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特開2024-151291電気コネクタ、接続構造、及び電気コネクタの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151291
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】電気コネクタ、接続構造、及び電気コネクタの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6473 20110101AFI20241017BHJP
   H01R 13/22 20060101ALI20241017BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20241017BHJP
   A61B 1/04 20060101ALI20241017BHJP
   A61B 18/12 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
H01R13/6473
H01R13/22 Z
H01R43/00 B
A61B1/04 520
A61B18/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023208851
(22)【出願日】2023-12-11
(31)【優先権主張番号】P 2023064271
(32)【優先日】2023-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】長崎 泰介
(72)【発明者】
【氏名】井上 武
(72)【発明者】
【氏名】田村 充章
(72)【発明者】
【氏名】松田 龍男
【テーマコード(参考)】
4C160
4C161
5E021
5E051
【Fターム(参考)】
4C160KK02
4C160KK22
4C160KK70
4C161FF07
4C161SS01
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB01
5E021FB07
5E021FB08
5E021FB11
5E021FB30
5E021FC20
5E021FC23
5E021FC40
5E051BA06
5E051BB05
(57)【要約】
【課題】高周波特性インピーダンスの不整合を抑制可能な電気コネクタを提供すること。
【解決手段】電気コネクタは、前端と前端に対して第1方向において反対側に位置する後端とを含むフェルール本体、および、フェルール本体内において第1方向に沿って延在すると共に前端においてそれぞれが開口する複数の挿入孔を有するフェルールと、複数の挿入孔にそれぞれ保持される複数の電線と、を備える。複数の電線の各先端は、前端において複数の挿入孔それぞれから露出する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端と前記前端に対して第1方向において反対側に位置する後端とを含むフェルール本体、および、前記フェルール本体内において前記第1方向に沿って延在すると共に前記前端においてそれぞれが開口する複数の挿入孔を有するフェルールと、
前記複数の挿入孔にそれぞれ保持される複数の電線と、を備え、
前記複数の電線の各先端は、前記前端において複数の前記挿入孔それぞれから露出する、電気コネクタ。
【請求項2】
前記フェルール本体は、絶縁材料から形成されている、
請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記複数の挿入孔は、前記第1方向に交差する第2方向に沿って並列になるように前記フェルール本体内に形成されている、
請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記複数の挿入孔は、前記第1方向に交差する第2方向に沿って並列になるように形成される第1の複数の挿入孔と、前記第2方向に沿って並列であって且つ前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向において前記第1の複数の挿入孔と異なる位置に形成される第2の複数の挿入孔とを含む、
請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項5】
複数の光ファイバを更に備え、
前記第1の複数の挿入孔には、前記複数の電線がそれぞれ保持され、
前記第2の複数の挿入孔には、前記複数の光ファイバがそれぞれ保持される、
請求項4に記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記複数の電線の各先端は、前記前端において前記複数の挿入孔が開口する前端面と面一であるか又は前記前端面から外に突出している、
請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記複数の電線の各先端は、前記前端において前記複数の挿入孔のそれぞれの内側に位置している、
請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記複数の電線の各先端と、前記前端において前記複数の挿入孔が開口する前端面との間の距離は30μm以上600μm以下である、
請求項7に記載の電気コネクタ。
【請求項9】
前記複数の挿入孔のそれぞれは、前記前端において、前記複数の挿入孔が開口する前端面に向かって前記複数の挿入孔のそれぞれの内側から広がるテーパ部を含む、
請求項7に記載の電気コネクタ。
【請求項10】
前記複数の電線のうち少なくとも前記複数の挿入孔に保持されている先端部分は、前記第1方向に沿って均一な外径を有する、
請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項11】
前記複数の挿入孔は、前記第1方向と交差する断面において、円形状または長円形状を呈する、
請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項12】
前記複数の電線は、少なくとも前記後端から外に向かう領域において一体化されている、請求項1に記載の電気コネクタ。
【請求項13】
基板と、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の電気コネクタとを備え、
前記電気コネクタは、前記第1方向が前記基板の面方向に対して交差するように前記基板に取り付け可能である、接続構造。
【請求項14】
前記基板の表面に設けられ、前記複数の電線の各先端に対応する複数の接続端子を更に備え、
前記複数の電線は、各先端が前記複数の接続端子に電気的に接続するように、構成されている、
請求項13に記載の接続構造。
【請求項15】
前記基板の表面に設けられ、前記複数の電線のうち対応する電線にそれぞれ電気的に接続する複数の接続端子を更に備え、
前記複数の接続端子のそれぞれの先端は、前記複数の挿入孔のうち対応する挿入孔の内側に位置する、
請求項13に記載の接続構造。
【請求項16】
前記基板の面方向において前記複数の接続端子を取り囲むように設けられたフレームを更に備え、
前記フレームは、前記電気コネクタが前記基板に取り付けられた際に前記フェルール本体と嵌合する、
請求項14に記載の接続構造。
【請求項17】
前端と前記前端に対して第1方向において反対側に位置する後端とを含むフェルール本体、および、前記フェルール本体内において前記第1方向に沿って延在すると共に前記前端においてそれぞれが開口する複数の挿入孔を有するフェルールを準備する工程と、
