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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151301
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】関節モジュール及び関節ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 17/00 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
B25J17/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024010532
(22)【出願日】2024-01-26
(31)【優先権主張番号】202310379866.7
(32)【優先日】2023-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】524036907
【氏名又は名称】深▲セン▼市大族机器人有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Han’s Robot Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】6th Floor, Building 3, Intelligent Manufacturing Industry Base, No.12, Chongqing Road, Heping Community, Fuhai Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】肖智勇
(72)【発明者】
【氏名】邵茂峰
(72)【発明者】
【氏名】張国平
(72)【発明者】
【氏名】王光能
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS09
3C707CX01
3C707CX03
3C707HS27
3C707KV01
3C707KW07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】取り付け効率の高いエンコーダユニットを提供する。
【解決手段】関節モジュールは、中空軸100、減速機ユニット200、モータユニット300、及びエンコーダユニット400を含み、中空軸は、第1端及び第2端を有し、減速機ユニットは中空軸に外嵌され、モータユニットは中空軸に外嵌され、モータユニットの動力出力端は減速機ユニットを介して第1端に接続され、エンコーダユニットは、エンコーダ取付ベース、外輪、中輪、内輪、入力エンコーダディスク、出力エンコーダディスク、及びエンコーダリードヘッドを含み、内輪は、第2端に外嵌されて接続され、中輪は、内輪に外嵌されて回転可能に嵌合され、外輪は、中輪に外嵌されて回転可能に嵌合され、外輪は、モータユニットに接続され、出力エンコーダディスクは内輪に設けられ、入力エンコーダディスクは中輪に設けられ、エンコーダリードヘッドはエンコーダ取付ベースに取り付けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節モジュールであって、
自体の軸方向に沿って対向配置されている第1端及び第2端を有する中空軸(100)と、
前記中空軸(100)に外嵌される減速機ユニット(200)と、
前記中空軸(100)に外嵌され、動力出力端が前記減速機ユニット(200)を介して前記第1端に接続されるモータユニット(300)と、
エンコーダ取付ベース(410)、外輪(420)、中輪(430)、内輪(440)、入力エンコーダディスク(450)、出力エンコーダディスク(460)、及びエンコーダリードヘッド(470)を含み、前記内輪(440)は、前記第2端に外嵌されて接続され、前記動力出力端に接続される前記中輪(430)は、前記内輪(440)に外嵌されて回転可能に嵌合され、前記外輪(420)は、前記中輪(430)に外嵌されて回転可能に嵌合され、前記外輪(420)は、前記エンコーダ取付ベース(410)を介して前記モータユニット(300)に接続され、前記出力エンコーダディスク(460)は、前記内輪(440)に設けられ、前記入力エンコーダディスク(450)は、前記中輪(430)に設けられ、前記エンコーダリードヘッド(470)は、前記エンコーダ取付ベース(410)に取り付けられるエンコーダユニット(400)と、を含む、ことを特徴とする関節モジュール。
【請求項2】
