア開発など)において問題を早期に発見する手段として、BIツール(business intelligence tool)を使ってデータをグラフなどに置き換えて可視化することによって、プロジェクトに発生する問題を効率的に抽出する方法がある。
【0008】
しかしながら、BIツールでプロジェクトの問題を抽出するには、可視化目的の明確化、または、目的を達成するためのビューを考案する必要がある。そのため、適切にプロジェクトの問題を抽出するには、ユーザーに一定以上の経験が必要となる。
【0009】
本願明細書に開示される技術は、以上に記載されたような問題を鑑みてなされたものであり、プロジェクトに対応する可視化を容易に行うための技術である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願明細書に開示される技術の第1の態様である情報処理装置は、過去のプロジェクトの可視化事例に関する情報を記憶する事例記憶部と、対象のプロジェクトを可視化するための設定データを生成して可視化ツールへ出力する設定部とを備え、前記可視化事例に関する情報が、前記過去のプロジェクトに関わる製品の情報およびプロセスの情報のうちの少なくとも1つを含む第1の情報と、可視化の利用動機と、可視化された構成要素とを含み、前記第1の情報と前記利用動機と前記構成要素とは、前記事例記憶部において互いに関連づけられて記憶され、前記設定部が、選択項目として、前記第1の情報を表示し、選択された前記第1の情報と前記事例記憶部で関連づけられる前記利用動機の候補を、選択項目として表示し、選択された前記利用動機と前記事例記憶部で関連づけられる前記構成要素の候補を、選択項目として表示し、前記構成要素を含む前記設定データを生成する。
【発明の効果】
【0011】
本願明細書に開示される技術の少なくとも第1の態様によれば、プロジェクトの表示されるべきデータなどが曖昧なユーザーであっても、プロジェクトに必要な可視化を容易に実現することができる。
【0012】
また、本願明細書に開示される技術に関連する目的と、特徴と、局面と、利点とは、以下に示される詳細な説明と添付図面とによって、さらに明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態に関する情報処理システムの全体構成の例を示す図である。
【
図2】実施の形態に関するダッシュボード設定部の動作の例を示すフローチャートである。
【
図3】実施の形態に関するデータ可視化事例DBの例を示す図である。
【
図4】実施の形態に関するデータ可視化事例DBの例を示す図である。
【
図5】実施の形態に関するデータ可視化事例DBの例を示す図である。
【
図6】実施の形態に関するデータ可視化事例DBの例を示す図である。
【
図7】実施の形態に関する開発環境DBの例を示す図である。
【
図8】実施の形態に関する問題アラート受信部の動作の例を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態に関するアラート発生時パラメータ登録部の動作の例を示すフローチャートである。
【
図10】実施の形態に関する問題パラメータDBの例を示す図である。
【
図11】実施の形態に関するプロジェクト改善ノウハウ登録部の動作の例を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態に関するアラート発生パターン学習部の動作の例を示すフローチャートである。
【
図13】実施の形態に関する問題要因早期通知部の動作の例を示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態に関する発生しうる問題とその解決策のリストの例を示す図である。
【
図15】ダッシュボード設定部の動作に関連して表示されるダッシュボード作成画面およびアラーム設定画面の例を示す図である。
【
図16】
図1に例が示される情報処理システムを実際に運用する場合のハードウェア構成を概略的に例示する図である。
【
図17】
図1に例が示される情報処理システムを実際に運用する場合のハードウェア構成を概略的に例示する図である。
【
図18】
図1に対する会議解析部およびメールチャット解析部の位置付けの例を示す図である。
【
図19】メールチャット解析部の動作の例を示すフローチャートである。
【
図20】会議解析部における可視化目的または可視化事例の選定動作の例を示すフローチャートである。
【
図21】会議解析部におけるダッシュボードの変更要否判断の動作の例を示すフローチャートである。
【
図22】会議解析部によるネガティブ感情を誘引した要因を推論する例を示す図である。
【
図23】会議解析部による可視化目的または可視化事例の提示、および、その効果を予測する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。以下の実施の形態では、技術の説明のために詳細な特徴なども示されるが、それらは例示であり、実施の形態が実施可能となるために、それらのすべてが必ずしも必須の特徴ではない。
【0015】
なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化などが図面においてなされる。また、異なる図面にそれぞれ示される構成などの大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。また、断面図ではない平面図などの図面においても、実施の形態の内容を理解することを容易にするために、ハッチングが付される場合がある。
【0016】
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
【0017】
また、本願明細書に記載される説明において、ある構成要素を「備える」、「含む」または「有する」などと記載される場合、特に断らない限りは、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0018】
また、本願明細書に記載される説明において、「第1の」または「第2の」などの序数が使われる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上使われるものであり、実施の形態の内容はこれらの序数によって生じ得る順序などに限定されるものではない。
【0019】
<実施の形態>
以下、本実施の形態に関する情報処理装置、および、情報処理システムについて説明する。
【0020】
<情報処理システムの構成について>
図1は、本実施の形態に関する情報処理システムの全体構成の例を示す図である。
【0021】