複数の電線を準備する工程と、
前記複数の挿入孔に前記複数の電線をそれぞれ挿入する工程と、を備え、
前記複数の電線の各先端は、前記前端において前記複数の挿入孔それぞれから露出する、電気コネクタの製造方法。
【請求項18】
各先端が前記前端から外に延びるように前記複数の電線を前記複数の挿入孔に挿入した後に、前記複数の電線の各先端が前記前端において前記複数の挿入孔が開口する前端面と面一となるようにまたは前記前端面から外に所定距離突出するように、前記複数の電線の先端部分を切断又は研磨する工程を更に備える、
請求項17に記載の電気コネクタの製造方法。
【請求項19】
各先端が前記前端から外に延びるように前記複数の電線を前記複数の挿入孔に挿入した後に、前記複数の電線の各先端が前記前端において前記複数の挿入孔のそれぞれの内側に位置するように、前記複数の電線の先端部分を研磨する工程を更に備える、
請求項17に記載の電気コネクタの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気コネクタ、接続構造、及び電気コネクタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カードエッジ型の電気コネクタが開示されている。この電気コネクタは、第1ハウジング及び第2ハウジングを備えて構成されている。この電気コネクタでは、第2ハウジングに保持される複数の電線が、各ハウジング内に装填された複数の第1端子及び複数の第2端子を通して、相手方ユニットの複数の電極パッドに導通されるようになっている。特許文献2には、別の形態の電気コネクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-069166号公報
【特許文献2】特開2011-023329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された電気コネクタでは、各電線は、電線の形態(例えば外径や断面形状等)とは異なる第1端子及び第2端子を通して、相手方ユニットの複数の電極パッドに電気的に接続されている。このように導通経路において電線の形態と異なる部分が存在すると、各電線を各接続端子に接続させる部分又は構造の変化点において、高周波特性インピーダンスの不整合が発生してしまうことがある。
【0005】
本開示は、高周波特性インピーダンスの不整合を抑制可能な電気コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る電気コネクタは、前端と前端に対して第1方向において反対側に位置する後端とを含むフェルール本体、および、フェルール本体内において第1方向に沿って延在すると共に前端においてそれぞれが開口する複数の挿入孔を有するフェルールと、複数の挿入孔にそれぞれ保持される複数の電線と、を備える。この電気コネクタでは、複数の電線の各先端は、前端において複数の挿入孔それぞれから露出する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、高周波特性インピーダンスの不整合を抑制可能な電気コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係る接続構造を示す模式的な断面図である。
図2図2は、一実施形態に係る電気コネクタを示す斜視図である。
図3図3は、図2に示す電気コネクタにおいて一方の電線を挿入する前の状態を示す斜視図である。
図4図4は、図2に示す電気コネクタに用いられる電線の一例を示す断面図である。
図5図5は、一実施形態に係る電気コネクタの製造方法を示すフローチャートである。
図6図6は、従来の電気コネクタにおける接続構造の一例を示す模式的な斜視図である。
図7図7は、従来の電気コネクタにおける接続構造の別の例を示す模式的な斜視図である。
図8図8は、図2に示す電気コネクタの作用効果を説明するためのグラフである。
図9図9は、図2に示す電気コネクタの作用効果を説明するためのグラフである。
図10図10は、変形例に係る接続構造を示す模式的な断面図である。
図11図11の(a)部および(b)部は、図10に示す接続構造における領域Aの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
[1]一実施形態に係る電気コネクタは、前端と前端に対して第1方向において反対側に位置する後端とを含むフェルール本体、および、フェルール本体内において第1方向に沿って延在すると共に前端においてそれぞれが開口する複数の挿入孔を有するフェルールと、複数の挿入孔にそれぞれ保持される複数の電線と、を備える。この電気コネクタでは、複数の電線の各先端は、前端において複数の挿入孔それぞれから露出する。
【0010】
上記電気コネクタでは、複数の電線の各先端がフェルール本体の前端において複数の挿入孔それぞれからそのまま露出するようになっている。かかる構成によれば、電気コネクタのコンタクトの機能を各電線の先端で代用することが可能となる。これにより、電線の各先端と接続先の導体との間に他の導電部材を介在させることなく、導通を図ることができる。その結果、この電気コネクタによれば、高周波特性インピーダンスの不整合を生じさせることを抑制することができる。
【0011】
[2]一実施形態として、上記[1]の電気コネクタでは、フェルール本体は、絶縁材料から形成されてもよい。この場合、複数の電線が、電気コネクタが接続される部材に設けられた導体以外に導通することを防止できる。
【0012】
[3]一実施形態として、上記[1]又は[2]の電気コネクタでは、複数の挿入孔は、第1方向に交差する第2方向に沿って並列になるようにフェルール本体内に形成されてもよい。この場合、前端において、複数の電線をより高密度に配置することができる。
【0013】
[4]一実施形態として、上記[1]又は[2]の電気コネクタでは、複数の挿入孔は、第1方向に交差する第2方向に沿って並列になるように形成される第1の複数の挿入孔と、第2方向に沿って並列であって且つ第1方向及び第2方向に交差する第3方向において第1の複数の挿入孔と異なる位置に形成される第2の複数の挿入孔とを含んでもよい。この場合、前端において、複数の電線をより一層高密度に配置することができる。
【0014】
[5]一実施形態として、上記[4]の電気コネクタは、複数の光ファイバを更に備えてもよい。第1の複数の挿入孔には、複数の電線がそれぞれ保持されてもよく、第2の複数の挿入孔には、複数の光ファイバがそれぞれ保持されてもよい。この場合、複数の電線及び複数の光ファイバの両方を高密度に配置することができる。
【0015】
[6]一実施形態として、上記[1]から[5]のいずれかの電気コネクタでは、複数の電線の各先端は、前端において複数の挿入孔が開口する前端面と面一であるか又は前端面から外に突出してもよい。この場合、電気コネクタのコンタクトの機能を電線の先端で代用することをより確実に実現することができる。これにより、高周波特性インピーダンスの不整合をより確実に抑制することができる。
【0016】
[7]一実施形態として、上記[1]から[5]のいずれかの電気コネクタでは、複数の電線の各先端は、前端において複数の挿入孔のそれぞれの内側に位置してもよい。この場合、電気コネクタが第1方向において相手側の部材に結合する場合に、相手側の部材の複数の導体のそれぞれが、複数の電線のうち対応する電線を保持する挿入孔の内側に入り込むことが可能となる。これにより、電気コネクタを備える接続構造の第1方向における厚みを薄くすることができる。
【0017】
