IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエーシー コミュニケーション テクノロジーズ(ジョウシュウ)カンパニーリミテッドの特許一覧

<>
  • 特開-光学結像システム 図1
  • 特開-光学結像システム 図2
  • 特開-光学結像システム 図3
  • 特開-光学結像システム 図4
  • 特開-光学結像システム 図5
  • 特開-光学結像システム 図6
  • 特開-光学結像システム 図7
  • 特開-光学結像システム 図8
  • 特開-光学結像システム 図9
  • 特開-光学結像システム 図10
  • 特開-光学結像システム 図11
  • 特開-光学結像システム 図12
  • 特開-光学結像システム 図13
  • 特開-光学結像システム 図14
  • 特開-光学結像システム 図15
  • 特開-光学結像システム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151289
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】光学結像システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
G02B13/00
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023203806
(22)【出願日】2023-12-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-16
(31)【優先権主張番号】202310380390.9
(32)【優先日】2023-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520128543
【氏名又は名称】エーエーシー オプティクス (チャンジョウ)カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】寺西 孝亮
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087LA01
2H087PA08
2H087PA16
2H087PB12
2H087QA03
2H087QA07
2H087QA17
2H087QA19
2H087QA21
2H087QA26
2H087QA32
2H087QA34
2H087QA42
2H087QA45
2H087RA32
2H087RA44
(57)【要約】
【課題】本発明は、光学レンズの分野に関し、光学結像システムを開示する。
【解決手段】光学結像システムは、12枚のレンズを含み、光学結像システムの焦点距離をf、第10レンズ、第11レンズ及び第12レンズの合成焦点距離をf10-12、第7レンズ、第8レンズの合成焦点距離をf7-8、第1レンズ、第2レンズの軸上厚みをそれぞれd1、d3、第2レンズ、第3レンズ間の軸上距離をd23’、 第7レンズ、第8レンズ、第9レンズの軸上厚みをそれぞれd13、d15、d17、第9レンズ、第10レンズ間の軸上距離をd18にしたときに、0.38≦f10-12/f≦0.90、-21.70≦f7-8/(d13+d15)≦-1.00、2.00≦d17/d18≦10.00、1.00≦(d1+d3)/d23’≦5.00の関係式を満たす。本発明に係る光学結像システムは、良好な光学性能を有し、可変絞り、小さい歪曲収差の設計要件を満たし、測定時に被写界深度を変更することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学結像システムであって、物体側から像側に向かって、順に、負の屈折力を有する第1レンズ、正の屈折力を有する第2レンズ、負の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズ、負の屈折力を有する第6レンズ、正の屈折力を有する第7レンズ、負の屈折力を有する第8レンズ、負の屈折力を有する第9レンズ、正の屈折力を有する第10レンズ、負の屈折力を有する第11レンズ、及び正の屈折力を有する第12レンズを含み、
ここで、前記光学結像システムの焦点距離をf、前記第10レンズ、前記第11レンズ及び前記第12レンズの合成焦点距離をf10-12、前記第7レンズ及び前記第8レンズの合成焦点距離をf7-8、前記第1レンズの軸上厚みをd1、前記第2レンズの軸上厚みをd3、前記第2レンズの像側の面から前記第3レンズの物体側の面までの軸上距離をd23’、前記第7レンズの軸上厚みをd13、前記第8レンズの軸上厚みをd15、前記第9レンズの軸上厚みをd17、前記第9レンズの像側の面から前記第10レンズの物体側の面までの軸上距離をd18にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする光学結像システム。
0.38≦f10-12/f≦0.90
-21.70≦f7-8/(d13+d15)≦-1.00
2.00≦d17/d18≦10.00
1.00≦(d1+d3)/d23’≦5.00
【請求項2】
前記第5レンズのアッベ数をv5、前記第6レンズのアッベ数をv6にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学結像システム。
43.00≦v5-v6≦77.60
【請求項3】
前記光学結像システムは、発散プリズムをさらに備え、物面から前記発散プリズムの物体側の面までの軸上距離をd0、物面から前記第12レンズの像側の面までの軸上距離をLにしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学結像システム。
0.12≦d0/L≦0.26
【請求項4】
前記第1レンズは、その物体側の面が近軸において凹面に形成され、
前記第1レンズの焦点距離をf1、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第1レンズの物体側の面の中心曲率半径をR3、前記第1レンズと前記第2レンズとの複合面の中心曲率半径をR4にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学結像システム。
-1.26≦f1/f≦-0.14
-8.54≦(R3+R4)/(R3-R4)≦0.39
0.00≦d1/TTL≦0.02
【請求項5】
前記第2レンズは、その像側の面が近軸において凸面に形成され、
前記第2レンズの焦点距離をf2、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第1レンズと前記第2レンズとの複合面の中心曲率半径をR4、前記第2レンズの像側の面の中心曲率半径をR5にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学結像システム。
0.12≦f2/f≦1.11
-0.61≦(R4+R5)/(R4-R5)≦9.86
0.00≦d3/TTL≦0.05
【請求項6】
前記第3レンズは、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成され、
前記第3レンズの焦点距離をf3、前記第3レンズの軸上厚みをd5、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第3レンズの物体側の面の中心曲率半径をR6、前記第3レンズと前記第4レンズとの複合面の中心曲率半径をR7にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学結像システム。
-2.16≦f3/f≦-0.50
0.58≦(R6+R7)/(R6-R7)≦2.91
0.00≦d5/TTL≦0.01
【請求項7】
前記第4レンズは、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、
前記第4レンズの焦点距離をf4、前記第4レンズの軸上厚みをd7、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第3レンズと前記第4レンズとの複合面の中心曲率半径をR7、前記第4レンズの像側の面の中心曲率半径をR8にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学結像システム。
0.23≦f4/f≦1.00
-0.74≦(R7+R8)/(R7-R8)≦-0.14
0.01≦d7/TTL≦0.05
【請求項8】
前記第5レンズは、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、