図1に例が示されるように、情報処理システム1は、開発環境の様々なデータ(たとえば、情報などを共有するためのツールであるwikiツール、構成管理ツール、チャットツール、タスク管理ツールなど)を収集および保存する開発環境データベース(database、すなわち、DB)12と、ユーザーの可視化目的を探索し、BIツール18で可視化する構成要素、ユーザー入力に基づくアラート発生条件(アラート条件46)およびアラート発生時の解決策(アラート解決策42)を設定するダッシュボード設定部14と、過去のプロジェクトの可視化事例を記憶するデータ可視化事例DB16と、ダッシュボード設定部14によって設定されたデータを可視化するBIツール18と、BIツール18から出力されるダッシュボード20と、アラート条件46を満たすアラートを検知してダッシュボード設定部14から取得したアラート発生時の解決策(アラート解決策42)をユーザーに送信したうえで、アラート発生時刻およびアラート解決策42をアラート発生情報44として送信する問題アラート受信部22と、アラート発生情報44を取得し、アラート発生時刻に対応する開発環境DB12のパラメータを取得して、問題パラメータDB24へ登録するパラメータ登録部26と、アラート発生時またはプロジェクトに内在する問題を解決した際、その問題(アラートが発生した問題または内在する問題)とユーザーが開発環境DB12に登録したプロジェクト改善ノウハウ48とを紐づけて問題パラメータDB24へ登録するノウハウ登録部28と、アラート発生時および内在する問題発見時の開発環境DB12のパラメータ状況と、そのアラート解決策42とを紐づけて記憶する問題パラメータDB24と、問題パラメータDB24に保存されたパラメータの特徴からプロジェクトに内在する問題を検知し、過去の類似するプロジェクトでの解決策と、プロジェクトのパラメータ改善策とを抽出する学習部30と、検知されたプロジェクトのパラメータを問題パラメータDB24へ登録し、学習部30で抽出された情報からプロジェクトに発生しうる問題とその解決策のリスト32を作成してユーザーへ送付する通知部34とを備える。情報処理システム1において、少なくともデータ可視化事例DB16と、ダッシュボード設定部14とで、情報処理装置を構成する。
【0022】
図2は、本実施の形態に関するダッシュボード設定部14の動作の例を示すフローチャートである。また、
図15は、ダッシュボード設定部14の動作に関連して表示されるダッシュボード作成画面およびアラーム設定画面の例を示す図である。
【0023】
図2に例が示されるように、ダッシュボード設定部14は、可視化事例に関するデータを取得する(ステップST01)。具体的には、ダッシュボード設定部14は、データ可視化事例DB16および開発環境DB12から、可視化事例に関するデータ(開発環境DB12のそれぞれの項目(チャット数、タスク発行数など)のデータすべてを含む)を取得する。開発環境DB12のそれぞれの項目のパラメータは、BIツール18へ設定するために取得される。
【0024】
次に、ダッシュボード設定部14は、ダッシュボード作成画面を提示する(ステップST02)。そして、ダッシュボード設定部14は、ステップST01において取得されたデータを、ダッシュボード作成画面において提示する。ダッシュボード作成画面は、
図15に例が示されるように、データ可視化事例DB16におけるデータ可視化目的データを記述する「データ可視化目的探索」と、ダッシュボード事例(可視化事例)の構成要素データを記述する「ダッシュボード構成要素選択」とを表示する。
【0025】
次に、ダッシュボード設定部14は、ユーザーのBIツール18の利用動機が定まっているか否かを判定する(ステップST03)。ここで、利用動機とは、ユーザーがBIツールを利用する動機(BIツールを利用して可視化したい対象)を示す。そして、利用動機が定まっている場合(ユーザーが、可視化目的に沿ったBIツール18の利用動機を明確に定めている場合)、すなわち、
図2に例が示されるステップST03から分岐する「YES」に対応する場合には、
図2に例が示されるステップST05へ進む。一方で、利用動機が定まっていない場合、すなわち、
図2に例が示されるステップST03から分岐する「NO」に対応する場合には、
図2に例が示されるステップST04へ進む。なお、可視化目的とは、利用動機を達成するために表示されるべきデータまたは事項(構成要素)を示す。
【0026】
ステップST04においては、ダッシュボード設定部14は、ダッシュボード作成画面の「データ可視化目的探索」において、ダッシュボード事例から、ユーザーのBIツール18の利用動機を選択させる。具体的には、まず、ダッシュボード作成画面の「データ可視化目的探索」において、ユーザーが製品名またはソフトウェア開発のプロセスなどの条件を入力または選択することによって、特定のダッシュボード事例に絞り込むことができる。よってユーザーは、プロジェクトの目的に沿う可視化の利用動機のダッシュボード事例を、そのうちから選択することができる。
【0027】
そしてユーザーは、選択されたダッシュボード事例を参照することで、上記の利用動機を達成するために、BIツール18で「何を把握するか」または「何を判断するか」などの可視化目的を把握することができる。
【0028】
ステップST05においては、ダッシュボード設定部14は、ユーザーへ過去のダッシュボード事例の「ダッシュボード構成要素」を提示して、さらに、ユーザーによるダッシュボード構成要素の選択結果を取得する。ここで、「ダッシュボード構成要素」の選択は、進行中のプロジェクトについて、上記のように把握されたデータの可視化目的に則した構成要素を、ユーザーが選択するものである。
【0029】
ユーザーは、表示されたダッシュボード事例をステップST04のようにフィルターで絞り込み、進行中のプロジェクトに即したダッシュボード事例のダッシュボード構成要素を選択する。ダッシュボード事例の構成要素としては、グラフ、表または残タスク数などの数値が含まれる。
【0030】
次に、ダッシュボード設定部14は、アラート設定画面を提示する(ステップST06)。アラート設定画面には、
図15に例が示されるように、アラートの条件(プロジェクトの残り日数、または、未クローズQuick(Ticket)数など)を記述する「アラート条件設定」と、アラート発生時の解決策を記述する「アラート解決策設定」とが表示される。アラート設定画面の「アラート条件設定」において、ユーザーは、アラートの条件を入力可能である。また、ユーザーは、事前にアラート発生時の解決策(プロジェクトにリソースを投入するなど)をアラート設定画面の「アラート解決策設定」へ入力可能である。
【0031】
次に、ダッシュボード設定部14は、ユーザーからの「アラート条件設定」および「アラート解決策設定」への入力によって、当該入力データを取得する(ステップST07)。
【0032】
次に、ダッシュボード設定部14は、データ可視化事例DB16における過去のプロジェクトの可視化事例および上記の入力データに基づいて、ダッシュボード作成に必要な開発環境DB12から取得したデータおよびアラート条件を、設定データとしてBIツール18に設定する(ステップST08)。なお、設定データは、少なくともプロジェクトの可視化のために用いられるダッシュボード事例の構成要素が含まれるものとする。
【0033】
次に、ダッシュボード設定部14は、アラート解決策42を問題アラート受信部22へ送信する(ステップST09)。
【0034】
図3、
図4、
図5および
図6は、本実施の形態に関するデータ可視化事例DB16の例を示す図である。
図3および
図4では、ともに製品A、製品Bおよび製品Cの可視化目的データをその順に示すデータ可視化事例DB16の例が示されている。同様に、
図5および
図6では、ともにダッシュボード事例である障害管理(No1)、障害管理(No2)、仕様変更(No1)、仕様変更(No2)のダッシュボード事例の構成要素データをその順に示すデータ可視化事例DB16の例が示されている。
【0035】
図3、
図4、
図5および
図6に例が示されるように、データ可視化事例DB16には、過去のプロジェクトの可視化事例の可視化目的である「可視化目的データ」(
図3および
図4を参照)と、過去に作成されたダッシュボード事例およびそのダッシュボード事例を構成する構成要素(具体的には、図またはグラフなどのダッシュボード作成のための実現方式など)である「ダッシュボード事例の構成要素データ」(