[8]一実施形態として、上記[7]の電気コネクタでは、複数の電線の各先端と、前端において複数の挿入孔が開口する前端面との間の距離は30μm以上600μm以下であってもよい。この場合、先端と前端面との間の距離が30μm以上であるので、電気コネクタを備える接続構造の第1方向における厚みをより薄くすることができる。また、先端と前端面との間の距離が600μm以下であるので、複数の電線の各先端を、各挿入孔に入り込んだ接続先の導体に対してより確実に接続することができる。
【0018】
[9]一実施形態として、上記[7]または[8]の電気コネクタでは、複数の挿入孔のそれぞれは、前端において、複数の挿入孔が開口する前端面に向かって複数の挿入孔のそれぞれの内側から広がるテーパ部を含んでもよい。この場合、相手側の部材に対して電気コネクタが第1方向において結合する場合に、挿入孔のテーパ部が、相手側の部材の複数の端子のうち対応する端子を挿入孔の内側に誘い込むことができる。これにより、第1方向に交差する方向において、複数の端子のうち対応する端子に対して、複数の電線の各先端の位置をより精度良く位置決めすることができる。
【0019】
[10]一実施形態として、上記[1]から[9]のいずれかの電気コネクタでは、複数の電線のうち少なくとも複数の挿入孔に保持されている先端部分は、第1方向に沿って均一な外径を有してもよい。この場合、電気コネクタを他の導体に接続させる先端部分における高周波特性インピーダンスの不整合をより確実に抑制することができる。
【0020】
[11]一実施形態として、上記[1]から[10]のいずれかの電気コネクタでは、複数の挿入孔は、第1方向と交差する断面において、円形状または長円形状を呈してもよい。
【0021】
[12]一実施形態として、上記[1]から[11]のいずれかの電気コネクタでは、複数の電線は、少なくとも後端から外に向かう領域において一体化されてもよい。この場合、フェルールの後端から外に延びる複数の電線の取り扱いが容易になる。また、この電気コネクタを製造する際に、複数の電線をフェルール内に挿入する作業が容易となり、前端において、複数の電線を高密度に配置する構成を簡易に実現することができる。
【0022】
[13]一実施形態に係る接続構造は、基板と、上記[1]から[12]のいずれか1つの電気コネクタとを備えている。この接続構造では、電気コネクタは、第1方向が基板の面方向に対して交差するように基板に取り付け可能であってもよい。この場合、基板に設けられた導体に複数の電線を電気的に接続する場合に、電気コネクタのコンタクトの機能を電線の先端で代用することが可能となる。これにより、電線の各先端と接続先の導体との間に他の導電部材を介在させることなく、導通を図ることができる。その結果、この接続構造によれば、高周波特性インピーダンスの不整合を生じさせることを抑制することができる。
【0023】
[14]一実施形態として、上記[13]の接続構造は、基板の表面に設けられ、複数の電線の各先端に対応する複数の接続端子を更に備えてもよい。複数の電線は、各先端が複数の接続端子に電気的に接続するように、構成されてもよい。この場合、複数の接続端子に複数の電線の各先端を電気的に接続する場合に、電気コネクタのコンタクトの機能を電線の先端で代用することが可能となる。
【0024】
[15]一実施形態として、上記[13]の接続構造は、基板の表面に設けられ、複数の電線のうち対応する電線にそれぞれ電気的に接続する複数の接続端子を備えてもよく、複数の接続端子のそれぞれの先端は、複数の挿入孔のうち対応する挿入孔の内側に位置してもよい。この場合、複数の電線の各先端を複数の接続端子に対してより確実に電気的に接続することができる。
【0025】
[16]一実施形態として、上記[14]または[15]の接続構造は、基板の面方向において複数の接続端子を取り囲むように設けられたフレームを更に備えてもよい。フレームは、電気コネクタが基板に取り付けられた際にフェルール本体と嵌合してもよい。この場合、電気コネクタが基板に取り付けられた際に、複数の電線の各先端が、複数の接続端子に対してより精度良く位置決めされる。これにより、高周波特性インピーダンスの不整合をより確実に抑制することが可能となる。
【0026】
[17]一実施形態に係る電気コネクタの製造方法は、前端と前端に対して第1方向において反対側に位置する後端とを含むフェルール本体、および、フェルール本体内において第1方向に沿って延在すると共に前端においてそれぞれが開口する複数の挿入孔を有するフェルールを準備する工程と、複数の電線を準備する工程と、複数の挿入孔に複数の電線をそれぞれ挿入する工程と、を備える。この製造方法では、複数の電線の各先端は、前端において複数の挿入孔それぞれから露出する。
【0027】
上記電気コネクタの製造方法によれば、電気コネクタにおいて、複数の電線の各先端は、前端において複数の挿入孔それぞれから露出する。かかる構成によれば、電気コネクタのコンタクトの機能を電線の先端で代用することが可能となる。これにより、高周波特性インピーダンスの不整合を抑制することが可能な電気コネクタを製造することができる。
【0028】
[18]一実施形態として、上記[17]の電気コネクタの製造方法は、各先端が前端から外に延びるように複数の電線を複数の挿入孔に挿入した後に、複数の電線の各先端が前端において複数の挿入孔が開口する前端面と面一となるように又は前端面から外に所定距離突出するように、複数の電線の先端部分を切断又は研磨する工程を更に備えてもよい。この場合、電気コネクタのコンタクトの機能を電線の先端で代用することをより簡易に実現することができる。これにより、高周波特性インピーダンスの不整合をより確実に抑制することができる電気コネクタを容易に製造することができる。
【0029】
[19]一実施形態として、上記[17]の電気コネクタの製造方法は、各先端が前端から外に延びるように複数の電線を複数の挿入孔に挿入した後に、複数の電線の各先端が前端において複数の挿入孔のそれぞれの内側に位置するように、複数の電線の先端部分を研磨する工程を更に備えてもよい。この場合、電気コネクタが第1方向において相手側の部材に結合した場合に、電気コネクタを備える接続構造の第1方向における厚みを薄くすることができる電気コネクタを容易に製造することができる。
【0030】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る電気コネクタ、接続構造、及び電気コネクタの製造方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0031】
図1は、一実施形態に係る接続構造を示す模式的な断面図である。図1に示されるように、接続構造100は、電気コネクタ1と、基板2と、相手側コネクタ3とを備える。電気コネクタ1は、相手側コネクタ3を介して基板2に取り付けられている。電気コネクタ1が基板2に取り付けられると、電気コネクタ1の複数の電線21が、相手側コネクタ3の複数の接続端子7にそれぞれ電気的に接続される。
【0032】
図2は、一実施形態に係る電気コネクタ1を示す斜視図である。図3は、電気コネクタ1の分解斜視図である。図2及び図3に示されるように、電気コネクタ1は、フェルール10と、複数のケーブル20とを備える。各ケーブル20は、所定の方向に配列された複数の電線21を含む。電気コネクタ1は、複数の電線21の各先端21aを複数の接続端子7に電気的に接続するためのコネクタである(図1参照)。以下、フェルール10の幅方向をX方向(第2方向)とし、フェルール10の高さ方向をY方向(第3方向)とし、X方向及びY方向に対して交差する方向をZ方向(第1方向)とする。
【0033】