前記エンコーダユニット(400)は、前記内輪(440)と前記中輪(430)との間に設けられる第1転動体(480)をさらに含み、前記内輪(440)は、前記第1転動体(480)を介して前記中輪(430)に回転可能に嵌合される、ことを特徴とする請求項1に記載の関節モジュール。
【請求項3】
前記内輪(440)には、前記第1転動体(480)を収納するための第1転動路(443)が設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の関節モジュール。
【請求項4】
前記内輪(440)は、前記中空軸(100)の軸方向に沿って並んでいる第1接続部(441)及び第2接続部(442)を含み、前記第1接続部(441)は、前記第2接続部(442)よりも前記モータユニット(300)に近い側に位置し、前記第1接続部(441)及び前記第2接続部(442)は環状であり、前記第1接続部(441)の径方向寸法は、前記第2接続部(442)の径方向寸法よりも大きく、前記第1接続部(441)の外周面には前記第1転動路(443)が設けられ、前記第1接続部(441)は、前記第2接続部(442)に接続される第1端面(447)を有し、
前記第1端面(447)には、前記軸方向に延びる第1取付フランジ(444)が設けられており、前記出力エンコーダディスク(460)は、前記第1取付フランジ(444)に外嵌され、かつ、前記出力エンコーダディスク(460)の側壁が前記第1端面(447)に密着する、ことを特徴とする請求項3に記載の関節モジュール。
【請求項5】
前記中輪(430)は、環状であり、前記モータユニット(300)側とは反対側の第2端面(435)を有し、前記第2端面(435)には、前記軸方向に沿って前記モータユニット(300)に近い側へ延びる収納キャビティ(431)が設けられ、前記第1接続部(441)は前記収納キャビティ(431)内に設けられ、前記収納キャビティ(431)の内壁には、前記第1転動体(480)を収納するための第2転動路(432)が設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の関節モジュール。
【請求項6】
前記エンコーダユニット(400)のうち前記モータユニット(300)側とは反対側に位置するリアカバー(500)をさらに含み、前記リアカバー(500)は、前記第2接続部(442)に外嵌され、かつ、前記エンコーダ取付ベース(410)に接続され、
前記リアカバー(500)と前記第2接続部(442)との間には接続部材(510)が設けられ、前記リアカバー(500)は、前記接続部材(510)を介して前記第2接続部(442)に回転可能に嵌合される、ことを特徴とする請求項4に記載の関節モジュール。
【請求項7】
前記エンコーダユニット(400)は、前記中輪(430)と前記外輪(420)との間に設けられる第2転動体(490)をさらに含み、前記中輪(430)は、前記第2転動体(490)を介して前記外輪(420)に回転可能に嵌合される、ことを特徴とする請求項1に記載の関節モジュール。
【請求項8】
前記中輪(430)には、その周方向に延びる、前記第2転動体(490)を収納するための第3転動路(434)が設けられており、及び/又は、
前記外輪(420)には、その周方向に延びる、前記第2転動体(490)を収納するための第4転動路(421)が設けられている、ことを特徴とする請求項7に記載の関節モジュール。
【請求項9】
前記中輪(430)は、環状であり、前記モータユニット(300)側とは反対側の第2端面(435)を有し、前記第2端面(435)には、前記軸方向に延びる第2取付フランジ(436)が設けられ、前記入力エンコーダディスク(450)は、前記第2取付フランジ(436)に外嵌され、かつ、前記入力エンコーダディスク(450)の側壁が前記第2端面(435)に密着する、ことを特徴とする請求項1に記載の関節モジュール。
【請求項10】
ハウジングと、前記ハウジングに取り付けられる、請求項1~9のいずれか1項に記載の関節モジュールと、を含む、ことを特徴とする関節ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ロボットの技術分野に関し、特に、関節モジュール及び関節ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