前記第5レンズの焦点距離をf5、前記第5レンズの軸上厚みをd9、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第5レンズの物体側の面の中心曲率半径をR9、前記第5レンズと前記第6レンズとの複合面の中心曲率半径をR10にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学結像システム。
0.27≦f5/f≦1.11
-0.63≦(R9+R10)/(R9-R10)≦0.30
0.01≦d9/TTL≦0.04
【請求項9】
前記第6レンズは、その物体側の面が近軸において凹面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、
前記第6レンズの焦点距離をf6、前記第6レンズの軸上厚みをd11、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第5レンズと前記第6レンズとの複合面の中心曲率半径をR10、前記第6レンズの像側の面の中心曲率半径をR11にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学結像システム。
-3.09≦f6/f≦-0.69
-8.03≦(R10+R11)/(R10-R11)≦-0.71
0.00≦d11/TTL≦0.02
【請求項10】
前記第7レンズは、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、
前記第7レンズの焦点距離をf7、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第7レンズの物体側の面の中心曲率半径をR12、前記第7レンズと前記第8レンズとの複合面の中心曲率半径をR13にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学結像システム。
0.23≦f7/f≦2.23
-11.17≦(R12+R13)/(R12-R13)≦0.54
0.00≦d13/TTL≦0.12
【請求項11】
前記第8レンズは、その像側の面が近軸において凹面に形成され、
前記第8レンズの焦点距離をf8、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第7レンズと前記第8レンズとの複合面の中心曲率半径をR13、前記第8レンズの中心曲率半径をR14にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学結像システム。
-1.15≦f8/f≦-0.13
0.28≦(R13+R14)/(R13-R14)≦3.15
0.00≦d15/TTL≦0.07
【請求項12】
前記第9レンズの焦点距離をf9、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第9レンズの物体側の面の中心曲率半径をR15、前記第9レンズの像側の面の中心曲率半径をR16にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学結像システム。
-2.40≦f9/f≦-0.31
-2.84≦(R15+R16)/(R15-R16)≦1.63
0.00≦d17/TTL≦0.05
【請求項13】
前記第10レンズは、その像側の面が近軸において凸面に形成され、
前記第10レンズの焦点距離をf10、前記第10レンズの軸上厚みをd19、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第10レンズの物体側の面の中心曲率半径をR17、前記第10レンズの像側の面の中心曲率半径をR18にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学結像システム。
0.19≦f10/f≦1.11
0.20≦(R17+R18)/(R17-R18)≦2.56
0.01≦d19/TTL≦0.04
【請求項14】
前記第11レンズは、その物体側の面が近軸において凹面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、
前記第11レンズの焦点距離をf11、前記第11レンズの軸上厚みをd21、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第11レンズの物体側の面の中心曲率半径をR19、前記第11レンズの像側の面の中心曲率半径をR20にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学結像システム。
-2.67≦f11/f≦-0.37
-8.92≦(R19+R20)/(R19-R20)≦-0.76
0.00≦d21/TTL≦0.01
【請求項15】
前記第12レンズは、その像側の面が近軸において凸面に形成され、
前記第12レンズの焦点距離をf12、前記第12レンズの軸上厚みをd23、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第12レンズの物体側の面の中心曲率半径をR21、前記第12レンズの像側の面の中心曲率半径をR22にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学結像システム。
0.26≦f12/f≦2.71
0.31≦(R21+R22)/(R21-R22)≦3.92
0.01≦d23/TTL≦0.03
【請求項16】
前記第1レンズ、前記第2レンズ、前記第3レンズ、前記第4レンズ、前記第5レンズ、前記第6レンズ、前記第7レンズ、前記第8レンズ、前記第9レンズ、前記第10レンズ、前記第11レンズ及び前記第12レンズは、何れもガラス材質であることを特徴とする請求項1に記載の光学結像システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学レンズの分野に関し、特に産業用ラインスキャンレンズに適用された光学結像システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業オートメーションの急速な発展に伴い、マシンビジョンは産業オートメーション生産、組立ライン検出、物流仕分け、医学、科学研究などの分野で広く使用されており、対象製品を検出、識別、測定することで、人間の操作中の誤判断を削減または排除し、測定精度及び効率を大幅に向上させる。産業用ラインスキャンレンズなどの光学結像システムはマシンビジョンの「目」として重要な役割を果たしており、電子製品の製造、例えばLCD画面の欠陥検出や携帯電話のタッチスクリーン回路などの適用シナリオでは、産業用ラインスキャンレンズに対する要求がますます高まっている。
【0003】
現在、産業用ラインスキャンレンズとしての光学結像システムは、優れた結像品質を得るために、複数枚のレンズ構造を用いることが多い。また、技術の発展及びユーザの多様化ニーズの増加に伴い、感光素子の画素面積が縮小しつつあり、システムの結像品質に対する要求が高くなってきているなか、12枚式のレンズ構造は徐々に産業用ラインスキャンレンズの設計に現れている。しかしながら、光学性能が不十分で、体積が大きく、測定時に被写界深度を変更できないなどの欠陥が依然として存在している。従って、優れた光学特性を有し、体積が小さく、かつ収差が十分に補正されて、可変絞りを備える望遠撮像レンズを要求することが急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の問題に鑑みて、本発明は、優れた光学特性を有し、歪曲収差が小さく、測定時に被写界深度を変更することができる産業用ラインスキャンの設計要求を満たす光学結像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の実施形態には、光学結像システムが提供され、前記光学結像システムは、物体側から像側に向かって、順に、負の屈折力を有する第1レンズ、正の屈折力を有する第2レンズ、負の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズ、負の屈折力を有する第6レンズ、正の屈折力を有する第7レンズ、負の屈折力を有する第8レンズ、負の屈折力を有する第9レンズ、正の屈折力を有する第10レンズ、負の屈折力を有する第11レンズ、及び正の屈折力を有する第12レンズを含み、
【0006】
ここで、前記光学結像システムの焦点距離をf、前記第10レンズ、前記第11レンズ及び前記第12レンズの合成焦点距離をf10-12、前記第7レンズ及び前記第8レンズの合成焦点距離をf7-8、前記第1レンズの軸上厚みをd1、前記第2レンズの軸上厚みをd3、前記第2レンズの像側の面から前記第3レンズの物体側の面までの軸上距離をd23’、前記第7レンズの軸上厚みをd13、前記第8レンズの軸上厚みをd15、前記第9レンズの軸上厚みをd17、前記第9レンズの像側の面から前記第10レンズの物体側の面までの軸上距離をd18にしたときに、以下の関係式を満たす。