フェルール10は、複数の電線21の各先端21aを、複数の接続端子7に電気的に接続させるための部材である。フェルール10は、フェルール本体30を有する。フェルール本体30は、例えば、略直方体状の外観を有する。フェルール本体30は、複数の電線21を内部に収納して保持する。フェルール本体30は、樹脂またはセラミクス等の絶縁材料により形成されている。
【0034】
フェルール本体30は、Z方向において並ぶ本体部31及び鍔部32を有する。鍔部32は、Z方向から見た場合に、本体部31よりも大きくなるように形成されている。本体部31は、前端面33を含む前端30aを有する。鍔部32は、後端面34を含む後端30bを有する。後端30bは、当該前端30aに対してZ方向における反対側に位置する。前端面33及び後端面34は、Z方向において並んでいる。前端面33及び後端面34は、X方向及びY方向に沿って延在している。
【0035】
本体部31は、Y方向に沿って並ぶ2つの第1側面35と、X方向に沿って並ぶ2つの第2側面36とを更に有する。2つの第1側面35は、X方向及びZ方向に沿って延在している。図1に示されるように、2つの第1側面35には、2つの凹部35aがそれぞれ設けられている(図1参照)。2つの第2側面36は、Y方向及びZ方向に沿って延在している。なお、図2及び図3では、凹部35aは省略している。
【0036】
図1に示されるように、フェルール10は、フェルール本体30内に設けられた凹部40を更に有する。凹部40は、フェルール本体30内において、X方向及びY方向に延在する底面41を有する。凹部40は、後端面34において開口する。凹部40は、フェルール本体30内において、Z方向に沿って延在する。
【0037】
図2及び図3に示されるように、フェルール10は、フェルール本体30の内部に設けられた複数の挿入孔50を更に有する。複数の挿入孔50は、複数の電線21をそれぞれ保持可能に構成されている。複数の挿入孔50は、フェルール本体30内においてZ方向に沿って延在する。複数の挿入孔50は、前端面33においてそれぞれ開口する。例えば、複数の挿入孔50は、Z方向に沿って凹部40の底面41から前端面33まで延在する貫通孔である(図1参照)。
【0038】
複数の挿入孔50は、X方向に沿って並列になるようにフェルール本体30内に形成されている。Z方向から見た断面において、挿入孔50同士の離間距離(中心間のピッチ)は、例えば0.2mm以上1.3mm以下であってもよいし、0.4mm以上0.8mm以下であってもよく、例えば0.6mmである。複数の挿入孔50は、例えば、フェルール本体30の内部において二次元状に配列されている。図2及び図3に示される例では、複数の挿入孔50は、第1の複数の挿入孔50Aと、第2の複数の挿入孔50Bとを有する。第2の複数の挿入孔50Bは、Y方向において第1の複数の挿入孔50Aと異なる位置に形成される。挿入孔50の内径は、後述する電線21の先端部分23の外径と同一であってもよいし、わずかに大きくてもよい。挿入孔50の内径は、後述のジャケット28などの構成物の全てあるいは一部を含む電線21の外径と同一であってもよい。挿入孔50の内径は、例えば0.3mmである。挿入孔50は、Z方向と交差する断面において、円形状を呈してもよいし、長円形状を呈してもよい。
【0039】
各複数のケーブル20は、複数の電線21と、保護部22とを有する。複数の電線21は、長手方向と交差する方向に沿って並列になるように配置されている。複数の電線21は、互いに絶縁されている。保護部22は、電線21の長手方向に沿って延在しており、複数の電線21を囲むように設けられている。複数の電線21は、保護部22から露出する先端部分23(コンダクタ)をそれぞれ有する。保護部22と先端部分23との境目は、例えば、凹部40に位置している。先端部分23は、挿入孔50内に位置している。X方向において並ぶ複数の電線21は、少なくとも後端30bから外に向かう領域において一体化されている。ケーブル20は、例えば、フレキシブルフラットケーブル(FFC)であってもよいし、2本の電線を有する眼鏡型コードであってもよい。
【0040】
図4は、電線21の一例を示す断面図である。電線21は、例えば同軸ケーブルである。電線21は、中心導体25と、中心導体を囲む絶縁層26と、絶縁層26を囲む編組シールド27と、編組シールド27を囲むジャケット28とを有する。中心導体25は、導電体であり、例えば銅を含む。中心導体25の外径は、例えば0.3mmである。絶縁層26は、絶縁体であり、例えばポリエチレンを含む。編組シールド27は、導電体であり、基準電位に電気的に接続されている。ジャケット28は、絶縁体であり、中心導体25、絶縁層26、編組シールド27を電線21の外部から保護している。
【0041】
複数の電線21の先端部分23は、複数の挿入孔50にそれぞれ保持される。複数の先端部分23は、前端面33において、X方向(第2方向)において配列されている。例えば、複数の先端部分23は、二次元アレイ状に固定されて配列されている。先端部分23は、Z方向に沿って均一な外径を有する。複数の先端部分23の各先端21aは、前端面33において、複数の挿入孔50のそれぞれから露出する。複数の先端部分23の各先端21aは、前端面33から外に突出してもよいし、前端面33と面一であってもよい。例えば、各先端21aは、先端部分23の外径以下の長さで前端面33から突出している。以上のように、複数の電線21は、各先端21aが複数の接続端子7に電気的に接続するように構成されている。例えば、各先端21aは、複数の電線21が複数の接続端子7に電気的に接続する際にコンダクタとなる。
【0042】
中心導体25は、電線21の長手方向に沿って電線21の末端部から先端21aまで延在している。絶縁層26、編組シールド27、及びジャケット28は、電線21の長手方向に沿って、電線21の末端部から保護部22と先端部分23との境目まで少なくとも延在している。よって、先端21aは、中心導体25によって構成されている。また、先端部分23は、中心導体25によって構成されてもよいし、絶縁層26、編組シールド27、及びジャケット28のうち少なくとも1つと、中心導体25とによって構成されてもよい。
【0043】
再び図1を参照する。基板2は、第1面(表面)2aと、第1面2aに対して反対側に位置する第2面2bとを有する。基板2は、例えば、ガラスエポキシ基板であってもよいし、セラミックス基板であってもよい。相手側コネクタ3は、基板2に設けられている。電気コネクタ1は、相手側コネクタ3を介して、Z方向が基板2の面方向D1に対して交差するように基板2に取り付け可能である。
【0044】
相手側コネクタ3は、接続部4と、フレーム5と、2つの支持部6とを有する。接続部4は、複数の接続端子7と、複数の接続端子7が設けられたプローブフレーム8とを有する。プローブフレーム8は、基板2の面方向D1に沿って延在しており、例えば板状を呈する。プローブフレーム8は、第3面8aと、第3面8aに対して反対側に位置する第4面8bとを有する。
【0045】
複数の接続端子7は、プローブフレーム8内に設けられている。複数の接続端子7は、プローブフレーム8によって互いに絶縁されている。複数の接続端子7は、基板2の第1面2a上(基板2の表面)に設けられている。複数の接続端子7は、基板2の面方向D1において配列されている。複数の接続端子7は、基板2の面方向D1と交差する垂直方向に沿ってプローブフレーム8の第3面8aから第4面8bまで延在する。複数の接続端子7は、複数の電線21の各先端21aに対応する。複数の接続端子7は、複数の電線21の先端部分23のそれぞれに電気的に接続可能に構成されている。複数の接続端子7は、垂直方向D2に沿って第4面8bから突出している。複数の接続端子7は、例えば針状を呈する。複数の接続端子7は、導電体であり、例えば、真鍮により形成される。接続端子7の外径は、先端部分23の外径と同一であり、例えば、0.3mmである。