図5および
図6を参照)とが格納されている。「可視化目的データ」および「ダッシュボード事例の構成要素データ」は、実際にダッシュボードが活用されていた製品またはプロジェクトのソフトウェア開発プロセス(A-SPICE)などのデータと紐づけられて格納されている。
【0036】
「可視化目的データ」(
図3および
図4を参照)では、製品名、ダッシュボード事例、Automotive SPICE(登録商標)で使われているプロセスID、Automotive SPICE(登録商標)で使われ、ソフトウェア開発のプロセスごとに割り当てられるプロセス名、Automotive SPICE(登録商標)で使われている用語で示される対象、ダッシュボードの利用動機、ダッシュボードでプロジェクトの何を把握するのか、ダッシュボードでプロジェクトの何を判断したいのかという情報を保管している。
【0037】
「ダッシュボード事例の構成要素データ」(
図5および
図6を参照)では、ダッシュボード事例の名称、構成要素のナンバー、構成要素の名称、実際に利用されたBIツール18の名称、構成要素の可視化のための実現方式、実現に必要なデータの取得元、データの取得元からのデータ取得方式、実際のダッシュボードデータが保管されている場所(URL)を保管している。
【0038】
「可視化目的データ」における「ダッシュボード事例」と「ダッシュボード事例の構成要素データ」における「ダッシュボード事例」とが紐づけられており、「可視化目的データ」における「ダッシュボード事例」(たとえば、仕様変更)の構成要素を「ダッシュボード事例の構成要素データ」における「構成要素の名称」(たとえば、未クローズQuick数)などで確認することができる。
【0039】
過去のプロジェクトの可視化事例を探索する際、ユーザーは「ダッシュボード作成画面」を通して、製品名、ダッシュボード事例、Automotive SPICE(登録商標)のプロセス名などの情報からフィルタリングして、可視化事例を絞り込んで探索することができる。そのため、プロジェクトの可視化目的を探索する際、または、ダッシュボードの構成要素を検討する際に、「ダッシュボード作成画面」でのフィルタリングを利用することができる。
【0040】
図7は、本実施の形態に関する開発環境DB12の例を示す図である。
【0041】
開発環境DB12は、Wikiツール(Confluence(登録商標)、Redmineなど)、構成管理ツール(Git、SVNなど)、チャットツール(Teams(登録商標)、Slack(登録商標)、Rocket.Chat(登録商標)など)、タスク管理ツール(JIRA(登録商標)、Redmineなど)などから、開発環境のあらゆるデータを格納するDBである。
【0042】
図7に例が示されるように、開発環境DB12では、プロジェクトごとに開発環境の状況が保管されている。チャット数は、チャットツールからのプロジェクトに関するやり取りの数である。タスク発行数は、タスク管理ツールにおけるプロジェクトの一週間以内のタスク発行数である。停滞タスク数は、タスク管理ツールにおける3日以上ステータスが変わらないタスク数である。未実施タスク数は、タスク管理ツールにおける取得した未着手のタスク数である。コミット数は、構成管理ツールから取得された、開発者がコミットした数である。コンテンツ登録数は、開発者がノウハウをWikiツールへ登録した数である。
【0043】
これらの情報以外にも、プロジェクトの納期までの残日数、または、完了したタスク数など、開発環境から取得可能なパラメータはすべて開発環境DB12に保管することができる。
【0044】
図7に例が示されるように、複数のプロジェクト(プロジェクトA、プロジェクトB、プロジェクトCなど)が同時に進行している場合も、プロジェクトごとにデータが保持される。
【0045】
図8は、本実施の形態に関する問題アラート受信部22の動作の例を示すフローチャートである。
【0046】
問題アラート受信部22は、BIツール18を監視する。そして、問題アラート受信部22は、ダッシュボード設定部14においてユーザーが設定したアラート条件46を満たした際、あらかじめ設定されたアラート解決策42をユーザーへ送付し、アラートの発生日時およびすでに登録されているアラート解決策42をアラート発生情報44としてパラメータ登録部26へ送信する。
【0047】
まず、問題アラート受信部22は、アラート解決策42をダッシュボード設定部14から取得する(ステップST11)。
【0048】
次に、問題アラート受信部22は、アラートの発生時刻およびアラート発生箇所を取得する(ステップST12)。
【0049】
次に、問題アラート受信部22は、アラート発生箇所に対してアラート解決策42が登録されているか否かを判定する(ステップST13)。そして、アラート発生箇所に対してアラート解決策42が登録されている場合、すなわち、
図8に例が示されるステップST13から分岐する「YES」に対応する場合には、
図8に例が示されるステップST14へ進む。一方で、アラート発生箇所に対してアラート解決策42が登録されていない場合、すなわち、
図8に例が示されるステップST13から分岐する「NO」に対応する場合には、
図8に例が示されるステップST16へ進む。
【0050】
ステップST14では、問題アラート受信部22は、アラート解決策42をアラート発生情報に追加する。
【0051】
次に、問題アラート受信部22は、アラート解決策42をユーザーへ送信する(ステップST15)。
【0052】
次に、問題アラート受信部22は、アラート発生時刻、アラート発生箇所、アラート解決策42を、パラメータ登録部26へ送信する(ステップST16)。
【0053】
図9は、本実施の形態に関するパラメータ登録部26の動作の例を示すフローチャートである。
【0054】
パラメータ登録部26は、アラート発生時の開発環境DB12のパラメータ状況を問題パラメータDB24へ蓄積する。
【0055】
まず、パラメータ登録部26は、アラート発生情報を取得する(ステップST21)。
【0056】
次に、パラメータ登録部26は、アラート発生情報に基づいて開発環境DB12からアラート発生時のそれぞれの開発環境ツールのパラメータを取得する(ステップST22)。
【0057】
次に、パラメータ登録部26は、アラート発生時の開発環境DB12のすべてのパラメータ、および、上記のアラート発生情報を、問題パラメータDB24に登録する(ステップST23)。
【0058】
図10は、本実施の形態に関する問題パラメータDB24の例を示す図である。
【0059】
問題パラメータDB24は、過去に問題のあったプロジェクトまたは発生しうる問題が検知された現在のプロジェクトの開発環境DB12のパラメータ(チャット数、タスク発行数、停滞タスク数、未実施タスク数、コミット数、コンテンツ登録数)と、当該問題のアラート解決策42とを格納する。
【0060】
問題パラメータDB24は、アラートが発生したプロジェクトまたは検出された内在する問題を抱えたプロジェクトのパラメータおよびそのアラート解決策42を、互いに関連づけて保持しているDBである。
【0061】
図10には問題パラメータDB24に格納されるデータの一例を示されている。ただし、
図10に示される例以外にも、開発環境DB12で保持されている項目については網羅して保持していてよい。
【0062】
図11は、本実施の形態に関するノウハウ登録部28の動作の例を示すフローチャートである。
【0063】