産業用オートメーション技術の急速な発展に伴い、関節ロボットは、重要な産業用オートメーション設備としてますます重要視され、ますます広く応用されている。関節ロボットでは、各自由度の動作がいずれも各関節での関節モジュールにより実現され、ここで、関節モジュールは、モータユニット、エンコーダユニット、減速機ユニットなどのコア部品を一体化した一体化構造である。関連技術では、エンコーダユニットの部品点数が多く、取り付けの際には、複数の部品を順次取り付けていく必要があり、取り付け手順が煩雑であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上に鑑みて、エンコーダユニットの部品点数が多く、取り付け手順が煩雑であるという課題に対して、関節モジュールを提供することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
関節モジュールであって、
自体の軸方向に沿って対向配置されている第1端及び第2端を有する中空軸と、
前記中空軸に外嵌される減速機ユニットと、
前記中空軸に外嵌され、動力出力端が前記減速機ユニットを介して前記第1端に接続されるモータユニットと、
エンコーダ取付ベース、外輪、中輪、内輪、入力エンコーダディスク、出力エンコーダディスク、及びエンコーダリードヘッドを含み、前記内輪は、前記第2端に外嵌されて接続され、前記動力出力端に接続される前記中輪は、前記内輪に外嵌されて回転可能に嵌合され、前記外輪は、前記中輪に外嵌されて回転可能に嵌合され、前記外輪は、前記エンコーダ取付ベースを介して前記モータユニットに接続され、前記出力エンコーダディスクは、前記内輪に設けられ、前記入力エンコーダディスクは、前記中輪に設けられ、前記エンコーダリードヘッドは、前記エンコーダ取付ベースに取り付けられるエンコーダユニットと、を含む。
【0005】
一実施例では、前記エンコーダユニットは、前記内輪と前記中輪との間に設けられる第1転動体をさらに含み、前記内輪は、前記第1転動体を介して前記中輪に回転可能に嵌合される。
【0006】
一実施例では、前記内輪には、前記第1転動体を収納するための第1転動路が設けられている。
【0007】
一実施例では、前記内輪は、前記中空軸の軸方向に沿って並んでいる第1接続部及び第2接続部を含み、前記第1接続部は、前記第2接続部よりも前記モータユニットに近い側に位置し、前記第1接続部及び前記第2接続部は環状であり、前記第1接続部の径方向寸法は、前記第2接続部の径方向寸法よりも大きく、前記第1接続部の外周面には前記第1転動路が設けられ、前記第1接続部は、前記第2接続部に接続されている第1端面を有し、
前記第1端面には、前記軸方向に延びる第1取付フランジが設けられ、前記出力エンコーダディスクは、前記第1取付フランジに外嵌され、かつ、前記出力エンコーダディスクの側壁が前記第1端面に密着する。
【0008】
一実施例では、前記中輪は、環状であり、前記モータユニット側とは反対側の第2端面を有し、前記第2端面には、前記軸方向に沿って前記モータユニットに近い側へ延びる収納キャビティが設けられており、前記第1接続部は前記収納キャビティ内に設けられ、前記収納キャビティの内壁には、前記第1転動体を収納するための第2転動路が設けられている。
【0009】
一実施例では、前記エンコーダユニットのうち前記モータユニット側とは反対側に位置するリアカバーをさらに含み、前記リアカバーは、前記第2接続部に外嵌され、かつ、前記エンコーダ取付ベースに接続され、
前記リアカバーと前記第2接続部との間に接続部材が設けられ、前記リアカバーは、前記接続部材を介して前記第2接続部に回転可能に嵌合される。
【0010】
一実施例では、前記エンコーダユニットは、前記中輪と前記外輪との間に設けられている第2転動体をさらに含み、前記中輪は、前記第2転動体を介して前記外輪に回転可能に嵌合される。
【0011】
一実施例では、前記中輪には、その周方向に延びる、前記第2転動体を収納するための第3転動路が設けられており、及び/又は、
前記外輪には、その周方向に延びる、前記第2転動体を収納するための第4転動路が設けられている。
【0012】
一実施例では、前記中輪は、環状であり、前記モータユニット側とは反対側の第2端面を有し、前記第2端面には、前記軸方向に延びる第2取付フランジが設けられており、前記入力エンコーダディスクは、前記第2取付フランジに外嵌され、かつ、前記入力エンコーダディスクの側壁が前記第2端面に密着する。
【0013】
本願はまた、ハウジングと、前記ハウジングに取り付けられる前記関節モジュールと、を含む、関節ロボットを提供する。
【発明の効果】
【0014】