【0046】
フレーム5は、基板2の面方向D1において複数の接続端子7を取り囲むように設けられている。フレーム5は、電気コネクタ1が基板2に取り付けられた際にフェルール本体30と嵌合する。フレーム5は、例えば、矩形枠状を呈する。フレーム5は、面方向D1において並ぶ2つの側壁5aを有する。2つの側壁5aの内面5bには、凸部5cがそれぞれ設けられている。
【0047】
2つの支持部6は、フレーム5を基板2に取り付け可能に構成されている。2つの支持部6は、基板2の垂直方向D2に沿って延在しており、例えば、棒状の部材である。支持部6は、基板2に固定されている。支持部6は、第1端6aと、第1端6aに対して垂直方向D2において反対側に位置する第2端6bとを有する。第1端6aは、フレーム5の下部に接続している。第1端6aは、基板2の第1面2aに位置している。支持部6は、基板2に設けられた貫通孔を通って基板2を貫通する。第2端6bは、基板2の第2面2bに位置している。
【0048】
本体部31がフレーム5の内側に挿入されると、2つの凸部5cが2つの凹部35aに嵌合されることによって、電気コネクタ1が相手側コネクタ3に固定される。同時に、複数の先端部分23は、複数の接続端子7にそれぞれ接触すると共に、複数の接続端子7を垂直方向D2に沿ってプローブフレーム8の内部にわずかに押し込む。このようにして、複数の先端部分23は、複数の接続端子7にそれぞれ電気的に接続する。
【0049】
次に、本実施形態に係る電気コネクタ1を製造する方法について説明する。図5は、電気コネクタ1の製造方法を示すフローチャートである。この製造方法では、まず、フェルール10を準備する(ステップS1)。続いて、複数の電線21を準備する(ステップS2)。ステップS1では、フェルール本体30と複数の挿入孔50とを有するフェルール10を一体成形により製造したものを準備する。例えば、フェルール10は、樹脂成形によって形成される。ステップS2では、複数の電線21の先端部分23が保護部22から露出する複数のケーブル20を準備する。
【0050】
続いて、複数の挿入孔50のそれぞれに複数の電線21を挿入する(ステップS3)。ステップS3では、複数の電線21の先端部分23を、複数の挿入孔50のそれぞれに挿入する。このとき、複数の電線21の各先端21aは、前端30aにおいて複数の挿入孔50それぞれから露出する。このように、各先端21aが前端30aから外に延びるように複数の電線21を複数の挿入孔50に挿入する。
【0051】
続いて、複数の電線21の先端部分23を切断又は研磨する(ステップS4)。続いて、複数の挿入孔50に複数の電線21をそれぞれ固定する(ステップS5)。ステップS4では、複数の電線21の各先端21aが前端30aにおいて複数の挿入孔50が開口する前端面33と面一となるようにまたは前端面33から外に所定距離突出するように、複数の電線21の先端部分23を切断又は研磨する。このとき、複数の先端部分23は、前端面33から飛び出した部分の長さが互いに同じになるように、切断又は研磨される。所定距離とは、例えば、先端部分23の外径以下であってもよい。このとき、フェルール本体(筐体)30の硬度を電線21の硬度よりも小さくすることで、フェルール本体(筐体)30の方が電線21よりも削れやすくなる。例えば、フェルール本体30を形成する材料は、樹脂である。このような場合、複数の電線21の先端部分23および前端面33を研磨する際に、研磨の条件を調整することによって、電線21の先端部分23の先端21aを前端面33より所定距離突出させることができる。ステップS5では、複数の電線21の先端部分23が、複数の挿入孔50のそれぞれに固定される。なお、ステップS5の電線の固定を行った後に、ステップS4の電線の先端部分の切断又は研磨を行ってもよい。以上のように、ステップS1~S5が実行されることによって、実施形態に係る電気コネクタ1が製造される。
【0052】
以下、本実施形態に係る電気コネクタ1、接続構造100、及び電気コネクタ1の製造方法の作用効果について,図6及び図7に示す従来の電気コネクタの場合と対比して、説明する。従来の電気コネクタでは、各電線は、端子及び電極パッド等のコンタクトを介して、基板に設けられた導体に電気的に接続される。図6は、カードエッジタイプの電気コネクタを示す模式的な斜視図である。このような、従来コネクタでは、電線21(コンダクタ)とコンタクトとの間において(コンダクタ-コンタクト接合部分において)、高周波特性インピーダンスの不整合が発生する。
【0053】
図6に示される例では、中心導体25は、コンタクトP1及び電極パッドP2を介して導体P3に接続される。コンタクトP1及び電極パッドP2は、電線21と異なる形状を有する。例えば、電線21、コンタクトP1、及び電極パッドP2は、互いに異なる外径、断面形状、及びグラウンドに対する位置を有する。電線21、コンタクトP1、及び電極パッドP2は、互いに異なる高周波特性インピーダンスを有する。
【0054】
図7は、コンタクトピンタイプの電気コネクタを示す模式的な斜視図である。図7に示される例では、中心導体25は、電極パッドP4及びコンタクトピンP5を介して基板の導体P3に接続される。例えば、電線21、電極パッドP4、及びコンタクトピンP5は、互いに異なる外径、断面形状、及びグラウンドに対する位置を有する。電線21、電極パッドP4、及びコンタクトピンP5は、互いに異なる高周波特性インピーダンスを有する。
【0055】
一方、本実施形態に係る電気コネクタ1によれば、複数の電線21の各先端21aは、前端30aにおいて複数の挿入孔50それぞれから露出する。かかる構成によれば、電気コネクタ1のコンタクトの機能を電線21の先端21aで代用することが可能となる。これにより、電線21の各先端21aと、各接続端子7との間に他の導電部材を介在させる必要が無くなる。その結果、電線21の各先端21aの外径及び断面形状と、各接続端子7の外径及び断面形状とをそれぞれ対応させることにより、電線21の各先端21aと各接続端子7との間において高周波特性インピーダンスを整合させることが可能となる。よって、高周波特性インピーダンスの不整合を抑制することが可能となる。また、電線21の各先端21aと、各接続端子7との間に他の導電部材を介在させる必要が無くなるので、電気コネクタ1のZ方向における厚みが薄くなり、電気コネクタ1を低背化することができる。
【0056】
図8は、接続構造100における挿入損失を示すグラフである。図9は、接続構造100におけるクロストークを示すグラフである。図8及び図9の横軸は、時間(秒)を示す。図8の縦軸は、挿入損失(dB)を示し、図9の縦軸は、電圧(mV)を示す。接続構造100では、電気コネクタ1のコンタクトの機能を電線21の先端21aで代用することが可能であるので、電線21の先端21aの外径と、接続端子7の外径とを対応させることが可能となる。この場合、図8及び図9に示されるように、挿入損失及びクロストークを示すグラフにおいて共振点の発生が抑制される。したがって、高周波特性インピーダンスの不整合を抑制することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態に係る電気コネクタ1では、フェルール本体30は、絶縁材料から形成されている。この場合、複数の電線21が、接続端子7以外に導通することを防止できる。
【0058】