まず、ノウハウ登録部28は、開発環境DB12を監視する(ステップST31)。
【0064】
次に、ノウハウ登録部28は、問題が発生したまたは発生しうる問題が検知されたプロジェクトにおいてユーザーが改善を実施し、かつ、当該改善のノウハウが開発環境DB12へ登録されたか否かを判定する(ステップST32)。そして、改善のノウハウが開発環境DB12へ登録された場合、すなわち、
図11に例が示されるステップST32から分岐する「YES」に対応する場合には、
図11に例が示されるステップST33へ進む。一方で、改善のノウハウが開発環境DB12へ登録されていない場合、すなわち、
図11に例が示されるステップST32から分岐する「NO」に対応する場合には、
図11に例が示されるステップST31に戻る。
【0065】
ステップST33では、ノウハウ登録部28は、開発環境DB12へ登録されたノウハウ(実際にプロジェクトの問題を解決した方法)を解決策として問題パラメータDB24へ登録する。
【0066】
図12は、本実施の形態に関する学習部30の動作の例を示すフローチャートである。
【0067】
学習部30は、現在のプロジェクトに起こりうる問題がないか分析し、分析結果を通知部34へ送信する。
【0068】
まず、学習部30は、問題パラメータDB24から問題パラメータを取得する(ステップST41)。
【0069】
次に、学習部30は、開発環境DB12から、過去の健全なプロジェクト(問題が発生していないプロジェクト)のパラメータおよび現在のプロジェクトのパラメータを取得する(ステップST42)。
【0070】
次に、学習部30は、過去の健全なプロジェクトのパラメータの平均値と現在のプロジェクトのパラメータとを比較する(ステップST43)。
【0071】
次に、学習部30は、健全なプロジェクトのパラメータの平均値と現在のプロジェクトのパラメータとの誤差がしきい値(たとえば、健全なプロジェクトのそれぞれのパラメータの標準偏差)を超えるパラメータがあるか否かを判定する(ステップST44)。そして、しきい値を超えるパラメータがある場合、すなわち、
図12に例が示されるステップST44から分岐する「YES」に対応する場合には、
図12に例が示されるステップST45へ進む。一方で、しきい値を超えるパラメータがない場合、すなわち、
図12に例が示されるステップST44から分岐する「NO」に対応する場合には、
図12に例が示されるステップST42に戻る。
【0072】
ステップST45では、学習部30は、しきい値内にパラメータが収まるように、当該パラメータの値を上げるまたは下げるパラメータ改善策を生成する。
【0073】
次に、学習部30は、現在のプロジェクトのパラメータと問題パラメータDB24から取得した問題パラメータとを比較する(ステップST46)。この比較では、過去のすべてのプロジェクトにおける問題パラメータと、対象プロジェクトのパラメータとの間のユークリッド距離の算出結果から、類似度を算出する。たとえば、クエリ(発生したアラートのパラメータ)と過去のアラート発生パラメータとを0から1の範囲内で表せるように変換し、ユークリッド距離を計算して比較する。具体的には、類似度が高いものと抽出する。k-means++によるクラスタリングで類似のアラート候補を出力する。ユークリッド距離dの計算方法としては、(a1,a2,a3,・・・ai)をアラート発生時のパラメータ、(b1,b2,b3,・・・bi)を過去のアラート発生時のパラメータとして、以下の式を用いることができる。
【0074】
【0075】
上記の式(1)で計算されたdに1を足して逆数をとると、0から1の間で1に近いほど類似度が高いといえる。
【0076】
これによって、現在のプロジェクトに最も類似するパターンの過去に発生した問題を抽出する。
【0077】
次に、学習部30は、現在のプロジェクトのうちしきい値を超えるパラメータを保持するプロジェクトのパラメータ、そのパラメータ改善策、これまで抽出された類似度の高い問題が発生した過去事例、および、その解決策を、通知部34へ送信する(ステップST47)。
【0078】
なお、学習部30の上記の動作は、現在のプロジェクトでアラートが検知された場合に行われるものであってもよいし、現在のプロジェクトでアラートが検知される前に行われるものであってもよい。
【0079】
また、学習部30は、現在のプロジェクトの可視化に際して発生したアラートの解決策が新たに問題パラメータDB24に登録された場合(ステップST33)には、新たに登録された解決策を、通知部34へ送信することができる。
【0080】
図13は、本実施の形態に関する通知部34の動作の例を示すフローチャートである。
【0081】
通知部34は、現在のプロジェクトに発生しうる問題をリストアップし、ユーザーに通知する。
【0082】
そして、通知部34は、今後発生しうる問題を抱えるプロジェクトのパラメータ、そのパラメータ改善策、その問題と類似する過去事例のデータ、および、発生しうる問題を改善するためのパラメータ改善策を学習部30から取得する(ステップST51)。
【0083】
次に、通知部34は、取得したプロジェクトのパラメータを問題パラメータDB24へ登録する(ステップST52)。
【0084】
次に、通知部34は、取得した情報に基づいて、発生しうる問題とその解決策のリスト32を作成する(ステップST53)。
【0085】
次に、通知部34は、ユーザーへ発生しうる問題とその解決策のリスト32を送信する(ステップST54)。
【0086】
発生しうる問題とその解決策のリスト32を作成する際、改善すべきパラメータについては、下げるまたは上げる必要があるパラメータの項目に対して、「項目Aの消化」または「項目Bの向上」などのように改善策としてユーザーが認識することができる文言へ変換する。
【0087】
図14は、本実施の形態に関する発生しうる問題とその解決策のリスト32の例を示す図である。
【0088】
発生しうる問題とその解決策のリスト32は、現在のプロジェクトのうち、健全なプロジェクトのパラメータのしきい値を超えるパラメータが含まれるプロジェクトについて、今後発生しうる問題として、類似するパラメータを有する過去に問題が検知されたプロジェクト、そのアラート解決策42、および、現在のプロジェクトの改善すべきパラメータについて記述されるリストである。
【0089】
このリストを確認することで、類似するプロジェクトの解決策を知るだけでなく、現在のプロジェクト特有のパラメータを改善することで、起こり得る問題の発生を未然に防ぐことができる。
【0090】
<情報処理システムのハードウェア構成について>
図16および
図17は、
図1に例が示される情報処理システムを実際に運用する場合のハードウェア構成を概略的に例示する図である。
【0091】
なお、
図16および
図17に例示されるハードウェア構成は、
図1に例示される構成とは数などが整合しない場合があるが、これは
図1に例示される構成が概念的な単位を示すものであることに起因する。
【0092】
よって、少なくとも、
図1に例示される1つの構成が、
図16および
図17に例示される複数のハードウェア構成から成る場合と、
図1に例示される1つの構成が、
図16および
図17に例示されるハードウェア構成の一部に対応する場合と、さらには、
図1に例示される複数の構成が、
図16および
図17に例示される1つのハードウェア構成に備えられる場合とが想定され得る。
【0093】
図16では、