0.38≦f10-12/f≦0.90
-21.70≦f7-8/(d13+d15)≦-1.00
2.00≦d17/d18≦10.00
1.00≦(d1+d3)/d23’≦5.00
【0007】
好ましくは、前記第5レンズのアッベ数をv5、前記第6レンズのアッベ数をv6にしたときに、以下の関係式を満たす。
43.00≦v5-v6≦77.60
【0008】
好ましくは、前記光学結像システムは、発散プリズムをさらに備え、物面から前記発散プリズムの物体側の面までの軸上距離をd0、物面から前記第12レンズの像側の面までの軸上距離をLにしたときに、以下の関係式を満たす。
0.12≦d0/L≦0.26
【0009】
好ましくは、前記第1レンズは、その物体側の面が近軸において凹面に形成され、前記第1レンズの焦点距離をf1、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第1レンズの物体側の面の中心曲率半径をR3、前記第1レンズと前記第2レンズとの複合面の中心曲率半径をR4にしたときに、以下の関係式を満たす。
-1.26≦f1/f≦-0.14
-8.54≦(R3+R4)/(R3-R4)≦0.39
0.00≦d1/TTL≦0.02
【0010】
好ましくは、前記第2レンズは、その像側の面が近軸において凸面に形成され、前記第2レンズの焦点距離をf2、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第1レンズと前記第2レンズとの複合面の中心曲率半径をR4、前記第2レンズの像側の面の中心曲率半径をR5にしたときに、以下の関係式を満たす。
0.12≦f2/f≦1.11
-0.61≦(R4+R5)/(R4-R5)≦9.86
0.00≦d3/TTL≦0.05
【0011】
好ましくは、前記第3レンズは、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成され、前記第3レンズの焦点距離をf3、前記第3レンズの軸上厚みをd5、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第3レンズの物体側の面の中心曲率半径をR6、前記第3レンズと前記第4レンズとの複合面の中心曲率半径をR7にしたときに、以下の関係式を満たす。
-2.16≦f3/f≦-0.50
0.58≦(R6+R7)/(R6-R7)≦2.91
0.00≦d5/TTL≦0.01
【0012】
好ましくは、前記第4レンズは、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、前記第4レンズの焦点距離をf4、前記第4レンズの軸上厚みをd7、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第3レンズと前記第4レンズとの複合面の中心曲率半径をR7、前記第4レンズの像側の面の中心曲率半径をR8にしたときに、以下の関係式を満たす。
0.23≦f4/f≦1.00
-0.74≦(R7+R8)/(R7-R8)≦-0.14
0.01≦d7/TTL≦0.05
【0013】
好ましくは、前記第5レンズは、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、前記第5レンズの焦点距離をf5、前記第5レンズの軸上厚みをd9、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第5レンズの物体側の面の中心曲率半径をR9、前記第5レンズと前記第6レンズとの複合面の中心曲率半径をR10にしたときに、以下の関係式を満たす。
0.27≦f5/f≦1.11
-0.63≦(R9+R10)/(R9-R10)≦0.30
0.01≦d9/TTL≦0.04
【0014】
好ましくは、前記第6レンズは、その物体側の面が近軸において凹面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、前記第6レンズの焦点距離をf6、前記第6レンズの軸上厚みをd11、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第5レンズと前記第6レンズとの複合面の中心曲率半径をR10、前記第6レンズの像側の面の中心曲率半径をR11にしたときに、以下の関係式を満たす。
-3.09≦f6/f≦-0.69
-8.03≦(R10+R11)/(R10-R11)≦-0.71
0.00≦d11/TTL≦0.02
【0015】
好ましくは、前記第7レンズは、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、前記第7レンズの焦点距離をf7、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第7レンズの物体側の面の中心曲率半径をR12、前記第7レンズと前記第8レンズとの複合面の中心曲率半径をR13にしたときに、以下の関係式を満たす。
0.23≦f7/f≦2.23
-11.17≦(R12+R13)/(R12-R13)≦0.54
0.00≦d13/TTL≦0.12
【0016】
好ましくは、前記第8レンズは、その像側の面が近軸において凹面に形成され、前記第8レンズの焦点距離をf8、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第7レンズと前記第8レンズとの複合面の中心曲率半径をR13、前記第8レンズの中心曲率半径をR14にしたときに、以下の関係式を満たす。
-1.15≦f8/f≦-0.13
0.28≦(R13+R14)/(R13-R14)≦3.15
0.00≦d15/TTL≦0.07
【0017】
好ましくは、前記第9レンズの焦点距離をf9、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第9レンズの物体側の面の中心曲率半径をR15、前記第9レンズの像側の面の中心曲率半径をR16にしたときに、以下の関係式を満たす。
-2.40≦f9/f≦-0.31
-2.84≦(R15+R16)/(R15-R16)≦1.63
0.00≦d17/TTL≦0.05
【0018】
好ましくは、前記第10レンズは、その像側の面が近軸において凸面に形成され、前記第10レンズの焦点距離をf10、前記第10レンズの軸上厚みをd19、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第10レンズの物体側の面の中心曲率半径をR17、前記第10レンズの像側の面の中心曲率半径をR18にしたときに、以下の関係式を満たす。
0.19≦f10/f≦1.11
0.20≦(R17+R18)/(R17-R18)≦2.56
0.01≦d19/TTL≦0.04
【0019】
好ましくは、前記第11レンズは、その物体側の面が近軸において凹面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、前記第11レンズの焦点距離をf11、前記第11レンズの軸上厚みをd21、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第11レンズの物体側の面の中心曲率半径をR19、前記第11レンズの像側の面の中心曲率半径をR20にしたときに、以下の関係式を満たす。
-2.67≦f11/f≦-0.37
-8.92≦(R19+R20)/(R19-R20)≦-0.76
0.00≦d21/TTL≦0.01
【0020】
好ましくは、前記第12レンズは、その像側の面が近軸において凸面に形成され、前記第12レンズの焦点距離をf12、前記第12レンズの軸上厚みをd23、前記光学結像システムの光学全長をTTL、前記第12レンズの物体側の面の中心曲率半径をR21、前記第12レンズの像側の面の中心曲率半径をR22にしたときに、以下の関係式を満たす。
0.26≦f12/f≦2.71
0.31≦(R21+R22)/(R21-R22)≦3.92
0.01≦d23/TTL≦0.03
【0021】
好ましくは、前記第1レンズ、前記第2レンズ、前記第3レンズ、前記第4レンズ、前記第5レンズ、前記第6レンズ、前記第7レンズ、前記第8レンズ、前記第9レンズ、前記第10レンズ、前記第11レンズ及び前記第12レンズは、何れもガラス材質である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の有益な効果は、本発明に係る光学結像システムは、良好な光学性能を有し、歪曲収差が小さい結像のために設計され、画像歪みを厳密に制御し、検出対象物の真実の姿を最大限に提示し、測定時に被写界深度を柔軟に調整することができ、特に高画素の産業検出用ラインスキャンレンズに適用される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下説明された図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、進歩的な労働をしなくても、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができ、そのうち、