上記の関節モジュールにおいては、減速機ユニット及びモータユニットはいずれも中空軸に外嵌され、また、モータユニットは、減速機ユニットに接続されて、その動力出力端が減速機ユニットを介して中空軸の第1端に接続され、すなわち、モータユニットの動力出力端から出力された動力が減速機ユニットで減速されてから、中空軸を回転駆動する。エンコーダユニットの内輪は、中空軸の第2端に外嵌され、すなわち、モータユニットの動力出力端から出力された動力が減速機ユニットで減速されてから、中空軸及び内輪を回転駆動し、かつ、内輪に取り付けられた出力エンコーダディスクを回転駆動し、それにより、出力エンコーダディスクによって、中空軸の回転角度が検出され、中空軸の回転数が記録される。中輪は、内輪に外嵌され、外輪は、中輪に外嵌され、エンコーダ取付ベースを介してモータユニットに接続され、中輪は、動力出力端に接続され、このように、動力出力端で中輪を回転駆動し、中輪に取り付けられた入力エンコーダディスクも回転駆動させ、それにより、入力エンコーダディスクによって、モータユニットの動力出力端の回転角度が検出され、動力出力端の回転数が記録される。また、動力出力端で中輪を回転駆動する動力は減速機で減速されておらず、つまり、中輪の回転速度は、必ず内輪の回転速度よりも速い。エンコーダリードヘッドによって出力エンコーダディスクのデータを読み取ると、中空軸の回転角度及び回転数が読み取られ、エンコーダリードヘッドによって入力エンコーダディスクのデータを読み取ると、動力出力端の回転角度及び回転数が読み取られる。本願に係る関節モジュールでは、エンコーダユニットにおける内輪、中輪、外輪、入力エンコーダディスク、出力エンコーダディスク、及びエンコーダリードヘッドの取り付けについて、関連部品の出荷時に一括で組み立ててもよく、エンコーダユニット及び関節モジュールの他の部材を組み立てる際には、内輪を中空軸の第2端に外嵌して接続し、エンコーダ取付ベースをモータユニットに接続し、さらに、中輪をモータユニットの動力出力端に接続すればよく、それにより、エンコーダユニットの取り付け手順を削減し、取り付け効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本願の実施例による関節モジュールの断面図である。
図2】本願の実施例によるエンコーダユニットの断面図である。
図3】本願の実施例によるエンコーダユニットの内輪、中輪、及び外輪の断面図である。
図4】本願の実施例による内輪の構造概略図である。
図5】本願の実施例による中輪の構造概略図である。
図6】本願の実施例による外輪の構造概略図である。
図7】本願の実施例によるリアカバーの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本願の上記目的、特徴、及び利点をより明確でわかりやすくするために、以下、本願の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本願の十分な理解を容易にするために、以下の説明では、多くの具体的な詳細が説明される。しかしながら、本願は、本明細書に記載されたものとは異なる多くの他の形態で実施することができ、当業者は、本願の趣旨に反しない限り、同様の改良を行うことができ、したがって、本願は、以下に開示される具体的な実施例に限定されない。
【0017】
なお、本願の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等の用語が記載される場合、これらの用語で示される向きや位置関係は、図面に示される向きや位置関係に基づくものであり、本願の説明の便宜上及び説明の簡略化のためのものに過ぎず、言及される装置又は要素が特定の方位を持ったり、特定の方位に構築され、動作したりしなければならないことを指示又は示唆するわけではなく、したがって、本願を限定するものとして理解すべきではない。
【0018】
また、「第1」、「第2」などの用語が記載される場合、これらの用語は説明のためにのみ使用され、相対的重要性を指示又は示唆するか、又はかかる技術的特徴の数を暗示すると理解してはいけない。したがって、「第1」、「第2」と限定された特徴は、明示的又は暗黙的に少なくとも1つの当該特徴を含むことを示すことができる。本願の説明において、「複数」という用語が記載される場合、「複数」は、特に明示的かつ具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば、2つ、3つなどを意味する。
【0019】
本願では、「取付」、「連結」、「接続」、「固定」等の用語が記載される場合、特に明示的な規定及び限定がない限り、これらの用語は広義に理解されるべきである。特に明示的に限定されない限り、例えば、固定接続や取り外し可能な接続、一体接続であってもよいし、機械的接続、電気的接続であってもよいし、直接連結、又は中間媒体を介した間接的連結、2つの要素の内部の連通、又は2つの要素の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、本願における上記用語の具体的な意味は、状況に応じて理解することができる。