図1中の開発環境DB12、ダッシュボード設定部14、データ可視化事例DB16、BIツール18、問題アラート受信部22、問題パラメータDB24、パラメータ登録部26、ノウハウ登録部28、学習部30および通知部34などを実現するためのハードウェア構成として、演算を行う処理回路1102Aと、情報を記憶することができる記憶装置1103とが示される。
【0094】
図17では、
図1中の開発環境DB12、ダッシュボード設定部14、データ可視化事例DB16、BIツール18、問題アラート受信部22、問題パラメータDB24、パラメータ登録部26、ノウハウ登録部28、学習部30および通知部34などを実現するためのハードウェア構成として、演算を行う処理回路1102Bが示される。
【0095】
開発環境DB12、データ可視化事例DB16および問題パラメータDB24は、記憶装置1103または別の記憶装置(ここでは、図示しない)によって実現される。
【0096】
記憶装置1103は、たとえば、ハードディスクドライブ(Hard disk drive、すなわち、HDD)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、すなわち、RAM)、リードオンリーメモリ(read only memory、すなわち、ROM)、フラッシュメモリ、erasable programmable read only memory(EPROM)およびelectrically erasable programmable read-only memory(EEPROM)などの、揮発性または不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクまたはDVDなどを含むメモリ(記録媒体)、または、今後使用されるあらゆる記録媒体であってもよい。
【0097】
処理回路1102Aは、記憶装置1103、外部のCD-ROM、外部のDVD-ROM、または、外部のフラッシュメモリなどに格納されたプログラムを実行するものであってもよい。すなわち、たとえば、中央演算処理装置(central processing unit、すなわち、CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、デジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor、すなわち、DSP)であってもよい。
【0098】
処理回路1102Aが記憶装置1103、外部のCD-ROM、外部のDVD-ROM、または、外部のフラッシュメモリなどに格納されたプログラムを実行するものである場合、ダッシュボード設定部14、問題アラート受信部22、パラメータ登録部26、ノウハウ登録部28、学習部30および通知部34は、記憶装置1103に格納されたプログラムが処理回路1102Aによって実行されるソフトウェア、ファームウェアまたはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。なお、ダッシュボード設定部14、問題アラート受信部22、パラメータ登録部26、ノウハウ登録部28、学習部30および通知部34の機能は、たとえば、複数の処理回路が連携することによって実現されてもよい。
【0099】
ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、記憶装置1103に記憶されるものであってもよい。その場合、処理回路1102Aは、記憶装置1103に格納されたプログラムを読み出して実行することによって、上記の機能を実現する。すなわち、記憶装置1103は、処理回路1102Aに実行されることによって、上記の機能が結果的に実現されるプログラムを記憶するものであってもよい。
【0100】
また、処理回路1102Bは、専用のハードウェアであってもよい。すなわち、たとえば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、集積回路(application specific integrated circuit、すなわち、ASIC)、field-programmable gate array(FPGA)またはこれらを組み合わせた回路であってもよい。
【0101】
処理回路1102Bが専用のハードウェアである場合、ダッシュボード設定部14、問題アラート受信部22、パラメータ登録部26、ノウハウ登録部28、学習部30および通知部34は、処理回路1102Bが動作することにより実現される。なお、ダッシュボード設定部14、BIツール18、問題アラート受信部22、パラメータ登録部26、ノウハウ登録部28、学習部30および通知部34の機能は、別々の回路で実現されてもよいし、単一の回路で実現されてもよい。
【0102】
なお、ダッシュボード設定部14、問題アラート受信部22、パラメータ登録部26、ノウハウ登録部28、学習部30および通知部34の機能は、一部が記憶装置1103に格納されたプログラムを実行するものである処理回路1102Aにおいて実現され、一部が専用のハードウェアである処理回路1102Bにおいて実現されてもよい。
【0103】
本実施の形態において、会議録画データ、または、メールデータまたはチャットデータ(以下、メールチャットデータ)などのコミュニケーションデータに基づき、ユーザーが可視化したい事柄または可視化事例をユーザーに提示する例を以下に示す。
【0104】
図18は、
図1に対する会議解析部およびメールチャット解析部の位置付けの例を示す図である。
【0105】
図1では、ユーザーは、自身の可視化目的を、ダッシュボード設定部14が提示する可視化目的群の中から手作業で選択する。
図18に示される例では、会議録画データまたはメールチャットデータなどのコミュニケーションデータに基づき、ユーザーが可視化したい事柄または可視化事例を、会議解析部50によってユーザーに提示することが可能である。
【0106】
これを実現するために、会議解析部50は、会議録画データ51から、会議出席者の感情または発言などを単語に分割して抽出する。メールチャットデータを解析するメールチャット解析部60は、メールチャットデータ61から、メールまたはチャットの単語出現割合62を算出する。
【0107】
会議解析部50は、会議出席者の感情に対し、不安または哀しみなどのネガティブ感情に着目して定量化する。この値が予め定義された基準値を超過した場合、会議解析部50は、その感情を誘引した要因を会議の発言から推論する。推論された要因は、出席者が不安に思うことであり、可視化することで安心したい事柄に近いものである。つまり、可視化目的になりうるものである。推論された要因は、単語出現割合62として表現される。そして、会議解析部50は、単語出現割合62と、データ可視化事例DB16に蓄積されている可視化目的または可視化事例の単語との類似度を算出することで、推論された要因と類似する可視化目的または可視化事例を抽出して、抽出された可視化目的または可視化事例をダッシュボード設定部14に出力することができる。
【0108】
会議解析部50から可視化目的または可視化事例に関するデータを取得したダッシュボード設定部14は、当該データをダッシュボード作成画面において提示することができる。
【0109】
図19は、メールチャット解析部60の動作の例を示すフローチャートである。
【0110】
まず、ステップST191において、メールチャット解析部60は、メールチャットデータ61を読み込む。メールチャットデータ61は、開発メンバーの全メールまたは全チャットを包含するデータである。
【0111】