また、本実施形態に係る電気コネクタ1では、複数の挿入孔50は、X方向に沿って並列になるようにフェルール本体30内に形成されてもよい。この場合、前端30aにおいて、複数の電線21をより高密度に配置することができる。
【0059】
また、本実施形態に係る電気コネクタ1では、複数の挿入孔50は、X方向に沿って並列になるように形成される第1の複数の挿入孔50Aと、X方向に沿って並列であって且つY方向において第1の複数の挿入孔50Aと異なる位置に形成される第2の複数の挿入孔50Bとを含む。この場合、前端30aにおいて、複数の電線21をより一層高密度に配置することができる。
【0060】
また、本実施形態に係る電気コネクタ1では、複数の電線21の各先端21aは、前端30aにおいて複数の挿入孔50が開口する前端面33と面一であるかあるいは前端面33から外に突出している。この場合、電気コネクタ1のコンタクトの機能を電線21の先端21aで代用することをより簡易に実現することができる。これにより、高周波特性インピーダンスの不整合を抑制することがより確実に可能となる。
【0061】
また、本実施形態に係る電気コネクタ1では、複数の電線21のうち少なくとも複数の挿入孔50に保持されている先端部分23は、Z方向に沿って均一な外径を有する。この場合、電線21の各先端21aの外径及び断面形状と、各接続端子7の外径及び断面形状とをそれぞれより確実に対応させることが可能となるので、電線21の各先端21aと各接続端子7との間において高周波特性インピーダンスをより確実に整合させることが可能となる。よって、高周波特性インピーダンスの不整合を抑制することがより一層確実に可能となる。
【0062】
複数の挿入孔50は、Z方向と交差する断面において、長円形状を呈してもよい。この場合、電線21の参照グランドとなる隣接グランド線を長円形状にすると共に、当該長円形状(楕円形状)の長径がX方向に対して垂直あるいは平行になる構造とすることが可能となる。これにより、電線21同士のクロストークを抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る電気コネクタ1では、複数の電線21は、少なくとも後端30bから外に向かう領域において一体化されている。この場合、この場合、フェルール10の後端30bから外に延びる複数の電線21の取り扱いが容易になる。また、この電気コネクタ1を製造する際に、複数の電線21をフェルール10内に挿入する作業が容易となり、前端30aにおいて、複数の電線21を高密度に配置する構成を簡易に実現することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る接続構造100は、基板2と、上述した電気コネクタ1とを備え、電気コネクタ1は、Z方向が基板2の面方向D1に対して交差するように基板2に取り付け可能である。この場合、複数の接続端子7のそれぞれに複数の電線21を電気的に接続する場合に、電気コネクタ1のコンタクトの機能を電線21の先端21aで代用することが可能となる。これにより、電線21の各先端21aと、各接続端子7との間に他の導電部材を介在させる必要が無くなる。その結果、電線21の各先端21aの外径及び断面形状と、各接続端子7の外径及び断面形状とをそれぞれ対応させることにより、電線21の各先端21aと各接続端子7との間において高周波特性インピーダンスを整合させることが可能となる。よって、高周波特性インピーダンスの不整合を抑制することが可能となる。また、電線21の各先端21aと、各接続端子7との間に他の導電部材を介在させる必要が無くなるので、接続構造100のZ方向における厚みが薄くなり、接続構造100を低背化することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る接続構造100は、基板2の第1面2aに設けられ、複数の電線21の各先端21aに対応する複数の接続端子7を更に備え、複数の電線21は、各先端21aが複数の接続端子7に電気的に接続するように、構成されている。この場合、複数の接続端子7に複数の電線21の各先端21aを電気的に接続する場合に、電気コネクタ1のコンタクトの機能を電線21の先端21aで代用することが可能となる。
【0066】
また、本実施形態に係る接続構造100では、基板2の面方向D1において複数の接続端子7を取り囲むように設けられたフレーム5を更に備え、フレーム5は、電気コネクタ1が基板2に取り付けられた際にフェルール本体30と嵌合する。この場合、電気コネクタ1が基板2に取り付けられた際に、複数の電線21の各先端21aが、複数の接続端子7に対してより精度良く位置決めされる。これにより、高周波特性インピーダンスの不整合を抑制することが可能となる。
【0067】
また、上記接続構造100では、フェルール本体30が複数の電線21の先端21aを保持すると共にフレーム5と嵌合する。これにより、複数の電線21の各先端21aの複数の接続端子7に対する位置を、保証することができる。
【0068】
また、本実施形態に係る電気コネクタ1の製造方法は、前端30aと前端30aに対してZ方向において反対側に位置する後端30bとを含むフェルール本体30、および、フェルール本体30内においてZ方向に沿って延在すると共に前端30aにおいてそれぞれが開口する複数の挿入孔50を有するフェルール10を準備する工程と、複数の電線21を準備する工程と、複数の挿入孔50に複数の電線21をそれぞれ挿入する工程と、を備える。この製造方法では、複数の電線21の各先端21aは、前端30aにおいて複数の挿入孔50それぞれから露出する。
【0069】
上記電気コネクタ1の製造方法によれば、電気コネクタ1において、複数の電線21の各先端21aは、前端30aにおいて複数の挿入孔50それぞれから露出する。かかる構成によれば、電気コネクタ1のコンタクトの機能を電線21の先端21aで代用することが可能となる。これにより、高周波特性インピーダンスの不整合を抑制することが可能な電気コネクタ1を製造することができる。
【0070】
また、本実施形態に係る電気コネクタ1の製造方法は、各先端21aが前端30aから外に延びるように複数の電線21を複数の挿入孔50に挿入した後に、複数の電線21の各先端21aが前端30aにおいて複数の挿入孔50が開口する前端面33と面一となるようにまたは前端面33から外に所定距離突出するように、複数の電線21の先端部分23を切断又は研磨する工程を更に備える。この場合、電気コネクタ1のコンタクトの機能を電線21の先端21aで代用することをより簡易に実現することができる。これにより、高周波特性インピーダンスの不整合を抑制することがより確実に可能な電気コネクタ1を製造することができる。また、電線21の各先端21aと、各接続端子7との間に他の導電部材を介在させる工程が不要であるので、低背化された電気コネクタ1を製造することができる。
【0071】
以上、本開示に係る電気コネクタ1、接続構造100、及び電気コネクタ1の製造方法について詳細に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な実施形態や変形例に適用することが可能である。具体的には、上記実施形態では、複数の先端部分23の各先端21aは、前端面33から外に突出するか、あるいは、前端面33と面一であったが、前端30aにおいて複数の挿入孔50のそれぞれの内側に位置してもよい。
【0072】
図10は、変形例に係る接続構造を示す断面図である。図10に示されるように、接続構造100Aは、上記実施形態と同様に、電気コネクタ101と、基板2と、相手側コネクタ103とを有する。電気コネクタ101は、フェルール110と、複数のケーブル20とを備える。フェルール110は、フェルール本体130および複数の挿入孔150を有する。