【0020】
本願では、特に明示的な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるような記載がある場合、この記載は、第1及び第2特徴が直接接触しているか、又は第1及び第2特徴が中間媒体を介して間接的に接触していることを意味する。さらに、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」、及び「よりも上」にあるとは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあるか、又は単に第1特徴の高さが第2特徴よりも高いことを示す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「よりも下」にあるとは、第1特徴が第2特徴の直下又は斜め下にあるか、又は単に第1特徴の高さが第2特徴よりも低いことを示す。
【0021】
なお、ある要素が別の要素に「固定されている」又は「設定されている」と記載される場合、当該要素は直接別の要素に配置されていてもよいし、中間要素を介して配置されてもよい。ある要素が別の要素に「接続」されているとみなされる場合、当該要素は別の要素に直接接続されてもよいし、中間要素を介して接続されてもよい。本願で使用される「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」などの用語、及び類似した表現は、説明のためにのみ使用されるものであり、これが唯一の実施形態であることを意味するものではない。
【0022】
産業用オートメーション技術の急速な発展に伴い、関節ロボットは、重要な産業用オートメーション設備としてますます重要視され、ますます広く応用されている。関節ロボットでは、各自由度の動作がいずれも各関節での関節モジュールにより実現され、ここで、関節モジュールは、モータユニット、エンコーダユニット、減速機ユニットなどのコア部品を一体化した一体化構造である。関連技術では、エンコーダユニットは、エンコーダ取付ベース、内輪、中輪、入力エンコーダディスク、出力エンコーダディスク、エンコーダリードヘッド、支持材などを含み、部品点数が多く、取り付けの際には、上記の複数の部品を順次取り付けていく必要があり、取り付け手順が煩雑であった。
【0023】
関節モジュールは、ハウジング内に取り付けられ、関節ロボットを駆動して動作させる。エンコーダユニットの部品点数が多く、取り付け手順が煩雑であるという問題を解決するために、本願は、図1図3に示すように、自身の軸方向に沿って対向配置された第1端及び第2端を有する中空軸100と、中空軸100に外嵌されている減速機ユニット200と、中空軸100に外嵌され、動力出力端が減速機ユニット200を介して第1端に接続されるモータユニット300と、エンコーダ取付ベース410、外輪420、中輪430、内輪440、入力エンコーダディスク450、出力エンコーダディスク460、及びエンコーダリードヘッド470を含むエンコーダユニット400と、を含み、内輪440は、第2端に外嵌されて接続され、動力出力端に接続されている中輪430は、内輪440に外嵌されて回転可能に嵌合され、外輪420は、中輪430に外嵌されて回転可能に嵌合され、外輪420は、エンコーダ取付ベース410を介してモータユニット300に接続され、出力エンコーダディスク460は、内輪440に設けられ、入力エンコーダディスク450は、中輪430に設けられ、エンコーダリードヘッド470は、エンコーダ取付ベース410に取り付けられる、関節モジュールを提供する。
【0024】
上記の関節モジュールにおいては、減速機ユニット200及びモータユニット300はいずれも中空軸100に外嵌され、かつ、モータユニット300は、減速機ユニット200に接続されて、その動力出力端が減速機ユニット200を介して中空軸100の第1端に接続され、すなわち、モータユニット300の動力出力端から出力された動力が減速機ユニット200で減速されてから、中空軸100を回転駆動する。エンコーダユニット400の内輪440は、中空軸100の第2端に外嵌され、すなわち、モータユニット300の動力出力端から出力された動力が減速機ユニット200で減速されてから、中空軸100及び内輪440を回転駆動し、内輪440に取り付けられた出力エンコーダディスク460も回転駆動させ、それにより、出力エンコーダディスク460によって、中空軸100の回転角度が検出され表示され、中空軸100の回転数が記録される。