次に、ステップST192において、メールチャット解析部60は、ステップST191でメールチャットデータ61から読み込まれたメールまたはチャットを単語に分割する。
【0112】
次に、ステップST193において、メールチャット解析部60は、ステップST192で分割された単語の出現割合を算出し、メールまたはチャットの単語出現割合62を生成する。
【0113】
図20は、会議解析部50における可視化目的または可視化事例の選定動作の例を示すフローチャートである。
【0114】
まず、ステップST201において、会議解析部50は、会議録画データ51と、メールまたはチャットの単語出現割合62とを読み込む。
【0115】
次に、ステップST202において、会議解析部50は、ステップST201で読み込まれた会議録画データ51に記録されている会議出席者の顔画像に基づき、一定の時間間隔で感情を分析する。そして、会議解析部50は、分析された感情を、怒りまたは哀しみなどのネガティブ感情、および、喜びまたは楽しさなどのポジティブ感情に分類し、それぞれを予め決められた採点方式に基づいて点数付けする。採点方式は、たとえば、各出席者の感情を1から10までの10段階で表し、感情ごとに、出席者の人数で平均化する方法が挙げられる。この採点方式における10段階では、値が大きいほど当該感情が強く表れていることを示す。
【0116】
次に、ステップST203において、会議解析部50は、ステップST202で分析されたネガティブ感情が、予め決められた基準値以上か否かを判定する。ここでネガティブ感情に着目した判定を実施する目的は、可視化したい事柄は出席者の「怒りまたは哀しみ」などのネガティブ感情を誘引する要因である可能性が高いためである。
【0117】
そして、ネガティブ感情が基準値以上の場合(すなわち、YESの場合)、ステップST204へ進む。一方で、ネガティブ感情が基準値未満の場合(すなわち、NOの場合)、ステップST202を再度実行する。
【0118】
次に、ステップST204において、会議解析部50は、会議開始時点からステップST203における判定のタイミングまでの会議の文字起こしデータに対し、会議中の単語の出現割合を算出する。
【0119】
次に、ステップST205において、会議解析部50は、データ可視化事例DB16を読み込み、可視化目的または可視化事例を取得する。
【0120】
次に、ステップST206において、会議解析部50は、ステップST204で算出された会議中の単語の出現割合、および、ステップST201で読み込まれたメールまたはチャットの単語出現割合62に対し、ステップST205で取得された「可視化目的または可視化事例」それぞれとの類似度を算出する。類似度の算出は、たとえば、各単語の出現割合のユークリッド距離として算出する。
【0121】
次に、ステップST207において、会議解析部50は、ステップST206で算出された類似度において、最も高い可視化目的または可視化事例を会議出席者に提示する。
【0122】
次に、ステップST208において、会議解析部50は、ステップST207で提示された可視化目的または可視化事例に対する会議出席者のネガティブ感情を分析する。
【0123】
次に、ステップST209において、会議解析部50は、ステップST208で分析されたネガティブ感情が、予め決められた基準値以下になったか否かを判定する。ネガティブ感情が基準値以下になることは、提示された可視化目的または可視化手段により、出席者のネガティブ感情が低減したことを意味する。
【0124】
そして、ステップST209における判定結果が基準値以下になる場合(すなわち、YESの場合)、ステップST210を実行する。一方で、ステップST209における判定結果が基準値を超過する場合(すなわち、NOの場合)、当該可視化目的または可視化事例では出席者のネガティブ感情が低減できていない可能性があるため、ステップST207に戻り、(先に提示された最も類似度が高い可視化目的または可視化事例を除いて)次に類似度が高い可視化目的または可視化事例を出席者に提示する。
【0125】
ここで、データ可視化事例DB16に格納されている全ての可視化目的または可視化事例を出席者に提示し終えても、なお基準値を超過する場合は、最も類似度が高い可視化目的または可視化事例を、まず活用してみることを推奨する旨を出席者に提示する。
【0126】
次に、ステップST210において、会議解析部50は、当該可視化目的または可視化事例の活用を出席者に推奨する。
【0127】
図21は、会議解析部50におけるダッシュボードの変更要否判断の動作の例を示すフローチャートである。
【0128】
まず、ステップST211において、会議解析部50は、先の会議で提示された可視化事例に基づいて作成したダッシュボード20と、ダッシュボード20の活用について振り返る会議録画データ51とを読み込む。
【0129】
次に、ステップST212において、会議解析部50は、ステップST211で読み込まれた会議録画データ51に記録されている会議出席者の顔画像に基づき、一定の時間間隔で感情を分析する。分析された感情は、
図20のステップST202における場合と同様に、怒りまたは哀しみなどのネガティブ感情、および、喜びまたは楽しさなどのポジティブ感情に分類し、それぞれを予め決められた採点方式に基づいて点数付けする。
【0130】
次に、ステップST213において、会議解析部50は、ステップST212で分析されたネガティブ感情が、予め決められた基準値未満か否かを判定する。そして、ネガティブ感情が基準値未満である場合(すなわち、YESの場合)、現在活用しているダッシュボードは、出席者のネガティブ感情の低減に効果があると判断することができるため、ステップST214へ進む。一方で、ネガティブ感情が基準値以上である場合(すなわち、NOの場合)は、ステップST215へ進む。
【0131】
ステップST214においては、会議解析部50は、当該チームでカスタマイズした可視化目的または可視化事例を、データ可視化事例DB16に更新する。そして、動作を終了する。
【0132】
ステップST215においては、会議解析部50は、会議開始時点からステップST213における判定のタイミングまでの会議の文字起こしデータに対し、会議中の単語の出現割合を算出する。
【0133】
次に、ステップST216において、会議解析部50は、データ可視化事例DB16を読み込み、可視化目的または可視化事例のリストを取得する。
【0134】
次に、ステップST217において、会議解析部50は、ステップST215で算出された会議中の単語の出現割合に対し、ステップST216で取得された「可視化目的または可視化事例」それぞれとの類似度を算出する。類似度の算出は、たとえば、各単語の出現割合のユークリッド距離として算出する。
【0135】
次に、ステップST218において、会議解析部50は、ステップST217で算出された類似度において、最も高い可視化目的または可視化事例を会議出席者に提示する。
【0136】
次に、ステップST219において、会議解析部50は、ステップST218で提示された可視化目的または可視化事例に対する会議出席者のネガティブ感情を分析する。
【0137】
次に、ステップST220において、会議解析部50は、ステップST219で分析されたネガティブ感情が、予め決められた基準値以下になったか否かを判定する。ネガティブ感情が基準値以下になることは、提示された可視化目的または可視化手段により、出席者のネガティブ感情が低減したことを意味する。
【0138】