【0073】
フェルール本体130は、Z方向において並ぶ前端130aおよび後端130bを有する。前端130aは、X方向およびY方向に沿って延在する前端面133を含む。後端130bは、X方向およびY方向に沿って延在する後端面134を含む。フェルール本体130は、Y方向に沿って並ぶ2つの第1側面135と、X方向に沿って並ぶ2つの第2側面(不図示)とを有する。上記実施形態とは異なり、フェルール本体130は、一対の第1側面135にそれぞれ設けられた一対の腕部137を2つの凹部35aに代えて有する。
【0074】
複数の電線21の先端部分23は、複数の挿入孔150のそれぞれに保持される。保護部22の先端部分24は、複数の挿入孔150のそれぞれに保持される。複数の挿入孔150のそれぞれの内部に接着剤150aが充填されている。複数の電線21の先端部分23および保護部22の先端部分24は、例えば接着剤150aによって挿入孔150に固定される。複数の先端部分23の各先端21aは、前端面133において、複数の挿入孔150のそれぞれから露出するものの、前端130aにおいて複数の挿入孔150のそれぞれの内側に位置している。
【0075】
図11の(a)部および(b)部は、変形例に係る接続構造100Aにおける領域Aの拡大図である。図11の(a)部および(b)部に示されるように、各先端21aと前端面133との間の距離Lは、例えば、30μm以上600μm以下である。図11の(b)部に示されるように、複数の挿入孔150のそれぞれは、テーパ部151を有してもよい。テーパ部151は、前端130aにおいて、複数の挿入孔150のそれぞれの内側から前端面133に向かって広がる。テーパ部151の内面151aは、Z方向に対して30度以上45度以下で傾斜していてもよい。テーパ部151は、接着剤150aが研磨されることにより形成されているが、フェルール本体130が研磨されることにより形成されてもよい。
【0076】
相手側コネクタ103は、接続部104を有する。接続部104は、複数の接続端子107と、複数の接続端子107が設けられたプローブフレーム108とを有する。プローブフレーム108は、第3面108aと、第3面108aに対してZ方向において反対側に位置する第4面108bとを有する。
【0077】
複数の接続端子107は、基板2の第1面2aに設けられる。複数の接続端子107のそれぞれの末端107aは、例えば半田によって、基板2内の配線に電気的に接続する。複数の接続端子107は、複数の電線21のうち対応する電線21にそれぞれ電気的に接続する。複数の接続端子107のそれぞれの先端107bは、垂直方向D2に沿って電気コネクタ101に向かって第3面108aから突出している。各先端107bは、複数の挿入孔150のうち対応する挿入孔150の内側に位置する。変形例において、複数の接続端子107は、例えば、弾性変形可能な材料によって構成されており、一例としては、ピンコンタクトである。
【0078】
相手側コネクタ103は、一対の凸部109を更に有する。プローブフレーム108は、Y方向に沿って並ぶ一対の側面108cを有する。一対の側面108cは、X方向およびZ方向に沿って延在する。一対の凸部109は、一対の側面108cにそれぞれ設けられている。電気コネクタ101が相手側コネクタ103に取り付けられた場合、一対の腕部137は、Z方向に沿って、一対の第1側面135をY方向において挟む位置からプローブフレーム108をY方向において挟む位置まで延在し、一対の凸部109にそれぞれ係合する。これにより、電気コネクタ101が相手側コネクタ103に固定される。
【0079】
次に、図5を参照して、変形例に係る電気コネクタ101を製造する方法について説明する。変形例では、上記実施形態とは異なり、ステップS5が実行されず、その代わりとしてステップS5において実行された工程がステップS4において実行される。具体的には、まず、フェルール10を準備する(ステップS1)。続いて、複数の電線21を準備する(ステップS2)。続いて、複数の挿入孔50のそれぞれに複数の電線21を挿入する(ステップS3)。続いて、複数の電線21の先端部分23を研磨する(ステップS4)。
【0080】
具体的には、変形例におけるステップS3,S4では、複数の電線21の先端部分23を研磨するか、あるいは、複数の電線21の先端部分23を切断した後に研磨する。より詳細には、各先端21aが前端130aから外に延びるように複数の電線21を複数の挿入孔150に挿入する(ステップS3)。続いて、例えば接着剤150aによって、複数の挿入孔150に複数の電線21をそれぞれ固定する(ステップS4)。このとき、電線21の先端部分23の前端面133からの突出長さが電線21ごとにばらついているので、電気コネクタ101を相手側コネクタ103に接続した際に、電気コネクタ101が相手側コネクタ103に安定して物理的に接触することができない。
【0081】
続いて、複数の電線21の各先端21aが前端130aにおいて複数の挿入孔150のそれぞれの内側に位置するように、複数の電線21の先端部分23を研磨する(ステップS4)。このとき、複数の先端部分23は、先端21aと前端面133との距離が互いに同じになるように、研磨される。このとき、電線21の硬度をフェルール本体(筐体)130の硬度よりも小さくすることで、電線21の方がフェルール本体(筐体)130よりも削れやすくなる。例えば、フェルール本体130を形成する材料は、ジルコニア等のセラミクスである。このような場合、複数の電線21の先端部分23および前端面133を研磨する際に、研磨の条件を調整することによって、各先端21aと前端面133との間の距離Lを所定距離とすることができる。電線21の先端部分23の先端21aがフェルール本体130の前端面133より奥まった位置に設けられる。また、研磨によって、前端面133および各先端21aが整えられるので、前端面133および各先端21aの先端面の平坦度を高めることができる。したがって、電気コネクタ101が相手側コネクタ103と安定して物理的に接触することができる。
【0082】
なお、ステップS3において、複数の電線21の各先端21aが前端130aにおいて複数の挿入孔150のそれぞれの内側に位置するように、複数の電線21をフェルール本体130に挿入してもよい。この場合、複数の電線21の各先端21aが、Z方向における各先端21aの位置が揃った状態で複数の挿入孔150のそれぞれの内側に位置するように、複数の電線21をフェルール本体130に挿入してもよい(ステップS3)。続いて、例えば接着剤150aによって、複数の挿入孔150に複数の電線21をそれぞれ固定してもよい(ステップS4)。最後に、各先端21aと前端面133との間の距離Lが所定距離となるように、前端面133を研磨してZ方向における前端面133の位置を調整してもよい。
【0083】
以上のように、ステップS1~S4が実行されることによって、実施形態に係る電気コネクタ101が製造される。
【0084】
変形例に係る電気コネクタ101では、上記実施形態と同様に、高周波特性インピーダンスの不整合を抑制することが可能となる。また、電気コネクタ101を低背化することができる。
【0085】
また、変形例に係る電気コネクタ101では、複数の電線21の各先端21aは、前端130aにおいて複数の挿入孔150のそれぞれの内側に位置している。この場合、電気コネクタ101がZ方向において相手側コネクタ103に結合する場合に、相手側コネクタ103の複数の接続端子107のそれぞれが、複数の電線21のうち対応する電線21を保持する挿入孔150の内側に入り込むことが可能となる。これにより、電気コネクタ101を備える接続構造100AのZ方向における厚みを薄くすることができる。その結果、相手側コネクタ103の接続端子107が、例えば弾性変形可能な材料によって構成されている場合に、複数の接続端子107を設けるためのスペースをZ方向において長めに確保することができる。よって、接続端子107の変位量を多めに設定することができ、各先端21aと接続端子107とをより一層安定して電気的に接続することができる。