図1図1は、第1実施形態に係る光学結像システム10の構造を示す図である。
図2図2は、図1に示す光学結像システムの球面収差を示す図である。
図3図3は、図1に示す光学結像システムの倍率色収差を示す図である。
図4図4は、図1に示す光学結像システムの像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
図5図5は、第2実施形態に係る光学結像システム20の構造を示す図である。
図6図6は、図5に示す光学結像システムの球面収差を示す図である。
図7図7は、図5に示す光学結像システムの倍率色収差を示す図である。
図8図8は、図5に示す光学結像システムの像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
図9図9は、本発明の第3実施形態に係る光学結像システム30の構造を示す図である。
図10図10は、図9に示す光学結像システムの球面収差を示す図である。
図11図11は、図9に示す光学結像システムの倍率色収差を示す図である。
図12図12は、図9に示す光学結像システムの像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
図13図13は、本発明の第4実施形態に係る光学結像システム40の構造を示す図である。
図14図14は、図13に示す光学結像システムの球面収差を示す図である。
図15図15は、図13に示す光学結像システムの倍率色収差を示す図である。
図16図16は、図13に示す光学結像システムの像面湾曲及び歪曲収差を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の目的、技術考案及び利点をより明確にするために、以下、図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳しく説明する。ただ、本発明の各実施形態において、本発明に対する理解を便宜にするために、多くの技術的細部まで記載されているが、これらの技術的細部および以下の各実施形態に基づく各種の変化及び修正がなくても、本発明が保護しようとする技術方案を実現可能であることは、当業者にとっては自明なことである。
【0025】
(第1実施形態)
【0026】
図面を参照すると、本発明には、光学結像システム10が提供される。図1に示されたのは、本発明の第1実施形態に係る光学結像システム10である。当該光学結像システムは、物体側から像側に向かって、順に、物面OBJ、発散プリズムBS、負の屈折力を有する第1レンズL1、正の屈折力を有する第2レンズL2、負の屈折力を有する第3レンズL3、正の屈折力を有する第4レンズL4、正の屈折力を有する第5レンズL5、負の屈折力を有する第6レンズL6、正の屈折力を有する第7レンズL7、負の屈折力を有する第8レンズL8、絞りS1、負の屈折力を有する第9レンズL9、正の屈折力を有する第10レンズL10、負の屈折力を有する第11レンズL11、正の屈折力を有する第12レンズL12、及び像面Siを含む。
【0027】
本実施形態において、第1レンズL1の材質がガラスであり、第2レンズL2の材質がガラスであり、第3レンズL3の材質がガラスであり、第4レンズL4の材質がガラスであり、第5レンズL5の材質がガラスであり、第6レンズL6の材質がガラスであり、第7レンズL7の材質がガラスであり、第8レンズL8の材質がガラスであり、第9レンズL9の材質がガラスであり、第10レンズL10の材質がガラスであり、第11レンズL11の材質がガラスであり、第12レンズL12の材質がガラスである。
【0028】
本実施形態では、上記の光学結像システムの焦点距離をf、上記の第10レンズL10、上記の第11レンズL11及び上記の第12レンズL12の合成焦点距離をf10-12にしたときに、0.38≦f10-12/f≦0.90の関係式が設立される。これによって、像側端のレンズ群とシステムの焦点距離の比の範囲が規定されており、像側端の光が十分な収束能力を持つことを確保することができる。
【0029】
上記の第7レンズL7及び上記の第8レンズL8の合成焦点距離をf7-8、上記の第7レンズL7の軸上厚みをd13、上記の第8レンズL8の軸上厚みをd15にしたときに、-21.70≦f7-8/(d13+d15)≦-1.00の関係式が設立され、ここで、f7-8は第7レンズ及び第8レンズの合成焦点距離である。これによって、組み合わせたレンズの焦点距離と厚さの比の範囲が指定されており、十分な屈曲力を有するとともに、適切な厚みを維持することを確保でき、歪曲収差の補正、及び|Distortion|(歪み)≦0.95%に有利である。
【0030】
上記の第9レンズL9の軸上厚みをd17、上記の第9レンズL9及び上記の第10レンズL10と光軸との間隔距離をd18にしたときに、2.00≦d17/d18≦10.00の関係式が設立される。d17は第9レンズL9の中心厚みであり、d18は第9レンズL9及び後レンズ群の光軸における間隔距離である。この関係式の範囲内にあれば、レンズ間の間隔が小さすぎることに起因する組立干渉を防止して、組立歩留まりを向上させることができ、第9レンズL9のレンズ厚みを均衡させて、レンズの厚みが厚すぎることに起因する成形不均一さを防止し、かつ感度を効果的に低下させることができる。
【0031】
上記の第1レンズL1の軸上厚みをd1、上記の第2レンズL2の軸上厚みをd3、上記の第2レンズL2の像側の面から上記の第3レンズL3の物体側の面までの軸上距離をd23′にしたときに、1.00≦(d1+d3)/d23′≦5.00の関係式が設立される。d1+d3は、第1レンズL1と第2レンズL2からなる複合レンズの中心厚みであり、d23′は、第2レンズL2と第3レンズL3との光軸における距離である。
【0032】
本実施形態では、上記の第5レンズL5のアッベ数をv5、上記の第6レンズL6のアッベ数をv6にしたときに、43.00≦v5-v6≦77.60の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあれば、システムの色収差を効果的に補正することができ、かつ|LC|≦4μmである。
【0033】
本実施形態では、上記の光学結像システム10は、発散プリズムBSをさらに備え、物面OBJから上記の発散プリズムBSの物体側の面までの軸上距離をd0、物面から上記の第12レンズの像側の面までの軸上距離をLにしたときに、0.12≦d0/L≦0.26の関係式が設立される。なお、d0は物体(光学系の物体側の焦点面)から物体に最も近いBS物体側の面までの距離であり、Lは物体から像側に最も近いレンズ面の光軸までの距離である。関係式の下限の値よりも低いと、レンズ系と物体との間の距離が狭すぎて、ラインスキャンレンズを使用する装置の操作性が悪い。一方、関係式の上限の値よりも高いと、レンズ部分が占めるスペースが不足になるため、設置できるレンズの数及びその厚みが制限され、球面収差及び色収差の補正が困難になる。
【0034】
本実施形態では、上記の光学結像システム10の焦点距離をf、上記の第1レンズL1の焦点距離をf1にしたときに、-1.26≦f1/f≦-0.14の関係式が設立され、第1レンズL1が負の屈折力を有することが規定される。この上限の値を超えると、レンズの小型化に寄与するものの、第1レンズL1の負の屈折力が強くなりすぎて、収差などの問題を補正することが困難になる。一方、下限の値を超えると、第1レンズL1の負の屈折力が弱くなりすぎて、レンズ厚みの制御が困難になる。好ましくは、-0.79≦f1/f≦-0.18の関係式が設立される。
【0035】
上記の第1レンズL1の軸上厚みをd1、上記の光学結像システム10の光学全長をTTLにしたときに、0.00≦d1/TTL≦0.02の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあれば、レンズの厚み及びレンズ全長を制御することに有利である。好ましくは、0.00≦d1/TTL≦0.01の関係式が設立される。
【0036】
上記の第1レンズL1の物体側の面の中心曲率半径をR3、及び上記の第1レンズL1と上記の第2レンズL2との複合面の中心曲率半径をR4にしたときに、-8.54≦(R3+R4)/(R3-R4)≦0.39の関係式が設立される。第1レンズL1の形状を合理的に制御することで、第1レンズL1はシステムの球面収差を効果的に補正することができる。好ましくは、-5.34≦(R3+R4)/(R3-R4)≦0.31の関係式が設立される。
【0037】