そして、ステップST220における判定結果が基準値以下になる場合(すなわち、YESの場合)、ステップST2201を実行する。一方で、ステップST220における判定結果が基準値を超過する場合(すなわち、NOの場合)、当該可視化目的または可視化事例では出席者のネガティブ感情が低減できていない可能性があるため、ステップST218に戻り、(先に提示された最も類似度が高い可視化目的または可視化事例を除いて)次に類似度が高い可視化目的または可視化事例を出席者に提示する。
【0139】
ここで、データ可視化事例DB16に格納されている全ての可視化目的または可視化事例を出席者に提示し終えても、なお基準値を超過する場合は、最も類似度が高い可視化目的または可視化事例を、まず活用してみることを推奨する旨を出席者に提示する。
【0140】
次に、ステップST2201において、会議解析部50は、当該可視化目的または可視化事例の活用を出席者に推奨する。
【0141】
図22は、会議解析部50によるネガティブ感情を誘引した要因を推論する例を示す図である。
【0142】
会議解析部50は、会議録画データ51、および、メールチャット解析部60で生成されたメールまたはチャットの単語出現割合62を読み込むとともに、会議出席者の顔表情52を抽出する。そして、会議解析部50は、抽出された会議出席者の顔表情52に対し、会議出席者の感情スコア平均値53を算出する。さらに、会議解析部50は、会議中の単語の出現割合54を算出する。そして、感情スコア平均値53で示されたネガティブ感情、および、会議中の単語の出現割合54における出現割合が高い単語(変更、納期、進捗など)に基づいて、たとえば、仕様変更、進捗または納期に対する不安が多いことを推測し、それらを可視化して共有することで、不安を解消するとの方針を得ることができる。
【0143】
図22に示される会議出席者の感情スコア平均値53の例では、各感情が1から10で表現されている。会議出席者の感情スコア平均値53は、ネガティブ感情とポジティブ感情とに分類され、ネガティブ感情は怒りと哀しみが、ポジティブ感情は喜びと楽しさが該当することを表している。
【0144】
図23は、会議解析部50による可視化目的または可視化事例の提示、および、その効果を予測する例を示す図である。
【0145】
会議解析部50は、会議出席者の感情スコア平均値53におけるネガティブ感情が基準値以上と判定した場合、
図4に示される可視化目的と可視化事例とを読み込み、可視化目的または可視化事例の単語出現割合56を算出する。可視化目的または可視化事例の単語出現割合56は、可視化目的または可視化事例それぞれに対して算出される。
【0146】
次に、会議解析部50は、各単語出現割合のユークリッド距離に基づき、可視化目的または可視化事例の単語出現割合56と、会議の単語の出現割合54との類似度を算出し、最も類似度が高い可視化目的または可視化事例57を選定する。
【0147】
次に、会議解析部50は、最も類似度が高い可視化目的または可視化事例57を会議出席者に提示する。会議出席者は、最も類似度が高い可視化目的または可視化事例57の活用について会議で議論する。
【0148】
この際、会議解析部50は、議論中の会議出席者の顔画像から感情を分析し、分析結果58と、会議出席者の感情スコア平均値53とを比較し、ネガティブ感情が低減されていることを確認する。ネガティブ感情が低減されている場合、会議解析部50は、最も類似度が高い可視化目的または可視化事例57は、会議出席者のネガティブ感情を低減可能な効果的な可視化目的または可視化事例であると判定する。
【0149】
<以上に記載された実施の形態によって生じる効果について>
次に、以上に記載された実施の形態によって生じる効果の例を示す。なお、以下の説明においては、以上に記載された実施の形態に例が示された具体的な構成に基づいて当該効果が記載されるが、同様の効果が生じる範囲で、本願明細書に例が示される他の具体的な構成と置き換えられてもよい。すなわち、以下では便宜上、対応づけられる具体的な構成のうちのいずれか1つのみが代表して記載される場合があるが、代表して記載された具体的な構成が対応づけられる他の具体的な構成に置き換えられてもよい。
【0150】
以上に記載された実施の形態によれば、情報処理装置は、事例記憶部と、設定部とを備える。ここで、事例記憶部は、たとえば、データ可視化事例DB16などに対応するものである。また、設定部は、たとえば、ダッシュボード設定部14などに対応するものである。データ可視化事例DB16は、過去のプロジェクトの可視化事例に関する情報を記憶する。ダッシュボード設定部14は、対象のプロジェクトを可視化するための設定データを生成して可視化ツールへ出力する。ここで、可視化ツールは、たとえば、BIツール18などに対応するものである。可視化事例に関する情報は、過去のプロジェクトに関わる製品の情報およびプロセスの情報のうちの少なくとも1つを含む第1の情報と、可視化の利用動機と、可視化された構成要素とを含む。また、第1の情報と利用動機と構成要素とは、データ可視化事例DB16において互いに関連づけられて記憶される。ダッシュボード設定部14は、選択項目として、第1の情報を表示する。また、ダッシュボード設定部14は、選択された第1の情報とデータ可視化事例DB16で関連づけられる利用動機の候補を、選択項目として表示する。また、ダッシュボード設定部14は、選択された利用動機とデータ可視化事例DB16で関連づけられる構成要素の候補を、選択項目として表示する。また、ダッシュボード設定部14は、構成要素を含む設定データを生成する。
【0151】
このような構成によれば、プロジェクトの可視化目的(利用動機を達成するために表示されるべきデータまたは事項)が曖昧なユーザーであっても、BIツール18などを使ってプロジェクトに必要な可視化を容易に実現することができる。
【0152】
なお、上記の構成に本願明細書に例が示された他の構成を適宜追加した場合、すなわち、上記の構成としては言及されなかった本願明細書中の他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。
【0153】
また、以上に記載された実施の形態によれば、情報処理装置は、問題パラメータ記憶部と、解決策出力部とを備える。ここで、問題パラメータ記憶部は、たとえば、問題パラメータDB24などに対応するものである。また、解決策出力部は、たとえば、学習部30などに対応するものである。問題パラメータDB24は、過去のプロジェクトの、アラート発生時または内在する問題発見時のパラメータと、アラートまたは問題の解決策とを関連づけて記憶する。対象のプロジェクトでアラートが検知された場合、学習部30は、アラート発生時の対象のプロジェクトのパラメータと類似する、問題パラメータDB24に記憶されている過去のプロジェクトのパラメータを抽出する。そして、学習部30は、抽出された過去のプロジェクトのパラメータに関連づけて記憶されている解決策を出力する。このような構成によれば、アラート発生時の対象のプロジェクトのパラメータと類似するパラメータを問題パラメータDB24から抽出して、問題パラメータDB24において当該パラメータに関連づけて記憶されているアラート解決策42を出力することで、対象のプロジェクトで発生した問題に対するより適切なアラート解決策42を提示することができる。
【0154】