中輪430は、内輪440に外嵌され、外輪420は、中輪430に外嵌され、エンコーダ取付ベースを介してモータユニット300に接続され、中輪430は、動力出力端に接続され、このように、動力出力端で中輪430を回転駆動し、中輪430に取り付けられた入力エンコーダディスク450も回転駆動させ、それにより、入力エンコーダディスク450によって、モータユニット300の動力出力端の回転角度が検出され表示され、動力出力端の回転数が記録される。また、動力出力端で中輪430を回転駆動する動力は減速機で減速されておらず、つまり、中輪430の回転速度は、必ず内輪440の回転速度よりも速い。エンコーダリードヘッド470によって出力エンコーダディスク460の回転角度データを読み取ると、中空軸100の回転角度及び回転数が読み取られ、エンコーダリードヘッド470によって入力エンコーダディスク450の回転角度データを読み取ると、動力出力端の回転角度及び回転数が読み取られる。本願に係る関節モジュールでは、エンコーダユニット400における内輪440、中輪430、外輪420、入力エンコーダディスク450、出力エンコーダディスク460、及びエンコーダリードヘッド470の取り付けについて、関連部品の出荷時に一括で組み立ててもよく、エンコーダユニット400及び関節モジュールの他の部材を組み立てる際には、内輪440を中空軸100の第2端に外嵌して接続し、エンコーダ取付ベースをモータユニット300に接続し、さらに、中輪430をモータユニット300の動力出力端に接続すればよく、それにより、エンコーダユニット400の取り付け手順を削減し、取り付け効率を高めることができる。
【0025】
好ましくは、図1に示すように、関節モジュールは、ブレーキ600をさらに含み、モータユニット300の動力出力端は、ブレーキ600を介してエンコーダユニット400の中輪430に接続され、ブレーキ600は、動力出力端を制動するために用いられる。
【0026】
好ましくは、図1に示すように、中空軸100には、電源に接続されたワイヤハーネス700が貫通する。
【0027】
いくつかの実施例では、図2及び図3に示すように、エンコーダユニット400は、内輪440と中輪430との間に設けられた第1転動体480をさらに含み、内輪440は、第1転動体480を介して中輪430に回転可能に嵌合される。内輪440と中輪430との間に第1転動体480が設けられることによって、内輪440が中輪430に対して回転可能に嵌合することが可能になる。具体的には、第1転動体480は、ボール、針状ころ又はローラであってもよい。
【0028】
好ましくは、第1転動体480における中空軸100の軸方向に沿う両側には、サイドカバーが設けられており、サイドカバー内には、第1転動体480の転動に必要なグリースや潤滑油が収容され得る。
【0029】
いくつかの実施例では、図3及び図4に示すように、内輪440には、第1転動体480を収納するための第1転動路443が設けられている。内輪440に第1転動路443が設けられることにより、第1転動体480の収納が容易になる。
【0030】
具体的には、図1図3及び図4に示すように、内輪440は、中空軸100の軸方向に沿って並んでいる第1接続部441及び第2接続部442を含み、第1接続部441は、第2接続部442よりもモータユニット300に近い側に位置し、第1接続部441及び第2接続部442は環状であり、第1接続部441の径方向寸法は第2接続部442の径方向寸法よりも大きい。第1接続部441の外周面には、第1転動路443が設けられており、第1接続部441は、第2接続部442に接続された第1端面447を有し、第1端面447には、軸方向に延びる第1取付フランジ444が設けられており、出力エンコーダディスク460は、その側壁が第1端面447に密着するように第1取付フランジ444に外嵌されて装着される。第1接続部441の外周面に第1転動路443が設けられることによって、第1転動体480の収納が容易になる。第1接続部441の第2接続部442に接続された第1端面447に第1取付フランジ444が設けられ、出力エンコーダディスク460が第1取付フランジ444に外嵌されて装着され、かつ、出力エンコーダディスク460の側壁が第1端面447に密着することにより、出力エンコーダディスク460の取り付けが容易になる。
【0031】
より具体的には、図1図3及び図4に示すように、第1取付フランジ444は、環状であり、第1取付フランジ444の径方向寸法は第1接続部441の径方向寸法よりも小さく、かつ、第2接続部442の径方向寸法よりも大きい。