本実施形態において、第1レンズL1について、その物体側の面が近軸において凹面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、負の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第1レンズL1の物体側の面と像側の面の面型は、他の凹、凸の分布形態とされてもよい。
【0038】
本実施形態では、上記の光学結像システム10の焦点距離をf、上記の第2レンズL2の焦点距離をf2にしたときに、0.12≦f2/f≦1.11の関係式が設立され、第2レンズL2が正の屈折力を有することが規定される。屈折力の配分を適切にすることにより、システムとして、優れた結像品質及び低い感度を有する。好ましくは、0.19≦f2/f≦0.89の関係式が設立される。
【0039】
上記の第2レンズL2の軸上厚みをd3、上記の光学結像システム10の光学全長をTTLにしたときに、0.00≦d3/TTL≦0.05の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあれば、レンズの厚み及びレンズ全長を制御することに有利である。好ましくは、0.01≦d3/TTL≦0.04の関係式が設立される。
【0040】
上記の第1レンズL1と上記の第2レンズL2との複合面の中心曲率半径をR4、及び上記の第2レンズL2の像側の面の中心曲率半径をR5にしたときに、-0.61≦(R4+R5)/(R4-R5)≦9.86の関係式が設立される。第2レンズL2の形状が規定されており、この関係式の範囲内にあると、レンズを通過する光線のずれの程度を緩和することができ、収差を有効的に減少させることができる。好ましくは、-0.38≦(R4+R5)/(R4-R5)≦7.89の関係式が設立される。
【0041】
本実施形態において、第2レンズL2について、その物体側の面が近軸において凹面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、正の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第2レンズL2の物体側の面の面型は、他の凹、凸の分布形態とされてもよい。
【0042】
本実施形態では、上記の光学結像システム10の焦点距離をf、上記の第3レンズL3の焦点距離をf3にしたときに、-2.16≦f3/f≦-0.50の関係式が設立され、第3レンズL3が負の屈折力を有することが規定され、屈折力を適切に配分することにより、システムとして、優れた結像品質及び低い感度を有する。好ましくは、-1.35≦f3/f≦-0.62の関係式が設立される。
【0043】
上記の第3レンズL3の軸上厚みをd5、上記の光学結像システム10の光学全長をTTLにしたときに、0.00≦d5/TTL≦0.01の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあれば、レンズの厚み及びレンズ全長を制御することに有利である。
【0044】
上記の第3レンズL3の物体側の面の中心曲率半径をR6、及び上記の第3レンズL3と上記の第4レンズL4との複合面の中心曲率半径をR7にしたときに、0.58≦(R6+R7)/(R6-R7)≦2.91の関係式が設立される。これによって、第3レンズL3の形状が規定されている。この関係式の範囲内にあれば、小型化が進むに従って、軸外画角の収差等の問題の補正に有利である。好ましくは、0.93≦(R6+R7)/(R6-R7)≦2.33の関係式が設立される。
【0045】
本実施形態において、第3レンズL3について、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成され、負の屈折力を有する。
【0046】
本実施形態では、上記の光学結像システム10の焦点距離をf、上記の第4レンズL4の焦点距離をf4にしたときに、0.23≦f4/f≦1.00の関係式が設立され、第4レンズL4が正の屈折力を有することが規定される。屈折力の配分を適切にすることにより、システムとして、優れた結像品質及び低い感度を有する。好ましくは、0.37≦f4/f≦0.80の関係式が設立される。
【0047】
上記の第4レンズL4の軸上厚みをd7、上記の光学結像システム10の光学全長をTTLにしたときに、0.01≦d7/TTL≦0.05の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあれば、レンズの厚み及びレンズ全長を制御することに有利である。好ましくは、0.01≦d7/TTL≦0.04の関係式が設立される。
【0048】
上記の第3レンズL3と上記の第4レンズL4との複合面の中心曲率半径をR7、及び上記の第4レンズL4の像側の面の中心曲率半径をR8にしたときに、-0.74≦(R7+R8)/(R7-R8)≦-0.14の関係式が設立される。これによって、第4レンズL4の形状が規定されている。この関係式の範囲内にあれば、小型化が進むに従って、軸上の色収差の問題の補正に有利である。好ましくは、-0.46≦(R7+R8)/(R7-R8)≦-0.17の関係式が設立される。
【0049】
本実施形態において、第4レンズL4について、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、正の屈折力を有する。
【0050】
本実施形態では、上記の光学結像システム10の焦点距離をf、上記の第5レンズL5の焦点距離をf5にしたときに、0.27≦f5/f≦1.11の関係式が設立され、第5レンズL5が正の屈折力を有することが規定される。この下限の値を超えると、レンズの小型化に寄与するものの、第5レンズL5の正の屈折力が強くなりすぎて、収差などの問題を補正することが困難になる。一方、上限の値を超えると、第5レンズL5の正の屈折力が弱くなりすぎて、レンズ厚みの制御が困難になる。好ましくは、0.43≦f5/f≦0.89の関係式が設立される。
【0051】
上記の第5レンズL5の軸上厚みをd9、上記の光学結像システム10の光学全長をTTLにしたときに、0.01≦d9/TTL≦0.04の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあれば、レンズの厚み及びレンズ全長を制御することに有利である。好ましくは、0.01≦d9/TTL≦0.03の関係式が設立される。
【0052】
上記の第5レンズL5の物体側の面の中心曲率半径をR9、及び上記の第5レンズL5と上記の第6レンズL6との複合面の中心曲率半径をR10にしたときに、-0.63≦(R9+R10)/(R9-R10)≦0.30の関係式が設立される。これによって、第5レンズL5の形状が規定されている。この関係式の範囲内にあれば、小型化が進むに従って、軸上の色収差の問題の補正に有利である。好ましくは、-0.39≦(R9+R10)/(R9-R10)≦0.24の関係式が設立される。
【0053】
本実施形態において、第5レンズL5について、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、正の屈折力を有する。
【0054】
本実施形態では、上記の光学結像システム10の焦点距離をf、上記の第6レンズL6の焦点距離をf6にしたときに、-3.09≦f6/f≦-0.69の関係式が設立され、第6レンズL6が負の屈折力を有することが規定される。屈折力の配分を適切にすることにより、システムとして、優れた結像品質及び低い感度を有する。好ましくは、-1.93≦f6/f≦-0.87の関係式が設立される。
【0055】
上記の第6レンズL6の軸上厚みをd11、上記の光学結像システムの光学全長をTTLにしたときに、0.00≦d11/TTL≦0.02の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあれば、レンズの厚み及びレンズ全長を制御することに有利である。
【0056】
上記の第5レンズL5と上記の第6レンズL6との複合面の中心曲率半径をR10、及び上記の第6レンズL6の像側の面の中心曲率半径をR11にしたときに、-8.03≦(R10+R11)/(R10-R11)≦-0.71の関係式が設立される。これによって、第6レンズL6の形状が規定されている。この関係式の範囲内にあれば、第6レンズL6の形状を有効的に制御することができて、第6レンズL6の成型に有利であると共に、第6レンズL6の表面の曲率が大きすぎることによる加工しにくいことを回避することができる。好ましくは、-5.02≦(R10+R11)/(R10-R11)≦-0.89の関係式が設立される。
【0057】
本実施形態において、第6レンズL6について、その物体側の面が近軸において凹面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、負の屈折力を有する。
【0058】