また、以上に記載された実施の形態によれば、情報処理装置は、問題パラメータDB24と、学習部30とを備える。学習部30は、対象のプロジェクトのパラメータが、問題パラメータDB24に記憶されている過去のプロジェクトのアラート発生時または内在する問題発見時のパラメータと類似する場合、類似する過去のプロジェクトのパラメータに関連づけて記憶されている解決策を出力する。このような構成によれば、アラートが発生していなくても、対象のプロジェクトのパラメータと類似するパラメータを問題パラメータDB24から抽出して、問題パラメータDB24において当該パラメータに関連づけて記憶されているアラート解決策42を出力することで、対象のプロジェクトで発生しうる問題に対するより適切なアラート解決策42を提示することができる。
【0155】
また、以上に記載された実施の形態によれば、可視化ツールで対象のプロジェクトを可視化している間に発生したアラートの解決策が新たに問題パラメータDB24に登録された場合、学習部30が、新たに登録された解決策を出力する。このような構成によれば、ユーザーから新たに登録されたノウハウのフィードバックに基づいて、適切なアラート解決策42を提示することができる。
【0156】
また、以上に記載された実施の形態によれば、情報処理システムは、上記の情報処理装置と、ダッシュボード設定部14から出力された設定データに基づいて、構成要素を表示してプロジェクトを可視化するBIツール18とを備える。このような構成によれば、プロジェクトの可視化目的が曖昧なユーザーであっても、プロジェクトに必要な可視化を特定する設定データを容易に生成可能であり、さらに、BIツール18で当該設定データを用いて可視化を実現することができる。
【0157】
また、以上に記載された実施の形態によれば、情報処理システムは、会議録画データ51またはメールチャットデータ61などのコミュニケーションデータに基づき、ユーザーが可視したい事柄または可視化事例などを抽出してユーザーに提示することができる。
【0158】
<以上に記載された実施の形態の変形例について>
以上に記載された実施の形態では、それぞれの構成要素の寸法、形状、相対的配置関係または実施の条件などについても記載する場合があるが、これらはすべての局面においてひとつの例であって、限定的なものではない。
【0159】
したがって、例が示されていない無数の変形例と均等物とが、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。たとえば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
【0160】
また、矛盾が生じない限り、以上に記載された実施の形態において「1つ」の構成要素が備えられる、と記載された場合に、当該構成要素が「1つ以上」備えられていてもよい。
【0161】
さらに、以上に記載された実施の形態におけるそれぞれの構成要素は概念的な単位であって、本願明細書に開示される技術の範囲内には、1つの構成要素が複数の構造物から成る場合と、1つの構成要素がある構造物の一部に対応する場合と、さらには、複数の構成要素が1つの構造物に備えられる場合とを含むものとする。
【0162】
また、本願明細書における説明は、本技術に関連するすべての目的のために参照され、いずれも、従来技術であると認めるものではない。
【0163】
また、以上に記載された実施の形態で記載されたそれぞれの構成要素は、ソフトウェアまたはファームウェアとしても、それと対応するハードウェアとしても想定され、ソフトウェアとしては、たとえば「部」などを称され、ハードウェアとしては、たとえば「処理回路」(circuitry)などと称される。
【0164】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0165】
(付記1)
過去のプロジェクトの可視化事例に関する情報を記憶する事例記憶部と、
対象のプロジェクトを可視化するための設定データを生成して可視化ツールへ出力する設定部とを備え、
前記可視化事例に関する情報が、前記過去のプロジェクトに関わる製品の情報およびプロセスの情報のうちの少なくとも1つを含む第1の情報と、可視化の利用動機と、可視化された構成要素とを含み、
前記第1の情報と前記利用動機と前記構成要素とは、前記事例記憶部において互いに関連づけられて記憶され、
前記設定部が、
選択項目として、前記第1の情報を表示し、
選択された前記第1の情報と前記事例記憶部で関連づけられる前記利用動機の候補を、選択項目として表示し、
選択された前記利用動機と前記事例記憶部で関連づけられる前記構成要素の候補を、選択項目として表示し、
前記構成要素を含む前記設定データを生成する、
情報処理装置。
【0166】
(付記2)
付記1に記載の情報処理装置であり、
前記過去のプロジェクトの、アラート発生時または内在する問題発見時のパラメータと、前記アラートまたは前記問題の解決策とを関連づけて記憶する問題パラメータ記憶部と、
前記対象のプロジェクトで前記アラートが検知された場合、アラート発生時の前記対象のプロジェクトのパラメータと類似する、問題パラメータ記憶部に記憶されている前記過去のプロジェクトのパラメータを抽出し、かつ、抽出された前記過去のプロジェクトのパラメータに関連づけて記憶されている前記解決策を出力する解決策出力部とをさらに備える、
情報処理装置。
【0167】
(付記3)
付記1に記載の情報処理装置であり、
前記過去のプロジェクトの、アラート発生時または内在する問題発見時のパラメータと、前記アラートまたは前記問題の解決策とを関連づけて記憶する問題パラメータ記憶部と、
前記対象のプロジェクトのパラメータが、問題パラメータ記憶部に記憶されている前記過去のプロジェクトのアラート発生時または内在する問題発見時のパラメータと類似する場合、類似する前記過去のプロジェクトのパラメータに関連づけて記憶されている前記解決策を出力する解決策出力部とをさらに備える、
情報処理装置。
【0168】
(付記4)
付記2または3に記載の情報処理装置であり、
前記可視化ツールで前記対象のプロジェクトを可視化している間に発生した前記アラートの前記解決策が新たに問題パラメータ記憶部に登録された場合、前記解決策出力部が、新たに登録された前記解決策を出力する、
情報処理装置。
【0169】
(付記5)
付記1から4のうちのいずれか1つに記載の情報処理装置と、
前記設定部から出力された前記設定データに基づいて、前記構成要素を表示して前記プロジェクトを可視化する前記可視化ツールとを備える、
情報処理システム。
【0170】
(付記6)
付記1から4のうちのいずれか1つに記載の情報処理装置と、
メールチャットデータを複数の単語に分割して前記単語それぞれの出現割合を算出するメールチャット解析部と、
会議録画データに基づき、ユーザーが可視したい事柄または可視化事例を抽出して前記ユーザーに提示する会議解析部とを備える、
情報処理システム。
【符号の説明】
【0171】
1 情報処理システム、14 ダッシュボード設定部、18 BIツール、20 ダッシュボード、22 問題アラート受信部、26 パラメータ登録部、28 ノウハウ登録部、30 学習部、32 リスト、34 通知部、42 アラート解決策、44 アラート発生情報、46 アラート条件、48 プロジェクト改善ノウハウ、50 会議解析部、51 会議録画データ、52 会議出席者の顔表情、53 会議出席者の感情スコア平均値、54 会議中の単語の出現割合、56 可視化目的または可視化事例の単語出現割合、58 分析結果、60 メールチャット解析部、61 メールチャットデータ、62 メールチャットの単語出現割合、1102A 処理回路、1102B 処理回路、1103 記憶装置、DB12 開発環境、DB24 問題パラメータ。