【0032】
具体的には、図2図4に示すように、内輪440の第1接続部441には、第1軸方向貫通孔445が設けられており、内輪440の第2接続部442には、第1軸方向貫通孔445に連通する第2軸方向貫通孔446が設けられており、かつ、第1軸方向貫通孔445の径方向寸法は、第2軸方向貫通孔446の径方向寸法よりも大きい。第1軸方向貫通孔445及び第2軸方向貫通孔446が設けられることによって、第1軸方向貫通孔445及び第2軸方向貫通孔446に中空軸100が挿通される。
【0033】
いくつかの実施例では、図1図2及び図4に示すように、関節モジュールは、エンコーダユニット400のうちモータユニット300側とは反対側に位置するリアカバー500をさらに含み、リアカバー500は、第2接続部442に外嵌され、かつ、エンコーダ取付ベース410に接続され、リアカバー500と第2接続部442との間には接続部材510が設けられており、リアカバー500は、接続部材510を介して第2接続部442に回転可能に嵌合される。リアカバー500を第2接続部442に外嵌するとともにエンコーダ取付ベース410に接続することにより、リアカバー500とエンコーダユニット400のモータユニット300側とは反対側との間に密閉空間が形成されるようにリアカバー500でエンコーダユニット400のモータユニット300側とは反対側が密閉される。つまり、入力エンコーダディスク450、出力エンコーダディスク460、及びエンコーダリードヘッド470はいずれも当該密閉空間内にあり、入力エンコーダディスク450、出力エンコーダディスク460、及びエンコーダリードヘッド470がリアカバー500によって密閉され、これにより、外部の埃が入力エンコーダディスク450、出力エンコーダディスク460、及びエンコーダリードヘッド470内へ侵入して入力エンコーダディスク450、出力エンコーダディスク460、及びエンコーダリードヘッド470の測定精度に影響することを回避できる。接続部材510は、リアカバー500と第2接続部442との間に設けられ、接続部材510によってリアカバー500が第2接続部442に対して回転可能に嵌合される。具体的には、接続部材510は、滑り軸受や転がり軸受であってもよい。
【0034】
好ましくは、図1図3及び図4に示すように、内輪440の第2接続部442には、接続部材510を軸方向に制限するための肩が設けられている。
【0035】
いくつかの実施例では、図1図3及び図5に示すように、中輪430は、環状であり、モータユニット300側とは反対側の第2端面435を有し、第2端面435には、軸方向に沿ってモータユニット300に近い側へ延びる収納キャビティ431が設けられ、第1接続部441は収納キャビティ431内に設けられ、収納キャビティ431の内壁には、第1転動体480を収納するための第2転動路432が設けられている。収納キャビティ431の内壁に第2転動路432を設け、内輪440の第1接続部441を中輪430の収納キャビティ431内に挿入することにより、第1転動路443内に設けられた第1転動体480の一部は第2転動路432内に位置し、これにより、中輪430は第1転動体480によって内輪440に回転可能に嵌合される。
【0036】
具体的には、内輪440の第1接続部441が中輪430の収納キャビティ431内に挿入されたときに、第1転動路443及び第2転動路432は、軸方向に垂直な方向に間隔を空けて設けられる。
【0037】
好ましくは、図2図3及び図5に示すように、内輪440には、第1軸方向貫通孔445に連通する第3軸方向貫通孔433が設けられ、かつ、第3軸方向貫通孔433の径方向寸法は、第1軸方向貫通孔445の寸法よりも大きく、第3軸方向貫通孔433には中空軸100が挿通される。
【0038】
具体的には、図2図3及び図5に示すように、第3軸方向貫通孔433は、孔径が中空軸100の軸方向においてリアカバー500に近づくにしたがって小さくなる段差孔である。
【0039】
いくつかの実施例では、図2及び図3に示すように、エンコーダユニット400は、中輪430と外輪420との間に設けられた第2転動体490をさらに含み、中輪430は、第2転動体490を介して外輪420に回転可能に嵌合される。中輪430と外輪420との間に第2転動体490が設けられることによって、中輪430が外輪420に回転可能に嵌合されることが可能になる。具体的には、第2転動体490は、ボール、針状ころ又はローラであってもよい。
【0040】