本実施形態では、上記の光学結像システム10の焦点距離をf、上記の第7レンズL7の焦点距離をf7にしたときに、0.23≦f7/f≦2.23の関係式が設立され、第7レンズL7が正の屈折力を有することが規定される。屈折力の配分を適切にすることにより、システムとして、優れた結像品質及び低い感度を有する。好ましくは、0.37≦f7/f≦1.78の関係式が設立される。
【0059】
上記の第7レンズL7の軸上厚みをd13、上記の光学結像システム10の光学全長をTTLにしたときに、0.00≦d13/TTL≦0.12の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあれば、レンズの厚み及びレンズ全長を制御することに有利である。好ましくは、0.01≦d13/TTL≦0.10の関係式が設立される。
【0060】
上記の第7レンズL7の物体側の面の中心曲率半径をR12、及び上記の第7レンズL7と上記の第8レンズL8との複合面の中心曲率半径をR13にしたときに、-11.17≦(R12+R13)/(R12-R13)≦0.54の関係式が設立される。これによって、第7レンズL7の形状が規定されている。この関係式の範囲内にあれば、小型化が進むに従って、軸上の色収差の問題の補正に有利である。好ましくは、-6.98≦(R12+R13)/(R12-R13)≦0.44の関係式が設立される。
【0061】
本実施形態において、第7レンズL7について、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成され、正の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第7レンズL7の像側の面の面型は、他の凹、凸の分布形態とされてもよい。
【0062】
本実施形態では、上記の光学結像システム10の焦点距離をf、上記の第8レンズL8の焦点距離をf8にしたときに、-1.15≦f8/f≦-0.13の関係式が設立され、第8レンズL8が負の屈折力を有することが規定される。屈折力の配分を適切にすることにより、システムとして、優れた結像品質及び低い感度を有する。好ましくは、-0.72≦f8/f≦-0.16の関係式が設立される。
【0063】
上記の第8レンズL8の軸上厚みをd15、上記の光学結像システム10の光学全長をTTLにしたときに、0.00≦d15/TTL≦0.07の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあれば、レンズの厚み及びレンズ全長を制御することに有利である。好ましくは、0.00≦d15/TTL≦0.06の関係式が設立される。
【0064】
上記の第7レンズL7と上記の第8レンズL8との複合面の中心曲率半径をR13、及び上記の第8レンズL8の中心曲率半径をR14にしたときに、0.28≦(R13+R14)/(R13-R14)≦3.15の関係式が設立される。これによって、第8レンズL8の形状が規定されている。この関係式の範囲内にあれば、小型化が進むに従って、軸上の色収差の問題の補正に有利である。好ましくは、0.44≦(R13+R14)/(R13-R14)≦2.52の関係式が設立される。
【0065】
本実施形態において、第8レンズL8について、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成され、負の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第8レンズL8の物体側の面と像側の面の面型は、他の凹、凸の分布形態とされてもよい。
【0066】
本実施形態では、上記の光学結像システム10の焦点距離をf、上記の第9レンズL9の焦点距離をf9にしたときに、-2.40≦f9/f≦-0.31の関係式が設立され、第9レンズL9が負の屈折力を有することが規定される。この上限の値を超えると、レンズの小型化に寄与するものの、第9レンズL9の負の屈折力が強くなりすぎて、収差などの問題を補正することが困難になる。一方、下限の値を超えると、第9レンズL9の負の屈折力が弱くなりすぎて、レンズ厚みの制御が困難になる。好ましくは、-1.50≦f9/f≦-0.38の関係式が設立される。
【0067】
上記の第9レンズL9の軸上厚みをd17、上記の光学結像システム10の光学全長をTTLにしたときに、0.00≦d17/TTL≦0.05の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあれば、レンズの厚み及びレンズ全長を制御することに有利である。好ましくは、0.01≦d17/TTL≦0.04の関係式が設立される。
【0068】
上記の第9レンズL9の物体側の面の中心曲率半径をR15、及び上記の第9レンズL9の像側の面の中心曲率半径をR16にしたときに、-2.84≦(R15+R16)/(R15-R16)≦1.63の関係式が設立される。これによって、第9レンズL9の形状が規定されている。この関係式の範囲内にあれば、小型化が進むに従って、軸上の色収差の問題の補正に有利である。好ましくは、-1.78≦(R15+R16)/(R15-R16)≦1.31の関係式が設立される。
【0069】
本実施形態において、第9レンズL9について、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凹面に形成され、負の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第9レンズL9の物体側の面と像側の面の面型は、他の凹、凸の分布形態とされてもよい。
【0070】
本実施形態では、上記の光学結像システム10の焦点距離をf、上記の第10レンズL10の焦点距離をf10にしたときに、0.19≦f10/f≦1.11の関係式が設立され、この下限の値を超えると、レンズの小型化に寄与するものの、第10レンズL10の正の屈折力が強くなりすぎて、収差などの問題を補正することが困難になる。一方、上限の値を超えると、第10レンズL10の正の屈折力が弱くなりすぎて、レンズ厚みの制御が困難になる。好ましくは、0.31≦f10/f≦0.88の関係式が設立される。
【0071】
上記の第10レンズL10の物体側の面の中心曲率半径をR17、上記の第10レンズL10の像側の面の中心曲率半径をR18にしたときに、0.20≦(R17+R18)/(R17-R18)≦2.56の関係式が設立される。これによって、第10レンズL10の形状が規定されている。この関係式の範囲内にあれば、小型化が進むに従って、軸外画角の収差等の問題の補正に有利である。好ましくは、0.32≦(R17+R18)/(R17-R18)≦2.04の関係式が設立される。
【0072】
上記の第10レンズL10の軸上厚みをd19、上記の光学結像システム10の光学全長をTTLにしたときに、0.01≦d19/TTL≦0.04の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあれば、レンズの厚み及びレンズ全長を制御することに有利である。好ましくは、0.01≦d19/TTL≦0.03の関係式が設立される。
【0073】
本実施形態において、上記の第10レンズL10について、その物体側の面が近軸において凹面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、正の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第10レンズL10の物体側の面と像側の面の面型は、他の凹、凸の分布形態とされてもよい。
【0074】
本実施形態では、上記の光学結像システム10の焦点距離をf、上記の第11レンズL11の焦点距離をf11にしたときに、-2.67≦f11/f≦-0.37の関係式が設立され、屈折力を適切に配分することにより、システムとして、優れた結像品質及び低い感度を有する。好ましくは、-1.67≦f11/f≦-0.46の関係式が設立される。
【0075】
上記の第11レンズL11の物体側の面の中心曲率半径をR19、上記の第11レンズL11の像側の面の中心曲率半径をR20にしたときに、-8.92≦(R19+R20)/(R19-R20)≦-0.76の関係式が設立される。これによって、第11レンズL11の形状が規定されている。この関係式の範囲内にあれば、小型化が進むに従って、軸外画角の収差等の問題の補正に有利である。好ましくは、-5.58≦(R19+R20)/(R19-R20)≦-0.95の関係式が設立される。
【0076】
上記の第11レンズL11の軸上厚みをd21、上記の光学結像システム10の光学全長をTTLにしたときに、0.00≦d21/TTL≦0.01の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあれば、レンズの厚み及びレンズ全長を制御することに有利である。
【0077】