【0086】
また、変形例に係る電気コネクタ101では、複数の電線21の各先端21aと、前端130aにおいて複数の挿入孔150が開口する前端面133との間の距離は30μm以上600μm以下である。この場合、先端21aと前端面133との間の距離が30μm以上であるので、電気コネクタ101を備える接続構造100AのZ方向における厚みをより薄くすることができる。また、先端21aと前端面133との間の距離が600μm以下であるので、複数の電線21の各先端21aを、各挿入孔150に入り込んだ接続端子107に対してより確実に接続することができる。
【0087】
また、変形例に係る電気コネクタ101では、複数の挿入孔150のそれぞれは、前端130aにおいて、複数の挿入孔150が開口する前端面133に向かって複数の挿入孔150のそれぞれの内側から広がるテーパ部151を含む。この場合、相手側コネクタ103に対して電気コネクタ101がZ方向において結合する場合に、挿入孔150のテーパ部151が、相手側コネクタ103の複数の接続端子107のうち対応する接続端子107を挿入孔150の内側に誘い込むことができる。これにより、X方向およびY方向において、複数の接続端子107のうち対応する接続端子107に対して、複数の電線21の各先端21aの位置をより精度良く位置決めすることができる。
【0088】
変形例に係る接続構造100Aでは、上記実施形態と同様に、高周波特性インピーダンスの不整合を抑制することが可能となる。また、接続構造100Aを低背化することができる。
【0089】
また、変形例に係る接続構造100Aでは、基板2の第1面2aに設けられ、複数の電線21のうち対応する電線21に電気的に接続する複数の接続端子107を備える。複数の接続端子107のそれぞれの先端107bは、複数の挿入孔150のうち対応する挿入孔150の内側に位置している。例えば、複数の接続端子107のそれぞれの先端107bは、プローブフレーム108の第3面108aからZ方向に沿って突出している。この場合、複数の電線21の各先端21aを複数の接続端子107に対してより確実に電気的に接続することができる。
【0090】
変形例に係る電気コネクタ101の製造方法では、上記実施形態と同様に、高周波特性インピーダンスの不整合を抑制することが可能となる電気コネクタ101を製造することができる。また、低背化された電気コネクタ101を製造することができる。
【0091】
また、変形例に係る電気コネクタ101の製造方法では、各先端21aが前端130aから外に延びるように複数の電線21を複数の挿入孔150に挿入した後に、複数の電線21の各先端21aが前端130aにおいて複数の挿入孔150のそれぞれの内側に位置するように、複数の電線21の先端部分23を研磨する工程を備える。この場合、電気コネクタ101がZ方向において相手側コネクタ103に結合した場合に、電気コネクタ101を備える接続構造100AのZ方向における厚みを薄くすることができる電気コネクタ101を容易に製造することができる。
【0092】
上記実施形態および変形例では、電気コネクタ1は、複数の光ファイバを更に備え、第1の複数の挿入孔50Aには、複数の電線21がそれぞれ保持され、第2の複数の挿入孔50Bには、複数の光ファイバがそれぞれ保持されてもよい。電気コネクタ101は、電気コネクタ1と同様に、複数の光ファイバを備えてもよい。よって、電気コネクタ1,101は、光電気複合アレイコネクタであってもよい。この場合、複数の電線21及び複数の光ファイバの両方をより高密度且つより高精度に配置することができる。
【0093】
上記実施形態では、接続構造100は、電気コネクタ1と、相手側コネクタ3とを有していればよい。変形例では、接続構造100Aは、電気コネクタ101と、相手側コネクタ103とを有していればよい。具体的には、接続構造100,100Aは、基板2を有していなくてもよい。この場合、相手側コネクタ3,103の各接続端子7,107には、複数の電線21とは別の複数の電線がそれぞれ電気的に接続されていてもよい。このような、接続構造100,100Aでは、各電線21の先端21aが、他の複数の電線にそれぞれ電気的に接続される。
【0094】
上記実施形態および変形例では、電線21は、例えば、同軸ケーブルであったが、長手方向に延在する導体を有するケーブルであればよい。例えば、電線21は、ツインアクシャルケーブル(Twinaxケーブル)であってもよいし、上記以外のその他のケーブルであってもよい。よって、電気コネクタ1,101は、マイクロCoax二次元アレイコネクタであってもよいし、マイクロTwinax二次元アレイコネクタであってもよい。
【0095】
上記実施形態および変形例では、各ケーブル20は、X方向において並ぶ複数の電線21を有していたが、これに限定されない。例えば、ケーブル20が、X方向及びY方向において並ぶ複数の電線21を有してもよい。よって、電気コネクタ1,101は、FFC二次元配列コネクタであってもよい。
【0096】
上記実施形態および変形例では、Z方向から見た断面において、挿入孔50,150同士の離間距離(ピッチ)は上記に限定されない。例えば、挿入孔50,150同士の離間距離は、0.12mmであってもよい。この場合、先端部分23の外径は、35μmであってもよい。このような電気コネクタ1,101は、10芯から20芯程度の電線21を保持するコネクタであり、例えば内視鏡又はカテーテルに用いられる。
【0097】
上記実施形態では、電気コネクタ1は、接続構造100に用いられたが、これに限定されない。変形例では、電気コネクタ101は、接続構造100Aに用いられたが、これに限定されない。例えば、電気コネクタ1,101は、インラインコネクタであってもよいし、現地において作業者が作製可能なコネクタである現地付けコネクタであってもよいし、上記以外のその他の目的に用いられるコネクタであってもよい。
【符号の説明】
【0098】
1,101…電気コネクタ
2…基板
2a…第1面
2b…第2面
3,103…相手側コネクタ
4,104…接続部
5…フレーム
5a…側壁
5b…内面
5c…凸部
6…支持部
6a…第1端
6b…第2端
7,107…接続端子
8,108…プローブフレーム
8a,108a…第3面
8b,108b…第4面
10,110…フェルール
20…ケーブル
21…電線
21a…先端
22…保護部
23…先端部分
24…先端部分
25…中心導体
26…絶縁層
27…編組シールド
28…ジャケット
30,130…フェルール本体
30a,130a…前端
30b,130b…後端
31…本体部
32…鍔部
33,133…前端面
34,134…後端面
35,135…第1側面
35a…凹部
36…第2側面
40…凹部
41…底面
50,150…挿入孔
50A…挿入孔
50B…挿入孔
100,100A…接続構造
107a…末端
107b…先端
108c…側面
109…凸部
137…腕部
150a…接着剤
151…テーパ部
151a…内面
A…領域
D1…面方向
D2…垂直方向
P1…コンタクト
P2…電極パッド
P3…導体
P4…電極パッド
P5…コンタクトピン
L…距離

図1
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