好ましくは、第2転動体490における中空軸100の軸方向に沿う両側には、サイドカバーが設けられており、サイドカバー内には、第2転動体490の転動に必要なグリースや潤滑油が収容され得る。
【0041】
いくつかの実施例では、図3及び図5に示すように、中輪430には、その周方向に延びる、第2転動体490を収納するための第3転動路434が設けられている。中輪430に第3転動路434が設けられることによって、第2転動体490が収納される。
【0042】
いくつかの実施例では、図3及び図6に示すように、外輪420には、その周方向に延びる、第2転動体490を収納するための第4転動路421が設けられている。外輪420に第4転動路421が設けられることによって、第2転動体490が収納される。
【0043】
いくつかの実施例では、図3図5及び図6に示すように、中輪430には、その周方向に延びる、第2転動体490を収納するための第3転動路434が設けられており、かつ、外輪420には、その周方向に延びる、第2転動体490を収納するための第4転動路421が設けられている。第2転動体490は第3転動路434及び第4転動路421の両方により収納される。具体的には、外輪420が中輪430に外嵌された場合、第3転動路434及び第4転動路421は、軸方向に垂直な方向に間隔を空けて設けられる。
【0044】
いくつかの実施例では、図2及び図5に示すように、中輪430は、環状であり、モータユニット300側とは反対側の第2端面435を有し、第2端面435には、軸方向に延びる第2取付フランジ436が設けられ、入力エンコーダディスク450は、その側壁が第2端面435に密着するように第2取付フランジ436に外嵌される。第2端面435に第2取付フランジ436が凸設され、入力エンコーダディスク450が第2取付フランジ436に外嵌されるとともに、入力エンコーダディスク450の側壁が第2端面435に密着することによって、入力エンコーダディスク450を取り付けることが容易になる。
【0045】
以上のように、図2図3及び図5に示すように、中輪430は、環状であり、モータユニット300側とは反対側の第2端面435を有し、第2端面435には、軸方向に沿ってモータユニット300に近い側へ延びる収納キャビティ431が設けられており、第1接続部441が収納キャビティ431内に設けられ、収納キャビティ431の内壁には、第2転動路432が設けられており、中輪430の外周面には、その周方向に延びる第4転動路421が設けられており、また、第2端面435には、軸方向に延びる第2取付フランジ436が設けられている。
【0046】
また、本願は、ハウジングと、ハウジングに取り付けられる上記関節モジュールとを含む関節ロボットをさらに提供する。関節モジュールは、ハウジング内に取り付けられ、関節ロボットを駆動して動作させる。
【0047】
上記の実施例の各構成要件は任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、上記の実施例における各構成要件の可能なすべての組み合わせについては記述していないが、これらの構成要件の組み合わせに矛盾がない限り、すべて本願に記載された範囲であるとみなすべきである。
【0048】
なお、上記の実施例は、本願のいくつかの実施形態を表現したものに過ぎず、その説明はより具体的かつ詳細であるが、それによって特許出願の範囲を限定するものと理解することはできない。当業者にとっては、本願の構想から逸脱することなく若干の変形及び改良を加えることができ、これらは、いずれも本願の保護範囲に属する。したがって、本願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとする。
【符号の説明】
【0049】
100 中空軸、
200 減速機ユニット、
300 モータユニット、
400 エンコーダユニット、
410 エンコーダ取付ベース、
420 外輪、
421 第4転動路、
430 中輪、
431 収納キャビティ、
432 第2転動路、
433 第3軸方向貫通孔、
434 第3転動路、
435 第2端面、
436 第2取付フランジ、
440 内輪、
441 第1接続部、
442 第2接続部、
443 第1転動路、
444 第1取付フランジ、
445 第1軸方向貫通孔、
446 第2軸方向貫通孔、
447 第1端面、
450 入力エンコーダディスク、
460 出力エンコーダディスク、
470 エンコーダリードヘッド、
480 第1転動体、
490 第2転動体、
500 リアカバー、
510 接続部材、
600 ブレーキ、
700 ワイヤハーネス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7