本実施形態において、上記の第11レンズL11について、その物体側の面が近軸において凹面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、負の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第11レンズL11の物体側の面と像側の面の面型は、他の凹、凸の分布形態とされてもよい。
【0078】
本実施形態では、上記の光学結像システム10の焦点距離をf、上記の第12レンズL12の焦点距離をf12にしたときに、0.26≦f12/f≦2.71の関係式が設立され、第12レンズL12が正の屈折力を有することが規定される。この下限の値を超えると、レンズの小型化に寄与するものの、第12レンズL12の正の屈折力が強くなりすぎて、収差などの問題を補正することが困難になる。一方、上限の値を超えると、第12レンズL12の正の屈折力が弱くなりすぎて、レンズ厚みの制御が困難になる。好ましくは、0.41≦f12/f≦2.17の関係式が設立される。
【0079】
上記の第12レンズL12の物体側の面の中心曲率半径をR21、上記の第12レンズL12の像側の面の中心曲率半径をR22にしたときに、0.31≦(R21+R22)/(R21-R22)≦3.92の関係式が設立される。第12レンズL12の形状が規定されている。この関係式の範囲内にあれば、小型化が進むに従って、軸外画角の収差等の問題の補正に有利である。好ましくは、0.50≦(R21+R22)/(R21-R22)≦3.13の関係式が設立される。
【0080】
上記の第12レンズL12の軸上厚みをd23、上記の光学結像システム10の光学全長をTTLにしたときに、0.01≦d23/TTL≦0.03の関係式が設立される。この関係式の範囲内にあれば、レンズの厚み及びレンズ全長を制御することに有利である。好ましくは、0.01≦d23/TTL≦0.02の関係式が設立される。
【0081】
上記の第12レンズL12は、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、像側の面が近軸において凸面に形成され、正の屈折力を有する。他の選択可能な実施形態では、第12レンズL12の物体側の面と像側の面の面型は、他の凹、凸の分布形態とされてもよい。
【0082】
光学結像システム10は、良好な光学性能を有するとともに、可変絞り、長焦点距離、小型化、小さい歪曲収差の設計要求を満たすことができる。この光学結像システム10の特性によれば、この光学結像システム10は、特に高画素の産業検出用のラインスキャンレンズに適用される。
【0083】
以下、実施例を用いて、本発明に係る光学結像システム10を説明する。各実施例に記載の符号は以下の通りである。焦点距離、軸上距離、中心曲率半径、軸上厚み、変曲点位置及び停留点位置の単位は、mmである。
【0084】
TTL:光学全長(第1レンズL1の物体側の面から像面Siまでの軸上距離)、単位はmmである。
【0085】
絞り値FNO:光学結像システムの有効焦点距離と入射瞳径の比。
【0086】
好ましくは、高品質な結像需要を満たすように、上記のレンズの物体側の面及び/又は像側の面に、変曲点及び/又は停留点がさらに設けられてもよい。具体的な実施案については、後述する。
【0087】
表1は、本発明の第1実施形態に係る光学結像システム10の設定データを示す。
【0088】
【表1】
【0089】
ここで、各符号の意味は、以下の通りである。
OBJ:物面
BS:発散プリズム
ST:絞り
Ln:第nレンズ
R:光学面の中心の中心曲率半径
R1:発散プリズムBSの物体側の面の中心曲率半径
R2:発散プリズムBSの像側の面の中心曲率半径
R3:第1レンズL1の物体側の面の中心曲率半径
R4:第1レンズL1と第2レンズL2との複合面の中心曲率半径
R5:第2レンズL2の像側の面の中心曲率半径
R6:第3レンズL3の物体側の面の中心曲率半径
R7:第3レンズL3と第4レンズL4との複合面の中心曲率半径
R8:第4レンズL4の像側の面の中心曲率半径
R9:第5レンズL5の物体側の面の中心曲率半径
R10:第5レンズL5と第6レンズL6との複合面の中心曲率半径
R11:第6レンズL6の像側の面の中心曲率半径
R12:第7レンズL7の物体側の面の中心曲率半径
R13:第7レンズL7と第8レンズL8との複合面の中心曲率半径
R14:第8レンズL8の像側の面の中心曲率半径
R15:第9レンズL9の物体側の面の中心曲率半径
R16:第9レンズL9の像側の面の中心曲率半径
R17:第10レンズL10の物体側の面の中心曲率半径
R18:第10レンズL10の像側の面の中心曲率半径
R19:第11レンズL11の物体側の面の中心曲率半径
R20:第11レンズL11の像側の面の中心曲率半径
R21:第12レンズL12の物体側の面の中心曲率半径
R22:第12レンズL12の像側の面の中心曲率半径
d:レンズの軸上厚み、レンズ間の軸上距離
dOBJ(WD):物面OBJから発散プリズムBSの物体側の面までの軸上距離
dBS:発散プリズムBSの軸上厚み
d0:発散プリズムの像側の面から第1レンズL1の物体側の面までの軸上距離
d1:第1レンズL1の軸上厚み
d3:第2レンズL2の軸上厚み
d4:第2レンズL2の像側の面から第3レンズL3の物体側の面までの軸上距離
d5:第3レンズL3の軸上厚み
d7:第4レンズL4の軸上厚み
d8:第4レンズL4の像側の面から第5レンズL5の物体側の面までの軸上距離
d9:第5レンズL5の軸上厚み
d11:第6レンズL6の軸上厚み
d12:第6レンズL6の像側の面から第7レンズL7の物体側の面までの軸上距離
d13:第7レンズL7の軸上厚み
d15:第8レンズL8の軸上厚み
d16:第8レンズL8の像側の面から絞りの物体側の面までの軸上距離
d17:第9レンズL9の軸上厚み
d18:第9レンズL9の像側の面から第10レンズL10の物体側の面までの軸上距離
d19:第10レンズL10の軸上厚み
d20:第10レンズL10の像側の面から第11レンズL11の物体側の面までの軸上距離
d21:第11レンズL11の軸上厚み
d22:第11レンズL11の像側の面から第12レンズL12の物体側の面までの軸上距離
d23:第12レンズL12の軸上厚み
d24:第12レンズL12の像側の面から像面Siまでの軸上距離
nd:d線の屈折率
ndBS:発散プリズムBSのd線の屈折率
nd1:第1レンズL1のd線の屈折率
nd2:第2レンズL2のd線の屈折率
nd3:第3レンズL3のd線の屈折率
nd4:第4レンズL4のd線の屈折率
nd5:第5レンズL5のd線の屈折率
nd6:第6レンズL6のd線の屈折率
nd7:第7レンズL7のd線の屈折率
nd8:第8レンズL8のd線の屈折率
nd9:第9レンズL9のd線の屈折率
nd10:第10レンズL10のd線の屈折率
nd11:第11レンズL11のd線の屈折率
nd12:第12レンズL12のd線の屈折率
vd:アッベ数
vBS:発散プリズムBSのアッベ数
v1:第1レンズL1のアッベ数
v2:第2レンズL2のアッベ数
v3:第3レンズL3のアッベ数
v4:第4レンズL4のアッベ数
v5:第5レンズL5のアッベ数
v6:第6レンズL6のアッベ数
v7:第7レンズL7のアッベ数
v8:第8レンズL8のアッベ数
v9:第9レンズL9のアッベ数
v10:第10レンズL10のアッベ数
v11:第11レンズL11のアッベ数
v12:第12レンズL12のアッベ数
【0090】
図2は、波長425nm、575nm及び675nmの光が第1実施形態に係る光学結像システム10を通った後の球面収差を示す図である。図3は、波長425nm、575nm及び675nmの光が第1実施形態に係る光学結像システム10を通った後の倍率色収差を示す図である。図4は、波長575nmの光が第1実施形態に係る光学結像システム10を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図であり、図4の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、子午方向の像面湾曲である。
【0091】
後記の表5には、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態及び比較実施形態の諸数値及び関係式で規定されたパラメータに対応する値を示す。
【0092】
表1に示されるように、第1実施形態は、各関係式を満たしている。
【0093】
本実施形態において、上記の光学結像システム10の入射瞳径ENPDが61.732mm及び33.469mmであり、全視野の像高IHが41.000mmであり、対角線方向の画角FOVが4.23°である。これにより、上記の光学結像システム10は、可変絞り、長焦点距離、小型化、小さい歪曲収差の設計要求を満たすことができ、その軸上、軸外の色収差が十分に補正されて、優れた光学特性を有する。
【0094】
(第2実施形態)
【0095】
第2実施形態は、第1実施形態とほぼ同じであり、符号の意味も第1実施形態と同様であるため、異なる点のみを以下に示す。
【0096】
本実施形態では、上記の第9レンズL9は、その像側の面が近軸において凸面に形成され、上記の第12レンズL12は、その物体側の面が近軸において凹面に形成される。
【0097】
図5に示されたのは、本発明の第2実施形態に係る光学結像システム20である。
【0098】
表2は、本発明の第2実施形態に係る光学結像システム20の設定データを示す。
【0099】
【表2】
【0100】
図6は、波長425nm、575nm及び675nmの光が第2実施形態に係る光学結像システム20を通った後の球面収差を示す図である。図7は、波長425nm、575nm及び675nmの光が第2実施形態に係る光学結像システム20を通った後の倍率色収差を示す図である。図8は、波長575nmの光が第2実施形態に係る光学結像システム20を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図であり、図8の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、子午方向の像面湾曲である。
【0101】
後記の表5には、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態及び比較実施形態の諸数値及び関係式で規定されたパラメータに対応する値を示す。
【0102】
表2に示されるように、第2実施形態は、各関係式を満たしている。
【0103】
本実施形態において、上記の光学結像システム20の入射瞳径ENPDが67.894mmと42.098mmであり、即ち可変絞りであり、測定時に被写界深度を変更することに用いられ、全視野の像高IHが41.000mmであり、対角線方向の画角FOVが6.74°である。これにより、上記の光学結像システム20は、可変絞り、長焦点距離、小型化の設計要件を満たすことができ、その軸上、軸外の色収差が十分に補正されて、優れた光学特性を有する。
【0104】
(第3実施形態)
【0105】
第3実施形態は、第1実施形態とほぼ同じであり、符号の意味も第1実施形態と同じであり、この第3実施形態に係る光学結像システム30の構造形態は図9を参照することができ、以下、異なる点のみを示す。
【0106】
本実施形態では、上記の第7レンズL7は、その像側の面が近軸において凸面に形成され、上記の第8レンズL8は、その物体側の面が近軸において凹面に形成され、第10レンズL10は、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、第12レンズL12は、その物体側の面が近軸において凹面に形成される。
【0107】
表3は、本発明の第3実施形態に係る光学結像システム30の設定データを示す。
【0108】
【表3】
【0109】
図10は、波長425nm、575nm及び675nmの光が第3実施形態に係る光学結像システム30を通った後の球面収差を示す図である。図11は、波長425nm、575nm及び675nmの光が第3実施形態に係る光学結像システム30を通った後の倍率色収差を示す図である。図12は、波長575nmの光が第3実施形態に係る光学結像システム30を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図であり、図12の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、子午方向の像面湾曲である。
【0110】
後記の表5には、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態及び比較実施形態の諸数値及び関係式で規定されたパラメータに対応する値を示す。
【0111】
表3に示されるように、第3実施形態は、各関係式を満たしている。
【0112】
本実施形態において、上記の光学結像システム30の入射瞳径ENPDが122.283mmと86.921mmであり、即ち可変絞りであり、測定時に被写界深度を変更することに用いられ、全視野の像高IHが41.000mmであり、対角線方向の画角FOVが3.29°である。これにより、上記の光学結像システム30は、可変絞り、長焦点距離、小型化の設計要件を満たすことができ、その軸上、軸外の色収差が十分に補正されて、優れた光学特性を有する。
【0113】
(第4実施形態)
【0114】
第4実施形態は、第1実施形態とほぼ同じであり、符号の意味も第1実施形態と同じであり、この第4実施形態に係る光学結像システム40の構造形態は図13を参照することができ、以下、異なる点のみを示す。
【0115】
本実施形態では、第1レンズL1は、その像側の面が近軸において凹面に形成され、第2レンズL2は、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、上記の第7レンズL7は、その像側の面が近軸において凸面に形成され、上記の第8レンズL8は、その物体側の面が近軸において凹面に形成され、第9レンズL9は、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、第10レンズL10は、その物体側の面が近軸において凸面に形成され、第12レンズL12は、その物体側の面が近軸において凹面に形成される。
【0116】
表4は、本発明の第4実施形態に係る光学結像システム40の設定データを示す。
【0117】
【表4】
【0118】
図14は、波長425nm、575nm及び675nmの光が第4実施形態に係る光学結像システム40を通った後の球面収差を示す図である。図15は、波長425nm、575nm及び675nmの光が第4実施形態に係る光学結像システム40を通った後の倍率色収差を示す図である。図16は、波長575nmの光が第4実施形態に係る光学結像システム40を通った後の像面湾曲及び歪曲収差を示す図であり、図16の像面湾曲Sは、サジタル方向の像面湾曲であり、Tは、子午方向の像面湾曲である。
【0119】
後記の表5には、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態及び比較実施形態の諸数値及び関係式で規定されたパラメータに対応する値を示す。
【0120】
表4に示されるように、第4実施形態は、各関係式を満たしている。
【0121】
本実施形態において、上記の光学結像システム40の入射瞳径ENPDが18.018mmと5.381mmであり、即ち可変絞りであり、測定時に被写界深度を変更することに用いられ、全視野の像高IHが41.000mmであり、対角線方向の画角FOVが3.60°である。これにより、上記の光学結像システム40は、可変絞り、長焦点距離、小型化の設計要件を満たすことができ、その軸上、軸外の色収差が十分に補正されて、優れた光学特性を有する。
【0122】
以下、上記の関係式ごとに本実施形態における各関係式に対応する数値を表5に示す。本実施形態の撮像光学システムは、上述した関係式を満足することが明らかである。
【0123】
【表5】
【0124】
上記の各実施形態は本発明を実現するための具体的な実施形態であるが、実際の応用において、本発明の主旨及び範囲から逸脱しない範囲での形式及び細部に対する各種の変更は、いずれも本発明の保護範囲に属することは、当業者であれば理解できるはずである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2024-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
光学結像システムであって、物体側から像側に向かって、順に、負の屈折力を有する第1レンズ、正の屈折力を有する第2レンズ、負の屈折力を有する第3レンズ、正の屈折力を有する第4レンズ、正の屈折力を有する第5レンズ、負の屈折力を有する第6レンズ、正の屈折力を有する第7レンズ、負の屈折力を有する第8レンズ、負の屈折力を有する第9レンズ、正の屈折力を有する第10レンズ、負の屈折力を有する第11レンズ、及び正の屈折力を有する第12レンズから構成され
ここで、前記光学結像システムの焦点距離をf、前記第10レンズ、前記第11レンズ及び前記第12レンズの合成焦点距離をf10-12、前記第7レンズ及び前記第8レンズの合成焦点距離をf7-8、前記第1レンズの軸上厚みをd1、前記第2レンズの軸上厚みをd3、前記第2レンズの像側の面から前記第3レンズの物体側の面までの軸上距離をd23’、前記第7レンズの軸上厚みをd13、前記第8レンズの軸上厚みをd15、前記第9レンズの軸上厚みをd17、前記第9レンズの像側の面から前記第10レンズの物体側の面までの軸上距離をd18にしたときに、以下の関係式を満たすことを特徴とする光学結像システム。
0.38≦f10-12/f≦0.90
-21.70≦f7-8/(d13+d15)≦-1.00
2.00≦d17/d18≦10.00
1.00≦(d1+d3)/d23’≦5.00